JP2003239837A - パイロット着火ガスエンジンの起動方法および起動装置 - Google Patents

パイロット着火ガスエンジンの起動方法および起動装置

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JP2003239837A JP2002040541A JP2002040541A JP2003239837A JP 2003239837 A JP2003239837 A JP 2003239837A JP 2002040541 A JP2002040541 A JP 2002040541A JP 2002040541 A JP2002040541 A JP 2002040541A JP 2003239837 A JP2003239837 A JP 2003239837A
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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パイロット燃料噴射による着火が確実となっ
て火花点火を停止できるタイミングを的確に設定でき、
ガスエンジンの起動を円滑、確実に行って運転を安定し
て継続させる。 【解決手段】 コントローラ22に冷却水温起因経過時
間設定手段23と室温起因経過時間設定手段24と経過
時間比較手段26とタイマー25とが設けられ、ガスエ
ンジン10の冷却水循環回路14の温度センサー20の
検出温度と室温センサー21の検出温度に基づいて冷却
水温起因経過時間設定手段23と室温起因経過時間設定
手段24がそれぞれ定めた各指定経過時間を経過時間比
較手段26で比較し、長い方の指定経過時間のタイミン
グでタイマー25が点火装置13を介して点火プラグ9
を点火停止するように構成されている。これにより、ガ
スエンジン10の液体燃料噴射弁のみによる着火運転が
継続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主燃焼室に導入さ
れた気体燃料と空気との混合気を、液体燃料噴射弁付き
予燃焼室で当該液体燃料噴射弁から噴射されるパイロッ
ト油によって、着火燃焼させる予燃焼室方式のパイロッ
ト着火と、当該混合気を点火プラグによって着火燃焼さ
せる火花点火とを併用するガスエンジンの起動方法およ
び起動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】出願人は、主燃焼室に導入された気体燃
料と空気との混合気を、液体燃料噴射弁付き予燃焼室で
当該液体燃料噴射弁から噴射されるパイロット油によっ
て、着火燃焼させる予燃焼室方式のパイロット着火と、
当該混合気を点火プラグによって着火燃焼させる火花点
火とを併用するガスエンジンを提案した(特開2000
−64838号公報)。これは、図9に示す予燃焼室方
式のパイロット着火式のガスエンジン1であり、例え
ば、産業用または民生用の定置型発電設備を駆動するの
に好適なものである。このガスエンジン1は、シリンダ
ライナ(シリンダ)2と、シリンダライナ2内を上下に
往復動するピストン3と、液体燃料噴射弁4と予燃焼室
5を備えた液体燃料噴射弁付き予燃焼室のユニット6を
有するシリンダヘッド7とを有している。
【0003】この液体燃料噴射弁付き予燃焼室のユニッ
ト6によるパイロット着火は、次のようにして行われ
る。すなわち、都市ガス等の燃料ガス(気体燃料)が空
気と混合されて、シリンダライナ2とピストン3とシリ
ンダヘッド7とで区画された主燃焼室8に、シリンダヘ
ッド7の吸気ポートを経て供給され、かつピストン3の
圧縮行程の後半には、全熱量比で約1%に相当する燃料
油が、液体燃料噴射弁4から、予燃焼室5内に、パイロ
ット油として噴射される。その結果、高温高圧の雰囲気
下でパイロット油が圧縮着火され、これを着火源とし
て、主燃焼室8内の燃料ガスが燃焼される。一方、この
シリンダヘッド7には、この液体燃料噴射弁4の他に、
点火プラグ9も設けられ、点火プラグ9とパイロット燃
料噴射弁付予燃焼室のユニット6と共に主燃焼室5の混
合気の着火源として使用できるようにしている。
【0004】上記のように構成されたパイロット着火ガ
スエンジンにあっては、点火プラグ9とパイロット燃料
噴射弁付予燃焼室のユニット6とによる多点点火によっ
て、燃焼促進が図られ、エンジンの燃焼性を改善するこ
とができて、エンジン熱効率を向上させることができる
と共に、起動時のパイロット燃料噴射弁系を動作させて
いても、所定の回転数に達しないとパイロット油が噴射
できず、着火源として機能しないという問題点をも解決
したものである。
【0005】すなわち、このパイロット燃料噴射弁系
は、パイロット油量(燃料噴射ポンプのラック)の設定
値に応じた所定のエンジン回転数に達するまでは、パイ
ロット燃料噴射弁から少量の燃料油(パイロット油)を
噴射できない。燃料吐出量を設定する燃料ラック位置の
指示値が小さいほど、無噴射域となるエンジン回転数の
範囲(液体燃料噴射弁4からの燃料油の噴射を開始させ
ない回転数の領域)が広くなる。例えば、燃料ラックの
位置を、全熱量比で約1%のパイロット油量を吐出する
に相当する位置である8mmに設定すると、エンジン回
転数が約600rpmに達するまで、パイロット油が液
体燃料噴射弁から噴射されない。したがって、起動時に
は、点火プラグ9による火花点火を行って、主燃焼室8
内に供給された気体燃料と空気との混合気に確実に着火
すると共に、パイロット燃料噴射弁系も動作させる。
【0006】パイロット燃料噴射弁系は、パイロット油
量(燃料噴射ポンプのラック)の設定値に応じた所定の
エンジン回転数に達すると、パイロット燃料噴射弁から
少量の燃料油(パイロット油)を噴射できるようにな
る。この噴射した燃料油が着火燃焼し、これが点火源と
なって予燃焼室5内の混合気が着火燃焼し、次いで予燃
焼室5にて燃焼した火炎が、噴口5aを通って主燃焼室
8に伝播し、主燃焼室8の混合気の着火源となって、主
燃焼室8の混合気全体が燃焼する。これにより、パイロ
ット燃料噴射弁からのパイロット油による着火もなされ
るようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】斯くの如く、起動時に
は、点火プラグ9による火花点火とパイロット燃料噴射
弁付予燃焼室のユニット6のパイロット着火を用いて、
主燃焼室8内に供給された気体燃料と空気との混合気に
確実に着火するから、エンジンが起動時に着火不良によ
り停止するようなことがなく確実に起動される。これに
より、エンジンの起動を円滑に、かつ安定して行うこと
ができるとともに、エンジンの運転を確実に継続するこ
とができる。このようにパイロット燃料噴射による着火
が確実となり、これを点火源としての運転が可能となっ
たなら、火花点火を停止しても差し支えなく、そのよう
にするのが点火プラグの耐用性の点から好ましい。
【0008】しかしながら、前記火花点火を停止する場
合には、パイロット燃料噴射による着火が確実となった
ことを判断して行わなければならない。その判断方法の
1つとして、主燃焼室8内の燃焼圧力を計測してその計
測結果に基づいて判断を行うことが考えられるが、この
場合には、圧力センサーおよびその圧力センサーの信号
処理用の増幅器等の機器を新たに設備する必要がある。
これらの設備に要する費用は少なからずかかり、製品コ
ストの増大を伴う上に、機器の耐久性、動作の信頼性が
劣る問題がある。また、他の判断方法として、単純にガ
スエンジンの回転数が定格回転数に達したときに、火花
点火を停止することも考えられ、これを実際に試験して
みたところ、円滑にエンジンを起動して継続して運転す
ることができず、着火不良によってエンジンが停止して
