以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としての4サイクル方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。また、このカラー画像形成装置は、画像読取装置を備えており、フルカラー複写機やファクシミリとして機能するとともに、図示しないパーソナルコンピュータ等から出力される画像データに基づいて画像を形成するプリンタとしても機能する。なお、上記画像形成装置としては、画像読取装置を備えていなくとも良いことは勿論である。
図2において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部には、原稿2を1枚ずつ分離した状態で画像読取装置4へと自動的に搬送する自動原稿搬送装置3と、当該自動原稿搬送装置3によって搬送される原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配置されている。この画像読取装置4は、プラテンガラス5上に配置された原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像をフルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光して、この画像読取素子11によって原稿2の色材反射光像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の反射率データに対して、必要に応じてシェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施され、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換される。
そして、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色に対応した画像データとして画像露光装置13に順次送られ、この画像露光装置13では、画像データに応じてレーザー光による画像露光が行われる。なお、上記画像形成装置は、プリンタとしても機能するように構成されており、当該画像形成装置がプリンタとして機能する場合には、画像処理装置12にパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータから画像データが入力され、当該画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された後、画像露光装置13に4色に対応した画像データが順次出力される。
上記画像形成装置本体1の内部には、色の異なる複数のトナー像を順次形成することが可能な画像形成手段としての画像形成部100が配置されている。この画像形成部100は、大別として、トナー像を保持する像保持体としての感光体ドラム17と、感光体ドラム17の表面を予め定められた電位に帯電する帯電手段の一例としてのグリッド電極を有するコロナ帯電装置であるスコロトロン帯電装置18と、感光体ドラム17の表面に画像露光を施すことにより画像データに応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段としての画像露光装置13と、前記感光体ドラム17の表面に形成された静電潜像を互いに色の異なる複数のトナーによって順次現像して互いに色の異なる複数のトナー像を形成可能な現像手段としての回転式の現像装置19と、感光体ドラム17の表面を清掃する清掃手段としてのクリーニング装置20とを備えている。
上記画像露光装置13は、図2に示すように、図示しない半導体レーザーを画像データに応じて変調し、この半導体レーザーからレーザー光LBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザーから出射されたレーザー光LBは、回転多面鏡14によって偏向走査され、f・θレンズ15及び反射ミラー16を介して像保持体としての感光体ドラム17の表面に走査露光される。
上記画像露光装置13によってレーザー光LBが走査露光される感光体ドラム17は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される。この感光体ドラム17としては、例えば、当該感光体ドラム17を長寿命化するために、感光体ドラム17の表面を硬度が相対的に高い硬質の保護層で被覆したものが用いられる。上記感光体ドラム17として表面に保護層を有するものを用いた場合には、感光体ドラム17表面の保護層の硬度が相対的に高いため耐摩耗性に優れており、クリーニング装置20のクリーニングブレード等による摺擦に対しても摩耗し難い特徴を有している。
この感光体ドラム17の表面は、一次帯電用のスコロトロン帯電装置18によって予め定められた極性(例えば、負極性)及び電位に帯電された後、画像データに応じてレーザー光LBが走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム17上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の現像器19Y、19M、19C、19Kを回転可能に備えた回転式の現像装置19のうち、いずれか1つの現像器19Y、19M、19C、19Kによって、例えば、感光体ドラム17の帯電極性と同極性の負極性に帯電したトナーによって反転現像され、予め定められた色のトナー像となる。なお、上記回転式の現像装置19としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の現像器19Y、19M、19C、19K以外に、透明トナー(CT)や濃度の淡いマゼンタ(LM)、濃度の淡いシアン(LC)などに対応した現像器19#1、19#2が、2つまで予備として装着可能となっている。
