JP2003250904A - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents

医療用ガイドワイヤ

Info

Publication number
JP2003250904A
JP2003250904A JP2002052959A JP2002052959A JP2003250904A JP 2003250904 A JP2003250904 A JP 2003250904A JP 2002052959 A JP2002052959 A JP 2002052959A JP 2002052959 A JP2002052959 A JP 2002052959A JP 2003250904 A JP2003250904 A JP 2003250904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating layer
guide wire
wire
medical guide
medical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002052959A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Watanabe
昇 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2002052959A priority Critical patent/JP2003250904A/ja
Publication of JP2003250904A publication Critical patent/JP2003250904A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 体内に挿入された医療用ガイドワイヤの造影
性を保持しつつ、ポリウレタン樹脂等の被覆層の表面に
形成された親水性コート層が剥がれ難く、血管内にスム
ーズに挿入できる効果が保持される医療用ガイドワイヤ
を提供すること。 【解決手段】 先端側内芯部及び本体側内芯部を有し、
広歪範囲高弾性Ni−Ti系合金ワイヤからなる芯線
と、前記芯線の全体を被覆する、ポリウレタン樹脂10
0重量部と、これに対してタングステン微粉末50重量
部を配合してなる第1被覆層と、前記第1被覆層を被覆
するポリウレタン樹脂からなる第2被覆層と、前記第2
被覆層の表面に形成されたポリエチレンオキサイドから
なる親水性コート層と、を有する医療用ガイドワイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用ガイドワイ
ヤに関し、詳しくは、カテーテル等の挿入を案内するた
めに体腔内に挿入される医療用ガイドワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カテーテル治療に際して、橈骨動
脈や上腕動脈から医療用ガイドワイヤを挿入する方法が
多く行われている。血管内等に挿入された医療用ガイド
ワイヤの位置を体外から把握するためには、一般に、医
療用ガイドワイヤは、タングステン粉末等の高エックス
線造影材を配合したポリウレタン樹脂等によって被覆層
が形成されている。
【0003】また、さらに、ポリウレタン樹脂等の前記
被覆層の表面に無水マレイン酸エチルエステル共重合体
等による親水性コート層が形成されており(例えば、特
開7−275366号公報等)、大腿動脈より細い血
管、あるいは曲がりくねった血管にスムーズに挿入さ
れ、かつトルク伝達性が低下することを防いでいる。
【0004】しかし、体内の医療用ガイドワイヤの造影
性を高めるべく、前記タングステン粉末等の高エックス
線造影材を多量に配合すると、ポリウレタン樹脂等の被
覆層の表面が粗くなるために、親水性コート層が剥がれ
易くなり、医療用ガイドワイヤを血管内にスムーズに挿
入できなくなるという問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、体内
に挿入された医療用ガイドワイヤの造影性を保持しつ
つ、ポリウレタン樹脂等の被覆層の表面に形成された親
水性コート層が剥がれ難く、血管内にスムーズに挿入で
きる効果が保持される医療用ガイドワイヤを提供するこ
とにある。本発明者は、前記問題を解決すべく検討した
結果、タングステン粉末を配合したポリウレタン樹脂の
被覆層の外側にさらにポリウレタン樹脂による被覆層を
設けることにより、親水性コート層が剥がれ難くなるこ
とを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至っ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、以下の(1)〜(7)が提供される。 (1)先端側内芯部及び本体側内芯部を有する芯線と、
