JP2003239017A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

方向性電磁鋼板の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インヒビターを含有しないスラブを、1250℃
未満の低温で加熱した場合に懸念された熱間圧延時の耳
割れの発生を効果的に軽減して、方向性電磁鋼板を歩留
り高く製造する。 【解決手段】 方向性電磁鋼板の製造工程中、インヒビ
ターを含有しないスラブを1250℃未満の低温でスラブ加
熱するに際し、上記スラブ加熱工程におけるそれぞれの
スキッド間隔をDi (m)、粗圧延出側でのスキッド間
隔内における温度差をΔTi (℃)、熱間粗圧延の圧下
率をR(%)とする時、次式(1) Ti ′=ΔTi ×(1−R÷100 )÷Di ---
(1) により計算したTi ′の内の最大値T′を10.0℃/m以下
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として電力用変
圧器等の鉄心材料に用いられる方向性電磁鋼板の製造方
法に関し、特に熱間圧延時における耳割れの有利な軽減
を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、主として変圧器その
他の電気機器の鉄心として用いられ、かかる用途に適合
すべく磁束密度および鉄損等の磁気特性に優れることが
基本的に求められる。そのため、方向性電磁鋼板の製造
の際に重要なことは、いわゆる仕上焼鈍工程において二
次再結晶させる結晶粒の方位を、{110}<001>
方位いわゆるゴス方位に高度に集積させることである。
このような二次再結晶の集積を効果的に促進させる一般
的な技術としては、インヒビターと呼ばれる析出物を使
用する方法がある。
【0003】例えば、特公昭40−15644 号公報には、イ
ンヒビターとしてAlN,MnSを使用する方法が、また特
公昭51−13469 号公報には、インヒビターとしてMnS,
MnSeを使用する方法が開示され、いずれも工業的に実用
化されている。これらとは別に、CuSeとBNを添加する
技術が特公昭58−42244 号公報に、またTi,Zr,V等の
窒化物を使用する方法が特公昭46−40855 号公報に開示
されている。
【0004】これらのインヒビターを用いる方法は、安
定して二次再結晶粒を発達させる上で有用な方法である
が、析出物を微細に分散させなければならないので、熱
延前のスラブ加熱を1300℃以上の高温で行うことが必要
とされる。しかしながら、スラブの高温加熱は、設備コ
ストが嵩むことの他、熱延時に生成するスケール量も増
大することから歩留りが低下し、また設備のメンテナン
スが煩雑になる等の問題がある。
【0005】これに対して、インヒビターを使用しない
で方向性電磁鋼板を製造する方法が、特開昭64−55339
号、特開平2−57635 号、特開平7−76732 号および特
開平7−197126号各公報に開示されている。これらの技
術に共通していることは、表面エネルギーを駆動力とし
て{110}面を優先的に成長させることを意図してい
ることである。表面エネルギーを有効に利用するために
は、表面の寄与を大きくするために板厚を薄くすること
が必然的に要求される。例えば、特開昭64−55339 号公
報に開示の技術では板厚が 0.2mm以下に、また特開平2
−57635 号公報に開示の技術では板厚が0.15mm以下に、
それぞれ制限されている。しかしながら、現在使用され
ている方向性電磁鋼板の板厚は0.20mm以上がほとんどで
あるため、上記したような表面エネルギーを利用した方
法で通常の方向性電磁鋼板を製造することは難しい。
【0006】さらに、表面エネルギーを利用するために
は、表面酸化物の生成を抑制した状態で高温の最終仕上
焼鈍を行わなければならない。例えば、特開昭64−5533
9 号公報に開示の技術では、1180℃以上の温度で、しか
も最終仕上焼鈍の雰囲気として、真空または不活性ガ
ス、あるいは水素ガスまたは水素ガスと窒素ガスの混合
ガスを使用することが要求されている。また、特開平2
−57635 号公報に開示の技術では、 950〜1100℃の温度
で、不活性ガス雰囲気あるいは水素ガスまたは水素ガス
と不活性ガスの混合雰囲気を使用し、しかもこれらを減
圧することが推奨されている。さらに、特開平7−1971
26号公報に開示の技術では、1000〜1300℃の温度で酸素
分圧が0.5 Pa以下の非酸化性雰囲気中または真空中で最
終仕上焼鈍を行うことが記載されている。
【0007】このように、表面エネルギーを利用して良
好な磁気特性を得ようとすると、最終仕上焼鈍の雰囲気
は不活性ガスや水素ガスが必要とされ、また推奨される
条件として真空とすることが要求されるけれども、高温
と真空の両立は設備的には極めて難しく、またコスト高
ともなる。
【0008】さらに、表面エネルギーを利用した場合に
は、原理的には{110}面の選択のみが可能であるに
すぎず、圧延方向に<001>方向が揃ったゴス粒の成
長が選択されるわけではない。方向性電磁鋼板は、圧延
方向に磁化容易軸<001>を揃えてこそ磁気特性が向
上するので、{110}面の選択のみでは原理的に良好
な磁気特性は得られない。そのため、表面エネルギーを
利用する方法で良好な磁気特性を得ることができる圧延
条件や焼鈍条件は極めて限られたものとなり、その結
果、得られる磁気特性は不安定とならざるを得ない。
【0009】またさらに、表面エネルギーを利用する方
法では、表面酸化層の形成を抑制して最終仕上焼鈍を行
わねばならず、たとえばMgO のような焼鈍分離剤を塗布
焼鈍することができないので、最終仕上焼鈍後に通常の
方向性電磁鋼板と同様な酸化物被膜を形成することはで
きない。例えば、フォルステライト被膜は、焼鈍分離剤
としてMgO を主成分として塗布した時に形成される被膜
であるが、この被膜は鋼板表面に張力を与えるだけでな
く、その上にさらに塗布焼き付けられるリン酸塩を主体
とする絶縁張力コーティングの密着性を確保する機能を
担っている。従って、かようなフォルステライト被膜が
ない場合には鉄損は大幅に劣化する。
【0010】その他にも、インヒビター成分を使用しな
いで、熱延圧下率を30%以上、熱延板厚を 1.5mm以下と
することによって二次再結晶させる技術が、特開平11−
61263 号公報で提案されているが、この技術で得られる
ゴス方位の集積度は、従来のインヒビターを使用する技
術に比較すると、低いものでしかなかった。
【0011】この点、発明者らは、上記したような、熱
延前の高温スラブ加熱に付随する問題点を回避したイン
ヒビターを使用しない製造技術であって、しかもインヒ
ビターを使用せず、表面エネルギーを利用する方法に必
然的に付随する、鋼板板厚が限定されるという問題点を
も解決した、方向性電磁鋼板の新規な製造技術を開発
し、特開2000−129356号公報において提案した。
【0012】従来のインヒビターを利用する方法では、
前述したとおり、スラブを高温で加熱することが必要で
あったが、特開2000−129356号公報に記載の技術では、
インヒビター成分を含有しないので、かならずしも高温
でスラブ加熱を行う必要がなく、従来より低コストで方
向性電磁鋼板を製造することが可能である。
【0013】このように、最近では、方向性電磁鋼板の
製造に際しては、磁気特性に加えて、製品を安価に供給
することが強く望まれており、設備面での低コスト化に
加え、製品自体の歩留りを向上させることが重要な課題
となっている。そして、このような歩留り向上という観
点からは、熱延板エッジ部の耳割れ発生を如何に防止す
るかが重要な課題である。
【0014】方向性電磁鋼板製造時の熱間圧延工程にお
ける耳割れを防止する技術については、例えば特開昭55
−62124 号公報には、一方向性珪素鋼連鋳片の熱間圧延
工程において、仕上圧延開始温度と仕上圧延終了温度と
の差、すなわち熱間仕上圧延中での温度降下を 220℃以
下に制御する一方向性珪素鋼板の熱間圧延方法が開示さ
れている。また、特開昭60−145204号公報、特開昭60−
200916号公報、特開昭61−71104号公報、特開昭62−196
328号公報および特開平5−138207号公報には、熱間圧
延中のシートバーの側面の形状を整えることで耳割れを
防止した方向性けい素鋼の熱間圧延方法が開示されてい
る。これらの技術は、スラブの高温加熱により粗大に成
長した結晶の粒界部でノッチ状の凹部が生じ、これが耳
割れの起点となることから、側面の形状を整えることに
よって耳割れの防止を図るものである。
【0015】その他、特開昭54−31024 号公報に記載さ
れた熱間粗圧延の最終圧下率を規制する方法、特開平3
−133501号公報に記載されたスラブ加熱後に幅圧下、水
平圧下を施す方法、特開平3−243244号公報に記載され
たスラブ鋳込み組織を制御する方法および特開昭61−38
37号公報に記載されたスラブ断面形状を特殊形状にする
方法が提案されている。さらに、特開昭60−200916号公
報には、スラブを加熱したのち、熱間粗圧延段階で5〜
40%の幅圧下を施して耳割れを防止する方向性けい素鋼
板の製造方法が提案されている。
【0016】しかしながら、これらの耳割れ低減技術
は、1250℃以上の高温でのスラブ加熱を前提としてお
り、1250℃未満の低温でのスラブ加熱に適用した場合に
は、耳割れ低減の効果はほとんど認められなかった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を有利に解決するもので、インヒビターを含有しないス
ラブを、1250℃未満の低温で加熱した場合に懸念された
熱間圧延時の耳割れの発生を、効果的に軽減して、方向
性電磁鋼板を歩留り高く製造することができる方向性電
磁鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の解明経緯
について説明する。さて、発明者らは、ゴス方位粒が二
次再結晶する機構について鋭意研究を重ねた結果、一次
再結晶組織における方位差角が20〜45°である粒界が重
要な役割を果たしていることを発見し、Acta Material
45巻(1997)1285頁に報告した。
【0019】図1は、方向性電磁鋼板の一次再結晶組織
における方位差角が20〜45°である粒界の各方位粒に対
する存在頻度(%)であるが、ゴス方位粒が最も高い頻
度を持つ。そして、方位差角が20〜45°の粒界は、C.
