JP2006250209A - 防振装置 - Google Patents

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Kazuhiro Ogawara
一浩 小河原
Sumio Uchida
純生 内田
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Abstract

【課題】大変位を規制するためのストッパ部が設けられた防振装置において、ストッパの作動に伴いばね特性が狙い通りに変化するとともに、小型化にも有利な防振装置を提供する。
【解決手段】マウント本体部10を構成する連結金具12の膨出部12aの外周面上に切欠部12bを形成する。該切欠部12bの内周面には、ストッパ作動時に作用する圧縮力の入力方向に対して傾斜する傾斜面12c,12cが形成されている。この傾斜面12c,12c上には、前記圧縮力の入力側に向かって互いに近づくように延びる側方突出部22a,22aが設けられていて、該側方突出部22a,22aとそれらの先端部同士を連結する連結部22bとによって後側ストッパ部22を構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、主として自動車のエンジン等の振動発生体を支承するための防振装置に関し、特にそのエンジン等の水平方向の大変位を規制するためのストッパの構造の技術分野に属する。
従来より、この種の防振装置として、振動源であるパワープラント側及び振動受側である車体側にそれぞれ連結される2つの取付部材を弾性部材によって連結し、該弾性部材の弾性変形によって前記両取付部材を相対変位させることで車体側へ伝達される振動を低減するようにしたものが知られている。このような防振装置では、例えば、特許文献1に開示されるように、前記2つの取付部材及び弾性部材からなる本体部をその上方で車体の前後方向に跨ぐようなアーチ状のストッパ受部材が設けられているとともに、該ストッパ受部材に対向するように前記本体部の外周側に弾性変形可能なストッパ部が設けられていて、例えば前記2つの取付部材のうちの一方の取付部材に前記パワープラント側から前後方向への大変位が伝達されると、前記ストッパ部がストッパ受部材に当接して、その大変位が規制されるように構成されている。
ところで、上述のようにパワープラント側から防振装置に前後方向の大変位が入力したときには、まず、該防振装置の本体部の弾性部材に剪断方向の弾性変形を生じた後、該本体部のストッパ部がストッパ受部材に当接して圧縮力を受け、これにより該ストッパ部に圧縮方向の弾性変形を生じることになる。ここで、一般的に、弾性体の圧縮方向の弾性係数は剪断方向に比べてかなり大きいため、上述のようにストッパ部がストッパ受部材に当接すると、これに伴い、図5に点線で示すように防振装置全体のばね定数が急激に変化し、このときの衝撃によって乗員に不快感を与えてしまう。
そのため、例えば、特許文献2に開示されるように、ストッパ部の内部に空隙部を設けて、ストッパの作動後も該空隙部が潰れるまではストッパ部を比較的容易に変形させるようにしたものが知られている。このものでは、前記空隙部が潰れるまでの防振装置全体のばね定数が、該空隙部が潰れた後よりも小さく、且つストッパの作動前で前記本体部の弾性部材のみが剪断変形する場合よりも大きいので、防振装置は、水平方向の荷重に対する変形特性が2段階に変化するものになる。
特開2004−211714号公報 特公昭60−2541号公報
ところが、前記特許文献2のようにストッパ部の内部に空隙部を設けただけでは、該空隙部が潰れるまでのストッパ部の剛性が極めて低くなってしまうので、防振装置全体のばね定数は、ストッパが作動する前の状態、すなわち本体部の弾性部材のみが剪断変形している場合とあまり変わらない。そのため、ストッパが作動しても防振装置全体のばね定数はあまり変化せず、結局は前記特許文献1のものと同様に、ストッパ部の空隙部が潰れる際に防振装置全体のばね定数が急激に変化することになる。つまり、上述のようにストッパ部内に空隙部を設けただけでは、狙い通りに段階的にばね特性を変化させることができず、乗員に不快感を与えることを回避し得ない。
また、上述のようにストッパ部に空隙部を設けると、その空隙部の分だけストッパ部が大きくなるため、スペースが必要となり、小型化には不利になる。
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大変位を規制するためのストッパ部が設けられた防振装置において、該ストッパ部の構成に工夫を凝らし、ストッパの作動に伴いばね特性が狙い通りに変化するとともに、小型化にも有利な防振装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る防振装置では、本体部の外周面上にストッパ部を設けるための凹部を形成し、その内周に、ストッパの作動に伴う圧縮力の入力方向に対し傾斜する傾斜面を形成するとともに、該傾斜面に設けた少なくとも一方の側方突出部を他方の側方突出部に近づけるように斜めに延ばして、それらの先端部同士を連結することにより、ストッパ部を形成した。
具体的には、請求項1の発明では、振動源側及び振動受側にそれぞれ連結される2つの取付部材と、該両取付部材同士を弾性連結する弾性部材とにより、略柱状の本体部を構成し、該本体部の外周側に、径方向外方から入力される圧縮力を受けて弾性変形するように弾性体としてのストッパ部が設けられた防振装置を対象とする。
