JP2003225949A - Ptfe多孔体製造方法及びptfe多孔体 - Google Patents

Ptfe多孔体製造方法及びptfe多孔体

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JP2003225949A
JP2003225949A JP2002027349A JP2002027349A JP2003225949A JP 2003225949 A JP2003225949 A JP 2003225949A JP 2002027349 A JP2002027349 A JP 2002027349A JP 2002027349 A JP2002027349 A JP 2002027349A JP 2003225949 A JP2003225949 A JP 2003225949A
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ptfe
ptfe porous
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Osamu Shirasaki
治 白崎
Michio Asano
道男 浅野
Kazuo Ishiwari
和夫 石割
Shuji Tagashira
修二 田頭
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 成形後に切削することなく金型の複雑形状を
有することが可能なPTFE多孔体の製造方法及びその
PTFE多孔体。 【解決手段】 焼成粉砕PTFE粉末を金型に入れた状
態で焼成するPTFE多孔体は、比重が0.4〜1.8
であり、上記金型及び上記PTFE多孔体は、下記
(I)及び/又は(II)の条件を満たすものである。
(I)金型は、内壁と貫通孔形成用突起部とから形成さ
れる内部空間を有し、前記貫通孔形成用突起部は、前記
内壁の少なくとも2箇所を連結する、及び/又は、表面
に凹凸があるものであってもよく、前記PTFE多孔体
は、切削することなく得られる表面形状が前記内壁と前
記貫通孔形成用突起部とが形成する表面形状と同一であ
る形状を有する。(II)金型は、内壁の表面に凹凸を
有するものであり、前記PTFE多孔体は切削すること
なく得られる表面形状が前記凹凸の表面形状と同一であ
る形状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型の内部表面の
複雑形状をそのまま有することができるPTFE多孔体
製造方法及びPTFE多孔体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン〔PTF
E〕は、フッ素樹脂の中でも耐熱性、耐薬品性、耐候
性、電気的絶縁性、非粘着性等に優れており、多孔質体
として成形されると、これらの優れた特性に加え、比重
の低下、気体・液体等の含有・透過、可撓性の付与・向
上、シール性、誘電率の低下等の多孔質としての性質を
も有することができるので、幅広い用途がある。
【0003】PTFEの多孔質体の成形方法としては、
PTFEの溶融粘度が極めて高いことから、従来、PT
FE粉末をフィブリル化し、抄紙と焼結を経てPTFE
ペーパーを得る方法、ペースト押出した予備成形品を乾
燥後、延伸と高温処理を経て延伸PTFEを得る方法、
又は、PTFEに混合した液体や固形物を後工程で除去
する方法が用いられてきた。
【0004】PTFEの多孔質体の成形方法としては、
また、PTFE樹脂を融点以上の温度で焼成した後、粉
砕して得られるPTFEの焼成粉砕物を用いる成形方法
がいくつか提案されてきた。
【0005】例えば、特開昭53−78269号公報に
は、PTFEの焼成粉砕物を金型内に置き、蓋により加
えられる圧力を除いては加圧することなく焼成する多孔
質体製造方法が開示されており、管状金型が用いられて
いる。
【0006】PTFEの焼成粉砕物を用いた多孔質体の
成形方法として、また、特開昭61−66730号公報
には、この焼成粉砕物を1〜800g/cmの圧力で
所定形状に成形し、焼成する方法が開示されており、シ
ートと円筒状体が成形されている。
【0007】PTFEの焼成粉砕物を用いた多孔質体の
成形方法として、特開平7−159941号公報には、
この焼成粉砕物を金型に入れた後、加圧することなく焼
成する方法が開示されており、円筒状や丸棒状の金型を
用いた実施例が記載され、球状の金型を用い得るとの記
載がある。
【0008】これらの従来のPTFEの多孔質体の成形
方法では、管状、円筒状、丸棒状等の簡単な形状の金型
が用いられていた。近年、PTFEの多孔質体は、優れ
た特性を有することから用途が拡大しており、例えば、
複数の貫通孔がある自動車用酸素センサー用ブッシュ、
表面に凹凸のある研磨パッド等、複雑形状を有するもの
にも使用されるようになってきた。
【0009】このような複雑形状は、非多孔質のPTF
E成形体である場合、複雑形状を有しない簡単な形状の
金型にPTFE樹脂粉末を入れ、圧縮して予備成形し、
次いで焼成し冷却して得られる成形体に対し、切削して
凹部を形成する等の機械加工を施して形成するものが一
般的である。
【0010】PTFEの多孔質体の場合、PTFEの焼
成粉砕物を用いて非多孔質と同様の方法を用いると、焼
