JP2003238556A - 環状サルフェイトの製造方法 - Google Patents

環状サルフェイトの製造方法

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JP2003238556A
JP2003238556A JP2002040953A JP2002040953A JP2003238556A JP 2003238556 A JP2003238556 A JP 2003238556A JP 2002040953 A JP2002040953 A JP 2002040953A JP 2002040953 A JP2002040953 A JP 2002040953A JP 2003238556 A JP2003238556 A JP 2003238556A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的安価で環境に対する負荷の少ない触媒
及び酸化剤を用いて、環状サルフェイトを効率よく製造
する方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、タングステン原子若しくはモ
リブデン原子を有するオキシ酸又はその塩、又はこれら
の過酸化物を触媒として、下記式(1) 【化1】 (式中、Rは2価の炭化水素基を示す)で表される環状
サルファイトを過酸化水素で酸化し、下記式(2) 【化2】 (式中、Rは前記に同じ)で表される環状サルフェイト
を生成させる環状サルフェイトの製造方法に関する。前
記Rは、炭素数1〜6のメチレン鎖を主鎖に有する2価
の炭化水素基であるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品や農薬を中
心とするファインケミストリーの分野で高い利用価値を
有する環状サルフェイトの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】環状サルフェイトは反応性に富んでお
り、有機合成において非常に重要な化合物の一つであ
る。環状サルフェイトは、対応する環状サルファイトの
酸化反応によって得られ、これまで種々の製造方法が報
告されている。
【0003】サルフェイトの製造方法として、例えば、
J.Am.Chem.Soc.,1988年,7538
−7539頁においてRu触媒による酸化方法、J.O
rg.Chem.,1990年,1211−1217頁
において過マンガン酸カリウムを酸化剤として用いる酸
化方法などが報告されている。しかし、これらの酸化方
法に用いられる触媒や酸化剤はRuやMnを含んでいる
ため、高価であったり、環境に対する負荷が大きく、工
業的に有利な方法とは言えない。
【0004】また、CHEMISTRY LETTER
S,1994年,1−4頁やTETRAHEDRON,
2001年,2469−2476頁には、スルフィドを
酸化することによりスルホキシドやスルフォンを得る方
法が報告されている。しかし、これらの方法において
は、基質がスルフィド及びスルホキシドと限定されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的安価
で環境に対する負荷の少ない触媒及び酸化剤を用いて、
環状サルフェイトを効率よく製造する方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、特定の原子を有する
オキシ酸又はその塩などを触媒として用いることによ
り、効率よく環状サルファイトを酸化して環状サルフェ
イトを生成できることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、タングステン原子若
しくはモリブデン原子を有するオキシ酸又はその塩、又
はこれらの過酸化物を触媒として、下記式(1)
【化6】 (式中、Rは2価の炭化水素基を示す)で表される環状
サルファイトを過酸化水素で酸化し、下記式(2)
【化7】 (式中、Rは前記に同じ)で表される環状サルフェイト
を生成させる環状サルフェイトの製造方法を提供する。
【0008】また、本発明は、下記式(3)
【化8】 (式中、Rは2価の炭化水素基を示す)で表されるジオ
ール化合物を塩化チオニルと反応させて、下記式(1)
【化9】 (式中、Rは前記に同じ)で表される環状サルファイト
とし、次いで、タングステン原子若しくはモリブデン原
子を有するオキシ酸又はその塩、又はこれらの過酸化物
を触媒として、前記環状サルファイトを過酸化水素で酸
化することを特徴とする、下記式(2)