しまうことがあった。その原因を検証したところ、エン
ジンの冷却水温度やエンジンを設置した室温等の環境に
よってエンジンの起動性が影響されることが判明した。
【0009】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
もので、各発明の共通の課題は、パイロット燃料噴射に
よる着火が確実となって火花点火を停止できるタイミン
グを、前記圧力センサー等の機器を設けて直接的に測定
する物理量によって判断するのではなく、通常のエンジ
ンの状態を示す物理量から間接的に判断して的確に設定
することができ、起動を円滑、確実に行って運転を安定
して継続して行うことができるパイロット着火ガスエン
ジンの起動方法および起動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、以下の点を特徴としている。すなわち、
本発明の請求項1に係るパイロット着火ガスエンジンの
起動方法は、シリンダと、シリンダ内で往復動するピス
トンと、シリンダヘッドとにより区画される主燃焼室内
に導入された気体燃料と空気との混合気を着火させる手
段としての、火花点火を行う点火プラグと、液体燃料噴
射弁から予燃焼室内に噴射されるパイロット油で着火燃
焼させるパイロット燃料噴射弁付き予燃焼室とが設けら
れたガスエンジンの起動方法であって、前記点火プラグ
の点火作動開始と、液体燃料噴射弁からのパイロット油
の噴射とを行った後、前記ガスエンジンのスタート時点
の冷却水温度または前記ガスエンジンのスタート時点の
室温の少なくとも何れかに基づき前記点火プラグの点火
停止を行うことを特徴とする。
【0011】また、請求項2に係わる発明は、請求項1
に記載の起動方法において、前記点火プラグの点火停止
を、前記ガスエンジンのスタート時点の冷却水温度に基
づいて予め定めた前記ガスエンジンが火花点火を停止し
てもエンジン停止しない前記スタート時点からの指定経
過時間、および前記ガスエンジンのスタート時点の室温
に基づいて予め定めた前記ガスエンジンが火花点火を停
止してもエンジン停止しない前記スタート時点からの指
定経過時間の少なくとも何れかの指定経過時間の経過後
に行うようにしたことを特徴とする。
【0012】さらに、請求項3に係る発明は、請求項2
に記載の起動方法において、前記スタート時点からの指
定経過時間が、前記ガスエンジンの回転数が定格回転数
に達する時間以上の時間であることを特徴とする。
【0013】また、請求項4に係る発明は、請求項2ま
たは請求項3に記載の起動方法において、前記指定経過
時間が、前記ガスエンジンのスタート時点の冷却水温度
に基づいて定めた指定経過時間と、前記ガスエンジンの
スタート時点の室温に基づいて定めた指定経過時間のう
ち、長い方の指定経過時間であることを特徴とする。
【0014】また、本発明の請求項5に係るパイロット
着火ガスエンジンの起動装置は、シリンダと、シリンダ
内で往復動するピストンと、シリンダヘッドとにより区
画される主燃焼室内に導入された気体燃料と空気との混
合気を着火させる手段としての、火花点火を行う点火プ
ラグと、液体燃料噴射弁から予燃焼室内に噴射されるパ
イロット油で着火燃焼させるパイロット燃料噴射弁付き
予燃焼室とが設けられたガスエンジンの起動装置であっ
て、前記点火プラグの点火作動開始と、液体燃料噴射弁
からのパイロット油の噴射とを行った後、予め前記ガス
エンジンのスタート時点の冷却水温度および前記ガスエ
ンジンのスタート時点の室温の少なくとも何れかに基づ
き定めた、スタート時点からの指定経過時間の経過後
に、前記点火プラグの点火停止を行うコントローラが設
けられていることを特徴とする。
【0015】また、請求項6に係る発明は、請求項5に
記載の起動装置において、前記コントローラには、前記
ガスエンジンのスタート時点からの前記指定経過時間の
経過後に、前記点火プラグの点火停止信号を発するタイ
マーが設けられていることを特徴とする。
【0016】また、請求項7に係る発明は、請求項6に
記載の起動装置において、前記コントローラには、前記
ガスエンジンのスタート時点の冷却水温度に基づいて前
記指定経過時間を設定して前記タイマーに伝達する冷却
水起因経過時間設定手段が設けられていることを特徴と
する。
【0017】また、請求項8に係る発明は、請求項6に
記載の起動装置において、前記コントローラには、前記
ガスエンジンのスタート時点の室温に基づいて前記指定
経過時間を設定して前記タイマーに伝達する室温起因経
過時間設定手段が設けられていることを特徴とする。
【0018】また、請求項9に係る発明は、請求項6に
記載の起動装置において、前記コントローラには、前記
ガスエンジンのスタート時点の冷却水温度に基づいて前
記指定経過時間を設定する冷却水温起因経過時間設定手
段と、前記ガスエンジンのスタート時点の室温に基づい
て前記指定経過時間を設定する室温起因経過時間設定手
段と、前記冷却水温起因経過時間設定手段と室温起因経
過時間設定手段とからの設定された各指定経過時間を比
較し、長い方の指定経過時間を前記タイマーに設定する
経過時間比較手段とが設けられていることを特徴とす
る。
【0019】さらに、本発明の請求項10に係るパイロ
ット着火ガスエンジンの起動方法は、シリンダと、シリ
ンダ内で往復動するピストンと、シリンダヘッドとによ
り区画される主燃焼室内に導入された気体燃料と空気と
の混合気を着火させる手段としての、火花点火を行う点
火プラグと、液体燃料噴射弁から予燃焼室内に噴射され
るパイロット油で着火燃焼させるパイロット燃料噴射弁
付き予燃焼室とが設けられたガスエンジンの起動方法で
あって、前記点火プラグの点火作動開始と、液体燃料噴
射弁からのパイロット油の噴射とを行い、前記ガスエン
ジンの回転数が少なくとも定格回転数の80%に達した
後、前記ガスエンジンの冷却水出口温度に基づいて前記
点火プラグの点火停止を行うことを特徴とする。
【0020】また、請求項11に係る発明は、請求項1
0に記載の起動方法において、前記点火プラグの点火停
止は、前記ガスエンジンの冷却水出口温度が予め定めた
前記ガスエンジンが火花点火を停止してもエンジン停止
しない所定温度に達した以降に行うことを特徴とする。
【0021】さらに、本発明の請求項12に係るパイロ
ット着火ガスエンジンの起動装置は、シリンダと、シリ
ンダ内で往復動するピストンと、シリンダヘッドとによ
り区画される主燃焼室内に導入された気体燃料と空気と
の混合気を着火させる手段としての、火花点火を行う点
火プラグと、液体燃料噴射弁から予燃焼室内に噴射され
るパイロット油で着火燃焼させるパイロット燃料噴射弁
付き予燃焼室とが設けられたガスエンジンの起動装置で
あって、前記点火プラグの点火作動開始と、液体燃料噴
射弁からのパイロット油の噴射とを行い、前記ガスエン
ジンの回転数が少なくとも定格回転数の80%に達し、
かつ前記ガスエンジンの冷却水出口温度が所定温度に達
した以降に、前記点火プラグの点火停止を行うコントロ
ーラーが設けられたことを特徴とする。
【0022】また、請求項13に係る発明は、請求項1
2に記載の起動装置において、前記コントローラには、
前記ガスエンジンの冷却水出口温度情報に基づき、該冷
却水温度が設定温度以上になったら温度到達情報を出す
温度比較手段と、前記ガスエンジンの回転数情報に基づ
き、該回転数が定格回転数の80%以上になったら回転
数到達情報を出す回転数比較手段と、前記温度比較手段
の温度到達情報と前記回転数比較手段の回転数到達情報
とが共に発せられたとき、前記点火プラグの点火停止信
号を発するアンド回路手段とが設けられていることを特
徴とする。
【0023】請求項1に係る発明は、通常、ガスエンジ
ンの状態を示す物理量であるガスエンジンのスタート時
