JP2003244265A - 位相比較器 - Google Patents

位相比較器

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JP2003244265A
JP2003244265A JP2002044974A JP2002044974A JP2003244265A JP 2003244265 A JP2003244265 A JP 2003244265A JP 2002044974 A JP2002044974 A JP 2002044974A JP 2002044974 A JP2002044974 A JP 2002044974A JP 2003244265 A JP2003244265 A JP 2003244265A
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JP2002044974A
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Atsushi Murayama
敦 村山
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Detection And Prevention Of Errors In Transmission (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数オフセットが大きい場合、従来の位相
比較器では毎シンボル発生する送信信号と受信信号の位
相差の変化に対応できず、周波数引込ができなくなる。 【解決手段】 毎シンボル発生する送信信号と受信信号
の、量子化された位相差の変化を順次求めることによ
り、従来の位相比較器では引込ができなかったような大
きな周波数オフセットに対しても、周波数引込が可能と
なる。また、この量子化された位相差の変化を一定の時
間にわたってモニタし、その間に観測された、量子化さ
れた位相差の変化のうちもっとも頻度の高い値を出力す
る多数決法を用いているため、精度よく周波数オフセッ
トを検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は位相比較器に関
し、特に直交振幅変調方式の搬送波再生回路に用いられ
る位相比較器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータなどデジ
タル回路で構成される機器の普及に伴い、通信網を用い
たデジタルデータのやり取りが盛んになっている。ま
た、テレビ放送のような通信サービスにおいても限られ
ている使用可能な周波数帯域の利用効率を高めるため
に、デジタル通信技術によるサービスが実用化され始め
ている。
【0003】これらのデジタル通信技術には直交振幅変
調(以下、QAMと称する)がしばしば用いられる。Q
AMは直交した2つの関数、たとえばsin関数とco
s関数とを用いてデジタルデータを振幅,位相情報に変
換して伝送する。
【0004】図9は同相・直交各信号に4値を与えた1
6QAMのベクトル配置を示すグラフである。図9にお
いてI軸は同相成分である余弦波の振幅を示し、Q軸は
直交成分である正弦波の振幅を示し角度θは位相を示
す。図9中黒点で示されるシンボルは正弦波と余弦波の
合成ベクトルを表し、16QAMの場合、一定間隔を持
って送出される離散値信号であるシンボルは4ビットの
情報を持つ。
【0005】図10は特開平10−093651号公報
で説明されている直交振幅変調波の搬送波再生回路(以
下、QAM復調器と称する)の構成を示すブロック図で
ある。図10に示す搬送波再生回路のデータ入力端子に
入力される変調波INは、既にアナログデジタル変換器
を経てデジタル値になった変調波であり、以降の演算処
理はすべてデジタル回路により行なわれるものとする。
【0006】入力変調波INは、固定周波数の局部発振
器から出力されたそれぞれ正弦波および余弦波の波形を
持つ局部発振信号により乗算器10,11において検波
され、2つの直交したI軸とQ軸の成分に分離される。
それぞれの検波出力は同一の周波数特性を持つ2つのL
PF12,13にそれぞれ入力され、スペクトル整形さ
れる。
【0007】これらLPF12,13はデジタルデータ
伝送における符号間干渉防止に要求される伝達特性を形
成するロールオフフィルタまたはルートロールオフフィ
ルタであり、一般に送信側のフィルタ特性と組合せられ
たとき、シンボル間干渉を生じないレイズドコサイン特
性が得られるように設計されている。
【0008】LPF12,13の出力はデローテータ1
4に入力される。デローテータ14は複素乗算器であ
り、数値制御発振器(以下、NCOと称する)15から
それぞれ正弦的および余弦的なデータ変換信号が入力さ
