JP2003246819A - シクロオレフィン系重合体の成形体 - Google Patents

シクロオレフィン系重合体の成形体

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JP2003246819A
JP2003246819A JP2002049624A JP2002049624A JP2003246819A JP 2003246819 A JP2003246819 A JP 2003246819A JP 2002049624 A JP2002049624 A JP 2002049624A JP 2002049624 A JP2002049624 A JP 2002049624A JP 2003246819 A JP2003246819 A JP 2003246819A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極性基を有するシクロオレフィン系単量体の
付加重合体よりなり、優れた光学特性、密着性および耐
熱性を有する成形体を提供すること。 【解決手段】 成形体は、下記一般式(1)で表される
シクロオレフィン系単量体を付加重合反応させて得られ
るシクロオレフィン系重合体を成形用樹脂材料としてこ
れを溶融押出法により成形することによって製造された
ものであることを特徴とする。ここで、成形用樹脂材料
が、一般式(1)で表されるシクロオレフィン系単量体
と、共重合性単量体とを付加重合反応させて得られるも
のであることが好ましく、更に、下記一般式(2)で表
される遷移金属錯体化合物の存在下において付加重合反
応が行われることにより得られるものであることが好ま
しい。以上において、成形体は、光学フィルムもしくは
光学シート、または光ファイバーとして用いられること
が好ましい。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のシクロオレ
フィン系単量体を付加重合反応させることによって得ら
れるシクロオレフィン系付加重合体、またはシクロオレ
フィン系付加共重合体を成形用樹脂材料として用い、こ
れを溶融押出法により成形することによって製造する成
形体に関する。以下の記載において、「付加重合」およ
び「付加重合体」の用語は、原則として、それぞれ、
「付加共重合」および「付加共重合体」を包含する広義
の概念を示すものと理解されるべきである。従って、例
えば「シクロオレフィン系付加重合体」の用語は、特に
そうでないことが明確な場合を除き、「シクロオレフィ
ン系付加共重合体」を包含するものと理解されるべきで
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱性を有する透明熱可塑性樹脂
として、シクロオレフィン系重合体が注目されており、
例えば、特開平1−132625号公報、特開平1−1
32626号公報、特開昭63−218726号公報、
特開平2−133413号公報、特開昭61−1208
16号公報、特開昭61−115912号公報などに種
々のシクロオレフィン系重合体が開示されている。
【0003】一般に、シクロオレフィン系重合体よりな
る樹脂は、非晶性で優れた高い透明性を有し、かつ分極
率の異方性が小さいことにより光学的な歪みを生じにく
いために低い複屈折性を示し、優れた電気絶縁性を有す
ると共に、高温高湿環境における優れた寸法安定性を有
するものである。このため、シクロオレフィン系重合体
により得られる光学フィルム、導光板などのディスプレ
イ用光学部品、プラスチック光ファイバー、光学レン
ズ、光ディスク、光半導体封止材などの光学成形体は、
優れた光学特性を有するものとして有用である。
【0004】シクロオレフィン系重合体としては、シク
ロオレフィン系単量体の開環重合体、シクロオレフィン
系単量体の開環重合体の水素添加物あるいはシクロオレ
フィン系単量体の付加重合体などがあるが、特に、その
構造中に極性基を含有するものが、各種材料への密着
性、後加工性の観点から好ましい。
【0005】而して、従来、極性基を有するシクロオレ
フィン系単量体の開環重合体およびその水素添加物を、
例えば、特開平9−324036号公報および特開平1
0−251342号公報には光学フィルムとして利用す
ることが、特開平4−370121号公報および特開平
6−238805号公報には透明導電性フィルムとして
利用することが、特開平8−94852号公報には導光
板として利用することが、また、特開平4−36500
3号公報および特開平8−160264号公報にはプラ
スティック光ファイバーとして利用することが開示され
ている。
【0006】しかしながら、これらの極性基を有するシ
クロオレフィン系単量体の開環重合体を溶融押出法の成
形用樹脂材料として用いた場合には、水素添加物であっ
てもその構造中に存在する微量の未水添不飽和結合に起
因して、溶融成形時に成形用樹脂材料が熱劣化するた
め、得られる成形体は、シクロオレフィン系重合体の有
する種々の好ましい特性が低下したものとなると共に、
当該特性の経時的耐久性が小さい、という問題がある。
【0007】具体的には、成形体が、例えばプラスチッ
ク光ファイバーとして用いられるものである場合には、
経時的な色相の悪化に伴って光の伝送損失が増大したも
のとなり、成形体が光学フィルムとして用いられるもの
である場合には、樹脂材料の熱劣化に起因してゲルや焼
けが生ずることにより、その表面に点状欠陥が生じてし
まう、という問題があった。
【0008】一方、極性基を有するシクロオレフィン系
単量体の付加重合反応を高い効率で行う方法は知られて
おらず、従って、極性基を含有するシクロオレフィン系
付加重合体よりなる成形体を高い効率で製造する方法も
知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑みなされたものであり、極性基を有するシクロオレ
フィン系単量体の付加重合体よりなり、優れた光学特
性、密着性および耐熱性を有する成形体を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の成形体は、下記
一般式(1)で表されるシクロオレフィン系単量体を付
加重合反応させて得られるシクロオレフィン系重合体を
成形用樹脂材料としてこれを溶融押出法により成形する
ことによって製造されたものであることを特徴とする。
【0011】
【化3】
【0012】式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に,水
素原子、炭素原子数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原
子、および、アルコキシ基、水酸基、エステル基、シア
ノ基、アミド基、イミド基およびシリル基から選ばれた
極性基、並びに、ハロゲン原子および/または上記の極
性基により置換された極性炭化水素基よりなる群より選
ばれた原子または基を示す。R1 〜R4 は、それぞれ独
立に、芳香族または複素環を有する基であってもよく、
炭素原子数1〜5のアルキレン基を介して結合していて
もよい。更に、R1 またはR2 と、R3 またはR4
は、互いに結合して単環構造または多環構造を形成して
いてもよい。ただし、R1 〜R4 のうちの少なくとも1
つは上記の極性基または極性炭化水素基である。mは0
または正の整数であり、pは0または正の整数であり、
m+p=0〜4である。
【0013】以上において、成形用樹脂材料が、一般式
(1)で表されるシクロオレフィン系単量体と、これと
共重合可能な共重合性単量体とを付加重合反応させて得
られるものであることが好ましい。また、成形用樹脂材
料は、下記一般式(2)で表される遷移金属錯体化合物
の存在下において付加重合反応が行われることにより得
られるものであることが好ましい。
【0014】
【化4】
【0015】式中、Mは、周期律表の第4族、第8族、
第9族または第10族から選ばれた遷移金属原子を示
す。A1 およびA2 は、互いに同一でも異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の
直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素
基、芳香族炭化水素基、炭化水素基で置換されたシリル
基、アルコキシ基、アリロキシ基、エステル基、アミド
基、アミノ基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニ
トロ基を示し、これらのうちの2個以上の基が互いに連
結して環を形成していてもよい。Lは、ハロゲン原子、
ハロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物
残基、酸素含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含
有基、リン含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有
基、またはスズ含有基を示す。2つのXは、互いに同一
でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハ
ロゲン化炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残
基、酸素原子含有基、窒素原子含有基、ホウ素原子含有
基、硫黄原子含有基、リン原子含有基、ケイ素原子含有
基、ゲルマニウム原子含有基またはスズ原子含有基を示
し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を
形成していてもよい。Yは、酸素原子、硫黄原子または
窒素原子からなるヘテロ原子であって、Yが酸素原子ま
たは硫黄原子であるときはA3 は存在せず、Yが窒素原
子であるときはA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1〜
20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭
化水素基または置換もしくは非置換の炭素原子数6〜2
0のアリール基を示す。
【0016】ここで、成形体は、光学フィルムもしくは
光学シート、または光ファイバーとして好ましく用いる
ことができる。
【0017】
【作用】本発明の成形体は、シクロオレフィン系付加重
合体を成形用樹脂材料として用い、これを溶融押出法に
よって成形することにより製造されるため、得られる成
形体は、溶融押出法によって製造されるにもかかわら
ず、熱劣化が生じることがなく、従って、本来シクロオ
レフィン系付加重合体の有する優れた光学特性、密着性
および耐熱性などを確実に有するものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の成形体は、上記の一般式(1)で表さ
れる、極性基を有するシクロオレフィン系単量体(以
下、「特定のシクロ単量体」ともいう。)の1種または
2種以上を、必要に応じて用いられる共重合性単量体と
共に、上記の一般式(2)で表される特定の遷移金属錯
体化合物の存在下において、あるいは更に必要に応じて
用いられる他の物質の共存下において、付加重合反応さ
せ、これにより得られるシクロオレフィン系付加重合体
を成形用樹脂材料として用いて溶融押出法により成形す
ることによって得られる成形体(以下、「溶融押出成形
体」ともいう。)である。
【0019】シクロオレフィン系付加重合体の製造にお
いて、原料である特定のシクロ単量体は特に限定される
ものではないが、上記一般式(1)において、m=1、
p=0であるものが、ガラス転移温度の高いシクロオレ
フィン系付加重合体が得られる点で好ましい。また、式
(イ)−(CH2 n COOR5 で表される極性基を有
する特定のシクロ単量体は、得られるシクロオレフィン
系付加重合体が、高いガラス転移温度と高い耐候性、並
びに各種材料との優れた密着性をバランス良く有するも
のとなる点で好ましい。
【0020】上記の極性基に係る式(イ)において、R
5 は、炭素原子数が1〜12、好ましくは1〜4、更に
好ましくは1〜2の炭化水素基であり、好ましくはアル
キル基である。また、nは、通常、0〜5であればよい
が、nの値が小さいものほど、得られるシクロオレフィ
ン系付加重合体のガラス転移温度が高くなるので好まし
く、特にnが0である特定のシクロ単量体は、その合成
が容易である点、および得られるシクロオレフィン系付
加重合体が比較的吸湿性の低いものとなる点で、好まし
い。
【0021】また、この特定のシクロ単量体としては、
一般式(1)において、R1 またはR3 がアルキル基で
あるものが好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル
基、更に好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基
であるものが好ましく、特に当該アルキル基が、上記の
