JP3570187B2 - 内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置 - Google Patents

内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
寒冷時、内燃機関にあっては、その暖機を促進する必要があり、また内燃機関を搭載する車輌の車室用ヒータの性能は高いことが望ましい。
【0003】
そこで、例えば特開昭62−75069号公報は、吸気系に内燃機関本体とは別に燃焼式ヒータを設け、この燃焼式ヒータから出る燃焼ガスの持つ燃焼熱の利用によって内燃機関本体に含まれるいわゆる機関冷却水の温度を高め、これにより暖機の促進を図るとともに車室用ヒータの効きを良くする技術を示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような効果を期待できる一方、燃焼式ヒータを有する内燃機関にあっては、燃焼式ヒータの燃焼熱の温度が高過ぎると吸気系構造物への熱害の影響が心配されるし、反対に低過ぎると暖機促進や車室用ヒータの効きが悪くなる。
【0005】
このため、燃焼式ヒータが出す熱を検出する装置が必要であり、通常、燃焼式ヒータの排出口近傍には燃焼ガス温度検出センサを設置してある。そして、燃焼ガス温度検出センサの出す電気信号を受けたコンピュータが、前記電気信号に基づいて燃焼式ヒータの燃焼状態を制御し、この制御によって、燃焼式ヒータが出す燃焼ガス温度を適正に保つようにしている。なお、燃焼ガス温度検出センサに限らず、センサの出す電気信号のことをこの明細書では特に断らない限り、「センサの出力値」という。
【0006】
また、燃焼ガス温度検出センサの出力値から、燃焼式ヒータが失火状態や非点火状態その他の燃焼不良状態にあることも検出する。
ところが、燃焼ガス温度検出センサは高価である。よって、その取扱いには慎重を要する。このため、燃焼ガス温度検出センサを用いることは、作業効率上好ましいものではない。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて発明されたものであって、燃焼式ヒータを有する内燃機関において、燃焼式ヒータが出す燃焼ガスの温度を適正に制御しかつ燃焼式ヒータの失火状態を検出することを、これまでよりも廉価に行えるとともに作業効率も高められる内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置は、
【0009】
(1)内燃機関が所定の運転状態にある時に作動する燃焼式ヒータを吸気系に備え、この燃焼式ヒータがその燃焼用燃料を燃焼して出す燃焼ガスを前記吸気系を流れる外気に混入して内燃機関本体に向かう燃焼ガス混入吸気とし、前記燃焼式ヒータの燃焼ガスによって機関関連要素を暖める内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置であって、
内燃機関の制御に使用する吸気温センサを、前記燃焼式ヒータの燃焼ガスが吸気系に導入されて前記吸気が燃焼ガス混入吸気となる箇所よりも下流の前記吸気系に配置し、この吸気温センサによって前記吸気系での燃焼ガス混入空気の温度を検出し、前記吸気温センサの出力値に基づいて、前記燃焼式ヒータの燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段を有する。
【0010】
ここで、内燃機関が所定の運転状態にある時とは、寒冷時や極寒冷時における、内燃機関の運転中あるいは内燃機関を始動させた後、ならびに内燃機関自身の発熱量が少ないとき(例えば燃料消費が少ないとき)およびそれにより冷却水の受熱量が少ないときのことである。そして、寒冷時とは、外気温が−10℃〜15℃位の時であり、極寒冷時とは、外気温が−10℃よりも低い時である。
【0011】
燃焼式ヒータが作動するとは、▲1▼燃焼式ヒータが火炎を出して燃焼している状態は勿論、▲2▼燃焼式ヒータの熱源となる部分に加熱プラグ等の点火手段で点火している最中であるとか、▲3▼点火手段で点火しようとしても点火しなかったり、一度点火したにも拘わらずその後失火してしまったりする等、燃焼式ヒータが燃焼不良の状態にあることも含む。要するに、燃焼式ヒータから出る熱の温度の高低を決定づける状態に燃焼式ヒータがおかれることをいう。
【0012】
また、燃焼にも、種類があり、燃焼式ヒータが持つ本来の機能を発揮し得るに十分な火力をもった火炎が出ている場合と、そうでない火炎が出ている場合とである。前者を通常燃焼ということにし、後者を非通常燃焼という。燃焼式ヒータの熱源は点火後、すぐに火力が高まるのではなく、しばらくの間(これを「初期燃焼段階」という)は火力が弱い。このため、初期燃焼段階では、燃焼式ヒータ内に空気の流れがあると、たとえその流れが弱い場合でも失火してしまう虞れがある。この初期燃焼段階は、前記非通常燃焼に属する。
【0013】
吸気系とは、外気を内燃機関本体に導入することに関わる部分であり、例えば吸気管である。
