JP2003245138A - ブラシの製造方法 - Google Patents

ブラシの製造方法

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JP2003245138A
JP2003245138A JP2002100635A JP2002100635A JP2003245138A JP 2003245138 A JP2003245138 A JP 2003245138A JP 2002100635 A JP2002100635 A JP 2002100635A JP 2002100635 A JP2002100635 A JP 2002100635A JP 2003245138 A JP2003245138 A JP 2003245138A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用毛束の配向性に優れ、且つ用毛がきれいに
整列したブラシを製造することができるブラシの製造方
法を提供すること。 【解決手段】 所定長さに切断された用毛13の集合か
ら所定本数の用毛13を分離する分離工程と、分離され
た用毛13を整列部40に導いて拘束せずにその長さ方
向又は径方向に整列させる整列工程とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシの製造方法
に関わり、特に、歯ブラシの製造に好適なブラシの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ブラシ
の製造方法に関する従来技術としては、欧州特許出願公
開第0972464号の明細書及び図面に記載の技術が
知られている。この技術は、所定長さに切断された用毛
の集合から所定本数の用毛を分離し、分離した該用毛
を、複数の用毛挿入孔を有するキャリアの該用毛挿入孔
に挿入し、該キャリアを該用毛挿入孔がブラシの植毛孔
に対応するように配設し、該挿入孔内にガイダンスプレ
ートを介して突出ピンを挿入し、該挿入孔内に配された
個々の用毛をブラシの植毛孔に挿入するようにしたもの
である。
【0003】ところで、この技術では、用毛束取り出し
装置(用毛束分離装置)で所定本数の用毛束を分離して
キャリアの用毛挿入孔に挿入しているが、用毛束取り出
し装置で分離した用毛は、個々の用毛が折れ曲がってい
たり、ねじれたりして不揃いの状態となる場合が多い。
このため、そのままの状態では、用毛を用毛挿入孔に挿
入し辛いものであった。また、不揃いの用毛をそのまま
用いて得られた歯ブラシは、植毛された用毛束が先端側
で開きやすく、好ましくなかった。
【0004】一方、特許第3226276号には、バイ
スで保持し、用毛束を端から挟み込んで所望の形状に整
形させているが、この方法では、用毛束にねじれが生
じ、完成したブラシにおいて用毛束が先端方向で広がっ
てしまう問題がある。また、植毛基部に用毛を斜めに植
毛したい場合には、バイスの移動方向と植毛孔の挿入方
向とに角度がつくため、この部分において用毛の曲がり
具合に差が出てしまい、そのまま溶融塊を形成すると、
ダイで整えた用毛の先端が乱れてしまい所望の整列形態
を得ることができない問題がある。
【0005】また、特開平7−194433号公報に
は、所定長さに切断された所定本数の用毛を孔付きプレ
ートの貫通内にそれぞれ導き、該貫通孔内で該用毛を拘
束状態で該貫通孔内にプランジャーピンを差し込んで用
毛の先端部の整列形態を形成し、整列された用毛を射出
成形金型に挿入して植毛を行うブラシの製造方法が記載
されている。このため、孔付きプレート内に用毛を導入
するときに、用毛がねじれたりしていると、その後の修
正が困難であり、用毛がきれいに整列したブラシを製造
することが困難であった。
【0006】また、米国特許第5454626号には、
貫通孔を有するキャリア内に用毛を導入し、該キャリア
の一端側に用毛の先端部を整列させる整列孔を有する配
列プレートを配し、該キャリアの他端側から空気を送り
込んで用毛の先端部を整列孔の先端部に押し当てて用毛
の先端部を整列させる方法が開示されているが、この方
法では、貫通孔が多列に配されている場合に、各貫通孔
へ平均した空気量を供給することが困難となり、各貫通
孔における用毛の整列にばらつきが生じやすくなるた
め、用毛がきれいに整列したブラシを製造することが困
難であった。
【0007】また、特開平3−215211号公報に記
載の技術は、貫通孔を有する型内に用毛先端の整形孔を
有する多孔質体を配するとともに、前記貫通孔に連通す
るように植毛孔を合わせて固定板を該型に固定し、所定
長さの用毛束を供給導管を通じて気流を用いて移送する
一方で、型内の前記多孔質体を通じて移送されてきた用
毛を吸引し、用毛を所定の向きに配向させるようにした
ものである。しかし、この方法では、供給導管の周壁部
の抵抗によって用毛束の内部の用毛が先に進みやすくな
るため、移送の途中で用毛束の内部と外周部とで前後に
ずれが生じ易くなり、その後に用毛がきれいに整列した
ブラシを製造することが困難であった。
【0008】従って、本発明の目的は、用毛束の配向性
に優れ、且つ用毛がきれいに整列したブラシを製造する
ことができるブラシの製造方法及び装置を提供すること
にある。ここで、用毛束の配向性に優れるとは、用毛束
を構成する個々の用毛が、ねじれたり折れ曲がったりせ
ずに、その長さ方向に伸び、束としてきれいにまとまっ
ている状態をいい、用毛がきれいに整列している状態と
は、前記用毛束の配向性と合わせて、用毛束の先端部が
所望の形状となるように個々の用毛の先端が所定の整列
形態にきれいに整列していることをいう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定長さに切
断された用毛の集合から所定本数の該用毛を分離する分
離工程と、分離された前記用毛を整列部に導いて拘束せ
ずにその長さ方向又は径方向に整列させる整列工程とを
具備するブラシの製造方法を提供することにより、前記
目的を達成したものである。
【0010】また、本発明は、所定長さに切断された多
数の用毛を集積させる集毛手段と、該集毛手段で集積さ
れた前記用毛の集合から所定本数の該用毛を分離して所
定位置に移送する分離移送手段と、分離移送された前記
用毛を拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる
整列手段とを備えているブラシの製造装置を提供するこ
とにより、前記目的を達成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、その好ましい実
施形態として、歯ブラシの製造に適用した実施形態に基
づいて、図面を参照しながら説明する。
【0012】図1〜図10は、本発明のブラシの製造装
置を歯ブラシの製造装置(以下、単に製造装置ともい
う。)に適用した一実施形態を示すものである。これら
の図において符号1は製造装置、11は歯ブラシ本体、
12は植毛基部、12aは植毛基部12に設けられた植
毛孔を示している。
【0013】図1〜3に示すように、製造装置1は、所
定長さに切断された多数の用毛13を集積させる集毛手
段2と、集毛手段2で集積された用毛13の集合から所
定本数の用毛13を分離して所定位置に移送する分離移
送手段3と、分離移送された用毛13を整列部40内で
拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる第1整
列手段4と、分離移送された用毛13を整列部(一の整
列部)40に導く用毛導入手段5と、整列された用毛1
3を整列部(他の整列部)60内で拘束せずにさらにそ
の長さ方向又は径方向に整列させる第2整列手段6と、
整列部40で整列された用毛13を整列部60に導く用
毛導入手段7と、整列部60で整列された用毛13を整
列部60の外へ送り出す用毛の送出手段8と、送出手段
8で送出された用毛13を所定方向に配向させる配向手
