JP2003152816A - 受信データ復調機 - Google Patents

受信データ復調機

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JP2003152816A JP2001347481A JP2001347481A JP2003152816A JP 2003152816 A JP2003152816 A JP 2003152816A JP 2001347481 A JP2001347481 A JP 2001347481A JP 2001347481 A JP2001347481 A JP 2001347481A JP 2003152816 A JP2003152816 A JP 2003152816A
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低処理能力のディジタル演算ICを並列化し
て、高速シンボルレートの受信データの復調を行う受信
データ復調機を提供することを目的とする。 【解決手段】 受信データから雑音を除去するための受
信ナイキストフィルタ部23及びナイキスト位相を推定
し受信信号からシンボル情報を抽出するシンボルタイミ
ング再生部23からなり、互いに独立して動作する2以
上の並列処理部311〜31nと、一連の受信データに
基づいてデータブロックを生成するブロック化処理部2
2と、並列化処理部3111〜31nからの出力データ
を集結する集結処理部25と、集結処理後のデータに基
づいて周波数偏位を求める周波数補償部26と、集結処
理後のデータに基づいて位相偏差を求める位相補償部2
6とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受信データ復調機
に係り、更に詳しくは、無線通信装置に用いられ、高速
シンボルレートの連続信号を復調する復調機の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】図11および図12は、従来の復調処理
の並列化について説明するための図であり、図11は、
時分割多重接続(TDMA)方式の受信信号の一例を示
した図であり、図12は、TDMA方式における従来の
無線通信装置の構成の一部を示したブロック図である。
図中の40は入力処理部、411〜41nは復調機、4
2は集結処理部である。
【0003】TDMA方式のように復調処理がバースト
内で閉じている場合、各バーストデータD1,D2,
…,Dnを並列化された同じ構成の復調機411〜41
nに振り分け、バースト内の変調信号を蓄積して一括的
にブロック復調する蓄積一括復調方式がよく用いられ
る。
【0004】図13は、SCPC(Single Channel Per
Carrier)方式における従来の無線通信装置の構成の一
部を示したブロック図である。図中の50は入力処理
部、51は復調機、52は復号機である。SCPC連続
信号のように変調信号が連続して到来する方式では、シ
ンボル間の相関が強いため、TDMA方式の場合のよう
に復調処理を複数の演算ICに分割して並列実行する蓄
積一括復調方式はあまり用いられず、シンボル単位での
処理が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、TDMA
方式の場合には蓄積一括復調方式が採用され、複数の演
算ICによる並列処理化が比較的簡単に実現できるのに
対し、SCPC連続波の復調処理を複数の演算ICによ
って並列化しようとすると、各演算IC間でシンボル単
位のデータ転送を行う必要が生じ、転送のレイタンシー
が高くなってしまう。このため、SCPC連続波の場
合、蓄積一括方式を採用しても並列化による効果があま
り得られず、高速シンボルレートの変調信号を復調する
のには不向きであった。このため、SCPC波のような
連続信号の復調は、1個の演算ICの処理性能に大きく
依存し、復調可能なシンボルレートの上限も、当該演算
ICの処理性能に大きく依存しているという問題があっ
た。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、SCPC方式の様な連続信号の復調処理を並
列化させ、より高速なシンボルレートの変調信号の復調
を行う受信データ復調機を提供することを目的とする。
また、高速シンボルレートの受信信号の復調を安価な低
速演算回路を用いて復調する受信データ復調機を提供す
ることを目的とする。特に、SCPC波の様な連続信号
について、より高速なシンボルレートの信号を復調でき
る受信データ復調機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による受信データ復調機は、受信データから雑音を除去
するための受信ナイキストフィルタ部及びナイキスト位
相を推定し受信信号からシンボル情報を抽出するシンボ
ルタイミング再生部からなり、互いに独立して動作する
2以上の並列処理部と、一連の受信データに基づいて並
列処理部ごとのデータブロックを生成するブロック化処
理部と、並列化処理部からの出力データを集結する集結
処理部と、集結処理後のデータに基づいて周波数偏位を
求める周波数補償部と、集結処理後のデータに基づいて
位相偏差を求める位相補償部とを備えて構成される。
【0008】ブロック化処理部は、一連の受信データを
ブロック化して2以上のデータブロックとし、各データ
ブロックを2以上の並列化処理部へ順に出力する。各並
列化処理部は、入力されたデータブロックに対しノイズ
除去のためのフィルタリングと、シンボル情報の抽出を
行う。並列化されたこれらの処理はフォワードループ処
理であり、互いに独立して実行される。各並列化処理部
から出力されるブロックごとのデータは集結処理部で集
結されて一連の受信データとなる。周波数補償部及び位
相補償部は、集結処理後のデータに基づいて周波数、位
相の補償量を求める。