機関関連要素とは、機関冷却水,の機関冷却水が導入され、かつ内燃機関が搭載される車輌の室内を暖める車室用ヒータ,吸気に燃焼式ヒータの燃焼ガスが導入される内燃機関本体,吸気自体,吸気が導入される内燃機関本体等内燃機関に関わる何らかの対象のことである。
【0014】
内燃機関の制御とは、例えば燃料噴射量の演算制御や噴射タイミングの補正制御等をいう。
吸気温センサの出力値が意味するものは、いうまでもなく吸気温度である。吸気温度は、燃焼式ヒータが作動しているときと作動していないときとで違うのはもちろん、燃焼式ヒータが一旦燃焼しその後失火した場合でも、また加熱プラグ等の点火手段が保持する熱によっても影響されて変化する。
【0015】
また、吸気温センサの吸気系における配置場所は、燃焼式ヒータの燃焼ガスが吸気系に導入されて、吸気が燃焼ガス混入吸気となる箇所よりも下流の適所である。
【0016】
燃焼状態検出手段とは、コンピュータ、つまりECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)の中枢部であるCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット;中央情報処理装置)が挙げられる。
【0017】
本発明の内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置では、内燃機関が所定の運転状態にある時に作動する燃焼式ヒータが出す燃焼ガスを内燃機関の吸気系を流れる外気に混入することで、吸気系を内燃機関本体に向けて流れる吸気は、燃焼ガスの燃焼熱を含んだ高温な燃焼ガス混入吸気となる。そして、この高温な燃焼ガス混入吸気の温度を吸気温センサで検出し、その時の吸気温センサの出力値に基づいて、燃焼状態検出手段が、前記燃焼式ヒータの燃焼状態を検出する。
【0018】
したがって、既存の吸気温センサで燃焼式ヒータの燃焼状態を検出できるので、燃焼式ヒータの燃焼ガス温度を専用に検出する高価な燃焼ガス温度検出センサをこれまでのように備える必要がない。このため、製品コストを下げられる。
【0019】
また、燃焼ガス温度検出センサを備える必要が無いので、作業効率も高められる。
さらに、吸気温センサの出力値に基づいて、燃焼式ヒータの燃焼状態をこれが好適になるように制御すれば、前記燃焼熱によって吸気系温度が高くなり過ぎたり低くなり過ぎたりすることを抑制でき、その結果、暖機促進や車室用ヒータの性能向上を図ることができる。
【0020】
(2)前記燃焼式ヒータにこれを動かす作動信号を伝達することで前記燃焼式ヒータを動かし、伝達しないことでこれを止めるヒータ作動制御手段によって前記燃焼式ヒータの燃焼状態を制御し、前記ヒータ作動制御手段から前記燃焼式ヒータに向けて前記作動信号が出ている場合の前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が出ていないとした場合の同出力値とに基づいて、前記燃焼式ヒータの燃焼状態を検出するようにしてもよい。
【0021】
ここで、ヒータ作動制御手段としてCPUが挙げられる。
燃焼式ヒータを動かす作動信号とは、例えば、燃焼用燃料を燃焼式ヒータに供給するために燃焼式ヒータとつながっている燃料ポンプに対してヒータ作動制御手段としてのCPUが出す信号が挙げられる。CPUが燃料ポンプに前記信号を出すと、燃料ポンプが作動して燃焼式ヒータに燃焼用燃料を供給するようになり、供給された燃焼用燃料が点火手段によって点火されれば、燃焼式ヒータから火炎が出る。すなわち、結果として燃焼式ヒータが作動する。このように結果として燃焼式ヒータを作動するための信号であれば、燃焼式ヒータに直接伝達されるの有無を問わず、燃焼式ヒータを動かす作動信号という。
【0022】
なお、点火手段による点火がうまくいかなければ燃焼式ヒータからは火炎はでない、すなわち、燃焼式ヒータは作動しない。
よって、点火手段による点火がうまくいった場合は、高熱の燃焼ガスが燃焼式ヒータから排出されるので、燃焼ガス混入吸気の温度が高い。しかし、点火がうまくいかなかった場合は、燃焼式ヒータから燃焼ガス自体が出ないため、吸気温度は外気の温度と同じかあるいは大差ないので、燃焼式ヒータが作動している場合の吸気温度と比べてかなり低い。
【0023】
なお、燃焼式ヒータの作動とは、前記のように、燃焼式ヒータから出る熱の温度の高低を決定づける状態に燃焼式ヒータがおかれることをいう。よって、厳密には燃焼式ヒータが火炎を出して燃焼せずとも燃焼式ヒータの構成部材の一つである加熱プラグ等の点火手段の保持する熱によっても吸気温は影響されるが、ここでの説明は、吸気温度に主たる影響を及ぼす燃焼式ヒータから火炎が出ている場合とそうでない場合による吸気温の影響についての説明に止めた。
【0024】
燃焼式ヒータの燃焼状態を制御するには、例えば燃焼式ヒータに供給される燃焼用の燃料および空気の各量の調整を行うことが挙げられる。
この調整によって燃焼式ヒータの燃焼状態が良くなれば、火炎に勢いが付き大きくなるので、燃焼式ヒータの出す燃焼熱の温度は上がる。よって、燃焼ガス混入吸気の温度も高まる。
【0025】
反対に燃焼式ヒータの燃焼状態が悪くなれば、火炎に勢いが付かず小さくなるので、燃焼式ヒータの出す燃焼熱の温度は下がる。よって、燃焼ガス混入吸気の温度も低くなる。
