JP4276612B2 - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、磁気特性の品位安定性に優れていることと同時に、生産性特に酸洗性に優れた高級無方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。
電磁気というやや分かりにくい現象が研究され始めたのは、19世紀のM.Faradayに始まるのであろうか、長い技術史の中ではそう古いことではない。しかしながら近年、電磁気を利用した色々な産業機器や家庭用製品が開発され、極めて急速にその用途が拡大し、使用量が増え続けている。そして、地球資源に限りがあるとの現代認識の中で、モータコアや小型トランスコアに利用される無方向性電磁鋼板の分野においても高効率すなわち高級品化が求められている。つまり、製鉄業における無方向性電磁鋼板の分野では、高級品位のものを安定的に、さらに省資源や省エネルギー型で造ることがますます必要になっている。
無方向性電磁鋼板の製品組織は1次再結晶組織であり、内部歪みが少ない粗粒の磁性が優れている。このため製鋼以降の冶金的意味あいは、1次再結晶焼鈍における粒成長を行わせるべく、微細析出物によるピン止め効果をいかに排除するかである。このピン止め力が鋼板の場所によってばらついたりすると、コイル内での磁性が不安定となり、磁性品位としても、また品質管理上も重要な問題となる。特に、スラブ加熱段階でのスラブ長さ方向の周期的な偏熱によるスキッドマークと呼ばれる鉄損劣化が課題であった。
このスキッドマークは、スラブを支持するスキッド上では低温であって、スキッドとスキッドの中央が高温となることから析出物の固溶量差が生じ、熱間圧延後で析出サイズや量が変わり、最終の連続焼鈍においてもこの影響が残って、製品組織である結晶粒径がスキッド上とスキッド間とで大きく異なって、鉄損値が長さ方向でスキッド本数の山、谷にうねるようになる現象であることが知られていた。
従来このスキッドマークに対応する技術としては、特許文献1が知られている。すなわち、スラブ加熱炉の低温部であるスキッド上のTiCやTiN析出による磁性劣化、すなわちスキッドマークが生じる。スキッドマークを防止するためにスラブ加熱温度を上昇させるが、そのとき固溶して弊害となる元素、C,N,S,Zr,V,Nbなどを低い水準に規制して無害化する技術である。しかしながら、スラブ加熱温度の上昇は鉄損の絶対値を劣化させるので、最高級品レベルの鉄損は得られなくなるし、またZr,V,Nbなどを成分規制してもスキッドマークは完全には無くならなかった。従って、全く別な角度から攻めて、スキッドマークを抜本解決することが求められていた。
また、省工程型の技術として特許文献2が開示されている。この方法は、熱延での仕上温度を1000℃以上とすると共に、熱間仕上圧延後1〜7秒間無注水とすることにより、高温での自己熱により再結晶・粒成長を促進させ、熱延板焼鈍を省略する本発明者らの一部も関係した技術である。しかしながら磁気特性の安定性に欠け、特に製品コイル長さ方向での鉄損が大きく変動する逆スキッドマークがあった。この逆スキッドマークはスキッド上の鉄損が良く、スキッド間が劣化する現象であった。今までこの対策について明快な技術が提示されてこなかった。また、注水時間が1秒以上ではホットランテーブル上での通板性が悪いという問題があった。
特許文献3では、熱延仕上温度を950℃以上として、熱延板焼鈍を省略する技術であるが、S≦0.0015%、Ti≦0.0030%、またはREM,Caなどの添加により磁束密度の改善を得ている。しかしながら、S量やTi量を狭い範囲に規制することは、脱硫コストの増加およびFe−Siなどに含まれるTi量なども規制せざるを得ないため合金コスト高となったし、またREMを添加した場合、熱延板でのスケール構造が変化して酸洗性が劣化する問題があった。
なお特許文献4では、Cu含有系での珪素鋼板の表面疵防止技術として、Sn,Ni,Cr,Vを適量含ませることが公開されている。確かに特許文献4で表面疵は解消されたが、スキッドマークは解決されなかった。
