JP2003240094A - ボールねじ - Google Patents

ボールねじ

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JP2003240094A
JP2003240094A JP2002037248A JP2002037248A JP2003240094A JP 2003240094 A JP2003240094 A JP 2003240094A JP 2002037248 A JP2002037248 A JP 2002037248A JP 2002037248 A JP2002037248 A JP 2002037248A JP 2003240094 A JP2003240094 A JP 2003240094A
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balls
ball screw
nut
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Koji Nakamura
幸治 中村
Yasushi Shibata
靖史 柴田
Masahiro Nobutomo
雅弘 信朝
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Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 循環部で発生するボールの詰まりを解消し、
ボールねじの低速揺動運転時に発生するボールの通過に
よる周期的駆動トルクの変動を抑えることのできるボー
ルねじを提供する。 【解決手段】 隣合うボール3の間に弾性部材9を介在
させる。この弾性部材9は、ボール間方向のばね定数が
0.1〜100N/mmの範囲内であって、かつ使用時
におけるボール間方向の最大変位量がボール径の0.5
〜100%の範囲内とする。弾性部材9は、例えば、ば
ね座金タイプのものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種の機器に使
用されるボールねじに関し、特に揺動運転条件下で使用
されるボールねじに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】ボールね
じは、回転運動を直線運動に変換する高効率な装置とし
て、工作機械のテーブル送りや搬送装置、もしくは油
圧、空圧アクチュエータの置き換え部品等に使用されて
いる。このボールねじの駆動形態の一つとして、移動距
離が5〜7リード以下と短く、かつ同じ位置を繰り返し
運転させる揺動運転がある。ボールねじに、この揺動運
転を数往復させると、潤滑条件によっては駆動トルクが
周期的に変動し、不安定になることが明らかになってい
る。特に数回転〜50r/min 内の低速回転時で上記不安
定現象が顕著に現れる。これは、負荷を受けるねじ軸転
走路内において、ボール同士の接触により相対滑り摩擦
力が発生する現象、いわゆるボールの競り合い現象が生
じ、負荷圏内のボールの公転速度に差が現れることによ
る。この差のため、循環部において、転走路から入るボ
ールと、転走路へ出るボールに公転速度差が発生し、循
環部内にあるボールが詰まってしまう。よって循環部が
ねじ軸よりも下側に位置する取り付け状態や、ボールね
じを縦型で使用する場合などは、ボールの自重により循
環部内のボールが集まり易いことにより、上記現象が発
生し易い。
【0003】また、ボールねじの取り付け誤差や不均一
な外部負荷を受ける等の要因で、ナット負荷圏内で各ボ
ールが受ける負荷にアンバランスを生じた場合、ボール
毎のねじ溝に対する相対位置にずれが生じ、公転速度に
差が発生する。この状態で揺動運転すると、上述同様に
循環部内でボールが詰まってしまい、駆動トルクの変動
が発生することがある。
【0004】上記駆動トルクの変動は、ボールねじを回
転させるモータに負荷変動を生じさせ、その結果、モー
タの指令に対する溜まりパルスが増大し、位置決め精度
の劣化を招くことがある。また、自動車の電動パワース
テアリング等に用いられるボールねじでは、フィーリン
グ特性と呼ばれるドライバーが感じるハンドル操作時の