【0026】
(3)前記作動信号が出ている場合の前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が出ていないとした場合の同出力値との差が所定の値以下であるときに、前記燃焼式ヒータが燃焼不良の状態にあることを検出するように設定することもできる。
【0027】
この場合、燃焼式ヒータが燃焼不良の状態にあることを検出することを目的としているのであるから、作動信号が出ている場合の前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が出ていないとした場合の同出力値との差は小さく、よって、ここでいう、所定の値とは、例えば4℃である。
【0028】
(4)前記燃焼式ヒータの燃焼は前記作動信号が前記燃焼式ヒータに伝達されてから開始され、前記燃焼式ヒータが燃焼を開始した後の前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が出ていないとした場合の同出力値とに基づいて、前記燃焼式ヒータの燃焼状態を検出するようにしてもよい。
【0029】
(5)前記燃焼式ヒータの燃焼開始後における前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が前記燃焼式ヒータに伝達されていない時の同出力値との差が所定の値以下であるときに、前記燃焼式ヒータが失火状態にあることを検出するようにしてもよい。
【0030】
ここでいう所定の値は、燃焼式ヒータがたとえ失火状態にあっても、一旦は燃焼式ヒータが燃焼を開始した後における前記吸気温センサの出力値と、前記作動信号が前記燃焼式ヒータに伝達されておらず、よって燃焼していない時の同出力値との差であるから、その値は比較的大きく、例えば40℃である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付した図面に基いて説明する。
〈装置の全体説明〉
内燃機関としてのディーゼルエンジン1の本体であるシリンダブロック2に形成されたシリンダボア2aには、ピストン3が上下動可能に設けられている。そして、このピストン3は、コンロッド4を介して、図示しないクランクシャフトと連結している。
【0032】
ピストンヘッド3aには、凹部6が形成してあり、この凹部6は、燃焼室として機能する。なお、凹部6を以下燃焼室6という。
シリンダブロック2には、その上部にシリンダヘッド7が載置固定され、その内部には、燃焼室6に臨む吸気ポート8と排気ポート9とが形成されている。
【0033】
これら吸気ポート8および排気ポート9には、それぞれ吸気バルブ8aおよび排気バルブ9aが組み込まれ、また、吸気バルブ8aと排気バルブ9aとの間には、図示しないインジェクションポンプとつながっているインジェクタ11が、燃焼室6に臨んだ状態で取付けられている。
【0034】
そして、インジェクタ11からは、インジェクションポンプのポンプ圧を受けて、適切な時期に適正量の高圧燃料が燃焼室6に向けて噴射される。
また、吸気ポート8には吸気管8bが接続され、排気ポート9には排気管9bが接続されている。
【0035】
一方の吸気管8bは、その吸気ポート8寄り部分にディーゼルエンジン1の吸気の温度を検出する吸気温センサ12が取付けてある。また、吸気管8bには、図示しないエアクリーナから清浄な外気が、ディーゼルエンジン1の新気a1として導入される。
【0036】
新気a1とインジェクタ11の噴射燃料とからなる混合気がシリンダボア2a内で燃焼工程において燃焼に供されると、そのときの高圧によってピストン3がシリンダボア2a内を降下し、これによってクランクシャフトを回転する。
【0037】
次に排気工程において、排気バルブ9aが開かれると、燃焼工程において前記シリンダボア2a内で降下していたピストン3が上昇に転じ、その結果、ディーゼルエンジン1の排気ガスa2を排気ポート9から排気管9bを通じて外部へ排出する。
【0038】
一方、シリンダブロック2の外壁内には、シリンダボア2a周りにウォータジャケット14が冷却水を充填された状態で形成されている。また、ウォータジャケット14には水温センサ14aが備えられ、この水温センサ14aによって冷却水温度を検出する。なお、ウォータジャケット14を含め、冷却水が流れる水管には、梨字模様を付けてその存在をあきらかにしてある。
【0039】
また、外気が15℃以下の寒い時にディーゼルエンジン1の暖機を促進したり、ディーゼルエンジン1を搭載する車輌の車室内を暖める暖房装置として、次に述べる冷却水管路15の適所に設けられた車室用ヒータ16の性能を向上したりする装置として、吸気管8bにはディーゼルエンジン1の前記冷却水を加熱する燃焼式ヒータ17を備えてある。
【0040】
燃焼式ヒータ17とウォータジャケット14とは、冷却水管路15でつなげられ、燃焼式ヒータ17とウォータジャケット14との間で冷却水を循環できるように、冷却水管路15にはウォータポンプ15aを設けてある。この冷却水管路15も前記したようにウォータジャケットと同様、水管の一つである。そして、ウォータポンプ15aのポンプ圧によって、ウォータジャケット14から冷却水管路15を通じて冷却水が燃焼式ヒータ17に至ると、冷却水は、燃焼式ヒータ17内に設けた冷却水通路17aを流れる間に吸熱して暖められる。この冷却水通路17aも水管の仲間であり、冷却水管路15と連通している。よって、ウォータポンプ15aが作動すると、ウォータジャケット14−冷却水管路15−冷却水通路17aの中を冷却水が循環する。