点における冷却水温度およびガスエンジンのスタート時
点における室温(すなわち、主燃焼室に吸引される空気
温度)のいずれもが、間接的にパイロット着火の状態を
把握できる物理量であることを見出し、これらの物理量
の何れかに基づいて、前記点火プラグの点火作動開始
と、液体燃料噴射弁からのパイロット油の噴射とを行っ
た後の点火プラグの点火停止を行うようにした。したが
って、これらの冷却水温や室温は、通常、エンジンの状
態を把握する物理量として測定されるものであるので、
直接的にパイロット着火の状態を把握する圧力センサー
等の新たな計測手段を設けずに、適切に火花点火を停止
でき、しかも点火プラグの耐久性を向上することができ
る。
【0024】また、請求項2に係る発明は、例えば、使
用するガスエンジン自体または同じ型式のガスエンジン
を使用して、該ガスエンジンのスタート時点の冷却水温
度や室温を変えて、前記ガスエンジンが火花点火を停止
してもエンジン停止しないスタート時点からの経過時間
を実験的に求める。斯くの如きデータから、前記ガスエ
ンジンのスタート時点の冷却水温度に基づいて定めたガ
スエンジンが火花点火を停止してもエンジン停止しない
スタート時点からの指定経過時間、前記ガスエンジンの
スタート時点の室温に基づいて定めたガスエンジンが火
花点火を停止してもエンジン停止しないスタート時点か
らの指定経過時間、または冷却水温度および室温の両方
に基づいて定めたガスエンジンが火花点火を停止しても
エンジン停止しないスタート時点からの指定経過時間の
何れかの指定経過時間が経過した後に、前記点火プラグ
の点火停止を行うようにしたりする。これにより、より
的確なタイミングでエンジン停止を起こすことなく、点
火プラグの点火停止を行うことができる。したがって、
パイロット着火の状態を直接的に把握する圧力センサー
等の新たな計測手段を設けずに、適切に火花点火を停止
でき、しかも点火プラグの耐久性が向上する。
【0025】この場合、前記請求項3に係る発明の如
く、前記ガスエンジンのスタート時点の冷却水温度に基
づいて定めたガスエンジンが火花点火を停止してもエン
ジン停止しないスタート時点からの指定経過時間、およ
び前記ガスエンジンのスタート時点の室温に基づいて定
めたガスエンジンが火花点火を停止してもエンジン停止
しないスタート時点からの指定経過時間は、ガスエンジ
ンの回転数が定格回転数に達する時間以上の時間になる
のが一般的である。
【0026】また、前記請求項4に係る発明のように、
前記指定経過時間が、前記ガスエンジンのスタート時点
の冷却水温度に基づいて定めた指定経過時間と、前記ガ
スエンジンのスタート時点の室温に基づいて定めた指定
経過時間のうちの、長い方の指定経過時間とすることに
よって、エンジン停止を起こすことなく、更により確実
で安全に運転が続けられるタイミングで、点火プラグの
点火停止を行うことができる。これにより、ガスエンジ
ンのパイロット着火の状態を直接的に把握する圧力セン
サー等の新たな計測手段を設けずに、適切に火花点火を
停止でき、しかも点火プラグの耐久性が向上する。
【0027】さらに、前記請求項5に係る発明は、コン
トローラが、例えば、予め実験的に求めたデータ等か
ら、前記ガスエンジンのスタート時点の冷却水温度また
はスタート時点の室温、もしくはスタート時点の冷却水
温度およびスタート時点の室温の両方に基づいて、火花
点火を停止してもエンジン停止しないスタート時点から
の指定経過時間を定め、その指定経過時間の経過後に、
前記点火プラグの点火停止信号を発する。これにより、
自動的に的確なタイミングでエンジン停止を起こすこと
なく、点火プラグの点火停止を行うことができる。した
がって、パイロット着火の状態を直接的に把握する圧力
センサー等の新たな計測手段を設けずに、適切に火花点
火を停止でき、しかも点火プラグの耐久性が向上する。
【0028】また、この場合、前記請求項6に係る発明
の如く、前記エンジンのスタート時点からの前記指定経
過時間の経過後に、前記点火プラグの点火停止信号を発
するタイマーを設けて構成すると、火花点火を停止する
ためのコントローラの構成が簡単となって、プログラム
等の設定も容易となり、パイロット着火の状態を直接的
に把握する圧力センサー等の新たな計測手段を設けず
に、適切に火花点火を停止することができる。
【0029】さらに、前記タイマーを設けた場合に、前
記請求項7に係る発明の冷却水温起因経過時間設定手段
は、ガスエンジンのスタート時点の冷却水温度情報に基
づいて前記指定経過時間を設定し、直接または間接に前
記タイマーに伝達する。また、前記請求項8に係る発明
の室温起因経過時間設定手段は、ガスエンジンのスター
ト時点の室温、すなわち、エンジンに吸引される空気温
度に基づいて前記指定経過時間を設定し、直接または間
接に前記タイマーに伝達する。この場合、前記コントロ
ーラに、前記請求項7に係る発明の冷却水温起因経過時
間設定手段、または、前記請求項8に係る発明の室温起
因経過時間設定手段のどちらかだけを設けたものでもよ
く、いずれもパイロット着火の状態を直接的に把握する
圧力センサー等の新たな計測手段を設けずに、適切に火
花点火を停止することができという本発明の効果を奏す
る。
【0030】また、請求項9に係る発明の如く、前記コ
ントローラに、冷却水温起因経過時間設定手段と、室温
起因経過時間設定手段の両方を設け、経過時間比較手段
がこれら冷却水温起因経過時間設定手段と室温起因経過
時間設定手段が定めた、火花点火を停止してもエンジン
停止しないとする各指定経過時間を比較し、長い方の指
定経過時間を前記タイマーに伝達するようにすると、エ
ンジン停止を起こすことなく、更により安全にガスエン
ジンの運転が継続されるタイミングで、点火プラグの点
火停止を自動的に行うことができる。これにより、ガス
エンジンのパイロット着火の状態を直接的に把握する圧
力センサー等の新たな計測手段を設けずに、適切に火花
点火を停止でき、しかも点火プラグの耐久性が向上す
る。
【0031】なお、前記冷却水温起因経過時間設定手
段、室温起因経過時間設定手段および経過時間比較手段
は、素子を組み合わせてハードウェア的に構成してもよ
く、またプログラムによりソフトウェア的に構成しても
よい。また、以上の各請求項において、「スタート時点
からの指定経過時間」に代えて「ガスエンジンの回転数
が定格回転数に達する時点を基点とした指定経過時間」
としてもよく、これらは実質的に同じである。これは、
ガスエンジンを調整して定めたエンジンがスタートして
から定格回転数になるまでの時間は、殆ど環境によって
影響されずにほぼ一定であるため、定数と見なすことが
できるからである。
【0032】したがって、「スタート時点からの指定経
過時間」に代えて「ガスエンジンの回転数が定格回転数
に達する時点を基点とした指定経過時間」を使用する場
合は、ガスエンジンの回転数を実測し、該回転数が定格
回転数に達する時点を基点にして前記指定経過時間が経
過した後に、点火プラグの点火停止を行えばよく、さら
には、前記ガスエンジンの回転数を実測せずに、定格回
転数になるまでの時間をコントローラに定数として入力
しておき、その定数に「ガスエンジンの回転数が定格回
転数に達する時点を基点とした指定経過時間」を加算
し、始動指令の時点を基点とするデータとしてもよい。
【0033】さらに、定格回転数の所定割合、例えば、
定格回転数の85%に達した時点を測定し、これを基点
にした指定経過時間を使用してもよい。上記回転数は、
通常、ガスエンジンの状態を示す物理量として計測され
るものであり、これらの態様は本発明の作用効果を奏す
る。したがって、以上の請求項の「スタート時点からの
指定経過時間」という用語は、少なくとも火花点火によ
