JP2003239714A - ドライサンプ式4サイクルエンジン - Google Patents

ドライサンプ式4サイクルエンジン

Info

Publication number
JP2003239714A
JP2003239714A JP2002040410A JP2002040410A JP2003239714A JP 2003239714 A JP2003239714 A JP 2003239714A JP 2002040410 A JP2002040410 A JP 2002040410A JP 2002040410 A JP2002040410 A JP 2002040410A JP 2003239714 A JP2003239714 A JP 2003239714A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
oil
chamber
clutch
cover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002040410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3728420B2 (ja
Inventor
Yuichi Kawamoto
裕一 河本
Tomohiro Kanazawa
智裕 金澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP2002040410A priority Critical patent/JP3728420B2/ja
Publication of JP2003239714A publication Critical patent/JP2003239714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3728420B2 publication Critical patent/JP3728420B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライサンプ式4サイクルエンジンにおい
て、オイルポンプの部品点数の削減及び組付性の向上を
図ることである。 【解決手段】 各注油個所にオイルを圧送するフィード
ポンプ106と、各注油個所から戻ったオイルを汲み上
げてオイルタンク側へ戻すスカベンジングポンプ107
とを有するドライサンプ式4サイクルエンジンである。
かかるエンジンにおいて、同一のポンプ軸155にフィ
ードポンプ106のロータ106aとスカベンジングポ
ンプ107のロータ107aを固定し、両ポンプ10
6,107をクランクケースカバー57に装着してい
る。ポンプギヤ156はクラッチギヤに噛み合うクラン
クギヤ82に噛み合わせている。フィードポンプ106
のハウジング内に内装したリリーフバルブ200によ
り、フィードポンプ106の吐出部から逃がしたオイル
をフィードポンプ106の吸込部に戻すようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、騎乗型の不整地
走行用四輪車又は自動二輪車等の車輌に適したドライサ
ンプ式4サイクルエンジンに関し、特にオイルポンプの
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ドライサンプ式4サイクルエンジ
ンには2つのオイルポンプが備えられており、1つは、
オイルタンク又はオイルタンク室からエンジンの各注油
個所にオイルを圧送するフィードポンプであり、1つ
は、各注油個所から戻ったオイルをオイルタンク又はオ
イル室側へ汲み上げるスカベンジングポンプである。
【0003】上記のように2つのオイルポンプを備える
場合に、ポンプ軸への動力伝達機構の簡素化及びポンプ
配置のコンパクト化を図るために、特開平6−2882
14号公報では、両オイルポンプを同軸芯上に配置し、
両ポンプのポンプ軸を継手機構等により連動連結する構
造が提案されている。
【0004】図21は上記公報記載のポンプ構造を示し
ており、スカベンジングポンプ300のハウジング30
1はクラッチカバー302に設けられ、一方フィードポ
ンプ305のハウジング306はクランクケース307
に取り付けられている。各ポンプ30,305のポンプ
軸310,311は個々に形成されると共に、それぞれ
のハウジング301,306に支持され、継手機構31
3を介して連動連結されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図21のような従来構
造では、各ポンプ300,305のポンプ軸310,3
11は別々に形成されて継手機構313により連動連結
されており、また、各ポンプ300,305のハウジン
グ301,306はそれぞれクラッチカバー302とク
ランクケース307に設けられているので、スペース的
な制約を受けると共に部品点数が多くなり、ポンプの組
付けやクランクケース及びクラッチカバーの加工に手間
がかかる等、潤滑装置のコンパクト化及び簡素化に改良
の余地がある。
【0006】
【発明の目的】本願発明は上記課題に鑑みて為されたも
のであり、その目的は、コンパクトで構造が簡単なオイ
ルポンプ装置を持つドライサンプ式4サイクルエンジン
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本願請求項1記載の発明は、各注油個所にオイルを圧
送するフィードポンプと、各注油個所から戻ったオイル
を汲み上げてオイルタンク側へ戻すスカベンジングポン
プとを有するドライサンプ式4サイクルエンジンにおい
て、同一のポンプ軸にフィードポンプのロータとスカベ
ンジングポンプのロータを固定し、クランクケースの側
部を覆うと共にクラッチを収納するクラッチカバーに上
記両ポンプを装着している。
【0008】上記のようにポンプ軸を両ポンプで共有す
ると共に両ポンプをクラッチカバーに取り付けることに
より、ポンプ用の部品点数を削減できると共に、ポンプ
軸同士の継手機構の加工も不要となり、組付性も向上す
る。また、両ポンプをクラッチカバーに取り付けること
により、クランクケースの加工が容易になると共に、ク
ラッチ下方のクラッチ室内空間をポンプ配置用に有効に
利用でき、エンジンのコンパクト化も達成できる。さら
に、フィードポンプから各注油個所の間に配置されるフ
ィルタは、通常、クラッチカバーに設けられるので、上
記のようにフィードポンプをクラッチカバーに取り付け
ていると、フィードポンプからフィルタまでの配管がク
ラッチカバー内で簡単に行なうことができる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載のド
ライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、ポンプ軸に
固定されたポンプギヤを、クランク軸に設けられると共
にクラッチギヤに噛み合うクランクギヤに噛み合わせて
いる。
【0010】すなわち、クランクギヤをポンプ駆動用の
ギヤとしても利用することにより、動力伝達系の部品点
数を削減でき、コンパクト化も達成できる。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、フィ