段9とを備えている。
【0014】図4に示すように、前記集毛手段2は、所
定長さに切断された多数の用毛13を起立状態で集積さ
せる装置である。集毛手段2は、ベーステーブル20上
に設けられた溝状の集積部21と、集積部21内に起立
状態で揃えられて密に集積された用毛13を後方から前
方に向けて押圧して用毛13を所定の集積密度で集積さ
せる押圧部22と、集積部21内の用毛13を前方に安
定した集積密度で繰り出す二組の繰り出しローラー2
3、24とを備えている。押圧部22は、用毛13を押
圧するブレード22aと、ブレード22aを集積部21
の前後方向(以下、x方向ともいう。)に移動させるシ
リンダーユニット22bとを備えている。
【0015】図5及び図6に示すように、前記分離移送
手段3は、前記集毛手段2の前方においてx方向と略直
交する方向(以下y方向ともいう。)に沿って配され、
前記集積部内に集積された前記用毛の集合から所定本数
の用毛を分離して所定位置に移動する装置である。分離
移送手段3は、断面が略U字状の鞘部30と、鞘部30
内に配されて所定本数の用毛を分離するピッカー31
と、鞘部30及びピッカー31をy方向に往復動させる
駆動部32とを備えている。
【0016】鞘部30は、y方向に所定間隔をおいてy
方向に所定幅で切り欠かれた二つの窓30a、30bを
有しており、これらの窓30a、30bを前記集積部2
1側に向けて略水平且つy方向に往復動自在に配設され
ている。
【0017】図6に示すように、ピッカー31は鞘部3
0内に摺動自在に配された細長い板状の部材で構成され
ている。ピッカー31は、前記窓30bを通じて後述す
る駆動部32のスライダー32hに接続されている。ピ
ッカー31には、前記窓30a内で前記集積部21内に
集積された所定数の用毛13を分離する凹部31aが設
けられている。窓30aには、その開口幅を調整する平
面視L字状の開口幅調整部材30cが取り付けられてお
り、この開口幅調整部材30cの先端部と前記凹部31
aとの間で用毛を挟持するように設けられている。この
開口幅調整部材30cは取り付け基部に長孔(ルーズホ
ール)を有しておりこのルーズホールを介して鞘部30
に螺着されている。そして、この螺着位置を変更するこ
とによって窓30aの開口幅を調整し、分離する用毛の
本数を調整できるようになっている。開口幅調整部材3
0cは前記取り付け基部から屈曲する屈曲部30dにス
リット30eが形成されており、ピッカー31との間で
用毛を分離したときに用毛が屈曲部30dの端面とピッ
カー31の突起部(凹部31aの先端部の鋭角部分)と
の間につまるのを防止できるようになっている。
【0018】図5に示すように、駆動部32は、ベース
テーブル32a上にx方向に沿って配され、主駆動ユニ
ット(図示せず)のモーターの駆動力が伝達されて回転
するカム軸32bと、カム軸32bに固定されたホイー
ル32cと、カム軸32bに対して偏芯位置になるよう
にホイール32cに配されたクランク軸32dと、一端
部がクランク軸32dに連結され且つ他端部がベーステ
ーブル32a上にピン支持された揺動シャフトに連結さ
れた連結ロッド32eと、ベーステーブル32a上にピ
ン支持され且つ連結ロッド32eにルーズホールを介し
て中間部が連結された揺動ロッド32fと、揺動ロッド
32fの先端部に連結されその揺動に伴って、y方向に
伸びるガイドレール32gに沿って水平に往復移動する
スライダー32hとを備えている。そして、このスライ
ダー32hが、前記ピッカー31と前記窓30bを通じ
て連結材32jで連結され、ピッカー31がy方向に往
復移動できるように設けられ、さらに連結材32jが窓
30bの縁部に当接することで鞘30もy方向に往復移
動できるように構成されている。なお、連結ロッド32
eは2つのロッド部材がピンで連結されて構成されてい
る。
【0019】スライダー32hの往復移動の距離は前記
窓30bの幅よりも長く設定されており、ピッカー31
の往復動と鞘部30の往復動との間に僅かにタイミング
がずれるように設けられており、これにより、用毛の挟
持が瞬間的に解かれるようになっている。
【0020】図1及び図7に示すように、前記第1整列
手段4は、前記整列部40をそれぞれ内部に有する整列
スリーブ41と、これらの整列スリーブ41が装着され
るローター42と、ローター42をその中心の主軸42
a周りに間欠的に水平回転させる駆動部43と、整列ス
リーブ41の周回軌道の上方に配されて整列部40内に
配された用毛の上端部をタップしてそれらを長さ方向に
整列させる3種類のタップピン44、45、46と、こ
れらのタップピン44〜46をそれぞれ所定のタイミン
グで上下動させる上下動機構47(図2、3参照)と、
整列部40内にエアーを吹き付けるエアーブロワー48
と、クリーニング用のエアブロワー(図示せず)とを備
えている。
【0021】図1に示すように、整列部40は、上端開
口部が上方に向けて拡開するテーパー状の形態を有して
おり、前記分離移送手段3で分離された用毛13が当該
整列部40に確実に導入できるようになっている。
【0022】整列部40の長さは、用毛13の端部の広
がりを防ぐほか、整列部40内で気流を使用して効果的
に用毛13を整列できる点から、前記拡開している部分
を除いた直線部分の長さL1が用毛13の長さの100
〜200%であることが好ましい。
【0023】整列部40の前記直線部分におけるその軸
方向に直交する断面形状は、前記植毛基部12の植毛孔
(直線部分)12aの軸方向に直交する断面形状よりも
大きく設けられている。また、整列部40の前記直線部
分におけるその軸方向に直交する断面積は、用毛間を流
れる気流によって用毛を拘束せずにその長さ方向又は径
方向に整列させる点から、用毛が導入されたときの空隙
率が40〜55%となるようにすることが好ましい。こ
こで、空隙率とは、(整列部40の前記直線部分におけ
るその軸方向に直交する断面積−(導入される用毛の軸
方向に直交する総断面積))/(整列部40の前記直線
部分におけるその軸方向に直交する断面積)の百分率で
ある。導入される用毛の太さが同じである場合には、導
入される用毛の軸方向に直交する総断面積は、(導入さ
れる用毛の総数)×(一本の用毛の軸方向に直交する断
面積)である。
【0024】整列部40は、前記空隙率を有する形態
で、植毛孔12aの軸方向(挿入深さ方向)に直交する
断面形態に相似形とすることが好ましいが、後述する挿
入スリーブ61の変更のみで種々の断面形状の植毛孔1
2aや挿入孔90に用毛を挿入できるようにし、整列ス
リーブ41に汎用性を持たせる場合には、予想される植
毛孔12aの軸方向(挿入深さ方向)に直交する断面積
より大きな円形又は楕円形等の形状とすることが好まし
い。
【0025】図1に示すように、整列スリーブ41の周
壁部の下方部には、内部から外部に通じる複数の通気路
41aが等間隔で放射状に設けられている。そして、こ
れらの通気路41aを通じて整列部40内を負圧吸引す
ることで、導入時の自由落下による用毛13の跳ね返り
を防止できるようになっている。また、この通気路41
aを通じて整列部40内を吸引することで、用毛13の
一部が整列部40の外側即ち整列スリーブ41の内面側
に移動し、整列部40内における用毛13どうしに間隔
を作りやすくして用毛13の整列がスムーズに行われる
ようになっている。さらに、この通気路41aを通じて
整列部40内を吸引し続けることで、整列部40内で用
毛13を吸引保持し、ローター42が回転している間に
も用毛13を安定的に移送できるようになっている。
【0026】通気路41aは、整列部40の挿入先端部
で負圧吸引によって保持し、整列部60に移送する際
に、用毛13を移送完了近くまで確実に保持する点から
整列スリーブ41の下端から3〜10mmの位置に設け
ることが好ましい。一つの通気路41aの断面積は、用
毛13の引掛かりを防止して、整列部40内に十分な負