れ、入力された変調波INの位相ずれおよび周波数ずれ
を補正する役目を持つ。
【0009】デローテータ14の出力はシンボル情報を
ビット列に変換するデコーダ16と位相比較器17に入
力される。位相比較器17は所定のアルゴリズムにより
入力された各シンボル情報について理想的なシンボルを
予測し、理想的なシンボルとの位相誤差を検出する。検
出された位相誤差はループフィルタ18で平滑化され、
NCO15の周波数制御端子に入力される。NCO15
は入力されたデジタル信号に比例する周波数を持つ信号
を生成するとともに、データ変換機能を備えており、N
CO15は正弦的な信号および余弦的な信号をデジタル
信号として出力する回路である。
【0010】NCO15から出力される正弦的および余
弦的な出力は、入力された変調波INの位相ずれおよび
周波数ずれを補正するための情報としてデローテータ1
4に供給される。デローテータ14の出力から残留する
周波数誤差がなくなった時点でシンボル情報をビット列
に変換するデコーダの出力は、送信されたデジタルデー
タと同一のデータとなり、完全に復調される。
【0011】図11は図10に示した搬送波再生回路に
用いられる位相比較器のブロック図での一例を示す。図
11において、データDI,DQは図10のデローテー
タ14の出力であり、実受信シンボルの座標(i,q)
を表している。演算ブロック1では与えられたデータD
I,DQからデータの搬送波のパワーまたは搬送波の振
幅が求められる。
【0012】位相誤差計算ブロック2は演算ブロック1
から出力された搬送波のパワーまたは振幅から位相誤差
を計算するためのブロックである。位相誤差計算ブロッ
ク2は、実受信シンボルが送信時にどの理想的なシンボ
ルに対応していたかを推定する理想シンボル推定ブロッ
ク2aと、理想シンボル推定ブロック2aで推定された
複数の理想的なシンボルおよび実受信シンボルから複数
の予測位相誤差としてtan(θ)を求める位相誤差t
an(θ)計算ブロック2bを含んでいる。理想シンボ
ル推定ブロック2aは、演算ブロック1で求められたパ
ワーまたは振幅から実送信シンボルに対応する理想的な
シンボルの推定を行う。
【0013】理想シンボル推定ブロック2aからは、抽
出された複数の理想的なシンボルを示す複数のシンボル
信号4が出力される。位相誤差tan(θ)計算ブロッ
ク2bはそれぞれが理想的なシンボルを特定する複数の
シンボル信号から、データDI,DQで与えられる実受
信シンボルとの予測位相誤差θで決まる複数のtan
(θ)を計算してその値を予測位相誤差信号5として出
力する。位相誤差判定ブロック3は、位相誤差tan
(θ)計算ブロック2bが出力する複数の予測位相誤差
信号5の中から最適な位相誤差の判定を行う。
【0014】このように構成された位相誤差計算ブロッ
ク2において、搬送波のパワーまたは振幅によって予測
位相誤差信号5を生成するので、周波数誤差や位相誤差
がたとえば−π/4<θ<π/4のように大きな入力信
号に対しても予測位相誤差信号θを求めることができる
ようになる。
【0015】ところで、周波数誤差が一定であれば、実
受信シンボルは毎シンボル、周波数誤差に相当する位相
分だけ実送信シンボルからの誤差が大きくなる。つま
り、毎シンボル、一定量の位相分ずつ誤差がどんどん増
えていく。
【0016】図12は受信信号と理想シンボル候補との
位相差を示す図であり、たとえば実送信シンボルがAで
連続した場合、時刻t1からt2,t3,t4と時刻が
進むにしたがって位相差がθずつ増えていく。実送信シ
ンボルが時刻ごとに変化する場合も、このθは変化しな
い。
【0017】次に、図13に示すように、複数の位相差
を−π/4〜π/4の範囲内に限定し、この−π/4〜
π/4の範囲を16分割(量子化)して得られた複数の
領域のどこに相当するかを探し出し、その領域に検出信
号としてフラグ「1」を立てる(図13のクロック
1)。もしも位相差がこの−π/4〜π/4の範囲に入
らない場合、たとえば−π/4よりも小さければこの値
にπ/2を足すことにより、π/4よりも大きければこ
の値にπ/2ずつ引くことにより、π/2ずつシフトさ
せてこの−π/4〜π/4の範囲に収めるようにする。
ここで位相分割数を16としたが、従来の位相比較器で
は、分割数は、理想シンボルの最小の位相間隔以下の分
割になるように決めている。
【0018】次に、上記の、理想シンボルのリストアッ
プからフラグを立てるまでの過程を、次のクロックにお
ける受信信号に対しても行なう。ただし、フラグはクロ
ック毎に分けて立てる。
【0019】周波数誤差がなく、位相誤差のみがある場
合、受信信号の位相と本来受信されるべき送信信号の位
相との差は一定であるから、上記で得られる2クロック
分のフラグを比較すると、同じ位相誤差領域で連続で検