【0041】
冷却水を暖める熱源として、燃焼式ヒータ17には火炎を出すヒータ体17bがある。このヒータ体17bの火炎の出す熱およびその燃焼ガスの熱で冷却水通路17aを流れる冷却水を暖める。また、燃焼式ヒータ17には、冷却水以外に燃焼用空気a3も送られる。
【0042】
この燃焼用空気a3は、エアポンプ24のポンプ圧を受ける空気供給管17dを介して、燃焼式ヒータ17に送られて来る。送られて来た燃焼用空気a3は、燃焼式ヒータ17内に設けた空気通路17cを通った後、この空気通路17cと吸気管8bとを結ぶ燃焼ガス排出管17eを介して吸気管8bに排出される。また、燃焼ガス排出管17eと吸気管8bとの接続箇所C1は、吸気管8bにおける吸気温センサ12の取付け箇所よりも上流にある。
【0043】
また、ディーゼルエンジン1の駆動用燃料である軽油を入れておく図示しない燃料タンクと燃焼式ヒータ17とは給油パイプ32でつながっており、この給油パイプ32を介して、前記燃料タンクに入っている軽油が、燃焼式ヒータ17にその燃焼用燃料としても利用されるように送られて来る。なお、給油パイプ32の途中にある符号32aで示すものは、燃焼式ヒータ17に燃料を圧送する燃料ポンプである。
【0044】
そして、燃焼式ヒータ17に供給された軽油は、燃焼式ヒータ17内で気化し、燃焼式ヒータ17に送られて来る前記燃焼用空気a3と混ざり合って混合気a3’となる。この混合気a3’に燃焼式ヒータ17に備えた点火用の加熱プラグ17fで点火すれば燃焼式ヒータ17から火炎が出る。そして、その結果、燃焼式ヒータ17からは高熱の燃焼ガスa4が出る。なお、前記火炎の勢いは、空気供給管17dから送られて来る空気が送風ファン17gによってその量を調整されることで決まる。送風ファン17gは、風力の強い高レベル稼働と風力の弱い低レベル稼働ができる
燃焼式ヒータ17の出す高熱の燃焼ガスa4により、これを熱媒体として、冷却水用通路17aを通る冷却水が暖められると、冷却水を暖めた後の燃焼ガスa4は、燃焼式ヒータ17と吸気管8bとを結ぶ前記燃焼ガス排出管17eを介して吸気管8bに排出される。
【0045】
燃焼ガス排出管17eと吸気管8bとの接続箇所C1は、既述のように吸気管8bのうち吸気温センサ12よりも上流箇所にある。このため、新気a1と燃焼式ヒータ17の燃焼ガスa4とが混ざり合う。この混ざり合った空気のことを燃焼ガス混入吸気ということにし、符号a5で示す。この燃焼ガス混入吸気a5が、実際にはインジェクタ11から噴射される噴射燃料と混じり合い、燃焼室6において燃焼に供される混合気となる。よって、吸気温センサ12は、燃焼ガス混入吸気形成箇所ともいえる接続箇所C1よりも下流にあるので、常に燃焼ガス混入吸気a5に触れる。よって、吸気温センサ12の示す出力値は燃焼ガス混入吸気a5の温度である。
【0046】
既述のように、ウォータポンプ15aによって冷却水を水管14,15および17a内で循環する間に、冷却水は燃焼式ヒータ17で加熱され、この加熱された冷却水によってエンジン1の暖機が促進されるとともに、前記室内用ヒータ16は、その熱源として、前記加熱された冷却水を利用して熱気を出す。この熱気は、室内用ヒータ16のファン16aによって熱風となって車室内を暖める。
【0047】
一方、加熱プラグ17f,送風ファン17gおよび燃料ポンプ32aは、CPU43と電気的に接続されている
また、吸気温センサ12および水温センサ14aも、CPU43と電気的に接続され、これらセンサ12および14aからCPU43に送られて来る電気信号をCPU43が演算処理することで、加熱プラグ17f,ファン17gおよび燃料ポンプ32aを適宜、好適に作動する。
【0048】
以上述べた構成からなるものが、本発明の実施の形態に係る内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置Aである。
次に内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置Aの作動を制御するための手順を図2および図3を参照しながら説明する。なお、図2及び図3は、本来であれば同一の紙面にまとめて示されるべきものであるが、紙面のスペースの関係で分断してある。図2に示す▲1▼〜▲4▼の符号および図3に示す▲1▼〜▲4▼の符号は、同一の符号同士で対応しており、処理の移行先をこれらの符号によって案内する。例えば、図2の▲1▼は、図3の▲1▼と対応しており、図2の▲1▼に係るルートにおける処理は、図3の▲1▼に係るルートに移行してそのまま図3で続行されることを意味する。
【0049】
このルーチンは、エンジン1を駆動する図示しない通常のフローチャートの一部であり、以下に述べるステップ101〜ステップ124からなる。また、以下の手順における動作はすべてCPU46によるものである。なお、記号Sを用い、例えばステップ101であればS101と、特に断らない限り省略して示す。
