JP2003245983A - Ptfe多孔体製造方法、ptfe多孔体及びptfe多孔複合体製造方法 - Google Patents

Ptfe多孔体製造方法、ptfe多孔体及びptfe多孔複合体製造方法

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JP2003245983A
JP2003245983A JP2002052239A JP2002052239A JP2003245983A JP 2003245983 A JP2003245983 A JP 2003245983A JP 2002052239 A JP2002052239 A JP 2002052239A JP 2002052239 A JP2002052239 A JP 2002052239A JP 2003245983 A JP2003245983 A JP 2003245983A
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ptfe
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mold
ptfe porous
powder
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JP2002052239A
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English (en)
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Osamu Shirasaki
治 白崎
Michio Asano
道男 浅野
Kazuo Ishiwari
和夫 石割
Shuji Tagashira
修二 田頭
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 1つの成形体における比重のばらつきが小さ
いPTFE多孔体を得るための製造方法、この製造方法
により得られるPTFE多孔体、及び、比重の異なる部
分を一体化してPTFE多孔複合体を製造するための方
法を提供する。 【解決手段】 焼成粉砕PTFE粉末を金型に入れた状
態で焼成し、PTFE多孔体を製造することよりなるP
TFE多孔体製造方法であって、上記焼成粉砕PTFE
粉末は、未焼成のPTFE樹脂を上記PTFE樹脂の融
点以上の温度で焼成した後、粉砕して得られるものであ
り、上記PTFE樹脂は、テトラフルオロエチレンのホ
モポリマー及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレン
からなるものであり、上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成
は、上記PTFE樹脂の融点以上の温度で行うものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比重のばらつきの
小さいPTFE多孔体を得るための製造方法及び上記製
造方法により得られたPTFE多孔体、並びに、PTF
E多孔複合体製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン〔PTF
E〕は、フッ素樹脂の中でも耐熱性、耐薬品性、耐候
性、電気的絶縁性、非粘着性等に優れており、多孔質体
として成形すると、これらの優れた特性に加え、比重の
低下、気体・液体等の含有・透過、可撓性の付与・向
上、シール性、誘電率の低下等の多孔質としての性質を
も有することができるので、幅広い用途がある。
【0003】PTFEの多孔質体の成形方法としては、
PTFEの溶融粘度が極めて高いことから、従来、PT
FE粉末をフィブリル化し、抄紙と焼結を経てPTFE
ペーパーを得る方法、ペースト押出した予備成形品を乾
燥後、延伸と高温処理を経て延伸PTFEを得る方法、
又は、PTFE樹脂に混合した液体や固形物を後工程で
除去する方法が用いられてきた。
【0004】PTFEの多孔質体の成形方法としては、
また、PTFE樹脂を融点以上の温度で焼成した後、粉
砕して得られるPTFEの焼成粉砕物を用いる成形方法
がいくつか提案されてきた。
【0005】例えば、特開昭53−78269号公報に
は、PTFEの焼成粉砕物を金型内に置き、蓋により加
えられる圧力を除いては加圧することなく、焼成する成
形方法が開示されており、管状金型が用いられている。
【0006】PTFEの焼成粉砕物を用いた多孔質体の
成形方法として、また、特開昭61−66730号公報
には、この焼成粉砕物を1〜800g/cmの圧力で
所定形状に成形し、焼成する方法が開示されており、円
筒状体が成形されている。
【0007】PTFEの焼成粉砕物を用いた多孔質体の
成形方法として、特開平7−159941号公報には、
この焼成粉砕物を金型に充填した後、加圧することなく
焼成する方法が開示されており、円筒状や丸棒状の金型
を用いた実施例が記載されている。
【0008】従来、管状、円筒状、丸棒状等の一方向が
他方向よりも長い長手方向を有する多孔質体は、長手方
向で比重のばらつきが大きく、多孔質としての性能が1
つの成形体であっても部分により一定しないという問題
があった。従来の多孔質体の成形方法では、金型を長手
方向を上方に向けて用いていた。
【0009】特開昭53−78269号公報では、ま
た、エポキシ樹脂等の接着剤を用い、PTFE多孔質体
を、多孔質表面を有する他の成分部分に接着させた複合
製品が開示されている。しかしながら、この複合製品
は、接着剤という余分な異素材を必要とし、被接着面は
両方とも多孔質である必要がある点から用途が限定さ
れ、また、多工程で非経済的であるという問題があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
現状に鑑み、1つの成形体における比重のばらつきが小
さいPTFE多孔体を得るための製造方法、この製造方
法により得られるPTFE多孔体、及び、比重の異なる
部分を一体化してPTFE多孔複合体を製造するための
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼成粉砕PT
FE粉末を金型に入れた状態で焼成し、PTFE多孔体
を製造することよりなるPTFE多孔体製造方法であっ
て、上記焼成粉砕PTFE粉末は、未焼成のPTFE樹
脂を上記PTFE樹脂の融点以上の温度で焼成した後、
粉砕して得られるものであり、上記PTFE樹脂は、テ
トラフルオロエチレンのホモポリマー及び/又は変性ポ
リテトラフルオロエチレンからなるものであり、上記焼
成粉砕PTFE粉末の焼成は、上記PTFE樹脂の融点
以上の温度で行うものであり、上記PTFE多孔体は、
平均比重が0.4〜1.8であり、上記金型は、金型短
軸の長さ〔D(単位:cm)〕に対する金型長軸の長
さ〔L(単位:cm)〕の比〔L/D〕が1.2
以上であり、上記金型は、上記金型長軸が水平方向であ
るように置くものであることを特徴とするPTFE多孔
体製造方法である。
【0012】本発明は、焼成粉砕PTFE粉末からなる
PTFE多孔体であって、上記焼成粉砕PTFE粉末
は、未焼成のPTFE樹脂を上記PTFE樹脂の融点以
上の温度で焼成した後、粉砕して得られるものであり、
上記PTFE樹脂は、テトラフルオロエチレンのホモポ
リマー及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレンから
なるものであり、上記PTFE多孔体は、平均比重が
0.4〜1.8であり、2以上の任意の部分における比