出されるフラグがあることが予想される。この領域が1
ヶ所の場合は、この領域に相当する位相誤差を位相比較
器の出力とする。図13の例でいえば、クロック1とク
ロック2における領域「J」がこれに相当する。フラグ
が連続で検出された位相誤差領域が2ヶ所以上ある場合
(図13のクロック3〜クロック4)や、フラグが連続
で検出された領域がない場合(図13のクロック2〜ク
ロック3)には、直前のクロックにおける位相検出部の
出力を参考にするなりの処理が必要となる。
【0020】上記において、周波数誤差については1ク
ロック変わる毎にフラグが変化する領域が1つの領域以
下のものまでを扱っている。たとえば、図14に示すよ
うに、10クロック分のフラグを見たとき、まず3回連
続で領域「C」で、続いて5回連続で領域「D」で、さ
らに続いて2回連続で領域「E」でフラグが検出された
とする。この場合は5クロックでπ/32だけ位相が回
転したことになる。
【0021】以上が今回の改善もととなる位相比較器の
概要である。ここで、上記で述べているように、周波数
誤差については1クロック変わる毎に誤差が変化する領
域が1つの領域以下のものまでを扱っている。これを具
体的に周波数であらわすと、シンボルレートに対して最
大1.5625%(=(90/16)×(1/36
0))の周波数誤差までしか引込ができないことにな
る。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の位相
比較器は、1シンボル毎に、誤差が変化する領域が1つ
の領域以下である周波数誤差を補正するものである。そ
のため、これ以上大きな周波数誤差が発生している入力
信号に対しては正確な周波数誤差を検出することができ
ないという問題があった。
【0023】この発明はこの問題を解決するためになさ
れたもので、1シンボル毎にフラグが変化する領域が1
つの領域以下であるという制限を設けず、本来受信され
るべき送信信号に対するフラグのみに注目した場合、毎
シンボル同じ領域分だけフラグがシフトするという原理
にもとづき、1シンボル毎にフラグがシフトする領域が
いくつ分であるかを求めることにより、より大きな周波
数誤差を検出することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、信号
を伝送する搬送波のパワーまたは振幅から、その搬送波
により伝送されてきた実受信シンボルに対応すると推定
された理想的なシンボルに対し、この理想的なシンボル
の位相と実受信シンボルの位相との位相差を、理想的な
シンボルの最小の位相間隔以下の分割になるようにπ/
4〜−π/4の間を分割して得た複数の領域に検出する
際、位相誤差を求める場合の分割数よりも大きい分割数
を用いた領域に検出しフラグを立てることを特徴とす
る。
【0025】請求項2の発明は、前記複数の領域に検出
された複数の位相差に対して、前後の時刻の各領域の状
況を比較することにより周波数誤差の判定を行なうこと
を特徴とする。
【0026】請求項3の発明は、前後の時刻の各領域の
状況を比較する際、その前後の時刻において立てられた
複数のフラグに対し、各時刻においてそれぞれ1つのフ
ラグを選び、いくつ分の領域だけ離れているかを減算に
よって求めることを特徴とする。
【0027】請求項4の発明は、各時刻における複数の
フラグから1つのフラグを選ぶ際、前後の時刻に対する
フラグを総当りで比較するようにフラグを選ぶことを特
徴とする。
【0028】請求項5の発明は、総当りで比較された複
数の領域差を一定時間にわたって求め、もっとも頻度の
高い領域差に相当する周波数誤差を出力することを特徴
とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。この発明は多値QA
M全般にわたって有効な手段であるが、128QAMの
場合を例に説明する。
【0030】いま、図11に示した従来の位相比較器に
おいて、位相誤差の範囲(−π/4〜π/4)を16分
割した場合を例に説明する。分割数がこれとは異なる場
合においても同様に考えられる。図1はその位相誤差範
囲の一部分を示し、図2は分割された各領域に振り分け
られた周波数誤差の状態を示している。
【0031】図1(a)において、−π/4とπ/4は
等価であり、その詳細については、前述の特開平10−
093651号公報で述べられている。
【0032】図1(a)に示す時刻1において実受信シ
ンボルの位相と理想シンボルの位相との差が位相誤差領
域「A」と「D」とで位相差が検出されたとする(時刻
1に対して領域「A」と領域「D」とにフラグ「1」を
立てる)。そして同時に、領域「A」に立てたフラグ
が、領域「A」対してさらに細分化された領域のうちど
の領域に相当する位相差かを求め、その位相差に相当す
る領域にフラグを立てる。いま、この細分化を図1