圧吸引力を与えて用毛13を保持できる点から7×10
−3〜3×10−2mmであることが好ましい。通気
路41aは、放射状に略均等に4〜16本形成すること
が好ましい。
【0027】図7に示すように、本実施形態では、整列
スリーブ41は、隣り合う整列スリーブ41どうしがロ
ーター42の中心を結んで作る角度が略45度(ロータ
ー42を平面視したときの9時の位置を0度としたとき
に45度おき)となるようにローター42の周縁部に挿
嵌されている。
【0028】ローター42は、後述するローター62と
部分的に重なり合うように配設されている。ローター4
2は、当該ローター42を平面視したときの3時の位置
と、ローター62を平面視したときの9時の位置におい
て前記整列スリーブ41と後述する挿入スリーブ61と
が同一軸上に位置するように配設されている。
【0029】図8に示すように、ローター42の周縁部
には貫通孔42bが設けられており、整列スリーブ41
はこれらの貫通孔42bに挿嵌されている。ローター4
2の下方には、その底面部との間に隙間を有して底板4
2cが回動不能に固定されている。底板42cには、前
記0度の位置にある整列スリーブ41の整列部40の外
側に位置するように通気孔(図示せず)が設けられてお
り、後述の用毛導入手段5の吸引管路50に通じて負圧
吸引することで整列部40内に下方に向かう気流が生じ
るようになっている。また、底板42cには、整列スリ
ーブ41の180度の回転位置に対応する部分が所定幅
で切り欠かれた凹部(図示せず)が形成されており、こ
の凹部において後述する整列スリーブ41から挿入スリ
ーブ61への用毛の移行が行えるようになっている。
【0030】駆動部43は、所定の角度に割付可能なイ
ンデックスユニット43aを主体として構成されてい
る。インデックスユニット43aの入力軸には、前記モ
ーターの駆動力が前記カム軸32b(図2参照)を介し
て伝達されるようになっている。インデックスユニット
43aの鉛直方向の出力軸は、前記主軸42aに接続さ
れており、これによってローター42が反時計回りに略
45度ずつ間欠的に回転するようになっている。
【0031】前記タップピン44〜46は、ローター4
2の回転位置に応じてその先端形状が異なっている。タ
ップピン44は用毛13が整列部40の入り口付近から
突出する場合に対応するようにタップする面積が広い形
態となっており、タップピン45、46に進むにつれて
整列部40に深く挿入してタップできるようにそのタッ
プする面積が小さくなる形態となっている。
【0032】図1及び図7に示すように、本実施形態で
は、ローター42を平面視したときの9時の位置を0度
とすると、0度の位置で整列スリーブ41内へ用毛が導
入され、0度から反時計回りに、45度、90度及び1
35度の位置でそれぞれ前記タップピン44、45及び
46によって用毛の上端部がタップされ、180度の位
置で後述の挿入スリーブ61への移送が行われるように
なっている。なお、同315度の位置では、クリーニン
グ用の前記エアブロワーで整列スリーブ41内のクリー
ニングが行われるようになっている。
【0033】前記タップピン44〜46をそれぞれ所定
のタイミングで上下動させる上下動機構47は、図2に
示すように、一部が前記分離移動手段3の駆動部32と
兼用されており、前記カム軸32bと、前記ベーステー
ブル32aに立設された一対の支持フレーム47aによ
ってx方向に水平に支持された2本の支持軸47b、4
7c(図3参照)と、支持軸47bに回動自在に連結さ
れた3本のアーム44a、45a、46aと、これらの
アームにそれぞれ取り付けられたカムフォロア(45
b、46bのみ図示)と、前記支持軸47bに回動自在
に連結された3本のアーム(45c、46cのみ一部を
図示)と、これらの3本のアームをそれぞれ連結する連
結ロッド(図示せず)と、該アームの先端部にそれぞれ
ピン結合された上下動ロッド(図示せず)と、これら上
下動ロッドの上下動をそれぞれガイドするスライドガイ
ド(図示せず)とを備えている。タップピン44〜46
は、前記上下動ロッドの先端部にそれぞれ取り付けられ
ている。
【0034】上記構成において、カム軸32bが回転す
ると、前記カムフォロアによって前記各アームが支持軸
47bを支点としてそれぞれ揺動し、前記連結ロッドを
介して前記各アームが支持軸47cを支点としてそれぞ
れ揺動する。そして、前記上下動ロッドがそれぞれ前記
スライドガイドに沿って上下動することで、各タップピ
ン44〜46が所定のタイミングで上下動するように構
成されている。
【0035】図1及び図8に示すように、前記用毛導入
手段5は、前記0度の位置にある前記整列スリーブ41
の下方に配された吸引管路50と、吸引管路50を通じ
て整列部40内に下向きの気流を生じさせる負圧源(図
示せず)とを備えている。そして、整列部40内に下方
に向かう気流を生じさせることによって、前記分離移動
手段3で分離された用毛13を整列部40内に素早く且
つスムーズに導入できるようになしてある。
【0036】図1及び図5に示すように、本実施形態で
は、前記分離移送手段3によって分離された用毛13
が、より確実に整列部40に導入されるように、分離移
送手段3によって所定位置に移送された用毛13を上方
から強制的にタップして落下させる押圧ロッド51と、
押圧ロッド51を上下動させる上下動機構52とを備え
ている。
【0037】押圧ロッド51は、ベーステーブル32a
上に立設された支持フレーム51aに上下動自在に支持
されている。
【0038】上下動機構52は、図2及び図5に示すよ
うに、一部が前記分離移動手段3の駆動部32及び前記
第1整列手段4の上下動機構47と兼用されており、前
記カム軸32bと、前記支持軸47bと、支持軸47b
に回動自在に連結されたアーム52aと、アーム52a
に取り付けられたカムフォロア52bとを備えている。
そして、カム軸32bが回転すると、これに当接するカ
ムフォロア52bによってアーム52aが支持軸47b
を支点として揺動しその先端部で押圧ロッド51を上下
動させるようになっている。
【0039】前記第2整列手段6は、前記第1整列手段
4で整列された用毛を拘束せずに長さ方向又は径方向に
整列させる装置である。第2整列手段6は、図1、図7
及び図8に示すように、整列部60を有する8本の筒状
の挿入スリーブ61と、これらの挿入スリーブ61が等
間隔おきに装着されるローター62と、ローター62を
間欠的に回転させる駆動部63と、挿入スリーブ61の
周回軌道の上方に配されて整列部60内に配された用毛
13の上端部をタップしてそれらを長さ方向にさらに整
列させる3種類のタップピン64、65、66と、これ
らのタップピン64〜66をそれぞれ所定のタイミング
で上下動させる上下動機構67と、前記整列部60内に
エアーを吹き付けるエアーブロワー68と、クリーニン
グ用のエアブロワー(図示せず)とを備えている。
【0040】整列部60は、上端開口部が上方に向けて
拡開するテーパー状の形態を有しており、前記第1整列
手段4で整列された用毛13が当該整列部60に確実に
導入できるようになっている。整列部60の直線部分に
おけるその軸方向に直交する断面形状は、前記植毛基部
12の植毛孔12aにおける直線部分のその軸方向に直
交する断面形状と略同形状(相似形)に設けられてい
る。
【0041】整列部60の長さは、挿入ピン81で用毛
13の端面を確実に捕らえて挿入できるようにする点か
ら、前記拡開している上端開口部を除いた直線部分の長
さL2が用毛13の長さの100〜150%であること
が好ましい。また、整列部60の直線部分におけるその
軸方向に直交する断面の面積は、用毛間を流れる気流に
よって用毛を拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列
させ、且つ整列部40より低い空隙率にして植毛孔12
aに安定して導入する点から用毛が導入されたときの前
記空隙率が32%〜40%となるようにその断面積を設