【0050】
ディーゼルエンジン1の始動後、処理がこのルーチンに移行すると、S101では燃焼式ヒータ17を効かせる(作動する)必要のある運転状態にエンジン1があるかどうかを判定する。なお、燃焼式ヒータ17を効かせるために図示しない燃焼式ヒータの作動スイッチを入れることを、燃焼式ヒータ17をONするということにする。但し、燃焼式ヒータ17がON状態であっても、燃焼式ヒータ17から火炎が必ずしも出る、あるいは出ているわけではない。燃焼式ヒータ17を機能させる準備段階といったところである。
【0051】
ところで燃焼は、燃焼式ヒータが持つ本来の機能を発揮し得るに十分な火力を持った火炎が出ている通常燃焼と、そうでない火炎が出ている非通常燃焼とに分けられる。燃焼式ヒータの熱源であるヒータ体17bは、点火してもその後、すぐに火力が高まるわけではなく、初期段階、すなわち点火後しばらくの間は火力が弱い。このため、初期段階では、燃焼式ヒータ内に少しでも空気の流れがあると、失火の虞れがある。よって、燃焼式ヒータが持つ本来の機能を発揮し得るに十分な火力を得られない初期段階は、非通常燃焼に属する。
【0052】
話を元に戻す。
燃焼式ヒータ17をONする必要のある運転状態にエンジン1がある時とは、寒冷時や極寒冷時における、エンジン1の運転中あるいはエンジン1を始動させた後、ならびにエンジン本体3自体から出る発熱量が少ないとき(例えば燃料消費が少ないとき)およびそれにより冷却水の受熱量が少ないときのことである。
【0053】
寒冷時とは、外気温が−10℃〜15℃位の時であり、極寒冷時とは、外気温が−10℃よりも低い時とする。
S101で肯定判定すれば次のS103に進む。また、否定判定すればS102へ進んで燃料ポンプ32aと燃焼式ヒータ17のファン17gを停止する。燃焼式ヒータ17を作動させるための作動スイッチが入っていないのに、燃料ポンプ32aと燃焼式ヒータ17のファン17gを作動させても無意味だからである。そして、S101で肯定判定されるまでS101とS102とを結んでなるルーチンを繰り返す。
【0054】
S103では、冷却水の温度が例えば70℃以下かどうかを判定する。S103において、暖機の必要がある程にディーゼルエンジン1が冷えているかどうかを冷却水の温度で判定する。
【0055】
S103で肯定判定すれば次のS104に進み、否定判定すればS102へ進んでS101〜S103を結んでなるルーチンを繰り返す。
S104では、燃焼式ヒータ17をONした後に燃焼式ヒータ17の加熱プラグ17fに一度でも通電されたかどうか、すなわち加熱プラグ17fから一度でも放電火花が出たかどうかを判定する。加熱プラグといえども一度でも放電火花が出ると、その影響で吸気の温度が変わるからである。そして、この実施の形態では、燃焼式ヒータ17から出る熱の影響が吸気の温度に全く及ぼされない場合と、そうでない場合との比較によって、燃焼式ヒータ17の燃焼状態をこれが好適になるように制御しているからである。
【0056】
S104で肯定判定すればS105に進み、否定判定すればS106へ進む。
【0057】
S105では、燃焼式ヒータ17が、燃焼を継続しているかどうかを判定する。
S105で肯定判定すればS115に進み、否定判定すればS107へ進む。
【0058】
ここで、話を一旦S104に戻す。
S104で否定判定されてS106へ進むと、S106では、燃焼式ヒータ17が作動していないものとして、すなわち燃焼式ヒータ17から出る熱の影響が吸気の温度に全く影響されていないものとして吸気管8bにおける吸気温度を吸気温センサ12で検出する。この吸気温度は、吸気温センサ12によって電気信号とされてCPU43に伝達され、CPU43の図示しないランダムアクセスメモリRAMに一時的に記憶され、必要に応じてそこから呼び出される。
【0059】
S106で燃焼式ヒータ17が作動していないことを前提とできるのは、S104で加熱プラグ17fから一度も放電火花が出ていないので、燃焼式ヒータ17に点火されないからである。また、S104で燃焼式ヒータ17が作動していないときの吸気温を符号Ta0で示す。S106で吸気温Ta0を検出した後は、S107へ移行する。
【0060】
S107では、一旦始動したディーゼルエンジン1が、その後、停止してしまったかどうか、すなわちエンストを起こしているかどうかを判定する。エンスト中であれば、内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置Aを機能させる意味がないので、このステップ107が必要であり、エンストしていれば肯定判定して再度エンジンを始動するのである。反対にエンストしていなければ、内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置Aを機能させるべく、S108へ処理を進める。
【0061】
S108では、加熱プラグ17fに通電する。S104−S105−S107経由のルートでも、S104−S106−S107経由のルートでも、加熱プラグ17fに通電しなければ、燃焼式ヒータ17が作動しないからである。S108で加熱プラグ17fに通電した後は、S109へ進む。