そして、前記本体部の外周面上には、前記圧縮力に向かって開口するとともに、内周面の少なくとも一部が前記圧縮力の入力方向に対して傾斜するように凹部が形成されていて、前記ストッパ部は、前記凹部の内周面から外方に向かってそれぞれ突出する2つの側方突出部と、該両側方突出部の先端部同士を連結する連結部とが一体に形成されてなり、前記2つの側方突出部とそれらを連結する連結部とによって前記凹部内に空隙部が形成され、前記2つの側方突出部のうち少なくとも一方の側方突出部は、前記凹部の傾斜面上に形成されているとともに、その先端部が他方の側方突出部に近づくように前記圧縮力の入力方向に対して傾斜して延びているものとする。
この構成によれば、まず、略柱状の本体部の外周面上に凹部を設けて、そこにストッパ部を設けたことで、該ストッパ部が本体部から外方に大きく突出しないコンパクトな防振装置が得られる。
また、前記ストッパ部を構成する2つの側方突出部のうちの少なくとも一方が、ストッパの作動に伴う圧縮力の入力方向に対して傾斜する凹部の傾斜面上に設けられ、且つその圧縮力の入力方向に対し斜めに延びているので、その圧縮力を受けたときに、前記一方の側方突出部には、前記傾斜面に略直交する向きの圧縮変形と、該傾斜面に略平行な向きの剪断変形とが生じることになる。この際、前記一方の側方突出部の先端は他方の側方突出部の先端と連結されており、その連結部においても圧縮変形を生じる。
ここで、前記側方突出部における圧縮変形と剪断変形との割合は、ストッパの作動に伴う圧縮力の入力方向に対する前記凹部の傾斜面の傾斜角度と、前記側方突出部の傾斜角度との組み合わせによって概ね決まるものであり、ストッパ部に要求される変形特性に応じて、例えば前記側方突出部の剪断変形の割合をより大きくしたい場合には、該側方突出部の傾斜角度をより大きな角度に設定すればよい。
なお、前記ストッパ部にさらに圧縮力が加わると、前記2つの側方突出部と連結部とによって凹部内に形成された空隙部が潰れて、前記側方突出部及び連結部では圧縮力の入力方向に圧縮変形を生じるようになる。このように空隙部が潰れた後のストッパ部の剛性は該空隙部を設けていない場合と同様、高くなる。
したがって、上述のような構成によって、前記ストッパ部の空隙部が潰れる前は、少なくとも一方の側方突出部において、該側方突出部の傾斜状態と凹部の傾斜面の傾斜状態とにより適宜、設定した割合で剪断変形及び圧縮変形を生じさせるとともに、前記連結部には圧縮方向の力を作用させることができ、これにより、ストッパ部に圧縮力が入力される前の状態(本体部の弾性部材で剪断変形が生じている状態)よりも防振装置全体のばね定数を確実に大きくすることができる。そして、前記空隙部が潰れた後は、前記側方突出部及び連結部の圧縮方向の剛性によってさらに防振装置全体のばね定数を大きくすることができる。こうして、大変位が入力された場合に防振装置のばね定数が2段階で変化する、いわゆる2段階特性ストッパを狙い通りに構成することができ、乗員に不快感を与えないようにすることができる。
上述の構成において、前記ストッパ部の少なくとも連結部には、空隙部と同じ方向に延びる貫通穴部が形成されているのが好ましい(請求項2の発明)。こうすれば、ストッパ部に圧縮力が作用した場合、貫通穴部の変形によっても該ストッパ部の剛性を小さくすることができる。したがって、前記請求項1の構成による防振装置のばね定数の変化に加えて、もう1段階、ばね定数を変化させることができ、これにより、大変位が入力された場合に防振装置のばね定数が3段階で変化する、いわゆる3段階特性ストッパを構成することが可能になる。
前記貫通穴部は、空隙部の延びる方向に見て、ストッパ部の連結部から側方突出部に亘り、該空隙部を囲むように略コの字状に形成されているのが好ましい(請求項3の発明)。このような形状の貫通穴部を設けることで、ストッパ部は、空隙部を囲むように略コの字状に形成される内側ストッパ部と、その外方に位置し、前記貫通穴部を囲むように略コの字状に形成される外側ストッパ部とによって構成されることになる。これにより、前記貫通穴部及び空隙部がそれぞれ潰れるまでのストッパ部の剛性と、両者が共に潰れた後でのストッパ部の剛性と、をより確実に変化させることができ、3段階特性ストッパをより確実に構成することができる。
また、前記連結部には、空隙部に臨む面からその内方に向かって突出する突出部が形成されていてもよい(請求項4の発明)。こうすることで、ストッパ部に圧縮力が作用して空隙部が潰れた状態でも、突出部によってストッパ部の圧縮方向の厚みを確保して、所定の剛性を確保することができるため、例えば、ストッパ部の外形寸法を変えることなく、連結部の厚みを薄くして、その分、側方突出部の突出長さを長くすることが可能になる。これにより、該側方突出部のばね定数を調整できるため、ストッパ部のばね特性の調整が可能となる。
さらに、前記連結部には、それよりも剛性の高い材料で形成された芯体が埋設されていてもよい(請求項5の発明)。このことにより、ストッパ部に圧縮力が作用して、該ストッパ部の空隙部が潰れるまで変形した場合でも、連結部内の芯体によってストッパ部の変形が確実に規制されるため、振動源側の変位を所定位置で確実に規制することができる。
以上より、本発明に係る防振装置によれば、略柱状の本体部の外周面に凹部を設け、そこにストッパ部を設けることで、コンパクトな防振装置が得られる。そして、前記ストッパ部を構成する側方突出部の傾斜状態と該側方突出部が設けられている凹部の傾斜状態とを適宜、設定することにより、その側方突出部が圧縮力を受けたときに生じる剪断変形及び圧縮変形の割合を適切なものとして、空隙部が潰れるまでのストッパ部の剛性を狙い通りに設定することができ、これにより、乗員に不快感を与えないような2段階特性を有するストッパ部を確実に構成できる。
