JP2018162818A - 防振装置 - Google Patents

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Tomoki Takakura
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Abstract

【課題】振動発生部の動きによるこもり音の発生を抑制する。【解決手段】防振装置10は、振動受部に取り付けられる第1取付部材12と、振動発生部に取り付けられる第2取付部材16と、該第2取付部材16に設けられ第1取付部材12及び第2取付部材16を弾性的に連結する弾性部材30と、該弾性部材30の第1取付部材12に対向する後側面46(外面)を基準として第1取付部材12へ向けて突出した後凸部48(凸部)と、を有し、後凸部48の突出方向と交差する方向に、後凸部48を貫通する貫通孔49が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、振動を抑制する防振装置に関する。
従来、車両にはエンジン等のパワーユニットで発生する振動を抑制する防振装置が用いられており、防振装置は、パワーユニットと車体との間に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
この防振装置を構成するエンジンマウントは、インナブラケットの内側に配置されており、エンジンマウントからは、アウタブラケットが延出している。エンジンマウントには、ストッパゴムが設けられており、ストッパゴムからは、側方へ向けて突出した緩衝突起が設けられている。
これにより、パワーユニットからの振動によりエンジンマウントが揺動した際に、ストッパゴムの緩衝突起がインナブラケットの内側面に当接することで振動を抑制できるように構成されている。
特開2014−66334号公報
しかしながら、上記した従来例では、エンジンの加速時に生じる該エンジンのロール等、振動発生部の動きによりストッパゴムに入力が加わると、ストッパゴムが変形してばね定数が急激に上昇し、振動発生部の振動が車体に伝わり易くなると考えられる。
本発明は、振動発生部の動きによるこもり音の発生を抑制することを目的とする。
第1の態様に係る防振装置は、振動受部に取り付けられる第1取付部材と、振動発生部に取り付けられる第2取付部材と、該第2取付部材に設けられ前記第1取付部材及び前記第2取付部材を弾性的に連結する弾性部材と、該弾性部材の前記第1取付部材に対向する外面を基準として前記第1取付部材へ向けて突出した凸部と、を有し、前記凸部の突出方向と交差する方向に、前記凸部を貫通する貫通孔が形成されている。
この防振装置では、凸部に貫通孔が形成されているので、該凸部が弾性変形し易くなっている。したがって、凸部が第1取付部材に当接して変形したとき、該凸部のばね定数の急激な上昇が抑制される。凸部に貫通孔を設けることは製造上容易である。また、貫通孔の形状により、凸部のばね定数の特性と、凸部の耐久性を両立させることができる。
第2の態様は、第1の態様に係る防振装置において、前記貫通孔が複数の小孔を含んでいる。
この防振装置では、凸部の貫通孔が複数の小孔を含んでいるので、凸部のばね定数の特性チューニングの自由度を高めることができる。
第3の態様は、第1の態様に係る防振装置において、前記貫通孔の内側に、前記凸部の突出方向及び該突出方向と逆方向の少なくとも一方に向けて突出する第2凸部を有している。
この防振装置では、貫通孔の内側に第2凸部が設けられているので、凸部が第1取付部材に当接したとき、凸部が対向する貫通孔の壁部に該凸部が当たるまで、ばね定数の急激な上昇が抑制される。このように、第2凸部により、凸部のばね定数の特性チューニングの自由度を更に高めることができる。
第4の態様は、第1〜第3の態様の何れか1態様において、前記振動発生部が、エンジンであり、前記貫通孔を有する前記凸部は、前記エンジンの加速時に前記エンジンがロールする側のみに設けられる。
この防振装置では、エンジンの加速時に該エンジンがロールし、凸部が第1取付部材に当接した状態となったときに、凸部のばね定数の急激な上昇が抑制される。これにより、エンジンの振動に起因するこもり音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、振動発生部の動きによるこもり音の発生を抑制することができる。