ードポンプの吐出部と吸込部とをリリーフバルブを介し
て連通可能とし、フィードポンプの吐出部からリリーフ
バルブを介して逃がしたオイルをフィードポンプの吸込
部に戻すようにしている。
【0012】このようにフィードポンプの吐出部からリ
リーフバルブを介して逃がされるオイルを、オイルタン
クに戻さずに、フィードポンプの吸込部に直接戻すよう
にしていると、リリーフ用の配管がクラッチカバー内の
短いオイル通路だけで済み、構造が簡素化でき、また、
一旦、フィードポンプから吐出されたオイルをその状態
のまま直ぐに再利用するので、リリーフされたオイルを
効率良く利用することができる。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにお
いて、リリーフバルブは、スカベンジングポンプ用のハ
ウジングに内装してある。
【0014】これにより、リリーフバルブ用の部品点数
及び配置スペースを節約することができる。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにお
いて、フィードポンプ及びスカベンジングポンプを、ク
ランク軸の後方下部で、クラッチの前方下部に設けてい
る。
【0016】これにより、クラッチカバー内の空間をポ
ンプ配置用に有効利用することができる。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにお
いて、クラッチカバー内のクラッチ室にオイルを収納
し、上記ポンプ軸をオイルに漬かる高さに配置してい
る。
【0018】これにより、長時間エンジンを停止した後
でも、フィードポンプはエアを噛むことなく始動するこ
とができる。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれかに記載のドライサンプ式4サイクルエンジンにお
いて、クランクケースの側部を覆うと共にクラッチを収
納するクラッチカバーのクラッチ室内側に、スカベンジ
ングポンプ用のハウジング及びポンプカバーを順次締結
し、クラッチカバーに、フィードポンプのロータを収納
するフィードポンプ室を片側開放状に形成すると共に、
該片側開放面を上記ハウジングにより閉じ、上記ハウジ
ングに、スカベンジングポンプのロータを収納するスカ
ベンジングポンプ室を片側開放状に形成すると共に、該
片側開放面を上記ポンプカバーにより閉じ、ポンプカバ
ーとハウジングにポンプ軸を支持している。
【0020】すなわち、両ポンプの外郭を、1つのハウ
ジング及びポンプカバーを順次クラッチカバーに締結す
ることにより構成しているので、両ポンプ用の部品点数
を節約できると共に組付けも簡単になり、構造も簡素化
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】[エンジンが搭載される車輌]図
1は本願発明が適用されたドライサンプ式の単気筒4サ
イクルエンジンを搭載した騎乗型不整地走行用四輪車を
示しており、車体フレーム1の前部には左右一対の前輪
2を備え、後部にはスイングアーム4を介して左右一対
の後車輪5を備え、スイングアーム4はショックアブソ
ーバ3により弾性支持されている。車体フレーム1内に
はエンジン7及びラジエター8等を搭載し、車体フレー
ム1の上部には騎乗型シート10、燃料タンク11及び
バー状のハンドル12等を備えている。
【0022】エンジン7は、クランクケース20の上
に、シリンダ21、シリンダヘッド22及びヘッドカバ
ー23を順次締結してなり、シリンダヘッド22の前面
排気口に排気管24が接続し、該排気管24は右側へ湾
曲して後方に延び、マフラ25に接続している。シリン
ダヘッド21の後面吸気口に吸気管26が接続し、該吸
気管26はキャブレター27、吸気ダクト28及びエレ
メント27を内蔵する後方のエアクリーナボックス30
に接続している。
【0023】該車輌はチェーン駆動方式を採用してお
り、エンジン7の出力スプロケット31と後車軸32の
スプロケット33の間に駆動チェーン34を巻き掛け、
駆動チェーン34により後輪5を駆動するようになって
いる。図1中、符号O1,O2,O3はそれぞれエンジン7
のクランク軸芯、変速入力軸芯及び変速出力軸芯を示し
ている。
【0024】[エンジンの外殻]図2は図1のII-II断
面展開拡大図であり、シリンダ中心線C、クランク軸芯
O1、変速入力軸芯O2及び変速出力軸芯O3を通る面で
エンジン7を切断して展開した図である。この図2にお
いて、クランクケース20は左右のクランクケース部材
20a,20bに2分割されており、両クランクケース
部材20a,20bは、シリンダ中心線Cを通りクラン
ク軸芯O1と直交する面を合わせ面として結合されてい
る。クランクケース20内は、前部がクランク軸41を
収納するクランク室51となっており、後部がミッショ
ンMを収納するミッション室52となっている。
【0025】クランクケース20の左右端壁53,54
にはそれぞれクランクケースカバー56,57が締着さ
れており、左側のクランクケースカバー56で覆われる
カバー室58にはジェネレータ60が収納され、右側の
クランクケースカバー57で覆われるカバー室59内に
は多板摩擦式クラッチ61が収納されている。
【0026】左右の各クランクケースカバー56,57
及びカバー室58,59を明確に区別するため、それぞ
れ収納する装置の名称に従い、左側のクランクケースカ
バー56及びカバー室58をジェネレータカバー及びジ
ェネレータ室と称し、右側のクランクケースカバー57
及びカバー室59をクラッチカバー及びクラッチ室と称
して、以下説明する。
【0027】[動力伝達系]クランク軸41はクランク
ケース20の左右端壁53,54に軸受65,65を介
して回転可能に支持されると共に左右2分割構造となっ
ており、クランクピン37により左右のクランク軸部分
が結合されている。クランク軸41の左端部分はジェネ
レータ室58内に突出し、カムチェーン用スプロケット
68が形成されると共に、始動ギヤ84及び前記ジェネ
レータ60のロータ(フライホール)70が取り付けら
れている。上記カムチェーン用スプロケット68に巻き
掛けられたカムチェーン71は、シリンダ21及びシリ
ンダヘッド22に形成されたカムチェーントンネル62
を通過してヘッドカバー23内に至り、カム軸48のス
プロケット72に巻き掛けられている。
【0028】クランク軸41の右端部はクラッチ室59
内に突出し、クラッチ61のクラッチギヤ81に噛み合
うクランクギア82と、バランサ駆動ギヤ83が固着さ
れている。
【0029】ミッションMは前進5段、後進1段に切換
自在な構造となっており、変速入力軸42は左右1対の
軸受73によりクランクケース20の左右端壁53,5
4に支持され、変速入力軸42上には、右側から順に前
進1速、5速、3速、2速及び4速用の各入力側前進用
変速ギヤ85が装着され、左端部には入力側後進用変速
ギヤ86が設けられている。変速入力軸42の右端部は
クラッチ室59内に突出し、クラッチ61のハブに連結
されている。
【0030】変速出力軸43は、左右1対の軸受に74
よりクランクケース20の左右端壁53,54に支持さ