また、前記連結部に空隙部と同じ方向に延びる貫通穴部を設けることで、該貫通穴部の変形によってもばね定数が変化する3段階特性ストッパを構成することが可能になる。特に、前記貫通穴部を空隙部を囲むように略コの字状に形成することで、ストッパ部は2つのストッパによって構成されることになり、大変位が入力された場合の防振装置のばね定数をより確実に3段階で変化させることができる。
また、前記連結部に空隙部内方に突出する突出部を設けることで、該空隙部が潰れた状態でのストッパ部の圧縮方向の剛性を確保しつつ、側方突出部の突出長さを調整することができ、これにより、大変位が入力された場合の防振装置のばね特性の調整が可能になる。
さらに、前記連結部内に芯体を埋設することで、ストッパ部の変形が規制されるため、振動源側の水平方向の大変位を所定位置で確実に規制することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意味するものではない。
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態1に係る防振マウント装置1(防振装置)は、例えばエンジン等からなるパワープラント(振動源側)と車体(振動受側)との間に配設されるもので、前記パワープラント側に連結されるケース2内に、車体側に下端で連結される連結金具12を備えたマウント本体部10が収納されている。
具体的には、図2〜図4にも示すように、前記マウント本体部10は、ケース2にかしめられて連結される金属製の筒状部材11と前記連結金具12とをゴム弾性体13により連結したものである。前記筒状部材11は、上下方向に延びるように配置された円筒状の本体部11aと、その上側外周が折り曲げられて外方に延びるフランジ部11bとを有している。
また、前記連結金具12は、その上部が上すぼまりの略円錐形状で下部が略円柱状に形成されたもので、その上部と下部との間には、図3に示すように、略全周に亘って径方向外方に膨出する膨出部12aが形成されている。前記連結金具12の上端部は、前記筒状部材11の下方で且つ下端開口部の略中心に位置するように略同軸に配置されていて、上すぼまりの側面部にはゴム弾性体13が設けられている一方、前記連結金具12の下端面は、車体側の部材の上面に図示しないボルトによって接合されている。
前記ゴム弾性体13の下部内周側にはすり鉢状の凹部が形成されていて、この凹部の周面が前記連結金具12のテーパ状側面部に被着されている。また、前記ゴム弾性体13は連結金具12の全周から外方に向かって放射状に拡がり、且つ斜め上方向に延びるように略円錐台状に形成されていて、その上側部分は上方に向かって開口している。そして、その上側部分に前記筒状部材11の本体部11aが埋設されている。
一方、前記筒状部材11のフランジ部11bは、前記ゴム弾性体13の全周に亘って径方向外方に突出しており、前記マウント本体部10を下方から覆うように配設される有底円筒状のケース1の開口端部に設けられたフランジ部2aにかしめられている。
前記ケース2の底部には、前記連結金具12の下部よりも径の大きい穴部2bが形成されていて、該穴部2bを連結金具12の下部が挿通している。また、前記ケース2の外周面上には外方に向かって突出する取付部2cが一体形成されていて、この取付部2cがパワープラント側の部材に連結されるようになっている。これにより、パワープラントの静荷重を、ケース2と車体側の連結金具12との間に設けられたゴム弾性体13によって支持するとともに、前記パワープラント側から伝達される振動を前記ゴム弾性体13によって低減するようにしている。
−ストッパ機構−
上述の如き構造のマウント本体部10に加えて、前記防振マウント装置1には、本願発明の特徴部分であるストッパ機構3が一体的に設けられている。すなわち、このストッパ機構3は、図1に示すように、前記マウント本体部10を覆うように配設されるケース2と、該マウント本体部10に形成されたストッパゴム21とによって構成される。
なお、前記図1は、マウント本体部10に荷重の作用していない状態を示しており、この状態では該マウント本体部10のストッパゴム21とケース2の底部とが近接しているが、防振マウント装置1が車体に取り付けられて、マウント本体部10にパワープラントの静荷重が加わる1G状態では、図示しないが、ゴム弾性体13が撓んでケース2が下方に変位するので、その底部と前記ストッパゴム21との間には所定の間隔が形成されることになる。
前記マウント本体部10の連結金具12に形成された膨出部12aには、図2〜図4に示すように、該膨出部12aを覆うようにストッパゴム21が前記ゴム弾性体13と連繋して設けられている。このストッパゴム21は、前記膨出部12aの外周面側及び下面側の厚みが上面側に比べて厚くなるように形成されていて、パワープラント側に連結されたケース2が水平方向及び上方向にそれぞれ大きく変位した場合に、これらのゴムが該ケース2の内周面や底部に当接することで該ケース2の変位を規制するようになっている。
すなわち、前記ストッパゴム21のうち、前記連結金具12の膨出部12aの下面から下方に盛り上がる下方膨出部21aが、前記ケース2の底面に上方から当接することによって、該ケース2の上方への移動を規制するようになっている。また、前記膨出部12aの外周面上のストッパゴム21が、前記ケース2の内周面に内方から当接することによって、該ケース2の水平方向への移動を規制するようになっている。
そして、前記ストッパゴム21のうち、ケース2の後方への移動を規制する後側ストッパ部22(ストッパ部)は、図4に示すように、前記連結金具12の膨出部12aの外周側に軸方向に延びるように形成された下面視で略台形状の切欠部12b(凹部)内に設けられている。後述するように、この後側ストッパ部22は、ケース2の前後方向の大変位によって該ケース2の内周面に当接すると、入力される圧縮力に対して圧縮方向の変形特性が変化する、いわゆる2段階ストッパーを構成するようになっている。