本実施形態に係る防振装置を示す斜視図である。 本実施形態に係る防振装置の分解斜視図である。 本実施形態に係る防振装置を第2取付部材の固定部側から見た斜視図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 本実施形態の第2取付部材を示す斜視図である。 本実施形態の第2取付部材を示す平面図である。 本実施形態の防振装置内部の説明に用いる断面図である。 凸部の変形状態を示す拡大平面図である。 (A)は、変形例1に係る後凸部を示す拡大平面図である。(B)は、変形例2に係る後凸部を示す拡大平面図である。(C)は、変形例1に係る後凸部を示す拡大平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態に係る防振装置10を示す図である。この防振装置10は、ペンデュラム懸架方式の車両に取り付けられエンジン11の振動が車体へ伝達されるのを抑制するものである。なお、各図において、Uは上方、Dは下方、Fは前方、Rは後方を示すものとする。これらが示す方向は説明上使用するものであり、防振装置10の使用状態等を示すものではない。
防振装置10は、振動受部の一例としての車体に取り付けられる第1取付部材12を備えている。第1取付部材12には、図2にも示すように、緩衝ブロック14と第2取付部材16とが設けられている。この第2取付部材16は、取付具と言い換えることができる。第2取付部材16は、振動発生部の一例としてのエンジン11に取り付けられるように構成されている。この第2取付部材16は、マウント装置と言い換えることができる。
ここで、本実施形態では、第1取付部材12を振動受部の一例としての車体に取り付け、第2取付部材16を振動発生部の一例としてのパワーユニットに取り付ける場合について説明するが、これに限定されるものではない。第1取付部材12を振動発生部に取り付け、第2取付部材16を振動受部に取り付けてもよい。
第1取付部材12は、図2に示したように、対を成す金属製の第1ブラケット20と第2ブラケット22とにより構成されている。
第1ブラケット20は、断面ハット型形状に形成されており、両側縁はフランジ20Aで補強されている。第1ブラケット20の長さ方向の端部は、固定面20Bを構成しており、各固定面20Bには、リベット挿通穴20Cと車体固定用のボルト挿通穴20Dとが設けられている。第1ブラケット20の長さ方向中央部は、取付面20Eを構成しており、この取付面20Eには、第2ブラケット22と逆側である下方Dへ向けて十字状に膨出した凹ビード20Fが形成されている。
第2ブラケット22も、略断面ハット型形状に形成されており、長さ方向中央部を構成する取付面22Aを有している。取付面22Aの前端部からは当接部位の一例である前縦壁22Bが下方Dへ向けて延出しており、前縦壁22Bからは固定面22Cが前方Fへ向けて延出している。取付面22Aの後端部からは、当接部位の一例である後縦壁22Dが下方Dへ向けて延出しており、後縦壁22Dからは固定面22Cが後方Rへ向けて延出している。
第2ブラケット22の各固定面22Cには、リベット挿通穴22Fとボルト挿通穴22Gとが第1ブラケット20の固定面20Bのリベット挿通穴20C、ボルト挿通20Dに対応した部位に設けられている。これにより、図3及び図4にも示すように、第1ブラケット20の各固定面20Bと第2ブラケット22の各固定面22Cとをリベット24で固定した状態で、第1ブラケット20の取付面20Eと第2ブラケット22の取付面22Aとの間に緩衝ブロック14及び第2取付部材16を挟持できるように構成されている。
そして、図2に示したように、第2ブラケット22の取付面22Aの一方の側縁からは、挿入面26が第1ブラケット20へ向けて延出している。
緩衝ブロック14は、ゴム部材で直方体形状に形成されており、緩衝ブロック14の天面14A及び底面14Bには、十字状の凹溝14Cが形成されている。