【0009】ナイキストフィルタ部及びシンボルタイミ
ング再生部における処理は、オーバーサンプリングレー
トによる高速処理が要求されるがフォワードループ処理
であるため、ブロック化処理部により一連の受信データ
がデータブロックに分割された後に並列処理される。一
方、周波数補償部及び位相補償部は、シンボルレートに
よる低速処理だがフィードバックループ処理が要求され
るため、ブロックの集結後に処理される。
【0010】請求項2に記載の本発明による受信データ
復調機は、上記受信ナイキストフィルタ部に、直前の有
限長の受信データとの相関が発生するFIRフィルタが
用いられ、上記ブロック化処理部が、直前のデータブロ
ック中の受信データであって、FIRフィルタにおいて
相関が発生するデータを含むデータブロックを生成する
ように構成される。
【0011】受信ナイキストフィルタ部にFIRフィル
タを用いた場合、当該フィルタリング処理には、FIR
フィルタを構成するシフトレジスタ段数分のデータでの
相関が発生する。このため、ブロック化処理部は、デー
タブロックを生成する際、当該データブロックが入力さ
れる並列処理部が処理すべきシンボル数に相当する受信
データに、直前のデータブロック中の受信データを付加
し、データブロック間で重複させる。付加されるデータ
は、受信ナイキストフィルタ部のFIRフィルタにおい
て相関が発生するデータであり、FIRフィルタのシフ
トレジスタの段数に基づいて定められる。
【0012】請求項3に記載の本発明による受信データ
復調機は、上記ブロック化処理部が、直前のデータブロ
ック中の1シンボル分の受信データを含むデータブロッ
クを生成し、各並列処理部が、シンボル情報とともに、
シンボル情報抽出に用いたナイキスト位相を出力し、上
記集結処理部が、並列処理部からのナイキスト位相に基
づいて、ナイキスト位相の推移によるデータブロック間
のシンボル抜け及びシンボル重複を補償するように構成
される。
【0013】ブロック化処理部は、データブロックを生
成する際、直前のデータブロック中の最後の1シンボル
分の受信データを追加し、1シンボル分多くの情報を抽
出できるデータブロックを生成する。シンボルタイミン
グ再生部は、当該データブロックに基づいてナイキスト
位相を求め、このナイキスト位相に基づいてシンボル情
報を抽出し、シンボル情報及びナイキスト位相を出力す
る。集結処理部は、連続するデータブロック間でのナイ
キスト位相のオフセット量に基づいて、当該データブロ
ック間でのシンボル位相の推移により生ずるシンボル抜
け又はシンボル重複を判別し、これを補償する。すなわ
ち、シンボル重複時には、重複する1シンボルをシンボ
ル情報として採用せず、シンボル抜け時には、直前のデ
ータブロックと重複する受信データから抽出されたシン
ボル情報も採用する。
【0014】請求項4に記載の本発明による受信データ
復調機は、上記集結処理部が、並列処理部から出力され
るナイキスト位相を第1及び第2の閾値と比較し、第1
のデータブロックに関するナイキスト位相が第1の閾値
以下であり、かつ、第1のデータブロックの直前のデー
タブロックである第2のデータブロックに関するナイキ
スト位相が、第2の閾値以上の場合にシンボル抜けと判
別するとともに、第1のデータブロックに関するナイキ
スト位相が第2の閾値以上であり、かつ、第2のデータ
ブロックに関するナイキスト位相が、第1の閾値以下の
場合にシンボル重複と判別するように構成される。
【0015】請求項5に記載の本発明による受信データ
復調機は、n個のデータブロックから順に1個のデータ
ブロックが入力されるn(2以上の整数)個の上記並列
処理部を備え、各シンボルタイミング再生部が、入力さ
れたデータブロックから求められた平均ナイキスト位相
について、nブロック飛びのブロック間加重平均処理を
行ってナイキスト位相を推定するように構成される。
【0016】請求項6に記載の本発明による受信データ
復調機は、上記集結処理部が、データブロックごとの出
力に基づいて起動され所定の時間を計測する出力調整用
タイマを備え、各データブロックは、この出力調整用タ
イマのタイムアップ後に集結処理部から出力されるよう
に構成される。
【0017】集結処理部は、データブロックごとに入力
されるシンボル情報を後段へ出力する際、直前のデータ
ブロックの出力によって始動される出力調整用タイマが
タイムアップするまで待機し、当該タイマのタイムアッ
プ時あるいはデータブロックの集結処理の完了時に後段
への出力を行う。
【0018】請求項7に記載の本発明による受信データ
復調機は、上記ブロック化処理部が、SCPC方式の連
続受信信号を周波数変換して得られたベースバンド信号
をブロック化し、複数のデータブロックを生成するよう
に構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明が
適用される無線通信装置の一構成例を示したブロック図
である。この無線通信装置は、送受信アンテナ1と、送
受信アンテナ1が接続された無線部2と、無線部2に接
続された制御部3により構成される。
【0020】前記無線部2は、更に、RF/IF送信部1
3、RF/IF受信部14、シンセサイザ15および方向性
結合器16により構成される。RF/IF送信部13は、制
御部3からのベースバンド信号をRF信号へ周波数変換
して、方向性結合器16を介して送受信アンテナ1へ出
力する。RF/IF受信部14は、方向性結合器16を介し
て送受信アンテナ1から入力されるRF信号をベースバ
ンド信号へ周波数変換して、制御部3へ出力する。シン
セサイザ15は、これらのRF/IF送信部13及びRF/IF受
信部14において周波数変換に用いられる正弦波信号を
供給している。
【0021】また、前記制御部3は、更に、コーデック
外部インターフェース(I/F)4、中央演算処理部
(CPU)5、表示部6、記憶装置7、符号部8、復号
部9、変調部10、復調部11及び無線制御部12によ
り構成される。
