JP2003246850A - 光硬化組成物、及び、光硬化組成物を用いた塗装物品、接着物品又は封入物品 - Google Patents

光硬化組成物、及び、光硬化組成物を用いた塗装物品、接着物品又は封入物品

Info

Publication number
JP2003246850A
JP2003246850A JP2002158212A JP2002158212A JP2003246850A JP 2003246850 A JP2003246850 A JP 2003246850A JP 2002158212 A JP2002158212 A JP 2002158212A JP 2002158212 A JP2002158212 A JP 2002158212A JP 2003246850 A JP2003246850 A JP 2003246850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
photocurable composition
article
weight
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002158212A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Miyake
武司 三宅
Kazuhiro Kawabata
和裕 川端
Kenji Yamauchi
健司 山内
Takashi Shinjo
隆 新城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2002158212A priority Critical patent/JP2003246850A/ja
Publication of JP2003246850A publication Critical patent/JP2003246850A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に被着体に適用することができ、光の照
射により硬化が完了する光硬化可能組成物であって、適
用基材への接着性や接着物の硬化後に生成する硬化物自
身の可とう性に優れ、更に無溶媒であるため耐環境性に
も優れる光硬化組成物、及び、その光硬化組成物を使用
した耐久性、耐水性及び接着性に優れている塗装物品、
接着物品又は封入物品を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂と、ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール又はポリエチレングリコールと、光カ
チオン重合開始剤とを含有する常温で液体の光硬化組成
物、及び、その光硬化組成物で処理された塗装物品、接
着物品又は封入物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の照射により硬
化が進行する光硬化組成物、及び、その光硬化組成物で
処理されている塗装物品、接着物品又は封入物品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】無溶剤型液状接着剤組成物は、溶剤を含
まず耐環境性に優れているので、さまざまな被着体を塗
装、接着又は封入するのに幅広く用いられている。その
なかでも、光硬化組成物は、光を照射することにより硬
化が進行するため、高温の加熱が必要なく、光を遮断す
れば貯蔵安定性に優れていて、種々提案されている。
【0003】特開昭63−248825号公報には、エ
ポキシ樹脂とUV触媒とポリ(アルキレンオキサイド)
残基を含む固着剤からなる硬化性組成物が開示されてい
る。該硬化性組成物は、UV放射線を照射した際に遅れ
た硬化を示すため、UV線照射後の開放時間中に、例え
ば接着剤として機能させたり、不透明基板同士を接着し
たりできる旨が記載されている。しかしながら、接着物
品の接着性や耐水性には特に言及されていない。更に、
特開平6−306346号公報には、エポキシ樹脂に常
温で固形のポリエステルを配合することにより、クラン
プ等の精密な仮固定がいらない初期接着強度に優れたホ
ットメルト組成物が記載されている。しかしながら、常
温で固体であるために、加熱溶融塗工、又は加熱溶融塗
工によるシート化が必要であり、熱に弱い基材への塗工
や精密塗工において問題を有していて、塗装物品、接着
物品又は封入物品に広く使用することに難点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の現状に鑑み、容易に、かつ広範囲の被着体に適
用することができ、光の照射により硬化が完了する光硬
化組成物であって、適用基材への接着性や接着物品の硬
化後に生成する硬化物自身の可とう性に優れ、更に無溶
媒であるため耐環境性にも優れる光硬化組成物と、その
光硬化組成物を使用した塗装物品、接着物品又は封入物
品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、エポキシ樹脂と、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール又はポリエチレングリコールと、光カチオ
