JP2003240037A - ディファレンシャルマウント - Google Patents

ディファレンシャルマウント

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JP2003240037A
JP2003240037A JP2002035666A JP2002035666A JP2003240037A JP 2003240037 A JP2003240037 A JP 2003240037A JP 2002035666 A JP2002035666 A JP 2002035666A JP 2002035666 A JP2002035666 A JP 2002035666A JP 2003240037 A JP2003240037 A JP 2003240037A
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Japan
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rubber elastic
elastic body
tubular metal
convex portion
metal fitting
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JP2002035666A
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English (en)
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Naohito Kuwayama
直仁 桑山
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム弾性体ストッパーが圧縮されることによ
って亀裂及び座屈を起こすことなく、かつ低ばね線形領
域を延ばすことができるディファレンシャルマウントを
提供する。 【解決手段】 ディファレンシャルマウントは、外筒金
具11と、その内側に並列配置された内筒金具13と、
外筒金具の内周面の2箇所間を内筒金具を挟んで略V字
状に延びるゴム弾性体連結部21と、ゴム弾性体連結部
の両面と外筒金具間に設けた上下空隙部14,15と、
外筒金具の内周面から上空隙部14に突出すると共に軸
方向に延びたストッパー23を設けている。ストッパー
は、中央凸部24と、その周方向両側で中央凸部より突
出高さが低い一対の両側凸部26とを一体で設けてい
る。中央凸部と両側凸部との間には、溝部27がそれぞ
れ設けられている。中央凸部は、軸方向両側に軸方向両
端に向けて傾斜した切欠き部25を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のディファレ
ンシャル側と車体側の間に取り付けられて、ディファレ
ンシャル側から車体側へ伝播する振動を減衰させるディ
ファレンシャルマウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のディファレンシャルマウ
ントは、例えば図6に示すように、ディファレンシャル
側(又は車体側)にブラケット1aによって取り付けら
れる外筒金具1と、その内側に並列配置され車体側(又
はディファレンシャル側)に取り付けられる内筒金具2
と、外筒金具1の内周面の左右2箇所の間を内筒金具2
を挟んで略V字状に延びると共に軸方向に延びて内外筒
金具1,2間を弾性的に連結するゴム弾性体連結部3
と、外筒金具1の内周面とゴム弾性体連結部3の両面と
の間を軸方向に延びた上下一対の空隙部4,5と、ゴム
弾性体連結部3のV字状部分に挟まれた側の空隙部4に
外筒金具1の内周面から突出すると共に軸方向に延びた
ゴム弾性体製のストッパー部6とを設けている。
【0003】ディファレンシャルマウントが図示上下方
向に振動入力を受けたときの、ゴム弾性体の受ける応力
とゴム弾性体の変位との関係は、図7に示すようにな
る。まず、振動入力を受けると、ゴム弾性体連結部3が
ばね剛性の高い圧縮及び剪断変形することにより、応力
と変位との関係が直線である線形領域となる。さらに
応力が加わることにより、ゴム弾性体連結部3がストッ
