JP2003243829A - セラミック配線基板の製造方法 - Google Patents

セラミック配線基板の製造方法

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JP2003243829A
JP2003243829A JP2002041432A JP2002041432A JP2003243829A JP 2003243829 A JP2003243829 A JP 2003243829A JP 2002041432 A JP2002041432 A JP 2002041432A JP 2002041432 A JP2002041432 A JP 2002041432A JP 2003243829 A JP2003243829 A JP 2003243829A
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ceramic
wiring board
holes
wiring
ceramic green
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JP2002041432A
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Makoto Origuchi
誠 折口
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック配線基板を焼成形成する際の焼成
過程において、効果的に脱脂することを可能とするとと
もに、その脱脂に要する作業時間等の作業効率を高める
ことを可能とするセラミック配線基板の製造方法を提供
する。 【解決手段】 セラミック誘電体層と配線層とを有する
セラミック配線基板において、該セラミック誘電体層と
なるべきセラミックグリーンシート10にビア4や配線
パターン3を形成させる際に、配線部となるビア4や配
線パターン3に属さない領域に貫通孔2を形成させる。
形成された貫通孔2は、セラミック配線基板を焼成形成
させる焼成工程の後に、研磨等により除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック配線基
板の製造方法に関し、詳細には、セラミック配線基板を
焼成形成する際の気孔除去に適したセラミック配線基板
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セラミック配線基板、例えば、L
SIやIC等の半導体素子又は、コンデンサやインダク
タ等のディスクリート部品などの電子部品を搭載したも
の、あるいは、基板内部や表面に種々の厚膜回路素子を
作りこんだものとして、比較的高密度の配線が可能な多
層セラミック配線基板が多用されている。本明細書にお
いては、このような多層セラミック配線基板も含めてセ
ラミック配線基板と呼ぶ。上記のようなセラミック配線
基板は、ガラスセラミック材料や、アルミナ、ムライ
ト、窒化アルミニウム、窒化珪素などのセラミック材料
からなるセラミック誘電体層と、Cu、Ag、Au、P
d、Pt、Ni、W、Mo等の金属を主体とする配線層
とを交互に積層したものであり、必要に応じてその表面
に電子部品が実装される。
【0003】また、上記したセラミック配線基板は、複
数の製品を一括して得るために、個々の製品に対応した
各々個別のセラミック配線基板の配線部となるべき配線
パターンおよび/またはビアをセラミックグリーンシー
トに形成した後、該セラミックグリーンシートを積層さ
せた積層体を切断刃により切断・分離して焼成すること
により製造されている。さらに、焼成した後、個々のセ
ラミック配線基板は、平滑化と寸法精度を高めるため
に、側面をグラインダ研磨等による研磨により仕上げる
ことが行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したセラミック配
線基板を焼成する過程においては、セラミック配線基板
を焼結生成させる目的以外に、セラミックグリーシート
に含有される有機バインダ等の有機成分を脱脂にて除去
させる目的を有する。該脱脂が効果的に行なわれない場
合、気孔がセラミック配線基板に残留し、その電気的特
性や機械強度を抑制させる問題が発生する。そこで、焼