式(イ)で表される特定の極性基が結合した炭素原子に
同時に結合されているものが好ましい。
【0022】上記一般式(1)で表される特定のシクロ
単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられ
る。 (1)8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(2)8−エト
キシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、(3)8−n−プロポキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17, 10]−
3−ドデセン、(4)8−イソプロポキシカルボニルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .17, 10]−3−ドデ
セン、(5)8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(6)8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(7)8−
(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(8)8−(2
−ナフトキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、(9)8−(4−フ
ェニルフェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(10)8−メ
チル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12, 5 .17,10]−3−ドデセン、
【0023】(11)8−メチル−8−エトキシカルボ
ニルテトラシクロ[4.4.0.12, 5 .17,10]−3
−ドデセン、(12)8−メチル−8−n−プロポキシ
カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]3−ドデセン、(13)8−メチル−8−イソ
プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、(14)8−メチル−
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(15)8−メ
チル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.1 2,5 .17,10]−3−ドデセン、(16)8
−メチル−8−(1−ナフトキシ)カルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
(17)8−メチル−8−(2−ナフトキシ)カルボニ
ルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−
ドデセン、(18)8−メチル−8−(4−フェニルフ
ェノキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、(19)8−メトキシ
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、(20)8−ヒドロキシテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0024】(21)8−シアノテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(22)8
−ジエチルアミノテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、(23)8−N,N’−ジシ
クロヘキシルアミノカルボニルテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(24)8−フ
ェニルスルホニルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、(25)8−ヒドロキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセン、(26)5−シアノビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、(27)5−アミノメチルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(28)5−メ
トキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、(29)5−メチル−5−メトキシカルボニルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(30)5−
エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、
【0025】(31)5−メチル−5−エトキシカルボ
ニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(3
2)5−イソプロポキシカルボニルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、(33)5−メチル−5−イソ
プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、(34)5−ブトキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(35)5−メチル
−5−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン、(36)5−シクロヘキシロキシカルボ
ニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(3
7)5−メチル−5−シクロヘキロキシカルボニルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(38)5−フ
ェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、(39)5−メチル−5−フェノキシカルボニ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(40)
5−(4−ビフェノキシ)カルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、
【0026】(41)5−メチル−5−(4−ビフェノ
キシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、(42)5−(2−ナフトキシ)カルボニルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(43)5−メ
チル−5−(2−ナフトキシ)カルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(44)5−(1−
ナフトキシ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、(45)5−メチル−5−(1−ナフトキ
シ)カルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、(46)5−ベンジロキシカルボニルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(47)5−メチル
−5−ベンジロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、(48)5−ヒドロキシカルボニル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(49)5
−メチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、(50)8−メチル−8−
ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0027】(51)5−ベンゾイルオキシビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(52)5−ベンゾ
イルオキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、(53)5−(1−ナフトイルオキシ)ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(54)5−
(1−ナフトイルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、(55)5−(2−ナフト
イルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、(56)5−(2−ナフトイルオキシ)−5−メチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(57)
5−(4−ビフェノイルオキシ)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、(58)5−(4−ビフェノイ
ルオキシ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、(59)5−(2−ビフェノイルオキシ)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(60)5
−(2−ビフェノイルオキシ)−5−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0028】(61)5−(3−ビフェノイルオキシ)
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(62)5
−(3−ビフェノイルオキシ)−5−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(63)5−(9−
フルオレノイルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、(64)5−(9−フルオレノイルオキ
シ)−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、(65)5−(9−アントラセノイルオキシ)ビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(66)5−
(9−アントラセノイルオキシ)−5−メチルビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン、(67)8−ベンゾ
イルオキシテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、(68)8−ベンゾイルオキ
シ−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]−3−ドデセン、(69)8−(1−ナフトイル
オキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .1 7,10
−3−ドデセン、(70)8−(1−ナフトイルオキ
シ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、
【0029】(71)8−(2−ナフトイルオキシ)テ
トラシクロ[4.4.0.12,5 .1 7,10]−3−ドデ
セン、(72)8−(2−ナフトイルオキシ)−8−メ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、(73)8−(4−ビフェノイルオキシ)
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ド
デセン、(74)8−(4−ビフェノイルオキシ)−8
−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10
−3−ドデセン、(75)8−(2−ビフェノイルオキ
シ)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、(76)8−(2−ビフェノイルオキシ)
−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]−3−ドデセン、(77)8−(3−ビフェノイ
ルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、(78)8−(3−ビフェノ
イルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.