作動特性が問題になる。この作動特性はモータの出力が
変動するとハンドル部にも作動変動として伝わるため、
必然的にボールねじの作動も滑らかであること、つまり
駆動トルクが一定であることが要求される。
【0005】ボールねじの動トルク改善案として、特開
昭56-116951 、特開2000-120825 、特開2000-199556 、
特開平13-254802 等が提案されている。これらの改善案
のうち、特開昭56-116951 の提案は、ボール間に弾性体
を挿入したものであるが、この挿入する弾性体は、転走
路にある場合はボール間に大きな圧縮力を作用させず
に、ボールを円滑に公転可能とする弱い弾性体とする。
かつ、その弾性体が循環部においても円滑に通過できる
様に、弾性体の外側に環体を設ける構造となっている。
つまり、この提案は、ボール間に挿入する部材は、弾性
機能と円滑な循環機能を別体で構成することで成り立つ
ものである。しかし、ボール間に挿入する部材におい
て、弾性機能と円滑に公転できる機能(環体)を別体と
すると以下の問題点が挙げられる。すなわち、循環部内
において、(弾性体長さ)>(環体長さ)となるため、
環体がずれてボール間に食い込み、弾性機能が発揮され
ず、作動性を悪化させる恐れが生じる。また、ボール径
より小さい環体の内部に介在する弾性体が弾性変形する
には、環体と弾性体の間に弾性変形を許容するすきまが
必要となるため、弾性体の径が小さいものとなる。その
結果、ボールと接触する面積が非常に小さくなり、弾性
体自身の姿勢が安定しないことが伺える。
【0006】上記改善案のうち、特開20000-120825は、
負荷ボール間に介在させる間座のボール接触面となる凹
面形状を工夫したものである。特開2000-199556 は、同
じく間座の凹面に突起を形成したものである。特開2001
-254802 は、上記間座を有端のリング状とし、かつ両面
を凹面形状としたものである。しかし,これらの各改善
案は、いずれも、循環部の詰まりを解消するまでには至
らなかった。
【0007】この発明の目的は、循環部で発生するボー
ルの詰まりを解消し、ボールねじの低速揺動運転時に発
生するボールの通過による周期的駆動トルクの変動を抑
えることのできるボールねじを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明のボールねじ
は、ねじ軸の外径面と、このねじ軸の外周に遊嵌するナ
ットの内径面に、互いに対応するねじ溝が形成され、上
記ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝の間で形成される転
走路に複数のボールが介在し、上記ナットのねじ溝に両
端が連通して上記転走路のボールを循環させる循環部を
ナットに有し、上記転走路および循環部によって周回経
路が形成されたボールねじにおいて、隣合うボールの間
に弾性部材を介在させ、この弾性部材は、ボール間方向
のばね定数が0.1〜100N/mmの範囲内であっ
て、かつ使用時におけるボール間方向の最大変位量がボ
ール径の0.5〜100%の範囲内であることを特徴と
する。この発明は、駆動トルクの周期的な変動が生じる
要因,理由を考察し、この変動を抑えるための適正なば
ね定数を見極めて設定したものである。試験の結果、ボ
ール間に介在させる弾性部材のばね定数が0.1〜10
0N/mmの範囲内のであって、かつ使用時の最大弾性
変位量が使用ボール径の0.5〜100%の範囲内であ
れば、揺動運転時の周期的な動トルク変動を抑えること
が可能であることを突き止めた。この発明によると、特
に、ボールねじの低速揺動運転時に顕著に発生し易い、
ボール通過による周期的な駆動トルク変動を抑え、位置
決め精度の向上と駆動トルクの安定化に寄与することが
できる。そのため、例えば、電動パワーステアリングに
代表される自動車用ボールねじにおいても、駆動トルク
変動に伴う作動特性( つまり運転者のフィーリング特
性) が向上する。なお、この発明は、循環部によるボー
ルの循環方式が、外部循環方式( 代表例としてリターン
チューブ式、ガイドプレート式) と、内部循環方式( 代
表例としてこま式、エンドキャップ式) のいずれであっ
ても適用できる。
【0009】この発明において、上記弾性部材は略円板