けることが好ましい。
【0042】図9に示すように、挿入スリーブ61の周
壁部には、外部から前記整列部60に通じるよう一対の
通気路61aが形成されている。そして、これらの通気
路61aを通じて整列部60内を負圧吸引することで、
挿入スリーブ61内から用毛13が落下することを防止
できるようになっている。
【0043】また、本実施形態では、通気路61aの開
口部は、挿入ピン81の先端部が露出する形態を有して
いる。通気路61aの開口部の形態をこのような形態と
することで、後述するように挿入ピン81で用毛13を
押し出して送り出すときに、挿入ピン81の先端部81
aが通気路61aの開口部を通過すると、用毛13の上
端部が挿入ピン81の先端部81aの形態に素早くに揃
えられる。これにより、用毛13をその先端部を挿入孔
90の先端部の形態に合わせて容易に挿入することがで
きる。なお、この通気路61aは、前記整列スリーブ4
1における通気路41aにおけるように、用毛の保持を
目的とするものとすることもできる。
【0044】挿入スリーブ61の上方部には外方に張り
出すフランジ部61bが形成されている。このフランジ
部61bは一部が直線状に形成された位置合わせ部61
cを有しており、挿入スリーブ61を後述の装着ロッド
80iに装着する際の位置決めが容易に行えるようにな
っている。
【0045】図7及び図8に示すように、挿入スリーブ
61は、後述する用毛の送出手段8の装着ロッド80i
に装着されている。挿入スリーブ61は、図7に示すよ
うに、隣り合う挿入スリーブ61どうしがローター62
の中心を結んで作る角度が略45度となるように配され
ている。
【0046】ローター62には、挿入スリーブ61が、
後述する用毛の送出手段8の上下動機構80によって上
下動できるように凹部62aが設けられている。ロータ
ー62の外周面には、ギア(ギアの歯)62bが形成さ
れている。
【0047】ローター62は、主軸62cにベアリング
を介して取り付けられており、主軸62cは、前記イン
デックスユニット43aに固定された支持材に立設され
ている。ローター62の下方には、その底面部との間に
所定の隙間を有して底板62dが回動不能に固定されて
いる。底板62dには、挿入スリーブ61の前記0度及
び180度の位置に対応する部分が所定幅で切り欠かれ
た凹部(図示せず)が形成されており、これらの凹部に
おいて整列スリーブ41から挿入スリーブ61への用毛
13の移行、及び後述する挿入スリーブ61と挿入ピン
81とによる用毛束13の挿入孔90への挿入が行える
ようになっている。
【0048】前記駆動部63は、前記インデックスユニ
ット43aの前記出力軸に固定されたギア63aで構成
されている。そして、このギア63aがローター62の
前記ギア62bの歯と噛み合うことでローター62が時
計回りに略45度ずつ間欠回転するようになっている。
【0049】前記タップピン64〜66は、前記タップ
ピン44〜46と同様に、ローター62の回転位置に応
じてその先端形状が異なっている。タップピン64は用
毛13が整列部60の入り口付近から突出する場合に対
応するようにタップする面積が広い形態となっており、
タップピン65、66に進むにつれて整列部60に深く
挿入してタップできるようにそのタップする面積が小さ
くなる形態となっている。
【0050】図1及び図7に示すように、本実施形態で
は、ローター62を平面視したときの9時の位置を0度
とすると、0度の位置で整列スリーブ41から挿入スリ
ーブ61へ用毛が移送され、0度から時計回りに、45
度、90度及び135度の位置でそれぞれタップピン6
4、65及び66によって用毛の上端部がタップされ、
180度の位置でxyステージユニット92に固定され
た前記用毛束保治具の挿入部への用毛の挿入が行われる
ようになっている。なお、同270度の位置では、クリ
ーニング用のエアブロワー(図示せず)で挿入スリーブ
61内のクリーニングが行われるようになっている。
【0051】図2及び図3に示すように、前記タップピ
ン64〜66をそれぞれ所定のタイミングで上下動させ
る上下動機構67は、一部が前記分離移動手段3の駆動
部32及び前記第1整列手段4の上下動機構47と兼用
されており、前記カム軸32bと、前記支持軸47b、
47cと、支持軸47bに回動自在に連結された3本の
アーム(65aのみ図示)と、これらのアームにそれぞ
れ取り付けられたカムフォロア(65bのみ図示)と、
前記支持軸47bに回動自在にそれぞれ連結された3本
のアーム(65cのみ図示)と、これらの3本のアーム
どうしをそれぞれ連結する連結ロッド(65dのみ図
示)と、前記アームの先端部にそれぞれピン結合された
上下動ロッド(65eのみ図示)と、これら上下動ロッ
ドの上下動をそれぞれガイドするスライドガイド(65
fのみ図示)とを備えている。前記タップピン64〜6
6は、前記上下動ロッドの先端部にそれぞれ取り付けら
れている。
【0052】上記構成において、カム軸32bが回転す
ると、例えば、前記カムフォロア65bによってアーム
65aが支持軸47bを支点として揺動し、連結ロッド
65dを介してアーム65cが支持軸47cを支点とし
て揺動する。そして、上下動ロッド65eがスライドガ
イド65fに沿って上下動することで、タップピン65
所定のタイミングで上下動するように構成されている。
タップピン64、66も同様の機構で上下動するように
なっている。
【0053】図8に示すように、前記用毛導入手段7
は、前記0度の位置にある前記挿入スリーブ61の下方
に配された吸引管路70と、吸引管路70内に配されて
上下動する受取ピン71と、受取ピン71を上下動させ
る上下動機構72と、吸引管路70を通じて整列部60
内に下向きの気流を生じさせる負圧源(図示せず)と、
整列された毛束13を挿入スリーブ61の整列部60内
に押し込む押し込みピン73(図1参照)と、押し込み
ピン73を所定のタイミングで上下動させる上下動機構
74(図2参照)とを備えている。
【0054】受取ピン71の軸方向に直交する断面積
は、挿入スリーブ61の整列部60の先端(下端)にお
ける軸方向に直交する断面積よりも広く設けられてい
る。受取ピン71と吸引管路70との間には隙間が設け
られており、前記負圧源の吸引力がこの隙間を通じて伝
わるようになっている。
【0055】受取ピン71の上下動機構72は、図3に
示すように、前記インデックスユニット43aにおける
前記入力軸の逆側の入力軸に取り付けられたカム72a
と、ベースプレート32a上にx方向に略水平に支持さ
れた支持軸72bと、支持軸72bに回動自在に支持さ
れたアーム72cと、アーム72cの先端部に取り付け
られたカムフォロア72dと、アーム72cの中間部に
取り付けられた上下動ロッド72eと、上下動ロッド7
2eの上下動をガイドするスライドガイド72fとを備
えている。受取ピン71は、図8に示すように、上下動
ロッド72eの先端部に取り付けられている。
【0056】そして、カム72aが回転すると、これに
当接するカムフォロア72dによってアーム72cが支
持軸72bを支点として揺動し、上下動ロッド72eが
スライドガイド72fに沿って上下動することで、受取
ピン71が所定のタイミングで上下動し、整列スリーブ
41から押し出されて挿入スリーブ61に内に導入され
た用毛13を受けるようになっている。受取ピン71
は、その上死点においてその上端面が、前記底板62d
の上面に対し面一又は上に位置するようになっている。
【0057】押し込みピン73の上下動機構74は、図
2に示すように、一部が前記分離移送手段3の駆動部3
2及び前記第1整列手段4の上下動機構47と兼用され
ており、前記カム軸32bと、前記支持軸47b、47
cと、支持軸47bに回動自在に連結されたアーム73
aと、アーム73aに取り付けられたカムフォロア73
bと、前記支持軸47cに回動自在に連結されたアーム
73cと、これらアーム73a、73cどうしを連結す