【0022】RF/IF受信部14からのベースバンド受信
信号は、復調部11において復調処理され、復号部9に
おいて復号処理された後、コーデック外部インターフェ
ース4を介して外部端末、例えば、音声コーデックやビ
デオコーデックに出力される。また、コーデック外部イ
ンターフェース4を介して外部端末から入力されたデー
タは、符号部8において符号化処理され、変調部10に
おいて変調処理されて、RF/IF送信部13へ出力され
る。
【0023】中央演算処理部5は、PROM等のメモリ
からなる記憶装置7に格納されたデータ、プログラムに
基づいて制御部3の各ブロックを制御している。無線制
御部12は、当該無線通信装置の自セルや隣接セルの止
まり木チャネルの周波数が中央演算処理部5によって指
定され、この周波数に基づいてシンセサイザの発振周波
数を制御している。このため、復調部11において周波
数偏位、位相偏差が検出された場合には、これらの偏位
を補償するように、中央演算処理部5及び無線制御部1
2を介して、シンセサイザの出力制御が行われる。
【0024】図2は、図1の復調部11の一構成例を示
したブロック図であり、本発明による復調機の要部が示
されている。この復調部11は、A/D変換部20と、
入力処理部30と、n個の並列処理部311〜31n
と、集結処理部25と、AFC処理部26と、CR処理
部27により構成される(nは2以上の整数)。入力処
理部30は、AGC処理部21と、ブロック化処理部2
2からなる演算ICとして構成される。また、各並列処
理部311〜31nは、それぞれがFIR処理部23及
びBTR処理部24からなるデジタル演算ICとして構
成される。
【0025】A/D変換部20は、RF/IF受信部14か
らのアナログ受信信号をオーバーサンプルレートにより
デジタル信号に変換している。すなわち、受信信号のシ
ンボルレートを越える周波数、通常はビットレートの整
数倍(例えば4倍)の周波数でサンプリングしてA/D
変換を行っている。AGC(Automatic Gain Control)
処理部21は、受信信号の電力レベルが一定になるよう
に信号レベルを調整している。
【0026】FIR処理部23は、FIR(Finite Imp
ulse Response)フィルタを用いて、受信信号に含まれ
る周波数に対してフラットな雑音、例えば伝送路雑音や
無線通信装置内の熱雑音を除去するための受信ナイキス
トフィルタである。BTR(Bit Timing Recovery:タ
イミング再生)処理部24は、ナイキスト位相を推定
し、受信信号に含まれる情報をナイキスト点の位置にて
シンボル単位で抽出するシンボルタイミング再生手段で
ある。
【0027】n個ある各並列処理部311〜31nは、
それぞれが1個の集積回路、例えばDSP、FPGAな
どのデジタル演算ICとして構成され、入力された受信
信号に対するFIR処理及びBTR処理を他の並列処理
部とは独立して行う。つまり、これらの並列処理部31
1〜31nは、並列動作させることができる。
【0028】ブロック化処理部22は、A/D変換及び
AGC処理後の受信信号を所定のデータブロックに区分
し、生成されたデータブロックが、並列化された並列処
理部311〜31nへ順に入力される。最初のデータブ
ロックは並列処理部311へ入力され、次のデータブロ
ックは並列処理部312へ入力される。以下同様にし
て、n番目のデータブロックは並列処理部31nへ入力
され、n+1番目のデータブロックは、再び並列処理部
311へ入力される。
【0029】データブロックへの区分は、FIR処理部
23及びBTR処理部24で処理しやすいデータ単位と
なるように行われる。つまり、並列化された各並列処理
部311〜31nにおけるFIR処理及びBTR処理
が、それぞれの並列処理部311〜31nに入力された
データに基づいて実行でき、他の並列処理部311〜3
1nの入力データや出力データに依存することなく実行
できるように受信データを区分する。ブロック化処理部
22の動作については更に後述する。
【0030】各並列処理部311〜31nから出力され
るデータは、集結処理部25において集結され順に出力
される。その後、AFC(Automatic Frequency Contro
l:周波数自動制御)処理部26及びCR(Carrier Rec
overy:搬送波再生)処理部27において、受信信号に
重畳された周波数及び位相成分のずれが除去される。A
FC処理部26は、受信信号の複数シンボルにわたる位
相差から1シンボル当たりの位相回転量を求めて周波数
偏位を補償する。また、CR処理部27は、各シンボル
ごとの絶対位相のずれを複数シンボルにわたって平均化
して位相偏差を求めて位相偏差を補償する。
【0031】なお、図2を用いて、AGC処理部21及
びブロック化処理部22を1つの演算ICとして構成さ
れる入力処理部30とし、集結処理部25、AFC処理
部26及びCR処理部27がそれぞれ1つの演算処理I
Cとして構成される場合の例について説明したが、AG
C処理部21及びブロック化処理部22をそれぞれ個別
の演算処理ICとして構成してもよいし、AFC処理部
26及びCR処理部27を1つの演算処理ICとして構
成し、更には集結処理部25をも含めて1つの演算処理
ICとして構成してもよい。
【0032】BTR処理部24においてシンボル情報が
抽出されるまでの処理は、A/D変換部20でサンプリ
ングされたサンプリングデータに基づく処理であるた
め、BTR処理部24までの各ブロックではオーバーサ
ンプルレートでの高速処理が行われている。これに対し
て、集結処理部25以降の各ブロックではシンボルレー
トでの低速処理が行われている。
【0033】このため、高速処理が要求されるFIR処
理部23とBTR処理部24をn系列設け、ブロック化
処理部22で分割された各ブロックを各系列に振り分け
て、並列処理させることにより、各FIR処理部23及