上記感光体ドラム17上に順次形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)等の各色のトナー像は、図2に示すように、当該感光体ドラム17の下部に配置された中間転写体としての無端状のベルトからなる中間転写ベルト21上に、一次転写手段としての一次転写ロール22によって多重に一次転写される。この中間転写ベルト21は、駆動ロール23、第1の従動ロール24a、第2の従動ロール24b、張力付与ロール24c、第3の従動ロール24d及び二次転写手段の一部を構成する対向ロール25によって張り渡されており、感光体ドラム17の回転速度と略等しい速度で矢印方向に沿って回転駆動される。
上記中間転写ベルト21上には、形成する画像の色に応じて、感光体ドラム17上に順次形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のすべて又は一部の色のトナー像が、一次転写ロール22によって順次重ね合わせた状態で転写される。この中間転写ベルト21上に転写されたトナー像は、予め定められたタイミングで二次転写位置へと搬送される記録媒体としての記録用紙26上に、中間転写ベルト21を支持する対向ロール25と、当該対向ロール25に圧接する二次転写手段としての二次転写ロール27によって一括して二次転写される。上記記録用紙26は、図2に示すように、画像形成装置本体1内の下部に配置された複数の給紙カセット28、29、30のうちの何れかから、所望のサイズ及び材質のものが給紙ロール28a、29a、30aによって給紙される。給紙された記録用紙26は、複数の搬送ロール31、32及びレジストロール33によって、予め定められたタイミングで中間転写ベルト21の二次転写位置まで搬送される。そして、上記記録用紙26には、上述したように、二次転写手段としての対向ロール25と二次転写ロール27によって、中間転写ベルト21上から予め定められた数色のトナー像が一括して二次転写される。
また、上記中間転写ベルト21上から予め定められた数色のトナー像が二次転写された記録用紙26は、中間転写ベルト21から分離された後、搬送ベルト34によって定着装置35へと搬送され、この定着装置35によって熱及び圧力で未定着トナー像が記録用紙26上に定着され、片面複写の場合には、排出ロール36によってそのまま排紙トレイ37上に排出されてカラー画像やモノクロ画像等の画像形成工程が終了する。
一方、両面複写の場合には、第1面(表面)にカラー画像等が形成された記録用紙26を、そのまま排紙トレイ37上に排出せずに、図示しない反転ゲートによって下向きに搬送方向が変更され、搬送ロール38及び反転ロール39によって反転通路40へと一旦搬送される。そして、上記記録用紙26は、今度は逆転する反転ロール39によって両面用通路41へと搬送され、この両面用通路41に設けられた搬送ロール42によってレジストロール33まで一旦搬送される。記録用紙26は、中間転写ベルト21上のトナー像と同期してレジストロール33によって再度搬送され、当該記録用紙26の第2面(裏面)に対してトナー像の転写・定着工程が行われた後、排出トレイ37上に排出される。
なお、図2中、43は所望のサイズ及び材質の記録用紙26を手差しで給紙する手差しトレイを示している。
この実施の形態では、図2に示すように、画像形成装置本体1内の手差しトレイ43の近傍に、画像形成装置が設置された環境の湿度を検知する湿度センサ45が配置されている。
図1は上記画像形成装置の画像形成部100を示す構成図である。
この画像形成装置では、上述したように、感光体ドラム17の表面が一次帯電用のスコロトロン帯電装置18によって予め定められた極性及び電位に一様に帯電された後、当該感光体ドラム17の表面には、画像露光装置13によって順次予め定められた色に対応した画像が露光され、静電潜像が形成される。
上記スコロトロン帯電装置18は、図1に示すように、放電シールド181の内部に2本の放電ワイヤー182が感光体ドラム17の軸方向に沿って張り渡されているとともに、放電シールド181の感光体ドラム17側に位置する開口部183には、感光体ドラム17の帯電電位を制御するグリッド電極184が配置されている。また、上記スコロトロン帯電装置18の2本の放電ワイヤー182には、高圧電源回路185によって交流の高電圧が定電流制御されて印加されるとともに、グリッド電極184には、予め定められた直流の高電圧が印加されている。
そして、上記スコロトロン帯電装置18は、放電ワイヤー181に交流の高電圧を印加することによってコロナ放電を発生させ、当該コロナ放電によって発生する荷電粒子によって感光体ドラム17の表面を帯電するように構成されている。その際、上記スコロトロン帯電装置18では、グリッド電極184に印加される直流の高電圧によって、感光体ドラム17表面の帯電電位が予め定められた電位となるように制御される。
ところで、上記スコロトロン帯電装置18では、コロナ放電に伴ってNOxやオゾン等の放電生成物が発生する。そこで、上記画像形成装置では、図1及び図4に示すように、スコロトロン帯電装置18の放電シールド181の背面側に設けられた開口部186から吸気ファン187及び吸気ダクト188を介して外部の空気が供給されるとともに、感光体ドラム17の回転方向下流側に配置された排気ダクト189から排気ファン190によって排気することにより、NOxやオゾン等の放電生成物を機外に排出するように構成されている。なお、図4中、187a、190aはフィルターをそれぞれ示している。
