JP4173677B2 - ブラシの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシの製造方法に関わり、特に、歯ブラシの製造に好適なブラシの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ブラシの製造方法に関する従来技術としては、欧州特許出願公開第0972464号の明細書及び図面に記載の技術が知られている。この技術は、所定長さに切断された用毛の集合から所定本数の用毛を分離し、分離した該用毛を、複数の用毛挿入孔を有するキャリアの該用毛挿入孔に挿入し、該キャリアを該用毛挿入孔がブラシの植毛孔に対応するように配設し、該挿入孔内にガイダンスプレートを介して突出ピンを挿入し、該挿入孔内に配された個々の用毛をブラシの植毛孔に挿入するようにしたものである。
【0003】
ところで、この技術では、用毛束取り出し装置(用毛束分離装置)で所定本数の用毛束を分離してキャリアの用毛挿入孔に挿入しているが、用毛束取り出し装置で分離した用毛は、個々の用毛が折れ曲がっていたり、ねじれたりして不揃いの状態となる場合が多い。このため、そのままの状態では、用毛を用毛挿入孔に挿入し辛いものであった。また、不揃いの用毛をそのまま用いて得られた歯ブラシは、植毛された用毛束が先端側で開きやすく、好ましくなかった。
【0004】
一方、特許第3226276号には、バイスで保持し、用毛束を端から挟み込んで所望の形状に整形させているが、この方法では、用毛束にねじれが生じ、完成したブラシにおいて用毛束が先端方向で広がってしまう問題がある。また、植毛基部に用毛を斜めに植毛したい場合には、バイスの移動方向と植毛孔の挿入方向とに角度がつくため、この部分において用毛の曲がり具合に差が出てしまい、そのまま溶融塊を形成すると、ダイで整えた用毛の先端が乱れてしまい所望の整列形態を得ることができない問題がある。
【0005】
また、特開平7−194433号公報には、所定長さに切断された所定本数の用毛を孔付きプレートの貫通内にそれぞれ導き、該貫通孔内で該用毛を拘束状態で該貫通孔内にプランジャーピンを差し込んで用毛の先端部の整列形態を形成し、整列された用毛を射出成形金型に挿入して植毛を行うブラシの製造方法が記載されている。このため、孔付きプレート内に用毛を導入するときに、用毛がねじれたりしていると、その後の修正が困難であり、用毛がきれいに整列したブラシを製造することが困難であった。
【0006】
また、米国特許第5454626号には、貫通孔を有するキャリア内に用毛を導入し、該キャリアの一端側に用毛の先端部を整列させる整列孔を有する配列プレートを配し、該キャリアの他端側から空気を送り込んで用毛の先端部を整列孔の先端部に押し当てて用毛の先端部を整列させる方法が開示されているが、この方法では、貫通孔が多列に配されている場合に、各貫通孔へ平均した空気量を供給することが困難となり、各貫通孔における用毛の整列にばらつきが生じやすくなるため、用毛がきれいに整列したブラシを製造することが困難であった。
【0007】
また、特開平3−215211号公報に記載の技術は、貫通孔を有する型内に用毛先端の整形孔を有する多孔質体を配するとともに、前記貫通孔に連通するように植毛孔を合わせて固定板を該型に固定し、所定長さの用毛束を供給導管を通じて気流を用いて移送する一方で、型内の前記多孔質体を通じて移送されてきた用毛を吸引し、用毛を所定の向きに配向させるようにしたものである。しかし、この方法では、供給導管の周壁部の抵抗によって用毛束の内部の用毛が先に進みやすくなるため、移送の途中で用毛束の内部と外周部とで前後にずれが生じ易くなり、その後に用毛がきれいに整列したブラシを製造することが困難であった。
【0008】
従って、本発明の目的は、用毛束の配向性に優れ、且つ用毛がきれいに整列したブラシを製造することができるブラシの製造方法及び装置を提供することにある。
ここで、用毛束の配向性に優れるとは、用毛束を構成する個々の用毛が、ねじれたり折れ曲がったりせずに、その長さ方向に伸び、束としてきれいにまとまっている状態をいい、用毛がきれいに整列している状態とは、前記用毛束の配向性と合わせて、用毛束の先端部が所望の形状となるように個々の用毛の先端が所定の整列形態にきれいに整列していることをいう。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定長さに切断された用毛の集合から所定本数の該用毛を分離する分離工程と、分離された前記用毛を整列部に導いて拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる用毛の整列工程とを具備するブラシの製造方法であって、前記整列部を複数有しており、整列空間の広い一の該整列部から整列空間の狭い他の該整列部へ前記用毛を移送して整列させるブラシの製造方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0010】
また、本発明は、上記本発明のブラシの製造方法を実施するためのブラシの製造装置であって、所定長さに切断された多数の用毛を集積させる集毛手段と、該集毛手段で集積された前記用毛の集合から所定本数の該用毛を分離して所定位置に移送する分離移送手段と、分離移送された前記用毛を拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる整列手段とを備えているブラシの製造装置を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい実施形態として、歯ブラシの製造に適用した実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1〜図10は、本発明のブラシの製造装置を歯ブラシの製造装置(以下、単に製造装置ともいう。)に適用した一実施形態を示すものである。これらの図において符号1は製造装置、11は歯ブラシ本体、12は植毛基部、12aは植毛基部12に設けられた植毛孔を示している。
【0013】
図1〜3に示すように、製造装置1は、所定長さに切断された多数の用毛13を集積させる集毛手段2と、集毛手段2で集積された用毛13の集合から所定本数の用毛13を分離して所定位置に移送する分離移送手段3と、分離移送された用毛13を整列部40内で拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる第1整列手段4と、分離移送された用毛13を整列部(一の整列部)40に導く用毛導入手段5と、整列された用毛13を整列部(他の整列部)60内で拘束せずにさらにその長さ方向又は径方向に整列させる第2整列手段6と、整列部40で整列された用毛13を整列部60に導く用毛導入手段7と、整列部60で整列された用毛13を整列部60の外へ送り出す用毛の送出手段8と、送出手段8で送出された用毛13を所定方向に配向させる配向手段9とを備えている。
【0014】
図4に示すように、前記集毛手段2は、所定長さに切断された多数の用毛13を起立状態で集積させる装置である。集毛手段2は、ベーステーブル20上に設けられた溝状の集積部21と、集積部21内に起立状態で揃えられて密に集積された用毛13を後方から前方に向けて押圧して用毛13を所定の集積密度で集積させる押圧部22と、集積部21内の用毛13を前方に安定した集積密度で繰り出す二組の繰り出しローラー23、24とを備えている。押圧部22は、用毛13を押圧するブレード22aと、ブレード22aを集積部21の前後方向(以下、x方向ともいう。)に移動させるシリンダーユニット22bとを備えている。
【0015】