第2取付部材16には、弾性部材30が設けられている。この弾性部材30は、第1取付部材12及び第2取付部材16を弾性的に連結する部材である。第2取付部材16は、図5にも示すように、弾性部材30で覆われた本体部分と(図示省略)、弾性部材30より延出して露出した固定部16Bとを有しており、固定部16Bには、エンジン取付用の取付穴16Dが形成されている。弾性部材30は、一例としてゴム部材で構成されており、第2取付部材16は、一例として金属で構成されている。この第2取付部材16は、本体部分が弾性部材30にインサート成形されることにより形成されている。
第2取付部材16の本体部分を覆うように設けられた弾性部材30は、矩形状の弾性部材本体30Aを備えており、固定部16Bの延出方向逆側には、起立壁30Bが一体形成されている。この起立壁30Bと弾性部材本体30Aとの間には、挿入溝30Cが形成されており、挿入溝30Cに、第2ブラケット22の取付面22Aより延出した挿入面26を挿入できるように構成されている(図1参照)。これにより、第2取付部材16の抜け止めが構成されている。
弾性部材本体30Aの上面には、図5及び図6に示すように、膨出部30Dが突設されている。これにより、図7に示したように、当該第2取付部材16を第1取付部材12に取り付けた状態で、当該膨出部30Dを第2ブラケット22の取付面22Aの内面22Hに押圧して位置決めできるように構成されている。
また、弾性部材本体30Aの下面には、内側に後退した固定用凹部30Fが形成されており、固定用凹部30Fの天井面には、十字状に突出した凸条30Gが形成されている。これにより、この凸条30Gを、緩衝ブロック14の天面14Aに形成された凹溝14Cに配置することで、第2取付部材16に対して緩衝ブロック14を位置決めできるように構成されている。
この弾性部材本体30Aの前側部には、前ストッパ40が設けられており、後側部には、後ストッパ42が設けられている。
後ストッパ42は、図5及び図6に示したように、弾性部材30の第1取付部材12に対向する外側面を構成する後側面46を基準としたとき、この後側面46より第1取付部材12へ向けて凸部の一例である後凸部48を備えている。後凸部48は、後述する第2凸部51との関係で、「第1凸部」と言い換えることもできる。また、後凸部48を「大凸部」と、第2凸部51を「小凸部」とそれぞれ言い換えることもできる。後凸部48は、図7にも示したように、第2取付部材16を第1取付部材12に取り付けた状態において、第2ブラケット22の当接部位である後縦壁22Dへ向けて突出している。この後縦壁22Dに対向する後凸部48の端面48Aは、平坦に形成されている。
この後凸部48は、平面視で台形に形成されている。後凸部48の周面は、図5及び図6に示したように、上方側を構成する第1側壁面48Bと、第2取付部材16の固定部16B側を構成する第2側壁面48Cと、下方側を構成する第3側壁面48Dと、弾性部材30の起立壁30B側を構成する第4側壁面48Eとで構成されている。
弾性部材本体30Aの後側面46において後凸部48より第2取付部材16の固定部16B側の部位は、段差面46Bが形成されており、他の部位より内側へ後退している(図6参照)。この段差面46Bには、後凸部48の第2側壁面48Cに沿って延在する凹部の一例である第2凹部46Cが前方F(図6中では右側)へ向けて凹設されている。これにより、後凸部48の第2側壁面48Cの延長上には、延長部48Fが形成されており、この延長部48Fに対向して離れた部位には、対向面48Gが形成されている。
弾性部材本体30Aの後側面46には、図7に示したように、後凸部48の第3側壁面48Dに沿って延在する凹部の一例である第3凹部46Dが前方Fへ向けて凹設されている。これにより、後凸部48の第3側壁面48Dの延長上には、延長部48Hが形成されており、この延長部48Hに対向して離れた部位には、対向面48Iが形成されている。
ここで、第3凹部46Dの下方Dに位置する弾性部材30内には、第2取付部材16の側面から突出した突出部16Fが配置されており、後凸部48の下方Dへの傾倒に伴う変形を防止できるように構成されている。
また、弾性部材本体30Aの後側面46には、図6に示したように、後凸部48の第4側壁面48Eに沿って延在する凹部の一例である第4凹部46Eが前方Fへ向けて凹設されている。これにより、後凸部48の第4側壁面48Eの延長上には、延長部48Jが形成されており、この延長部48Jに対向して離れた部位には、対向面48Kが形成されている。