【0062】
S109では、加熱プラグ17fへの通電開始後、所定時間、例えば20秒経過したかどうかを判定する。加熱プラグは一般的にこの程度の時間通電しておかないと放電火花を出せないので、このS109で加熱プラグ17fが機能できる状態にあるかどうかを判断するのである。所定時間経過していればS110へ進み、所定時間経過していなければS109のルーチンを繰り返す。
【0063】
S110では、燃料ポンプ32aによって燃焼式ヒータ17に燃料が供給されるようにCPU46から燃料ポンプ32aに向けて電気信号が出される。燃料ポンプ32aのポンプ圧によって、燃焼式ヒータ17に燃焼用燃料の経由が送られる。
【0064】
次のS111では、燃焼式ヒータ17への燃料供給開始後、所定時間、例えば5秒経過したかどうかを判定する。経過していれば肯定判定してS112へ進み、そこで送風ファン17gを低レベルで回転させる。
【0065】
反対にS111では、所定時間の5秒を経過していなければ、経過するまでS111のルーチンを繰り返す。所定時間の経過を待つのは、この間に燃焼用燃料の気化を待ち、通常燃焼時の火炎を起こすために元にする少しの火、すなわち火種をヒータ体17bに確保するためである。なお、燃料供給開始と同時に送風ファン17gを回さないのは、回してしまうと、送風ファン17gによって燃料が飛ばされてしまうので燃料の気化ができない。よって、火種ができない虞れがあるため、これを防止するための処置として所定時間の5秒を経過するまで待つのである。また、S112で、低レベルで回転させるのは、火種が小さいので、これがファン17gの風によって消えないようにするためである。よって、S112での燃焼状態は、初期燃焼段階といえる。
【0066】
S112で送風ファン17gを低レベルで回転させた後は、S113に進み燃料供給開始後、所定時間、例えば10秒経過したどうかを判定する。経過していれば肯定判定してS114へ進み、そこで加熱プラグ17fへの通電を止める。この間、送風ファン17gは依然低レベルで回転している。反対に所定時間の10秒を経過していなければ、経過するまでS111のルーチンを繰り返す。所定時間10秒の経過を待つのは、加熱プラグ17fによる加熱の補助無くしても、火種が十分に安定した状態になるのにある程度の時間を余裕をもって確保する必要があるからである。S114の後はS115へ進む。なお、火種といえども燃焼式ヒータ17では、熱を生じているので、この熱が燃焼ガス排出管17eを介して燃焼式ヒータ17から吸気管8bに伝わり、吸気の温度に影響を及ぼす。この影響を受けた吸気の温度を次のS115で検出する。
【0067】
S115では、吸気温センサ12によって、火種の熱影響を受けた吸気管8bにおける吸気の温度Tahを検出する。吸気温Tahも前記吸気温Ta0と同様に、ランダムアクセスメモリRAMに記憶され、必要に応じて呼び出される。
【0068】
吸気温Tahを検出するのは、既述のように、この実施の形態では、燃焼式ヒータ17から出る熱の影響が吸気の温度に全く及ぼされない場合と、そうでない場合との比較によって、燃焼式ヒータ17の燃焼状態をこれが好適になるように制御するようにしているからである。よってこの技術的思想に基づいて、次のS116では、燃焼式ヒータ17から出る熱の影響を受けた吸気温Tahと受けていない吸気温Ta0をRAMから呼び出し、その後両者の差が、所定値、例えば5℃以上かどうかを判定する。所定値5℃以上あれば肯定判定してS117へ進み燃焼式ヒータ17の点火が成功した、すなわち火種が存続していると判断する。
【0069】
反対に所定値5℃よりも低ければ否定判定してS118へ進み、燃焼式ヒータ17の点火が失敗した、すなわち火種が無くなったと判断する。火種がないのに燃焼式ヒータ17への燃料供給や送風を継続する必要がないので、S118へ進んだ後は、処理がS102に移行し、CPU43から燃料ポンプ32aと送風ファン17gに作動を停止させる電気信号が送られてそれらの作動を停止する。
【0070】
S117で燃焼式ヒータ17の点火が成功したと判断した後は、S119へ進む。
【0071】
S119では、送風ファン17gを高レベルで回転させる。よって、S116での判断は、送風ファン17gを高レベルで回転させても燃焼式ヒータ17の火種は、これが消えない状態にまで成長しているかどうかの判断をするステップでもある。S119での燃焼では、燃焼式ヒータ17が持つ本来の機能を発揮し得るに十分な火力を以った火炎である。よって、通常燃焼である。
【0072】
S119で送風ファン17gが高レベルで回転すると、空気の供給量が増えるので、火種が大きくなり、火炎に勢いが付くため、燃焼式ヒータ17の出す燃焼熱の温度は上がる。よって、吸気温Tahも高まる。
【0073】
次のS120では、通常燃焼になってから所定時間、例えば2分間経過したかどうかを判定する。これは、通常燃焼での吸気温Tahの温度が、安定した温度になるまでに必要と思われる時間である。
【0074】
S120で肯定判定すればS121に進み、否定判定すれば所定時間、2分が経過するまでS111のルーチンを繰り返す。