図5及び図6に示すように、前記分離移送手段3は、前記集毛手段2の前方においてx方向と略直交する方向(以下y方向ともいう。)に沿って配され、前記集積部内に集積された前記用毛の集合から所定本数の用毛を分離して所定位置に移動する装置である。分離移送手段3は、断面が略U字状の鞘部30と、鞘部30内に配されて所定本数の用毛を分離するピッカー31と、鞘部30及びピッカー31をy方向に往復動させる駆動部32とを備えている。
【0016】
鞘部30は、y方向に所定間隔をおいてy方向に所定幅で切り欠かれた二つの窓30a、30bを有しており、これらの窓30a、30bを前記集積部21側に向けて略水平且つy方向に往復動自在に配設されている。
【0017】
図6に示すように、ピッカー31は鞘部30内に摺動自在に配された細長い板状の部材で構成されている。ピッカー31は、前記窓30bを通じて後述する駆動部32のスライダー32hに接続されている。ピッカー31には、前記窓30a内で前記集積部21内に集積された所定数の用毛13を分離する凹部31aが設けられている。窓30aには、その開口幅を調整する平面視L字状の開口幅調整部材30cが取り付けられており、この開口幅調整部材30cの先端部と前記凹部31aとの間で用毛を挟持するように設けられている。この開口幅調整部材30cは取り付け基部に長孔(ルーズホール)を有しておりこのルーズホールを介して鞘部30に螺着されている。そして、この螺着位置を変更することによって窓30aの開口幅を調整し、分離する用毛の本数を調整できるようになっている。開口幅調整部材30cは前記取り付け基部から屈曲する屈曲部30dにスリット30eが形成されており、ピッカー31との間で用毛を分離したときに用毛が屈曲部30dの端面とピッカー31の突起部(凹部31aの先端部の鋭角部分)との間につまるのを防止できるようになっている。
【0018】
図5に示すように、駆動部32は、ベーステーブル32a上にx方向に沿って配され、主駆動ユニット(図示せず)のモーターの駆動力が伝達されて回転するカム軸32bと、カム軸32bに固定されたホイール32cと、カム軸32bに対して偏芯位置になるようにホイール32cに配されたクランク軸32dと、一端部がクランク軸32dに連結され且つ他端部がベーステーブル32a上にピン支持された揺動シャフトに連結された連結ロッド32eと、ベーステーブル32a上にピン支持され且つ連結ロッド32eにルーズホールを介して中間部が連結された揺動ロッド32fと、揺動ロッド32fの先端部に連結されその揺動に伴って、y方向に伸びるガイドレール32gに沿って水平に往復移動するスライダー32hとを備えている。そして、このスライダー32hが、前記ピッカー31と前記窓30bを通じて連結材32jで連結され、ピッカー31がy方向に往復移動できるように設けられ、さらに連結材32jが窓30bの縁部に当接することで鞘30もy方向に往復移動できるように構成されている。なお、連結ロッド32eは2つのロッド部材がピンで連結されて構成されている。
【0019】
スライダー32hの往復移動の距離は前記窓30bの幅よりも長く設定されており、ピッカー31の往復動と鞘部30の往復動との間に僅かにタイミングがずれるように設けられており、これにより、用毛の挟持が瞬間的に解かれるようになっている。
【0020】
図1及び図7に示すように、前記第1整列手段4は、前記整列部40をそれぞれ内部に有する整列スリーブ41と、これらの整列スリーブ41が装着されるローター42と、ローター42をその中心の主軸42a周りに間欠的に水平回転させる駆動部43と、整列スリーブ41の周回軌道の上方に配されて整列部40内に配された用毛の上端部をタップしてそれらを長さ方向に整列させる3種類のタップピン44、45、46と、これらのタップピン44〜46をそれぞれ所定のタイミングで上下動させる上下動機構47(図2、3参照)と、整列部40内にエアーを吹き付けるエアーブロワー48と、クリーニング用のエアブロワー(図示せず)とを備えている。
【0021】
図1に示すように、整列部40は、上端開口部が上方に向けて拡開するテーパー状の形態を有しており、前記分離移送手段3で分離された用毛13が当該整列部40に確実に導入できるようになっている。
【0022】
整列部40の長さは、用毛13の端部の広がりを防ぐほか、整列部40内で気流を使用して効果的に用毛13を整列できる点から、前記拡開している部分を除いた直線部分の長さL1が用毛13の長さの100〜200%であることが好ましい。
【0023】
整列部40の前記直線部分におけるその軸方向に直交する断面形状は、前記植毛基部12の植毛孔(直線部分)12aの軸方向に直交する断面形状よりも大きく設けられている。また、整列部40の前記直線部分におけるその軸方向に直交する断面積は、用毛間を流れる気流によって用毛を拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる点から、用毛が導入されたときの空隙率が40〜55%となるようにすることが好ましい。ここで、空隙率とは、(整列部40の前記直線部分におけるその軸方向に直交する断面積−(導入される用毛の軸方向に直交する総断面積))/(整列部40の前記直線部分におけるその軸方向に直交する断面積)の百分率である。導入される用毛の太さが同じである場合には、導入される用毛の軸方向に直交する総断面積は、(導入される用毛の総数)×(一本の用毛の軸方向に直交する断面積)である。
【0024】
整列部40は、前記空隙率を有する形態で、植毛孔12aの軸方向(挿入深さ方向)に直交する断面形態に相似形とすることが好ましいが、後述する挿入スリーブ61の変更のみで種々の断面形状の植毛孔12aや挿入孔90に用毛を挿入できるようにし、整列スリーブ41に汎用性を持たせる場合には、予想される植毛孔12aの軸方向(挿入深さ方向)に直交する断面積より大きな円形又は楕円形等の形状とすることが好ましい。
【0025】
図1に示すように、整列スリーブ41の周壁部の下方部には、内部から外部に通じる複数の通気路41aが等間隔で放射状に設けられている。そして、これらの通気路41aを通じて整列部40内を負圧吸引することで、導入時の自由落下による用毛13の跳ね返りを防止できるようになっている。また、この通気路41aを通じて整列部40内を吸引することで、用毛13の一部が整列部40の外側即ち整列スリーブ41の内面側に移動し、整列部40内における用毛13どうしに間隔を作りやすくして用毛13の整列がスムーズに行われるようになっている。さらに、この通気路41aを通じて整列部40内を吸引し続けることで、整列部40内で用毛13を吸引保持し、ローター42が回転している間にも用毛13を安定的に移送できるようになっている。
【0026】
通気路41aは、整列部40の挿入先端部で負圧吸引によって保持し、整列部60に移送する際に、用毛13を移送完了近くまで確実に保持する点から整列スリーブ41の下端から3〜10mmの位置に設けることが好ましい。一つの通気路41aの断面積は、用毛13の引掛かりを防止して、整列部40内に十分な負圧吸引力を与えて用毛13を保持できる点から7×10−3〜3×10−2mmであることが好ましい。通気路41aは、放射状に略均等に4〜16本形成することが好ましい。
【0027】
図7に示すように、本実施形態では、整列スリーブ41は、隣り合う整列スリーブ41どうしがローター42の中心を結んで作る角度が略45度(ローター42を平面視したときの9時の位置を0度としたときに45度おき)となるようにローター42の周縁部に挿嵌されている。
【0028】
ローター42は、後述するローター62と部分的に重なり合うように配設されている。ローター42は、当該ローター42を平面視したときの3時の位置と、ローター62を平面視したときの9時の位置において前記整列スリーブ41と後述する挿入スリーブ61とが同一軸上に位置するように配設されている。
