JP3623185B2 - 受信データ復調機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信データ復調機に係り、更に詳しくは、無線通信装置に用いられ、高速シンボルレートの連続信号を復調する復調機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11および図12は、従来の復調処理の並列化について説明するための図であり、図11は、時分割多重接続(TDMA)方式の受信信号の一例を示した図であり、図12は、TDMA方式における従来の無線通信装置の構成の一部を示したブロック図である。図中の40は入力処理部、411〜41nは復調機、42は集結処理部である。
【0003】
TDMA方式のように復調処理がバースト内で閉じている場合、各バーストデータD1,D2,…,Dnを並列化された同じ構成の復調機411〜41nに振り分け、バースト内の変調信号を蓄積して一括的にブロック復調する蓄積一括復調方式がよく用いられる。
【0004】
図13は、SCPC(Single Channel Per Carrier)方式における従来の無線通信装置の構成の一部を示したブロック図である。図中の50は入力処理部、51は復調機、52は復号機である。SCPC連続信号のように変調信号が連続して到来する方式では、シンボル間の相関が強いため、TDMA方式の場合のように復調処理を複数の演算ICに分割して並列実行する蓄積一括復調方式はあまり用いられず、シンボル単位での処理が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、TDMA方式の場合には蓄積一括復調方式が採用され、複数の演算ICによる並列処理化が比較的簡単に実現できるのに対し、SCPC連続波の復調処理を複数の演算ICによって並列化しようとすると、各演算IC間でシンボル単位のデータ転送を行う必要が生じ、転送のレイタンシーが高くなってしまう。このため、SCPC連続波の場合、蓄積一括方式を採用しても並列化による効果があまり得られず、高速シンボルレートの変調信号を復調するのには不向きであった。このため、SCPC波のような連続信号の復調は、1個の演算ICの処理性能に大きく依存し、復調可能なシンボルレートの上限も、当該演算ICの処理性能に大きく依存しているという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、SCPC方式の様な連続信号の復調処理を並列化させ、より高速なシンボルレートの変調信号の復調を行う受信データ復調機を提供することを目的とする。また、高速シンボルレートの受信信号の復調を安価な低速演算回路を用いて復調する受信データ復調機を提供することを目的とする。特に、SCPC波の様な連続信号について、より高速なシンボルレートの信号を復調できる受信データ復調機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明による受信データ復調機は、受信データから雑音を除去するための受信ナイキストフィルタ部及びナイキスト位相を推定し受信信号からシンボル情報を抽出するシンボルタイミング再生部からなり、互いに独立して動作する2以上の並列処理部と、一連の受信データに基づいて並列処理部ごとのデータブロックを生成するブロック化処理部と、各並列化処理部からの出力データを集結し、一連のデータを生成する集結処理部と、集結処理後のデータに基づいて周波数偏位を求める周波数補償部と、集結処理後のデータに基づいて位相偏差を求める位相補償部とを備えて構成される。
【0008】
ブロック化処理部は、一連の受信データをブロック化して2以上のデータブロックとし、各データブロックを2以上の並列化処理部へ順に出力する。各並列化処理部は、入力されたデータブロックに対しノイズ除去のためのフィルタリングと、シンボル情報の抽出を行う。並列化されたこれらの処理はフォワードループ処理であり、互いに独立して実行される。各並列化処理部から出力されるブロックごとのデータは集結処理部で集結されて一連の受信データとなる。周波数補償部及び位相補償部は、集結処理後のデータに基づいて周波数、位相の補償量を求める。
【0009】
ナイキストフィルタ部及びシンボルタイミング再生部における処理は、オーバーサンプリングレートによる高速処理が要求されるがフォワードループ処理であるため、ブロック化処理部により一連の受信データがデータブロックに分割された後に並列処理される。一方、周波数補償部及び位相補償部は、シンボルレートによる低速処理だがフィードバックループ処理が要求されるため、ブロックの集結後に処理される。
【0010】
請求項2に記載の本発明による受信データ復調機は、上記受信ナイキストフィルタ部に、直前の有限長の受信データとの相関が発生するFIRフィルタが用いられ、上記ブロック化処理部が、直前のデータブロック中の受信データであって、FIRフィルタにおいて相関が発生するデータを含むデータブロックを生成するように構成される。
【0011】
受信ナイキストフィルタ部にFIRフィルタを用いた場合、当該フィルタリング処理には、FIRフィルタを構成するシフトレジスタ段数分のデータでの相関が発生する。このため、ブロック化処理部は、データブロックを生成する際、当該データブロックが入力される並列処理部が処理すべきシンボル数に相当する受信データに、直前のデータブロック中の受信データを付加し、データブロック間で重複させる。付加されるデータは、受信ナイキストフィルタ部のFIRフィルタにおいて相関が発生するデータであり、FIRフィルタのシフトレジスタの段数に基づいて定められる。
【0012】
請求項3に記載の本発明による受信データ復調機は、上記ブロック化処理部が、直前のデータブロック中の1シンボル分の受信データを含むデータブロックを生成し、各並列処理部が、シンボル情報とともに、シンボル情報抽出に用いたナイキスト位相を出力し、上記集結処理部が、並列処理部からのナイキスト位相に基づいて、ナイキスト位相の推移によるデータブロック間のシンボル抜け及びシンボル重複を補償するように構成される。
【0013】
ブロック化処理部は、データブロックを生成する際、直前のデータブロック中の最後の1シンボル分の受信データを追加し、1シンボル分多くの情報を抽出できるデータブロックを生成する。シンボルタイミング再生部は、当該データブロックに基づいてナイキスト位相を求め、このナイキスト位相に基づいてシンボル情報を抽出し、シンボル情報及びナイキスト位相を出力する。集結処理部は、連続するデータブロック間でのナイキスト位相のオフセット量に基づいて、当該データブロック間でのシンボル位相の推移により生ずるシンボル抜け又はシンボル重複を判別し、これを補償する。すなわち、シンボル重複時には、重複する1シンボルをシンボル情報として採用せず、シンボル抜け時には、直前のデータブロックと重複する受信データから抽出されたシンボル情報も採用する。
【0014】
請求項4に記載の本発明による受信データ復調機は、上記集結処理部が、並列処理部から出力されるナイキスト位相を第1及び第2の閾値と比較し、第1のデータブロックに関するナイキスト位相が第1の閾値以下であり、かつ、第1のデータブロックの直前のデータブロックである第2のデータブロックに関するナイキスト位相が、第2の閾値以上の場合にシンボル重複と判別するとともに、第1のデータブロックに関するナイキスト位相が第2の閾値以上であり、かつ、第2のデータブロックに関するナイキスト位相が、第1の閾値以下の場合にシンボル抜けと判別するように構成される。
【0015】
請求項5に記載の本発明による受信データ復調機は、n個のデータブロックから順に1個のデータブロックが入力されるn(2以上の整数)個の上記並列処理部を備え、各シンボルタイミング再生部が、入力されたデータブロックから求められた平均ナイキスト位相について、nブロック飛びのブロック間加重平均処理を行ってナイキスト位相を推定するように構成される。
【0016】
請求項6に記載の本発明による受信データ復調機は、上記集結処理部が、データブロックごとの出力に基づいて起動され所定の時間を計測する出力調整用タイマを備え、各データブロックは、この出力調整用タイマのタイムアップ後に集結処理部から出力されるように構成される。
【0017】
集結処理部は、データブロックごとに入力されるシンボル情報を後段へ出力する際、直前のデータブロックの出力によって始動される出力調整用タイマがタイムアップするまで待機し、当該タイマのタイムアップ時あるいはデータブロックの集結処理の完了時に後段への出力を行う。
【0018】
請求項7に記載の本発明による受信データ復調機は、上記ブロック化処理部が、SCPC方式の連続受信信号を周波数変換して得られたベースバンド信号をブロック化し、複数のデータブロックを生成するように構成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明が適用される無線通信装置の一構成例を示したブロック図である。この無線通信装置は、送受信アンテナ1と、送受信アンテナ1が接続された無線部2と、無線部2に接続された制御部3により構成される。
【0020】
前記無線部2は、更に、RF/IF送信部13、RF/IF受信部14、シンセサイザ15および方向性結合器16により構成される。RF/IF送信部13は、制御部3からのベースバンド信号をRF信号へ周波数変換して、方向性結合器16を介して送受信アンテナ1へ出力する。RF/IF受信部14は、方向性結合器16を介して送受信アンテナ1から入力されるRF信号をベースバンド信号へ周波数変換して、制御部3へ出力する。シンセサイザ15は、これらのRF/IF送信部13及びRF/IF受信部14において周波数変換に用いられる正弦波信号を供給している。
【0021】
また、前記制御部3は、更に、コーデック外部インターフェース(I/F)4、中央演算処理部(CPU)5、表示部6、記憶装置7、符号部8、復号部9、変調部10、復調部11及び無線制御部12により構成される。
【0022】
RF/IF受信部14からのベースバンド受信信号は、復調部11において復調処理され、復号部9において復号処理された後、コーデック外部インターフェース4を介して外部端末、例えば、音声コーデックやビデオコーデックに出力される。また、コーデック外部インターフェース4を介して外部端末から入力されたデータは、符号部8において符号化処理され、変調部10において変調処理されて、RF/IF送信部13へ出力される。
【0023】
中央演算処理部5は、PROM等のメモリからなる記憶装置7に格納されたデータ、プログラムに基づいて制御部3の各ブロックを制御している。無線制御部12は、当該無線通信装置の自セルや隣接セルの止まり木チャネルの周波数が中央演算処理部5によって指定され、この周波数に基づいてシンセサイザの発振周波数を制御している。このため、復調部11において周波数偏位、位相偏差が検出された場合には、これらの偏位を補償するように、中央演算処理部5及び無線制御部12を介して、シンセサイザの出力制御が行われる。
【0024】
図2は、図1の復調部11の一構成例を示したブロック図であり、本発明による復調機の要部が示されている。この復調部11は、A/D変換部20と、入力処理部30と、n個の並列処理部311〜31nと、集結処理部25と、AFC処理部26と、CR処理部27により構成される(nは2以上の整数)。入力処理部30は、AGC処理部21と、ブロック化処理部22からなる演算ICとして構成される。また、各並列処理部311〜31nは、それぞれがFIR処理部23及びBTR処理部24からなるデジタル演算ICとして構成される。
【0025】
A/D変換部20は、RF/IF受信部14からのアナログ受信信号をオーバーサンプルレートによりデジタル信号に変換している。すなわち、受信信号のシンボルレートを越える周波数、通常はビットレートの整数倍(例えば4倍)の周波数でサンプリングしてA/D変換を行っている。AGC(Automatic Gain Control)処理部21は、受信信号の電力レベルが一定になるように信号レベルを調整している。
【0026】
FIR処理部23は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いて、受信信号に含まれる周波数に対してフラットな雑音、例えば伝送路雑音や無線通信装置内の熱雑音を除去するための受信ナイキストフィルタである。BTR(Bit Timing Recovery:タイミング再生)処理部24は、ナイキスト位相を推定し、受信信号に含まれる情報をナイキスト点の位置にてシンボル単位で抽出するシンボルタイミング再生手段である。
【0027】
n個ある各並列処理部311〜31nは、それぞれが1個の集積回路、例えばDSP、FPGAなどのデジタル演算ICとして構成され、入力された受信信号に対するFIR処理及びBTR処理を他の並列処理部とは独立して行う。つまり、これらの並列処理部311〜31nは、並列動作させることができる。
【0028】
ブロック化処理部22は、A/D変換及びAGC処理後の受信信号を所定のデータブロックに区分し、生成されたデータブロックが、並列化された並列処理部311〜31nへ順に入力される。最初のデータブロックは並列処理部311へ入力され、次のデータブロックは並列処理部312へ入力される。以下同様にして、n番目のデータブロックは並列処理部31nへ入力され、n+1番目のデータブロックは、再び並列処理部311へ入力される。
【0029】
データブロックへの区分は、FIR処理部23及びBTR処理部24で処理しやすいデータ単位となるように行われる。つまり、並列化された各並列処理部311〜31nにおけるFIR処理及びBTR処理が、それぞれの並列処理部311〜31nに入力されたデータに基づいて実行でき、他の並列処理部311〜31nの入力データや出力データに依存することなく実行できるように受信データを区分する。ブロック化処理部22の動作については更に後述する。
【0030】
各並列処理部311〜31nから出力されるデータは、集結処理部25において集結され順に出力される。その後、AFC(Automatic Frequency Control:周波数自動制御)処理部26及びCR(Carrier Recovery:搬送波再生)処理部27において、受信信号に重畳された周波数及び位相成分のずれが除去される。AFC処理部26は、受信信号の複数シンボルにわたる位相差から1シンボル当たりの位相回転量を求めて周波数偏位を補償する。また、CR処理部27は、各シンボルごとの絶対位相のずれを複数シンボルにわたって平均化して位相偏差を求めて位相偏差を補償する。
【0031】
なお、図2を用いて、AGC処理部21及びブロック化処理部22を1つの演算ICとして構成される入力処理部30とし、集結処理部25、AFC処理部26及びCR処理部27がそれぞれ1つの演算処理ICとして構成される場合の例について説明したが、AGC処理部21及びブロック化処理部22をそれぞれ個別の演算処理ICとして構成してもよいし、AFC処理部26及びCR処理部27を1つの演算処理ICとして構成し、更には集結処理部25をも含めて1つの演算処理ICとして構成してもよい。
【0032】
BTR処理部24においてシンボル情報が抽出されるまでの処理は、A/D変換部20でサンプリングされたサンプリングデータに基づく処理であるため、BTR処理部24までの各ブロックではオーバーサンプルレートでの高速処理が行われている。これに対して、集結処理部25以降の各ブロックではシンボルレートでの低速処理が行われている。
【0033】
このため、高速処理が要求されるFIR処理部23とBTR処理部24をn系列設け、ブロック化処理部22で分割された各ブロックを各系列に振り分けて、並列処理させることにより、各FIR処理部23及び各BTR処理部24(つまり各並列処理部311〜31n)に要求される処理速度を低減することができる。このため、従来の無線通信装置の復調部と同じ処理速度の並列処理部311〜31nを用いた場合、より高速なシンボルレートの連続信号を復調することができ、同じシンボルレートの連続信号を復調する場合には、従来の無線通信装置よりも安価な低速のデジタル演算処理ICを用いることができる。
【0034】
本実施の形態による受信データ復調機は、FIR処理部23及びBTR処理部24における処理が、オーバーサンプリングレートによる高速処理が要求されるがフォワードループ処理であるため、連続受信データをブロック化処理部22でブロック化し、データブロックごとに並列処理する。一方、AFC処理部26及びCR処理部27は、シンボルレートによる低速処理だがフィードバックループ処理が要求されるため、集結処理部25によるデータブロックが合成された後に処理される。
【0035】
実施の形態2.
本実施の形態では、復調処理の並列化にともなうシンボル抜け及びシンボル重複を防止するための図2のブロック化処理部22及び集結処理部25の動作の詳細について説明する。
【0036】
ブロック化処理部22は、n個の並列処理部311〜31n、すなわち、n組のFIR処理部23及びBTR処理部24が、それぞれ並列動作することができるように、受信データをデータブロックに区分する際、連続するデータブロック間で、境界付近の所定量のデータが重複するように各データブロックを生成する。一方、集結処理部25は、各データブロックから抽出されたシンボル情報を合成する際、データブロック間でシンボル抜け、シンボル重複が発生したかを判別し、シンボル抜けが生じた場合には上記重複データを用いて、シンボル重複が生じた場合には重複しているシンボル情報を除外するタイミング補償処理を行う。
【0037】
図3は、ブロック化処理部22によって生成されるデータブロックの一例について説明するための概念図である。時間軸上で順に受信されたデータが上から下に向かって示されており、図中のLは、各並列処理部311〜31nに割り当てられたFIR処理及びBTR処理の対象となるシンボル数、KはA/D変換部20におけるサンプリングレート(シンボルレートに対する倍数)である。
【0038】
各データブロックには、基本となるLシンボル分のデータとともに、直前のデータブロックの最後の所定量のデータが含まれる。図3においてブロック化処理される今回(i番目)のデータブロックに着目すれば、Lシンボル(L×2ワード)分に加えて、直前(i−1番目)のデータブロックの最後の(M×2+1+K)×2ワード分のデータが付加されている。ここで、「×2」は、PSK変調信号の同相成分Ich及び直交成分Qchを考慮したものである。また、「M×2+1」は、データブロックごとのFIR処理を考慮したものであり、「+K」はBTR処理を考慮したものであり、これらの詳細について、図4〜図6を用いて以下に説明する。
【0039】
図4は、図2のFIR処理部23に用いられるFIRフィルタの一構成例を示した図である。図中の32はシフトレジスタ、33は乗算器、34は加算器である。シフトレジスタ32は、ブロックに区分されたサンプリングデータがブロック化処理部22から順に入力される2M+1段からなるシフトレジスタである。乗算器33は、シフトレジスタ30の各段からの出力データに対し予め定められたタップ係数h(i=1〜2M+1)をかける演算処理部である。加算器34は、各乗算器33の乗算結果の和をフィルタ出力として求める演算処理部であり、連続して入力される2M+1個の入力データに基づいて出力データが求められる。
【0040】
ブロック化された受信データに対して、この様なフィルタを用いてFIR処理を行う場合、注目しているデータブロック(i番目)は、その直前のデータブロック(i−1番目)との間に相関が発生する。すなわち、データブロック内のタップ段数(シフトレジスタの段数)2M+1に満たない最初のデータに対するFIR処理には、直前のデータブロックの最後のデータが必要になる。従って、FIR処理を並列実行するためには、FIR処理部23に入力されるデータブロックに、FIRフィルタのタップ段数2M+1分だけ、直前のデータブロックの最後のデータが必要になる。このため、ブロック化処理部22は、受信データをブロックに区分する際にFIRフィルタのタップ段数分のデータを重複させる必要がある。
【0041】
図5及び図6は、BTR処理部23を並列化した場合に生じ得る問題点を説明するための説明図であり、図5にはシンボル重複の例が、図6にはシンボル抜けの例が示されている。これらの図では、いずれも連続する2つのデータブロックが示されており、(a)が前回(i−1番目)のデータブロック、(b)が今回(i番目)のデータブロックである。また、それぞれは、横軸にサンプリング時間をとり、シンボルレートの4倍でサンプリングを行った場合の各サンプリングデータが矢印で示されている。
【0042】
BTR処理部23は、入力された1つのデータブロックについて平均的なナイキスト位相を求め、当該平均位置を使ってシンボル情報の抽出を行っている。図5、図6では、オーバーサンプル数が4倍であるため、サンプリング番号0,1,2,3,0が1シンボル期間に相当し、各シンボル期間には平均ナイキスト位置が一つ含まれる。これらのサンプリングデータを補間して平均ナイキスト位置において得られるデータがシンボル情報として求められる。
【0043】
一般的に、受信機と送信機との間にはクロックタイミングのずれが生じている。受信データをブロック化してBTR処理を並列化した場合、BTR処理部では入力されたデータブロックごとに平均ナイキスト位置が求められるため、クロックの推移によってナイキスト位置が推移すれば、連続するデータブロック間において、シンボル抜けやシンボル重複が発生する場合がある。
【0044】
図5では、クロックの推移によって、直前(i−1番目)のデータブロックでは、平均ナイキスト位置♯aがシンボル期間の後半に位置していたが、次(i番目)のデータブロックでは、平均ナイキスト位置♯bがシンボル期間の前半に位置するように変化した例が示されている。この場合、(i−1)番目のデータブロックの最後のシンボル情報と、i番目のデータブロックの最初のシンボル情報は、本来1つのシンボル情報を両データブロックから重複して抽出していることになる。
【0045】
図6では、クロックの推移によって、直前(i−1番目)のデータブロックでは、平均ナイキスト位置♯aがシンボル期間の前半に位置していたが、次(i番目)のデータブロックでは、平均ナイキスト位置♯bがシンボル期間の後半に位置するようになった例が示されている。この場合、(i−1)番目のデータブロックの最後のナイキスト位置と、i番目のデータブロックの最初のナイキスト位置の間には、2シンボル期間に近い時間差が生じており、本来抽出されるべき1つのシンボル情報が両データブロックのいずれからも抽出されないことになる。
【0046】
このようなシンボル重複、シンボル抜けの問題を解決するため、ブロック化処理部22は、受信データをデータブロックに区分する際、1シンボル期間に相当するサンプリングデータ(ここではK個)を連続するデータブロックにおいて重複させる。つまり、直前のデータブロックの最後のサンプリングデータK個を次のデータブロックに追加する。
【0047】
集結処理部25には、各BTR処理部24からL+1個のシンボル情報と、ナイキスト位相とが入力され、連続するデータブロックのナイキスト位相に基づいてデータブロック間でのシンボルの重複、シンボルの抜けを判別し、この判別結果に基づいて各データブロックを集結させる。すなわち、各データブロックを合成する際、データブロック間のタイミング補間処理を行う。
【0048】
図7は、集結処理部25におけるタイミング補間処理動作の一例を示した図である。集結処理部25は、前回(i−1番目)のデータブロックのナイキスト位相が90°以下で、今回(i番目)のデータブロックのナイキスト位相が270°以上であれば、前回データブロックとの間でシンボル抜けが生じていると判断し、今回データブロックからL+1シンボル分のデータを採用する。つまり、Lシンボルに加えて、ブロック化処理部22において今回データブロックに追加された前回データブロックの最後の1シンボルも採用される。
【0049】
一方、前回データブロックのナイキスト位相が270°以上で、今回データブロックのナイキスト位相が90°以下であれば、前回データブロックとの間でシンボル重複が生じていると判断し、今回データブロックから(L−1)データを採用する。つまり、今回データブロックの最初の1データを破棄してシンボルデータとして採用しない。
【0050】
前回データブロック及び今回データブロックのナイキスト位相の組み合わせが上記以外の場合、シンボル抜け及びシンボル重複が生じていないと判断し、今回データブロックからLデータを採用する。
【0051】
ここでは、シンボル抜け、シンボル重複の望ましい判断基準として、ナイキスト位相を90°、270°と比較する場合の例について説明したが、これらの値はシンボル抜け、シンボル重複を判別するために予め設定され、あるいは、その後に調整される所定の閾値であればよい。
【0052】
本実施の形態によれば、ブロック化処理部22が、FIR処理部23において生ずる有限長のサンプリングデータ間での相関を考慮して、連続するデータブロック間でデータを重複させているため、各FIR処理部23が独立して処理を行うことができ、並列処理を実現することができる。
【0053】
また、集結処理部25が、各BTR処理部24で求められたナイキスト位相に基づいてデータブロック間のシンボル抜け及びシンボル重複を判別し、シンボル抜け及びシンボル重複を補償するようにデータブロックを集結させるため、シンボル抽出処理の並列化にともなうシンボル抜けやシンボル重複を防止することができる。
【0054】
実施の形態3.
本実施の形態では、BTR処理の並列化にともなうナイキスト位相の推定精度の低下を防止するための図2のBTR処理部24の動作の詳細について説明する。
【0055】
図8は、図2の入力処理部30から各並列処理部311〜31nへのデータブロックの流れを説明するための説明図である。ブロック化処理部22において受信データをブロック化して順に生成されたデータブロックD1,D2,D3,…は、それぞれが並列処理部311,312,313,…に逐次転送される。つまり、最初のデータブロックD1が並列処理部311に入力され、次のデータブロックD2が並列処理部312に入力され、以下同様にして、データブロックDnが並列処理部31nに入力される。そして、次のデータブロックDn+1は再び並列処理部311に入力される。各並列処理部311〜31nでは、それぞれに入力されるデータブロックD1〜Dn,Dn+1,…に基づいて平均ナイキスト位相を推定している。
【0056】
このため、ともに並列処理部311において推定されるデータブロックD1に関するナイキスト位相をT1、データブロックDn+1に関するナイキスト位相をTn+1とすると、Tn+1は、T1と比較すれば、nブロック飛びの推定ナイキスト位相となる。つまり、同じ並列処理部311において連続して計算されるナイキスト位相は、並列処理部n個分(データブロックn個分)だけ離れたデータに関する位相であり、Tn+1をT1と比較すれば、nデータブロック間における位相進みが生じている。
【0057】
一般に、低C/N(信号電力対雑音比)環境下で使用される無線通信装置では、C/N耐性を向上させるために、BTR処理に用いられるナイキスト位相についてブロック間で加重平均をとり、ナイキスト位相の推定精度を向上させる手法が従来から用いられている。本実施の形態では、データブロックn個分の位相の進みを推定し、同一の並列処理部311〜31nにおける前回データブロックについて求めたナイキスト位相を当該位相進み分だけ進めた後、求められた結果にブロック間の加重平均処理を行っている。
【0058】
並列処理部31m(mは1〜n)において求められた今回データブロックDm+n+1のナイキスト位相Tm+n+1と、同一並列処理部31mの前回データブロックDm+1(nブロック前)のナイキスト位相Tm+1に基づいて、nブロック間における位相推移量△θmを推定すると
△θ=Tm+n+1−Tm+1(deg) (1)
【0059】
上記位相推移量△θmをIIRフィルタを用いてフィルタリングし、360(deg)でmodulo演算を行ってAve#delta#thを求める。
Ave#△θ=△θ+λ×Ave#△θ (2)
Ave#delta#th=(1.0−λ)×Ave#△θ (3)
Ave#delta#th%=360 (4)
【0060】
ここで、λは忘却係数、Ave#△θはnブロック間の平均位相推移、%は剰余(modulo)演算を示している。なお、360(deg)で剰余をとる理由は、360(deg)以上の位相推移があった場合、ナイキスト点は次のシンボルへ推移しているため、シンボル内での位相ずれ(360(deg)未満の位相ずれ)を補正すればよいからである。上記Ave#delta#thにより、nブロック飛びの時の推定ナイキスト位相が得られる。
【0061】
また、バースト間加重処理は、以下のようにして行われる。
cos#delt=cosd(Ave#delta#th) (5)
sin#delt=sind(Ave#delta#th) (6)
tanq#i=tanq#i+λ×(BTRtanq#i×cos#delt+BTRtanq#q×sin#delt)(7)
tanq#q=tanq#q+λ×(BTRtanq#q×cos#delt−BTRtanq#i×sin#delt)(8)
【0062】
ここで、cosd,sindはdeg値でのcos,sin演算、BTRtanq#i,BTRtanq#qは前回ブロックのナイキスト推定位相のI,Q成分、λは忘却係数、Ave#delta#thは式(4)で求められたnブロック間での位相推移、tanq#i,tanq#qは今回ブロックで推定されたナイキスト位相を示している。式(8)で得られたtanq#i,tanq#qの値により今回ブロックのナイキスト位相を決定する。
【0063】
実施の形態4.
本実施の形態では、図2の集結処理部25において出力調整用タイマを設け、後段へのデータ転送間隔をほぼ一定値に調整する方法について説明する。
【0064】
図9は、図2の復調部11における動作の一例を示したタイミングチャートであり、集結処理部25において出力タイミングの調整を行わない場合が示されている。図中の(a)は復調部11への入力データ、(b)は入力処理部30の動作、(c1)〜(cn)は並列処理部311〜31nの動作、(d)は集結処理部25の動作、(e)はAFC処理部26の動作である。
【0065】
復調部11への入力データは、ブロック化処理部22においてブロック化され、各並列処理部311〜31nへ転送されて復調処理された後、更に集結処理部25へ転送される。集結処理部25は、集結処理されたデータブロックをそのままAFC処理部26へ転送している。
【0066】
この場合、ブロック化処理部22から並列処理部311〜31nへの転送遅延や、各並列処理部311〜31nから集結処理部25への転送遅延は、各配線長等の差によって相違し、また、並列処理部311〜31nの処理遅延も相違する。このため、各データが集結処理部25から出力される間隔t1,t2には、図示したようなばらつきが発生する。すなわち、転送遅延、処理遅延によって、データ出力間隔が収縮し、後段での処理、例えばAFC処理部26におけるの演算時間を十分に確保することができない場合が生じ得る。
【0067】
図10は、図2の復調部11における動作の他の例を示したタイミングチャートであり、集結処理部25においてデータ出力のタイミング調整を行う場合が示されている。集結処理部25にタイミング調整用タイマを設け、集結処理部25からの出力タイミングを調整すれば、AFC処理部26へ転送されるブロック間の間隔t1’、t2’をほぼ一定にすることができる。図10は、集結処理部25がこの様なタイミング調整機能を有する場合のタイミングチャートである。
【0068】
集結処理部25では、1個の並列処理部311〜31nからの入力データをAFC処理部26へ転送するごとにタイマを始動させる。その後、所定時間tsが経過してタイマーがタイムアップすれば、次の並列処理部311〜31nからの入力データの転送を開始する。ただし、タイムアップ時に次のデータ転送を行うための準備が完了していない場合には、データ転送が可能になった時点で直ちにデータ転送を開始し、再びタイマを始動させる。このため、タイマによって計測される所定時間tsは、復調部11に1ブロック分のデータが入力される時間よりも短い期間、通常は少し短い期間に設定される。
【0069】
本実施の形態によれば、集結処理部25にタイマを設け、集結処理部25からの出力タイミングを調整することにより、AFC処理部26へ転送されるブロックごとの間隔をほぼ一定にすることができ、AFC処理部26以降の後段の処理の演算時間を十分に確保することができる。
【0070】
【発明の効果】
請求項1に記載の受信データ復調機は、受信データから雑音を除去するための受信ナイキストフィルタ部及びナイキスト位相を推定し受信信号からシンボル情報を抽出するシンボルタイミング再生部からなり、互いに独立して動作する2以上の並列処理部と、一連の受信データに基づいて並列処理部ごとのデータブロックを生成するブロック化処理部と、並列化処理部からの出力データを集結する集結処理部と、集結処理後のデータに基づいて周波数偏位を求める周波数補償部と、集結処理後のデータに基づいて位相偏差を求める位相補償部とを備えて構成される。
【0071】
このような構成により、一連の受信データをブロック化し、オーバーサンプリングレートでの高速処理が要求される受信ナイキストフィルタ部及びシンボルタイミング再生部での処理を並列化する一方、フィードバックループ処理が要求される周波数補償部及び位相補償部はデータブロックの集結後に処理することができる。従って、より高速なシンボルレートの信号を復調することができる受信データ復調機を提供することができる。また、高速シンボルレートの受信信号を安価な低速演算回路を用いて復調する受信データ復調機を提供することができる。
【0072】
請求項2に記載の受信データ復調機は、上記受信ナイキストフィルタ部に、直前の有限長の受信データとの相関が発生するFIRフィルタが用いられ、上記ブロック化処理部が、直前のデータブロック中の受信データであって、FIRフィルタにおいて相関が発生するデータを含むデータブロックを生成するように構成される。
【0073】
このような構成により、ブロック化処理部が、FIRフィルタからなる受信ナイキストフィルタ部が独立して処理可能なデータブロックを生成し、有限長の受信データ間で相関を有する受信ナイキストフィルタ部においても並列処理を実現することができる。
【0074】
請求項3に記載の受信データ復調機は、上記ブロック化処理部が、直前のデータブロック中の1シンボル分の受信データを含むデータブロックを生成し、各並列処理部が、シンボル情報とともに、シンボル情報抽出に用いたナイキスト位相を出力し、上記集結処理部が、並列処理部からのナイキスト位相に基づいて、ナイキスト位相の推移によるデータブロック間のシンボル抜け及びシンボル重複を補償するように構成される。
【0075】
この様な構成により、集結処理部において、ナイキスト位相の推移によるデータブロック間のシンボル抜け及びシンボル重複を判別し、シンボル抜け及びシンボル重複を補償しつつデータブロックを集結させることができる。従って、シンボル抽出処理の並列化にともなうシンボル抜けやシンボル重複を防止することができる。
【0076】
請求項4に記載の受信データ復調機は、上記集結処理部が、並列処理部から出力されるナイキスト位相を第1及び第2の閾値と比較し、第1のデータブロックに関するナイキスト位相が第1の閾値以下であり、かつ、第1のデータブロックの直前のデータブロックである第2のデータブロックに関するナイキスト位相が、第2の閾値以上の場合にシンボル抜けと判別するとともに、第1のデータブロックに関するナイキスト位相が第2の閾値以上であり、かつ、第2のデータブロックに関するナイキスト位相が、第1の閾値以下の場合にシンボル重複と判別するように構成される。この様な構成により、集結処理部において、ナイキスト位相の推移によるデータブロック間のシンボル抜け及びシンボル重複を判別することができる。
【0077】
請求項5に記載の受信データ復調機は、n個のデータブロックから順に1個のデータブロックが入力されるn(2以上の整数)個の上記並列処理部を備え、各シンボルタイミング再生部が、入力されたデータブロックから求められた平均ナイキスト位相について、nブロック飛びのブロック間加重平均処理を行ってナイキスト位相を推定する。この様な構成により、n個のデータブロックごとに1個のデータブロックが入力される並列処理部においてナイキスト位相を精度よく推定することができる。
【0078】
請求項6に記載の受信データ復調機は、上記集結処理部が、データブロックごとの出力に基づいて起動され所定の時間を計測する出力調整用タイマを備え、各データブロックは、この出力調整用タイマのタイムアップ後に集結処理部から出力されるように構成される。
【0079】
この様な構成により、データブロックごとに転送時間、処理時間が異なる場合であっても、データ出力の時間間隔のバラツキを抑制し、処理遅延、転送遅延によって集結処理部から出力されるデータ間の転送間隔が収縮し、後段の演算ICにおける処理時間の収縮を吸収することができる。特に、タイマの計測時間を適切に設定すれば、ほぼ一定の時間間隔でデータ出力を行わせることができ、集結処理部以降の処理、例えばAFC処理部における処理時間を確保することができる。
【0080】
請求項7に記載の受信データ復調機は、上記ブロック化処理部が、SCPC方式の連続受信信号を周波数変換して得られたベースバンド信号をブロック化し、複数のデータブロックを生成するように構成される。この様な構成により、低速の演算回路を用いて、高速シンボルレートのSCPC連続信号を復調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される無線通信装置の一構成例を示したブロック図である(実施の形態1)。
【図2】図1の復調部11の一構成例を示したブロック図であり、本発明による復調機の要部を示した図である。
【図3】ブロック化処理部22によって生成されるデータブロックの一例について説明するための概念図である。