【0075】
S121では、吸気温Tahと吸気温Ta0をRAMから呼び出し、両者の差が、所定値、例えば40℃以上かどうかを判定する。所定値40℃以上あれば肯定判定してS123へ進み、燃焼式ヒータ17が通常燃焼を継続していると判断してS101へ移行する。この場合、S101に移行した後の処理は、S101−S103−S104−S105−S115のルートで処理される。すなわち、S101およびS103を経由して再びS104へ処理が移行すると、その判断は、必ず肯定判定されるため、S104からS105へ処理が移行する。そして、既述したように、S123で燃焼が継続中と判断しているので、S105での判定も肯定判定となる。
【0076】
また、S121では、反対に所定値40℃よりも低ければS122へ移行し失火したと判断する。失火しているのに燃焼式ヒータ17への燃料供給や送風を継続する必要はないので、S122へ進んだ後は、処理がS102に移行し、CPU43から燃料ポンプ32aと送風ファン17gに作動を停止させる電気信号が送られてそれらの作動を停止する。その後は、再びS101へ移行する。
【0077】
中断していたS105に話を戻す。
既述のようにS105では、そこで肯定判定すればS115に進み、否定判定すればS107へ進む。S105で肯定判定される場合とは、既述したS121で肯定判定されてS123へ進む処理が前回の一連の制御手順の処理であった場合である。すなわち、S123では、燃焼が継続中と判断しているので、S105での判定は必ず肯定判定となり、既述のようにS115に進むルートで処理される。このルートの場合、S116でのTa0は、前回の一連の制御手順の判定時にS106でRAMに記憶されていた値となる。
【0078】
一方、S105で否定判定されてS107に進む場合とは、既述したS121で否定判定されてS122へ進む処理が前回の一連の制御手順の処理であった場合である。すなわち、S122では、失火と判断しているので、燃焼は継続しないことになる。よってS105での判定は必ず否定判定となり、既述のようにS107に進むルートで処理される。このルートの場合にあっても、S116でのTa0は、前回の一連の制御手順の判定時にS106でRAMに記憶されていた値となる。
【0079】
〈実施の形態の作用効果〉
次に、上記のように構成した内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置Aの作用効果について説明する。
【0080】
内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置Aでは、15℃よりも寒い時に作動する燃焼式ヒータ17が出す高熱な燃焼ガスa4をディーゼルエンジン1の吸気管8bを流れる新気a1に混入することで、吸気管8bを燃焼室6に向けて流れる吸気は、燃焼ガスa4の燃焼熱を含んだ高温な燃焼ガス混入吸気a5となる。
【0081】
そして、この高温な燃焼ガス混入吸気a5の温度と新気a1の温度とを吸気温センサ12で検出し、両者の差が初期燃焼段階で所定温度の5℃以上であれば燃焼式ヒータ17の点火が成功し、5℃よりも低ければ点火は失敗したと判断する。また、通常燃焼において両者の差が所定温度の40℃以上であれば燃焼式ヒータ17の燃焼が継続していると判断し、40℃よりも低ければ失火してしまったものと判断する。このように、その時々での吸気温センサ12の出力値に基づいて、CPU43が、燃焼式ヒータ17の燃焼状態を検出する。
【0082】
したがって、吸気管8bに備えられていた既存の吸気温センサ12で燃焼式ヒータ17の燃焼状態を検出できるので、燃焼式ヒータ17の燃焼ガス温度a4を専用に検出するために高価な燃焼ガス温度検出センサを備える必要がない。このため、製品コストを下げられる。
【0083】
また、燃焼ガス温度検出センサを備える必要が無いので、作業効率も高められる。
さらに、吸気温センサ12の出力値に基づいて、燃焼式ヒータ17の燃焼状態をこれが好適になるように制御すれば、前記燃焼熱によって吸気系温度が高くなり過ぎたり低くなり過ぎたりすることを抑制でき、その結果、暖機促進や車室用ヒータの性能向上を図ることができる。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置によれば、内燃機関が所定の運転状態にある時に作動する燃焼式ヒータが出す燃焼ガスを内燃機関の吸気系を流れる外気に混入することで、吸気系を内燃機関本体に向けて流れる吸気は、燃焼ガスの燃焼熱を含んだ高温な燃焼ガス混入吸気となる。そして、この高温な燃焼ガス混入吸気の温度を吸気温センサで検出し、その時の吸気温センサの出力値に基づいて、燃焼状態検出手段が、前記燃焼式ヒータの燃焼状態を検出する。したがって、既存の吸気温センサで燃焼式ヒータの燃焼状態を検出できるので、燃焼式ヒータの燃焼ガス温度を専用に検出する高価な燃焼ガス温度検出センサを備える必要がない。このため、製品コストを下げられるとともに作業効率も高められる。さらに、吸気温センサの出力値に基づいて、燃焼式ヒータの燃焼状態をこれが好適になるように制御するようにすれば、前記燃焼熱によって吸気系温度が高くなり過ぎたり低くなり過ぎたりすることを抑制でき、その結果、暖機促進や車室用ヒータの性能向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置の概略構成図