パー部6に当接すると、ストッパー部6を含めてゴム弾
性体全体が硬くなって、応力と変位の関係が急激な傾斜
でに立ち上がる立ち上がり領域になる。このような応
力と変位の関係の領域から領域への急激な変化によ
り、マウントにおいて無用な振動や騒音が発生する。こ
れを避けるために、応力と変位の急激な立ち上がりをで
きる限り遅らせて、低ばね側の線形領域を長くするこ
とが求められる。そのために、内筒金具2側とストッパ
ー部6との間のクリアランスを長くする方法がある。し
かし、この場合、ゴム弾性体連結部3の圧縮及び剪断変
形が途中でばね剛性の低い剪断変形のみとなるため、点
線に示すようにばね特性が低下する。そのため、マウ
ントの低ばね側の線形領域を延ばすことができなくな
る。
【0004】また、他の防振ゴム(ディファレンシャル
マウント)として、例えば特開平6−147245号公
報に示すように(図8参照)、弾性ゴム体3に設けた切
欠き空所4内に外筒1から突出する中央ストッパー7
と、その両側で中央ストッパー7より突出高さが低い両
側ストッパー8とを設け、中央ストッパー7と両側スト
ッパー8との間に両者が実質的に独立に作用するための
切欠き部9を設けたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記他の防振
ゴムは、図7に示すように、応力と変位との関係が急激
に変化する低ばね線形領域と立ち上がり領域の境界
部分に両領域の傾斜の中間の傾斜の中間領域を持たせ
るために、中央ストッパー7を設けたものである。すな
わち、線形領域の途中でゴム弾性体連結部3を中央ス
トッパー7に当接させてばねをわずかに硬くすることに
より、応力と変位の関係が線形領域に比べてわずかに
急でかつ立ち上がり領域より緩やかな中間領域が形
成される。このように、この防振ゴムは、線形領域と
急激な立ち上がり領域との間を中間領域によって滑
らかに繋げることにより、無用な振動等の発生を抑える
ようにしたものである。
【0006】しかし、この防振ゴムの場合、中間領域
を設けてはいるが、線形領域を高ばね側に延ばすもの
ではなく、さらに線形領域と中間領域の境界で無用
の振動等が発生することを抑えることはできない。ま
た、この防振ゴムでは、中央ストッパー7が圧縮される
とき、その軸方向の両端部分が外方に押されることによ
り、中央ストッパー7が軸方向両側に引張られ、その引
張り力によって中央ストッパー7に亀裂が生じやすくな
るという問題がある。さらに、中央ストッパー7が圧縮
される過程で座屈(倒れ)を起こす可能性もある。
【0007】本発明は上記した問題を解決しようとする
もので、振動入力を受けて圧縮されることによってゴム
弾性体ストッパーが亀裂及び座屈を起こすことなく、か
つ低ばね線形領域を実質的に延ばすことができるディフ
ァレンシャルマウントを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、外筒
金具と、外筒金具の内側に並列配置された内筒金具と、
外筒金具の内周面の互いに対向する2箇所の間を内筒金
具を挟んで略V字状に延びると共に軸方向に延びて外筒
金具及び内筒金具間を弾性的に連結する厚板状のゴム弾
性体連結部と、ゴム弾性体連結部の両面と外筒金具の内
周面との間を軸方向に延びた一対の空隙部と、ゴム弾性
体連結部の略V字状部分に挟まれた側の空隙部に外筒金
具の内周面から突出すると共に軸方向に延びたゴム弾性
体ストッパーとを設けたディファレンシャルマウントに
おいて、ゴム弾性体ストッパーが、少なくとも1つの頂
部を有する山形状の中央凸部と、中央凸部の周方向両側
に溝部を介して配設された中央凸部より高さの低い山形
状の一対の両側凸部とにより構成され、中央凸部の高さ
を、振動入力に応じたゴム弾性体連結部のゴム弾性体ス
トッパー部に向けた変形が当初の圧縮及び剪断変形から
剪断変形のみに移行するまでに内筒金具側が中央凸部に
当接する高さとし、さらに中央凸部の軸方向両側が両端
に向けて切り欠かれた切欠き部になっていることにあ
る。
【0009】上記のように構成した請求項1の発明にお
いては、ディファレンシャルマウントが振動入力を受け
ると、ゴム弾性体連結部が圧縮及び剪断変形することに