上記吸気ファン187及び排気ファン190は、例えば、画像形成時、及び画像形成動作が終了してから予め定められた時間にわたって駆動される。
そして、上記の如く感光体ドラム17の表面に各色に対応して形成された静電潜像は、図1に示すように、対応する色の現像器19Y、19M、19C、19Kによって現像され、当該感光体ドラム17の表面には、予め定められた色のトナー像Tが形成される。
上記回転式の現像装置19には、図1に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器19Y、19M、19C、19Kが周方向に沿って配置されており、回転軸197を中心にして矢印方向に沿って回転することにより、対応する色の現像器19Y、19M、19C、19Kの現像ロール196が感光体ドラム17と対向する現像位置へと移動して停止し、所望の色のトナーによって感光体ドラム17の表面に形成された静電潜像を現像するように構成されている。
上記現像器19Y、19M、19C、19Kとしては、図1に示すように、例えば、現像装置本体191の内部にトナーとキャリアとからなる二成分の現像剤192を収容した二成分方式の現像装置が用いられる。上記現像装置本体191の内部には、予め定められたタイミングでトナーカートリッジ193Y〜193K(図2参照)からトナーが補給され、現像装置本体191内のトナー濃度を予め定められた範囲内に維持するように構成されている。また、上記現像装置本体191の内部に供給されたトナーは、2本の現像剤攪拌搬送用のオーガ194、195によって現像装置本体191内の現像剤192と攪拌されて摩擦帯電され、循環移動する間に現像ロール196へ供給されるとともに、当該現像ロール196の表面に形成された現像剤192の磁気ブラシとして感光体ドラム17の表面と対向する現像領域へと搬送され、感光体ドラム17の表面に形成された静電潜像の現像に供される。
例えば、上記感光体ドラム17上に形成された静電潜像がイエロー色に対応したものであれば、この静電潜像は、イエロー色の現像器19Yによって現像され、感光体ドラム17上には、イエロー色のトナー像Tが形成される。また、他のマゼンタ色、シアン色、ブラック色についても、同様のプロセスによって対応する色のトナー像Tが、感光体ドラム17上に順次形成される。
上記感光体ドラム17上に順次形成された各色のトナー像Tは、感光体ドラム17と中間転写ベルト21とが接触する一次転写位置において、感光体ドラム17上から中間転写ベルト21の表面に一次転写される。この一次転写位置には、中間転写ベルト21の裏面側に一次転写ロール22が配置されており、中間転写ベルト21は、一次転写ロール22によって感光体ドラム17の表面に接触するようになっている。一次転写ロール22には、トナーの帯電極性と逆極性(正極性)の電圧が印加され、感光体ドラム17上に形成されたトナー像Tは、中間転写ベルト21上に一次転写される。
単色の画像を形成する場合は、中間転写ベルト21上に一次転写された予め定められた色のトナー像Tが、二次転写位置において直ちに記録用紙26上に二次転写されるが、複数色のトナー像Tを重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム17上への予め定められた色のトナー像Tの形成、並びにトナー像Tの中間転写ベルト21上への一次転写の工程が、予め定められた色数分だけ繰り返される。
例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のトナー像Tを重ね合わせたフルカラーの画像を形成する場合、感光体ドラム17上には、その一回転毎にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像Tが順次形成され、これらの4色のトナー像は、順次中間転写ベルト21上に重ね合わせた状態で一次転写される。
また、感光体ドラム17から中間転写ベルト21上に一次転写されずに残留したトナーやトナーの外添剤等は、クリーニング前徐電装置44によって徐電された後、クリーニング装置20によって清掃される。クリーニング装置20は、図1に示すように、感光体ドラム17の表面に残留したトナーやトナーの外添剤等の付着物を、クリーニングブラシ201及びクリーニングブレード202によって除去するとともに、搬送オーガ203によって予め定められたタイミングでクリーニング装置20の外部に排出するように構成されている。さらに、クリーニング装置20によって清掃された感光体ドラム17の表面は、徐電ランプ46によって一様に露光されて徐電され、次の画像形成工程に備える。
また、上記中間転写ベルト21は、最初に一次転写された例えばイエロー色の未定着トナー像Tを保持したまま、感光体ドラム17と同期した周期で回転し、当該中間転写ベルト21上には、その一回転毎にマゼンタ色、シアン色及び黒色の未定着トナー像Tが、イエロー色の未定着トナー像Tに順次重ね合わされた状態で転写される。
このようにして中間転写ベルト21に一次転写された未定着トナー像Tは、中間転写ベルト21の回転に伴って、記録用紙26の搬送経路に面した二次転写位置へと搬送される。
そして、この記録用紙26は、図2に示す如く、前述したように、所望の給紙カセット28、29、30から給紙ロール28a、29a、30aによって給紙され、搬送ロール31、32によってレジストロール33まで搬送され、レジストロール33によって所定のタイミングで、二次転写ロール27と中間転写ベルト21との圧接部間に給送される。