2,5 .17,10]−3−ドデセン、(79)8−(9−
フルオレノイルオキシ)テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]−3−ドデセン、(80)8−(9−フ
ルオレノイルオキシ)−8−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0030】(81)8−(9−アントラセノイルオキ
シ)テトラシクロ[4.4.0.12, 5 .17,10]−3
−ドデセン、(82)8−(9−アントラセノイルオキ
シ)−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン、等を挙げることができる。こ
れらの単量体は、単独で、または2種以上を併用するこ
とができる。
【0031】これらのうち、得られるシクロオレフィン
系付加重合体が、良好な耐熱性および低い吸湿性を有す
るものとなることから、8−メチル−8−メトキシカル
ボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−
3−ドデセンを使用することが特に好ましい。
【0032】樹脂材料を構成するシクロオレフィン系付
加重合体の製造においては、特定のシクロ単量体のみを
用いて付加重合反応を行ってもよいが、特定のシクロ単
量体と共重合可能な単量体(以下、「共重合性単量体」
という。)を用いて共重合することもできる。
【0033】用いられる共重合性単量体の種類を適宜選
択することにより、得られるシクロオレフィン系付加重
合体を、要求される耐熱性を損なわずに、例えば熱加工
性などの種々の特性が、特定のシクロ単量体のみを付加
重合させて得られるシクロオレフィン系付加重合体に比
して向上したものとすることが可能である。従って、溶
融押出法により成形をする場合においても、加工温度を
過剰に高い温度とする必要がなく、樹脂材料に熱劣化を
生じさせることなしに、当該成形樹脂材料が本来有する
優れた光学特性などが確実に維持された成形体を得るこ
とができる。このような共重合性単量体としては、例え
ば、上記一般式(1)におけるR1〜R4 のすべてが極
性基でないシクロオレフィン系単量体、または一般式
(1)におけるmが0のシクロオレフィン系単量体を挙
げることができる。
【0034】このような特定の共重合性単量体の具体例
としては、(1)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、(2)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−
デセン、(3)トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3
−ウンデセン、(4)テトラシクロ[4.4.0.1
2,5 .17,10]−3−ドデセン、(5)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタ
デセン、(6)ペンタシクロ[7.4.0.12,5 .1
9,12.08,13]−3−ペンタデセン、(7)5−メチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(8)5−
エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
(9)5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、(10)5−イソプロピルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、
【0035】(11)5−n−ブチルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、(12)5−n−ヘキシル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(13)5
−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、(14)5−n−オクチルビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、(15)5−n−デシルビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、(16)ペンタシ
クロ[8.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ヘ
キサデセン、(17)ヘプタシクロ[8.7.0.1
3,6 .110,17 .112,15 .02,7 .0 11,16 ]−4−
エイコセン、(18)ヘプタシクロ[8.8.0.1
4,7 .111,18 .113,16 .03,8 .0 12,17 ]−5−
ヘンエイコセン、(19)5−フェニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、(20)5−ナフチルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0036】(21)5−ビフェニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、(22)8−フェニルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン、(23)8−エチリデンテトラシクロ[4.4.
0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(24)8−メ
チルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3
−ドデセン、(25)8−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、(26)
1,2−(2H,3H,−[1,3]エピシクロペン
タ)−1,2−ジヒドロアセナフチレン、(27)1,
4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオ
レンなどを挙げることができる。
【0037】また、シクロブテン、シクロペンテン、シ
クロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、オク
タヒドロナフタレン、シクロペンタジエン、ジシクロペ
ンタジエンなどのシクロオレフィン化合物類、並びにこ
れらのシクロオレフィン化合物がアルキル基、ビニル基
あるいは極性基で置換された誘導体から選ばれた特定の
シクロ単量体を共重合性単量体として用いることができ
る。
【0038】更に、エチレン、プロピレン、ブテンなど
のオレフィン化合物類、ビニルシクロプロパン、ビニル
シクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘ
キサンなどのビニル基含有環状飽和炭化水素化合物類、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビ
ニルビフェニルなどのビニル基含有芳香族化合物類、ア
クリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリ
ロニトリルおよびアクリルアミドよりなる群から選ばれ
た特定のオレフィン化合物を共重合性単量体として使用
することもできる。
【0039】以上の特定のオレフィン化合物を共重合性
単量体として用いる場合に、当該特定のオレフィン化合
物の種類は、最終的に得られる重合体に求められる特性
に応じて選択されるが、通常、エチレンを用いることが
好ましく、この場合には、他のオレフィン化合物を用い
る場合に比して大きな重合活性が得られるため、高い重
合転化率が得られると共に、得られる重合体のガラス転
移温度(Tg)を比較的広範囲で制御することができる
ため、溶融押出法により成形するために好適な加工特性
を確保することが容易となる。溶融押出法に供される重
合体のガラス転移温度は、通常、100〜300℃、好
ましくは100〜250℃、より好ましくは100〜2
00℃とされる。特定のオレフィン化合物の使用量は、
得られる重合体に求められる特性に応じて適宜定められ
るが、通常、特定のシクロ単量体/特定のオレフィン化
合物の質量比の値が100/0〜20/80、好ましく
は90/10〜30/70の範囲となる量とされる。
【0040】また、必要に応じて、特定のシクロ単量体
の付加重合反応または特定のシクロ単量体と共重合性単
量体との付加重合反応を、主鎖に炭素−炭素間二重結合
を有する不飽和炭化水素系重合体の存在下に行ってもよ
い。この場合には、得られるシクロオレフィン系付加重
合体の構造に、当該不飽和炭化水素系重合体がグラフト
重合によって結合することから、最終的に得られる重合
体よりなる成形体を、機械的な特性が制御されたものと
することが可能となる。このような不飽和炭化水素系重
合体の具体例としては、例えばポリブタジエン、ポリイ
ソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−
非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどを挙げる
ことができる。
【0041】また、生成される重合体の分子量を調節す
るために、付加重合反応系に、環状非共役ポリエンを共
存させる手段を利用することができる。このような環状
非共役ポリエンの具体例としては、例えば1,4−シク
ロヘキサジエン、1−メチル−1,4−シクロヘキサジ
エン、3−メチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,
2−ジメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,4−
ジメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1,2,4,
5−テトラメチル−1,4−シクロヘキサジエン、1−
イソプロピル−4−メチルシクロヘキサ−1,4−ジエ
ン(γ−テルピネン)などの置換もしくは非置換のシク
ロヘキサジエン化合物類、1,4−シクロヘプタジエン