【0029】
図8に示すように、ローター42の周縁部には貫通孔42bが設けられており、整列スリーブ41はこれらの貫通孔42bに挿嵌されている。ローター42の下方には、その底面部との間に隙間を有して底板42cが回動不能に固定されている。底板42cには、前記0度の位置にある整列スリーブ41の整列部40の外側に位置するように通気孔(図示せず)が設けられており、後述の用毛導入手段5の吸引管路50に通じて負圧吸引することで整列部40内に下方に向かう気流が生じるようになっている。また、底板42cには、整列スリーブ41の180度の回転位置に対応する部分が所定幅で切り欠かれた凹部(図示せず)が形成されており、この凹部において後述する整列スリーブ41から挿入スリーブ61への用毛の移行が行えるようになっている。
【0030】
駆動部43は、所定の角度に割付可能なインデックスユニット43aを主体として構成されている。インデックスユニット43aの入力軸には、前記モーターの駆動力が前記カム軸32b(図2参照)を介して伝達されるようになっている。インデックスユニット43aの鉛直方向の出力軸は、前記主軸42aに接続されており、これによってローター42が反時計回りに略45度ずつ間欠的に回転するようになっている。
【0031】
前記タップピン44〜46は、ローター42の回転位置に応じてその先端形状が異なっている。タップピン44は用毛13が整列部40の入り口付近から突出する場合に対応するようにタップする面積が広い形態となっており、タップピン45、46に進むにつれて整列部40に深く挿入してタップできるようにそのタップする面積が小さくなる形態となっている。
【0032】
図1及び図7に示すように、本実施形態では、ローター42を平面視したときの9時の位置を0度とすると、0度の位置で整列スリーブ41内へ用毛が導入され、0度から反時計回りに、45度、90度及び135度の位置でそれぞれ前記タップピン44、45及び46によって用毛の上端部がタップされ、180度の位置で後述の挿入スリーブ61への移送が行われるようになっている。なお、同315度の位置では、クリーニング用の前記エアブロワーで整列スリーブ41内のクリーニングが行われるようになっている。
【0033】
前記タップピン44〜46をそれぞれ所定のタイミングで上下動させる上下動機構47は、図2に示すように、一部が前記分離移動手段3の駆動部32と兼用されており、前記カム軸32bと、前記ベーステーブル32aに立設された一対の支持フレーム47aによってx方向に水平に支持された2本の支持軸47b、47c(図3参照)と、支持軸47bに回動自在に連結された3本のアーム44a、45a、46aと、これらのアームにそれぞれ取り付けられたカムフォロア(45b、46bのみ図示)と、前記支持軸47bに回動自在に連結された3本のアーム(45c、46cのみ一部を図示)と、これらの3本のアームをそれぞれ連結する連結ロッド(図示せず)と、該アームの先端部にそれぞれピン結合された上下動ロッド(図示せず)と、これら上下動ロッドの上下動をそれぞれガイドするスライドガイド(図示せず)とを備えている。タップピン44〜46は、前記上下動ロッドの先端部にそれぞれ取り付けられている。
【0034】
上記構成において、カム軸32bが回転すると、前記カムフォロアによって前記各アームが支持軸47bを支点としてそれぞれ揺動し、前記連結ロッドを介して前記各アームが支持軸47cを支点としてそれぞれ揺動する。そして、前記上下動ロッドがそれぞれ前記スライドガイドに沿って上下動することで、各タップピン44〜46が所定のタイミングで上下動するように構成されている。
【0035】
図1及び図8に示すように、前記用毛導入手段5は、前記0度の位置にある前記整列スリーブ41の下方に配された吸引管路50と、吸引管路50を通じて整列部40内に下向きの気流を生じさせる負圧源(図示せず)とを備えている。そして、整列部40内に下方に向かう気流を生じさせることによって、前記分離移動手段3で分離された用毛13を整列部40内に素早く且つスムーズに導入できるようになしてある。
【0036】
図1及び図5に示すように、本実施形態では、前記分離移送手段3によって分離された用毛13が、より確実に整列部40に導入されるように、分離移送手段3によって所定位置に移送された用毛13を上方から強制的にタップして落下させる押圧ロッド51と、押圧ロッド51を上下動させる上下動機構52とを備えている。
【0037】
押圧ロッド51は、ベーステーブル32a上に立設された支持フレーム51aに上下動自在に支持されている。
【0038】
上下動機構52は、図2及び図5に示すように、一部が前記分離移動手段3の駆動部32及び前記第1整列手段4の上下動機構47と兼用されており、前記カム軸32bと、前記支持軸47bと、支持軸47bに回動自在に連結されたアーム52aと、アーム52aに取り付けられたカムフォロア52bとを備えている。そして、カム軸32bが回転すると、これに当接するカムフォロア52bによってアーム52aが支持軸47bを支点として揺動しその先端部で押圧ロッド51を上下動させるようになっている。
【0039】
前記第2整列手段6は、前記第1整列手段4で整列された用毛を拘束せずに長さ方向又は径方向に整列させる装置である。
第2整列手段6は、図1、図7及び図8に示すように、整列部60を有する8本の筒状の挿入スリーブ61と、これらの挿入スリーブ61が等間隔おきに装着されるローター62と、ローター62を間欠的に回転させる駆動部63と、挿入スリーブ61の周回軌道の上方に配されて整列部60内に配された用毛13の上端部をタップしてそれらを長さ方向にさらに整列させる3種類のタップピン64、65、66と、これらのタップピン64〜66をそれぞれ所定のタイミングで上下動させる上下動機構67と、前記整列部60内にエアーを吹き付けるエアーブロワー68と、クリーニング用のエアブロワー(図示せず)とを備えている。
【0040】
整列部60は、上端開口部が上方に向けて拡開するテーパー状の形態を有しており、前記第1整列手段4で整列された用毛13が当該整列部60に確実に導入できるようになっている。整列部60の直線部分におけるその軸方向に直交する断面形状は、前記植毛基部12の植毛孔12aにおける直線部分のその軸方向に直交する断面形状と略同形状(相似形)に設けられている。
【0041】
整列部60の長さは、挿入ピン81で用毛13の端面を確実に捕らえて挿入できるようにする点から、前記拡開している上端開口部を除いた直線部分の長さL2が用毛13の長さの100〜150%であることが好ましい。
また、整列部60の直線部分におけるその軸方向に直交する断面の面積は、用毛間を流れる気流によって用毛を拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させ、且つ整列部40より低い空隙率にして植毛孔12aに安定して導入する点から用毛が導入されたときの前記空隙率が32%〜40%となるようにその断面積を設けることが好ましい。
【0042】
図9に示すように、挿入スリーブ61の周壁部には、外部から前記整列部60に通じるよう一対の通気路61aが形成されている。そして、これらの通気路61aを通じて整列部60内を負圧吸引することで、挿入スリーブ61内から用毛13が落下することを防止できるようになっている。
【0043】
