JP2003246861A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

Info

Publication number
JP2003246861A
JP2003246861A JP2002047356A JP2002047356A JP2003246861A JP 2003246861 A JP2003246861 A JP 2003246861A JP 2002047356 A JP2002047356 A JP 2002047356A JP 2002047356 A JP2002047356 A JP 2002047356A JP 2003246861 A JP2003246861 A JP 2003246861A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
carboxylate
curable composition
vinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002047356A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4050526B2 (ja
Inventor
Nobuhiro Hasegawa
伸洋 長谷川
Masako Yano
理子 矢野
Yoshiki Nakagawa
佳樹 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2002047356A priority Critical patent/JP4050526B2/ja
Publication of JP2003246861A publication Critical patent/JP2003246861A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4050526B2 publication Critical patent/JP4050526B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の錫系硬化触媒を使用せず実用的な硬化
性を示しながら、良好な硬化物物性を有する硬化性組成
物を提供する。 【解決手段】 架橋性シリル基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体(I)、及び、錫系以外のカルボン酸金
属塩(II)からなる硬化性組成物を用いる。具体的に
は、カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チ
タニウム、カルボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カル
ボン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン
酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガ
ン、カルボン酸セリウム、カルボン酸ニッケル、カルボ
ン酸コバルト、カルボン酸亜鉛、カルボン酸アルミニウ
ム等を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋性シリル基を
少なくとも1個有するビニル系重合体(I)、及び、錫
系以外のカルボン酸金属塩(II)を含有する硬化性組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン重合や縮重合で得られる重合体の
一方で、ラジカル重合で得られるビニル系の重合体で官
能基、特に末端に官能基を有するものは、まだほとんど
実用化されていない。ビニル系重合体の中でも、(メ
タ)アクリル系重合体は、高い耐候性、透明性等、上記
のポリエーテル系重合体や炭化水素系重合体、あるいは
ポリエステル系重合体では得られない特性を有してお
り、アルケニル基や架橋性シリル基を側鎖に有するもの
は高耐候性の塗料等に利用されている。その一方で、ア
クリル系重合体の重合制御は、その副反応のために容易
でなく、末端への官能基の導入などは非常に困難であ
る。
【0003】アルケニル基を分子鎖末端に有するビニル
系重合体を簡便な方法で得ることができれば、側鎖に架
橋性基を有するものに比較して硬化物物性の優れた硬化
物を得ることができる。従って、これまで多くの研究者
によって、その製造法が検討されてきたが、それらを工
業的に製造することは容易ではない。例えば特開平1−
247403号公報、特開平5−255415号公報に
は連鎖移動剤としてアルケニル基含有ジスルフィドを用
いる、末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系
重合体の合成法が開示されている。
【0004】特開平5−262808号公報には、ヒド
ロキシル基を有するジスルフィドを用いて、両末端にヒ
ドロキシル基を有するビニル系重合体を合成し、さらに
ヒドロキシル基の反応性を利用して、末端にアルケニル
基を有する(メタ)アクリル系重合体の合成法が開示さ
れている。
【0005】特開平5−211922号公報には、ヒド
ロキシル基を有するポリスルフィドを用いて、両末端に
ヒドロキシル基を有するビニル系重合体を合成し、さら
にヒドロキシル基の反応性を利用して、末端にシリル基
を有する(メタ)アクリル系重合体の合成法が開示され
ている。
【0006】これらの方法では、両末端に確実に官能基
を導入することは困難であり、満足な特性を有する硬化
物を得ることはできない。両末端に確実に官能基を導入
するためには、連鎖移動剤を大量に使用しなければなら
ず、製造工程上問題である。また、これらの方法では通
常のラジカル重合が用いられているため、得られる重合
体の分子量、分子量分布(数平均分子量と数平均分子量
の比)のコントロ−ルは困難である。
【0007】このような従来の技術に対し、発明者ら
は、これまでに様々な架橋性官能基を末端に有するビニ
ル系重合体、その製造法、硬化性組成物、及び用途に関
して数々の発明を行ってきた(特開平11−08024
9、特開平11−080250、特開平11−0058
15、特開平11−116617、特開平11−116
606、特開平11−080571、特開平11−08
0570、特開平11−130931、特開平11−1
00433、特開平11−116763、特開平9−2
72714号、特開平9−272715号等を参照)。
【0008】例えば、ケイ素原子に結合した水酸基また
は加水分解性基を有し、室温においても湿分等によりシ
ロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含
有基(以下、「架橋性シリル基」とも言う)を有するビ
ニル系重合体、あるいはその組成物から得られる硬化物
は、耐熱性あるいは耐候性に優れ、特に限定はされない
が、建築用弾性シーリング材シーラントや複層ガラス用
シーリング材等のシーリング材、太陽電池裏面封止材な
どの電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材
などの電気絶縁材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、塗
料、粉体塗料、コーティング材、発泡体、電気電子用ポ
ッティング剤、フィルム、ガスケット、注型材料、各種
成形材料、および、網入りガラスや合わせガラス端面
(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車部品や電機部
品、各種機械部品等のシール等の様々な用途に利用可能
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記シーリング材は、
一般的に各種部材間の接合部や隙間に充填し、水密・気
密を付与する目的で使用されている。従って、長期にわ
たる使用部位への追従性が極めて重要である為、硬化物
の物性として、高伸び、高強度であることが求められて
いる。
【0010】また一方で、これらの反応性ケイ素基を有
する有機重合体を含有する硬化性組成物は、シラノール
縮合触媒を用いて硬化させており、通常、2−エチルヘ
キシル酸スズなどの2価スズや、ジブチルスズビスアセ
チルアセトナートなどの4価スズに代表されるスズ系触
媒が広く使用されている。特に使用する部位のムーブメ
ントが大きい場合などには、追従性の良好な硬化物が得
られることから2−エチルヘキシル酸スズが多く使用さ
れている。しかしながら、近年、スズ系化合物はその毒
性が指摘されており、非スズ化合物の触媒が求められて
いる。
【0011】特公昭35−2795号公報、特公昭32
−3742号公報、特公昭35−9639号公報、およ
び、特公昭37−3271号公報等において、オルガノ
ポリシロキサン組成物の硬化触媒として、スズのカルボ
ン酸塩とともに各種の非スズのカルボン酸金属塩が開示
されている。一方、反応性ケイ素基を有する有機重合体
を含有する組成物の硬化触媒に非スズのカルボン酸金属
塩が使用された例としては、カルボン酸ビスマス(特開
平5−39428号公報、特開平9−12860号公
報)やカルボン酸セリウム(特開2000−31381
4号公報)があるが、これまで主鎖がアクリル系重合体
の様なビニル系重合体を対象として各種カルボン酸金属
塩を幅広く検討した例はなかった。
【0012】また、このような架橋性シリル基を有する
ビニル系重合体は珪素原子1つあたり2つの加水性分解
性基が結合してなる加水分解性珪素基を有する重合体が
用いられることが多かったこともあり、接着剤の用途等
や低温で使用する場合等の、特に非常に速い硬化速度を
必要とする場合、その硬化速度は充分ではなく、また硬
化後の柔軟性を出したい場合には、架橋密度を低下させ
る必要があり、そのため架橋密度が充分でないためにべ
たつき(表面タック)があるという問題があった。
【0013】そこで本発明は、架橋性シリル基を少なく
とも1個有するビニル系重合体を主成分とする硬化性組
成物であって、非スズ触媒を用いて実用的な硬化性を示
しながら、良好な硬化物物性を有する組成物を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、このビニル
系重合体のシラノール縮合触媒として、特定の非スズの
カルボン酸金属塩を用いることによって、非スズ触媒で
ありながら十分に実用的な硬化性を示すこと、および、
2−エチルヘキシル酸スズを使用した場合に比べ低モジ
ュラス、高伸びの物性を発現することを見出し、本発明
を完成させた。
【0015】すなわち、本発明は、架橋性シリル基を少
なくとも1個有するビニル系重合体(I)、及び、カル
ボン酸金属塩(II)を含有する硬化性組成物に関する
ものである。
【0016】ビニル系重合体(I)は特に限定されない
が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し
た重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
(Mw/Mn)の値が、1.8未満であるのが好まし
い。
【0017】更に、ビニル系重合体(I)の主鎖は、特
に限定されないが、(メタ)アクリル系モノマー、アク
リロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フ
ッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノ
マーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合し
て製造されるのが好ましく、より好ましくは(メタ)ア
クリル系モノマー、更に好ましくはアクリル系モノマ
ー、もっと好ましくはアクリル酸エステル系モノマーで
あり、一般建築用等の用途においては配合物の低粘度、
硬化物の低モジュラス、高伸び、耐候、耐熱性等の物性
が要求される点から、アクリル酸ブチル系モノマーを用
いて重合して製造されるのが最も好ましい。また、一方
で耐油性や耐熱性、高強度等を要求される自動車のエン
ジン周りや機械等の用途においては、アクリル酸エチル
系モノマーを用いて重合して製造されるのが好ましく、
更には耐寒性等の兼合いからアクリル酸エチル系モノマ
ーを主としてアクリル酸2−メトキシエチル系モノマ
ー、アクリル酸ブチル系モノマーを用いて共重合して製
造されるのが最も好ましい。耐油性や低温特性等の物性
を考慮し、共重合するモノマーの比率を変化させること
が可能である。
【0018】また、このビニル系重合体(I)の主鎖
は、限定はされないが、リビングラジカル重合により製
造されることが好ましく、原子移動ラジカル重合である
ことがより好ましい。さらに、原子移動ラジカル重合
は、限定はされないが、周期律表第7族、8族、9族、
10族、または11族元素を中心金属とする遷移金属錯
体より選ばれる錯体を触媒とすることが好ましく、銅、
ニッケル、ルテニウム、又は鉄の錯体からなる群より選
ばれる錯体がより好ましく、中でも銅の錯体が特に好ま
しい。
【0019】ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基の
位置は、限定はされないが、末端が好ましい。その他に
主鎖内部に同様の官能基を有しても構わないが、架橋さ
せた硬化物にゴム弾性を求める場合等には末端のみに官
能基を有することが好ましい。
【0020】ビニル系重合体(I)の架橋性官能基の数
は、特に限定されないが、より架橋性の高い硬化物を得
るためには、平均して1個以上、好ましくは1.2個以
上、より好ましくは1.5個以上である。
【0021】カルボン酸金属塩(II)の金属は、特に
限定はされないが、ビスマス、鉄、チタン、鉛、バナジ
ウム、ジルコニウム、カルシウム、カリウム、バリウ
ム、マンガン、セリウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、
アルミニウムからなる群から選択される金属であること
が好ましい。
【0022】カルボン酸金属塩(II)は、特に限定は
されないが、カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カル
ボン酸チタニウム、カルボン酸鉛、カルボン酸バナジウ
ム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、
カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸
マンガン、カルボン酸セリウム、カルボン酸ニッケル、
カルボン酸コバルト、カルボン酸亜鉛、カルボン酸アル
ミニウムからなる群から選択される1つ以上のカルボン
酸金属塩であることが好ましく、下記の群で表わされる
カルボン酸金属塩のいずれかであることがより好まし
く、 Fe(OCOR)2、Fe(OCOR)3、Ti(OCO
R)4、Bi(OCOR)3、Pb(OCOR)2、V
(OCOR)3、Zr(O)(OCOR)2、Ca(OC
OR)2、K(OCOR)、Ba(OCOR)2、Mn
(OCOR)2、Ce(OCOR)3、Ni(OCOR)
2、Co(OCOR)2、Zn(OCOR)2、Al(O
COR)3 (式中Rは炭素数1〜20で表される置換あるいは非置
換の炭化水素基であり、炭素炭素二重結合を含んでいて
もよい。) 最も好ましいのは、カルボン酸金属塩(II)が、2−
エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オ
レイン酸、ナフテン酸から選ばれるカルボン酸基含有化
合物の金属塩であることである。
【0023】カルボン酸金属塩(II)の含有量はビニ
ル系重合体(I)100重量部に対して、カルボン酸金
属塩(II)に含有される金属元素換算で0.005〜
30重量部となる量のカルボン酸金属塩(II)を含有
することが好ましい。
【0024】更に、特に限定はされないが、第三成分と
して、アミン化合物(III)を含有しても良く、上記
のビニル系重合体(I)100重量部に対して、カルボ
ン酸金属塩(II)中に含有される金属元素換算で0.
005〜30重量部となる量のカルボン酸金属塩(I
I)を含有する配合物に、アミン化合物(III)0.
01〜50重量部を添加しても良い。硬化促進等の効果
が期待される。
【0025】一方、配合物の硬化速度や架橋密度を高め
るために、ビニル系重合体(I)が、一般式(1)で表
される架橋性シリル基のうちaが3である架橋性シリル
基であるビニル系重合体を含有することが好ましい。 −SiYa3-a・・・(1) (ただし、式中Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭
素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキ
ル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜2
0の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であ
ってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオル
ガノシロキシ基を示し、Rが2個以上存在するとき、そ
れらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは
水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在す
るときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよ
い。aは1,2,または3を示す。)また、前述のよう
に、この式(1)で表される架橋性シリル基の位置は、
限定はされないが、ビニル系重合体(I)の主鎖末端が
好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、硬化性組成物に関す
る。更に詳しくは、以下の二成分:架橋性官能基を少な
くとも1個有するビニル系重合体(I)、及び、カルボ
ン酸金属塩(II)を含有する硬化性組成物に関するも
のである。以下に、本発明の硬化性組成物について詳述
する。 <<ビニル系重合体について>> <主鎖>発明者らは、これまでに様々な架橋性官能基を
重合体末端に有するビニル系重合体、その製造法、硬化
性組成物、及び用途に関して数々の発明を行ってきた
(特開平11−080249、特開平11−08025
0、特開平11−005815、特開平11−1166
17、特開平11−116606、特開平11−080
571、特開平11−080570、特開平11−13
0931、特開平11−100433、特開平11−1
16763、特開平9−272714号、特開平9−2
72715号等を参照)。本発明のビニル系重合体
(I)としては特に限定されないが、上に例示した発明
で開示される重合体をすべて好適に用いることができ
る。
【0027】本発明のビニル系重合体の主鎖を構成する
ビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のもの
を用いることができる。例示するならば、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n
−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n
−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−
n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、
(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)ア
クリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)
アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベン
ジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリ
ル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2
−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル
酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロ
ピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチ
レンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオ
ロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロ
メチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエ
チルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチ
ル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル
酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフ
ルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチ
ルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル
−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸
2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸
2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2
−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリ
ル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びそ
の塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレ
ン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフ
ッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系
モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸の
モノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル
酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエ
ステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイ
ミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシ
ルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミ
ド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シク
ロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリ
ル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等の
アミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮
酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン
等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエ
ン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリ
ルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いて
も良いし、複数を共重合させても構わない。
【0028】ビニル系重合体の主鎖が、(メタ)アクリ
ル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビ
ニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ
素含有ビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なく
とも1つのモノマーを主として重合して製造されるもの
であることが好ましい。ここで「主として」とは、ビニ
ル系重合体を構成するモノマー単位のうち50モル%以
上、好ましくは70%以上が、上記モノマーであること
を意味する。
【0029】なかでも、生成物の物性等から、スチレン
系モノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーが好まし
い。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及び
メタクリル酸エステルモノマーであり、特に好ましくは
アクリル酸エステルモノマーである。一般建築用等の用
途においては配合物の低粘度、硬化物の低モジュラス、
高伸び、耐候、耐熱性等の物性が要求される点から、ア
クリル酸ブチル系モノマーが更に好ましく、自動車用途
等においては耐油性等が要求される点からアクリル酸エ
チルを主とした共重合体が更に好ましい。アクリル酸エ
チルを主とした共重合体としてはアクリル酸エチルとア
クリル酸ブチル、アクリル酸2−メトキシエチルを含む
共重合体が好ましく、耐油性や低温特性等の要求物性の
度合に応じ、それらモノマーの比率を最適な比率にする
ことが好ましい。
【0030】本発明においては、これらの好ましいモノ
マーを他のモノマーと共重合、更にはブロック共重合さ
せても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマー
が重量比で40%含まれていることが好ましい。なお上
記表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル
酸および/あるいはメタクリル酸を表す。
【0031】本発明のビニル系重合体の分子量分布、す
なわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測
定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
との比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好まし
くは1.8未満であり、より好ましくは1.7以下であ
り、さらに好ましくは1.6以下であり、なお好ましく
は1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であ
り、最も好ましくは1.3以下である。本発明でのGP
C測定においては、通常、移動相としてクロロホルムを
用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、数
平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができ
る。
【0032】本発明におけるビニル系重合体の数平均分
子量は特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーで測定した場合、500〜1,000,0
00の範囲が好ましく、1,000〜100,000が
より好ましく、5,000〜50,000がさらに好ま
しい。 <主鎖の合成法>本発明における、ビニル系重合体の合
成法は、限定はされないが、制御ラジカル重合が好まし
く、リビングラジカル重合がより好ましく、原子移動ラ
ジカル重合が特に好ましい。以下にこれらについて説明
する。制御ラジカル重合 ラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過
酸化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーと
ビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジ
カル重合法」と、末端などの制御された位置に特定の官
能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に
分類できる。
【0033】「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法
であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマー
は確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率
の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーを
かなり大量に使う必要があり、逆に少量使用ではこの特
定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなると
いう問題点がある。またフリーラジカル重合であるた
め、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られない
という問題点もある。
【0034】「制御ラジカル重合法」は、更に、特定の
官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうこと
により末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる
「連鎖移動剤法」と、重合生長末端が停止反応などを起
こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の
重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類
することができる。
【0035】「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合
体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大
量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処
理も含めて経済面で問題がある。また上記の「一般的な
ラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるた
め分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られない
という問題点もある。
【0036】これらの重合法とは異なり、「リビングラ
ジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカ
ップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御
の難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応
が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.