また、二次転写位置における中間転写ベルト21の裏面側には、二次転写ロール27の対向電極をなす対向ロール25が配設されている。二次転写位置では、二次転写ロール27が常時中間転写ベルト21に圧接するか、又は、予め定められたタイミングで半導電性の二次転写ロール27が中間転写ベルト21に圧接し、二次転写ロール27にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することにより、中間転写ベルト21上に転写された未定着トナー像Tは、前記二次転写位置において記録用紙26上に二次転写される。
なお、図1中、符号49は、中間転写ベルト21の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置を示しており、このベルトクリーニング装置49は、中間転写ベルト21の表面に対して予め定められたタイミングで接離するように構成されている。
そして、未定着トナー像Tが転写された記録用紙26は、図1に示すように、中間転写ベルト21から剥離され、二次転写部の下流に配置された電極部材47、案内板48および搬送ベルト34によって定着装置35(図2に参照)に送り込まれ、未定着トナー像Tの定着処理がなされる。
上記中間転写ベルト21は、ポリイミド、ポリアミドイミド等の合成樹脂又は各種のゴムに、カーボンブラック等の導電化剤を適当量分散させて、その体積抵抗率が106 〜1014Ω・cmとなるように調整したフィルム状のベルトによって形成されている。この中間転写ベルト21の厚さは、例えば、0.1mmに設定される。なお、上記中間転写ベルト21の周長は、感光体ドラム17の周長の整数倍(例えば、2〜3倍)に設定されている。
また、上記二次転写ロール27は、必要に応じて、中間転写ベルト21と接離可能に配設されており、カラー画像が形成される場合には、最終色の未定着トナー像Tが中間転写ベルト21上に一次転写されるまで、中間転写ベルト21から離間している。
さらに、上記二次転写ロール27は、カーボンを分散したウレタンゴムのチューブからなる表面層と、カーボンを分散した発泡ウレタンゴムからなる内部層とを備えており、当該二次転写ロール27の表面には、フッ素コートが施されている。この二次転写ロール27は、その体積抵抗率が103 〜1010Ω・cmに設定され、ロール径がφ28mmとなるように形成され、硬度は例えば30°(アスカーC硬度)に設定される。
一方、上記背面支持ロール25は、カーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブからなる表面層と、EPDMのゴムからなる内部層とを備えており、その表面抵抗率が107 〜1010Ω/□で、ロール径がφ28mmとなるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC硬度)に設定される。
また、二次転写位置の当接部下流に配置された電極部材47は、導電性の板状部材として板金が好ましく、この実施の形態では厚さ0.5mmのスレンレス鋼板を使用しており、記録用紙26側を針状としたものが用いられている。さらに、上記電極部材47の2次転写領域側の先端は、例えば、背面支持ロール25と二次転写ロール27のニップ部が成す線より1mmだけ二次転写ロール27側で、かつニップ部の出口より7mmだけ離れて配置されている。
ところで、上記の如く構成される画像形成装置では、高湿環境下において、画像形成動作を終了して休止状態に移行すると、スコロトロン帯電装置18からそれまでに発生していたNOx等の放電生成物が、当該スコロトロン帯電装置18の直下に位置する感光体ドラム17の表面に堆積し、当該放電生成物が休止状態の間に吸湿して、次の画像形成時に感光体ドラム17の表面に画像露光が施されて形成された静電潜像の電荷が乱され、画像部が現像されずに白抜けとなる“パーキングディレッション”と呼ばれる画像欠陥が発生する虞れがある。
更に説明すると、スコロトロン帯電装置18の直下に位置する感光体ドラム17の表面には、図4に示すように、スコロトロン帯電装置18から発生した放電生成物61が休止時間と共に堆積し、この感光体ドラム17の表面に堆積した放電生成物61は、高湿環境下で吸湿し易いという特性を有している。この状態で画像形成動作を実施すると、露光した静電潜像が吸湿して導電性を帯びた放電生成物61により電荷移動を起こしてしまい、図4に示すように、局所的に画像露光部の電位VLが維持されず、静電潜像を現像装置19の現像器19Y、19M、19C、19Kによって負極性に帯電したトナーTによって反転現像する際に白抜けとなる。
そこで、この実施の形態に係る画像形成装置では、湿度センサ45の検知結果に基づいて高湿環境であることが判別されると、次の画像形成動作を実行する際に、直前の画像形成動作が終了してからの休止時間に応じて、画像の白抜けが発生するのを防止するための回復動作が実施される。
回復動作は、感光体ドラム17の表面に堆積した放電生成物61を現像装置19から供給されるトナーを用いてクリーニング装置20によって掻き取るための動作である。この回復動作では、図5に示すように、感光体ドラム17の表面に帯状のトナー像からなるトナーバンド60Y、60M、60C、60Kを順次形成し、感光体ドラム17の表面に順次形成されたトナーバンド60Y、60M、60C、60Kを、中間転写ベルト21に一次転写する一次転写ロール22に通電する一次転写電流を切断することにより中間転写ベルト21上に転写することなく、図1に示すように、感光体ドラム17の表面を清掃するクリーニング装置20に供給する。感光体ドラム17の表面に堆積した放電生成物61は、クリーニング装置20に供給されるトナーバンド60Y、60M、60C、60KのトナーTと共に、図6に示すように、クリーニング装置20のクリーニングブラシ201及びクリーニングブレード202によって掻き取られ、その後に実行される画像形成時に感光体ドラム17の表面に白抜けが発生するのが抑制される。画像形成動作が終了した後の休止時間が長ければ長い程、感光体ドラム17の表面に堆積する放電生成物61の量及び放電生成物61の吸湿量が多く、当該放電生成物61が吸湿することによって発生する画像の白抜けは、顕著となる。そのため、休止時間の長さに応じて回復動作を実行する際に供給されるトナーの量や、回復動作を実行する時間を制御することが望ましい。