ン重合開始剤とを含有する常温で液体の光硬化組成物、
及び、エポキシ樹脂と、エチレンオキサイド骨格を有す
るエポキシ樹脂又はビスフェノール骨格とプロピレンオ
キサイド骨格とを有するエポキシ樹脂と、光カチオン重
合開始剤とを含有する常温で液体の光硬化組成物におい
て、光を照射することにより光硬化組成物が速やかに硬
化し、組成物硬化後の被着体の耐水性が優れていること
を見出した。更に、エポキシ樹脂が、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂であるとき、耐水性に加え、接着性に優
れることを見出した。更に検討を重ね、本発明を完成さ
せるに至った。なお、本明細書中、「常温」とは、約2
3℃程度の温度を指す。
【0006】本発明1は、エポキシ樹脂と、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール又はポリエチレングリコー
ルと、光カチオン重合開始剤とを含有する常温で液体の
光硬化組成物である。本発明2は、エポキシ樹脂と、エ
チレンオキサイド骨格を有するエポキシ樹脂又はビスフ
ェノール骨格とプロピレンオキサイド骨格とを有するエ
ポキシ樹脂と、光カチオン重合開始剤とを含有する常温
で液体の光硬化組成物である。以下に本発明を詳述す
る。
【0007】本発明1及び2の光硬化組成物は、実質的
に溶媒を含有せず、常温で液体であるため、熱に対して
耐性のない被着物にも適用が可能であり、優れた作業環
境を提供できる液体接着剤組成物である。本発明1及び
2の光硬化組成物を使用した本発明の塗装物品、接着物
品又は封入物品は、耐久性、耐水性、接着性に優れてい
る。
【0008】本発明1の光硬化組成物は、エポキシ樹脂
と、ポリテトラメチレンエーテルグリコール又はポリエ
チレングリコールと、光カチオン重合開始剤とを含有す
る。上記エポキシ樹脂としては特に限定されず、例え
ば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン
型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂又は変性エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂は、ポリテトラメチレンエーテルグリ
コール又はポリエチレングリコールと反応して、接着し
た後に生成する硬化物の耐水性や親水性液体に対する耐
性が高められるように作用するため好ましい。上記エポ
キシ樹脂は、光硬化組成物が常温で液体であるかぎり、
常温で液体であっても、固体であってもよい。また、上
記エポキシ樹脂は、単独で使用されてもよく、2種以上
が併用されてもよい。
【0009】上記エポキシ樹脂は市販されており、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコ
ート806、エピコート806L、エピコート807、
エピコートYL983又はエピコートYL983U(以
上、ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。上
記エポキシ樹脂の分子量としては特に限定されないが、
好ましい下限は、重量平均分子量で250、上限は60
000である。
【0010】上記ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル(以下、PTMGと略する)は、以下の式(1)で表
される構造を有する。
【0011】
【化1】
【0012】上記式(1)中、nは2以上の自然数であ
る。
【0013】上記PTMGの分子量としては特に限定さ
れず、例えば、重量平均分子量が1000以下のPTM
Gは常温で液状であるため、均一に混合されやすいとい
う利点を有し、重量平均分子量で1000以上のもの
は、耐熱接着性を高めるという利点を有する。なお、本
発明においては、常温で液状及び固形のいずれのPTM
Gを用いてもよい。
【0014】本発明で用いられるポリエチレングリコー
ル(以下、PEGと略する)は、以下の式(2)で表さ
れる構造を有する。
【0015】
【化2】
【0016】上記式中、nは2以上の自然数である。
【0017】上記PEGの分子量については特に限定さ
れないが、重量平均分子量が600以上であるものは、
耐熱接着性を高めることができるので、好ましく用いら
れる。また、重量平均分子量が600以下のPEGは、
常温で液体であるため、各成分と均一に混合されやすい
という利点を有する。なお、本発明においては、常温で
液状及び固形のいずれのPEGを使用してもよい。
【0018】ポリテトラメチレンエーテルグリコール又
はポリエチレングリコールは市販されており、例えば、
PTMG1000(商品名、三菱化学社製)、PEG6
00(商品名、日本油脂社製、重量平均分子量600)
等が挙げられる。
【0019】上記ポリテトラメチレンエーテルグリコー
ル又はポリエチレングリコ−ルの配合量の好ましい下限
は、エポキシ樹脂100重量部に対して5重量部、上限
