JP2003243373A - プラズマ処理装置とプラズマ処理装置用保護膜及びその取付け方法 - Google Patents
プラズマ処理装置とプラズマ処理装置用保護膜及びその取付け方法Info
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Abstract
プラズマ処理室内部品からの異物発生を抑制する。 【解決手段】処理室内にプラズマを発生させ、試料を処
理するプラズマ処理装置において、アースに接地された
金属導電体でなりプラズマ処理室1内でプラズマと接触
する面を、比誘電率kεと厚さt(μm)との関係がt
/kε<300となる耐プラズマ性高分子材料(保護
膜)14,105で被覆する。また、耐プラズマ性且つ
吸水性を有する樹脂材料で形成された保護膜105を膨
張収縮させて、処理室1内の部品の外面に密着固定す
る。
Description
料に高周波バイアス電圧を印加して試料を処理するプラ
ズマ処理装置とプラズマ処理装置の処理室内に設けられ
るプラズマ処理装置用保護膜及びその取付け方法に関す
る。
アス電圧を印加して試料を処理するプラズマ処理装置と
しては、例えば、特開2001−57361号公報に記
載のような装置が知られている。該公報に開示された装
置は、次のようになっている。
ンテナが設けられる。プラズマ処理室下部に試料として
のウエハを載置する下部電極が設けられる。アンテナか
ら放射する電磁波と磁場形成手段による磁場との相互作
用により、プラズマ処理室内部に導入した処理ガスをプ
ラズマ化する。アンテナに印加するバイアス電力と下部
電極に印加するバイアス電力によってプラズマ中のイオ
ンやラジカルを制御し、ウエハにエッチング処理を行
う。エッチング処理には、処理ガスとしてフッ化炭素系
のガスを含む混合ガスを用い、シリコン酸化膜をエッチ
ングする。
イミド等の樹脂層でなる、厚み2mmの側壁スリ−ブが取
外し可能に配設されている。これにより、プラズマ処理
室を構成する金属壁面からの金属汚染を防止するととも
に、樹脂層への炭素系堆積物を安定に堆積させ異物発生
を抑制する。
従来技術として、特公平4−62170号公報(USP43
97724号明細書)に記載のものが挙げられる。該公
報には、内部表面の少なくともある程度がポリアリーレ
ート重合体で被覆された反応容器内にウエハをマウント
してエッチング処理すること、および被覆の厚さは約1
6分の1インチにすると有利であることが開示されてい
る。
置では、プラズマ照射に起因する処理室内からの異物発
生を抑制することが求められる。異物の発生を抑制する
ために、処理室内の内壁面および処理室内の部品表面に
保護膜を形成する。処理室の内壁表面に対しては、前述
の前者従来技術(特開2001−57361号公報)の
ように、ポリエーテルイミド等の樹脂でなる側壁スリー
ブ(円筒状のライナー)を処理室内壁表面に配設するこ
とで、異物の発生を抑制できる。また、処理室内の部品
表面に対しては、耐プラズマ性の被膜を形成することが
一般的に行われている。耐プラズマ性被膜の形成は、ア
ルマイト処理等の耐プラズマ材への改質処理や、耐プラ
ズマ性高分子材料によるコーティング処理によって行わ
れる。
号公報)は、処理室の内壁面への樹脂層(保護膜)の取
付けに関して考慮されたものであるが、プラズマに対す
るアース対策および処理室内の部品表面への取付けに関
しては充分に配慮されていなかった。
ように高エネルギーイオンの入射が不可欠なプロセスで
は、下部電極に大きな高周波バイアス電力の印加が必要
となる。一方、プラズマの生成とウエハへのプラズマ中
のイオンの入射エネルギーを独立に制御する装置、例え
ば、上述のような高周波電力の電磁波を放射するアンテ
ナと、アンテナに対向して配置されバイアス電圧が印加
される下部電極とをプラズマ処理室内に有する装置、ま
たは、高周波電力が供給される上部電極と、上部電極に
対向して配置されバイアス電圧が印加される下部電極と
をプラズマ処理室内に有する装置では、下部電極に印加
されたバイアス用の高周波電力に対して、対向するアン
テナまたは上部電極がアース電極として働くように構成
されている。しかしながら、このように構成された装置
においても、電気的に接地されたプラズマ処理室の内壁
面がプラズマによりエッチングされてしまう。これは、
下部電極に対向するアンテナや上部電極が高周波電力に
対する完全なアースになっていないことを示す。また、
電気的に接地されたプラズマ処理室とプラズマとの間に
シースが形成され、プラズマ処理室も高周波電力に対す