ってガスエンジンが始動し始めてからの指定経過時間を
意味するが、本発明においては、「ガスエンジンの回転
数が定格回転数に達する時点を基点とした指定経過時
間」をも含み、最も広義に解するものとし、上述の態様
も本発明に含まれるものとする。
【0034】前記請求項10に係る発明は、前記ガスエ
ンジンの回転数が少なくとも定格回転数の80%に達し
た後であれば、通常、ガスエンジンの状態を示す物理量
であるガスエンジンの冷却水出口温度が、間接的にパイ
ロット着火の状態を把握できる物理量として用いること
ができることを見出し、このガスエンジンの冷却水出口
温度に基づいて、前記点火プラグの点火作動開始と、液
体燃料噴射弁からのパイロット油の噴射とを行った後の
点火プラグの点火停止を行うようにした。したがって、
この冷却水出口温度は、通常、ガスエンジンの状態を示
す物理量として測定されるものであるから、直接的にパ
イロット着火の状態を把握する圧力センサー等の新たな
計測手段を設けずに、適切に火花点火を停止でき、しか
も火花点火を必要以上に使用しないので、点火プラグの
耐久性を向上することができる。
【0035】この場合、前記請求項11に係る発明の如
く、例えば、使用するガスエンジン自体または同じ型式
のガスエンジンを使用して、前記点火プラグの点火作動
を停止しても、エンジン停止を起こさない冷却水出口温
度を予め実験的に求めておき、この温度に前記ガスエン
ジンの冷却水出口温度が達した以降に、前記点火プラグ
の点火停止を行うようにする、これによって、より的確
なタイミングでエンジン停止を起こすことなく、点火プ
ラグの点火停止を行うことができる。したがって、パイ
ロット着火の状態を直接的に把握する圧力センサー等の
新たな計測手段を設けずに、適切に火花点火を停止で
き、しかも点火プラグの耐久性が向上する。
【0036】また、請求項12に係る発明は、コントロ
ーラが、前記ガスエンジンの回転数が定格回転数の80
%以上に達し、かつ、例えば、予め実験的に求めた火花
点火を停止してもエンジン停止を起こさないガスエンジ
ンの冷却水出口温度に、現在のガスエンジンの冷却水出
口温度が達した状態になった以降に、前記点火プラグの
点火停止信号を発して点火プラグの点火停止を行う。こ
れにより、自動的に的確なタイミングでエンジン停止を
起こすことなく、点火プラグの点火停止を行うことがで
きる。したがって、パイロット着火の状態を直接的に把
握する圧力センサー等の新たな計測手段を設けずに、適
切に火花点火を停止でき、しかも点火プラグの耐久性が
向上する。
【0037】請求項13に係る発明においては、回転数
比較手段は、前記ガスエンジンの回転数が定格回転数の
80%以上になったなら、回転数到達情報をアンド回路
手段に出し、温度比較手段は、前記ガスエンジンの冷却
水出口温度が設定温度以上になったなら温度到達情報を
アンド回路手段に出す。アンド回路手段は、温度到達情
報と回転数情報の両方を受けると、前記点火プラグの点
火停止信号を発する。これにより、自動的に的確なタイ
ミングでエンジン停止を起こすことなく、点火プラグの
点火停止を行うことができる。なお、以上の請求項にお
いて、ガスエンジンの冷却水とは、少なくとも主燃焼室
近傍を冷却する冷却水を意味する。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るパイロット着
火ガスエンジンの起動装置の実施の形態について図面を
参照した説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に
係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置Aを示す。
図1において、10はパイロット着火ガスエンジンであ
り、その出力軸に継ぎ手11を介して発電機12が連結
されて定置型発電設備として利用される。前記パイロッ
ト着火ガスエンジン(ガスエンジン)10は、図9に示
した従来のパイロット着火ガスエンジン1と同様に点火
プラグ9とパイロット燃料噴射弁付予燃焼室6(図1に
は図示せず)とを備えたシリンダヘッド7と主燃焼室8
とを含む燃焼室周辺部構造を有している。前記点火プラ
グ9は点火装置13に接続されており、該点火装置13
によって動作されて火花を発して主燃焼室8内の混合気
に着火させるようになっている。以下、ガスエンジン1
0の燃焼室周辺部についての説明は、必要に応じて図9
にもとづいて行う。
【0039】また、図1において、14はガスエンジン
10のシリンダヘッド7とシリンダライナ等を冷却する
一次冷却水循環回路であり、ガスエンジン10の入口1
4aと出口14bとを結ぶ冷却水配管15と、該冷却水
配管15の前記入口14a側に設けた冷却水循環ポンプ
16と、該冷却水循環ポンプ16と前記出口14bとの
間において冷却水配管15に並列に接続したバイパス配
管17と、該バイパス配管17に設けた一次水冷却器1
8と、該バイパス配管17の冷却水循環ポンプ16側の
冷却水配管15への合流部に設けた温度調節弁19とを
備えている。
【0040】前記温度調節弁19は、ガスエンジン10
から流出されバイパス配管17を通って一次水冷却器1
8で冷却された一次冷却水の冷却水配管15への流入量
(ガスエンジン10から流出された一次冷却水のバイパ
ス配管17への流量)を調節し、ガスエンジン10の入
口14aへ送られる一次冷却水の温度を設定温度に自動
調節するものである。前記冷却水配管15における前記
出口14bの近くには、ガスエンジン10から流出され
た一次冷却水の温度を検出する冷却水温度センサー20
が設けられている。前記入口14aからの一次冷却水
は、分岐され各主燃焼室8を冷却し、再び集合されて前
記出口14bに至っており、この冷却水温度センサー2
0は少なくとも主燃焼室8の近傍の一次冷却水の温度を
測定するものである。また、前記ガスエンジン10が設
置されている室内には、ガスエンジン10の近傍の室温
を検出する室温センサー21が設置されている。
【0041】また、22はガスエンジン10の起動を制
御するコントローラであり、パーソナルコンピュータ、
シーケンサー等からなり、ガスエンジン10の運転を操
作する操作盤等に内蔵してまたは外付けにより設けられ
ている。前記コントローラ22には、前記冷却水温度セ
ンサー20に接続された冷却水温起因経過時間設定手段
23と、前記室温センサー21に接続された室温起因経
過時間設定手段24と、前記点火装置13に接続されタ
イマー25と、前記冷却水温起因経過時間設定手段23
と室温起因経過時間設定手段24とタイマーとに接続さ
れた経過時間比較手段26とが設けられている。
【0042】前記冷却水温起因経過時間設定手段23
は、冷却水温度センサー20で測定されたガスエンジン
10の始動前における一次冷却水温度を入力し、該一次
冷却水温度と、予め、記憶されている図2に示すデータ
とにもとづき、ガスエンジン10の始動時または定格回
転到達時から、始動に合わせて点火された点火プラグ9
の点火停止までの時間(指定経過時間)を設定するよう
になっている。
【0043】図2に示すデータは、事前にガスエンジン
10の試運転において、ガスエンジン10の始動開始と
同時に点火プラグ9の点火作動開始と液体燃料噴射弁4
からのパイロット油の噴射とを行ってガスエンジン10
を起動させ、ガスエンジン10の始動開始時からの所定
の経過時間ごとに、またはガスエンジン10が定格回転
に達してからの所定の経過時間ごとに点火プラグ9の火
花点火を停止し、液体燃料噴射弁4からのパイロット油
のみの噴射でガスエンジン10が着火運転を継続できる
か否かの限界の経過時間を、その時のガスエンジン10
の一次冷却水温度に対応して記録したものである。図2
における右側縦軸の始動から点火装置OFFまでの時間