などの置換もしくは非置換のシクロヘプタジエン化合物
類、1,4−シクロオクタジエン、1,5−シクロオク
タジエン、1−メチル−1,5−シクロオクタジエン、
1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエンなどの
置換もしくは非置換のシクロオクタジエン化合物類、
1,5,9−シクロドデカトリエンなどの置換もしくは
非置換のシクロドデカトリエン類などを挙げることがで
きる。これらのうち、特に置換もしくは非置換のシクロ
オクタジエン化合物類を用いることが好ましい。これら
は、単独で、または2種以上を併用することができる。
【0042】環状非共役ポリエンの使用量は、用いられ
る特定の遷移金属錯体化合物に対しモル比で0.01〜
500倍の範囲であり、好ましくは0.1〜100倍の
範囲であり、更に好ましくは0.2〜50倍の範囲であ
る。
【0043】本発明において、樹脂材料とされるシクロ
オレフィン系付加重合体の分子量は、重合条件などによ
って制御することができるが、通常、固有粘度(ηin
h)が0.2〜5dL/g、好ましくは0.4〜1.5
dL/g、特に好ましくは0.45〜1.00dL/g
となる大きさであることが好ましい。
【0044】また、当該シクロオレフィン系付加重合体
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)
が8,000〜500,000、重量平均分子量(M
w)が20,000〜1,000,000の範囲である
ことが好ましい。
【0045】更に、当該シクロオレフィン系付加重合体
のガラス転移温度は、用いる単量体の種類によっても異
なり、従って単量体を選択することによって適宜制御す
ることが可能である。実際の重合体のガラス転移温度
は、当該重合体の溶融押出成形体の用途によって所望さ
れる範囲が異なるが、通常は100〜300℃、好まし
くは100〜250℃、より好ましくは100〜200
℃である。
【0046】シクロオレフィン系付加重合体の製造にお
いては、上記の特定のシクロ単量体の付加重合反応のた
めの触媒として、従来公知の触媒を利用することも可能
であるが、特に一般式(2)で表される特定の遷移金属
錯体化合物を用いることが好ましい。一般式(2)にお
いて、Mは、周期律表の第4族、第8族、第9族または
第10族から選ばれた遷移金属原子であって、具体的に
は、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、I
r、Pt、Ti、ZrまたはHfであり、好ましくはF
e、Co、NiまたはPdであり、更に好ましくはNi
またはPdである。
【0047】A1 およびA2 は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の
炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、アリル基など)、芳香族炭化水素基(例え
ばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などの炭
素原子数6〜20のアリール基、このようなアリール基
であってメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基な
どの置換基が1〜5個結合したものなど)、炭化水素基
で置換されたシリル基、アルコキシ基、アリロキシ基、
エステル基、アミド基、アミノ基、スルホンアミド基、
ニトリル基またはニトロ基を示し、これらのうちの2個
以上の基が互いに連結して環を形成していてもよい。こ
れらのうち好ましいものは、フェニル基、アントラセニ
ル基、特に好ましいものはアントラセニル基である。
【0048】Lは、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素
基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素含有基、
窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン含有基、
ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはスズ含有基
を示し、好ましくはトリフェニルフォスフィン残基また
はアセトニトリル残基である。
【0049】2つのXは、互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素
基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素原子含有
基、窒素原子含有基、ホウ素原子含有基、硫黄原子含有
基、リン原子含有基、ケイ素原子含有基、ゲルマニウム
原子含有基またはスズ原子含有基を示し、これらのうち
の2個以上の基が互いに連結して環を形成していてもよ
い。これらのXで示される原子または基の具体的なもの
としては、水素原子、例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基およびアリル基などの炭素原子数1
〜20の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の
炭化水素基、例えばフェニル基およびメシチル基などの
炭素原子数6〜9のアリール基などを挙げることができ
る。
【0050】Yは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子
からなるヘテロ原子であって、Yが酸素原子または硫黄
原子であるときはA3 は存在せず、Yが窒素原子である
ときにのみA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1〜20
の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水
素基または置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20の
アリール基を示す。
【0051】付加重合反応においては、必要に応じて、
以下に示すようなアルミニウム、ニッケル、またはホウ
素による有機金属化合物を反応系に共存させることがで
きる。これらの有機金属化合物は、単独で、あるいは2
種以上を組み合わせて用いることができる。この有機金
属化合物は、いわゆる助触媒としての作用を有すると考
えられる。
【0052】上記有機アルミニウム化合物の具体例とし
ては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリドなどの一般
的なアルキルアルミニウム化合物やメチルアルミノキサ
ン、メチルアルミノキサン誘導体などを挙げることがで
きる。
【0053】上記有機ニッケル化合物の具体例として
は、例えば、ニッケルビスシクロオクタジエン、ニッケ
ルビスオクトエートなどを挙げることができる。
【0054】上記有機ホウ素化合物の具体例としては、
例えば、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレ
ート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェ
ニル)ボレート、トリフルオロボロン、トリフェニルボ
ロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス
(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(ペン
タフルオロ)ボロン、トリス(ペンタフルオロ)フェニ
ルボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−
トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)
ボロン、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素などを挙げることができる。
【0055】上記の有機金属化合物のうち、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ニッケルビスシ
クロオクタジエンおよびメチルアルミノキサンが好まし
く、特に好ましくはニッケルビスシクロオクタジエンで
ある。
【0056】シクロオレフィン系付加重合体には、各種
の用途に適した特性を備えるものとするために、例えば
機械的性質を向上させる目的で、例えばガラス繊維、炭
素繊維、金属繊維、金属フレーク、ガラスビーズ、ミル
ドファイバー、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化
モリブデン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛ウイスカー、
チタン酸カリウムウイスカーなどの充填材の1種または
2種以上を混合することができる。
【0057】本発明に用いるシクロオレフィン系付加重
合体には、種々の添加剤を添加することができる。添加
剤としては酸化防止剤を添加することができ、この酸化
防止剤としては、特に限定されるものではなく、種々の
公知の酸化防止剤を用いることができるが、その具体例
としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル
−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、3,9−ビス−[2−〔3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,
8,10−テトラオキスピロ[5,5’]ウンデカン、
2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,
5’−ジメチルフェニルメタン、2,2’−ジオキシ−
3,3’−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメ
タン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−
ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキ
ノン、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メ
タン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどのフェ
ノール系酸化防止剤;ヒドロキノン系酸化防止剤;
【0058】または例えばトリス(4−メトキシ−3,
5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチル
フェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホス
ファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤
を挙げることができ、これらの酸化防止剤の1種または
2種以上を添加することができる。
【0059】以上において、テトラキス〔メチレン−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよびトリス(2,4−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,
4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’
−ビフェニレンジホスファイト、ビス(2,4−ジ−ク
ミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを
特に好ましく用いることができる。これにより、シクロ
オレフィン系付加重合体の熱安定性および酸化安定性を
向上させることができ、例えば溶融押出法による成形に
伴う熱劣化を効果的に抑制することができる。
【0060】酸化防止剤は、シクロオレフィン系付加重
合体100重量部に対して、通常、0.01〜5重量
部、好ましくは0.1〜3重量部添加されることが好ま
しく、酸化防止剤の添加量が過少である場合には、溶融
押出法による成形時における熱安定性付与の効果が不十
分であり、一方、当該添加量が過多である場合には、成
形体表面におけるブリードアウトにより外観や光学特性
の低下を招く可能性がある。
【0061】他の添加剤の具体例としては、例えば紫外
線吸収剤、離型剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリン
グ剤、石油樹脂、可塑剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、
シリコーンオイル、発泡剤などの公知の添加剤を挙げる
ことができ、これらは適宜配合することができる。
【0062】紫外線吸収剤としては、例えば2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’
−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2’
−ヒドロキシ−3’−(3" ,4" ,5" ,6" −テト
ラヒドロフタルイミドメチル)5’−メチルフェニル〕
ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス〔4−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕、
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6
−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノー
ル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−
ジヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノンを挙
げることができる。
【0063】以上の添加剤としては、重量減少温度が高
く、かつ、蒸気圧が低いものを用いることが好ましく、
例えば、酸化防止剤および紫外線吸収剤としては、5%
重量減少温度が300℃以上、特に特に好ましくは33
0℃以上であるものを用いるが好ましく、かつ、常温常
圧環境における蒸気圧が3×10-7Pa以下、特に好ま
しくは3×10-9Pa以下であるものを用いることが特
に好ましい。以上のような条件を備えた添加剤を用いる
ことにより、溶融押出機によりシクロオレフィン系付加
重合体を溶融し、適当なダイから押出す際においても、
当該添加剤が分解および揮発することが抑制され、ダイ
ライン、フィッシュアイなどの発生を確実に防止するこ
とができる。
【0064】シクロオレフィン系付加重合体に添加され
る添加剤の量あるいは割合は、得られる材料の目的ある
いは用途に応じた範囲とされる。例えばシクロオレフィ
ン系付加重合体における透明性は、一般に、添加剤の添
加によって低下するが、例えば光学材料として用いられ
る成形体においては、通常、波長領域400〜830n
mの光に対する光線透過率が80%以上、好ましくは8
5%以上、更に好ましくは90%以上の透明性を有する
ものであることが好ましい。
【0065】また、添加剤は、シクロオレフィン系付加
重合体の電気的特性にも影響を与える。例えば、電気絶
縁材料として用いられるシクロオレフィン系付加重合体
では、体積固有抵抗値が1016Ωcm以上、特に5×1
16Ωcm以上であること、誘電率が102 Hz、10
6 Hz、および109 Hzの各周波数のいずれにおいて
も3以下、特に2.5以下であること、また重合体の誘
電正接が102 Hz、106 Hz、および109 Hzの
各周波数のいずれにおいても10-3以下、特に7×10
-4以下であることが好ましい。
【0066】以上において、本発明の溶融押出成形体を
形成する樹脂材料を構成するシクロオレフィン系付加重
合体においては、その内部に、ゲルがほとんど存在しな
いこと、或いは、ゲルが実質上存在しないことが好まし
い。シクロオレフィン系付加重合体の内部にゲルがほと
んど、または実質上存在しないことにより、例えばその
表面に点状欠陥がないフィルム、シートなどを製造する
ことができ、特に、高い表面精度を有する光学フィルム
または光学シートを製造することができ、また、例えば
光の散乱が抑制された導光板または光ファイバーを製造
することができ、特に、十分な光学特性を有する光ファ
イバーまたは導光板を製造することができる。
【0067】そして、光学用途に用いる成形体を製造す
る場合には、シクロオレフィン系付加重合体の1g中に
含まれるゲルの数が、例えば30個以下であることが好
ましく、特に20個以下であることが好ましく、更に1
0個以下であることが好ましい。ここで、シクロオレフ
ィン系付加重合体中に含まれるゲルの数の測定法を下記
に示す。
【0068】<シクロオレフィン系付加重合体中のゲル
の測定>予め孔径が0.1μmのメンブランフィルター
を用いて濾過を行い、0.1μm以上の異物を完全に除
去した、溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)中
に、シクロオレフィン系付加重合体1gを溶解して重合
体溶液を調製し、この重合体溶液を孔径が0.5μmの
メンブランフィルターを用いて吸引濾過する。そして、
重合体溶液を濾過した前記孔径が0.5μmメンブラン
フィルターを過熱炉中で加熱し、これにより当該メンブ
ランフィルター上に残留した、茶色のゲルを実体顕微鏡
で観察し、目視にて、その長軸が10μm以上の大きさ
のゲルのみをカウントする。
【0069】また、本発明の溶融押出成形体を形成する
樹脂材料を構成するシクロオレフィン系付加重合体にお
いては、その内部に、異物がほとんど存在しないこと、
或いは、異物が実質上存在しないことが好ましい。シク
ロオレフィン系付加重合体の内部に異物がほとんど、ま
たは実質上存在しないことにより、例えばその表面に点
状欠陥がないフィルム、シートなどを製造することがで
き、特に、高い表面精度を有する光学フィルムまたは光
学シートを製造することができ、また、例えば光の散乱
が抑制された導光板または光ファイバーを製造すること
ができ、特に、十分な光学特性を有する光ファイバーま
たは導光板を製造することができる。
【0070】そして、光学用途に用いる成形体を製造す
る場合には、シクロオレフィン系付加重合体中に、長軸
が50μm以上である異物が全く存在しないことが好ま
しく、さらに、長軸が20μm以上の異物が全く存在し
ないことが好ましく、特に長軸が10μm以上の異物が
全く存在しないことが好ましい。シクロオレフィン系付
加重合体中に含まれる異物の数の測定法は下記のとおり
である。
【0071】<シクロオレフィン系付加重合体中の異物
の測定>予め孔径が0.1μmのメンブランフィルター
を用いて濾過を行い、0.1μm以上の異物を完全に除
去した、溶媒であるテトラヒドロフラン(THF)中
に、シクロオレフィン系付加重合体10gを溶解して重
合体溶液を調製し、この重合体溶液を、パーティクルカ
ウンター(光散乱法)を利用して、長軸がそれぞれ10
μm以上、20μm以上、50μm以上である異物の個
数をカウントする。
【0072】以上において、シクロオレフィン系付加重
合体は、公知の他の重合体と共に樹脂組成物を構成する
ものであってもよく、この樹脂組成物を樹脂材料として
もよい。ここで他の重合体としては、スチレン系樹脂、
スチレン系エラストマー、α−オレフィン樹脂、α−オ
レフィンエラストマー、アクリル系樹脂、アクリル系エ
ラストマー、特開平9−221577などで開示してい
る炭化水素樹脂、ポリカーボネート樹脂などを挙げるこ
とができる。
【0073】本発明において、樹脂材料とされるシクロ
オレフィン系付加重合体が、少なくとも1種の極性基を
含有するものであることにより、当該樹脂材料から得ら
れる溶融押出成形体は、反射防止または表面硬度を高め
るためのコーティング処理、他成形体との接着などの二
次加工などに対する好ましい加工性を備えたものとな
る。
【0074】<シクロオレフィン系付加重合体の溶融押
出成形>溶融押出法を利用した溶融押出成形体の製造に
おいては、種々の公知の溶融押出機を用いることがで
き、このような溶融押出機としては、通常、単軸式押出
機、二軸式押出機、または衛星式多軸押出機を挙げるこ
とができる。
【0075】これらの種々の溶融押出機においては、例
