JP2003245511A - 濾 材 - Google Patents

濾 材

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JP2003245511A
JP2003245511A JP2002045138A JP2002045138A JP2003245511A JP 2003245511 A JP2003245511 A JP 2003245511A JP 2002045138 A JP2002045138 A JP 2002045138A JP 2002045138 A JP2002045138 A JP 2002045138A JP 2003245511 A JP2003245511 A JP 2003245511A
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electret
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water
fiber
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JP2002045138A
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Toshiaki Hayashi
敏昭 林
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】廃棄の際、エレクトレット不織布と補強シート
が分離でき環境負荷を低減できるエレクトレット濾材を
提供する。 【解決手段】従来からエレクトレット材料として使用さ
れているポリプロピレンと同等の帯電性を有する脂肪族
ポリエステル繊維で構成されるエレクトレット不織布と
補強材シートが水溶性接着剤で接着一体化さすことによ
り、廃棄時水に浸漬することによりエレクトレット不織
布と補強シートを容易に剥がすことが出来るようにした
エレクトレット濾材。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気中に浮遊する
粒子状物質を除去する濾材に関し、さらに詳しくは、プ
リーツ加工などの加工が可能で、使用後に濾材のうち生
分解性を有する部材と非生分解性の部材を容易に分離す
ることができ、廃棄の際の環境負荷を低減できる濾材に
関するものである。 【0002】 【従来の技術】室内や車内などの生活空間においては、
タバコ煙や花粉などの様々な粒子状物質が浮遊している
が、生活環境の向上に伴い、これら粒子状物質を除去
し、快適な生活環境を維持することに多くの関心が持た
れており、種々の空気清浄機が使用されている。 【0003】空気清浄機には、繊維不織布からなる濾材
をプリーツしたフィルターが使用され、そのフィルター
に空気を流通させて空気中の粒子状物質を濾材で捕集し
て空気の浄化を行っている。そして、濾材には、粒子状
物質を静電気力により高効率で捕集するために、帯電し
たポリプロピレン繊維から構成されるエレクトレット不
織布が広く使用されている。 【0004】エレクトレット不織布は、それ自体の剛性
が低く、単独ではプリーツ加工などの加工ができないた
めに、一般に、繊維径の太い不織布や樹脂含浸処理を行
った不織布など剛性の高い補強材シートと積層一体化し
てエレクトレット濾材として使用される。 【0005】エレクトレット濾材に捕集された粒子状物
質は、エレクトレット不織布を構成する帯電したポリプ
ロピレン繊維の表面に付着して保持されるため、粒子状
物質の捕集量が増えるにつれて、その遮蔽作用により、
帯電したポリプロピレン繊維の静電気力を弱めてしま
い、その結果として、濾材の粒子状物質の捕集効率が低
下していく。 【0006】粒子状物質の捕集効率が低下した使用後の
エレクトレット濾材は、水洗浄などで捕集した粒子状物
質を除去してもその静電気力は回復せず、再生して再使
用することは不可能であるため、廃棄処分されており、
一般に、エレクトレット濾材を構成する材料は合成高分
子であるため、焼却処分されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、使用後
のエレクトレット濾材の廃棄は、少なからず環境負荷の
一因ともなっている状況を鑑み、本発明では、廃棄の際
の環境負荷を低減できるエレクトレット濾材を提供する
ことを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的は、各請求項記
載の発明により達成される。すなわち、本発明に係る濾
材の特徴構成は、脂肪族ポリエステル繊維で構成される
エレクトレット不織布と補強材シートが水溶性接着剤で
接着一体化されたことにある。 【0009】この構成によれば、濾材の使用後に、生分
解性を有する脂肪族ポリエステル繊維で構成されるエレ
クトレット不織布と非生分解性材料である補強材シート
を分離して、生分解性を有するエレクトレット不織布
は、土壌中に埋設処理などにより生分解処理ができ、補
強材シートのみを廃棄処理すれば良いため、焼却処理な
どの環境負荷の大きい方法で処理しなければならない廃
棄物量を低減できる。 【0010】 【本発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に詳