ところで、回復動作の動作は、図6に示すように、通常の画像形成時よりも清掃するトナーの総量が多く、感光体ドラム17のクリーニング装置20にとっては大きな負荷となる。そのため、トナーよりも粒径が小さいトナーの外添剤がクリーニングブレード202を摺り抜ける量は、通常の画像形成時よりも多い。特に、クリーニングブレード202のエッジ部に欠けや摩耗等の損傷がある場合には、外添剤62だけでなく微量ではあるがトナーTの摺り抜け等も発生する傾向にある。ただし、外添剤62だけでなく微量のトナーTの摺り抜け等は、通常の画質を維持するため試験的にプリントされるプリントサンプルにおいて、筋状の画質低下として検出されない程度のものである。
しかし、これらの摺り抜けトナーTや外添剤62は、図7に示すように、クリーニングブレード202の損傷がある箇所など、クリーニング性が相対的に低い箇所を中心として、感光体ドラム17上のプロセス方向(周方向)に沿って帯状に滞留した状態となる。
そのため、回復動作を一定量以上にわたって続行すると、回復動作中にスコロトロン帯電装置18から発生した放電生成物61が、感光体ドラム17の表面や感光体ドラム17表面に滞留したトナーTや外添剤62に徐々に付着する。その際、トナーTや外添剤62がプロセス方向に沿って帯状に滞留している感光体ドラム17表面では、放電生成物61の濃度が濃くなり、回復動作を実施している際に直ちに吸湿し始める。
したがって、上記画像形成装置では、一定量以上の回復動作を実施した後に、5分程度の僅かな時間でも休止時間が存在すると、感光体ドラム17上に帯状に滞留しているトナーTや外添剤62に付着した放電生成物61が吸湿してしまい、今度はプロセス方向に沿った白ぬけが二次的に発生してしまう。この白抜けは、スコロトロン帯電装置18の直下の位置とは関係なく、感光体ドラム17のプロセス方向に沿った全周にわたって軽微に発生する。また、プロセス方向の白抜けが発生する感光体ドラム17の軸方向に沿った位置は、クリーニングブレード202のエッジ等のクリーニング性が弱いところに対応する傾向がある。このプロセス方向の白抜けは、上述したように、回復動作を実行することによって二次的に引き起こされるものであるため、本来のパーキングデレッションよりも白抜けの程度が軽微であるが、再度、回復動作を実施してもなかなか消滅することが困難である。
そのため、本実施の形態を適用する以前の状態では、本来のパーキングデレッション及び二次的な白抜けを消滅させるために、回復動作を頻繁に実施し、しかも相当長い時間にわたって実施する必要がある。よって、本実施の形態を適用する以前の状態では、画像形成動作を開始するまでの待ち時間が大幅に長くなったり、回復動作に使用されるトナーの消費量が大幅に増加することになる。
そこで、この実施の形態では、設置環境の湿度を検知する湿度検知手段と、画像形成動作が終了してからの休止時間を計測する計時手段と、前記湿度検知手段によって検知された湿度が予め定められた閾値以上である場合に、前記計時手段によって計測された休止時間に応じて実施の可否を判定し、前記像保持体の表面を前記帯電手段によって画像形成時よりも少ない電流値で帯電するとともに、前記現像手段により前記像保持体の表面にトナーを付着させて前記清掃手段により清掃することで、前記像保持体の表面を回復する回復動作を実施する回復手段とを備えるように構成されている。
図8はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置の制御装置200を示すブロック図 である。
図8において、201は画像形成装置の動作を制御する制御手段としてのCPUやMCU等からなる制御回路を示すものであり、この制御回路201は、例えば、ROMやNVRAM(不揮発性メモリ)等を備えた記憶部202に記憶された制御プログラムや制御データに基づいて、入出力制御部203を介して画像形成部100におけるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像の画像形成動作を制御する。また、204はユーザーが画像形成条件等を入力する操作部を示している。
上記制御回路201には、画像形成装置が設置された環境の湿度を検知する湿度センサ45からの検知信号が入力されている。
また、制御回路201は、時刻を計時する計時手段としての計時回路205を備えており、この計時回路205は、画像形成動作を実施する際に、画像形成動作の開始時刻を記憶部202に順次記憶するタイムスタンプ機能を有している。なお、計時回路205は、画像形成動作の開始時刻ではなく、画像形成動作の終了時刻を記憶部202に順次記憶するように構成したり、画像形成動作の開始時刻と画像形成動作の終了時刻の双方を記憶部200に順次記憶するように構成しても良い。また、計時回路205は、別途設けるのではなく、制御回路201が有する計時機能をそのまま利用しても勿論良い。
この実施の形態では、図1に示すように、感光体ドラム17の表面を帯電するスコロトロン帯電装置18の2本の放電ワイヤー182に、それぞれ予め定められた値の電流値(例えば、画像形成時は、1本当たり600μA、合計1200μA程度)となるように定電流制御された交流の高電圧が高圧電源回路185によって複数の電流値に切り替え可能に印加される。また、上記スコロトロン帯電装置18のグリッド電極184には、予め定められた直流の高電圧が、高圧電源回路185によって複数の電圧値に切り替え可能に印加される。