特開平5−140649号公報 特開昭62−61644号公報 特開2004−169141号公報 特開平07−268568号公報
本発明は上記の点に鑑み、1コイル内での磁気特性のばらつきであるスキッドマークを解決して、さらに熱延板焼鈍を省略する無方向性電磁鋼板の製造技術を提供する。
本発明の要旨は次の通りである。
(1)質量%で、
C ≦0.005%、 Si:1.8〜4%、
Mn≦1%、 S :0.0010〜0.0040%、
N ≦0.005%、 Al:0.2〜1%、
REM:0.0005〜0.010%、 Cr:0.02〜0.2%、
Sn:0.01〜0.2%、 Ti:0.0010〜0.0050%、
残部が鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
(2)前記(1)記載の成分組成を有する連続鋳造スラブを、熱延して、熱延板焼鈍してから、冷間圧延、連続焼鈍、歪取焼鈍する工程において、連続焼鈍の温度を1100℃以下とすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(3)前記(1)記載の成分組成を有する連続鋳造スラブを、熱延して、熱延板焼鈍をすることなく冷延して、連続焼鈍する無方向性電磁鋼板の製造工程において、熱間圧延する際に、仕上温度を1000℃以上とし、仕上圧延完了後0.5秒以上無注水とすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、コイル内での磁気特性のばらつきであるスキッドマークを解決し、なおかつ熱延板焼鈍を省略する無方向性電磁鋼板を製造することができる。
本発明のポイントは4点ある。
一つは、スキッドマークであるスキッドによる鉄損劣化は、Ti化合物であるTiの炭窒化物や硫化物(TiC,TiN,TiCN,TiS,Ti4 2 4 など)がスラブ加熱段階で固溶して、熱間圧延段階で微細析出したものである。REM添加により、粗大なオキシサルファイドを形成させ、Sの無害化と同時にTiNをこの粗大なオキシサルファイドに複合析出させることによって、Ti化合物を無害化をさせるとスキッドマークが解決することが分かった。
二点目は、REM添加により酸洗性が劣化した。これは、鋼板表面のS濃度が変化するためと考えられるが、SnとCrの微量添加により、酸洗性の劣化は回避することができることが判明した。また、製品においても酸洗スケール残りがSnとCrの微量添加によって減少し、打ち抜き金型の寿命が延びることが期待された。
三点目は、REMオキシサルファイドに複合析出したTiN以外にもTiは、若干ではあるが固溶または単独での炭窒化物や硫化物の状態で冷延後も存在しており、続く連続焼鈍で高温にした場合、Tiの炭窒化物や硫化物が固溶して、歪取焼鈍でTiCとして粒界に微細析出し鉄損を劣化させることも分かった。
四点目は、これらREM,Sn,Crなどを制御することは、工業的に充分可能なことである。
以下、本発明の限定理由について説明する。
C量は0.005%以下とする。C量が0.005%を超えると磁気時効問題があるため鉄損が増加するためである。また、TiCによる歪取焼鈍後の鉄損劣化もあり、より好ましくは0.004%以下である。
Si量は1.8〜4%に制限する。本発明はスキッドマークの解消を目的としているが、低Siのいわゆる変態系においてはスキッドマークがほとんど認めらないか、又はあっても微弱なので問題とならない。このため、スキッドマークが認められる非変態系の成分に限定するため、1.8%以上のSiとする。また、4%超では脆性問題が生じるので避ける。
Mn量は1%以下とする。Mnは熱間割れを防止する作用があるが、多すぎると添加コストの問題もあるので、1%以下とする。
S量は0.0010〜0.0040%とする。SはREMとオキシサルファイドを形成して、TiNをREMオキシサルファイドに複合析出させるので有効である。この有効となる範囲は0.0010%以上であるが、0.0040%超では硫化物が多すぎて鉄損が劣化し、さらに0.0060%超ではスキッドマークも出るので避けなければならない。