G. Dunnらによる実験データ(AIMETransaction 188巻
(1949)368 頁)によれば、高エネルギー粒界である。
この高エネルギー粒界は粒界内の自由空間が大きく乱雑
な構造をしている。粒界拡散は粒界を通じて原子が移動
する過程であるので、粒界中の自由空間の大きい、高エ
ネルギー粒界の方が粒界拡散は速い。二次再結晶は、イ
ンヒビターと呼ばれる析出物の拡散律速による成長に伴
って発現することが知られている。高エネルギー粒界上
の析出物は、仕上焼鈍中に優先的に粗大化が進行するの
で、優先的にピン止めがはずれて粒界移動を開始し、ゴ
ス粒が成長する機構を示した。
【0020】発明者らは、この研究をさらに発展させ
て、ゴス方位粒の二次再結晶の本質的要因は、一次再結
晶組織中の高エネルギー粒界の分布状態にあり、インヒ
ビターの役割は、高エネルギー粒界と他の粒界の移動速
度差を生じさせることにあることを見い出した。従っ
て、この理論に従えば、インヒビターを用いなくとも、
粒界の移動速度差を生じさせることができれば、二次再
結晶させることが可能となる。
【0021】さて、鋼中に存在する不純物元素は、粒界
とくに高エネルギー粒界に偏析し易いため、不純物元素
を多く含む場合には、高エネルギー粒界と他の粒界の移
動速度に差がなくなっているものと考えられる。この
点、素材の高純度化によって、上記したような不純物元
素の影響を排除することができれば、高エネルギー粒界
の構造に依存する本来的な移動速度差が顕在化して、ゴ
ス方位粒の二次再結晶が可能になるものと考えられる。
【0022】さらに、粒界移動速度差を利用して安定し
た二次再結晶を可能とするためには、一次再結晶組織を
できる限り均一な粒径分布に保つことが肝要である。と
いうのは、均一な粒径分布が保たれている場合には、ゴ
ス方位粒以外の結晶粒は粒界移動速度の小さい低エネル
ギー粒界の頻度が大きいため、粒成長が抑制されている
状態、いわゆるTexture Inhibition効果の発揮により、
粒界移動速度が大きい高エネルギー粒界の頻度が最大で
あるゴス方位粒の選択的粒成長としての二次再結晶が進
行するからである。これに対し、粒径分布が一様でない
場合には、隣接する結晶粒同士の粒径差を駆動力とする
正常粒成長が起こるため、粒界移動速度差と異なる要因
で成長する結晶粒が選択されるために、Texture Inhibi
tion効果が発揮されずに、ゴス方位粒の選択的粒成長が
起こらなくなる。
【0023】ところが、工業生産の上では、インヒビタ
ー成分を完全に除去することは実用上困難なので、不可
避的に含有されてしまうが、熱延前のスラブ加熱温度が
高い場合には、加熱後に固溶した微量不純物としてのイ
ンヒビター成分が熱延時に不均一に微細析出する結果、
粒界移動が局所的に抑制されて粒径分布が極めて不均一
になり、二次再結晶の発達が阻害される。そのためイン
ヒビター成分を低減することが第一であるが、不可避的
に混入する微量のインヒビター成分の微細析出を回避し
て無害化するためには、熱延前のスラブ加熱温度を圧延
可能な範囲で、できる限り低めに抑えることが有効であ
る。
【0024】この技術は、結晶粒界における析出物や不
純物を排除する点で従来の二次再結晶手法と全く逆の思
想であり、また表面エネルギーを利用する技術とも異な
るので、仮に鋼板表面に酸化物が存在していても良好に
二次再結晶を生じさせることができる。
【0025】しかしながら、スラブ加熱温度を低くする
ことにより、熱延で耳割れ発生の頻度が高まり、さらに
その深さも増大するという新たな問題が生じた。すなわ
ち、インヒビター元素を含有しないスラブを、ガス燃焼
炉で加熱後、熱延した場合、スラブ加熱温度が1250℃以
上と高い場合には耳割れはほとんど発生しなかったが、
スラブの加熱温度が1250℃未満と低い場合には耳割れが
発生したのである。
【0026】またこの耳割れは、長手方向に周期的に発
生しており、その熱延板での間隔は、ガス燃焼炉におけ
るスキッド間隔に対応していた。すなわち、熱延後の鋼
板において耳割れが発生する間隔は、ガス燃焼炉のスキ
ッド位置に対応する間隔である(スキッド間隔×熱延板
長さ/スラブ長さ)にほぼ等しかった。
【0027】この耳割れの主要因は、スラブ加熱温度が
高い場合には発生しないことから、インヒビターを含有
し、スラブ加熱温度を高くした従来の方向性電磁鋼板の
熱延における耳割れとは異なる機構で生じていると考え
られる。
【0028】そこで、発明者らはまず、この耳割れは、
熱延時における鋼板温度の低下が原因であると考え、特