また、本実施形態では、通気路61aの開口部は、挿入ピン81の先端部が露出する形態を有している。通気路61aの開口部の形態をこのような形態とすることで、後述するように挿入ピン81で用毛13を押し出して送り出すときに、挿入ピン81の先端部81aが通気路61aの開口部を通過すると、用毛13の上端部が挿入ピン81の先端部81aの形態に素早くに揃えられる。これにより、用毛13をその先端部を挿入孔90の先端部の形態に合わせて容易に挿入することができる。なお、この通気路61aは、前記整列スリーブ41における通気路41aにおけるように、用毛の保持を目的とするものとすることもできる。
【0044】
挿入スリーブ61の上方部には外方に張り出すフランジ部61bが形成されている。このフランジ部61bは一部が直線状に形成された位置合わせ部61cを有しており、挿入スリーブ61を後述の装着ロッド80iに装着する際の位置決めが容易に行えるようになっている。
【0045】
図7及び図8に示すように、挿入スリーブ61は、後述する用毛の送出手段8の装着ロッド80iに装着されている。挿入スリーブ61は、図7に示すように、隣り合う挿入スリーブ61どうしがローター62の中心を結んで作る角度が略45度となるように配されている。
【0046】
ローター62には、挿入スリーブ61が、後述する用毛の送出手段8の上下動機構80によって上下動できるように凹部62aが設けられている。ローター62の外周面には、ギア(ギアの歯)62bが形成されている。
【0047】
ローター62は、主軸62cにベアリングを介して取り付けられており、主軸62cは、前記インデックスユニット43aに固定された支持材に立設されている。ローター62の下方には、その底面部との間に所定の隙間を有して底板62dが回動不能に固定されている。底板62dには、挿入スリーブ61の前記0度及び180度の位置に対応する部分が所定幅で切り欠かれた凹部(図示せず)が形成されており、これらの凹部において整列スリーブ41から挿入スリーブ61への用毛13の移行、及び後述する挿入スリーブ61と挿入ピン81とによる用毛束13の挿入孔90への挿入が行えるようになっている。
【0048】
前記駆動部63は、前記インデックスユニット43aの前記出力軸に固定されたギア63aで構成されている。そして、このギア63aがローター62の前記ギア62bの歯と噛み合うことでローター62が時計回りに略45度ずつ間欠回転するようになっている。
【0049】
前記タップピン64〜66は、前記タップピン44〜46と同様に、ローター62の回転位置に応じてその先端形状が異なっている。タップピン64は用毛13が整列部60の入り口付近から突出する場合に対応するようにタップする面積が広い形態となっており、タップピン65、66に進むにつれて整列部60に深く挿入してタップできるようにそのタップする面積が小さくなる形態となっている。
【0050】
図1及び図7に示すように、本実施形態では、ローター62を平面視したときの9時の位置を0度とすると、0度の位置で整列スリーブ41から挿入スリーブ61へ用毛が移送され、0度から時計回りに、45度、90度及び135度の位置でそれぞれタップピン64、65及び66によって用毛の上端部がタップされ、180度の位置でxyステージユニット92に固定された前記用毛束保治具の挿入部への用毛の挿入が行われるようになっている。なお、同270度の位置では、クリーニング用のエアブロワー(図示せず)で挿入スリーブ61内のクリーニングが行われるようになっている。
【0051】
図2及び図3に示すように、前記タップピン64〜66をそれぞれ所定のタイミングで上下動させる上下動機構67は、一部が前記分離移動手段3の駆動部32及び前記第1整列手段4の上下動機構47と兼用されており、前記カム軸32bと、前記支持軸47b、47cと、支持軸47bに回動自在に連結された3本のアーム(65aのみ図示)と、これらのアームにそれぞれ取り付けられたカムフォロア(65bのみ図示)と、前記支持軸47bに回動自在にそれぞれ連結された3本のアーム(65cのみ図示)と、これらの3本のアームどうしをそれぞれ連結する連結ロッド(65dのみ図示)と、前記アームの先端部にそれぞれピン結合された上下動ロッド(65eのみ図示)と、これら上下動ロッドの上下動をそれぞれガイドするスライドガイド(65fのみ図示)とを備えている。前記タップピン64〜66は、前記上下動ロッドの先端部にそれぞれ取り付けられている。
【0052】
上記構成において、カム軸32bが回転すると、例えば、前記カムフォロア65bによってアーム65aが支持軸47bを支点として揺動し、連結ロッド65dを介してアーム65cが支持軸47cを支点として揺動する。そして、上下動ロッド65eがスライドガイド65fに沿って上下動することで、タップピン65所定のタイミングで上下動するように構成されている。タップピン64、66も同様の機構で上下動するようになっている。
【0053】
図8に示すように、前記用毛導入手段7は、前記0度の位置にある前記挿入スリーブ61の下方に配された吸引管路70と、吸引管路70内に配されて上下動する受取ピン71と、受取ピン71を上下動させる上下動機構72と、吸引管路70を通じて整列部60内に下向きの気流を生じさせる負圧源(図示せず)と、整列された毛束13を挿入スリーブ61の整列部60内に押し込む押し込みピン73(図1参照)と、押し込みピン73を所定のタイミングで上下動させる上下動機構74(図2参照)とを備えている。
【0054】
受取ピン71の軸方向に直交する断面積は、挿入スリーブ61の整列部60の先端(下端)における軸方向に直交する断面積よりも広く設けられている。受取ピン71と吸引管路70との間には隙間が設けられており、前記負圧源の吸引力がこの隙間を通じて伝わるようになっている。
【0055】
受取ピン71の上下動機構72は、図3に示すように、前記インデックスユニット43aにおける前記入力軸の逆側の入力軸に取り付けられたカム72aと、ベースプレート32a上にx方向に略水平に支持された支持軸72bと、支持軸72bに回動自在に支持されたアーム72cと、アーム72cの先端部に取り付けられたカムフォロア72dと、アーム72cの中間部に取り付けられた上下動ロッド72eと、上下動ロッド72eの上下動をガイドするスライドガイド72fとを備えている。受取ピン71は、図8に示すように、上下動ロッド72eの先端部に取り付けられている。
【0056】
そして、カム72aが回転すると、これに当接するカムフォロア72dによってアーム72cが支持軸72bを支点として揺動し、上下動ロッド72eがスライドガイド72fに沿って上下動することで、受取ピン71が所定のタイミングで上下動し、整列スリーブ41から押し出されて挿入スリーブ61に内に導入された用毛13を受けるようになっている。受取ピン71は、その上死点においてその上端面が、前記底板62dの上面に対し面一又は上に位置するようになっている。
【0057】
押し込みピン73の上下動機構74は、図2に示すように、一部が前記分離移送手段3の駆動部32及び前記第1整列手段4の上下動機構47と兼用されており、前記カム軸32bと、前記支持軸47b、47cと、支持軸47bに回動自在に連結されたアーム73aと、アーム73aに取り付けられたカムフォロア73bと、前記支持軸47cに回動自在に連結されたアーム73cと、これらアーム73a、73cどうしを連結する連結ロッド(図示せず)と、アーム73cの先端部に結合された上下動ロッド(図示せず)と、該上下動ロッドの上下動をガイドするスライドガイド(図示せず)とを備えている。押し込みピン73は、該上下動ロッドの先端部に取り付けられている。
【0058】
上記構成において、カム軸32bが回転すると、これに当接するカムフォロア73bによってアーム73aが支持軸47bを支点として揺動し、前記連結ロッドを介してアーム73cが支持軸47cを支点として揺動する。そして、上下動ロッドがスライドガイドに沿って上下動することで、押し込みピン73が所定のタイミングで上下動し、整列された用毛13を整列スリーブ41から押し出せるようになっている。