【化10】 (式中、Rは前記に同じ)で表される環状サルフェイト
の製造方法を提供する。
【0009】上記の方法において、Rは、炭素数1〜6
のメチレン鎖を主鎖に有する2価の炭化水素基であって
もよい。タングステン原子を有するオキシ酸又はその塩
は、リンタングステン酸、タングステン酸、及びこれら
の塩から選択された少なくとも1つの化合物であっても
よく、モリブデン原子を有するオキシ酸又はその塩は、
リンモリブデン酸、モリブデン酸、及びこれらの塩から
選択された少なくとも1つの化合物であってもよい。中
でも、タングステン原子若しくはモリブデン原子を有す
るオキシ酸の塩は第4級アンモニウム塩であるのが好ま
しい。さらに、反応系内に陽イオン界面活性剤を共存さ
せてもよく、該陽イオン界面活性剤は、塩化セチルピリ
ジニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、及び
硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウムから選択され
た少なくとも1つの化合物であってもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における触媒は、タングス
テン原子若しくはモリブデン原子を有するオキシ酸(酸
素酸;オキソ酸)又はその塩、又はこれらの過酸化物を
含んでいる。
【0011】[タングステン原子若しくはモリブデン原
子を有するオキシ酸又はその塩、又はこれらの過酸化
物]前記タングステン原子若しくはモリブデン原子を有
するオキシ酸には、中心原子にタングステン原子又はモ
リブデン原子を配し、該中心原子に結合する原子が全て
酸素原子であって、該酸素原子の一部又は全部に水素が
結合した無機酸が含まれる。該オキシ酸は、水溶液とし
た時に、酸素原子に結合する水素が遊離して水素イオン
を発生することにより酸の性質を現す。なお、本発明に
おいては、オキシ酸には、その縮合物であるイソポリ酸
のほか、種類の異なる2種以上の中心イオンを有する酸
素酸の縮合物であるヘテロポリ酸も含まれるものとす
る。
【0012】タングステン原子若しくはモリブデン原子
を有するオキシ酸としては、例えば、タングステン酸、
モリブデン酸などのオキシ酸;リンタングステン酸、リ
ンモリブデン酸などのヘテロポリ酸が挙げられる。
【0013】また、オキシ酸は、遊離のオキシ酸の他
に、オキシ酸の水素原子の少なくとも一部を他のカチオ
ンで置換して、オキシ酸の塩として使用することもでき
る。オキシ酸の塩とすることにより、例えば、溶解性や
安定性、耐熱性が向上し、触媒としてより有用性が増大
する場合がある。前記置換可能なカチオンとしては、特
に限定されず、例えば、アルカリ金属(Cs、Rb、
K、Na、Liなど)、アルカリ土類金属(Ba、S
r、Ca、Mgなど)、アンモニウム(NH4など)、
陽イオン界面活性剤のカチオン部(第4級アンモニウム
など)等が例示できる。本発明においては、触媒活性や
安定性向上の面から、オキシ酸の水素原子の少なくとも
一部が陽イオン界面活性剤のカチオン部で置換されたオ
キシ酸の塩が好適に用いられる。
【0014】前記陽イオン界面活性剤としては、例え
ば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチ
ルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアン
モニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化
トリオクチルメチルアンモニウム、硫酸水素トリオクチ
ルメチルアンモニウム塩、硫酸水素テトラ−n−ブチル
アンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウム塩;塩
化ジステアリルメチルベンジルアンモニウム、塩化ステ
アリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンジルト
リエチルアンモニウムなどのトリアルキルアラルキルア
ンモニウム塩;塩化セチルピリジニウムなどのアルキル
ピリジニウム塩などの第4級アンモニウム塩などが挙げ
られる。中でも、塩化セチルピリジニウム、塩化トリオ
クチルメチルアンモニウム、硫酸水素トリオクチルメチ
ルアンモニウムなどが好ましく用いられる。
【0015】本発明の方法では、触媒として、カチオン
に陽イオン界面活性剤のカチオン部を用いたタングステ
ン原子若しくはモリブデン原子を有するオキシ酸の塩
(第4級アンモニウム塩など)が好ましく用いられる。
このようなオキシ酸の塩を用いる方法としては、例え
ば、(i)予めタングステン原子若しくはモリブデン原
子を有するオキシ酸又はその塩(アルカリ金属塩など)
と陽イオン界面活性剤(第4級アンモニウム塩など)と
を反応させて、対応するオキシ酸の塩(第4級アンモニ
ウム塩など)を調製し、これを環状サルファイトの酸化
反応系に添加する方法、(ii)反応系に、タングステン
原子若しくはモリブデン原子を有するオキシ酸又はその
塩(アルカリ金属塩など)及び陽イオン界面活性剤(第
4級アンモニウム塩など)を別個に添加して、系内でオ
キシ酸の塩を生成させる方法などが挙げられる。
【0016】また、触媒として、カチオンに陽イオン界
面活性剤のカチオン部を用いたタングステン原子若しく
はモリブデン原子を有するオキシ酸の塩(第4級アンモ
ニウム塩など)の過酸化物も好ましく用いられる。この
ようなオキシ酸の塩の過酸化物を用いる方法としては、
例えば、(a)予めタングステン原子若しくはモリブデ
ン原子を有するオキシ酸又はその塩(アルカリ金属塩な
ど)、過酸化水素、及び陽イオン界面活性剤(第4級ア
ンモニウム塩など)を反応させるか、又は、カチオンに
陽イオン界面活性剤のカチオン部を用いたタングステン
原子若しくはモリブデン原子を有するオキシ酸の塩(第
4級アンモニウム塩など)と過酸化水素とを反応させ
て、オキシ酸又はその塩の過酸化物(ペルオキソオキシ
酸塩など)を調製し、これを環状サルファイトの酸化反
応系に添加する方法、(b)過酸化水素を含む反応系
に、タングステン原子若しくはモリブデン原子を有する
オキシ酸又はその塩(アルカリ金属塩など)と陽イオン
界面活性剤、又は、カチオンに陽イオン界面活性剤のカ
チオン部を用いたタングステン原子若しくはモリブデン
原子を有するオキシ酸の塩(第4級アンモニウム塩な
ど)を添加して、系内でオキシ酸又はその塩の過酸化物
を生成させる方法などが挙げられる。
【0017】オキシ酸又はその塩、又はこれらの過酸化
物の使用量は、環状サルファイトに対して、例えば0.
001mol%以上(0.001〜20mol%程
度)、好ましくは0.01〜2mol%程度である。
【0018】[環状サルファイト]本発明における酸化
方法では、前記触媒の存在下、環状サルファイトを過酸
化水素で酸化する。
【0019】環状サルファイトは、前記式(1)で表さ
れる化合物であって、式(1)中、Rは2価の炭化水素
基を示す。
【0020】式(1)中、Rで示される2価の炭化水素
基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメ
チレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、2−
メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、
ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などの直鎖状又は
分枝鎖状のアルキレン基;ビニレン基、プロペニレン基
などのアルケニレン基;シクロプロピリデン基、シクロ
ペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、1,3−シク
ロヘキシレン基などのシクロアルキリデン基又はシクロ
アルキレン基;フェニレン基、ナフチレン基などのアリ
ーレン基;ベンジリデン基などのアラルキリデン基など
が挙げられる。
【0021】上記の中でも、Rとして、下記式(4) (CH2n (4) (式中、nは1〜6の整数を示す)で表されるメチレン
鎖を主鎖に有する2価の炭化水素基(アルキレン基)が
好ましく用いられる。Rで示される2価の炭化水素基は
置換基を有してもよく、置換基には、例えば、有機基、
ハロゲン原子などが含まれる。
【0022】前記有機基としては、反応を損なわない基
であれば特に限定されず、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの直
鎖状又は分枝鎖状のアルキル基(例えば、C1-6のアル
キル基);ビニル基、アリル基などのアルケニル基(例
えば、C2-8のアルケニル基);プロピニル基などのア
ルキニル基(例えば、C2 -6のアルキニル基);シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など
のシクロアルキル基(例えば、C3-8のシクロアルキル
基);フェニル基、ナフチル基などのアリール基(例え
ば、C6-14のアリール基);ベンジル基、ベンズヒドリ
ル基、ナフチルメチル基などのアラルキル基(例えば、
7-15のアラルキル基)などの脂肪族、脂環式又は芳香
族炭化水素基、置換オキシカルボニル基などが挙げられ
る。これらの有機基はさらに置換基を有していてもよ
い。
【0023】前記置換オキシカルボニル基としては、例
えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニ
ル基、t−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカル
ボニル基(例えば、C1-4アルコキシ−カルボニル
基);フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボ
ニル基などのアリールオキシカルボニル基(例えば、C
6-14アリールオキシ−カルボニル基);ベンジルオキシ
カルボニル基、ベンズヒドリルオキシカルボニル基、ナ
フチルメチルオキシカルボニル基、フェニルエチルオキ
シカルボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基
(例えば、C7-19アラルキルオキシ−カルボニル基);
カルボキシル基などが挙げられる。
【0024】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0025】本発明における環状サルファイトには、前
記Rがn=2〜5のメチレン鎖であるもの、該メチレン
鎖が置換基にメチル基を有するものが好適に用いられ
る。具体的には、例えば、4−メチル−2−オキソ−
1,3,2−ジオキサチオラン、4,5−ジメチル−2
−オキソ−1,3,2−ジオキサチオラン、5−メチル
−2−オキソ−1,3,2−ジオキサチアン、4−メチ
ル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサチアン、2−オ
キソ−1,3,2−ジオキサチエパンなどが含まれる。
【0026】[環状サルファイトの製造]前記式(1)
で表される環状サルファイトは、対応するジオールより
生成され、例えば、前記式(3)で表されるジオール化
合物と塩化チオニルとを反応させることにより、前記式
(1)で表される環状サルファイトが得られる。
【0027】前記式(3)で表されるジオール化合物に
は、例えば、式(3)中、Rとして上記に例示した2価
の炭化水素基を有する化合物が含まれる。好ましいジオ
ール化合物としては、前記Rがn=2〜5のメチレン鎖
であるもの、該メチレン鎖が置換基としてメチル基を有
するものが挙げられる。具体的には、例えば、1,2−
プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオールなどが挙げられる。
【0028】ジオール化合物の環状サルファイトへの変
換に用いられる塩化チオニルは、純粋な塩化チオニルを
用いてもよく、下記に例示の有機溶媒に溶解して用いて
もよい。塩化チオニルの使用量は、通常、ジオール化合
物1モルに対して、0.5モル以上(例えば、1モル以
上)、好ましくは1〜2モル、さらに好ましくは1〜
1.5モル程度である。
【0029】反応溶媒としては、反応を阻害しないもの
であればよく、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
などの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロオクタ
ンなどの脂環式飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、ジクロロエタンなどのハロゲン化
炭化水素などの有機溶媒を用いることができ、例えばジ
クロロメタンが好ましく用いられる。反応温度は、ジオ
ール化合物の種類などに応じて適宜選択できるが、例え
ば、−20〜100℃、好ましくは−10〜80℃程度
である。反応は常圧で行ってもよく、加圧下に行っても
よい。
【0030】上記反応により、前記式(3)で表される
ジオール化合物から、前記式(1)で表される環状サル
ファイトが生成する。反応により生成した環状サルファ
イトは、例えば、液性調整などの処理、及び濾過、濃
縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフ
ィーなどの分離手段により、又はこれらを組み合わせる
ことにより分離精製できる。
【0031】[過酸化水素]前記過酸化水素としては、
慣用のものを使用することができ、例えば10〜80重
量%過酸化水素水溶液が用いられる。過酸化水素の使用
量は、例えば、環状サルファイト1モルに対して、0.
8〜5モル程度、好ましくは0.9〜3モル程度、さら
に好ましくは0.95〜2モル程度である。
【0032】[環状サルフェイトの製造]本発明の方法
では、反応率を向上させるため、必要に応じて、例えば
フェニルホスホン酸等の反応促進剤を用いてもよい。
【0033】反応は、溶媒の存在下または非存在下の何
れで行ってもよい。溶媒は、環状サルファイト(基質)
の種類などにより適宜選択できる。前記溶媒としては、
有機溶媒及び水などが挙げられ、有機溶媒としては、例
えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化
水素;シクロヘキサン、シクロオクタンなどの脂環式飽
和炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノールな
どのアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム、四
塩化炭素、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;
ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチル
エチルケトンなどの脂肪族ケトン;酢酸エチル、プロピ
オン酸エチルなどのエステル類;アセトニトリル、プロ
ピオニトリルなどのニトリル類等が挙げられる。有機層
と水層の2層系で反応を行ってもよい。
【0034】反応温度は、基質や触媒の種類などに応じ
て適宜選択できるが、例えば、0〜100℃、好ましく
は10〜80℃程度である。反応は常圧で行ってもよ
く、加圧下に行ってもよい。本発明の方法は、室温、大
気圧下の温和な条件下で行うことができるが、加熱や加
圧によってより反応を促進させることができる。また、
反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方
法で行ってもよい。反応時間は、環状サルファイトの種
類や触媒の使用量、反応温度等によって適宜選択でき、
特に限定されないが、例えば2〜40時間、好ましくは
5〜30時間程度である。
【0035】上記反応により、前記式(1)で表される
環状サルファイトから、前記式(2)で表される環状サ
ルフェイトが生成される。
【0036】反応により生成した環状サルフェイトは、
例えば、液性調整などの処理、及び濾過、濃縮、蒸留、
抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの
分離手段やこれらを組み合わせることにより分離精製で
きる。
【0037】こうして得られた環状サルフェイトは、医
薬、農薬などのファインケミカルの分野における重要な
中間体として使用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、触媒として特定
の原子を有するオキソ酸又はその塩、又はこれらの過酸
化物を用いて、過酸化水素により環状サルファイトを酸
化するので、環境に対する負荷が少なく、温和な条件で
環状サルフェイトを製造することができる。
【0039】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、NMRスペクトルは、BRUK
ER AM500を用い、500MHz(1H−NM
R)にてトリメチルシランを内部標準として測定した。
【0040】(触媒の調製) 参考例1 [トリスセチルピリジニウム12モリブドリン酸塩(C
MP)の調製]温度計、冷却管を備えた三口フラスコ
に、セチルピリジニウムクロリド16gと水200ml
を加え、この溶液に、リンモリブデン酸水和物25gを
含む水溶液50mlを室温で滴下し、6時間攪拌した。
析出物を濾過した後、水で数回洗浄し、40℃で16時
間乾燥したところ、トリスセチルピリジニウム12モリ
ブドリン酸塩(CMP)が34g得られた。
【0041】調製例1 [トリス(セチルピリジニウム)ペルオキソモリブドリ
ン酸塩(PCMP)の調製]温度計、冷却管を備えた5
00ml三口フラスコに、参考例1で調製したトリスセ
チルピリジニウム12モリブドリン酸塩(CMP)20
gと30重量%過酸化水素水溶液300mlを加え、4
0℃に加温した。60時間攪拌後、濾過し、固体を水で
数回洗浄し、室温で減圧乾燥したところ、トリス(セチ
ルピリジニウム)ペルオキソモリブドリン酸塩(PCM
P)が12.0g得られた。
【0042】調製例2 [トリス(セチルピリジニウム)ペルオキソタングスト
リン酸塩(PCWP)の調製]温度計、冷却管を備えた
500ml三口フラスコに、ヘキサデシルピリジニウム
クロリド一水和物20gと30重量%過酸化水素水溶液
100mlを加え、攪拌しながら40℃に加熱した。こ
の懸濁液に、リンタングステン酸n水和物50gを含む
30重量%過酸化水素水溶液100mlの混合液を、液
温が50℃を越えないように注意しながらゆっくりと滴
下した。滴下終了後、40℃で終夜攪拌を続けた後、濾
過し、固体を水で数回洗浄し、室温で減圧乾燥したとこ
ろ、トリス(セチルピリジニウム)ペルオキソタングス
トリン酸塩(PCWP)が60.0g得られた。
【0043】(環状サルファイトの製造) 実施例1 [5−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサチア
ンの製造]窒素雰囲気下、300mlの三口フラスコ
に、2−メチル−1,3−プロパンジオール25gとジ
クロロメタン200mlを加えた。氷浴中で攪拌しなが
ら塩化チオニル40gを滴下した。滴下終了後、室温で
1時間、さらに還流下で1時間攪拌した後、氷浴中で水
100mlを滴下した。有機層を分離した後、飽和炭酸
水素ナトリウムと水で有機層を洗浄した。無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した後、濾過、濃縮し、減圧蒸留したと
ころ、下記式(1a)
【化11】 で表される5−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサチアン(沸点44〜45℃;4mmHg)を23g
得た。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:0.84(d,3
H),1.36(d,3H),1.90−1.93
(m,1H),2.48−2.54(m,1H),3.
62(dd,2H),3.77(dd,2H),4.5
0(dd,2H),5.02(dd,2H)
【0044】実施例2 [4−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサチア
ンの製造]実施例1において、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオールの代わりに、1,3−ブタンジオールを
用いた点以外は、実施例1と同様の操作で反応を行い、
下記式(1b)
【化12】 で表される4−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサチアン(沸点44〜45℃;4mmHg)を14g
得た。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:1.23(d,3
H),1.29(d,3H),1.68−1.73
(m,3H),2.17−2.21(1H),3.88
−3.90(m,2H),3.89(ddd,2H),
4.05−4.10(m,1H),4.95(ddd,
1H),5.06−5.09(m,1H)
【0045】実施例3 [4−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサチオ
ランの製造]実施例1において、2−メチル−1,3−
プロパンジオールの代わりに、1,2−プロパンジオー
ルを用いた点以外は、実施例1と同様の操作で反応を行
い、下記式(1c)
【化13】 で表される4−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサチアン(沸点70〜80℃;23mmHg;kug
elrohr)を14g得た。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:1.44(d,3
H),1.60(d,3H),3.89(dd,1
H),4.29(dd,1H),4.51(dd,1
H),4.60−4.64(m,1H),4.71(d
d,2H),5.10−5.13(m,1H)
【0046】実施例4 [4,5−ジメチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキ
サチオランの製造]実施例1において、2−メチル−
1,3−プロパンジオールの代わりに、2,3−ブタン
ジオールを用いた点以外は、実施例1と同様の操作で反
応を行い、下記式(1d)
【化14】 で表される4,5−ジメチル−2−オキソ−1,3,2
−ジオキサチオラン(沸点70〜80℃;23mmH
g;kugelrohr)を15g得た。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:1.11(d,3
H),1.29(d,3H),1.30(d,3H),
1.45(d,3H),1.50(d,3H),1.5
3(d,3H),3.73−3.75(m,1H),
4.10−4.13(m,1H),4.62−4.63
(m,1H),4.60−4.66(m,1H),5.
01−5.04(m,1H)
【0047】実施例5 [2−オキソ−1,3,2−ジオキサチエパンの製造]
実施例1において、2−メチル−1,3−プロパンジオ
ールの代わりに、1,4−ブタンジオールを用いた点以
外は、実施例1と同様の操作で反応を行い、下記式(1
e)
【化15】 で表される2−オキソ−1,3,2−ジオキサチエパン
(沸点100〜110℃;23mmHg;kugelr
ohr)を9g得た。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:1.79−1.92
(m,4H),3.95−4.00(m,2H),4.
08−4.10(1H),4.46−4.50(m,1
H)
【0048】(環状サルフェイトの製造) 実施例6 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]二口フラスコに、実施例1より得られ
た5−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサチア
ン(前記式(1a))1.0gと調製例2より得られた
トリス(セチルピリジニウム)ペルオキソタングストリ
ン酸塩(PCWP)0.075gを加え、40℃に保持
しつつ、30重量%過酸化水素水溶液1.3gを滴下し
た。滴下終了後、40℃で24時間攪拌し、次いで氷浴
中、亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を終了した。
ここへ酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を分離した
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濃縮し
たところ、下記式(2a)
【化16】 で表される5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2
−ジオキサチアンが1.0g得られた。収率は90%で
あった。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:1.06(d,3
H),2.41−2.48(m,1H),4.44(d
d,2H),4.62(dd,2H)
【0049】実施例7 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]実施例6において、トリス(セチルピ
リジニウム)ペルオキソタングストリン酸塩(PCW
P)0.075gの代わりに、調製例1より得られたト
リス(セチルピリジニウム)ペルオキソモリブドリン酸
塩(PCMP)0.025gを用いた点以外は、実施例
6と同様の操作で反応を行ったところ、前記式(2a)
で表される5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2
−ジオキサチアンが0.1g得られた。収率は9%であ
った。
【0050】実施例8 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]実施例6において、過酸化水素水溶液
として、60重量%過酸化水素水溶液0.5gを用いた
点以外は、実施例6と同様の操作で反応を行ったとこ
ろ、前記式(2a)で表される5−メチル−2,2−ジ
オキソ−1,3,2−ジオキサチアンが0.8g得られ
た。収率は72%であった。
【0051】実施例9 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]二口フラスコに、実施例1より得られ
た2−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサチア
ン(前記式(1a))1.0g、Na2WO4・2H2
0.049g、C65PO320.023g、及び陽イ
オン界面活性剤としてC2554NCl(塩化トリオクチ
ルメチルアンモニウム)0.059gを加え、40℃に
保持しつつ、30重量%過酸化水素水溶液2.1gを滴
下した。滴下終了後、40℃で24時間攪拌し、次いで
氷浴中、亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を終了し
た。ここへ酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を分離し
た後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濃縮
したところ、前記式(2a)で表される5−メチル−
2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチアンが0.
97g得られた。収率は87%であった。
【0052】実施例10 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]実施例9において、陽イオン界面活性
剤として、C2554NClの代わりにC 2554N(HS
4)(硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウム.)
0.068gを用いた点以外は、実施例9と同様の操作
で反応を行ったところ、前記式(2a)で表される5−
メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチア
ンが0.98g得られた。収率は88%であった。
【0053】実施例11 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]二口フラスコに、前記式(1a)で表
される5−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサ
チアン1.0g、Na2MoO4・2H2O 0.178
g、C65PO320.116g、及び陽イオン界面活
性剤としてC2554NCl 0.298gを加え、40
℃に保持しつつ、30重量%過酸化水素水溶液2.1g
を滴下した。滴下終了後、40℃で24時間攪拌し、次
いで氷浴中、亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を終
了した。ここへ酢酸エチルを加えて抽出し、有機層を分
離した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、
濃縮したところ、前記式(2a)で表される5−メチル
−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチアンが
0.30g得られた。収率は27%であった。
【0054】実施例12 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]実施例9において、Na2WO4・2H
2Oの代わりにH2WO4 0.037gを用いた点以外
は、実施例9と同様の操作で反応を行ったところ、前記
式(2a)で表される5−メチル−2,2−ジオキソ−
1,3,2−ジオキサチアンが0.90g得られた。収
率は81%であった。
【0055】実施例13 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]実施例9において、反応開始時のフラ
スコにクロロホルム10mlを添加した点と、Na2
4・2H2Oの代わりにH2WO4 0.037gを用い
た点以外は、実施例9と同様の操作で反応を行ったとこ
ろ、前記式(2a)で表される5−メチル−2,2−ジ
オキソ−1,3,2−ジオキサチアンが1.05g得ら
れた。収率は94%であった。
【0056】実施例14 [5−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]実施例9において、反応開始時のフラ
スコにトルエン10mlを添加した点と、Na2WO4
2H2Oの代わりにH2WO4 0.037gを用いた点以
外は、実施例9と同様の操作で反応を行ったところ、前
記式(2a)で表される5−メチル−2,2−ジオキソ
−1,3,2−ジオキサチアンが0.82g得られた。
収率は73%であった。
【0057】実施例15 [4−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチアンの製造]二口フラスコに、前記式(1b)で表
される4−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサ
チアン1.0gと調製例2より得られたトリス(セチル
ピリジニウム)ペルオキソタングストリン酸塩(PCW
P)0.3gを加え、40℃に保持しつつ、30重量%
過酸化水素水溶液1.3gを滴下した。滴下終了後、4
0℃で12時間攪拌し、次いで氷浴中、亜硫酸ナトリウ
ム水溶液を加えて反応を終了した。ここへ酢酸エチルを
加えて抽出し、有機層を分離した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。濾過後、濃縮したところ、下記式(2
b)
【化17】 で表される4−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2
−ジオキサチアンが0.65g得られた。収率は58%
であった。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:1.48(d,3
H),1.87−1.92(m,1H),2.11−
2.16(m,1H),4.56−4.60(m,1
H),4.75−4.81(m、1H),5.02−
5.07(m,1H)
【0058】実施例16 [4−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキ
サチオランの製造]二口フラスコに、前記式(1c)で
表される4−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキ
サチオラン1.0gと調製例2より得られたトリス(セ
チルピリジニウム)ペルオキソタングストリン酸塩(P
CWP)0.3gを加え、40℃に保持しつつ、30重
量%過酸化水素水溶液1.4gを滴下した。滴下終了
後、40℃で6時間攪拌し、次いで氷浴中、亜硫酸ナト
リウム水溶液を加えて反応を終了した。ここへ酢酸エチ
ルを加えて抽出し、有機層を分離した後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。濾過後、濃縮したところ、下記式
(2c)
【化18】 で表される4−メチル−2,2−ジオキソ−1,3,2
−ジオキサチオランが0.73g得られた。収率は65
%であった。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:1.61(d,3
H),4.33(dd,1H),4.76(dd,1
H),5.11−5.18(m,1H)
【0059】実施例17 [4,5−ジメチル−2,2−ジオキソ−1,3,2−
ジオキサチオランの製造]実施例15において、環状サ
ルファイトとして、4−メチル−2−オキソ−1,3,
2−ジオキサチアン1.0gの代わりに前記式(1d)
で表される4,5−ジメチル−2−オキソ−1,3,2
−ジオキサチオラン1.0gを用いた点以外は、実施例
15と同様の操作で反応を行ったところ、下記式(2
d)
【化19】 で表される4,5−ジメチル−2,2−ジオキソ−1,
3,2−ジオキサチオランが1.2g得られた。収率は
100%であった。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:1.51(d,3
H),1.55(d,3H),4.68−4.71
(m,1H),5.09−5.12(m,1H)
【0060】実施例18 [2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチエパンの
製造]実施例15において、環状サルファイトとして、
4−メチル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサチアン
1.0gの代わりに前記式(1e)で表される2−オキ
ソ−1,3,2−ジオキサチエパン1.0gを用いた点
以外は、実施例15と同様の操作で反応を行ったとこ
ろ、下記式(2e)
【化20】 で表される2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチ
エパンが0.60g得られた。収率は54%であった。 [スペクトルデータ]1 H−NMR(CDCl3)ppm:2.07(dt,4
H),4.43(dt,4H)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タングステン原子若しくはモリブデン原
    子を有するオキシ酸又はその塩、又はこれらの過酸化物
    を触媒として、下記式(1) 【化1】 (式中、Rは2価の炭化水素基を示す)で表される環状
    サルファイトを過酸化水素で酸化し、下記式(2) 【化2】 (式中、Rは前記に同じ)で表される環状サルフェイト
    を生成させる環状サルフェイトの製造方法。
  2. 【請求項2】 下記式(3) 【化3】 (式中、Rは2価の炭化水素基を示す)で表されるジオ
    ール化合物を塩化チオニルと反応させて、下記式(1) 【化4】 (式中、Rは前記に同じ)で表される環状サルファイト
    とし、次いで、タングステン原子若しくはモリブデン原
    子を有するオキシ酸又はその塩、又はこれらの過酸化物
    を触媒として、前記環状サルファイトを過酸化水素で酸
    化することを特徴とする、下記式(2) 【化5】 (式中、Rは前記に同じ)で表される環状サルフェイト
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 Rが、炭素数1〜6のメチレン鎖を主鎖
    に有する2価の炭化水素基である請求項1又は2記載の
    環状サルフェイトの製造方法。
  4. 【請求項4】 タングステン原子を有するオキシ酸又は
    その塩が、リンタングステン酸、タングステン酸、及び
    これらの塩から選択された少なくとも1つの化合物であ
    る請求項1又は2記載の環状サルフェイトの製造方法。
  5. 【請求項5】 モリブデン原子を有するオキシ酸又はそ
    の塩が、リンモリブデン酸、モリブデン酸、及びこれら
    の塩から選択された少なくとも1つの化合物である請求
    項1又は2記載の環状サルフェイトの製造方法。
  6. 【請求項6】 タングステン原子若しくはモリブデン原
    子を有するオキシ酸の塩が第4級アンモニウム塩である
    請求項1又は2記載の環状サルフェイトの製造方法。
  7. 【請求項7】 系内に陽イオン界面活性剤を共存させる
    請求項1〜6の何れかの項に記載の環状サルフェイトの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 陽イオン界面活性剤が、塩化セチルピリ
    ジニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、及び
    硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウムから選択され
    た少なくとも1つの化合物である請求項7記載の環状サ
    ルフェイトの製造方法。
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