れており、左端部がミッション室52から左方に突出
し、前記後輪駆動用の出力スプロケット31が固着され
ている。変速出力軸43上には、右側から順に前進1
速、5速、3速、2速及び4速用の各出力側前進用変速
ギヤ87が装着され、左端部に出力側後進用変速ギヤ8
8が設けられている。各出力側前進用変速ギヤ87は入
力側前進用変速ギヤ85にそれぞれ噛み合い、出力側後
進用変速ギヤ88は図3に示すように、後進用アイドル
軸44に設けられた後進用アイドルギヤ90を介して入
力側後進用変速ギヤ86に噛み合っている。
【0031】図8はエンジン内の軸及びギヤの配列を示
しており、ミッション室52の下方には、シフトロッド
45、チェンジドラム46及びチェンジ軸47等が配置
されている。シフトロッド45は1本のみ備えられ、該
1本のシフトロッド45に複数(たとえば3本)のシフ
トフォーク76が支持され、各シフトフォーク76はそ
れぞれ変速入力軸42と変速出力軸43へ延び、シフト
スリーブの溝に係合している。チェンジ軸47には、チ
ェンジドラム46を所定ピッチで回動するための揺動ア
ーム77が設けらている。
【0032】クランク軸41の前方にはバランサ軸50
が配置され、該バランサ軸50のバランサギヤ91はク
ランク軸41のバランサ駆動ギヤ83に噛み合ってい
る。変速入力軸42の上方には大小の始動用中間ギヤ9
3,94が同軸上に設けられると共に始動モータ95が
配置され、大きい始動用中間ギヤ93は始動モータ95
のピニオン96に噛み合い、小さい始動用中間ギヤ94
は、前方の始動用アイドルギヤ97を介してクランク軸
41の始動ギヤ84に噛み合っている。
【0033】図15はバランサ軸50及び始動機構を詳
しく記載しており、バランサ軸50は、クランクケース
20の左右端壁53,54に軸受75を介して回転可能
に支持され、軸芯方向の中央と左右両端部にウエイト7
8,79,80を設けてある。中央ウエイト78はクラ
ンク軸41のクランクウエブ(ウエイト部)49間に配
置され、左ウエイト79はジェネレータ室58内に配置
されると共に、カムチェーン用スプロケット68に概ね
対向する位置に位置し、右ウエイト80はクラッチ室5
9内のバランサギヤ(シザースギヤ)91と一体に形成
されている。バランサ軸50の右端部には水ポンプ98
のポンプ軸99が継手を介して連動連結している。
【0034】始動機構の各ギヤ93,94、97はジェ
ネレータ室58の上方に配置されており、始動モータ9
5はクランクケース20の上壁に取り付けられている。
【0035】[各注油個所の構造]図2において、クラ
ンク軸41内にはクラッチカバー57内のオイル供給通
路110に連通するオイル通路111が形成され、該オ
イル通路111は、クランクピン37の外周嵌合部分及
びクランクピン37内を経て、コンロッド38の嵌合部
分に至っている。上記クラッチカバー57内のオイル通
路110は、クラッチカバー57に装着されたニ次フィ
ルタ115の出口部115aに連通している。
【0036】変速入力軸42内と変速出力軸43内にも
それぞれオイル通路118,119が形成されており、
各オイル通路118,119はクランクケース20の左
端壁53に形成されたオイル室120にそれぞれ連通す
ると共に、各変速ギヤ85,86,87,88及びクラ
ッチギヤ81の嵌合部分に至っている。また、ヘッドカ
バー23にもカム軸48の摺接部分を潤滑するためのオ
イル通路121が形成されている。
【0037】図14は図8のXIV-XIV断面図であって、
変速ギヤ85等の噛合部分の上方には、変速入力軸42
等と平行にオイルシャワーパイプ126が架設されてお
り、該オイルシャワーパイプ126内は前記クランクケ
ース左端壁53に形成されたオイル室120に連通して
いる。オイルシャワーパイプ126には、軸方向に間隔
を置いて複数の噴口127が形成され、各噴口127か
ら変速ギヤ噛合部分に向けてオイルを噴出するようにな
っている。
【0038】[クランクケース内のオイル収納構造]図
3は左側クランクケース部材20aの内面を示してお
り、前部のクランク室51と後部のミッション室52の
間には一定高さの仕切り壁55がクランクケース20と
一体に形成され、該仕切り壁55により、ミッション室
52の下方部分を、クランク室51から隔離されたオイ
ルタンク室64としている。上記仕切り壁55は、クラ
ンク軸芯O1と概ね同じ高さに形成されると共に、クラ
ンクウエブ(含クランクウエイト部)49の外形に沿っ
て前下方に延び、クランク軸芯O1の概ね直下位置で下
方に延びる隔壁101に繋がっており、これによりオイ
ルタンク室64をクランク室51の下方位置まで拡張し
ている。クランク室51は、上記仕切り壁55の前下端
(隔壁101との交点)から前方に繋がる底壁102に
より下方が囲まれており、該底壁102は前方のバラン
サ軸50の下方位置まで至り、さらにバランサ軸50の
中央ウエイト78の外周に沿ってクランク室51の前上
端部まで延びている。
【0039】変速入力軸42、変速出力軸43及び後進
用アイドル軸44は、それらの軸芯O2,O3,O4がい
ずれもクランク軸芯O1よりも高く配置されており、オ
イルタンク室64内のオイル(レベルL1)に対し、図
8のように各変速軸42,43,44に装着された変速
ギヤ群(85,87,90等)のいずれもが殆どオイル
に浸らないようになっている。これにより、変速ギヤ群
に対するオイルの抵抗を無くし、動力伝達効率の低下を
防いでいる。
【0040】図10は図3のX-X断面部分図であり、オ
イルタンク室64の右端壁(クランクケース右端壁)5
4には、オイルタンク室64とクラッチ室59とをオイ
ルレベルL1より下方位置で連通する連通孔105が形
成されており、これによりクラッチ室59にはオイルタ
ンク室64と同一レベルL1のオイルが貯留され、クラ
ッチ室59をオイルタンク室64の拡張部として利用で
きるようになっている。また、クラッチ室59内に配置
されているクラッチ61は、その下端部がオイルに浸ら
ない程度の高さに設置されている。これにより、クラッ
チ61に対するオイルの抵抗を無くし、動力伝達効率の
低下を防いでいる。
【0041】図9は図3のIX-IX断面図であり、クラッ
チ室59内にはフィードポンプ106とスカベンジング
ポンプ107が同軸上に配置され、両ポンプ106,1
07の配置高さは、ポンプ106,107のロータ10
6a,107aがオイルレベルL1内に略納まるように
設定されている。また、クラッチ室59からクランク室
51にオイルが溢れないように、クランク軸41の右側
の軸受65を支持するインサート65aは、該軸受65
の下半分をシールする形状となっている。すなわち図6
に示すように、上記インサート65aの内周形状は、上
半分が半円形に形成され、下半分が上記上半分の円周よ
りも堰状に高くなるように形成されている。
【0042】クランク室51の左端壁(クランクケース
左端壁)53には、クランク室51の底部と略同一面の
オイル逃がし通路125が形成されている。該オイル逃
がし通路125はジェネレータ室58に開口している
が、該開口部はジェネレータ室58の下端壁58aに対
して段差Dを有する高い位置に形成されている。これに
よりクランク室51からジェネレータ室58へは自然落