成雰囲気もしくは焼成時間の調整、さらには、焼成除去
され易い解重合型樹脂等より有機バインダを構成するな
どの方法にて、セラミック配線基板に残留する気孔を低
減させることが図られている。なお、この種の技術に関
連するものとして、例えば、特開昭60−254697
号、特開平06−268375号等が挙げられる。
【0005】しかしながら、上記気孔の残留を低減させ
るためになされる、焼成雰囲気の調整は、その調整にお
ける精度および工程数を要し、さらに焼成時間をも必要
とする。また、使用する有機バインダの材料により焼成
条件等も変化する。これらのことは、生産性の観点より
問題となる。さらに、セラミック配線基板に残留する気
孔を低減させ、かつ所定の焼結性を得るのに適した焼成
温度域が狭められるために、製造されるセラミック配線
基板の歩留まりを不安定にさせ、ひいては生産性が抑制
される問題となる。
【0006】本発明は、上記問題を考慮してなされたも
のである。すなわち、本発明は、セラミック配線基板を
焼成形成する際の焼成過程において、効果的に脱脂する
ことを可能とするとともに、その脱脂に要する作業効率
を高めることを可能とるセラミック配線基板の製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記課
題を解決するための本発明のセラミック配線基板の製造
方法は、セラミックグリーンシートに各々個別のセラミ
ック配線基板の配線部となるべき配線パターンおよび/
またはビアを形成する配線部形成工程と、該セラミック
グリーンシートを積層させた積層体を各々前記配線部を
含むものとなる分割体に切断・分離する分離工程と、該
分離工程にて得られる各々分割体を焼成する焼成工程
と、該焼成工程にて得られる各々焼成体を研磨すること
により前記セラミック配線基板となる研磨工程とを含
み、前記配線部形成工程にて、前記セラミックグリーン
シートの少なくとも一部には、前記配線部に属さない領
域に貫通孔を形成するとともに、該貫通孔を有した形に
て前記分割体は、前記焼成工程にて焼成されることを特
徴とする。
【0008】上記セラミックグリーンシートは、周知の
ドクターブレード法等により、セラミック粉末またはガ
ラスセラミック粉末と、有機バインダ、溶剤等とを混練
したスラリーをシート状に成形することで得ることがで
きる。さらに、該セラミックグリーンシートに配線パタ
ーンを形成する場合には、公知のスクリーン印刷法等を
用いて行なう。他方、ビアを形成する場合には、セラミ
ックグリーンシートに、ドリル等を用いて穿孔するとと
もに、該穿孔された孔に金属ペーストを充填する。この
ようにして、各々製品に対応した個別の配線部となる配
線パターンおよび/またはビアを、セラミックグリーン
シートに形成する工程が、上記本発明の配線部形成工程
にあたる。
【0009】上記配線部形成工程の後、配線パターンお
よび/またはビアが形成された複数のセラミックグリー
ンシートを積層圧着させた積層体を、各々製品に対応し
た個別の配線部が含まれる形にて、切断刃を用いて切断
・分離を行ない、複数の分割体を得る。この工程が、上
記本発明の分離工程にあたる。該分離工程の後、得られ
た複数の各々分割体を焼成形成させるとともに、得られ
た各々焼結体のそれぞれに対して、その側面をグライン
ダ研磨等により研磨する。このように研磨することで、
分離工程にて積層体を切断した際に、分割体の側面に発
生したバリやめくれ等を平滑化することができ、かつ寸
法精度を向上させたものとすることができる。このよう
にして、上記本発明の焼成工程および研磨工程がなされ
る。
【0010】上記した焼成工程にて、セラミックグリー
ンシートに含まれる有機バインダや溶剤等の有機成分の
脱脂が行なわれる。この脱脂は、特に、上記セラミック
グリーンシートを積層圧着させる際に重合した有機バイ
ンダを分解・除去するために必要とされる。該脱脂の処
理を効果的にかつ効率良く行なうために、本発明におい
ては、有機バインダや溶剤に起因した有機成分が脱脂さ
れ外部に除去され易いように、セラミックググリーンシ
ートの少なくとも一部に貫通孔を形成させておく。該貫
通孔は、配線部形成工程において、配線部に属さない領
域に形成される。また、上記分割工程にて得られる各々
分割体は、この貫通孔を有した形で焼成工程にて焼成さ
れる。その結果、焼成工程にて有機バインダや溶剤に起
因した有機成分は、この貫通孔を抜け路として外部に脱
脂除去されやすくなる。もしくは、この貫通孔に気孔と
して残留しやすくなる。このようにして、脱脂を効果的
にかつ効率よく行なうことが可能となるとともに、脱脂
の処理時間を低減させることができる。また、製造され
るセラミック配線基板に残留する気孔を効果的に低減で
きることから、個々のセラミック配線基板における電気
的特性や機械強度等のバラツキを抑制することが可能と
なり、ひいては、セラミック配線基板の生産性を向上さ
せることができる。
【0011】上記脱脂を促進させるために形成された貫
通孔は、焼成工程の後に、その領域を切断または研磨す
ることにより除去することができる。特に、作業効率の
観点より、焼成工程にて焼成された焼結体の側面をグラ
イダ研磨する研磨工程にて、貫通孔を同じく研磨除去す
ることが望ましい。このように研磨工程にて、貫通孔を
研磨除去する場合には、貫通孔を、焼成される焼結体の
側面近傍に位置するように形成させておけばよい。
【0012】上記のように、貫通孔を研磨工程にて合わ
せて研磨除去することで、貫通孔を除去するための新た
な工程を要しない。その結果、セラミック配線基板の製
造における作業効率を抑制することなく、脱脂を効果的
にかつ効率良く行なうことが可能となる。
【0013】上記のように本発明のセラミック配線基板
の製造方法においては、製品となる配線パターンやビア
からなる配線部に属さない貫通孔を、その製造工程にて
形成させることで、脱脂の促進を図ることができる。次
に、セラミックグリーンシートに形成する貫通孔は、ビ
アが形成されるセラミックグリーンシートのみに形成す
ることとする。このような方法をとることで、ビア形成
時に必要とされるセラミックグリーンシートへの穿孔を
行なう際に、同じくして貫通孔を形成させることができ
る。その結果、さらに、セラミック配線基板の製造にお
ける作業効率を抑制することなく、脱脂を効果的にかつ
効率良く行なうことができる。
【0014】上記のように貫通孔を、ビアが形成される
セラミックグリーンシートのみに形成するのではなく、
さらに、全てのセラミックグリーンシートに形成させた
場合、脱脂を、さらに効果的にかつ効率良く行なうこと
が可能となる。その結果、脱脂の処理に要する時間をさ
らに短縮化することができるとともに、ひいては、セラ
ミック配線基板の製造における作業効率を向上させるこ
とができる。
【0015】また、上記のように貫通孔を、ビアが形成
されるセラミックグリーンシートのみではなく、全ての
セラミックグリーンシートに形成させるか否かの判断
は、貫通孔の形成に要する作業時間と、貫通孔を形成す
ることにより短縮される脱脂に要する作業時間とを考慮
して適宜判断されるものである。なぜなら、脱脂に要す
る作業時間は、セラミック配線基板を構成するセラミッ
ク誘電体層や配線層の構成材料、使用される有機バイン
ダの種類等にて適宜設定される焼成温度等の焼成条件に
より左右されるからである。さらに、同じ理由にて、セ
ラミックグリーンシートに形成させる貫通孔の形成位
置、孔数および孔径についても、必要とされる脱脂の促
進度合いに応じて適宜選択されるものである。
【0016】次に、さらに脱脂を効果的にかつ効率良く
行なう必要がある場合は、貫通孔を、全てのセラミック
グリーンシートに形成するとともに、該セラミックグリ
ーンシートを積層させた積層体において、その積層方向
に貫通孔が貫通するようにする。つまり、全てのセラミ
ックグリーンシートにおいて、同じ位置に貫通孔を形成
する。このように貫通孔を形成することにより、焼成工
程にて有機バインダや溶剤に起因した有機成分を、外部
にさらに脱脂除去しやすくすることが可能となる。
【0017】上述してきたように、本発明においては、
製品となるセラミック配線基板には属さない貫通孔を、
その製造過程にて形成させることにより、脱脂の促進を
図ることが特徴である。また、特に、複数のセラミック
グリーンシートを積層圧着させて積層体を形成する前段
階の、個々のセラミックグリーンシートに配線パターン
やビアを形成する段階で、貫通孔を形成させることが特
徴である。例えば、このような貫通孔を、積層体を形成
した後、該積層体にドリル等にて形成させることも可能
ではある。しかしながら、この場合、積層体に加わる穿
孔の圧力に起因して、形成される貫通孔近傍の積層体表
面に表面あれが発生しやすくなる。該表面あれは、穿孔
される貫通孔の深さが増大するに伴い、発生しやすくな
る。その結果、焼成される焼結体の表面にバリやめくれ
等が発生しやすくなるという不具合が生じる。このこと
は、製造されるセラミック配線基板の電気的特性を損な
うことに繋がる。そこで、本発明に示すように、セラミ
ックグリーンシートに配線パターンやビアを形成する段
階で、貫通孔を形成させれば、穿孔させる深さを低減さ
せることが可能となるとともに、セラミックグリーンシ
ートへの穿孔に起因した圧力を低減させることが可能と
なり、ひいては、製造されるセラミック配線基板の電気
的特性の低下を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に図面
を用いて説明を行なう。図1は本発明の一実施形態を示
すセラミック配線基板の外観を示す概略図である。セラ
ミック配線基板1において、その表面には、セラミック
配線基板1の内部に形成された配線または回路パターン
との電気的接続を取るための端子部40が形成されてい
る。次に、図2は、セラミック配線基板1の内部構造を
模式的に示す概略断面図である。セラミック配線基板1
は、セラミック誘電体層50と、配線層30が交互に積
層されるととともに、必要に応じて半導体素子等の電子
部品51が実装される。各配線層30は、セラミック誘
電体層50を厚さ方向に貫くビア35により互いに電気
的に接続される。該セラミック配線基板1を、高周波信
号を取り扱うためのものとして機能させる場合は、高周
波用パッケージのように、それ自身が高周波信号処理能
力を有した能動素子を備えたものであってもよいし、別
途構成されたアンテナスイッチモジュール等の高周波用
素子を搭載するためのものであってもよい。
【0019】さらに、図2のセラミック配線基板1で
は、その配線層30は、ノイズ防護用のシールド部とし
て機能する接地導体56が随伴したものとして構成され
ている。接地導体56は、配線層30と同様の方法によ
り、セラミック誘電体層50の片面を略全面に渡って被
覆する形で形成されてなる。さらに、セラミック配線基
板1においては、配線層30のほかに、コンデンサ5
4、インダクタ53及び抵抗器55などの種々の厚膜回
路素子が作りこまれているが、厚膜回路素子を特に有さ
ない、配線層のみを有するものとして構成することも可
能である。また、セラミック配線基板1が、高周波信号
を取り扱うためのものである場合、セラミック誘電体層
50に挟みこまれた配線層30を、ストリップラインと
して機能させることも可能である。なお、本明細書にお
ける高周波信号とは、800MHz以上の周波数を有し
た信号を意味する。
【0020】次に、本発明のセラミック配線基板の製造
方法に係わる作業工程について述べる。まず、セラミッ
ク誘電体層となるべきセラミックグリーンシートを用意
する。セラミックグリーンシートは、セラミック粉末
(例えば、ガラスセラミック粉末の場合、ホウケイ酸ガ
ラス粉末とアルミナ等のセラミックフィラー粉末との混
合粉末)に溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、ジア
セトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、ブロムク
ロロメタン、エタノール、ブタノール、プロパノール、
トルエン、キシレンなど)、結合剤(アクリル系樹脂
(例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタク
リレート)、セルロースアセテートブチレート、ポリエ
チレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール
など)、可塑剤(ブチルベンジルフタレート、ジブチル
フタレート、ジメチルフタレート、フタル酸エステル、
ポリエチレングリコール誘導体、トリクレゾールホスフ
ェートなど)、解膠剤(脂肪酸(グリセリントリオレー
トなど)、界面活性剤(ベンゼンスルホン酸など)、湿
潤剤(アルキルアリルポリエーテルアルコール、ポチエ
チレングリコールエチルエーテル、ニチルフェニルグリ
コール、ポリオキシエチレンエステルなど)などの添加
剤を配合して混練し、ドクターブレード法等によりシー
ト状に成形したものである。
【0021】また、セラミック粉末としては、アルミナ
含有量を98%以上としたアルミナ質セラミックス、ム
ライト質セラミックス、窒化アルミニウムセラミック
ス、窒化珪素セラミックス、及び炭化珪素セラミックス
等を用いることで、製造されるセラミック配線基板の機
械的強度を高め、高周波信号に対しても誘電損失が小さ
いものとすることができる。
【0022】上記のようにして得られたセラミックグリ
ーンシートに、配線層(厚膜回路素子を作りこむ場合
は、その素子パターンを含む)となるべき配線パターン
を公知のスクリーン印刷法等により形成を行ない、他
方、ビアを形成させる場合には、セラミックグリーンシ
ートにドリル又はレーザ等により穿孔させた孔に金属ペ
ーストを埋め込むようにする。また、このように配線部
となる配線パターンおよび/またはビアをセラミックグ
リーンシートに形成させる際、図3に示す模式図のよう
に、配線部に属さない領域に貫通孔2を必要に応じてセ
ラミックグリーンシート10に形成させる。貫通孔2
は、ドリルまたはレーザ等により穿孔される。
【0023】配線パターンやビア形成に用いられる金属
ペーストの主体となる金属材料としては、銀系(銀単
体、銀−金属酸化物(マンガン、バナジウム、ビスマ
ス、アルミニウム、ケイ素、銅等の酸化物)、銀−ガラ
ス添加、銀−パラジウム、銀−白金、銀−ロウジウム
等)、金系(金単体、金−金属酸化物、金−パラジウ
ム、金−白金、金−ロウジウム等)、銅系(銅単体、銅
−金属酸化物、銅−パラジウム、銅−白金、銅−ロウジ
ウム等)等の低抵抗材料を挙げることができる。
【0024】次に、上記のように、配線部となる配線パ
ターンおよび/またはビア、さらには、必要に応じて貫
通孔が形成された複数のセラミックグリーンシートを重
ね合わせるとともに、積層圧着させることにより積層体
を形成させる。また、該積層体を構成する複数のセラミ
ックグリーンシートの少なくとも一部には、貫通孔が形
成されているものとする。次に、該積層体を、各々製品
に対応した配線部および貫通孔を含む形で、切断刃によ
り切断し、複数の分割体を得る
【0025】上記分割体の各々は、少なくとも貫通孔が
含まれるものであるが、その貫通孔の形成形態を図4の
模式図に示す。図4(a)は、貫通孔2がセラミックグ
リーンシートの一部に形成された場合であり、例えば、
ビアが形成されたセラミックグリーンシートにのみ貫通
孔2を形成させた場合に対応する。図4(b)および図
4(c)は、貫通孔2をセラミックグリーンシートの全
てに形成させた場合に対応し、特に図4(c)において
は、貫通孔2が分割体20の積層方向に貫通するように
形成された場合である。このような形態にて形成された
貫通孔を有する分割体を焼成することにより、焼結体が
得られる。また、この焼成の過程にて、セラミックグリ
ーンシートに含まれる有機バインダや溶剤等に起因する
有機成分を、脱脂により除去させる。本発明において
は、貫通孔が形成された状態で分割体を焼成するので、
脱脂を効果的にかつ効率よく行なうことが可能となる。
【0026】次に、焼成された焼結体は、脱脂を促進さ
せるための貫通孔を有した形であるので、該貫通孔を切
断もしくは研磨にて除去する。さらに、貫通孔が除去さ
れた焼結体に対して、その側面を、グラインダ研磨等に
て研磨を行ない、側面に発生したバリやめくれ等を平滑
化するとともに、寸法精度を高める。また、この側面を
研磨する工程にて、同じく、貫通孔を研磨除去させるこ
とも可能である。この場合には、図5の模式図に示すよ
うに、焼結体21を側面研磨する際に、同じく研磨され
るように、貫通孔2は焼結体21の側面近傍に位置して
いる必要がある。このような位置に貫通孔を形成させる
には、セラミックグリーンシートに貫通孔を形成させる
際に、その形成位置および孔径を調整することにより可
能である。このように焼成された焼結体の側面を研磨す
ることにより、図2に示したような断面構造をもつセラ
ミック配線基板が製造される。
【0027】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するために行なっ
た実験結果について説明する。
【0028】(実施例1)上記した作業工程に従い、セ
ラミックグリーンシートの作製重量%で、ホウケイ酸ガ