成して得られる成形体がそり等の歪みを生じ、また、機
械加工時には油や切削粉等が多孔質体の無数の微細孔に
入り込み、その除去が困難であることから、寸法精度が
高く細かい機械加工には自ずと限度があるという問題が
あった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
現状に鑑み、成形後に切削することなく金型の複雑形状
を有することが可能なPTFE多孔体を製造する方法及
びこの製造方法により得られるPTFE多孔体を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼成粉砕PT
FE粉末を金型に入れた状態で焼成し、PTFE多孔体
を製造することよりなるPTFE多孔体製造方法であっ
て、上記焼成粉砕PTFE粉末は、未焼成のPTFE樹
脂を上記PTFE樹脂の融点以上の温度で焼成した後、
粉砕して得られるものであり、上記PTFE樹脂は、テ
トラフルオロエチレンのホモポリマー及び/又は変性ポ
リテトラフルオロエチレンからなるものであり、上記焼
成粉砕PTFE粉末の焼成は、上記PTFE樹脂の融点
以上の温度で行うものであり、上記PTFE多孔体は、
比重が0.4〜1.8であり、上記金型及び上記PTF
E多孔体は、下記(I)及び/又は下記(II)の条件
を満たすものであることを特徴とするPTFE多孔体製
造方法である。
【0013】(I)上記金型は、内壁と貫通孔形成用突
起部とから形成される内部空間を有するものであり、上
記貫通孔形成用突起部は、上記内壁の少なくとも2箇所
を連結するもの、及び/又は、表面に凹凸があるもので
あってもよく、上記PTFE多孔体は、切削することな
く得られる表面形状が上記内壁と上記貫通孔形成用突起
部とが形成する表面形状と同一である形状を有するもの
である。 (II)上記金型は、内壁の表面に凹凸を有するもので
あり、上記PTFE多孔体は、切削することなく得られ
る表面形状が上記凹凸の表面形状と同一である形状を有
するものである。 以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明のPTFE多孔体製造方法は、焼成
粉砕PTFE粉末を金型に入れた状態で焼成し、PTF
E多孔体を製造することよりなるものである。上記金型
及び上記PTFE多孔体は、下記(I)及び/又は下記
(II)の条件を満たすものである。金型及びPTFE
多孔体は、用いる金型の形状により、下記の条件(I)
と条件(II)の両方を満たすものであってもよいし、
下記の条件(I)又は条件(II)の何れかを満たすも
のであってもよい。
【0015】金型及びPTFE多孔体の条件(I)は、
「金型は、内壁と貫通孔形成用突起部とから形成される
内部空間を有するものであり、上記貫通孔形成用突起部
は、上記内壁の少なくとも2箇所を連結するもの、及び
/又は、表面に凹凸があるものであってもよく、上記P
TFE多孔体は、切削することなく得られる表面形状が
上記内壁と上記貫通孔形成用突起部とが形成する表面形
状と同一である形状を有するものである。」というもの
である。
【0016】上記条件(I)として、金型は、内壁と貫
通孔形成用突起部とから形成される内部空間を有するも
のである。本明細書において、上記「内壁」とは、金型
の外壁をなす金属板における表面であって、上記外壁の
裏面を意味する。上記内壁の少なくとも一部は、型に入
れた焼成粉砕PTFE粉末が接触する面である。
【0017】本明細書において、上記「貫通孔形成用突
起部」とは、上記金型の内壁から突出している部分であ
って、得られるPTFE多孔体に貫通孔を形成するため
のものを意味する。上記貫通孔形成用突起部は、上記金
型の製造時において上記金型の内壁の賦形とともに形成
させた突出部分のように、上記金型の内壁と一体化して
形成された分離不可能なものであってもよいし、内壁を
なす金型とは分離可能な部材からなるものであって、焼
成粉砕PTFE粉末を金型に入れるに際し、内壁をなす
金型の内壁から突出するように配置するものであっても
よい。
【0018】本明細書において、上記「貫通孔」とは、
PTFE多孔体を貫通する孔を意味する。本明細書にお
いて、上記貫通孔は、上記PTFE多孔体において上記
貫通孔を塞ぐもの、例えば底部、蓋部等を有しないもの
である点で、後述の凹凸形状とは区別される。上記貫通
孔としては、例えば、自動車用酸素センサー等に用いら
れるブッシュに空いた孔であって、リード線をその孔の
中に通してブッシュの一端から他端へと貫通させるため
の孔等が挙げられる。なお、上記貫通孔は、PTFE多
孔体が多孔質であることの所以となる微細な空隙が連続
してなるものとは、空隙部分の大きさと形成方法が異な
る点で区別される。
【0019】上記貫通孔形成用突起部は、得られるPT
FE多孔体に貫通孔を形成するため、通常、上記金型の
内壁の少なくとも2箇所を連結するものである。このよ
うな金型としては、例えば、上記貫通孔形成用突起部を
底部から上方に突出させて有する金型容器と、この金型
容器に焼成粉砕PTFE粉末を入れたのち上記金型容器
に蓋をすることにより、上記貫通孔形成用突起部が上記
底部と上記蓋との間で連結することとなるもの等が挙げ
られる。
【0020】上記貫通孔形成用突起部は、上記金型の内