各凹部46C〜46Eは、後凸部48に入力されるこじり方向K(図5参照)に対応した位置に設けられている。ここで、こじり方向Kとは、後凸部48を、その突出方向に対して横方向へ傾倒する方向をいう。本実施形態の防振装置10では、使用時において、パワーユニットの挙動に基づき、後凸部48が第2側壁面48C側、第3側壁面48D側、又は第4側壁面48E側へ傾倒するような入力が加えられることがシミュレーション等により予測されている。そして、各凹部46C〜46Eは、互いに連通しており、後凸部48の外周部には、コ字状の溝が形成されている。
後凸部48の突出方向と交差する方向には、後凸部48を貫通する略矩形の貫通孔49が形成されている。この貫通孔49を有する後凸部48(後ストッパ42)は、エンジン11の加速時にエンジン11がロールする側、本実施形態では弾性部材30の後方R側のみに設けられる。
貫通孔49は、第1側壁面48Bから第3側壁面48Dに貫通している。貫通孔49には、前方Fに位置する前壁部49Aと、後方Rに位置する後壁部49Bと、前壁部49A及び後壁部49Bの両端同士をそれぞれ繋ぐ側壁部49Cとを有している。
後凸部48における貫通孔49の内側には、例えば後凸部48の突出方向に向けて突出する第2凸部51が設けられている。この第2凸部51は、例えば上下方向(矢印U方向及び矢印D方向)に延びる突条であり、前壁部49Aから後壁部49Bに向けて突出している。第2凸部51の先端51Aと後壁部49Bとの間には、間隙55が設けられている。後凸部48の平面視において、第2凸部51は、貫通孔49の長手方向(後凸部48の幅方向)の中央部に設けられている。後凸部48の耐久性の点から、第2凸部51は1つであることが望ましい。
第2凸部51の先端51Aは、例えば平坦に形成されているが、これに限られず、円筒面状であってもよい。また、先端51Aは先細り形状であってもよい。第2凸部51は1つに限られず、複数設けられていてもよい。
前ストッパ40は、弾性部材30の外側面を構成する前側面50を基準としたとき、この前側面50より突出する矩形ブロック状の凸部の一例である前凸部52を備えている。この前凸部52は、図7にも示したように、第2取付部材16を第1取付部材12に取り付けた状態において、第2ブラケット22の当接部位である前縦壁22Bへ向けて突出している。この前縦壁22Bに対向する前凸部52の端面52Aは、上下方向中央部が外側に突出した断面円弧状に形成されている。
この前凸部52の周面は、図6及び図7に示したように、上方側を構成する第1側壁面52Bと、第2取付部材16の固定部16B側を構成する第2側壁面52Cと、下方D側を構成する第3側壁面52Dと、弾性部材30の起立壁30B側を構成する第4側壁面52Eとで構成されている。
弾性部材本体30Aの前側面50には、図6に示したように、前凸部52の第2側壁面52Cに沿って延在する第2凹部50Cが後方Rへ向けて凹設されている。これにより、前凸部52の第2側壁面52Cの延長上には、延長部52Fが形成されており、この延長部52Fに対向して離れた部位には、対向面52Gが形成されている。
弾性部材本体30Aの前側面50には、図7に示したように、前凸部52の第3側壁面52Dに沿って延在する第3凹部50Dが後方Rへ向けて凹設されている。これにより、前凸部52の第3側壁面52Dの延長上には、延長部52Hが形成されており、この延長部52Hに対向して離れた部位には、対向面52Iが形成されている。
ここで、第3凹部50Dの下方Dに位置する弾性部材30内には、第2取付部材16の側面から突出した突出部16Fが配置されており、前凸部52の下方Dへの傾倒に伴う変形を防止できるように構成されている。
また、弾性部材本体30Aの前側面50には、図6に示したように、前凸部52の第4側壁面52Eに沿って延在する第4凹部50Eが後方Rへ向けて凹設されている。これにより、前凸部52の第4側壁面52Eの延長上には、延長部52Jが形成されており、この延長部52Jに対向して離れた部位には、対向面52Kが形成されている。
各凹部50C〜50Eは、前凸部52に入力されるこじり方向に対応した位置に設けられている。ここで、こじり方向とは、前凸部52を、その突出方向に対して横方向へ傾倒する方向をいう。本実施形態の防振装置10では、使用時において、前凸部52が第2側壁面52C側、第3側壁面52D側、又は第4側壁面52E側へ傾倒するような入力が加えられることがシミュレーション等により予測されている。そして、各凹部50C〜50Eは、互いに連通しており、前凸部52の外周部には、コ字状の溝が形成されている。
前凸部52の第1側壁面52Bには、図6に示したように、横断溝52Lが等間隔をおいた三か所に形成されており、各横断溝52L間には、基端側から先端側へ向けて第1板状部52Mと第2板状部52Nと第3板状部52Oとが形成されている。これにより、前凸部52の外周面の一例である第1側壁面52Bには、凹凸形状が形成されている(図7参照)。
前凸部52の先端側に設けられた第3板状部52Oの長さ寸法S3は、第1板状部52N及び第2板状部52Mの長さ寸法S4より短く設定されている。これにより、当該前凸部52が第2ブラケット22の前縦壁22Bに当接し、第3板状部52Oが変形して長さ方向へ広がった場合でも、第3板状部52Oが各凹部50C〜50Eで形成された溝内に後退できるように構成されている。
(作用)
以上の構成にかかる本実施形態の作用を説明する。エンジン11等のパワーユニットからの振動により第2取付部材16が揺動すると、第2取付部材16に設けられた弾性部材30の後凸部48及び前凸部52は、第1取付部材12を構成する第2ブラケット22の前縦壁22B、後縦壁22Dに当接する。これに伴って後凸部48及び前凸部52が弾性変形することで振動エネルギーを吸収する。
ここで、後凸部48及び前凸部52の基端側の後側面46、前側面50には、各凹部46C〜46E、50C〜50Eが設けられており、後凸部48及び前凸部52が後側面46、前側面50から直接突出する場合と比較して、後凸部48及び前凸部52の突出方向への長さ寸法を長くすることができる。これにより、後凸部48及び前凸部52の変形量が増大し、エネルギー吸収量を高めることができる。
また本実施形態では、後凸部48に貫通孔49が形成されているので、該後凸部48が弾性変形し易くなっている。また、貫通孔49の内側に第2凸部51が設けられているので、後凸部48が第1取付部材12に当接したとき、第2凸部51が対向する貫通孔49の後壁部49Bに、該第2凸部51が当たるまで、ばね定数の急激な上昇が抑制される。
具体的には、図8に示されるように、後凸部48が第2ブラケット22における後縦壁22Dに当接すると、貫通孔49が潰れるように、後凸部48が弾性変形する。貫通孔49の後壁部49Bが第2凸部51に当接するまで、ばね定数の上昇の度合が低く維持される。貫通孔49の後壁部49Bが第2凸部51に当接した後は、ばね定数が急激に上昇する。
特に、本実施形態では、後凸部48が、エンジンの11の加速時にエンジン11がロールする側(弾性部材30の後方R側)のみに設けられている。したがって、エンジン11がロールし、後凸部48が第1取付部材12に当接した状態となったときに、後凸部48のばね定数の急激な上昇が抑制される。これにより、エンジン11の振動が車体に伝わり難くなる。このため、エンジン11の動きによるこもり音の発生を抑制することができる。
本実施形態では、第2凸部51により、後凸部48のばね定数の特性チューニングの自由度を更に高めることができる。
なお、後凸部48に貫通孔49を設けることは、製造上容易である。また、貫通孔49の形状により、後凸部48のばね定数の特性と、後凸部48の耐久性を両立させることができる。貫通孔を有するストッパゴムを第2取付部材16に別途設けると、防振装置への組付け作業の難易度が高くなる。また加硫接着を2度行うことになり、工程及び製造コストが上昇する。
また前凸部52にこじり方向の入力が加えられた場合、前凸部52はこじり方向に応じた方向へ倒れが生ずる。すると、前凸部52の基端側の各側壁面52C〜52Eや延長部52F、52H、52Jが、凹部50C〜50Eで形成された対向面52G、52I、52Kに当接する。これにより、前凸部52は、横方向から支持され、必要以上の倒れが抑制される。
したがって、前凸部52を単純に長くして傾倒し易くした際に生じ得る前凸部52の基端部の破損を、特別な対策を施すことなく、抑制することができる。よって、こじり方向の入力に対する耐久性を高めることができる。