形であっても良い。この場合に、両側のボール接触面が
凹面形状であっても良い。上記の略円板形とは、リング
状であっても、概ね板状と考えることができるものを含
む意味である。また、上記弾性部材は、有端のリング状
であって、両端が互いに軸方向にずれたものであっても
よい。その場合に、両側のボール接触面が凹面形状であ
っても良い。上記弾性部材が有端のリング状である場合
に、両側のボール接触面が凹面形状であって、両端が互
いに径方向に開くことによって軸方向の変位を生じるも
のであっても良い。上記弾性部材は、互いにボール間方
向に重なる2種以上の部材を接合したものであって、そ
の接合された部材の少なくとも一つが弾性を有するもの
であっても良い。上記の2種以上とある種類は、例えば
材質の違い、特に弾性係数の違いを言う。上記弾性部材
は、上記ボールの半径の50〜100%の半径を持つ球
形状であっても良い。
【0010】上記弾性部材は、必ずしもボール1個毎に
介在させなくても良く、複数個のボール毎に1個ずつ介
在させても良い。その場合、弾性部材のボールに対する
個数割合は、上記循環部に常に1個以上の弾性部材が存
在する割合とすることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明の第1の実施形態を図1
ないし図4と共に説明する。このボールねじは、ねじ軸
1の外径面と、このねじ軸1の外周に遊嵌するナット2
の内径面に、互いに対応するねじ溝4,5が形成され、
両ねじ溝4,5の間で形成される螺旋状の転走路6に複
数のボール3が介在している。ナット2は、ねじ溝5に
両端が連通して転走路6のボール3を循環させる循環部
7を有し、転走路6および循環部7によって周回経路8
が形成されている。周回経路8は、ねじ溝4,5の螺旋
の1周分であっても、複数周分であっても良く、この実
施形態では複数周分とされている。また、周回経路8
は、一つのボールねじにおいて一つであっても、複数で
あっても良い。この実施形態では、ナット2に循環部7
を2つ設け、2つの周回経路8を形成している。循環部
7は、ナット2に取付けられたリターンチューブ10に
より形成されている。
【0012】この構成のボールねじにおいて、隣合うボ
ール3の間に弾性部材9を介在させてある。弾性部材9
は、ボール間方向のばね定数が0.1〜100N/mm
の範囲内であって、かつ使用時におけるボール間方向の
最大変位量がボール径の0.5〜100%の範囲内のも
のである。
【0013】弾性部材9は、図3に示すように略円板形
としてある。この弾性部材9は、有端のリング状であっ
て、両端9a,9bが互いに軸方向にずれたものであ
り、ばね座金状となっている。このずれが挟み代δとな
る。両端9a,9b間のスリット9cは、隙間寸法が略
ゼロであっても良い。弾性部材9の両側のボール接触面
S(図4)は、凹面形状とされている。このボール接触
面Sの凹面形状は、例えば円すい面とされ、この他にボ
ール3の半径よりも大きな曲率半径を持つ球状面形状と
しても良い。弾性部材9の材質は例えば合成樹脂であ
る。
【0014】上記構成のボールねじの効果を、従来のボ
ールねじと比較して試験し、検証した結果と共に説明す
る。図16に試験装置を示す。この試験装置は、試験対
象となるボールねじAのナット2をナット回転止め31
に止め付け、ねじ軸1をモータ32で回転させてナット
2の駆動トルクを測定するものである。モータ32の出
力軸は、ブラケット33に軸受(図示せず)を介して回
転自在に支持された駆動軸34にカップリング35を介
して連結され、駆動軸34にフランジ36で結合された
ボールねじ固定ブッシュ37に、ボールねじAのねじ軸
1の一端が連結固定される。ねじ軸1の他端は他のブラ
ケット38により回転自在に支持される。ナット回転止
め31には歪みゲージ39が貼り付けてあり、ナット2
に作用する揺動トルクは、ナット回転止め31の歪みに
より、歪みゲージ39を介して検出される。歪みゲージ
39の出力は、ブリッジボックス40およびアンプ41
を介して取り出し、レコーダ42で記録する。
【0015】上記試験装置を用い、従来のボールねじの
揺動運転時に発生する駆動トルクの周期的な変動が発生