1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマー
と開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロー
ルすることができる。
【0037】従って「リビングラジカル重合法」は、分
子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる
上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任
意の位置に導入することができるため、上記特定の官能
基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ま
しいものである。
【0038】なお、リビング重合とは狭義においては、
末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合
のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたもの
と活性化されたものが平衡状態にありながら生長してい
く擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後
者である。
【0039】「リビングラジカル重合法」は近年様々な
グループで積極的に研究がなされている。その例として
は、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、19
94年、116巻、7943頁に示されるようなコバル
トポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュール
ズ(Macromolecules)、1994年、2
7巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物
などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物
等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラ
ジカル重合」(Atom Transfer Radi
cal Polymerization:ATRP)な
どがあげられる。
【0040】「リビングラジカル重合法」の中でも、有
機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等
を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマー
を重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リ
ビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反
応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触
媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有
するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好まし
い。この原子移動ラジカル重合法としては例えばMat
yjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカ
ン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.So
c.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレ
キュールズ(Macromolecules)1995
年、28巻、7901頁,サイエンス(Scienc
e)1996年、272巻、866頁、WO96/30
421号公報,WO97/18247号公報、WO98
/01480号公報,WO98/40415号公報、あ
るいはSawamotoら、マクロモレキュールズ(M
acromolecules)1995年、28巻、1
721頁、特開平9−208616号公報、特開平8−
41117号公報などが挙げられる。
【0041】本発明において、これらのリビングラジカ
ル重合のうちどの方法を使用するかは特に制約はない
が、原子移動ラジカル重合法が好ましい。
【0042】以下にリビングラジカル重合について詳細
に説明していくが、その前に、後に説明するビニル系重
合体の製造に用いることができる制御ラジカル重合のう
ちの一つ、連鎖移動剤を用いた重合について説明する。
連鎖移動剤(テロマー)を用いたラジカル重合として
は、特に限定されないが、本発明に適した末端構造を有
したビニル系重合体を得る方法としては、次の2つの方
法が例示される。
【0043】特開平4−132706号公報に示されて
いるようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用い
てハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭61−2
71306号公報、特許2594402号公報、特開昭
54−47782号公報に示されているような水酸基含
有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を
連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法
である。
【0044】以下に、リビングラジカル重合について説
明する。
【0045】そのうち、まず、ニトロキシド化合物など
のラジカル捕捉剤を用いる方法について説明する。この
重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N
−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。この
ような化合物類としては、限定はされないが、2,2,
6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,
2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル
等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジ
カルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等
の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニ
トロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされな
いが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニ
ルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テ
トラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,
2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジ
ニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−
1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テ
トラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、
N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げ
られる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビ
ノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の
安定なフリーラジカルを用いても構わない。
【0046】上記ラジカルキャッピング剤はラジカル発
生剤と併用される。ラジカルキャッピング剤とラジカル
発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性
モノマーの重合が進行すると考えられる。両者の併用割
合は特に限定されるものではないが、ラジカルキャッピ
ング剤1モルに対し、ラジカル開始剤0.1〜10モル
が適当である。
【0047】ラジカル発生剤としては、種々の化合物を
使用することができるが、重合温度条件下で、ラジカル
を発生しうるパーオキシドが好ましい。このパーオキシ
ドとしては、限定はされないが、ベンゾイルパーオキシ
ド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド
類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘ
キシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカー
ボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステ
ル類等がある。特にベンゾイルパーオキシドが好まし
い。さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチ
ロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジ
カル発生剤も使用しうる。
【0048】Macromolecules 199
5,28,2993で報告されているように、ラジカル
キャッピング剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、
下図のようなアルコキシアミン化合物を開始剤として用
いても構わない。
【0049】
【化1】 アルコキシアミン化合物を開始剤として用いる場合、そ
れが上図で示されているような水酸基等の官能基を有す
るものを用いると、末端に官能基を有する重合体が得ら
れる。これを本発明の方法に利用すると、末端に官能基
を有する重合体が得られる。
【0050】上記のニトロキシド化合物などのラジカル
捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマー、溶媒、重合
温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原
子移動ラジカル重合について用いるものと同様で構わな
い。原子移動ラジカル重合 次に、本発明のリビングラジカル重合としてより好まし
い原子移動ラジカル重合法について説明する。
【0051】この原子移動ラジカル重合では、有機ハロ
ゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有す
る有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有する
カルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化
合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始
剤として用いられる。具体的に例示するならば、 C65−CH2X、C65−C(H)(X)CH3、C6
5−C(X)(CH32(ただし、上の化学式中、C6
5はフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素) R1−C(H)(X)−CO22、R1−C(CH3
(X)−CO22、R1−C(H)(X)−C(O)
2、R1−C(CH3)(X)−C(O)R2、 (式中、R1、R2は水素原子または炭素数1〜20のア
ルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩
素、臭素、またはヨウ素) R1−C64−SO2X (上記の各式において、R1は水素原子または炭素数1
〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル
基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素) 等が挙げられる。
【0052】原子移動ラジカル重合の開始剤として、重
合を開始する官能基以外の官能基を有する有機ハロゲン
化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもで
きる。このような場合、一方の主鎖末端に官能基を、他
方の主鎖末端に原子移動ラジカル重合の生長末端構造を
有するビニル系重合体が製造される。このような官能基
としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシ
ル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられ
る。
【0053】アルケニル基を有する有機ハロゲン化物と
しては限定されず、例えば、一般式(2)に示す構造を
有するものが例示される。 R45C(X)−R6−R7−C(R3)=CH2 (2) (式中、R3は水素、またはメチル基、R4、R5は水
素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリ
ール基、またはアラルキル、または他端において相互に
連結したもの、R6は、−C(O)O−(エステル
基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p
−フェニレン基、R7は直接結合、または炭素数1〜2
0の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでい
ても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素) 置換基R4、R5の具体例としては、水素、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R4とR5は他
端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
【0054】一般式(2)で示される、アルケニル基を
有する有機ハロゲン化物の具体例としては、 XCH2C(O)O(CH2nCH=CH2、H3CC
(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、(H3
C)2C(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、CH
3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH
2
【0055】
【化2】 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数) XCH2C(O)O(CH2nO(CH2mCH=C
2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2nO(C
2mCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O
(CH2nO(CH2mCH=CH2、CH3CH2
(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH=
CH2
【0056】
【化3】 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−CH=C
2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(C
2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2
(H)(X)−C64−(CH2n−CH=CH2、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−O−(C
2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)
(X)−C64−(CH2n−O−(CH2m−CH=
CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6
4−(CH2n−O−(CH2mCH=CH2、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−CH
=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64
O−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH 3CH
2C(H)(X)−C64−O−(CH2n−CH=C
2、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数)o,m,p−XCH2−C6
4−O−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH2
o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−O−(C
2n−O−(CH2 m−CH=CH2、o,m,p−
CH3CH2C(H)(X)−C64−O−(CH 2n
O−(CH2m−CH=CH2、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数) アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに
一般式(3)で示される化合物が挙げられる。 H2C=C(R3)−R7−C(R4)(X)−R8−R5 (3) (式中、R3、R4、R5、R7、Xは上記に同じ、R
8は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C
(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニ
レン基を表す) R7は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基
(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)である
が、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭
素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物で
ある。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲ
ン結合が活性化されているので、R8としてC(O)O
基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接
結合であってもよい。R7が直接結合でない場合は、炭
素−ハロゲン結合を活性化するために、R8としてはC
(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
【0057】一般式(3)の化合物を具体的に例示する
ならば、 CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、C
2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C
(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(CH32
CH2=CHC(H)(X)C25、CH2=CHC
(H)(X)CH(CH32、CH2=CHC(H)
(X)C65、CH2=CHC(H)(X)CH2
65、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、C
2=CH(CH22C(H)(X)−CO2R、CH2
=CH(CH23C(H)(X)−CO2R、CH2=C
H(CH28C(H)(X)−CO2R、CH2=CHC
2C(H)(X)−C65、CH2=CH(CH22
(H)(X)−C65、CH2=CH(CH23
(H)(X)−C65、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基) 等を挙げることができる。
【0058】アルケニル基を有するハロゲン化スルホニ
ル化合物の具体例を挙げるならば、 o−,m−,p−CH2=CH−(CH2n−C64
SO2X、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2n
O−C64−SO2X、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、nは0〜20の整数)等である。
【0059】上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン
化物としては特に限定されず、例えば一般式(4)に示
す構造を有するものが例示される。 R45C(X)−R6−R7−C(H)(R3)CH2−[Si(R92-b(Y)b O]m−Si(R103-a(Y)a (4) (式中、R3、R4、R5、R6、R7、Xは上記に同じ、
9、R10は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、または(R’)3SiO−
(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、
3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよ
い)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R9
たはR10が2個以上存在するとき、それらは同一であっ
てもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水
分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同
一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,
2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。
mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であ
ることを満足するものとする) 一般式(4)の化合物を具体的に例示するならば、 XCH2C(O)O(CH2nSi(OCH33、CH3
C(H)(X)C(O)O(CH2nSi(OC
33、(CH32C(X)C(O)O(CH2nSi
(OCH33、XCH2C(O)O(CH2nSi(C
3)(OCH32、CH 3C(H)(X)C(O)O
(CH2nSi(CH3)(OCH32、(CH32
(X)C(O)O(CH2nSi(CH3)(OCH3
2、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは
0〜20の整数、) XCH2C(O)O(CH2nO(CH2mSi(OC
33、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2n
(CH2mSi(OCH33、(H3C)2C(X)C
(O)O(CH2nO(CH2mSi(OCH33、C
3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH
2mSi(OCH33、XCH2C(O)O(CH2n
O(CH2mSi(CH3)(OCH32、H3CC
(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2m−Si
(CH3)(OCH32、(H3C)2C(X)C(O)
O(CH2nO(CH2m−Si(CH3)(OCH3
2、CH3CH 2C(H)(X)C(O)O(CH2n
(CH2m−Si(CH3)(OCH32、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは
1〜20の整数、mは0〜20の整数) o,m,p−XCH2−C64−(CH22Si(OC
33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64
(CH22Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2
C(H)(X)−C64−(CH22Si(OC
33、o,m,p−XCH2−C64−(CH23
i(OCH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−
64−(CH23Si(OCH33、o,m,p−C
3CH2C(H)(X)−C64−(CH23Si(O
CH33、o,m,p−XCH2−C64−(CH22
−O−(CH23Si(OCH33、o,m,p−CH
3C(H)(X)−C64−(CH22−O−(CH2
3Si(OCH33、o,m,p−CH3CH2C(H)
(X)−C64−(CH22−O−(CH23Si(O
CH33、o,m,p−XCH2−C64−O−(C
23Si(OCH33、o,m,p−CH3C(H)
(X)−C64−O−(CH23Si(OCH33
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−
(CH23−Si(OCH33、o,m,p−XCH2
−C64−O−(CH22−O−(CH23−Si(O
CH33、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64
−O−(CH22−O−(CH23Si(OCH33
o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C64−O−
(CH22−O−(CH23Si(OCH33、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素) 等が挙げられる。
【0060】上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン
化物としてはさらに、一般式(5)で示される構造を有
するものが例示される。 (R103-a(Y)aSi−[OSi(R92-b(Y)bm−CH2−C(H)( R3)−R7−C(R4)(X)−R8−R5 (5) (式中、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、a、
b、m、X、Yは上記に同じ) このような化合物を具体的に例示するならば、 (CH3O)3SiCH2CH2C(H)(X)C65
(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)(X)
65、(CH3O)3Si(CH22C(H)(X)−
CO2R、(CH3O)2(CH3)Si(CH22
(H)(X)−CO2R、(CH3O)3Si(CH23
C(H)(X)−CO2R、(CH3O)2(CH3)Si
(CH23C(H)(X)−CO2R、(CH3O)3
i(CH24C(H)(X)−CO2R、(CH3O)2
(CH3)Si(CH24C(H)(X)−CO2R、
(CH3O)3Si(CH29C(H)(X)−CO
2R、(CH3O)2(CH3)Si(CH29C(H)
(X)−CO2R、(CH3O)3Si(CH23
(H)(X)−C65、(CH3O)2(CH3)Si
(CH23C(H)(X)−C65、(CH3O)3Si
(CH24C(H)(X)−C65、(CH3O)2(C
3)Si(CH24C(H)(X)−C65、 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基) 等が挙げられる。
【0061】上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化
物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限
定されず、下記のようなものが例示される。 HO−(CH2n−OC(O)C(H)(R)(X) (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数)上記
アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化ス
ルホニル化合物としては特に限定されず、下記のような
ものが例示される。 H2N−(CH2n−OC(O)C(H)(R)(X) (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数) 上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲ
ン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記の
ようなものが例示される。
【0062】
【化4】 (上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ
素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、
アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数) 生長末端構造を1分子内に2つ以上有する重合体を得る
ためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、
またはハロゲン化スルホニル化合物が開始剤として用い
るのが好ましい。具体的に例示するならば、
【0063】
【化5】
【0064】
【化6】 等が挙げられる。
【0065】この重合において用いられるビニル系モノ
マーとしては特に制約はなく、既に例示したものをすべ
て好適に用いることができる。
【0066】重合触媒として用いられる遷移金属錯体と
しては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7
族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属
とする金属錯体錯体である。更に好ましいものとして、
0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は
2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯
体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するなら
ば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化
第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合
物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビ
ピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン
及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペン
タメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス
(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子
が添加される。好ましい配位子は、含窒素化合物であ
り、より好ましい配位子は、キレート型含窒素化合物で
あり、さらに好ましい配位子は、N,N,N’,N”,
N”−ペンタメチルジエチレントリアミンである。ま
た、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフ
ィン錯体(RuCl2(PPh33)も触媒として好適
である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、
活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加され
る。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体
(FeCl2(PPh32)、2価のニッケルのビスト
リフェニルホスフィン錯体(NiCl2(PP
32)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホス
フィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触媒として
好適である。
【0067】重合は無溶剤または各種の溶剤中で行なう
ことができる。溶剤の種類としては、ベンゼン、トルエ
ン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶
媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロ
ピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート
系溶媒等が挙げられ、単独または2種以上を混合して用
いることができる。
【0068】また、限定はされないが、重合は0℃〜2
00℃の範囲で行うことができ、好ましくは50〜15
0℃である。
【0069】本発明の原子移動ラジカル重合には、いわ
ゆるリバース原子移動ラジカル重合も含まれる。リバー
ス原子移動ラジカル重合とは、通常の原子移動ラジカル
重合触媒がラジカルを発生させた時の高酸化状態、例え
ば、Cu(I)を触媒として用いた時のCu(II’)
に対し、過酸化物等の一般的なラジカル開始剤を作用さ
せ、その結果として原子移動ラジカル重合と同様の平衡
状態を生み出す方法である(Macromolecul
es 1999,32,2872参照)。 <官能基>架橋性シリル基の数 ビニル系重合体の架橋性シリル基の数は、特に限定され
ないが、組成物の硬化性、及び硬化物の物性の観点か
ら、平均して1個以上有することが好ましく、より好ま
しくは1.1個以上4.0以下、さらに好ましくは1.