【0059】
そして、受取ピン71をその上端面が前記底板62dの上面に対し略面一か又は上(挿入スリーブ61の下端近傍)まで上昇させた状態で、前記吸引管路70を通じて前記負圧源で整列部60内に下方に向かう気流を生じさせる一方で、前記押し込みピン73で用毛13を上方より押し込み、整列部60内に用毛13を素早く導入できるようになしてある。
【0060】
押し込みピン73の外周面と前記整列部40の直線部分の内周面との間には、押し込みピン73が整列部40に噛み込むこと、及び用毛13が押し込みピン73と整列部40との間へ噛み込むことを防止する点から、用毛13の直径よりも狭い所定のクリアランス(押し込みピン73の外周と整列部40の前記直線部分における内周との最大隙間)を設けることが好ましい。該クリアランスは、0.03〜0.15mmであることが好ましい。
【0061】
前記用毛の送出手段8は、前記挿入スリーブ61を上下動させる上下動機構80(図8参照)と、前記整列部60で整列された用毛を、後述の用毛束保持治具91の挿入孔90に挿入する挿入ピン81(図9参照)と、挿入ピン81を所定のタイミングで上下動させる上下動機構82(図3参照)とを備えている。
【0062】
図2、図3及び図8に示すように、挿入スリーブ61の上下動機構80は、一部が前記分離移送手段3の駆動部32及び前記第1整列手段4の上下動機構47と兼用されており、前記カム軸32bと、前記支持軸47bと、前記支持フレーム47aによって支持軸47c上にx方向に水平に支持された支持軸80a(図3参照)と、支持軸47bに回動自在に連結されたアーム80b(図2参照)と、アーム80bに取り付けられたカムフォロア80cと、前記支持軸80aに回動自在に連結されたアーム80d、これらアーム80b、80dどうしを連結する連結ロッド80eと、アーム80dの先端部に結合された上下動ロッド80fと、前記主軸62dの上端に固定され、上下動ロッド80fの上下動をガイドするスライドガイド80gと、前記ローター62上に固定されたスライドガイド80hと、スライドガイド80hに沿って上下動するL字状の装着ロッド80iと、上下動ロッド80fと装着ロッド80iとの間に介在される部材80jとを備えている。本実施形態では、スライドガイド80h及び装着ロッド80iは、挿入スリーブ61の数に対応して8基ずつ配設されている。各装着ロッド80iの上端部には部材80j及び後述の周溝62fに沿って周回を移動可能なローラー80kが取り付けられている。
【0063】
図8に示すように、前記部材80jは凹状の断面形態を有しており、この断面形態は前記主軸62cの上端に固定されたロータリーガイド62eの外周面に設けられた周溝62fに対応する形態となっている。ロータリーガイド62eの周縁の平面視して3時の部位は凹部62gが形成されており、部材80jはこの凹部62g内において上下動できるように上下動ロッド80fの先端部に固定されている。部材80jは、定位置にあるときは周溝62fの端部間を結んでロータリーガイド62eの全周に溝を形成している。
【0064】
上記構成において、カム軸32bが回転すると、これに当接するカムフォロア80cによってアーム80bが支持軸47bを支点として揺動し、連結ロッド80eを介してアーム80dが支持軸80aを支点としてそれぞれ揺動する。そして、上下動ロッド80f及び装着ロッド80iがそれぞれスライドガイド80g及び80hに沿って上下動し、挿入スリーブ61が所定のタイミングで上下動するように構成されている。
【0065】
挿入ピン81は、挿入ピン81が整列部60に噛み込むこと、及び用毛13が挿入ピン81と整列部60との間へ噛み込むことを防止する点から、用毛13の直径より狭い所定のクリアランス(挿入ピン81の外周と整列部60の前記直線部分における内周との最大隙間)を設けることが好ましい。該クリアランスは、0.03〜0.15mmであることが好ましい。また、挿入ピン81の先端形状は、後述の用毛束保持治具91の挿入孔90の先端形状と略対応した形状で且つ階段状に設けられていることが好ましい。
【0066】
挿入ピン81の上下動機構82は、図2及び図3に示すように、一部が前記分離移送手段3の駆動部32及び前記第1整列手段4の上下動機構47と兼用されており、前記カム軸32bと、前記支持軸47b、47cと、支持軸47bに回動自在に連結されたアーム82aと、アーム82aに取り付けられたカムフォロア82bと、前記支持軸47cに回動自在に連結されたアーム82cと、これらアーム82a、82cどうしを連結する連結ロッド82dと、アーム82cの先端部に結合された上下動ロッド82eと、上下動ロッド82eの上下動をガイドするスライドガイド82fとを備えている。挿入ピン81は、上下動ロッド82eの先端部に取り付けられている。
【0067】
上記構成において、カム軸32bが回転すると、これに当接するカムフォロア82bによってアーム82aが支持軸47bを支点として揺動し、連結ロッド82dを介してアーム82cが支持軸47cを支点として揺動する。そして、上下動ロッド82eがスライドガイド82fに沿って上下動することで、挿入ピン81が所定のタイミングで上下動するようになっている。
【0068】
本実施形態では、上下動機構80、82は、ローター62が当該ローター62を平面視したときの3時の位置に達したときに、挿入スリーブ61及び挿入ピン81が上下動し、整列部60内の用毛13を用毛束保持治具91の挿入孔90に挿入するようになっている。
【0069】
前記配向手段9は、前記送出手段8で送出された用毛を配向させる装置であり、図9に示す挿入孔90を有する用毛束保持治具91と、用毛束保持治具91を水平面内で二次元移動可能なxyステージユニット92(図2及び図3参照)とを備えている。なお、製造するブラシにおいて一つの用毛束における毛先を凹凸のある形状とする場合には、用毛束保持治具91を用毛束の長さに対応して鉛直方向に上下動可能で且つ水平面内で二次元移動可能なxyzステージユニットを用いることもできる。
【0070】
図9に示すように、用毛束保持治具91は、歯ブラシ本体11の植毛基部12に対応した凹部91aを有する上板部91bと、その下方に配された中板部91cと、さらにその下方に固定された下板部91dとを有している。前記挿通孔90は、上板部91bから下板部91dに通じるように所定の向きに形成されている。中板部91cは、前後動自在に配されており、用毛13が挿入孔90内に挿入された状態で当該用毛13にせん断方向の力が働くようにスライドさせることで、用毛13の配向後に当該用毛束保持治具91を移動させる場合に、挿入孔90内に挿入された用毛13の配向にずれが生じないようになっている。
【0071】
前記xyステージユニット92は、図2及び図3に示すように、前記用毛束保持治具91を水平面に沿って二次元移動させる装置であり、用毛束保持治具91上に固定された前記歯ブラシ本体11の基板部12の植毛孔12aが、前記挿入ピン81の昇降位置に位置決めされるように、用毛束保持治具91を移動させる。
【0072】
製造装置1は、前記各手段を所定のシーケンスに従って同期して作動させるシーケンサーを備えた制御部(図示せず)を有しており、用毛13の分離から挿入までの一連の動作は全て自動で行われるように構成されている。
【0073】
次に、本発明のブラシの製造方法を、その好ましい実施形態として、前記製造装置1を用いた歯ブラシの製造方法に基づいて説明する。
【0074】
