JP2003240728A - 被検査物の外周検査方法および外周検査装置 - Google Patents

被検査物の外周検査方法および外周検査装置

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仁司 森川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源から照射される光の影響を受けずに被検
査物外周面の欠陥検査を容易かつ正確に行い得る被検査
物の外周検査方法および外周検査装置を提供する。 【解決手段】 光源2からの光を、光の透過率αが0<
α≦5パーセントの範囲に設定されたハーフミラー3を
透過させて被検査物外周面Waに照射して、該ハーフミ
ラー3を照明として機能させるとともに、この照明によ
り照らし出された被検査物外周面Waの状態を上記ハー
フミラー3の鏡面maに写して、この鏡面maに写った
映像をCCDカメラ41で撮影する。そして、この撮影
した画像を基に判別手段5で被検査物表面Waの欠陥検
出を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被検査物の外周
検査方法およびその装置に関し、より詳細には、円筒状
の形態を有する被検査物の外周面の傷や汚れやなどの欠
陥を光学的に検出測定する探傷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に従来の外周検査装置の一例を示
す。この外周検査装置は、ベアリングの外輪のような円
筒状の形態をした被検査物の外周面に生じた傷やさび、
汚れなどの欠陥を検出するための装置であって、被検査
物Wの外側に円錐形状の鏡面Mを有する反射体aを配設
するとともに、この鏡面Mの上方に光源bとカメラcと
を配設してなり、上記光源bから同軸落射照明により上
記鏡面Mに光を当てて該鏡面Mで反射した光を上記被検
査物の外周面Waに照射するとともに、被検査物の外周
面Waで反射した光を上記鏡面Mで再び反射させてカメ
ラcで撮像し、該カメラcで撮像した画像を判定装置d
に入力して被検査物Wの外周面Waの欠陥検出を行って
いる。
【0003】なお、図5において符号eで示すのは被検
査物Wを保持するワーク保持装置であり、また符号fで
示すのは光源bから照射される光を拡散させる拡散板で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の外周検査装置では、光源bとカメラcとが共
に鏡面Mの上方に配置され、同じ鏡面Mを用いて被検査
物外周面Waへの光の照射とカメラcへの反射光の入射
が行われているため、光源bから照射される光が上記反
射光を遮りカメラcへの入射光を弱めたり、光源bから
照射される光がカメラcに写り込むおそれがあり、被検
査物外周面の正確な欠陥検査の障害となっていた。
【0005】また、このような光の干渉を起こさないよ
うにするには、光源bとカメラcの位置の微妙な調節が
必要であり、かかる調節作業が煩雑であるという問題も
あった。
【0006】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたものであって、その目的とするところは、光源か
ら照射される光の影響を受けずに被検査物外周面の欠陥
検査を容易かつ正確に行い得る被検査物の外周検査方法
および外周検査装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る被検査物の外周検査方法は、円筒状の
被検査物の外周に光の透過率αが0<α≦5パーセント
のハーフミラーを配置して当該ハーフミラーを透過させ
て上記被検査物の外周面に光を照射し、上記被検査物の
外周面で反射した反射光を上記ハーフミラーで反射させ
てこれを光センサで受光し、受光した反射光を基に上記
被検査物の外周面の欠陥検査を行うことを特徴とする。
【0008】また、本発明に係る被検査物の外周検査装
置は、円筒状の被検査物の外周面の欠陥検査を行うため
の装置であって、上記被検査物の外側に配される光源
と、該光源と上記被検査物との間に配設され、上記光源
から照射される光を透過させて被検査物の外周面に照射
させるとともに、上記被検査物からの反射光をセンサ手
段に向けて反射させるハーフミラー手段と、上記ハーフ
ミラー手段で反射された上記反射光を受光するセンサ手
段と、上記センサ手段の検出結果から被検査物外周面の
欠陥の有無を判別する判別手段とを備えてなり、上記ハ
ーフミラー手段の光の透過率αが0<α≦5パーセント