2個以上3.5個以下である。架橋性シリル基の位置 本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物にゴム的
な性質が特に要求される場合には、ゴム弾性に大きな影
響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、架橋性
官能基の少なくとも1個は分子鎖の末端にあることが好
ましい。より好ましくは、全ての架橋性官能基を分子鎖
末端に有するものである。
【0070】上記架橋性シリル基を分子末端に少なくと
も1個有するビニル系重合体、中でも(メタ)アクリル
系重合体を製造する方法は、特公平3−14068号公
報、特公平4−55444号公報、特開平6−2119
22号公報等に開示されている。しかしながらこれらの
方法は上記「連鎖移動剤法」を用いたフリーラジカル重
合法であるので、得られる重合体は、架橋性シリル基を
比較的高い割合で分子鎖末端に有する一方で、Mw/M
nで表される分子量分布の値が一般に2以上と大きく、
粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子
量分布が狭く、粘度の低いビニル系重合体であって、高
い割合で分子鎖末端に架橋性シリル基を有するビニル系
重合体を得るためには、上記「リビングラジカル重合
法」を用いることが好ましい。
【0071】以下にこれらの官能基について説明する。架橋性シリル基 本発明の架橋性シリル基としては、一般式(6); −[Si(R92-b(Y)bO]m−Si(R103-a(Y)a (6) {式中、R9、R10は、いずれも炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20
のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭
素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’
は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示され
るトリオルガノシロキシ基を示し、R9またはR10が2
個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異
なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示
し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3
を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19
の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足
するものとする。}で表される基があげられる。
【0072】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0073】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σ
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が架橋性シリル基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。架橋性
シリル基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。とくに、一般式
(7) −Si(R103-a(Y)a (7) (式中、R10、Y、aは前記と同じ。)で表される架橋
性シリル基が、入手が容易であるので好ましい。
【0074】なお、特に限定はされないが、硬化性を考
慮するとaは2個以上が好ましい。
【0075】このような架橋性シリル基を有するビニル
系重合体は珪素原子1つあたり2つの加水分解性基が結
合してなる加水分解性珪素基を有する重合体が用いられ
ることが多いが、接着剤の用途等や低温で使用する場合
等、特に非常に速い硬化速度を必要とする場合、その硬
化速度は充分ではなく、また硬化後の柔軟性を出したい
場合には、架橋密度を低下させる必要があり、そのため
架橋密度が充分でないためにべたつき(表面タック)が
あることもあった。その際には、aが3個のもの(例え
ばトリメトキシ官能基)であるのが好ましい。
【0076】また、aが3個のもの(例えばトリメトキ
シ官能基)は2個のもの(例えばジメトキシ官能基)よ
りも硬化が速いが、貯蔵安定性や力学物性(伸び等)に
関しては2個のものの方が優れている場合がある。硬化
性と物性バランスをとるために、2個のもの(例えばジ
メトキシ官能基)と3個のもの(例えばトリメトキシ官
能基)を併用してもよい。 <シリル基導入法>以下に、本発明のビニル系重合体へ
のシリル基導入法について説明するが、これに限定され
るものではない。
【0077】まず、末端官能基変換により架橋性シリル
基、アルケニル基、水酸基を導入する方法について記述
する。これらの官能基はお互いに前駆体となりうるの
で、架橋性シリル基から溯る順序で記述していく。
【0078】架橋性シリル基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体の合成方法としては、 (A)アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重
合体に架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、
ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法 (B)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体に
一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基を有する
化合物のような、水酸基と反応し得る基を有する化合物
を反応させる方法 (C)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際
に、1分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基
を併せ持つ化合物を反応させる方法 (D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際
に、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方法 (E)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1
個有するビニル系重合体に1分子中に架橋性シリル基と
安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法;
などが挙げられる。
【0079】(A)の方法で用いるアルケニル基を少な
くとも1個有するビニル系重合体は種々の方法で得られ
る。以下に合成方法を例示するが、これらに限定される
わけではない。
【0080】(A−a)ラジカル重合によりビニル系重
合体を合成する際に、例えば下記の一般式(9)に挙げ
られるような一分子中に重合性のアルケニル基と重合性
の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を第2のモノマー
として反応させる方法。 H2C=C(R14)−R15−R16−C(R17)=CH2 (9) (式中、R14は水素またはメチル基を示し、R15は−C
(O)O−、またはo−,m−,p−フェニレン基を示
し、R16は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有
機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよ
い。R17は水素、または炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のア
ラルキル基を示す) なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低い
アルケニル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限
はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質
を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノ
マーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させる
のが好ましい。
【0081】(A−b)リビングラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは
所定のモノマーの反応終了後に、例えば1,5−ヘキサ
ジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンな
どのような重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個
有する化合物を反応させる方法。
【0082】(A−c)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えばア
リルトリブチル錫、アリルトリオクチル錫などの有機錫
のようなアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を
反応させてハロゲンを置換する方法。
【0083】(A−d)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式
(10)に挙げられるようなアルケニル基を有する安定
化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。 M+-(R18)(R19)−R20−C(R17)=CH2 (10) (式中、R17は上記に同じ、R18、R19はともにカルバ
ニオンC-を安定化する電子吸引基であるか、または一
方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10
のアルキル基、またはフェニル基を示す。R20は直接結
合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個
以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカ
リ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す) R18、R19の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。
【0084】(A−e)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜
鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させ
てエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンや
アセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化
合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケ
ニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を
有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電
子化合物と反応させる方法。
【0085】(A−f)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一
般式(11)あるいは(12)に示されるようなアルケ
ニル基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレー
トアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。 H2C=C(R17)−R21−O-+ (11) (式中、R17、M+は上記に同じ。R21は炭素数1〜2
0の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでい
てもよい) H2C=C(R17)−R22−C(O)O-+ (12) (式中、R17、M+は上記に同じ。R22は直接結合、ま
たは炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテ
ル結合を含んでいてもよい)などが挙げられる。
【0086】上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を
少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は、前述
のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯
体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるが
これらに限定されるわけではない。
【0087】またアルケニル基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体は、水酸基を少なくとも1個有するビニ
ル系重合体から得ることも可能であり、以下に例示する
方法が利用できるがこれらに限定されるわけではない。
水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水酸基
に、 (A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用さ
せ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物
と反応させる方法。
【0088】(A−h)アリルイソシアネート等のアル
ケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法。
【0089】(A−i)(メタ)アクリル酸クロリドの
ようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の
塩基存在下に反応させる方法。
【0090】(A−j)アクリル酸等のアルケニル基含
有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法;等が
挙げられる。
【0091】本発明では(A−a)(A−b)のような
アルケニル基を導入する方法にハロゲンが直接関与しな
い場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系
重合体を合成することが好ましい。制御がより容易であ
る点から(A−b)の方法がさらに好ましい。
【0092】反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換するこ
とによりアルケニル基を導入する場合は、反応性の高い
炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有する有機ハロゲ
ン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、
遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル
重合すること(原子移動ラジカル重合法)により得る、
末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1
個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御が
より容易である点から(A−f)の方法がさらに好まし
い。
【0093】また、架橋性シリル基を有するヒドロシラ
ン化合物としては特に制限はないが、代表的なものを示
すと、一般式(13)で示される化合物が例示される。 H−[Si(R92-b(Y)bO]m−Si(R103-a(Y)a (13) {式中、R9、R10は、いずれも炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20
のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭
素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’
は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示され
るトリオルガノシロキシ基を示し、R9またはR10が2
個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異
なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示
し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であっても
よく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3
を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19
の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足
するものとする。} これらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式(1
4) H−Si(R103-a(Y)a (14) (式中、R10、Y、aは前記に同じ) で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から
好ましい。
【0094】上記の架橋性シリル基を有するヒドロシラ
ン化合物をアルケニル基に付加させる際には、遷移金属
触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例え
ば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等
の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化
白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、
白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメ
チルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の
触媒の例としては、RhCl(PPh33,RhC
3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl3
PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げられ
る。
【0095】(B)および(A−g)〜(A−j)の方
法で用いる水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合
体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これ
らの方法に限定されるものではない。
【0096】(B−a)ラジカル重合によりビニル系重
合体を合成する際に、例えば下記の一般式(15)に挙
げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と水酸
基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる
方法。 H2C=C(R14)−R15−R16−OH (15) (式中、R14、R15、R16は上記に同じ) なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ
持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビ
ングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には
重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後
に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
【0097】(B−b)リビングラジカル重合によりビ
ニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは
所定のモノマーの反応終了後に、例えば10−ウンデセ
ノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのような
アルケニルアルコールを反応させる方法。
【0098】(B−c)例えば特開平5−262808
に示される水酸基含有ポリスルフィドのような水酸基含
有連鎖移動剤を多量に用いてビニル系モノマーをラジカ
ル重合させる方法。
【0099】(B−d)例えば特開平6−23991
2、特開平8−283310に示されるような過酸化水
素あるいは水酸基含有開始剤を用いてビニル系モノマー
をラジカル重合させる方法。
【0100】(B−e)例えば特開平6−116312
に示されるようなアルコール類を過剰に用いてビニル系
モノマーをラジカル重合させる方法。
【0101】(B−f)例えば特開平4−132706
などに示されるような方法で、反応性の高い炭素−ハロ
ゲン結合を少なくとも1個に有するビニル系重合体のハ
ロゲンを加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させ
ることにより、末端に水酸基を導入する方法。
【0102】(B−g)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式
(16)に挙げられるような水酸基を有する安定化カル
バニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。 M+-(R18)(R19)−R20−OH (16) (式中、R18、R19、R20、は上記に同じ) R18、R19の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。
【0103】(B−h)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜
鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させ
てエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド
類、又はケトン類を反応させる方法。
【0104】(B−i)反応性の高い炭素−ハロゲン結
合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一
般式(17)あるいは(18)に示されるような水酸基
を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニ
オンを反応させてハロゲンを置換する方法。 HO−R21−O-+ (17) (式中、R21およびM+は前記に同じ) HO−R22−C(O)O-+ (18) (式中、R22およびM+は前記に同じ) (B−j)リビングラジカル重合によりビニル系重合体
を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマ
ーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に
重合性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物
を反応させる方法。
【0105】このような化合物としては特に限定されな
いが、一般式(19)に示される化合物等が挙げられ
る。 H2C=C(R14)−R21−OH (19) (式中、R14およびR21は上述したものと同様であ
る。) 上記一般式(19)に示される化合物としては特に限定
されないが、入手が容易であるということから、10−
ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコール
のようなアルケニルアルコールが好ましい。等が挙げら
れる。
【0106】本発明では(B−a)〜(B−e)及び
(B−j)のような水酸基を導入する方法にハロゲンが
直接関与しない場合には、リビングラジカル重合法を用
いてビニル系重合体を合成することが好ましい。制御が
より容易である点から(B−b)の方法がさらに好まし
い。
【0107】反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換するこ
とにより水酸基を導入する場合は、有機ハロゲン化物、
またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属
錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合する
こと(原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反
応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有する
ビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易
である点から(B−i)の方法がさらに好ましい。
【0108】また、一分子中に架橋性シリル基とイソシ
アネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合
物としては、例えばγ−イソシアナートプロピルトリメ
トキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキ
シシラン等が挙げられ、必要により一般に知られている
ウレタン化反応の触媒を使用できる。
【0109】(C)の方法で用いる一分子中に重合性の
アルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物として
は、例えばトリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリ
レート、メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アク
リレートなどのような、下記一般式(20)で示すもの
が挙げられる。 H2C=C(R14)−R15−R23−[Si(R92-b(Y)bO]m−Si(R103-a(Y)a (20) (式中、R9、R10、R14、R15、Y、a、b、mは上
記に同じ。R23は、直接結合、または炭素数1〜20の
2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても
よい。) 一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併
せ持つ化合物を反応させる時期に特に制限はないが、特
にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場
合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終
了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好まし
い。
【0110】(D)の連鎖移動剤法で用いられる、架橋
性シリル基を有する連鎖移動剤としては例えば特公平3
−14068、特公平4−55444に示される、架橋
性シリル基を有するメルカプタン、架橋性シリル基を有
するヒドロシランなどが挙げられる。
【0111】(E)の方法で用いられる、上述の反応性
の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニ
ル系重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物
等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラ
ジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけで
はない。一分子中に架橋性シリル基と安定化カルバニオ
ンを併せ持つ化合物としては一般式(21)で示すもの
が挙げられる。 M+-(R18)(R19)−R24−C(H)(R25)−CH2−[Si(R92-b (Y)bO]m−Si(R103-a(Y)a (21) (式中、R9、R10、R18、R19、Y、a、b、m、は
前記に同じ。R24は直接結合、または炭素数1〜10の
2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても
よい、R25は水素、または炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10
のアラルキル基を示す。) R18、R19の電子吸引基としては、−CO2R、−C
(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好まし
い。 <<カルボン酸金属塩(II)について>>本発明の硬
化性組成物において、カルボン酸金属塩(II)として
は、特に限定はされないが、カルボン酸ビスマス、カル
ボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カルボン酸鉛、カル
ボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン
酸カルシウム、カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウ
ム、カルボン酸マンガン、カルボン酸セリウム、カルボ
ン酸ニッケル、カルボン酸コバルト、カルボン酸亜鉛、
カルボン酸アルミニウムからなる群から選択される1つ
以上であるカルボン酸金属塩が挙げられる。これらのカ
ルボン酸金属塩は、本発明のビニル系重合体(I)に含
有される架橋性シリル基からシロキサン結合を形成させ
得る、いわゆるシラノール縮合触媒として機能するもの
である。
【0112】前記カルボン酸金属塩の中で、カルボン酸
ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カル
ボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコニ
ウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸カリウム、カ
ルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸セ
リウムは、触媒の活性が高い為により好ましく、カルボ
ン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、
カルボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジル
コニウム、カルボン酸カルシウムは更に好ましく、カル
ボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム
は特に好ましい。
【0113】また、着色が少ない点から、カルボン酸ビ
スマス、カルボン酸チタニウム、カルボン酸鉛、カルボ
ン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸
カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸セリウム、
カルボン酸亜鉛、カルボン酸アルミニウムが好ましい。
【0114】前記カルボン酸金属塩の具体例としては、
下記の群で表わされるカルボン酸金属塩が、入手性の点
からより好ましい。 Fe(OCOR)2、Fe(OCOR)3、Ti(OCO
R)4、Bi(OCOR)3、Pb(OCOR)2、V
(OCOR)3、Zr(O)(OCOR)2、Ca(OC
OR)2、K(OCOR)、Ba(OCOR)2、Mn
(OCOR)2、Ce(OCOR)3、Ni(OCOR)
2、Co(OCOR)2、Zn(OCOR)2、Al(O
COR)3 (式中Rは炭素数1〜20で表される置換あるいは非置
換の炭化水素基であり、炭素炭素二重結合を含んでいて
もよい。) ここでカルボン酸としては、炭素数1〜40の炭化水素
系のカルボン酸基含有化合物が好適に使用されうるが、
具体的に例示すると、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、2−エチル
ヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン
酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル
酸などの直鎖飽和脂肪酸類;ウンデシレン酸、リンデル
酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ミリストレイン酸、2−
ヘキサデセン酸、6−ヘキサデセン酸、7−ヘキサデセ
ン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン
酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ガド
レイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブ
ラシジン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン
酸などのモノエン不飽和脂肪酸類; リノール酸、1
0,12−オクタデカジエン酸、ヒラゴ酸、α−エレオ
ステアリン酸、β−エレオステアリン酸、プニカ酸、リ
ノレン酸、8,11,14−エイコサトリエン酸、7,
10,13−ドコサトリエン酸、4,8,11,14−
ヘキサデカテトラエン酸、モロクチ酸、ステアリドン
酸、アラキドン酸、8,12,16,19−ドコサテト
ラエン酸、4,8,12,15,18−エイコサペンタ
エン酸、イワシ酸、ニシン酸、ドコサヘキサエン酸など
のポリエン不飽和脂肪酸類;イソ酸、アンテイソ酸、ツ
ベルクロステアリン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸
などの枝分れ脂肪酸類;タリリン酸、ステアロール酸、
クレペニン酸、キシメニン酸、7−ヘキサデシン酸など
の三重結合をもつ脂肪酸類;ナフテン酸、マルバリン
酸、ステルクリン酸、ヒドノカルビン酸、ショールムー
グリン酸、ゴルリン酸などの脂環式カルボン酸類;サビ
ニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イプロール
酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、
ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット
酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、12−ヒドロキシ
オクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、
9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、リシノール
酸、カムロレン酸、リカン酸、フェロン酸、セレブロン
酸などの含酸素脂肪酸類;コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸などのジカルボン酸類等が挙げられる。
【0115】特に入手が容易で安価であり、ビニル系重
合体との相溶性が良好である点から、2−エチルヘキシ
ル酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オレイン酸、ま
たはナフテン酸などが好ましい。
【0116】入手性と相溶性の観点から、好ましいカル
ボン酸金属塩の具体例としては、2−エチルヘキシル酸
鉄(2価)、2−エチルヘキシル酸鉄(3価)、2−エ
チルヘキシル酸チタニウム(4価)、2−エチルヘキシ
ル酸ビスマス(3価)、2−エチルヘキシル酸鉛(2
価)、2−エチルヘキシル酸バナジウム(3価)、2−
エチルヘキシル酸ジルコニル(4価)、2−エチルヘキ
シル酸カルシウム(2価)、2−エチルヘキシル酸カリ
ウム(1価)、2−エチルヘキシル酸バリウム(2
価)、2−エチルヘキシル酸マンガン(2価)、2−エ
チルヘキシル酸セリウム(3価)、2−エチルヘキシル
酸ニッケル(2価)、2−エチルヘキシル酸コバルト
(2価)、2−エチルヘキシル酸亜鉛(2価)、2−エ
チルヘキシル酸アルミニウム(3価)、ネオデカン酸鉄
(2価)、ネオデカン酸鉄(3価)、ネオデカン酸チタ
ニウム(4価)、ネオデカン酸ビスマス(3価)、ネオ
デカン酸鉛(2価)、ネオデカン酸バナジウム(3
価)、ネオデカン酸ジルコニル(4価)、ネオデカン酸
カルシウム(2価)、ネオデカン酸カリウム(1価)、
ネオデカン酸バリウム(2価)、ネオデカン酸マンガン
(2価)、ネオデカン酸セリウム(3価)、ネオデカン
酸ニッケル(2価)、ネオデカン酸コバルト(2価)、
ネオデカン酸亜鉛(2価)、ネオデカン酸アルミニウム
(3価)、バーサチック酸鉄(2価)、バーサチック酸
鉄(3価)、バーサチック酸チタニウム(4価)、バー
サチック酸ビスマス(3価)、バーサチック酸鉛(2
価)、バーサチック酸バナジウム(3価)、バーサチッ
ク酸ジルコニル(4価)、バーサチック酸カルシウム
(2価)、バーサチック酸カリウム(1価)、バーサチ
ック酸バリウム(2価)、バーサチック酸マンガン(2
価)、バーサチック酸セリウム(3価)、バーサチック
酸ニッケル(2価)、バーサチック酸コバルト(2
価)、バーサチック酸亜鉛(2価)、バーサチック酸ア
ルミニウム(3価)、オレイン酸鉄(2価)、オレイン
酸鉄(3価)、オレイン酸チタニウム(4価)、オレイ
ン酸ビスマス(3価)、オレインル酸鉛(2価)、オレ
イン酸バナジウム(3価)、オレイン酸ジルコニル(4
価)、オレイン酸カルシウム(2価)、オレイン酸カリ
ウム(1価)、オレイン酸バリウム(2価)、オレイン
酸マンガン(2価)、オレイン酸セリウム(3価)、オ
レイン酸ニッケル(2価)、オレイン酸コバルト(2
価)、オレイン酸亜鉛(2価)、オレイン酸アルミニウ
ム(3価)、ナフテン酸鉄(2価)、ナフテン酸鉄(3
価)、ナフテン酸チタニウム(4価)、ナフテン酸ビス
マス(3価)、ナフテン酸鉛(2価)、ナフテン酸バナ
ジウム(3価)、ナフテン酸ジルコニル(4価)、ナフ
テン酸カルシウム(2価)、ナフテン酸カリウム(1
価)、ナフテン酸バリウム(2価)、ナフテン酸マンガ
ン(2価)、ナフテン酸セリウム(3価)、ナフテン酸
ニッケル(2価)、ナフテン酸コバルト(2価)、ナフ
テン酸亜鉛(2価)、ナフテン酸アルミニウム(3
価)、等が挙げられる。
【0117】触媒活性の観点から、2−エチルヘキシル
酸鉄(2価)、2−エチルヘキシル酸鉄(3価)、2−
エチルヘキシル酸チタニウム(4価)、2−エチルヘキ
シル酸ビスマス(3価)、2−エチルヘキシル酸亜鉛
(2価)、ネオデカン酸鉄(2価)、ネオデカン酸鉄
(3価)、ネオデカン酸チタニウム(4価)、ネオデカ
ン酸ビスマス(3価)、ネオデカン酸亜鉛(2価)、バ
ーサチック酸鉄(2価)、バーサチック酸鉄(3価)、
バーサチック酸チタニウム(4価)、バーサチック酸ビ
スマス(3価)、バーサチック酸亜鉛(2価)、オレイ
ン酸鉄(2価)、オレイン酸鉄(3価)、オレイン酸チ
タニウム(4価)、オレイン酸ビスマス(3価)、オレ
イン酸亜鉛(2価)、ナフテン酸鉄(2価)、ナフテン
酸鉄(3価)、ナフテン酸チタニウム(4価)、ナフテ
ン酸ビスマス(3価)、ナフテン酸亜鉛(2価)、がよ
り好ましく、2−エチルヘキシル酸鉄(3価)、2−エ
チルヘキシル酸チタニウム(4価)、2−エチルヘキシ
ル酸ビスマス(3価)、ネオデカン酸鉄(3価)、ネオ
デカン酸チタニウム(4価)、ネオデカン酸ビスマス
(3価)、バーサチック酸鉄(3価)、バーサチック酸
チタニウム(4価)、バーサチック酸ビスマス(3
価)、オレイン酸鉄(3価)、オレイン酸チタニウム
(4価)、オレイン酸ビスマス(3価)、ナフテン酸鉄
(3価)、ナフテン酸チタニウム(4価)、ナフテン酸
ビスマス(3価)、が特に好ましい。
【0118】また、着色の観点から、2−エチルヘキシ
ル酸チタニウム(4価)、2−エチルヘキシル酸ビスマ
ス(3価)、2−エチルヘキシル酸鉛(2価)、2−エ
チルヘキシル酸ジルコニル(4価)、2−エチルヘキシ
ル酸カルシウム(2価)、2−エチルヘキシル酸カリウ
ム(1価)、2−エチルヘキシル酸バリウム(2価)、
2−エチルヘキシル酸セリウム(3価)、2−エチルヘ
キシル酸亜鉛(2価)、2−エチルヘキシル酸アルミニ
ウム(3価)、ネオデカン酸チタニウム(4価)、ネオ
デカン酸ビスマス(3価)、ネオデカン酸鉛(2価)、
ネオデカン酸ジルコニル(4価)、ネオデカン酸カルシ
ウム(2価)、ネオデカン酸カリウム(1価)、ネオデ
カン酸バリウム(2価)、ネオデカン酸セリウム(3
価)、ネオデカン酸亜鉛(2価)、ネオデカン酸アルミ
ニウム(3価)、バーサチック酸チタニウム(4価)、
バーサチック酸ビスマス(3価)、バーサチック酸鉛
(2価)、バーサチック酸ジルコニル(4価)、バーサ
チック酸カルシウム(2価)、バーサチック酸カリウム
(1価)、バーサチック酸バリウム(2価)、バーサチ
ック酸セリウム(3価)、バーサチック酸亜鉛(2
価)、バーサチック酸アルミニウム(3価)、オレイン
酸チタニウム(4価)、オレイン酸ビスマス(3価)、
オレインル酸鉛(2価)、オレイン酸ジルコニル(4
価)、オレイン酸カルシウム(2価)、オレイン酸カリ
ウム(1価)、オレイン酸バリウム(2価)、オレイン
酸セリウム(3価)、オレイン酸亜鉛(2価)、オレイ
ン酸アルミニウム(3価)、ナフテン酸チタニウム(4
価)、ナフテン酸ビスマス(3価)、ナフテン酸鉛(2
価)、ナフテン酸ジルコニル(4価)、ナフテン酸カル
シウム(2価)、ナフテン酸カリウム(1価)、ナフテ
ン酸バリウム(2価)、ナフテン酸セリウム(3価)、
ナフテン酸亜鉛(2価)、ナフテン酸アルミニウム(3
価)、がより好ましい。
【0119】このようなカルボン酸金属塩は、カルボン
酸基含有化合物またはそのエステルと水酸化ナトリウム
とを反応させてナトリウム石鹸の水溶液を作り、これと
は別に調製した金属塩の水溶液を加えて、金属石鹸を沈
殿させる沈殿法や、カルボン酸基含有化合物またはその
エステルと金属の水酸化物、酸化物、弱酸塩を高温で反
応させる溶融法、カルボン酸基含有化合物と金属粉末と
を反応させる直接法などのほかに、無水有機溶剤中でア
ルコラートまたは塩化物とカルボン酸基含有化合物を反
応させる方法などが採られる。
【0120】また、このようなカルボン酸金属塩はミネ
ラルスピリットやトルエン、ヘキシレングリコール、ジ
エチレングリコール、白灯油、ジオクチルフタレートな
どの希釈溶剤により希釈され、金属含有率が1〜40%
程度の溶液の形態で使用されることが好ましい。
【0121】カルボン酸金属塩(II)の使用量として
は、ビニル系重合体(I)100重量部に対し、カルボ
ン酸金属塩(II)中に含有される金属元素換算で0.
005〜30重量部程度が好ましく、更には0.01〜
20重量部程度が好ましい。カルボン酸金属塩(II)
の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなること
があり、また硬化反応が充分に進行し難くなる場合があ
るため好ましくない。一方、カルボン酸金属塩(II)
の配合量がこの範囲を上回ると可使時間が短くなり過ぎ
て作業性が悪くなることがあり、また硬化時に局部的な
発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られ難くなること
もある。更に貯蔵安定性の点からも好ましくない。
【0122】また、前記の各カルボン酸金属塩は、単独
で使用する以外に、2種以上を組み合わせて使用するこ
とができ、更に、カルボン酸スズ塩、カルボン酸鉛塩、
カルボン酸ビスマス塩、カルボン酸セリウム塩などと併
用することができる。
【0123】一方、カルボン酸金属塩(II)のみでは
活性が低く、適度な硬化性が得られない場合は、助触媒
として第三成分である各種アミン化合物(III)を添
加することができる。該アミン化合物(III)の具体
例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルア
ミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミ
ン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキ
シルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルア
ミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリル
アミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン
類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミル
アミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)
アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチル
アミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミ
ン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン
等の脂肪族第二アミン類;トリアミルアミン、トリヘキ
シルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン
類;トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族
不飽和アミン類;ラウリルアニリン、ステアリルアニリ
ン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類;および、
その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、
ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、
エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチ
レンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−
4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0124】また、本発明では、アミノ基含有シランカ
ップリング剤もアミン化合物(III)として用いるこ
とができる。前記アミノ基含有シランカップリング剤
は、加水分解性基が結合したケイ素原子を含む基(以下
加水分解性ケイ素基という)及びアミノ基を有する化合
物である。この加水分解性ケイ素基の例としては、一般
式(1)で表される基のうちXが加水分解性基である物
を挙げることができる。具体的には、加水分解性基とし
て既に例示した基を挙げることができるが、メトキシ
基、エトキシ基等が加水分解速度の点から好ましい。加
水分解性基の個数は、2個以上、特に3個以上が好まし
い。
【0125】アミノ基含有シランカップリング剤の具体
例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミ
ノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
イソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメト
キシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。ま
た、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリル
ポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラ
ン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシ
リル化シリコーン等も用いることができる。上記アミノ
基含有シランカップリング剤は1種類のみで使用しても
良いし、2種類以上混合使用しても良い。
【0126】これらアミン化合物(III)としては、
アミン化合物(III)自体の構造やビニル系重合体
(I)との相溶性などにより助触媒能が大きく異なるた
め、用いるビニル系重合体(I)の種類に応じて適した
化合物を選ぶことが好ましい。例えばビニル系重合体
(I)としてイソブチレン系重合体を用いる場合は、ジ
オクチルアミンやジステアリルアミンなどの比較的長鎖
の脂肪族第二アミン類やジシクロヘキシルアミンなどの
脂肪族第二アミン類が、助触媒能が高い点から好まし
い。
【0127】前記アミン化合物(III)であるアミン
化合物の配合量は、ビニル系重合体(I)の有機重合体
100重量部に対して0.01〜50重量部程度が好ま
しく、更に0.1〜20重量部がより好ましい。アミン
化合物の配合量が0.01重量部未満であると硬化速度
が遅くなる場合があり、また硬化反応が充分に進行し難
くなる場合がある。一方、アミン化合物の配合量が30
重量部を越えると、ポットライフが短くなり過ぎる場合
があり、作業性の点から好ましくない。 <<硬化性組成物>>本発明の硬化性組成物において
は、硬化触媒や硬化剤が必要になるものがある。また、
目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構
わない。 <硬化触媒・硬化剤>本発明における非錫系のカルボン
酸金属塩触媒以外に、架橋性シリル基を有する重合体に
用いる従来公知の各種縮合触媒を、本発明の効果を妨げ
ない程度に用いても構わない。
【0128】このような縮合触媒としては、例えば、ジ
ブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブ
チル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテー
ト、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチル
マレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジ
イソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレー
ト、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエ
ート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステ
アレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジ
エチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート
等の4価のスズ化合物類;オクチル酸錫、ナフテン酸
錫、ステアリン酸錫等の2価のスズ化合物類;モノブチ
ル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポ
キシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物
等のモノアルキル錫類;テトラブチルチタネート、テト
ラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミ
ニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリ
スエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニ
ウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合
物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタ
ンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;
ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシ
ルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルア
ミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グ
アニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N
−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセ
ン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれら
のアミン系化合物のカルボン酸等との塩;ラウリルアミ
ンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミ
ン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過
剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリ
アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反
応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;
等のシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基
性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
【0129】これらの触媒は、単独で使用してもよく、
2種以上併用してもよい。
【0130】本発明の硬化性組成物においては、縮合触
媒の活性をより高めるために、一般式(37) R49 aSi(OR504-a (37) (式中、R49およびR50は、それぞれ独立に、炭素数1
〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。さら
に、aは0、1、2、3のいずれかである。)で示され
るシラノール基をもたないケイ素化合物を添加しても構
わない。
【0131】前記ケイ素化合物としては、限定はされな
いが、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジ
メトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、トリフェニルメトキシシラン等の一般式(37)中
のR49が、炭素数6〜20のアリール基であるものが、
組成物の硬化反応を加速する効果が大きいために好まし
い。特に、ジフェニルジメトキシシランやジフェニルジ
エトキシシランは、低コストであり、入手が容易である
ために最も好ましい。
【0132】このケイ素化合物の配合量は、ビニル系重
合体100部に対して0.01〜20部程度が好まし
く、0.1〜10部が更に好ましい。ケイ素化合物の配
合量がこの範囲を下回ると硬化反応を加速する効果が小
さくなる場合がある。一方、ケイ素化合物の配合量がこ
の範囲を上回ると、硬化物の硬度や引張強度が低下する
ことがある。 <接着性付与剤>本発明の組成物には、シランカップリ
ング剤や、シランカップリング剤以外の接着性付与剤を
添加することができる。接着付与剤を添加すると、外力
により目地幅等が変動することによって、シーリング材
がサイディングボード等の被着体から剥離する危険性を
より低減することができる。また、場合によっては接着
性向上の為に用いるプライマーの使用の必要性がなくな
り、施工作業の簡略化が期待される。シランカップリン
グ剤の具体例としてはアミノ基や、メルカプト基、エポ
キシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート
基、イソシアヌレート、ハロゲン等の官能基をもったシ
ランカップリング剤が例示でき、その具体例としては、
γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−
イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソ
シアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソ
シアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシ
アネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロ
ピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有
シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト
基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シ
ラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β
−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキ
シ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチ
ル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボ
キシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピル
メチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シ
ラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハ
ロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イ
ソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げ
ることができる。また、これらを変性した誘導体であ
る、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマ
ー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アル
キルシラン、アミノシリル化シリコーン、ブロックイソ
シアネートシラン、シリル化ポリエステル等もシランカ
ップリング剤として用いることができる。
【0133】本発明に用いるシランカップリング剤は、
通常、架橋性シリル基含有ビニル系重合体100部に対
し、0.1〜20部の範囲で使用される。特に、0.5
〜10部の範囲で使用するのが好ましい。本発明の硬化
性組成物に添加されるシランカップリング剤の効果は、
各種被着体、すなわち、ガラス、アルミニウム、ステン
レス、亜鉛、銅、モルタルなどの無機基材や、塩ビ、ア
クリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネートなどの有機基材に用いた場合、ノ
ンプライマー条件またはプライマー処理条件下で、著し
い接着性改善効果を示す。ノンプライマー条件下で使用
した場合には、各種被着体に対する接着性を改善する効
果が特に顕著である。
【0134】シランカップリング剤以外の具体例として
は、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリ
イソシアネート等が挙げられる。
【0135】上記接着性付与剤は1種類のみで使用して
も良いし、2種類以上混合使用しても良い。これら接着
性付与剤は添加することにより被着体に対する接着性を
改善することができる。特に限定はされないが、接着
性、特にオイルパンなどの金属被着面に対する接着性を
向上させるために、上記接着性付与剤の中でもシランカ
ップリング剤を0.1〜20重量部、併用することが好
ましい。 <可塑剤>本発明の硬化性組成物には、各種分子可塑剤
を必要に応じて用いても良い。可塑剤を後述する充填材
と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、
多量の充填材を混合できたりするためより有利となる
が、必ずしも添加しなければならないものではない。可
塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の
調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジ
ヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレ
ート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル
類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジ
ブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二
塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリ
ノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリ
コールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベン
ゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアル
キレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェ
ート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;
トリメリット酸エステル類;ポリスチレンやポリ−α−
メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、
ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロ
ニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;ア
ルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水
素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテル
ポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変
換した誘導体等のポリエーテル類;エポキシ化大豆油、
エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;
セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の
2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られ
るポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めと
するビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られる
ビニル系重合体類等が挙げられる。
【0136】なかでも数平均分子量500〜15000
の重合体である高分子可塑剤は、添加することにより、
該硬化性組成物の粘度やスランプ性および該組成物を硬
化して得られる硬化物の引張り強度、伸びなどの機械特
性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まな
い可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較し
て、初期の物性を長期にわたり維持し、該硬化物にアル
キッド塗料を塗布した場合の乾燥性(塗装性ともいう)
を改良できる。なお、限定はされないがこの高分子可塑
剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
【0137】上記で高分子可塑剤の数平均分子量は、5
00〜15000と記載したが、好ましくは800〜1
0000であり、より好ましくは1000〜8000で
ある。分子量が低すぎると熱や降雨により可塑剤が経時
的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できず、ア
ルキッド塗装性が改善できない。また、分子量が高すぎ
ると粘度が高くなり、作業性が悪くなる。
【0138】これらの高分子可塑剤のうちで、ビニル系
重合体と相溶するものが好ましい。中でも相溶性および
耐候性、耐熱性の点からビニル系重合体が好ましい。ビ
ニル系重合体の中でも(メタ)アクリル系重合体が好ま
しく、アクリル系重合体がさらに好ましい。このアクリ
ル系重合体の合成法は、従来からの溶液重合で得られる
ものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることがで
きる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使
用せず高温連続重合法(USP4414370、特開昭
59−6207、特公平5−58005、特開平1−3
13522、USP5010166)にて作製されるた
め本発明の目的にはより好ましい。その例としては特に
限定されないが東亞合成品UPシリーズ等が挙げられる
(工業材料1999年10月号参照)。勿論、他の合成
法としてリビングラジカル重合法をも挙げることができ
る。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭
く、低粘度化が可能なことから好ましく、更には原子移
動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定される
ものではない。
【0139】高分子可塑剤の分子量分布は特に限定され
ないが、狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。
1.7以下がより好ましく、1.6以下がなお好まし
く、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好
ましく、1.3以下が最も好ましい。
【0140】上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で
使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずし
も必要とするものではない。また必要によっては高分子
可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可
塑剤を更に併用しても良い。
【0141】なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合
することも可能である。
【0142】可塑剤を用いる場合の使用量は、限定され
ないが、ビニル系重合体100重量部に対して5〜15
0重量部、好ましくは10〜120重量部、さらに好ま
しくは20〜100重量部である。5重量部未満では可
塑剤としての効果が発現しなくなり、150重量部を越
えると硬化物の機械強度が不足する。 <充填材>本発明の硬化性組成物には、各種充填材を必
要に応じて用いても良い。充填材としては、特に限定さ
れないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガ
ラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、
グラファイト、ケイソウ土、白土、フュームドシリカ、
沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイ
ト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラックのよう
な補強性充填材;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、ク
レー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベント
ナイト、酸化第二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、
フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜
鉛およびシラスバルーンなどのような充填材;石綿、ガ
ラス繊維およびガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラ
ー繊維、ポリエチレンファイバー等のような繊維状充填
材等が挙げられる。これら充填材のうちでは沈降性シリ
カ、フュームドシリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ド
ロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チ
タン、タルクなどが好ましい。特に、これら充填材で強
度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒュームドシリ
カ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボン
ブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、結晶性シリ
カ、溶融シリカ、焼成クレー、クレーおよび活性亜鉛華
などから選ばれる充填材を添加できる。
【0143】また、低強度で伸びが大である硬化物を得
たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タル
ク、酸化第二鉄、酸化亜鉛およびシラスバルーンなどか
ら選ばれる充填材を添加できる。なお、一般的に、炭酸
カルシウムは、比表面積が小さいと、硬化物の破断強
度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分で
ないことがある。比表面積の値が大きいほど、硬化物の
破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果は
より大きくなる。
【0144】更に、炭酸カルシウムは、表面処理剤を用
いて表面処理を施してある方がより好ましい。表面処理
炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸
カルシウムを用いた場合に比較して、本発明の組成物の
作業性を改善し、該硬化性組成物の接着性と耐候接着性
の改善効果がより向上すると考えられる。前記の表面処
理剤としては脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等の
有機物や各種界面活性剤、および、シランカップリング
剤やチタネートカップリグ剤等の各種カップリング剤が
用いられている。具体例としては、以下に限定されるも
のではないが、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン
酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイ
ン酸等の脂肪酸と、それら脂肪酸のナトリウム、カリウ
ム等の塩、そして、それら脂肪酸のアルキルエステルが
挙げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アルコー
ル硫酸エステル等と、それらのナトリウム塩、カリウム
塩等の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、またアルキ
ルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン
酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン
酸、アルキルスルホコハク酸等と、それらのナトリウム
塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤等
が挙げられる。この表面処理剤の処理量は、炭酸カルシ
ウムに対して、0.1〜20重量%の範囲で処理するの
が好ましく、1〜5重量%の範囲で処理するのがより好
ましい。処理量が0.1重量%未満の場合には、作業
性、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことが
あり、20重量%を越えると、該硬化性組成物の貯蔵安
定性が低下することがある。
【0145】特に限定はされないが、炭酸カルシウムを
用いる場合、配合物のチクソ性や硬化物の破断強度、破
断伸び、接着性と耐候接着性等の改善効果を特に期待す
る場合には膠質炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。
【0146】一方、重質炭酸カルシウムは配合物の低粘
度化や増量、コストダウン等を目的として添加すること
があるが、この重質炭酸カルシウムを用いる場合は必要
に応じて下記のようなものを使用することができる。
【0147】重質炭酸カルシウムとは、天然のチョーク
(白亜)、大理石、石灰石などを機械的に粉砕・加工し
たものである。粉砕方法については乾式法と湿式法があ
るが、湿式粉砕品は本発明の硬化性組成物の貯蔵安定性
を悪化させることが多いために好ましくないことが多
い。重質炭酸カルシウムは、分級により、様々な平均粒
子径を有する製品となる。特に限定されないが、硬化物
の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果
を期待する場合には、比表面積の値が1.5m2/g以
上50m2/g以下のものが好ましく、2m2/g以上5
0m2/g以下が更に好ましく、2.4m2/g以上50
2/g以下がより好ましく、3m2/g以上50m2
g以下が特に好ましい。比表面積が1.5m2/g未満
の場合には、その改善効果が充分でないことがある。も
ちろん、単に粘度を低下させる場合や増量のみを目的と
する場合などはこの限りではない。
【0148】なお、比表面積の値とは、測定方法として
JIS K 5101に準じて行なった空気透過法(粉
体充填層に対する空気の透過性から比表面積を求める方
法。)による測定値をいう。測定機器としては、島津製
作所製の比表面積測定器SS−100型を用いるのが好
ましい。
【0149】これらの充填材は目的や必要に応じて単独
で併用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に限
定はされないが、例えば、必要に応じて比表面積の値が
1.5m2/g以上の重質炭酸カルシウムと膠質炭酸カ
ルシウムを組み合わせると、配合物の粘度の上昇を程々
に抑え、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接
着性の改善効果が大いに期待できる。
【0150】充填材を用いる場合の添加量は、ビニル系
重合体100重量部に対して、充填材を5〜1000重
量部の範囲で使用するのが好ましく、20〜500重量
部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜300重
量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が5重
量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接
着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、
1000重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低
下することがある。充填材は単独で使用しても良いし、
2種以上併用しても良い。 <微小中空粒子>また、更に、物性の大きな低下を起こ
すことなく軽量化、低コスト化を図ることを目的とし
て、微小中空粒子をこれら補強性充填材に併用しても良
い。
【0151】このような微少中空粒子(以下バルーンと
いう)は、特に限定はされないが、「機能性フィラーの
最新技術」(CMC)に記載されているように、直径が
1mm以下、好ましくは500μm以下、更に好ましく
は200μm以下の無機質あるいは有機質の材料で構成
された中空体が挙げられる。特に、真比重が1.0g/
cm3以下である微少中空体を用いることが好ましく、
更には0.5g/cm3以下である微少中空体を用いる
ことが好ましい。
【0152】前記無機系バルーンとして、珪酸系バルー
ンと非珪酸系バルーンとが例示でき、珪酸系バルーンに
は、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シ
リカバルーン、フライアッシュバルーン等が、非珪酸系
バルーンには、アルミナバルーン、ジルコニアバルー
ン、カーボンバルーン等が例示できる。これらの無機系
バルーンの具体例として、シラスバルーンとしてイヂチ
化成製のウインライト、三機工業製のサンキライト、ガ
ラスバルーンとして日本板硝子製のカルーン、住友スリ
ーエム製のセルスターZ−28、EMERSON&CU
MING製のMICRO BALLOON、PITTS
BURGE CORNING製のCELAMIC GL
ASSMODULES、3M製のGLASS BUBB
LES、シリカバルーンとして旭硝子製のQ−CEL、
太平洋セメント製のE−SPHERES、フライアッシ
ュバルーンとして、PFAMARKETING製のCE
ROSPHERES、FILLITE U.S.A製の
FILLITE、アルミナバルーンとして昭和電工製の
BW、ジルコニアバルーンとしてZIRCOA製のHO
LLOW ZIRCONIUM SPHEES、カーボ
ンバルーンとして呉羽化学製クレカスフェア、GENE
RAL TECHNOLOGIES製カーボスフェアが
市販されている。
【0153】前記有機系バルーンとして、熱硬化性樹脂
のバルーンと熱可塑性樹脂のバルーンが例示でき、熱硬
化性のバルーンにはフェノールバルーン、エポキシバル
ーン、尿素バルーンが、熱可塑性バルーンにはサランバ
ルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバ
ルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン−ア
クリル系バルーンが例示できる。また、架橋した熱可塑
性樹脂のバルーンも使用できる。ここでいうバルーン
は、発泡後のバルーンでも良く、発泡剤を含むものを配
合後に発泡させてバルーンとしても良い。
【0154】これらの有機系バルーンの具体例として、
フェノールバルーンとしてユニオンカーバイド製のUC
AR及びPHENOLIC MICROBALLOON
S、エポキシバルーンとしてEMERSON&CUMI
NG製のECCOSPHERES、尿素バルーンとして
EMERSON&CUMING製のECCOSPHER
ES VF−O、サランバルーンとしてDOW CHE
MICAL製のSARAN MICROSPHERE
S、日本フィラメント製のエクスパンセル、松本油脂製
薬製のマツモトマイクロスフェア、ポリスチレンバルー
ンとしてARCOPOLYMERS製のDYLITE
EXPANDABLE POLYSTYRENE、BA
SF WYANDOTE製の EXPANDABLE
POLYSTYRENE BEADS、架橋型スチレン
−アクリル酸バルーンには日本合成ゴム製のSX863
(P)が、市販されている。
【0155】上記バルーンは単独で使用しても良く、2
種類以上混合して用いても良い。さらに、これらバルー
ンの表面を脂肪酸、脂肪酸エステル、ロジン、ロジン酸
リグニン、シランカップリング剤、チタンカップリング
剤、アルミカップリング剤、ポリプロピレングリコール
等で分散性および配合物の作業性を改良するために処理
したものも使用することができる。これらの、バルーン
は配合物を硬化させた場合の物性のうち、柔軟性および
伸び・強度を損なうことなく、軽量化させコストダウン
するために使用される。
【0156】バルーンの含有量は、特に限定されないが
ビニル系重合体100重量部に対して、好ましくは0.
1〜50部、更に好ましくは0.1〜30部の範囲で使
用できる。この量が0.1部未満では軽量化の効果が小
さく50部以上ではこの配合物を硬化させた場合の機械
特性のうち、引張強度の低下が認められることがある。
またバルーンの比重が0.1以上の場合は3〜50部、
更に好ましくは5〜30部が好ましい。 <物性調整剤>本発明の硬化性組成物には、必要に応じ
て生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添
加しても良い。
【0157】物性調整剤としては特に限定されないが、
例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルト
リメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジ
メチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロ
ペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイ
ソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基
を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポ
リシロキサン類等が挙げられる。前記物性調整剤を用い
ることにより、本発明の組成物を硬化させた時の硬度を
上げたり、硬度を下げ、伸びを出したりし得る。上記物
性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよ
い。 <シラノール含有化合物>本発明の硬化性組成物には、
硬化物の物性を変える等の必要に応じてシラノール含有
化合物を添加しても良い。シラノール含有化合物とは、
分子内に1個のシラノール基を有する化合物、及び/又
は、水分と反応することにより分子内に1個のシラノー
ル基を有する化合物を生成し得る化合物のことをいう。
これらは一方のみを用いてもよいし、両化合物を同時に
用いてもよい。
【0158】シラノール含有化合物の一つである分子内
に1個のシラノール基を有する化合物は、特に限定され
ず、下記に示した化合物、 (CH33SiOH、(CH3CH23SiOH、(C
3CH2CH23SiOH、(n−Bu)3SiOH、
(sec−Bu)3SiOH、(t−Bu)3SiOH、
(t−Bu)Si(CH32OH、(C5113SiO
H、(C6133SiOH、(C653SiOH、
(C652Si(CH3)OH、(C65)Si(CH
32OH、(C652Si(C25)OH、C65
i(C252OH、C65CH2Si(C252
H、C107Si(CH32OH (ただし、上記式中C65はフェニル基を、C107
ナフチル基を示す。)等のような(R”)3SiOH
(ただし式中R”は同一または異種の置換もしくは非置
換のアルキル基またはアリール基)で表わすことができ
る化合物、
【0159】
【化7】 等のようなシラノール基を含有する環状ポリシロキサン
化合物、
【0160】
【化8】 等のようなシラノール基を含有する鎖状ポリシロキサン
化合物、
【0161】
【化9】 等のような主鎖が珪素、炭素からなるポリマー末端にシ
ラノール基が結合した化合物、
【0162】
【化10】 等のようなポリシラン主鎖末端にシラノール基が結合し
た化合物、
【0163】
【化11】 等のような主鎖が珪素、炭素、酸素からなるポリマー末
端にシラノール基が結合した化合物等が例示できる。こ
のうち下記一般式(45)で表される化合物が好まし
い。 (R583SiOH (45) (式中、R58は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示
す。複数のR58は同一であってもよく又は異なっていて
もよい。) R27は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル
基、フェニル基が好ましく、さらにメチル基が好まし
い。
【0164】中でも、入手が容易であり、効果の点から
分子量の小さい(CH33SiOH等が好ましい。
【0165】上記、分子内に1個のシラノール基を有す
る化合物は、ビニル系重合体の架橋性シリル基あるいは
架橋により生成したシロキサン結合と反応することによ
り、架橋点の数を減少させ、硬化物に柔軟性を与えてい
るものと推定される。また本発明の成分の1つである、
水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基
を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されな
いが、水分と反応して生成する分子内に1個のシラノー
ル基を有する化合物(加水分解生成物)が、上記一般式
(45)で表される化合物が好ましい。例えば、特に限
定されるわけではないが、後述するような一般式(4
6)で表される化合物以外に下記の化合物を挙げること
ができる。
【0166】N,O−ビス(トリメチルシリル)アセト
アミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス
(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−
メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミ
ド、ビストリメチルシリル尿素、N−(t−ブチルジメ
チルシリル)N−メチルトリフルオロアセトアミド、
(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(N,
N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン、ヘキサメチル
ジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザ
ン、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチ
ルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、トリメチ
ルシリルフェノキシド、n−オクタノールのトリメチル
シリル化物、2―エチルヘキサノールのトリメチルシリ
ル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化
物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリ
ル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメチル
シリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメ
チルシリル)化物、(CH33SiNHSi(C
33、(CH33SiNSi(CH32
【0167】
【化12】 等が好適に使用できるが加水分解生成物の含有シラノー
ル基の量からは(CH33SiNHSi(CH33が特
に好ましい。
【0168】さらには本発明の成分の1つである、水分
と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有
する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されない
が、上記化合物以外に下記一般式(46)で表される化
合物が好ましい。 ((R583SiO)n59 (46) (式中、R58は上述したものと同様である。nは正数
を、R59は活性水素含有化合物から一部あるいは全ての
活性水素を除いた基を示す。) R58は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル
基、フェニル基が好ましく、さらにメチル基が好まし
い。(R583Si基は、3個のR58が全てメチル基で
あるトリメチルシリル基が特に好ましい。また、nは1
〜5が好ましい。
【0169】上記R59の由来となる活性水素含有化合物
としては特に限定されないが、例えば、メタノール、エ
タノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタ
ノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、
ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、プロパンジオール、テトラメチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコ
ール類;フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、
ヒドロキノン等のフェノール類;ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、ソルビン酸、シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、安息香酸、フタル
酸、テレフタル酸、トリメリット酸等のカルボン酸類;
アンモニア;メチルアミン、ジメチルアミン、エチルア
ミン、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、イミダゾー
ル等のアミン類;アセトアミド、ベンズアミド等の酸ア
ミド類、尿素、N,N’−ジフェニル尿素等の尿素類;
アセトン、アセチルアセトン、2,4−ヘプタジオン等
のケトン類等が挙げられる。
【0170】上記一般式(46)で表される水分と反応
することにより分子内に1個のシラノール基を有する化
合物を生成し得る化合物は、例えば上述の活性水素含有
化合物等に、トリメチルシリルクロリドやジメチル(t
−ブチル)クロリド等のようなシリル化剤とも呼ばれる
(R583Si基とともにハロゲン基等の活性水素と反
応し得る基を有する化合物を反応させることにより得る
ことができるが、これらに限定されるものではない(た
だし、R58は上述したものと同様である。)。
【0171】上記一般式(46)で表される化合物を具
体的に例示すると、アリロキシトリメチルシラン、N,
O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−(ト
リメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリ
ル)トリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリ
メチルシリルトリフルオロアセトアミド、ビストリメチ
ルシリル尿素、N−(t−ブチルジメチルシリル)N−
メチルトリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチル
アミノ)トリメチルシラン、(N,N−ジエチルアミ
ノ)トリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、1,
1,3,3−テトラメチルジシラザン、N−(トリメチ
ルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルトリフルオ
ロメタンスルフォネート、トリメチルシリルフェノキシ
ド、n−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エ
チルヘキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリン
のトリス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプ
ロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリ
スリトールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタ
エリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物、等
が挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0172】また、一般式(((R603SiO)(R
61O)stZで表わすことができるような化合物、CH
3O(CH2CH(CH3)O)5Si(CH33、CH2
=CHCH2(CH2CH(CH3)O)5Si(C
33、(CH33SiO(CH2CH(CH3)O)5
Si(CH33、(CH33SiO(CH2CH(C
3)O)7Si(CH33 (式中、R60は同一または異種の置換もしくは非置換の
1価の炭化水素基または水素原子、R61は炭素数1〜8
の2価の炭化水素基、s、tは正の整数で、sは1〜
6、s×tは5以上、Zは1〜6価の有機基)等も好適
に使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。
【0173】水分と反応することにより分子内に1個の
シラノール基を有する化合物を生成し得る化合物の中で
は、貯蔵安定性、耐候性等に悪影響を及ぼさない点で、
加水分解後に生成する活性水素化合物はフェノール類、
酸アミド類及びアルコール類が好ましく、活性水素化合
物が水酸基であるフェノール類およびアルコール類が更
に好ましい。
【0174】上記の化合物の中では、N,O−ビス(ト
リメチルシリル)アセトアミド、N−(トリメチルシリ
ル)アセトアミド、トリメチルシリルフェノキシド、n
−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エチルヘ
キサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリ
ス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプロパン
のトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリト
ールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリス
リトールのテトラ(トリメチルシリル)化物等が好まし
い。
【0175】この水分と反応することにより分子内に1
個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物
は、貯蔵時、硬化時あるいは硬化後に水分と反応するこ
とにより、分子内に1個のシラノール基を有する化合物
を生成する。この様にして生成した分子内に1個のシラ
ノール基を有する化合物は、上述のようにビニル系重合
体の架橋性シリル基あるいは架橋により生成したシロキ
サン結合と反応することにより、架橋点の数を減少さ
せ、硬化物に柔軟性を与えているものと推定される。
【0176】シラノール含有化合物の添加量は、硬化物
の期待物性に応じて適宜調整可能である。シラノール含
有化合物は、ビニル系重合体100重量部に対して0.