図1に示すように、先ず、前記集毛手段2の前記集積部21に所定長さの用毛13を縦に揃えた状態で集積し、前記押圧部21のモーターを駆動させて用毛13を所定の集積密度で集積させる。用毛13の集積密度は、用毛13の太さ、用毛の材質、用毛の長さに応じて適宜設定することができるが、用毛13を分離し易くする観点から50〜75%であることが好ましく、55〜70%であることがより好ましい。ここで用毛の集積密度とは、単位面積当たりの集積した用毛の総断面積の割合(百分率)である。
【0075】
用毛13には、従来から歯ブラシの用毛に用いられている通常の材質、形態のものを特に制限なく用いることができる。
用毛13の材質としては、ナイロン等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステルが挙げられる。
用毛13の長さは、5〜20mmであることが好ましく、8〜18mmであることがより好ましい。用毛13の太さは、6〜10mil(127〜254μm)であることが好ましく、7〜9mil(178〜229μm)であることがより好ましい。
【0076】
次に、用毛の分離工程で、所定長さに切断された用毛13の集合から所定本数の用毛13を分離する。
本実施形態では、前記分離移送手段3の鞘部30及びピッカー31が作動し、集積部21に集積された用毛13の集合から前記凹部31aで所定本数の用毛13を挟持して分離する。そして、鞘部30及びピッカーが用毛13をy方向に移動し、前記ローター42を平面視したときの前記0度の位置にある前記整列スリーブ41の上方でその略同軸上において位置決めする。このような分離移送手段3によって用毛13の分離移送を行うことで、前記集積部21における均一な集積密度において、前記凹部32aの一定容積で用毛の長さ方向に曲折応力をかけずに用毛を分離することで、用毛の本数を安定して分離することができる。
【0077】
次に、用毛の整列工程で、分離された前記用毛13を、前記第1整列手段4における整列スリーブ41の整列部40及び前記第2整列手段6における挿入スリーブ61の整列部60に導いて、拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる。ここで、拘束せずにとは、整列部40及び整列部60の開口部を用毛13が自由落下可能な方向に向けたときに、支持(保持)がないと用毛13が容易に自由落下してしまう状態をいう。
【0078】
本実施形態では、先ず、前記用毛導入手段5の前記負圧源が、前記吸気管路50及び前記底板42cの前記吸気孔を通じて整列部40内を負圧吸引する。そして、ピッカー31の戻り動作によって用毛束14の挟持を解き、前記負圧吸引に伴う下方に向かう気流によって、用毛13を整列スリーブ41の整列部40内に素早く導く。用毛13は、前記底板42cで止められるが、該気流が用毛間の隙間及び整列部の内面と用毛の間の隙間を下方に流れつづけるため、用毛13が長さ方向及び径方向に整列される。
【0079】
そして、整列スリーブ41の前記通気路41aを通じた負圧吸引による気流によって、整列部40内に導入された用毛13は、整列された状態で整列部40の内面に引きつられけて安定的に保持され、底板42cのない部分における用毛13の整列スリーブ41内からの落下が防止される。
【0080】
前記通気路を通じた気流によって吸引保持した状態で、前記駆動部43が作動して前記ローター42が反時計回りに略45度刻みで180度回転する。この間に、前記タップピン44〜46が整列部40内の用毛13の上端部をそれぞれタップし、用毛13を長さ方向及び径方向に整列させる。また、前記エアブロワー48が整列部40内にエアーを吹き付け、用毛13を全て整列部40内に納め、各用毛13の先端を底板42cで整列させる。
【0081】
次に、第1整列手段4で整列された用毛13を前記挿入スリーブ61内の整列部60内に導いて拘束せずにその長さ方向及び径方向に整列させる。
本実施形態では、前記ローター42が前記0度の位置から180度回転すると、整列スリーブ41の下方でその同軸上に位置する挿入スリーブ61の整列部60内が、用毛導入手段7の前記吸気管路70を通じて前記負圧源によって負圧吸引される。その一方で、前記用毛導入手段7の前記押し込みピン73が降下し、整列部40内で整列された用毛13を当該整列部40内から下方に押し出し、用毛13の上端が整列スリーブ41の通気路41aを通過するまで用毛13を押し込んで負圧を解く。そして、吸気管路70を通じた負圧吸引による下向きの気流によって、用毛13を挿入スリーブ61の整列部60内に素早く導く。用毛13は前記受取ピン71の上端面で止められるが、該気流が用毛間の隙間及び整列部の内面と用毛の間の隙間を下方に流れつづけるため、用毛13が長さ方向及び径方向に整列される。
【0082】
そして、挿入スリーブ61の前記通気路61aを通じた負圧吸引による気流によって、整列部60内に形成された用毛13は、整列された状態で整列部60の内面に引きつけられて安定的に保持され、底板62dのない部分における用毛13の挿入スリーブ61内からの落下が防止される。
【0083】
通気路61aを通じた気流によって用毛13を吸引保持した状態で、前記駆動部63が作動して前記ローター62が時計回りに略45度刻みで180度回転する。この間に前記タップピン64〜66が用毛13の上端部をタップし、用毛13を長さ方向に整列させる。また、前記エアブロワー48が整列部60内にエアーを吹き付け、用毛13を全て整列部60内に納め、各用毛13の先端を底板62dで整列させる。
【0084】
次に、用毛の配向工程で、整列された前記用毛13を前記用毛束保持治具91の挿入孔90に挿入して所定方向に配向させる。
本実施形態では、植毛孔12aを有する植毛基部12を先端部に備えたブラシ本体11を予め成形しておき、ブラシ本体11を、植毛孔12aを挿入孔90に合わせて用毛束保持治具91上に固定しておく。そして、前記挿入スリーブ61で前記植毛孔12aを介して前記用毛13を拘束しながら前記挿入ピン81で前記挿入孔90に挿入する。このように植毛孔12a内で用毛13を拘束することで、その後の工程へ移行するときの用毛の乱れが抑えられる。ここで、用毛が拘束されるとは、用毛13を自由落下可能な方向に向けたときに、用毛13が植毛孔12a内から容易に自由落下しないことをいう。このように用毛が拘束された状態となることで、その後に植毛基部12の背面に溶融樹脂を充填する際に、植毛孔12aや挿入孔90へ溶融樹脂が漏れることを防止することができる。
【0085】
本実施形態では、ローター62の前記3時の位置における挿入スリーブ61と挿入ピン81の昇降のタイミングは、次にように行われるようになっている。
【0086】
先ず、図10(a)に示すように、挿入スリーブ61が、その先端部が前記用毛束保持治具91に固定された歯ブラシ本体の植毛基部12の上面に対して所定のギャップを有するように降下する。このギャップの範囲は、用毛13を安定的に挿入させること及び挿入スリーブ61の先端と植毛基部12の接触防止の点から0.1〜3mmであることが好ましい。
【0087】
次に、図10(b)及び(c)に示すように、挿入ピン81が整列部60内の用毛13の上方から最下点まで降下し、用毛13を下方に押し下げる。このとき、図9に示すように、全ての用毛13がその軸方向にほぼ真っ直ぐに揃った状態で挿入孔91内に挿入される。また、挿入ピン81の先端部が用毛束保持治具91の挿入孔90の先端部に対応した階段状の形態に設けられているため、用毛13の先端部の形状が挿入孔90に挿入される前に整えられており、植毛の最終形態である挿入孔90の先端部の形態に対応した用毛13の挿入が可能となる。図10(c)に示すように、挿入ピン81の先端部は、最下点まで降下したときでも挿入スリーブ61内に位置するように設定されている。
【0088】