下又は流下によりオイルを逃がすことができるが、ジェ
ネレータ室58からクランク室51にはオイルが戻らな
いようになっている。
【0043】クランク室51の底壁102の下側には、
クランク軸芯O1と平行な一対のオイル通路130,1
31がクランクケース20と一体に並設されており、一
方のオイル通路130は左端がジェネレータ室58に開
口すると共に右端が閉塞され、他方のオイル通路131
は左端が閉塞されると共に右端がオイルレベルL1より
下方位置において、クラッチ室59に向けて開口してい
る。両オイル通路130,131間は、左半分が隔壁1
33により隔てられ、右半分が板状の三次フィルタ13
5を介して連通している。すなわち、上記両オイル通路
130,131及び板状の三次フィルタ135を介して
左側のジェネレータ室58と右側のクラッチ室59を連
通している。また、一方のオイル通路130の左端開口
130aの位置は、前記クランク室51のオイル逃がし
通路125よりも段差Dを隔てた下方に位置し、ジェネ
レータ室58の下端壁58aと同じ高さに設定されてい
る。これにより、クランク室51からジェネレータ室5
8に流れ込むオイルが、速やかにオイル通路130に流
れるようになっている。
【0044】前記一方のオイル通路、すなわち上流側オ
イル通路130は、図3に示すように断面形状が概ね逆
二等辺三角形に形成され、他方のオイル通路、すなわち
下流側オイル通路131は上流側オイル通路130の後
下部に位置し、断面形状が略直角三角形に形成されてい
る。両オイル通路130,131を隔離する隔壁133
は後上がり傾斜状に形成され、また、図5に示すように
板状の三次フィルタ135も隔壁133と同様に後上が
り傾斜状に配置されており、これによりろ過面積を稼い
でいる。
【0045】図4は左側クランクケース部材20aの外
側面を示しており、ジェネレータ室58に開口する前記
オイル逃がし通路125は3個所に形成されている。本
実施の形態の場合、クランク軸芯O1の略直下位置と、
該直下位置より少し後方位置と、バランサ軸芯O5の略
直下位置に形成されている。ジェネレータ室58の後下
方には、仕切り壁140を介してサブオイルタンク室1
41が形成されており、該サブオイルタンク室141は
下端部のオイル連通路142を介し、図3のようにオイ
ルタンク室64に連通しており、オイルタンク室64と
同一のレベルL1にオイルを溜めることができるように
なっている。
【0046】図6は、右側クランクケース部材20bの
外面を示す側面図であり、クラッチ室59内には、前記
バランサギヤ(シザースギヤ)91の後下部を覆う堰1
45がクランクケース20と一体に形成されており、こ
れにより、バランサギヤ91の下半部に一定量のオイル
を保持できるようになっている。
【0047】[オイルポンプの全体構成]図7のXII-XI
I断面を示す図12において、オイルポンプとして、前
述のようにオイルタンク室64からエンジンの各注油個
所にオイルを圧送するフィードポンプ106と、ジェネ
レータ室58からオイルを吸い込んでクラッチ室59内
に汲み上げるスカベンジングポンプ107が、クラッチ
室59内に配置され、クラッチカバー57に取り付けら
れており、いずれのポンプ106,107も内外のロー
タ等からなるトロコイドポンプを採用している。
【0048】両ポンプ106,107の外郭は、クラッ
チカバー57と、共通のポンプハウジング151と、ポ
ンプカバー153により構成されており、ポンプハウジ
ング151はクラッチカバー57の内面に締結され、ポ
ンプカバー153はOリング152を介してポンプハウ
ジング151の左端面に締結されている。フィードポン
プ用のロータ106aは、クラッチカバー57内に形成
されたポンプ室106bに配置され、スカベンジングポ
ンプ用のロータ107aはポンプハウジング151内に
形成されたポンプ室107bに配置されている。クラッ
チカバー57内の上記フィードポンプ用ポンプ室106
bは、片側開放状に形成されると共にポンプハウジング
151の右端面により閉じられており、また、ポンプハ
ウジング内の上記スカベンジングポンプ用ポンプ室10
7bも、片側開放状に形成されると共にポンプハウジン
グ151の右端面により閉じられている。
【0049】両ポンプ106,107のロータ106
a,107aは同一のポンプ軸155に固定されてお
り、共通のポンプ軸155はポンプハウジング151及
びポンプカバー153により支持されると共に、ポンプ
カバー153を通過してクラッチ室59内に突出し、該
突出部にポンプギヤ156が固着されている。該ポンプ
ギヤ156はクランク軸41のクランクギヤ82に噛み
合っている。
【0050】両ポンプ106(及び107)のエンジン
側方から見た配置位置は、図7に示すようにクランク軸
41の後方下部であって、クラッチ61の前方下部とな
っている。
【0051】[スカベンジングポンプの構成]図7のXI
II-XIII断面を示す図13において、スカベンジングポ
ンプ107の吸込部(吸込み通路)159はポンプカバ
ー153の左端面で開口し、該開口部はOリング161
を介して右側クランクケース部材20bの前記下流側オ
イル通路131に接続している。スカベンジングポンプ
107の吐出部160には、後方に吐出する吐出管16
2がポンプハウジング151と一体に形成され、該吐出
管162にはゴムホース163が接続している。該ゴム
ホース163はクラッチ室59内を後上方に延び、クラ
ッチカバー57の端壁とガスケット164で囲まれたオ
イル吐出室165内に挿入され、クラッチカバー57の
端壁に向けて開口している。すなわち、上記ゴムホース
163により、クラッチ室59内のオイルレベルL1よ
り高い空気中にオイルを吐出すると共にクラッチカバー
57の内面に衝突させ、気液を分離させ、クラッチ室5
9内にオイルを溜めるようになっている。なお、上記ガ
スケット164はクラッチケース57と右側クランクケ
ース部材20bの右端面との間に挟着されたガスケット
である。
【0052】クラッチ室59からスカベンジングポンプ
107内へオイルが浸入するのを防止する対策として、
前述のOリング152,161でポンプハウジング15
1とポンプカバー153とクランクケース20との各合
わせ面をシールする構造に加え、スカベンジングポンプ
用のロータ107aの軸方向両側方であって、ポンプ軸
155とポンプカバー153との嵌合部並びにポンプハ
ウジング151との嵌合部にそれぞれ回転シール部材1
70,171を嵌着している。
【0053】[フィードポンプの構成]図12及び図2
0において、フィードポンプの吸込部174は、ポンプ
ハウジング151内のオイル室175及びポンプカバー
153内の吸込孔176を介して左方に開口しており、
該吸込孔176はオイルタンク室64の底部に形成され
たオイル取入通路178にOリング177を介して接続
されている。該オイル取入通路178はオイルタンク室
64の底部に形成された上部オイル取入室180に連通
し、該上部オイル取入室180は略水平に配置された板
状の一次フィルタ182を介して下部オイル取入室18
1に連通し、該下部オイル取入室181はオイル孔18
3を介してオイルタンク室64内に連通している。ま
た、下部オイル取入室181には前述のように、オイル