重の差が0.05以下であり、上記PTFE多孔体は、
成形体短軸の長さ〔D(単位:cm)〕に対する成形
体長軸の長さ〔L(単位:cm)〕の比〔L
〕が1.2以上であることを特徴とするPTFE多
孔体である。
【0013】本発明は、PTFE予備成形体と焼成粉砕
PTFE粉末とを金型に入れた状態で焼成し、予備成形
部分と多孔質部分とからなるPTFE多孔複合体を製造
することよりなるPTFE多孔複合体製造方法であっ
て、上記多孔質部分は、上記焼成粉砕PTFE粉末から
なり、平均比重が0.4〜1.8であるものであり、上
記焼成粉砕PTFE粉末は、未焼成のPTFE樹脂
(A)を上記PTFE樹脂(A)の融点以上の温度で焼
成した後、粉砕して得られるものであり、上記予備成形
部分は、上記PTFE予備成形体からなり、平均比重が
1.8を超えるものであり、上記PTFE予備成形体
は、PTFE樹脂(B)からなるものであり、上記PT
FE樹脂(A)及び上記PTFE樹脂(B)は、テトラ
フルオロエチレンのホモポリマー及び/又は変性ポリテ
トラフルオロエチレンからなるものであり、上記金型に
入れた状態で行う焼成は、上記PTFE樹脂(A)の融
点以上の温度であり、上記PTFE樹脂(B)の融点以
上の温度である温度で行うものであり、上記金型は、金
型短軸の長さ〔D(単位:cm)〕に対する金型長軸
の長さ〔L(単位:cm)〕の比〔L/D〕が
1.2以上であり、上記焼成粉砕PTFE粉末は、上記
金型長軸が水平方向となるように置いた上記金型に入れ
るものであることを特徴とするPTFE多孔複合体製造
方法である。以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明のPTFE多孔体製造方法は、焼成
粉砕PTFE粉末を金型に入れた状態で焼成し、PTF
E多孔体を製造することよりなるものである。上記焼成
粉砕PTFE粉末は、未焼成のPTFE樹脂を原料とす
るものである。
【0015】上記PTFE樹脂は、テトラフルオロエチ
レンのホモポリマー〔PTFEホモポリマー〕及び/又
は変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕か
らなるものである。
【0016】本明細書において、上記変性PTFEと
は、テトラフルオロエチレン〔TFE〕及び少量の共単
量体を共重合することにより得られる共重合体を意味す
る。
【0017】上記少量の共単量体としてはTFEとの共
重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ヘ
キサフルオロプロペン〔HFP〕等のパーフルオロオレ
フィン;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕;ト
リフルオロエチレン;パーフルオロビニルエーテル等が
挙げられる。
【0018】上記パーフルオロビニルエーテルとしては
特に限定されず、例えば、下記一般式(I) CF=CF−ORf (I) (式中、Rfはパーフルオロ基を表す。)で表されるパ
ーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書にお
いて、パーフルオロ基とは、炭素原子に結合する水素原
子が全てフッ素原子に置換されてなることを意味する。
上記パーフルオロ基は、エーテル酸素を有していてもよ
い。
【0019】上記パーフルオロビニルエーテルとして
は、例えば、上記一般式(I)において、Rfが炭素数
1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PFVE〕が
挙げられる。上記パーフルオロビニルエーテルとして
は、また、上記一般式(I)において、Rfが炭素数4
〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基、下記式
【0020】
【化1】
【0021】(式中、mは0若しくは1〜4の整数を表
す。)で表される有機基、又は、下記式
【0022】
【化2】
【0023】(式中、nは1〜4の整数を表す。)で表
される有機基を表すものであるパーフルオロ(アルコキ
シアルキルビニルエーテル);パーフルオロ(アルコキ
シビニルエーテル)等が挙げられる。
【0024】上記少量の共単量体がTFEと上記少量の
共単量体との合計重量に占める割合(重量%)として
は、上記少量の共単量体の種類によるが、得られる共重
合体に溶融流動性を付与しない程度の少量であることが
好ましい。例えば上記少量の共単量体として上記パーフ
ルオロビニルエーテルを用いる場合、通常、1重量%以
下が好ましく、0.001〜1重量%がより好ましい。
【0025】上記PTFE樹脂としては、1種又は2種
以上を用いることができ、例えば、上記変性PTFEと
しては、平均分子量、共重合組成等が異なるものを1種
又は2種以上用いてよく、上記PTFEホモポリマーと
しては、例えば平均分子量が異なるものを1種又は2種
以上用いてもよく、変性PTFEとPTFEホモポリマ
ーとの混合物を用いてもよい。
【0026】上記PTFE樹脂は、例えば、懸濁重合、
乳化重合等の従来公知の重合方法を用いることにより得
ることができる。
【0027】未焼成の上記PTFE樹脂を融点以上の温
度で焼成し焼成PTFE樹脂を得た後、粉砕することに
より、焼成粉砕PTFE粉末が得られる。
【0028】未焼成の上記PTFE樹脂の焼成は、未焼
成の上記PTFE樹脂からなる粒子を硬化させる目的で
行うものである。これにより、上記焼成粉砕PTFE粉
末の粒子に対し、成形時に圧力を加えた場合において
も、粒子の変形やつぶれをある程度防ぐことができる。
これにより、上記PTFE多孔体の気孔率を高く維持
し、多孔質としての特性が低下することを防ぐことがで
きる。
【0029】未焼成の上記PTFE樹脂の焼成には、一
般に排気装置を備え温度分布の均一な熱風循環炉が用い
られ、焼成温度としては、上記PTFE樹脂の融点(3
27℃)以上の温度であり、327℃〜400℃である
ことが好ましい。
【0030】未焼成の上記PTFE樹脂は、焼成後の粉
砕とは別に、焼成に先立ち粒子径を揃えるために粉砕を
行ったものであってもよい。上記粉砕の方法としては後
述の焼成PTFE樹脂の粉砕に用いられるものと同様の
ものを用いることができる。
【0031】上記焼成PTFE樹脂の粉砕方法としては
特に限定されず、例えば、一般的な粉砕に用いられる粉
砕機を用いることができ、例えば、一般的な溶融樹脂製
品等の粉砕に通常用いられる回転刃式粉砕機、ハンマー
衝撃式粉砕機等が挙げられる。
【0032】上記焼成粉砕PTFE粉末は、粒子径が1
0〜1000μmであることが好ましい。一般に粒子径
が小さいと、金型に入れた上記焼成粉砕PTFE粉末の
充填密度が高くなり、得られるPTFE多孔体の気孔の
孔径が小さくなる結果、後述の平均比重は大きくなり、
粒子径が大きいと、得られるPTFE多孔体の平均比重
は小さくなる。従って、上記焼成粉砕PTFE粉末は、
得られるPTFE多孔体が目的とする比重を有するよう
に、好ましくは上記範囲内で粒子径を調整することがで
きる。より好ましい下限は20μmであり、より好まし
い上限は500μmである。
【0033】上記焼成粉砕PTFE粉末には、所望によ
り結合剤を添加してもよい。上記結合剤を加えることに
より、上記焼成粉砕PTFE粉末の粒子間の結合を強固
にすることができ、また、上記焼成粉砕PTFE粉末を
焼成して得られるPTFE多孔体の機械的強度を向上す
ることができる。
【0034】上記結合剤としては上記PTFE樹脂以外
の樹脂であって、上記PTFE樹脂の融点以上の温度に