具体的には、前記切欠部12bは、連結金具12の軸線方向で見て、その径方向内方ほど幅が狭くなるような略台形状に形成されており、その内周面に、前記後側ストッパ部22が接着固定されている。すなわち、前記後側ストッパ部22は、連結金具12の膨出部12a外周に形成された切欠部12bの傾斜面12c,12cからそれぞれ互いに近づくように延びる2つの側方突出部22a,22aと、該両側方突出部22a,22aの先端部同士を連結する連結部22bとが一体形成されたもので、これにより、前記後側ストッパ部22内で且つ切欠部12b内に空隙部S1が形成されるようになっている。なお、前記図4では、前記側方突出部22a,22aの基端側(切欠部12bの内周面側)も一体となっているが、この限りではなく、該基端部同士は一体でなくてもよい。
言い換えると、前記切欠部12bの傾斜面12c,12cは、前記後側ストッパ部22に圧縮力が入力するときに、その入力方向(図4で白矢印の方向)に対して傾斜するように形成され、その各傾斜面12c上からそれぞれ互いに近づくように突出する前記側方突出部22a,22aは、それぞれ前記圧縮力の入力方向に対して傾斜することになる。
そのように側方突出部22a,22aを設けることで、該側方突出部22a,22aは、前記圧縮力によって延出方向(傾斜面12c,12cに略直行する方向)に圧縮変形を生じるとともに、該傾斜面12c,12cに平行な向きに剪断変形も生じることになり、単純に圧縮される場合に比べて剛性が小さくなる。しかも、この際、前記側方突出部22a,22aは、その先端部に連結された連結部22bを連結方向に圧縮することになるため、前記側方突出部22a,22aの変形が規制されて、剛性が小さくなりすぎることはない。
すなわち、図5に一例を示すように、前後方向の大変位が入力された場合の防振マウント装置1全体のばね定数は、前記後側ストッパ部22がケース2の内周面に当接して、前記側方突出部22a,22a及び連結部22bが上述のように変形する場合(図中のIIの領域)のほうが、その当接前でマウント本体部10のゴム弾性体13が剪断変形する場合(図中のIの領域)よりも確実に大きくなる。つまり、防振マウント装置1のばね定数を確実に変化させることができる。
そして、前記後側ストッパ部22にさらに大きな圧縮力が加わると、該後側ストッパ部22の空隙部S1は押しつぶされて、前記側方膨出部22a,22a及び連結部22bは圧縮力の入力方向に圧縮変形を生じることになる。このときの圧縮方向の剛性は、前記空隙部S1が押しつぶされる前の後側ストッパ部22の剛性に比べて大きいため、防振マウント装置1全体のばね定数はさらに大きくなる(図5のIIIの領域)。
これにより、前後方向の大変位が入力された場合に防振マウント装置1のばね定数が2段階で変化する、いわゆる2段階ストッパーが構成される。すなわち、前記後側ストッパ部22がケース2の内周面に当接するまでは、防振マウント装置1のばね特性は、マウント本体部10のゴム弾性体13の剪断変形のみによって決まるため、ばね定数は比較的小さく(図5のIの領域)、前記後側ストッパ部22がケース2の内周面に当接してから該後側ストッパ部22の空隙部S1が押しつぶされるまでは、側方膨出部22a,22aの剪断変形及び圧縮変形、連結部22bの圧縮変形によって上述の状態(図5のIの領域)よりもばね定数が大きくなって(図5のIIの領域)、前記空隙部S1が押しつぶされた後は、前記側方膨出部22a,22a及び連結部22bの圧縮方向の剛性が高くなるので、防振マウント装置1全体のばね定数はさらに大きくなる(図5のIIIの領域)。ここで、前記図5に示す点線は、ストッパ部に空隙部を形成しなかった場合の防振マウント装置1の水平方向のばね特性である。
なお、前記切欠部12bの傾斜面12c,12cの傾斜角度や側方突出部22a,22aの傾きを変更したり、該側方突出部22a,22a及び連結部22bの寸法を変更したりすることによって、前記図5のII及びIIIの領域におけるばね定数や変曲点P2及び終止点P3の位置を調整することが可能となり、所定のばね特性を得ることができる。
また、前記後側ストッパ部32の変形を所定位置で止めたい場合には、例えば、図6に示すように、別のストッパ部23,23を連結金具12の膨出部12a外周面上に設けるようにすればよい。これにより、前後方向の大変位が入力されて前記後側ストッパ部32が圧縮方向に変形すると、前記ストッパ部23,23がケース2の内周面に当接して、前記後側ストッパ部22の変形を確実に止めることができる。
以上より、本実施形態では、連結金具12の切欠部12bの内周面に、圧縮力の入力方向に対して傾斜する傾斜面12c,12cを設け、該切欠部12bに、傾斜面12c,12cから前記圧縮力の入力する側に向かって互いに近づくように延びる側方突出部22a,22aと、その先端部同士を連結する連結部22bとによって後側ストッパ部22を構成するようにしたため、該後側ストッパ部22に圧縮力が作用して該後側ストッパ部22の空隙部S1が押しつぶされる前の状態では、前記側方突出部22a,22aに剪断変形及び圧縮変形を生じさせ、前記連結部22bには連結方向への圧縮力を作用させることができる。これにより、前記傾斜面12c,12cの傾斜状態及び前記側方突出部22a,22aの傾斜状態を適宜、設定することで、該側方突出部22a,22aの剪断変形及び圧縮変形の割合を適当なものとすることができ、前記後側ストッパ部22の空隙部S1が潰れるまでの該ストッパ部22の変形特性を狙い通りに設定することができる。