前記芯線の全体を被覆する、高分子材料及び高エックス
線造影剤からなる第1被覆層と、前記第1被覆層を被覆
する高分子材料からなる第2被覆層と、前記第2被覆層
の表面に形成された親水性コート層と、を有する医療用
ガイドワイヤ。 (2)医療用ガイドワイヤの外径が長手方向にわたり同
一である、前記(1)に記載された医療用ガイドワイ
ヤ。 (3)前記先端側内芯部の外径が芯線の本体側から長手
方向先端に向けて連続的減少する、前記(1)に記載さ
れた医療用ガイドワイヤ。 (4)前記芯線が広歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合
金ワイヤから形成されている、前記(1)に記載された
医療用ガイドワイヤ。 (5)前記高エックス線造影剤がタングステン金属粉で
ある、前記(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。 (6)前記高分子材料がポリウレタンである、前記
(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。 (7)前記親水性コート層がポリエチレンオキサイドか
らなる前記(1)に記載された医療用ガイドワイヤ。
【0007】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳述する。本発明
の医療用ガイドワイヤは、先端側内芯部及び本体側内芯
部を有する芯線と、前記芯線の全体を被覆する、高分子
材料及び高エックス線造影剤からなる第1被覆層と、前
記第1被覆層を被覆する高分子材料からなる第2被覆層
と、前記第2被覆層の表面に形成された親水性コート層
と、を有するものである。
【0008】本発明の医療用ガイドワイヤ全体の外径
は、約0.25〜約1.05mm、好ましくは0.3〜
0.65mmである。
【0009】本発明の医療用ガイドワイヤにおける芯線
は、先端側内芯部及び本体側内芯部を有するものであ
る。前記芯線の先端側とは、例えば、体孔内に挿入され
る医療用具(シースイントロデューサー、バルーンカテ
ーテル等)とともに使用される際に、前記医療用具中に
挿入される側の部分をいう。
【0010】前記芯線の先端側内芯部の範囲は、芯線の
全体長の中、先端から本体側の長手方向に向かって2〜
50%、好ましくは5〜30%迄の部分である。前記先
端側内芯部の形状は、芯線の外形が、本体側から先端部
に向けて連続的に減少するようにテーパー形状をなして
いることが好ましい。
【0011】前記本体側内芯部は、芯線の全体の中、前
記先端側内芯部を除いた部分であって芯線の全体長の
中、50〜98%、好ましくは70〜95%を占める部
分である。
【0012】前記芯線の断面形状は、通常、円形であ
り、その直径は先端部と本体部とで異なってもよく、ま
た、本体部と後端部とで異なっても良い。先端側内芯は
先端に向けて連続的に外径が減少するテーパ部を設けて
も良い。親水性コート層により被覆された医療用ガイド
ワイヤ全体の外径は、長手方向に同一である。ただし両
端は丸みを帯びることが好ましい。
【0013】本発明の医療用ガイドワイヤの芯線の長手
方向全体の長さは、とくに限定されないが、通常約10
〜1,000cm、好ましくは20〜500cmであ
る。先端側内芯部の長さはとくに限定されないが、通常
約1〜50cmであり、好ましくは2〜30cmであ
る。芯線の本体側内芯部の外径は、0.1〜1.5mm
であり、好ましくは0.3〜0.6mmである。また、
後端側内芯部の外径は、先端側と同様に後端部に向けて
連続的に減少しても良い。
【0014】本発明の医療用ガイドワイヤにおける芯線
の材料はとくに限定されないが、通常、ステンレス鋼、
鉄、Ni−Ti系合金などの種々の金属が使用される。
なお、本発明の医療用ガイドワイヤにおける芯線は、通
常、前記先端側内芯部と本体側内芯部とが一体に形成さ
れているものであるが、前記先端側内芯部と本体側内芯
部とをそれぞれ別々の金属を用いて成形し、これらを溶
接または接着剤等の接合手段により一体に形成したもの
であってもよい。この場合、前記先端側内芯部と本体側
内芯部との境界付近においては、それぞれの部分の芯線
の外径が同一であることが好ましい。
【0015】本発明の医療用ガイドワイヤにおける芯線
の材料としてNi−Ti系合金を用いることが好まし
く、なかでも、広歪範囲高弾性Ni−Ti系合金ワイヤ
から構成されていることがより好ましい。芯線の材料と
して広歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合金ワイヤを使
用した場合には、広歪範囲高弾性Ni−Ti系合金ワイ
ヤが有する柔軟性及びトルク伝達性との両方を備えた医
療用ガイドワイヤとして機能するからである。広歪範囲