び各BTR処理部24(つまり各並列処理部311〜3
1n)に要求される処理速度を低減することができる。
このため、従来の無線通信装置の復調部と同じ処理速度
の並列処理部311〜31nを用いた場合、より高速な
シンボルレートの連続信号を復調することができ、同じ
シンボルレートの連続信号を復調する場合には、従来の
無線通信装置よりも安価な低速のデジタル演算処理IC
を用いることができる。
【0034】本実施の形態による受信データ復調機は、
FIR処理部23及びBTR処理部24における処理
が、オーバーサンプリングレートによる高速処理が要求
されるがフォワードループ処理であるため、連続受信デ
ータをブロック化処理部22でブロック化し、データブ
ロックごとに並列処理する。一方、AFC処理部26及
びCR処理部27は、シンボルレートによる低速処理だ
がフィードバックループ処理が要求されるため、集結処
理部25によるデータブロックが合成された後に処理さ
れる。
【0035】実施の形態2.本実施の形態では、復調処
理の並列化にともなうシンボル抜け及びシンボル重複を
防止するための図2のブロック化処理部22及び集結処
理部25の動作の詳細について説明する。
【0036】ブロック化処理部22は、n個の並列処理
部311〜31n、すなわち、n組のFIR処理部23
及びBTR処理部24が、それぞれ並列動作することが
できるように、受信データをデータブロックに区分する
際、連続するデータブロック間で、境界付近の所定量の
データが重複するように各データブロックを生成する。
一方、集結処理部25は、各データブロックから抽出さ
れたシンボル情報を合成する際、データブロック間でシ
ンボル抜け、シンボル重複が発生したかを判別し、シン
ボル抜けが生じた場合には上記重複データを用いて、シ
ンボル重複が生じた場合には重複しているシンボル情報
を除外するタイミング補償処理を行う。
【0037】図3は、ブロック化処理部22によって生
成されるデータブロックの一例について説明するための
概念図である。時間軸上で順に受信されたデータが上か
ら下に向かって示されており、図中のLは、各並列処理
部311〜31nに割り当てられたFIR処理及びBT
R処理の対象となるシンボル数、KはA/D変換部20
におけるサンプリングレート(シンボルレートに対する
倍数)である。
【0038】各データブロックには、基本となるLシン
ボル分のデータとともに、直前のデータブロックの最後
の所定量のデータが含まれる。図3においてブロック化
処理される今回(i番目)のデータブロックに着目すれ
ば、Lシンボル(L×2ワード)分に加えて、直前(i
−1番目)のデータブロックの最後の(M×2+1+
K)×2ワード分のデータが付加されている。ここで、
「×2」は、PSK変調信号の同相成分Ich及び直交
成分Qchを考慮したものである。また、「M×2+
1」は、データブロックごとのFIR処理を考慮したも
のであり、「+K」はBTR処理を考慮したものであ
り、これらの詳細について、図4〜図6を用いて以下に
説明する。
【0039】図4は、図2のFIR処理部23に用いら
れるFIRフィルタの一構成例を示した図である。図中
の32はシフトレジスタ、33は乗算器、34は加算器
である。シフトレジスタ32は、ブロックに区分された
サンプリングデータがブロック化処理部22から順に入
力される2M+1段からなるシフトレジスタである。乗
算器33は、シフトレジスタ30の各段からの出力デー
タに対し予め定められたタップ係数hi(i=1〜2M
+1)をかける演算処理部である。加算器34は、各乗
算器33の乗算結果の和をフィルタ出力として求める演
算処理部であり、連続して入力される2M+1個の入力
データに基づいて出力データが求められる。
【0040】ブロック化された受信データに対して、こ
の様なフィルタを用いてFIR処理を行う場合、注目し
ているデータブロック(i番目)は、その直前のデータ
ブロック(i−1番目)との間に相関が発生する。すな
わち、データブロック内のタップ段数(シフトレジスタ
の段数)2M+1に満たない最初のデータに対するFI
R処理には、直前のデータブロックの最後のデータが必
要になる。従って、FIR処理を並列実行するために
は、FIR処理部23に入力されるデータブロックに、
FIRフィルタのタップ段数2M+1分だけ、直前のデ
ータブロックの最後のデータが必要になる。このため、
ブロック化処理部22は、受信データをブロックに区分
する際にFIRフィルタのタップ段数分のデータを重複
させる必要がある。
【0041】図5及び図6は、BTR処理部23を並列
化した場合に生じ得る問題点を説明するための説明図で
あり、図5にはシンボル重複の例が、図6にはシンボル
抜けの例が示されている。これらの図では、いずれも連
続する2つのデータブロックが示されており、(a)が
前回(i−1番目)のデータブロック、(b)が今回
(i番目)のデータブロックである。また、それぞれ
は、横軸にサンプリング時間をとり、シンボルレートの
4倍でサンプリングを行った場合の各サンプリングデー
タが矢印で示されている。
【0042】BTR処理部23は、入力された1つのデ
ータブロックについて平均的なナイキスト位相を求め、
当該平均位置を使ってシンボル情報の抽出を行ってい
る。図5、図6では、オーバーサンプル数が4倍である
ため、サンプリング番号0,1,2,3,0が1シンボ
ル期間に相当し、各シンボル期間には平均ナイキスト位
置が一つ含まれる。これらのサンプリングデータを補間
して平均ナイキスト位置において得られるデータがシン
ボル情報として求められる。
【0043】一般的に、受信機と送信機との間にはクロ
ックタイミングのずれが生じている。受信データをブロ
ック化してBTR処理を並列化した場合、BTR処理部
では入力されたデータブロックごとに平均ナイキスト位
置が求められるため、クロックの推移によってナイキス
ト位置が推移すれば、連続するデータブロック間におい
て、シンボル抜けやシンボル重複が発生する場合があ
る。
【0044】図5では、クロックの推移によって、直前
(i−1番目)のデータブロックでは、平均ナイキスト
位置♯aがシンボル期間の後半に位置していたが、次
(i番目)のデータブロックでは、平均ナイキスト位置
♯bがシンボル期間の前半に位置するように変化した例
が示されている。この場合、(i−1)番目のデータブ
ロックの最後のシンボル情報と、i番目のデータブロッ
クの最初のシンボル情報は、本来1つのシンボル情報を
両データブロックから重複して抽出していることにな
る。
【0045】図6では、クロックの推移によって、直前
(i−1番目)のデータブロックでは、平均ナイキスト
位置♯aがシンボル期間の前半に位置していたが、次
(i番目)のデータブロックでは、平均ナイキスト位置
♯bがシンボル期間の後半に位置するようになった例が
示されている。この場合、(i−1)番目のデータブロ
ックの最後のナイキスト位置と、i番目のデータブロッ
クの最初のナイキスト位置の間には、2シンボル期間に
近い時間差が生じており、本来抽出されるべき1つのシ
ンボル情報が両データブロックのいずれからも抽出され
ないことになる。
【0046】このようなシンボル重複、シンボル抜けの
問題を解決するため、ブロック化処理部22は、受信デ
ータをデータブロックに区分する際、1シンボル期間に
相当するサンプリングデータ(ここではK個)を連続す
るデータブロックにおいて重複させる。つまり、直前の
データブロックの最後のサンプリングデータK個を次の
データブロックに追加する。
【0047】集結処理部25には、各BTR処理部24
からL+1個のシンボル情報と、ナイキスト位相とが入
力され、連続するデータブロックのナイキスト位相に基
づいてデータブロック間でのシンボルの重複、シンボル
の抜けを判別し、この判別結果に基づいて各データブロ
ックを集結させる。すなわち、各データブロックを合成
する際、データブロック間のタイミング補間処理を行
う。
【0048】図7は、集結処理部25におけるタイミン
グ補間処理動作の一例を示した図である。集結処理部2
5は、前回(i−1番目)のデータブロックのナイキス
ト位相が90°以下で、今回(i番目)のデータブロッ
クのナイキスト位相が270°以上であれば、前回デー
タブロックとの間でシンボル抜けが生じていると判断
し、今回データブロックからL+1シンボル分のデータ
を採用する。つまり、Lシンボルに加えて、ブロック化
処理部22において今回データブロックに追加された前
回データブロックの最後の1シンボルも採用される。
【0049】一方、前回データブロックのナイキスト位
相が270°以上で、今回データブロックのナイキスト
位相が90°以下であれば、前回データブロックとの間
でシンボル重複が生じていると判断し、今回データブロ
ックから(L−1)データを採用する。つまり、今回デ
ータブロックの最初の1データを破棄してシンボルデー
タとして採用しない。
【0050】前回データブロック及び今回データブロッ
クのナイキスト位相の組み合わせが上記以外の場合、シ
ンボル抜け及びシンボル重複が生じていないと判断し、
今回データブロックからLデータを採用する。
【0051】ここでは、シンボル抜け、シンボル重複の
望ましい判断基準として、ナイキスト位相を90°、2
70°と比較する場合の例について説明したが、これら
の値はシンボル抜け、シンボル重複を判別するために予
め設定され、あるいは、その後に調整される所定の閾値
であればよい。
【0052】本実施の形態によれば、ブロック化処理部
22が、FIR処理部23において生ずる有限長のサン
プリングデータ間での相関を考慮して、連続するデータ
ブロック間でデータを重複させているため、各FIR処
理部23が独立して処理を行うことができ、並列処理を
実現することができる。
【0053】また、集結処理部25が、各BTR処理部
24で求められたナイキスト位相に基づいてデータブロ
ック間のシンボル抜け及びシンボル重複を判別し、シン
ボル抜け及びシンボル重複を補償するようにデータブロ
ックを集結させるため、シンボル抽出処理の並列化にと
もなうシンボル抜けやシンボル重複を防止することがで
きる。
【0054】実施の形態3.本実施の形態では、BTR
処理の並列化にともなうナイキスト位相の推定精度の低
下を防止するための図2のBTR処理部24の動作の詳
細について説明する。
【0055】図8は、図2の入力処理部30から各並列
処理部311〜31nへのデータブロックの流れを説明
するための説明図である。ブロック化処理部22におい
て受信データをブロック化して順に生成されたデータブ
ロックD1,D2,D3,…は、それぞれが並列処理部
311,312,313,…に逐次転送される。つま
り、最初のデータブロックD1が並列処理部311に入
力され、次のデータブロックD2が並列処理部312に
入力され、以下同様にして、データブロックDnが並列
処理部31nに入力される。そして、次のデータブロッ
クDn+1は再び並列処理部311に入力される。各並
列処理部311〜31nでは、それぞれに入力されるデ
ータブロックD1〜Dn,Dn+1,…に基づいて平均
ナイキスト位相を推定している。
【0056】このため、ともに並列処理部311におい
て推定されるデータブロックD1に関するナイキスト位
相をT1、データブロックDn+1に関するナイキスト
位相をTn+1とすると、Tn+1は、T1と比較すれ
ば、nブロック飛びの推定ナイキスト位相となる。つま
り、同じ並列処理部311において連続して計算される
ナイキスト位相は、並列処理部n個分(データブロック
n個分)だけ離れたデータに関する位相であり、Tn+
1をT1と比較すれば、nデータブロック間における位
相進みが生じている。
【0057】一般に、低C/N(信号電力対雑音比)環
境下で使用される無線通信装置では、C/N耐性を向上
させるために、BTR処理に用いられるナイキスト位相
についてブロック間で加重平均をとり、ナイキスト位相
の推定精度を向上させる手法が従来から用いられてい
る。本実施の形態では、データブロックn個分の位相の
進みを推定し、同一の並列処理部311〜31nにおけ
る前回データブロックについて求めたナイキスト位相を
当該位相進み分だけ進めた後、求められた結果にブロッ
ク間の加重平均処理を行っている。
【0058】並列処理部31m(mは1〜n)において
求められた今回データブロックDm+n+1のナイキス
ト位相Tm+n+1と、同一並列処理部31mの前回デ
ータブロックDm+1(nブロック前)のナイキスト位
相Tm+1に基づいて、nブロック間における位相推移
量△θmを推定すると △θm=Tm+n+1−Tm+1(deg) (1)
【0059】上記位相推移量△θmをIIRフィルタを
用いてフィルタリングし、360(deg)でmodulo演算
を行ってAve#delta#thを求める。 Ave#△θ=△θm+λ1×Ave#△θ (2) Ave#delta#th=(1.0−λ1)×Ave#△θ (3) Ave#delta#th%=360 (4)
【0060】ここで、λ1は忘却係数、Ave#△θはnブ
ロック間の平均位相推移、%は剰余(modulo)演算を示
している。なお、360(deg)で剰余をとる理由は、
360(deg)以上の位相推移があった場合、ナイキス
ト点は次のシンボルへ推移しているため、シンボル内で
の位相ずれ(360(deg)未満の位相ずれ)を補正す
ればよいからである。上記Ave#delta#thにより、nブロ
ック飛びの時の推定ナイキスト位相が得られる。
【0061】また、バースト間加重処理は、以下のよう
にして行われる。 cos#delt=cosd(Ave#delta#th) (5) sin#delt=sind(Ave#delta#th) (6) tanq#i=tanq#i+λ2×(BTRtanq#i×cos#delt+BTRtanq#q×sin#delt) (7) tanq#q=tanq#q+λ2×(BTRtanq#q×cos#delt−BTRtanq#i×sin#delt) (8)
【0062】ここで、cosd,sindはdeg値でのcos,sin
演算、BTRtanq#i,BTRtanq#qは前回ブロックのナイキス
ト推定位相のI,Q成分、λ2は忘却係数、Ave#delta#t
hは式(4)で求められたnブロック間での位相推移、t
anq#i,tanq#qは今回ブロックで推定されたナイキスト
位相を示している。式(8)で得られたtanq#i,tanq#q
の値により今回ブロックのナイキスト位相を決定する。
【0063】実施の形態4.本実施の形態では、図2の
集結処理部25において出力調整用タイマを設け、後段
へのデータ転送間隔をほぼ一定値に調整する方法につい
て説明する。
【0064】図9は、図2の復調部11における動作の
一例を示したタイミングチャートであり、集結処理部2
5において出力タイミングの調整を行わない場合が示さ
れている。図中の(a)は復調部11への入力データ、
(b)は入力処理部30の動作、(c1)〜(cn)は
並列処理部311〜31nの動作、(d)は集結処理部
25の動作、(e)はAFC処理部26の動作である。
【0065】復調部11への入力データは、ブロック化
処理部22においてブロック化され、各並列処理部31
1〜31nへ転送されて復調処理された後、更に集結処
理部25へ転送される。集結処理部25は、集結処理さ
れたデータブロックをそのままAFC処理部26へ転送
している。
【0066】この場合、ブロック化処理部22から並列
処理部311〜31nへの転送遅延や、各並列処理部3
11〜31nから集結処理部25への転送遅延は、各配
線長等の差によって相違し、また、並列処理部311〜
31nの処理遅延も相違する。このため、各データが集
結処理部25から出力される間隔t1,t2には、図示
したようなばらつきが発生する。すなわち、転送遅延、
処理遅延によって、データ出力間隔が収縮し、後段での
処理、例えばAFC処理部26におけるの演算時間を十
分に確保することができない場合が生じ得る。
【0067】図10は、図2の復調部11における動作
の他の例を示したタイミングチャートであり、集結処理
部25においてデータ出力のタイミング調整を行う場合
が示されている。集結処理部25にタイミング調整用タ
イマを設け、集結処理部25からの出力タイミングを調
整すれば、AFC処理部26へ転送されるブロック間の
間隔t1’、t2’をほぼ一定にすることができる。図
10は、集結処理部25がこの様なタイミング調整機能
を有する場合のタイミングチャートである。
【0068】集結処理部25では、1個の並列処理部3
11〜31nからの入力データをAFC処理部26へ転
送するごとにタイマを始動させる。その後、所定時間t
sが経過してタイマーがタイムアップすれば、次の並列
処理部311〜31nからの入力データの転送を開始す
る。ただし、タイムアップ時に次のデータ転送を行うた
めの準備が完了していない場合には、データ転送が可能
になった時点で直ちにデータ転送を開始し、再びタイマ
を始動させる。このため、タイマによって計測される所
定時間tsは、復調部11に1ブロック分のデータが入
力される時間よりも短い期間、通常は少し短い期間に設
定される。
【0069】本実施の形態によれば、集結処理部25に
タイマを設け、集結処理部25からの出力タイミングを
調整することにより、AFC処理部26へ転送されるブ
ロックごとの間隔をほぼ一定にすることができ、AFC
処理部26以降の後段の処理の演算時間を十分に確保す
ることができる。
【0070】
【発明の効果】請求項1に記載の受信データ復調機は、
受信データから雑音を除去するための受信ナイキストフ
ィルタ部及びナイキスト位相を推定し受信信号からシン
ボル情報を抽出するシンボルタイミング再生部からな
り、互いに独立して動作する2以上の並列処理部と、一