また、上記制御回路100は、湿度センサ45によって検知された湿度が予め定められた閾値(例えば、相対湿度が60%)以上である場合に、計時回路205によって計測された休止時間に応じて実施の可否を判定し、感光体ドラム17の表面をスコロトロン帯電装置18によって画像形成時よりも少ない電流値(例えば、画像形成時は、1本当たり400μA、合計800μA程度)で帯電するとともに、画像露光装置13によってトナーバンド60に応じた画像露光を施して静電潜像を形成し、現像装置19によって感光体ドラム17の表面にトナーバンド60を付着させてクリーニング装置20によって清掃することで、感光体ドラム17の表面を回復する回復動作を実施する回復手段としての機能を備えている。
この回復動作は、図1に示すように、スコロトロン帯電装置18に通電する電流値を画像形成時よりも少ない電流値(例えば、1本あたり400μA程度)に抑えた状態で、感光体ドラム17の表面が帯電されることによって実施される。
上記の如くスコロトロン帯電装置18によって帯電された感光体ドラム17の表面には、画像露光装置13に予め定められた画像密度Cinの画像が帯状に露光されてトナーバンド60用の静電潜像が形成され、このトナーバンド60用の静電潜像が現像装置19の各現像器19Y、19M、19C、19Kによって現像され、感光体ドラム17の表面には、図5に示すようなトナーバンド60Y、60M、60、60Kが順次形成される。
上記トナーバンド60は、例えば、図5(a)に示すように、操作部204によって指定された画像形成モードがフルカラー画像形成モードの場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーを用いて、各色のトナーバンド60Y、60M、60C、60K共に感光体ドラム17の2周分にわたって、合計感光体ドラム17の8周分のトナーバンド60Y、60M、60C、60Kが1セットとして形成される。
また、モノクロ画像形成モードの場合には、例えば、図5(b)に示すように、黒(K)色のトナーのみを用いて、感光体ドラム17の2周分にわたって、合計感光体ドラム17の8周分のトナーバンド60Kが1セットとして形成される。
上記トナーバンド60Y、60M、60C、60Kは、図5(a)(b)に示すように、最大サイズの画像幅よりも若干長い最大露光幅にわたって、制御回路201によって画像濃度Cinが例えば20%、10%、5%というように複数の濃度に切り替えて形成可能となっている。
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置では、次のようにして、像保持体の表面に堆積した放電生成物が吸湿することによって画像欠陥が発生するのを抑制しつつ、像保持体の周方向に沿って二次的な画像欠陥が発生するのを抑制することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置では、図9に示すように、制御回路201によって操作部204又は図示しないパーソナルコンピュータ等から画像形成動作の開始信号が入力されたか否かが判別され(ステップ101)、画像形成動作の開始信号が入力されていない場合には、画像形成動作の開始信号が入力されるまで待機する。
また、制御回路201は、画像形成動作の開始信号が入力されたと判別すると、画像形成動作の開始信号が入力された時刻を計時回路204によって計測し、画像形成動作の開始信号を記憶部202に記憶する(ステップ102)。
次に、制御回路201は、画像形成装置本体1の内部に配置された湿度センサ45によって画像形成装置が設置された環境の湿度(相対湿度)を検知し(ステップ103)、画像形成装置が設置された環境の湿度(相対湿度)が60%以上か否かを判別し(ステップ104)、環境の湿度が60%未満である場合には、画像形成動作を直ちに実施する(ステップ112)。
また、制御回路100は、環境の湿度が60%以上であると判別すると(ステップ104)、記憶部202に記憶された画像形成動作の開始信号が入力された時刻と、前回の画像形成動作の開始信号が入力された時刻との差分である休止時間を算出する(ステップ105)。なお、画像形成装置の電源が投入された後など、前回の画像形成動作が実施されていない場合には、画像形成装置の電源投入時刻との差分が算出される。
その後、制御回路201は、図9に示すように、休止時間が第1の休止時間(例えば、10時間程度)以上であるか否かを判別し(ステップ106)、休止時間が第1の休止時間以上である場合には、第1の回復動作を実施した後に(ステップ107)、画像形成動作を実施する(ステップ112)。
また、制御回路201は、休止時間が第1の休止時間未満である場合と判別すると、休止時間が予め定められた第2の休止時間(例えば、3時間程度)以上であるか否かを判別する(ステップ108)。そして、上記制御回路201は、休止時間が予め定められた第2の休止時間(例えば、3時間程度)以上であると判別すると、第2の回復動作を実施した後に(ステップ109)、画像形成動作を実施する(ステップ112)。
さらに、制御回路201は、休止時間が第2の休止時間未満である場合と判別すると、休止時間が予め定められた第3の休止時間(例えば、5分程度)以上であるか否かを判別する(ステップ110)。そして、上記制御回路201は、休止時間が予め定められた第3の休止時間(例えば、5分程度)以上であると判別すると、第3の回復動作を実施した後に(ステップ111)、画像形成動作を実施する(ステップ112)。