するメカニズムを検証した結果を図17に示す。図中
で、「揺動トルク」とあるのは、駆動トルクのことであ
る。従来のボールねじとしては、図1に示す実施形態の
ボールねじにおいて、弾性部材9を省いたものを用い
た。測定条件は次の通りである。ボールねじの軸径:φ
40mm、リード:16mm、予圧:有り、回転速度10r/
min、揺動距離:8mmである。
【0016】検証の結果、このトルク変動の周期はボー
ル間隔と合致することがわかった。転走路6(図1)で
負荷を受けているボール3は、ねじ軸1またはナット2
の回転に伴い公転する。しかし、負荷を受けていない循
環部7内にあるボール3は、後ろから押し出されないと
転走路6に入らない。ねじ軸1またはナット2を回転さ
せると、負荷を受けている転走路6内のボール3は自転
運動をしながら、転走路6に沿って公転運動をする(図
12)。図中に符号a〜cで、ねじ軸1の回転方向a、
ボール3の公転方向b、およびボール3の自転方向cを
示す。このボール3の自転速度は転走路6のねじ溝内面
の母線形状、粗さ、潤滑状態等で変化するはずである。
この自転速度の違いが、個々のボール3の公転速度差に
なる。
【0017】ボール3に公転速度差が発生すると、ボー
ル3同士は接触し、その部分に相対滑り摩擦が生じる。
この摩擦力はボール3の自転方向cと逆の方向に発生す
るため、自転速度がますます遅くなり、ボール3間の公
転速度差が増長される。その結果、ボール3同士が接触
している箇所を起点としてボール3が詰まるボール3の
競り合い現象が発生する。このことで、次の速度V1<
V2の関係となる(図13)。V1は循環部7から転走
路6に入るボール3の公転速度であり、V2は転走路6
から循環部7に入るボール3の公転速度である。このV
1,V2の速度差により、循環部7内にボール3が詰ま
ってしまう。このボール3の詰まりは、ボール3の公転
を阻害する力として、駆動トルクの増大になる(図1
4)。
【0018】駆動トルクのボール間隔と同期した周期的
な変動については、循環部7から転走路6に入るときの
ボール3は自ら移動できない。しかし、後ろから押され
転走路6内に入り、転走路6から外部負荷を受けた瞬間
に自ら回転しながら転走路6に沿って公転することにな
る。この瞬間に循環部7に発生していたボール3の詰ま
り力は一気に開放される。しかし、循環部7にある次の
ボール3についても同様の現象をたどるため、ボール3
の詰まりによる駆動トルクの増大・開放は、ボール間隔
周期で発生することになる。
【0019】そこで、図15に模式的に示すように、循
環部7内のボール3間に、あるばね定数を持った弾性部
材9を挿入し、循環部7内でボール3間に発生する詰ま
り力を吸収するようにすれば、駆動トルクの周期的な変
動を抑えることができると考えた。
【0020】この考えを元に、図1〜図4に示す実施形
態のボールねじを製作し、確認試験を行った。その結果
を図18に示す。この結果により、弾性部材9をボール
3間に介在させることで、揺動運転時の周期的な駆動ト
ルク変動を抑えることができることが確認できた。弾性
部材9は、図3と共に前述したように、樹脂製のばね座
金タイプのもの、つまり有端のリング状で、両端9a,
9bが互いに軸方向にずれたものであり、かつ両側のボ
ール接触面Sが凹面形状のものである。
【0021】なお、樹脂自体にも弾性力があるため、ス
リット9cの無い弾性部材9で同様の確認試験を行った
が、周期的な変動を抑える効果は見られなかった。ま
た、ボール接触面Sを凹面形状としたばね座金タイプの
弾性部材9であっても、ばね定数が大きいと周期的な駆
動トルク変動を抑えることができず、スリット9cの無
い弾性部材9と同じ測定結果になった(図19) 。そこ
で、われわれは駆動トルクの周期的な変動を抑えるため
の適正なばね定数を見極めた結果、ばね定数が0.1〜
100N/mmの弾性部材9で構成され、かつ使用時に
おけるボール間方向の最大変位量がボール径の0.5〜
100%の範囲内であれば、揺動運転時の周期的な駆動
トルク変動を抑えることが可能であることを突き止め
た。
【0022】この実施形態のボールねじは、このよう
に、ボール3間にばね定数が0.1〜100N/mmの
弾性部材9を挿入し、かつ使用時における弾性部材9の