【図2】本発明の実施の形態に係る内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置の作動制御ルーチンを構成する一部
【図3】本発明の実施の形態に係る内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置の作動制御ルーチンを構成する別の一部
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン(内燃機関)
2…シリンダブロック(内燃機関本体)
2a…シリンダボア
3…ピストン
3a…ピストンヘッド
4…コンロッド
6…燃焼室
7…シリンダヘッド
8…吸気ポート
8a…吸気バルブ
8b…吸気管(吸気系)
9…排気ポート
9a…排気バルブ
9b…排気管
11…インジェクタ
12…吸気温センサ
14…ウォータジャケット
14a…水温センサ
15…冷却水管路
15a…ウォータポンプ
16…車室用ヒータ
16a…室内用ヒータ16のファン
17…燃焼式ヒータ
17a…冷却水通路
17b…ヒータ体
17c…空気通路
17d…空気供給管
17e…燃焼ガス排出管
17f…加熱プラグ
17g…送風ファン
24…エアポンプ
32…給油パイプ
32a…燃料ポンプ
43…CPU(燃焼状態検出手段,ヒータ作動制御手段)
A…内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置
C1…燃焼ガス排出管17eと吸気管8bとの接続箇所
a1…新気(外気)
a2…排気ガス
a3…燃焼用空気
a3’…気化した軽油と燃焼用空気a3と混ざり合ってなる混合気
a4…燃焼式ヒータ17から出る高熱の燃焼ガス
a5…燃焼ガス混入吸気

Claims (5)

  1. 内燃機関が所定の運転状態にある時に作動する燃焼式ヒータを吸気系に備え、この燃焼式ヒータがその燃焼用燃料を燃焼して出す燃焼ガスを前記吸気系を流れる外気に混入して内燃機関本体に向かう燃焼ガス混入吸気とし、前記燃焼式ヒータの燃焼ガスによって機関関連要素を暖める内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置であって、
    内燃機関の制御に使用する吸気温センサを、前記燃焼式ヒータの燃焼ガスが吸気系に導入されて前記吸気が燃焼ガス混入吸気となる箇所よりも下流の前記吸気系に配置し、この吸気温センサによって前記吸気系での燃焼ガス混入空気の温度を検出し、前記吸気温センサの出力値に基づいて、前記燃焼式ヒータの燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段を有する内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置。
  2. 前記燃焼式ヒータにこれを動かす作動信号を伝達することで前記燃焼式ヒータを動かし、伝達しないことでこれを止めるヒータ作動制御手段によって前記燃焼式ヒータの燃焼状態を制御し、前記ヒータ作動制御手段から前記燃焼式ヒータに向けて前記作動信号が出ている場合の前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が出ていないとした場合の同出力値とに基づいて、前記燃焼式ヒータの燃焼状態を検出することを特徴とする請求項1記載の内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置。
  3. 前記作動信号が出ている場合の前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が出ていないとした場合の同出力値との差が所定の値以下であるときに、前記燃焼式ヒータが燃焼不良の状態にあることを検出することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置。
  4. 前記燃焼式ヒータの燃焼は前記作動信号が前記燃焼式ヒータに伝達されてから開始され、前記燃焼式ヒータが燃焼を開始した後の前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が出ていないとした場合の同出力値とに基づいて、前記燃焼式ヒータの燃焼状態を検出することを特徴とする請求項2記載の内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置。
  5. 前記燃焼式ヒータの燃焼開始後における前記吸気温センサの出力値と前記作動信号が前記燃焼式ヒータに伝達されていない時の同出力値との差が所定の値以下であるときに、前記燃焼式ヒータが失火状態にあることを検出することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用燃焼式ヒータの燃焼状態検出装置。
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