挿入ピン81が最下点まで達して用毛13の挿入孔90への挿入が完了すると、図10(d)に示すように、挿入ピン81よりも挿入スリーブ61のほうが先に上昇を開始する。そして、挿入スリーブ61の先端部が全ての用毛13の上端部より上に上昇した後に、図10(e)に示すように、挿入ピン81が所定位置まで上昇し、用毛13の挿入孔90への挿入動作が完了する。
【0089】
挿入ピン81の先端部が最下点まで降下した状態における挿入ピン81の先端部と挿入スリーブ61の先端部との距離は、用毛13の端部の広がりを防ぐほか、挿入ピン81で用毛13の端部の全てを安定して挿入できるようにする点から0.5〜5mmであることが好ましい。
【0090】
一つの挿入孔90についての挿入動作が完了した後、次に用毛13を挿入する挿入孔90が前記3時の位置に位置決めされるように前記xyステージユニット92が作動した後、上記の手順で用毛13の配向が行われる。
【0091】
次に、ブラシ本体11を前記用毛束保持治具91とともに用毛13の突出端部の溶融ステーション(図示せず)に移送し、植毛基部12の背面側に突出した前記用毛13の端部を、レーザービーム、ヒーター、超音波等の各種溶融手段(図示せず)で溶融させ、前記植毛孔12aよりも断面の大きな溶融塊を形成するとともに、隣接する用毛13の溶融塊どうしを連結させる。
本実施形態では、植毛基部12を用毛束保持具9に配設した上で、その突出端部を溶融させて溶融塊を形成するため、溶融した樹脂樹脂が仮に植毛孔12a側に浸みだしても外観を損なうことがない。
また、植毛孔12aを介して用毛13を挿入し、拘束した上で溶融塊の形成を行うため、当該溶融塊を形成する際に例えばプレスヒーター等で圧力が加えられても用毛の乱れが抑えられる。
また、植毛基部12の背面側のみ成形ですむため、植毛後の成形設備が小規模で済むほか、樹脂を注入する部分が少ないため、射出圧力を低くすることができ用毛束と植毛孔との間からの樹脂のもれを抑えることができる。
また、本実施形態では、用毛保持治具91に植毛基部12が位置決め固定され、用毛13が植毛孔12aに整列状態で拘束されて挿入孔90内に収められているため、用毛の先端部の整列状態が安定的に維持される。また、用毛束保持治具に植毛基部を位置決め固定したまま、配向工程以後の工程に移行させることができるので、この後の工程における用毛の配向の乱れ(毛立ち)を抑えることができる。
【0092】
その後、ブラシ本体11をそのまま前記用毛束保持治具91とともに植毛基部12の背面の成形ステーション(図示せず)に移送し、該ステーションにおいて、射出成形、背面板の接着、接着樹脂若しくは被覆基板による被覆等を行って植毛部を形成し、歯ブラシ1の製造を完了する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態の製造装置1及びこれを用いた歯ブラシの製造方法によれば、用毛13の集合から分離された各用毛13を整列手段4及び6で整列させてその軸方向に殆ど揃った状態で挿入孔90内に挿入できるため、用毛束の配向性に優れ、且つ用毛13の先が広がらずにきれいに整列した歯ブラシを高速でかつ安定的に製造することができる。
【0094】
また、植毛孔12aよりも軸方向に直交する断面形状が大きな整列部40に用毛13を一旦導いて拘束せずに長さ方向及び径方向に整列させた後、軸方向に直交する断面形状が植毛孔12aと略同形状の整列部60に導いて用毛13を整列させるようにし、用毛を整列させる過程で整列部の断面形状を段階的に狭めて植毛孔12aの断面形状に近づけるようにしたので、急激な絞り込みに伴う用毛の乱れを抑えることができる。また、製造する歯ブラシに応じて植設する植毛孔12aの断面形状を多様に変更させる場合でも、分離手段3を変更することなく、挿入スリーブ61の整列部60の軸方向に直交する断面形状を変更するだけで、植毛孔12aの多様な断面形状の変更にも容易に対応することができる。
【0095】
本発明は前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0096】
例えば、前記実施形態の製造装置1では、用毛を整列させる第1整列手段4の整列部40及び第2整列手段6の整列部60を、それぞれローター42及びローター62で互いに独立して移動させるようにしたが、これらを同軸上で一体的に移動させる実施形態とすることもできる。
【0097】
図11は、この実施形態に用いられる製造装置を示すものである。なお、図11において、前記製造装置1と共通する部分については、同一符号を付している。図11は、前記製造装置1における第1整列手段4及び第2整列手段6に対応する部分(図8相当図)を示している。
【0098】
図11に示すように、本実施形態の製造装置1’は、インデックスユニット43aの鉛直方向の出力軸に連結された主軸42a’に、一つのローター42’が固定され、ローター42’の周縁部に上下動自在に配された装着ロッド80i’に、前記製造装置1における整列スリーブ41と、整列スリーブ41より整列部の軸方向に直交する断面積が狭い挿入スリーブ61とが同軸上に上下に装着されている。
【0099】
製造装置1’においては、ローター42’を平面視したときの9時の位置(0度の位置)で、前記分離移送手段3で分離移送された所定本数の用毛が整列スリーブ41の整列部40内に導入される。本実施形態では、用毛導入手段5’として、挿入スリーブ61の下方に、前記製造装置1における用毛導入手段7の吸引管路70及び受取ピン71が配されており、吸引管路70を通じて用毛が整列部40内に挿入される。そして、ローター42’が半回転する間の所定位置において、前記製造装置1におけると同様に、タップピン(図示せず)によって整列部40内の用毛の上端部がタップされ、長さ方向及び径方向に整列させられる。
【0100】
ローター42’が回転して前記180度の位置に達すると、挿入スリーブ61の下方に略同軸上に配された用毛導入手段7によって、前記製造装置1におけると同様に、図示しない負圧源による負圧吸引にともなう挿入スリーブ61内の気流と押出ピン(図示せず)とによって用毛が整列部60内に導入される。
【0101】
整列された用毛の挿入は、ローター42’がさらに所定回転した挿入位置で前記製造装置1におけると同様に、装着ロッド80iと挿入ピン(図示せず)とを作動させて行なわれる。
【0102】
このように、本実施形態の製造装置1’によれば、整列された用毛の拘束部への移動がより確実に行われるほか、装置の規模を大幅に小型化することができる。本実施形態では、さらに整列スリーブと挿入スリーブとの間にシャッターを設けることによって、用毛13の自由落下によるばらけを防止し、整列工程、挿入工程の各ピンで安定した移送を行うことができる。
【0103】
本発明は、前記実施形態におけるように、整列部40や整列部60への用毛13の導入の際に、前記導入手段5、7の前記負圧源による負圧吸引に伴う気流で用毛13を移送するようにすることが好ましいが、これらの負圧源に代えて、コンプレッサー等の加圧源で発生させた加圧空気等の気流によって用毛を移送することもできる。
【0104】
本発明は、前記実施形態におけるように、分離移送手段3として鞘部30及びピッカー31を往復動させて所定本数の用毛を分離移送する形態の分離移送手段を備えていることが好ましいが、分離移送手段は、これに制限されるものではなく、他の形態、例えば、ロータリー式のピッカーを備えた分離移送手段を用いることもできる。
【0105】
また、整列スリーブ及び挿入スリーブの数、並びにインデックスユニットの割付角は、製造する歯ブラシに応じて適宜設定することができる。
【0106】