ボール間方向の最大変位量が使用ボール径の0.5〜1
00%の範囲内としたため、揺動運転時の周期的な駆動
トルク変動を抑えることができる。また、この実施形態
のボールねじは、弾性部材9を上記のばね座金タイプの
ものとしたため、上記の小さなばね定数、および最大変
位量のものとすることが容易である。弾性部材9は、略
円板形であるため、経路内での引っ掛かりが生じ難い。
また、弾性部材9のボール接触面Sは凹面形状としたた
め、この弾性部材9の両側のボール3,3間の距離を短
くでき、また弾性部材9の姿勢が安定する。
【0023】なお、弾性部材9は、上記のばね座金タイ
プのものの他に、図5〜図7にそれぞれ示すタイプのも
のとしても良い。図5に示す弾性部材9は、略円板形
で、かつ有端のリング状であって、両側のボール接触面
Sが凹面形状であり、両端9a,9bが互いに径方向に
開くことによって、ボール接触部分の軸方向の変位を生
じるものである。ばね定数と最大変位量については、第
1の実施形態と同じく、ボール間方向のばね定数が0.
1〜100N/mmの範囲内であって、かつ使用時にお
けるボール間方向の最大変位量がボール径の0.5〜1
00%の範囲内とする。
【0024】図6に示す弾性部材9は、中央の部材21
を、それぞれ片面にボール接触面Sを成形した部材2
2,23で挟み込んだものである。弾性部材9の各構成
部材21〜23は、互いに異なる材質のものであり、少
なくとも一つが弾性を有するものとされる。例えば、3
つの部材21〜23の全てが弾性を有する部材であっ
て、中央の部材21が、両側の部材22,23に比べて
弾性係数の小さなものとしても良い。この接合形式の弾
性部材9は、その接合された状態の弾性部材9の全体と
して、ボール間方向のばね定数が0.1〜100N/m
mの範囲内であって、かつ使用時におけるボール間方向
の最大変位量がボール径の0.5〜100%の範囲内と
される。このように弾性部材9を2種以上の部材の接合
形式とすることにより、小さな弾性を得ながら、ボール
接触面Sの滑りや耐摩耗性等の良いものとできる。
【0025】図7に示す弾性部材9は、球形状とのもの
し、その半径をボール3の半径の50〜100%の範囲
としたものである。このように球形状とした場合は、弾
性部材9の方向性がなく、倒れによる詰まりの恐れがな
い。
【0026】なお、上記各実施形態は、弾性部材9をボ
ール3の1個毎に介在させたが、図8に示すように、複
数個のボール3毎に1個の弾性部材9を介在させても良
い。その場合、弾性部材9のボール3に対する個数割合
は、循環部7に常に1個以上の弾性部材9が存在する割
合とする。これにより、潤滑部7における詰まりが防止
される。
【0027】また、上記各実施形態は、循環部7をリタ
ーンチューブ10で構成したが、この発明は、上記リタ
ーンチューブ10を代表とする外部循環方式の他に、内
部循環方式としても良く、ボール循環形式に関係なく適
用することができる。外部循環方式は、ナット2の本体
の外部でボール3を循環させる方式であり、上記リター
ンチューブ式の他に、図9に示すようにガイドプレート
25に循環部7を形成したガイドプレート式がある。内
部循環方式は、ナット2の本体の内部でボール3を循環
させる方式であり、代表例として、図10に示すように
循環部7をこま26で形成したこま式や、図11に示す
ように循環部7をエンドキャップ27で形成したエンド
キャップ式がある。
【0028】
【発明の効果】この発明のボールねじは、隣合うボール
の間に弾性部材を介在させ、この弾性部材は、ボール間
方向のばね定数が0.1〜100N/mmの範囲内であ
って、かつ使用時におけるボール間方向の最大変位量が
ボール径の0.5〜100%の範囲内としたため、循環
部で発生するボールの詰まりを解消し、ボールねじの低
速揺動運転時に発生するボールの通過による周期的駆動
トルクの変動を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかるボールねじ
の破断正面図である。
【図2】同ボールねじを斜めに破断した横断面図であ
る。
【図3】(A),(B)はそれぞれ同ボールねじの弾性
部材の側面図およびその正面図である。
【図4】同ボールねじの弾性部材とボールの関係を示す