連の受信データに基づいて並列処理部ごとのデータブロ
ックを生成するブロック化処理部と、並列化処理部から
の出力データを集結する集結処理部と、集結処理後のデ
ータに基づいて周波数偏位を求める周波数補償部と、集
結処理後のデータに基づいて位相偏差を求める位相補償
部とを備えて構成される。
【0071】このような構成により、一連の受信データ
をブロック化し、オーバーサンプリングレートでの高速
処理が要求される受信ナイキストフィルタ部及びシンボ
ルタイミング再生部での処理を並列化する一方、フィー
ドバックループ処理が要求される周波数補償部及び位相
補償部はデータブロックの集結後に処理することができ
る。従って、より高速なシンボルレートの信号を復調す
ることができる受信データ復調機を提供することができ
る。また、高速シンボルレートの受信信号を安価な低速
演算回路を用いて復調する受信データ復調機を提供する
ことができる。
【0072】請求項2に記載の受信データ復調機は、上
記受信ナイキストフィルタ部に、直前の有限長の受信デ
ータとの相関が発生するFIRフィルタが用いられ、上
記ブロック化処理部が、直前のデータブロック中の受信
データであって、FIRフィルタにおいて相関が発生す
るデータを含むデータブロックを生成するように構成さ
れる。
【0073】このような構成により、ブロック化処理部
が、FIRフィルタからなる受信ナイキストフィルタ部
が独立して処理可能なデータブロックを生成し、有限長
の受信データ間で相関を有する受信ナイキストフィルタ
部においても並列処理を実現することができる。
【0074】請求項3に記載の受信データ復調機は、上
記ブロック化処理部が、直前のデータブロック中の1シ
ンボル分の受信データを含むデータブロックを生成し、
各並列処理部が、シンボル情報とともに、シンボル情報
抽出に用いたナイキスト位相を出力し、上記集結処理部
が、並列処理部からのナイキスト位相に基づいて、ナイ
キスト位相の推移によるデータブロック間のシンボル抜
け及びシンボル重複を補償するように構成される。
【0075】この様な構成により、集結処理部におい
て、ナイキスト位相の推移によるデータブロック間のシ
ンボル抜け及びシンボル重複を判別し、シンボル抜け及
びシンボル重複を補償しつつデータブロックを集結させ
ることができる。従って、シンボル抽出処理の並列化に
ともなうシンボル抜けやシンボル重複を防止することが
できる。
【0076】請求項4に記載の受信データ復調機は、上
記集結処理部が、並列処理部から出力されるナイキスト
位相を第1及び第2の閾値と比較し、第1のデータブロ
ックに関するナイキスト位相が第1の閾値以下であり、
かつ、第1のデータブロックの直前のデータブロックで
ある第2のデータブロックに関するナイキスト位相が、
第2の閾値以上の場合にシンボル抜けと判別するととも
に、第1のデータブロックに関するナイキスト位相が第
2の閾値以上であり、かつ、第2のデータブロックに関
するナイキスト位相が、第1の閾値以下の場合にシンボ
ル重複と判別するように構成される。この様な構成によ
り、集結処理部において、ナイキスト位相の推移による
データブロック間のシンボル抜け及びシンボル重複を判
別することができる。
【0077】請求項5に記載の受信データ復調機は、n
個のデータブロックから順に1個のデータブロックが入
力されるn(2以上の整数)個の上記並列処理部を備
え、各シンボルタイミング再生部が、入力されたデータ
ブロックから求められた平均ナイキスト位相について、
nブロック飛びのブロック間加重平均処理を行ってナイ
キスト位相を推定する。この様な構成により、n個のデ
ータブロックごとに1個のデータブロックが入力される
並列処理部においてナイキスト位相を精度よく推定する
ことができる。
【0078】請求項6に記載の受信データ復調機は、上
記集結処理部が、データブロックごとの出力に基づいて
起動され所定の時間を計測する出力調整用タイマを備
え、各データブロックは、この出力調整用タイマのタイ
ムアップ後に集結処理部から出力されるように構成され
る。
【0079】この様な構成により、データブロックごと
に転送時間、処理時間が異なる場合であっても、データ
出力の時間間隔のバラツキを抑制し、処理遅延、転送遅
延によって集結処理部から出力されるデータ間の転送間
隔が収縮し、後段の演算ICにおける処理時間の収縮を
吸収することができる。特に、タイマの計測時間を適切
に設定すれば、ほぼ一定の時間間隔でデータ出力を行わ
せることができ、集結処理部以降の処理、例えばAFC
処理部における処理時間を確保することができる。
【0080】請求項7に記載の受信データ復調機は、上
記ブロック化処理部が、SCPC方式の連続受信信号を
周波数変換して得られたベースバンド信号をブロック化
し、複数のデータブロックを生成するように構成され
る。この様な構成により、低速の演算回路を用いて、高
速シンボルレートのSCPC連続信号を復調することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される無線通信装置の一構成例
を示したブロック図である(実施の形態1)。
【図2】 図1の復調部11の一構成例を示したブロッ
ク図であり、本発明による復調機の要部を示した図であ
る。
【図3】 ブロック化処理部22によって生成されるデ
ータブロックの一例について説明するための概念図であ
る。
【図4】 FIR処理部23に用いられるFIRフィル
タの一構成例を示した図である(実施の形態2)。
【図5】 BTR処理部23を並列化した場合に生じ得
るシンボル重複について説明するための説明図である。
【図6】 BTR処理部23を並列化した場合に生じ得
るシンボル抜けについて説明するための説明図である。
【図7】 集結処理部25におけるタイミング補間処理
動作の一例を示した図である。
【図8】 ブロック化処理部22から各並列処理部31
1〜31nへのデータブロックの流れを説明するための