おいて溶融し得る熱可塑性樹脂であれば特に限定され
ず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アク
リル樹脂、アセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、含フッ素樹脂が挙げら
れる。上記含フッ素樹脂としてはテトラフルオロエチレ
ン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体
〔PFA〕、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体〔FEP〕、テトラフルオロエチレ
ン/エチレン共重合体〔ETFE〕等が好ましく、これ
らは1種、又は、2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0035】上記結合剤の配合比率は、焼成粉砕PTF
E粉末100重量部に対し、20重量部以下であること
が好ましい。20重量部を超えると、得られるPTFE
多孔体の比重を増加させる場合がある。より好ましい上
限は、18重量部である。
【0036】上記結合剤は、上記焼成粉砕PTFE粉末
に配合してもよいし、上記焼成粉砕PTFE粉末を製造
する過程で添加してもよい。
【0037】上記焼成粉砕PTFE粉末には、所望によ
り添加剤を添加してもよい。上記添加剤としては特に限
定されず、例えば、カーボン、グラファイト、銅等の金
属粉末、ガラスファイバー、炭素繊維、ポリイミド等が
挙げられる。
【0038】上記添加剤は、上記焼成粉砕PTFE粉末
に配合してもよいし、上記焼成粉砕PTFE粉末を製造
する過程で添加してもよい。
【0039】本発明のPTFE多孔体製造方法は、上記
焼成粉砕PTFE粉末を金型に入れた状態で焼成し、P
TFE多孔体を製造することよりなるものである。
【0040】本発明のPTFE多孔体製造方法において
は、上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成に先立ち、上記金
型に入れた上記焼成粉砕PTFE粉末に対し衝撃又は振
動を加えてもよい。上記衝撃又は上記振動を加えること
により、上記金型における上記焼成粉砕PTFE粉末の
充填度を高めて、得られるPTFE多孔体の比重を高く
したり、上記焼成粉砕PTFE粉末を上記金型により均
一に詰め、比重のばらつきを一層小さくしたりすること
ができる。上記衝撃又は上記振動は、手、器具等を用い
て、上記金型等に加えるものである。本発明のPTFE
多孔体製造方法において、上記衝撃又は上記振動は、加
えることによりPTFE多孔体の比重を調整することが
できるが、加えなくともよい。
【0041】本発明のPTFE多孔体製造方法は、ま
た、上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成に先立ち、上記金
型に入れた上記焼成粉砕PTFE粉末に対し0〜300
kg/cmの圧力を加えてもよい。加える圧力を上記
範囲内で変えることにより、得られるPTFE多孔体に
含まれる気孔(ボイド)の量をコントロールして比重を
調整することができる。
【0042】上記焼成粉砕PTFE粉末は、PTFE樹
脂を焼成したことにより粉末粒子が硬化しているので、
上記焼成粉砕PTFE粉末に加える圧力が上記範囲内で
あれば、上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成時において、
上記焼成粉砕PTFE粉末の粒子同士が接している箇所
が結着するか又は粉末粒子同士が近接している場所が熱
膨張力により結着するのみである。上記焼成粉砕PTF
E粉末は、300kg/cmを超える高圧を加えない
限り、粉末粒子同士が完全につぶれて均一に融着するこ
とはないので、上記焼成粉砕PTFE粉末の粒子径に応
じた粒子間の気孔を成形時の焼成の後においても保持す
ることができる。
【0043】上記金型に入れた上記焼成粉砕PTFE粉
末に対する圧力は、0kg/cm、即ち、上記圧力を
加えないことが好ましい。上記圧力を加えないことによ
り、気孔の量を減少させず、低比重のPTFE多孔体を
得ることができる。
【0044】上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成の方法と
しては、未焼成の上記PTFE樹脂を焼成する場合と同
様の条件で行うことができる。上記焼成に要する時間と
しては、普通経験的に成形品の厚み1mm当たり5〜8
分が好ましいとされる。上記焼成温度としては、上述の
ように327℃〜400℃の温度範囲であればよいが、
得られるPTFE多孔体の肉厚が150mm以上の厚い
ものである場合、長時間焼成を要するので、肉厚が薄い
ものに比べて比較的低温で焼成を行うことが好ましい。
【0045】上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成に次いで
行う冷却は、焼成に用いた炉の中で20〜50℃/時間
の冷却速度でゆっくり行うことが好ましい。上記冷却速
度を変えることにより、得られるPTFE多孔体の結晶
度を変えることができる。一般に結晶度は大きくなる
程、得られるPTFE多孔体の引っ張り強さは低下し、
伸び率、圧縮強さ、硬さ等は増加する傾向がある。
【0046】上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成により得
られた上記PTFE多孔体は、平均比重が0.4〜1.
8である。0.4未満であると、機械的強度に劣る場合
があり、1.8を超えると、低誘電率等の多孔質として
の特性が得られにくくなる。好ましい下限は0.7であ
り、好ましい上限は1.2であり、0.7〜1.2であ
ることが好ましい。上記平均比重は、上記PTFE多孔
体における2以上の任意の部分の比重の平均である。
【0047】本明細書において、上記「比重」は、JI
S K 7112(1999) 5.1 A法(水中置
換法)に準拠した比重測定法により求められる値であ
る。上記比重測定方法において、用いられる浸漬液より
も被験物の方が低密度である場合、上記比重測定方法と
同様の方法により求められるが、上記比重測定方法にお
いて、鉛又はその他の高密度材料からなる錘を、試験片
と天秤とを結ぶ金属線に取り付け、被験物を浸漬したと
きに上記錘が上記浸漬液の液面以下になるようにして測
定する。
【0048】金型は、金型短軸の長さ〔D(単位:c
m)〕に対する金型長軸の長さ〔L(単位:cm)〕
の比〔L/D〕が1.2以上であるものである。上
記L/Dが1.2未満であると、上記金型を横置き
にしなくても比重のばらつきを少なくすることができ
る。
【0049】本明細書において、上記「金型長軸」と
は、上記金型の内壁上の2点に端を有する直線のうち上
記金型の長手方向の直線を意味する。上記長手方向は、
金型断面の中で最も面積が小さいものに垂直な方向であ
る。本明細書において、上記「金型短軸」とは、金型断
面の縁の2点に端を有する直線のうち長さが最短である
ものを意味する。本明細書において、上記「金型断面」
とは、上記金型の内部の断面を意味する。
【0050】本発明のPTFE多孔体製造方法は、金型
断面の面積が0.07cm以上であることが好まし
い。0.07cm未満であると、上記金型を横置きに
しなくても比重のばらつきを少なくすることができ、ま
た、用途としては例えば電線の被覆材等があるが、この
場合、被覆材が薄くなりすぎて上記電線の被覆材に求め
られる特性が充分に得られない場合がある。上記金型断
面の面積は、上記範囲内であれば実際のPTFE多孔体