すなわち、前記切欠部12b及び後側ストッパ部22を上述のような構成にすることで、前記後側ストッパ部22に圧縮力が作用する前の状態、すなわちマウント本体部10のゴム弾性体13で剪断変形を生じている場合よりも防振マウント装置1のばね定数を大きくすることができるとともに、前記空隙部S1が潰れて前記後側ストッパ部22の圧縮方向の剛性が高くなったときの防振マウント装置1のばね定数よりも小さくすることのできる、いわゆる2段階ストッパを構成することができる。
そして、このような構成の2段階ストッパを用いれば、図5に示すように、ストッパ部に空隙部を設けていない構造(図5の点線)と異なり、作用する圧縮力が増大してもばね定数が急激に変化しないため、ケース2に前後方向の大変位が生じても、該乗員に衝撃が加わり不快感を与えることもない。
また、前記後側ストッパ部22を連結金具12の切欠部12bに設けて、該切欠部12b内に空隙部S1を形成することで、該空隙部S1を設けるためのスペースが不要になるので、全体として装置を小型化することも可能となる。
(実施形態2)
この実施形態2では、図7に示すように、前記実施形態1とは、後側ストッパ部32に設けた空隙部S2の形状が異なるだけなので、同一の部分には同一の符号を付し、実施形態1と異なる部分についてのみ以下で詳しく説明する。
具体的には、連結金具12の切欠部12b(凹部)に設けられた後側ストッパ部32には、前記実施形態1の空隙部S1よりも径方向外方に大きい空隙部S2が形成されていて、該後側ストッパ部32を構成する連結部32bには、前記空隙部S2に臨む面から該空隙部S2内に向かって突出する突出部32cが一体に設けられている。すなわち、前記連結部32bは、前記実施形態1のものよりも圧縮力の入力方向の肉厚が薄くなるように形成されていて、その分、側方突出部32a,32aの突出長さが長くなっている。これにより、前記後側ストッパ部32に圧縮力が作用すると、前記側方突出部32a,32aが剪断変形を生じやすくなるため、図5におけるIIの領域での防振マウント装置1のばね定数を小さくすることができるとともに、前記実施形態1に比べて最大変形量が大きくなって図5におけるIIの領域を広げることができる。
また、前記突出部32cを設けることで、前記後側ストッパ部32に圧縮力が作用した場合には、該突出部32cが凹部内周側に当接して前記側方突出部32a,32aの剪断変形を規制することができるため、該側方突出部32a,32aの剪断変形による最大変形量(図5におけるP2の位置)が調整可能になる。しかも、前記突出部32cの突出量の調整によって前記空隙部S2が押しつぶされた後の前記後側ストッパ部32全体の圧縮方向の剛性も変更することができ、圧縮時(図5におけるIIIの領域)のばね定数や最大圧縮変形量の調整も可能になる。
以上より、本実施形態によれば、後側ストッパ部32の連結部32bから空隙部S2内に向かって突出する突出部32cを設けることで、前記後側ストッパ部32に作用する圧縮力によって前記空隙部S2が潰れた場合の該後側ストッパ部32の圧縮方向の剛性を確保しつつ、側方突出部32a,32aの突出長さを長くして、該側方突出部32a,32aの剪断変形による最大変形量や防振マウント装置1のばね定数の調整が可能となる。また、前記突出部32cの突出量を調整することで、前記後側ストッパ部32の圧縮方向の剛性を調整することができるため、該後側ストッパ部32の圧縮変形領域(図5のIIIの領域)での防振マウント装置1のばね定数も調整可能となる。
また、上述の実施形態1と同様、後側ストッパ部32を連結金具12の切欠部12bに形成し、該切欠部12b内に空隙部S2を形成することで、該空隙部S2を設けるためのスペースが不要になるので、全体として装置を小型化することも可能となる。
(実施形態3)
この実施形態3では、図8に示すように、前記実施形態1とは後側ストッパ部42の連結部42bに貫通孔42c(貫通穴部)を設けた点が異なるだけなので、同一の部分には同一の符号を付し、実施形態1と異なる部分についてのみ以下で詳しく説明する。
具体的には、連結金具12の切欠部12b(凹部)に設けられた後側ストッパ部42には、前記実施形態1と同じ形状の空隙部S1が形成されており、さらに、該後側ストッパ部42を構成する連結部42bには、前記空隙部S1と同じ方向に延びる、すなわち図8では連結金具12の軸線方向に沿って延びる貫通孔42cが形成されている。
このように、前記後側ストッパ部42に空隙部S1とは別に貫通孔42cを設けることで、該後側ストッパ部42を構成する側方突出部42a,42aが剪断変形及び圧縮変形を生じる前に、前記貫通孔42cの周囲の連結部42bでも変形が生じるため、後側ストッパ部42の剛性をさらにもう1段階変化させることができ、いわゆる3段階特性ストッパを構成することができる。なお、特に図示しないが、このように3段階特性にした場合には、前記図5のI領域とII領域との間に、該Iの領域のばね定数よりも大きく且つIIの領域のばね定数よりも小さい、もう一つの領域が形成されることになる。
以上より、本実施形態によれば、前記後側ストッパ部42に空隙部S1とは別に貫通孔42cを設けることで、3段階特性を有するストッパを容易に構成することができる。また、このように3段階特性のストッパを構成した場合でも、前記後側ストッパ部42を連結金具12の切欠部12bに設けて、該切欠部12b内に空隙部S1を形成することで、該空隙部S1を設けるためのスペースが不要になるので、全体として装置を小型化することが可能となる。
(実施形態4)
