JP2003250236A - 同期電動機 - Google Patents

同期電動機

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JP2003250236A
JP2003250236A JP2002047513A JP2002047513A JP2003250236A JP 2003250236 A JP2003250236 A JP 2003250236A JP 2002047513 A JP2002047513 A JP 2002047513A JP 2002047513 A JP2002047513 A JP 2002047513A JP 2003250236 A JP2003250236 A JP 2003250236A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステータの磁気特性を損なうことなく、組み
立て工程を低減できる同期電動機を提供する。 【解決手段】 固定子コイルが巻き回されるティースを
備えたステータを複数枚、厚さ方向に積層・固定して用
いる同期電動機であって、該ステータを構成するヨーク
と前記ティースとを一体として二方向性電磁鋼板から切
り出した構造とし、かつ、該ヨークおよびティースの主
磁束の方向が前記二方向性電磁鋼板のいずれかの磁化容
易方向と一致していることを特徴とする同期電動機。好
ましくは、ティースの先端部がテーパを有する先細り形
状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定子コイルが巻
き回されるティースを備えたステータを複数枚、厚さ方
向に積層・固定して用いる同期電動機に関する。具体的
には、ステータに配置される積層体に電磁鋼板を用いた
永久磁石同期電動機に関する。
【０００２】
【従来の技術】永久磁石同期電動機は、ステータ（固定
子）に電流を流すことにより発生する磁場が、ロータ
（回転子）に埋め込まれた永久磁石に働いて、ロータが
回転する同期電動機であって、保守性、制御性、耐環境
性に優れ、高効率、高力率運転が可能なモータとして産
業・民生家電分野を問わず広く用いられている。図１０
および図１１は、従来の同期電動機の断面を示してお
り、ヨーク２およびティース３からなるステータ１の中
心に、ロータ５が配置されている。ロータ５には永久磁
石４が埋め込まれており、ステータ１に三相交流を流す
ことにより発生する磁場が、この永久磁石４に働くこと
によりロータ５が回転する。
【０００３】従来、同期電動機のステータは、鉄損を低
減するために無方向性電磁鋼板（ＮＯ）を積層すること
により作られていた。無方向性電磁鋼板は、図７に示す
ように、鋼板表面のどの方向にも一様な比透磁率を有す
る鋼板であって、比較的鉄損の小さい材料として広く用
いられているが、長時間連続運転する同期電動機のステ
ータに用いる材料としては十分な磁気特性が得られてい
なかった。
【０００４】同期電動機に用いられる電磁鋼板の種類に
ついては、特開平７−６７２７２号公報に、ステータの
ヨークには円周方向を磁化容易方向とする方向性電磁鋼
板（ＧＯ）を用い、ティースには径方向を磁化容易方向
とする方向性電磁鋼板を用いることにより鉄損を低減す
る方法が開示されている。しかし、この先行技術はヨー
クとティースを別体とする複雑な構造となっており、ヨ
ークとティースとを別々の鋼板から切り出してステータ
に組み込む必要があるため、組み立て工程が多く製造コ
ストが高いという問題点があった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記のよう
な従来技術の問題点を解決し、ステータの磁気特性を損
なうことなく、組み立て工程を低減できる同期電動機を
提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヨークとティ
ースを一体として一枚の二方向性電磁鋼板から切り出す
ことにより、ステータの磁気特性を損なうことなく、組
み立て工程を低減できる同期電動機を提供するものであ
り、その要旨は特許請求の範囲に記載した通りの下記内
容である。
【０００７】（１）固定子コイルが巻き回されるティー
スを備えたステータを複数枚、厚さ方向に積層・固定し
て用いる同期電動機であって、該ステータを構成するヨ
ークと前記ティースとを一体として二方向性電磁鋼板か
ら切り出した構造とし、かつ、該ヨークおよびティース
の主磁束の方向が前記二方向性電磁鋼板のいずれかの磁
化容易方向と一致していることを特徴とする同期電動
機。 （２）前記ティースの先端部がテーパを有する先細り形
状であることを特徴とする（１）に記載の同期電動機。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図１乃至
図９を用いて詳細に説明する。 （第１の実施形態）図１は、本発明におけるステータ
（固定子）の構造を示す図である。ステータ１は、外周
部分のヨーク２と、コイルが巻き回されるティース３と
から主に構成されている。
【０００９】図１は、ヨーク２とティース３の一部を取
り出して示しており、実際にはヨーク２とティース３が
ロータ５の周囲に円周状に配置されている。このヨーク
２とティース３とは一体として二方向性電磁鋼板から切
り出された構造となっている。一体構造とすることによ
り、ヨーク２とティース３の切り出しと組み立ての双方
の工程が省略でき、製造コストを著しく低減できる。ヨ
ーク２の主磁束の方向はヨークの円周方向であり、ヨー
ク２の磁気特性を向上させ鉄損を少なくするためにはこ
の主磁束の方向と電磁鋼板の磁化容易方向とを一致させ
ることが好ましい。
【００１０】二方向性電磁鋼板は、二方向に磁化容易方
向を有する電磁鋼板であって、圧延方向とその直角方向
に磁化容易方向を有するため、ヨークの周方向が二方向
性電磁鋼板の圧延方向となるように切り出せば、ヨーク
２の主磁束の方向を二方向性電磁鋼板の磁化容易方向と
一致させることができる。一方、ティース３の主磁束の
方向はティースの径方向であり、ティース３の磁気特性
を向上させ鉄損を少なくするためにはこの主磁束の方向
と電磁鋼板の磁化容易方向とを一致させることが好まし
い。
【００１１】そこで、ティース３の径方向が二方向性電
磁鋼板の圧延方向と直角方向なるように切り出せば、テ
ィース３の主磁束の方向を二方向性電磁鋼板の磁化容易
方向と一致させることができる。このように、二方向性
電磁鋼板は圧延方向とその直角方向に磁化容易方向を有
することから、ヨーク２とティース３を一体として二方
向性電磁鋼板から切り出しても、ヨーク２とティース３
の、それぞれの主磁束の方向と二方向性電磁鋼板の磁化
容易方向とを一致させることができるため、磁気特性を
向上させて鉄損を低減することができる。
【００１２】（第２の実施形態）図２は、本発明におけ
るヨークとティースの構造を示す図である。ヨーク２と
ティース３は一体として二方向性電磁鋼板から切り出さ
れた構造となっている。図２におけるティース３の先端
は、テーパのついた先細り形状となっていることによ
り、ティース３を流れる磁束が隣接するティース３に流
れにくくすることができ、さらに磁気特性を向上させて
鉄損を低減することができる。前述のように、二方向性
電磁鋼板は圧延方向とその直角方向に磁気容易方向を有
するため、ティース３を流れる磁束が隣接するティース
３に流れ易い。
【００１３】例えば、図３に示すような従来のティース
形状のように、ティース３の先端部を幅広形状とすると
隣接するティース３に磁束が流れ、ロータ５に流れる磁
束が減少してしまうため、その分ロータ５の回転トルク
が低減してしまう。また、図４のようにティース３の先
端を突起状にすると、隣接するティース３への磁束の流
れは防止できるが、ティース３を流れる磁束が一点に集
中するためロータ５に磁束が流れにくくなる。図５乃至
図９は、本発明に用いる電磁鋼板の特性について示す図
である。図５は、方向性電磁鋼板および二方向性電磁鋼
板の磁化容易方向の説明図である。
【００１４】方向性電磁鋼板は圧延方向であるＲＤ（Ro
lling Direction）が磁化容易方向となる。一方、二方
向性電磁鋼板は、圧延方向を二方向とし、さらに必要な
熱処理を施すことにより磁化容易方向を二方向とした鋼
板であり、通常は、圧延方向に加えて、これと直角方向
であるＴＤ（Transverse Direction）が磁化容易方向と
なる。図６は、方向性電磁鋼板および二方向性電磁鋼板
の磁気特性を示す図である。図６の横軸は磁界Ｈ、縦軸
は磁束密度Ｂであり鋼板の磁気特性の指標となる比透磁
率はμ＝Ｂ／Ｈとして表され、図６のグラフの傾きに相
当する。
【００１５】方向性電磁鋼板はθ＝０（ＲＤ方向）の磁
気特性がよく、二方向性電磁鋼板はθ＝０（ＲＤ方向）
およびθ＝９０（ＴＤ方向）の磁気特性がよい。図７
は、無方向性電磁鋼板の比透磁率（μ）の特性を示す図
である。無方向性電磁鋼板は、どの方向にも等しい磁気
特性を有するが、方向性電磁鋼板および二方向性電磁鋼
板に比べて比透磁率（μ）の値は低い。
【００１６】図８は、方向性電磁鋼板の比透磁率（μ）
の特性を示す図である。方向性電磁鋼板は、圧延方向の
比透磁率（μR）の値が大きく、その他の方向は無方向
性電磁鋼板と同等である。図９は、二方向性電磁鋼板の
比透磁率（μ）の特性を示す図である。二方向性電磁鋼
板は、圧延方向の比透磁率（μR）および圧延方向と直
角方向の比透磁率（μT）の値が大きく、その他の方向
は無方向性電磁鋼板と同等である。
【００１７】
【発明の効果】本発明によれば、ステータの磁気特性を
損なうことなく、組み立て工程を低減できる同期電動機
を提供することができ、産業上有用な著しい効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明におけるステータの構造を示す図であ
る。
【図２】 本発明におけるヨークおよびティースの構造
を示す図である。
【図３】 従来のヨークおよびティースの構造を示す図
である。
【図４】 比較例におけるヨークおよびティースの構造
を示す図である。
【図５】方向性電磁鋼板および二方向性電磁鋼板の磁化
容易方向の説明図である。
【図６】 方向性電磁鋼板および二方向性電磁鋼板の磁
気特性を示す図である。
【図７】 無方向性電磁鋼板の比透磁率（μ）の特性を
示す図である。
【図８】 方向性電磁鋼板の比透磁率（μ）の特性を示
す図である。
【図９】 二方向性電磁鋼板の比透磁率（μ）の特性を
示す図である。
【図１０】 従来の同期電動機の断面図である。
【図１１】 従来の同期電動機の断面図である。
【符号の説明】
１ ：ステータ（固定子） ２ ：ヨーク ３ ：ティース ４ ：永久磁石 ５ ：ロータ（回転子）

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 固定子コイルが巻き回されるティースを
    備えたステータを複数枚、厚さ方向に積層・固定して用
    いる同期電動機であって、該ステータを構成するヨーク
    と前記ティースとを一体として二方向性電磁鋼板から切
    り出した構造とし、かつ、該ヨークおよびティースの主
    磁束の方向が前記二方向性電磁鋼板のいずれかの磁化容
    易方向と一致していることを特徴とする同期電動機。
  2. 【請求項２】 前記ティースの先端部がテーパを有する
    先細り形状であることを特徴とする請求項１に記載の同
    期電動機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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