より、応力と変位との関係が線形状態になる。さらに応
力が加わることにより、ゴム弾性体連結部が圧縮及び剪
断変形から剪断変形のみに移行するようになるが、ゴム
弾性体連結部が剪断変形のみになるまでに内筒金具側が
ゴム弾性体ストッパーの中央凸部に当接して、中央凸部
に押圧力を加えて圧縮させる。これにより、ゴム弾性体
連結部が中央凸部と一体で変形するようになり、ゴム弾
性体連結部に圧縮成分が無くなるがその代わりに中央凸
部の圧縮成分が加えられるため、全体としてゴム弾性体
が相対的に硬くされる。このように、ゴム弾性体連結部
及び中央凸部が一体で変形することにより、ゴム弾性体
全体の応力と変位の関係が低ばね線形領域の傾きに戻さ
れ、低ばね線形領域が延ばされる。さらにゴム弾性体連
結部が変位して両側凸部に当接すると、ゴム弾性体全体
が非常に硬くなって、応力と変位の関係が低ばね線形領
域から急激な傾斜の立ち上がり領域になる。しかし、ゴ
ム弾性体連結部が中央凸部に当接してから両側凸部に当
接するまでの間、低ばね線形領域が実質的に延ばされる
ことになる。
【0010】また、中央凸部は、内筒金具側から押され
て圧縮されるが、中央凸部の軸方向両側が切欠き部にな
っているため、圧縮による中央凸部の軸方向両側への膨
れが切欠き部で吸収される。そのため、請求項1の発明
においては、中央凸部での軸方向外方への引張りが抑え
られ、中央凸部に亀裂が生じる不都合が確実に防止され
る。なお、中央凸部の頂部は通常は1つであるが、頂部
が2つ以上であってもよい。頂部を2つ以上とすること
により、振動入力方向が傾いたときの応力の向きの変化
を頂部間の溝で緩和することができるため、中央凸部の
座屈が確実に防止される。
【0011】また、上記請求項2の発明の構成上の特徴
は、前記請求項1に記載のディファレンシャルマウント
において、中央凸部が、振動入力による内筒金具側から
の押圧力によって圧縮されて、その高さが両側凸部と同
じ高さになったときに、圧縮による中央凸部の膨み部分
が溝部のほぼ全体に収容されることにある。
【0012】このように、請求項2の発明においては、
中央凸部が、内筒金具側からの押圧力により圧縮され
て、その高さが両側凸部と同じ高さになったときに、中
央凸部の膨み部分が溝部のほぼ全体に収容されるため、
中央凸部の座屈を確実に防止することができる。また、
これにより、請求項2の発明においては、中央凸部の膨
み部分が溝部両端からはみ出すことがないため、軸方向
両端部の根元部分に応力が集中することによる亀裂の発
生が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を用いて説明する。図1及び図2は、第1実施形
態である自動車のディファレンシャルと車体側部材との
間に装着されるディファレンシャルマウント10を、左
側面図及びII−II線方向の断面図により示したもの
である。図3は、ディファレンシャルマウント10をデ
ィファレンシャル側ブラケットDと車体側部材(図示し
ない)との間へ装着した状態を側面図により概略的に示
したものである。図1〜図3において、上下が白抜き向
きや矢印で示す振動入力方向になっている。
【0014】ディファレンシャルマウント10は、軸心
を中心とした左右が対称形状になっており、円筒形薄肉
の外筒金具11と、外筒金具の内側に並列配置された厚
肉パイプ状の内筒金具13と、外筒金具11の内周面の
互いに対向する左右の2箇所間を内筒金具13を挟んで
略V字状に延びると共に軸方向に延びて内外筒金具1
1,13間を弾性的に連結するゴム弾性体連結部21
と、ゴム弾性体連結部21の上下両面と外筒金具11内
周面にそれぞれ挟まれて軸方向に延びた一対の上下空隙
部14,15と、外筒金具11の上側内周面から上空隙
部14に突出すると共に軸方向に延びたゴム弾性体製の
ストッパー23とを設けている。
【0015】内筒金具13は、外筒金具11に対して、
下方に偏心した状態で配置されている。ゴム弾性体連結
部21は、外筒金具11内周面の横方向の対向する部分
からそれぞれ斜め下方に延びた略V字状になっており、
V字の屈折部分で内筒金具13を挟んだ形状に配設され
ており、外筒金具11のほぼ軸方向の両端間に延設され
ている。ゴム弾性体連結部21は、内筒金具13の上側