この実施形態4では、図9に示すように、前記実施形態3と同様、後側ストッパ部52の空隙部S3の外方に空隙部S3’を設けることによって、3段階特性を有するストッパを構成するようにしたもので、前記実施形態1とは後側ストッパ部52に空隙部を2つ設けている点が異なるだけなので、同一の部分には同一の符号を付し、実施形態3と異なる部分についてのみ以下で詳しく説明する。
具体的には、後側ストッパ部52は、連結金具12の切欠部12bの傾斜面12c,12cからそれぞれ互いに近づくように外方に向かって延びる側方突出部52a,52aと、それらの先端部同士を連結する連結部52bとによって該後側ストッパ部52a内に第1空隙部S3を形成するように構成されていて、前記側方突出部52a,52a及び連結部52b内には、前記第1空隙部S3を囲むように略コの字状の第2空隙部S3’(貫通穴部)が形成されている。この第2空隙部S3’によって、前記側方突出部52a,52a及び連結部52bはそれぞれその厚み方向(本実施形態では連結金具12の径方向)に2分されて、その外側部分がそれぞれ外側側方突出部53a,53a及び外側連結部53bになるとともに、内側部分がそれぞれ内側側方突出部54a,54a及び内側連結部54bになっている。
すなわち、前記後側ストッパ部52は、前記外側側方突出部53a,53a及び外側連結部53bによって形成される外側ストッパ部53と、前記内側側方突出部54a,54a及び内側連結部54bによって形成され、該外側ストッパ部53の連結金具12側に位置する内側ストッパ部54とからなる。このように、前記後側ストッパ部52を2つのストッパ部53,54によって構成することで、以下のように防振マウント装置1のばね定数が確実に3段階で変化する、いわゆる3段階特性ストッパを得ることができる。
防振マウント装置1に入力された前後方向の大変位によって前記後側ストッパ部52がケース2の内周面に当接して該ストッパ部52に圧縮力が加わると、上述の実施形態1の場合と同様、外側ストッパ部53の外側側方突出部53a,53aに剪断変形及び圧縮変形が生じるとともに、外側連結部53bにはその連結方向に圧縮力が作用して、所定の剛性を得ることができる。
すなわち、図9に示すように、前記外側ストッパ部53を構成する外側側方突出部53a,53aは、それぞれ、圧縮力の入力方向に対して傾斜する連結金具12の切欠部12bの傾斜面12c,12cから互いに近づくように外方に向かって延出しているため、該各傾斜面12cに略直交する向きに圧縮変形及び該各傾斜面12cに平行な向きに剪断変形を生じる。この際、前記外側側方突出部53a,53aの先端部同士を連結する外側連結部53bには圧縮方向の力が作用するため、単にストッパ部に空隙部を設けただけのものに比べて剛性を大きくすることができる。これにより、前記後側ストッパ部52がケース2の内周面に当接する前、すなわちマウント本体部10のゴム弾性体13が剪断変形する際のばね定数よりも大きい所定のばね定数を得ることができる。
そして、さらに圧縮力が加わると、前記外側側方突出部53a,53a及び外側連結部53bの変形によって略コの字状の前記空隙部S3’が潰れ、前記内側ストッパ部54に圧縮力が加わるため、上述の外側ストッパ部54と同様、前記内側ストッパ部54の内側側方突出部54a,54aに剪断変形及び圧縮変形を生じさせるとともに、内側連結部54bに連結方向の圧縮力が作用して、前記所定のばね定数とは異なる別のばね定数を得ることができる。すなわち、この内側ストッパ部54が変形する際には、内側側方突出部54a,54a及び内側連結部54bだけでなく、前記外側ストッパ部53の外側側方突出部53a,53a及び外側連結部53bも変形を生じているため、全体として剛性が大きくなり、前記外側ストッパ部53の所定のばね定数よりも大きいばね定数となる。
さらに圧縮力が加わると、前記空隙部S3も押しつぶされて、前記後側ストッパ部52全体が圧縮力の入力方向に圧縮変形を生じることになる。このときの圧縮方向の剛性は、上述の空隙部S3’,S3が押しつぶされるときの剛性よりも大きいため、ばね定数もさらに大きいものになり、これにより、防振マウント装置1のばね定数が3段階で変化する、いわゆる3段階特性のストッパが得られる。
以上より、本実施形態によれば、後側ストッパ部52に2つの空隙部S3,S3’を設けるとともに、その一方の空隙部S3’を、他方の空隙部S3を圧縮力の入力方向側から囲むように上面視で略コの字に形成することで、前記後側ストッパ部52は、空隙部S3’を有する外側ストッパ部53と、その内方側に位置し、前記空隙部S3を有する内側ストッパ部54と、によって構成されることになり、前記外側ストッパ部53が変形する場合、前記内側ストッパ部54が変形する場合及び前記空隙部S3,S3’が潰れて後側ストッパ部52全体が圧縮変形する場合において、それぞれ変形特性の異なる、いわゆる3段階特性ストッパを得ることができる。
すなわち、前記空隙部S3’を略コの字状に形成して、外側ストッパ部53及び内側ストッパ部54を構成する外側側方突出部53a,53a及び内側側方突出部54a,54aを、それぞれ、連結金具12の切欠部12bの傾斜面12c,12cから互いに近づくように外方に向かって延出させることで、前記側方突出部53a,54aに剪断変形及び圧縮変形を生じさせるとともに、前記連結部53b,54bに圧縮方向の力を作用させることができる。そして、上述の実施形態1と同様、前記傾斜面12c,12cの傾斜状態、前記外側側方突出部53a,53a及び内側側方突出部54a,54aの傾斜状態を適宜、設定することで、該側方突出部53a,54aの剪断変形及び圧縮変形の割合を適当なものとすることができ、前記後側ストッパ部52の空隙部S3,S3’がそれぞれ潰れるまでの該ストッパ部52の変形特性を狙い通りに設定することが可能となる。