1〜50重量部、好ましくは0.3〜20重量部、さら
に好ましくは0.5〜10重量部添加できる。0.1重
量部未満では添加効果が現れず、50重量部を越えると
架橋が不十分になり、硬化物の強度やゲル分率が低下し
すぎる。
【0177】また、シラノール含有化合物をビニル系重
合体に添加する時期は特に限定されず、ビニル系重合体
の製造時に添加してもよく、硬化性組成物の作製時に添
加してもよい。 <チクソ性付与剤(垂れ防止剤)>本発明の硬化性組成
物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くする
ためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良
い。
【0178】また、垂れ防止剤としては特に限定されな
いが、例えば、ポリアミドワックス類、水添ヒマシ油誘
導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げ
られる。これらチクソ性付与剤(垂れ防止剤)は単独で
用いてもよく、2種以上併用してもよい。 <光硬化性物質について>本発明の硬化性組成物には、
必要に応じて光硬化性物質を添加しても良い。光硬化性
物質とは、光の作用によって短時間に、分子構造が化学
変化をおこし、硬化などの物性的変化を生ずるものであ
る。この光硬化性物質を添加することにより、硬化性組
成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タック
ともいう)を低減できる。この光硬化性物質は、光をあ
てることにより硬化し得る物質であるが、代表的な光硬
化性物質は、例えば室内の日の当たる位置(窓付近)に
1日間、室温で静置することにより硬化させることがで
きる物質である。この種の化合物には、有機単量体、オ
リゴマー、樹脂あるいはそれらを含む組成物など多くの
ものが知られており、その種類は特に限定されないが、
例えば、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル
類あるいはアジド化樹脂等が挙げられる。
【0179】不飽和アクリル系化合物は、下記一般式
(47)で表される不飽和基を有する単量体、オリゴマ
ーあるいはこれらの混合物である。 CH2=CHR62CO(O)− (47) (式中、R62は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のア
ラルキル基を示す。) 不飽和アクリル系化合物としては、具体的には、エチレ
ングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、ネオペンチルアルコール等の低
分子量アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類;
ビスフェノールA、イソシアヌル酸等の酸あるいは上記
低分子量アルコール等をエチレンオキシドやプロピレン
オキシドで変性したアルコール類の(メタ)アクリル酸
エステル類;主鎖がポリエーテルで末端に水酸基を有す
るポリエーテルポリオール、主鎖がポリエーテルである
ポリオール中でビニル系モノマーをラジカル重合するこ
とにより得られるポリマーポリオール、主鎖がポリエス
テルで末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、
主鎖がビニル系あるいは(メタ)アクリル系重合体であ
り、主鎖中に水酸基を有するポリオール等の(メタ)ア
クリル酸エステル類;ビスフェノールA型やノボラック
型等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させる
ことにより得られるエポキシアクリレート系オリゴマー
類;ポリオール、ポリイソシアネートおよび水酸基含有
(メタ)アクリレート等を反応させることにより得られ
る分子鎖中にウレタン結合および(メタ)アクリル基を
有するウレタンアクリレート系オリゴマー等が挙げられ
る。
【0180】ポリケイ皮酸ビニル類とは、シンナモイル
基を感光基とする感光性樹脂であり、ポリビニルアルコ
ールをケイ皮酸でエステル化したものの他、多くのポリ
ケイ皮酸ビニル系誘導体が挙げられる。
【0181】アジド化樹脂は、アジド基を感光基とする
感光性樹脂として知られており、通常はアジド化合物を
感光剤として加えたゴム感光液のほか「感光性樹脂」
(昭和47年3月17日出版、印刷学会出版部発行、9
3頁〜、106頁から、117頁〜)に詳細な例示があ
り、これらを単独又は混合し、必要に応じて増感剤を加
えて使用することができる。
【0182】上記の光硬化性物質の中では、取り扱い易
いという理由で不飽和アクリル系化合物が好ましい。
【0183】光硬化性物質は、ビニル系重合体100重
量部に対して0.01〜20重量部添加するのが好まし
い。0.01重量部未満では効果が小さく、また20重
量部を越えると物性への悪影響が出ることがある。な
お、ケトン類、ニトロ化合物などの増感剤やアミン類等
の促進剤を添加すると、効果が高められる場合がある。 <空気酸化硬化性物質について>本発明の硬化性組成物
には、必要に応じて空気酸化硬化性物質を添加しても良
い。空気酸化硬化性物質とは、空気中の酸素により架橋
硬化できる不飽和基を有する化合物である。この空気酸
化硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬
化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともい
う)を低減できる。本発明における空気酸化硬化性物質
は、空気と接触させることにより硬化し得る物質であ
り、より具体的には、空気中の酸素と反応して硬化する
性質を有するものである。代表的な空気酸化硬化性物質
は、例えば空気中で室内に1日間静置することにより硬
化させることができる。
【0184】空気酸化硬化性物質としては、例えば、桐
油、アマニ油等の乾性油;これら乾性油を変性して得ら
れる各種アルキッド樹脂;乾性油により変性されたアク
リル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂;1,
2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンを、C5
〜C8ジエンの重合体や共重合体、更には該重合体や共
重合体の各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性
物など)などが具体例として挙げられる。これらのうち
では桐油、ジエン系重合体のうちの液状物(液状ジエン
系重合体)やその変性物が特に好ましい。
【0185】上記液状ジエン系重合体の具体例として
は、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−
ペンタジエン等のジエン系化合物を重合又は共重合させ
て得られる液状重合体や、これらジエン系化合物と共重
合性を有するアクリロニトリル、スチレンなどの単量体
とをジエン系化合物が主体となるように共重合させて得
られるNBR,SBR等の重合体や更にはそれらの各種
変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)など
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。これら液状ジエン系化合物のうちで
は液状ポリブタジエンが好ましい。
【0186】空気酸化硬化性物質は、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。また空気酸化硬化性物
質と同時に酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤ
ーを併用すると効果を高められる場合がある。これらの
触媒や金属ドライヤーとしては、ナフテン酸コバルト、
ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コ
バルト、オクチル酸ジルコニウム等の金属塩やアミン化
合物等が例示される。
【0187】空気酸化硬化性物質は、ビニル系重合体1
00重量部に対して0.01〜20重量部添加するのが
好ましい。0.01重量部未満では効果が小さく、また
20重量部を越えると物性への悪影響が出ることがあ
る。 <酸化防止剤について>本発明の硬化性組成物には、必
要に応じて酸化防止剤を添加しても良い。酸化防止剤は
各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化
防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分
子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載さ
れた種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわ
けではない。
【0188】例えば、MARK PEP−36、MAR
K AO−23等のチオエーテル系(以上いずれもアデ
カア−ガス化学製)、Irgafos38、Irgaf
os168、IrgafosP−EPQ(以上いずれも
日本チバガイギー製)等のようなリン系酸化防止剤等が
挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダード
フェノール系化合物が好ましい。
【0189】ヒンダードフェノール系化合物としては、
具体的には以下のものが例示できる。2,6−ジ−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t
ert−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(又はジ
又はトリ)(αメチルベンジル)フェノール、2,2’
−メチレンビス(4エチル−6−tert−ブチルフェ
ノール)、2,2’−メチレンビス(4メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビ
ス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルハイド
ロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノ
ン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル
アニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリ
チル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チ
オ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレン
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒド
ロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステ
ル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレート、2,4−2,4−ビス[(オクチル
チオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−
2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベ
ンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロ
キシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル
−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオ
ネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)と
の縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導
体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ
−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
【0190】商品名で言えば、ノクラック200、ノク
ラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−
N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラ
ックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−
7、ノクラックDAH(以上いずれも大内新興化学工業
製)、MARK AO−30、MARK AO−40、
MARK AO−50、MARK AO−60、MAR
K AO−616、MARK AO−635、MARK
AO−658、MARK AO−80、MARK A
O−15、MARK AO−18、MARK 328、
MARK AO−37(以上いずれもアデカアーガス化
学製)、IRGANOX−245、IRGANOX−2
59、IRGANOX−565、IRGANOX−10
10、IRGANOX−1024、IRGANOX−1
035、IRGANOX−1076、IRGANOX−
1081、IRGANOX−1098、IRGANOX
−1222、IRGANOX−1330、IRGANO
X−1425WL(以上いずれも日本チバガイギー
製)、SumilizerGM、SumilizerG
A−80(以上いずれも住友化学製)等が例示できるが
これらに限定されるものではない。
【0191】酸化防止剤は後述する光安定剤と併用して
もよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特
に耐熱性が向上することがあるため特に好ましい。予め
酸化防止剤と光安定剤を混合してあるチヌビンC35
3、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー
製)などを使用しても良い。
【0192】酸化防止剤の使用量は、ビニル系重合体1
00重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であるこ
とが好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効
果が少なく、5重量部超では効果に大差がなく経済的に
不利である。 <光安定剤について>本発明の硬化性組成物には、必要
に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種の
ものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤
ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料
の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種
々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけでは
ない。
【0193】特に限定はされないが、光安定剤の中で
も、紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、チヌビン
P、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン32
6、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213
(以上いずれも日本チバガイギー製)等のようなベンゾ
トリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなト
リアジン系、CHIMASSORB81等のようなベン
ゾフェノン系、チヌビン120(日本チバガイギー製)
等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
【0194】また、ヒンダードアミン系化合物も好まし
く、そのような化合物を以下に記載する。コハク酸ジメ
チル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}]、N,N’−ビス(3アミノプロピル)エチ
レンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリディニル)エステル等が挙げられ
る。
【0195】商品名で言えば、チヌビン622LD、チ
ヌビン144、CHIMASSORB944LD、CH
IMASSORB119FL、Irgafos168、
(以上いずれも日本チバガイギー製)、MARK LA
−52、MARK LA−57、MARK LA−6
2、MARK LA−67、MARK LA−63、M
ARK LA−68、MARK LA−82、MARK
LA−87、(以上いずれもアデカア−ガス化学
製)、サノールLS−770、サノールLS−765、
サノールLS−292、サノールLS−2626、サノ
ールLS−1114、サノールLS−744、サノール
LS−440(以上いずれも三共製)などが例示できる
がこれらに限定されるものではない。
【0196】更には紫外線吸収剤とヒンダードアミン系
化合物の組合せはより効果を発揮することがあるため、
特に限定はされないが併用しても良く、併用することが
好ましいことがある。
【0197】光安定剤は前述した酸化防止剤と併用して
もよく、併用することによりその効果を更に発揮し、特
に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。予め
光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC35
3、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー
製)などを使用しても良い。
【0198】光安定剤の使用量は、ビニル系重合体10
0重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であること
が好ましい。0.1重量部未満では耐候性を改善の効果
が少なく、5重量部超では効果に大差がなく経済的に不
利である。その他の添加剤 本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の
諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を
添加してもよい。このような添加物の例としては、たと
えば、難燃剤、硬化性調整剤、老化防止剤、ラジカル禁
止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止
剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、光硬
化性樹脂などがあげられる。これらの各種添加剤は単独