また、本発明は、前記実施形態におけるように、植毛孔を有する植毛基部を、挿入孔を有する用毛束保持治具上に固定し、植毛孔を介して用毛を挿入孔に挿入して配向させる工程を有するブラシの製造方法に特に好適であるが、植毛基部及び用毛束保持治具を用いずに、用毛を所定方向に配向させる挿入孔を有する金型を用いるブラシの製造方法にも適用することができる。この場合には、前記実施形態における植毛基部及び植毛孔に関する種々の製造条件を、該金型及び該挿入孔に関する条件に置き換えて適用することができる。
【0107】
また、本発明は、前記実施形態におけるように、拘束せずに用毛を整列させる際に、前記整列スリーブ及び挿入スリーブの通気路を通じた負圧吸引によって当該整列部内の用毛を保持するようにすることが好ましいが、これに代えて、各スリーブに用毛の落下防止用のシャッターを設け、スリーブの移動位置に応じてスリーブを開閉するようにすることもできる。
【0108】
また、本発明は、前記実施形態におけるように、前記整列スリーブと前記挿入スリーブとの間で整列部の整列空間を段階的に狭めることによって用毛を整列させることに加え、整列部内の用毛を整列させる手法として、前記整列スリーブ及び挿入スリーブの各通気路を通じた負圧吸引、前記各タップピンによるタッピング、及びエアブロワーによるエアブローにより用毛を整列させる手法を用いることが好ましいが、これらの負圧吸引、タッピング、エアブローは単独で又は二つを組み合わせることもできる。また、整列部内で用毛を整列させる手法として、各スリーブを所定の振動で振動させる手法を用いることができ、該手法を単独で又は前記各手法と組み合わせて用いることもできる。
【0109】
また、前記実施形態では、用毛を一束ずつ植毛基部12の植毛孔12aを介して用毛束保持治具91の挿入孔90に挿入するようにしたが、整列された用毛を複数の挿入孔を有する挿入治具(キャリア)に一旦移送した後、該挿入治具から前記植毛基部の植毛孔又は前記金型の挿入孔に、まとめて又は個々に挿入することもできる。
【0110】
本発明は、前記実施形態におけるように、歯ブラシの製造に特に好適であるが、歯ブラシ以外のブラシの製造、例えば、ヘアブラシ、マッサージブラシ、洗浄ブラシその他の各種ブラシの製造にも適用することができる。
【0111】
【発明の効果】
本発明によれば、用毛束の配向性に優れ、且つ用毛がきれいに整列したブラシを安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラシの製造方法を歯ブラシの製造に適用した一実施形態における手順を模式的に示す図である。
【図2】本発明のブラシの製造装置を歯ブラシの製造装置に適用した一実施形態を示す概略平面図である。
【図3】同概略側面図である。
【図4】同製造装置における集毛手段を模式的に示す平面図である。
【図5】同製造装置における用毛の分離移送手段を示す図であり、(a)は、概略平面図、(b)は(a)の要部概略側面図である。
【図6】同分離移送手段における鞘部及びピッカーを模式的に示す平面図である。
【図7】同製造装置における集毛手段、分離移送手段、整列手段及び用毛束形成手段の位置関係を模式的に示す図である。
【図8】同製造装置における整列手段、用毛導入手段及び用毛束形成手段を示す一部を断面視した要部概略正面図である。
【図9】同製造装置における用毛束の挿入工程を示す図である。
【図10】同製造装置における用毛束の挿入工程を模式的に示す図であり、(a)挿入スリーブが最下点に達した状態を示す図、(b)は挿入ピンによる用毛束の挿入状態を示す図、(c)は挿入ピンによる用毛束の挿入完了状態を示す図、(d)は挿入スリーブのみが上昇している状態を示す図、(e)は挿入ピンが上昇している状態を示す図である。
【図11】本発明のブラシの製造装置を歯ブラシの製造装置に適用した他の実施形態における要部概略正面図である。
【符号の説明】
1 歯ブラシの製造装置(ブラシの製造装置)
2 集毛手段
3 分離移送手段
4 第1整列手段
40 整列部
41 整列スリーブ
5 用毛導入手段
6 第2整列手段
60 整列部
61 挿入スリーブ
7 用毛導入手段
8 用毛の送出手段
9 用毛の配向手段
90 挿入孔(挿入部)
91 用毛束保持治具
10 歯ブラシ
11 歯ブラシ本体
12 植毛基部
12a 植毛孔
13 用毛
14 用毛束

Claims (9)

  1. 所定長さに切断された用毛の集合から所定本数の該用毛を分離する分離工程と、分離された前記用毛を整列部に導いて拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる用毛の整列工程とを具備するブラシの製造方法であって、
    前記整列工程では、周壁部に内部から外部に通じる複数の通気路が放射状に設けられているスリーブを有する一の整列部に用毛を導き、該通気路を通じて一の該整列部内を負圧吸引して該用毛の一部を前記スリーブの内面側に移動させ、前記負圧吸引に伴い前記用毛間の隙間及び一の前記整列部の内面と前記用毛の間の隙間を流れ続ける気流で、前記用毛を拘束せずに長さ方向及び径方向に整列させた後、
    一の前記整列部で整列された前記用毛を他の前記整列部に導き、他の該整列部内の負圧吸引により前記用毛間の隙間及び他の該整列部の内面と前記用毛の間の隙間を流れ続ける気流で、前記用毛を拘束せずに長さ方向及び径方向に整列させるブラシの製造方法。
  2. 整列空間の広い一の前記整列部から整列空間の狭い他の前記整列部へ前記用毛を移送して整列させる請求項1に記載のブラシの製造方法。
  3. 一の前記整列部から他の前記整列部への前記用毛の移送を同軸上で行う請求項1又は2に記載のブラシの製造方法。
  4. 一の前記整列部から他の前記整列部への前記用毛の移送を気流によって行う請求項1〜3の何れかに記載のブラシの製造方法。
  5. 分離された前記用毛を気流によって前記整列部に導く請求項1〜の何れかに記載のブラシの製造方法。
  6. 整列させた前記用毛を植毛基部の植毛孔又は金型若しくは用毛束保持治具の挿入部に挿入して拘束し、該用毛を配向させる用毛の配向工程を具備している請求項1〜の何れかに記載のブラシの製造方法。
  7. 請求項1記載のブラシの製造方法を実施するためのブラシの製造装置であって、
    所定長さに切断された多数の用毛を集積させる集毛手段と、該集毛手段で集積された前記用毛の集合から所定本数の該用毛を分離して所定位置に移送する分離移送手段と、分離移送された前記用毛を拘束せずにその長さ方向又は径方向に整列させる整列手段とを備えており、
    前記整列手段は、周壁部に内部から外部に通じる複数の通気路が放射状に設けられているスリーブを有する一の整列部と、一の該整列部で整列された用毛が移送されて整列される他の整列部とを有しており、
    前記通気路を通じて一の前記整列部内を負圧吸引して用毛の一部を前記スリーブの内面側に移動させ、該負圧吸引に伴い用毛間の隙間及び一の前記整列部の内面と用毛の間の隙間を流れ続ける気流で、前記用毛を拘束せずに長さ方向及び径方向に整列させた後、
    一の前記整列部で整列された用毛を他の前記整列部に導き、他の該整列部内の負圧吸引に伴い前記用毛間の隙間及び他の該整列部の内面と前記用毛の間の隙間を流れ続ける気流により前記用毛を拘束せずに長さ方向及び径方向に整列させるように設けられているブラシの製造装置。
  8. 一の前記整列部で整列された前記用毛を他の前記整列部に導く用毛導入手段を備えており、該用毛導入手段が、他の前記整列部に気流を生じさせて前記用毛を他の該整列部内に導入するようになしてある請求項記載のブラシの製造装置。
  9. 他の前記整列部で整列された前記用毛を他の該整列部の外へ送出する用毛の送出手段と、前記送出手段で送出された用毛を拘束状態で所定方向に配向させる配向手段とを備えている請求項記載のブラシの製造装置。
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