したがって、前記外側ストッパ部53及び内側ストッパ部54がそれぞれ変形する際の防振装置1のばね定数を、前記後側ストッパ部52がケース2の内周面に当接する前(マウント本体10のゴム弾性体13で剪断変形のみが生じている場合)よりも大きく、前記空隙部S3,S3’が押しつぶされて全体が圧縮変形する場合よりも小さくすることが可能になり、前記防振マウント装置1に前後方向の大変位が入力された際に、ばね定数を段階的に大きくすることができる。これにより、防振マウント装置1に前後方向の大変位が入力された場合でも乗員に与える衝撃を低減することができ、該乗員の受ける不快感を軽減することができる。
また、前記後側ストッパ部52を連結金具12の切欠部12bに設けて、該切欠部12b内に空隙部S3を形成することで、該空隙部S3を設けるためのスペースが不要になるので、全体として装置を小型化することも可能となる。
(実施形態5)
この実施形態5では、図10に示すように、前記実施形態1とは後側ストッパ部62の連結部62b内に芯体63を設けた点が異なるだけなので、同一の部分には同一の符号を付し、実施形態1と異なる部分についてのみ以下で詳しく説明する。
具体的には、後側ストッパ部62を構成する連結部62b内には、断面略扇形状の芯体63が設けられている。この芯体63は、前記連結部62bを構成する弾性体よりも剛性の高い材料(例えば樹脂材料)からなるもので、圧縮力によって前記後側ストッパ部62に形成された空隙部S1が潰れた場合に、該後側ストッパ部62がそれ以上、変形しないようにするための部材である。
すなわち、前記後側ストッパ部62に圧縮力が加わると、該後側ストッパ部62を構成する側方突出部62a,62aが剪断変形及び圧縮変形を生じ、前記空隙部S1を徐々に押しつぶしていくとともに、該空隙部S1が潰れた後は前記側方突出部62a,62a及び連結部62bで圧縮変形が生じるため、上述の実施形態1〜4と同様に、防振マウント装置1のばね定数が2段階で変化する。そして、前記空隙部S1が完全に潰れて、前記後側ストッパ部62が圧縮変形している状態で、比較的剛性の高い前記芯体63によって該後側ストッパ部62の圧縮変形がそれ以上抑えられる。すなわち、防振マウント装置1は、前後方向の大変位によってばね定数が2段階で変化した後、前後方向への変位が所定位置で確実に止められることになる。
なお、特に図示しないが、前記芯体63の長手方向(図10の紙面前後方向、連結金具12の軸線方向)の長さを連結部62cの長さに対して短くし、芯体63の上方若しくは下方に空間を設けたり、前記芯体63の長手方向の寸法を厚み方向(連結金具12の径方向)の寸法よりも小さくしたりすることで、圧縮力が作用して前記空隙部S1が潰れた状態で上下方向の振動が入力されると、前記芯体63は左右方向(図10の左右方向)の軸の周りに回動(リンク作動)するようになる。これにより前記後側ストッパ部62全体が比較的容易に上下方向に剪断変形して、上下振動を吸収することができる。
以上より、本実施形態によれば、後側ストッパ部62を構成する連結部62b内に芯体63を配設することで、防振マウント装置1に前後方向の大変位が入力されてそのばね定数が2段階で変化した後、確実に所定位置で後側ストッパ部62の変形を止めることができるので、乗員に不快感を与えることなくケース2の大変位を所定位置で確実に規制することができる。しかも、前記芯体63をリンク作動させるように構成することで、圧縮力が加わって空隙部S1が押しつぶされている状態でも、上下方向の振動を後側ストッパ部62全体の上下方向の剪断変形によって吸収することが可能となる。
また、上述の実施形態1と同様、前記後側ストッパ部62を連結金具12の切欠部12bに設けて、該切欠部12b内に空隙部S1を形成することで、該空隙部S1を設けるためのスペースが不要になるので、全体として装置を小型化することも可能となる。
(その他の実施形態)
本発明の構成は、前記各実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記各実施形態では、後側ストッパ部22,32,42,52,62内に空隙部S1〜S3を形成するようにしているが、この限りではなく、該後側ストッパ部22,32,…をブリッジ状に形成して、該後側ストッパ部22,32,…と切欠部12bの内周面との間に空隙部S1〜S3を形成するようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、後側ストッパ部22,32,42,52,62をそれぞれ構成する2つの側方突出部22b,22b,32b,32b,…が、連結金具12の切欠部12bの傾斜面12c,12c上に圧縮力の入力方向に対して斜めに延びるように設けられているが、これに限らず、いずれか一方の側方突出部22b,32b,…のみが斜めに延びるように設けられていてもよい。
また、前記各実施形態では、連結金具12の切欠部12bにケース2の後方への変位を規制する後側ストッパ部22,32,42,52,62を設けて、該後側ストッパ部22,32,42,52,62に空隙部S1〜S3や貫通孔42c等を形成するようにしているが、この限りではなく、前記ケース2の前方若しくは上方への変位を規制できるような位置に連結金具12の切欠部12b及びストッパ部を形成し、そのストッパ部に空隙部S1〜S3や貫通孔42c等を設けるようにしてもよい。
また、前記各実施形態では、連結金具12の膨出部12aの外周面上に軸線方向に沿って延びるように切欠部12bを設けているが、この限りではなく、切欠部12bは膨出部12aの外周面上であればどの方向に延びるように設けてもよい。この場合でも、後側ストッパ部22,32,42,52,62は前記切欠部12bの内周面上に設けられ、空隙部S1〜S3及び貫通孔42cは前記切欠部12bの延びる方向に向かって開口するように形成される。
