JP2003243493A - 双極型静電チャック - Google Patents

双極型静電チャック

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JP2003243493A
JP2003243493A JP2002038291A JP2002038291A JP2003243493A JP 2003243493 A JP2003243493 A JP 2003243493A JP 2002038291 A JP2002038291 A JP 2002038291A JP 2002038291 A JP2002038291 A JP 2002038291A JP 2003243493 A JP2003243493 A JP 2003243493A
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insulating layer
electrostatic chuck
pedestal
lower insulating
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JP2002038291A
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Mamoru Ishii
守 石井
Tomoyuki Ogura
知之 小倉
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極間での絶縁破壊による吸着性能の低
下といった問題が起きない、信頼性に優れた双極型静電
チャックを提供することである。 【解決手段】 台座1と、その上面に溶射により形成さ
れた下部絶縁層2と、その上に、互いに隣接する状態で
設けられた第1の電極3aおよび第2の電極3bと、こ
れらを被覆するよう下部絶縁層2の上に溶射により形成
された上部絶縁層4と、を具備してなる双極型静電チャ
ックにおいて、互いに向き合う第1の電極3aの縁辺と
第2の電極3bの縁辺との間に、下部絶縁層2および上
部絶縁層4の両方に跨るよう、一つの絶縁性部材5を配
設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば半導体ウ
ェハやフラットディスプレイパネル、あるいはフレキシ
ブル基板などを吸着保持する際に用いられる双極型静電
チャックに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】減圧雰囲気下におい
て、半導体ウェハなどの物品(被吸着物)を吸着保持す
るのに用いられる静電チャックは、従来、一つの電極が
埋設された単極型のものが主流であった。しかしながら
最近では、年々多様化する要請を満たすため、二つの電
極を互いに隣接する状態で配置した双極型と呼ばれるも
のが使用されることも多くなっている。ここで、この従
来の双極型静電チャック(以下、単に従来型静電チャッ
クとも言う)について、図4を用いて簡単に説明する。
【0003】図4は、従来型静電チャックの概略断面図
である。同図からわかるように、従来型静電チャックは
概して、台座21と、この台座21の上に溶射により形
成された下部絶縁層22と、この下部絶縁層22の上に
互いに隣接状態で設けられた第1の電極23aおよび第
2の電極23bと、これら第1、第2の電極23a,2
3bを被覆するよう溶射により形成された上部絶縁層
(誘電層)24とからできている。
【0004】更に第1の電極23aおよび第2の電極2
3bには、それぞれ電極端子25aおよび電極端子25
bが接続されている。なお、これら電極端子25a,2
5bの台座21への固定には、セラミックス製の絶縁管
26が用いられる。すなわち、端部が絶縁管26の端面
から突出するよう電極端子25a,25bを絶縁管26
に組み付け、更にそれを台座21の貫通孔に嵌入させる
ことで、電極端子25a,25bは台座21に固定され
ている。
【0005】こうした構造を有する従来型静電チャック
では、一方の電極が正極に、他方の電極が負極になるよ
う電圧が印加され、単極型の静電チャックでは実現でき
ないような特性が得られる。だがその反面、次のような
改善を要する点があった。双極型静電チャックは、上述
したように、二つの電極が隣接状態で配置されているの
であるが、従来型のものでは、ときとして、この電極間
での絶縁破壊によるとみられる吸着力の著しい低下が起
きることがある。むろん、電極同士の間隔を十分に大き
なものとすれば、こうした不具合は生じない。しかし、
電極間隔を現状値よりも過度に大きくした場合には、当
然のことながら所要の性能を発揮できなくなる。
【0006】したがって本発明が解決しようとする課題
は、電極間での絶縁破壊による吸着性能の低下といった
問題が起きない、信頼性に優れた双極型静電チャックを
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく
鋭意研究を推し進める過程で、電極間での絶縁破壊は、
次のような理由によって起きることが判明した。すなわ
ち二つの電極は、台座上面に絶縁性材料を溶射して得た
下部絶縁層の上に、たとえば数mm程度離れた状態で隣
接配置される。そして、その上に再び絶縁性材料を溶射
して上部絶縁層を形成することで、双極型静電チャック
はでき上る。この際、上部絶縁層の一部が電極間のスペ
ースを完全に埋め、両者を絶縁する役割を果たすことに
なる。
【0008】ところで、このようにして得られた双極型
静電チャックの下部絶縁層と上部絶縁層との間には、一
方の電極から他方の電極に至る境界面(不連続面)が不
可避的に形成される。これは、時間的なずれを伴って形
成される下部絶縁層と上部絶縁層とが、完全には一体化
しないためである。したがって、電極に電圧を印加した
際には、比較的容易に、この境界面に沿った形で放電現
象が発生する。従来の双極型静電チャックにおいては、
このようにして、本来は完全に絶縁されていなければな
らない電極同士の間で絶縁破壊が生じ、吸着性能の低下
といった問題が起きていた。
【0009】そこで、こうした放電現象が容易には発生
しないよう構造を工夫すれば、電極間での絶縁破壊によ
る吸着性能の低下といった問題が起きない、信頼性に優
れた双極型静電チャックが得られるであろうとの結論に
到達した。本発明は、このような技術的思想に基づいて
なされたものであって、上記の課題は、台座と、この台
座の上面に溶射により形成された下部絶縁層と、この下
部絶縁層の上に、互いに隣接する状態で設けられた第1
の電極および第2の電極と、これら第1の電極および第
2の電極を被覆するよう前記下部絶縁層の上に溶射によ
り形成された上部絶縁層と、を具備してなる双極型静電
チャックであって、互いに向き合う前記第1の電極の縁
辺と前記第2の電極の縁辺との間には、前記下部絶縁層
および前記上部絶縁層の両方に跨って、一つの絶縁性部
材が配設されてなることを特徴とする双極型静電チャッ
クによって解決される。
【0010】すなわち双極型静電チャックをこうした構
造とすれば、一方の電極から他方の電極に至る、上部絶
縁層と下部絶縁層との境界面は、絶縁性部材によって完
全に分断される。したがって、この境界面に沿った形で
の放電現象は発生しなくなり、電極間での絶縁破壊に起
因する吸着性能の低下といった問題は起きなくなる。そ
してこの結果、双極型静電チャックの信頼性は大幅に向
上する。
【0011】ひるがえって、上記の課題は、台座と、こ
の台座の上面に溶射により形成された下部絶縁層と、こ
の下部絶縁層の上に、互いに隣接する状態で設けられた
第1の電極および第2の電極と、これら第1の電極およ
び第2の電極の上に溶射により形成された上部絶縁層
と、を具備してなる双極型静電チャックであって、前記
第1の電極は前記下部絶縁層に接して設けられてなると
ともに、前記下部絶縁層と前記上部絶縁層との間には、
前記第1の電極のみを被覆するよう溶射により中間部絶
縁層が形成されてなり、更に前記第2の電極は、前記中
間部絶縁層に接して、この中間部絶縁層の上に設けられ
てなることを特徴とする双極型静電チャックによって解
決される。
【0012】すなわち、こうした構造を採用した場合に
は、第1の電極と第2の電極とは、それぞれ異なる絶縁
層の上に載ることになる。したがって、絶縁層間に境界
面は形成されるが、それは一方の電極から他方の電極に
至る、不具合を引き起こすものとはならない。よって先
と同様、この境界面に沿った形での放電現象が発生する
ことはなく、電極間での絶縁破壊に起因する吸着性能の
低下といった問題は起きなくなる。そしてこの結果、双
極型静電チャックの信頼性は大幅に向上する。
【0013】なお、本発明の双極型静電チャックを構成
する上記絶縁性部材は、連続した一体構造であれば、絶
縁性材料を連続溶射することによって台座上に直接形成
したものを用いても、あるいはマシナブルセラミックス
(快削性セラミックス)を加工して得たものを用いても
よい。参考までに言うと、マシナブルセラミックスと
は、硬度が非常に高く、加工が極めて困難である一般的
なセラミックスに比して、機械加工が格段に容易な、す
なわち切削などの処理を難なく施すことが可能で、所望
の形状に自由に加工できる性質を備えた特殊なセラミッ
クスを指す。具体的には、住金セラミックス社製のホト
ベール(登録商標)が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1および図2を用いて、
本発明の第1実施形態を具体的に説明する。なお、図1
は本実施形態に係る双極型静電チャックの平面図、図2
は図1におけるX−X線での同双極型静電チャックの概
略断面図である。
【0015】本実施形態に係る双極型静電チャック(以
下、本静電チャックと言う)は、減圧雰囲気下におい
て、たとえば半導体ウェハやフラットディスプレイパネ
ル、あるいはフレキシブル基板などの物品(被吸着物)
を吸着保持するのに使用されるものである。
【0016】本静電チャックは、図1からもわかるよう
に円盤状の外形を有する。加えて図2に示すごとく、本
静電チャックは主要構成要素として、台座1、下部絶縁
層2、第1の電極3aおよび第2の電極3b、上部絶縁
層(誘電層)4、そして絶縁性部材5を具備する。この
うち台座1はアルミニウムから構成されており、後述す
る電極端子を取り付けるための貫通孔が複数形成されて
いる。なお、台座1の材質は基本的にいかなるものであ
ってもよく、金属単体の他にも各種合金やセラミック
ス、更には金属−セラミックス複合材料(MMC)など
が使用される。いかなる材質とするかは、使用温度域な
どを考慮して選定される。
【0017】下部絶縁層2および上部絶縁層4は、とも
に酸化アルミニウムから構成されている。すなわち、前
者は絶縁性材料である酸化アルミニウムを台座1の上面
に直接溶射して形成されたものであり、一方、後者は第
1の電極3aおよび第2の電極3bを被覆するよう下部
絶縁層2の上に、同じく絶縁性材料である酸化アルミニ
ウム(本実施形態では酸化チタンを少量含むものを使
用)を溶射して形成されたものである。
【0018】第1の電極3aおよび第2の電極3bはと
もに半円形であり、その直線状の縁辺(弦)同士が向き
合うよう、下部絶縁層2の上に互いに隣接状態で設けら
れている。この第1の電極3aおよび第2の電極3b
は、一方が正極に、他方が負極となるように電圧が印加
されるので、当然のことながら、所定の距離だけ離間し
た状態で配置されている。本実施形態では、電極材料と
してニッケルを使用し、やはり溶射によって、第1の電
極3aおよび第2の電極3bを下部絶縁層2の上に直接
形成した。しかし、電極材料はこれに限定されるもので
はなく、必要に応じて、その他の金属(たとえばタング
ステン、アルミニウム、銀など)を使用できる。また、
所定の形状に加工した金属板を下部絶縁層2の上に載置
することによって、第1の電極3aおよび第2の電極3
bを設けてもよい。
【0019】なお、本実施形態では二つの電極をともに
半円形としたが、むろんその形状は任意である。たとえ
ば両者を、互いに噛み合うE字形やF字形、更には櫛歯
形などの形状としてもよい。あるいは、一方が他方を取
り囲むようなスパイラル形状を採用することもできる。
【0020】第1の電極3aおよび第2の電極3bに
は、それぞれ給電用の電極端子6aおよび電極端子6b
が接続されている。これを用いて第1の電極3aおよび
第2の電極3bに電圧を印加することで、本静電チャッ
クは上部絶縁層4の表面に物品を吸着できるようにな
る。これら電極端子6a,6bの台座1への固定には、
セラミックス製の絶縁管7が用いられる。すなわち、端
部が絶縁管7の端面から突出するよう電極端子6a,6
bを絶縁管7に組み付け、更にこれを台座1の上述した
貫通孔に嵌入させることで、電極端子6a,6bは台座
1に固定されている。
【0021】本実施形態では、電極端子6a,6bとし
てアルミニウム製のものを、一方、絶縁管7としてマシ
ナブルセラミックスを加工して得たものを用いた。な
お、電極端子6a,6bとしては、その先端側すなわち
電極と接する側の端部が円錐台状に構成された、径が不
均一なものを用いてもよい。
【0022】また本実施形態では、下部絶縁層2の厚み
(図2中、Tで示す)を300μm程度にした。一
方、電極の厚み(図2中、Tで示す)は第1の電極3
aおよび第2の電極3bともに50μm程度に、そして
更にその上に位置する上部絶縁層4の有効厚み(図2
中、Tで示す)は300〜350μm程度とした。
【0023】さて本静電チャックは、上述したように絶
縁性部材5を具備する。すなわち、互いに向き合う第1
の電極3aの縁辺(弦)Lと第2の電極3bの縁辺
(弦)Lとの間には、下部絶縁層2および上部絶縁層
4の両方に跨って、一つの、言いかえれば連続した一体
構造の絶縁性部材5が配設されている。この絶縁性部材
5は、マシナブルセラミックスを加工して得た、断面が
四角形の細長い棒状のものであって、下面が台座1に直
に接着されている。
【0024】なお本実施形態では、絶縁性部材5を上部
絶縁層4によって被覆しており、したがって、この絶縁
性部材5の高さ寸法(図2中、Hで示す)は、下部絶縁
層2、第1の電極3a(または第2の電極3b)および
上部絶縁層4それぞれの厚みの総和よりも僅かに、たと
えば5〜50μm程度小さく設定されている。しかし場
合によっては絶縁性部材5を露出させ、上部絶縁層4と
共同で吸着面を構成するようにしてもよい。更に言え
ば、上記絶縁性部材5は、絶縁性材料を連続した一体構
造物となるよう局部溶射することによって、台座1の上
に直接形成してもよい。
【0025】続いて、本静電チャックの製造手順につい
て簡単に説明する。本静電チャックを得るには、まず台
座1の上面に絶縁性部材5を接着する。また、台座1に
絶縁管7を介して電極端子6a,6bを組み付ける。電
極端子6a,6bの上端面にマスキング処理を施したな
らば、続いて台座1の上面に、溶射によって酸化アルミ
ニウムの層つまり下部絶縁層2を形成する。
【0026】この後、不要になった電極端子6a,6b
のマスキングを取り除いて、その上端面を露出させる。
そしてこの状態で、下部絶縁層2の上の、半円形の特定
領域にニッケルを溶射し、金属層すなわち第1の電極3
aおよび第2の電極3bを形成する。これによって第1
の電極3aと電極端子6aとが、また、第2の電極3b
と電極端子6bとが、それぞれ接続されることになる。
最後に、第1の電極3aおよび第2の電極3b、そして
絶縁性部材5の上に、酸化チタンを少量含む酸化アルミ
ニウム系の絶縁性材料を溶射する。これによって上部絶
縁層(誘電層)4が形成され、図2に示すような断面を
有する本静電チャックが得られる。
【0027】さて、上述したように本実施形態では、互
いに向き合う第1の電極3aの縁辺と第2の電極3bの
縁辺との間に、下部絶縁層2および上部絶縁層4の両方
に跨るよう絶縁性部材5を配している。したがって、一
方の電極から他方の電極に至る、上部絶縁層2と下部絶
縁層4との境界面は、この絶縁性部材5によって完全に
分断される。ゆえに、この境界面に沿った形での放電現
象は発生しなくなり、電極間での絶縁破壊に起因する吸
着性能の低下といった問題は起きない。この結果、本静
電チャックは双極型であっても高い信頼性を発揮する。
【0028】続いて、本発明の第2実施形態に係る双極
型静電チャック(以下、再び本静電チャックと言う)に
ついて、その概略断面を示す図3を用いて具体的に説明
する。ただし本実施形態についても、要部以外の基本構
造や作用・効果などは、おおむね先の第1実施形態と同
じである。よって以下では、第1実施形態との相違点を
中心に解説する。
【0029】本静電チャックも、台座11、下部絶縁層
12、第1の電極13aおよび第2の電極13b、上部
絶縁層(誘電層)14を具備する。そして第1の電極1
3aおよび第2の電極13bには、それぞれ給電用の電
極端子15aおよび電極端子15bが接続されている。
更に、これら電極端子15a,15bの台座11への固
定には、やはり絶縁管16が用いられている。なお、こ
れらの構成要素は、第1実施形態として説明した双極型
静電チャックが備える構成要素と同じ材料からできてい
る。
【0030】台座11の上面に存在する下部絶縁層12
と、第1の電極13aおよび第2の電極13bの上に存
在する上部絶縁層14とは溶射により形成されたもので
ある。また、下部絶縁層12の上方に、概して互いに隣
接する状態で設けられた第1の電極13aおよび第2の
電極13bは半円形であり、それらは直線状の縁辺
(弦)同士が向き合うよう配置されている。なお、図3
では便宜上、第1の電極13aおよび第2の電極13b
が存在する高さ位置の違いを誇張しているが、各絶縁層
の厚みは非常に小さいので、実際には第1の電極13a
および第2の電極13bは、ほぼ等しい高さに位置する
ようになる。
【0031】さて本実施形態では、第1の電極13aの
みを下部絶縁層12に接した状態で設けている。そして
これとともに、下部絶縁層12と上部絶縁層14との間
には、第1の電極のみを被覆するよう中間部絶縁層17
を形成している。つまり本静電チャックは絶縁層とし
て、下部絶縁層12、中間部絶縁層17、そして上部絶
縁層14を具備する。更に本実施形態では、第2の電極
13bを中間部絶縁層17に接した状態で、その上に設
けており、言いかえれば第1の電極13aおよび第2の
電極13bは、互いに異なる絶縁層の上に載った状態と
なっている。
【0032】なお中間部絶縁層17も、他の絶縁層と同
様、溶射により形成されており、その厚みは50〜30
0μm程度に設定される。本実施形態では、この中間部
絶縁層17における第1の電極13a側の厚み(図3
中、Tで示す)を、10〜100μm程度に、一方、
第2の電極13b側の厚み(図3中、Tで示す)を5
0〜200μm程度としている。中間部絶縁層17以外
の各層の厚みは、上記第1実施形態とおおむね同じであ
る。また本実施形態では、中間部絶縁層17を上部絶縁
層14と同様、酸化チタンを少量含む酸化アルミニウム
系の絶縁性材料から構成している。
【0033】続いて、本静電チャックの製造手順につい
て簡単に説明する。本静電チャックを得る場合には、ま
ず台座11に絶縁管16を介して電極端子15a,15
bを組み付ける。電極端子15a,15bの上端面にマ
スキング処理を施したならば、続いて台座11の上面
に、溶射によって酸化アルミニウムの層つまり下部絶縁
層12を形成する。
【0034】この後、不要になった電極端子15aのマ
スキングのみを取り除いて、その上端面を露出させる。
そしてこの状態で、下部絶縁層12の上の、半円形の特
定領域(ただし片側のみ)にニッケルを溶射し、金属層
すなわち第1の電極13aを形成する。これによって第
1の電極13aと電極端子15aとが接続された状態と
なる。
【0035】続いては、下部絶縁層12の上に、溶射に
よって第1の電極13aを被覆するよう中間部絶縁層
(酸化チタンを少量含む酸化アルミニウム系の絶縁性材
料の層)17を形成する。そして、この時点で不要にな