壁の少なくとも2箇所を連結するものでないものであっ
てもよい。このような貫通孔形成用突起部としては、例
えば、底部に上記貫通孔形成用突起部を上方に突出させ
て有する金型容器に、この貫通孔形成用突起部の上端を
超えない高さにまで焼成粉砕PTFE粉末を入れ、蓋を
しない場合等が挙げられる。
【0021】上記貫通孔形成用突起部は、表面に凹凸が
あるものであってもよい。上記凹凸の形状としては特に
限定されず、例えば、後述の条件(II)における凹凸
の形状等が挙げられる。
【0022】上記貫通孔形成用突起部は、上記金型の内
壁の少なくとも2箇所を連結するもの、及び/又は、表
面に凹凸があるものであってもよい。従って、上記貫通
孔形成用突起部は、表面に凹凸があって上記内壁の少な
くとも2箇所を連結するものであってもよいし、表面に
凹凸があるが上記内壁の少なくとも2箇所を連結するも
のでないものであってもよいし、表面に凹凸がなく上記
内壁の少なくとも2箇所を連結するものであってもよい
し、表面に凹凸がなく上記内壁の少なくとも2箇所を連
結するものでないものであってもよい。
【0023】上記貫通孔形成用突起部は、金型1個あた
り2つ以上であってもよい。上記貫通孔形成用突起部
は、金型の内壁の少なくとも2箇所を連結するものであ
る場合、このように連結してなる上記貫通孔形成用突起
部を1つとして数える。1個あたり上記貫通孔形成用突
起部を2つ以上有する金型としては、例えば、ブッシュ
成形用金型等が挙げられる。ブッシュ成形用金型を用い
て得られるPTFE多孔体、即ち、ブッシュとしては、
例えば自動車用酸素センサーに用いられるものが好まし
い。このようなブッシュは、通常、図1の模式図に示す
ように、貫通孔を4つ程度有するので、このブッシュを
成形するためのブッシュ成形用金型は、貫通孔形成用突
起部を4つ程度有することとなる。
【0024】なお、1個あたり上記貫通孔形成用突起部
を1つ有する金型としては、例えば、上記金型の底部の
通常中央に1つの上記貫通孔形成用突起部を上方に突出
させて有するもの等が挙げられ、このような金型は、例
えば、オフィスオートメーション機器用ロールにおける
芯金を被覆する部材、チューブ状成形品等の成形に使用
されるもの等が挙げられる。
【0025】本明細書において、上記内壁と上記貫通孔
形成用突起部は、上述した説明から明らかなように、そ
れぞれ別の物を指す用語である。従って、上記内壁は、
上記貫通孔形成用突起部を含むものではない。
【0026】上記金型において、上記内壁と上記貫通孔
形成用突起部とから形成される内部空間は、焼成粉砕P
TFE粉末を成形のために入れる空間である。上記内部
空間は、目的とするPTFE多孔体の寸法等により、上
記内部空間の全てに焼成粉砕PTFE粉末を入れるもの
であってもよいし、上記内部空間の一部に焼成粉砕PT
FE粉末を入れるものであってもよい。
【0027】上述の条件(I)において、PTFE多孔
体は、上記条件(I)における金型を用いて得られたも
のである場合、切削することなく得られる表面形状が、
上記金型の内壁と上記貫通孔形成用突起部とが形成する
表面形状(以下、「金型表面形状(I)」という。)と
同一である形状を有するものである。上記金型表面形状
(I)は、上記条件(I)における金型の内部表面の形
状であり、また、上記金型と上述の内部空間との境界が
なす形状でもある。
【0028】金型及びPTFE多孔体の条件(II)
は、「金型は、内壁の表面に凹凸を有するものであり、
上記PTFE多孔体は、切削することなく得られる表面
形状が上記凹凸の表面形状と同一である形状を有するも
のである。」というものである。
【0029】上記条件(II)において、金型の内壁
は、上記条件(I)における金型の内壁と同じことがい
える。上記金型の内壁が表面に有する凹凸は、どのよう
な形状の凹凸であってもよく、例えば、断面が図2の模
式図に示すようなカギ型や半円型がある程度連続したも
の、波型であるもの等が挙げられる。上記金型の内壁が
表面に有する凹凸は、通常、上記金型の製造における圧
延時に形成される。
【0030】上記凹凸は、一般に凹部と凸部とからなる
形状であると解されるが、一見、凸部を形成せずに凹部
を形成したと解され得るものであっても、凹部以外の部
分は凹部からみると凸部というべきものであり、また、
一見、凹部を形成せずに凸部を形成したと解され得るも
のであっても、凸部以外の部分は凸部からみると凹部と
いうべきものである。従って、本明細書において、上記
「凹凸」は、一般に凹部と凸部とからなると解されるも
の、一見凸部を形成せずに凹部を形成したと解され得る
もの、及び、一見凹部を形成せずに凸部を形成したと解
され得るものを含む概念である。
【0031】上記条件(II)における金型としては、
例えば、研磨パッド成形用金型等が挙げられる。研磨パ
ッド成形用金型としては、例えば、凹凸の断面が図2の
模式図のうち、左上に示したカギ型の連続であるもの等
が挙げられる。研磨パッドは、一般に、表面に凹凸のあ
るものとないものがあるが、本発明において上記研磨パ
ッド成形用金型から得られる研磨パッドは、表面に凹凸
のあるものであり、このような研磨パッドとしては、例
えばCMP用研磨パッド等が挙げられる。
【0032】上述の条件(II)において、PTFE多
孔体は、上記条件(II)における金型を用いて得られ