る連結ロッド(図示せず)と、アーム73cの先端部に
結合された上下動ロッド(図示せず)と、該上下動ロッ
ドの上下動をガイドするスライドガイド(図示せず)と
を備えている。押し込みピン73は、該上下動ロッドの
先端部に取り付けられている。
【0058】上記構成において、カム軸32bが回転す
ると、これに当接するカムフォロア73bによってアー
ム73aが支持軸47bを支点として揺動し、前記連結
ロッドを介してアーム73cが支持軸47cを支点とし
て揺動する。そして、上下動ロッドがスライドガイドに
沿って上下動することで、押し込みピン73が所定のタ
イミングで上下動し、整列された用毛13を整列スリー
ブ41から押し出せるようになっている。
【0059】そして、受取ピン71をその上端面が前記
底板62dの上面に対し略面一か又は上(挿入スリーブ
61の下端近傍)まで上昇させた状態で、前記吸引管路
70を通じて前記負圧源で整列部60内に下方に向かう
気流を生じさせる一方で、前記押し込みピン73で用毛
13を上方より押し込み、整列部60内に用毛13を素
早く導入できるようになしてある。
【0060】押し込みピン73の外周面と前記整列部4
0の直線部分の内周面との間には、押し込みピン73が
整列部40に噛み込むこと、及び用毛13が押し込みピ
ン73と整列部40との間へ噛み込むことを防止する点
から、用毛13の直径よりも狭い所定のクリアランス
(押し込みピン73の外周と整列部40の前記直線部分
における内周との最大隙間)を設けることが好ましい。
該クリアランスは、0.03〜0.15mmであること
が好ましい。
【0061】前記用毛の送出手段8は、前記挿入スリー
ブ61を上下動させる上下動機構80(図8参照)と、
前記整列部60で整列された用毛を、後述の用毛束保持
治具91の挿入孔90に挿入する挿入ピン81(図9参
照)と、挿入ピン81を所定のタイミングで上下動させ
る上下動機構82(図3参照)とを備えている。
【0062】図2、図3及び図8に示すように、挿入ス
リーブ61の上下動機構80は、一部が前記分離移送手
段3の駆動部32及び前記第1整列手段4の上下動機構
47と兼用されており、前記カム軸32bと、前記支持
軸47bと、前記支持フレーム47aによって支持軸4
7c上にx方向に水平に支持された支持軸80a(図3
参照)と、支持軸47bに回動自在に連結されたアーム
80b(図2参照)と、アーム80bに取り付けられた
カムフォロア80cと、前記支持軸80aに回動自在に
連結されたアーム80d、これらアーム80b、80d
どうしを連結する連結ロッド80eと、アーム80dの
先端部に結合された上下動ロッド80fと、前記主軸6
2dの上端に固定され、上下動ロッド80fの上下動を
ガイドするスライドガイド80gと、前記ローター62
上に固定されたスライドガイド80hと、スライドガイ
ド80hに沿って上下動するL字状の装着ロッド80i
と、上下動ロッド80fと装着ロッド80iとの間に介
在される部材80jとを備えている。本実施形態では、
スライドガイド80h及び装着ロッド80iは、挿入ス
リーブ61の数に対応して8基ずつ配設されている。各
装着ロッド80iの上端部には部材80j及び後述の周
溝62fに沿って周回を移動可能なローラー80kが取
り付けられている。
【0063】図8に示すように、前記部材80jは凹状
の断面形態を有しており、この断面形態は前記主軸62
cの上端に固定されたロータリーガイド62eの外周面
に設けられた周溝62fに対応する形態となっている。
ロータリーガイド62eの周縁の平面視して3時の部位
は凹部62gが形成されており、部材80jはこの凹部
62g内において上下動できるように上下動ロッド80
fの先端部に固定されている。部材80jは、定位置に
あるときは周溝62fの端部間を結んでロータリーガイ
ド62eの全周に溝を形成している。
【0064】上記構成において、カム軸32bが回転す
ると、これに当接するカムフォロア80cによってアー
ム80bが支持軸47bを支点として揺動し、連結ロッ
ド80eを介してアーム80dが支持軸80aを支点と
してそれぞれ揺動する。そして、上下動ロッド80f及
び装着ロッド80iがそれぞれスライドガイド80g及
び80hに沿って上下動し、挿入スリーブ61が所定の
タイミングで上下動するように構成されている。
【0065】挿入ピン81は、挿入ピン81が整列部6
0に噛み込むこと、及び用毛13が挿入ピン81と整列
部60との間へ噛み込むことを防止する点から、用毛1
3の直径より狭い所定のクリアランス(挿入ピン81の
外周と整列部60の前記直線部分における内周との最大
隙間)を設けることが好ましい。該クリアランスは、
0.03〜0.15mmであることが好ましい。また、
挿入ピン81の先端形状は、後述の用毛束保持治具91
の挿入孔90の先端形状と略対応した形状で且つ階段状
に設けられていることが好ましい。
【0066】挿入ピン81の上下動機構82は、図2及
び図3に示すように、一部が前記分離移送手段3の駆動
部32及び前記第1整列手段4の上下動機構47と兼用
されており、前記カム軸32bと、前記支持軸47b、
47cと、支持軸47bに回動自在に連結されたアーム
82aと、アーム82aに取り付けられたカムフォロア
82bと、前記支持軸47cに回動自在に連結されたア
ーム82cと、これらアーム82a、82cどうしを連
結する連結ロッド82dと、アーム82cの先端部に結
合された上下動ロッド82eと、上下動ロッド82eの
上下動をガイドするスライドガイド82fとを備えてい
る。挿入ピン81は、上下動ロッド82eの先端部に取
り付けられている。
【0067】上記構成において、カム軸32bが回転す
ると、これに当接するカムフォロア82bによってアー
ム82aが支持軸47bを支点として揺動し、連結ロッ
ド82dを介してアーム82cが支持軸47cを支点と
して揺動する。そして、上下動ロッド82eがスライド
ガイド82fに沿って上下動することで、挿入ピン81
が所定のタイミングで上下動するようになっている。
【0068】本実施形態では、上下動機構80、82
は、ローター62が当該ローター62を平面視したとき
の3時の位置に達したときに、挿入スリーブ61及び挿
入ピン81が上下動し、整列部60内の用毛13を用毛
束保持治具91の挿入孔90に挿入するようになってい
る。
【0069】前記配向手段9は、前記送出手段8で送出
された用毛を配向させる装置であり、図9に示す挿入孔
90を有する用毛束保持治具91と、用毛束保持治具9
1を水平面内で二次元移動可能なxyステージユニット
92(図2及び図3参照)とを備えている。なお、製造
するブラシにおいて一つの用毛束における毛先を凹凸の
ある形状とする場合には、用毛束保持治具91を用毛束
の長さに対応して鉛直方向に上下動可能で且つ水平面内
で二次元移動可能なxyzステージユニットを用いるこ
ともできる。
【0070】図9に示すように、用毛束保持治具91
は、歯ブラシ本体11の植毛基部12に対応した凹部9
1aを有する上板部91bと、その下方に配された中板
部91cと、さらにその下方に固定された下板部91d
とを有している。前記挿通孔90は、上板部91bから
下板部91dに通じるように所定の向きに形成されてい
る。中板部91cは、前後動自在に配されており、用毛
13が挿入孔90内に挿入された状態で当該用毛13に
せん断方向の力が働くようにスライドさせることで、用
毛13の配向後に当該用毛束保持治具91を移動させる
場合に、挿入孔90内に挿入された用毛13の配向にず
れが生じないようになっている。
【0071】前記xyステージユニット92は、図2及
び図3に示すように、前記用毛束保持治具91を水平面
に沿って二次元移動させる装置であり、用毛束保持治具
91上に固定された前記歯ブラシ本体11の基板部12
の植毛孔12aが、前記挿入ピン81の昇降位置に位置
決めされるように、用毛束保持治具91を移動させる。