【図4】FIR処理部23に用いられるFIRフィルタの一構成例を示した図である(実施の形態2)。
【図5】BTR処理部23を並列化した場合に生じ得るシンボル重複について説明するための説明図である。
【図6】BTR処理部23を並列化した場合に生じ得るシンボル抜けについて説明するための説明図である。
【図7】集結処理部25におけるタイミング補間処理動作の一例を示した図である。
【図8】ブロック化処理部22から各並列処理部311〜31nへのデータブロックの流れを説明するための説明図である(実施の形態3)。
【図9】復調部11における処理シーケンスの一例を示したタイミングチャートであり、集結処理部25において出力タイミングの調整を行わない場合が示されている(実施の形態4)。
【図10】復調部11における処理シーケンスの他の例を示したタイミングチャートであり、集結処理部25において出力タイミングの調整を行う場合が示されている。
【図11】従来の復調処理の並列化について説明するための図であり、時分割多重接続(TDMA)方式の受信信号の一例が示されている。
【図12】従来の復調処理の並列化について説明するための図であり、TDMA方式における従来の無線通信装置の構成の一部を示したブロック図である。
【図13】SCPC方式における従来の無線通信装置の構成の一部を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 送受信アンテナ、2 無線部、3 制御部、
4 コーデック外部インターフェース、5 中央演算処理部(CPU)、
6 表示部、7 記憶装置、8 符号部、9 復号部、10 変調部、
11 復調部、12 無線制御部、13 送信部、14 受信部、
15 シンセサイザ、16 方向性結合器、20 A/D変換部、
21 AGC処理部、22 ブロック化処理、22 ブロック化処理部、
23 FIR処理部、24 BTR処理部、25 集結処理部、
26 AFC処理部、27 CR処理部、30 入力処理部、
311〜31n 並列処理部、32 シフトレジスタ、33 乗算器、
34 加算器、D1〜Dn データブロック、K オーバーサンプルの倍数、
Tm ナイキスト位相、h タップ係数

Claims (7)

  1. 受信データから雑音を除去するための受信ナイキストフィルタ部及びナイキスト位相を推定し受信信号からシンボル情報を抽出するシンボルタイミング再生部からなり、互いに独立して動作する2以上の並列処理部と、一連の受信データに基づいて並列処理部ごとのデータブロックを生成するブロック化処理部と、各並列化処理部からの出力データを集結し、一連のデータを生成する集結処理部と、集結処理後のデータに基づいて周波数偏位を求める周波数補償部と、集結処理後のデータに基づいて位相偏差を求める位相補償部とを備えたことを特徴とする受信データ復調機。
  2. 上記受信ナイキストフィルタ部は、直前の有限長の受信データとの相関が発生するFIRフィルタが用いられ、上記ブロック化処理部は、直前のデータブロック中の受信データであって、FIRフィルタにおいて相関が発生するデータを含むデータブロックを生成することを特徴とする請求項1に記載の受信データ復調機。
  3. 上記ブロック化処理部は、直前のデータブロック中の1シンボル分の受信データを含むデータブロックを生成し、各並列処理部が、シンボル情報とともに、シンボル情報抽出に用いたナイキスト位相を出力し、上記集結処理部が、並列処理部からのナイキスト位相に基づいて、ナイキスト位相の推移によるデータブロック間のシンボル抜け及びシンボル重複を補償することを特徴とする請求項1又は2に記載の受信データ復調機。
  4. 上記集結処理部は、並列処理部から出力されるナイキスト位相を第1及び第2の閾値と比較し、第1のデータブロックに関するナイキスト位相が第1の閾値以下であり、かつ、第1のデータブロックの直前のデータブロックである第2のデータブロックに関するナイキスト位相が、第2の閾値以上の場合にシンボル重複と判別するとともに、第1のデータブロックに関するナイキスト位相が第2の閾値以上であり、かつ、第2のデータブロックに関するナイキスト位相が、第1の閾値以下の場合にシンボル抜けと判別することを特徴とする請求項3に記載の受信データ復調機。
  5. n個のデータブロックから順に1個のデータブロックが入力されるn(2以上の整数)個の上記並列処理部を備え、各シンボルタイミング再生部が、入力されたデータブロックから求められた平均ナイキスト位相について、nブロック飛びのブロック間加重平均処理を行ってナイキスト位相を推定することを特徴とする請求項1に記載の受信データ復調機。
  6. 上記集結処理部が、データブロックごとの出力に基づいて起動され所定の時間を計測する出力調整用タイマを備え、各データブロックは、この出力調整用タイマのタイムアップ後に集結処理部から出力されることを特徴とする請求項1に記載の受信データ復調機。
  7. 上記ブロック化処理部は、SCPC方式の連続受信信号を周波数変換して得られたベースバンド信号をブロック化し、複数のデータブロックを生成することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の受信データ復調機。
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