たものである場合、切削することなく得られる表面形状
が、上記金型が内壁に有する凹凸の表面形状(以下、
「金型表面形状(II)」という。)と、同一である形
状を有するものである。上記金型表面形状(II)は、
上記条件(II)における金型の内部表面の形状であ
る。
【0033】上記条件(I)及び上記条件(II)にお
いて、「切削することなく得られる表面形状」は、焼成
粉砕PTFE粉末を金型に入れた状態で焼成し、得られ
るPTFE多孔体をこの金型から取り出したままの状態
における表面形状であり、切削をしていないものであ
る。上記切削は、通常、例えば形状付与等のために行う
処理である。
【0034】上記条件(I)において、「上記金型表面
形状(I)と同一である形状」は、上記金型表面形状
(I)と凹凸等の形が同一のものであれば、上記金型表
面形状(I)と大きさが同一のもの、及び、上記金型表
面形状(I)の相似形を含むものである。同様に、上記
条件(II)において、「上記金型表面形状(II)と
同一である形状」は、上記金型表面形状(II)と形が
同一のものであれば、上記金型表面形状(II)と大き
さが同一のもの、及び、上記金型表面形状(II)の相
似形を含むものである。
【0035】上記金型表面形状(I)又は上記金型表面
形状(II)と同一である形状のうち、用いた金型の内
部表面の形と大きさが同一のものは、用いた金型内にお
いてPTFE多孔体が収縮することなく得られたもので
ある。
【0036】上記金型表面形状(I)又は上記金型表面
形状(II)と同一である形状のうち、用いた金型の内
部表面の形状の相似形であるものは、用いた金型内にお
いてPTFE多孔体が焼成時に収縮して得られたもので
ある。この収縮は、用いた金型内においてPTFE多孔
体が焼成前に表面に有していた形状、即ち、金型表面形
状(I)又は金型表面形状(II)と形と大きさが同一
である形状が、その形状の任意の部分が相互に同じ比率
で収縮するように行われたものである。
【0037】本発明のPTFE多孔体製造方法は、上述
の条件(I)及び/又は条件(II)を満たすものであ
るので、得られるPTFE多孔体の切削することなく得
られる表面形状が、用いた金型の内部表面の形状をあた
かも転写したかのように忠実に反映してなることを可能
にするものである。本発明によれば、金型の内部表面の
形状は、上述のように貫通孔形成用突起部、凹凸等がな
す複雑形状であっても、得られるPTFE多孔体の表面
形状としてそのまま再現することができる。
【0038】このようにPTFE多孔体が金型通りの複
雑形状を有することは、本発明のPTFE多孔体製造方
法において、金型に焼成粉砕PTFE粉末を入れる際、
金型の内部表面の複雑形状をなす凹部の隅々にまで焼成
粉砕PTFE粉末が入り込むことにより可能になるもの
と考えられる。焼成粉砕PTFE粉末は、金型に入れた
後に後述の加圧を行わなくとも、金型の凹部の隅々にま
で入り込むことができる。本発明によるPTFE多孔体
の複雑形状は、従来のPTFE多孔質体を成形する方法
とは異なり、金型から取り出した成形体を切削すること
なく、用いた金型の内部表面の形状を忠実に有すること
ができる。
【0039】従って、本発明によれば、例えば、PTF
E多孔体の切削することなく得られる表面形状は、角部
を有するものであり、上記角部は、180°未満の角度
を有するものであっても、容易に得ることができる。こ
のような表面形状は、上記角部が例えば90℃以下の角
度を有するものであってもよく、このような表面形状
は、例えば、上記条件(I)において貫通孔形成用突起
部が内壁から垂直に突出している金型、上記条件(I
I)において断面がカギ型である凹凸を有する金型を用
いた場合等に得られ、このような金型としては、例えば
上述のブッシュ成形用金型、研磨パッド成形用金型等が
挙げられる。本明細書において、上記「180°以下の
角度を有する」とは、上記角部の角がとれたような状態
ではないことを意味する。本明細書において、上記「9
0°以下の角度を有する」とは、上記角部の角がとれた
ような状態ではなく、直角又は鋭角を正確に形作ってい
ることを意味する。
【0040】本発明によれば、上述のように、用いた金
型の内部表面の形状を忠実に有すること、例えば180
℃未満の角部を有することは、金型から取り出した成形
体を切削することなく達成することができるが、金型の
内部表面の形状を切削することなく忠実に有することと
なったPTFE多孔体を、所望により更に形状の調整、
研磨等を目的として切削してもよい。このように、金型
の内部表面の形状を切削することなく忠実に有すること
となったPTFE多孔体を更に形状の調整等のために切
削することは、本発明の範囲から排除されるものではな
い。
【0041】本発明のPTFE多孔体製造方法は、焼成
粉砕PTFE粉末を金型に入れた状態で焼成することよ
りなるものである。上記焼成粉砕PTFE粉末は、未焼
成のPTFE樹脂を原料とするものである。
【0042】上記PTFE樹脂は、テトラフルオロエチ
レンのホモポリマー〔PTFEホモポリマー〕及び/又
は変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕か
らなるものである。
【0043】本明細書において、上記変性PTFEと