さらに、前記各実施形態では、マウント本体部10は、連結金具12と筒状部材11とをゴム弾性体13によって弾性連結しただけのものであるが、この限りではなく、図11に示すように、ゴム弾性体13の空間内に液体を充填したいわゆる液封式としてもよい。
具体的には、液封式の防振マウント装置1’は、上述の実施形態1で詳しく説明したマウント本体部10の上部に、ゴム弾性体13の開口部を覆うように樹脂製のオリフィス盤71が配設されるとともに、その上方を覆うようにダイヤフラム72が配設され、これにより、前記ゴム弾性体13とダイヤフラム72とによって緩衝液の封入される液室73が構成されている。前記ダイヤフラム72には、その外周部に、略ハット状の部材の中央部分に貫通孔の形成された金具72aが埋設されていて、該金具72aの外周側が、ケース2のフランジ部2aにマウント本体部10の筒状部材11のフランジ部11bとともにかしめられている。そして、前記金具72aによってマウント本体部10の上方に形成される空間内には、前記オリフィス盤71がその上下面の外周側で前記金具72aとゴム弾性体13の開口端部との間に挟まれるように配設されている。なお、前記ダイヤフラム72は、その上方を略ハット状のカバー部材76によって覆われている。
前記液室73は、オリフィス盤71によりゴム弾性体13側の受圧室73aと、ダイヤフラム72側の平衡室73bとに分けられており、それらの両液室73a,73bがオリフィス盤71の周縁に螺旋状に形成されたオリフィス通路74により連通している。そして、それら受圧室73a及び平衡室73bの緩衝液がオリフィス通路74を介して相互に流通することによって、ゴム弾性体13から受圧室73aに作用する低周波の振動が減衰される。
前記オリフィス盤71は、オリフィス74の形成された本体部71aと、本体部71aの上面に接触して設けられた円盤状の蓋部71bとからなる。これらの本体部71aの下面及び前記蓋部71bには複数の貫通孔が形成されているとともに、該本体部71aの上面側中央には可動板用凹部71cが形成されており、その可動板用凹部71cに高周波振動吸収用の可動板75が嵌入され、前記蓋部71bによってその脱落防止が図られている。
実施形態1に係る防振マウント装置の一部を断面で示す斜視図である。 マウント本体部の概略構成を示す斜視図である。 図2におけるA−A線断面図である。 図2におけるB−B線断面図である。 防振マウント装置に作用する水平方向の荷重と変位との関係を示すグラフである。 後側ストッパ部とは別のストッパ部を設けた場合の連結金具のフランジ部の構成を概略で示す部分拡大断面図である。 実施形態2に係る図6相当図である。 実施形態3に係る図6相当図である。 実施形態4に係る図6相当図である。 実施形態5に係る図6相当図である。 その他の実施形態に係る防振マウント装置の断面を示す斜視図である。
符号の説明
S1〜S2 空隙部
S3 第1空隙部
S3’ 第2空隙部(貫通穴部)
1 防振マウント装置(防振装置)
2 ケース
10 マウント本体部(本体部)
11 筒状部材(取付部材)
12 連結金具(取付部材)
12b 切欠部(凹部)
12c 傾斜面
13 ゴム弾性体(弾性部材)
22、32、42、52、62 後側ストッパ部(ストッパ部)
22a、32a、42a、52a、62a 側方突出部
22b、32b、42b、52b、62b 連結部
32c 突出部
42c 貫通孔(貫通穴部)
63 芯体

Claims (5)

  1. 振動源側及び振動受側にそれぞれ連結される2つの取付部材と、該両取付部材同士を弾性連結する弾性部材とにより、略柱状の本体部を構成し、該本体部の外周側に、径方向外方から入力される圧縮力を受けて弾性変形するようにストッパ部が設けられた防振装置であって、
    前記本体部の外周面上には、前記圧縮力の入力する側に開口するとともに、内周面の少なくとも一部が前記圧縮力の入力方向に対して傾斜するように凹部が形成されていて、
    前記ストッパ部は、前記凹部の内周面から外方に向かってそれぞれ突出する2つの側方突出部と、該両側方突出部の先端部同士を連結する連結部とが一体に形成されてなり、
    前記2つの側方突出部とそれらを連結する連結部とによって前記凹部内に空隙部が形成され、
    前記2つの側方突出部のうち少なくとも一方の側方突出部は、前記凹部の傾斜面上に形成されているとともに、その先端部が他方の側方突出部に近づくように前記圧縮力の入力方向に対して傾斜して延びていることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1において、
    ストッパ部の少なくとも連結部には、空隙部と同じ方向に延びる貫通穴部が形成されていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項2において、
    貫通穴部は、空隙部の延びる方向に見て、ストッパ部の連結部から側方突出部に亘り、該空隙部を囲むように略コの字状に形成されていることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1において、
    連結部には、空隙部に臨む面からその内方に向かって突出する突出部が形成されていることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項1において、
    連結部には、それよりも剛性の高い材料で形成された芯体が埋設されていることを特徴とする防振装置。
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