(b)に示すように4分割とすると、4分割された領域
「A1」〜「A4」のうち、対応する領域にフラグを立
てる(いまの場合「A2」に相当し、ここにフラグを立
てている)。領域「D」で検出されたフラグに関しても
同様の操作を行ない、「D3」にフラグを立てている。
【0033】次に、時刻2において実受信シンボルの位
相と理想シンボルの位相との差が従来の位相比較器にお
いて位相誤差領域「B」と「G]とで検出されたとす
る。時刻1の場合と同様に、さらに細分化された領域
「B2」と「G4」とにフラグを立てる。
【0034】時刻1と時刻2を比較した場合、本来受信
されるべきシンボルは周波数誤差に相当する位相だけシ
フトするはずである。そこで、時刻1と時刻2での推定
された各理想シンボルに対してその位相差を総当り的に
求める。領域「A2」の領域番号が「1」、領域「B
2」の領域番号が「5」であるので、時刻2における領
域「B2」のフラグと時刻1における領域「A2」の位
相差は「5」−「1」=「4」と求まり、これを時刻2
における推定周波数誤差として図1(c)の周波数誤差
領域「セ」にフラグを立てる。
【0035】ここで、従来の位相比較器における位相誤
差領域は1分割あたり90deg/16=5.625d
egであるので、細分化された領域が4分割の場合、1
領域あたり5.625deg/4=1.40625de
gである。これを周波数に換算すると、ビットレートが
52Mbps、変調方式が128QAMの場合(1.4
0625/360)×(52M/7)=29.02kH
zである。
【0036】搬送波引き込み幅が±200kHzの場
合、200/29=6.90、つまり最低でも±7領域
分の周波数誤差は考慮しなければならない。ひとつの目
安として、現行の位相誤差検出器では±55kHzまで
引き込みが可能であるので、55/29=1.90、つ
まり2領域分余計に考慮して図1(c)では±9領域分
の周波数誤差まで検出している。
【0037】以上の周波数誤差領域を考慮すると、時刻
2における領域「G4」のフラグと領域「A2」のフラ
グの位相差は「27」−「1」=「26」>「9」とな
って、考慮せずに済む。時刻2における領域「B2」の
フラグと時刻1における領域「D3」のフラグについて
は、「5」−「14」=「−9」となって、周波数誤差
領域「ア」にフラグを立てる。
【0038】次に、注意しなければならないのは、図示
していないが時刻1において位相誤差領域「P3」(領
域番号「62」)にフラグがたっている場合で、領域
「B2」との差、「5」−「62」=「−57」は「−
9」より小さいが、領域「P4」と領域「A1」は隣接
していると考えなければならないため、この場合は64
だけ値をシフトさせ、「7」として周波数誤差領域
「チ」にフラグを立てる必要がある。
【0039】すなわち、領域番号の差を求めた結果、そ
の値が「32」を超えたならば、64だけ値を引き、
「−32」を下回ったら64だけ値を足して、その得ら
れた値に相当する領域にフラグ「1」を立てる。
【0040】ここで、領域番号の差を求めた結果、その
値が「32」または「−32」というのは、正負どちら
の方向をとってもその絶対値は同じであるため、この場
合はフラグを立てないことにする。
【0041】なお、図1(c)の領域において、既にフ
ラグ「1」が立っている領域に対してさらにフラグ
「1」を立てる必要がある場合がある。その場合は、既
にあるフラグ「1」にフラグ「1」を足して、フラグ
「2」を立てることとする。
【0042】以上のルールにしたがって、クロック1の
それぞれのフラグに対し、クロック2におけるそれぞれ
のフラグとの領域差を求めることができる。フラグは1
クロック当たり最大4つまで存在する場合があるので、
毎クロックに対して最大4×4=16とおりの領域差を
計算し、そのうち考慮しなければならない範囲の領域差
について、図1(c)のようにフラグ「1」を立ててい
く。
【0043】周波数誤差が一定であれば、その誤差に相
当する図1(c)の領域差(周波数誤差領域)にフラグ
が多く検出されるはずである。シンボル数がある一定数
に達したら、各周波数誤差領域で検出されたフラグ数を
カウントし、カウント数がもっとも大きい周波数誤差領
域を、真の周波数誤差として出力する。
【0044】上記の発明について、シミュレータを用い
て実施した。シンボル数がある一定数(現状では399
6シンボル)に達したら、各周波数誤差領域で検出され
たフラグ数をカウントし、カウント数がもっとも大きい
周波数誤差領域を真の周波数誤差として検出し、検出さ
れた真の周波数誤差がどの程度信頼できるかを評価す
る。
【0045】まず、各バースト(1バースト=3996
シンボル)において各周波数誤差領域にどのくらいのフ
ラグ数がカウントされているかを表したものが図2であ