は、テトラフルオロエチレン〔TFE〕及び少量の共単
量体を共重合することにより得られる共重合体を意味す
る。
【0044】上記少量の共単量体としてはTFEとの共
重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、ヘ
キサフルオロプロペン〔HFP〕等のパーフルオロオレ
フィン;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕;ト
リフルオロエチレン;パーフルオロビニルエーテル等が
挙げられる。
【0045】上記パーフルオロビニルエーテルとしては
特に限定されず、例えば、下記一般式(I) CF=CF−ORf (I) (式中、Rfはパーフルオロ基を表す。)で表されるパ
ーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書にお
いて、パーフルオロ基とは、炭素原子に結合する水素原
子が全てフッ素原子に置換されてなることを意味する。
上記パーフルオロ基は、エーテル酸素を有していてもよ
い。
【0046】上記パーフルオロビニルエーテルとして
は、例えば、上記一般式(I)において、Rfが炭素数
1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PFVE〕が
挙げられる。上記パーフルオロビニルエーテルとして
は、また、上記一般式(I)において、Rfが炭素数4
〜9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基、下記式
【0047】
【化1】
【0048】(式中、mは0若しくは1〜4の整数を表
す。)で表される有機基、又は、下記式
【0049】
【化2】
【0050】(式中、nは1〜4の整数を表す。)で表
される有機基を表すものであるパーフルオロ(アルコキ
シアルキルビニルエーテル);パーフルオロ(アルコキ
シビニルエーテル)等が挙げられる。
【0051】上記少量の共単量体がTFEと上記少量の
共単量体との合計重量に占める割合(重量%)として
は、上記少量の共単量体の種類によるが、得られる共重
合体に溶融流動性を付与しない程度の少量であることが
好ましい。例えば上記少量の共単量体として上記パーフ
ルオロビニルエーテルを用いる場合、通常、1重量%以
下が好ましく、0.001〜1重量%がより好ましい。
【0052】上記PTFE樹脂としては、1種又は2種
以上を用いることができ、例えば、上記変性PTFEと
しては、平均分子量、共重合組成等が異なるものを1種
又は2種以上用いてよく、上記PTFEホモポリマーと
しては、例えば平均分子量が異なるものを1種又は2種
以上用いてもよく、変性PTFEとPTFEホモポリマ
ーとの混合物を用いてもよい。
【0053】上記PTFE樹脂は、例えば、懸濁重合、
乳化重合等の従来公知の重合方法を用いることにより得
ることができる。
【0054】未焼成の上記PTFE樹脂を融点以上の温
度で焼成し焼成PTFE樹脂を得た後、粉砕することに
より、焼成粉砕PTFE粉末が得られる。
【0055】未焼成の上記PTFE樹脂の焼成は、未焼
成の上記PTFE樹脂からなる粒子を硬化させる目的で
行うものである。これにより、上記焼成粉砕PTFE粉
末の粒子に対し、成形時に圧力を加えた場合において
も、粒子の変形やつぶれをある程度防ぐことができる。
これにより、上記PTFE多孔体の気孔率を高く維持
し、多孔質としての特性が低下することを防ぐことがで
きる。
【0056】未焼成の上記PTFE樹脂の焼成には、一
般に排気装置を備え温度分布の均一な熱風循環炉が用い
られ、焼成温度としては、上記PTFE樹脂の融点(3
27℃)以上の温度であり、327℃〜400℃である
ことが好ましい。
【0057】未焼成の上記PTFE樹脂は、焼成後の粉
砕とは別に、焼成に先立ち粒子径を揃えるために粉砕を
行ったものであってもよい。上記粉砕の方法としては後
述の焼成PTFE樹脂の粉砕に用いられるものと同様の
ものを用いることができる。
【0058】上記焼成PTFE樹脂の粉砕方法としては
特に限定されず、例えば、一般的な粉砕に用いられる粉
砕機を用いることができ、例えば、一般的な溶融樹脂製
品等の粉砕に通常用いられる回転刃式粉砕機、ハンマー
衝撃式粉砕機等が挙げられる。
【0059】上記焼成粉砕PTFE粉末は、粒子径が2
0〜500μmであることが好ましい。一般に粒子径が
小さいと、金型に入れた上記焼成粉砕PTFE粉末の充
填密度が高くなり、得られるPTFE多孔体の気孔の孔
径が小さくなる結果、後述の平均比重は大きくなり、粒
子径が大きいと、得られるPTFE多孔体の平均比重は
小さくなる。従って、上記焼成粉砕PTFE粉末は、得
られるPTFE多孔体が目的とする比重を有するよう
に、好ましくは上記範囲内で粒子径を調整することがで
きる。より好ましい下限は30μmであり、より好まし
い上限は400μmである。
【0060】上記焼成粉砕PTFE粉末には、所望によ
り結合剤を添加してもよい。上記結合剤を加えることに
より、上記焼成粉砕PTFE粉末の粒子間の結合を強固
にすることができ、また、上記焼成粉砕PTFE粉末を
焼成して得られるPTFE多孔体の機械的強度を向上す
ることができる。
【0061】上記結合剤としては上記PTFE樹脂以外
の樹脂であって、上記PTFE樹脂の融点以上の温度に
おいて溶融し得る熱可塑性樹脂であれば特に限定され
ず、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アク
リル樹脂、アセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイ
ミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、含フッ素樹脂が挙げら
れる。上記含フッ素樹脂としてはテトラフルオロエチレ
ン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体
〔PFA〕、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体〔FEP〕、テトラフルオロエチレ
ン/エチレン共重合体〔ETFE〕等が好ましく、これ
らは1種、又は、2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0062】上記結合剤の配合比率は、焼成粉砕PTF
E粉末100重量部に対し、20重量部以下であること
が好ましい。20重量部を超えると、得られるPTFE
多孔体の比重を増加させる場合がある。より好ましい上
限は、18重量部である。
【0063】上記焼成粉砕PTFE粉末には、所望によ
り添加剤を添加してもよい。上記添加剤としては特に限
定されず、例えば、カーボン、グラファイト、銅等の金
属粉末、ガラスファイバー、炭素繊維、ポリイミド等が
挙げられる。
【0064】上記結合剤と上記添加剤は、それぞれ上記
焼成粉砕PTFE粉末に配合してもよいし、上記焼成粉
砕PTFE粉末を製造する過程で添加してもよい。
【0065】本発明のPTFE多孔体製造方法は、上記
焼成粉砕PTFE粉末を金型に入れた状態で焼成し、P
TFE多孔体を製造することよりなるものである。
【0066】本発明のPTFE多孔体製造方法において
は、上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成に先立ち、上記金
型に入れた上記焼成粉砕PTFE粉末に対し衝撃又は振
動を加えてもよい。上記衝撃又は上記振動を加えること
により、上記金型における上記焼成粉砕PTFE粉末の
充填度を高めて、得られるPTFE多孔体の比重を高く
したり、上記焼成粉砕PTFE粉末を上記金型により均
一に詰め、比重のばらつきを一層小さくしたりすること
ができる。上記衝撃又は上記振動は、手、器具等を用い
て、上記金型等に加えるものである。本発明のPTFE
多孔体製造方法において、上記衝撃又は上記振動は、加
えることによりPTFE多孔体の比重を調整することが
できるが、加えなくともよい。
【0067】気孔の量を減少させず、低比重のPTFE
多孔体を得るためには、上記金型に入れた上記焼成粉砕
PTFE粉末に対する圧力は、0kg/cm、即ち、
上記圧力を加えないことが好ましい。
【0068】上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成の方法と
しては、未焼成の上記PTFE樹脂を焼成する場合と同
様の条件で行うことができる。上記焼成に要する時間と
しては、普通経験的に成形品の厚み1mm当たり5〜8
分が好ましいとされる。上記焼成温度としては、上述の
ように327℃〜400℃の温度範囲であればよいが、
得られるPTFE多孔体の肉厚が150mm以上の厚い
ものである場合、長時間焼成を要するので、肉厚が薄い
ものに比べて比較的低温で焼成を行うことが好ましい。
【0069】上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成に次いで
行う冷却は、焼成に用いた炉の中で20〜50℃/時間
の冷却速度でゆっくり行うことが好ましい。上記冷却速
度を変えることにより、得られるPTFE多孔体の結晶
度を変えることができる。一般に結晶度は大きくなる
程、得られるPTFE多孔体の引っ張り強さは低下し、
伸び率、圧縮強さ、硬さ等は増加する傾向がある。
【0070】上記焼成粉砕PTFE粉末の焼成により得
られた上記PTFE多孔体は、比重が0.4〜1.8で
ある。0.4未満であると、機械的強度に劣る場合があ
り、1.8を超えると、低誘電率等の多孔質としての特
性が得られにくくなる。好ましい下限は0.7であり、
好ましい上限は1.2であり、0.7〜1.2であるこ
とが好ましい。上記比重は、上記PTFE多孔体におけ
る2以上の任意の部分の試験片比重の平均である。
【0071】本明細書において、上記「比重」は、JI
S K 7112(1999) 5.1 A法(水中置
換法)に準拠した比重測定法により求められる値であ
る。上記比重測定方法において、用いられる浸漬液より
も被験物の方が低密度である場合、上記比重測定方法と
同様の方法により求められるが、上記比重測定方法にお
いて、鉛又はその他の高密度材料からなる錘を、試験片
と天秤とを結ぶ金属線に取り付け、被験物を浸漬したと
きに上記錘が上記浸漬液の液面以下になるようにして測
定する。
【0072】上記PTFE多孔体は、上記範囲内の比重
を有し、条件(I)及び/又は条件(II)を満たすも
のであれば特に限定されず、金型の内部表面の形状を複
雑形状であっても忠実に再現したものである。従って、
PTFEとしての耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気的絶
縁性、非粘着性等の特性と、多孔質としての可撓性、気
体の透過等の特性が要求されるもの、特に複雑形状を有
するものに好適に用いることができる。
【0073】PTFE多孔体の用途としてはこのような
特性を活かしたものであれば特に限定されないが、例え
ば、上述したブッシュ、及び、表面に凹凸のある研磨パ
ッドが好ましい。ブッシュとしては自動車用酸素センサ
ーに用いられるものが好ましく、表面に凹凸のある研磨
パッドとしてはCMP用研磨パッドが好ましい。
【0074】上述のPTFE多孔体製造方法により製造
されたPTFE多孔体もまた、本発明の一つである。
【0075】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。以下、上記焼成粉砕PTFE粉末を原料粉末
ということがある。 参考例1 未焼成のPTFE樹脂M−12(商品名、ダイキン工業
社製)を融点以上で焼成し、次いで粉砕した後、分級し
て平均粒子径153μmの低比重成形品成形用原料を得
た。成形用金型としては、図4の模式図に示すような内
径100mmで高さ50mmのシリンダー42、上記シ
リンダー42の内径に接する厚さ15mmの上型41と
厚さ35mmの下型43を用意した。
【0076】上記シリンダー42内に下型43を入れた
後、上記低比重成形品成形用原料58gを入れてならし
た後、上型41を載せ300kg/cmで加圧して成
形した予備成形品を金型から取り出した後、平らなSU
S板上にのせ50℃/時間で昇温し、360℃で1.5
時間焼成した。その後50℃/時間で50℃まで降温
し、25℃の室内に取り出し25℃近くまで冷却した。
得られた成形品は厚みが5mmのシートであり、比重は
約1.3であった。得られたシートには歪みが見られ
た。
【0077】上記成形品に図3の模式的な上面図と断面
図とにより示すような溝幅1mm、溝深さ0.7mmの
溝加工を切削機を用いて行った。この溝加工は、高価な
機械と多大の時間を費やして試みたが、油、切削粉等に
より製品が汚染し、特に角部等においては、寸法精度が
均一で正確な溝加工を施すことは困難であることがわか
った。また、孔に異物が混入すると通常の成形品と異な
り除去することが困難である。
【0078】実施例1 未焼成のPTFE樹脂M−112(商品名、ダイキン工
業社製)を融点以上で焼成し、次いで粉砕した後、分級
して平均粒子径74μmの原料粉末を得た。成形用金型
としては図5の模式図に示すような内径100mmで高
さ50mmのシリンダー52、上記シリンダーの蓋とな
る厚さ15mmの上型51、厚さ35mmの下型53を
用意した。上記下型としては、図6の模式的な上面図と
断面図とにより示すような金型表面に幅1mm、高さ1
mmで正方形の凸状格子模様を備えたものを用いた。シ
リンダー52の中へ図6に示した金型の格子模様を上部
にしてセットし、上記原料粉末73gを入れ、図5の上
型51をならしたPTFE樹脂上に載せた。
【0079】一連の作業でセット完了した金型を370
℃に温度調整した電気炉内に入れ2.5時間焼成した。
焼成後370℃電気炉内から取り出した金型を25℃室
内に移し室温まで冷却した。冷却後得られたPTFE多
孔体を金型から取り出し特性測定すると金型内寸に対し
て成形品外形が5.7%収縮しており、PTFE多孔体
の溝寸法をノギスで測定すると溝幅は約1mm、溝深さ
は0.7mmになっていた。また上記PTFE多孔体の
比重は0.99であった。
【0080】参考例2 未焼成のPTFE樹脂M−111(商品名、ダイキン工
業社製)を360℃で焼成し、次いで粉砕した後、分級
して平均粒子径30μmの細粒パウダーを得た。この細
粒パウダーを用い、厚み方向に弾性のある継ぎ目無し弾
性ベルトの成形を試みた。成形にあたり、図7の模式図
に示す次のようなステンレス製金型を準備した。外径2
76mm、内径266mm、高さ380mmの外金型7
2;外径260mm、内径250mm、高さ380mm
の内金型73を準備した。更に外金型の内径側に内金型
を挿入することで3mmの隙間が生じるので、この隙間
を埋める外径266mm、内径260mm、高さ15m
mの下金型74と、上金型71をそれぞれ準備した。但
し、下金型74及び上金型71の外径は外金型72の内
径より小さめにし、下金型74及び上金型71の内径は
内金型73の外径より大きめにした。
【0081】上記上金型71外金型72内金型73及び
下金型74を組み合わせることにより形成される空間に
は上記細粒パウダーを入れることになるが、上記細粒パ
ウダーと、金型が接する全面はバフがけの鏡面仕上げと
した。なお、直接上記細粒パウダーと接触しない金型面
についても成形品異常防止の点から、軽く研磨を行っ
た。
【0082】上記金型に上記細粒パウダーを入れた後、
金型のズレが生じないよう上金型71を置き、365℃
の電気炉に入れ2時間焼成した。焼成完了後、常温の室
内に取り出し、25℃まで冷却した後、継ぎ目のない円
筒状で成形品比重が1.07の成形品を得た。
【0083】上記成形品の、引っ張り強さ、伸び、算術
平均粗さ〔Ra〕を調べたところ、引っ張り張力は3.
3〜4.6MPa、伸びは118〜125%、算術平均
粗さ〔Ra〕6.4μmであった。
【0084】参考例3 金型に上記細粒パウダーを入れた後、振動を加えて充填
度を高めたこと以外は参考例2と同様にして、成形品比
重が1.12であり、継ぎ目の無い円筒状の成形品を得
た。得られた成形品の引っ張り張力は4.6〜5.1M
Pa、伸びは125〜140%、算術平均粗さ〔Ra〕
6.0μmであった。
【0085】参考例4 参考例2で得た成形品と参考例3で得た成形品の内面
に、Eガラス繊維を用いてニット編みで円筒状に仕上げ
たガラスを接着剤G−17(商品名、コニシ社製)を用
いて接着補強して伸縮防止をすることにより、継ぎ目無
し弾性ベルトを得た。なお、上記ガラスの補強をしなく
とも上記成形品を上記継ぎ目無し弾性ベルトとして用い
ることは充分可能である。
【0086】
【発明の効果】本発明のPTFE多孔体製造方法は、上
述の構成を有するので、金型の内部表面の複雑形状をそ
のまま有するPTFE多孔体を製造することができた。
【0087】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ブッシュの一例を示す模式図である。
【図2】図2は、金型が内壁の表面に有する凹凸の断面
形状の例示を示す模式図である。
【図3】図3は、参考例1で切削機を用いて作製を試み
た研磨パッドの上面図と断面図である。
【図4】図4は、参考例1で用いたシートの加圧成形用
金型の一例を示す模式図である。
【図5】図5は、実施例1で用いた研磨パッドの非加圧
成形用金型の一例を示す模式図である。
【図6】図6は、表面に凹凸のある研磨パッドの成形用
金型の一例を示す模式図である。
【図7】図7は、参考例2〜3の継ぎ目なし弾性ベルト
の成形用金型の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
41 上型 42 シリンダー 43 下型 51 上型(蓋) 52 シリンダー 53 下型 71 上金型 72 外金型 73 内金型 74 下金型
フロントページの続き (72)発明者 石割 和夫 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 田頭 修二 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4F074 AA39 CA52 CC12Z CC30Z CC32Y DA02 DA56 DA59

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成粉砕PTFE粉末を金型に入れた状
    態で焼成し、PTFE多孔体を製造することよりなるP
    TFE多孔体製造方法であって、前記焼成粉砕PTFE
    粉末は、未焼成のPTFE樹脂を前記PTFE樹脂の融
    点以上の温度で焼成した後、粉砕して得られるものであ
    り、前記PTFE樹脂は、テトラフルオロエチレンのホ
    モポリマー及び/又は変性ポリテトラフルオロエチレン
    からなるものであり、前記焼成粉砕PTFE粉末の焼成
    は、前記PTFE樹脂の融点以上の温度で行うものであ
    り、前記PTFE多孔体は、比重が0.4〜1.8であ
    り、前記金型及び前記PTFE多孔体は、下記(I)及
    び/又は下記(II)の条件を満たすものであることを
    特徴とするPTFE多孔体製造方法。 (I)前記金型は、内壁と貫通孔形成用突起部とから形
    成される内部空間を有するものであり、前記貫通孔形成
    用突起部は、前記内壁の少なくとも2箇所を連結するも
    の、及び/又は、表面に凹凸があるものであってもよ
    く、前記PTFE多孔体は、切削することなく得られる
    表面形状が前記内壁と前記貫通孔形成用突起部とが形成
    する表面形状と同一である形状を有するものである。 (II)前記金型は、内壁の表面に凹凸を有するもので
    あり、前記PTFE多孔体は、切削することなく得られ
    る表面形状が前記凹凸の表面形状と同一である形状を有
    するものである。
  2. 【請求項2】 焼成粉砕PTFE粉末の焼成は、金型に
    入れた焼成粉砕PTFE粉末に対して加圧することなく
    行うものである請求項1記載のPTFE多孔体製造方
    法。
  3. 【請求項3】 焼成粉砕PTFE粉末の焼成は、金型に
    入れた焼成粉砕PTFE粉末に衝撃を加えた後に行うも
    のである請求項1又は2記載のPTFE多孔体製造方
    法。
  4. 【請求項4】 貫通孔形成用突起部は、金型1個あたり
    2つ以上である請求項1、2又は3記載のPTFE多孔
    体製造方法。
  5. 【請求項5】 PTFE多孔体の切削することなく得ら
    れる表面形状は、角部を有するものであり、前記角部
    は、180°未満2の角度を有するものである請求項
    1、2、3又は4記載のPTFE多孔体製造方法。
  6. 【請求項6】 PTFE多孔体の比重は、0.7〜1.
    2である請求項1、2、3、4又は5記載のPTFE多
    孔体製造方法。
  7. 【請求項7】 焼成粉砕PTFE粉末は、粒子径が20
    〜500μmであるものである請求項1、2、3、4、
    5又は6記載のPTFE多孔体製造方法。
  8. 【請求項8】 PTFE多孔体は、表面に凹凸のある研
    磨パッドである請求項1、2、3、5、6又は7記載の
    PTFE多孔体製造方法。
  9. 【請求項9】 PTFE多孔体は、ブッシュである請求
    項1、2、3、4、5、6又は7記載のPTFE多孔体
    製造方法。
  10. 【請求項10】 ブッシュは、自動車用酸素センサーに
    用いられるものである請求項9記載のPTFE多孔体製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、5、6、7、8、
    9又は10記載のPTFE多孔体製造方法により製造さ
    れたPTFE多孔体。
  12. 【請求項12】 表面に凹凸のある研磨パッドである請
    求項11記載のPTFE多孔体。
  13. 【請求項13】 請求項4記載のPTFE多孔体製造方
    法により製造されたPTFE多孔体。
  14. 【請求項14】 ブッシュである請求項11又は13記
    載のPTFE多孔体。
  15. 【請求項15】 ブッシュは、自動車用酸素センサー用
    ブッシュである請求項14記載のPTFE多孔体。
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WO2022211067A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 ダイキン工業株式会社 フッ素樹脂組成物、及び、成形体
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