連通路142を介して前記サブオイルタンク室141が
連通している。
【0054】フィードポンプ106の吸込側のオイル室
175には図20に拡大して示すようにリリーフバルブ
200が設けられており、フィードポンプ106の吐出
圧が設定値以上に上昇した時に、リリーフバルブ200
が開き、吐出部173のオイルの一部を、オイル戻し通
路206及びリリーフバルブ200を介して、吸込側の
オイル室175に戻すようになっている。
【0055】リリーフバルブ200は、有底円筒状のバ
ルブケース201と、バルブケース201内に摺動自在
に嵌合する円筒状のプランジャ202と、該プランジャ
202を閉位置に付勢する弁ばね203から構成されて
いる。バルブケース201はオイル室175を左右に横
断するようにポンプハウジング151等に固定されてお
り、バルブケース201の周壁にはオイル室175に開
口するオイル戻し孔205が周方向に間隔をおいて複数
形成されている。プランジャ202の右端壁(受圧壁)
はバルブケース201の右端壁の開口201aを介して
前記オイル戻し通路206に面している。プランジャ2
02は弁ばね203で右方に付勢されることにより、オ
イル戻し孔205を閉塞している。すなわち、フィード
ポンプ106の吐出圧が上昇するとプランジャ202は
弁ばね203に抗して左方に移動し、吐出圧が所定値以
上になった時にオイル戻し孔205が開き、吐出オイル
の一部をオイル吸込側のオイル室175に戻すようにな
っている。なお、図20では、リリーフバルブ200に
よりオイル室175を遮っているように見えるが、オイ
ル室175はリリーフバルブ200の周囲を取り囲むよ
うに広く形成されており、リリーフバルブ200の開閉
に関係なく、常に、吸込部174と吸込孔176を連通
状態に保つようになっている。
【0056】図12において、フィードポンプ106の
吐出部173はクラッチカバー57内のオイル供給通路
210に連通し、該オイル供給通路210はクラッチ室
59内に向いて開口し、該開口部にはオイル供給パイプ
212が接続金具213を介して接続している。
【0057】[オイル供給系路]図7はクラッチカバー
57の内面に両オイルポンプ組立体を組み付けた状態を
示しており、前述のようにフィードポンプ106の吐出
側に連通する前記オイル供給パイプ212はクラッチ室
59内を上方に延び、前記ニ次フィルルタ115の入口
に接続している。ニ次フィルタ115の出口115aに
は、前方に延びるオイル供給通路220と、下方に延び
る前記クランク軸用のオイル供給通路110が連通して
いる。
【0058】両オイル供給通路220,110は、図6
のように右側クランクケース部材20bとの合わせ面で
形成されており、下方に延びるオイル供給通路110
は、前述のように図2のクランク軸41内のオイル通路
111に連通している。一方、図6の前方に延びるオイ
ル供給通路220は、前端部においてクランク軸芯方向
と平行なオイル供給通路223に連通し、クランクケー
ス20内を横断してクランクケース左端に至っている。
【0059】図4において、クランクケース20内を右
から左に貫通する前記オイル供給通路223はジェネレ
ータ室58に開口しており、該開口部には、図11に示
すように2本のオイル供給パイプ240,241が2段
重ねで接続されている。
【0060】一方のオイル供給パイプ240は上方のカ
ムチェーントンネル62を通り、シリンダヘッド22の
オイル接続口243に接続し、図18に示すように、シ
リンダヘッド22内のオイル供給通路245を経てヘッ
ドカバー23内のカム軸48に至っている。他方のオイ
ル供給パイプ241は後方に延び、図2のオイル室12
0から変速入力軸42のオイル通路118及び変速出力
軸43のオイル通路119に連通している。
【0061】
【作用】[フィードポンプから各注油個所へのオイル供
給]既に詳しく説明しているので、ここでは、図19の
オイル循環系路を示すブロック図に基づき、また、フィ
ードポンプ106によるオイルの流れを示す図16、ス
カベンジングポンプ107によるオイルの流れを示す図
17並びに各潤滑個所へのオイルの流れ及びオイルの戻
りを示す図18を参照して、簡単に説明する。図19に
おいて、エンジン運転中、オイルタンク室64から板状
の一次フィルタ182を介してフィードポンプ106に
吸い込まれたオイルは、オイル供給パイプ212等を経
てニ次フィルタ115内に入り、ろ過された後、2つの
オイル供給通路220,110に枝分かれする。
【0062】一方のオイル供給通路110はクランク軸
41にオイルを供給し、クランク軸周り、たとえばクラ
ンクピン部分及びピストン周り等を潤滑する。
【0063】他方のオイル供給通路220は、2つのオ
イル供給パイプ240,241に枝分かれし、一方のオ
イル供給パイプ241は変速入力軸42及び変速出力軸
43にオイルを供給し、各変速ギヤの嵌合部分を潤滑す
ると共に、オイルシャワーパイプ126にオイルを供給
し、変速ギヤ群の噛合部分を潤滑する。他方のオイル供
給パイプ240はシリンダヘッド22周りのカム軸等を
潤滑する。
【0064】[その他の潤滑個所]図6において、クラ
ッチ室59内に配設されたバランサギヤ(シザースギ
ヤ)91は、クラッチ室59内のオイルを自ら掻き揚げ
ることにより、噛合部分を潤滑している。また、図12
のポンプギヤ156も自ら掻き揚げるクラッチ室59内
のオイルによりクランクギヤ82との噛み合い部を潤滑
している。
【0065】[各注油個所からオイルポンプ室までのオ
イルの戻り]図2において、カム軸48の潤滑に利用さ
れたオイルは、チェーントンネル62を通ってジェネレ
ータ室58に落下又は流下する。クランク軸周りに供給
されたオイルはクランク室51の底部に落下又は流下す
る。ミッションMの潤滑に利用されたオイルはミッショ
ン室下方のオイルタンク室64に直接落下又は流下す
る。
【0066】図9において、クランク室51の底部に落
下したオイルは、クランクケース左端壁53のオイル逃
がし通路125から落下又は流下によりジェネレータ室
58の底部に集まり、スカベンジングポンプ107の吸
引力により、クランク室下方のオイル通路130、三次
フィルタ135及びオイル通路131を通ってクランク
ケース20を左右に横断し、オイル通路131からスカ
ベンジングポンプ107に直接吸引される。
【0067】このようにクランク室51内に戻るオイル
を、クランクウエブ49の側方に形成されたオイル逃が
し通路125からジェネレータ室58に逃がし、該ジェ
ネレータ室58からスカベンジングポンプ107で吸い
込んでクラッチ室59に戻すようにしていると、クラン
ク室51内の圧力変動がスカベンジングポンプ107の
吸引力に影響を与えることはなく、また、クランクウエ
ブ49の回転によるオイルの巻き上げ現象が生じること
もなくなり、スカベンジングポンプ107の性能を無駄
なく利用でき、スカベンジングポンプ107を大型化し
なくとも必要な吸込量を確保することができる。
【0068】図13において、スカベンジングポンプ1
07内に直接吸い込まれたオイルは、加圧された後、吐
出パイプ163内を通って後上方に送られ、オイルレベ
ルL1より上方に形成された吐出室165内において、