の比重を均一にしうる点で、例えば706.5cm
下であってもよい。上記金型断面の面積が大きすぎる
と、後述のように上記金型断面が鉛直方向となるが、金
型断面の形状によっては、鉛直方向の高さが大きくなり
すぎ、得られるPTFE多孔体の比重にばらつきが生じ
る場合がある。
【0051】本発明のPTFE多孔体製造方法において
上記金型は、上記金型断面が円形であるものであっても
よい。上記金型断面が円形である場合、上記円形の直径
〔D′(単位:cm)〕に対する上記金型長軸の長さ
〔L(単位:cm)〕の比〔L/D′〕は、90
以上であることが好ましい。上記L/D′は、上記
範囲内であれば、汎用される金型の形状から110以下
であってもよい。
【0052】上記範囲内のL/D′を有する金型を
用いて得られる多孔体は、従来、比重が不均一になると
いう問題があったが、このような比重のばらつきは、金
型を縦置き、即ち、金型長軸が鉛直方向になるように置
いていたので、原料の樹脂粉末を金型に入れる際、原料
自身の重みや原料の落下による衝撃等により金型の底に
近いほど原料の充填度が高くなることが原因であったと
考えられる。
【0053】本発明のPTFE多孔体製造方法は、上記
金型を横置き、即ち、上記金型長軸が水平方向になるよ
うに置くことを特徴とするものである。上記金型長軸を
横置きにすることにより、金型を縦置きにした場合に比
べて原料の落下距離を小さくし、原料自重と原料落下衝
撃の影響を小さくすることができるので、金型に全体と
して均一に原料を入れることができ、得られるPTFE
多孔体の比重のばらつきを抑制することができる。原料
を均一に入れるために金型に振動、衝撃等を加える必要
は特にない。比重のばらつきは、特に丸棒、パイプ、角
材等の形状の細長いPTFE多孔体を製造する場合、効
果的に抑制することができる。
【0054】本発明のPTFE多孔体製造方法における
上記金型の構造は、上記PTFE多孔体の用途により異
なるが、金型長軸が水平方向であるように置いて原料の
焼成粉砕PTFE粉末を均一に入れやすいように、下金
型及び上金型(上蓋)からなるものが好ましい。
【0055】上記焼成粉砕PTFE粉末を金型に入れる
方法としては特に限定されないが、上記金型が下金型と
上金型とからなるものである場合、上記焼成粉砕PTF
E粉末を下金型に均一に入れたのち、上金型を蓋のよう
にかぶせる方法が好ましい。例えば丸棒であるPTFE
多孔体を得る場合、金型断面がともに半円形状である下
金型と上金型を用意し、角シリンダーに入れた下金型に
上記焼成粉砕PTFE粉末を上記下金型の上端よりも上
に山型に盛り上がるように入れ、上金型をゆっくり下降
させ上記下金型に接触させることにより、均一に入れる
ことができる。
【0056】上記焼成粉砕PTFE粉末を金型に入れる
方法としては、また、例えば、オゾン供給用角パイプに
おけるオゾン供給路のような空洞部を有するPTFE多
孔体を製造する場合、下金型に上記空洞部を形成するた
めの棒を予め貫通させておき、上記焼成粉砕PTFE粉
末を下金型に入れる方法が好ましい。この場合、焼成粉
砕PTFE粉末の焼成の後、上記棒を引き抜いて上記金
型を解体することにより、上記空洞部を有するPTFE
多孔体を製造することができる。上記棒の材質としては
上記金型と同じものを用いることが好ましい。
【0057】上記金型の内壁及び上記棒は、得られるP
TFE多孔体の用途により鏡面仕上げを施したものであ
ってもよい。上記鏡面仕上げを施すことにより、得られ
る上記PTFE多孔体の表面を平滑にすることができ
る。
【0058】上記金型の材質としては特に限定されず、
例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属単体;ステンレ
ス等の上記金属単体を用いた合金類等が挙げられる。な
かでも耐蝕性の点で、ステンレスが好ましい。
【0059】本発明のPTFE多孔体製造方法におい
て、上述の横置き金型を用いることにより、上記PTF
E多孔体は、2以上の任意の部分における比重の差を
0.05以下にすることができる。
【0060】本発明のPTFE多孔体製造方法により得
られるPTFE多孔体は、電線の被覆材、ロール、パイ
プ等に好適に用いられる。
【0061】上記電線の被覆材としては特に限定され
ず、例えば、フラットケーブルの被覆材、単電線の被覆
材等が挙げられる。上記フラットケーブルは電線と扁平
な被覆材とからなるものであり、被覆材の中に電線等が
1本又は2本以上長手方向に貫通しているものである。
上記単電線は電線1本と被覆材とからなるものであり、
被覆材の中に電線が長手方向に貫通しているものであ
る。上記単電線は被覆材の外形が円形であっても扁平で
あってもよい。
【0062】上記ロールとしては特に限定されないが、
例えば、オフィスオートメーション機器用ロール等が挙
げられる。上記PTFE多孔体は、上記ロールの全部を
構成するものであっても上記ロールの一部を構成するも
のであってもよい。
【0063】上記パイプとしては特に限定されず、例え
ば、角パイプ等が挙げられ、角パイプとしてはオゾン供
給用角パイプが好ましい。液体中に浸漬したオゾン供給
用角パイプにオゾンを通すと、上記PTFE多孔体の気
孔を通して、オゾンを細かな泡として液体中に供給する
ことができる。
【0064】上述のPTFE多孔体製造方法により製造
されたPTFE多孔体もまた本発明の一つである。本明
細書において、このようなPTFE多孔体製造方法によ
り製造されたPTFE多孔体を本発明の第1のPTFE
多孔体という。本発明の第1のPTFE多孔体としては
特に限定されず、例えば、上述したフラットケーブルの
被覆材、単電線の被覆材、ロールの全部又は一部、オゾ
ン供給用角パイプ等が挙げられる。
【0065】本発明の第2のPTFE多孔体は、焼成粉
砕PTFE粉末からなるPTFE多孔体であって、上記
焼成粉砕PTFE粉末は、未焼成のPTFE樹脂を上記
PTFE樹脂の融点以上の温度で焼成した後、粉砕して
得られるものであり、上記PTFE樹脂は、テトラフル
オロエチレンのホモポリマー及び/又は変性ポリテトラ
フルオロエチレンからなるものであり、上記PTFE多
孔体は、平均比重が0.4〜1.8であり、2以上の任
意の部分における比重の差が0.05以下であり、上記
PTFE多孔体は、成形体短軸の長さ〔D(単位:c
m)〕に対する成形体長軸の長さ〔L(単位:c
m)〕の比〔L/D〕が1.2以上であることを特
徴とするものである。
【0066】本発明の第2のPTFE多孔体は、成形体
短軸の長さ〔D(単位:cm)〕に対する成形体長軸
の長さ〔L(単位:cm)〕の比〔L/D〕が
1.2以上である。1.2以上である場合、従来、比重
のばらつきが大きい多孔体しか得られていなかった。
【0067】本明細書において、上記「成形体長軸」と
は、上記PTFE多孔体の表面上の2点に端を有する直
線のうち上記PTFE多孔体の長手方向の直線を意味す
る。上記長手方向は、上記PTFE多孔体の成形体断面
の中で最も面積が小さいものに垂直な方向である。本明
細書において、上記「成形体短軸」とは、上記PTFE
多孔体の成形体断面の縁の2点に端を有する直線のうち
長さが最短であるものを意味する。本明細書において、
上記「成形体断面」とは、上記PTFE多孔体の断面を
意味する。なお、これらの定義から明らかなように、上
記成形体長軸と上記成形体短軸とは垂直である。
【0068】本発明の第2のPTFE多孔体は、成形体
断面の面積が0.07cm以上であるものであること
が好ましい。0.07cm以上であると、成形体断面
の形状によっては、従来、比重のばらつきが大きい多孔
体が得られることがあった。を少なくすることができ