の部分が薄肉になっており、ストッパー23に当接する
当接部21aになっている。また、ゴム弾性体連結部2
1の内筒金具13の下側部分は、軸線に沿った断面が円
弧形の山形の厚肉部21bになっている。この厚肉部2
1bは、振動入力を受けてゴム弾性体連結部21が大き
く変位したときに、外筒金具11の下側内周面に設けた
後述する被覆部22に当接することにより、下側への変
位を規制するストッパーとしても機能している。
【0016】そして、外筒金具11とゴム弾性体連結部
21のV字状部分に挟まれた上側部分は、上記上空隙部
14になっており、外筒金具11とゴム弾性体連結部2
1のV字の外側との間の部分はV字状の上記下空隙部1
5になっている。外筒金具11の下空洞部15と対向す
る内周面には、ゴム弾性体製の薄肉の被覆部22がゴム
弾性体連結部21から続いて設けられている。さらに、
外筒金具11の上空隙部14と対向する内周面には、ス
トッパー23が、ゴム弾性体連結部21から続いて上空
隙部14に突出して設けられている。
【0017】ストッパー23は、軸心を中心とした左右
の中心位置に配設されて下方に突出する台形状の中央凸
部24と、その周方向両側で中央凸部24より突出高さ
が低い台形状の一対の両側凸部26とを一体で設けてい
る。中央凸部24と両側凸部26との間には、溝部27
がそれぞれ設けられており、中央凸部24と両側凸部2
6とを仕切っている。例えば、中央凸部24は、高さが
7.7mm、上端及び下端の幅が6mm及び9mmであ
り、両側凸部26の高さが2mmである。中央凸部24
は、図2に示すように、軸方向両側の全軸方向長さのそ
れぞれ略1/3の部分において、軸方向両端に向けて傾
斜状に切り欠かれた切欠き部25になっている。切欠き
部25の高さ寸法は、中央凸部24の高さの略半分程度
である。
【0018】中央凸部24の軸方向中間部の高さは、振
動入力に応じたゴム弾性体連結部21のストッパー23
に向けた変形が、ゴム弾性体連結部21がV字状になっ
ていることに伴う当初の圧縮及び剪断変形から剪断変形
のみに移行する際(すなわちゴム弾性体連結部21の受
ける応力と変位の関係が線形領域から外れる際)、ゴム
弾性体連結部21が当接する高さにされている。また、
中央凸部24と溝部27との関係は、中央凸部24が内
筒金具13側からの押圧力により圧縮されて、その高さ
が両側凸部26と同じ高さになったときに、圧縮による
中央凸部24の膨み部分が溝部27のほぼ全体に収容さ
れるように決められている。
【0019】上記ゴム弾性体連結部21、被覆部22及
びストッパー23については、加硫成形により一体で形
成される。すなわち、所定の成形金型に接着剤が塗布さ
れた外筒金具11及び内筒金具13をセットした状態
で、ゴム材料を注入して加硫成形を行うことにより、デ
ィファレンシャルマウント10が一体で製造される。
【0020】ディファレンシャルマウント10は、車両
の前後に向けて配置されたディファレンシャルの前側及
び後側にそれぞれ配設される。ディファレンシャルマウ
ント10は、車両の加速時に必ず加速側特性となるよう
に、すなわちゴム弾性体連結部21がストッパー23に
当接する方向になるように配置されるようになってい
る。例えば、ディファレンシャルの前側に配設される場
合は、図3に示すように、ストッパー23が上側に位置
するように配設され、ディファレンシャルの後側に配設
される場合は、逆にストッパー23が下側に位置するよ
うに配設される。
【0021】ディファレンシャルマウント10は、図3
に示すように、外筒金具11がブラケットDによってデ
ィファレンシャル側に取り付けられ、内筒金具13がブ
ラケット(図示しない)によって車体側に取り付けられ
る。これにより、ディファレンシャルマウント10に
は、分担荷重が加わり、外筒金具11に対して内筒金具
13の位置が相対的に軸心側に移動し、内筒金具13の
偏心の程度が少なくされる。その結果、ゴム弾性体連結
部21の当接部21aと中央凸部24間の隙間と、ゴム
弾性体連結部21の厚肉部21bと被覆部22間の隙間
とが略等しくされる。ただし、ディファレンシャルマウ
ント10の取り付けについては、必要に応じて、逆に外
筒金具11が車体側に取り付けられ、内筒金具13がデ