る。この図2では領域「4」においてフラグ数が最大と
なっている。前述の見積もり(1周波数誤差領域あた
り、29kHzの幅をもっている)より、周波数誤差領
域「4」は周波数誤差116kHz(=29kHz×
4)に相当するため、実際に与えている周波数オフセッ
ト(116.1kHz)をよく反映している。
【0046】図3〜図8は、各バーストにおいて検出さ
れた真の周波数誤差領域を、1000バーストについて
統計を取って表した図である。
【0047】特に、図3はC/N=23dBにおける検
出された真の周波数誤差領域を表し、図4はC/N=2
5dBにおける検出された真の周波数誤差領域を表して
いる。図3において、領域「4」(およそ116kH
z)が検出される確率は35%、その両側の領域である
「3」(87kHz)と、「5」(145kHz)、つ
まり116kHz±29kHzを含めると83%にな
る。これに対して、図4では領域「4」が検出される確
率はおよそ60%であり、その両側の領域を含めると9
9%以上となる。
【0048】図5および図6は、負の周波数オフセット
−200kHzを与えた場合の周波数誤差の検出状況で
ある。特に、図5はC/N=23dBの場合であり、図
6はC/N=25dBの場合である。図5において領域
「−7」(およそ−203kHz)の検出確率は35%
以上となり、その両側の領域である「−8」(232k
Hz)と、「−6」(174kHz)、つまり−203
kHz±29kHzを含めるとおよそ83%になる。こ
れに対して、図6では領域「−7」が検出される確率は
およそ58%であり、その両側を含めると98%以上と
なる。
【0049】一方、周波数オフセット116.1kH
z、−200kHzはいずれも周波数誤差領域のほぼ中
間値に相当する値であるため、比較的良好に周波数誤差
が検出されているかもしれないので、周波数誤差領域の
しきい値に相当する値としては72.5kHzも確かめ
てみた。このしきい値の両側の周波数誤差領域に検出確
率が二分されることが予想される。
【0050】図7および図8は、周波数オフセット7
2.5kHzを与えた場合の周波数誤差の検出状況を示
す図であり、特に、図7はC/N=23dBの場合であ
り、図8はC/N=25dBの場合である。
【0051】図7において、領域「2」(およそ58k
Hz)の検出確率は33.6%であり、領域「3」(お
よそ87kHz)の検出確率は32.6%で僅差とな
り、予想通りの結果が得られた。また、領域「1」(お
よそ29kHz)と、領域「4」(およそ116kH
z)を含めた(つまり、72.5kHz±43.5kH
zにおける)検出確率92%以上となる。これに対し
て、図8では領域「2」の検出確率は47.2%であ
り、領域「3」の検出確率は45.5%となり、100
0バーストすべてについて、72.5kHz±43.5
kHzの範囲内で真の周波数誤差が検出されている。
【0052】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、信号
を伝送する搬送波のパワーまたは振幅から、その搬送波
により伝送されてきた実受信シンボルに対応すると推定
された理想的なシンボルに対し、この理想的なシンボル
の位相と実受信シンボルの位相との位相差を、理想的な
シンボルの最小の位相間隔以下の分割になるようにπ/
4〜−π/4の間を分割して得た複数の領域に検出する
際、位相誤差を求める場合の分割数よりも大きい分割数
を用いた領域に検出しフラグを立てることにより、より
大きな周波数誤差を検出することができる。
【0054】また、周波数誤差を求める際にフラグの立
っている領域同士を比較するので、比較を容易に行なう
ことができる。
【0055】さらに、総当りで比較された複数の領域差
を一定時間にわたって求め、もっとも頻度の高い領域差
に相当する周波数誤差を出力することにより、統計的に
もっとも確からしい周波数誤差を検出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 検出された位相誤差(a,b)、ならびに周
波数誤差(c)を示す図である。
【図2】 分割された各領域に振り分けられた周波数誤
差の状態を示す図である。
【図3】 C/N=23dB,周波数オフセット11
6.1kHzにおける検出された真の周波数誤差領域を
表す図である。
【図4】 C/N=25dB,周波数オフセット11
6.1kHzにおける検出された真の周波数誤差領域を
表す図である。
【図5】 C/N=23dB,周波数オフセット−20
0kHzにおける検出された真の周波数誤差領域を表す
図である。
【図6】 C/N=25dB,周波数オフセット−20
0kHzにおける検出された真の周波数誤差領域を表す
図である。
【図7】 C/N=23dB,周波数オフセット72.