るアース電極になっていることを示す。
面に設けられる側壁スリーブの厚みは2mmと厚い。この
ため、該側壁スリーブは高周波電力に対して処理室とプ
ラズマとの間の抵抗体となり、処理室がアース電極とし
ての効果を損なう。その結果、側壁スリーブの表面はプ
ラズマプロセスで使用するガスの成分からなるデポ物で
覆われてしまい、デポ物による異物発生という問題が生
じる。
外形を処理室の内壁の内径よりも0.1mm 程度小さくし
て、処理室への取付けを容易にしてある。プラズマ処理
時には、プラズマからの入熱によって側壁スリーブは膨
張し処理室の内壁に密着する。これにより、処理室の内
壁との間の熱伝導を良くしている。しかしながら、この
ような側壁スリーブは、プラズマ処理時に熱膨張するの
で、処理室内の部品のように部品の外側の表面に対して
適用することができない。
の被膜を形成する方法では、被膜がプラズマからのイオ
ンのスパッタ作用によって消耗するため、被膜の膜厚に
よって異物の抑制効果の維持時間が決まる。また、被膜
の膜厚はその形成手法により限りがあり、制限無く厚く
することはできない。プラズマ処理の繰り返しによっ
て、被膜が消耗すれば再び被膜を形成する必要がある。
このような保守においては、被膜の再形成のタイミング
及びその処理コストが重要となる。さらに、形成された
被膜の厚みによっては、被膜がプラズマと接地された処
理室内部品との間の抵抗体となり、該部品によるアース
電極としての効果を損なうことになる。
4−62170号公報)もプラズマに対するアースの点
について充分に配慮されていなかった。すなわち、後者
従来技術のように、プラズマ処理室内を厚さ約16分の
1インチのポリアリーレート重合体で被覆した場合は、
プラズマ処理室内壁がプラズマのアースとして機能しな
くなる。このため、プラズマはアースを求めて拡散する
ことになり、エッチングに使用されるプラズマが薄い低
密度のプラズマとなる。また、アース電位が決まらない
ため、プラズマ処理室内に生成されたプラズマは拡散
し、エッチング処理するウエハ上のプラズマ密度が薄く
なる。これにより、ウエハのエッチング速度が低下して
しまうという問題がある。
面を保護する保護膜を容易に交換することのできるプラ
ズマ処理装置を提供することにある。
内部品の外面への取付けを容易にできるプラズマ処理装
置用保護膜を提供することにある。
内部品の外面への保護膜の取付けを容易にできるプラズ
マ処理装置用保護膜の取付け方法を提供することにあ
る。
ラズマに対するアースとしての効果を損なうことなく、
処理室内部品の外面を保護することのできるプラズマ処
理装置を提供することにある。
作用させるプラズマ処理室からの金属汚染を防止すると
ともにプラズマに曝される面の温度制御を容易に行うこ
とのできるプラズマ処理装置を提供することにある。
室内にプラズマを発生させ、試料を処理するプラズマ処
理装置において、処理室内の部品の外面に、耐プラズマ
性且つ吸水性を有する樹脂材料で形成された保護膜を膨
張収縮させて密着固定し、プラズマと部品との電気的絶
縁を防止することにより、達成される。
理室内部品の外面に設ける保護膜において、保護膜を耐
プラズマ性且つ吸水性を有する樹脂材料で形成し、吸水
時に処理室内部品の外形より大きくなる形状とすること
により、達成される。
理室内部品の外面に設ける保護膜の取付け方法におい
て、保護膜を耐プラズマ性且つ吸水性を有する樹脂材料
で形成し、保護膜を吸水膨張させ、その内側に処理室内
部品を嵌めこんだ後、保護膜を加熱して水分を蒸発させ
て、収縮させ、処理室内部品に保護膜を固定させること
により、達成される。
置の処理室内部品の外面に設ける保護膜の取付け方法に
おいて、前記保護膜を耐プラズマ性且つ吸水性を有する
樹脂材料で形成し、前記保護膜を吸水膨張させ、その内
側に処理室内部品を嵌めこんだ後、前記保護膜を大気圧
より低い圧力に保持し、前記保護膜中に含有する水分を
蒸発させて収縮する事で、前記部品に保護膜を固定させ
ることにより達成される。
発生させ、試料を処理するプラズマ処理装置において、
処理室内の部品の外面に、比誘電率kεと厚さt(μm)
との関係がt/kε<300となる高分子材料でなる耐
プラズマ性且つ吸水性を有する樹脂材料で形成された保
護膜を膨張収縮させて密着固定し、プラズマと部品との
電気的絶縁を防止することにより、達成される。
のイオンの入射エネルギー制御とを独立に行うプラズマ
処理装置において、アースに接地された導電体の金属で
なりプラズマ処理室内でプラズマと接触する面を、比誘
電率kεと厚さt(μm)との関係がt/kε<300と
なる耐プラズマ性高分子材料で被覆することにより、達
成される。
イナーに形成し、円筒状ライナーの外径をプラズマ処理
室の内面の径よりも大きくしたものである。
樹脂を配置し、プラズマ処理室内面にシリコン樹脂を介
して円筒状ライナーを密着させて取付けたものである。
もしくは塗布によりプラズマ処理室内面に形成されたも
のである。
試料へのイオンの入射エネルギー制御とを独立に行う酸
化膜用のプラズマ処理装置において、アースに接地され
た導電体の金属でなり内部にプラズマが生成されるプラ
ズマ処理室の内壁面を、比誘電率kεと厚さt(μm)と
の関係がt/kε<300となる耐プラズマ性高分子材
料で被覆する。
ズマに曝される一面がアースに接地された金属で成るプ
ラズマ処理室と、プラズマ処理室内にプラズマ密度が1
×1010個/cm3 以上のプラズマを生成するプラズマ生
成手段と、プラズマ処理室内に設けられ試料を配置する
試料台と、試料台に接続されプラズマ中のイオンを試料
に入射させるエネルギーを与える高周波バイアス電源と
を具備し、高周波バイアス電源のRF出力が1KW以上
で与えられるプラズマ処理装置において、プラズマ処理
室の金属部の内壁面に、RF出力に対してアース機能を
有する耐プラズマ性高分子材料を被覆する。
と試料へのイオンの入射エネルギー制御とを独立に行う
プラズマ処理装置において、アースに接地された導電体
の金属でなりプラズマ処理室内でプラズマと接触する面
に、導電材料を含有する耐プラズマ性高分子材料を被覆
する。
保護膜は、エッチング等のプラズマ処理によってウエハ
を汚染しない、あるいはウエハ上に異物等を飛散させな
い、且つ処理室がプラズマに対して基準電位を与えるた
めのアース電極として働くようにする必要がある。その
ため、保護膜の材料としては、汚染や異物等の発生源と
ならない材料、例えば、エッチングプロセスに使用する
ガスおよび被エッチング材料を構成する元素から構成さ
れる耐プラズマ性の高分子材料でなる部材にする。さら
に、プラズマ処理室がアースとして作用するように電気
的に低い抵抗値の材料及び構造にする。
内壁面に配置する方法としては、耐プラズマ性高分子材
料で円筒状ライナーを形成し、円筒状ライナーの外径を
プラズマ処理室の内面の径よりも大きくして、材料自体
の張力によってプラズマ処理室の内壁面に密着・固定す
る方法と、プラズマ処理室表面に噴霧あるいは塗布して
設ける方法がある。どちらの場合も、プラズマ処理室、
すなわち、真空室を形成する金属が直接にプラズマに曝
されることがなくなり、壁からの金属等の飛散はなくな
る。これにより、半導体素子用のウエハ表面にも浮遊異
物が堆積することがなく配線不良の原因となることもな
い。また、耐プラズマ性高分子材料がプラズマ処理室内
壁面に密着して設けられるので、プラズマ処理室を温度
調節(温調)することによりプラズマ処理室の内壁から
の熱の伝導が良くなり、プラズマに接する表面を狭い温
度範囲(温度域)であっても制御性良く温調でき堆積物
の付着を容易に防止することが可能となる。
れる部品の表面に形成される保護膜は、保護膜の再形成
のタイミングとその処理コストが重要な課題となる。ま
た、形成された保護膜の厚みによっては、保護膜がプラ
ズマと被保護部品との間の抵抗体となり、部品が担う接
地されたアース電極としての役割を損なうことになる。
このために、耐プラズマ性の保護部材である高分子材料
の厚みを自由に設定できるライナーにして処理室内部品
に装着することが有効である。耐プラズマ性高分子材料
のライナーによって処理室内の部品にアース電極として
の役割を持たせつつ、該部品をプラズマから保護するに
は、部品の外周面にライナーを密着させ、ずれないよう
にしなければならない。この装着方法として、例えば、
下部電極カバーのように円筒状の部品の外周面を保護す
る場合、まず、部品の外径に比べやや小さい内径を有す
る同じ円筒状の、例えば、ポリイミド等の吸水性を有す
る耐プラズマ材料によるライナーに形成する。次に、該
ライナーに水を吸水させ、それによって膨張したライナ
ーの内側に部品を嵌め込む。一体となった円筒状部品と
ライナーを加熱または真空雰囲気に配置して、ライナー
に含まれる水分を蒸発させて収縮させる。これにより、
部品に耐プラズマ性のライナーを円筒状のような処理室
内部品にも強固に固定させることができる。
に耐プラズマ性の樹脂、例えば、ポリアミドイミド,ポ
リエーテルエーテルケトン,ポリイミド,ポリエーテル
イミド,ポリテトラフルオロエチレン,ポリベンゾイミ
ダゾール等の高分子材料(比誘電率kεは約2.1〜4.
2)を用いることで、プラズマ接触面から鉄,クロム,
ニッケル等の金属および弗化アルミ等の金属化合物は発
生しなくなる。
内の部品外周面に取付ける耐プラズマ性高分子材料を所
定の厚さ以下に設定することで、プラズマ処理室にアー
ス機能を持たせることが可能となる。従来技術ではプラ
ズマ処理室内壁にプラズマカバーを配置しており、カバ
ー材の厚さに関しては規定があるものの、材料の物性値
までは配慮されていなかった。プラズマに対してプラズ
マ処理室内壁がアースになるかどうかは材料の厚さと比
誘電率とで決まり、比誘電率kεと厚さt(μm)との関
係(t/kε)の値が重要であることが分かった。特に
高分子材料の場合は、混合する原料および連鎖状態さら
には温度によって比誘電率は変化するため、上記比誘電
率kεと厚さt(μm)の値を規定することが重要である
ことが分かった。
素等の導電材料を含有させることにより、プラズマに対
するアースとして機能を持たせることもできる。この場
合、壁の保護膜が導電材料を含みアースとして作用する
ので、プラズマがプラズマ処理室内で広く拡散すること
がない。なお、耐プラズマ性材料に含有させるシリコン
や炭素は、素子やレジスト材料と同じなので、ウエハを
汚染することはない。
マ性材料は、主に炭素,酸素,水素等の元素から構成さ
れ、レジスト成分と同じなので、ウエハの処理に悪影響
を与えることはない。
の異物及び汚染量を低減することが可能となり、プラズ
マ処理したウエハの不良率を低減することができる。し
たがって、本発明による耐プラズマ性材料をプラズマ処
理室内のプラズマ接触面に配置することにより、プラズ
マ処理装置自体の生産性を向上させることができる。
により説明する。
グ装置を示す。ここでは、電磁波をアンテナより放射
し、磁場との相互作用によってプラズマを生成するEC
R方式のプラズマエッチング装置を示す。プラズマ処理
室、この場合、エッチング処理室1は図示を省略した温
調手段によりその内壁面を20〜100℃の温度範囲で
温度調整可能となっている。プラズマ処理室、この場
合、エッチング処理室1の上部には誘電体2を介してア
ンテナ3が配置されている。アンテナ3には、同軸線路
4およびマッチングボックス5を介して、この場合、U
HF電磁波を発生させる高周波電源6が接続されてい
る。エッチング処理室1とアンテナ3との間に設けた誘
電体2は高周波電源6からの電磁波を透過可能である。
エッチング処理室1の外周部には、エッチング処理室1
内に磁場を形成するための磁場コイル7が巻装されてい
る。エッチング処理室1内のアンテナ3の下方には試料
であるウエハ9を配置するための試料台としての下部電
極10が設けられている。下部電極10には、プラズマ
中のイオンにウエハ9への入射エネルギーを与えるため
の高周波バイアス電源11と、ウエハ9を下部電極10
に静電吸着させるための直流電源12とが接続されてい
る。8はエッチング処理室1内に処理ガスを供給するガ
ス供給装置である。
スに接地されている。エッチング処理室1の内壁面には
耐プラズマ性高分子材料から成る樹脂層14が被覆して
ある。樹脂層14は、この場合、厚さ630μmのポリ
テトラフルオロエチレンの円筒状ライナーである。樹脂
層14の外径はエッチング処理室1の内径よりも0.2〜
0.3mm 程度大きくして、エッチング処理室1内に嵌め
込んだときに樹脂層14がエッチング処理室1の内壁に
密着するようにしてある。このとき、さらに密着性を良
くするために、樹脂層14の外面に柔らかな熱伝導率の
高いシリコン樹脂を配置して、あるいは、樹脂層14の
外面にシリコン樹脂を薄くコーティングして、樹脂層1
4をエッチング処理室1内に嵌め込むとさらに密着性が
良くなる。これにより、樹脂層14とエッチング処理室
1の内壁の温度差は小さくなる。樹脂層14は貼り替え
の頻度を考えると膜厚を厚くし、頻度を少なくすること
が望ましく、このためできるだけ比誘電率kεは高いも
のを使用する方が良い。
ナーに形成できない場合には、樹脂を溶剤に溶かしスプ
レーで吹き付け、例えば、吹き付け回数によって膜厚を
管理しエッチング処理室1内に樹脂層14を形成するこ
とができる。この場合は、エッチング処理室1の内壁面
に完全に密着するので、熱の伝導性は更に向上する。
を超えるものは、円筒状ライナーで形成することができ
る。スプレー方式で形成する場合にも500μm程度ま
での厚さのものができる。さらにスプレー方式の場合、
シリコン,カーボン等の導電性材料を含有させることに
より800μm程度以上の厚さのものまで形成可能であ
る。
101の外周部に絶縁材102を介してアースに接地さ
れた電極カバー104を設ける。電極カバー104の外
周面に、この場合、ポリイミドによって成形された円筒
状の保護部材である円筒状ライナー105を密着・固定
する。なお、電極カバー104が接地されている理由
は、プラズマ13がアース電位を見失うことによるプラ
ズマ13の拡散を防ぐためである。なお、103は電極
101上のウエハ9の周囲を覆う絶縁カバーである。
源6から出力されたUHF電磁波は、マッチングボック
ス5,同軸線路4および誘電体2を介して、アンテナ3
部からエッチング処理室1に供給される。一方、エッチ
ング処理室1周囲の磁場コイル7による磁界がエッチン
グ処理室1内に形成される。電磁波の電界と磁場コイル
の磁界との相互作用によって、エッチング処理室1内に
導入されたエッチングガスが効率良くプラズマ化され
る。このプラズマ13により、下部電極10上のウエハ
9に所定のエッチング処理が施される。このような処理
に用いられるプラズマとしては、密度が約1×1010個
/cm3 以上のプラズマが用いられる。また、エッチング
処理に当たっては、ウエハ9に入射するプラズマ中のイ
オンの入射エネルギーを高周波バイアス電源11によっ
て制御し、所望のエッチング形状が得られるよう設定さ
れる。シリコン酸化膜等に代表される絶縁膜のエッチン
グ処理のように高いバイアス電圧を必要とするプロセス
では、高周波バイアス電源11からのRF出力は1kW
以上の出力が必要とされる。
13の発生および高周波バイアス電源11による高周波
電力印加によって、アース接地,高周波バイアス電源1
1,下部電極10,プラズマ13,アンテナ3およびエ
ッチング処理室1,アース接地の間で電気回路が形成さ
れる。このとき、エッチング処理室1とプラズマ13と
の間にもイオンシースが生じ、プラズマ13中のイオン
がエッチング処理室1の内壁に入射する。また、下部電
極10近辺においては、接地された電極カバー104と
プラズマ13との間にもイオンシースが生じ、プラズマ
13中のイオンが電極カバー104外壁にも入射する。
る耐プラズマ性の保護膜(円筒状ライナー105)を所
定の厚さ以下に設定することでプラズマ処理室(エッチ
ング処理室1)内でアース機能を持たせることが可能と
なる。
の内壁面付近や処理室内部品の外表面(外壁面)付近に
は、プラズマのシースが存在する。エッチングに使用す
るプラズマの場合、シースの厚さはプラズマ密度によっ
て決まる。プラズマ密度は使用するガスの組成と投入す
るRF出力によって決まる。例えば、生成されたプラズ
マの密度が1×1010個/cm3 程度であれば、シースの
厚さは約600μm程度である。シース中の比誘電率k
εは約1.0であり、600/1.0=600をプラズマ
と壁との間のシース抵抗と考えることができる。シース
と壁との間に樹脂やアルミアルマイトでなる抵抗体を挿
入した場合、実験によるとシース抵抗の1/2程度(約
300)までの抵抗体を挿入しても、壁をプラズマに対
するアースとみなすことができる。
抵抗体の比誘電率をkε、厚さをt(mm)とした場合、
t/kε<300の条件を満たす条件であれば、該抵抗
体で覆った壁はプラズマに対するアースとして作用す
る。これによると、抵抗体としてポリイミド樹脂(比誘
電率3.55)を用いた場合は、約1065μmまでの
厚さにすることができる。ポリテトラフルオロエチレン
(比誘電率2.1)の場合は、約630μmまでの厚さに
することができる。
4F8,C5F8等)を用いてエッチング処理する場合、プ
ラズマ13にはCxFyイオンが生成され、CxFyイ
オンがエッチング処理室1側に引き寄せられる。このと
き、エッチング処理室1内壁面には樹脂層14が設けて
あるので、CxFyイオンは樹脂層14に入射する。高
分子材料でなる樹脂層14はCHF系でなり、プラズマ
中のイオン成分と同成分を有したものとなっているの
で、プラズマ中のイオンと樹脂層14とが反応してでき
る反応生成物およびイオンによってスパッタされた樹脂