る。上記PTFE多孔体の成形体断面の面積は、上記範
囲内であれば、PTFE多孔体の比重のばらつきを効果
的に抑え得る点から、例えば706.5cm以下であ
ってもよい。
【0069】本発明の第2のPTFE多孔体は、上記成
形体断面が円形であってもよい。上記PTFE多孔体
は、成形体断面が円形である場合、上記円形の直径〔D
′(単位:cm)〕に対する成形体長軸の長さ〔L
(単位:cm)〕の比〔L/D ′〕は、90以上で
あることが好ましい。上記L/D′は、上記範囲内
であれば、汎用されるPTFE多孔体の形状から、例え
ば、110以下であってもよい。
【0070】本発明の第2のPTFE多孔体は、その他
の特徴は、本発明のPTFE多孔体製造方法について上
述したことと同じである。本発明のPTFE多孔体製造
方法を用いて製造されたものである必要はないが、例え
ば、本発明のPTFE多孔体製造方法を用いて得られた
PTFE多孔体であってもよい。
【0071】本発明のPTFE多孔複合体製造方法は、
PTFE予備成形体と焼成粉砕PTFE粉末とを金型に
入れた状態で焼成し、予備成形部分と多孔質部分とから
なるPTFE多孔複合体を製造することよりなるもので
ある。
【0072】上記多孔質部分は、上記焼成粉砕PTFE
粉末からなり、平均比重が0.4〜1.8であるもので
あり、上記焼成粉砕PTFE粉末は、未焼成のPTFE
樹脂(A)を上記PTFE樹脂(A)の融点以上の温度
で焼成した後、粉砕して得られるものである。
【0073】上記予備成形部分は、上記PTFE予備成
形体からなり、平均比重が1.8を超えるものであり、
上記PTFE予備成形体は、PTFE樹脂(B)からな
るものである。上記PTFE樹脂(B)は、焼成粉砕P
TFE粉末に調製する必要はない。上記PTFE予備成
形体は、予め作製しておく。上記PTFE予備成形体の
製造方法としては特に限定されないが、所望の金型にP
TFE樹脂(B)を充填した後、平均比重が1.8を超
えるように圧縮し、上記金型から取り出す方法が好まし
い。上記予備成形体は、焼成粉砕PTFE粉末と一緒に
焼成する前に焼成しない。
【0074】上記PTFE樹脂(A)及び上記PTFE
樹脂(B)は、PTFEホモポリマー及び/又は変性P
TFEからなるものである。上記PTFE樹脂(A)及
び上記PTFE樹脂(B)は、本発明のPTFE多孔体
製造方法において上述したPTFE樹脂である。上記P
TFE樹脂(A)は多孔質部分を形成するPTFE樹脂
であり、上記PTFE樹脂(B)は予備成形体を形成す
るPTFE樹脂である点で、上記PTFE樹脂(A)と
上記PTFE樹脂(B)とは概念上区別されるものであ
る。
【0075】本発明のPTFE多孔複合体製造方法にお
いて用いる金型は、金型短軸の長さ〔D(単位:c
m)〕に対する金型長軸の長さ〔L(単位:cm)〕
の比〔L /D〕が1.2以上であるものである。上
記焼成粉砕PTFE粉末は、上記金型長軸が水平方向と
なるように置いた上記金型に入れる。上記焼成粉砕PT
FE粉末は、上記金型内において、PTFE予備成形体
を所望の位置に配置し、残りの空間を埋めるように入れ
る。上記焼成粉砕PTFE粉末と上記PTFE予備成形
体とをこのように金型内に配置することは、上記範囲内
のL/Dを有する金型を金型長軸が水平方向となる
ように置くことにより可能となるものである。このよう
にして金型に入れた状態で行う焼成は、上記PTFE樹
脂(A)の融点以上の温度であり、上記PTFE樹脂
(B)の融点以上の温度である温度で行うものである。
これらの金型、金型短軸、金型長軸、金型の配置方向、
及び、焼成は、本発明のPTFE多孔体製造方法におけ
るものと同様である。
【0076】上記多孔質部分は、上記多孔質部分につい
て本発明のPTFE多孔体のL/D に相当する比が
1.2以上に限定されないものである。このことを除い
て、上記多孔質部分は、原料と製法が本発明のPTFE
多孔体製造方法におけるものと同様であることから明ら
かなように、本発明のPTFE多孔体製造方法により製
造されるPTFE多孔体と同じである。
【0077】本発明のPTFE多孔複合体製造方法は、
上記多孔質部分と上記予備成形部分とを金型内において
一体化させてPTFE多孔複合体を得ることを可能にす
るものである。従って、例えば、多孔質体に金具等の部
材を取り付けたい場合、多孔質体に直接取り付けると、
多孔質であることから機械的強度が不充分となって取り
付け部分が破損しやすいが、本発明によるPTFE多孔
複合体では機械的強度の高い予備成形部分に取り付ける
ことができるので、成形体の破損を防止することができ
る。
【0078】本発明によるPTFE多孔複合体は、ま
た、別々に成形した多孔質体と予備成形体とをエポキシ
樹脂等の接着剤を介在させて接着させる場合と異なり、
接着剤等の異素材を存在させる必要がないので、PTF
E以外の成分の混在が好ましくない用途に好適に用いる
ことができる。更に、上述の接着剤を用いる場合、PT
FEの非粘着性により接着性は不充分となりやすいのに
対し、本発明における多孔質部分と予備成形部分とは、
PTFE樹脂という同一物質からなり、しかも両部分の
境界を焼成時の溶融により接着させるので、密着性に優
れ、剥離しにくい。
【0079】本発明のPTFE多孔複合体製造方法によ
り製造されるPTFE多孔複合体は、このように有利な
効果を奏することから、幅広く用いることができ、例え
ば、オゾン供給用角パイプ、電線の被覆材等に好適に用
いることができる。
【0080】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。以下、上記焼成粉砕PTFE粉末を「原料粉
末」ということがある。 実施例1 未焼成のPTFE樹脂としてM−112(商品名、ダイ
キン工業社製)を用い、360℃で焼成した後、粉砕、
分級して平均粒子径100μmの原料粉末を得た。また
金型として、材質がSUS304で内面を鏡面仕上げし
た図1−(c)の斜視図に示すような下型13、上型1
2及び角シリンダー11からなる内径23mm、金型長
軸の長さ260mmの横置き金型を用いた。上記横置き
金型は、図1−(a)に示すような上面図を有する金型
である。
【0081】上記横置き金型に、得られた平均粒子径1
00μmの原料粉末を図1−(b)の断面図に示すよう
に入れ、上型12を載せた。370℃に昇温した電気炉
に原料粉末を入れた金型を置き、1時間焼成した後、2
5℃の室内に移し常温まで降温して図1−(d)の断面
図に示すような断面を有するPTFE多孔体を得た。
【0082】得られたPTFE多孔体の成形体長軸の長
さは、255mm前後であった。このPTFE多孔体を
成形体長軸に垂直な面で均等に5分割し、各部分から直
径23mm×厚さ5mmのサンプルを取り出し、水中置
換法で平均比重を測定した。結果を図2に示す。
【0083】上記横置き金型においては、金型深さは3
0mm程度であり、上記原料粉末の自重及び原料粉末の
落下衝撃による充填密度の変化は、比較例1〜3の上記
金型を縦置きにした場合に比べて、約10分の1程度で
あった。図2から、PTFE多孔体の比重のばらつきは
最大0.029であることがわかった。
【0084】実施例2 未焼成のPTFE樹脂としてM−111(商品名、ダイ
キン工業社製)を用い、360℃で焼成した後、粉砕、
分級して平均粒子径50μmの原料粉末を得た。金型と
しては図3に示す材質がSUS304で、内面を鏡面仕
上げした金型を用いた。電線をセットした下型31を長
さ300mmの方向が水平方向になる、即ち図3−
(a)が側面図になるように置き、上金型(蓋)32を
開けて、得られた原料粉末を入れ、上金型(蓋)32を