5kHzにおける検出された真の周波数誤差領域を表す
図である。
【図8】 C/N=25dB,周波数オフセット72.
5kHzにおける検出された真の周波数誤差領域を表す
図である。
【図9】 同相・直交各信号に4値を与えた16QAM
のベクトル配置を示すグラフである。
【図10】 直交振幅変調波の搬送波再生回路の構成を
示すブロック図である。
【図11】 図10に示した搬送波再生回路に用いられ
る位相比較器のブロック図の一例を示す図である。
【図12】 受信信号と理想シンボル候補との位相差を
示す図である。
【図13】 小さな周波数誤差が発生している場合にお
ける異なる時刻の位相差の出力結果を示す図である。
【図14】 10クロック分のフラグを示す図である。
【符号の説明】
1 演算ブロック、2 位相誤差計算ブロック、2a
理想シンボル推定ブロック、2b 位相誤差tan
(θ)計算ブロック、3 位相誤差判定ブロック、4
シンボル信号、5 予測位相誤差信号。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号を伝送する搬送波のパワーまたは振
    幅から、その搬送波により伝送されてきた実受信シンボ
    ルに対応すると推定された理想的なシンボルに対し、こ
    の理想的なシンボルの位相と実受信シンボルの位相との
    位相差を、理想的なシンボルの最小の位相間隔以下の分
    割になるようにπ/4〜−π/4の間を分割して得た複
    数の領域に検出する際、位相誤差を求める場合の分割数
    よりも大きい分割数を用いた領域に検出しフラグを立て
    ることを特徴とする、位相比較器。
  2. 【請求項2】 前記複数の領域に検出された複数の位相
    差に対して、前後の時刻の各領域の状況を比較すること
    により周波数誤差の判定を行なうことを特徴とする、請
    求項1に記載の位相比較器。
  3. 【請求項3】 前後の時刻の各領域の状況を比較する
    際、その前後の時刻において立てられた複数のフラグに
    対し、各時刻においてそれぞれ1つのフラグを選び、い
    くつ分の領域だけ離れているかを減算によって求めるこ
    とを特徴とする、請求項2に記載の位相比較器。
  4. 【請求項4】 前記各時刻における複数のフラグから1
    つのフラグを選ぶ際、前後の時刻に対するフラグを総当
    りで比較するようにフラグを選ぶことを特徴とする、請
    求項3に記載の位相比較器。
  5. 【請求項5】 前記総当りで比較された複数の領域差を
    一定時間にわたって求め、もっとも頻度の高い領域差に
    相当する周波数誤差を出力することを特徴とする、請求
    項4に記載の位相比較器。
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KR20210119859A (ko) * 2020-03-24 2021-10-06 리얼텍 세미컨덕터 코퍼레이션 수신기의 샘플링 주파수 오프셋을 추정하는 방법, 및 연관 신호 처리 방법 및 수신기

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210119859A (ko) * 2020-03-24 2021-10-06 리얼텍 세미컨덕터 코퍼레이션 수신기의 샘플링 주파수 오프셋을 추정하는 방법, 및 연관 신호 처리 방법 및 수신기
KR102328005B1 (ko) * 2020-03-24 2021-11-17 리얼텍 세미컨덕터 코퍼레이션 수신기의 샘플링 주파수 오프셋을 추정하는 방법, 및 연관 신호 처리 방법 및 수신기

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