ラス粉末60%、アルミナ粉末40%となるガラスセラ
ミック粉末100重量部に対して、有機バインダとして
アクリル樹脂を15重量部と、溶剤としてメチルエチル
ケトンおよびメタノールを合わせて75重量部と、分散
剤0.3重量部とを混和し、ボールミルで混合し、スラ
リーを作製した。次に、該スラリーを用い、ドクターブ
レード法により厚さ0.25mmのセラミックグリーン
シートの作成を行なった。作成したセラミックグリーン
シートに対して配線パターンおよびビアを形成させたも
の、配線パターンのみ形成させたものを交互に重ね合わ
せるとともに、4層のセラミックグリーンシートを積層
圧着させた積層体を形成させた。また、ビアを形成した
セラミックグリーンシートにのみ、ビアおよび配線パタ
ーンが形成されていない領域に貫通孔をドリルにて穿孔
させた。配線パターンおよびビアの埋め込みは、公知の
スクリーン印刷法により行ない、金属材料としてAg系
のものを用いた。次に、積層体を切断刃により複数の分
割体に切断させた。切断された各々分割体の貫通孔の位
置が、図6(a)の模式図に示すように、分割体の側面
近傍になるように、貫通孔をセラミックグリーンシート
に形成させた。この分割体を、3℃/分の昇温速度で3
00℃まで昇温させ、300℃にて1時間保持させるこ
とにより脱脂を行ない、さらに、30℃刻みで連続的に
1000℃まで昇温させ焼成することで、焼結体を作成
した。その後、該焼結体の側面をグラインダ研磨するこ
とで、貫通孔を研磨除去させた焼結体を作成した。
【0029】(実施例2)実施例1と違い、全てのセラ
ミックグリーンシートに貫通孔を形成させるとともに、
図6(b)の模式図のように貫通孔が分割体の積層方向
に貫通するように、貫通孔を形成させた。また、分割体
を、5℃/分の昇温速度で300℃まで昇温させ、30
0℃にて1時間保持させることにより脱脂を行ない、さ
らに、30℃刻みで連続的に1000℃まで昇温させ焼
成することで、焼結体を作成した。上記実験条件以外
は、実施例1と同条件にて、焼結体の作成を行なった。
【0030】(比較例1)実施例1と違い、セラミック
グリーンシートに貫通孔を形成させず、焼成した貫通孔
を有さない焼結体の側面をグラインダ研磨した以外は、
実施例1と同条件にて焼結体の作成を行なった。
【0031】(比較例2)比較例1と違い、分割体を、
0.5℃/分の昇温速度で300℃まで昇温させ、30
0℃にて3時間保持させることにより脱脂を行ない、さ
らに、30℃刻みで連続的に1000℃まで昇温させ焼
成することで、焼結体を作成した。それ以外は比較例1
と同条件にて焼結体の作成を行なった。
【0032】上記実施例および比較例にて得られた焼結
体に対して、残留する気孔率およびカーボン量を測定し
た。気孔率は、焼結体の断面を走査型電子顕微鏡(Scan
ningElectron Microscope:SEM)等により観察した
とき、その研磨断面上での気孔の面積率より求めた。な
お、測定精度と測定時間とのバランスを考慮して、研磨
断面上にて観察される寸法(断面上にて空孔外径線に対
し間隔最大となるように外接平行線を引いたときの、当
該平行線間距離として定義する)0.5μm以上の気孔
の合計面積を、観察視野の全面積により割った値を気孔
率として採用した。また、カーボン量の測定は、炭素・
硫黄分析装置を用いて行なった。測定結果を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果より、実施例1および実施例2
にて作成した焼結体は、気孔およびカーボンともに残留
していない良好なものであることが分かる。特に、実施
例2においては、脱脂のための焼成時間が、実施例1の
ものより短縮されているにもかかわらず、残留する気孔
率およびカーボン量の値が、実施例1と同様なものとな
った。このことは、実施例2のように貫通孔を形成した
場合、実施例1のものより、さらに脱脂が促進されるこ
とを示している。
【0035】他方、比較例1においては、脱脂が効果的
になされず、気孔およびカーボンともに過大に残留して
いることが分かる。比較例2においては、比較例1に比
べて、脱脂のための焼成時間を概ね10時間以上増やし
た場合であるが、残留する気孔およびカーボンともに残
留していない良好なものであることが分かる。しかしな
がら、脱脂の処理時間を、実施例のものより大幅に取る
必要があり、効率的に脱脂を行なうことを抑制してしま
う。
【0036】(比較例3)実施例2と違い、積層体を形
成した後、貫通孔を形成させた以外は、貫通孔の形成位
置等、実施例2と同様な条件にて焼結体の作成を行なっ
た。
【0037】比較例3および実施例2にて作成された焼
結体の表面のあれ具合を、目視にて確認した。その結
果、実施例2のものは、目視の分解能レベルで、バリや
剥がれがなく良好のものであった。比較例3のものは、
側面近傍にバリや剥がれが発生した領域を有するもので
あった。このこのことは、脱脂促進のための貫通孔を形
成する場合、セラミックグリーンシートを積層させる前
に形成させた方が、望ましいことを示している。
【0038】上記実施例および比較例より、本発明の製
造方法に示す、貫通孔をセラミックグリーンシートの製
品に属さない領域に形成させる方法を用いて焼成過程の
脱脂を行なうことで、その脱脂を効果的にかつ効率よく
行なえることが確認された。なお、本発明は、上記実施
形態および実施例に限定されるものではなく、脱脂促進
のための貫通孔を、積層前のセラミックグリーンシート
に形成させたものは、概念として内包されるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック配線基板の一実施形態を示
す概略外観図。
【図2】本発明のセラミック配線基板の一実施形態を示
す概略断面図。
【図3】本発明のセラミック配線基板の製造方法に係わ
る貫通孔の形成形態を説明するための模式図。
【図4】図3に続く貫通孔の形成形態を説明するための
模式図。
【図5】図4に続く貫通孔の形成形態を説明するための
模式図。
【図6】本発明の実施例を説明するための模式図。
【符号の説明】
1 セラミック配線基板 2 貫通孔 3 配線パターン 4 ビア 10 セラミックグリーンシート 20 分割体 21 焼結体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック配線基板の製造方法であっ
    て、セラミックグリーンシートに各々個別のセラミック
    配線基板の配線部となるべき配線パターンおよび/また
    はビアを形成する配線部形成工程と、 該セラミックグリーンシートを積層させた積層体を各々
    前記配線部を含むものとなる分割体に切断・分離する分
    離工程と、 該分離工程にて得られる各々分割体を焼成する焼成工程
    と、 該焼成工程にて得られる各々焼成体を研磨することによ
    り前記セラミック配線基板となる研磨工程とを含み、 前記配線部形成工程にて、前記セラミックグリーンシー
    トの少なくとも一部には、前記配線部に属さない領域に
    貫通孔を形成するとともに、該貫通孔を有した形にて前
    記分割体は、前記焼成工程にて焼成されることを特徴と
    するセラミック配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔は、前記研磨工程における研
    磨にて除去されることを特徴とする請求項1記載のセラ
    ミック配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔は、前記配線部形成工程にお
    いて、ビアが形成されるセラミックグリーンシートにの
    み形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    セラミック配線基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記貫通孔は、前記積層体を構成する全
    てのセラミックグリーンシートに形成されることを特徴
    とする請求項1又は2に記載のセラミック配線基板の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記貫通孔は、前記積層体を貫通するよ
    うに、前記セラミックグリーンシートに形成されること
    を特徴とする請求項4記載のセラミック配線基板の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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