で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0199】このような添加物の具体例は、たとえば、
特公平4−69659号、特公平7−108928号、
特開昭63−254149号、特開昭64−22904
号の各明細書などに記載されている。
【0200】本発明の硬化性組成物は、すべての配合成
分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬
化する1成分型として調製しても良く、硬化剤として別
途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合してお
き、該配合材と重合体組成物を使用前に混合する2成分
型として調整しても良い。2成分型にすると、2成分の
混合時に着色剤を添加することができ、例えば、サイデ
ィングボードの色に合わせたシーリング材を提供する際
に、限られた在庫で豊富な色揃えをすることが可能とな
るなど、市場から要望されている多色化対応が容易とな
り、低層建物用等により好ましい。着色剤は、例えば顔
料と可塑剤、場合によっては充填材を混合しペースト化
したものを用いると作業し易い。また、更に2成分の混
合時に遅延剤を添加することにより硬化速度を作業現場
にて微調整することができる。 <<硬化物>> <用途>本発明の硬化性組成物は、限定はされないが、
建築用弾性シーリング材や複層ガラス用シーリング材等
のシーリング材、太陽電池裏面封止材などの電気・電子
部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電気絶縁
材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、塗料、粉体塗料、
コーティング材、発泡体、電気電子用ポッティング剤、
フィルム、ガスケット、注型材料、各種成形材料、およ
び、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆
・防水用封止材、自動車部品、電機部品、各種機械部品
などにおいて使用される液状シール剤、等の様々な用途
に利用可能である。
【0201】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と
併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定される
ものではない。
【0202】下記実施例および比較例中「部」および
「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表
す。
【0203】下記実施例中、「数平均分子量」および
「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。
ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充
填したもの(shodex GPC K−804;昭和
電工製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。 (製造例1) (アルケニル基を有するカルボン酸塩の合成)メタノー
ル(250mL)に10−ウンデセン酸(150g、
0.814mol)、カリウム−tert−ブトキシド
(91.3g、0.814mol)を加え、0℃で攪拌
した。減圧加熱下で揮発分を留去することにより、下式
に示すウンデセン酸カリウムを得た。 CH2=CH−(CH28−CO2 -+K (BAセミバッチ重合−1kg) 2Lのガラス反応容器に窒素雰囲気下、臭化第一銅
(8.39g、0.0585mol)、アセトニトリル
(112mL)を投入し、70℃で60分間加熱した。
これにアクリル酸ブチル(224mL、1.56mo
l)、2、5−ジブロモアジピン酸ジエチル(17.6
g、0.0488mol)を加えてさらに30分攪拌し
た。これにペンタメチルジエチレントリアミン(0.4
1mL、1.95mmol)を加えて重合を開始した。
この後反応溶液のサンプリングを行なって反応を追跡し
ながらペンタメチルジエチレントリアミン(5.66m
L、27.1mmol)を加え、また反応開始から55
分後からアクリル酸ブチル(895mL、6.24mo
l)を140分かけて加えた。アクリル酸ブチルの添加
後さらに170分加熱を続けた。この時GC測定よりア
クリル酸ブチルの消費率は92.9%であった。混合物
をトルエンで希釈して活性アルミナで処理した後、揮発
分を減圧下加熱して留去することで無色透明重合体
[1]を得た。得られた重合体[1]の数平均分子量は
21000、分子量分布は1.1であった。
【0204】上記重合体[1](0.35kg)、上記
ウンデセン酸カリウム(8.85g)及びジメチルアセ
トアミド350mLをガラス容器に加え、窒素雰囲気下
70℃で3時間加熱攪拌した。反応溶液の揮発分を減圧
加熱下で除去した後、トルエンで希釈してろ過した。ろ
液から減圧加熱下で揮発分を留去して溶液を濃縮した。
これに珪酸アルミ(協和化学製、キョーワード700P
EL)をポリマーに対して20wt%加え、100℃で
3時間加熱攪拌した。反応溶液をトルエンで希釈してろ
過し、ろ液から減圧加熱下で揮発分を留去することによ
り、アルケニル基末端重合体(重合体[2])を得た。
1H−NMR測定により、ポリマー1分子あたりに導入
されたアルケニル基は1.9個であった。
【0205】1L耐圧反応容器に重合体[2](350
g)、トリメトキシシラン(15.0mL)、オルトぎ
酸メチル(3.6mL)、および0価白金の1,1,
3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン
錯体を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体
のアルケニル基に対してモル比で5×10-4当量とし
た。反応混合物を加熱反応させた後、混合物の揮発分を
減圧留去することにより、シリル基末端ビニル系重合体
(重合体[P1])を得た。得られた重合体の数平均分
子量は26000、分子量分布は1.2であった。重合
体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数を1
NMR分析により求めたところ、1.4個であった。
【0206】同様に1L耐圧反応容器に重合体[2]
と、トリメトキシシラン、オルトぎ酸メチル、および0
価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビ
ニルジシロキサン錯体を仕込み、充分加熱反応させた
後、混合物の揮発分を減圧留去することにより、シリル
基末端ビニル系重合体(重合体[P2])を得た。得ら
れた重合体の数平均分子量は26000、分子量分布は
1.2であった。重合体1分子当たりに導入された平均
のシリル基の数を1H NMR分析により求めたとこ
ろ、2.0個であった。
【0207】同様に1L耐圧反応容器に重合体[2]
と、ジメトキシメチルヒドロシラン、オルトぎ酸メチ
ル、および0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ジビニルジシロキサン錯体を仕込み、加熱反応
させた後、混合物の揮発分を減圧留去することにより、
シリル基末端ビニル系重合体(重合体[P3])を得
た。得られた重合体の数平均分子量は26000、分子
量分布は1.2であった。重合体1分子当たりに導入さ
れた平均のシリル基の数を1H NMR分析により求め
たところ、1.4個であった。 (製造例2)還流管および攪拌機付きの2Lのセパラブ
ルフラスコに、CuBr(8.39g、0.0585m
ol)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニ
トリル(112mL)を加え、オイルバス中70℃で3
0分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(224m
L)、2、5−ジブロモアジピン酸ジエチル(23.4
g、0.0650mol)、ペンタメチルジエチレント
リアミン(0.500mL、0.244mmol)(こ
れ以降トリアミンと表す)を加え、反応を開始した。7
0℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸ブチル(895m
L)を150分かけて連続的に滴下した。アクリル酸ブ
チルの滴下途中にトリアミン(2.50mL、12.0
mmol)を追加した。反応開始より310分経過後に
1,7−オクタジエン(288mL、1.95mo
l)、トリアミン(4.0mL、0.0195mol)
を加え、引き続き70℃で240分加熱攪拌した。反応
混合物をヘキサンで希釈し、活性アルミナカラムを通し
た後、揮発分を減圧留去することによりアルケニル基末
端重合体(重合体[3])を得た。重合体[3]の数平
均分子量は20000、分子量分布は1.3であった。
還流管付2Lセパラブルフラスコに、重合体[3]
(1.0kg)、安息香酸カリウム(34.8g)、
N,N−ジメチル酢酸アミド(1L)を仕込み、窒素気
流下70℃で15時間加熱攪拌した。加熱減圧下でN,
N−ジメチル酢酸アミドを除去した後、トルエンで希釈
した。トルエンに不溶な固体分(KBrおよび余剰な安
息香酸カリウムを活性アルミナカラムで濾過した。ろ液
の揮発分を減圧留去することにより重合体[4]を得
た。
【0208】還流管付2L丸底フラスコに、重合体
[4](1kg)、珪酸アルミ(200g、協和化学
製、キョーワード700PEL)、トルエン(1L)を
仕込み、窒素気流下100℃で5.5時間加熱攪拌し
た。珪酸アルミを濾過により除去した後、ろ液のトルエ
ンを減圧留去することにより重合体[5]を得た。
【0209】1L耐圧反応容器に重合体[5](720
g)、トリメトキシシラン(31.7mL)、オルトぎ
酸メチル(8.1mL)、および0価白金の1,1,
3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン
錯体を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体
のアルケニル基に対してモル比で5×10-4当量とし
た。反応混合物を加熱反応させた後、混合物の揮発分を
減圧留去することにより、シリル基末端ビニル系重合体
(重合体[P4])を得た。得られた重合体の数平均分
子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により2300
0、分子量分布は1.4であった。重合体1分子当たり
に導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析に
より求めたところ、1.7個であった。
【0210】同様に1L耐圧反応容器に重合体[5]、
トリメトキシシラン、ジメトキシメチルヒドロシラン、
オルトぎ酸メチル、および0価白金の1,1,3,3−
テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を仕
込んだ。ただし、トリメトキシシランとジメトキシメチ
ルヒドロシランの投入量ははモル比で70対30とし
た。反応混合物を加熱反応させた後、混合物の揮発分を
減圧留去することにより、シリル基末端ビニル系重合体
(重合体[P5])を得た。得られた重合体の数平均分
子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により2300
0、分子量分布は1.4であった。重合体1分子当たり
に導入された平均のシリル基の数を1HNMR分析によ
り求めたところ、トリメトキシ基が1.2個、ジメトキ
シメチル基0.5個であった。
【0211】同様に1L耐圧反応容器に重合体[5]、
ジメトキシメチルヒドロシラン、オルトぎ酸メチル、お
よび0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3
−ジビニルジシロキサン錯体を仕込み、加熱反応させた
後、混合物の揮発分を減圧留去することにより、シリル
基末端ビニル系重合体(重合体[P6])を得た。得ら
れた重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン
換算)により23000、分子量分布は1.4であっ
た。重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の
数を1H NMR分析により求めたところ、1.7個で
あった。 (製造例3)還流塔および攪拌機付きの50L重合機
に、CuBr(251.82g、1.76mol)を仕
込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(3
360mL)を加え、68℃で20分間攪拌した。これ
にアクリル酸ブチル(6.80L)、2、5−ジブロモ
アジピン酸ジエチル(526.70g、1.46mo
l)、ペンタメチルジエチレントリアミン(12.0m
L、0.0585mmol)(これ以降トリアミンと表
す)を加え、反応を開始した。70℃で加熱攪拌しなが
ら、アクリル酸ブチル(26.80L)を204分かけ
て連続的に滴下した。アクリル酸ブチルの滴下途中にト
リアミン(36.0mL、0.176mmol)を追加
した。反応開始より397分経過後に1,7−オクタジ
エン(8640mL、58.5mol)、トリアミン
(120mL、0.585mol)を加え、80℃で2
40分加熱攪拌した。その後トリアミン(80mL、
0.390mol)を追加し、90℃で240分加熱攪
拌した。
【0212】反応混合物をトルエンで希釈し、分離板型
遠心沈降機を用いて不溶の銅錯体を除去し、活性アルミ
ナカラムを通した後、揮発分を減圧留去することにより
アルケニル基末端重合体(重合体[6])を得た。重合
体[6]の数平均分子量は24000、分子量分布は
1.21であった。還流管付10Lセパラブルフラスコ
に、重合体[6](3.0kg)、酢酸カリウム(2
4.5g)、N,N−ジメチル酢酸アミド(3L)を仕
込み、窒素気流下100℃で10時間加熱攪拌した。加
熱減圧下でN,N−ジメチル酢酸アミドを除去した後、
トルエンで希釈した。トルエンに不溶な固体分(KBr
および余剰な安息香酸カリウムを活性アルミナカラムで
濾過した。ろ液の揮発分を減圧留去することにより重合
体[7]を得た。
【0213】還流管付10L丸底フラスコに、重合体
[7](3kg)、ハイドロタルサイト(450g、協
和化学製、キョーワード500SH、キョーワード70
0SL)、キシレン(0.6L)を仕込み、窒素気流下
130℃で5.0時間加熱攪拌した。珪酸アルミを濾過
により除去した後、ろ液を減圧留去することにより重合
体[8]を得た。
【0214】2L反応容器に重合体[8](1000
g)、トリメトキシシラン(52mL)、オルトぎ酸メ
チル(13.3mL)、および0価白金の1,1,3,
3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体
を仕込んだ。なお、白金触媒とトリメトキシシランを反
応途中で追加した。トリメトキシシランの使用量は合計
で69mL、白金触媒の使用量は合計で、重合体のアル
ケニル基に対してモル比で1×10-3当量であった。加
熱反応させた後、混合物の揮発分を減圧留去することに
より、シリル基末端ビニル系重合体(重合体[P7])
を得た。得られた重合体の数平均分子量はGPC測定
(ポリスチレン換算)により28500、分子量分布は
1.4であった。重合体1分子当たりに導入された平均
のシリル基の数を1H NMR分析により求めたとこ
ろ、2.5個であった。
【0215】同様に2L反応容器に重合体[8]、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2、2’−ア
ゾビス−2−メチルブチロニトリルを仕込み、加熱反応
させた後、混合物の揮発分を(未反応の3−メルカプト
プロピルトリメトキシシランが残らないように)充分に
減圧留去することにより、シリル基末端ビニル系重合体
(重合体[P8])を得た。得られた重合体の数平均分
子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により2850
0、分子量分布は1.4であった。重合体1分子当たり
に導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析に
より求めたところ、2.8個であった。
【0216】同様に2L反応容器に重合体[8](10
00g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(45m
L)、オルトぎ酸メチル(13.3mL)、および0価
白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニ
ルジシロキサン錯体を仕込んだ。なお、重合体[P7]
同様、白金触媒とジメトキシメチルシランを反応途中で
追加した。充分加熱反応させた後、混合物の揮発分を減
圧留去することにより、シリル基末端ビニル系重合体
(重合体[P9])を得た。得られた重合体の数平均分
子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により2850
0、分子量分布は1.4であった。重合体1分子当たり
に導入された平均のシリル基の数を1H NMR分析に
より求めたところ、2.5個であった。 (製造例4)特開平11−080249の実施例2に記
載された方法に基づき、ヒドロキシエチル−2−ブロモ
プロピオネートを開始剤とし、臭化第一銅と2,2−ビ
ピリジルを重合触媒として,アクリル酸−n−ブチルを
重合し、重合末期にメタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ルを添加して末端に水酸基を有するポリアクリル酸−n
−ブチル(重合体[9])を得た。得られた重合体の数
平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により6
100、分子量分布は1.3であった。重合体1分子当
たりに導入された平均のシリル基の数を1H NMR分
析により求めたところ、3.3個であった。
【0217】これにイソシアネートプロピルトリメトキ
シシランを加えてウレタン化反応を行ない、末端の水酸
基をトリメトキシシリル基に変換して、平均3.3個の
トリメトキシシリル基を有するビニル系重合体(重合体
[P10])を得た。 (製造例5)還流管および攪拌機付きの2Lのセパラブ
ルフラスコに、CuBr(22.4g、0.156mo
l)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニト
リル(112mL)を加え、オイルバス中70℃で30
分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(0.20k
g)、2−ブロモプロピオン酸メチル(86.9g、
0.520mol)、トリアミン(0.19mL、0.
18g、1.04mmol)を加え、反応を開始した。
70℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸ブチル(0.8
0kg)を150分かけて連続的に滴下した。アクリル
酸ブチルの滴下途中にトリアミン(1.81mL、1.