また、制御回路201は、休止時間が予め定められた第3の休止時間(例えば、5分程度)未満であると判別すると、回復動作を実施することなく、直ちに画像形成動作を実施する(ステップ112)。
上記第1の回復動作では、図10に示すように、休止時間が予め定められた第3の休止時間(例えば、10時間程度)以上であるため、スコロトロン帯電装置18から発生した放電生成物61が感光体ドラム17の表面に大量に堆積して吸湿していると考えられるため、感光体ドラム17の軸方向に沿って激しいディレッションが発生していることが予想され、図5(a)又は(b)に示すように、画像形成モードに応じて感光体ドラム17上に相対的に多くのトナーバンド60Y、60M、60C、60Kを形成する動作が実行される。これらのトナーバンド60Y、60M、60C、60Kは、画像濃度Cinを20%とし、感光体ドラム17の回転数を120回転(15セット)とするように設定されている。
また、上記第2の回復動作では、図9に示すように、休止時間が予め定められた第1の休止時間(例えば、10時間程度)未満、且つ第2の休止時間(例えば、3時間程度)以上であるため、感光体ドラム17の軸方向に沿って軽微なディレッションが発生していることが予想され、感光体ドラム17上に相対的に中程度のトナーバンド60Y、60M、60C、60Kを形成する動作が実行される。これらのトナーバンド60Y、60M、60C、60Kは、第1の回復動作の1/2に相当する、画像濃度Cinを10%とし、感光体ドラム17の回転数を60回転(7.5セット)とするように設定されている。
さらに、上記第3の回復動作では、図9に示すように、休止時間が予め定められた第2の休止時間(例えば、3時間程度)未満、且つ第3の休止時間(例えば、5分程度)以上であるため、感光体ドラム17の軸方向に沿って発生するディレッションは極軽微か、それ以前に実行された回復動作によって感光体ドラム17の軸方向に沿って軽微なディレッションが発生している可能性があるため、感光体ドラム17上に相対的に少ないトナーバンド60Y、60M、60C、60Kを形成する動作が実行される。これらのトナーバンド60Y、60M、60C、60Kは、第2の回復動作よりも大幅に少ない、画像濃度Cinを5%とし、感光体ドラム17の回転数を20回転(2.5セット)とするように設定されている。
これら第1乃至第3の回復動作では、図10に示すように、スコロトロン帯電装置18の放電ワイヤー181に通電する電流値Iが、画像形成時の電流値よりも小さい電流値(例えば、合計800μA程度)に設定されている。トナーバンド60Y、60M、60C、60Kを形成する際にスコロトロン帯電装置18から発生する放電生成物61の量は、図11に示すように、スコロトロン帯電装置18の放電ワイヤー181に通電する電流値Iに略比例し、電流値Iが小さい場合には、発生する放電生成物61の量も少なくなる。そのため、トナーバンド60Y、60M、60C、60Kの形成時のスコロトロン帯電装置18の放電ワイヤー181に通電する電流値Iを、画像形成時の電流値Iよりも小さい電流値、例えば、画像形成時の3/4程度に設定することにより、放電生成物61の発生量を減少させることができる。
また、スコロトロン帯電装置18に通電する電流値Iを少なく設定していくと、図10に示すように、感光体ドラム17表面の帯電電位VHが不安定となって徐々に帯電ムラが増え、遂には所望の帯電電位(VH)が得られなくなる。ただし、回復動作は、図6に示すように、放電生成物61が堆積した感光体ドラム17の表面にトナーTを供給して、クリーニング装置20のクリーニングブレード202で掻き取ることにより、感光体ドラム17の表面に堆積した放電生成物61を除去することが目的であるため、感光体ドラム17の表面に少々の帯電ムラがあっても支障はなく、感光体ドラム17の表面を帯電するのに最低限必要な帯電電位(VH)が得られる放電ワイヤー181の電流値Iをほぼ維持していれば良い。
そこで、この実施の形態では、上述したように、図10に示すように、回復動作を実行する際にスコロトロン帯電装置18の放電ワイヤー181に通電する電流値Iを、画像形成時の電流値よりも小さく、画像形成時の電流値(例えば、1200μA程度)の約3/4程度の電流値(例えば、800μA程度)となるように設定している。
その結果、第1乃至第3の回復動作において、感光体ドラム17の表面にトナーバンド60Y、60M、60C、60Kを形成する際に、スコロトロン帯電装置18から発生する放電生成物61の量は少なく、当該スコロトロン帯電装置18から発生した放電生成物が感光体ドラム17の表面に残留したトナーTや外添剤62に付着する量も減少させることができる。
そのため、第1乃至第3の回復動作を実行することによって、感光体ドラム17の表面にトナーバンド60Y、60M、60C、60Kを形成するとともに、当該感光体ドラム17の表面に形成されたトナーバンド60Y、60M、60C、60Kを中間転写ベルト21上に転写することなくクリーニング装置20へと供給し、クリーニング装置20のクリーニングブレード202によって感光体ドラム17の表面に堆積した放電生成物61をトナーTと共に掻き取ることにより、感光体ドラム17の表面から放電生成物61を除去することができる。
したがって、上記画像形成装置では、次の画像形成動作を実行する際に、感光体ドラム17の表面に堆積した放電生成物61がほとんど存在せず、当該放電生成物61によって静電潜像が乱されて画像に白抜け等の画質低下が発生するのが防止乃至抑制される。