えば押出機シリンダーに、溶融押出し中に発生する揮発
成分を除去するためのベント機能が備えられたもの、ま
た、目的とする成形体の種類などに応じて、溶融押出機
からの吐出量を安定化するためのギアポンプが備えられ
たもの、および/または樹脂材料中の異物、溶融押出中
に生成される焼け・ゲルなどを除去するための、例えば
キャンドル型、ディスク型のフィルターが備えられたも
のなどを適宜利用することができる。ここで、目的とす
る成形体が光学部品である場合には、当該フィルターと
して、濾過精度が3〜100μm、好ましくは5〜50
μm、特に好ましくは5〜30μmのものを用いること
ができる。
【0076】これら種々の溶融押出機において、その構
成部品の材質は特に制限されるものではないが、例えば
シリンダー、スクリュー、ダイスなどの材質としては、
例えばSCM系の鋼鉄、SUSなどのステンレス材など
を挙げることができる。また、押出機シリンダーの内面
ならびに押出機スクリュー表面、ダイス内面、ダイスリ
ップ部においては、例えばクロム、ニッケル、チタンな
どのメッキ処理、PVD(Physical Vapo
r Deposition)法などによる、例えばTi
N、TiCN、CrN、DLC(ダイアモンド状カーボ
ン)などの被膜形成処理、タングステンカーバイトまた
はその他のセラミックによる溶射処理、窒化処理などが
施されていることが好ましい。以上のような表面処理を
施すことにより、押し出される重合体との摩擦係数を小
さく制御することができると共に、重合体の均一な溶融
状態を得ることができ、しかも、当該樹脂材料の焼け・
ゲルの発生を防止することができる。
【0077】ここで、溶融押出法において成形加工を行
う成形条件としては、用いられる溶融押出機の種類、目
的とされる成形体の形状などに応じて異なるが、例えば
樹脂温度(押出機シリンダー温度)が200〜450
℃、好ましくは240〜350℃とされ、溶融押出時の
せん断速度が1〜500(1/Sec.)、好ましくは
2〜350(1/Sec.)、より好ましくは5〜20
0(1/Sec.)とされる。
【0078】以上において、樹脂温度が200℃未満で
ある場合には樹脂材料を均一に溶融させることができ
ず、一方、樹脂温度が450℃を超える場合には、溶融
時において樹脂材料に熱劣化が生じ、当該樹脂材料の色
相が悪化、焼け・ゲルなどが発生することとなり、高品
質な成形体の製造が困難となる。
【0079】また、押出時のせん断速度が1(1/Se
c.)未満である場合には、樹脂材料を均一に溶融させ
ることができず、従って、当該樹脂材料を安定して押出
すことが困難となり、一方、せん断速度が500(1/
Sec.)を超える場合には、せん断力が過大となるた
めに樹脂材料および添加物が分解・劣化し、得られる成
形体の表面において発泡、ダイラインの形成、異物の付
着等の欠陥が生じてしまう。
【0080】以上の種々の溶融押出機を用いて溶融押出
による成形を行う際には、樹脂材料を構成するシクロオ
レフィン系付加重合体中に含まれている水分、溶存する
例えば酸素などのガス、残溶剤などの揮発成分などを除
去し、得られる成形体における色相の悪化、ゲル・焼け
による点状欠陥の発生などを一層確実に抑制するため
に、当該樹脂材料を押出機に投入する前に、予め、適宜
の温度、例えば当該樹脂材料を構成するシクロオレフィ
ン系付加重合体のガラス転移温度以下の温度で乾燥処理
を行うことが好ましい。
【0081】樹脂材料の乾燥処理においては、種々の公
知の乾燥機を利用することができ、例えば熱風乾燥機、
除湿乾燥機、真空乾燥機、流動層乾燥機、不活性ガス循
環式乾燥機などを好適に利用することができる。以上に
おいて、真空乾燥機または種々の窒素循環式乾燥機を好
ましく利用することができ、これにより、シクロオレフ
ィン系付加重合体中の揮発成分、溶存ガスを高い効率で
除去することが可能であり、得られる成形体における色
相の悪化、ゲル・焼けによる点状欠陥の発生などを効果
的に抑制することができる。このような乾燥処理は、通
常、(シクロオレフィン系付加重合体のTg−80)℃
〜(シクロオレフィン系付加重合体のTg−10)℃の
温度範囲で、1時間〜10時間程度行なわれる。以上の
シクロオレフィン系付加重合体よりなる樹脂材料は、溶
融押出機における種々の形状のダイから押出されること
により、所望の形状を有する成形体に成形される。
【0082】<シート状成形体またはフィルム状成形体
>シート状または、フィルム状の成形体は、溶融押出機
に備えつけられるダイとしてフラットダイを用い、この
フラットダイより押出されたものを、冷却ロールよりな
る冷却機構に導き、その後密着固化させることにより成
形、製造することができる。フラットダイとしては、マ
ニホールドダイ、フィッシュテールダイ、コートハンガ
ーダイなどを挙げることができるが、これらの中では、
コートハンガーダイ、マニホールドダイを用いることが
好ましい。
【0083】冷却ロールは、例えば押出機シリンダー、
ダイスの内表面と同様に、適宜の表面処理が施されてい
ることが好ましい。これにより、押出された溶融状態の
樹脂材料が冷却ロールへ密着することが防止されること
により成形体における厚み斑の発生が抑制され、冷却ロ
ールにおける表面精度が高いものとなり、しかも、冷却
ロールの表面硬度が高いものとなることにより耐傷性が
向上する。その結果、優れた品質を有するシート状成形
体またはフィルム状成形体を、高い効率で製造すること
ができる。
【0084】密着固化させる手段としては、例えばニッ
プロール方式、静電印加方式、エアーナイフ方式、バキ
ュームチャンバー方式、カレンダー方式などを挙げるこ
とができ、シート状成形体またはフィルム状成形体にお
いて要求される厚さ、およびその用途などに応じて適宜
の機構のものを選択することができる。
【0085】シート状成形体またはフィルム状成形体
は、特に限定されるものではないが、例えばその厚みが
0.01〜5mmであることが好ましく、特に0.03
mm〜3mmであることが好ましく、更に、0.03〜
2mmものであることが好ましい。シート状成形体また
はフィルム状成形体の厚さが5mmを超える場合には、
均一な幅を有するシート状成形体またはフィルム状成形
体を押出し、成形することが困難になる場合がある。一
方、シート状成形体またはフィルム状成形体の厚みが
0.01mm未満である場合には、シート状成形体また
はフィルム状成形体において強靭性が不足することとな
り、製造時あるいは後加工を施す際に破断などの問題が
生じやすくなる場合がある。
【0086】本発明で得られる溶融押出シート状成形体
またはフィルム状成形体は、従来知られている開環重合
体によるものと同等に好ましい光学特性を備えると共
に、更に、高い透明性、優れた耐熱性、および種々の基
体物質材料に対する高い密着性を備えるものであり、し
かも、これら種々の特性の経時的耐久性が高く、例えば
低吸湿性で耐候性に優れたものであるという特徴を有
し、光学用途、位相差フィルム、偏光板保護フィルム、
拡散フィルム、液晶基板、PDP前面板、EL基板、タ
ッチパネル基板、偏光フィルム、反射防止フィルム、電
子ペーパー基板などのディスプレイ用途、光記録媒体で
あるディスク用フィルム、バックライトもしくはフロン
トライト用の導光板などとして利用することができる。
【0087】更に、当該シート状成形体またはフィルム
状成形体は、優れた電気絶縁性を示すものであるため、
硬質プリント基板、フレキシブルプリント基板、多層プ
リント配線板などの回路基板材料として好適に用いるこ
とができ、特に、高周波特性が要求される衛星通信機器
用などの高周波回路基板、透明導電性フィルムの基板と
して好適に用いることができる。
【0088】<ファイバー状成形体>また、上記溶融押
出機において、適宜の形状を有するダイを選択して用い
ることにより、ファイバー状成形体を製造することがで
き、このようなファイバー状成形体は、光ファイバーと
して用いることができる。この光ファイバーは、例えば
自動車のエンジンルームのような、高温雰囲気下におい
ても使用することができ、樹脂材料が耐候性に優れたも
のであることから、長期間にわたり安定して信号を伝送
することが可能である。
【0089】<その他の溶融押出成形体>更に、上記溶
融押出機において、適宜の形状を有するダイを選択して
用いることにより、棒状成形体、チューブ状成形体など
種々の形状の成形体を得ることができる。このような成
形体としては、例えば優れた電気絶縁性を活かして、電
線およびケーブル用被覆材料、電子機器、複写機、コン
ピューター、プリンターなどのOA機器、計器類、テレ
ビおよびビデオカメラなどのボディー材料、パラボラア
ンテナ、フラットアンテナ、レーダーなどを格納するド
ームの構造部材材料などの絶縁成形体を得ることができ
る。
【0090】本発明の溶融押出成形体の表面には、例え
ば、無機化合物、シランカップリング剤などの有機シリ
コーン化合物、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂
などからなるハードコート層を形成することができる。
これによって、成形体または製品の耐熱性、光学特性、
耐薬品性、耐摩耗性および透湿性など種々の特性を向上
させることが可能となる。
【0091】また、成形体の表面には、前記ハードコー
トによる表面加工の他、種々の二次加工を行うことが可
能である。このような二次加工の例としては、反射防止
加工、接着加工、熱融着加工、超音波融着加工、電磁融
着加工、コロナ放電加工、切削、表面パターン圧着、表
面切削、塗装、パターン印刷などを挙げることができ
る。
【0092】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、以下におい
て、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および
「 重量%」 を示す。
【0093】<重合例1>8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1 7,10
−3−ドデセン2600gと、一般式(2)においてA
1 がアントラセニル基、A2 がフェニル基、Lがトリフ
ェニルホスフィン残基、Xが−CH(CH 3 2 、Yが
酸素原子、Mがニッケルである遷移金属錯体化合物0.