高弾性Ni−Ti系合金ワイヤは、冷間伸線加工後に熱
処理も施すことなく、機械的矯正加工を行うことによっ
て、材料特性と真直度を改善し、応力マルテンサイト変
態を示さない性質のニッケル−チタン系合金ワイヤであ
る(例えば、特開2000−140124号公報)。
【0016】前記高歪範囲高弾性ニッケル−チタン系合
金ワイヤは、通常、引張り試験における応力−ひずみ特
性において、降伏点または変曲点が見られず、見かけの
弾性率Eは300kgf/cm(29.4GPa)以
上であり、4%以上に延伸した後に除荷した際に、ひず
み2%負荷時と除荷時の応力差が15kgf/cm
(147MPa)以下であり、残留ひずみZが0.1
5%以下の性能を有し、広いひずみ範囲で高弾性的な性
質を示すものである。
【0017】前記広歪範囲高弾性ニッケル−チタン合金
としては、(1)Niを50.2〜51.5at%有
し、残部がTiからなるNi−Ti系合金、(2)Ni
を49.8〜51.5at%有し、さらにCr、Fe、
V、Al、Cu、Co、Moの中から1種又は2種以上
を0.1at%含有し、残部がTiからなるNi−Ti
系合金、(3)Tiを49.0〜51.0at%、Cu
を5.0〜12.0at%、さらにCr、Fe、V、A
l、Co、Moの中の1種または2種以上を0.1〜
2.0at%含有し、残部がNiからなるNi−Ti−
Cu系合金が用いられる。
【0018】このような広歪範囲高弾性Ni−Ti合金
ワイヤは、又、例えば、古河電工株式会社よりNTワイ
ヤー(FHP−NT)として市販されている。
【0019】本発明の医療用ガイドワイヤは、前記芯線
の全体を被覆する、高分子材料及び高エックス線造影剤
からなる第1被覆層を有するものである。第1被覆層の
厚さはとくに限定されないが、通常、芯線の全体を被覆
する第1被覆層を含めた全体の外径φは、約0.25
〜約1.05mm、好ましくは0.3〜0.65mmの
範囲になるように、第1被覆層の厚さが決められる。
【0020】前記第1被覆層は、高分子材料100重量
部とこれに対して高エックス線造影材20〜200重量
部、好ましくは30〜100重量部を配合してなる高分
子材料組成物から形成される。前記高分子材料として
は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレ
ン、フッ素樹脂、シリコンゴムもしくは各々のエラスト
マーおよび複合材料等が好適に使用される。なかでも、
ポリウレタン樹脂が好ましい。
【0021】前記高エックス線造影材としては、特に限
定されないが、例えば、バリウム、タングステン、ビス
マス、鉛等の金属単体もしくはこれらの金属化合物によ
る微粉末状のエックス線造影性物質が挙げられる。なか
でも、タングステンの微粉末が好ましい。高エックス線
造影材は、粒径1〜10μm程度の微粉末であることが
好ましい。
【0022】本発明の医療用ガイドワイヤは、前記芯線
の全体を被覆する第1被覆層の外側を、さらに、高分子
材料からなる第2被覆層を有するものである。第2被覆
層の厚さはとくに限定されないが、通常、0.05〜
0.2mmである。第2被覆層を形成する高分子材料と
しては、前記第1被覆層において例示したものと同一の
ものが使用される。
【0023】芯線の全体を高分子材料と高エックス線造
影材からなる第1被覆層及び高分子材料からなる第2被
覆層で覆う方法は特に限定されていないが、例えば、芯
線を、高分子材料と高エックス線造影材とを適当な溶剤
を用いて調製した第1の溶液中に浸漬し、その後、高分
子材料を適当な溶剤を用いて調製した第2の溶液中に浸
漬して乾燥するコーティング方法;芯線に、高分子材料
と高エックス線造影材とからなる組成物を用いて第1の
チューブを調製し、これを芯線に被せて熱収縮し、次に
高分子材料を用いて調製した第2のチューブを被せて熱
収縮する方法;また、芯線と、予めそれぞれ調製した、
高分子材料と高エックス線造影材とからなる第1の組成
物と、高分子材料からなる第2の組成物とを、押出機を
用いて一体に押出し成形する方法等が挙げられる。
【0024】本発明の医療用ガイドワイヤの表面には、
親水性材料からなる親水性コート層が形成されている。
親水性コート層の厚さは、通常乾燥厚さで、約0.3〜
約100μm、好ましくは0.5〜80μmであり、特
に好ましくは1〜30μmである。
【0025】前記親水性コート層を形成する親水性材料
としては、各種の天然水溶性高分子物質及び合成水溶性
高分子物質が使用できる。天然水溶性高分子物質とし
て、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン
などのデンプン系;カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロースなどのセルロース系;タンニ
ン、リグニン系、アルギン酸、アラビアゴムヘパリン、