に設定されていることを特徴とする。
【0009】本発明においては、被検査物の外周面の欠
陥検出にあたり、光源からの光をハーフミラーを透過さ
せて被検査物の外周面に照射することにより該ハーフミ
ラー自体を照明として機能させる一方、この照明により
照らし出された被検査物外周面の状態をハーフミラーに
写して、このハーフミラーに写った映像をセンサ手段
(光センサ)で受光させる。つまり、上記ハーフミラー
を照明用の発光体と撮像用の反射鏡とに兼用すること
で、光源から照射される光が被検査物外周面で反射した
光と干渉するのを抑制する。
【0010】そして、上記ハーフミラーとしては光の透
過率αが低いハーフミラーが使用される。これは、光の
透過率αが高いと、ハーフミラーを透過して光源の形状
などが被検査物の外周面に写ったり、あるいはハーフミ
ラー内で乱反射した光がセンサ手段に受光されるなどす
るので、このような事態の発生を抑制するためである。
なお、ここで光の透過率αが低いとは、少なくとも光の
透過率αが50パーセント未満で、好ましくは0<α≦
5パーセントの範囲内に設定される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る被検査物の外
周検査方法および外周検査装置に基づいて詳細に説明す
る。
【0012】実施形態1 図1は、本発明に係る外周検査装置の概略構成の一例を
示している。この外周検査装置1は、たとえばベアリン
グの外輪のような円筒状の被検査物Wの外周面Waの欠
陥検査を行うための装置であって、上記被検査物Wの径
方向外側に配される光源2と、この光源2と上記被検査
物Wとの間に配設されるハーフミラー(ハーフミラー手
段)3と、上記ハーフミラー3で反射された光を受光す
るセンサ手段4と、上記センサ手段4の検出結果から被
検査物外周面Waの欠陥の有無を判別する判別手段5と
を主要部として備えている。
【0013】なお、図1において符号7で示すのは、上
記被検査物Wを図1に示す所定の検査位置に保持するた
めのワーク保持装置であって、図示しないワーク供給装
置やワーク排出装置と連係して動作し、ワーク供給装置
から搬入される被検査物Wを上記所定の検査位置に保持
して後述する欠陥検査を行わせた後、ワーク排出装置を
介して検査済みの被検査物Wを排出するように構成され
る。
【0014】光源2は、上記被検査物Wの外周全領域に
光を照射するように被検査物Wの径方向外側に環状に配
設された環状光源であって、具体的には、たとえば発光
ダイオードや光ファイバなどの発光源を、上記被検査物
Wの外周面Waと同心状に該被検査物外周面Waの全周
にわたって多数環状配置することにより構成される。ま
た、このように環状配置される光源2の軸方向寸法(図
1の紙面上下方向の寸法)は、少なくとも上記被検査物
Wの軸方向寸法と同一か、もしくは当該軸方向寸法より
長く設定され、被検査物外周面Waの全体を照明可能と
される。
【0015】ハーフミラー3は、上記光源2と上記被検
査物Wとの間に配設されて、上記光源2から照射される
光を透過させて被検査物外周面Waに照射させるととも
に、上記被検査物外周面Waで反射した反射光Lrをセ
ンサ手段4に向けて反射させる鏡面maを有するハーフ
ミラーであって、図示のように、上記被検査物外周面W
aの外周全領域からの反射光Lrを上記センサ手段4に
向けて反射可能なように、上記被検査物Wの径方向外側
に円錐形状の鏡面maが形成された環状ハーフミラーの
形態とされている。
【0016】ここで、このハーフミラー3としては、光
の透過率がほぼ50パーセント程度の一般的なハーフミ
ラーを用いてもよいが、そのような一般的なハーフミラ
ーを用いると、光源2からの光や被検査物外周面Waか
らの反射光Lrが該ハーフミラー3内で乱反射を引き起
し、その結果、乱反射した光が上記センサ手段4に入射
するおそれがあるので、上記ハーフミラー3としては光
の透過率が低いハーフミラーを用いるのが好ましい。
【0017】なお、この点に関し本願出願人が実験した
ところでは、上記ハーフミラー3はその光の透過率αを
極めて低く(具体的には0<α≦5パーセントの範囲内
に)設定するのが最適であることが判明した。
【0018】すなわち、このハーフミラー3は、上述し
たように、光源2からの光を透過させて被検査物外周面
Waに光を照射する役割(照明としての役割)と、被検
査物外周面Waからの反射光Lrをセンサ手段4に向け
て反射させる役割(反射鏡としての役割)とを有する
が、そもそもこの外観検査装置1はハーフミラー3で反