断面図である。
【図5】(A)〜(C)はそれぞれ弾性部材の変形例の
側面図、正面図、およびその開き状態の側面図である。
【図6】弾性部材の他の変形例の破断正面図である。
【図7】この発明のさらに他の実施形態にかかるボール
と弾性部材の関係を示す説明図である。
【図8】この発明のさらに他の実施形態にかかるボール
と弾性部材の関係を示す説明図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態の破断側面図で
ある。
【図10】この発明のさらに他の実施形態の斜視図であ
る。
【図11】この発明のさらに他の実施形態の破断正面図
である。
【図12】ボールねじ一般におけるボール公転動作の説
明図である。
【図13】ボールねじ一般におけるボール公転速度の説
明図である。
【図14】ボールねじ一般におけるボールの詰まり力の
説明図である。
【図15】ボールねじの提案例の作用説明図である。
【図16】ボールねじに作用する駆動トルクの試験装置
の正面図である。
【図17】従来のボールねじにおける揺動トルクの試験
結果のグラフである。
【図18】第1の実施形態に係るボールねじにおける揺
動トルクの試験結果のグラフである。
【図19】比較提案例に係るボールねじにおける揺動ト
ルクの試験結果のグラフである。
【符号の説明】
1…ねじ軸 2…ナット 3…ボール 4,5…ねじ溝 6…転走路 7…循環部 8…周回経路 9…弾性部材 A…ボールねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 信朝 雅弘 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 Fターム(参考) 3J062 AA21 AA27 AB22 AC07 CD06 CD07 CD63

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ねじ軸の外径面と、このねじ軸の外周に
    遊嵌するナットの内径面に、互いに対応するねじ溝が形
    成され、上記ねじ軸のねじ溝とナットのねじ溝の間で形
    成される転走路に複数のボールが介在し、上記ナットの
    ねじ溝に両端が連通して上記転走路のボールを循環させ
    る循環部をナットに有し、上記転走路および循環部によ
    って周回経路が形成されたボールねじにおいて、 隣合うボールの間に弾性部材を介在させ、この弾性部材
    は、ボール間方向のばね定数が0.1〜100N/mm
    の範囲内であって、かつ使用時におけるボール間方向の
    最大変位量がボール径の0.5〜100%の範囲内であ
    ることを特徴とするボールねじ。
  2. 【請求項2】 上記弾性部材が略円板形である請求項1
    に記載のボールねじ。
  3. 【請求項3】 上記弾性部材が、有端のリング状であっ
    て、両端が互いに軸方向にずれたものであり、かつ両側
    のボール接触面が凹面形状である請求項2に記載のボー
    ルねじ。
  4. 【請求項4】 上記弾性部材が、有端のリング状であっ
    て、両側のボール接触面が凹面形状であり、両端が互い
    に径方向に開くことによって軸方向の変位を生じるもの
    である請求項2に記載のボールねじ。
  5. 【請求項5】 上記弾性部材が、互いにボール間方向に
    重なる2種以上の部材を接合したものであり、その接合
    された部材の少なくとも一つが弾性を有するものである
    請求項1または請求項2に記載のボールねじ。
  6. 【請求項6】 上記弾性部材が、上記ボールの半径の5
    0〜100%の半径を持つ球形状である請求項1に記載
    のボールねじ。
  7. 【請求項7】 上記弾性部材を複数個のボール毎に1個
    ずつ介在させ、この弾性部材のボールに対する個数割合
    を、上記循環部に常に1個以上の弾性部材が存在する割
    合とした請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のボ
    ールねじ。
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