セットした。なお、上記上金型(蓋)32をセットした
金型を図3−(a)における線B−Bで切断した横断面
図が図3−(b)であり、図3−(a)における線C−
Cで切断した上断面図が図3−(c)である。370℃
に調節した電気炉に原料粉末を入れた金型を置き、2時
間焼成した。その後、25℃の室内に取り出し、冷却後
金型を解体してPTFE多孔体からなるフラットケーブ
ルを成形した。
【0085】金型を長さ300mmの方向が水平方向に
なるように置いているので、比較例5の縦置きの金型と
異なり、金型内部の鉛直方向の高さは6.2mmと短
く、原料粉末の落下距離も縦置きの50分の1と小さ
く、落下衝撃による充填密度の変化も0に近いことがわ
かった。
【0086】比較例1 未焼成のPTFE樹脂としてM−112(商品名、ダイ
キン工業社製)を用い、360℃で焼成した後、粉砕、
分級して平均粒子径100μmの原料粉末を得た。ま
た、金型として、材質がSUS304で、内面を鏡面仕
上げした内径23mm、高さ288mmの金型を用い
た。この金型を金型長軸が鉛直方向になるように置き、
得られた平均粒子径100μmの原料粉末63gを金型
内に充填し、金型に衝撃を与えた。370℃に昇温した
電気炉に、原料粉末を充填した金型を入れ、1時間焼成
し、焼成完了後25℃室内に移し、常温まで降温して、
成形品Iを得た。
【0087】得られた成形品Iの成形体長軸の長さは、
255mm前後であった。この成形品Iを成形体長軸に
垂直な面で均等に5分割し、各部分から径23mm×厚
さ5mmのサンプルを取り出し、水中置換法で各部分の
比重を測定した。結果を図4及び表1に示す。
【0088】比較例2 金型に入れる原料粉末の量を91gに代えた以外は、比
較例1と同様にして成形品IIを得、比重を測定した。
結果を図4及び表1に示す。
【0089】比較例3 金型に入れる原料粉末の量を102gに代えた以外は比
較例1と同様にして、成形品IIIを得、比重を測定し
た。結果を図4及び表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】図4、図5及び表1から、実施例1の横置
き金型は、比較例1〜3で用いた縦置き金型に比べ比重
のばらつきを抑制することができることがわかった。
【0092】実施例3 未焼成のPTFE樹脂としてM−111(商品名、ダイ
キン工業社製)を用い、融点以上で焼成した後、粉砕、
分級して平均粒子径50μmの原料粉末を得た。図5−
(a)に示す金型の端部の孔51(直径2mm)に、鏡
面仕上げのSUS304製丸棒を通し、圧力を調整して
固定した。金型の開口部52より、得られた原料粉末を
充填し、充填量と振動及び上金型(蓋)53の自重によ
り充填密度を調整した。充填密度は原料粉末の充填量と
容積から計算して、0.7g/cm であった。370
℃に温度調節した電気炉に原料粉末を充填した金型を入
れ、2時間焼成した後25℃にし、室内にて常温まで冷
却した後、孔51(直径2mm)に固定していたSUS
304製の丸棒を引き抜き、金型を解体して図5−
(b)のようなPTFE多孔体からなるオゾン供給用角
パイプを得た。
【0093】これらを束ねて水中に通し固定した後、端
部の成形体の丸棒を引き抜いてできた孔からオゾンを流
すことで、PTFE多孔体の気孔から水中にオゾンが拡
散し、オゾン水が得られた。なお、上記オゾン供給用角
パイプの平均比重は0.88であった。
【0094】実施例4 未焼成のPTFE樹脂としてM−111(商品名、ダイ
キン工業社製)を用い、370℃で焼成した後、粉砕、
分級して平均粒子径50μmの原料粉末を得た後、上記
原料粉末を鏡面仕上げのSUS304製丸棒を通したS
US304製金型に入れて、150kg/cmの圧力
を加えて、成形品の長さ30mmのPTFE予備成形体
2個を得た。上記PTFE予備成形体を、図6−(a)
に示す鏡面仕上げのSUS304製丸棒61を通したS
US304製金型の下型62の両端にセットし、残りの
空間部に得られた原料粉末を充填し、上金型63で蓋を
して、370℃に温度調節した電気炉に原料粉末を充填
した金型を入れ、2時間焼成した後50℃にし、室内に
て常温まで冷却した。上記焼成後、孔64(直径2m
m)に固定していたSUS304製の丸棒61を抜き取
り、図6−(b)のような両端の比重が2.15の予備
成形部分と、中央部が多孔質である多孔質部分とが一体
になったPTFE多孔複合体を得た。なお、多孔質部分
の平均比重は0.75であった。
【0095】比較例4 未焼成のPTFE樹脂としてM−12(商品名、ダイキ
ン工業社製)を用い、360℃で焼成した後、粉砕、分
級して平均粒子径50μmの原料粉末を得た。また、金
型として、図7の模式的断面図に示すような材質がSU
S304で、外径5mm、内径3mm、金型長軸の長さ
500mmの内側を鏡面仕上げしたものを用いた。ま
ず、アセトンを用いて各冶具と金型を洗浄した。洗浄し
た各部分にアセトンの残留がないことを確認した後、電
線を次の手順で固定した。直径0.4mmの銀メッキ銅
線の一端を電線固定具75で固定し、もう一方の端を金
型74に通し、更にパウダーはみ出し防止具72及びセ
ンターリング71を通した後、張力を調整しながら電線
を固定した。
【0096】電線を固定した金型74を長さ500mm
の方向を鉛直方向にして置き、パウダーはみだし防止具
72とパウダー充填口73を広げ、平均粒子径50μm
の原料粉末をパウダー充填口73から入れ、パウダーは
みだし防止具72をセットした。原料粉末の充填密度
は、原料粉末及び金型74に振動を与えて調節した。3
70℃に昇温した電気炉に原料粉末を入れた金型74を
置き、45分間焼成した後、25℃の室内に取り出し冷
却した。電気炉より取り出した直後、水中に入れて急冷
しても割れなどは見られず、外観の良好な単電線と単電
線の被覆材とからなる被覆単電線を得た。得られた被覆
単電線はノギスを用いた測定で直径2.94mmであ
り、金型の内寸に対して約2%収縮していた。また、比
重は0.98であり、表面粗度Raは10μmであり、
強度は21kgf/cmであり、伸びは59%であっ
た。
【0097】比較例5 未焼成のPTFE樹脂としてM−12(商品名、ダイキ
ン工業社製)を用い、360℃で焼成した後、粉砕、分
級して平均粒子径62μmの原料粉末を得た。また、金
型として、材質がSUS304で、図8−(a)の模式
的底面図に示すように断面の寸法が50mm×18mm
であって、金型長軸の長さが300mmの直方体状の簡
易金型を用いた。なお、金型内面は三角三つでほぼ鏡面
に近い仕上げとした。
【0098】図8−(a)における線B−Bで切断した
横断面図である図8−(b)、及び、図8−(a)にお
ける線C−Cで切断した縦断面図である図8−(c)に
示した金型81の電線通し孔88より、銀めっきされた
縒り電線84の一端を通し、電線固定冶具86で固定し
た。次いで、縒り電線84のもう一方の端を反対側の電
線通し孔89を通したあと電線張力を調整し、固定して
電線の固定を完了した。次に長さ300mmの方向を鉛
直方向にして置いた金型81に、得られた平均粒子径6
2μmの原料粉末をパウダー充填口82より入れた。
【0099】金型に振動を与え、原料粉末を均一に入れ
て充填密度を調節した。原料粉末を入れた後、計算値か
ら充填密度を求めると0.76g/cmであった。温
度を370℃に調節した電気炉に原料粉末を入れた金型
81を入れ、約2時間焼成した。その後、常温の室内に
金型を取り出し50℃まで冷却したあと、金型から成形
されたフラットケーブルを取り出した。得られたフラッ
トケーブルは、厚み5.8mm(金型寸法に対して6.