【0072】製造装置1は、前記各手段を所定のシーケ
ンスに従って同期して作動させるシーケンサーを備えた
制御部(図示せず)を有しており、用毛13の分離から
挿入までの一連の動作は全て自動で行われるように構成
されている。
【0073】次に、本発明のブラシの製造方法を、その
好ましい実施形態として、前記製造装置1を用いた歯ブ
ラシの製造方法に基づいて説明する。
【0074】図1に示すように、先ず、前記集毛手段2
の前記集積部21に所定長さの用毛13を縦に揃えた状
態で集積し、前記押圧部21のモーターを駆動させて用
毛13を所定の集積密度で集積させる。用毛13の集積
密度は、用毛13の太さ、用毛の材質、用毛の長さに応
じて適宜設定することができるが、用毛13を分離し易
くする観点から50〜75%であることが好ましく、5
5〜70%であることがより好ましい。ここで用毛の集
積密度とは、単位面積当たりの集積した用毛の総断面積
の割合(百分率)である。
【0075】用毛13には、従来から歯ブラシの用毛に
用いられている通常の材質、形態のものを特に制限なく
用いることができる。用毛13の材質としては、ナイロ
ン等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
トリメチレンテレフタレート等のポリエステルが挙げら
れる。用毛13の長さは、5〜20mmであることが好
ましく、8〜18mmであることがより好ましい。用毛
13の太さは、6〜10mil(127〜254μm)
であることが好ましく、7〜9mil(178〜229
μm)であることがより好ましい。
【0076】次に、用毛の分離工程で、所定長さに切断
された用毛13の集合から所定本数の用毛13を分離す
る。本実施形態では、前記分離移送手段3の鞘部30及
びピッカー31が作動し、集積部21に集積された用毛
13の集合から前記凹部31aで所定本数の用毛13を
挟持して分離する。そして、鞘部30及びピッカーが用
毛13をy方向に移動し、前記ローター42を平面視し
たときの前記0度の位置にある前記整列スリーブ41の
上方でその略同軸上において位置決めする。このような
分離移送手段3によって用毛13の分離移送を行うこと
で、前記集積部21における均一な集積密度において、
前記凹部32aの一定容積で用毛の長さ方向に曲折応力
をかけずに用毛を分離することで、用毛の本数を安定し
て分離することができる。
【0077】次に、用毛の整列工程で、分離された前記
用毛13を、前記第1整列手段4における整列スリーブ
41の整列部40及び前記第2整列手段6における挿入
スリーブ61の整列部60に導いて、拘束せずにその長
さ方向又は径方向に整列させる。ここで、拘束せずにと
は、整列部40及び整列部60の開口部を用毛13が自
由落下可能な方向に向けたときに、支持(保持)がない
と用毛13が容易に自由落下してしまう状態をいう。
【0078】本実施形態では、先ず、前記用毛導入手段
5の前記負圧源が、前記吸気管路50及び前記底板42
cの前記吸気孔を通じて整列部40内を負圧吸引する。
そして、ピッカー31の戻り動作によって用毛束14の
挟持を解き、前記負圧吸引に伴う下方に向かう気流によ
って、用毛13を整列スリーブ41の整列部40内に素
早く導く。用毛13は、前記底板42cで止められる
が、該気流が用毛間の隙間及び整列部の内面と用毛の間
の隙間を下方に流れつづけるため、用毛13が長さ方向
及び径方向に整列される。
【0079】そして、整列スリーブ41の前記通気路4
1aを通じた負圧吸引による気流によって、整列部40
内に導入された用毛13は、整列された状態で整列部4
0の内面に引きつられけて安定的に保持され、底板42
cのない部分における用毛13の整列スリーブ41内か
らの落下が防止される。
【0080】前記通気路を通じた気流によって吸引保持
した状態で、前記駆動部43が作動して前記ローター4
2が反時計回りに略45度刻みで180度回転する。こ
の間に、前記タップピン44〜46が整列部40内の用
毛13の上端部をそれぞれタップし、用毛13を長さ方
向及び径方向に整列させる。また、前記エアブロワー4
8が整列部40内にエアーを吹き付け、用毛13を全て
整列部40内に納め、各用毛13の先端を底板42cで
整列させる。
【0081】次に、第1整列手段4で整列された用毛1
3を前記挿入スリーブ61内の整列部60内に導いて拘
束せずにその長さ方向及び径方向に整列させる。本実施
形態では、前記ローター42が前記0度の位置から18
0度回転すると、整列スリーブ41の下方でその同軸上
に位置する挿入スリーブ61の整列部60内が、用毛導
入手段7の前記吸気管路70を通じて前記負圧源によっ
て負圧吸引される。その一方で、前記用毛導入手段7の
前記押し込みピン73が降下し、整列部40内で整列さ
れた用毛13を当該整列部40内から下方に押し出し、
用毛13の上端が整列スリーブ41の通気路41aを通
過するまで用毛13を押し込んで負圧を解く。そして、
吸気管路70を通じた負圧吸引による下向きの気流によ
って、用毛13を挿入スリーブ61の整列部60内に素
早く導く。用毛13は前記受取ピン71の上端面で止め
られるが、該気流が用毛間の隙間及び整列部の内面と用
毛の間の隙間を下方に流れつづけるため、用毛13が長
さ方向及び径方向に整列される。
【0082】そして、挿入スリーブ61の前記通気路6
1aを通じた負圧吸引による気流によって、整列部60
内に形成された用毛13は、整列された状態で整列部6
0の内面に引きつけられて安定的に保持され、底板62
dのない部分における用毛13の挿入スリーブ61内か
らの落下が防止される。
【0083】通気路61aを通じた気流によって用毛1
3を吸引保持した状態で、前記駆動部63が作動して前
記ローター62が時計回りに略45度刻みで180度回
転する。この間に前記タップピン64〜66が用毛13
の上端部をタップし、用毛13を長さ方向に整列させ
る。また、前記エアブロワー48が整列部60内にエア
ーを吹き付け、用毛13を全て整列部60内に納め、各
用毛13の先端を底板62dで整列させる。
【0084】次に、用毛の配向工程で、整列された前記
用毛13を前記用毛束保持治具91の挿入孔90に挿入
して所定方向に配向させる。本実施形態では、植毛孔1
2aを有する植毛基部12を先端部に備えたブラシ本体
11を予め成形しておき、ブラシ本体11を、植毛孔1
2aを挿入孔90に合わせて用毛束保持治具91上に固
定しておく。そして、前記挿入スリーブ61で前記植毛
孔12aを介して前記用毛13を拘束しながら前記挿入
ピン81で前記挿入孔90に挿入する。このように植毛
孔12a内で用毛13を拘束することで、その後の工程
へ移行するときの用毛の乱れが抑えられる。ここで、用
毛が拘束されるとは、用毛13を自由落下可能な方向に
向けたときに、用毛13が植毛孔12a内から容易に自
由落下しないことをいう。このように用毛が拘束された
状態となることで、その後に植毛基部12の背面に溶融
樹脂を充填する際に、植毛孔12aや挿入孔90へ溶融
樹脂が漏れることを防止することができる。
【0085】本実施形態では、ローター62の前記3時
の位置における挿入スリーブ61と挿入ピン81の昇降
のタイミングは、次にように行われるようになってい
る。
【0086】先ず、図10(a)に示すように、挿入ス
リーブ61が、その先端部が前記用毛束保持治具91に
固定された歯ブラシ本体の植毛基部12の上面に対して
所定のギャップを有するように降下する。このギャップ
の範囲は、用毛13を安定的に挿入させること及び挿入
スリーブ61の先端と植毛基部12の接触防止の点から
0.1〜3mmであることが好ましい。
【0087】次に、図10(b)及び(c)に示すよう
に、挿入ピン81が整列部60内の用毛13の上方から
最下点まで降下し、用毛13を下方に押し下げる。この
とき、図9に示すように、全ての用毛13がその軸方向
にほぼ真っ直ぐに揃った状態で挿入孔91内に挿入され