は40重量部である。5重量部未満であると、接着後に
生成する硬化物の親水性液体に対する耐性を高める効果
が充分に得られないおそれがあり、40重量部を超える
と、硬化速度が非常に遅くなるおそれがある。
【0020】上記光カチオン重合開始剤は、光が照射さ
れることにより活性化し、エポキシ樹脂の開環重合を引
き起こすことができるものである。上記光カチオン重合
開始剤としては特に限定されず、例えば、スルホニウム
塩、ヨードニウム塩又はオニウム塩等が挙げられる。な
かでも、スルホニウム塩が好ましく、特に好ましくは芳
香族スルホニウム塩である。上記芳香族スルホニウム塩
としては特に限定されないが、例えば、米国特許第42
56828号に開示されているものが好ましく、具体的
には、例えば、トリフェニルスルホニウム塩、メチルジ
フェニルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウ
ム塩、ジフェニルナフチルスルホニウム塩又はジ(メト
キシナフチル)メチルスルホニウム塩等が挙げられる。
【0021】本発明1の光硬化組成物を製造する場合に
は原料混合物を加熱溶融混合する場合があることから、
光カチオン重合開始剤は、硬化開始に有効な光を遮断し
た状態で加熱した時にエポキシ樹脂の開環重合をほとん
ど起こさない加熱安定性に優れた開始剤であることが好
ましい。このような光カチオン重合開始剤としては、上
述した芳香族スルホニウム塩が挙げられ、なかでも好ま
しくは、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF6 -
を対アニオンとして有している芳香族スルホニウム塩で
あり、具体的には、例えば、トリフェニルスルホニウム
ヘキサフルオロホスフェート、メチルジフェニルスルホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニル
スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル
ナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート又は
ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムヘキサフル
オロホスフェート等が挙げられる。またこのようなPF
6 -を対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩は市
販されており、SP−150(商品名、旭電化工業社
製)、サイラキュアUVI−6990(商品名、ユニオ
ンカーバイド社製)等がある。
【0022】上記光カチオン重合開始剤の配合量の好ま
しい下限は、光の種類や照射強度、エポキシ樹脂の種類
や量、光カチオン重合開始剤の種類等によって異なる
が、エポキシ樹脂100重量部に対して0.01重量
部、上限は10重量部である。
【0023】本発明1の光硬化組成物には、本発明の目
的を阻害しない限り、必要に応じて添加剤を含有させる
ことができる。このような添加剤としては特に限定され
ず、例えば、重合開始補助剤、密着性向上剤、増感剤、
脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、充填
剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防かび剤、粘度調整
剤等の公知の添加剤が挙げられる。上記添加剤は単独で
添加されてもよいし、2種以上が添加されてもよい。
【0024】本発明2の光硬化組成物は、ポリテトラメ
チレンエーテルグリコール又はポリエチレングリコール
の代りに、エチレンオキサイド骨格を有するエポキシ樹
脂又はビスフェノール骨格とプロピレンオキサイド骨格
とを有するエポキシ樹脂を含有する以外は、本発明1で
使用される光硬化組成物と同様にして作製されるもので
あり、上述したエポキシ樹脂と、エチレンオキサイド骨
格を有するエポキシ樹脂又はビスフェノール骨格とプロ
ピレンオキサイド骨格とを有するエポキシ樹脂と、上述
した光カチオン重合開始剤とを含有する。上記エチレン
オキサイド骨格を有するエポキシ樹脂としては特に限定
されず、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ビスフェノールAビス(トリエチレングリコ
ールグリシジルエーテル)エーテル等が挙げられる。上
記ビスフェノール骨格とプロピレンオキサイド骨格とを
有するエポキシ樹脂としては特に限定されず、例えば、
ビスフェノールAビス(プロピレングリコールグリシジ
ルエーテル)エーテル等が挙げられる。
【0025】上記エチレンオキサイド骨格を有するエポ
キシ樹脂又はビスフェノール骨格とプロピレンオキサイ
ド骨格とを有するエポキシ樹脂の配合量の好ましい下限
は、エポキシ樹脂100重量部に対して1重量部、上限
は400重量部である。1重量部未満であると、硬化物
が可とう性にかけるもろいものになる。400重量部を
超えると、基材に対する接着性に劣ることがある。
【0026】本発明1及び2の光硬化組成物の製造方法
については、配合する各成分を混合し、均一に分散し得
る限り、特に限定されないが、使用材料が溶融し得る適
度な加熱条件下で各成分を混合することが好ましい。上
記製造方法の好ましい一態様としては、例えば、各種配
合成分を、ヘンシェルミキサー等を用いて乾式混合後、
ニーダー、エクストルーダー等により、110℃以下で
溶融混合処理を施す方法等が挙げられる。また、製造に
際しての各成分の混合分散は無溶媒で行ってもよいし、
不活性溶媒中で行ってもよい。上記不活性溶媒としては
特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、クロロホ
ルム、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシド
等が挙げられる。溶媒を使用した場合は、各成分混合後
に、減圧下、通常は溶媒を留去する。また、各成分を混
合する場合、カチオン重合を阻害する成分である水分の
混入を少なくするため、無水条件下で混合することが望
ましい。更に、上記光硬化組成物を製造するに際して
は、硬化開始に有効な光を遮断した状態で行うことが好
ましい。
【0027】上記光硬化組成物を硬化する時に照射され
る光については、光カチオン重合開始剤からカチオンを
生成し得る限り、任意の光を用いることができ、カチオ
ン重合開始剤の種類に応じて適宜の光が用いられる。好
ましくは、紫外線又は200〜600nmの波長の光が
用いられる。特に、光カチオン重合開始剤として芳香族
スルホニウム塩を用いる場合には、200〜400nm
の波長を含む光を用いることが好ましい。上記光の光源
としては、例えば、蛍光ランプ、高圧水銀灯、低圧水銀
灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、殺菌灯又
はレーザー光等の一般的に用いられているものが挙げら
れる。
【0028】上記光の照射量は、カチオン重合開始剤の
種類や光硬化組成物が塗布されている部分の厚さや量に
よって適宜選択され、一義的には定め得ないが、0.0
01〜10J/cm2であることが好ましい。なお、本
発明の光硬化組成物は、常態条件下において、光の照射
により充分硬化し良好な接着力が得られるが、光の照射
に加えて被着体の変形や劣化が発生しない範囲で更に加
熱すると非常に高い接着力が得られるのでより好まし
い。
【0029】本発明の塗装物品とは、本発明1及び2の
光硬化組成物に顔料等の着色剤を混合して被着体に塗り
つけたものを指す。塗装対象物としては特に限定され
ず、例えば、電気製品、事務機器の内外装部、自動車の
内外装部、建築物の屋内又は屋外の壁等が挙げられる。
上記顔料としては特に限定されず、公知の顔料を使用し
てもよく、例えば、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、硫
化亜鉛、アンチモン白、鉛白、ジルコニア等の白色顔
料;カーボンブラック、酸化鉄等の黒色顔料:カドミウ
ムレッド、べんがら(酸化鉄)、モリブデンレッド、鉛
丹等の赤色顔料:黄鉛(クロムイエロー)、チタンイエ
ロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、タン、アンチ
モンイエロー、バナジウムスズイエロー、バナジウムジ
ルコニウムイエロー等の黄色顔料:酸化クロム、ビリジ
アン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コ
バルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン等の緑色顔
料:群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、
コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー等の
青色顔料等の各種の有色顔料が挙げられる。上記顔料の
配合量としては特に限定されないが、含有量の好ましい
下限は0.1重量%、上限は15重量%である。上記顔
料の塗装方法は公知の方法に従ってよく、例えば、スプ
レー塗り(エアスプレー、エアレススプレー等)、刷毛
塗り、ローラー塗り、パテ塗り、コート塗り(カーテン
フローコーター、ロールコーター)等の各種塗装方法等
が挙げられる。
【0030】本発明の接着物品とは、本発明1及び2の
光硬化組成物を例えば接着剤として使用して被着体を接
着したものを指す。具体的には、例えば、壁材と壁紙と
の接着、食品又は飲料を包装するための袋の接着、医薬
品を包装するための袋の接着等、多岐分野で接着された
ものが挙げられる。接着方法としては特に限定されず、
公知の方法に従ってよく、例えば、スプレー塗り(エア
スプレー、エアレススプレー等)、刷毛塗り、ローラー
塗り、パテ塗り等が挙げられる。
【0031】本発明の封入物品とは、本発明1及び2の
光硬化組成物を例えば接着剤として使用して被着体を封
入したものを指す。具体的には、複数の部分を組み合わ
せて製品を製造する場合に、ある部分を他の部分の中に
封入する場合、例えば、WO99/39679号に開示
されている容器がその一例として挙げられる。封入方法
は特に限定されず、公知の方法に従ってよく、上記接着
方法と同様に行われてよい。
【0032】本発明1及び2の光硬化組成物は、エポキ
シ樹脂、好ましくはビスフェノールF型エポキシ樹脂
と、光カチオン重合開始剤とを含有することにより、光
の照射により光カチオン重合開始剤が活性化され、それ
によってエポキシ樹脂の開環重合が進行して硬化する。
従って、光の照射により速やかに硬化し、優れた接着強
度を発現する。また、本発明1の光硬化組成物は、ポリ
テトラメチレンエーテルグリコール又はポリエチレング
リコールを含有することにより、ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール又はポリエチレングリコールとエポキ
シ樹脂とが結合し、PET等からなる被着体に対して優
れた接着性を示し、接着物品の親水性液体に対する耐性
が高められるとともに、接着物品の耐熱接着性も高めら
れる。また、本発明2の光硬化組成物は、エチレンオキ
サイド骨格を有するエポキシ樹脂又はビスフェノール骨
格とプロピレンオキサイド骨格とを有するエポキシ樹脂
を含有することにより、可とう性に優れ、接着物品の親
水性液体に対する耐性が高められるとともに、接着物品
の耐熱接着性も高められる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0034】(実施例1)ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、品番;エピコート
YL6975)26重量部と、PTMG(三菱化学社
製、品番;PTMG1000、重量平均分子量100
0)2重量部と、光カチオン重合開始剤(ユニオンカー
バイド社製、商品名;サイラキュアUVI−6990)
0.5重量部と、シリカ2.5重量部とを溶融混練機に
て混練し、混練後、壁に塗装して、本発明にかかる塗装
物品を得た。この塗装物品に、365nmの波長の強度
が40mJ/cm2である紫外線を超高圧水銀灯(オー
ク製作所社製、ジェットライトJL−4300)により
180秒間照射し、この塗装物品を、6ヶ月間、相対湿
度80%、温度60℃で保存した後、外観を肉眼で観察
したところ、保存前と比べて外観に変化が観察されなか
った。
【0035】(実施例2)ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、品番;エピコート
806)26重量部と、PTMG(三菱化学社製、品
番;PTMG1000、重量平均分子量1000)2重
量部と、光カチオン重合開始剤(ユニオンカーバイド社
製、商品名;サイラキュアUVI−6990)0.5重
量部とを溶融混練機にて混練して、本発明にかかる接着
剤を得た。アルミニウム箔とセロハンを1枚ずつ用意し
て、アルミニウム箔に接着剤を塗布した。このアルミニ
ウム箔に365nmの強度が40mJ/cm2である紫
外線を超高圧水銀灯(オーク製作所社製、ジェットライ
トJL−4300)により90秒間照射した。次いで、
セロハンを貼り合わせ、室温23℃で1週間静置し、キ
ャンディー包装用に使用される本発明にかかる接着物品
を得た。この接着物品を2ヶ月間、相対湿度80%、温
度60℃で保存した後、外観や接着性を観察したとこ
ろ、保存前と比べて外観及び接着性ともに変化は観察さ
れなかった。
【0036】(実施例3)ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、品番;エピコート
806)26重量部と、PEG(重量平均分子量60
0)2重量部と、光カチオン重合開始剤(ユニオンカー
バイド社製、商品名;サイラキュアUVI−6990)
0.5重量部とを溶融混練機にて混練して、本発明にか
かる接着剤を得た。ポリエチレンテレフタレートシー
ト、アルミニウム箔を各1枚ずつ用意して、アルミニウ
ム箔に接着剤を塗布した。その後、ポリエチレンテフタ
レートシートを貼り合わせ、レトルト食品包装用の袋を
作製した。次いで、袋の中にレトルト食品を入れ、同様
の手順で、本発明にかかる封入物品を作製した。この封
入物品を室温23℃で1週間静置した後、2ヶ月間、相
対湿度80%、温度60℃で保存し、保存後の接着性及
びレトルト食品の外観や食感を確認したところ、保存前
と比べて変化は観察されなかった。
【0037】(実施例4)ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、品番;YL983
U)89重量部と、エチレンオキサイド骨格を持つエポ
キシ樹脂(新日本理化社製、品番;リカレジンBEO−
60E)9重量部と、光カチオン重合開始剤(ユニオン
カーバイド社製、商品名;サイラキュアUVI−699
0)2重量部とを、溶融混練機にて混練して、本発明に
かかる接着剤を得た。この接着剤を厚さ75μmの白色
PETシート(東レ社製、商品名;E28G)に塗布し
た。その後、これに365nmの強度が40mJ/cm
2である紫外線を90秒間照射した後、もう1枚の白色
PETシートを貼り合わせ、40℃で1週間静置した。
この接着物品を、以下の方法で評価した。 (1)常態接着強度試験:引張試験機を用いて、測定温
度23℃及び剥離速度50mm/分の条件で複合シート
のT型剥離強度を測定した。 (2)耐久後接着強度試験:接着物品を2カ月間、相対
湿度80%、温度60℃で保存した後、引張試験機を用
いて、測定温度23℃及び剥離速度50mm/分の条件
で複合シートのT型剥離強度を測定した。 結果は、(1)、(2)共に基材材破となり、耐久促進
試験後も接着強度が落ちていないことが確認された。
【0038】(比較例1)ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、品番;エピコート
828)75重量部と、プロピレングリコールジ(2,
3エポキシプロピル)エーテル(ナガセケムテック社
製、品番;デナコールEX−920、エポキシ当量17
6)25重量部と、光カチオン重合開始剤(旭電化工業
社製、固形分50重量%のトリアリールスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、品番;オプトマーSP−
170)2重量部とを、溶融混練機にて混練して、接着
剤を得た。この接着剤を厚さ75μmの白色PETシー
ト(東レ社製、品名;E28G)に塗布した。その後、
これに365nmの強度が40mJ/cm2である紫外
線を90秒間照射した後、もう1枚の白色PETシート
を貼り合わせ、40℃で1週間静置した。この接着物品
を、以下の方法で評価した。 (1)常態接着強度試験:引張試験機を用いて、測定温
度23℃及び剥離速度50mm/分の条件で複合シート
のT型剥離強度を測定した。 (2)耐久後接着強度試験:接着物品を2カ月間、相対
湿度80%、温度60℃で保存した後、引張試験機を用
いて、測定温度23℃及び剥離速度50mm/分の条件
で複合シートのT型剥離強度を測定した。結果は、
(1)接着層凝集破壊、(2)界面剥離となり、常態接
着強度及び耐久後接着強度共に劣ることが確認された。
【0039】
【発明の効果】本発明にかかる光硬化組成物を用いた塗
装物品、接着物品又は封入物品は、耐久性、耐水性、接
着性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新城 隆 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J036 AD08 AF06 AF08 AF09 AF26 FB12 GA02 GA03 GA04 GA26 HA02 JA01 JA06 KA01 KA07 4J038 DB001 DB002 DB021 DB022 DB061 DB062 DF011 DF012 KA03 NA11 NA14 PA17 4J040 EC001 EC002 EC021 EC022 EC061 EC062 EF011 EF012 KA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂と、ポリテトラメチレンエ
    ーテルグリコール又はポリエチレングリコールと、光カ
    チオン重合開始剤とを含有し、常温で液体であることを
    特徴とする光硬化組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂と、エチレンオキサイド骨
    格を有するエポキシ樹脂又はビスフェノール骨格とプロ
    ピレンオキサイド骨格とを有するエポキシ樹脂と、光カ
    チオン重合開始剤とを含有し、常温で液体であることを
    特徴とする光硬化組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂は、ビスフェノールF型エ
    ポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の光硬化組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の光硬化組成物
    を用いたことを特徴とする塗装物品、接着物品又は封入
    物品。
JP2002158212A 2001-12-19 2002-05-30 光硬化組成物、及び、光硬化組成物を用いた塗装物品、接着物品又は封入物品 Withdrawn JP2003246850A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002158212A JP2003246850A (ja) 2001-12-19 2002-05-30 光硬化組成物、及び、光硬化組成物を用いた塗装物品、接着物品又は封入物品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-386240 2001-12-19
JP2001386240 2001-12-19
JP2002158212A JP2003246850A (ja) 2001-12-19 2002-05-30 光硬化組成物、及び、光硬化組成物を用いた塗装物品、接着物品又は封入物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003246850A true JP2003246850A (ja) 2003-09-05

Family

ID=28676878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002158212A Withdrawn JP2003246850A (ja) 2001-12-19 2002-05-30 光硬化組成物、及び、光硬化組成物を用いた塗装物品、接着物品又は封入物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003246850A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150119935A (ko) 2013-06-10 2015-10-26 미쯔이가가꾸가부시끼가이샤 열경화성 조성물, 유기 el 소자용 면 밀봉제 및 그 경화물
JP6097815B1 (ja) * 2015-12-18 2017-03-15 古河電気工業株式会社 接着剤組成物、これを用いた被着体の接合方法および積層体の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150119935A (ko) 2013-06-10 2015-10-26 미쯔이가가꾸가부시끼가이샤 열경화성 조성물, 유기 el 소자용 면 밀봉제 및 그 경화물
JP6097815B1 (ja) * 2015-12-18 2017-03-15 古河電気工業株式会社 接着剤組成物、これを用いた被着体の接合方法および積層体の製造方法
JP2017110169A (ja) * 2015-12-18 2017-06-22 古河電気工業株式会社 接着剤組成物、これを用いた被着体の接合方法および積層体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001139933A (ja) シール剤用光硬化型樹脂組成物およびシール方法
WO2001012745A1 (fr) Composition de resine photodurcissable pour materiau d'etancheite et procede correspondant
JP6464732B2 (ja) 2液型非乾燥型接着剤用ポリイソシアネート組成物、2液型非乾燥型接着剤用ポリオール組成物、非乾燥型接着剤、及び積層フィルム
KR101927675B1 (ko) 가요성 기판을 위한 경화성 접착제 조성물
CN110325612A (zh) 可缠绕和冲压的粘合膜
US20230348763A1 (en) Uv-curable semi-structural adhesive, and uv-curable semi-structural adhesive tape
JPH07179511A (ja) 光重合性樹脂組成物
JP2003096184A (ja) 光硬化型樹脂組成物
JP2003246850A (ja) 光硬化組成物、及び、光硬化組成物を用いた塗装物品、接着物品又は封入物品
JPH11507967A (ja) エポキシ化モノヒドロキシル化ジエンポリマーからuv硬化性接着剤および密封剤を製造するための非水性溶媒を含まない方法
JP2001089743A (ja) シール材用光硬化型樹脂組成物、シール方法
JP2000226536A (ja) ポリフェニレンスルフィド用プライマーおよび接着方法
JP3820147B2 (ja) 光硬化可能組成物
KR102488935B1 (ko) 개선된 산소 장벽 특성을 갖는 경화성 중합체 조성물
JP2023505253A (ja) エポキシ樹脂に基づく1成分(1k)組成物
TW202018052A (zh) 防濕密封材用組成物
JPH11140414A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JPH05186755A (ja) 光硬化型接着剤組成物
JPS639529B2 (ja)
JP2019143072A (ja) 光硬化性組成物およびそれを用いた液晶表示装置
WO2001030934A1 (fr) Composition reactive d'adhesif thermofusible
JPH11116929A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP4074388B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法
JP4050573B2 (ja) 光硬化型樹脂組成物
JPH11302622A (ja) 変色性光硬化型接着剤組成物及び接着方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050425

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20060131

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761