5%収縮)、幅28.5mm(金型寸法に対して5.1
%収縮)であった。また、比重は0.89であり、表面
粗度Raは5μmであり、強度は20kgf/cm
あり、伸びは62%であった。
【0100】比較例6 未焼成のPTFE樹脂としてM−111(商品名、ダイ
キン工業社製)を用い、360℃で焼成した後、粉砕、
分級して平均粒子径100μmの原料粉末を得た。ま
た、図9−(a)のような内型93を有し材質がSUS
304で内面を鏡面仕上げした金型を用いた。
【0101】図9に示すように、金型を立てたときの垂
直度の変化、又は、内型93と外型91の隙間ずれが生
じ難いように加工した下型92の中央に内型93を立
て、次いで外型91を組み立てた。内型93は、成形後
はロール軸として使用した。内型93は、ロール軸とし
て使用時に回転する際、内型93を被覆する多孔体との
接触面が滑らないように外形表面に0.2〜0.5mm
深さの図9−(d)に示すようなローレット模様を彫刻
した。図9−(b)は、外型91と内型93の隙間が均
一であることを確認した後、隙間から原料粉末を入れた
際の図9−(a)の断面図である。原料粉末を入れた
後、上型94で蓋をして、外型91に振動及び衝撃を加
えて充填密度の調節と密度の均一化を行った。目標とし
た充填密度が得られない、又は、充填密度の均一性に欠
ける場合は、上型94を開いて原料粉末の追加等を繰り
返し、目標とした充填密度の調節及び充填密度の均一化
を行った。なお、充填密度は約0.63であった。
【0102】370℃に昇温した電気炉に原料粉末を入
れた金型を置き、3時間焼成した後、常温室内に金型を
取り出し50℃まで冷却した後、金型から図9−(c)
に示すようなロール形状の成形品を取り出した。得られ
た成形品の寸法は外形で金型寸法から3%収縮してい
た。成形品の比重は0.85であり、表面粗度Raは
9.8μmであり、強度は19kgf/cmであり、
伸びは34%であった。
【0103】比較例7 原料粉末の平均粒子径を35μmとした以外は、参考例
3と同様にしてロール形状の成形品を得た。得られた成
形品の寸法は外形で金型寸法から3.2%収縮してい
た。成形品の比重は1.04あり、表面粗度Raは6μ
mであり、強度は33kgf/cmであり、伸びは7
5%であった。
【0104】
【発明の効果】本発明のPTFE多孔体製造方法は、上
述の構成を有するので、比重のばらつきの小さいPTF
E多孔体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、比重測定に用いた成形品を製造するた
めの金型の断面図である。
【図2】図2は、実施例1で得られた成形品の比重分布
を表すグラフである。
【図3】図3は、原料粉末を入れたフラットケーブル製
造用横置き金型の断面図である。
【図4】図4は、比較例1〜3で得られた成形品の比重
分布を表すグラフである。
【図5】図5は、実施例3で得られたオゾン供給用角パ
イプとその製造に用いた金型である。
【図6】図6は、実施例4で得られたPTFE多孔複合
体とその製造に用いた金型である。
【図7】図7は、原料粉末を入れた被覆単電線製造用縦
置き金型の断面図である。
【図8】図8は、原料粉末を入れたフラットケーブル製
造用縦置き金型の断面図である。
【図9】図9は、ロール製造用金型の断面図である。
【符号の説明】
11 角シリンダー 12 上型 13 下型 31 下型 32 上金型(蓋) 33 電線通し孔 34 縒り電線(AGW22)銀メッキ品 35 電線張力調整及び固定冶具 36 電線固定冶具 37 原料粉末 51 孔(直径2mm) 52 金型開口部 53 上金型(蓋) 61 SUS丸棒 62 下型 63 上金型 64 孔(直径2mm) 71 電線センターリング及び電線張力調整と固定具 72 原料粉末はみ出し防止具 73 原料粉末充填口 74 SUSパイプ(内側鏡面仕上げ) 75 電線固定具 81 金型(本体部) 82 原料粉末充填口 83 電線センター調整冶具 84 縒り電線(AGW22) 85 電線張力調整冶具 86 電線固定冶具 87 原料粉末 88 電線通し孔 89 電線通し孔 91 外型 92 下型 93 内型及び内型ローレット加工断面 94 上型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:22 B29K 105:22 B29L 23:00 B29L 23:00 31:32 31:32 31:34 31:34 C08L 27:18 C08L 27:18 (72)発明者 石割 和夫 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 田頭 修二 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4F074 AA39 CA52 CC04X CC04Y CC05X CC12X CC12Y CC62 DA24 DA33 DA48 4F202 AA17 AC04 AG08 AG20 AH04 AH35 AH43 CA09 CB01 CC09 CC10 CL02 4F204 AA17 AC04 AG08 AG20 AH04 AH35 AH43 FA01 FB01 FE17 FF01 FN15 FN25 FQ15

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成粉砕PTFE粉末を金型に入れた状
    態で焼成し、PTFE多孔体を製造することよりなるP
    TFE多孔体製造方法であって、前記焼成粉砕PTFE
    粉末は、未焼成のPTFE樹脂を前記PTFE樹脂の融
    点以上の温度で焼成した後、粉砕して得られるものであ
    り、前記PTFE樹脂は、テトラフルオロエチレンのホ
    モポリマー及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレン
    からなるものであり、前記焼成粉砕PTFE粉末の焼成
    は、前記PTFE樹脂の融点以上の温度で行うものであ
    り、前記PTFE多孔体は、平均比重が0.4〜1.8
    であり、前記金型は、金型短軸の長さ〔D(単位:c
    m)〕に対する金型長軸の長さ〔L(単位:cm)〕
    の比〔L/D〕が1.2以上であり、前記焼成粉砕
    PTFE粉末は、前記金型長軸が水平方向となるように
    置いた前記金型に入れるものであることを特徴とするP
    TFE多孔体製造方法。
  2. 【請求項2】 焼成粉砕PTFE粉末の焼成は、金型に
    入れた焼成粉砕PTFE粉末に対し0〜300kg/c
    の圧力を加えた後に行うものである請求項1記載の
    PTFE多孔体製造方法。
  3. 【請求項3】 圧力は、0kg/cmである請求項2
    記載のPTFE多孔体製造方法。
  4. 【請求項4】 金型は、金型断面の面積が0.07cm
    以上であるものである請求項1、2又は3記載のPT
    FE多孔体製造方法。