キチン、キトサンなどの多糖類;ゼラチン、カゼインな
どのタンパク質などが例示できる。
【0026】合成水溶性高分子物質としては、ポリビニ
ルアルコール;ポリアルキレンオキサイド系として、ポ
リエチレンオキサイド;ポリアルキレンギリコール系と
して、ポリエチレングリコール:アクリル酸系として、
ポリアクリル酸ソーダ;無水マレイン酸系として、メチ
ルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、メチルビニ
ルエーテル無水マレイン酸ソーダ、メチルビニルエーテ
ル無水マレイン酸アンモニウム塩、無水マレイン酸エチ
ルエステル共重合体;フタル酸系として、ポリヒドロキ
シエチルフタル酸エステル;水溶性ポリエステルとし
て、ポリジメチロールプロピオン酸エステル;アクリル
アミド系として、ポリアクリルアミド加水分解物、ポリ
アクリルアミド四級化物、サラニ、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンスルホネート、
水溶性ナイロンなどが例示される。
【0027】本発明の医療用ガイドワイヤにおいては、
前記親水性コート層を形成する親水性材料としては、こ
れらのなかでも、ポリアルキレンオキサイド系が好まし
く、特にポリエチレンオキサイド(PEO)が好適であ
る。
【0028】本発明の医療用ガイドワイヤの表面を、P
EOを用いて親水性コート層を形成する方法は特に限定
されないが、例えば以下の方法を採用することができ
る。例えば、ポリウレタン樹脂からなる第2被覆層を形
成した医療用ガイドワイヤの表面にジイソシアネート化
合物を接触させ、次に、ポリエチレンオキサイド及び塩
基とを接触させることにより親水性コート層を設けるこ
とができる。塩基としては、ジシクロアミジンが好まし
く、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウ
ンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.2]
ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オ
クタン(DABCO)等が例示できる。
【0029】
【作用】本発明の医療用ガイドワイヤは、体内に挿入さ
れた医療用ガイドワイヤの造影性を保持しつつ、ポリウ
レタン樹脂等の被覆層の表面に形成された親水性コート
層が剥がれ難く、血管内にスムーズに挿入できる効果が
保持される。
【0030】以下に本発明の実施態様に基づき本発明を
説明する。図1は、本発明の実施態様の一つである医療
用ガイドワイヤの断面図である。また、図2は、図1の
I−I線における拡大断面図である。
【0031】本実施態様の医療用ガイドワイヤ1は、先
端側内芯部3及び本体側内芯部4からなる芯線2が一体
に構成され、芯線2は、広歪範囲高弾性ニッケル−チタ
ン系合金ワイヤにより形成されている。芯線2の全体
は、ポリウレタン樹脂とタングステン微粉末からなる第
1被覆層6で被覆され、さらにその外側をポリウレタン
樹脂からなる第2被覆層7が形成され、第2被覆層の表
面にはPEOからなる親水性コート層8が設けられて
る。
【0032】芯線の断面は、図2に示すように円形であ
り、その直径φ1は、本実施態様では、0.5mmであ
る。本実施態様では芯線2の長手方向全体の長さL
は、120cmである。先端側内芯部3の長さL
は、本実施態様では、5cmである。本実施態様で
は、先端側内芯部3の外径は、先端部の方向に0.5m
mから0.05mmまで減少するテーパ部が設けられて
いる。テーパ部の長さLは120mmである。
【0033】本実施態様では、第1被覆層6は、ポリウ
レタン樹脂100重量部と、これに対して、粒径4μm
のタングステン微粉末50重量部を配合したものから形
成されている。芯線2と第1被覆層6とを含めた外径φ
は、本実施態様では、0.64mmである。本実施態
様では、第2被覆層7は、ポリウレタン樹脂から形成さ
れている。芯線2と第1被覆層6及び第2被覆層7とを
含めた医療用ガイドワイヤ全体の外径φは、本実施態
様では、0.9mmである。
【0034】本実施態様では、第2被覆層7の表面に
は、PEOによって親水性コート層が形成されており、
その膜厚は20μmである。本実施態様では下記のよう
に第2被覆層7の表面に親水性コート層を設けた。 第1被覆層6及び第2被覆層7によって被覆された医
療用ガイドワイヤを、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートのメチルエチルケトン(MEK)溶液(濃
度:5〜30%)に浸漬し、 引き上げて、数分間以上風乾し、 次いで、分子量40万のPEOのMEK溶液(濃度1
〜20%)と、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]