射した反射光Lrを基に被検査物外周面Waの欠陥検査
を行うことが目的であることから、前者の役割より後者
の役割の方が重視される。
【0019】そのため、本実施形態ではかかるハーフミ
ラー3の反射鏡としての役割を重視して、ハーフミラー
3での光の反射率を高めて(換言すれば、光の透過率α
を低くして)センサ手段4での受光を優先する構成を採
用した。なお、光の透過率αを低くしたことに伴って、
光源2から照射された光がハーフミラー3で遮られ、そ
の結果、照明としての役割が低下するが、この点につい
ては光源2の光量を増加することにより解消可能であ
り、またそのことが実験により確認されたので、本実施
形態では、上記ハーフミラー3として光の透過率αが0
<α≦5パーセントの範囲内にあるハーフミラーを採用
することとした。
【0020】なお、本実施形態では、図1に示すよう
に、上記光源2と上記ハーフミラー3との間には、光源
2からの光を拡散させてハレーションを防止する拡散板
(光拡散手段)6が設けられている。この拡散板6は、
図示のように、上記光源2やハーフミラー3と同様に上
記被検査物Wと同心状に環状配置されており、具体的に
は、たとえばすりガラスなどで構成される。
【0021】センサ手段4は、上記ハーフミラー3で反
射された上記反射光Lrを受光するための光センサであ
って、具体的には上記反射光Lrを基に被検査物外周面
Waの画像を検出するイメージセンサの形態とされる。
【0022】より詳細には、本実施形態では上記センサ
手段4としてCCDカメラ41が用いられる。このCC
Dカメラ41は、図示のようにレンズ41aと、カメラ
本体41bとからなり、該レンズ41aは上記検査位置
にある被検査物Wと同軸上に配設され、CCDカメラ4
1bにおいて上記鏡面maの全体が撮像可能とされてい
る。つまり、光源2からの光により照らし出され、上記
鏡面maに写る被検査物外周面Waの全景の映像が、上
記CCDカメラ41bによって撮影可能とされている。
【0023】判別手段5は、上記センサ手段4の検出結
果に基づいて被検査物外周面Waの欠陥の有無を判別す
る装置であって、本実施形態では上記センサ手段4とし
てCCDカメラ41が用いられているので、該CCDカ
メラ41で撮影された画像から被検査物外周面Waの欠
陥を検出するように構成される。
【0024】具体的には、この判別手段5は、上記CC
Dカメラ41によって撮影された被検査物外周面Waの
画像を所定の走査パターンに従って走査し(CCDカメ
ラ41で撮影される被検査物外周面Waの画像はドーナ
ツのような中抜きの円環状の画像として現れるので、た
とえばこの円環状の画像を径方向や周方向に走査するな
どして)、被検査物外周面Waの欠陥を検出する。
【0025】なお、この判別手段5による被検査物外周
面Waの欠陥検出は、上記CCDカメラ41で撮影した
画像を所定のしきい値で二値化して白黒画素信号とし、
この白黒画素信号を基に欠陥の有無を検出したり、ある
いはパターンマッチングにより欠陥の有無を検出するな
ど適宜設計変更可能である。
【0026】そこで、このように構成されてなる外観検
査装置1の作用について図2に基づいて詳細に説明す
る。
【0027】本発明に係る外観検査装置1では、被検査
物外周面Waの欠陥検出にあたり、まず上記光源2を点
灯させる。これにより、光源2から放射された光L
1 は、図示しない拡散板6で拡散されてハーフミラー3
に導かれ、該ハーフミラー3を透過して被検査物外周面
Waに照射される。
【0028】ここでハーフミラー3は、上述したように
その透過率αが極めて低く設定されているので、このハ
ーフミラー3を透過する透過光L2 の光量は、ハーフミ
ラー3に入射する光L1 の光量よりも大幅に低下する。
そのため、上記光源2としては、予めこのようなハーフ
ミラー3による光量低下を見越して、被検査物外周面W
aの照明に必要な光量の出力が可能な光源が採用され
る。
【0029】このようにして、被検査物外周面Waに透
過光L2 が照射されると、被検査物外周面Waで反射し
た反射光Lrによりハーフミラー3に被検査物外周面W
aの映像が写し出され、このハーフミラー3に写った映
像が上記CCDカメラ41によって撮影される。
【0030】つまり、上記ハーフミラー3の表面に形成
される円錐形状の鏡面maは、被検査物外周面Waから
の反射光Lrを上記CCDカメラ41のレンズ41aに
向けて反射させるのに適した傾斜角度をもった円錐形状
とされる。
【0031】そして、上記CCDカメラ41で被検査物
外周面Waの映像が撮影されると、その撮影された画像
を基に上記判別手段5において被検査物外周面Waの欠
陥検出が行われる。なお、この欠陥検出の結果は、たと
えば図示しないCRTなどのディスプレイ装置に表示し
たり、あるいは、ワーク排出装置と連係させて欠陥検出
の結果がNGの被検査物Wを選別排出するなどされる。
【0032】このように、本発明に係る被検査物の外観
検査装置1では、光源2からの光L 1 をハーフミラー3
を透過させて被検査物外周面Waに照射することにより
該ハーフミラー3を照明として用いる一方、この照明に
より照らし出された被検査物外周面Waの状態をハーフ
ミラー3に写して、その映像をセンサ手段4で受光して
欠陥検査を行うので、光源2からの光L1 がセンサ手段
4で反射光Lrを受光する妨げとならず、両者の位置関
係の設定が容易になる。
【0033】実施形態2 次に、本発明に係る被検査物の外観検査装置の他の実施
形態について図3に基づいて説明する。
【0034】図3は光源2の改変例を示しており、本実
施形態では上記光源2が、発光体21と、該発光体21
からの光を反射させて上記光拡散板6に照射する反射体
22とで構成される。なお、光源2以外の構成は上記実
施形態1に示す外観検査装置1と同様であるので、構成
が共通する部分には同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0035】すなわち、上記発光体21はいわゆる落射
照明を行う照明具であって、多数の発光ダイオードや光
ファイバなどの発光源を、上記拡散板6の外側上方位置
に下向きにリング状に配設することにより構成される。
【0036】一方、反射体22は、上記拡散板6の外側
であって上記発光体21の下方に位置して、発光体21
からの落射照明を上記拡散板6に向けて反射する鏡であ
って、図3に示すように、受けた光をほぼ全反射する円
錐形状の鏡面mbを有して構成される。
【0037】本実施形態では上記光源2をこのように構
成することにより、発光体21から照射された光が上記
発光体22の鏡面mbによって反射されて拡散板6、ハ
ーフミラー3を介して被検査物外周面Waに照射され、
その反射光Lrがハーフミラー3の鏡面maを介して図
外のセンサ手段4に受光され、上記実施形態1と同様に
判別手段5において被検査物外周面Waの欠陥検出が行
われる。
【0038】このように、本実施形態に示す外観検査装
置によれば、発光体21からの光を反射体22で反射さ
せて上記光拡散板6に照射する構成を採用することによ
り、発光体21の配設位置を被検査物Wの径方向位置か
ら外すことができるので、発光体21の照明に係る配線
などが被検査物Wの径方向に出ることがなく、外観検査
装置をコンパクトに構成することが可能となる。
【0039】実施形態3 次に、本発明に係る被検査物の外観検査装置の第3の実
施形態について図4に基づいて説明する。
【0040】この第3の実施形態は、上記光源2および
ハーフミラー3の形態の改変例であって、具体的には図
4に示すように、上記光源2が、上記被検査物Wの軸方
向の線状領域Eに光を照射する線状光源2′の形態とさ
れるとともに、上記ハーフミラー3は、上記被検査物W
の線状領域Eからの反射光Lrを上記センサ手段4に反
射可能なように、上記線状領域Eに対応する線状ハーフ
ミラー3′の形態とされる。
【0041】また、これら光源2およびハーフミラー3
の形態の改変に伴い、上記線状光源2′および上記線状
ハーフミラー3′の双方または上記被検査物Wの少なく
ともいずれか一方を、上記被検査物Wの軸線まわりに回
転させる回転駆動手段8を備えて構成される。
【0042】すなわち、上記線上光源2′は、図4に示
すように被検査物Wの周方向について上記線状領域Eに
対応する所定の幅寸法をもった光源であり、本実施形態
では上記実施形態2に示すのと同様に図外の発光体と反
射体22′とから構成される。そして、この発光体から
照射された光が反射体22′で反射され、拡散板6′を
介して線状ハーフミラー3′に入射するように構成され
ている。
【0043】なお、本実施形態においては、光源2が上
述したように被検査物Wの線状領域Eに光を照射する線
状光源2′の形態とされることに伴い、上記発光体、反
射体22′および拡散板6′は、いずれもこの線状領域
Eに対応する寸法形状に設定されている(図4参照)。
【0044】線状ハーフミラー3′も上記実施形態1お
よび実施形態2と同様に、上記光源2′と上記被検査物
Wとの間に配設され、光源2′から照射される光を透過
させて被検査物外周面Waに照射させるとともに、上記
被検査物外周面Waで反射した反射光Lrをセンサ手段
4に向けて反射させる鏡面maを有するハーフミラーで
構成されるが、本実施形態では、図示のように、上記被
検査物外周面Waの線状領域Eに対応する寸法形状に設
定されている(図4参照)。また、この線状ハーフミラ
ー3′も上記実施形態1と同様に光の透過率αが低いハ
ーフミラーで構成される。
【0045】上記回転駆動手段8は、上記線状光源2′
および上記線状ハーフミラー3′の双方または上記被検
査物Wの少なくともいずれか一方を、上記被検査物Wの
軸線まわりに回転させるための動力源であって、本実施
形態では、この回転駆動手段8はワーク保持装置7を回
転駆動するように構成される。
【0046】なお、本実施形態では、光源2やハーフミ
ラー3等が被検査物Wの線状領域Eに対して光を照射等
するように構成されるので、上記センサ手段4としては
この線状領域Eの反射光Lrの受光が可能なラインイメ
ージセンサが好適に採用される。
【0047】このように構成された外観検査装置1′に
おいては、線状光源2′から照射される光が、反射体2
2′の鏡面mbで反射され、拡散板6′、線状ハーフミ
ラー3′を介して被検査物外周面Waの線状領域Eに照
射され、該線状領域Eで反射した反射光Lrが線状ハー
フミラー3′の鏡面maで反射されてラインイメージセ
ンサ(図示せず)に入力され、該ラインイメージセンサ
において該線状領域Eの映像が撮影される。そして、こ
の映像に基づいて図示しない判別手段が上記線状領域E
の欠陥検査を行う。
【0048】この線状領域Eにおける欠陥検査が完了す
ると、次に上記回転駆動手段8がワーク保持装置7を回
転駆動して検査対象となる領域を変更して、上記同様の
処理によって新たに設定された線状領域Eについての欠
陥検査を行う。以後、このようにして被検査物外周面W
aの全周にわたってこの工程を繰り返すことにより、被
検査物Wの全周にわたる欠陥検査が行われる。
【0049】このように、本発明の第3の実施形態に示
す外観検査装置1′では、回転駆動手段8によって欠陥
検査を行う線状領域Eの位置を順次ずらしながら欠陥検
査を行うことにより、被検査物外周面Waの全周にわた
って欠陥検査を行うことができるので、光源2やハーフ
ミラー3の構成を簡略化することができる。
【0050】なお、上述した実施形態はあくまでも本発
明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれ
に限定されることなくその発明の範囲内で種々の設計変
更が可能である。
【0051】たとえば、上述した実施形態では、ハーフ
ミラー3として図示されるような薄板状のハーフミラー
が採用されたが、たとえばガラスなどの透明体のブロッ
クに円錐形状の穴を穿ち、その穴の表面に上記鏡面ma
を形成するように構成することも可能である。
【0052】また、上述した第2の実施形態では、発光
体21を拡散板6の外側上方に配設した場合を示した
が、この発光体21は被検査物Wの径方向延長線上を外
して配設されていればよく、たとえば拡散板6の外側下
方に配設されていてもよい。
【0053】また、同様に上述した実施形態では、発光
体21から照射された光の向きを反射体22でほぼ90
°変更するように構成したが、発光体21から照射され
た光を90°以外の角度で(たとえば鋭角的に)反射す
るように構成することも可能である。
【0054】また、上述した第3の実施形態では、回転
駆動手段8がワーク保持装置7を回転駆動する構成を採
用したが、この回転駆動手段8は、上記線状光源2′、
拡散板6′および上記線状ハーフミラー3′を同時に上
記被検査物Wの軸線まわりに回転駆動するように構成し
てもよい。
【0055】さらに、上述した実施形態では、上記ハー
フミラー3(3′)として光の透過率αが0<α≦5パ
ーセントの範囲のハーフミラーを用いたが、使用するハ
ーフミラーの光の透過率は適宜設計変更可能である。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
円筒状の被検査物の外周に、ハーフミラーを透過させて
光を照射し、上記被検査物の外周面で反射した反射光を
上記ハーフミラーで反射させてこれを光センサで受光
し、受光した反射光を基に上記被検査物の外周面の欠陥
検査を行うので、ハーフミラーが被検査物の照明として
機能するとともに、この照明により照らし出された被検
査物外周面の状態を写す鏡としても機能するので、光源
から照射される光が被検査物外周面で反射した反射光と
干渉するのを抑制することができる。
【0057】また、上記ハーフミラーとして光の透過率
が低いハーフミラーを使用することにより、ハーフミラ
ーを透過して光の被検査物外周面への写り込みや、ある
いはハーフミラー内での乱反射を抑制できるので、被検
査物外周面の欠陥検査を正確に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被検査物の外観検査装置の概略構
成の一例を示す説明図である。
【図2】同外観検査装置における光の照射および反射の
状態を示す斜視図である。
【図3】同外観検査装置の他の実施形態を示す説明図で
ある。
【図4】同外観検査装置の第3の実施形態を示す説明図
である。
【図5】従来の外観検査装置の構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 外観検査装置 2,2′ 光源 21 発光体 22 反射体 3,3′ ハーフミラー(ハーフミラー手段) 4 センサ手段 5 判別手段 6 拡散板 7 ワーク保持装置 8 回転駆動手段 W 被検査物 Wa 被検査物外周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G051 AA07 AB02 AB07 AB10 BA01 BA02 BB17 BC07 CA03 CA04 CB01 DA06 EA11 EA12 EB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の被検査物の外周に光の透過率α
    が0<α≦5パーセントのハーフミラーを配置して当該
    ハーフミラーを透過させて前記被検査物の外周面に光を
    照射し、前記被検査物の外周面で反射した反射光を前記
    ハーフミラーで反射させてこれを光センサで受光し、受
    光した反射光を基に前記被検査物の外周面の欠陥検査を
    行うことを特徴とする被検査物の外周検査方法。
  2. 【請求項2】 円筒状の被検査物の外周面の欠陥検査を
    行うための装置であって、 前記被検査物の外側に配される光源と、 該光源と前記被検査物との間に配設され、前記光源から
    照射される光を透過させて被検査物の外周面に照射させ
    るとともに、前記被検査物からの反射光をセンサ手段に
    向けて反射させるハーフミラー手段と、 前記ハーフミラー手段で反射された前記反射光を受光す
    るセンサ手段と、 前記センサ手段の検出結果から被検査物外周面の欠陥の
    有無を判別する判別手段とを備えてなり、 前記ハーフミラー手段の光の透過率αが0<α≦5パー
    セントに設定されていることを特徴とする被検査物の外
    周検査装置。
  3. 【請求項3】 前記光源と前記ハーフミラー手段との間
    に、光源からの光を拡散させる光拡散手段が設けられて
    いることを特徴とする請求項2に記載の被検査物の外周
    検査装置。
  4. 【請求項4】 前記光源が、光を放射する発光体と、該
    発光体からの光を反射させて前記光拡散手段に照射する
    反射体とを備えてなることを特徴とする請求項3に記載
    の被検査物の外周検査装置。
  5. 【請求項5】 前記光源は、前記被検査物の外周全領域
    に光を照射するように前記被検査物の外側に環状に配設
    された環状光源の形態とされ、 前記ハーフミラー手段は、前記被検査物の外周全領域か
    らの反射光を前記センサ手段に反射可能なように前記被
    検査物の外側に環状に配された環状ハーフミラーの形態
    とされることを特徴とする請求項2から請求項4のいず
    れか一に記載の被検査物の外周検査装置。
  6. 【請求項6】 前記光源は、前記被検査物の軸方向の線
    状領域に光を照射する線状光源の形態とされるととも
    に、前記ハーフミラー手段は、前記被検査物の線状領域
    からの反射光を前記センサ手段に反射可能なように前記
    線状領域に対応する線状ハーフミラーの形態とされてな
    り、 前記線状光源および前記線状ハーフミラーの双方または
    前記被検査物の少なくともいずれか一方を、前記被検査
    物の軸線まわりに回転させる回転駆動手段を備えている
    ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一に
    記載の被検査物の外周検査装置。
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