  5. 【請求項5】 金型は、金型断面が円形であり、前記円
    形の直径〔D′(単位:cm)〕に対する金型長軸の
    長さ〔L(単位:cm)〕の比〔L/D′〕が9
    0〜110であるものである請求項1、2、3又は4記
    載のPTFE多孔体製造方法。
  6. 【請求項6】 PTFE多孔体の平均比重は、0.7〜
    1.2である請求項1、2、3、4又は5記載のPTF
    E多孔体製造方法。
  7. 【請求項7】 PTFE多孔体は、2以上の任意の部分
    における比重の差が0.05以下であるものである請求
    項1、2、3、4、5又は6記載のPTFE多孔体製造
    方法。
  8. 【請求項8】 焼成粉砕PTFE粉末は、粒子径が10
    〜1000μmであるものである請求項1、2、3、
    4、5、6又は7記載のPTFE多孔体製造方法。
  9. 【請求項9】 焼成粉砕PTFE粉末の焼成は、金型に
    入れた焼成粉砕PTFE粉末に衝撃を加えた後に行うも
    のである請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載
    のPTFE多孔体製造方法。
  10. 【請求項10】 PTFE多孔体は、電線の被覆材であ
    る請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の
    PTFE多孔体製造方法。
  11. 【請求項11】 PTFE多孔体は、フラットケーブル
    の被覆材である請求項1、2、3、4、6、7、8又は
    9記載のPTFE多孔体製造方法。
  12. 【請求項12】 PTFE多孔体は、ロールの全部又は
    一部である請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は
    9記載のPTFE多孔体製造方法。
  13. 【請求項13】 PTFE多孔体は、角パイプである請
    求項1、2、3、4、6、7、8又は9記載のPTFE
    多孔体製造方法。
  14. 【請求項14】 角パイプは、オゾン供給用角パイプで
    ある請求項13記載のPTFE多孔体製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3、4、6、7、8、
    9、10、11、12、13又は14記載のPTFE多
    孔体製造方法により製造されたPTFE多孔体。
  16. 【請求項16】 フラットケーブルの被覆材である請求
    項15記載のPTFE多孔体。
  17. 【請求項17】 オゾン供給用角パイプである請求項1
    5記載のPTFE多孔体。
  18. 【請求項18】 請求項5記載のPTFE多孔体製造方
    法により製造されたPTFE多孔体。
  19. 【請求項19】 単電線の被覆材である請求項15又は
    18記載のPTFE多孔体。
  20. 【請求項20】 ロールの全部又は一部である請求項1
    5又は18記載のPTFE多孔体。
  21. 【請求項21】 焼成粉砕PTFE粉末からなるPTF
    E多孔体であって、前記焼成粉砕PTFE粉末は、未焼
    成のPTFE樹脂を前記PTFE樹脂の融点以上の温度
    で焼成した後、粉砕して得られるものであり、前記PT
    FE樹脂は、テトラフルオロエチレンのホモポリマー及
    び/又は変性ポリテトラフルオロエチレンからなるもの
    であり、前記PTFE多孔体は、平均比重が0.4〜
    1.8であり、2以上の任意の部分における比重の差が
    0.05以下であり、前記PTFE多孔体は、成形体短
    軸の長さ〔D(単位:cm)〕に対する成形体長軸の
    長さ〔L(単位:cm)〕の比〔L/D〕が1.
    2以上であることを特徴とするPTFE多孔体。
  22. 【請求項22】 PTFE多孔体は、成形体断面の面積
    が0.07cm以上であるものである請求項21記載
    のPTFE多孔体。
  23. 【請求項23】 PTFE多孔体は、成形体断面が円形
    であり、前記円形の直径〔D′(単位:cm)〕に対
    する成形体長軸の長さ〔L(単位:cm)〕の比〔L
    /D′〕が90〜110であるものである請求項2
    1又は22記載のPTFE多孔体。
  24. 【請求項24】 フラットケーブルの被覆材である請求
    項21又は22記載のPTFE多孔体。
  25. 【請求項25】 オゾン供給用角パイプである請求項2
    1又は22記載のPTFE多孔体。
  26. 【請求項26】 単電線の被覆材である請求項21、2
    2又は23記載のPTFE多孔体。
  27. 【請求項27】 ロールの全部又は一部である請求項2
    1、22又は23記載のPTFE多孔体。
  28. 【請求項28】 PTFE予備成形体と焼成粉砕PTF
    E粉末とを金型に入れた状態で焼成し、予備成形部分と
    多孔質部分とからなるPTFE多孔複合体を製造するこ
    とよりなるPTFE多孔複合体製造方法であって、前記
    多孔質部分は、前記焼成粉砕PTFE粉末からなり、平
    均比重が0.4〜1.8であるものであり、前記焼成粉
    砕PTFE粉末は、未焼成のPTFE樹脂(A)を前記
    PTFE樹脂(A)の融点以上の温度で焼成した後、粉
    砕して得られるものであり、前記予備成形部分は、前記
    PTFE予備成形体からなり、平均比重が1.8を超え
    るものであり、前記PTFE予備成形体は、PTFE樹
    脂(B)からなるものであり、前記PTFE樹脂(A)
    及び前記PTFE樹脂(B)は、テトラフルオロエチレ
    ンのホモポリマー及び/又は変性ポリテトラフルオロエ
    チレンからなるものであり、前記金型に入れた状態で行
    う焼成は、前記PTFE樹脂(A)の融点以上の温度で
    あり、前記PTFE樹脂(B)の融点以上の温度である
    温度で行うものであり、前記金型は、金型短軸の長さ
    〔D(単位:cm)〕に対する金型長軸の長さ〔L
    (単位:cm)〕の比〔L/D〕が1.2以上であ
    り、前記焼成粉砕PTFE粉末は、前記金型長軸が水平
    方向となるように置いた前記金型に入れるものであるこ
    とを特徴とするPTFE多孔複合体製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006026917A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Toyo Mach & Metal Co Ltd 成形機
JP2010036565A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Inoac Corp 発泡体ロール成形型および発泡体ロール成形方法

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