また、第1乃至第3の回復動作は、スコロトロン帯電装置18に通電する電流値Iを画像形成時よりも小さく設定した状態で実行されるため、回復動作を実行することによってスコロトロン帯電装置18から発生する放電生成物61の量を減少させることができ、当該回復動作に伴って発生する放電生成物61が感光体ドラム17の表面に残留したトナーTやトナーの外添剤62に付着するのを抑制することができ、これらの感光体ドラム17の表面に残留したトナーTやトナーの外添剤62が吸湿することによって、二次的に画像の白抜け等の画質低下が発生するのを抑制することができる。
実施の形態2
図12はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、像保持体の表面にトナーバンドを形成する際の形成手段が前記実施の形態1と異なるように構成されている。
すなわち、この実施の形態2では、図12に示すように、トナーバンド60の形成手段として、画像露光装置13によってトナーバンド60に相当する静電潜像を書き込むのではなく、現像装置19の現像ロール196に印加する現像バイアス電圧(VB)に対して、スコロトロン帯電装置18による感光体ドラム17表面の帯電電位(VH)を下げることで、感光体ドラム17の表面にトナーバンド60を形成するように構成されている。
上記の如く感光体ドラム17表面の帯電電位(VH)を下げるには、回復動作を実行する際に、スコロトロン帯電装置18のグリッド電極184に印加する電圧を、通常の画像形成時よりも低く設定することにより、感光体ドラム17の目標とする帯電電位VHを低下させれば良い。
いま、仮に、感光体ドラム17の帯電電位(VH)が一定だった場合、第1の回復動作では、VH−VB=660−600=60(V)とし、第2の回復動作では、VH−VB=670−600=70(V)とし、第3の回復動作では、VH−VB=690−600=90(V)となるように設定すれば良い。
更に説明すると、この実施の形態では、図12に示すように、現像装置19の現像ロール196に印加する現像バイアス電圧(VB)を、−600(V)で一定とし、スコロトロン帯電装置18のグリッド電極184に印加する電圧を、回復動作に応じて、第1の電圧値であるVH=660(V)と、第2の電圧値であるVH=670(V)と、第3の電圧値であるVH=690(V)とに切り替えるように構成されている。
このように、スコロトロン帯電装置18のグリッド電極184に印加する電圧を切り替えることにより、感光体ドラム17の帯電電位(VH)をスコロトロン帯電装置18のグリッド電極184の印加電圧と略等しい値に切り替えることができる。
そのため、第1の回復動作では、VH−VB=660−600=60(V)として、感光体ドラム17の帯電電位(VH)と現像装置19の現像ロール196に印加する現像バイアス電圧(VB)との電位差であるトナーのかぶりを防止する電位を、−60(V)と低い値に設定して、感光体ドラム17の表面に逆極性に帯電したトナーや帯電電荷量の少ないかぶりトナーを、感光体ドラム17の表面に付着させたトナーバンド60を画像露光を施さずに形成することができる。
また、感光体ドラム17の帯電電位(VH)と現像装置19の現像ロール196に印加する現像バイアス電圧(VB)との電位差であるトナーのかぶりを防止する電位が順次高くなるように変化せせることで、感光体ドラム17の表面に付着させるトナーバンド60の量(濃度)を順次低く設定することができる。
なお、トナーバンドを形成するにあたり、画像露光装置13による画像露光と、スコロトロン帯電装置18のグリッド電極184に印加する電圧を切り替えることによる感光体ドラム17の帯電電位(VH)の制御とを組み合わせても良い。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
実施の形態3
図13はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、設置環境の湿度を検知するのではなく、環境検知手段によって設定環境の温度及び湿度を検知し、設定環境の温度及び湿度に基づいて回復動作の実施の可否を判断するか、又は設定環境の温度及び湿度に基づいて絶対湿度を演算して求め、当該絶対湿度に基づいて回復動作の実施の可否を判断するように構成されている。
すなわち、この実施の形態3では、図13に示すように、環境センサ210によって設定環境の温度及び湿度を検知し、図14に示すように、設定環境の温度及び湿度に基づいて回復動作の実施の可否を判断するように構成されている。
また、この実施の形態3では、図14に示すように、環境センサ210によって設置環境の温度及び湿度に基づいて絶対湿度を演算して求め、当該絶対湿度の曲線AH以下の条件で回復動作の実施の可否を判断するように構成されている。
また、この実施の形態3では、相対湿度と絶対湿度を併用し、いずれかの条件に該当する場合に回復動作を実施するように構成しても良い。
この実施の形態3では、環境条件により適合した状態で回復動作を実施ことが可能となる。
なお、前記実施の形態では、像保持体を1つのみ備えた所謂4サイクル方式の画像形成手段を用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、像保持体を1つのみ備えたモノクロの画像形成手段や、形成する画像の色に応じた複数の画像形成手段を備えた所謂タンデム方式の画像形成手段を用いても良いことは勿論である。
また、前記実施の形態では、一次転写ロールに印加する一次転写電圧を遮断することにより、像保持体上に形成されたトナーバンドをすべてクリーニング装置20に供給する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、像保持体上に形成されたトナーバンドの一部を中間転写体上に転写するように構成しても良い。