説明図である(実施の形態3)。
【図9】 復調部11における処理シーケンスの一例を
示したタイミングチャートであり、集結処理部25にお
いて出力タイミングの調整を行わない場合が示されてい
る(実施の形態4)。
【図10】 復調部11における処理シーケンスの他の
例を示したタイミングチャートであり、集結処理部25
において出力タイミングの調整を行う場合が示されてい
る。
【図11】 従来の復調処理の並列化について説明する
ための図であり、時分割多重接続(TDMA)方式の受
信信号の一例が示されている。
【図12】 従来の復調処理の並列化について説明する
ための図であり、TDMA方式における従来の無線通信
装置の構成の一部を示したブロック図である。
【図13】 SCPC方式における従来の無線通信装置
の構成の一部を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 送受信アンテナ、2 無線部、3 制御部、4 コ
ーデック外部インターフェース、5 中央演算処理部
(CPU)、6 表示部、7 記憶装置、8 符号部、
9 復号部、10 変調部、11 復調部、12 無線
制御部、13 送信部、14 受信部、15 シンセサ
イザ、16 方向性結合器、20 A/D変換部、21
AGC処理部、22 ブロック化処理、22 ブロッ
ク化処理部、23 FIR処理部、24 BTR処理
部、25 集結処理部、26 AFC処理部、27 C
R処理部、30 入力処理部、311〜31n 並列処
理部、32 シフトレジスタ、33 乗算器、34 加
算器、D1〜Dn データブロック、K オーバーサン
プルの倍数、Tm ナイキスト位相、hi タップ係数

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信データから雑音を除去するための受
    信ナイキストフィルタ部及びナイキスト位相を推定し受
    信信号からシンボル情報を抽出するシンボルタイミング
    再生部からなり、互いに独立して動作する2以上の並列
    処理部と、一連の受信データに基づいて並列処理部ごと
    のデータブロックを生成するブロック化処理部と、並列
    化処理部からの出力データを集結する集結処理部と、集
    結処理後のデータに基づいて周波数偏位を求める周波数
    補償部と、集結処理後のデータに基づいて位相偏差を求
    める位相補償部とを備えたことを特徴とする受信データ
    復調機。
  2. 【請求項2】 上記受信ナイキストフィルタ部は、直前
    の有限長の受信データとの相関が発生するFIRフィル
    タが用いられ、上記ブロック化処理部は、直前のデータ
    ブロック中の受信データであって、FIRフィルタにお
    いて相関が発生するデータを含むデータブロックを生成
    することを特徴とする請求項1に記載の受信データ復調
    機。
  3. 【請求項3】 上記ブロック化処理部は、直前のデータ
    ブロック中の1シンボル分の受信データを含むデータブ
    ロックを生成し、各並列処理部が、シンボル情報ととも
    に、シンボル情報抽出に用いたナイキスト位相を出力
    し、上記集結処理部が、並列処理部からのナイキスト位
    相に基づいて、ナイキスト位相の推移によるデータブロ
    ック間のシンボル抜け及びシンボル重複を補償すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の受信データ復調
    機。
  4. 【請求項4】 上記集結処理部は、並列処理部から出力
    されるナイキスト位相を第1及び第2の閾値と比較し、
    第1のデータブロックに関するナイキスト位相が第1の
    閾値以下であり、かつ、第1のデータブロックの直前の
    データブロックである第2のデータブロックに関するナ
    イキスト位相が、第2の閾値以上の場合にシンボル抜け
    と判別するとともに、第1のデータブロックに関するナ
    イキスト位相が第2の閾値以上であり、かつ、第2のデ
    ータブロックに関するナイキスト位相が、第1の閾値以
    下の場合にシンボル重複と判別することを特徴とする請
    求項3に記載の受信データ復調機。
  5. 【請求項5】 n個のデータブロックから順に1個のデ
    ータブロックが入力されるn(2以上の整数)個の上記
    並列処理部を備え、各シンボルタイミング再生部が、入
    力されたデータブロックから求められた平均ナイキスト
    位相について、nブロック飛びのブロック間加重平均処
    理を行ってナイキスト位相を推定することを特徴とする
    請求項1に記載の受信データ復調機。
  6. 【請求項6】 上記集結処理部が、データブロックごと
    の出力に基づいて起動され所定の時間を計測する出力調
    整用タイマを備え、各データブロックは、この出力調整
    用タイマのタイムアップ後に集結処理部から出力される
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信データ復調機。
  7. 【請求項7】 上記ブロック化処理部は、SCPC方式
    の連続受信信号を周波数変換して得られたベースバンド
    信号をブロック化し、複数のデータブロックを生成する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の受
    信データ復調機。
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JP2014017888A (ja) * 2009-06-17 2014-01-30 Coherent Logix Inc トレリスベースの方法およびそのシステム

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