クラッチカバー57の端壁に向けて吐出される。この
時、オイルは気液分離され、液体部分(オイル)はクラ
ッチ室59の下部に溜まると共に、図10のように連通
孔105を通してオイルタンク室64内へも戻され、オ
イルタンク室64内で貯留される。また、図12のオイ
ル連通路142を介してジェネレータ室後下部のサブオ
イルタンク室141にも溜まる。
【0069】エンジンを長時間停止している状態におい
て、スカベンジングポンプ107は図13のようにポン
プ軸両側のシール170,171及び各種Oリング15
2,161でシールされているため、オイルタンク室6
4及びクラッチ室59のオイルがスカベンジングポンプ
107を介してジェネレータ室58やクランク室51に
逆流することはなく、クランク室51をドライな状態に
保てると共に、クラッチ室59内及びオイルタンク室6
4内のオイルレベルを一定に保っておくことができる。
これにより、エンジンを長時間停止した後でもオイルタ
ンク室64内のオイル量を正確に検出することができ
る。
【0070】
【その他の発明の実施の形態】(1)オイルタンクをエ
ンジン外部に設置した外部オイルタンク設置型のエンジ
ンに適用することも可能である。
【0071】(2)左右の両クランクケースカバーのう
ち、ジェネレータカバーの両ポンプを取り付けることも
可能である。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本願発明は次のよう
な利点がある。 (1)ドライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、ス
カベンジングポンプとフィードポンプのポンプ軸を1つ
のポンプ軸で共有し、両ポンプを共にクランクケースカ
バーに装着していることにより、ポンプ用の部品点数を
削減できると共に、ポンプ軸同士の継手機構の加工も不
要となり、組付性も向上する。
【0073】(2)両ポンプをクラッチカバーに取り付
けることにより、クランクケースの加工が容易になると
共に、クラッチ下方のクラッチ室内空間をポンプ配置用
に有効に利用でき、エンジンのコンパクト化も達成でき
る。
【0074】(3)フィードポンプから各注油個所の間
に配置されるフィルタは、通常、クラッチカバーに設け
られるので、フィードポンプをクラッチカバーに取り付
けていると、フィードポンプからフィルタまでの配管
が、クラッチカバー内で簡単に配行なえる。
【0075】(4)ポンプ軸に固定されたポンプギヤ
を、クランク軸に設けられると共にクラッチギヤに噛み
合うクランクギヤに噛み合わせ、クランクギヤをポンプ
駆動用のギヤとしても利用することにより、動力伝達系
の部品点数を削減でき、また、コンパクト化も達成でき
る。
【0076】(5)フィードポンプの吐出部と吸込部と
を、リリーフバルブを介して連通可能とし、フィードポ
ンプの吐出部からリリーフバルブを介して逃がしたオイ
ルをフィードポンプの吸込部に戻すようにしていると、
リリーフ用の配管がクラッチカバー内の短いオイル通路
だけで済み、構造が簡素化され、また、一旦、フィード
ポンプから吐出されたオイルをその状態のまま直ぐに再
利用するので、リリーフされたオイルを効率良く利用す
ることができる。
【0077】(6)リリーフバルブをスカベンジングポ
ンプ用のハウジングに内装していると、リリーフバルブ
用の部品点数及び配置スペースを節約することができ
る。
【0078】(7)フィードポンプ及びスカベンジング
ポンプを、クランク軸の後方下部で、クラッチの前方下
部に設けていると、クラッチカバー内の空間をポンプ配
置用に有効利用することができる。
【0079】(8)クラッチカバー内のクラッチ室にオ
イルを収納し、上記ポンプ軸をオイルに漬かる高さに配
置していると、長時間エンジンを停止した後でも、フィ
ードポンプはエアを噛むことなく始動することができ
る。
【0080】(9)クランクケースの側部を覆うと共に
クラッチを収納するクラッチカバーのクラッチ室内側
に、スカベンジングポンプ用のハウジング及びポンプカ
バーを順次締結し、クラッチカバーに、フィードポンプ
のロータを収納するフィードポンプ室を片側開放状に形
成すると共に、該片側開放面を上記ハウジングにより閉
じ、上記ハウジングに、スカベンジングポンプのロータ
を収納するスカベンジングポンプ室を片側開放状に形成
すると共に、該片側開放面を上記ポンプカバーにより閉
じ、ポンプカバーとハウジングにポンプ軸を支持してい
ると、両ポンプの外郭を、1つのハウジング及びポンプ
カバーを順次クラッチカバーに締結することにより構成
でき、両ポンプ用の部品点数を節約できると共に組付け
も簡単になり、構造も簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明にかかるドライサンプ式4サイクル
エンジンを搭載した騎乗型不整地走行用四輪車の側面図
である。
【図2】 図1に記載されたエンジンのII-II断面拡大
展開図である。
【図3】 左側クランクケース部材内の内面図(右側面
図)である。
【図4】 左側クランクケース部材内の外面図(左側面
図)である。
【図5】 右側クランクケース部材内の内面図(左側面
図)である。
【図6】 右側クランクケース部材内の外面図(右側面
図)である。
【図7】 クラッチカバーの内面図(左側面図)であ
る。
【図8】 エンジン内の各種軸及びギヤの配置を示す右
側面図である。
【図9】 図3のIX-IX断面略図である。
【図10】 図3のX-X断面略図である。
【図11】 図2のXI-XI断面図である。
【図12】 図7のXII-XII断面図である。
【図13】 図7のXIII-XIII断面図である。
【図14】 図8のXIV-XIV断面図である。
【図15】 図8のXV-XV断面図である。
【図16】 フィードポンプによるオイルの流れを示す
エンジン内の配管略図である。
【図17】 スカベンジングポンプによるオイルの流れ
を示すエンジン内の配管略図である。
【図18】 各潤滑個所へのオイル供給並びにオイルの
戻りを示すエンジン内の配管略図である。
【図19】 エンジン内のオイル全体の流れを示すブロ
ック図である。
【図20】 リリーフバルブの拡大断面図である。
【図21】 従来のオイルポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
20 クランクケース 51 クランク室 56 ジェネレータカバー(クランクケースカバーの一
例) 57 クラッチカバー(クランクケースカバーの一例) 58 ジェネレータ室(カバー室の一例) 59 クラッチ室(カバー室の一例) 60 ジェネレータ 61 クラッチ 64 オイルタンク室 82 クランクギヤ 106 フィードポンプ 106a ロータ 107 スカベンジングポンプ 107a ロータ 151 ポンプハウジング 153 ポンプカバー 155 ポンプ軸 156 ポンプギヤ 173 フィードポンプの吐出部 174 フィードポンプの吸込部 175 オイル室 200 リリーフバルブ 206 オイル戻し通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G013 AA16 AB02 BB03 BB18 BB25 BD46