しく説明する。本実施形態に係る濾材は、脂肪族ポリエ
ステル繊維で構成されるエレクトレット不織布と補強材
シートが水溶性接着剤で接着一体化されて構成されてい
る。 【0011】生分解性を有するポリ乳酸などの脂肪族ポ
リエステルは、エレクトレット材料として従来から使用
されてきたポリプロピレンと比較すると帯電特性が大幅
に劣り、特開平11−104416に記載されているよ
うに、それ単体では、実用に供することができるような
エレクトレットにはならないと考えられてきた。しか
し、特開2001−146672には、脂肪族ポリエス
テルがそれ単体でエレクトレットになり得ることが開示
されている。 【0012】本発明者は、これらの知見に基づき、実験
を行った結果、脂肪族ポリエステルはそれ単体で、従来
からエレクトレット材料として使用されているポリプロ
ピレンと同等の帯電特性を有し、実用に供し得るエレク
トレットになることを確認し、脂肪族ポリエステルのエ
レクトレット不織布を使用した廃棄時の環境負荷低減が
可能な濾材を開発するために鋭意検討した結果、本発明
に到達した。 【0013】本発明において、エレクトレット不織布と
は、トラップイオン、両極に移動したイオンや双極子の
配向によって恒久的に静電気帯電したエレクトレット繊
維を含有する不織布であり、該不織布はエレクトレット
繊維単独であっても、エレクトレット繊維と非エレクト
レット繊維を混合した不織布であっても良い。 【0014】エレクトレット不織布を構成する繊維は、
脂肪族ポリエステルであることが必要である。脂肪族ポ
リエステルとしては、ポリ乳酸及びポリ乳酸を主体とす
る熱可塑性樹脂であることが好ましい。ポリ乳酸を主体
とする熱可塑性樹脂としては、乳酸にε−カプロラクト
ンなどの環状ラクトン類、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒ
ドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸などのα−オ
キシ酸類、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ルなどのグリコール類、コハク酸、セバシン酸などのジ
カルボン酸類が共重合されたものを用いることができ
る。共重合体には、ランダム共重合体とブロック共重合
体のどちらも用いることができる。 【0015】エレクトレット不織布の製法や形態は特に
限定されるものではないが、ニードルパンチ法やウォー
ターパンチ法などの短繊維不織布製法やスパンボンド法
やメルトブローン法などの長繊維不織布製法などで、あ
らかじめ脂肪族ポリエステル繊維を不織布化しておき、
その不織布にコロナ荷電、電界荷電、電子線照射、水流
荷電法などの処理を施してエレクトレット化させる方法
や、脂肪族ポリエステルのフィルムにコロナ荷電、電界
荷電、電子線照射などの処理を施してエレクトレット化
させた後に、割繊してエレクトレットフィルムスプリッ
ト繊維とし、該繊維をニードルパンチ法などの適宜な方
法で不織布にする方法などがある。 【0016】エレクトレット不織布の目付は、5〜10
0g/m2であることが好ましい。目付がこれ未満で
は、充分な粒子状物質の除去効率が得られず、これを超
えると、圧力損失が高くなる。 【0017】また、繊維径は、0.1〜50μmである
ことが好ましい。繊維径がこれ未満では、圧力損失が高
く、これを超えると充分な粒状物質の除去効率が得られ
ない。 【0018】本発明において、補強材シートとは、剛性
の低いエレクトレット不織布に接着一体化して剛性を付
与するものであり、これにより、濾材にプリーツ加工な
どの加工性を持たせたり、濾材の使用時の耐風圧性を与
えることができる。 【0019】補強材シートは、濾材に所望する剛性が付
与できるものであれば、どのようなものでも使用可能で
あり、材質や形態は特に限定されないが、繊維経20μ
m以上の繊維を繊維の交点で熱融着した目付50g/m
2以上の不織布や樹脂含浸処理したスパンボンド不織布
などの剛性が大きな不織布が好適である。 【0020】本発明において、エレクトレット不織布と
補強材シートは、水溶性接着剤で積層一体化されて濾材
とされていることが必要である。水溶性接着剤を使用し
ているため、濾材を使用後に水に浸漬することで、接着
剤が水によりその接着性を失って生分解性を有する脂肪
族ポリエステルのエレクトレット不織布と非生分解性で
ある補強材シートを分離回収することができる。 【0021】水溶性接着剤には、ゼラチンなどのタンパ
ク質系接着剤、でんぷん糊やメチルセルロース、ヒドロ
キシセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体や
アラビアゴムなどの含水炭素系接着剤、ポリビニルアル
コール、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸、ポリビ
ニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体、ポリアルキレン
オキシドコポリマーなどの合成樹脂系接着剤などがあげ
られるが、ポリビニルアルコールや酢酸ビニル共重合体
などの合成樹脂系接着剤が好ましい。 【0022】水溶性接着剤の塗布量は3〜100g/m
2が好ましい。この範囲未満では、充分な接着力が得ら
れず、この範囲を超えると、濾材の通気性が損なわれて
圧力損失が高くなる。 【0023】水溶性接着剤の塗布方法は、特に限定され
ず、全体に均一に塗布したり、一定パターンのドット状
や一定間隔の格子状や一定間隔の線状に塗布したり、ラ
ンダムのドット状や蜘蛛の巣状に塗布したりすることが
できる。 【0024】 【実施例】以下に本発明を実施例をあげて説明する。 【0025】(実施例1)繊維経2.3μm、目付30
g/m2のポリ乳酸メルトブローン不織布にコロナ荷電
処理を行ってエレクトレット不織布とした。繊維経45
μmのポリエステル系熱融着短繊維をカード処理した
後、繊維の交点で熱融着した目付80g/m 2の不織布
を補強材シートとし、水溶性接着剤としてポリビニルア
ルコールを使用してエレクトレット不織布に接着一体化
して濾材を作製した。なお、ポリビニルアルコールの塗
布量は、10g/m2であった。 【0026】作製した濾材に室内空気を5cm/sで通
気して、濾材の上流側及び下流側の空気中の0.3〜
0.5μmの粒子個数濃度を光散乱方式の粒子濃度計数
器で測定し、以下の式から粒子状物質除去効率を算出し
た結果、99.96%であった。 粒子状物質除去効率(%)=(1−上流側粒子個数濃度
/下流側粒子個数濃度)×100 【0027】作製した濾材に室内空気を5cm/sで通
気した時の濾材の上流側と下流側の差圧を差圧計で測定
した結果、圧力損失は3.7mmAqであった。 【0028】作製した濾材を温度70℃の水中に浸漬し
て10時間放置したところ、接着剤の接着力は失われて
おり、ポリ乳酸メルトブローン不織布と補強材シートは
容易に剥離して分離することができた。そして、分離し
たポリ乳酸メルトブローン不織布を土壌中に埋設して6
ヵ月後に分解状態を目視で観察したところ、元の形態が
失われて生分解されていることが確認できた。 【0029】(比較例1)エレクトレット不織布と補強
材シートの接着をポリオレフィン系ホットメルト樹脂を
蜘蛛の巣状に塗布量10g/m2で塗布して熱融着で行
った以外は、実施例1と同じにして濾材を作製した。 【0030】作製した濾材の粒子状物質除去効率と圧力
損失を実施例1と同じ方法で測定した結果、粒子状物質
除去効率は99.97%、圧力損失は3.7mmAqで
あった。 【0031】作製した濾材を温度70℃の水中に浸漬し
て10時間放置したが、ポリ乳酸メルトブローン不織布
と補強材シートは強固に接着されており、濾材を剥離し
て分離することはできなかった。濾材をそのまま土壌中
に埋設して6ヵ月後に分解状態を目視で観察したとこ
ろ、ポリ乳酸メルトブローンは生分解されていたが、補
強材シートは元の形態を保ったままで全く生分解されて
いなかった。 【0032】(比較例2)エレクトレット不織布とし
て、繊維経2.3μm、目付30g/m2のポリプロピ
レンメルトブローン不織布にコロナ荷電処理を行ったも
のを使用した以外は、実施例1と同じにして濾材を作製
した。 【0033】作製した濾材の粒子状物質除去効率と圧力
損失を実施例1と同じ方法で測定した結果、粒子状物質
除去効率は99.95%、圧力損失は3.7mmAqで
あった。 【0034】比較例1では、エレクトレット不織布に生
分解性材料を使用しているが、非生分解性材料である補
強材シートとの分離ができないため、使用後の廃棄時に
生分解性の利点が生かせない。これに対して、エレクト
レット不織布に生分解性材料を使用して、非生分解性材
料である補強材シートと水溶性接着剤で接着した実施例
1では、使用後に両者を容易に分離することが可能であ
り、生分解性材料は生分解処理することにより、環境負
荷の低減ができる。また、比較例2の従来から使用され
ているポリプロピレンのエレクトレット不織布からなる
濾材と同等の粒子状物質除去性能も有していることがわ
かる。 【0035】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
廃棄の際の環境負荷を低減できるエレクトレット濾材を
提供することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 脂肪族ポリエステル繊維で構成されるエ
    レクトレット不織布と補強材シートが水溶性接着剤で接
    着一体化されたことを特徴とする濾材。
JP2002045138A 2002-02-21 2002-02-21 濾 材 Withdrawn JP2003245511A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011183389A (ja) * 2004-10-06 2011-09-22 Research Foundation Of State Univ Of New York 高流量かつ低付着の濾過媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011183389A (ja) * 2004-10-06 2011-09-22 Research Foundation Of State Univ Of New York 高流量かつ低付着の濾過媒体

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