一方、振動入力時において、後凸部48及び前凸部52に対して長さ方向の入力が加えられた際には、後凸部48及び前凸部52は、その圧縮方向の力によって横方向へ広がるように変形する。このとき、後凸部48及び前凸部52の基端側には、各凹部46C〜46E、50C〜50Eが形成されており、後凸部48及び前凸部52の変形部分の逃げ場として機能する。これにより、後凸部48及び前凸部52の局所的な歪を抑制することができる。
また、各凹部46C〜46E、50C〜50Eは、後凸部48及び前凸部52に入力されるこじり方向に対応した位置に設けられている。このため、後凸部48及び前凸部52へのこじり方向への入力に対する過度な傾倒防止効果を有効に発揮することができる。
そして、前凸部52の第1側壁面52Bは、凹凸形状とされ、前凸部52の変形が容易とされている。これにより、前凸部52でのエネルギー吸収を容易とすることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
上記実施形態では、貫通孔49の内側に第2凸部51が設けられるものとしたが、図9Aに示されるように、第2凸部51が設けられない構成であってもよい。また、図9(B)に示されるように、第2凸部51が後凸部48の突出方向と逆方向に突出していてもよい。つまり、貫通孔49の後壁部49Bから前壁部49Aに向けて突出していてもよい。更には、第2凸部51が、後凸部48の突出方向及びその逆方向の双方に突出していてもよい(図示せず)。
後凸部48の貫通孔49は単一の貫通孔に限られず、図9(C)に示されるように、貫通孔49が複数の小孔53を含んでいてもよい。この場合、後凸部48のばね定数の特性チューニングの自由度を高めることができる。例えば、小孔53の大きさ、数、分布を調整することで、ばね定数をチューニングすることもできる。なお、小孔53の他に、小孔53と異なる大きさの孔(図示せず)が混在していてもよい。また、貫通孔49の貫通方向は、後凸部48の幅方向(左右方向)であってもよい。
上記実施形態では、後凸部48及び前凸部52の側部の三方向に各凹部46C〜46E、50C〜50Eを設けたが、これに限定されるものではない。また、前凸部52の第1側壁面52Bを凹凸形状とした場合について説明したが、これに限定されるものではない。
上記実施形態では、防振装置10に振動が入力しない無振動時において後凸部48及び前凸部52が第1取付部材12に当接した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。無振動時に後凸部48及び前凸部52が第1取付部材12に当接しない防振装置10を他の実施形態として挙げることできる。
また、後凸部48及び前凸部52を設ける位置は、弾性部材30の外側面に限定されるものではない。例えば後凸部48及び前凸部52を弾性部材30の上面に設けることができる。
10…防振装置、12…第1取付部材、16…第2取付部材、30…弾性部材、46…後側面(外側面)、48…後凸部(凸部)、49…貫通孔、51…第2凸部、53…小孔

Claims (4)

  1. 振動受部に取り付けられる第1取付部材と、
    振動発生部に取り付けられる第2取付部材と、
    該第2取付部材に設けられ、前記第1取付部材及び前記第2取付部材を弾性的に連結する弾性部材と、
    該弾性部材の前記第1取付部材に対向する外面を基準として前記第1取付部材へ向けて突出した凸部と、を有し、
    前記凸部の突出方向と交差する方向に、前記凸部を貫通する貫通孔が形成された防振装置。
  2. 前記貫通孔は複数の小孔を含む請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記貫通孔の内側に、前記凸部の突出方向及び該突出方向と逆方向の少なくとも一方に向けて突出する第2凸部を有する請求項1に記載の防振装置。
  4. 前記振動発生部は、エンジンであり、
    前記貫通孔を有する前記凸部は、前記エンジンの加速時に前記エンジンがロールする側のみに設けられる請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の防振装置。
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