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各注油個所にオイルを圧送するフィード
    ポンプと、各注油個所から戻ったオイルを汲み上げてオ
    イルタンク側へ戻すスカベンジングポンプとを有するド
    ライサンプ式4サイクルエンジンにおいて、 同一のポンプ軸にフィードポンプのロータとスカベンジ
    ングポンプのロータを固定し、 クランクケースの側部を覆うと共にクラッチを収納する
    クラッチカバーに上記両ポンプを装着していることを特
    徴とするドライサンプ式4サイクルエンジン。
  2. 【請求項2】 上記ポンプ軸に固定されたポンプギヤ
    を、クランク軸に設けられると共にクラッチギヤに噛み
    合うクランクギヤに噛み合わせていることを特徴とする
    請求項1記載のドライサンプ式4サイクルエンジン。
  3. 【請求項3】 フィードポンプの吐出部と吸込部とをリ
    リーフバルブを介して連通可能とし、フィードポンプの
    吐出部からリリーフバルブを介して逃がしたオイルをフ
    ィードポンプの吸込部に戻すようにしていることを特徴
    とする請求項1又は2記載のドライサンプ式4サイクル
    エンジン。
  4. 【請求項4】 リリーフバルブは、スカベンジングポン
    プ用のハウジングに内装してあることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のドライサンプ式4サイクル
    エンジン。
  5. 【請求項5】 フィードポンプ及びスカベンジングポン
    プを、クランク軸の後方下部で、クラッチの前方下部に
    設けていることを特徴とする請求項1〜4記載のドライ
    サンプ式4サイクルエンジン。
  6. 【請求項6】 クラッチカバー内のクラッチ室にオイル
    を収納し、上記ポンプ軸をオイルに漬かる高さに配置し
    ていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    のドライサンプ式4サイクルエンジン。
  7. 【請求項7】 クランクケースの側部を覆うと共にクラ
    ッチを収納するクラッチカバーのクラッチ室内側に、ス
    カベンジングポンプ用のハウジング及びポンプカバーを
    順次締結し、クラッチカバーに、フィードポンプのロー
    タを収納するフィードポンプ室を片側開放状に形成する
    と共に、該片側開放面を上記ハウジングにより閉じ、 上記ハウジングに、スカベンジングポンプのロータを収
    納するスカベンジングポンプ室を片側開放状に形成する
    と共に、該片側開放面を上記ポンプカバーにより閉じ、 ポンプカバーとハウジングにポンプ軸を支持しているこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のドライ
    サンプ式4サイクルエンジン
JP2002040410A 2002-02-18 2002-02-18 ドライサンプ式4サイクルエンジン Expired - Fee Related JP3728420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002040410A JP3728420B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 ドライサンプ式4サイクルエンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002040410A JP3728420B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 ドライサンプ式4サイクルエンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003239714A true JP2003239714A (ja) 2003-08-27
JP3728420B2 JP3728420B2 (ja) 2005-12-21