0375モルと、ニッケルビスシクロオクタジエン0.
075モルとを、内部雰囲気がエチレンガスにより置換
され、乾燥トルエン5Lが充填された反応容器に仕込
み、当該反応容器の系内を10℃に維持すると共に、エ
チレンガスを1L/minで循環させた状態において、
3時間付加重合反応処理を行った。
【0094】その結果、重合平均分子量が73.5×1
3 、Mw/Mnの値が1.6のシクロオレフィン系付
加重合体(以下、「樹脂(a)」という。)1800g
が得られた。この反応における特定のシクロ単量体の重
合転化率は65%であった。なお、示差走査熱量測定法
(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定し
たところ、155℃であった。
【0095】<重合例2>乾燥トルエン10Lを反応容
器に充填し、当該反応容器の系内にエチレンガスを1.
5L/minで循環させたこと以外は重合例1と同様に
付加重合反応処理を行った。
【0096】その結果、重合平均分子量が10.5×1
4 、Mw/Mnの値が2.0のシクロオレフィン系付
加重合体(以下、「樹脂(b)」という。)2200g
が得られた。この反応における特定のシクロ単量体の重
合転化率は65%であった。なお、示差走査熱量測定法
(DSC)を利用してガラス転移温度(Tg)を測定し
たところ、130℃であった。
【0097】<重合例3>8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1 7,10
−3−ドデセン225部と、ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン25部と、1−ヘキセン52部と、トル
エン750部とを、窒素置換した反応容器内に仕込んで
単量体溶液を形成し、この単量体溶液を60℃に加熱し
た。
【0098】次いで、当該単量体溶液に、濃度が1.5
モル/Lであるトリメチルアルミニウムのトルエン溶液
0.62部と、t−ブタノール:メタノール:タングス
テンの比率が0.35モル /0.3モル /1モルであ
る、濃度が0.05モル/Lのt−ブタノール/メタノ
ールで変性した六塩化タングステンのトルエン溶液3.
7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌する
ことにより開環重合体溶液を得た。この重合反応におけ
る重合転化率は98%であった。
【0099】このようにして得られた開環重合体溶液4
000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶
液に、RuHCl(CO)[P(C6 5 3 3 0.
48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2 、反応
温度165℃の条件下で3時間加熱攪拌することにより
水素添加反応を行った。
【0100】得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)
を冷却した後、水素ガスを放圧し、多量のメタノール中
で凝固させた後、乾燥させて比較用の水素添加共重合体
(以下、「樹脂(c)」という。)を得た。このように
して得られた水素添加共重合体について、 1H−NMR
を用いて水素添加率を測定したところ、99.9%であ
った。また、示差走査熱量測定法(DSC)を利用して
ガラス転移温度(Tg)を測定したところ、141℃で
あった。
【0101】更に、比較用として、以下の一般的な光学
用樹脂を用意した。 メタクリル樹脂:PMMA(以下、「樹脂(d)」とい
う。);比重=1.19、Tg=108℃ ポリカーボネート樹脂:PC(以下、「樹脂(e)」と
いう。);比重=1.20、Tg=146℃ ポリエステル樹脂:PET(以下、「樹脂(f)」とい
う。);比重=1.39、Tg= 69℃
【0102】(試験フィルムの溶融押出成形) <実施例1>樹脂(a)を真空乾燥機中において80℃
で4時間乾燥させた後、先端に500mmTダイを装着
した50mmφ押出機を用いて、押出機シリンダー設定
温度を285〜305℃に設定し、せん断速度が32
(1/Sec.)である条件で溶融押出してフィルム状
に成形した。Tダイより溶融押出されたフィルムは、金
属製のキャストドラムと、このキャストドラムにその周
方向に沿って圧接する様に設けられた金属製の無端ベル
トとの間を通過させることにより挟圧して、当該無端ベ
ルトに圧着させてフィルム表面を高精度に加工した後、
当該無端ベルトから剥離して、幅450mm、厚さ10
0μmのフィルムを製造した。ここで、冷却キャストド
ラムの温度は148℃に設定した。
【0103】<実施例2>樹脂(b)を用い、押出機シ
リンダー温度を260〜280℃、冷却キャストドラム
の温度を123℃に設定した他は、実施例1と同様にし
て幅450mm、厚さ100μmのフィルムを得た。
【0104】<比較例1>樹脂(c)を用い、押出機シ
リンダー温度を270〜290℃、冷却キャストドラム
の温度を135℃に設定した他は、実施例1と同様にし
て幅450mm、厚さ100μmのフィルムを得た。
【0105】<比較例2>樹脂(d)を用い、押出機シ
リンダー温度を240〜260℃、冷却キャストドラム
の温度を100℃に設定した他は、実施例1と同様にし
て幅450mm、厚さ100μmのフィルムを得た。
【0106】<比較例3>樹脂(e)を用い、押出機シ
リンダー温度を280〜300℃、冷却キャストドラム
の温度を140℃に設定した他は、実施例1と同様にし
て幅450mm、厚さ100μmのフィルムを得た。
【0107】<比較例4>樹脂(f)を用い、押出機シ
リンダー温度を230〜260℃、冷却キャストドラム
の温度を65℃に設定した他は、実施例1と同様にして
幅450mm、厚さ100μmのフィルムを得た。
【0108】実施例1、2および比較例1〜4のそれぞ
れの溶融押出フィルムについて、フィルムの表面性、全
光線透過率および耐候性、他材料への密着性、耐熱性の
評価を以下の手法により行った。
【0109】<フィルムの表面性(点状欠陥の個数)>
溶融押出フィルムのTD方向の中央部を使用して、10
cm角の試験用サンプルを5枚切り出した。各試験用サ
ンプルを目視で観察してそれぞれ点状欠陥の個数をカウ
ントし、その表面に存在する点状欠陥の個数の平均値を
求めた。試験用サンプルの表面に存在する点状欠陥の個
数(平均値)が2個以下のものを○、2〜5個のものを
△、5個以上のものを×として評価した。評価結果を下
記表1に示す。
【0110】<全光線透過率>溶融押出フィルムのTD
方向の中央部を、縦40mm×横80mmの大きさに切
り取って試験用サンプルとした。HAZEメーター(ス
ガ試験機株式会社)HGM−2DP型を使用して当該試
験用サンプルの全光線透過率の測定を行った。1種の試
験用サンプルについて測定は3回行い、その平均値を当
該フィルムの全光線透過率とした。評価結果を下記表1
に示す。
【0111】<耐候性>溶融押出フィルムのTD方向の
中央部を、縦40mm×横80mmの大きさに切り取っ
て試験用サンプルとし、サンシャインウェザーメーター
(スガ試験機株式会社製)中において、ブラックパネル
温度63℃、雨ナシの条件でそれぞれ500時間または
1000時間保持させた。各試験用サンプルにおける全
光線透過率、YI値変化を測定し、各試験用サンプルの
暴露試験前後の値を比較して耐候性評価を行った。な
お、YI値は多光源分光測色計MSC−5N(スガ試験
機株式会社製)を使用して測定を行い、1枚の試験用サ
ンプルについて測定は10回行い、平均値を当該フィル
ムのYI値とした。
【0112】<フィルム耐候性総合評価>上記、100
0時間耐候性試験の結果から、以下の基準によってフィ
ルム耐候性の総合評価を行った。 ・○;全光線透過率の変化が−2%以下、かつ、YI値
変化が+10.00以下のもの ・△;全光線透過率の変化が−5%以下、かつ、YI値
変化が+15.00以下で、上記○の概念に入らないも
の ・×;全光線透過率の変化が−5%以上またはYI値変
化が+15.00以上のもの 評価結果を下記表1に示す。
【0113】<耐熱性試験>フィルムを5cm角に切り
取って試験用サンプルとし、120℃に保持されたオー
ブン中に1000時間放置した。オーブン投入後の試験
用サンプルの変形性を測定し、フィルムの耐熱変形性を
評価した。試験用サンプルの収縮率が1%以下のものを
○、1〜3%のものを△、3%を超えるものを×として