と、左側縦軸の定格回転から点火装置OFFまでの時間
とは、図の如く、定格回転に達するまでの時間が環境に
影響されず一定であるため定数と見なすことができ、相
互に換算できるものである。したがって、ガスエンジン
10の始動時からの始動に合わせて点火された点火プラ
グ9の点火停止までの時間と、定格回転到達時からの点
火停止までの時間とは、時間の基点を違えて表現してい
るだけであり、実質的に同じであるので、本発明におい
ては、両者表現を含めて「ガスエンジンのスタート時点
からの時間」として一律に取り扱っている。
【0044】図2中、○印は、点火プラグ9の火花点火
を停止してもガスエンジン10の液体燃料噴射弁4のみ
による着火運転が継続できる場合、×印は火花点火を停
止すると着火運転が継続できない場合で、○×印の混在
する領域は不安定領域であり、×印と同様に扱われ、折
れ線が一次冷却水温度に対する前記経過時間の境界線L
1を示し、その左側の領域ONは、点火プラグ9の火花
点火を行わないと、ガスエンジン10の着火運転が継続
できない(ガスエンジン10が停止する)領域であり、
右側の領域OFFは、点火プラグ9の火花点火を停止し
ても、ガスエンジン10の着火運転が継続できる領域で
ある。
【0045】したがって、前記冷却水温起因経過時間設
定手段23には、図2に示すデータにもとづいて、点火
プラグ9の火花点火を停止しても、ガスエンジン10液
体燃料噴射弁4のみによる着火運転が継続できるように
なるエンジンスタート時点からの経過時間が、一次冷却
水温度に対する指定経過時間として出力される。なお、
ガスエンジン10は、通常、予め一次冷却水を45℃程
度に加熱して始動を開始するので、図2ではデータが4
5℃以上の範囲で採取されて図示されている。
【0046】また、前記室温起因経過時間設定手段24
は、室温センサー21で測定されたガスエンジン10の
始動前における室温を入力し、該室温と、予め、記憶さ
れている図3に示すデータの境界線L2にもとづいて、
ガスエンジン10の始動時または定格回転到達時から、
始動に合わせて点火された点火プラグ9の点火停止まで
の時間(指定経過時間)を設定するようになっている。
【0047】図3に示すデータは、図2に示すデータと
同様に、事前にガスエンジン10の試運転において、ガ
スエンジン10の始動開始と同時に点火プラグ9の点火
作動開始と液体燃料噴射弁4からのパイロット油の噴射
とを行ってガスエンジン10を起動させ、ガスエンジン
10の始動開始時からの所定の経過時間ごとに、または
ガスエンジン10が定格回転に達してからの所定の経過
時間ごとに点火プラグ9の火花点火を停止し、液体燃料
噴射弁4からのパイロット油のみの噴射でガスエンジン
10が着火運転を継続できるか否かの限界の経過時間
を、その時のガスエンジン10が設置された室温に対応
して記録したものである。図3における右側縦軸の始動
から点火装置OFFまでの時間と、左側縦軸の定格回転
から点火装置OFFまでの時間とは、図2と同様に、相
互に換算できるものであり、時間の基点を違えて表現し
ているだけであり、実質的に同じであるので、両者表現
を含めて「ガスエンジンのスタート時点からの時間」と
して一律に取り扱っている。
【0048】図3中に、室温に対する前記経過時間の限
界が直線状の境界線L2で示され、該境界線L2の左側
が火花点火を停止すると着火運転が継続できない領域O
Nとなり、境界線L2の右側が火花点火を停止してもガ
スエンジン10の液体燃料噴射弁4のみによる着火運転
が継続できる領域OFFとなる。したがって、前記室温
起因経過時間設定手段24には、図3に示すデータの前
記境界線L2にもとづいて、点火プラグ9の火花点火を
停止しても、ガスエンジン10液体燃料噴射弁4のみに
よる着火運転が継続できるようになったエンジンスター
ト時点からの経過時間が、室温に対する指定経過時間と
して出力される。
【0049】次に、前記構成のパイロット着火ガスエン
ジンの起動装置Aの作用とともに、その起動方法につい
て説明する。ガスエンジン10の起動に際して、操作盤
等のスイッチで始動指令Sが出されると、気体燃料供給
源からの燃料ガス(気体燃料)と空気との混合気がシリ
ンダヘッド7の吸気ポート等に導入され、始動装置によ
りガスエンジン10の始動が開始されるとともに、タイ
マー25を経て点火装置13が作動され、前記点火プラ
グ9の点火作動の開始と液体燃料噴射弁4からのパイロ
ット油の噴射とが開始され、これにより、主燃焼室8内
の混合気が着火、燃焼されてガスエンジン10が回転を
開始する。
【0050】このとき、コントローラ22では、冷却水
温起因経過時間設定手段23が、ガスエンジン10の冷
却水配管15に設けた冷却水温度センサー20から入力
された冷却水出口温度に基づいて、予め記憶されている
図2に示すデータから、火花点火を停止してもエンジン
停止を起こさないとする指定経過時間を求め、また、室
温起因経過時間設定手段24が、室温センサー21から
入力された室温に基づいて、予め記憶されている図3に
示すデータから、火花点火を停止してもエンジン停止を
起こさないとする指定経過時間を求め、これらの指定経
過時間を経過時間比較手段26に出力する。
【0051】前記経過時間比較手段26は、前記冷却水
温起因経過時間設定手段23と室温起因経過時間設定手
段24が定めた、エンジン停止を起こさないとする各指
定経過時間を比較し、長い方の指定経過時間を前記タイ
マー25に伝達し、計時動作時間として設定する。タイ
マー25は、ガスエンジン10のエンジン始動時からの
経過時間を計測しており、その計測時間が入力された指
定経過時間に達すると、点火装置13に指令を送り、こ
の指令に基づいて点火装置13が作動して点火プラグ9
の火花点火を可及的速やかに停止させる。これ以後は、
ガスエンジン10は液体燃料噴射弁4からのパイロット
油の噴射のみによる着火運転が継続して行われる。
【0052】この実施の形態のパイロット着火ガスエン
ジンの起動装置Aおよび起動方法によれば、エンジン停
止を起こすことなく、安定してガスエンジン10の運転
が継続されるタイミングで、点火プラグ9の点火停止を
自動的に行ってエンジン起動を円滑に行うことができ
る。これにより、ガスエンジン10のパイロット着火の
状態を直接的に把握する圧力センサー等の新たな計測手
段を設けずに、適切に火花点火を停止でき、しかも点火
プラグ9の使用時間を短縮して耐久性を向上することが
できる。
【0053】次に、図4は本発明の第2の実施の形態に
係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置Bを示す。
この実施の形態に係るパイロット着火ガスエンジンの起
動装置Bは、前記第1の実施の形態に係るパイロット着
火ガスエンジンの起動装置Aの前記コントローラ22に
おける前記室温起因経過時間設定手段24と前記経過時
間比較手段26とを省略し、前記冷却水温起因経過時間
設定手段23と前記タイマー25とを接続してコントロ
ーラ22Aが構成されたもので、その他の構成は、前記
室温センサー21が省略されている点を除いて、第1の
実施の形態に係るパイロット着火ガスエンジンの起動装
置Aと同一であるので、該起動装置Aと同一の構成部分
には同一の符号を付してそれらに関する説明は省略す
る。
【0054】この実施の形態に係るパイロット着火ガス
エンジンの起動装置Bおよび起動方法においては、前記
冷却水温起因経過時間設定手段23が定めた、火花点火
を停止してもエンジン停止を起こさないとする指定経過
時間を前記タイマー25に伝達し、計時動作時間として
設定するので、タイマー25によって計測されたガスエ
ンジン10のエンジンスタート時点からの経過時間が指
定経過時間に達すると、点火装置13に指令が送られて
この指令に基づいて点火装置13が作動して点火プラグ
9の火花点火が可及的速やかに停止され、すなわち、エ
ンジン停止を起こすことなく、安定してガスエンジン1
0の運転が継続されるタイミングで、点火プラグ9の点
火停止が自動的に行われてエンジン起動が円滑に行われ
る。この実施の形態に係るパイロット着火ガスエンジン
の起動装置Bおよび起動方法によれば、前記第1の実施
の形態に係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置A
および起動方法と同様な作用効果が奏される上に、コン
トローラ22Aの構成を簡略にすることができる。
【0055】また、図5は本発明の第3の実施の形態に
係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置Cを示す。
この実施の形態に係るガスエンジンの起動装置Cは、前
記第1の実施の形態に係るパイロット着火ガスエンジン
の起動装置Aの前記コントローラ22における前記冷却
水温起因経過時間設定手段23と前記経過時間比較手段
26とを省略し、前記室温起因経過時間設定手段24と
前記タイマー25とを接続してコントローラ22Bが構
成されたもので、その他の構成は、前記冷却水温度セン
サー20が省略されている点を除いて、第1の実施の形
態に係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置Aと同
一であるので、該起動装置Aと同一の構成部分には同一
の符号を付してそれらに関する説明は省略する。
【0056】この実施の形態に係るパイロット着火ガス
エンジンの起動装置Cおよび起動方法においては、前記
室温起因経過時間設定手段24が定めた、火花点火を停
止してもエンジン停止を起こさないとする指定経過時間
を前記タイマー25に伝達し、計時動作時間として設定
するので、タイマー25によって計測されたガスエンジ
ン10のエンジン始動時からの経過時間が指定経過時間
に達すると、点火装置13に指令が送られてこの指令に
基づいて点火装置13が作動して点火プラグ9の火花点
火が可及的速やかに停止され、すなわち、エンジン停止
を起こすことなく、安定してガスエンジン10の運転が
継続されるタイミングで、点火プラグ9の点火停止が自
動的に行われてエンジン起動が円滑に行われる。この実
施の形態に係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置
Cおよび起動方法によれば、前記第1の実施の形態に係
るパイロット着火ガスエンジンの起動装置Aおよび起動
方法と同様な作用効果が奏される上に、コントローラ2
2Bの構成を簡略にすることができる。
【0057】さらに、図6は本発明第4の実施の形態に
係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置Dのを示
す。この実施の形態に係るパイロット着火ガスエンジン
の起動装置Dは、前記第1の実施の形態に係るパイロッ
ト着火ガスエンジンの起動装置Aの前記コントローラ2
2における前記冷却水温起因経過時間設定手段23と前
記室温起因経過時間設定手段24と前記経過時間比較手
段26とを省略し、前記タイマー25のみを有してコン
トローラ22Cが構成されたもので、前記タイマー25
には、前記冷却水温起因経過時間設定手段23や前記室
温起因経過時間設定手段24からの入力によることな
く、予め選択された特定の指令経過時間が設定されてい
る。その他の構成は、前記冷却水温度センサー20と室
温センサー21が省略されるとともに、前記冷却水循環
回路14に冷却水保温回路14Aが付加されている点を
除いて、第1の実施の形態に係るパイロット着火ガスエ
ンジンの起動装置Aと同一であるので、該起動装置Aと
同一の構成部分には同一の符号を付してそれらに関する
説明は省略する。
【0058】前記冷却水保温回路14Aは、前記冷却水
配管15におけるガスエンジン10の出口14bの近く
と前記冷却水循環ポンプ16の下流である前記入口14
a近くとを連絡する保温水配管15Aに、前記出口14
b側から順に温水循環ポンプ16A、ヒータH、逆止弁
15aを設けてなり、ガスエンジン10の始動前に、前
記温水循環ポンプ16AとヒータHを作動させることに
より、予め所定温度に加温した一次冷却水をガスエンジ
ン10内に循環するようになっている。なお、図示して
ないが、コントローラ22Cには、前記始動指令Sがタ
イマー25に出されても、前記保温水循環回路14Aに
よって一次冷却水が前記所定温度になっていないとき
は、前記タイマー25が作動を開始しないように、ま
た、前記保温水循環回路14Aと前記冷却水循環回路1
4は一方が作動するとき他方が停止されるように、それ
ぞれインターロック回路が組み込まれている。また、前
記逆止弁15aは冷却水配管15側から保温水配管15
A側への一次冷却水の流入を阻止するものであり、ま
た、前記冷却水配管15における冷却水循環ポンプ16
と前記温度調節弁19との間には、温度調節弁19側へ
の一次冷却水の逆流を阻止する逆止弁15bが設けられ
ている。
【0059】図6に示す実施の形態に係る起動装置D
は、例えば、一次冷却水の水温が45℃以上に加温され
ていないと、ガスエンジン10が始動しないようになっ
ているガスエンジンシステム等の始動時の環境に特段の
事情がある場合に好適に適用することができる。前記一
次冷却水をガスエンジンの始動前に加温し、一次冷却水
の水温が45℃以上に加温されていないとガスエンジン
が始動しないようになっているガスエンジン10にあっ
ては、図2に示すように、スタート時点からの経過時間
が400秒経過した後に可及的速やかに点火プラグ9の
点火停止を行えば、一次冷却水が45℃以上のいかなる
冷却水温度であっても、ガスエンジン10の着火運転が
継続できる領域OFF(安全領域)となる。
【0060】すなわち、ガスエンジン10の始動時の一
次冷却水の温度が45℃未満に下がった状態にならない
という特段の事情がある場合、点火プラグ9の点火作動
開始と液体燃料油噴射弁4からのパイロット油の噴射と
を行った後で、ガスエンジン10のスタート時点からの
経過時間が400秒経過した後に、可及的速やかに点火
プラグ9の点火停止を行う起動方法を行えばよいことに
なる。したがって、前記起動装置Dによってガスエンジ
ン10を起動する場合には、前記コントローラ22Cの
タイマー25に、ガスエンジン10のスタート時点の一
次冷却水の冷却水温度45℃に基づき、400秒以上の
経過時間を指定経過時間として設定しておく。
【0061】この実施の形態に係るパイロット着火ガス
エンジンの起動装置Dおよび起動方法においては、前記
コントローラ22Cの前記タイマー25に前記のように
して定めた、火花点火を停止してもエンジン停止を起こ
さないとする特定の指定経過時間が設定されるので、タ
イマー25によって計測されたガスエンジン10のエン
ジン始動時からの経過時間が前記特定の指定経過時間に
達すると、点火装置13に指令が送られてこの指令に基
づいて点火装置13が作動して点火プラグ9の火花点火
が可及的速やかに停止され、すなわち、エンジン停止を
起こすことなく、安定してガスエンジン10の運転が継
続されるタイミングで、点火プラグ9の点火停止が自動
的に行われてエンジン起動が円滑に行われる。この実施
の形態に係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置D
および起動方法によれば、前記第1の実施の形態に係る
パイロット着火ガスエンジンの起動装置Aおよび起動方
法と同様な作用効果が奏される上に、コントローラ22
Cの構成を極めて簡略にすることができる。
【0062】また、図7は本発明の第5の実施の形態に
係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置Eを示す。
この実施の形態に係るパイロット着火ガスエンジンの起
動装置Eは、コントローラ22Dが、前記冷却水温度セ
ンサー20から入力される一次冷却水出口温度と設定値
入力手段27から入力された設定温度値とを比較し、一
次冷却水出口温度が設定温度値以上になったとき温度到
達情報を出力する温度比較手段28と、ガスエンジン1
0の継ぎ手11の回転を検出してガスエンジンの回転数
を計測する回転数センサー29と、該回転数センサー2
9から入力されるエンジン回転数と予め記憶されている
エンジン定格回転数とを比較し、エンジン回転数が定格
回転数の80%以上に達したとき回転数到達情報を出力
する回転数比較手段30と、前記温度比較手段28と前
記回転数比較手段30の両方から発せられる出力情報を
入力したとき、前記点火装置13に点火プラグ9の点火
停止信号を発するアンド回路手段31とを備えている。
その他の構成は、前記室温センサー21が省略されてい
る点を除いて、第1の実施の形態に係るパイロット着火
ガスエンジンの起動装置Aと同一であるので、該起動装
置Aと同一の構成部分には同一の符号を付してそれらに
関する説明は省略する。
【0063】図8は、点火プラグ9の点火作動開始と液
体燃料油噴射弁4からのパイロット油の噴射とを行って
ガスエンジン10を起動し、該ガスエンジン10を定格
回転数付近に達する経過時間だけ運転させた後に、点火
プラグ9の点火停止をしたとき、ガスエンジン10がパ
イロット着火だけでエンジン停止することなく運転を継
続できるか否かを、一次冷却水出口温度との関係におい
て実験した結果であり、一次冷却水出口温度が35℃以
下では、点火プラグ9の点火停止をするとエンジン停止
が起こり(領域NG)、35〜60℃未満ではエンジン
停止をしたり、しなかったりして不安定となり(不安定
領域NO)、60℃以上では点火プラグ9の点火停止を
しても運転を継続できる(安定領域OK)ことが判明し
た。したがって、前記起動装置Eでは前記コントローラ
22Dの回転数比較手段30には、ガスエンジン10の
定格回転数の80%が設定、記憶され、前記温度比較手
段28には、60℃以上の温度であれば適宜温度を設定
することができる。
【0064】この実施の形態に係るパイロット着火ガス
エンジンの起動装置Eおよび起動方法においては、温度
調節弁19は、一次冷却水温度が例えば80℃になるま
では一次冷却水が一次冷却器18のあるバイパス配管1
7に流れないように閉じている状態であり、この状態で
コントローラ22Dの回転数比較手段が、回転数センサ
ー29で検出された前記ガスエンジン10の回転数が定
格回転数の80%以上になったなら、回転数到達情報を
アンド回路手段31に出力し、また、前記温度比較手段
28が、冷却水温度センサー20で検出されたガスエン
ジン10の冷却水出口温度が、前記設定値入力手段27
で予め入力されている設定温度以上になったと判定する
と、この温度到達情報をアンド回路手段に出すので、ア
ンド回路手段が、温度到達情報と回転数到達情報の両方
を受けて前記点火装置13に指令を送り、この指令に基
づく点火装置13の作動で前記点火プラグ9の点火停止
が行われ、すなわち、冷却水出口温度が設定温度以上に
達した以降に可及的速やかに点火プラグ9点火停止が行
われる。
【0065】これにより、自動的に的確なタイミングで
エンジン停止を起こすことなく、点火プラグの点火停止
を行うことができる。これにより、エンジン停止を起こ
すことなく、安定してガスエンジン10の運転が継続さ
れる的確なタイミングで、点火プラグ9の点火停止が自
動的に行われてエンジン起動が円滑に行われる。この実
施の形態に係るパイロット着火ガスエンジンの起動装置
Eおよび起動方法によれば、前記第1の実施の形態に係
るパイロット着火ガスエンジンの起動装置Aおよび起動
方法と同様な作用効果が奏される。
【0066】
【発明の効果】本発明は、パイロット燃料噴射による着
火が確実となって火花点火を停止できるタイミングを、
燃焼室内の圧力を計測する圧力センサー等の機器を設備
して直接的に測定することなく、通常のガスエンジンに
係る状態を示す物理量であるガスエンジンのスタート時
点の冷却水温度や、ガスエンジンのスタート時点におけ
るエンジン設置室の室温、さらには運転中のガスエンジ
ンの冷却水出口温度等から間接的に判断して設定するこ
とができる。さらに、前記タイミングの設定によって、
適切に点火プラグの作動時間を可及的に短くすることが
でき、点火プラグの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るパイロット
着火ガスエンジンの起動装置を示す系統図である。
【図2】 ガスエンジンの1次冷却水温度とエンジン始
動時から点火プラグの点火停止をするまでの時間の関係
を示す線図である。
【図3】 ガスエンジンの設置室の室温とエンジン始動
時から点火プラグの点火停止をするまでの時間の関係を
示す線図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係るパイロット
着火ガスエンジンの起動装置を示す系統図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態に係るパイロット
着火ガスエンジンの起動装置を示す系統図である。
【図6】 本発明の第4の実施の形態に係るパイロット
着火ガスエンジンの起動装置を示す系統図である。
【図7】 本発明の第5の実施の形態に係るパイロット
着火ガスエンジンの起動装置を示す系統図である。
【図8】 ガスエンジンの1次冷却水温度とエンジン起
動時における起動の良否の関係を示す線図である。
【図9】 従来のパイロット着火ガスエンジンの要部の
縦断面図である。
【符号の説明】
1、10 ガスエンジン 2 シリンダライナ(シリンダ) 3 ピストン 4 液体燃料噴射弁 7 シリンダヘッド 8 主燃焼室 9 点火プラグ 10 パイロット着火ガスエンジン(ガスエンジン) 11 継ぎ手 13 点火装置 14 冷却水循環回路 15 冷却水配管 20 冷却水温度センサー 21 室温センサー 22,22A,22B,22C,22D コントローラ 23 冷却水温起因経過時間設定手段 24 室温起因経過時間設定手段 25 タイマー 26 経過時間比較手段 27 設定値入力手段 28 温度比較手段 29 回転数センサー 30 回転数比較手段 31 アンド回路手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 43/00 F02D 43/00 301H 45/00 360 45/00 360A 360B 362 362H F02M 21/02 F02M 21/02 L Fターム(参考) 3G019 AA02 AC01 CB00 DB07 GA05 GA10 GA11 GA13 3G023 AA08 AB06 AC01 AC03 AC04 AD21 3G084 BA13 BA16 CA01 DA09 DA19 EA11 FA02 FA20 3G092 AA01 AA05 AA07 AB08 AB13 AC08 BA08 BB01 BB13 DF05 EA14 FA31 GA01 HE01Z HE08Z HG00Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、シリンダ内で往復動するピ
    ストンと、シリンダヘッドとにより区画される主燃焼室
    内に導入された気体燃料と空気との混合気を着火させる
    手段としての、火花点火を行う点火プラグと、液体燃料
    噴射弁から予燃焼室内に噴射されるパイロット油で着火