層14の成分もCF系のものであり、エッチングプロセ
スへの悪影響を防ぐことができる。このようにプロセス
ガスとしてCF系ガスを用いるプロセスには、本実施例
の樹脂層14は有効である。
2.1 とすると、t/kε<300となる樹脂層14の
厚さは630μmとなり、本実施例による材料、すなわ
ち、ポリテトラフルオロエチレンの円筒状ライナーを用
いれば、エッチング処理室1をアースとして作用させる
ことが可能であり、プラズマ13の電位を安定させるこ
とができ、必要なバイアス電圧を高周波バイアス電源1
1によりウエハ9に印加して所望のエッチング処理を行
うことができる。
の中でウエハ9に高いバイアス電圧を印加する必要がな
いプロセスでは、エッチング処理室1とプラズマ13と
のシース電圧も小さくなるので、樹脂層14の厚さも薄
くする必要がある。
断面を示し、図3(b)に保護膜であるポリイミド製の
円筒状ライナー105の概略斜視断面を示す。図4に電
極カバー104に円筒状ライナー105を装着するとき
のフローを示す。
ミド製の保護部材として形成した円筒状ライナー105
は、その内径が吸水膨張時に、電極カバー104の外径
より大きくなるようにしてある。すなわち、吸水時の膨
張率を考慮して円筒状ライナー105の内径は電極カバ
ー104の外形よりもやや小さい寸法に設定してある
(図4のステップ31に示す)。また、円筒状ライナー
105の厚みは自由に設定可能であるが、下部電極10
に印加される高周波電圧に対してアースとなるように、
高周波電力の出力に応じて厚みを設定する必要がある。
ナー105を常温の純水の水槽に浸して吸水させ、円筒
状ライナー105を膨張させる(図4のステップ32に
示す)。このとき、円筒状ライナー105の内径寸法
は、電極カバー104の外径より僅かに大きくなる。な
お、この場合、常温の純水を吸水させたが、温水を用い
ても有効である。また、純水の水槽に浸す代わりに純水
を噴霧して吸水させたり、純水の代わりにライナーが吸
収膨張するアルコール等を用いても良い。その後、図5
に示すように吸水膨張した円筒状ライナー105に電極
カバー104を嵌め込む(図4のステップ33に示
す)。次に、電極カバー104を嵌めこんだ円筒状ライ
ナー105をベーク炉に入れて加熱し、水分を蒸発さ
せ、収縮させる(図4のステップ34に示す)。なおこ
のとき、電極カバー104,円筒状ライナー105双方
に劣化を来たさない温度に設定することが必要である。
この収縮により、電極カバー104に保護部材である円
筒状ライナー105が密着固定される(図4のステップ
35に示す)。また、水分を蒸発させる方法としては、
電極カバー104を嵌めこんだ円筒状ライナー105
を、大気圧より低い雰囲気に保持する方法としても良い
し、加熱と組み合わせても良い。
ラズマ処理室の内壁面およびプラズマ処理室内の部品に
耐プラズマ性保護部材である保護膜を密着固定させ、内
壁面および部品表面からの金属汚染を防止できる。ま
た、内壁面および部品表面を覆う材料および板厚を最適
化することで、その表面にアース機能を持たせることが
できる。
ハへのイオンの入射エネルギー制御とを独立に行うよう
にしており、イオンの入射エネルギー制御に影響される
ことなく、必要な密度のプラズマを安定に生成すること
ができる。このようなエッチング処理装置において、ア
ースに接地されたエッチング処理室の内壁面を、比誘電
率kεと厚さt(μm)との関係がt/kε<300とな
る耐プラズマ性高分子材料で被覆することにより、エッ
チング処理室をアースと見なすことが可能となり、安定
したプラズマ電位を与えることができる。
料の保護部材の材質をポリイミドとしたが、他の耐プラ
ズマ性且つ吸水性の高分子材料、例えばポリアミドイミ
ド,ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルイミ
ド,ポリテトラフルオロエチレン,ポリベンゾイミダゾ
ール等の高分子材料を用いてもよい。
等のエッチング処理のように、プラズマ中のイオンのウ
エハへの大きな入射エネルギーを必要とする、1kW以
上の高周波出力によるバイアス電圧を下部電極に印加
し、ウエハを所望の形状にエッチング加工する場合、プ
ラズマ中のイオンによってエッチング処理室の内壁面お
よび処理室内の部品が反応およびスパッタされてエッチ
ングされても、処理ガス系と同成分を含む耐プラズマ性
高分子材料によってエッチング処理室の内壁面および処
理室内の部品表面を保護しているので、エッチング処理
室および処理室内の部品からの金属汚染を防止できると
ともに、その内壁面からの反応生成物やスパッタ成分が
処理ガス系と同成分となるのでプロセスに悪影響を及ぼ
すことはない。これにより、エッチング処理するウエハ
の不良率を低減することができ、エッチング装置の生産
性を向上させることができる。また、耐プラズマ性高分
子材料をエッチング処理室1の内壁面に被覆しているの
で、温調されたエッチング処理室の熱が効率よく耐プラ
ズマ性高分子材料に伝わるので、プラズマに曝される面
の温度を容易に制御することができる。
ング処理室内壁面に密着させて設けることができるの
で、樹脂層の内表面の温度を温度調節されたエッチング
処理室の温度と等しくすることができ、エッチング処理
室の壁面温度を約80℃以上に温調することにより、シ
リコン酸化膜のエッチング処理中に発生する反応生成物
のエッチング処理室内壁面への堆積を防止することがで
きる。
ング処理室内壁面に密着させて設けることができるの
で、樹脂層の内表面の温度を温度調節されたエッチング
処理室の温度と等しくすることができ、エッチング処理
室の壁面温度を約40℃以下に温調することにより、シ
リコン酸化膜のエッチング処理中に発生する反応生成物
のエッチング処理室内壁面への堆積を、強固に密着した
反応生成物の堆積とすることができるので、堆積した付
着物の剥がれを防止することが可能であり、反応生成物
が原因となる異物の飛散によるウエハへの付着を防ぐこ
とができる。
のライナーに形成し、該ライナーを吸水膨張させること
により、エッチング処理室内の部品表面のように、部品
の外側の表面にも耐プラズマ性高分子保護膜を容易に取
付けることができる。また、部品に取付けたライナーか
ら水分を蒸発(脱水)させることにより、容易にライナ
ーを部品に密着させることができる。
形状のライナーの装着法について述べたが、本発明は円
筒状の部品のみならず、例えば、その形状が多角形等の
部品の場合においても、同様に実施することができる。
装置について述べたが、他のプラズマ処理装置において
も、処理室内部品の保護を同様の手段で行うことが可能
である。
を含有させることで、樹脂層自体はプラズマによって削
れ易くなるが、導電性を有するので厚さを厚くしてもア
ースの作用を持たせることが可能であり、また樹脂層の
厚さも容易に厚くすることができるので、バイアス電圧
の低いプロセスを用いる装置への適用に有効である。
制御とを独立に行う酸化膜用のプラズマ処理装置におい
て、アースに接地された導電体の金属でなり内部に前記
プラズマが生成されるプラズマ処理室の内壁面を、比誘
電率kεと厚さt(μm)との関係がt/kε<300
となる耐プラズマ性高分子材料で被覆したことを特徴と
するプラズマ処理装置。
がアースに接地された金属で成るプラズマ処理室と、前
記プラズマ処理室内にプラズマ密度が1×1010個/cm
3 以上のプラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記
プラズマ処理室内に設けられ試料を配置する試料台と、
前記試料台に接続され前記プラズマ中のイオンを前記試
料に入射させるエネルギーを与える高周波バイアス電源
とを具備し、前記高周波バイアス電源のRF出力が1K
W以上で与えられるプラズマ処理装置において、前記プ
ラズマ処理室の金属部の内壁面に、前記RF出力に対し
てアース機能を有する耐プラズマ性高分子材料を被覆し
たことを特徴とするプラズマ処理装置。
射エネルギー制御とを独立に行うプラズマ処理装置にお
いて、アースに接地された導電体の金属でなりプラズマ
処理室内で前記プラズマと接触する面に、導電材料を含
有する耐プラズマ性高分子材料を被覆したことを特徴と
するプラズ処理装置。
置の処理室内部品の外面への保護膜部材の取付けを容易
に行うことができ、保護膜の交換を容易に行うことがで
きるという効果がある。
処理室内部品の外面への保護膜の取付けを容易にできる
プラズマ処理装置用保護膜の取付け方法を提供できると
いう効果がある。
ズマに対するアースとしての効果を損なうことなく、処
理室内部品の外面保護のできるプラズマ処理装置を提供
することができるという効果がある。
や処理室内部品を覆う材料の板厚を、材料の比誘電率k
εと厚さt(μm)との関係においてt/kε<300に
設定することで、プラズマ処理室表面をプラズマに対し
てアースとすることができる。また、アース電極として
作用させるプラズマ処理室や処理室内部品からの金属汚
染を防止することができる。また、保護膜を密着取付け
できプラズマに曝される面の温度制御を容易に行うこと
ができるという効果を奏する。
ラズマエッチング装置を示す縦断面図である。
面図である。
イナーの斜視断面図である。
イナーの取付け方法を示すフロー図である。
ナーの組み合わせを示す斜視断面図である。
体、3…アンテナ、4…同軸線路、5…マッチングボッ
クス、6…高周波電源、7…磁場コイル、8…ガス供給
装置、9…ウエハ、10…下部電極、11…高周波バイ
アス電源、12…直流電源、13…プラズマ、14…樹
脂層(保護膜)、101…電極、102…絶縁材、10
3…絶縁カバー、104…電極カバー、105…円筒状
ライナー(保護膜)。
Claims (9)
- 【請求項1】処理室内にプラズマを発生させ、試料を処
理するプラズマ処理装置において、前記処理室内の部品
の外面に、耐プラズマ性且つ吸水性を有する樹脂材料で
形成された保護膜を膨張収縮させて密着固定し、前記プ
ラズマと前記部品との電気的絶縁を防止したことを特徴
とするプラズマ処理装置。 - 【請求項2】プラズマ処理装置の処理室内部品の外面に
設ける保護膜において、前記保護膜を耐プラズマ性且つ
吸水性を有する樹脂材料で形成し、吸水時に前記処理室
内部品の外形より大きくなる形状としたことを特徴とす
るプラズマ処理装置用保護膜。 - 【請求項3】プラズマ処理装置の処理室内部品の外面に
設ける保護膜の取付け方法において、前記保護膜を耐プ
ラズマ性且つ吸水性を有する樹脂材料で形成し、前記保
護膜を吸水膨張させ、その内側に処理室内部品を嵌めこ
んだ後、前記保護膜を加熱して水分を蒸発させて、収縮
させ、前記部品に保護膜を固定させることを特徴とする
プラズマ処理装置用保護膜の取付け方法。 - 【請求項4】プラズマ処理装置の処理室内部品の外面に
設ける保護膜の取付け方法において、前記保護膜を耐プ
ラズマ性且つ吸水性を有する樹脂材料で形成し、前記保
護膜を吸水膨張させ、その内側に処理室内部品を嵌めこ
んだ後、前記保護膜を大気圧より低い圧力に保持し、前
記保護膜中に含有する水分を蒸発させて収縮させ、前記
部品に保護膜を固定させることを特徴とするプラズマ処
理装置用保護膜の取付け方法。 - 【請求項5】処理室内にプラズマを発生させ、試料を処
理するプラズマ処理装置において、前記処理室内の部品
の外面に、比誘電率kεと厚さt(μm)との関係がt/
kε<300となる高分子材料でなる耐プラズマ性且つ
吸水性を有する樹脂材料で形成された保護膜を膨張収縮
させて密着固定し、プラズマと部品との電気的絶縁を防
止することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項6】プラズマ生成と試料へのイオンの入射エネ
ルギー制御とを独立に行うプラズマ処理装置において、
アースに接地された導電体の金属でなりプラズマ処理室
内で前記プラズマと接触する面を、比誘電率kεと厚さ
t(μm)との関係がt/kε<300となる耐プラズマ
性高分子材料で被覆したことを特徴とするプラズマ処理
装置。 - 【請求項7】請求項6記載のプラズマ処理装置におい
て、前記耐プラズマ性高分子材料は吹き付けもしくは塗
付けにより、前記プラズマ処理室内面に形成されたプラ
ズマ処理装置。 - 【請求項8】請求項6記載のプラズマ処理装置におい
て、前記耐プラズマ性高分子材料は円筒状ライナーに形
成し、前記円筒状ライナーの外径を前記プラズマ処理室
の内面の径よりも大きくしたことを特徴とするプラズマ
処理装置。 - 【請求項9】請求項8記載のプラズマ処理装置におい
て、前記円筒状ライナーの外周面にシリコン樹脂を配置
し、前記プラズマ処理室内面にシリコン樹脂を介して前
記円筒状ライナーを密着させて取付けたプラズマ処理装
置。
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