ィファレンシャル側に取り付けられる場合もある。
【0022】上記のように構成された実施形態において
は、ディファレンシャルマウント10は、内筒金具13
側に振動入力を受けると、ゴム弾性体連結部21が上方
に向けて圧縮及び剪断変形することにより、ゴム弾性体
連結部21の受ける応力とその変位との関係が図4のグ
ラフの直線に示すように低ばね線形領域に相当する。
これにより、ディファレンシャルマウント10は、ディ
ファレンシャル側からの振動入力をゴム弾性体連結部2
1のばね剛性の高い圧縮及び剪断変形により吸収して効
果的に減衰させることができる。
【0023】ゴム弾性体連結部21にさらに大きな応力
が加わることにより、ゴム弾性体連結部21が略水平状
態に変位して、ばね剛性の高い圧縮及び剪断変形からば
ね剛性の低い剪断変形のみに移行しようとするが、この
とき内筒金具13側の当接部21aがストッパー23の
中央凸部24に当接して、中央凸部24に押圧力を加え
て圧縮させる。これにより、ゴム弾性体連結部21が中
央凸部24と一体で変形するようになり、ゴム弾性体連
結部21の剪断変形に中央凸部24の圧縮変形成分が加
えられるため、全体としてゴム弾性体が相対的に硬くさ
れ、ゴム弾性体連結部21及び中央凸部24のばね剛性
が高められる。その結果、ゴム弾性体連結部21及び中
央凸部24に加わる応力とその変位の関係が直線に示
すように低ばね線形領域の傾きに戻され、低ばね線形
領域が実質的に延ばされる。さらにゴム弾性体連結部2
1が変位して両側凸部26に当接すると、ゴム弾性体全
体が硬くなって、応力と変位の関係が急激な傾斜の立ち
上がり領域になる。
【0024】以上に説明したように、本実施形態におい
ては、ディファレンシャルマウント10の低ばね線形領
域が実質的に延ばされるため、ディファレンシャル側か
らの振動入力を低減させるディファレンシャルマウント
10の防振特性が高められ、その結果、車両の乗り心地
が改善される。
【0025】また、中央凸部24は、内筒金具13側か
ら押されて圧縮されるが、中央凸部24の軸方向両側が
切欠き部2になっているため、圧縮による中央凸部24
の軸方向両側への膨れが切欠き部25で吸収される。そ
のため、中央凸部24に軸方向両側からの引張り力が作
用しないため、中央凸部24に亀裂が生じることを確実
に防止することができ、ストッパー23の信頼性が高め
られる。
【0026】さらに、ストッパー23は、中央凸部24
が、内筒金具13側からの押圧力により圧縮されて、そ
の高さが両側凸部26と同じ高さになったときに、圧縮
による中央凸部24の膨み部分が溝部27のほぼ全体に
収容されるようになっている。そのため、中央凸部24
が内筒金具13側からの押圧力により圧縮されても、中
央凸部24の座屈が確実に防止される。また、中央凸部
24の膨み部分が溝部27両端からはみ出すことがない
ため、中央凸部24の軸方向両端部の根元部分に応力が
集中することによる亀裂の発生が防止される。その結
果、ディファレンシャルマウント10の耐久性が高めら
れる。
【0027】上記実施形態の変形例として、ストッパー
23の中央凸部24の頂部を1つにする代わりに、図5
に示すように、頂部24aを2つにすることができる。
これにより、振動入力方向が傾いたとき、応力の向きの
変化を頂部24a間の溝で緩和することができ、中央凸
部24の座屈をより確実に防止することができる。頂部
の数を3つ以上にすることもできる。
【0028】上記実施形態では、ストッパーは、外筒金
具内周面から上空隙部に突出して設けられているのみで
あるが、さらに外筒金具内周面から下空隙部に突出する
同様な構成のストッパーを設けることも可能である。そ
の他、上記実施形態に示したディファレンシャルマウン
トについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない
範囲において、種々の形態で実施することができる。
【0029】
【発明の効果】上記請求項1の発明によれば、振動入力
による応力を受けてゴム弾性体連結部が圧縮及び剪断変
形から剪断変形のみに移行しようとするときに、ゴム弾
性体連結部がゴム弾性体ストッパーの中央凸部に当接し
て一体となるため、ゴム弾性体全体のばね剛性が高めら