Family

ID=27781156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002040410A Expired - Fee Related JP3728420B2 (ja) 2002-02-18 2002-02-18 ドライサンプ式4サイクルエンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3728420B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010174715A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Honda Motor Co Ltd 内燃機関
JP2010236499A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Honda Motor Co Ltd クランクケース内の機器配置構造
JP2011185191A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Honda Motor Co Ltd 内燃機関のケースカバー構造
JP2014196681A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 本田技研工業株式会社 内燃機関のクランクケース構造
JP2015113784A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 川崎重工業株式会社 車輌用エンジン及び該エンジンを備えた自動二輪車
JP2017180104A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 本田技研工業株式会社 パワーユニット
JP2018168822A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両用内燃機関

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010174715A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Honda Motor Co Ltd 内燃機関
JP2010236499A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Honda Motor Co Ltd クランクケース内の機器配置構造
JP2011185191A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Honda Motor Co Ltd 内燃機関のケースカバー構造
JP2014196681A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 本田技研工業株式会社 内燃機関のクランクケース構造
JP2015113784A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 川崎重工業株式会社 車輌用エンジン及び該エンジンを備えた自動二輪車
JP2017180104A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 本田技研工業株式会社 パワーユニット
JP2018168822A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両用内燃機関
US10801607B2 (en) 2017-03-30 2020-10-13 Honda Motor Co., Ltd. Internal combustion engine for a saddle riding vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JP3728420B2 (ja) 2005-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7040454B2 (en) Dry-sump lubrication type four-stroke cycle engine
US6823829B1 (en) Dry-sump lubrication type four-stroke cycle engine
US7578277B2 (en) Pump drive structure of water-cooled internal combustion engine
JP4546338B2 (ja) セミドライサンプ式エンジンの潤滑装置
US7559307B2 (en) Oil filter mounting structure in internal combustion engine
JP2007270652A (ja) 内燃機関のブリーザ構造
US7004135B2 (en) Engine starter unit
US7089905B2 (en) Lubricating structure for an engine
JP3668460B2 (ja) ドライサンプ式4サイクルエンジン
JP2010236486A (ja) エンジンのオイル溜め構造
JP4563880B2 (ja) 並列複数気筒エンジン
JP3728420B2 (ja) ドライサンプ式4サイクルエンジン
JP2007009947A (ja) エンジンのミッション潤滑装置
JPH06288466A (ja) 内燃機関のオイル収納構造
JP4163576B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4065751B2 (ja) 4サイクルエンジンのオイル供給経路
JP4612967B2 (ja) 車輌用エンジンの潤滑装置
JP5078806B2 (ja) エンジンの潤滑構造
JP2003293722A (ja) ドライサンプ式4サイクルエンジン
JP2000283271A (ja) 4サイクルエンジンの潤滑構造
JP4031683B2 (ja) ドライサンプ式4サイクルエンジン
JP2779695B2 (ja) 4サイクルエンジンのオイル供給装置
JP2004108236A (ja) 4サイクルエンジンのオイルポンプ
JP4372492B2 (ja) エンジン
JP4073846B2 (ja) エンジンの潤滑構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051003

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081007

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101007

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111007

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111007

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121007

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121007

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131007

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131007

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees