JP2009174857A - 照明装置およびこの装置を用いた欠陥検査装置 - Google Patents

照明装置およびこの装置を用いた欠陥検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リング状光源と光出射部との間に十分な距離を確保しつつ、非正反射領域の発生を防止する。
【解決手段】カメラ1の光軸12に沿って光を照射する第1照明部2Aの下方に設ける第2照明部2Bの光通過部を、下端部に向かうほど径が小さくなるすり鉢状に形成された中空体23と短筒部25とにより形成する。中空体23の周囲には、LED26によるリング状光源が配備され、短筒部25は、拡散剤を含む樹脂によりドーム状部24と一体に形成される。第1照明部2Aからの照明光は、中空体23から短筒部25を通過してワークWに照射されるが、短筒部25の上端の開口端面に達したときに、その開口に対応する大きさになるように調整される。LED26からの光は、ドーム状部24の傾斜面で拡散して短筒部23にまで伝搬され、その上端部からもワークWに向かう光が照射される。
【選択図】図2

Description

この発明は、所定形状の対象物を、観察、計測、検査等の目的で撮像する場合に、撮像装置の視野が合わせられる領域を照明するための照明装置、およびこの種の照明装置が用いられた欠陥検査装置に関する。
カラー塗装や樹脂コーティングなどが施された成形品を生産する現場では、成形品の表面に、キズ、ブツ、毛ゴミなどの凹凸欠陥、塗料のくもりや微細なキズの集合などによる汚れ欠陥、塗料の付着による色欠陥が生じていないかどうかを検査するようにしている。また、この種の検査を光学的に実施する検査装置も、種々開発されている。
凹凸欠陥(以下、汚れにより生じた凹凸も含むものとする。)の検査では、一般に、成形品の鏡面反射性が高い点を利用して、検査対象物(ワーク)を照明して、その照明光に対する正反射光を撮像し、生成された画像上で周囲より暗い領域を欠陥として検出する。一方、色欠陥の検査では、ワークからの拡散反射光を撮像し、画像上で周囲より暗い領域または明るい領域を色欠陥として検出する(明暗いずれの領域を検出するかは、成形品本体や欠陥の色彩によって決まる。)。
出願人は、先般、凹凸欠陥など、ワークの鏡面反射性を利用して検出される欠陥について、検出精度を高めることを目的とした欠陥検査装置を開発した(特許文献1,2参照。)。
特開2007−240431号公報 特開2007−240432号公報
これらの文献には、互いに異なる色彩の光を発する2種類の光源とカラーカメラとを具備し、各光源を同時に点灯して撮像を行う検査装置が開示されている。
一方の光源(以下、「第1の光源」という。)からは、カメラの光軸に沿って進む光(同軸照明光)が照射され、これによりカメラの視野に対応する領域の中央部が照明される。他方の光源(以下、「第2の光源」という。)はリング状光源であって、その中心を第1の光源およびカメラの光軸に合わせた状態で配備される。この第2の光源による照明光は、第1の光源による照明範囲よりも外側の領域を照明し、かつその照射範囲からの正反射光をカメラに入射させることができるように、カメラの光軸に対してやや斜めになる方向に向けて照射される。
さらに、特許文献1には、第2の光源より外側に、この光源より入射角度の大きい光を照射する第3の光源を配備し、この第3の光源からの光に対する拡散反射光をカメラに導いて、色彩欠陥を検出することが記載されている(段落0082〜0084,図10参照。)。また、特許文献2には、第1および第2の光源の照射範囲に重複が生じるようにすることによって、欠陥検査の精度を向上することが記載されている(段落0029,0052〜0053,図1参照。)。
特許文献1,2に記載されているように、第1の光源からの光は、ハーフミラーによって、カメラの光軸に沿って進む光となる。また、各文献には明示されていないが、第2の光源は、中央部に円筒状の光通過部が形成された筐体内に収容され、光通過部の下端部には、光拡散剤を含む光出射部が設けられる。この光出射部は、内側より外側の方が低くなるように傾斜する傾斜面を具備するもので、第2の光源からの光の入射角度はこの傾斜面の傾斜角度によって決まる。
以下では、第1の光源およびハーフミラーを含む構成を「第1照明部」といい、第2の光源、光通過部、光出射部を含む構成を「第2照明部」という。
図6は、各照明部からの照明下での撮像を模式的に示す。図中、10はカメラのレンズであり、12はカメラの光軸である。また、2Aは第1照明部、2Bは第2照明部、Wは照明対象のワークである。
また第1照明部2Aについては、構成要素である光源およびハーフミラーを、それぞれ符号21,22で示す。一方、第2照明部2Bについては、内部のリング状光源の図示を省略し、中央の光通過部および光出射部を、それぞれ符号200,201で示す。
さらに、図6では、各照明光によってワークWの表面に生じる正反射領域(照射された光によってカメラレンズ10に十分な強度の正反射光を入射させることのできる領域をいう。)101,102を、それぞれ異なるパターンにより示すとともに、これらの正反射領域101,102の境界に対応する照明光の光路を示している。正反射領域101は、光通過部200の上部開口の位置およびその開口部の大きさ、レンズ10の位置などにより決定される。正反射領域102は、光出射部201の高さ、大きさ、傾き、ならびにレンズ10の位置などにより決定される。
第1照明部2Aからの光は、光通過部200を介してワークWに照射される。また、この例では、正反射領域101,102が連続するように光通過部200の長さが調整されている。
ところが、第2照明部2Bのリング状光源は、通常、複数のLEDを用いて構成されるため、リング状光源から光出射部201までの距離が短いと、各LEDからの光が十分に拡散されずにワークWに照射され、その結果、輝度むらのある画像が生成される可能性がある。輝度むらが生じると、明暗の差による欠陥の検出に誤りが生じるおそれがあるので、リング状光源と光出射部201との間の距離を十分にあける必要がある。
また、特許文献1に記載された色欠陥検出用の第3の光源も、リング状光源として第2照明部2B内に組み込むのが望ましい。しかし、LEDの数が増えると、配線回路の構成や光源の収容空間等の都合上、1枚の基板で対応するのが困難になり、複数の基板を上下に配置せざるを得なくなる。
リング状光源と光出射部201との間に相応の距離をあけたり、複数枚の基板を上下に配置するには、図7に示すように、第2照明部2Bの高さ幅を大きくする必要がある。しかし、このようにすると必然的に光通過部200が長くなり、それによって第1照明部2Aの光路が長くなって、第1照明部2Aの正反射領域101の範囲が縮小する。一方、第2照明部2Bの光出射面201の高さや傾斜状態は図6の例と同様であり、レンズ10との関係も維持されているので、正反射領域102の範囲は図6の例とは変わらず、正反射領域101の境界位置に第2照明部からの光を届けるのが困難になる。この結果、各照明部2A,2Bの正反射領域101,102の間に、十分な強度の正反射光をカメラに導くことができない領域103(以下、「非正反射領域」という。)が生じる可能性がある。ワークWの表面が曲面である場合には、上記の現象はさらに顕著になる。
図8は、カメラの視野に対応する領域における各正反射領域101,102の関係を示す模式図である。図中の(1)は、図6に示した照明による理想的な関係を示し、(2)は、図7に示した照明状態によって非正反射領域103が生じている例を示す。
図8(1)のように、第1照明部2Aの正反射領域101の周囲に、第2照明部2Bの正反射領域102が切れ目なく続き、これらの領域間に非正反射領域が生じていない場合には、図示されている範囲のいずれの場所に欠陥があっても、その欠陥を周囲より暗い領域として検出することができる。
これに対し、図8(2)に示したように、2つの正反射領域101,102の間に暗い非正反射領域103が発生すると、この領域103での欠陥検出は困難になる。よって、第2照明部2Bの高さ幅を拡張できる範囲には限界がある。
この発明は上記の問題に着目し、第2照明部のリング状光源と光出射部との間に十分な距離を確保しつつ、非正反射光領域の発生を防止できる構成の照明装置を提供すること、およびその照明装置によって、精度の高い検査を実行することを目的とする。
上記目的を達成するための基本構成を備えた照明装置は、対象物の上方に配備される第1照明部と、第1照明部と対象物との間に配備される第2照明部とを具備する。第2照明部は、第1照明部から出射された光を対象物に導き、かつ各照明部からの光に対する対象物からの反射光を上方に導くための光通過部と、この光通過部を取り囲むように配置されたリング状光源と、リング状光源の下方で内側より外側の方が低くなるように傾斜する傾斜面を具備する光出射部とを備える。第1照明部は、その光軸を光通過部の長さ方向に合わせて配備され、第2照明部から出射された光によって第1照明部の光照射範囲より外側の領域が照明される。
さらに、第2照明部の光通過部は、下端部に向かうほど径が小さくなるすり鉢状の第1通過部と、第1通過部の下端部に連続形成される短筒状の第2通過部とにより構成され、第1照明部からの光は、第2通過部の上端部の開口端面を通過するときに、その開口に対応する大きさをもって通過するように調整される。またリング状光源は第1通過部の周囲に配置され、光出射部は光拡散剤を含む材料により形成されるとともに、第2通過部の下端部に一体に設けられる。
なお、上記の構成に関する記載においては、対象物の照明される面を基準に上下の関係を表している(照明される面に近づく方向が下方であり、遠ざかる方向が上方である。)。以下の記載でも同様である。
上記の照明装置では、第2照明部の光通過部のうち、上方の第1通過部の周囲にリング状光源が配置され、下方の第2通過部の下端部に光出射部が一体に設けられるので、第1通過部の長さを調整することによって、リング状発光部と光出射部との間に十分な距離を確保することができる。
第1照明部からの光(以下、「第1照明光」という。)は、第1通過部を通過して第2通過部の上端部の開口端面に達したときに、この端面の開口に対応する大きさになり、さらに下方に進行するので、この開口部分を、第1照明光の出射面とみなすことができる。また、第1通過部を設けることによって第2通過部の長さを短くすることができるので、第2通過部の上部開口端面からの第1照明光による正反射領域を広くして、第2通過部の下端部に連続する光出射部から出射される光(以下、「第2照明光」という。)による正反射領域と連続させることができる。
上記の照明装置の第1の態様では、第2照明部の第2通過部および光出射部が、光拡散剤を含む材料により一体に形成される。この構成によれば、光出射部で拡散された第2照明光が第2通過部にも伝搬するので、第2通過部の周面も第2照明光の出射面として機能させることができる。よって、第2通過部の上端部において、第1照明光の出射範囲と第2照明光の出射範囲とが接近した状態になり、また各照明光の照射角度の差もごく小さくなるから、各照明光の正反射領域間の境界付近の輝度を高めることができ、非正反射領域の発生を防止するのが容易になる。
上記の照明装置の第2の態様では、第2照明部には、光通過部を全周囲にわたって囲む壁部が設けられ、この壁部と光通過部および光出射部により囲まれた空間内にリング状発光部が設けられる。さらに壁部は、リング状光源に対応する高さ位置からそれより下の所定の高さ位置までの範囲が下方に向かうほど第1通過部に近づくように傾斜した形状に構成される。さらに壁部の内面および第1通過部の外周面が鏡面加工される。
上記の構成によれば、リング状光源から出た光を壁部の傾斜面や第1通過部の外周面で反射させながら光出射面に導くことができる。また壁部の上部を傾斜させることによって、光出射部の実際に光が出射される範囲より広い範囲にリング状光源を構成する発光体を配置することができるので、発光体の数を増やし、上記の反射によって発光輝度を高めることができる。
上記の照明装置の第3の態様では、第2照明部の壁部より外側に、第1照明部および壁部内のリング状光源とは波長範囲が異なる光を出射する第2のリング状光源が、少なくとも1つ、壁部内のリング状光源より低い位置に配備される。また、光出射部の傾斜面は、最も外側のリング状発光部に対向する位置まで連続する。
上記の構成によれば、第1および第2の通過部を連続させた構成の光通過部によって確保された空間を利用して、色彩欠陥等の拡散反射性の高い欠陥の検出に用いられる第2のリング状光源が設けられた照明装置を提供することが可能になる。
さらに、この発明では、基本構成または第1〜3の態様による照明装置と、この照明装置より上方に、第2照明部の光通過部に光軸を合わせた状態で配置された撮像装置と、照明装置の各照明部による照明下での撮像により生成された検査対象物の画像を処理して、当該検査対象物の表面における凹凸欠陥の有無を判別する判別手段とを具備する欠陥検査装置を提供する。この欠陥検査装置によれば、非正反射領域が発生しないような照明を行いつつ撮像を行って、検査のための画像を生成することができるので、凹凸欠陥を精度良く検出することができる。
またこの発明では、第3の態様による照明装置と、この照明部より上方に、第2照明部の光通過部に光軸を合わせた状態で配置された撮像装置と、照明装置の各照明部による照明下での撮像により生成された検査対象物の画像を処理して、当該検査対象物の表面における凹凸欠陥ならびに色彩欠陥の有無を判別する判別手段とを具備する欠陥検査装置を提供することもできる。この欠陥検査装置によれば、凹凸欠陥および色彩欠陥の双方を、1回の撮像で精度良く検出することができるから、検査装置の付加価値を高めることができる。
上記構成の照明装置によれば、リング状光源と光出射部との間に十分な距離を確保することが可能になり、また2つの照明部からの光による正反射領域間に非正反射領域が生じるのを防止することができる。よって、欠陥の検出が困難な暗領域や輝度むらのない画像を生成することが可能になり、広い範囲内で欠陥を精度良く検出することができる。また、色欠陥の検出のために、リング状光源より下方に、この光源より径の大きい第2のリング状光源を配備することも容易になる。
以下、表面に塗装面が形成された樹脂成形品(携帯電話等の機器の本体を構成するもの)を「ワークW」として、このワークWに凹凸欠陥や色欠陥が生じていないかどうかを光学的に検査する欠陥検査装置、およびこの装置に用いられる照明装置の具体例を、詳細に説明する。なお、以下では、便宜上、ワークWの表面を水平方向に沿う平面として、この面を基準に上下の関係を表すが、ワークWの表面は、水平面に限らず、垂直方向に沿う面、または斜め方向に沿う面となる場合もある。また、ワークWの表面は平面に限らず、所定の曲率を持つ曲面となる場合もある。また、凹凸欠陥には汚れによる凹凸が含まれる場合があり、色彩欠陥にも、塗料の付着による欠陥以外に、汚れによる色彩異常が含まれる場合がある。
図1は、上記検査装置の光学系の構成を示す。
この光学系は、カラー撮影用の撮像素子11およびレンズ10が組み込まれたカメラ1と、照明装置2とにより構成される。カメラ1は、受光面をワークW側に向け、かつ光軸12をワークWの表面の法線に対応する方向(この図では鉛直方向に相当する。)に合わせて配備される。
照明装置2には、カメラ1の光軸12に沿って光を照射する第1照明部2Aと、カメラ1の光軸12に対して斜めになる方向から光を照射する第2照明部2Bとが設けられる。
これらのうち、第1照明部2Aは、カメラ1の光軸12上に配備されたハーフミラー22と、その側方に配備された光源21(第1の光源)とにより構成される。
第2照明部2Bは、上面の中央部に円形状の開口部(図示せず。)が形成された筐体20を本体とする。開口部には、上下が開放された中空体23を介してドーム状部24が連結される。中空体23の内外の周面は、下端部に向かうほど径が小さなすり鉢状に形成され、また外周面は鏡面加工されている。ドーム状部24の中空体23に連結される中央部は短筒部25として形成される。また、この短筒部25を含むドーム状部24全体が、拡散剤を含む樹脂により一体に形成されている。
また、筐体20内には、中央部に円形穴が形成された3枚の円状基板201,202,203がそれぞれ所定距離を隔てて上下に配備される。一番上の基板201の円形穴は、中空体23の上部位置の外径に対応する大きさに形成され、以下、下方の基板になるほど円形穴の径が大きくなる。中空体23およびドーム部24の短筒部25は、これらの基板201〜203の円形穴内に配備される。
各基板201〜203の下面には、複数のチップ型LED26(以下、単に「LED26」という。)が円形穴を取り囲むように同心円状に配置され、配線される。また、この実施例のLED26には、複数の色に対応する発光素子が設けられる。
一番上の基板201(以下、「上段基板201」という。)は、その円形穴によって中空体23の上部に係合した状態で配備される。上段基板201とドーム状部24との間には、上段基板201のLED26の配置範囲を囲うように、全周囲にわたって壁部27が設けられる。この壁部27は、円筒状の第1壁部27aの上端にすり鉢状の第2壁部27bを一体化した構成のもので、その内面は、中空体23の外周面と同様に鏡面加工されている。
上段基板201の次に高い位置に配置される基板202(以下、「中段基板202」という。)は、その円形穴によって、第2壁部27bの下端部に係合した状態で配備される。さらに、中段基板202とドーム状部24との間にも、中段基板202のLED27の配置範囲を囲うように円筒状の壁部28が設けられる。一番下の基板203(以下、「下段基板203」という。)は、その円形穴によって、壁部28に係合した状態で配備される。
さらに、各基板201〜203は、位置や姿勢を安定させるために、それぞれ周縁部の複数箇所で筐体20にネジ止めされる。各箇所のネジ止めは、ボルト部材211,212,213および上下一対のネジ部材214,215により行われる。いずれの箇所でも、各基板201,202,203は、一連に連結されたボルト部材211,212,213およびネジ部材214によって連結され、さらに、1番上のボルト部材211をネジ部材215により筐体20の上面に固定することによって、各基板201,202,203毎に所定の高さ位置に固定される。これにより、基板201,202,203はそれぞれ水平な状態で支持され、いずれの基板でも、その基板に配置されているLED26とドーム状部24との距離がほぼ一定になるので、ドーム状部24に対する光の照射強度を均一にすることができる。
上記構成の第2照明部2Bは、中空体23およびこれに連通する短筒部25の中心をカメラ1の光軸12に合わせた状態で配備される。これにより、中空体23および短筒部25は、第1照明部2Aからの照明光(第1照明光)を下方のワークWに導き、かつ各照明部2A,2Bからの光に対するワークWからの反射光を上方のカメラ1に導くための光通過部として機能する(中空体23が第1通過部に相当し、短筒部25が第2通過部に相当する。)。また、上段基板201の各LED26により、中空体23(第1通過部)の周囲を囲むリング状光源が形成される。さらに、中段基板202および下段基板203の各LED26により、より径の大きいリング状光源(第2のリング状光源)が形成される。
ドーム状部24は、各リング状光源からの光をカメラ1の光軸に対して斜め方向に進む光にして出射する光出射部として機能し、ドーム状部24の傾斜面は、外側に向かうほど傾斜が急になる。また、ドーム状部24は、光拡散剤を含む材料により形成されているので、各リング状光源からの光を拡散させて、照明光の輝度ムラを低減させることができる。
この実施例では、第1照明部2Aの光源21および第2照明部2Bの上段基板201のLED26によるリング状光源に同じ色彩の光(たとえば赤色光)を点灯させ、これらの光を凹凸欠陥の検出のための第1照明光ならびに第2照明光として使用する。一方、中段基板202および下段基板203の各リング状光源には、赤以外の色彩光(たとえば青色光)を点灯し、この色彩光を色欠陥の検出用の照明光として使用するようにしている(基板202,203毎に異なる色彩光を点灯してもよい。)。
撮像の際には、後記するように、すべての光源を点灯することによって、凹凸欠陥および色欠陥を一括で検出する。
つぎに、図2は、上記の照明光のうち、凹凸欠陥の検出に用いられる第1照明光および第2照明光の関係、およびそれぞれの照明光の正反射領域の関係を示す。
この実施例の第1照明部2Aからは、第1照明光として、断面が矩形で、発散する光が出射される。この第1照明光は、中空体23内を通過した後に短筒部25の上端部に達し、この上端部の開口端面の大きさに応じた範囲の光が短筒部25に入射する。したがって、第1照明光は、短筒部25のほぼ全域を十分な強度をもって通過した後にワークWに照射され、ワークWの表面で正反射した光がレンズ10を介して受光素子11に入射する。
第1照明光による正反射領域101の大きさは、短筒部25の上端部およびレンズ10の位置によって決定されるため、レンズ10の位置が固定されているならば、短筒部25の長さが短いほど、正反射領域101を広げることが可能になる。したがって、短筒部25の長さを短くして正反射領域101を広げることによって、第2照明光による正反射領域102との間に、非正反射領域103が生じるのを防止することができる。
また、第2照明部2Aのリング状光源から出射された光は、ドーム状部24の傾斜面に照射されて拡散し、短筒部25にまで伝搬する。また、上段基板201のLED26のうち第1壁部27aより外側にあるLED26からの光も、第2壁部27bや中空体23などの鏡面で反射しながらドーム状部24の傾斜面に到達するので、傾斜面の発光輝度が高められ、これが短筒部25に伝搬して、短筒部25も明るく発光した状態となる。この結果、短筒部25の周面も第2照明光の光出射部として機能するので、短筒部25の上端縁からは、その付近を通過する第1照明光と殆ど同じ角度で第2照明光が出射されるようになる。このように第1照明光と第2照明光との光出射部を接近させることによって、ワークWの表面においても、第1照明部2Aの正反射領域101の境界またはそれより内側にまで輝度の高い第2照明光を照射することが可能になり、非正反射領域103の発生をより確実に防止することができる。このような照明により、2種類の照明光による正反射領域101,102を切れ目なく連続させることができるから、外側の正反射領域102の境界線より内側の全範囲において、凹凸欠陥の検出精度を確保することができる。
また、図2には図示していないが、中段基板202および下段基板203の各LED26からの光が照射される範囲は、正反射領域101,102を合わせた範囲に重なるように設定される。基板202,203からの光は、第2照明光より入射角度が大きい方向から照射されるので、欠陥のない状態下では、正反射光は、カメラ1には殆ど入射しない。しかし、色欠陥の存在によって、拡散反射光が強められたり、または弱められたりすると、その反射強度の変化が生じた部位が周囲より明るい領域または暗い領域として画像に現れるので、色欠陥も精度良く検出することができる。
つぎに、上記のカメラ1および照明装置2は、図3に示すようなロボット4により、位置および姿勢を変更可能な状態で支持される。
このロボット4は、基台部41に4個のアーム部42,43,44,45を、それぞれ駆動軸c1,c2,c3,c4を介して順に連結した構成のもので、所定の高さ位置に吊り下げ固定される。先端アーム45には、カメラ1および照明装置2を指示するホルダ部46が取り付けられている。なお、照明装置2内には、第1および第2照明部2A,2Bが図1に示した位置関係をもって配備されている。
この図3には示していないが、ホルダ部46は、図の矢印方向に回転する軸により先端アーム45に回動可能に取り付けられている。また、先端アーム45は伸縮可能に構成されている。
上記の構成によれば、各アーム部間の軸c1〜c4の回転制御および先端アーム45の長さの調整、ならびにホルダ部46の回転を制御することにより、X軸(図の左右方向)、Y軸(図の紙面に直交する方向)、およびX軸(図の上下方向)の各軸により表される3次元空間内の任意の位置に、任意の方向を向けて、カメラ1および照明装置2を配置することができる。よって、ワークWの表面が種々の曲率の面により構成される場合でも、それぞれの面に対し、カメラ1および照明装置2を図1および図2に示したような関係をもって配置して、欠陥の検出に適した照明下で撮像を行うことが可能になる。
なお、カメラ1および照明装置2とワークWとの位置合わせは、上記の例に限らず、ワークWの位置や姿勢を変更するようにしてもよい。また、ワークWの一面のみを検査対象とするような場合には、XYステージを用いて位置合わせを行ってもよい。
図4は、欠陥検査装置のブロック図である。
この実施例の欠陥検査装置は、上記のカメラ1、照明装置2、ロボット4のほかに、制御処理装置3を具備する。制御処理装置3には、CPU301、メモリ302、入力部303、出力部304、光源制御部305、ロボット制御部306、カメラ制御部307、検査画像メモリ308、基準画像メモリ309、パラメータ保存用メモリ310などが設けられる。
メモリ302には、CPU301に検査やティーチング処理を実行させるためのプログラムが格納される。
光源制御部305は、各照明部2A,2B内の光源のオン/オフや照明光量を制御する。カメラ制御部307は、カメラ1の撮像動作を、ロボット制御部306は、図3に示した位置合わせ用のロボット4の動作を、それぞれ制御する。
検査画像メモリ308には、検査対象のワークWを撮像することにより生成されたカラー画像(以下、「検査画像」という。)が保存される。基準画像メモリ309には、検査に先立ち、ワークWの良品モデルを検査時と同じ条件で撮像することにより生成されたカラー画像(以下、「基準画像」という。)が保存される。これら検査画像および基準画像は、検査領域毎に生成される。
パラメータ保存用メモリ310には、検査に必要な各種パラメータが保存される。たとえば、ロボット4の動作制御に必要な設定データ、光源の点灯制御用のデータ、後記する2値化処理や判定処理に用いられる複数種のしきい値などが保存される。これらのパラメータはいずれも、検査に先立つティーチングモードにおいて、ワークWの良品モデルに対する計測結果やユーザの設定操作などに基づき設定される。
入力部303は、上記のティーチングの際に、各種データを入力したり、確定操作を行うために使用される。出力部304は、この設定結果や検査結果を出力するためのもので、図示しない外部機器やモニタへのインターフェース回路として構成される。
以下、図5を用いて、検査に関する処理の流れを説明する。なお、ここでは、照明装置2内の各光源は、処理の開始に先立ち、すべて点灯し、検査が終了するまで、その点灯状態が維持されるものとする。
まず、位置合わせ用のロボット4の動作を制御することにより、ワークWの登録された検査領域にカメラ1および各照明部2A,2Bを位置合わせし、撮像を行う(ステップ1,2)。ここで生成された画像は、検査画像メモリ308に格納される。
つぎに、基準画像メモリ309から処理中の検査領域に対応する基準画像を読み出し、先のステップで生成された検査画像と基準画像との差分濃淡画像を生成する(ステップ3)。具体的には、R,G,Bの各色データ毎に、画像間で対応関係にある画素間の濃度差を求め、これらの濃度差の平均値を算出する。これにより、検査画像につき、基準画像に対する色彩または明るさの差の度合いを表す濃淡画像データが生成されることになる。
この後は、生成された差分濃淡画像を、登録されたしきい値により2値化することにより、色彩または明るさの差がしきい値を上回る画素を白画素、その他の画素を黒画素として切り分ける(ステップ4)。さらに、2値化後の画像に含まれる白画素を、連結した関係にあるもの毎に切り分けて、それぞれの白画素領域に異なるラベルを付けるラベリング処理を実行し、ラベル付けされた領域毎に、その領域の面積や位置を計測する(ステップ5)。
この後は、上記の計測結果に基づき、面積が所定値以上の領域を欠陥として認識する(ステップ6)。さらに、欠陥が認識された場合には、該当する領域の位置や面積を欠陥の位置および大きさとして認識する。
以下、同様に、登録されている検査領域毎に上記のステップ1〜6を繰り返す。すべての検査領域に対する処理が終了すると(ステップ7が「YES」)、各検査領域の検査結果に基づきワークW全体に対する良否を判定する(ステップ8)。この後、最後のステップ9で判定結果をモニタや外部機器に出力し(ステップ9)、処理を終了する。
欠陥検査装置の光学系の構成例を示す図である。 凹凸欠陥の検出に用いられる2種類の照明光の照射状態および反射状態を示す図である。 位置合わせ処理用のロボットの構成例を示す図である。 欠陥検査装置のブロック図である。 検査における処理手順を示すフローチャートである。 従来の光学系の構成例を示す図である。 図6の光学系の光通路を長くした場合の問題点を示す図である。 図6,7に示した照明状態下で生じる正反射領域の関係を示す図である。
符号の説明
1 カメラ
2 照明装置
3 制御処理装置
2A 第1照明部
2B 第2照明部
21 光源
22 ハーフミラー
23 中空体
24 ドーム状部
25 短筒部
26 LED
27 壁部
101,102 正反射領域

Claims (6)

  1. 対象物の上方に配備される第1照明部と、第1照明部と前記対象物との間に配備される第2照明部とを具備し、
    前記第2照明部は、第1照明部から出射された光を対象物に導き、かつ各照明部からの光に対する対象物からの反射光を上方に導くための光通過部と、この光通過部を取り囲むように配置されたリング状光源と、リング状光源の下方で内側より外側の方が低くなるように傾斜する傾斜面を具備する光出射部とを備え、前記第1照明部がその光軸を光通過部の長さ方向に合わせて配備され、第2照明部から出射された光によって第1照明部の光照射範囲より外側の領域を照明する照明装置において、
    前記第2照明部の光通過部は、下端部に向かうほど径が小さくなるすり鉢状の第1通過部と、第1通過部の下端部に連続形成される短筒状の第2通過部とにより構成され、
    前記第1照明部からの光は、前記第2通過部の上端部の開口端面を通過するときに、その開口に対応する大きさをもって通過するように調整され、
    前記リング状光源は第1通過部の周囲に配置され、
    前記光出射部は光拡散剤を含む材料により形成されるとともに、第2通過部の下端部に一体に設けられる、照明装置。
  2. 前記第2照明部の第2通過部および光出射部は、光拡散剤を含む材料により一体に形成される、請求項1に記載された照明装置。
  3. 前記第2照明部には、光通過部を全周囲にわたって囲む壁部が設けられ、この壁部と光通過部および光出射部により囲まれた空間内に前記リング状光源が設けられ、
    前記壁部は、リング状光源に対応する高さ位置からそれより下の所定の高さ位置までの範囲が下方に向かうほど前記第1通過部に近づくように傾斜した形状に構成され、壁部の内面および第1通過部の外周面が鏡面加工されている、
    請求項1または2に記載された照明装置。
  4. 前記第2照明部の前記壁部より外側には、第1照明部および壁部内のリング状光源とは波長範囲が異なる光を出射する第2のリング状光源が、少なくとも1つ、壁部内のリング状光源より低い位置に配備され、
    前記光出射部の傾斜面は、最も外側のリング状光源に対向する位置まで連続する、請求項3に記載された照明装置。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載された照明装置と、この照明装置より上方に、前記第2照明部の光通過部に光軸を合わせた状態で配置された撮像装置と、前記照明装置の各照明部による照明下での撮像により生成された検査対象物の画像を処理して、当該検査対象物の表面における凹凸欠陥の有無を判別する判別手段とを具備する、欠陥検査装置。
  6. 請求項4に記載された照明装置と、この照明装置より上方に、前記第2照明部の光通過部に光軸を合わせた状態で配置された撮像装置と、前記照明装置の各照明部による照明下での撮像により生成された検査対象物の画像を処理して、当該検査対象物の表面における凹凸欠陥ならびに色彩欠陥の有無を判別する判別手段とを具備する、欠陥検査装置。
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