71g、9.88mmol)を追加した。引き続き70
℃で230分加熱攪拌した。反応混合物をトルエンで希
釈し、活性アルミナカラムを通した後、揮発分を減圧留
去することによりアルケニル基末端重合体(重合体[1
0])を得た。重合体[10]の数平均分子量は260
0、分子量分布は1.18であった。還流管付2Lセパ
ラブルフラスコに、重合体[10](0.937k
g)、酢酸カリウム(73.5g)、N,N−ジメチル
酢酸アミド(0.8L)を仕込み、窒素気流下70℃で
5時間加熱攪拌した。加熱減圧下でN,N−ジメチル酢
酸アミドを除去した後、トルエンで希釈した。トルエン
に不溶な固体分(KBrおよび余剰な安息香酸カリウム
を活性アルミナカラムで濾過した。ろ液の揮発分を減圧
留去することにより重合体[P11]を得た。 (製造例6)攪拌機付きの250Lの反応釜に、CuB
r(923.3g、6.44mol)を仕込み、反応釜
内を窒素シールした後、アセトニトリル(6671g)
を加え、65℃で15分間攪拌した。これにアクリル酸
ブチル(22.0kg)、2,5−ジブロモアジピン酸
ジエチル(1931.2g、5.36mol)、アセト
ニトリル(3000g)、ペンタメチルジエチレントリ
アミン(44.8mL、214.6mmol)(これ以
降トリアミンと表す)を加え、反応を開始した。80℃
で加熱攪拌しながら、アクリル酸ブチル(88.0k
g)を連続的に滴下した。アクリル酸ブチルの滴下途中
にトリアミン(179.2mL、859.5mmol)
を追加した。引き続き80℃で加熱攪拌後、1,7−オ
クタジエン(15.847kg)、トリアミン(67
2.0mL、3.21mol)を添加し、さらに80℃
で10時間加熱攪拌を続けることにより、重合体[1
1]を含有する反応混合物(重合反応混合物[1
1’])を得た。反応混合物[11’]の揮発分を減圧
留去することによりアルケニル基末端重合体(重合体
[11])を得た。
【0218】攪拌機付きの250Lの反応釜に重合体
[11](100kg)、メチルシクロヘキサン(10
0kg)、吸着剤(各2kg、協和化学製、キョーワー
ド500SH、キョーワード700SL)を仕込み、酸
素/窒素混合ガス雰囲気下で150℃、2時間加熱撹拌
し固体分を分離して重合体[12]を得た。
【0219】還流管付10Lセパラブルフラスコに、重
合体[12](3.2kg)、酢酸カリウム(74.1
g)、N,N−ジメチル酢酸アミド(3.2L)を仕込
み、窒素気流下100℃で8時間加熱攪拌した。加熱減
圧下でN,N−ジメチル酢酸アミドを除去した後、トル
エンで希釈した。トルエンに不溶な固体分(KBrおよ
び余剰な安息香酸カリウムを活性アルミナカラムで濾過
した。ろ液の揮発分を減圧留去することにより重合体
[13]を得た。
【0220】還流管付10Lセパラブルフラスコに、重
合体[13](3kg)、吸着剤(1800g、協和化
学製、キョーワード500SH、キョーワード700S
L)、キシレン(1.5L)を仕込み、窒素気流下13
0℃で5.0時間加熱攪拌した。吸着剤を濾過により除
去した後、ろ液を減圧留去することにより重合体[1
4]を得た。
【0221】2L反応容器に製造例1で得られた重合体
[14](1300g)、ジメトキシメチルヒドロシラ
ン(58.5mL)、オルトぎ酸メチル(17.3m
L)、および0価白金の1,1,3,3−テトラメチル
−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を仕込んだ。な
お、白金触媒の使用量は重合体1kgに対し白金換算で
30mg。100℃、3.5h加熱反応させた後、混合
物の揮発分を減圧留去することにより、シリル基末端ビ
ニル系重合体(重合体[P12])を得た。得られた重
合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)
により27000、分子量分布は1.4であった。重合
体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数を1
NMR分析により求めたところ、1.8個であった。 (実施例1〜13)製造例1〜4で得られた重合体[P
1〜P10]100部に膠質炭酸カルシウム(白艶華C
CR:白石カルシウム製)150部、重質炭酸カルシウ
ム(ナノックス25A:丸尾カルシウム製)20部、酸
化チタン(タイペークR−820(ルチル型):石原産
業製)10部、可塑剤(表1に記載)50部、チキソ性
付与剤(ディスパロン6500楠本化成製)2部、老化
防止剤(サノールLS−765(HALS):三共製、
チヌビン213:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
製)各1部を配合し、更に3本ペイントロールを用いて
充分混合した後、その他の各種添加剤を配合し、各種硬
化触媒を用いて、室温にて硬化させ、皮張時間を評価し
た。またその硬化物を室温にて1週間静置した後の表面
のベタツキ(残留タック)を評価した。各種配合剤と硬
化剤、および硬化剤の添加部数と皮張時間、硬化物の残
留タックの結果を表1に示した。
【0222】なお、本発明における皮張時間は、組成物
がゴム弾性を発現し金属スパーテルに着かなくなるまで
の時間で評価した。
【0223】
【表1】 (実施例14〜29)製造例6で得られた重合体[1
2]100部に膠質炭酸カルシウム(白艶華CCR:白
石カルシウム製)150部、重質炭酸カルシウム(ナノ
ックス25A:丸尾カルシウム製)20部、酸化チタン
(タイペークR−820(ルチル型):石原産業製)1
0部、可塑剤(DIDP:協和醗酵工業製)60部、チ
キソ性付与剤(ディスパロン6500楠本化成製)2
部、老化防止剤(サノールLS−765(HALS):
三共製、チヌビン213:チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ製)各1部を配合し、更に3本ペイントロールを
用いて充分混合した後、シラノール含有化合物(A−1
120、A−171:何れも日本ユニカー製)各1部と
各種硬化触媒を用いて、室温にて硬化させ、皮張時間を
評価した。硬化剤種、添加部数と硬化物の色、皮張時
間、硬化物のゲル分率の結果を表2に示した。 (比較例1〜2)実施例14〜29で使用した硬化触媒
の代りに錫系硬化触媒を用いた以外は実施例14〜29
と同様にして皮張時間とゲル分率を測定した。結果を表
2に示した。
【0224】なお、本発明におけるゲル分率は、硬化物
をトルエン溶液に室温にて一日浸漬し、その後120℃
で3時間真空乾燥させた後の質量を、浸漬前の質量に対
する割合で示した。
【0225】
【表2】 (実施例30〜45)実施例14〜29と同様にして上
記の配合組成物を約2mm厚の型枠に充填した後、室内
で3日、その後50℃で4日硬化養生させ、硬化物を得
た。硬化養生後の硬化物から2(1/3)号形ダンベル
型試験片を打抜き、引張物性(島津製オートグラフ使
用、測定温度:23℃、引張速度:200mm/se
c)を評価した。また、同様に約2mm厚の型枠に充填
したシート状施工物を室内で3日、その後50℃で4日
硬化養生させた後、更に70℃で3日、23℃の水に1
日浸漬養生し、2(1/3)号形ダンベル型試験片に打
抜いて、復元率を測定した。復元率は23℃で標線20
mmを40mmに24時間伸ばして保持した後、開放し
て1時間後に標線間を測定して復元した割合を算出し
た。それぞれの硬化物の残留タックを評価した。硬化剤
種と引張物性、復元率の結果を表3に示した。 (比較例3〜4)実施例30〜45で使用した硬化触媒
の代りに錫系硬化触媒を用いた以外は実施例14〜29
と同様にして皮張時間とゲル分率を測定した。結果を表
2に示した。
【0226】なお、本発明におけるゲル分率は、硬化物
をトルエン溶液に室温にて一日浸漬し、その後120℃
で3時間真空乾燥させた後の質量を、浸漬前の質量に対
する割合で示した。
【0227】
【表3】 何れも充分な硬化性、ゲル分、残留タック、機械物性、
復元性を示した。
【0228】上記の実験結果より、以下のことが明らか
になった。 鉄、チタン、ビスマス等のカルボン酸金属塩は錫並み
の触媒活性を示した。 マンガン、ビスマス、チタン、特にバナジウム、コバ
ルト、バリウム、カルシウム、アルミニウム等のカルボ
ン酸金属塩は錫のカルボン酸金属塩に比較して低モジュ
ラスでありながら高復元性を示した。 鉄、チタン、ビスマス、鉛、バナジウム、ジルコニウ
ム、カルシウム、カリウム、バリウム、マンガン、ニッ
ケル、コバルト、亜鉛、アルミニウム等のカルボン酸金
属塩は錫のカルボン酸金属塩と比較して低モジュラス高
伸びの傾向を示した。
【0229】
【発明の効果】本発明は、架橋性シリル基を少なくとも
1個有するビニル系重合体(I)、及び、錫系以外のカ
ルボン酸金属塩(II)からなる硬化性組成物からな
り、錫系硬化触媒を使用せずに、実用的な硬化性を示し
ながら、良好な硬化物物性を有する組成物を実現でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J035 BA12 BA13 BA14 CA07N CA071 CA10N CA101 EA01 EB03 EB04 EB10 GA01 GA02 GB03 GB08 GB09 LB03

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の二成分:架橋性シリル基を少なく
    とも1個有するビニル系重合体(I)、及び、錫系以外
    のカルボン酸金属塩(II)を含有する硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 分子量分布が1.8未満であるビニル系
    重合体(I)を含有することを特徴とする請求項1記載
    の硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、
    アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマ
    ー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル
    系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として
    重合して製造されるものであるビニル系重合体(I)を
    含有することを特徴とする請求項1または2記載の硬化
    性組成物。
  4. 【請求項4】 主鎖が、(メタ)アクリル系重合体であ
    るビニル系重合体(I)を含有することを特徴とする請
    求項3に記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 主鎖が、アクリル系重合体であるビニル
    系重合体(I)を含有することを特徴とする請求項4に
    記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 主鎖が、アクリル酸エステル系重合体で
    あるビニル系重合体(I)を含有することを特徴とする
    請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 カルボン酸金属塩(II)の金属が、ビ
    スマス、鉄、チタン、鉛、バナジウム、ジルコニウム、
    カルシウム、カリウム、バリウム、マンガン、セリウ
    ム、ニッケル、コバルト、亜鉛、アルミニウムからなる
    群から選択される金属であることを特徴とする請求項1
    〜6のうちいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 カルボン酸金属塩(II)が、カルボン
    酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カ
    ルボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコ
    ニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸カリウム、
    カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸
    セリウム、カルボン酸ニッケル、カルボン酸コバルト、
    カルボン酸亜鉛、カルボン酸アルミニウムからなる群か
    ら選択される1つ以上であるカルボン酸金属塩であるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載
    の硬化性組成物。
  9. 【請求項9】 カルボン酸金属塩(II)が、下記の群
    で表わされるカルボン酸金属塩のいずれかであることを
    特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の硬
    化性組成物。 Fe(OCOR)2、Fe(OCOR)3、Ti(OCO
    R)4、Bi(OCOR)3、Pb(OCOR)2、V
    (OCOR)3、Zr(O)(OCOR)2、Ca(OC
    OR)2、K(OCOR)、Ba(OCOR)2、Mn
    (OCOR)2、Ce(OCOR)3、Ni(OCOR)
    2、Co(OCOR)2、Zn(OCOR)2、Al(O
    COR)3 (式中Rは炭素数1〜20で表される置換あるいは非置
    換の炭化水素基であり、炭素炭素二重結合を含んでいて
    もよい。)
  10. 【請求項10】 カルボン酸金属塩(II)が、2−エ
    チルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オレ
    イン酸、ナフテン酸から選ばれるカルボン酸基含有化合
    物の金属塩であることを特徴とする請求項1〜6のうち
    いずれか一項に記載の硬化性組成物。
  11. 【請求項11】 ビニル系重合体(I)100重量部に
    対して、カルボン酸金属塩(II)に含有される金属元
    素換算で0.005〜30重量部となる量のカルボン酸
    金属塩(II)を含有することを特徴とする請求項1〜
    10のうちいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  12. 【請求項12】 更に第三成分として、アミン化合物
    (III)を含有することを特徴とする請求項1〜11
    のうちいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  13. 【請求項13】 ビニル系重合体(I)100重量部に
    対して、カルボン酸金属塩(II)中に含有される金属
    元素換算で0.005〜30重量部となる量のカルボン
    酸金属塩(II)と、アミン化合物(III)0.01
    〜50重量部を含有することを特徴とする請求項12に
    記載の硬化性組成物。
  14. 【請求項14】 主鎖が、リビングラジカル重合法によ
    り製造されるものであるビニル系重合体を含有すること
    を特徴とする請求項1〜13のうちいずれか一項に記載
    の硬化性組成物。
  15. 【請求項15】 リビングラジカル重合が、原子移動ラ
    ジカル重合であるビニル系重合体を含有することを特徴
    とする請求項14に記載の硬化性組成物。
  16. 【請求項16】 原子移動ラジカル重合が、周期律表第
    7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金
    属とする遷移金属錯体より選ばれる錯体を触媒とするビ
    ニル系重合体を含有することを特徴とする請求項15に
    記載の硬化性組成物。
  17. 【請求項17】 触媒とする金属錯体が銅、ニッケル、
    ルテニウム、又は鉄の錯体からなる群より選ばれる錯体
    であるビニル系重合体を含有することを特徴とする請求
    項16に記載の硬化性組成物。
  18. 【請求項18】 触媒とする金属錯体が銅の錯体である
    ビニル系重合体を含有することを特徴とする請求項17
    に記載の硬化性組成物。
  19. 【請求項19】 ビニル系重合体(I)が、一般式
    (1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である架
    橋性シリル基であるビニル系重合体を含有することを特
    徴とする請求項1〜18のうちいずれか一項に記載の硬
    化性組成物。 −SiYa3-a・・・(1) (ただし、式中Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭
    素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキ
    ル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜2
    0の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であ
    ってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオル
    ガノシロキシ基を示し、Rが2個以上存在するとき、そ
    れらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは
    水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在す
    るときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよ
    い。aは1,2,または3を示す。)
  20. 【請求項20】 ビニル系重合体(I)が架橋性シリル
    基を主鎖末端に有するビニル系重合体を含有することを
    特徴とする請求項19に記載の硬化性組成物。
  21. 【請求項21】 ビニル系重合体(I)が、一般式
    (1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である架
    橋性シリル基のみを含有するビニル系重合体を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜20のうちいずれか一項に
    記載の硬化性組成物。
  22. 【請求項22】 ビニル系重合体(I)の一部または全
    部が、一般式(1)で表される架橋性シリル基のうちa
    が3である架橋性シリル基、および一般式(1)で表さ
    れる架橋性シリル基のうちaが1または2である架橋性
    シリル基を併有する重合体であるビニル系重合体を含有
    することを特徴とする請求項1〜21のうちいずれか一
    項に記載の硬化性組成物。
  23. 【請求項23】 ビニル系重合体(I)が、一般式
    (1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である架
    橋性シリル基を有する重合体、および一般式(1)で表
    される架橋性シリル基のうちaが1または2である架橋
    性シリル基を有する重合体の両方のビニル系重合体を含
    有することを特徴とする請求項1〜21のうちいずれか
    一項に記載の硬化性組成物。
  24. 【請求項24】 ビニル系重合体(I)が、一般式
    (1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である架
    橋性シリル基を有する重合体、および一般式(1)で表
    される架橋性シリル基のうちaが1または2である架橋
    性シリル基のみを有する重合体の両方のビニル系重合体
    を含有することを特徴とする請求項1〜21のうちいず
    れか一項に記載の硬化性組成物。
  25. 【請求項25】 ビニル系重合体(I)が、一般式
    (1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である架
    橋性シリル基のみを有するビニル系重合体のみを含有す
    ることを特徴とする請求項1〜21のうちいずれか一項
    に記載の硬化性組成物。
  26. 【請求項26】 ビニル系重合体(I)が、一般式
    (1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である架
    橋性シリル基のみを有するビニル系重合体、および一般
    式(1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である
    架橋性シリル基および一般式(1)で表される架橋性シ
    リル基のうちaが1または2である架橋性シリル基の両
    方を併有する重合体であるビニル系重合体の両方のビニ
    ル系重合体を含有することを特徴とする請求項1〜21
    のうちいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  27. 【請求項27】 ビニル系重合体(I)が、一般式
    (1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である架
    橋性シリル基のみを有する重合体、および一般式(1)
    で表される架橋性シリル基のうちaが1または2である
    架橋性シリル基を有する重合体の両方のビニル系重合体
    を含有することを特徴とする請求項1〜21のうちいず
    れか一項に記載の硬化性組成物。
  28. 【請求項28】 ビニル系重合体(I)が、一般式
    (1)で表される架橋性シリル基のうちaが3である架
    橋性シリル基のみを有する重合体、および一般式(1)
    で表される架橋性シリル基のうちaが1または2である
    架橋性シリル基のみを有する重合体の両方のビニル系重
    合体を含有することを特徴とする請求項1〜21のうち
    いずれか一項に記載の硬化性組成物。
JP2002047356A 2002-02-25 2002-02-25 硬化性組成物 Expired - Fee Related JP4050526B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002047356A JP4050526B2 (ja) 2002-02-25 2002-02-25 硬化性組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002047356A JP4050526B2 (ja) 2002-02-25 2002-02-25 硬化性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003246861A true JP2003246861A (ja) 2003-09-05
JP4050526B2 JP4050526B2 (ja) 2008-02-20

Family

ID=28660434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002047356A Expired - Fee Related JP4050526B2 (ja) 2002-02-25 2002-02-25 硬化性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4050526B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007077888A1 (ja) 2005-12-28 2007-07-12 Kaneka Corporation 硬化性組成物
JP2009132797A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Dow Corning Toray Co Ltd 多成分型室温硬化性シリコーンゴム組成物
JP2010229199A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Konishi Co Ltd 反応性ホットメルト樹脂組成物及び反応性ホットメルト接着剤
KR20190132325A (ko) * 2015-09-28 2019-11-27 에보니크 오퍼레이션즈 게엠베하 트리멜리트산의 트리펜틸 에스테르
WO2020071537A1 (ja) * 2018-10-05 2020-04-09 中国塗料株式会社 防汚塗料組成物、防汚塗膜、並びに防汚塗膜付き基材及びその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2774673A1 (de) 2013-03-04 2014-09-10 Nitrochemie Aschau GmbH Katalysator für die Vernetzung von Siliconkautschukmassen

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007077888A1 (ja) 2005-12-28 2007-07-12 Kaneka Corporation 硬化性組成物
US8389630B2 (en) 2005-12-28 2013-03-05 Kaneka Corporation Curable composition
JP2009132797A (ja) * 2007-11-30 2009-06-18 Dow Corning Toray Co Ltd 多成分型室温硬化性シリコーンゴム組成物
JP2010229199A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Konishi Co Ltd 反応性ホットメルト樹脂組成物及び反応性ホットメルト接着剤
KR20190132325A (ko) * 2015-09-28 2019-11-27 에보니크 오퍼레이션즈 게엠베하 트리멜리트산의 트리펜틸 에스테르
KR102396697B1 (ko) 2015-09-28 2022-05-11 에보니크 오퍼레이션즈 게엠베하 트리멜리트산의 트리펜틸 에스테르
WO2020071537A1 (ja) * 2018-10-05 2020-04-09 中国塗料株式会社 防汚塗料組成物、防汚塗膜、並びに防汚塗膜付き基材及びその製造方法
CN112805344A (zh) * 2018-10-05 2021-05-14 中国涂料株式会社 防污涂料组合物、防污涂膜、以及带有防污涂膜的基材及其制造方法
JPWO2020071537A1 (ja) * 2018-10-05 2021-09-02 中国塗料株式会社 防汚塗料組成物、防汚塗膜、並びに防汚塗膜付き基材及びその製造方法
JP7037666B2 (ja) 2018-10-05 2022-03-16 中国塗料株式会社 防汚塗料組成物、防汚塗膜、並びに防汚塗膜付き基材及びその製造方法
CN112805344B (zh) * 2018-10-05 2022-06-17 中国涂料株式会社 防污涂料组合物、防污涂膜、以及带有防污涂膜的基材及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4050526B2 (ja) 2008-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7511102B2 (en) Polymer and liquid gasket for In-Place forming
EP1598402B1 (en) Curable compositions
EP1642932B1 (en) Curing composition
JP5550831B2 (ja) 硬化性組成物
JP4959983B2 (ja) 硬化性組成物
JP5420933B2 (ja) 硬化性組成物
JP2011094160A (ja) 硬化性組成物
JP5243694B2 (ja) 硬化性組成物
JPWO2005075562A1 (ja) 硬化性組成物
JPWO2005095492A1 (ja) 硬化性組成物
JP4563936B2 (ja) 硬化性組成物
JP5185530B2 (ja) シーリング材
JP4439790B2 (ja) 硬化性組成物
EP1406932B1 (en) Quick curing composition
JP4794171B2 (ja) 硬化性組成物
JP2003313397A (ja) 硬化性組成物
JP4050526B2 (ja) 硬化性組成物
JP2003113324A (ja) 硬化性組成物
JP5399868B2 (ja) 硬化性組成物
JP2003327852A (ja) 硬化性組成物
JP2004051726A (ja) 硬化性組成物
JP2004051830A (ja) 硬化性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061204

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4050526

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees