JP2003241487A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Info

Publication number
JP2003241487A
JP2003241487A JP2002045014A JP2002045014A JP2003241487A JP 2003241487 A JP2003241487 A JP 2003241487A JP 2002045014 A JP2002045014 A JP 2002045014A JP 2002045014 A JP2002045014 A JP 2002045014A JP 2003241487 A JP2003241487 A JP 2003241487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charging
image
voltage
toner
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002045014A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Suzuki
淳 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002045014A priority Critical patent/JP2003241487A/ja
Publication of JP2003241487A publication Critical patent/JP2003241487A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化やコストアップを抑制し、かつ
いずれの環境条件下においても安定して像担持体表面の
帯電を行うことで、長期にわたって良好な画像を形成す
る。 【解決手段】 導電性の帯電清掃ローラ2の外周面を多
孔質状に形成し、帯電清掃ローラ2と感光ドラム1表面
との間に清掃補助粒子zを介在させることで、直接帯電
を促進することで、所定の電位にムラなく均一に帯電で
きる。さらに温湿度センサ3からの情報に基づいて、制
御装置4により、帯電清掃ローラ2に印加する交流電圧
におけるピーク間電圧の値を、可能な限り帯電性を高め
られるように低温低湿環境下では大きく、高温高湿環境
下では帯電ムラを生じにくくして、「象肌」や像担持体
のゴーストを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタ、
複写機、ファクシミリ等の電子写真記録方式を利用した
画像形成装置及びプロセスカートリッジに関し、詳しく
は、接触帯電方式、現像同時クリーニング方式を採用し
た、クリーナレスの画像形成装置及びプロセスカートリ
ッジに係る。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像形成装置全体の小型化、
廃トナーの発生なしによるエコロジー対応、感光ドラム
の長寿命化、1ページ当たりの現像剤であるトナーの消
費量削減等を目的として、転写材(例えば紙、透明フィ
ルム)に対するトナー像転写後に感光ドラム表面に残留
しているトナー(以下「転写残トナー」という。)のク
リーニング手段を、現像手段が兼用することにより、専
用のクリーニング手段をなくした「現像同時クリーニン
グ」、「クリーナレス」と呼ばれる画像形成装置があ
る。
【0003】上述の「現像同時クリーニング」、「クリ
ーナレス」の画像形成装置において、帯電手段としては
特開平04−20986号公報にて示されている。より
詳しくは、特開平04−20986号公報の帯電手段
は、回転ブラシにより感光ドラム上の転写残トナーを攪
乱し、非パターン化を促進すると同時に、直流電圧と交
流電圧とを印加し、放電により感光ドラム表面を均一に
帯電するようにし、かつ「クリーナレス」を達成してい
る。
【0004】このときの交流電圧のピーク間電圧Vpp
と帯電効率との関係を模式的に示したものが図14であ
る。図14中では、L点が安定放電点であり、それ以上
のピーク間電圧では安定して放電が行われることによ
り、感光ドラムの電位は印加した直流電圧とほぼ同様の
収束電位になる(安定放電点に相当するピーク間電圧以
上で帯電電位が収束することより、以降は帯電電位を収
束させるピーク間電圧を「帯電電位収束電圧」とい
う。)。
【0005】したがって、前述のような導電性弾性体に
直流成分と交流成分を重畳させた電圧印加を行う方式の
帯電手段では、帯電の安定化のため、帯電電位収束電圧
より大きなピーク間電圧を印加した構成を採っている。
【0006】一方、放電を用いない直接帯電方式の帯電
手段を用いた「現像同時クリーニング」、「クリーナレ
ス」の画像形成装置としては、特開平10−30745
5号公報に示されている。より詳しくは、接触帯電部材
と感光ドラムの接触部に導電性の帯電促進粒子を介在さ
せ、直流電圧のみを印加し、印加した直流電圧とほぼ同
等の感光ドラムの表面電位を得るものである。この方式
は、放電を積極的に用いていないため、オゾンの発生が
ない。また、積極的に放電を用いていないため、放電生
成物の感光ドラムへの付着を抑制でき、高温高湿環境下
での画像流れなどの問題を防止している。
【0007】さらに、前述した直接帯電方式の帯電手段
を用いた「現像同時クリーニング」、「クリーナレス」
の画像形成装置の中には、像担持体の清掃部材を兼ねる
接触帯電部材に対して、直流電圧にピーク間電圧が帯電
電位収束電圧未満の範囲である交流電圧を重畳して印加
する方式の画像形成装置が提案されている。このような
画像形成装置では、接触帯電部材に現像剤等が付着する
ことを抑制して帯電不良を防止することで、長期にわた
って高品位な出力画像を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た像担持体の清掃部材を兼ねる接触帯電部材に対して、
直流電圧にピーク間電圧が帯電電位収束電圧未満の範囲
である交流電圧を重畳して印加する方式の画像形成装置
では、画像形成装置が使用される環境条件により以下の
ような問題が生じることがあった。
【0009】高温高湿環境では、ハーフトーン画像の出
力を行った際、特に微小なドットが再現されず、散り散
りに飛び散る現象が生じた(ハーフトーン画像が総じて
ザラザラとした印象となるため、以下この画像欠陥を
「象肌」という。)。
【0010】これは、感光ドラムが接触帯電部材により
所定の電位に帯電された際、交流電圧の印加によって微
少な電位むらが生じ、現像の際にこの電位むらが可視化
されて視認されるものと考えられる。
【0011】また、高温高湿環境では、低温低湿環境に
画像形成装置が設置された場合に比較して、感光ドラム
表層の抵抗値が低下する傾向にあり、直接帯電の効率が
向上する。よって、接触帯電部材に印加される電圧の変
化に追従して電位むらが生じやすく、現像手段により前
述の電位むらが顕像化されることで「象肌」が発生しや
すくなる。
【0012】なお、前述の「象肌」は、例えば反射濃度
計(マクベス1200)で0.5以下の濃度となるハー
フトーンで顕著に発生した。
【0013】一方、低温低湿環境では清掃部材を兼ねる
接触帯電部材が汚れた際に、高温高湿環境中に画像形成
装置が設置された場合に比較し、印字枚数(画像形成枚
数)が増加するに従っていわゆる感光ドラムゴースト
(感光ドラムの前周に形成した画像が、履歴となって次
周に形成される画像にも現れる現象で、感光ドラムの帯
電不足に起因する場合にはポジ画像となって現れる。)
が発生しやすいことが分かった。
【0014】なお、清掃部材を兼ねる接触帯電部材とし
て、低温低湿環境で抵抗が高くなりがちな性質を有する
材質で形成されたものを用いた場合、特に前述の感光ド
ラムゴーストが生じやすい傾向にある。
【0015】したがって、低温低湿環境では良好な帯電
性能を維持するため、特に接触帯電部材の汚れを抑制す
る必要がある。
【0016】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであり、装置の大型化やコストアップを抑制し、か
ついずれの環境条件下においても安定して像担持体表面
の帯電を行うことで、長期にわたって良好な画像を得る
ことができる、クリーナレスシステムを用いた画像形成
装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的と
するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
像担持体表面を帯電し、露光して静電潜像を形成し、前
記静電潜像をトナーによって現像し、現像によって前記
像担持体表面に形成されたトナー像を被転写材に転写
し、トナー像転写後に前記像担持体表面に残ったトナー
を現像手段によって回収する画像形成装置において、前
記像担持体表面に接触する外周面が多孔質状に形成され
た可撓性の帯電清掃部材と、前記帯電清掃部材に少なく
とも画像形成時には直流電圧とピーク間電圧が帯電電位
収束電圧未満の交流電圧とが重畳された帯電バイアスを
印加する帯電バイアス印加電源と、を有する帯電手段
と、前記像担持体と前記帯電清掃部材との接触部に介在
された清掃補助粒子と、前記帯電バイアス印加電源を制
御する制御手段と、画像形成装置本体が設置された環境
を検知する環境検知手段と、を備え、前記制御手段は、
前記帯電バイアス印加電源が前記帯電清掃部材に印加す
る帯電バイアスのうちの交流電圧におけるピーク間電圧
を、前記環境検知手段が検知した環境についての情報に
基づいて制御する、ことを特徴とする。
【0018】請求項2に係る発明は、像担持体表面を帯
電し、露光して静電潜像を形成し、前記静電潜像をトナ
ーによって現像し、現像によって前記像担持体表面に形
成されたトナー像を被転写材に転写し、トナー像転写後
に前記像担持体表面に残った残留トナーを現像手段によ
って回収する画像形成装置において、前記像担持体表面
に接触する外周面が多孔質状に形成された可撓性の帯電
清掃部材と、前記帯電清掃部材に少なくとも画像形成時
には直流電圧とピーク間電圧が帯電電位収束電圧未満の
交流電圧とが重畳された帯電バイアスを印加する帯電バ
イアス印加電源と、を有する帯電手段と、前記像担持体
と前記帯電清掃部材との接触部に介在された清掃補助粒
子と、前記帯電バイアス印加電源を制御する制御手段
と、画像形成装置本体が設置された環境を検知する環境
検知手段と、を備え、前記帯電清掃部材は、前記転写残
トナーを前記像担持体表面から剥ぎ取って前記像担持体
表面を所定の電位に帯電するとともに、前記像担持体の
回転方向下流側に吐き出す帯電清掃部材であり、前記制
御手段は、前記帯電バイアス印加電源が前記帯電清掃部
材に印加する帯電バイアスのうちの交流電圧におけるピ
ーク間電圧を、前記環境検知手段が検知した環境につい
ての情報に基づいて制御する、ことを特徴とする。
【0019】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記帯
電バイアス印加電源が前記帯電清掃部材に印加する交流
電圧のピーク間電圧を、500V以上でかつ帯電電位収
束電圧未満の範囲で変化させる、ことを特徴とする。
【0020】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記清
掃補助粒子は、粒径が0.1〜3μm以下であり、抵抗
が1012Ω・cm以下である、ことを特徴とする。
【0021】請求項5に係る発明は、請求項1ないし4
のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記像
担持体と前記帯電清掃部材との接触部において、前記像
担持体表面と前記帯電清掃部材表面とが速度差をもつ、
ことを特徴とする。
【0022】請求項6に係る発明は、請求項1ないし5
のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記静
電潜像をトナーによって現像する現像手段を備え、前記
現像手段は、前記像担持体に接触する現像部材を有す
る、ことを特徴とする。
【0023】請求項7に係る発明は、請求項1ないし6
のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記静
電潜像の現像に使用されるトナーは、形状係数SF1が
100〜150、形状係数SF2が100〜140であ
る、ことを特徴とする。
【0024】請求項8に係る発明は、複数の像担持体表
面を複数の帯電手段によって帯電し、露光によって複数
の像担持体表面のそれぞれに静電潜像を形成し、これら
静電潜像をそれぞれ異なる色の複数色のトナーによって
現像し、現像によって前記複数の像担持体表面に形成さ
れたトナー像を被転写材に順次に転写する画像形成装置
において、前記像担持体表面に接触する外周面が多孔質
状に形成された可撓性の帯電清掃部材と、前記帯電清掃
部材に少なくとも画像形成時には直流電圧とピーク間電
圧が帯電電位収束電圧未満の交流電圧とが重畳された帯
電バイアスを印加する帯電バイアス印加電源と、を有す
る少なくとも1つの帯電手段と、前記像担持体と前記帯
電清掃部材との接触部に介在された清掃補助粒子と、前
記帯電バイアス印加電源を制御する制御手段と、画像形
成装置本体が設置された環境を検知する環境検知手段
と、を備え、前記制御手段は、前記帯電バイアス印加電
源が前記帯電清掃部材に印加する帯電バイアスのうちの
交流電圧におけるピーク間電圧を、前記環境検知手段が
検知した環境についての情報に基づいて制御する、こと
を特徴とする。
【0025】請求項9に係る発明は、請求項8に記載の
画像形成装置において、前記被転写材が、被記録媒体と
しての転写材である、ことを特徴とする。
【0026】請求項10に係る発明は、請求項8に記載
の画像形成装置において、前記被転写材が、中間転写体
である、ことを特徴とする。
【0027】請求項11に係る発明は、請求項8又は9
に記載の画像形成装置において、前記複数の像担持体の
うち、画像形成の際にはじめにトナー像が形成される像
担持体には、前記複数色のトナーのうちの最も視感度の
低い色のトナーによってトナー像が形成される、ことを
特徴とする。
【0028】請求項12に係る発明は、少なくとも像担
持体と帯電手段とを一体に構成し、画像形成装置本体に
対して着脱自在に装着されるプロセスカートリッジにお
いて、前記帯電手段が、請求項1ないし11のいずれか
に記載の帯電手段である、ことを特徴とする。
【0029】〔作用〕本発明によると、帯電部材である
帯電清掃部材は、転写後に像担持体に残留した現像剤
(トナー)を剥ぎ取るとともに、ピーク間電圧が帯電電
位収束電圧未満の範囲である交流電圧が重畳して印加さ
れることで、直流電圧のみを印加した場合に対して、像
担持体表面を所定の電位にムラなく均一に帯電し、直接
注入帯電が支配的な帯電を実現することができる。
【0030】また、前述のとおり交流電圧の印加を行っ
ても放電の影響を受けないため、帯電清掃部材に付着し
たトナーが正極性化せず、帯電清掃部材と像担持体の表
面との電位差により像担持体の回転方向下流側に吐き出
すことができる。
【0031】さらに、帯電清掃部材上に存在する清掃補
助粒子が、現像剤粒子間に介在して電荷付与を行う、い
わゆるマイクロキャリヤとして作用してトナーを負極性
化するとともに、帯電清掃部材とトナーの間に介在する
ことでスペーサキャリヤとしても作用して、帯電清掃部
材に付着しているトナーを効果的に吐き出すことができ
る。
【0032】さらにまた、環境検知手段により得られた
情報に基づいて、帯電清掃部材に印加する交流電圧にお
けるピーク間電圧の値を、可能な限り帯電性を高められ
るように低温低湿環境下では大きく、高温高湿環境下で
は帯電ムラを生じにくくするために小さくするように制
御を行うことで、それぞれの環境下で発生する「象肌」
や像担持体のゴーストを抑止することができる。
【0033】よって、いずれの環境条件下においても、
充分に像担持体表面の帯電を行え、かつ帯電清掃部材か
らトナーを吐き出すのに好適な交番電界を形成すること
が可能となり、帯電清掃部材の汚染を防止して長期にわ
たり安定した帯電性を得ることができる。
【0034】請求項3の発明によると、帯電清掃部材に
印加される交流電圧のピーク間電圧を、500V以上で
かつ帯電電位収束電圧未満の範囲で変化させるように制
御を行うことで、放電による作用を抑えて帯電清掃部材
に付着した現像剤が正極性化することを防止し、帯電清
掃部材と像担持体の表面との電位差により効率良く帯電
清掃部材から吐き出すことができる。
【0035】請求項4の発明によると、清掃補助粒子の
粒子抵抗を1012Ω・cm以下とし、帯電清掃部材と
像担持体の接触部に介在させることで、像担持体に対し
帯電清掃部材の緻密な接触性と接触抵抗を維持し、さら
に帯電性を向上することが可能となる。
【0036】請求項5の発明によると、帯電清掃部材を
像担持体に対して速度差を持って駆動することにより、
機械的な摺擦力を高めて帯電清掃部材からの現像剤剥ぎ
取り性を向上させ、安定した帯電性を得ることができ
る。
【0037】請求項6の発明によると、現像手段を、現
像剤担持体が像担持体に接触する接触現像手段とするこ
とで、非接触現像(ジャンピング現像)でバックコント
ラスト(帯電された像担持体の表面電位と現像直流電圧
の差分の絶対値)の大小により左右されやすい「かぶ
り」を抑制し、現像部材(現像剤担持体)による機械的
な摺擦力によって帯電清掃部材から吐き出された転写残
トナーを掻き取って、転写残トナーを効率良く現像部で
回収することが可能となる。
【0038】請求項7の発明によると、形状係数SF1
が100〜150、形状係数SF2が100〜140で
ある現像剤を用いることで、感光ドラム表面から現像剤
を被転写材や中間転写体に転写する際の転写効率が向上
し、転写後に像担持体に残留する現像剤を減らすことが
できる。また、現像剤が帯電清掃部材に付着した際も、
その吐出しが容易に行えるため、長期にわたってクリー
ナレスシステムの安定化を図ることができる。
【0039】一方、請求項8に係る発明によると、例え
ばタンデム方式のカラーの画像形成装置において、長期
にわたり高品位な画像が得られる安定性と装置の小型化
の両立を図れる。
【0040】さらに、少なくとも像担持体と帯電手段と
を一体的に形成したプロセスカートリッジが上述の画像
形成装置に着脱自在とすることにより、トナー補給や寿
命を過ぎた像担持体の交換等、種々のメンテナンス作業
に係る使用者の労力を軽減し、簡単な操作で安定した出
力画像が得られるようになる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。なお、各図面において同一
の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすもの
であり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0042】<実施の形態1>本実施の形態に係る画像
形成装置では、少なくともその外周面が多孔質状で、可
撓性を有する接触帯電手段が像担持体に当接されてお
り、この接触帯電手段には直流電圧にピーク間電圧が帯
電電位収束電圧未満の範囲である交流電圧が重畳して印
加される。また、少なくとも接触帯電手段と像担持体と
の接触部には、清掃補助粒子供給手段から供給された清
掃補助粒子が介在する。
【0043】また、接触帯電手段は、転写後に像担持体
上に残留した現像剤を剥ぎ取るとともに、像担持体表面
を所定の電位に帯電し、かつ像担持体の回転方向下流側
に現像剤を吐き出す帯電清掃部材として機能する。な
お、接触帯電清掃部材から吐き出された現像剤は、像担
持体に接触して配設した現像手段により、現像同時クリ
ーニングが行われて再利用される。
【0044】さらに、本実施の形態に係る画像形成装置
には、温湿度センサが配置され、像担持体近傍の環境状
態を検知する。一方、制御手段は温湿度センサによって
得られた情報を利用し、あらかじめ記憶手段に記憶され
た環境状態情報に基づいて、帯電手段に印加を行う交流
電圧のピーク間電圧を可変調整することを特徴とする。
以下、さらに詳述する。
【0045】図1に、本発明に係る画像形成装置の一例
を示す。同図は画像形成装置の概略構成を示す縦断面図
である。
【0046】同図中の符号1は像担持体としてのドラム
型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)を
示している。感光ドラム1は、本実施の形態では直径3
0mmの負極性OPC感光体(ドラム状ネガ感光体)で
ある。この感光ドラム1は、図1中の矢印R1方向に、
その周面の移動速度(プロセススピード)が50mm/
secとなるように回転駆動される。
【0047】符号2は感光ドラム1に所定の押圧力をも
って接触させて配設した、帯電清掃部材としての弾性ロ
ーラ(以下「帯電清掃ローラ」という。)を示す。この
帯電清掃ローラ2は、導電性を有している。符号nは感
光ドラム1と帯電清掃ローラ2との帯電ニップ部を示
す。なお、効率良く直接帯電を行うためには、この帯電
ニップ部nにおいて感光ドラム1と帯電清掃ローラ2と
の接触面積を大きく取る必要があり、本実施の形態では
帯電清掃ローラ2の周面を多孔質状とすることで、最大
限の接触面積を得られるようにした。
【0048】上述の帯電清掃ローラ2は、その外周面に
導電性を有する清掃補助粒子z(後に詳述)を保持(担
持)しており、感光ドラム1と帯電清掃ローラ2との帯
電ニップ部nには、清掃補助粒子供給手段から供給され
る清掃補助粒子zが介在している。
【0049】本実施の形態での清掃補助粒子zの供給
は、清掃補助粒子供給手段10の規制ブレード10aに
よって行われる。この規制ブレード10aを感光ドラム
1周面に当接し、感光ドラム1と規制ブレード10aと
の間に清掃補助粒子zを貯留・保持させ、清掃補助粒子
zを感光ドラム1周面に塗布することによって帯電清掃
ローラ2に供給する構成を採る。
【0050】また、本実施の形態では清掃補助粒子zと
して、比抵抗が約10Ω・cm、平均粒径約1μmの
酸化亜鉛を用いた。
【0051】帯電清掃ローラ2は帯電ニップ部nにおい
て感光ドラム1表面の移動方向(矢印R1方向)と逆方
向(カウンタ方向)に回転駆動され、感光ドラム1周面
に対して速度差を持って接触する。符号Mはこの帯電清
掃ローラ2の駆動源である。また画像形成装置の画像形
成時(画像記録時)には帯電清掃ローラ2に帯電バイア
ス印加電源A1から所定の帯電バイアスが印加される。
これにより、感光ドラム1の周面が直接帯電(注入帯
電)方式で所定の極性・電位に、接触帯電処理される。
なお、本実施の形態においては、帯電清掃ローラ2と帯
電バイアス印加電源A1とによって帯電手段を構成して
いる。
【0052】本実施の形態では帯電清掃ローラ2の周面
の移動速度は75mm/secとした。ここで、帯電清
掃ローラ2の周面の移動速度は、この周面に何も当接さ
れない状態での平均外径を有する所定の点が、帯電清掃
ローラ2の回転により移動する速度とした。また帯電清
掃ローラ2と感光ドラム1との周速差を、両者の回転速
度比とすると、本実施の形態では周速差はカウンタ方向
に150%である。
【0053】帯電清掃ローラ2の詳細については、後述
することとする。
【0054】本実施の形態では帯電バイアス印加電源A
1により、帯電清掃ローラ2の芯金2aに対して、 DC電圧:−700V AC電圧:ピーク間電圧0.5〜1.2kV、周波数
1.8kHz、sin波 の重畳電圧を印加することより、感光ドラム1周面がこ
の印加DC電圧とほぼ等しい電圧(約−700V)に直
接帯電される。
【0055】なお、本実施の形態の画像形成装置では、
画像形成装置内部に環境検知手段として温湿度検知器
(温湿度センサ)3を配置し、この温湿度検知器3より
の出力値を基に、感光ドラム1の帯電特性を類推して、
上述の帯電清掃ローラ2の芯金2aに対するAC成分の
ピーク間電圧を、前述した0.5〜1.2kVの範囲で
変化させる。
【0056】一方、画像形成装置内(及び画像形成装置
が設置された雰囲気中)に含まれる水分量が多い程、感
光ドラム1の吸湿の度合いが大きくなり、その表層抵抗
が低下して、直接帯電作用の効率が上がるという傾向が
ある。この逆に、画像形成装置内(及び画像形成装置が
設置された雰囲気中)に含まれる水分量が少ない程、感
光ドラム1の吸湿の度合いが少なくなり、感光ドラム表
層の抵抗が増大して、直接帯電作用の効率が下がるとい
う傾向がある。
【0057】前述の問題点を踏まえ、本実施の形態では
特に温度と湿度とを関連付けることによって、画像形成
装置内の雰囲気中に含まれる水分量と、前述の含有水分
量に対応した感光ドラム1の表層抵抗を類推し、帯電清
掃ローラ2に印加する交流電圧のピーク間電圧値を最適
化する方法を取った。
【0058】以下に、図2に示すフローチャートに沿
い、本実施の形態の画像形成装置で行われる、温湿度検
知器3を用いた帯電清掃ローラ2に対するAC電圧印加
制御について述べる。
【0059】画像形成装置に設けられた操作パネル(不
図示)、又は画像形成装置外部に接続されたコンピュー
タ(不図示)より画像形成命令が出される(S1)と、
温湿度検知器3により検知(S2)された画像形成装置
内の温湿度の測定情報が、画像形成装置全体の制御を行
う制御手段(CPU)4(図1参照)に入力される(S
3)。
【0060】前述の温湿度測定情報を受けた制御手段
(CPU)4は、あらかじめ記憶部5(図1参照)に記
憶された図15に示す制御マトリックスとの比較を行い
(S4)、帯電清掃ローラ2に対して印加する交流電圧
のピーク間電圧を、各々の環境パターンに適合した値に
変化させるように、帯電バイアス印加電源A1に対する
制御を行う(S5)。
【0061】図15に示す制御マトリックスでは、環境
条件を温度と湿度との組み合わせで6種類のパターンに
分類し、帯電清掃ローラ2に対してそれぞれの環境パタ
ーン下で最適なAC印加電圧制御(交流電圧のピーク間
電圧値制御)を行う。
【0062】すなわち、測定された温度が15℃未満で
湿度が50%未満の場合は、帯電の交流電圧のピーク間
電圧値を1.2kVとし、測定された温度が15℃未満
で湿度が50%以上の場合は、帯電の交流電圧のピーク
間電圧値を1.0kVに制御する。さらに、測定された
温度が15℃以上35℃未満で湿度が50%未満の場合
は、帯電の交流電圧のピーク間電圧値を0.8kVとす
る。また、測定された温度が15℃以上35℃未満で湿
度が50%以上の場合は、帯電の交流電圧のピーク間電
圧値を0.6kVとする。また、測定された温度が35
℃以上で湿度が50%未満の場合は、帯電の交流電圧の
ピーク間電圧値を0.7kVとする。測定された温度が
35℃以上で湿度が50%以上の場合は、帯電の交流電
圧のピーク間電圧値を0.5kVとする。
【0063】なお、本実施の形態の画像形成装置では、
温湿度検知器3による検知動作(S2)が、画像形成命
令が出される(S1)毎に実行されるが、使用される感
光ドラムの温湿度特性等を鑑みて、その実行回数を減ら
してもよい。
【0064】また、本実施の形態の画像形成装置では、
環境条件を6つのパターンに分類し、それぞれの環境パ
ターンに応じて交流電圧のピーク間電圧値制御を行う
が、使用される感光ドラムの温湿度特性等を鑑みて、上
述のパターン数の増減を行ってもよい。
【0065】以上までの過程で感光ドラム1表面は一様
に帯電され、続いてレーザビームスキャナ(露光装置)
6によって目的の画像情報の走査露光する。走査露光に
より感光ドラム1表面に目的の画像情報に対応した静電
潜像が形成される。
【0066】図1中の符号7は現像器(現像手段)を示
す。本実施の形態の現像器7は、現像剤として非磁性一
成分トナー(ネガトナー)を用いた反転現像器である
(以下、現像剤のことを適宜「トナーT」という。)。
なお、非磁性一成分トナーについての詳細は後述する。
【0067】現像器7は、感光ドラム1に接触して図1
中の矢印R3方向に回転しながら現像を行う現像ローラ
7a、現像ローラ7aに非磁性トナーTを同図中の矢印
R4方向に回転することによって供給するトナー供給手
段としての供給ローラ7b、現像ローラ7a上のトナー
Tの塗布量及び帯電量を規制するトナー規制手段として
の現像ブレード7c、矢印R5方向に回転してトナーT
を供給ローラ7bに供給するとともに、非磁性一成分ト
ナーTを撹拌する撹拌部材7d等からなる。
【0068】本実施の形態では剛体である感光ドラム1
に対し接触して現像を行う構成を採るため、現像ローラ
7aは弾性を有することが望ましい。その弾性層として
はシリコーンゴムを用いたが、弾性層に使用するゴムと
しては、その他NBR(ニトリルゴム)、ブチルゴム、
天然ゴム、アクリルゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム
等、一般的に用いられるゴムが使用可能である。通常、
上述のゴム材料のオイル含浸量を多くすることで、低硬
度化が図られる。現像ローラ7aを単層とする場合に
は、トナーへの帯電付与性の観点から、負帯電性トナー
を用いた場合には、ウレタンゴム、シリコーンゴム、N
BR等が好適に用いられる。また、正帯電性トナーを使
用するのであれば、フッ素ゴム等が好適に用いられる。
【0069】さらに、弾性層外周にトナーへの帯電を考
慮してコート層を設ける場合には、ポリアミド樹脂、ウ
レタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹
脂、又はこれらを混合した樹脂等が好適に用いられる。
【0070】また、現像ブレード7cとしては、現像ロ
ーラ7aとの当接部が金属又はゴム及び樹脂部材からな
る公知のトナー規制部材が使用可能である。本実施の形
態では、ステンレス製の薄板(厚さ約0.1mm)の先
端部から約2mmの位置を現像ローラ7aと反対方向に
折り曲げたものであり、この折り曲げ部が現像ローラ7
aに若干食い込む状態で接触するものを使用した。
【0071】攪拌部材7dにより攪拌されたトナーTが
矢印R3方向に回転する現像ローラ7aと、矢印R4方
向に回転する供給ローラ7bとの摺擦によって現像ロー
ラ7a上に供給される。現像ローラ7a上のトナーTは
現像ブレード7cによって所望の帯電量が付与されると
ともに、トナー量が規制され、現像ローラ7a上に適宜
トナーが担持される。
【0072】現像ローラ7c上に担持されたトナーは、
感光ドラム1と接触する部位、すなわち現像部位に到達
すると、現像バイアス印加電源A2から現像ローラ7a
に現像バイアスが印加されることで、感光ドラム1周面
に担持された静電潜像が、現像ローラ7aの表面に担持
されているトナーTで反転現像されてトナー像として可
視化される。なお、本実施の形態における現像バイアス
電圧は、DC電圧:−400Vとした。
【0073】図1中の符号8は接触転写手段としての中
抵抗の転写ローラを示している。転写ローラ8は、所定
の押圧力をもって感光ドラム1に接触させることによ
り、転写ニップ部tを形成し、矢印R6方向に回転され
る。この転写ニップ部tに給紙部(不図示)から所定の
タイミングで記録媒体(被転写材)としての転写材P
(例えば紙、透明フィルム)が給紙され、かつ転写ロー
ラ8に転写バイアス印加電源A3から所定の転写バイア
ス電圧が印加されることで、感光ドラム1周面のトナー
像が転写ニップ部tに給紙された転写材P表面に順次転
写されていく。
【0074】本実施の形態で使用の転写ローラ8は、芯
金に中抵抗発泡層を形成した、ローラ抵抗値5×10
Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金に印加する
ことによって転写を行う。
【0075】この際、転写ニップ部tにおいて感光ドラ
ム1周面のトナー像は、転写バイアスの影響で転写材P
側に引かれて積極的に転移する。一方、感光ドラム1周
面の清掃補助粒子zは導電性であるため転写材P側には
積極的には転移せず、感光ドラム1周面に実質的に付着
保持されて残留する。なお、感光ドラム1周面に付着保
持された清掃補助粒子zの存在により、感光ドラム1側
から転写材P側へのトナー像の転写効率が向上する効果
も得られる。
【0076】図1中の符号9は熱定着方式等の定着装置
を示す。転写ニップ部tにおいて感光ドラム1周面のト
ナー像が転写された転写材Pは、定着装置9に搬送・導
入され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリン
ト、コピー)として画像形成装置外へ排出される。
【0077】なお、転写後に感光ドラム1周面に残存し
た転写残トナー及び上述の清掃補助粒子zは、感光ドラ
ム1の回転により、感光ドラム1と帯電清掃ローラ2の
帯電ニップ部nに搬送され、帯電ニップ部nへの清掃補
助粒子zの供給と、帯電清掃ローラ2への付着・混入が
生じる。すなわち、感光ドラム1と帯電清掃ローラ2と
が形成する帯電ニップ部nに、清掃補助粒子zが存在し
た状態で感光ドラム1の接触帯電が行なわれる。
【0078】なお、本実施の形態の画像形成装置ではク
リーナレス構成を採るため、クリーニングブレード等の
クリーナ(クリーニング装置)は配設されず、したがっ
て転写材Pに対してトナー像を転写した後に感光ドラム
1周面に残留する転写残トナーは、感光ドラム1の回転
に伴って帯電ニップ部nを経由して現像部位に至り、現
像器7で現像同時クリーニングが行われることにより回
収・再使用される。
【0079】以下に、現像同時クリーニングについて図
3を用いて説明を行う。
【0080】図3中、□は感光ドラム1表面に存在する
転写残トナーを示し、○は現像ブレード7cを通過し現
像ローラ7a上に担持された新しいトナーを示す。記号
中の−はトナーの帯電極性を示すものである。
【0081】転写残トナー(転写行程において転写材P
に転写されず、感光ドラム1表面に残ったトナー)は感
光ドラム1と帯電清掃ローラ2との接触部において、感
光ドラム1と帯電清掃ローラ2との摺擦及び後述の清掃
補助粒子zの作用を受けることにより、負帯電トナーと
なる。続いて露光工程により感光ドラム1表面の露光部
(画像部)は約−150Vとなる。さらに現像行程で
は、露光部上の転写残トナーはそのまま感光ドラム1上
に残存し、かつ現像バイアス(−400V)と露光部と
の電位差(約250V)により現像ローラ7a上に担持
された新しいトナーが露光部に供給(現像)される。同
時に非露光部(非画像部)の負帯電の転写残トナーは、
感光ドラム1上の帯電電位(約−700V)と現像バイ
アス(−400V)との電位差により現像ローラ7a上
に転移する。この際、現像ローラ7a上に担持された新
しいトナーは、そのまま現像ローラ7a上に残存するこ
とにより、現像同時クリーニングが行われる。
【0082】ここで、本実施の形態における帯電清掃ロ
ーラ2について詳しく述べる。帯電清掃ローラ2は、芯
金2a上に樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例え
ばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方さ
れた発泡体の半導電体層2bをローラ状に形成すること
により形成される。
【0083】また、帯電清掃ローラ2には前述の樹脂
(ウレタン等)を用いる他に、EPDM、NBR、シリ
コーンゴムや、IR等に抵抗調整用のカーボンブラック
や金属酸化物等の導電性物質を分散させたゴム材を発泡
したものや、周面のみに発泡処理を施して多孔質状とし
たものを用いることもできる。特に導電性物質を分散せ
ずに、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすること
も可能である。
【0084】なお、帯電清掃ローラ2は、少なくとも周
面を微小な多孔質状とすることで、感光ドラム1周面に
対する接触機会を増加させるとともに、転写残トナーが
帯電ニップ部tへと流入した際には、空孔がトナーを捕
獲して感光ドラム1周面から引き剥がす役目を果たし、
互いの部材相互の接触を保つことができる。
【0085】前述のようにして形成された半導電体層2
bのローラを、必要に応じて表面を研磨することによ
り、直径12mm、長手長さ200mmの導電性弾性ロ
ーラである帯電清掃ローラ2を作製した。
【0086】一方、本実施の形態の帯電清掃ローラ2の
ローラ抵抗を測定したところ100kΩであった。ロー
ラ抵抗は、帯電清掃ローラ2の芯金2aに総圧1kgの
荷重がかかるように直径30mmのアルミドラムに帯電
清掃ローラ2を圧着した状態で、芯金2aとアルミドラ
ムとの間に100Vを印加して計測した。
【0087】なお、帯電清掃ローラ2は電極として機能
することが重要である。つまり、弾性を持たせて被帯電
体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電
体表面を充電するのに十分低い抵抗を有する必要があ
る。一方では被帯電体にピンホールなどの低耐圧欠陥部
位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要があ
る。被帯電体として感光ドラム(電子写真感光体)1を
用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには、帯電
清掃ローラ2が10〜10Ωの抵抗を有することが
望ましい。
【0088】また、帯電清掃ローラ2の硬度は、硬度が
低すぎると形状が安定しないために被帯電体(感光ドラ
ム1)との接触性が悪くなり、また高すぎると被帯電体
との間に帯電ニップ部nを確保できないだけでなく、被
帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカ
ーC硬度で25度から50度が好ましい範囲である。
【0089】次に、本実施の形態で使用するトナーにつ
いての詳細を述べる。ここで言うトナーとは、トナー粒
子と外添剤とから構成されている。
【0090】本実施の形態の画像形成装置では、従来よ
り知られている粉砕法、重合法等により得ることができ
るトナーを用いることも可能であるが、特に以下に述べ
るトナー粒子を用いることが好適である。
【0091】本発明に係るトナー粒子は、画像解析装置
で測定した形状係数SF1の値が100〜150であ
り、形状係数SF2の値が100〜140であることが
好ましく、形状係数SF1の値が100〜140であ
り、形状係数SF2の値が100〜120であればさら
に好ましい。また、上述の条件を満たし、かつ(SF
2)/(SF1)の値を1.0以下とすることにより、
トナー粒子の諸特性のみならず、画像形成装置とのマッ
チングがきわめて良好なものとなる。
【0092】本発明に用いられる形状係数を示すSF
1、SF2とは、日立製作所製FE−SEM(S−80
0)を用い、倍率500倍に拡大したトナー粒子像を1
00個無作為にサンプリングし、その画像情報はインタ
ーフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luze
x3)に導入し解析を行い、図4,図5に示す式から算
出し得られた値を本発明においては形状係数SF1(図
4),形状係数SF2(図5)と定義した。
【0093】なお、これらの式中のMXLNGはトナー
粒子の投影面の絶対最大長、AREAはトナー粒子投影
面積、PERIは周長である。
【0094】トナー粒子の形状係数SF1はトナー粒子
の丸さの度合を示し、100から大きくなるの伴って球
形から徐々に不定形となる。また形状係数SF2はトナ
ー粒子の凹凸度合を示し、100から大きくなるのに伴
ってトナー粒子表面の凹凸が顕著となる。
【0095】形状係数SF1が160を超える場合に
は、トナー粒子の形状が不定形となるため、トナー粒子
の帯電量分布がブロードになるとともに、現像器7内で
トナー粒子表面が磨砕されやすくなるため、画像濃度の
低下や画像かぶりの一因となる。
【0096】トナー粒子像の転写効率を高めるために
は、トナー粒子の形状係数SF2は、100〜140で
あり、(SF2)/(SF1)の値が1.0以下である
のがよい。トナー粒子の形状係数SF−2が140より
大きく、(SF2)/(SF1)の値が1.0を超える
場合、トナー粒子の表面がなめらかではなく、多数の凹
凸をトナー粒子が有しており、感光ドラム1から転写材
P等への転写効率が低下する傾向にある。
【0097】さらには、本発明で使用するトナー粒子と
しては、トナー粒子表面が外添剤(後述する清掃補助粒
子zを含む)で被覆されたものを用い、トナー粒子が所
望の帯電量が付与されるようにすることが好ましい。そ
の意味で、トナー粒子表面の外添剤被覆率が、5〜99
%さらに好ましくは、10〜99%であることが好まし
い。
【0098】トナー粒子表面の外添剤被覆率は、日立製
作所製FE−SEM(S−800)を用いトナー粒子像
を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はイ
ンターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Lu
zex3)に導入する。得られる画像情報は、トナー粒
子表面部分と外添剤部分との明度が異なるため、2値化
して、外添剤部分の面積SGとトナー粒子部分の面積
(外添剤部分の面積も含む)STとに分けて求め、下記
式により算出する。
【0099】 外添剤被覆率(%)=(SG/ST)×100
【0100】外添剤としては、公知に用いられているシ
リカ等があげられる。外添剤は、トナー粒子100重量
部に対し、0.01〜10重量部が用いられ、好ましく
は、0.05〜5重量部が用いられる。また、外添剤
は、単独で用いても、又複数併用してもよい。それぞ
れ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0101】なお,外添剤の添加量が0.01重量部未
満の場合には、一成分系現像剤の流動性が悪化し、転写
及び現像の効率が低下してしまい、画像の濃度ムラや画
像部周辺にトナーが飛び散ってしまう、いわゆる飛び散
りが発生する。一方、外添剤の量が10重量部を超える
場合には、過多な外添剤が感光ドラム1や現像ローラ7
aに付着してトナーへの帯電性を悪化させたり、画像を
乱したりする。
【0102】また以下に、本実施の形態で使用する清掃
補助粒子zについてさらに詳しく述べる。
【0103】清掃補助粒子zの材料としては、金属酸化
物(例えば、酸化アルミニウム,酸化チタン,酸化錫,
酸化亜鉛,など)の導電無機粒子や有機物との混合物、
又はこれらに表面処理を施したものなど各種導電粒子が
使用可能である。
【0104】粒子抵抗は、以下に示すとおり比抵抗とし
て算出した。比抵抗の算出は、底面積2.26cm
円筒内に約0.5gの粉体試料を入れ、上下電極に15
kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加して抵
抗値を計測、その後正規化し算出を行った。上述の方法
より算出した清掃補助粒子zの比抵抗は、清掃補助粒子
zを介した電荷の授受を行うため1012Ω・cm以下
が必要で、好ましくは1010Ω・cm以下が望まし
い。
【0105】清掃補助粒子zの粒径は、光学又は電子顕
微鏡による観察から、100個以上抽出し、水平方向最
大弦長をもって体積粒度分布を算出し、その50%平均
粒径をもって決定した。
【0106】上述の測定で算出した清掃補助粒子zの粒
径は、後述するマイクロキャリヤとして、または、スペ
ーサキャリヤとして作用させるために、0.1〜3μm
であることが望ましい。粒径が0.1μm以下の場合、
一般に用いられる粒径のトナーに対して付着しやすく、
トナーの挙動に対して追従するために、スペーサキャリ
ヤとしての効果が薄れる。一方、粒径が3μmを上回る
場合、トナーの中に介在してトナーと充分接触すること
が困難となり、トナーを負極性化しにくくなる。
【0107】なお、清掃補助粒子zは、一次粒子の状態
で存在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在
することもなんら問題はない。どのような凝集状態であ
れ、凝集体として清掃補助粒子としての機能が実現でき
ればその形態は重要ではない。
【0108】一方、清掃補助粒子zが感光ドラム1上か
ら転写材Pに一部転写されてしまうことを考慮すると、
特にフルカラーの画像形成装置において、白色又は透明
に近い粒子でなければ色再現性が損なわれるおそれがあ
る。また、清掃補助粒子zを感光ドラム1の帯電に用い
る場合には、潜像露光時に妨げにならない(遮光しな
い)ことが重要であり、やはり白色又は透明に近い粒子
を用いることが望ましい。非磁性であることが好まし
い。
【0109】本発明においては、帯電方式として直接帯
電方式である注入帯電を用いている。すなわち、多孔質
表面からなる帯電清掃ローラ2を感光ドラム1と周速差
をもって摺擦させることで所望の電位に帯電することが
可能である。しかし、特別にクリーナ容器を有さないク
リーナレスシステムでは、転写工程で感光ドラム1上か
ら転写材Pに転写されず、感光ドラム1上に残存したト
ナー(転写残トナー)が、直接、帯電清掃ローラ2に到
達することになる。
【0110】本実施の形態の画像形成装置において転写
残トナーは、感光ドラム1の回転とともに帯電清掃ロー
ラ2と感光ドラム1が形成する帯電ニップ部nの感光ド
ラム1の回転方向上流側に到達すると、速度差を持って
駆動される帯電清掃ローラ2の空孔の壁と、感光ドラム
1周面に生じる機械的な摺擦力により、感光ドラム1表
面から掻き落とされる。前述のとおり掻き落とされた転
写残トナーは、帯電清掃ローラ2の回転に伴い、帯電ニ
ップ部nの感光ドラム1の回転方向下流側に到達する。
また同時に、帯電ニップ部nでは、帯電清掃ローラ2表
面から感光ドラム1周面に電荷が注入されて、感光ドラ
ム1周面の帯電が行われ、帯電する感光ドラム1上の表
面電位は印加した直流電圧値にほぼ到達する。
【0111】一方、帯電清掃ローラ2には帯電バイアス
印加電源A1によって直流電圧に加えて交流電圧が重畳
されており、帯電清掃ローラ2と感光ドラム1の間に交
流電界が形成される。したがって、帯電清掃ローラ2の
回転に伴い帯電ニップ部nの感光ドラム1の回転方向下
流側に到達した転写残トナーは、感光ドラム1周面と帯
電清掃ローラ2周面に連続的に生じる電位差により、感
光ドラム1周面と帯電清掃ローラ2周面との間で行き来
を繰り返す。この際、感光ドラム1は回転しており、感
光ドラム1上に付着・担持された転写残トナーは、上述
の交流電界の作用領域から抜け出ることで、帯電清掃ロ
ーラ2周面から吐き出されることになる。
【0112】ここで、帯電清掃ローラ2周面に担持され
ている清掃補助粒子zが、マイクロキャリヤやスペーサ
キャリヤとして作用することで、上述の吐き出しを効果
的に行うことができる。
【0113】すなわち、転写残トナーと清掃補助粒子z
が混在して帯電清掃ローラ2周面に担持される過程で、
清掃補助粒子zはマイクロキャリヤとして作用し、すな
わち自らが正極性化することで、転写残トナーに対し負
電荷を付与する。また、清掃補助粒子zは帯電清掃ロー
ラ2と転写残トナーとの間に介在することでスペーサキ
ャリヤとして働き、前述の帯電ニップ部nの感光ドラム
1の回転方向下流側での交流電界の作用により、帯電清
掃ローラ2からトナーをより吐き出しやすくすることが
できる。さらに、吐き出されたトナーの極性も負極化さ
れることで、次工程の現像ローラ7aによるトナー回収
も確実に行うことが可能となる。この際、先に述べた形
状係数SF1,SF2を有する球形に近いトナーを用い
ることで、上述のトナーの吐出し及び現像器7での回収
を効果的に実現させることができる。
【0114】なお、帯電清掃ローラ2に対して印加する
交流電圧は、単位時間当たりの電位勾配が大きいものが
好ましい。電位勾配が大きい程、帯電清掃ローラ2周面
と感光ドラム1表面の電位差が大きくなると考えられる
からである。さらに、トナーを効率良く吐き出すことに
よって、帯電清掃ローラ2表面が常に露出した状態で感
光ドラム1周面に接触するため、感光ドラム1に対し高
い帯電性が確保できることになる。また、帯電清掃ロー
ラ2表面が露出すると、空孔の壁がしっかりと感光ドラ
ム1周面を摺擦できるため、次回の転写残トナーの回収
性が向上することとなる。
【0115】また、転写残トナーで正極性と負極性のト
ナーが混在した場合でも、帯電清掃ローラ2と感光ドラ
ム1が形成する帯電ニップ部nにおいて、転写残トナー
が感光ドラム1周面から掻き取られる際の摺擦や、前述
のように感光ドラム1周面から掻き取られ、帯電清掃ロ
ーラ2に付着・担持されて再度前記帯電ニップ部nに侵
入する転写残トナーが、再び帯電ニップ部nに達した際
に摺擦されることで、先述の清掃補助粒子のマイクロキ
ャリヤとしての作用も相俟って、摩擦帯電されて負極性
化する。
【0116】また、直流電圧に重畳して印加する交流電
圧の大きさとしては、ピーク間電圧が500V以上でか
つ帯電電位収束電圧未満であることが望ましい。ピーク
間電圧が500V以下となると、前述した交流電圧によ
るトナーの吐き出しのための電位差(帯電清掃ローラ2
と感光ドラム1周面間)を得ることができず、トナーを
帯電清掃ローラ2から引き剥がし、感光ドラム1間で往
復運動をさせることが困難である。一方、ピーク間電圧
を帯電電位収束電圧以上とすると帯電清掃ローラ2の放
電作用が強まり、この場合も帯電清掃ローラ2に付着し
たトナーを吐き出すための電位差が生じない。したがっ
て、感光ドラム1と帯電清掃ローラ2との間で往復運動
をさせることが困難となり、帯電清掃ローラ2上にトナ
ーが蓄積することになる。さらに、放電作用が強まる
と、トナーの正極性化が起こってしまう。
【0117】なお、ピーク間電圧を帯電電位収束電圧以
上にして放電作用による帯電が支配的となることは、放
電開始電圧の閾値の2倍のピーク間電圧を超えることを
意味する。すなわち、放電開始電圧の閾値の2倍のピー
ク間電圧を超えることでAC放電が安定的に維持され、
本実施の形態の画像形成装置で述べる作用とは相反す
る。
【0118】ここで、本実施の形態の画像形成装置とは
異なる、従来の帯電方式との差異を述べる。
【0119】図6は帯電印加バイアスとして交流電圧に
直流電圧を重畳した電圧を使用した場合の帯電性を示す
図であり、図7は帯電バイアスとして直流電圧のみを印
加する場合の帯電性を示す図である。
【0120】放電作用を利用して帯電を行うための帯電
清掃ローラ(以降適宜「放電用ローラ」という。)2に
対しては、図6中、帯電電位収束電圧であるL点(本実
施の形態構成では、1200Vpp)以上のピーク間電
圧を有する交流電圧を印加する必要がある。L点以上の
ピーク間電圧を有する交流電圧を印加した場合、放電用
ローラ2に連続した放電が発生するため、放電用ローラ
2と感光ドラム1間に電位差を作りだすことが困難とな
り、放電用ローラ2上に付着したトナーを感光ドラム1
上に効率良く吐き出すことができない。
【0121】さらに、放電により生じた正イオンが感光
ドラム1表面より電位が低い放電用ローラ2側に引き寄
せられるため、放電用ローラ2上に付着したトナーは逆
極性化(不帯電性トナーが正極性に帯電する)してしま
う。以上により、放電用ローラは、転写残トナーが蓄積
し、感光ドラムを正規の表面電位に帯電することができ
なくなり、帯電不良を引き起こす。また、上述の逆極性
となったトナーは機械的な摺擦力により放電用ローラ2
から引き剥がされ、感光ドラム1へ吐き出されたとして
も現像器7に回収することができず、画像かぶりとなっ
て出力画像に不具合を及ぼす。
【0122】また、放電用ローラ2は、安定した帯電性
を確保するため、帯電清掃ローラの表面をなるべく平滑
にしている。そのため、転写残トナーの掻き取り能力が
低く、転写残トナーを感光ドラム1上に残したまま、次
の画像形成に係る帯電、露光、そして現像等の一連のプ
ロセスが行われることとなる。その結果、帯電の均一性
が損なわれるばかりか、所望の画像イメージに対し忠実
な潜像の形成がなされず、前回の画像形成時の残像が、
いわゆるメモリ画像(ゴースト画像)として、続いて形
成される画像に重なって現れるという画像不良が発生す
る場合がある。
【0123】以上の傾向は、回転ブラシを用いた帯電に
おいても同様に見られるが、特に回転ブラシにおいてA
C帯電方式を用いた場合、転写残トナーがブラシ中に取
り込まれてしまうため、長期使用によりブラシが固化し
てしまう不具合も発生する。
【0124】また、放電を用いた帯電方式のうち、直流
電圧のみを印加するDC帯電方式においては、図7中
J,K点以上の電圧印加を必要とする。DC帯電方式で
は、AC帯電方式と比較して放電作用が弱い(電荷付与
性が低い)ため、放電用ローラに付着したトナーを極端
に正極性化する作用は低く、その量は減少するが、AC
帯電方式と同様に放電用ローラ2上に正極性化したトナ
ーが蓄積していく。前述のように放電用ローラ2上にト
ナーが蓄積すると、放電領域において均一な放電が生じ
にくくなり、結果として、所望の電位に感光ドラム1上
を帯電することができなくなる。また、回転ブラシを用
いた帯電においては、AC帯電方式の場合と同様に、ブ
ラシ中に転写残トナーを取り込んでしまい、ブラシの固
化が発生しやすい。
【0125】一方、本実施の形態の画像形成装置におけ
る帯電清掃ローラ2に対して直流電圧のみを印加した場
合には、帯電清掃ローラ2と感光ドラム1が形成する帯
電ニップ部nの感光ドラム1の回転方向下流側において
電位差が生じないため、帯電清掃ローラ2周面に付着し
たトナーを吐き出す作用が生じない。したがって、この
場合も帯電清掃ローラ2の汚染が生じることで、注入帯
電性が低下して帯電不良が発生してしまう。
【0126】なお、直接帯電方式である注入帯電におい
て交流電圧を重畳して印加した場合、感光ドラム1の表
面電位は印加された電圧に倣うこととなり、微少な電位
のふれを生じる。しかし本発明においては、現像方式に
接触現像方式を用いることでこの問題を解決できること
を見いだした。
【0127】本帯電手段は、現像方式によらず用いるこ
とが可能であるが、本発明の出願人らの検討において、
接触現像方式と非接触現像方式にてそれぞれ出力される
画像の品位に差が生じることが発見された。その結果を
図8に示す。図8は、非接触現像と接触現像における画
像かぶりの違いを示す。
【0128】図8において非接触現像(ジャンピング現
像)では、バックコントラスト(帯電された感光ドラム
1上の表面電位と現像直流電圧の差分の絶対値)による
かぶりの良好な範囲が狭い。これは、ジャンピング現像
はトナー自身が現像ローラ7a(現像剤担持体)と感光
ドラム1間を往復移動するため、感光ドラム1上の微小
な電位のふれを再現(トナーによる顕像化)してしまう
ことによる。そして感光ドラム1表面電位のふれはバッ
クコントラストのふれを意味するため、微小な電位のふ
れが、非画像部にあった場合、かぶりとなって画質の劣
化を招くことになる。
【0129】しかしながら、接触現像方式ではバックコ
ントラストによるかぶりの変化が少なく、またかぶりの
値が非常に小さいため、感光ドラム1の表面電位が多少
ふれてもかぶりが増加しないため、画質の劣化を招くこ
とがない。さらに、帯電清掃ローラ2から吐き出された
転写残トナーの回収においても、一旦現像ローラ7aで
機械的な摺擦力にて掻き取るため、転写残トナーの回収
も容易に行うことができる。したがって、本発明の帯電
方式を用いるにあたり、現像方式として接触現像方式を
用いることがより好適であることが判った。
【0130】以上述べたように、本実施の形態の画像形
成装置では、帯電清掃ローラ2と感光ドラム1の接触部
に清掃補助粒子zを介在させ、直流電圧にピーク間電圧
が帯電電位収束電圧未満の交流電圧を前記帯電清掃ロー
ラ2に重畳して印加することで、帯電清掃ローラ2を、
転写後に感光ドラム1周面に残留した転写残トナーを掻
き取るとともに、感光ドラム1周面を所定の電位に帯電
し、かつ感光ドラム1の回転方向下流側に転写残トナー
を吐き出す帯電清掃部材として機能させて、帯電清掃ロ
ーラ2の汚染を防止することで、帯電不良やかぶりの少
ない高品位な出力画像を長期にわたって得ることが可能
となる。
【0131】<実施形態例の評価1>本実施の形態の画
像形成装置の効果を調べるため、以下に示す比較例の画
像形成装置とともに、一定の画像パターンで連続100
0枚の画出し耐久試験を行い、出力画像の品位を評価す
ることで、各画像形成装置における帯電特性の優劣を比
較した。
【0132】耐久に用いる画像パターンには、図9に示
すような縦帯Bと余白Wを組み合わせたものを選択し
た。
【0133】また、所定のタイミングでハーフトーン画
像(転写材P表面の全域)を出力し、ゴースト画像と
「象肌」の発生レベルの判定に用いた。
【0134】なお、本実施の形態と各々の比較例の画像
形成装置では反転現像方式を採るため、前述のゴースト
画像とは、感光ドラム1の1周目において画像露光した
部分(トナー像部である)が、感光ドラム1の2周目で
帯電不足を起こすことにより、前回の画像パターン部が
他の部位よりトナーが多く現像されて現れるもの(画像
濃度が高い)のことをさす。ゴースト画像は、特に感光
ドラム1の帯電性が低下した際に生じやすい。これは、
帯電性の低下した感光ドラム2の帯電を行う際、耐久を
経るに従って帯電清掃部材である帯電清掃ローラ2表面
に付着するトナー等の汚れの影響を敏感に受け、前述の
帯電清掃ローラ2表面の汚れ部分で帯電不良を生じやす
いためである。
【0135】また、「象肌」はハーフトーン画像の出力
を行った際、特に微小なドットが再現されず、散り散り
に飛び散る現象であり、感光ドラム1が接触帯電清掃部
材により所定の電位に帯電された際、交流電圧の印加に
よって微少な電位むらが生じ、現像の際にこの電位むら
が可視化されて視認されるものである。
【0136】また、耐久試験は低温低湿環境(温度15
℃、湿度10%)、常温常湿環境(温度25℃、湿度6
0%)、高温高湿環境(温度35℃、湿度85%)の3
環境で行った。
【0137】〔比較例1〕図10に示す比較例1の画像
形成装置は、環境検知手段と、この環境検知手段より得
られる環境情報に基づいて帯電清掃ローラ2に対し印加
する交流電圧のピーク間電圧値を変化させる制御手とを
具備しておらず、いずれの環境下でも帯電清掃ローラ2
に対し印加する交流電圧のピーク間電圧値を1.2kV
とした。
【0138】また、その他露光方式や現像方式等は本実
施の形態の画像形成装置の構成に準じた。
【0139】〔比較例2〕比較例1において、帯電清掃
ローラ2に対し印加する交流電圧のピーク間電圧値を、
0.5kVとした。
【0140】〔評価結果〕本実施の形態と比較例1,2
の画像形成装置においてそれぞれ耐久試験を行い、得ら
れた出力画像の品位を比較して図16,図17,図18
にまとめた。なお、図16は常温常湿環境、図17は低
温低湿環境、図18は高温高湿環境である。
【0141】なお、図16〜図18中各欄内の記号は、
出力画像に現れる「象肌」やゴースト画像の発生レベル
を表し、下記に示す基準で分別を行っている。
【0142】・象肌 ○:象肌発生無し。(交流電圧の印加による電位むらが
発生しない) △:微かに象肌が発生。 ×:酷い象肌が発生。
【0143】・画像ゴースト ○:ゴースト画像発生無し。(帯電不良無し) △:ゴースト画像による若干の濃度アップあり。 ×:ゴースト画像による濃度アップが酷い。
【0144】本実施の形態の画像形成装置では、いずれ
の環境下においても1000枚の耐久終了時点まで「象
肌」及びゴースト画像が発生しなかった。また、他の画
像欠陥も認められず、長期にわたって高品位な出力画像
を得ることができた。
【0145】また、比較例1の画像形成装置でも、すべ
ての環境下において1000枚の耐久終了時点までゴー
スト画像の発生は認められなかったが、高温高湿環境下
で出力画像に「象肌」が認められた。これは、低温低湿
環境下で感光ドラム1表面を帯電するのに好適な交流電
圧のピーク間電圧が、高温高湿環境下で表層抵抗の低下
した感光ドラム1を帯電するのに過剰であるためで、感
光ドラム1の帯電面の微少な電位むらが現像に伴い顕在
化したためである。
【0146】一方、比較例2の画像形成装置では、すべ
ての環境下において1000枚の耐久終了時点まで「象
肌」の発生は認められなかったが、低温低湿環境下で出
力画像にゴースト画像が認められた。これは、高温高湿
環境下において、「象肌」の発生を防止した上で感光ド
ラム1表面を帯電するのに好適な交流電圧のピーク間電
圧が、低温低湿環境下でその表層抵抗が増大して帯電性
の低下した感光ドラム1の帯電を、効率良く行うのに不
十分なためである。前述のとおり帯電性の低下した感光
ドラム1を効率良く帯電するには、帯電清掃ローラ2の
周面(感光ドラム1の帯電面に接触する面)を常にクリ
ーンに保つ必要がある。このため帯電清掃ローラ2に付
着しているトナーを効果的に吐き出させるには、より大
きなピーク間電圧を印加することが望ましい。
【0147】以上述べたように、環境検知手段と、この
環境検知手段より得られる環境情報に基づいて帯電清掃
ローラ2に対し印加する交流電圧のピーク間電圧値を制
御する手段を具備しない画像形成装置では、環境条件に
より出力画像の欠陥が生じるおそれがあることが判っ
た。
【0148】本発明の帯電手段である帯電清掃部材(帯
電清掃ローラ2)は、転写後に像担持体(感光ドラム
1)に残留した現像剤(トナー)を剥ぎ取るとともに、
ピーク間電圧が帯電電位収束電圧未満の範囲である交流
電圧が重畳して印加されることで、像担持体表面を所定
の電位にムラなく均一に帯電し、直接注入帯電が支配的
な帯電を実現することができた。
【0149】また、前述のとおり交流電圧の印加を行っ
ても放電の影響を受けないため、帯電清掃部材に付着し
た現像剤が正極性化せず、帯電清掃部材と像担持体表面
との電位差により像担持体の回転方向下流側に吐き出す
ことができた。
【0150】一方、帯電清掃部材上に存在する清掃補助
粒子が、現像剤粒子間に介在して電荷付与を行う、いわ
ゆるマイクロキャリヤとして作用して現像剤を負極性化
するとともに、帯電清掃部材と現像剤の間に介在するこ
とでスペーサキャリヤとしても作用して、帯電清掃部材
に付着している現像剤を効果的に吐き出すことができ
た。
【0151】さらに、環境検知手段(温湿度検知器3)
により得られた情報に基づいて、帯電清掃部材に印加す
る交流電圧におけるピーク間電圧の値を、可能な限り帯
電性を高められるように低温低湿環境下では大きく、高
温高湿環境下では帯電ムラを生じにくくするために小さ
くするように制御を行うことで、それぞれの環境下で発
生する「象肌」や像担持体のゴーストを抑制することが
できる。
【0152】したがって、いずれの環境条件下において
も、充分に像担持体表面の帯電を行え、かつ帯電清掃部
材からトナーを吐き出すのに好適な交番電界を形成する
ことが可能となり、帯電清掃部材の汚染を防止して長期
にわたり安定した帯電性を得ることができた。
【0153】<実施の形態2>本実施の形態の画像形成
装置は、上述の実施の形態1の画像形成装置において清
掃補助粒子供給手段から供給を行っていた清掃補助粒子
zを、混合器によりトナーに均一に分散させて現像剤と
して現像手段内に収容させたものである。清掃補助粒子
zの供給を現像手段から行うことで、簡略な構成で帯電
清掃部材の汚染を防止し、現像同時クリーニングを実現
して、帯電不良やかぶりの少ない高品位な出力画像を長
期にわたって得ることが可能となる。
【0154】また、本実施の形態に係る画像形成装置に
は、実施の形態1の画像形成装置と同様に温湿度センサ
3が配置され、感光ドラム1近傍の環境状態を検知す
る。一方、同様に画像形成装置本体内に具備された制御
手段4は、温湿度センサ3によって得られた情報と、あ
らかじめ記憶手段5に記憶された環境状態情報との比較
を行って、帯電手段に印加を行う交流電圧のピーク間電
圧を可変調整することを特徴とする。
【0155】合わせて、画像形成装置の各構成要素のう
ち、比較的消耗の激しい像担持体と帯電清掃部材、そし
てトナーを含む現像手段とを一体化し、画像形成装置本
体に着脱可能なプロセスカートリッジとすることで、種
々のメンテナンス作業に係る使用者の労力軽減を図っ
た。なお、本発明にプロセスカートリッジは、少なくと
も感光ドラム(像担持体)1と帯電清掃ローラ(帯電清
掃部材)とを一体に構成して、画像形成装置本体に対し
て着脱自在に装着するものである。
【0156】図11は、実施の形態2に係る画像形成装
置の概略構成を示す図であり、現像同時クリーニングを
行うクリーナレスシステムを採る画像形成装置の縦断面
図である。
【0157】同図中の符号1は、像担持体であり、前述
の実施の形態1で用いたものと同様、直径30mmの負
極性OPC感光体(ドラム状ネガ感光体:感光ドラム)
である。この感光ドラム1は同図中の矢印R1方向にそ
の周面が50mm/sec(=プロセススピード)の一
定速度をもって移動するように回転駆動される。
【0158】同図中の符号2は、感光ドラム1に所定の
押圧力をもって接触させて配設した帯電清掃部材として
の弾性ローラ(帯電清掃ローラ)を示し、この帯電清掃
ローラ2は、導電性を有する。符号nは感光ドラム1と
帯電清掃ローラ2との帯電ニップ部である。この帯電ニ
ップ部nにおいて感光ドラム1と帯電清掃ローラ2の接
触面積を大きく取る必要があり、本実施の形態では帯電
清掃ローラ2の周面を多孔質状とすることで、最大限の
接触面積を得られるようにした。帯電清掃ローラ2はそ
の外周面に導電性を有する清掃補助粒子z(帯電促進を
目的とした導電性粒子)を保持(担持)しており、感光
ドラム1と帯電清掃ローラ2との帯電ニップ部nに清掃
補助粒子zが介在している。
【0159】なお、前述の実施の形態1の画像形成装置
に用いた帯電清掃ローラ2と同様のものが、本実施の形
態の画像形成装置の帯電清掃ローラ2としても好適に使
用できる。また、清掃補助粒子zについては、後程詳細
を述べることとする。
【0160】帯電清掃ローラ2は帯電ニップ部nにおい
て、図11中の矢印R2方向に感光ドラム1の回転方向
と逆方向(カウンタ方向)に回転駆動され、感光ドラム
1周面に対して速度差を持って接触する。符号Mはこの
帯電清掃ローラ2の駆動源である。また画像形成装置の
画像記録時(画像形成時)にはこの帯電清掃ローラ2に
帯電バイアス印加電源A1から所定の帯電バイアスが印
加される。これにより、感光ドラム1の周面が直接帯電
(注入帯電)方式で所定の極性・電位に、接触帯電処理
される。
【0161】本実施の形態では帯電バイアス印加電源A
1により、帯電清掃ローラ2の芯金2aに対して、 DC電圧:−700V AC電圧:ピーク間電圧0.5〜1.2kV、周波数
1.8kHz、sin波 の重畳電圧を印加することより、感光ドラム1周面がこ
の印加DC電圧とほぼ等しい電圧(約−700V)に直
接帯電される。
【0162】なお、本実施の形態では帯電清掃ローラ2
の周面の移動速度を、75mm/secとした。ここ
で、帯電清掃ローラ2の周面の移動速度は、この周面に
何も当接されない状態での平均外径を有する所定の点
が、芯金2aの回転により移動する速度とした。また、
帯電清掃ローラ2と感光ドラム1の当接部における周速
差を、両者の回転速度比とすると、本実施の形態では周
速差はカウンタ方向に150%である。
【0163】前述したとおり、感光ドラム1の回転方向
に対し帯電清掃ローラ2の回転方向をカウンタ方向とす
ることで、感光ドラム1周面から転写残トナーが一旦引
き剥がされ、帯電清掃ローラ2と感光ドラム1が形成す
る帯電ニップ部nに転写残トナーがほとんど介在しない
状態で、効率良く直接帯電を行なうことが可能となる。
転写ニップ部tから帯電ニップ部nへ至った転写残トナ
ーが掻き取られることで、特にハーフトーン画像におい
て、前回の画像パターン部分がゴーストとなって現れる
ことがなくなる。
【0164】また、本実施の形態の画像形成装置では、
画像形成装置内部に環境検知手段としての温湿度検知器
(温湿度センサ)3を配置し、温湿度検知器3からの出
力値を基に、感光ドラム1の帯電特性を類推して、帯電
清掃ローラ2の芯金2aに対するAC成分のピーク間電
圧を、前述した0.5〜1.2kVの範囲で変化させ
る。
【0165】制御手段4は、温湿度検知器3から得られ
た情報と、記憶部5にあらかじめ記憶された制御マトリ
ックスとを比較し、環境パターンによって帯電清掃ロー
ラ2に印加する交流電圧のピーク間電圧値を最適化す
る。前述の制御は、実施の形態1において図15を用い
て説明したとおりに行われる。
【0166】すなわち、測定された温度が15℃未満で
湿度が50%未満の場合は、帯電の交流電圧のピーク間
電圧値を1.2kVとし、測定された温度が15℃未満
で湿度が50%以上の場合は、帯電の交流電圧のピーク
間電圧値を1.0kVに制御する。さらに、測定された
温度が15℃以上35℃未満で湿度が50%未満の場合
は、帯電の交流電圧のピーク間電圧値を0.8kVとす
る。また、測定された温度が15℃以上35℃未満で湿
度が50%以上の場合は、帯電の交流電圧のピーク間電
圧値を0.6kVとする。また、測定された温度が35
℃以上で湿度が50%未満の場合は、帯電の交流電圧の
ピーク間電圧値を0.7kVとする。測定された温度が
35℃以上で湿度が50%以上の場合は、帯電の交流電
圧のピーク間電圧値を0.5kVとする。
【0167】符号6はレーザダイオード・ポリゴンミラ
ー等を含むレーザビームスキャナ(露光装置)を示す。
このレーザビームスキャナ6は目的の画像情報の時系列
電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ
光を出力し、このレーザ光で感光ドラム1の一様帯電面
(感光ドラム1周面)を走査露光する。この走査露光に
より感光ドラム1表面に目的の画像情報に対応した静電
潜像が形成される。
【0168】符号7は、現像器を示す。本実施の形態の
現像器7は、現像剤T´として非磁性一成分トナー(ネ
ガトナー)を用いた反転現像器である。
【0169】なお、本実施の形態では清掃補助粒子zと
して、比抵抗が10Ω・cm、平均粒径1μmの酸化
亜鉛を用いた。そしてこの清掃補助粒子zとしての酸化
亜鉛を、本発明に係る実施の形態1で用いた分級後のト
ナーT´の100重量部に対して2.0重量部添加し、
混合器により均一に分散させて現像器7内に収容させ
た。
【0170】現像器7は、感光ドラム1に接触して図1
1中の矢印R3方向に回転しながら現像を行う現像ロー
ラ7a、現像ローラ7aに非磁性トナーT´を図中の矢
印R4方向に回転することによって供給するトナー供給
手段としての供給ローラ7b、現像ローラ7a上のトナ
ーT´の塗布量及び帯電量を規制するトナー規制手段と
しての現像ブレード7c、矢印R5方向に回転してトナ
ーT´を供給ローラ7bに供給するとともに、非磁性一
成分トナーを撹拌する撹拌部材7d等からなる。
【0171】本実施の形態では剛体である感光ドラム1
に対し接触して現像を行う構成を採るため、現像ローラ
7aは弾性を有することが望ましい。弾性層としてはシ
リコーンゴムを用いたが、他に本発明に係る実施の形態
1の画像形成装置に用いることができる材料を、同様に
用いることができる。また、弾性層外周にトナーへの帯
電を考慮してコート層を設ける場合には、ポリアミド樹
脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フ
ッ素樹脂若しくは、これらを混合した樹脂等が好適に用
いられる。
【0172】現像ブレード7cとしては、現像ローラ7
aとの当接部が金属又はゴム及び樹脂部材からなる公知
のトナー規制部材が使用可能である。本実施の形態で
は、本発明に係る実施の形態1の画像形成装置同様、ス
テンレス製の薄板(厚さ約0.1mm)の先端部から約
2mmの位置を現像ローラ7aと反対方向に折り曲げた
ものであり、折り曲げ部が現像ローラ7aに若干食い込
む状態で接触するものを使用した。
【0173】攪拌部材7dにより攪拌されたトナーT´
矢印R3方向に回転する現像ローラ7aと、矢印R4方
向に回転する供給ローラ7bとの摺擦によって現像ロー
ラ7a上に供給される。現像ローラ7a上のトナーT´
は現像ブレード7cによって所望の帯電量が付与される
とともに、トナー量が規制され、現像ローラ7a上に適
宜トナーが担持される。
【0174】現像ローラ7a上に担持されたトナーは、
感光ドラム1と接触する部位、すなわち現像部位に到達
すると、現像バイアス印加電源A2から現像ローラ7a
に現像バイアスが印加されることで、感光ドラム1周面
に担持された静電潜像が、現像ローラ7aの表面に担持
されているトナーT´で反転現像されてトナー像として
可視化される。
【0175】なお、本実施の形態における現像バイアス
電圧は、DC電圧:−400Vとした。
【0176】符号8は接触転写手段としての中抵抗の転
写ローラを示している。所定の押圧力をもって感光ドラ
ム1に接触させることにより、転写ニップ部tを形成し
ている。この転写ニップ部tに給紙部(不図示)から所
定のタイミングで記録媒体としての転写材Pが給紙さ
れ、かつ転写ローラ8に転写バイアス印加電源A3から
所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光ドラ
ム1周面のトナー像が転写ニップ部tに給紙された転写
材P表面に順次転写されていく。
【0177】本実施の形態で使用の転写ローラ8は、芯
金に中抵抗発泡層を形成した、ローラ抵抗値5×10
Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金に印加する
ことによって転写を行う。
【0178】この際、転写ニップ部tにおいて感光ドラ
ム1周面のトナー像は、転写バイアスの影響で転写材P
側に引かれて積極的に転移する。一方、感光ドラム1周
面の清掃補助粒子zは導電性であるため転写材P側には
積極的には転移せず、感光ドラム1周面に実質的に付着
保持されて残留する。なお、感光ドラム1周面に付着保
持された清掃補助粒子zの存在により、感光ドラム1側
から転写材P側へのトナー像の転写効率が向上する効果
も得られる。
【0179】符号9は熱定着方式等の定着装置を示して
いる。転写ニップ部tにおいて感光ドラム1周面のトナ
ー像が転写された転写材Pは、定着装置9に搬送・導入
され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、
コピー)として画像形成装置外へ排出される。
【0180】なお、転写後に感光ドラム1周面に残存し
た転写残トナー及び上述の清掃補助粒子zは、感光ドラ
ム1の回転により、感光ドラム1と帯電清掃ローラ2の
帯電ニップ部nに搬送され、帯電ニップ部nへの清掃補
助粒子zの供給と、帯電清掃ローラ2への付着・混入が
生じる。すなわち、感光ドラム1と帯電清掃ローラ2と
が形成する帯電ニップ部nに、清掃補助粒子zが存在し
た状態で感光ドラム1の接触帯電が行なわれる。
【0181】なお、本実施の形態の画像形成装置ではク
リーナレス構成を採るため、クリーニングブレード等の
クリーナ(クリーニング装置)は配設されず、転写残ト
ナーは前述の実施の形態1で図3を用いて説明したとお
りの作用で、現像器7において現像同時クリーニングが
行われることにより回収・再使用される。この際、帯電
ニップ部nや帯電清掃ローラ2から脱落した清掃補助粒
子zも、現像部位において現像器7に回収され、現像剤
T´に混入して循環使用される。
【0182】また、画像形成動作を経るに従い、清掃補
助粒子zが帯電ニップ部nや帯電清掃ローラ2から脱落
しても、現像器7の現像剤T´に含有されている清掃補
助粒子zが、現像部位で感光ドラム1周面に移行し、感
光ドラム1周面の移動により転写ニップ部tを経て帯電
ニップ部nに逐次に供給され続けるため、清掃補助粒子
zは帯電ニップ部nに継続して存在し、良好な帯電性が
長期にわたって安定して維持される。
【0183】前述のように、帯電ニップ部nに清掃補助
粒子zが存在することで、この清掃補助粒子zの滑剤効
果により、感光ドラム1と帯電清掃ローラ2との摩擦抵
抗を軽減することができ、互いに摺擦する部材や駆動源
Mに過度な負荷を与えること無く、帯電清掃ローラ2を
感光ドラム1周面に対し効果的に速度差を持たせて接触
させることができる。
【0184】さらに、帯電清掃ローラ2と感光ドラム1
との間に速度差を設けることにより、帯電清掃ローラ2
と感光ドラム1の帯電ニップ部nにおいて清掃補助粒子
zが感光ドラム1に接触する機会を格段に増加させ、高
い接触性を得ることができる。したがって、帯電清掃ロ
ーラ2と感光ドラム1の帯電ニップ部nに存在する清掃
補助粒子zが、感光ドラム1周面を隙間なく摺擦するこ
とで、感光ドラム1に効率良く電荷を直接注入できるよ
うになり、帯電清掃ローラ2による感光ドラム1の接触
帯電は、清掃補助粒子zの介存により直接帯電(注入帯
電)が支配的となる。
【0185】以上述べたように、本実施の形態の画像形
成装置では、帯電清掃ローラ2と感光ドラム1の接触部
(帯電ニップ部n)に清掃補助粒子zを介在させ、直流
電圧にピーク間電圧が帯電電位収束電圧未満の交流電圧
を前記帯電清掃ローラ2に重畳して印加することで、帯
電清掃ローラ2を、転写後に感光ドラム1周面に残留し
た転写残トナーを掻き取るとともに、感光ドラム1周面
を所定の電位に帯電し、かつ感光ドラム1の回転方向下
流側に転写残トナーを吐き出す帯電清掃部材として機能
させて、前記帯電清掃ローラ2の汚染を防止すること
で、帯電不良やかぶりの少ない高品位な出力画像を長期
にわたって得ることが可能となった。
【0186】また、環境検知手段(温湿度センサ3)に
より得られた情報に基づいて、帯電清掃部材(帯電清掃
ローラ2)に印加する交流電圧におけるピーク間電圧の
値を、可能な限り帯電性を高められるように低温低湿環
境下では大きく、高温高湿環境下では帯電ムラを生じに
くくするために小さくするように制御を行うことで、そ
れぞれの環境下で発生する「象肌」や感光ドラムゴース
トを抑止することができた。
【0187】したがって、いずれの環境条件下において
も、充分に像担持体表面の帯電を行え、かつ帯電清掃部
材からトナーを吐き出すのに好適な交番電界を形成する
ことが可能となり、帯電清掃部材の汚染を防止して長期
にわたり安定した帯電性を得ることができた。
【0188】さらに、清掃補助粒子zの供給を現像手段
(現像器7)から行うことで、簡略な構成で帯電清掃部
材の汚染を防止しでき、画像形成装置のより一層の小型
化・低価格化を実現できた。
【0189】また、本実施の形態の画像形成装置では、
画像形成装置本体の構成要素のうち、比較的消耗の激し
い像担持体(感光ドラム1)と帯電清掃部材(帯電清掃
ローラ2)、そして現像剤T´を含む現像手段(現像
器)7とを一体化し、画像形成装置本体に着脱可能なプ
ロセスカートリッジとした。したがって、トナー補給や
寿命を過ぎた像担持体(感光ドラム1)の交換等、種々
のメンテナンス作業に係る使用者の労力を軽減し、簡単
な操作で安定した出力画像が得られるようになった。
【0190】なお、帯電清掃ローラ2の表面に清掃補助
粒子zをあらかじめ担持させておくことで、プロセスカ
ートリッジ使用初期より、直接帯電性能を支障なく発揮
させることが可能である。
【0191】<実施の形態3>図12に、本実施の形態
に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置
は、タンデム方式の4色フルカラーの画像形成装置であ
り、同図はその概略構成を示す縦断面図である。
【0192】同図に示す画像形成装置は、複数の像担持
体とこれら像担持体をそれぞれ帯電する複数の帯電手段
と、各像担持体の帯電面に形成された静電潜像を複数の
トナーでそれぞれ現像して各色のトナー像を形成する複
数の現像手段と、複数色のトナー像を被転写体に順次転
写する複数の転写手段とを備えるカラー画像形成装置で
あって、上述の各帯電手段の少なくとも一つが、像担持
体と接触部を形成する可撓性の帯電清掃部材により像担
持体表面を帯電する接触帯電装置であり、少なくとも接
触帯電手段と像担持体の接触部には清掃補助粒子が介在
し、少なくとも画像形成時に直流電圧にピーク間電圧が
帯電電位収束電圧未満の範囲である交流電圧が重畳して
印加される。
【0193】また、画像形成装置本体が設置される環境
条件を検知する環境検知手段と、この環境検知手段によ
って得られた情報に基づいて、帯電手段に印加される交
流電圧におけるピーク間電圧の値を変化させるように制
御を行う制御手段(いずれも不図示)とを具備すること
を特徴する。
【0194】さらに本実施の形態の画像形成装置では、
画像形成手段として、像担持体である感光ドラム30
a,30b,30c,30d、帯電手段31a,31
b,31c,31d、現像手段33a,33b,33
c,33dとをそれぞれ一体化して、図12に示すよう
なプロセスカートリッジ34a,34b,34c,34
dの形態をなしている。これらプロセスカートリッジ
は、主要部品の交換を容易にし、ユーザによるメンテナ
ンスの向上を図っている。
【0195】図12中の符号Y,M,C,Bkは、それ
ぞれ異なる色の画像を形成する画像形成手段であり、Y
はイエロートナーにより、Mはマゼンタトナーにより、
Cはシアントナーにより、Bkはブラックトナーにより
画像形成を行う。ここで、Y,M,C,Bkの現像手段
33a,33b,33c,33dは、現像器内にそれぞ
れ異なる色のトナーが内包されている点を除いては、い
ずれも同様な構成である。
【0196】以下、画像形成動作の詳細について説明す
る。
【0197】各帯電手段31a,31b,31c,31
dにより均一に帯電された感光ドラム30a,30b,
30c,30d表面に、パーソナルコンピュータ等のホ
ストからの画像データに応じて変調されたレーザビーム
が露光手段32a,32b,32c,32dから照射さ
れ、各色に対して所望の静電潜像が得られる。この静電
潜像は、これと対向して配設されている各色のトナーを
内包した現像器である現像手段33a,33b,33
c,33dにより、現像部位で反転現像されトナー像と
して可視化される。
【0198】図12では、まず1色目のイエローの画像
形成手段Yにおいて、感光ドラム30a上にイエロート
ナー像が形成されるが、この間に給紙カセット等の転写
材収納部39から、給紙ローラ等の給紙手段により被転
写材として転写材Pが給紙され、レジストローラ対38
へと搬送される。転写材Pは、レジストローラ対38で
一旦停止後、駆動ローラ36aと従動ローラ36bに懸
架された静電搬送ベルト36に吸着ローラ(不図示)よ
って所定のタイミングにより吸着・搬送され、転写ロー
ラ35aとのニップ部で転写される。
【0199】次いで、2,3,4色目の画像形成手段
M,C,Bkにおいて、画像形成手段Yと同様な工程を
経て、各色のトナー像が各感光ドラム30b,30c,
30dから順次転写材P上に多重転写され、カラートナ
ー像が形成される。
【0200】この転写材P上に転写されたカラートナー
像は、定着装置等の定着手段37によって溶融定着さ
れ、転写材P上に永久定着され、排紙部からフェイスア
ップの向きで排紙トレイに排出され、所望のカラープリ
ント画像が得られる。
【0201】個々のプロセスカートリッジを構成する部
材は、上述の実施の形態2で説明した画像形成装置と同
一であり、各部材に印加される電圧の制御も実施の形態
2の画像形成装置と同様に行われる。
【0202】本実施の形態の画像形成装置では、実施の
形態1,2で説明したように直接帯電方式の接触帯電清
掃部材を用いることで簡易な構成により、安定的なクリ
ーナレスシステムの実現が可能となる。
【0203】また、環境検知手段(温湿度センサ)によ
り得られた情報に基づいて、帯電清掃部材に印加する交
流電圧におけるピーク間電圧の値を、可能な限り帯電性
を高められるように低温低湿環境下では大きく、高温高
湿環境下では帯電ムラを生じにくくするために小さくす
るように制御を行うことで、それぞれの環境下で発生す
る「象肌」や感光ドラムゴーストを抑制することができ
た。
【0204】したがって、いずれの環境条件下において
も、充分に感光ドラム表面の帯電を行え、かつ帯電清掃
部材からトナーを吐き出すのに好適な交番電界を形成す
ることが可能となり、帯電清掃部材の汚染を防止して長
期にわたり安定した帯電性を得ることができた。
【0205】<実施の形態4>次に、実施の形態4とし
て、タンデム方式のフルカラー画像形成装置において、
被転写材として中間転写ベルトを用いた構成を図13を
用いて説明する。
【0206】図13に示す画像形成装置も、画像形成装
置本体が設置される環境条件を検知する環境検知手段
(不図示)と、この環境検知手段によって得られた情報
に基づいて、帯電手段に印加される交流電圧におけるピ
ーク間電圧の値を変化させるように制御を行う制御手段
(不図示)とを具備している。
【0207】以下、画像形成動作の詳細について説明す
る。
【0208】本実施の形態で用いる感光ドラム(像担持
体)30a,30b,30c,30d、帯電清掃ローラ
(帯電清掃部材)31a,31b,31c,31d、露
光手段32a,32b,32c,32d、現像器(現像
手段)33a,33b,33c,33dの画像形成プロ
セスにおける作用は、すべて前述の実施の形態1の画像
形成装置におけるものと同様であり、所定の過程を経て
感光ドラム30a,30b,30c,30d表面にトナ
ー像が形成される。
【0209】一方、被転写材としての中間転写ベルト3
6は、4つの感光ドラム30a,30b,30c,30
dのすべてに対し当接するように配置される。
【0210】この際、以下に示す一次転写ローラ35が
中間転写ベルト36に当接されていない状態で、中間転
写ベルト36と感光ドラム30a,30b,30c,3
0dで形成されるニップ部が、各々0.5mm以上とな
るように設定を行った。
【0211】中間転写ベルト36は駆動ローラ36a、
従動ローラ36b、及び二次転写対向ローラ41の三本
のローラにより支持されており、適当なテンションが維
持されるようになっている。駆動ローラ36aを駆動さ
せることにより中間転写ベルト36は感光ドラム30
a,30b,30c,30dの回転方向(矢印方向)に
対して順方向に略同速度で移動する。
【0212】なお、中間転写ベルト36としては、例え
ば厚さ50〜300μm、体積抵抗率10〜1016
Ω・cm程度のPVdF(ポリフッ化ビニリデン)、ポ
リアミド、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)、ポリカーボネート等の樹脂材料や厚さ0.5
〜2mm、体積抵抗率10〜1016Ω・cm程度の
クロロプレーンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン
−ジエン三元共重合体)、NBR(ニトリルブタジエン
ゴム)、ウレタンゴム等のゴム材料が用いられる。ま
た、場合によっては、これらの材料にカーボン、Zn
O、SnO、TiO等の導電性充填材を分散させ
て、体積抵抗率を10〜1011Ω・cm程度に調節
することもある。さらに、画像形成装置の本体レイアウ
トに応じ、中間転写ベルト36を二本のローラによって
懸架した構成を採って簡略化することや、中間転写ベル
ト36に代え、シリンダー周面に機能性層を形成した中
間転写ドラムを中間転写体として用いることも可能であ
る。
【0213】次に、中間転写ベルト36の裏面におけ
る、感光ドラム30a,30b,30c,30dとの対
向部に、それぞれの感光ドラム30a,30b,30
c,30dに対応させて一次転写ローラ35を当接配置
する。一次転写ローラ35についての詳細は後述する。
【0214】トナー像の中間転写ベルト36への一次転
写に際しては、それぞれの一次転写ローラ35に独立で
適当な正のDCバイアスを印加するようにする。
【0215】各色の一次転写位置間の距離に応じて、各
色毎、一定のタイミングでコントローラからの書き出し
信号を遅らせながら、露光による静電潜像を各感光ドラ
ム30a,30b,30c,30d上に形成し、これら
を一次転写ローラ35の作用により、順に中間転写ベル
ト36に一次転写していき、中間転写ベルト36上に多
重画像が形成される。
【0216】その後、中間転写ベルト36の裏面より当
接配置された二次転写対向ローラ41に対向し、中間転
写ベルト36表面(像担持面)に当接配置された二次転
写ローラ40にトナーと逆極性の二次転写バイアスの印
加を行う。この際、露光による静電潜像の作像に合わせ
て給紙カセット39やマルチフィーダ(不図示)から給
紙された転写材Pが、中間転写ベルト36と二次転写ロ
ーラ40の間を通過することにより、中間転写ベルト3
6上に担持された4色の多重トナー像は一括して転写材
P表面に二次転写される。
【0217】なお、二次転写ローラ40としては例えば
金属の芯金を体積抵抗率を106〜 Ω・cmに調整し
たEPDM、ウレタンゴム、CR、NBR等の弾性体で
覆った構成を用いることができる。
【0218】また、二次転写ローラ40は、各々の感光
ドラム30a,30b,30c,30dに対して、5〜
15g/cm程度の線圧で当接させ、かつ中間転写ベル
ト36の移動方向に対して順方向にほぼ等速度で回転す
るように配置した。
【0219】一方、二次転写を終えた後、中間転写ベル
ト36上に残留した転写残トナーと、転写材Pが搬送さ
れることによって発生する紙粉は、中間転写ベルト36
に当接配置されたベルトクリーニング手段42により、
その表面から除去・回収される。なお、本実施の形態の
画像形成装置ではベルトクリーニング手段42として中
間転写体36表面に当接配置したブラシローラを用いた
が、例えばウレタンゴム等で形成された弾性を有するク
リーニングブレード等を用いることもでき、さらに中間
転写ベルト36表面の移動方向に関して上流側にクリー
ニングブレードを、下流側にブラシローラを配置するこ
とによりクリーニング効率をより一層高めることも可能
である。
【0220】二次転写終了後の転写材Pは、定着手段4
3へと搬送され、トナー像の定着を受けて画像形成物
(プリント、コピー)として画像形成装置本体外へと排
出される。
【0221】なお、ベルトクリーニング手段42による
清掃で紙粉等が、転写材Pや中間転写ベルト36等の被
転写体から除去しきれずに残存し、その紙粉が感光ドラ
ム30a,30b,30c,30dに取り込まれて付着
すると、画像流れが発生することがある。
【0222】また、画像形成プロセスを経るに従い、画
像形成プロセスの上流側に配置された画像形成手段によ
り中間転写ベルト36上に一次転写されたトナー像が、
下流側に配置された画像形成手段で各々の色の画像形成
手段に搭載された感光ドラムに接触する。その際、各々
の感光ドラムに、上流側に位置する画像形成手段で用い
られる色のトナーが付着することがある。いわゆる再転
写が起こることがある。
【0223】前述のように、画像形成プロセス下流側に
配置された画像形成手段で感光ドラムに付着したトナー
は、各々異なった色の現像器に回収されて再利用される
ことになり、出力画像において混色による画像欠陥が生
じる。この傾向は、より画像形成プロセスの下流側に位
置する色の画像形成手段で、顕著に現れる。
【0224】本発明の画像形成装置では、前述のような
画像欠陥の影響を抑えるため、各々の色に係る画像形成
手段の配置を、Y→M→C→Bkの順とした。イエロー
トナーは他色のトナーと比較して視感度が低いため、1
色目の画像形成手段をイエローとすることで、実際に得
られる出力画像において前述のような画像欠陥が視認し
難くなる。
【0225】したがって、前述のとおり本実施の形態の
画像画像形成装置では、1色目にイエローの画像形成手
段を配置することで、出力画像に画像欠陥が生じた場合
の影響を最小限に抑えることができた。
【0226】以上述べたように、中間転写体(中間転写
ベルト36)を用いた本実施の形態の画像形成装置で
は、感光ドラム30a,30b,30c,30d表面か
らトナー像を中間転写体に一次転写する際の転写効率
が、転写材Pの材質や厚み、抵抗等の違いによらずほぼ
一定である。
【0227】また、様々な環境下において安定して高い
転写効率を得ることができるため、感光ドラム表面に残
留し現像手段で回収される転写残トナーの量はほぼ一定
となり、またその絶対量も減少する。したがって、感光
ドラム表面に対して直接注入帯電を行い、現像器で転写
残トナーを回収するトナーリサイクルプロセスが常によ
り安定した状態で効率良く行われる。
【0228】また、転写材Pに転写されなかった二次転
写残トナーや、ベルトクリーニング手段によって除去さ
れるため、紙粉が直接、感光ドラム30a,30b,3
0c,30dに付着して、帯電手段31a,31b,3
1c,31dや現像手段33a,33b,33c,33
dに流入して、画像形成装置により出力される画像の品
位を悪化することを防止できる。
【0229】以上の点で、中間転写体を用いた本実施形
態の画像形成装置は、静電搬送ベルト方式を採用した画
像形成装置に比較し、装置の安定化を図る上でより一層
有利となる。
【0230】さらに、本実施の形態に係る画像形成装置
においては、画像形成手段における帯電清掃部材の最表
面が多孔質状からなり、像担持体に対して周速差を持っ
て当接され、帯電清掃部材には交流電圧と直流電圧が重
畳して印加される。そして、現像手段は像担持体に当接
した状態で現像同時クリーニングを行うクリーナレスシ
ステムを有する。その結果、複数の画像形成手段を有す
る画像形成装置においても、直接帯電(注入帯電)方式
によりトナーの逆帯電を防止しつつ、トナーを帯電清掃
部材から吐き出し、接触して現像同時クリーニングを行
うことで、長期にわたってかぶりの少ないカラー画像を
維持することが可能であった。
【0231】また、環境検知手段により得られた情報に
基づいて、帯電清掃部材に印加する交流電圧におけるピ
ーク間電圧の値を、可能な限り帯電性を高められるよう
に低温低湿環境下では大きく、高温高湿環境下では帯電
ムラを生じにくくするために小さくするように制御を行
うことで、それぞれの環境下で発生する「象肌」や感光
ドラムゴーストを抑止することができた。
【0232】したがって、いずれの環境条件下において
も、充分に像担持体表面の帯電を行え、かつ帯電清掃部
材からトナーを吐き出すのに好適な交番電界を形成する
ことが可能となり、帯電清掃部材の汚染を防止して長期
にわたり安定した帯電性を得ることができた。
【0233】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
像担持体上から効率良く転写残トナーを掻き取り、かつ
帯電清掃部材からもトナーの吐き出しを促進することが
できるため、安定して良好な帯電性が得られるようにな
った。
【0234】さらに前述の効果に加え、環境検知手段に
より得られた情報に基づいて、帯電清掃部材に印加する
交流電圧におけるピーク間電圧の値を、可能な限り帯電
性を高められるように低温低湿環境下では大きく、高温
高湿環境下では帯電ムラを生じにくくするために小さく
するように制御を行うことで、それぞれの環境下で発生
する「象肌」や感光ドラムゴーストを抑止することがで
きる。
【0235】したがって、いずれの環境条件下において
も、充分に像担持体表面の帯電を行え、かつ帯電清掃部
材からトナーを吐き出すのに好適な交番電界を形成する
ことが可能となり、帯電清掃部材の汚染を防止して長期
にわたり安定した帯電性を得ることができる。
【0236】また、像担持体に接触して現像同時クリー
ニングを行うことで、帯電電位の振れに影響されずに、
長期にわたってかぶりの少ない、高品位な出力画像を得
ることが可能となった。
【0237】そして、従来の主に放電作用を利用した帯
電方式を用いた画像形成装置に比較し、直接帯電作用が
支配的になるように構成したので、直流電圧に交流電圧
を重畳した電圧を印加していながら、帯電手段からのオ
ゾンの発生を飛躍的に低減できるようになった。
【0238】さらに、簡易な構成により像担持体のクリ
ーナレスシステムを実現することができ、装置の大幅な
小型化やトナーの再利用を図ることができる。
【0239】また、本発明における帯電方式をカラー画
像形成装置に応用することで、カラー画像形成装置にお
いても簡易な構成でクリーナレス構成を実現し、その小
型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を示す
縦断面図である。
【図2】環境検知手段を用いたAC印加電圧の制御を説
明するフローチャートである。
【図3】現像同時クリーニングを説明する模式図であ
る。
【図4】トナーの形状係数SF1を説明する図である。
【図5】トナーの形状係数SF2を説明する図である。
【図6】帯電バイアスとして直流電圧に交流電圧を重畳
して印加する場合の帯電性を示す図である。
【図7】帯電バイアスとして直流電圧のみを印加する場
合の帯電性を示す図である。
【図8】非接触現像(ジャンピング現像)と接触現像と
における画像のかぶりの違いを示す図である。
【図9】耐久に用いる画像パターンとして選択した、縦
帯Bと余白Wとを組み合わせたパターンを示す図であ
る。
【図10】比較例1の画像形成装置の概略構成を示す縦
断面図である。
【図11】実施の形態2の画像形成装置の概略構成を示
す縦断面図である。
【図12】実施の形態3の画像形成装置の概略構成を示
す縦断面図である。
【図13】実施の形態4の画像形成装置の概略構成を示
す縦断面図である。
【図14】交流電圧のピーク間電圧Vppと帯電効率と
の関係を模式的に示した図である。
【図15】前述の温湿度測定情報を受けた制御手段(C
PU)4の、あらかじめ記憶部に記憶されている、温度
と湿度についての制御マトリックスを示す図である。
【図16】常温常湿環境下における、実施の形態1、比
較例1、比較例2の100枚、500枚、1000枚の
画像形成終了時の象肌及びゴーストを評価した図であ
る。
【図17】低温低湿環境下における、実施の形態1、比
較例1、比較例2の100枚、500枚、1000枚の
画像形成終了時の象肌及びゴーストを評価した図であ
る。
【図18】高温高湿環境下における、実施の形態1、比
較例1、比較例2の100枚、500枚、1000枚の
画像形成終了時の象肌及びゴーストを評価した図であ
る。
【符号の説明】
1 像担持体(感光ドラム) 2 帯電清掃部材(帯電清掃ローラ,放電用ロ
ーラ) 3 環境検知手段(温湿度センサ,温湿度検知
器) 4 制御手段 5 記憶部(記憶手段) 7 現像手段(現像器) 30a,30b,30c,30d像担持体(感光ドラ
ム) 31a,31b,31c,31d帯電手段(帯電清掃部
材) 32a,32b,32c,32d露光手段 33a,33b,33c,33d現像手段 36 被転写材(中間転写体、中間転写ベルト,
静電搬送ベルト) A1 帯電バイアス印加電源 n 接触部(帯電ニップ部) P 被転写材(転写材) z 清掃補助粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507 G03G 21/00 2H200 21/00 15/08 507B Fターム(参考) 2H005 AA15 AA21 EA10 FA07 2H027 DA11 DA14 DE07 EA01 EC06 ED03 2H030 AA04 AD01 AD02 AD03 AD17 BB02 BB23 BB34 BB42 BB43 BB46 2H077 AA37 AC04 AC16 AD13 AD35 AE03 EA14 EA15 FA13 GA14 GA17 2H134 GA01 HF13 KG03 KG07 KG08 KH01 KH17 KJ02 2H200 FA01 FA18 GA16 GA23 GA34 GA46 GA47 GA52 GA56 GA59 GB25 GB37 HA03 HA21 HA29 HA30 HB12 HB17 HB22 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JA25 JA28 JC04 JC15 JC16 JC18 LB02 LB12 LB35 LC03 MA03 MA04 MA05 MA20 MB04 MB06 MC02 NA02 NA03 NA06 PA03 PB27 PB28

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体表面を帯電し、露光して静電潜
    像を形成し、前記静電潜像をトナーによって現像し、現
    像によって前記像担持体表面に形成されたトナー像を被
    転写材に転写し、トナー像転写後に前記像担持体表面に
    残ったトナーを現像手段によって回収する画像形成装置
    において、 前記像担持体表面に接触する外周面が多孔質状に形成さ
    れた可撓性の帯電清掃部材と、前記帯電清掃部材に少な
    くとも画像形成時には直流電圧とピーク間電圧が帯電電
    位収束電圧未満の交流電圧とが重畳された帯電バイアス
    を印加する帯電バイアス印加電源と、を有する帯電手段
    と、 前記像担持体と前記帯電清掃部材との接触部に介在され
    た清掃補助粒子と、 前記帯電バイアス印加電源を制御する制御手段と、 画像形成装置本体が設置された環境を検知する環境検知
    手段と、を備え、 前記制御手段は、前記帯電バイアス印加電源が前記帯電
    清掃部材に印加する帯電バイアスのうちの交流電圧にお
    けるピーク間電圧を、前記環境検知手段が検知した環境
    についての情報に基づいて制御する、 ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 像担持体表面を帯電し、露光して静電潜
    像を形成し、前記静電潜像をトナーによって現像し、現
    像によって前記像担持体表面に形成されたトナー像を被
    転写材に転写し、トナー像転写後に前記像担持体表面に
    残った残留トナーを現像手段によって回収する画像形成
    装置において、 前記像担持体表面に接触する外周面が多孔質状に形成さ
    れた可撓性の帯電清掃部材と、前記帯電清掃部材に少な
    くとも画像形成時には直流電圧とピーク間電圧が帯電電
    位収束電圧未満の交流電圧とが重畳された帯電バイアス
    を印加する帯電バイアス印加電源と、を有する帯電手段
    と、 前記像担持体と前記帯電清掃部材との接触部に介在され
    た清掃補助粒子と、 前記帯電バイアス印加電源を制御する制御手段と、 画像形成装置本体が設置された環境を検知する環境検知
    手段と、を備え、 前記帯電清掃部材は、前記転写残トナーを前記像担持体
    表面から剥ぎ取って前記像担持体表面を所定の電位に帯
    電するとともに、前記像担持体の回転方向下流側に吐き
    出す帯電清掃部材であり、 前記制御手段は、前記帯電バイアス印加電源が前記帯電
    清掃部材に印加する帯電バイアスのうちの交流電圧にお
    けるピーク間電圧を、前記環境検知手段が検知した環境
    についての情報に基づいて制御する、 ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記帯電バイアス印加
    電源が前記帯電清掃部材に印加する交流電圧のピーク間
    電圧を、500V以上でかつ帯電電位収束電圧未満の範
    囲で変化させる、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記清掃補助粒子は、粒径が0.1〜3
    μm以下であり、抵抗が1012Ω・cm以下である、 ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記像担持体と前記帯電清掃部材との接
    触部において、前記像担持体表面と前記帯電清掃部材表
    面とが速度差をもつ、 ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記静電潜像をトナーによって現像する
    現像手段を備え、 前記現像手段は、前記像担持体に接触する現像部材を有
    する、 ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記静電潜像の現像に使用されるトナー
    は、形状係数SF1が100〜150、形状係数SF2
    が100〜140である、 ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記
    載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 複数の像担持体表面を複数の帯電手段に
    よって帯電し、露光によって複数の像担持体表面のそれ
    ぞれに静電潜像を形成し、これら静電潜像をそれぞれ異
    なる色の複数色のトナーによって現像し、現像によって
    前記複数の像担持体表面に形成されたトナー像を被転写
    材に順次に転写する画像形成装置において、 前記像担持体表面に接触する外周面が多孔質状に形成さ
    れた可撓性の帯電清掃部材と、前記帯電清掃部材に少な
    くとも画像形成時には直流電圧とピーク間電圧が帯電電
    位収束電圧未満の交流電圧とが重畳された帯電バイアス
    を印加する帯電バイアス印加電源と、を有する少なくと
    も1つの帯電手段と、 前記像担持体と前記帯電清掃部材との接触部に介在され
    た清掃補助粒子と、 前記帯電バイアス印加電源を制御する制御手段と、 画像形成装置本体が設置された環境を検知する環境検知
    手段と、を備え、 前記制御手段は、前記帯電バイアス印加電源が前記帯電
    清掃部材に印加する帯電バイアスのうちの交流電圧にお
    けるピーク間電圧を、前記環境検知手段が検知した環境
    についての情報に基づいて制御する、 ことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記被転写材が、被記録媒体としての転
    写材である、 ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記被転写材が、中間転写体である、 ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の像担持体のうち、画像形成
    の際にはじめにトナー像が形成される像担持体には、前
    記複数色のトナーのうちの最も視感度の低い色のトナー
    によってトナー像が形成される、 ことを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 少なくとも像担持体と帯電手段とを一
    体に構成し、画像形成装置本体に対して着脱自在に装着
    されるプロセスカートリッジにおいて、 前記帯電手段が、請求項1ないし11のいずれかに記載
    の帯電手段である、 ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
JP2002045014A 2002-02-21 2002-02-21 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Pending JP2003241487A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002045014A JP2003241487A (ja) 2002-02-21 2002-02-21 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002045014A JP2003241487A (ja) 2002-02-21 2002-02-21 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003241487A true JP2003241487A (ja) 2003-08-27

Family

ID=27784161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002045014A Pending JP2003241487A (ja) 2002-02-21 2002-02-21 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003241487A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009116096A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Canon Inc 画像形成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009116096A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Canon Inc 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4708924B2 (ja) 画像形成装置
JP5053602B2 (ja) 画像形成装置
JP2001194951A (ja) 画像形成装置
JP4935106B2 (ja) 画像形成装置及び像担持体のメンテナンス方法
JP2002082517A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP4208513B2 (ja) 画像形成装置
JP5121216B2 (ja) 画像形成装置
JP2002229308A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009058732A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2001337548A (ja) 画像形成装置
JP2008276083A (ja) 画像形成方法、画像形成装置
JP5268328B2 (ja) 画像形成装置
JP2002049232A (ja) 画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP2001249511A (ja) カラー画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2006227262A (ja) 電子写真画像形成装置
JP2007322634A (ja) 画像形成装置
JP2003241487A (ja) 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
US7398032B2 (en) Image forming apparatus featuring first and second cleaners operable on the basis of an interval of an image forming process during a continuous image forming process
JP3870107B2 (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP6946497B2 (ja) 画像形成装置
JP2003207997A (ja) 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2012103307A (ja) 画像形成装置
US7155135B2 (en) Image forming apparatus with mode having prolonged rotation time of image bearing member at non-image forming time
JP2004341193A (ja) 画像記録装置
JP2006171358A (ja) 画像形成装置