N量は0.005%以下とする。Nは不純物であって、ブリスターと呼ばれるふくれ状の鋼板表面欠陥が生じやすい。この発生限界が0.005%である。
Al量は、0.2〜1%とする。Alは鉄損を小さくするが、0.2%未満では鉄損が不満で、また1%超では添加コストの問題があり避ける。
REM量は0.0005〜0.010%に制限する。REM(希土類元素)は、スキッドマークを解消するのに有効で、0.0005%以上で効果がある。しかし、多すぎると製鋼でのノズル詰まりを引き起こす。この限界が0.010%である。REMの添加タイミングは、SiやAl添加により溶鋼を十分に脱酸した後の方が、REM−OよりもREM−O−Sとなりやすく、TiNとの格子整合性が良くなるので好ましい。なお、REMにはCe,Laなど15種類ほどの元素が知られているが、その性質はほとんど同一なため、REMとしての個々の元素のトータル量を本発明ではREM量と定義している。
Cr量は0.02〜0.2%とする。Crは、Snと共同でREM添加系での熱延スケールを改質して酸洗性を改善する。この改善メカニズムはまだ未解明の部分があるが、Fe母材とスケール境界の結合力をCrとSnが弱め、酸洗前のレベラーやショットブラストによる前処理で、スケールが剥がれやすいためと考えている。0.02%以上で酸洗性の改善が明確となるが、添加コストの問題もあるので0.2%以下とする。
Sn量は0.01〜0.2%とする。Snは、Crと共同でREM添加系での熱延スケールを改質して、酸洗性を改善する。0.01%以上で酸洗性の改善が明確となるが、添加コストの問題もあるので0.2%以下とする。なお、酸洗性の問題はREM添加により生じたもので、REM添加なしでは問題なかった。またCrとSn同時含有が必要で、単独では酸洗性を改善しない。CrとSnとの比率Cr/Snについては、0.2から30程度が酸洗性により好ましい範囲であった。
Ti量は、0.0010〜0.0050%に制限する。Ti量は少ないとスキッドマークが出ない。Ti量が0.0010%未満では、REMを添加しなくてもスキッドマークは出ないので、本発明範囲外とする。また、Ti量を0.0010%未満とすることは、合金の添加コストを上昇させるので避けなければならない。また、Tiが多すぎるとREMを添加しても鉄損が劣化傾向となり、この限界が0.0050%である。このためTi量は、0.0010〜0.0050%とする。なお鉄損改善の意味からは、Ti量は0.0040%以下がより好ましい。
その他の元素として、集合組織を改善するための公知のCu,Niなどを含有しても本発明として有害なものではない。但し添加コストの問題があるので、それぞれ0.3%以下が好ましい。更にコスト面で好ましくはそれぞれ0.2%以下が良い。
製鋼で上記の成分に調整された連続鋳造スラブは、熱間圧延される。
スラブ加熱温度は通常の1050〜1250℃程度であるが、後述の仕上熱延完了温度である仕上温度1000℃以上とする場合はその必要仕上温度を確保すべく、高めの例えば1100℃以上が好ましい。スラブ加熱中に、内部が冷却されているスキッドの上とスキッド間との温度差によって生じる製品コイル長さ方向の周期的磁性劣化がスキッドマークであるため、スラブ加熱での均熱時間を十分に採ることなどにより、スキッドマークは軽減されるが、本質的には解消されない。それに熱延での生産性が著しく阻害されるので避けるべきである。
製鋼での成分調整によって析出物制御を行って、スキッドマークを解決することが重要である。従来技術の特許文献では、低温であるスキッド上の鉄損劣化が問題であった。本発明者らの調査によれば、熱延板焼鈍を実施した場合は、従来の特許文献と同じスキッド上が鉄損劣化したが、熱延仕上温度の高温材では逆の位置関係、すなわちスキッド位置の鉄損が良好で、高温部であるスキッドとスキッドとの中央部近傍の鉄損が劣化する現象となり、本発明ではこの課題も解決する必要があった。
スラブ加熱されてから、通常の粗圧延され仕上圧延され、巻き取られる。熱延板焼鈍を実施する工程においては、仕上圧延温度は通常の700〜950℃程度でよい。しかし熱延板焼鈍しない場合は、仕上圧延温度は1000℃以上である必要がある。また、仕上圧延完了してから注水冷却されるまでの時間(無注水時間)は0.5秒以上必要である。
この仕上圧延温度1000℃以上と無注水時間0.5秒以上との複合条件で、鋼板は自己焼鈍され結晶粒径が粗大となり、熱延板焼鈍を省略することができる。なお、無注水時間は0.5秒以上でよいため、従来の特開昭62−54023公報の1秒以上よりは短時間となり、ホットランテーブルでの通板性が改善された。また、無注水時間は0.5秒以上と短時間となった理由は、REMによる硫化物形態制御のためである。
なお、仕上温度は高くて無注水時間は長い方が磁束密度が高くなるため、より好ましいが、工業的には設備制約などからそれぞれ1150℃、3秒が限界であろう。巻取り温度は通常の500〜700℃が好ましい。
得られた熱延コイルは、熱延板焼鈍を実施するが、上記仕上圧延温度を1000℃以上とし、仕上圧延完了してからの無注水時間を0.5秒以上とした熱延板については、熱延板焼鈍が省略される。熱延板焼鈍は通常の800〜1100℃で時間は10秒〜3分程度である。熱延板焼鈍温度の均一性から、連続焼鈍の方がバッチ焼鈍よりは好ましい。次いでスケールブレイクされ酸洗してから、冷延される。REMを含有する場合、CrとSnを同時に含まれないと酸洗性が劣化するので、本発明範囲のCrとSnは必須である。仕上厚みは通常の0.1〜0.7mmである。
続いて、連続焼鈍し絶縁皮膜が塗布焼付けされる。また、場合によっては顧客でコアへの打ち抜き後に歪取焼鈍が実施される。歪取焼鈍の温度は通常の650〜800℃で均熱時間は30分〜3時間である。この歪取焼鈍が実施される場合は、連続焼鈍温度を1100℃以下とする必要がある。連続焼鈍温度が1100℃を超えると、Tiの炭窒化物や硫化物が固溶して、歪取焼鈍でTiCとして微細析出し鉄損劣化するので、避けなければならない。
以下、実施例に基づいて説明する。
質量%で、表1に示す成分を含有する連続鋳造スラブを1080℃でスラブ加熱してから仕上温度を800℃、無注水時間0.1秒として、2.5mm厚の熱延コイルを製造した。この熱延コイルを900℃、10秒、窒素中で熱延板焼鈍し、酸洗してから、0.35mm厚まで冷延した。次いで、1000℃で5秒間10%水素+90%窒素ガス中で連続焼鈍した。連続鉄損計により測定された1コイル内での連続鉄損チャートでの鉄損の最大値と最小値との差ΔW(スキッドマークの山と谷との最大差に相当する)を測定した。
連続鉄損チャートの平均位置の部分から、エプスタイン試料を採取して、磁気特性を測定してW15/50 とB50として表1に記した。またさらに、冷延前の酸洗性を調べるため、ロール径40mmのレベラ−で表面を0.5%伸ばす前加工処理してから、濃度8%塩酸液、液温87℃中に浸漬し、浸漬時間(酸洗時間)を変更した。残存スケールは鋼板表面からGDS(グロー放電発光分光分析)で分析し、0.5μm厚と判定したものの酸洗時間を表1に記載した。
Figure 0004276612
表1に示すように、本発明の成分範囲を外れるものは、スキッドマークが発生するか酸洗性が劣化して問題であった。実験 No.1〜6ではS量を変更したが、本発明範囲外のS量ではスキッドマークが発生した。実験 No.7〜10では、Al量を変えたが、本発明範囲外では鉄損が不満であった。実験 No.11〜16では、REM量を変更した。本発明のREM成分範囲を外れるものは、スキッドマーク異常が発生した。実験 No.17〜22では、Ti量を変えた。下限未満のTi量では磁性上の問題がなかったが、製鋼でのコスト上の問題があった。また、上限を超えたTi量では鉄損が不満であった。実験 No.23〜32では、本発明範囲で良好な酸洗性が得られることが分かった。
なお、実験 No.29〜31の3種類の連続焼鈍後の鋼板表面について、酸洗残存スケールをGDS測定したが、実験 No.29が0.05μm、実験 No.30が0.03μm、実験 No.31が0.01μmとの結果であった。このため、実験 No.29では顧客でコア打抜き金型の寿命が短く問題であった。顧客でのコアへの打ち抜き金型の寿命延長にもCrとSnとの同時添加が有効である。
実施例1の実験 No.32の冷延板を用いて、ラボで連続焼鈍の焼鈍温度と均熱時間を変更し、次いで歪取焼鈍を750℃で2時間均熱を窒素中で実施した。磁気特性をエプスタイン試料を用いて歪取焼鈍前後で調査した。結果を表2に示す。
Figure 0004276612
連続焼鈍温度が1100℃を超えた実験 No.5〜7では、歪取焼鈍前の鉄損は問題ないが、歪取焼鈍後には鉄損が歪取焼鈍前に比べてほとんど改善しないか劣化し、連続焼鈍温度が1100℃以下の歪取焼鈍後のベストな鉄損W15/50 =2.2W/kg よりも劣化した。また、均熱時間の磁性への影響はほとんど見られず、焼鈍温度で整理できることが分かった。つまり、本発明範囲の成分組成を有する鋼板を歪取焼鈍する場合は、1100℃以下の温度範囲(請求項2の範囲に相当)に連続焼鈍温度を制御すれば、より優れた鉄損特性が得られる。なお、表2の備考の本発明例1は請求項1に相当する例を、また本発明例2とは請求項2に相当する例を示す。
質量%で、0.0022%C、3.0%Si、0.2%Mn、0.0035%S、0.001%N、0.4%Al、0.0045%REM(0.0025%Ce+0.0020%La)、0.05%Cr、0.03%Sn、0.0033%Ti、およびその他の成分として分析すると、0.01%P、0.15%Cu、0.07%Ni、0.001%Nb、0.001%V、0.0003%Sb、0.001%Zr、0.0001%Mgであった連続鋳造スラブを、1250℃でスラブ加熱してから、仕上温度と無注水時間を表3のように変更して、1.7mm厚とし、650℃で巻き取った。
この熱延コイルを酸洗してから、0.50mm厚まで冷延した。次いで、950℃で30秒間10%水素+90%窒素ガス中で連続焼鈍した。エプスタイン試料を採取して、磁気特性を測定してW15/50 とB50として表3に記した。なお、酸洗には全コイルで問題がなく、スキッドマークも発生が認められなかった
Figure 0004276612
本発明範囲の成分を有する連続鋳造スラブを熱延し、熱延板焼鈍を省略する工程を採用する場合は、熱延仕上温度1000℃以上で無注水時間を0.5秒以上とする(請求項3の条件範囲に相当)ことにより、優れた鉄損と磁束密度が得られることが分かる。なお、表1〜3の備考の本発明例1、2、3とは請求項1、2、3に相当する例を示す。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C ≦0.005%、
    Si:1.8〜4%、
    Mn≦1%、
    S :0.0010〜0.0040%、
    N ≦0.005%、
    Al:0.2〜1%、
    REM:0.0005〜0.010%、
    Cr:0.02〜0.2%、
    Sn:0.01〜0.2%、
    Ti:0.0010〜0.0050%、
    残部が鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする無方向性電磁鋼板。
  2. 請求項1記載の成分組成を有する連続鋳造スラブを、熱延して、熱延板焼鈍してから、冷間圧延、連続焼鈍、歪取焼鈍する工程において、連続焼鈍の温度を1100℃以下とすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 請求項1記載の成分組成を有する連続鋳造スラブを、熱延して、熱延板焼鈍をすることなく冷延して、連続焼鈍する無方向性電磁鋼板の製造工程において、熱間圧延する際に、仕上温度を1000℃以上とし、仕上圧延完了後0.5秒以上無注水とすることを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
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