開平9−70602 号公報に記載されているように耳割れは
仕上圧延の前段で発生していると推測し、スラブの粗圧
延材(以後シートバーと呼ぶ)の温度と耳割れとの関係
について調査を行った。その結果、シートバーの温度
は、長手方向先端部から後端部にかけて徐々に低下する
なかで、スキッド間隔に対応した間隔で上下していた。
そのため、長手方向先端部におけるスキッド間隔部での
最低温度は、長手方向後端部におけるスキッド間隔部で
の最高温度よりも高かった。しかしながら、耳割れは、
長手方向全長にわたってスキツド間隔に対応した間隔
で、同じ様に発生していた。この結果から、耳割れが発
生する原因は、単に鋼板温度が低下したことだけによる
ものではないことが判った。
【0029】次に、スラブを縦に載置して加熱する縦型
誘導加熱炉を用いて、スキッド間隔を変更する実験を行
つた。この場合、縦型誘導加熱炉内で下側になった板幅
端部がスキッドの影響を大きく受けて、耳割れが発生し
易くなる。ここで、加熱後のスラブを粗圧延した際のシ
ートバー厚は一定として熱間仕上圧延を行い、得られた
熱延板の耳割れ発生状況を調査した。その結果、スラブ
加熱時のスキッド間隔が広いと耳割れが発生し難くなる
ことが分かった。すなわち、スキッド間隔内での最大温
度と最低温度(通常はスキッド部に相当)がほぼ同じで
も、スキッド間隔が広いとスキッド部での耳割れの発生
は低減した。この結果から、耳割れの発生は、エッジ部
長手方向でのスキッド部近傍の温度勾配に関係している
ことが考えられた。
【0030】そこで、前述したとおり、耳割れは仕上圧
延の前段で発生しているとの推測から、仕上圧延直前に
おいて、スキッドに対応した位置の間隔を変更する実験
を試みた。この間隔の変更は、粗圧延による圧下率を変
更して、シートバーの厚さを変更することによって行っ
た。なお、エッジ部長手方向でのスキッド対応位置近傍
の温度勾配は、シートバー厚さが薄くなるほど緩やかな
ものとなる。仕上圧延後の熱延板を調べた結果、シート
バー厚さが薄い場合、すなわち、シートバーにおけるス
キッドに対応した間隔を長くした場合に、耳割れの発生
が低減することが判明した。つまり、方向性電磁鋼スラ
ブを、熱間圧延して熱延板とするに際し、仕上圧延直前
のシートバーにおける長手方向の温度勾配を小さくする
ことによって、耳割れが改善されることが明らかとなっ
たのである。
【0031】この理由は明らかではないが、次のように
考えられる。変形抵抗の多くの経験式は、下式で表され
る。
【数1】 ここで、σは変形抵抗、εは歪、
【外1】 は歪速度、Tは温度、CとAは定数である。この式を温
度で微分すると、
【数2】 となる。すなわち、長手方向の変形抵抗の変化は、同じ
温度変化なら、低温の方が大きくなる。従って、長手方
向の温度勾配による変形抵抗の変化が、スラブ低温加熱
ではより大きいものなり、耳割れが頻繁に発生するよう
になったものと考えられる。
【0032】また、長手方向の温度勾配は、あまり圧下
されていない、つまり長手方向に伸ばされていない場合
の方が大きいので、粗圧延時の方が変形抵抗の勾配は大
きい。従って、粗圧延中に、板厚が厚いために耳割れと
ならなくとも、耳割れの起点となる亀裂は生じていると
考えられる。このことも、粗圧延が低温となるスラブ低
温加熱において耳割れが発生し易くなった一因と考えら
れる。
【0033】一方、仕上圧延の後段では、さらに圧延温
度が低くなるが、十分に長手方向に伸ばされ、スキッド
間隔に対応する長さも十分に長くなるため、長手方向の
温度勾配は小さくなり、上述の機構による耳割れが発生
し難くなると考えられる。従って、本発明のように低温
でスラブ加熱を行う場合、耳割れが最も発生し易い段階
は、熱延の途中である仕上圧延の前段であり、この段階
でエッジ部長手方向、特にスキッド対応位置近傍での温
度勾配を緩やかにすることにより、耳割れの発生が抑制
されたものと考えられる。
【0034】なお、本発明のように、インヒビターを含
有しない場合、たとえスラブを低温で加熱したとして
も、スラブ加熱後に結晶の成長は抑制されずに粒径が粗
大化してしまう。これが、前述した機構による耳割れの
発生をさらに助長し、耳割れの発生が増加したものと考
えられる。以上から、耳割れを低減するためには、シー
トバーにおける長手方向の温度勾配を小さくすることが
重要である。本発明は、上記した知見に基づき、さらに
検討を加えて完成されたものである。
【0035】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.質量%で、C:0.080 %以下, Si:2.0 〜8.0 %及
びMn:0.005 〜3.0 %を含み、Alを 100 ppm未満、N,
S, Seをそれぞれ 50ppm以下に低減した組成になる鋼ス
ラブを、1250℃未満の温度に加熱したのち、熱間圧延
し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、1回または
中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行い、ついで脱炭
焼鈍後、必要に応じて焼鈍分離剤を塗布してから、最終
仕上焼鈍を施す一連の工程によって方向性電磁鋼板を製
造するに際し、上記スラブ加熱工程におけるそれぞれの
スキッド間隔をDi (m)、粗圧延出側でのスキッド間
隔内における温度差をΔTi (℃)、熱間粗圧延の圧下
率をR(%)とする時、次式(1) Ti ′=ΔTi ×(1−R÷100 )÷Di --- (1) により計算したTi ′の内の最大値T′を10.0℃/m以下
とすることを特徴とする、方向性電磁鋼板の製造方法。
【0036】2.上記1において、鋼スラブが、質量%
でさらに、Ni:0.005 〜1.50%、Sn:0.01〜0.50%、S
b:0.005 〜0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.005 〜
0.50%およびCr:0.01〜1.50%のうちから選んだ1種ま
たは2種以上を含有する組成になることを特徴とする方
向性電磁鋼板の製造方法。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。まず、本発明において、素材であるスラブの成分組
成を上記の範囲に限定した理由について説明する。な
お、成分に関する「%」表示は特に断らない限り質量%
(mass%)を意味する。 C:0.080 %以下 C量が 0.080%を超えると、磁気時効の起こらない 50p
pm以下まで低減することが困難になるので、Cは 0.080
%以下に制限した。 Si:2.0 〜8.0 % Siは、鋼の比抵抗を高めて鉄損を低減する有効成分であ
るが、含有量が 8.0%を超えると冷延性が損なわれ、一
方 2.0%に満たないと高い比抵抗が得られず、十分な鉄
損低減効果が得られないので、Si量は 2.0〜8.0 %の範
囲に限定した。 Mn:0.005 〜3.0 % Mnは、熱間加工性を改善するために有用な元素である
が、含有量が 0.005%未満ではその添加効果に乏しく、
一方 3.0%を超えると磁束密度の低下を招くので、Mn量
は 0.005〜3.0 %の範囲とする。
【0038】Al:100 ppm 未満、N, S, Seはそれぞれ
50ppm以下 また、不純物元素であるAlは 100 ppm未満、N, S, Se
についても 50ppm以下、好ましくは 30ppm以下に低減す
ることが、良好に二次再結晶させる上で不可欠である。
その他、窒化物形成元素であるTi, Nb, B, Ta, V等に
ついても、それぞれ 50ppm以下に低減することが鉄損の
劣化を防止し、良好な加工性を確保する上で有効であ
る。
【0039】以上、必須成分および抑制成分について説
明したが、本発明では、その他にも以下に述べる元素を
適宜含有させることができる。 Ni:0.005 〜1.50%、Sn:0.01〜0.50%、Sb:0.005 〜
0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.005 〜0.50%、Cr:
0.01〜1.50%のうちから選んだ少なくとも1種 Niは、熱延板組織を改善して磁気特性を向上させる有用
元素である。しかしながら、含有量が 0.005%未満では
磁気特性の向上量が小さく、一方1.50%を超えると二次
再結晶が不安定になり磁気特性が劣化するので、Ni量は
0.005〜1.50%とした。また、Sn,Sb,Cu, P, Crはそ
れぞれ、鉄損の向上に有用な元素であるが、いずれも上
記範囲の下限値に満たないと鉄損の向上効果が小さく、
一方上限量を超えると二次再結晶粒の発達が阻害される
ので、それぞれSn:0.01〜0.50%,Sb:0.005 〜0.50
%,Cu:0.01〜1.50%,P:0.005 〜0.50%,Cr:0.01
〜1.5 %の範囲で含有させる。
【0040】次に、本発明の製造工程について説明す
る。上記の好適成分組成に調整した溶鋼を、転炉、電気
炉などを用いる公知の方法で精錬し、必要があれば真空
処理などを施したのち、通常の造塊法や連続鋳造法を用
いてスラブを製造する。また、直接鋳造法を用いて 100
mm以下の厚さの薄鋳片を直接製造してもよい。
【0041】スラブは通常の方法で加熱したのち、熱間
圧延に供する。この際、スラブ加熱温度は1250℃未満と
することが重要である。というのは、結晶組織の微細化
および不可避的に混入するインヒビター成分の弊害を無
害化して、均一な粒径の一次再結晶組織を実現するため
には、スラブ加熱温度の低温化が必要だからである。ま
た、熱間圧延前のスラブ加熱温度を1250℃未満に抑える
ことにより、熱延時に生成するスケール量を低減するこ
ともできる。
【0042】スラブ加熱は、ガス燃焼炉または電気式加
熱炉あるいはその両方を用いてよい。加熱炉で加熱した
スラブは、熱間粗圧延を行い、引き続き熱間仕上圧延を
行って熱延板とする。この時、熱延による耳割れを防止
するには、シートバーの長手方向の温度勾配を小さくす
ることが重要である。この温度勾配は、主に加熱炉にお
けるスキッドが原因となる。
【0043】従って、熱延時における耳割れを防止する
には、シートバーの温度勾配を規制するべきであるが、
実際のシートバーの長手方向の測温は放射温度計等によ
り行われ、そのため表面のスケール等の影響を受けて、
スキッド間隔に対応した長さよりもかなり小さい周期で
測温データは変動してしまう。このため、正確な温度勾
配を求めるのは事実上不可能である。
【0044】そこで、本発明では、次に述べるように規
制することとした。下述の方法により、シートバーの温
度は、放射温度計による測温値で十分に把握することが
でき、下述の方法は本発明の特徴でもある。ここで、ス
キッドとは、スラブの加熱に用いた最後の加熱炉におけ
るスラブ抽出直前に5分以上スラブに直接接し、スラブ
を支えていたものを指す。すなわち、スラブ抽出のため
に用いる移動式ビーム等はスキッドとはみなさない。ま
た、スラブとスキッドの接触面積が大きい場合は、その
中心をスキッドの位置とする。
【0045】まず、スラブの圧延方向先端からのスキッ
ドの位置を、それぞれA12 ---An とする(nはス
キッドの本数)。また、A0 =0,An+1 =スラブ長
さ、とする。それぞれのi番目のスキッドの間隔は、D
i =(Ai+1 −Ai-1)÷2とする(i=1,2,---
n)。また、シートバーに対応するスキッドの位置とし
て、ai =α×Ai (i=1,2,--- n)とする。こ
こで、αは(シートバーの長さ÷スラブの長さ)であ
る。粗圧延の圧下率、すなわち100 ×(スラブの厚さ−
シートバーの厚さ)÷スラブの厚さをRとすれば、αは
粗圧延中における幅圧下により多少ずれるものの、(1
÷(1−R÷100)) にほぼ等しくなる。i番目のスキッ
ド(i =1,2,--- n)における温度差ΔTi をai
−(a i −ai-1 )×3÷4と、ai +(ai+1 −a
i )×3÷4の区間におけるシートバーの温度の最大値
と最小値の差とする。上記の関係を図1に図解する。
【0046】さて、n本のスキッドに対して、次式(1) Ti ′=ΔTi ×(1−R÷100 )÷Di --- (1) を計算し、その中の最大値をT′とする。そして、耳割
れを防止するためには、温度勾配の指標であるTi ′の
最大値T′について、次式の関係を満足するように制御
する。 T′≦10.0(℃/m )
【0047】上記の条件を満たすためには、加熱炉のス
キッド間隔を変更する、加熱炉のスキッド部とその間の
温度差を小さくする、粗圧延の圧下率を大きくする等の
方法がある。シートバーの温度は、粗圧延中の温度勾配
も耳割れに影響を与えられていると考えられるので、粗
圧延直後の温度とする。また、シートバーの測温位置
は、幅方向最端部から100mm の間のどこでも良いが、長
手方向各々の測温位置について、幅方向最端部から測温
位置までの距離は同一とする。また、測温方法は、放射
温度計でよく、特に規定はしない。重要なのは、長手方
向における温度差ΔTである。このような方法で製造さ
れた熱延板では、耳割れの発生による切り捨て量が少な
く製品歩留りが顕著に向上する。
【0048】ついで、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。
ゴス組織を製品板において高度に発達させるためには、
熱延板焼鈍温度は 800〜1100℃の範囲が好適である。と
いうのは、熱延板焼鈍温度が 800℃未満では熱延でのバ
ンド組織が残留し、整粒の一次再結晶組織を実現するこ
とが困難になる結果、二次再結晶の発達が阻害され、一
方熱延板焼鈍温度が1100℃を超えると、不可避的に混入
するインヒビター成分が固溶し冷却時に不均一に再析出
するために、整粒一次再結晶組繊を実現することが困難
となり、やはり二次再結晶の発達が阻害されるからであ
る。また、熱延板焼鈍温度が1100℃を超えると、熱延板
焼鈍後の粒径が粗大化しすぎることも、整粒の一次再結
晶組織を実現する上で極めて不利である。
【0049】熱延板焼鈍後、1回または中間焼鈍を挟む
2回以上の冷間圧延を施したのち、脱炭焼鈍を施して、
Cを磁気時効の起こらない 50ppm以下好ましくは 30ppm
以下まで低減する。なお、上記の冷間圧延において、圧
延温度を 100〜250 ℃に上昇させて圧延を行うことや、
冷間圧延の途中で 100〜250 ℃の範囲での時効処理を1
回または複数回行うことが、ゴス組織を発達させる上で
有効である。
【0050】最終冷延後の脱炭焼鈍は、湿潤雰囲気を使
用して 700〜1000℃の温度で行うことが好適である。ま
た、脱炭焼鈍後に浸珪法によってにSi量を増加させる技
術を併用してもよい。その後、必要に応じて焼鈍分離剤
を適用して、最終仕上焼鈍を施すことにより二次再結晶
組織を発達させる。最終仕上げ焼鈍は、二次再結晶発現
のために 800℃以上で行う必要があるが、800 ℃までの
加熱速度は磁気特性に大きな影響を与えないので任意の
条件でよい。
【0051】その後、平坦化焼鈍を施して形状を矯正す
る。ついで、上記の平坦化焼鈍後、鉄損の改善を目的と
して、鋼板表面に張力を付与する絶縁コーティングを施
すことが有利である。さらに、公知の磁区細分化技術を
適用できることはいうまでもない。
【0052】
【実施例】実施例1 表1に鋼記号A,B,Cで示す組成になる溶鋼からそれ
ぞれ、厚さ:180 mm,210 mm,240 mmのスラブを連続鋳
造により製造した。ついで、これらスラブを、ガス燃焼
炉で1200℃に加熱したのち、粗圧延でシートバーとし、
引き続き仕上圧延により2.4 mm厚の熱延板とした。その
際、加熱炉のスキッド間隔、粗圧延圧下率等は、表2に
示すとおりとした。なお、No.1〜9はスキッド間隔およ
びスラブ厚さを変更することにより、 No.10〜12はシー
トバー厚さを変更することにより、 No.13〜15は温度差
ΔTを変更することにより、それぞれT′を変化させ
た。また、シートバーの温度は、幅端部から20mmの位置
で長手方向に測温した。得られた熱延板の耳割れ最大深
さについて調べた結果を、表2に併記する。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表2から明らかなように、T′を10℃/m
以下とした発明例はいずれも、耳割れ最大深さが5mm以
下と耳割れの発生が格段に軽減されている。これに対
し、T′が10.0℃/m を超える比較例はいずれも、最大
深さが10mmを超える耳割れの発生を余儀なくされた。
【0056】実施例2 表1に鋼記号A〜Vで示す組成になる溶鋼からそれぞ
れ、厚さ:220 mmのスラブを連続鋳造により製造した。
ついで、これらスラブを、ガス燃焼炉で1180℃に加熱し
たのち、粗圧延により厚さ:40mmのシートバーとし、引
き続き仕上圧延により厚さ:2.3 mmの熱延板とし、コイ
ル状に巻き取った。また、鋼記号Dのスラブについて、
ガス燃焼炉で1180℃に加熱したのち、さらに誘導加熱炉
で1350℃に加熱し、その後同様の熱延を行って比較例と
した。なお、この時の全てのスラブ熱延において、T′
は10.0℃/m 以下とした。その結果、耳割れ最大深さは
全ての熱延板において5mm以下であった。
【0057】次に、これらの全ての熱延板に1000℃、30
秒間の熱延板焼鈍を施し、35℃/sの速度で急冷後、酸洗
し、ついで 240℃の温間圧延で0.34mm厚に仕上げた。そ
の後、脱脂処理を施したのち、H2:50 vol%、N2:50 v
ol%、露点:57℃の雰囲気中にて、 840℃, 2分間の脱
炭焼鈍を施した。ついで、MgOにTiO2を5mass%添加し
た焼鈍分離剤を、鋼板の両面に、片面当たり8g/m2塗布
してから、最終仕上焼鈍として、N2ガス中にて 850℃に
48時間保持したのち、 900℃まで5℃/hの速度で昇温
し、その後雰囲気ガスをN2ガスからH2ガスに変更して25
℃/hの速度で1120℃まで昇温し、さらに雰囲気ガスをH2
ガスからN2:25 vol%、H2:75 vol%の混合ガスに変更
して25℃/hの速度で1190℃まで昇温し、ついでH2ガスに
変更したのち1190℃で8時間保持後、 600℃までH2ガス
中で降温し、 600℃からはArガス中で降温する、処理を
行った。上記の最終仕上焼鈍後、未反応の焼鈍分離剤を
除去してから、50%のコロイダルシリカを含有するリン
酸マグネシウムを張力コーティングとして塗布した後、
840 ℃で30秒間焼き付けて製品板とした。かくして得ら
れた製品板について、磁束密度B8 および鉄損W17/50
を測定すると共に、被膜密着性を評価した。なお、被膜
密着性は、曲げ剥離径(鋼板を丸棒に巻きつけて被膜が
剥離しない最小の曲げ径)にて評価した。その結果を表
3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】同表に示したとおり、インヒビター元素を
本発明の上限を超えて含有する鋼記号Q〜Vおよび1350
℃にスラブ加熱した記号Dはいずれも、磁気特性が劣化
していた。これに対し、成分組成およびスラブ加熱温度
が本発明の適正範囲を満足する鋼記号A〜Pはいずれ
も、磁気特性および被膜特性とも良好であった。
【0060】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、方向性電磁
鋼板の製造に際し、スラブ加熱温度を1250℃未満に抑制
した場合に熱間圧延工程で懸念された耳割れの発生を効
果的に軽減することができ、ひいてはかかる耳割れに起
因した端部切り捨て量を格段に低減して、製品歩留りを
飛躍的に向上させることができ、産業上極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 方向性電磁鋼板の一次再結晶組織における方
位差角が20〜45°である粒界の各方位粒に対する存在頻
度(%)を示した図である。
【図2】 温度差ΔTi の算出要領説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/60 C22C 38/60 (72)発明者 早川 康之 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 黒沢 光正 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4K033 AA02 FA01 FA05 FA12 HA01 HA03 JA01 JA04 JA07 LA00 5E041 AA02 CA02 NN01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.080 %以下, Si:2.0
    〜8.0 %及びMn:0.005〜3.0 %を含み、Alを 100 ppm
    未満、N, S, Seをそれぞれ 50ppm以下に低減した組成
    になる鋼スラブを、1250℃未満の温度に加熱したのち、
    熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍を行ったのち、1
    回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行い、つ
    いで脱炭焼鈍後、必要に応じて焼鈍分離剤を塗布してか
    ら、最終仕上焼鈍を施す一連の工程によって方向性電磁
    鋼板を製造するに際し、 上記スラブ加熱工程におけるそれぞれのスキッド間隔を
    i (m)、粗圧延出側でのスキッド間隔内における温
    度差をΔTi (℃)、熱間粗圧延の圧下率をR(%)と
    する時、次式(1) Ti ′=ΔTi ×(1−R÷100 )÷Di --- (1) により計算したTi ′の内の最大値T′を10.0℃/m以下
    とすることを特徴とする、方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、鋼スラブが、質量%
    でさらに、Ni:0.005 〜1.50%、Sn:0.01〜0.50%、S
    b:0.005 〜0.50%、Cu:0.01〜1.50%、P:0.005 〜
    0.50%およびCr:0.01〜1.50%のうちから選んだ1種ま
    たは2種以上を含有する組成になることを特徴とする方
    向性電磁鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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