る。また、挿入ピン81の先端部が用毛束保持治具91
の挿入孔90の先端部に対応した階段状の形態に設けら
れているため、用毛13の先端部の形状が挿入孔90に
挿入される前に整えられており、植毛の最終形態である
挿入孔90の先端部の形態に対応した用毛13の挿入が
可能となる。図10(c)に示すように、挿入ピン81
の先端部は、最下点まで降下したときでも挿入スリーブ
61内に位置するように設定されている。
【0088】挿入ピン81が最下点まで達して用毛13
の挿入孔90への挿入が完了すると、図10(d)に示
すように、挿入ピン81よりも挿入スリーブ61のほう
が先に上昇を開始する。そして、挿入スリーブ61の先
端部が全ての用毛13の上端部より上に上昇した後に、
図10(e)に示すように、挿入ピン81が所定位置ま
で上昇し、用毛13の挿入孔90への挿入動作が完了す
る。
【0089】挿入ピン81の先端部が最下点まで降下し
た状態における挿入ピン81の先端部と挿入スリーブ6
1の先端部との距離は、用毛13の端部の広がりを防ぐ
ほか、挿入ピン81で用毛13の端部の全てを安定して
挿入できるようにする点から0.5〜5mmであること
が好ましい。
【0090】一つの挿入孔90についての挿入動作が完
了した後、次に用毛13を挿入する挿入孔90が前記3
時の位置に位置決めされるように前記xyステージユニ
ット92が作動した後、上記の手順で用毛13の配向が
行われる。
【0091】次に、ブラシ本体11を前記用毛束保持治
具91とともに用毛13の突出端部の溶融ステーション
(図示せず)に移送し、植毛基部12の背面側に突出し
た前記用毛13の端部を、レーザービーム、ヒーター、
超音波等の各種溶融手段(図示せず)で溶融させ、前記
植毛孔12aよりも断面の大きな溶融塊を形成するとと
もに、隣接する用毛13の溶融塊どうしを連結させる。
本実施形態では、植毛基部12を用毛束保持具9に配設
した上で、その突出端部を溶融させて溶融塊を形成する
ため、溶融した樹脂樹脂が仮に植毛孔12a側に浸みだ
しても外観を損なうことがない。また、植毛孔12aを
介して用毛13を挿入し、拘束した上で溶融塊の形成を
行うため、当該溶融塊を形成する際に例えばプレスヒー
ター等で圧力が加えられても用毛の乱れが抑えられる。
また、植毛基部12の背面側のみ成形ですむため、植毛
後の成形設備が小規模で済むほか、樹脂を注入する部分
が少ないため、射出圧力を低くすることができ用毛束と
植毛孔との間からの樹脂のもれを抑えることができる。
また、本実施形態では、用毛保持治具91に植毛基部1
2が位置決め固定され、用毛13が植毛孔12aに整列
状態で拘束されて挿入孔90内に収められているため、
用毛の先端部の整列状態が安定的に維持される。また、
用毛束保持治具に植毛基部を位置決め固定したまま、配
向工程以後の工程に移行させることができるので、この
後の工程における用毛の配向の乱れ(毛立ち)を抑える
ことができる。
【0092】その後、ブラシ本体11をそのまま前記用
毛束保持治具91とともに植毛基部12の背面の成形ス
テーション(図示せず)に移送し、該ステーションにお
いて、射出成形、背面板の接着、接着樹脂若しくは被覆
基板による被覆等を行って植毛部を形成し、歯ブラシ1
の製造を完了する。
【0093】以上説明したように、本実施形態の製造装
置1及びこれを用いた歯ブラシの製造方法によれば、用
毛13の集合から分離された各用毛13を整列手段4及
び6で整列させてその軸方向に殆ど揃った状態で挿入孔
90内に挿入できるため、用毛束の配向性に優れ、且つ
用毛13の先が広がらずにきれいに整列した歯ブラシを
高速でかつ安定的に製造することができる。
【0094】また、植毛孔12aよりも軸方向に直交す
る断面形状が大きな整列部40に用毛13を一旦導いて
拘束せずに長さ方向及び径方向に整列させた後、軸方向
に直交する断面形状が植毛孔12aと略同形状の整列部
60に導いて用毛13を整列させるようにし、用毛を整
列させる過程で整列部の断面形状を段階的に狭めて植毛
孔12aの断面形状に近づけるようにしたので、急激な
絞り込みに伴う用毛の乱れを抑えることができる。ま
た、製造する歯ブラシに応じて植設する植毛孔12aの
断面形状を多様に変更させる場合でも、分離手段3を変
更することなく、挿入スリーブ61の整列部60の軸方
向に直交する断面形状を変更するだけで、植毛孔12a
の多様な断面形状の変更にも容易に対応することができ
る。
【0095】本発明は前記実施形態に制限されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変
更することができる。
【0096】例えば、前記実施形態の製造装置1では、
用毛を整列させる第1整列手段4の整列部40及び第2
整列手段6の整列部60を、それぞれローター42及び
ローター62で互いに独立して移動させるようにした
が、これらを同軸上で一体的に移動させる実施形態とす
ることもできる。
【0097】図11は、この実施形態に用いられる製造
装置を示すものである。なお、図11において、前記製
造装置1と共通する部分については、同一符号を付して
いる。図11は、前記製造装置1における第1整列手段
4及び第2整列手段6に対応する部分(図8相当図)を
示している。
【0098】図11に示すように、本実施形態の製造装
置1’は、インデックスユニット43aの鉛直方向の出
力軸に連結された主軸42a’に、一つのローター4
2’が固定され、ローター42’の周縁部に上下動自在
に配された装着ロッド80i’に、前記製造装置1にお
ける整列スリーブ41と、整列スリーブ41より整列部
の軸方向に直交する断面積が狭い挿入スリーブ61とが
同軸上に上下に装着されている。
【0099】製造装置1’においては、ローター42’
を平面視したときの9時の位置(0度の位置)で、前記
分離移送手段3で分離移送された所定本数の用毛が整列
スリーブ41の整列部40内に導入される。本実施形態
では、用毛導入手段5’として、挿入スリーブ61の下
方に、前記製造装置1における用毛導入手段7の吸引管
路70及び受取ピン71が配されており、吸引管路70
を通じて用毛が整列部40内に挿入される。そして、ロ
ーター42’が半回転する間の所定位置において、前記
製造装置1におけると同様に、タップピン(図示せず)
によって整列部40内の用毛の上端部がタップされ、長
さ方向及び径方向に整列させられる。
【0100】ローター42’が回転して前記180度の
位置に達すると、挿入スリーブ61の下方に略同軸上に
配された用毛導入手段7によって、前記製造装置1にお
けると同様に、図示しない負圧源による負圧吸引にとも
なう挿入スリーブ61内の気流と押出ピン(図示せず)
とによって用毛が整列部60内に導入される。
【0101】整列された用毛の挿入は、ローター42’
がさらに所定回転した挿入位置で前記製造装置1におけ
ると同様に、装着ロッド80iと挿入ピン(図示せず)
とを作動させて行なわれる。
【0102】このように、本実施形態の製造装置1’に
よれば、整列された用毛の拘束部への移動がより確実に
行われるほか、装置の規模を大幅に小型化することがで
きる。本実施形態では、さらに整列スリーブと挿入スリ
ーブとの間にシャッターを設けることによって、用毛1
3の自由落下によるばらけを防止し、整列工程、挿入工
程の各ピンで安定した移送を行うことができる。
【0103】本発明は、前記実施形態におけるように、
整列部40や整列部60への用毛13の導入の際に、前
記導入手段5、7の前記負圧源による負圧吸引に伴う気
流で用毛13を移送するようにすることが好ましいが、
これらの負圧源に代えて、コンプレッサー等の加圧源で
発生させた加圧空気等の気流によって用毛を移送するこ
ともできる。
【0104】本発明は、前記実施形態におけるように、
分離移送手段3として鞘部30及びピッカー31を往復
動させて所定本数の用毛を分離移送する形態の分離移送
手段を備えていることが好ましいが、分離移送手段は、
これに制限されるものではなく、他の形態、例えば、ロ
ータリー式のピッカーを備えた分離移送手段を用いるこ
ともできる。
【0105】また、整列スリーブ及び挿入スリーブの
数、並びにインデックスユニットの割付角は、製造する
歯ブラシに応じて適宜設定することができる。
【0106】また、本発明は、前記実施形態におけるよ
うに、植毛孔を有する植毛基部を、挿入孔を有する用毛
束保持治具上に固定し、植毛孔を介して用毛を挿入孔に
挿入して配向させる工程を有するブラシの製造方法に特
に好適であるが、植毛基部及び用毛束保持治具を用いず
に、用毛を所定方向に配向させる挿入孔を有する金型を
用いるブラシの製造方法にも適用することができる。こ
の場合には、前記実施形態における植毛基部及び植毛孔
に関する種々の製造条件を、該金型及び該挿入孔に関す
る条件に置き換えて適用することができる。
【0107】また、本発明は、前記実施形態におけるよ
うに、拘束せずに用毛を整列させる際に、前記整列スリ
ーブ及び挿入スリーブの通気路を通じた負圧吸引によっ
て当該整列部内の用毛を保持するようにすることが好ま
しいが、これに代えて、各スリーブに用毛の落下防止用
のシャッターを設け、スリーブの移動位置に応じてスリ
ーブを開閉するようにすることもできる。
【0108】また、本発明は、前記実施形態におけるよ
うに、前記整列スリーブと前記挿入スリーブとの間で整
列部の整列空間を段階的に狭めることによって用毛を整
列させることに加え、整列部内の用毛を整列させる手法
として、前記整列スリーブ及び挿入スリーブの各通気路
を通じた負圧吸引、前記各タップピンによるタッピン
グ、及びエアブロワーによるエアブローにより用毛を整
列させる手法を用いることが好ましいが、これらの負圧
吸引、タッピング、エアブローは単独で又は二つを組み
合わせることもできる。また、整列部内で用毛を整列さ
せる手法として、各スリーブを所定の振動で振動させる
手法を用いることができ、該手法を単独で又は前記各手
法と組み合わせて用いることもできる。
【0109】また、前記実施形態では、用毛を一束ずつ
植毛基部12の植毛孔12aを介して用毛束保持治具9
1の挿入孔90に挿入するようにしたが、整列された用
毛を複数の挿入孔を有する挿入治具(キャリア)に一旦
移送した後、該挿入治具から前記植毛基部の植毛孔又は
前記金型の挿入孔に、まとめて又は個々に挿入すること
もできる。
【0110】本発明は、前記実施形態におけるように、
歯ブラシの製造に特に好適であるが、歯ブラシ以外のブ
ラシの製造、例えば、ヘアブラシ、マッサージブラシ、
洗浄ブラシその他の各種ブラシの製造にも適用すること
ができる。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、用毛束の配向性に優
れ、且つ用毛がきれいに整列したブラシを安定的に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシの製造方法を歯ブラシの製造に
適用した一実施形態における手順を模式的に示す図であ
る。
【図2】本発明のブラシの製造装置を歯ブラシの製造装
置に適用した一実施形態を示す概略平面図である。
【図3】同概略側面図である。
【図4】同製造装置における集毛手段を模式的に示す平
面図である。
【図5】同製造装置における用毛の分離移送手段を示す
図であり、(a)は、概略平面図、(b)は(a)の要
部概略側面図である。
【図6】同分離移送手段における鞘部及びピッカーを模
式的に示す平面図である。
【図7】同製造装置における集毛手段、分離移送手段、
整列手段及び用毛束形成手段の位置関係を模式的に示す
図である。
【図8】同製造装置における整列手段、用毛導入手段及
び用毛束形成手段を示す一部を断面視した要部概略正面
図である。
【図9】同製造装置における用毛束の挿入工程を示す図
である。
【図10】同製造装置における用毛束の挿入工程を模式
的に示す図であり、(a)挿入スリーブが最下点に達し
た状態を示す図、(b)は挿入ピンによる用毛束の挿入
状態を示す図、(c)は挿入ピンによる用毛束の挿入完
了状態を示す図、(d)は挿入スリーブのみが上昇して
いる状態を示す図、(e)は挿入ピンが上昇している状
態を示す図である。
【図11】本発明のブラシの製造装置を歯ブラシの製造
装置に適用した他の実施形態における要部概略正面図で
ある。
【符号の説明】
1 歯ブラシの製造装置(ブラシの製造装置) 2 集毛手段 3 分離移送手段 4 第1整列手段 40 整列部 41 整列スリーブ 5 用毛導入手段 6 第2整列手段 60 整列部 61 挿入スリーブ 7 用毛導入手段 8 用毛の送出手段 9 用毛の配向手段 90 挿入孔(挿入部) 91 用毛束保持治具 10 歯ブラシ 11 歯ブラシ本体 12 植毛基部 12a 植毛孔 13 用毛 14 用毛束

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定長さに切断された用毛の集合から所
    定本数の該用毛を分離する分離工程と、分離された前記
    用毛を整列部に導いて拘束せずにその長さ方向又は径方
    向に整列させる用毛の整列工程とを具備するブラシの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記整列部の整列空間を狭くして前記用
    毛を整列させる請求項1記載のブラシの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記整列部を複数有しており、整列空間
    の広い一の該整列部から整列空間の狭い他の該整列部へ
    前記用毛を移送して整列させる請求項1記載のブラシの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 一の前記整列部から他の前記整列部への
    前記用毛の移送を同軸上で行う請求項2又は3記載のブ
    ラシの製造方法。
  5. 【請求項5】 一の前記整列部から他の前記整列部への
    前記用毛の移送を気流によって行う請求項2〜4の何れ
    かに記載のブラシの製造方法。
  6. 【請求項6】 分離された前記用毛を気流によって前記
    整列部に導く請求項1〜5の何れかに記載のブラシの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 整列させた前記用毛を植毛基部の植毛孔
    又は金型若しくは用毛束保持治具の挿入部に挿入して拘
    束し、該用毛を配向させる用毛の配向工程を具備してい
    る請求項1〜6の何れかに記載のブラシの製造方法。
  8. 【請求項8】 所定長さに切断された多数の用毛を集積
    させる集毛手段と、該集毛手段で集積された前記用毛の
    集合から所定本数の該用毛を分離して所定位置に移送す
    る分離移送手段と、分離移送された前記用毛を拘束せず
    にその長さ方向又は径方向に整列させる整列手段とを備
    えているブラシの製造装置。
  9. 【請求項9】 分離移送された前記用毛を前記整列部に
    導く用毛導入手段を備えており、該用毛導入手段が、前
    記整列部に気流を生じさせて前記用毛を該整列部内に導
    入するようになしてある請求項8記載のブラシの製造装
    置。
  10. 【請求項10】 整列された前記用毛を前記整列部の外
    へ送出する用毛の送出手段と、前記送出手段で送出され
    た用毛を拘束状態で所定方向に配向させる配向手段とを
    備えている請求項9記載のブラシの製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20180062050A (ko) * 2016-11-30 2018-06-08 송석식 아이브로우 브러시의 제조 장치

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