オクタンのMEK溶液(濃度0.1〜5%)とにそれぞ
れ10秒間浸漬し、 引き上げて、数分間風乾し、 さらに、30〜50℃において1〜20時間加熱処理
し、 その後、水洗して未反応のPEOを除去した。
【0035】
【実施例】前記実施態様で説明した医療用ガイドワイヤ
について、性能評価を行った。 (1)性能評価を行った医療用ガイドワイヤ 前記実施態様の医療用ガイドワイヤの仕様 芯線の全長:120cm、先端直径:0.05mm、内
芯部直径:0.5mm、先端側内芯部長さ:5cm、テ
ーパ部長さ:120mm、芯線の金属:Niを51%含
有し、残部がTiからなる広歪範囲高弾性ニッケル−チ
タン系合金ワイヤ、第1被覆層:ポリウレタン樹脂10
0重量部と、これに対してタングステン粉末50重量部
配合したポリウレタン樹脂組成物、芯線と第1被覆層と
を含めた外径は0.64mm、第2被覆層:ポリウレタ
ン樹脂からなる、親水性コート層:PEOによりコーテ
ィングし、膜厚は50μm、医療用ガイドワイヤ全体の
外径φは、0.9mmである。 比較実験のための医療用ガイドワイヤの仕様 芯線の全長:120cm、先端直径:0.05mm、内
芯部直径:0.5mm、先端側内芯部長さ:5cm、テ
ーパ部長さ:120mm、芯線の金属:Niを51%含
有し、残部がTiからなる広歪範囲高弾性ニッケル−チ
タン系合金ワイヤ、被覆層:ポリウレタン樹脂100重
量部と、これに対してタングステン粉末50重量部配合
したポリウレタン樹脂組成物、親水性コート層:PEO
によりコーティングし、膜厚は50μm、医療用ガイド
ワイヤ全体の外径φは、0.65mmである。
【0036】(2)性能評価方法 直径20mm、厚さ10mmのシリコーン樹脂製円形
板の中央に、上下に貫通する直径0.8mmの貫通孔を
設け、前記実施態様の医療用ガイドワイヤを、前記貫通
孔に先端部から挿入して抜き取る操作を10回行った。
その後、前記実施態様の医療用ガイドワイヤから試験片
を調製し、後述する湿潤性試験を行った。 直径20mm、厚さ10mmのシリコーン樹脂製円形
板の中央に、上下に貫通する直径0.6mmの貫通孔を
設け、前記比較実験のための医療用ガイドワイヤを、前
記貫通孔に先端部から挿入して抜き取る操作を10回行
った。その後、前記比較実験のための医療用ガイドワイ
ヤから試験片を調製し、後述する湿潤性試験を行った。 湿潤性試験 前記操作を行った医療用ガイドワイヤと、操作を行う前
の医療用ガイドワイヤとを、それぞれ長さ約5cmに切
断して試験片とする。次に加硫ゴムシート(幅5cm、
長さ25cm、厚さ10mm)の表面に形成したV字型
の溝(幅5mm、深さ2mm、長さ25cm)の上に置
き、これらの全体を37℃の水槽内に水平に入れた後、
ゴムシートを傾斜させて医療用ガイドワイヤの試験片が
滑り落ちるときの傾斜角度(θ)の正接(tanθ)を
静摩擦係数として測定した。数値が小さいほど、湿潤性
が付与されている。 (3)性能評価結果 本実施態様の医療用ガイドワイヤについての湿潤性付与
試験では、前記の操作を行う前の医療用ガイドワイヤ
の静止摩擦係数が0.2(試験10回の平均値)であ
り、前記の操作を行った後の医療用ガイドワイヤの静
止摩擦係数が0.25(試験10回の平均値)であり、
良好な湿潤性が保持されていた。
【0037】これに対して、前記比較実験のための医療
用ガイドワイヤについての湿潤性付与試験では、前記
の操作を行う前の医療用ガイドワイヤの静止摩擦係数が
0.2(試験10回の平均値)であったが、前記の操
作を行った後の医療用ガイドワイヤの静止摩擦係数が
0.6(試験10回の平均値)であり、湿潤性が低下し
た。
【0038】
【発明の効果】かくして本発明によれば、体内に挿入さ
れた医療用ガイドワイヤの造影性を保持しつつ、ポリウ
レタン樹脂等の被覆層の表面に形成された親水性コート
層が剥がれ難く、血管内にスムーズに挿入できる効果が
保持された医療用ガイドワイヤが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る医療用ガイドワイヤ
の長手方向断面の概略図である。
【図2】図1に示した医療用ガイドワイヤのI−I線に
おける長手方向に垂直な断面の概念図である。
【符号の説明】
1 医療用ガイドワイヤ 2 芯線 3 テーパ部 4 先端側内芯部 5 本体側内芯部 6 第1被覆層 7 第2被覆層 8 親水性コート層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端側内芯部及び本体側内芯部を有する
    芯線と、前記芯線の全体を被覆する、高分子材料及び高
    エックス線造影剤からなる第1被覆層と、前記第1被覆
    層を被覆する高分子材料からなる第2被覆層と、前記第
    2被覆層の表面に形成された親水性コート層と、を有す
