JP2003243250A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の製造方法

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JP2003243250A
JP2003243250A JP2002044217A JP2002044217A JP2003243250A JP 2003243250 A JP2003243250 A JP 2003243250A JP 2002044217 A JP2002044217 A JP 2002044217A JP 2002044217 A JP2002044217 A JP 2002044217A JP 2003243250 A JP2003243250 A JP 2003243250A
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Masami Tsutsumino
正視 堤野
Takanori Kotani
任孝 小谷
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品素子の外表面上に形成された導電膜
上にめっき被膜を形成して、たとえば電子部品の外部電
極とする際に用いられるめっき液の温度上昇を抑えるこ
とができる、電子部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 積層セラミックコンデンサ1のセラミッ
ク素子2の一方端部および他方端部の導電膜5aおよび
6a上には、電気めっきにより、第1のめっき被膜5b
および6bと第2のめっき被膜5cおよび6cとが形成
される。この場合、電気めっきのための電流は、1回以
上停止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電子部品の製造方
法に関し、特に、電子部品素子の外表面上に導電膜を形
成し、その導電膜上に電気めっきによりめっき被膜を形
成して外部電極とする、たとえば積層セラミックコンデ
ンサなどの電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5はこの発明にかかる電子部品の製造
方法が適用される従来の積層セラミックコンデンサの一
例を示す図解図である。図5に示す積層セラミックコン
デンサ1は、電子部品素子としてのセラミック素子2を
含む。セラミック素子2の内部には、内部電極3および
内部電極4が交互に形成される。内部電極3はセラミッ
ク素子2の一方端部に延びて形成され、内部電極4はセ
ラミック素子2の他方端部に延びて形成される。セラミ
ック素子2の一方端部の外表面上には、外部電極5が内
部電極3に電気的に接続されるように形成される。外部
電極5は、セラミック素子2の一方端部の外表面上に導
電膜5aを形成し、この導電膜5a上に電気めっきによ
り第1のめっき被膜5bを形成し、さらにこの第1のめ
っき被膜5b上に電気めっきにより第2のめっき被膜5
cを形成することによって構成される。同様に、セラミ
ック素子2の他方端部の外表面上には、外部電極6が内
部電極4に電気的に接続されるように形成される。外部
電極6は、セラミック素子2の他方端部の外表面上に導
電膜6aを形成し、この導電膜6a上に電気めっきによ
り第1のめっき被膜6bを形成し、さらにこの第1のめ
っき被膜6b上に電気めっきにより第2のめっき被膜6
cを形成することによって構成される。
【0003】上述のような電子部品の製造におけるめっ
き被膜の形成に当っては、たとえば特開平5−7099
9号に開示されている。特開平5−70999号では、
図1に示すように、セラミック素子2を収容したバスケ
ット30をめっき槽32のめっき液34に浸漬し、バス
ケット30を振動させるめっき装置10を用いることで
めっき被膜を形成している。また、このようなめっき装
置でめっき被膜を形成する際に、緻密なめっき被膜を形
成する方法が特開平7−90675号に開示されてい
る。特開平7−90675号にかかる電子部品の製造方
法は、めっき被膜の形成において異常な成長が生じるこ
となく、緻密なめっき被膜を安定して形成することがで
きる電子部品の製造方法を提供することを目的としてな
されたものであって、電子部品素子の外表面上に焼付け
により導電膜を形成する工程と、この導電膜上にパルス
電源を用いて電気めっきによりめっき被膜を形成する工
程とを備え、パルス電源のパルスオフの際の下限電流値
をパルスオンの際の設定電流値の10〜90%の電流値
に設定することを特徴としている。この従来の電子部品
の製造方法における電気めっきに用いられる電流の一例
を図6のグラフに示す。なお、特開平7−90675号
には、電子部品の製造方法において、めっき被膜を形成
する際に被めっき物に連続的に電流を通電させることが
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の従来
の電子部品の製造方法では、めっき被膜を形成する際に
被めっき物に電流を通電させるが、このことで被めっき
物の近傍のめっき液の温度が上昇する。これは、図1の
めっき装置10のバスケット30が上面のみ開放の閉鎖
された構造であり、このような閉鎖されたバスケット3
0内で連続的に電流を通電させ続けるために起こり、め
っき液が十分に循環できていないために発生する現象で
ある。このようにめっき液の温度が上昇する現象は、特
にたとえばチップ型の積層セラミックコンデンサなどの
ように部品が小さければ小さいほど、バスケットに投入
する量が増加し、バスケット内のめっき液とバスケット
外のめっき液との交換が行われにくくなるため、顕著に
あらわれる。なお、特開平7−90675号には、微小
間隔で電流の通電のオンオフを繰り返すパルスめっきが
記載されているが、このパルスめっきの場合でも電流の
通電をオフにしている時間は1ミリ秒程度の微小間隔で
あるため、実質的には、連続的に電流を通電させるもの
と同様であり、容器内のめっき液の上昇が生じる。ま
た、電子部品素子中や導電膜中には、めっき液に浸漬し
た場合に溶解が起こるガラス成分などの溶解物質を含む
場合が多い。そのため、上述のようにめっき液の温度が
上昇すると、電子部品素子中や導電膜中のガラス成分な
どの溶解物質の溶解が大きくなり、その部分にめっき液
が浸入し、その部分が変質してしまうおそれがある。特
に、導電膜中の溶解物質が溶け出してしまった場合に
は、その部分へめっき液が浸入し、信頼性の低い被膜と
なってしまう。また、電子部品素子中の溶解物質が溶け
出してしまった場合には、電子部品素子の強度が小さく
なってしまう。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、電
子部品素子の外表面上に形成された導電膜上に電気めっ
きによりめっき被膜を形成して、たとえば電子部品の外
部電極とする際に用いられるめっき液の温度上昇を抑え
ることができる、電子部品の製造方法を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる電子部
品の製造方法は、電子部品素子の外表面上に導電膜を形
成する工程と、めっき槽内のめっき液中に電子部品素子
を収容した容器を浸漬するめっき装置を用いて導電膜上
に電気めっきによりめっき被膜を形成する工程とを備え
る電子部品の製造方法において、めっき被膜を形成する
工程中に容器内のめっき液が容器外のめっき液と交換さ
れる程度の時間、通電させる電流を1回以上停止するこ
とを特徴とする、電子部品の製造方法である。また、こ
の発明にかかる電子部品の製造方法は、電子部品素子の
外表面上に導電膜を形成する工程と、めっき槽内のめっ
き液中に電子部品素子を収容した容器を浸漬するめっき
装置を用いて導電膜上に電気めっきによりめっき被膜を
形成する工程とを備える電子部品の製造方法において、
めっき被膜を形成する工程中に容器内のめっき液が容器
外のめっき液と交換される程度の時間、容器内のめっき
液の温度が上昇しない程度の低電流を通電させる時間を
有することを特徴とする、電子部品の製造方法である。
この発明にかかる電子部品の製造方法では、めっき被膜
を形成する工程において、電子部品素子が攪拌された状
態になった後、通電させる電流を定常値にすることが好
ましい。また、この発明にかかる電子部品に製造方法で
は、めっき被膜を形成する工程において通電させる電流
を定常値に上げるまでの時間を1分間以上とすることが
好ましい。さらに、この発明にかかる電子部品の製造方
法では、めっき被膜を形成する工程は、容器を振動させ
ながらめっき被膜を形成することが好ましい。
【0007】この発明にかかる電子部品の製造方法で
は、電気めっきによりめっき被膜を形成する工程におい
て、パルス電源による電流のオン・オフ時間のような短
い時間ではなく容器内のめっき液が容器外のめっき液と
交換される程度の時間たとえば数秒〜数分間、電流の通
電を停止しまたは容器内のめっき液の温度が上昇しない
程度の低電流を通電させる時間を有することにより、被
めっき物の近傍のめっき液を入れ換える時間をつくり、
電流の通電によるめっき液の温度上昇を防ぎ、温度上昇
によりめっき液の活性度が高まることを防止する。その
ため、めっき液による電子部品のガラス成分などの溶解
物質の溶解が減る。
【0008】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0009】
【発明の実施の形態】図5に示す積層セラミックコンデ
ンサ1を製造する実施例の電子部品の製造方法について
説明する。
【0010】まず、積層セラミックコンデンサ1のセラ
ミック素子2が通常の方法で形成される。すなわち、複
数の誘電体セラミックグリーンシートが形成され、誘電
体セラミックグリーンシートの所定のものの一方主面上
に内部電極の電極材料が印刷され、それらの誘電体セラ
ミックグリーンシートが積層され、圧着され、所定の大
きさにカットされ、焼成される。それによって、内部電
極3および4を有するセラミック素子2が形成される。
【0011】次に、セラミック素子2の一方端部および
他方端部の外表面上には、Cu、AgまたはAg−Pd
からなる電極材料を焼き付けることによって、外部電極
5および6の導電膜5aおよび6aがそれぞれ形成され
る。
【0012】そして、導電膜5aおよび6a上には、電
気めっきによりNiからなる第1のめっき被膜5bおよ
び6bがそれぞれ形成される。さらに、第1のめっき被
膜5bおよび6b上には、電気めっきによりSnからな
る第2のめっき被膜5cおよび6cがそれぞれ形成され
る。
【0013】このように第1のめっき被膜5bおよび6
bと第2のめっき被膜5cおよび6cとを形成するため
には、たとえば図1に示すめっき装置が用いられる。
【0014】図1はこの発明にかかる電子部品の製造方
法に用いられるめっき装置の一例を示す図解図である。
図1に示すめっき装置10はめっき装置本体12を含
む。めっき装置本体12は振動発生部14を含む。振動
発生部14は、偏心モータ16を備える。偏心モータ1
6には所定の偏心荷重18が付加され、それによって、
偏心振動エネルギーを発生する。また、偏心モータ16
は、モータ支持枠部材20で支持される。モータ支持枠
部材20は、振動受板22に接続される。この振動受板
22は、ばね24、24を介して、外郭ケース26に接
続される。振動発生部14の振動受板22には、棒状の
振動伝達部28の上端部が接続される。振動伝達部28
は、振動発生部14により発生された振動エネルギーを
バスケット30に伝達するためのものである。振動伝達
部28の下端部には、バスケット30が接続される。バ
スケット30は、被めっき物であるセラミック素子2な
どを収容するための容器である。なお、バスケット30
の上面部は開放されている。振動伝達部28の下端部お
よびバスケット30は、めっき槽32のめっき液34に
浸漬される。なお、この状態において、電気めっき用の
陰極電極は、図示していないがバスケット30の下面に
形成されている。
【0015】図1に示すめっき装置10には、バスケッ
ト30に、導電膜5aおよび6aを形成した多数のセラ
ミック素子2と、多数のスチールボール36と、多数の
絶縁性粒体38とが収容される。スチールボール36
は、電気めっき用の陰極電極とセラミック素子2の導電
膜5aおよび6aとに接触して、導電膜5aおよび6a
を帯電させるためのものである。また、絶縁性粒体38
は、セラミック素子2などを攪拌するためのものであ
る。
【0016】そして、このめっき装置10では、偏心モ
ータ16により発生された偏心振動エネルギーが、振動
受板22を介して振動伝達部28に伝達され、さらに、
バスケット30に伝達される。この場合、振動受板22
に接続されたばね24、24によりかかる偏心運動エネ
ルギーがいくらか吸収され、振動発生部14の変動状態
がある程度緩和される。そのため、バスケット30に
は、安定した振動状態が与えられる。そのため、セラミ
ック素子2と、スチールボール36と、絶縁性粒体38
とは、バスケット30の安定した振動状態で十分攪拌さ
れる。
【0017】この振動状態を保持しつつ、めっき槽32
に備えられためっき用の電極に所定の電流を通電させ、
それによって、Niからなる第1のめっき被膜5bおよ
び6bが導電膜5aおよび6a上にそれぞれ形成され
る。この場合、めっき液34の主成分としては、Niが
用いられる。また、電気めっきのための電流は、図2に
示すように1回以上停止される。電気めっきのための電
流は、図2ではn−1回停止するように示されている
が、この実施例では具体的には2回停止される。また、
この電気めっきのための電流は、図2に示すように、0
から定常値に上がるまでの各時間(a、a′、a″)が
それぞれ1分間以上と緩やかに上昇される。このように
して、第1のめっき被膜5bおよび6bが、導電膜5a
および6a上にそれぞれ形成される。なお、この発明で
は、電気めっきのための電流は、たとえば図2に示す電
流であって、電流が定常値である各時間(b、b′、・
・・、b″)や電流が停止している各時間(c、c′・
・・)がそれぞれ数秒〜数分である電流であってもよ
い。
【0018】次に、めっき液34の主成分をNiからS
nに変更してから、第1のめっき被膜5bおよび6bを
形成した場合と同様にして、Snからなる第2のめっき
被膜5cおよび6cが、第1のめっき被膜5bおよび6
b上にそれぞれ形成される。それによって、積層セラミ
ックコンデンサ1が製造される。
【0019】上述の実施例の電子部品の製造方法では、
電気めっきのための電流が図2に示すように1回以上停
止されるので、めっき液34の温度上昇が図3に示すよ
うに抑えられる。そのため、セラミック素子2や導電膜
5aおよび6a中から溶解物質がめっき液で溶解されに
くく、セラミック素子2や導電膜5aおよび6a中の溶
解物質の溶解を防ぐことができる。この結果、めっき被
膜を形成する前のセラミック素子2や導電膜5aおよび
6aの強度と信頼性を維持することが可能である。
【0020】また、上述の実施例の電子部品の製造方法
では、電気めっきのための電流が図2に示すように最初
に通電させる際だけでなく再度通電させる際にも上昇が
緩やかであるため、めっき液の急激な温度上昇を防ぐこ
とができるとともに、セラミック素子2の攪拌が十分で
きる前に電流が通電されることを防止できる。そのた
め、セラミック素子2や導電膜5aおよび6aがめっき
液で劣化されにくい。
【0021】すなわち、上述の実施例により、セラミッ
ク素子2、導電膜5aおよび6aにおいて、めっき被膜
を形成する際にめっき液の浸入を抑制することができ、
めっき被膜を形成する前の状態を維持することができ
る。この結果、めっき液の浸入による電子部品の信頼性
の劣化を防ぐことができる。特に、電子部品に温度がか
かった時に、浸入しためっき液が膨張してふき出す不具
合の防止に効果的である。
【0022】一方、上述の実施例と比べて、電気めっき
のための電流を一定にした比較例の電子部品の製造方法
では、被めっき物の近傍のめっき液の温度が図3に示す
ように上昇する。このようにめっき液の温度が上昇する
と、セラミック素子2中や導電膜5aおよび6a中の溶
解物質の溶解が大きくなる。導電膜5aおよび6a中の
溶解物質が溶け出してしまった場合には、その部分へめ
っき液が浸入し、信頼性の低い被膜となってしまう。ま
た、セラミック素子2の溶解物質が溶け出してしまった
場合には、その部分へめっき液が浸入し、強度の弱いセ
ラミック素子となってしまう。
【0023】上述の実施例および比較例で製造した積層
セラミックコンデンサについて特性の評価を行った結果
を表1に示す。なお、表1に示す分数は、分母が評価し
た数をあらわし、分子が該当する数をあらわす。また、
この特性の評価については、1.0mm×0.5mm×
0.5mmの電子部品素子を50万個、直径0.5mm
のスチールボールを95万個、直径20cmで深さ10
cmのバスケットに収容し、25Aの電流を通電させる
条件で行った。なお、実施例は、電流通電15分、電流
停止3分、電流通電15分、電流停止3分、電流通電1
5分で行い、比較例は電流通電45分で行った。なお、
この特性の評価においては、絶縁性粒体は投入していな
い。絶縁性粒体を投入した場合、バスケット内のセラミ
ック素子の攪拌に効果があるが、バスケット内に投入さ
れる物体の総量が増えることになるので、通電させる電
流が大きくなり、さらにバスケット内の温度上昇が生じ
やすくなる。
【0024】
【表1】
【0025】表1に示す結果より、電気めっきのための
電流を停止しなかった比較例では、気体が吹き出して外
部電極に穴があいたものや気体が外部電極の内部で膨張
してふくらんだものの不良が発生している。絶縁性粒体
は投入していない比較例でも、このような不良が発生し
ていることから、絶縁性粒体を投入した場合さらに不良
が発生すると思われる。なお、これらの不良は、めっき
被膜を形成した積層セラミックコンデンサを熱処理した
場合に発生したものをカウントしている。それに対し
て、電気めっきのための電流を1回以上停止した実施例
では、そのような不良は発生しなかった。なお、絶縁性
粒体を投入した場合は、それに応じて停止する時間を長
くすればよい。
【0026】さらに、上述の実施例では、セラミック素
子2などを攪拌しながら第1のめっき被膜5bおよび6
bと第2のめっき被膜5cおよび6cを形成するので、
セラミック素子2同士が接合されることが防止されると
ともに、第1のめっき被膜および第2のめっき被膜がむ
らなく均一に形成される。
【0027】なお、上述の実施例ではめっき被膜を形成
する電気めっきのための電流を2回停止しているが、こ
の発明では1回または3回以上停止してもよい。
【0028】また、この発明では、めっき被膜を形成す
る電気めっきのための電流を停止する代わりに、1回以
上の低電流たとえば5A程度の電流を通電させる時間を
有するようにしてもよい。この場合、通電電流が十分に
低電流になっているので、めっき液の温度が上昇しな
い。
【0029】また、上述の実施例ではセラミック素子を
振動しながらめっき被膜を形成しているが、この発明で
はセラミック素子を振動せずにめっき被膜を形成するよ
うにしてもよい。
【0030】さらに、上述の実施例ではNiからなる第
1のめっき被膜およびSnからなる第2のめっき被膜を
有する積層セラミックコンデンサを製造しているが、こ
の発明は他の材料からなるめっき被膜を有する積層セラ
ミックコンデンサの製造方法にも適用される。
【0031】また、上述の実施例では第1のめっき被膜
および第2のめっき被膜という2層のめっき被膜を有す
る積層セラミックコンデンサを製造しているが、この発
明は1層のめっき被膜または3層以上のめっき被膜を有
する積層セラミックコンデンサの製造方法にも適用され
る。
【0032】さらに、上述の実施例では積層セラミック
コンデンサを製造しているが、この発明は積層セラミッ
クコンデンサ以外にチップ型抵抗などの他の電子部品を
製造する製造方法にも適用され得る。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば、電子部品素子の外表
面上に形成された導電膜上にめっき被膜を形成して、た
とえば電子部品の外部電極とする際に用いられるめっき
液の温度上昇を抑えることができる。そのため、電子部
品素子や導電膜中のガラス成分などの溶解物質がめっき
液によって溶解されることが抑制され、電子部品素子や
導電膜がめっき液で劣化されにくく、製造される電子部
品の歩留りがよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる電子部品の製造方法に用いら
れるめっき装置の一例を示す図解図である。
【図2】この発明にかかる電子部品の製造方法における
電気めっきに用いられる電流の一例を示すグラフであ
る。
【図3】この発明にかかる電子部品の製造方法における
電気めっきに用いられるめっき液の温度の一例を示すグ
ラフである。
【図4】比較例の電子部品の製造方法における電気めっ
きに用いられるめっき液の温度の一例を示すグラフであ
る。
【図5】この発明にかかる電子部品の製造方法が適用さ
れる従来の積層セラミックコンデンサの一例を示す図解
図である。
【図6】従来の電子部品の製造方法における電気めっき
に用いられる電流の一例を示すグラフである。
【符号の説明】 1 積層セラミックコンデンサ 2 セラミック素子 3、4 内部電極 5、6 外部電極 5a、6a 導電膜 5b、6b 第1のめっき被膜 5c、6c 第2のめっき被膜 10 めっき装置 12 めっき装置本体 14 振動発生部 16 偏心モータ 18 偏心荷重 20 モータ支持枠部材 22 振動受板 24 ばね 26 外郭ケース 28 振動伝達部 30 バスケット 32 めっき槽 34 めっき液 36 スチールボール 38 絶縁性粒体
フロントページの続き Fターム(参考) 5E001 AB03 AF06 AH07 AJ03 5E082 AA01 AB03 BC38 FG26 GG10 GG26 JJ03 JJ21 MM01 PP05 PP08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品素子の外表面上に導電膜を形成
    する工程、およびめっき槽内のめっき液中に電子部品素
    子を収容した容器を浸漬するめっき装置を用いて前記導
    電膜上に電気めっきによりめっき被膜を形成する工程を
    備える電子部品の製造方法において、 前記めっき被膜を形成する工程中に前記容器内のめっき
    液が容器外のめっき液と交換される程度の時間、通電さ
    せる電流を1回以上停止することを特徴とする、電子部
    品の製造方法。
  2. 【請求項2】 電子部品素子の外表面上に導電膜を形成
    する工程、およびめっき槽内のめっき液中に電子部品素
    子を収容した容器を浸漬するめっき装置を用いて前記導
    電膜上に電気めっきによりめっき被膜を形成する工程を
    備える電子部品の製造方法において、 前記めっき被膜を形成する工程中に前記容器内のめっき
    液が容器外のめっき液と交換される程度の時間、前記容
    器内のめっき液の温度が上昇しない程度の低電流を通電
    させる時間を有することを特徴とする、電子部品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記めっき被膜を形成する工程におい
    て、電子部品素子が攪拌された状態になった後、通電さ
    せる電流を定常値にすることを特徴とする、請求項1ま
    たは請求項2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記めっき被膜を形成する工程において
    通電させる電流を定常値に上げるまでの時間を1分間以
    上とすることを特徴とする、請求項3に記載の電子部品
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記めっき被膜を形成する工程は、前記
    容器を振動させながら前記めっき被膜を形成することを
    特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の電子部品の製造方法。
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