れることにより、応力と変位の関係が低ばね線形領域の
傾きに戻され、低ばね線形領域が延ばされる。その結
果、本発明においては、より大きな振動入力に対して、
振動や騒音の車体側への伝播を適正に抑制することがで
き、車両の乗り心地を向上させることができる。また、
本発明によれば、中央凸部に大きな応力が加えられて
も、中央凸部の軸方向両側に設けた切欠き部によって、
中央凸部に亀裂の発生を抑えることができるので、ディ
ファレンシャルマウントの耐久性を高めることができ
る。なお、頂部を2つ以上とすることにより、振動入力
方向が傾いたときの応力の向きの変化を頂部間の溝で緩
和することができ、中央凸部の座屈が確実に防止され
る。
【0030】また、振動入力に伴う中央凸部の膨み部分
を溝部のほぼ全体に収容できるようにしたことにより、
中央凸部の座屈を確実に防止しさらに軸方向両端部の根
元部分に応力が集中することにより発生する亀裂を防止
することができるので、ディファレンシャルマウントの
耐久性が高められる(請求項2の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるディファレンシャル
マウントを示す側面図である。
【図2】 ディファレンシャルマウントを示す図1のI
I−II線方向の断面図である。
【図3】ディファレンシャルマウントのデファレンシャ
ル側及び車体側間への装着状態を示す側面図である。
【図4】ディファレンシャルマウントのゴム弾性体部分
の受ける応力と変位との関係を示すグラフである。
【図5】変形例であるディファレンシャルマウントを示
す側面図である。
【図6】従来例であるディファレンシャルマウントのデ
ファレンシャル側及び車体側間への装着状態を示す側面
図である。
【図7】従来例であるディファレンシャルマウントのゴ
ム弾性体部分の受ける応力と変位との関係を示すグラフ
である。
【図8】他の従来例であるディファレンシャルマウント
を示す軸直角断面図である。
【符号の説明】
10…ディファレンシャルマウント、11…外筒金具、
13…内筒金具、14…上空隙部、15…下空隙部、2
1…ゴム弾性体連結部、23…ストッパー、24…中央
凸部、25…切欠き部、26…両側凸部、27…溝部、
D…ディファレンシャル側ブラケット。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒金具と、該外筒金具の内側に並列配
    置された内筒金具と、前記外筒金具の内周面の互いに対
    向する2箇所の間を前記内筒金具を挟んで略V字状に延
    びると共に軸方向に延びて該外筒金具及び内筒金具間を
    弾性的に連結する厚板状のゴム弾性体連結部と、該ゴム
    弾性体連結部の両面と前記外筒金具の内周面との間を軸
    方向に延びた一対の空隙部と、前記ゴム弾性体連結部の
    略V字状部分に挟まれた側の前記空隙部に前記外筒金具
    の内周面から突出すると共に軸方向に延びたゴム弾性体
    ストッパーとを設けたディファレンシャルマウントにお
    いて、 前記ゴム弾性体ストッパーが、少なくとも1つの頂部を
    有する山形状の中央凸部と、該中央凸部の周方向両側に
    溝部を介して配設された該中央凸部より高さの低い山形
    状の一対の両側凸部とにより構成され、該中央凸部の高
    さを、振動入力に応じた前記ゴム弾性体連結部の前記ゴ
    ム弾性体ストッパー部に向けた変形が当初の圧縮及び剪
    断変形から剪断変形のみに移行するまでに前記内筒金具
    側が該中央凸部に当接する高さとし、さらに前記中央凸
    部の軸方向両側が両端に向けて切り欠かれた切欠き部に
    なっていることを特徴とするディファレンシャルマウン
    ト。
  2. 【請求項2】 前記中央凸部が、前記振動入力による前
    記内筒金具側からの押圧力によって圧縮されて、その高
    さが前記両側凸部と同じ高さになったときに、圧縮によ
    る前記中央凸部の膨み部分が前記溝部のほぼ全体に収容
    されることを特徴とする前記請求項1に記載のディファ
    レンシャルマウント。
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