    る医療用ガイドワイヤ。
  2. 【請求項2】 医療用ガイドワイヤの外径が長手方向に
    わたり同一である請求項1に記載された医療用ガイドワ
    イヤ。
  3. 【請求項3】 前記先端側内芯部の外径が芯線の本体側
    から長手方向先端に向けて連続的減少する請求項1に記
    載された医療用ガイドワイヤ。
  4. 【請求項4】 前記芯線が広歪範囲高弾性ニッケル−チ
    タン系合金ワイヤから形成されている請求項1に記載さ
    れた医療用ガイドワイヤ。
  5. 【請求項5】 前記高エックス線造影剤がタングステン
    である請求項1に記載された医療用ガイドワイヤ。
  6. 【請求項6】 前記高分子材料がポリウレタンである請
    求項1に記載された医療用ガイドワイヤ。
  7. 【請求項7】 前記親水性コート層がポリエチレンオキ
    サイドからなる請求項1に記載された医療用ガイドワイ
    ヤ。
JP2002052959A 2002-02-28 2002-02-28 医療用ガイドワイヤ Pending JP2003250904A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002052959A JP2003250904A (ja) 2002-02-28 2002-02-28 医療用ガイドワイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002052959A JP2003250904A (ja) 2002-02-28 2002-02-28 医療用ガイドワイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003250904A true JP2003250904A (ja) 2003-09-09

Family

ID=28664515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002052959A Pending JP2003250904A (ja) 2002-02-28 2002-02-28 医療用ガイドワイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003250904A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107510864A (zh) * 2017-04-10 2017-12-26 深圳麦普奇医疗科技有限公司 一种防滑脱介入医学用亲水导丝及其制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107510864A (zh) * 2017-04-10 2017-12-26 深圳麦普奇医疗科技有限公司 一种防滑脱介入医学用亲水导丝及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0429481B1 (en) Nylon-peba copolymer catheter
US6451005B1 (en) Catheter
JP3659664B2 (ja) 医療用チューブ
JP2540211B2 (ja) ガイドワイヤ―
EP0631791A1 (en) Vascular catheter
JPH03188875A (ja) カテーテル
JP2001190681A (ja) カテーテル
EP2982390A1 (en) Medical device and method for manufacturing medical device
JP2000197704A (ja) 医療用チューブおよびその製造方法
WO2000066211A1 (fr) Catheter a fil-guide
JP4312875B2 (ja) 医療用ガイドワイヤ及びその製造方法
JP2000116788A (ja) カテーテル
JP2005525883A (ja) 放射線不透過性及びmri適合性カテーテルブレイド
JPH03198868A (ja) 血管造影用カテーテル
JP3761216B2 (ja) 医療用ガイドワイヤ及びその製造法
JP2003250905A (ja) 医療用ガイドワイヤ
JP3756086B2 (ja) 医療用ガイドワイヤの製造方法
JP2003250904A (ja) 医療用ガイドワイヤ
JPH07265432A (ja) 加工硬化型非形状記憶合金製カテーテル
JPWO2002078779A1 (ja) 医療用ガイドワイヤ
JP7474589B2 (ja) ガイドワイヤ、ガイドワイヤの製造方法
JP5196769B2 (ja) ガイドワイヤ
JPH0759861A (ja) カテーテル
JP4744129B2 (ja) カテーテルチューブ
JP3288619B2 (ja) ガイドワイヤー