った電極端子15bのマスキングを取り除いて、その上
端面を露出させる。更にこの状態で、中間部絶縁層17
の上の、半円形の特定領域(ただし片側のみ)にニッケ
ルを溶射し、金属層すなわち第2の電極13bを形成す
る。これによって、第2の電極13bと電極端子15b
とが接続された状態となる。
【0036】最後に、中間部絶縁層17の上に、第2の
電極13bを被覆するよう、酸化チタンを少量含む酸化
アルミニウム系の絶縁性材料を溶射する。これによって
上部絶縁層(誘電層)14が形成され、図3に示すよう
な断面を有する本静電チャックが得られる。
【0037】さて、上述したように本実施形態では、第
1の電極13aを下部絶縁層12に接して設けるととも
に、この下部絶縁層12と上部絶縁層14との間に、第
1の電極13aのみを被覆する中間部絶縁層17を形成
し、更に第2の電極13bを、この中間部絶縁層17に
接して、その上に設けている。したがって本静電チャッ
クでは、第1の電極13aと第2の電極13bとが、そ
れぞれ異なる絶縁層の上に載った状態となっている。ゆ
えに絶縁層間に境界面は形成されるが、それは一方の電
極から他方の電極に至るものではなく、この境界面に沿
った形での放電現象が発生することはない。よって、電
極間での絶縁破壊に起因する吸着性能の低下といった問
題は起きない。この結果、本静電チャックは双極型であ
っても高い信頼性を発揮する。
【0038】これに加えて、本実施形態に係る構造を採
用した場合には、電極同士の間隔を、これまでよりも更
に小さくできる。よって、電極形状の複雑化の要請にも
何ら問題なく対応可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明の双極型静電チャックは、電極間
での絶縁破壊による吸着性能の低下といった問題が起き
ず、信頼性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る双極型静電チャッ
クの平面図
【図2】図1におけるX−X線での、本発明の第1実施
形態に係る双極型静電チャックの概略断面図
【図3】本発明の第2実施形態に係る双極型静電チャッ
クの概略断面図
【図4】従来の双極型静電チャックの概略断面図
【符号の説明】
1 台座 2 下部絶縁層 3a 第1の電極 3b 第2の電極 4 上部絶縁層(誘電層) 5 絶縁性部材 6a,6b 電極端子 7 絶縁管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台座と、この台座の上面に溶射により形
    成された下部絶縁層と、この下部絶縁層の上に、互いに
    隣接する状態で設けられた第1の電極および第2の電極
    と、これら第1の電極および第2の電極を被覆するよう
    前記下部絶縁層の上に溶射により形成された上部絶縁層
    と、を具備してなる双極型静電チャックであって、 互いに向き合う前記第1の電極の縁辺と前記第2の電極
    の縁辺との間には、前記下部絶縁層および前記上部絶縁
    層の両方に跨って、一つの絶縁性部材が配設されてなる
    ことを特徴とする双極型静電チャック。
  2. 【請求項2】 台座と、この台座の上面に溶射により形
    成された下部絶縁層と、この下部絶縁層の上に、互いに
    隣接する状態で設けられた第1の電極および第2の電極
    と、これら第1の電極および第2の電極の上に溶射によ
    り形成された上部絶縁層と、を具備してなる双極型静電
    チャックであって、 前記第1の電極は前記下部絶縁層に接して設けられてな
    るとともに、 前記下部絶縁層と前記上部絶縁層との間には、前記第1
    の電極のみを被覆するよう溶射により中間部絶縁層が形
    成されてなり、 更に前記第2の電極は、前記中間部絶縁層に接して、こ
    の中間部絶縁層の上に設けられてなることを特徴とする
    双極型静電チャック。
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