    燃焼させるパイロット燃料噴射弁付き予燃焼室とが設け
    られたガスエンジンの起動方法であって、 前記点火プラグの点火作動開始と、液体燃料噴射弁から
    のパイロット油の噴射とを行った後、前記ガスエンジン
    のスタート時点の冷却水温度および前記ガスエンジンの
    スタート時点の室温の少なくとも何れかに基づき前記点
    火プラグの点火停止を行うことを特徴とするパイロット
    着火ガスエンジンの起動方法。
  2. 【請求項2】 前記点火プラグの点火停止は、前記ガス
    エンジンのスタート時点の冷却水温度に基づいて予め定
    めた前記ガスエンジンが火花点火を停止してもエンジン
    停止しない前記スタート時点からの指定経過時間、およ
    び前記ガスエンジンのスタート時点の室温に基づいて予
    め定めた前記ガスエンジンが火花点火を停止してもエン
    ジン停止しない前記スタート時点からの指定経過時間の
    少なくとも何れかの指定経過時間の経過後に行うことを
    特徴とする請求項1に記載のパイロット着火ガスエンジ
    ンの起動方法。
  3. 【請求項3】 前記スタート時点からの指定経過時間
    は、前記ガスエンジンの回転数が定格回転数に達する時
    間以上の時間であることを特徴とする請求項2に記載の
    パイロット着火ガスエンジンの起動方法。
  4. 【請求項4】 前記指定経過時間は、前記ガスエンジン
    のスタート時点の冷却水温度に基づいて定めた指定経過
    時間と、前記ガスエンジンのスタート時点の室温に基づ
    いて定めた指定経過時間のうち、長い方の指定経過時間
    であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載
    のパイロット着火ガスエンジンの起動方法。
  5. 【請求項5】 シリンダと、シリンダ内で往復動するピ
    ストンと、シリンダヘッドとにより区画される主燃焼室
    内に導入された気体燃料と空気との混合気を着火させる
    手段としての、火花点火を行う点火プラグと、液体燃料
    噴射弁から予燃焼室内に噴射されるパイロット油で着火
    燃焼させるパイロット燃料噴射弁付き予燃焼室とが設け
    られたガスエンジンの起動装置であって、 前記点火プラグの点火作動開始と、液体燃料噴射弁から
    のパイロット油の噴射とを行った後、予め前記ガスエン
    ジンのスタート時点の冷却水温度および前記ガスエンジ
    ンのスタート時点の室温の少なくとも何れかに基づき定
    めた、スタート時点からの指定経過時間の経過後に、前
    記点火プラグの点火停止を行うコントローラが設けられ
    ていることを特徴とするパイロット着火ガスエンジンの
    起動装置。
  6. 【請求項6】 前記コントローラには、前記ガスエンジ
    ンのスタート時点からの前記指定経過時間の経過後に、
    前記点火プラグの点火停止信号を発するタイマーが設け
    られていることを特徴とする請求項5に記載のパイロッ
    ト着火ガスエンジンの起動装置。
  7. 【請求項7】 前記コントローラには、前記ガスエンジ
    ンのスタート時点の冷却水温度に基づいて前記指定経過
    時間を設定して前記タイマーに伝達する冷却水温起因経
    過時間設定手段が設けられていることを特徴とする請求
    項6に記載のパイロット着火ガスエンジンの起動装置。
  8. 【請求項8】 前記コントローラには、前記ガスエンジ
    ンのスタート時点の室温に基づいて前記指定経過時間を
    設定して前記タイマーに伝達する室温起因経過時間設定
    手段が設けられていることを特徴とする請求項6に記載
    のパイロット着火ガスエンジンの起動装置。
  9. 【請求項9】 前記コントローラには、前記ガスエンジ
    ンのスタート時点の冷却水温度に基づいて前記指定経過
    時間を設定する冷却水温起因経過時間設定手段と、前記
    ガスエンジンのスタート時点の室温に基づいて前記指定
    経過時間を設定する室温起因経過時間設定手段と、前記
    冷却水温起因経過時間設定手段と室温起因経過時間設定
    手段とで設定された各指定経過時間を比較し、長い方の
    指定経過時間を前記タイマーに設定する経過時間比較手
    段とが設けられていることを特徴とする請求項6に記載
    のパイロット着火ガスエンジンの起動装置。
  10. 【請求項10】 シリンダと、シリンダ内で往復動する
    ピストンと、シリンダヘッドとにより区画される主燃焼
    室内に導入された気体燃料と空気との混合気を着火させ
    る手段としての、火花点火を行う点火プラグと、液体燃
    料噴射弁から予燃焼室内に噴射されるパイロット油で着
    火燃焼させるパイロット燃料噴射弁付き予燃焼室とが設
    けられたガスエンジンの起動方法であって、 前記点火プラグの点火作動開始と、液体燃料噴射弁から
    のパイロット油の噴射とを行い、前記ガスエンジンの回
    転数が少なくとも定格回転数の80%に達した後、前記
    ガスエンジンの冷却水出口温度に基づいて前記点火プラ
    グの点火停止を行うことを特徴とするパイロット着火ガ
    スエンジンの起動方法。
  11. 【請求項11】 前記点火プラグの点火停止は、前記ガ
    スエンジンの冷却水出口温度が予め定めた前記ガスエン
    ジンが火花点火を停止してもエンジン停止しない所定温
    度に達した以降に行うことを特徴とする請求項10に記
    載のパイロット着火ガスエンジンの起動方法。
  12. 【請求項12】 シリンダと、シリンダ内で往復動する
    ピストンと、シリンダヘッドとにより区画される主燃焼
    室内に導入された気体燃料と空気との混合気を着火させ
    る手段としての、火花点火を行う点火プラグと、液体燃
    料噴射弁から予燃焼室内に噴射されるパイロット油で着
    火燃焼させるパイロット燃料噴射弁付き予燃焼室とが設
    けられたガスエンジンの起動装置であって、 前記点火プラグの点火作動開始と、液体燃料噴射弁から
    のパイロット油の噴射とを行い、前記ガスエンジンの回
    転数が少なくとも定格回転数の80%に達し、かつ前記
    ガスエンジンの冷却水出口温度が所定温度に達した以降
    に、前記点火プラグの点火停止を行うコントローラーが
    設けられたことを特徴とするパイロット着火ガスエンジ
    ンの起動装置。
  13. 【請求項13】 前記コントローラには、前記ガスエン
    ジンの冷却水出口温度情報に基づき、該冷却水温度が設
    定温度以上になったら温度到達情報を出す温度比較手段
    と、前記ガスエンジンの回転数情報に基づき、該回転数
    が定格回転数の80%以上になったら回転数到達情報を
    出す回転数比較手段と、前記温度比較手段の温度到達情
    報と前記回転数比較手段の回転数到達情報とが共に発せ
    られたとき、前記点火プラグの点火停止信号を発するア
    ンド回路手段とが設けられていることを特徴とする請求
    項12に記載のパイロット着火ガスエンジンの起動装
    置。
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JP2007205295A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd ガスエンジン用パイロット燃料噴射弁の冷却装置

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