JP2003247123A - 着色されたポリウレタン弾性繊維の製造方法 - Google Patents

着色されたポリウレタン弾性繊維の製造方法

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JP2003247123A JP2002047800A JP2002047800A JP2003247123A JP 2003247123 A JP2003247123 A JP 2003247123A JP 2002047800 A JP2002047800 A JP 2002047800A JP 2002047800 A JP2002047800 A JP 2002047800A JP 2003247123 A JP2003247123 A JP 2003247123A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 添加剤として各種顔料が混合されたポリウレ
タン弾性繊維を小ロットで効率よく製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 ポリウレタン弾性繊維用反応機に、ポリ
ウレタン弾性体原料と、顔料及び分散媒体を含むスラリ
ーとを連続して定量的に注入し、ポリウレタン弾性体原
料とスラリーを均一に攪拌し顔料含有ポリウレタン弾性
体を得、該顔料含有ポリウレタン弾性体を固化させるこ
となく溶融紡糸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン弾性
繊維の製造方法に関し、より詳しくは、着色されたポリ
ウレタン弾性繊維を小ロットで溶融紡糸で製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維を製造する方法は
一般的に乾式紡糸法が用いられているが、近年乾式紡糸
法によるポリウレタン弾性繊維に比較して、衣料に用い
た場合ソフトな締め付け感を特徴とする溶融紡糸法で生
産されるポリウレタン弾性繊維も増加してきている。
【0003】ポリウレタン弾性繊維の溶融紡糸法として
は次の3つが知られている。 (1)ポリウレタン弾性体チップを溶融紡糸する方法 (2)ポリウレタン弾性体チップを溶融した後でポリイソ
シアネート化合物を混合して紡糸する方法 (3)ポリオールとジイソシアネートを反応させた所謂プ
レポリマーと低分子量ジオールを反応させ、ポリウレタ
ン弾性体を合成した後、固化させることなく紡糸する反
応紡糸方法 (3)の方法は、(1)及び(2)の方法に比べポリウレタン弾
性体チップを取り扱う工程が無いためコストが安く、ま
た紡糸されるポリウレタン弾性繊維のポリマー中にイソ
シアネート化合物を0.3〜1%程度残すような原料配
合割合に調節すると紡糸後の残留イソシアネート基によ
る鎖延長反応で耐熱性の向上があることから、好適な方
法である。また、(3)の方法で低分子量ジオールをプレ
ポリマーの一部と事前に反応させOH基過剰のプレポリ
マーとして反応機に注入することも行われている。
【0004】一方、ポリウレタン弾性繊維を特殊用途向
けとして、各種添加剤を練り込んだ製品が開発されてい
る。例えば、特願昭57−69193号公報では溶融し
たポリウレタン弾性体にポリイソシアネート化合物と顔
料の混合物を添加し着色されたポリウレタン弾性繊維を
製造する方法が開示されている。また、特願平3−20
6412号公報では抗菌剤を混合したポリウレタン弾性
繊維が開示されている。ポリウレタン弾性繊維以外では
遠赤外線放射能力があるとされる鉱物、セラミックス粉
末を添加したポリエステル(特許第3103095
号)、アクリル(特開平2−127511号公報)等の
繊維も市販されている。
【0005】しかし、これらの特殊添加物を混合したポ
リウレタン弾性繊維は市場の容量が大きくないため、1
回の使用量は少なく、従って出荷の単位も100kg以
下が要求されることが多い。在庫をもてれば良いがその
為には多額の資金が必要である。従ってこれらの特殊添
加物を混合したポリウレタン弾性繊維を小ロットで生産
する技術が要求されている。
【0006】乾式や湿式紡糸法によるポリウレタン弾性
繊維に添加物を混合した糸を生産する場合、小ロット生
産に対応するには、紡糸直前の原液に添加混合すること
が考えられる。しかし、高粘度の紡糸原液に添加物を均
一混合することは簡単ではなく、混合用のタンク、攪拌
機及び原液供給などの設備が必要である。そして添加物
の種類を切り替えるには混合及び供給設備の洗浄が必要
になる。特に顔料の場合、設備の洗浄が時間と人手を要
する作業となる。
【0007】乾式紡糸法や湿式紡糸法の上記問題を解決
する方法として、溶融紡糸法によるポリウレタン弾性繊
維の生産において、顔料を混合する以下に示す方法が、
特願昭57−69193号公報に開示されている。 (1)ポリウレタン弾性体に高濃度の顔料を入れたマスタ
ーバッチを作り、通常のチップと混合して溶融する方法 しかし、このマスターバッチを作るとき、弾性体合成前
に添加すると反応系を汚染する欠点があり、顔料の入っ
ていないチップにエクストルーダーなどを使って練り込
む方法では、顔料の飛散、混合不良による斑、紡糸の不
調などが起き易い。 (2)紡糸時添加するポリイソシアネート化合物に顔料を
高濃度で混合しておく方法 この方法は、小ロットの生産に適した方法であるがポリ
イソシアネート化合物は空気中の水分と反応して変質す
る化合物なので、反応タンク又は混合タンクから取り出
して保存し再使用する事は現実的ではない。調合した顔
料とポリイソシアネート化合物の混合物は1回毎に全量
使い切り、設備を洗浄することが必要になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みなされたものであり、小ロット生産が可能な、添
加剤として各種顔料が混合されたポリウレタン弾性繊維
の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、顔料等の添加剤が混
合されたポリウレタン弾性繊維を溶融紡糸で製造する際
に、顔料を分散媒体、好ましくは空気中の水分等と反応
しない安定な分散媒体に添加したスラリーとし、該スラ
リーをポリウレタン弾性体原料に連続して定量的に注入
して溶融紡糸することにより、着色されたポリウレタン
弾性繊維を小ロットで効率よく生産できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)ポリウレタン弾性繊維用反応機に、ポリウレタン
弾性体原料と、顔料及び分散媒体を含むスラリーとを連
続して定量的に注入し、ポリウレタン弾性体原料とスラ
リーを均一に攪拌し顔料含有ポリウレタン弾性体を得、
該顔料含有ポリウレタン弾性体を固化させることなく溶
融紡糸する、着色されたポリウレタン弾性繊維の製造方
法。 (2)前記ポリウレタン弾性体原料は、第1のポリオー
ルと第1のジイソシアネートとを反応させたイソシアネ
ート末端プレポリマー及び低分子量ジオールであるか、
あるいは第1のポリオールと第1のジイソシアネートと
を反応させたイソシアネート末端プレポリマー及び低分
子量ジオールと第2のポリオールと第2のジイソシアネ
ートとを反応させた水酸基末端プレポリマーである
(1)のポリウレタン弾性繊維の製造方法。 (3)前記分散媒体は、ジメチルポリシロキサン、メチ
ルフェニルポリシロキサン及びジフェニルポリシロキサ
ンからなる群から選ばれる1種に、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイドの一方又は両方を付加させた
ポリエーテル変性ポリシロキサンである(1)又は
(2)のポリウレタン弾性繊維の製造方法。 (4)前記分散媒体は、ポリエーテル系ポリオール、ポ
リエステル系ポリオール及びポリカーボネート系ポリオ
ールからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合
わせからなる平均分子量650〜6000のポリオール
である(1)又は(2)のポリウレタン弾性繊維の製造
方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリウレタン弾性繊維
用反応機に、ポリウレタン弾性体原料と、顔料及び分散
媒体を含むスラリーとを連続して定量的に注入し、得ら
れた顔料含有ポリウレタン弾性体を固化させることなく
溶融紡糸する着色されたポリウレタン弾性繊維の製造方
法である。
【0012】ポリウレタン弾性体原料としては、熱可塑
性ポリウレタン弾性体の製造に一般的に用いられるもの
でよい。具体的には、(1)ポリウレタン弾性体チップの
み;(2)ポリウレタン弾性体チップとイソシアネート基
を有するポリイソシアネート化合物の組み合わせ;(3)
イソシアネート末端プレポリマーと、低分子量ジオール
あるいは水酸基末端プレポリマーの組み合わせ;の3パ
ターンが挙げられる。
【0013】好ましくは(3)の第1のポリオールと第1
のジイソシアネートとを反応させたイソシアネート末端
プレポリマー(以下、「NCO末端プレポリマー」とす
る)及び低分子量ジオールを用いるか、あるいは、NC
O末端プレポリマーと低分子量ジオールと第2のポリオ
ールと第2のジイソシアネートとを反応させた水酸基末
端プレポリマー(以下、「OH末端プレポリマー」とす
る)を用いることが好ましい。
【0014】ポリウレタン弾性体チップとしては、数平
均分子量2000程度のポリブチレンアジペート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、1,4-ブタンジオールを
重合して得られる熱可塑性のポリウレタン弾性体が挙げ
られる。
【0015】ポリイソシアネート化合物としては、数平
均分子量1000程度で2官能または3官能の、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリカプロラクトン等のグリ
コール類と、過剰のジフェニルメタンジイソシアネート
とを反応させたものが挙げられる。
【0016】NCO末端プレポリマーに用いられる第1
のポリオールとしては、数平均分子量650〜6000
の以下のポリオール類が好ましく用いられる。ポリテト
ラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコ
ール類、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペ
ート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類、ポリヘ
キサメチレンカーボネート等のポリカーボネートジオー
ル類及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中で
も、数平均分子量2000程度のポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール及びポリエチレンアジペートが好まし
く用いられる。
【0017】NCO末端プレポリマーに用いられる第1
のジイソシアネートとしては、分子量500以下のジイ
ソシアネート類が好ましく用いられる。例えば、P,P'-
ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシ
アネート等が挙げられる。P,P'-ジフェニルメタンジイ
ソシアネートが好ましく用いられる。
【0018】OH末端プレポリマーにも用いられる低分
子ジオールとしては、分子量500以下のグリコール類
が挙げられる。1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオ
ール、エチレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベ
ンゼン等が挙げられる。この中でも、1,4-ブタンジオー
ルが好ましく用いられる。
【0019】OH末端プレポリマーに用いられる第2の
ポリオールと第2のジイソシアネートとしては、NCO
末端プレポリマーに用いる第1のポリオールと第1のジ
イソシアネートと同様のものが挙げられる。ポリウレタ
ン弾性体原料として、NCO末端プレポリマーとOH末
端プレポリマーを用いる場合は、NCO末端プレポリマ
ー用第1のポリオール、第1のジイソシアネートは、O
H末端プレポリマー用第2のポリオール、第2のジイソ
シアネートと同じであっても、異なっていてもよい。
【0020】ポリウレタン弾性体原料として、NCO末
端プレポリマー及びOH末端プレポリマーを用いる場合
は、ポリウレタン弾性繊維用反応機に注入する前に、ポ
リオール、ジイソシアネート、低分子量ジオール等を反
応させて、各プレポリマーにしておく。
【0021】NCO末端プレポリマーは、例えば、温水
ジャケット及び攪拌機の付いたタンクにジイソシアネー
トを仕込んだ後、攪拌しながらポリオールを注入し80
℃で1時間窒素パージ下で攪拌することで得られる。こ
の反応のときに、耐候性、耐熱酸化性、耐黄変性等改善
の為の各種薬品(紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤
等)を添加してもよい。
【0022】紫外線吸収剤としては、2-(3,5-ジ-t-アミ
ル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t
-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベ
ンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ビスフェニ
ル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系の
紫外線吸収剤が挙げられる。
【0023】酸化防止剤としては、3,9-ビス(2-(3-(3-t
-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニ
ルオキシ)-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキ
サスピロ(5・5)ウンデカン、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3
-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、
ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4
-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のヒンダード
フェノール系酸化防止剤が挙げられる。
【0024】光安定剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラ
メチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペ
ンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチ
ル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テ
トラメチルピペリジン縮合物等のヒンダードアミン系光
安定剤が挙げられる。
【0025】得られたNCO末端プレポリマーは、ジャ
ケット付きギアポンプ(例えば、川崎重工業株式会社の
KAP-1)を用いてポリウレタン弾性繊維用反応機に注入
する。
【0026】OH末端プレポリマーは、温水ジャケット
及び攪拌機の付いたタンクにジイソシアネートを仕込ん
だ後、攪拌しながらポリオールを注入し80℃で1時間
窒素パージ下で攪拌し、次いで低分子量ジオールを注入
し攪拌することで得ることが出来る。この反応のとき
に、耐候性、耐熱酸化性、耐黄変性等改善の為の上記の
各種薬品類を添加してもよい。得られたOH末端プレポ
リマーは、ジャケット付きギアポンプ(例えば、川崎重
工業株式会社のKAP-1)を用いてポリウレタン弾性繊維
用反応機に注入する。
【0027】OH末端プレポリマーではなく、鎖長剤と
して低分子量ジオールを用いる場合、事前に真空脱水し
た後、NCO末端プレポリマー注入用ギアポンプと連動
したジャケット付き可変容量のプランジャーポンプで反
応機に注入する。
【0028】NCO末端プレポリマーとOH末端プレポ
リマーとの比率は、注入ギアポンプの回転比率で適宜調
整する。NCO末端プレポリマーと低分子量ジオールと
の比率は、プランジャーポンプの容量を変更して行う。
なお、NCO末端プレポリマーと、OH末端プレポリマ
ー又は低分子量ジオールとの比率は、紡糸したポリウレ
タン弾性繊維(糸)中にNCO基が0.3%以上残る比
率が好ましい。NCO基が0.3%以上過剰に含まれる
と、紡糸後の鎖伸長反応により強伸度、耐熱性等の物性
が向上し好適である。なお、NCO基の糸に含有される
量は1%以下が好ましい。1%を超えると、溶融重合体
の粘度が低くなり、紡糸し難くなる。
【0029】なお、紡糸した糸中のNCO基の含有率
は、以下のようにして測定する。紡糸した糸(約1g)
をジブチルアミン/ジメチルフォルムアミド/トルエン
溶液で溶解した後、過剰のジブチルアミンと試料中のN
CO基を反応させ、残ったジブチルアミンを塩酸で滴定
し、NCO基の含有量を算出する。
【0030】顔料と分散媒体とを含むスラリーは、顔料
と分散媒体を事前に温水ジャケット付きの混合機で十分
混合しておく。なお、スラリーには、イソシアネート基
と反応したり、反応を促進したりすることのない適当な
分散剤を含有させてもよい。
【0031】分散媒体としては、ジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシ
ロキサンにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
の一方又は両方を付加させたポリエーテル変性ポリシロ
キサンが、ポリウレタン弾性体溶融物中に混合しやす
く、且つ巻き取り時に弾性繊維相互の膠着防止効果も期
待できることから、好ましく用いられる。
【0032】ポリエーテル変性ポリシロキサンは、粘度
が30℃において200〜10000センチポイズのも
のが混合物の注入安定性及び貯蔵時の分離に対する安定
性の面から好ましい。
【0033】粘度の測定は、通常の測定法が用いられる
が、例えば、東京計器(株)のB型粘度計を用いて30
℃で測定する。
【0034】このスラリーは、空気中の水分と反応する
ことはないので1度に数ロット分まとめて作り、金属缶
等に保存しておくことが可能である。水分を吸収した恐
れがある場合には使用前に真空乾燥を行えばよい。
【0035】ポリエーテル変性ポリシロキサン以外で好
適に用いられる分散媒体は、ポリウレタン弾性体の原料
に使われるポリオール類である。
【0036】より詳しくは、ポリテトラメチレングリコ
ール等のポリエーテル系ポリオール、ポリブチレンアジ
ペート等のポリエステル系ポリオール及びポリヘキサメ
チレンカーボネート等のポリカーボネート系ポリオール
からなる群から選ばれる1種又は2種以上の組み合わせ
からなる数平均分子量650〜6000のポリオールで
ある。
【0037】ポリオール1分子当たりの官能基数は1.
8〜2.5が好ましい。1分子当たり1.8以下の官能
基しか有しないポリオールの場合、ポリウレタンポリマ
ー分子の伸長を阻害する為、強度を低下させる傾向があ
る。また、分散媒体中のポリオール含有量にもよるが、
3以上の官能基を持つポリオールの含有量が多すぎて、
平均2.5以上の官能基数になる場合、ポリウレタン弾
性体の溶融粘度を異常に高くしたり、ポリマー中に不溶
物を生成させたりするので好ましくない。ポリオール類
を分散媒体に使った場合、反応紡糸機内でポリウレタン
弾性体原料中のイソシアネート基と反応しポリウレタン
ポリマーの中に組み込まれるので、分散媒体の量が多く
ても紡糸工程及び糸質への悪影響はなく好適である。な
お、この場合は、ポリウレタン弾性体原料中の低分子量
ジオールあるいはOH末端プレポリマーの注入比率を下
げることが好ましい。
【0038】ポリオールの種類は各プレポリマー反応に
使用されるポリオールと同じでも違っていても良いが、
取り扱いのしやすさから融点25℃以下のポリオール類
が特に好適である。
【0039】ポリオールは、粘度が30℃において20
0〜10000センチポイズのものが好ましく、さらに
は300〜7000センチポイズのものがより好まし
い。
【0040】分散媒体としてのポリオールは、数平均分
子量がポリウレタン弾性体原料に一般的に用いられる6
50〜6000程度のものが好ましい。数平均分子量が
650以下のポリオールは、ポリウレタン弾性体のハー
ドセグメントの結晶性を低下させ、耐熱性低下の原因に
なるので好ましくない。数平均分子量6000以上のも
のは粘度が高く顔料の分散が不十分になりやすい。
【0041】分散媒体として、その他の液状物質、例え
ばシリコンオイル等でも注入は可能であるが、ポリウレ
タン弾性体と紡糸時に相分離を起こし、ポリウレタン弾
性繊維の繊度斑の原因になるので好ましくない。また、
ジオクチルブタレート等の可塑剤類も使用可能である
が、紡糸後も糸中に残留し糸の強度を低下させる傾向が
あることから好ましくない。
【0042】顔料としては、各種の無機顔料及び有機顔
料が使用できるが、ポリウレタン弾性体合成温度である
220℃以上の耐熱性を持つことが必要であり、またイ
ソシアネート基と反応しないものが好適である。例え
ば、チバスペシャリティーケミカルス(株)製のIRGALI
TE BLUE GBP(青)、IRGALITE GREEN GFNP(緑)、CROM
OPHTAL RED 2030(赤)、CROMOPHTAL ORANGE GP
(橙)、CROMOPHTAL YELLOW 3G(黄)、CROMOPHTAL BRO
WN 5R(茶)、CROMOPHTAL PINK PT(桃)、CROMOPHTAL
VIOLET GT(紫)、MERK JAPAN CO.製のIRIODIN 302
(金)、IRIODIN 111(銀)、東海カーボン(株)製の
カーボンブラック等が挙げられる。
【0043】また顔料の粒度は、ポリウレタン弾性繊維
用反応機の紡糸ノズル直前に設置されるフィルターのろ
過径より小さいことが好ましく、フィルターのろ過径に
もよるが、一般的には10μm以下、さらには5μm以
下の粒径を有することが好ましい。
【0044】顔料の含水量は少ない方が好ましく、必要
があれば分散媒体との混合前に加熱乾燥又は真空乾燥等
をして顔料の乾燥を行う。
【0045】顔料と分散媒体の比率は、流動性がある限
り顔料の濃度が高い方が好ましいが、スラリー中の顔料
の含有量が70重量%より多すぎると粘度が高すぎて注
入不良を起こしやすい。逆に分散媒体の比率が多すぎる
とスラリーの粘度が低下し、注入機のシリンダー内で顔
料の分離が起きやすくなるので好ましくない。このこと
より、スラリー中の顔料の含有量は10〜70重量%が
好ましい。なお、スラリーの粘度は、30℃で100〜
10000ポイズが好ましい。
【0046】上記顔料と分散媒体を混合してスラリーを
得る。該スラリーをポリウレタン弾性繊維用反応機に連
続して定量的に注入する方法として、減速機付きステッ
ピングモータで駆動するボールネジでシリンダーのピス
トンを押し、定量のスラリーを連続的に注入する装置が
小ロット生産には好適である。シリンダーの容量は、ス
ラリーの注入量と製品のロットの大きさによって変更す
る必要があるが、500〜3000mlが適当である。
【0047】また、注入装置を2基設置し切り替え運転
を行うことにより、連続生産すること、あるいは途中で
顔料の色を変更することも可能である。スラリーの注入
量の調整は、モータ回転速度を変速することで可能とな
る。シリンダーに温水ジャケット等の保温装置を設置す
ることで、一層の注入量の安定が図れることから好まし
い。
【0048】ポリウレタン弾性繊維用反応機の反応機部
分に二軸エクストルーダーを使い、前後攪拌の少ないピ
ストンフローに近い状態で反応させることにより、切り
替えに要する時間を短縮できる。
【0049】ポリウレタン弾性繊維用反応機に、ポリウ
レタン弾性体原料及びスラリーを連続して一定の比率で
注入しながら、ポリウレタン弾性体原料とスラリーを均
一に攪拌し顔料含有ポリウレタン弾性体を得る。
【0050】なお、本発明で用いられるポリウレタン弾
性繊維用反応機としては、通常のポリウレタン弾性繊維
の溶融紡糸法に用いられているものでよく、ポリウレタ
ン弾性体原料を加熱、溶融状態で攪拌、反応させ、更に
紡糸ヘッドに移送する能力を持つ設備である。該ポリウ
レタン弾性体原料は固化することなく紡糸ヘッドに移送
され、ノズルから吐出・紡糸される。
【0051】反応機内での平均滞留時間は反応機の種類
によって異なる。平均滞留時間は、下記式(1)により
決定される。
【0052】
【数1】 反応機容積/ポリウレタン弾性体吐出量×ポリウレタン弾性体の比重 (1) 一般的には、円筒形反応機を用いる場合約1時間であ
り、2軸押出し機を用いる場合約5分である。
【0053】得られた顔料含有ポリウレタン弾性体を固
化させることなく溶融紡糸して、着色されたポリウレタ
ン弾性繊維を得る。溶融紡糸方法としては、通常の溶融
紡糸方法を用いればよく、特に制限はない。
【0054】本発明のポリウレタン弾性繊維の製造方法
を用いれば、添加剤として顔料が混合されたポリウレタ
ン弾性繊維を、小ロット生産においても効率よく製造す
ることができる。
【0055】なお、本発明において数平均分子量は、例
えば以下のようにして測定する。 (1)無水酢酸エステル化法で試料中のOH基を求める。
まず、試料中のOH基を無水酢酸でエステル化し、残っ
た無水酢酸を分解し、酢酸に変え、滴定により残った量
を求め、消費された酢酸分を計算してOH基を求める。 (2)試料の酸価を滴定で求める。 (3)2官能として平均分子量を計算する。
【0056】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明する。なお、以
下の配合における部数は全て重量部である。
【0057】本実施例における各物性の測定方法は、下
記の通りである。
【0058】次に各物性の測定方法について以下に説明
する。数値は各10チーズの平均値である。 (糸強度)温度20℃、湿度65%の環境下、定伸長速
度の引っ張り試験機を使い、把握長5cm、伸長速度5
00cm/分で測定した。(伸度)温度20℃、湿度6
5%の環境下、定伸長速度の引っ張り試験機を使い 、把握長5cm、伸長速度500cm/分で測定し切断
までの伸び(A)を求める。同様に把握長10cm、伸
長速度1000cm/分で測定し切断までの伸び(B)
を求める。下記式(2)により伸度を求める。
【0059】
【数2】 伸度(%)=(B−A)/5×100 (2) (繊度斑)温度25℃、湿度60%の環境下、ツエルベ
ガーウスター社のイーヴネステスターを使い、ポリウレ
タン弾性繊維の送り出し速度が50m/分、巻き取り速
度100m/分の条件で5分間測定し繊度変動率(CV
%)を求めた。
【0060】
【実施例1】ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン
(松本油脂製薬製、MST−29、数平均分子量280
0、30℃における粘度3900センチポイズ)65部
を攪拌機及びジャケットの付いたタンクに仕込み、攪拌
しながらIRGALITE BLUE GBP35部を徐々に添加した。
1時間攪拌を継続したところ、均一なスラリーとなっ
た。混合温度は60℃であった。スラリーの粘度は30
℃で3500ポイズであった。
【0061】ポリウレタン弾性体合成用の原料として、
以下のNCO末端プレポリマーとOH末端プレポリマー
を用いた。
【0062】窒素ガスでシールした80℃の反応釜にジ
フェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と
する)44.6部を仕込み、紫外線吸収剤(2-(3,5-ジ-
t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール:
20%)、酸化防止剤(3,9-ビス(2-(3-(3-t-ブチル-4-
ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ)-
1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5・
5)ウンデカン:50%)、光安定剤(ビス(2,2,6,6-テ
トラメチル-4-ピペリジル)セバケート:30%)の混合
物2.2部を攪拌しながら、エチレングリコールとプロ
ピレングリコール及びアジピン酸から合成された数平均
分子量2000のポリエステルジオール100部を注入
し、1時間攪拌、反応させることによりNCO末端プレ
ポリマーを得た。
【0063】別の窒素ガスでシールした80℃の反応釜
にMDI25部を仕込み、NCO末端プレポリマーの製
造で用いたポリエステルジオール100部を注入し、1
時間反応させ、1,4-ブタンジオール28部を更に添加し
反応させ、OH末端プレポリマーを得た。
【0064】NCO末端プレポリマーとOH末端プレポ
リマーを1:0.42の比率で、攪拌翼を有する容量1
000mlのポリウレタン弾性繊維用円筒形反応機に連
続的に供給した(NCO末端プレポリマー:14.90
g/分、OH末端プレポリマー:6.26g/分)。上
記で得られたIRGALITE BLUE GBPスラリーを、減速機付
きモータで駆動するボールネジでシリンダー(直径65
mm、長さ300mm、容量1000ml)のピストン
を移動させる注入装置のシリンダーに入れ、ピストンに
より0.12g/分の速度で同時に注入した。反応機内
での平均滞留時間は約1時間、反応温度は190℃であ
る。
【0065】顔料により着色されたポリウレタン弾性体
を固化させることなく8ノズルを有する紡糸ヘッド2台
に導入した。紡糸ヘッド温度を188℃に保った。1ホ
ールのノズルから毎分1.33gの速度で長さ6mの紡
糸筒内に吐出させ(ノズルからの吐出総量:21.28
g/分)、油剤を付与しながら600m/分の速度でポ
リウレタン弾性繊維(糸)を巻き取った。なお、実施例
1のポリウレタン弾性繊維の製造方法で用いたポリウレ
タン弾性繊維用反応機の概要を図1を示す。
【0066】得られた糸は鮮やかな青色であった。得ら
れた糸の糸強度、伸度、繊度斑について評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【実施例2】実施例1で用いたのと同じ混合機にポリテ
トラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量100
0、官能基数2:保土ヶ谷化学製)60部を仕込み、CR
OMOPHTAL RED 2030を40部を徐々に添加、混合し同様
にスラリーを得た。スラリーの粘度は30℃で4100
ポイズであった。
【0069】ポリウレタン弾性体原料であるプレポリマ
ーは実施例1と同じものを使用した。注入口3つを持つ
容量100mlの二軸エクストルーダーに、第1注入口
からNCO末端プレポリマーと第2注入口からOH末端
プレポリマーを1:0.42の比率で連続的に供給した
(NCO末端プレポリマー:14.99g/分、OH末
端プレポリマー:6.29g/分)。二軸エクストルー
ダー内の平均滞留時間は5分で、二軸エクストルーダー
のバレル温度は220℃に設定した。
【0070】得られたポリウレタン弾性体を固化するこ
となく、8ノズルを有する紡糸ヘッド2台に導入した。
紡糸ヘッド温度を188℃に保った。ポリウレタン弾性
体はヘッドに設置したギアポンプにより計量、加圧さ
れ、フィルターでろ過後、径0.5mm、1ホールのノ
ズルから毎分1.33gの速度で長さ6mの紡糸筒内に
吐出させ(ノズルからの吐出総量:21.28g/
分)、油剤を付与しながら600m/分の速度で巻き取
り、22デシテックス(以後、「dT」とする。なお、
dTは糸10000mあたりの重量(g)である。)の
ポリウレタン弾性繊維を得た。ポリウレタン弾性体の吐
出量はギアポンプの回転数で調整した。
【0071】紡糸を継続しながら(NCO末端プレポリ
マー:14.91g/分、OH末端プレポリマー:6.
26g/分)、第3注入口から容量1000mlのシリ
ンダーに入れたCROMOPHTAL RED 2030スラリーをピスト
ンにより0.11g/分の速度で注入し、顔料により着
色されたポリウレタン弾性体を固化させることなく実施
例1と同様に紡出した(ノズルからの吐出総量:21.
28g/分)。約30分後、目視により紡出糸の色濃度
の変化は終了し、均一に着色された22dTのポリウレ
タン弾性繊維が得られた。糸中の顔料の割合は0.2%
である。
【0072】また、この着色した糸を紡糸している状態
で、CROMOPHTAL RED 2030スラリーの注入を止めたとこ
ろ、60分で完全に着色のない元の状態に戻った。得ら
れた糸の糸強度、伸度、繊度斑について評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0073】
【実施例3】(スラリーの調合)顔料としてCROMOPHTAL
ORANGE及びIRGALITE BLUE GBPを使い、実施例1で使用
したポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンと混合し
顔料を35重量%含有したスラリーをそれぞれ調合し
た。
【0074】CROMOPHTAL ORANGE GP及びIRGALITE BLUE
GBPのスラリーそれぞれを注入する為の設備を2組(注
入装置A、B)設置し、バルブで切り替え可能にした以
外は、実施例1と同様にポリウレタン弾性繊維の紡糸を
行った(ノズルからの吐出総量:21.28g/分)。
【0075】具体的には、2種類のスラリーを注入装置
A及びBのシリンダーに別々に入れ、注入装置Aのシリ
ンダーに入れたCROMOPHTAL ORANGE GPスラリーを、NC
O末端プレポリマーとOH末端プレポリマーを供給した
ポリウレタン弾性繊維用円筒形反応機に0.12g/分
の速度で注入した。
【0076】CROMOPHTAL ORANGE GPで着色されたポリウ
レタン弾性繊維を2日間紡糸し、安定に生産できること
が確認できた。次いで、注入装置Bのシリンダーに切り
替え、IRGALITE BLUE GBPスラリーを0.12g/分の
速度で注入した。色濃度が安定するまで3時間を要した
がスムースに切り替えが行えた。注入装置Bを運転中に
注入装置Aのシリンダーに、注入装置Bに入れたIRGALI
TE BLUE GBPスラリーを再充填した。
【0077】なお、図2に実施例3で用いたポリウレタ
ン弾性繊維用反応機に設置される注入装置A、Bの概略
図を示す。
【0078】5日間運転を継続した後、注入装置Bから
注入装置Aに注入を切り替えた。同じ顔料で着色された
ポリウレタン弾性繊維が連続して得られた。得られた3
つの糸の糸強度、伸度、繊度斑について評価を行った。
評価結果を表1に示す。
【0079】
【実施例4】顔料としてカーボンブラックを使い、分散
媒体として数平均分子量2000のポリメチルペンタン
ジオールアジペート(クラレ(株)製のクラポールP2
000、官能基数2)を使って顔料30重量%のスラリ
ーを調合した。このスラリーの粘度は30℃で7000
ポイズであった。このスラリーの注入速度を0.53g
/分、反応機の容量を1500mlとし、NCO末端プ
レポリマーに対するOH末端プレポリマーの注入比率を
0.41として注入し(NCO末端プレポリマー:2
2.32g/分、OH末端プレポリマー:9.15g/
分)、反応を行い、1ノズル当たり2.0g/分の吐出
量(ノズルからの吐出総量:32.0g/分)、巻取り
速度600m/分で黒に着色された33dTのポリウレ
タン弾性繊維を得た。顔料の含有率は繊維に対して0.
5%であった。得られた糸の糸強度、伸度、繊度斑につ
いて評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0080】この黒着色ポリウレタン弾性繊維を裏糸に
し、ポリアミド仮撚加工糸44dT−34フィラメント
を表糸に使いプレーティング編みでタイツを編んだ。編
機の針数は320本であった。ポリアミド繊維を酸性塗
料の黒で染めたところ、ポリウレタン弾性繊維のチラツ
キがない優れた製品が得られた。
【0081】
【実施例5】実施例1で用いたのと同じ混合機に、ジメ
チルポリシロキサン(30℃における粘度が920セン
チポイズのもの;松本油脂製薬製、DMS−1000)
65部を仕込み、IRGALITE BLUE GBPを35部を徐々に
添加、混合し同様にスラリーを得た。スラリーの粘度は
30℃で2500ポイズであった。
【0082】上記スラリーを用いた以外は、反応紡糸の
方法は実施例1と同じにした。紡出開始1日経過してか
らノズル面に少量のカスが付着し始めたが、ノズル面の
掃除を行いながら紡糸を継続、試料を採取した。得られ
た糸の糸強度、伸度、繊度斑について評価を行った。評
価結果を表1に示す。糸斑はやや大きかったが、強度、
伸度は良好であった。
【0083】
【比較例1】ポリウレタン弾性体原料は、実施例1と同
様のものを用いた。
【0084】窒素ガスでシールした80℃の反応釜にM
DI44.6部を仕込み、実施例1で用いた紫外線吸収
剤、酸化防止剤、光安定剤の混合物2.2部、及びIRGA
LITEBLUE GBP0.5部を攪拌しながら、添加、分散させ
る。攪拌を続けながら、エチレングリコールとプロピレ
ングリコール及びアジピン酸から合成された数平均分子
量2000のポリエステルジオール100部を注入し、
1時間攪拌、反応させることによりNCO末端プレポリ
マーを得た。
【0085】この青に着色されたNCO末端プレポリマ
ーと、実施例1で用いたOH末端プレポリマーを実施例
1と同様に反応機に注入し(NCO末端プレポリマー:
14.99g/分、OH末端プレポリマー:6.29g
/分)、ポリウレタン弾性繊維を紡出した(ノズルから
の吐出総量:21.28g/分)。
【0086】紡出は順調であり、糸中の顔料の割合は
0.2%であった。得られた糸の糸強度、伸度、繊度斑
について評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0087】しかし、着色されたポリウレタン弾性体を
紡出した後、ポリウレタン弾性繊維用円筒形反応機を無
色状態に戻すための掃除(供給ポンプ、配管内の着色さ
れたポリウレタン弾性体を、着色されていないポリウレ
タン弾性体で押し流す)に2日の日数が必要であった。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、添加剤として各種顔料
が混合されたポリウレタン弾性繊維を小ロットで効率よ
く製造する方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で用いたポリウレタン弾性繊維用反
応機を説明するための図。
【図2】 実施例3で用いたポリウレタン弾性繊維用反
応機に設置される注入装置A、Bを説明するための図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 直樹 徳島県徳島市川内町中島635 日清紡績株 式会社徳島工場内 Fターム(参考) 4L035 AA05 BB31 EE08 EE20 FF10 GG01 HH01 JJ10 JJ15 JJ21 JJ26 JJ28 KK05 MH02 MH04 MH07 MH13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン弾性繊維用反応機に、ポリ
    ウレタン弾性体原料と、顔料及び分散媒体を含むスラリ
    ーとを連続して定量的に注入し、ポリウレタン弾性体原
    料とスラリーを均一に攪拌し顔料含有ポリウレタン弾性
    体を得、該顔料含有ポリウレタン弾性体を固化させるこ
    となく溶融紡糸する、着色されたポリウレタン弾性繊維
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタン弾性体原料は、第1の
    ポリオールと第1のジイソシアネートとを反応させたイ
    ソシアネート末端プレポリマー及び低分子量ジオールで
    あるか、あるいは第1のポリオールと第1のジイソシア
    ネートとを反応させたイソシアネート末端プレポリマー
    及び低分子量ジオールと第2のポリオールと第2のジイ
    ソシアネートとを反応させた水酸基末端プレポリマーで
    ある請求項1記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記分散媒体は、ジメチルポリシロキサ
    ン、メチルフェニルポリシロキサン及びジフェニルポリ
    シロキサンからなる群から選ばれる1種に、エチレンオ
    キサイド、プロピレンオキサイドの一方又は両方を付加
    させたポリエーテル変性ポリシロキサンである請求項1
    又は2記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記分散媒体は、ポリエーテル系ポリオ
    ール、ポリエステル系ポリオール及びポリカーボネート
    系ポリオールからなる群から選ばれる1種又は2種以上
    の組み合わせからなる平均分子量650〜6000のポ
    リオールである請求項1又は2記載のポリウレタン弾性
    繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011157451A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Mitsubishi Chemicals Corp ポリオール混合物、及び該混合物を原料とするポリウレタン
JP2016065329A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 アツギ株式会社 ストッキング類
CN112962171A (zh) * 2021-02-04 2021-06-15 泉州市成意纺织科技有限公司 一种防紫外线弹力健康针织布料及其制造方法

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