評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
【0114】<密着性試験>密着性を評価する試験用サ
ンプルとして、溶融押出フィルム上に反射防止膜を次に
示す方法によって作製した。150mm×10mm厚さ
100μmのフィルム片の片面に10-4Torrの真空
下で、140nmの膜厚でSiO2 を蒸着させ、さらに
TiO2 を120nmの膜厚で、最外層にSiO2 を1
70nmで蒸着をそれぞれ行って試験用サンプルを得
た。この試験用サンプルを85℃のギアオーブン中に3
00時間放置した後、反射防止膜側に1mm×1mmの
マス目100個をカッターナイフで刻み、セロハンテー
プ剥離試験を行った。セロハンテープ剥離試験の結果を
以下の評価基準に従って密着性の評価とした。 ○;剥離された目の数が0のもの △;剥離された目の数が1〜10個のもの ×;剥離された目の数が10個を超えるもの 評価結果を下記表1に示す。
【0115】
【表1】
【0116】以上において、実施例1および実施例2で
は、点状欠陥が少なく表面性に優れると共に、高い透過
性を有するものであって、しかも優れた耐候性および、
耐熱性を備えたフィルムを得ることができた。これに対
し、比較例1〜4では点状欠陥が少ないフィルムが得ら
れなかった。更に、本発明のフィルムは他材料に対して
優れた密着性を示し、二次加工性にも優れた材料である
ことがわかる。以上の結果から、本発明の溶融押出成形
体は従来の光学樹脂で製造された光学部品に対して優れ
た性質を示すことがわかる。
【0117】
【発明の効果】本発明の成形体は、シクロオレフィン系
付加重合体よりなる成形用樹脂材料を溶融押出法に供す
ることにより製造されるため、当該溶融押出法において
も当該成形用樹脂材料に熱劣化が生じることがなく、本
来シクロオレフィン系付加重合体が有する優れた光学特
性、密着性および耐熱性などが確実に得られるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 G02F 1/1335 // C08L 45:00 C08L 45:00 (72)発明者 橋口 裕一 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H090 JB01 JB03 JB06 JD15 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA23X FA23Z FA32X FB02 FC01 FC07 FC17 FC19 FC21 GA01 GA16 LA02 LA04 LA16 4F071 AA14 AF10 AF31 AF39 AF54 BB05 BC01 4J100 AR03Q AR04Q AR05Q AR09P AR09Q AR11P AR17Q AR22R AS15P AU21P AU22P BA02P BA03P BA04P BA06P BA15P BA15Q BA16P BA20P BA29P BA31P BA35P BA40P BA58P BC04P BC43P BC44P BC48P BC49P CA01 CA04 DA22 DA61 FA10 JA35 4J128 AA01 AA02 AC01 AC03 AC08 AC13 AC18 AC23 AC26 AC29 AC45 AC46 AC47 AC48 AF02 BA00A BA01B BB00A BB01B BB02B BC12B BC13B BC15B BC16B BC25B EA01 EB02 EB04 EB17 EB18 EB21 EB25 EB26 EC01 EC02 GA01 GA06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるシクロオレ
    フィン系単量体を付加重合反応させて得られるシクロオ
    レフィン系重合体を成形用樹脂材料としてこれを溶融押
    出法により成形することによって製造されたものである
    ことを特徴とする成形体。 【化1】 〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ独立に,水素原子、炭
    素原子数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、およ
    び、アルコキシ基、水酸基、エステル基、シアノ基、ア
    ミド基、イミド基およびシリル基から選ばれた極性基、
    並びに、ハロゲン原子および/または上記の極性基によ
    り置換された極性炭化水素基よりなる群より選ばれた原
    子または基を示す。R1 〜R4 は、それぞれ独立に、芳
    香族または複素環を有する基であってもよく、炭素原子
    数1〜5のアルキレン基を介して結合していてもよい。
    更に、R1 またはR2 と、R3 またはR4 とは、互いに
    結合して単環構造または多環構造を形成していてもよ
    い。ただし、R1 〜R4 のうちの少なくとも1つは上記
    の極性基または極性炭化水素基である。mは0または正
    の整数であり、pは0または正の整数であり、m+p=
    0〜4である。〕
  2. 【請求項2】 成形用樹脂材料が、一般式(1)で表さ
    れるシクロオレフィン系単量体と、これと共重合可能な
    共重合性単量体とを付加重合反応させて得られるもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
  3. 【請求項3】 成形用樹脂材料は、下記一般式(2)で
    表される遷移金属錯体化合物の存在下において付加重合
    反応が行われることにより得られるものであることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の成形体。 【化2】 〔式中、Mは、周期律表の第4族、第8族、第9族また
    は第10族から選ばれた遷移金属原子を示す。A1 およ
    びA2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の直鎖状もしく
    は分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、芳香族炭
    化水素基、炭化水素基で置換されたシリル基、アルコキ
    シ基、アリロキシ基、エステル基、アミド基、アミノ
    基、スルホンアミド基、ニトリル基またはニトロ基を示
    し、これらのうちの2個以上の基が互いに連結して環を
    形成していてもよい。Lは、ハロゲン原子、ハロゲン化
    炭化水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素
    含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、硫黄含有基、リン
    含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、またはス
    ズ含有基を示す。2つのXは、互いに同一でも異なって
    いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化
    水素基、炭化水素基、ヘテロ環式化合物残基、酸素原子
    含有基、窒素原子含有基、ホウ素原子含有基、硫黄原子
    含有基、リン原子含有基、ケイ素原子含有基、ゲルマニ
    ウム原子含有基またはスズ原子含有基を示し、これらの
    うちの2個以上の基が互いに連結して環を形成していて
    もよい。Yは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子から
    なるヘテロ原子であって、Yが酸素原子または硫黄原子
    であるときはA3 は存在せず、Yが窒素原子であるとき
    はA3 が存在し、A3 は、炭素原子数1〜20の直鎖状
    もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素基また
    は置換もしくは非置換の炭素原子数6〜20のアリール
    基を示す。〕
  4. 【請求項4】 光学フィルムもしくは光学シート、また
    は光ファイバーとして用いられることを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のいずれかに記載の成形体。
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