JP2003238317A - ハチ用食毒剤およびそれを用いたハチの駆除方法 - Google Patents

ハチ用食毒剤およびそれを用いたハチの駆除方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハチを興奮させることなく適用でき、ハチの生
活習性を利用して効果的にハチを致死させうるハチ用食
毒剤およびそれを用いたハチの駆除方法を提供するこ
と。 【解決手段】殺虫成分と、糖類および/または動物性タ
ンパク質とを含有してなるハチ用食毒剤、殺虫成分と、
発酵臭成分とを含有してなるハチ用食毒剤、ならびに前
記ハチ用食毒剤を用いることを特徴とするハチの駆除方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハチ用食毒剤およ
びそれを用いたハチの駆除方法に関する。更に詳しく
は、ハチの生活習性を利用して効果的にハチを致死させ
うるハチ用食毒剤およびそれを用いたハチの駆除方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スズメバチやアシナガバチを駆除
する製剤として、殺虫成分を使用したエアゾール製剤が
使われている。しかしながら、巣に適用しても駆除効果
は得られず、ハチ自体に適用することによってのみ駆除
する効果が得られるものであるため、駆除対象のハチ個
々に対し直接的に適用せざるを得なかった。従って、駆
除対象のハチが多い場合、例えば、巣ごと駆除しようと
する場合、当該ハチの駆除は非常に困難であった。しか
も、該製剤の適用に際しハチが興奮することから刺され
る危険性があり、特にスズメバチのように攻撃的なハチ
の場合、その危険性は極めて高く、ハチの駆除はよりい
っそう困難をきわめた。最近、スズメバチは軒下(室
外)だけでなく、天井裏、床下などに営巣することがあ
り、その駆除は安全性の面からも非常に難しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、ハチを興奮させること
なく適用でき、ハチの生活習性を利用して効果的にハチ
を致死させうるハチ用食毒剤およびそれを用いたハチの
駆除方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
〔1〕 殺虫成分と、糖類および/または動物性タンパ
ク質とを含有してなるハチ用食毒剤、〔2〕 殺虫成分
と、発酵臭成分とを含有してなるハチ用食毒剤、ならび
に〔3〕 前記〔1〕または〔2〕記載のハチ用食毒剤
を用いることを特徴とするハチの駆除方法、に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のハチ用食毒剤は、〔1〕
殺虫成分と、糖類および/または動物性タンパク質とを
含有してなるもの、〔2〕殺虫成分と、発酵臭成分とを
含有してなるものが挙げられる。
【0006】ハチは、植物の繊維と体内に含まれる唾液
物質(タンパク質)と混合して得られる巣材を用いて、
釣り鐘状の巣を形成し、その巣上に付着したものは、必
ずハタラキバチが調査除去するという生態的特徴を有し
ている。また、スズメバチにおいては、巣を拡張する場
合、巣の外皮内面側をけずりとり巣内部のコロニー(六
角形部屋)をつくるという生態的特徴を有している。し
たがって、ハチの巣上に本発明のハチ用食毒剤を付着さ
せると、ハタラキバチは餌と認識し、それを舐めると共
に巣内の他のハチに与える行動から、巣内のハチ全体に
殺虫成分を行きわたらせ、巣内のハチを致死させること
により、ハチの巣を駆除することが可能である。また、
ハタラキバチが巣の内部を再建する際、食毒剤が付着し
た巣の外皮を噛み砕き、それを巣の内部の巣材として利
用することから、巣全体に食毒剤をいきわたらせること
が可能である。なお本発明の食毒剤のハチの巣への付着
は、(イ)人為的にハチの巣に施用することによる付
着、(ロ)食毒剤が体表等に付着したハチからの付着、
などが挙げられる。このように、本発明のハチ用食毒剤
を用いると、駆除対象のハチ個々に対し直接的に適用す
ることなく、巣内の他のハチを駆除できるという効果を
有する。
【0007】殺虫成分としては、アレスリン、テトラメ
スリン、レスメトリン、フェノトリン、フラメトリン、
ペルメトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、トラ
ロメスリン、エンペントリン、プラレトリン、エトフェ
ンプロックス、シラフルオフェンなどのピレスロイド系
殺虫剤、フェニチオン、フェニトロチオン、テメホス、
ホキシム、アセフェート、ピリダフェンチオン、ダイア
ジノン、マラチオン、プロチオホス、プロペタンホス、
クロルピリホス、クロルピリホスメチル、DDVPなど
の有機リン系殺虫剤、NAC、ペンチオカルブ、プロポ
クスルなどのカーバメイト系殺虫剤、その他イミダクロ
ブリド、メトキサジアゾン、フィプロニル及びその類縁
化合物、ホウ酸、ヒドラメチルノン、リチウムスルホネ
ート、リチウムパーフルオロオクタスルホネート、スル
フルアミド、1−メチル−2−ニトロ−3,3−テトラ
ハイドロフリルメチルグアニジンなどが挙げられる。こ
れらは単独で、または混合して用いることができる。
【0008】前記殺虫成分においては、忌避性が少な
く、高い致死効果を有する観点から、レスメトリン、ト
ラロメスリン、プラレトリン、エトフェンプロックス、
シラフルオフェンなどのピレスロイド系殺虫剤、フィプ
ロニル、イミダクロプリド、ホウ酸、ヒドラメチルノ
ン、リチウムスルホネート、リチウムパーフルオロオク
タンスルホネート、1−メチル−2−ニトロ−3,3−
テトラハイドロフリルメチルグアニジン(MTI44
6)が好ましく、なかでも微量で殺虫力に優れる観点か
ら、フィプロニル(化学名/5−アミノ−1−〔2,6
−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル〕−
4−〔(トリフルオロメチル)スルフィニル〕−1H−
ピラゾール−3−カルボニトリル)、1−メチル−2−
ニトロ−3,3−テトラハイドロフリルメチルグアニジ
ン(開発番号/MTI446)がより好ましい。
【0009】糖類は、ハチのエネルギー源として使用で
きるものが好ましい。糖類としては、例えば、デンプン
を原料として生成されるブドウ糖、マルトース、トレハ
ロース、水あめ、還元水あめ、還元麦芽糖水あめ、直鎖
オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、異性化糖、ソルビトー
ル、エリスリトール、甘蔗、甜菜から得られる砂糖を原
料として得られるパラチノース、フラクトオリゴ糖、乳
糖を原料として得られる還元乳糖、異性化乳糖、ガラク
トオリゴ糖、乳糖果糖オリゴその他、キシロール、キシ
リトール、果糖、マンニトール、カップリングシュガ
ー、パラチニット、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖など
が挙げられる。無論、一般的なショ糖、グラニュー糖、
三温糖、蜂蜜、黒砂糖、黒蜜なども糖類として挙げられ
る。なかでも、入手のしやすさ、溶解性、甘味度、誘引
性の観点から、ブドウ糖、マルトース、トレハロース、
水あめ、オリゴ糖、乳糖、キシリトール、カップリング
シュガー、ショ糖、グラニュー糖、三温糖、蜂蜜、黒砂
糖、黒蜜が好ましい。
【0010】動物性タンパク質は、ハチが幼虫の餌(タ
ンパク源)として使用できるものが好ましい。ハチが幼
虫の餌(タンパク源)として使用できる植物性タンパク
質を併用してもよい。前記動物性タンパク質または植物
性タンパク質としては、例えばアクチン、アルブミン、
カゼイン、フィブリン、フィブリノーゲン、ケラチン、
グロブリン(α、β、γ)、ヘモグロビン、ラクトグロ
ブリン、ミオジン、ペプシン、ホスホリラーゼ、リボヌ
クレアーゼ、リボヌクレアーゼグロブリン(α、β、
γ)、ゼラチン、コラーゲン、ラクトグロブリンなど多
くのものを挙げることができる。なかでも、ハチの誘引
物として有効である観点から、例えば、ハエ、セミ、バ
ッタ、カマキリ、コオロギ、ゴキブリ、ドウガネブイブ
イ、アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチ、チョウ、
ガ、蚊、アリ、カメムシ、クモ、オキアミなどの昆虫類
などの成虫、サナギまたは幼虫、牛、馬、ウサギ、鶏、
カエル、魚類、貝殻類、卵などが好ましく、その中で
も、ハチの誘引性が非常に高い観点から、ハエ、セミ、
バッタ、カマキリ、コオロギ、ゴキブリ、ドウガネブイ
ブイ、アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチ、チョウ、
ガ、蚊、アリ、カメムシ、クモなどの昆虫類などの成
虫、サナギ、幼虫、およびその体液がより好ましい。ま
た、それらの成分は、ハチが幼虫の餌として、肉団子状
に噛みほぐしたものを与えることが多いので、ゴキブリ
やアリ用の餌として用いられるような乾燥粉末ではな
く、液状もしくはペースト状に加工されたものであるこ
とが望ましい。
【0011】さらに、スズメバチなどハチが好んで捕食
する、例えば、キノコ類であるシラタマタケなどの含有
粘液のタンパク質、イチジク、ブドウなどの果樹の熟成
果実や、クヌギ、コナラなどの樹液の糖類を用いること
も好ましい。
【0012】食毒剤における殺虫成分の含有量は、ハチ
の致死効果を確実にし、速効性よりも幾分遅効性よりの
効果を有してハチが巣に食毒剤を持ち帰り巣内の他のハ
チに与える時間を有し、人畜や益虫への安全面やユーザ
ーへの経済面を充分に考慮する観点から、食毒剤中に
0.0001〜40重量%が好ましく、0.001〜1
5重量%がより好ましい。また、フィプロニル、1−メ
チル−2−ニトロ−3,3−テトラハイドロフリルメチ
ルグアニジンは0.0001〜5重量%が好ましい。
【0013】食毒剤における糖類の含有量は、その甘味
度や対象とするハチによっても変わるが、5〜80重量
%が好ましく、5〜50重量%がより好ましい。食毒剤
が液剤もしくは粘性剤であって、誘引剤として使用する
場合は、10〜60重量%が好ましく、10〜40重量
%がより好ましい。
【0014】食毒剤における動物性タンパク質の含有量
は、液剤や粘性剤などの製剤化の観点から5〜80重量
%が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
【0015】本明細書において発酵臭成分とは、発酵し
たときに発酵臭を構成する成分のことをいう。発酵臭と
は、例えば、酵母や細菌などの微生物によって有機物が
分解される時に発せられる臭気である。
【0016】発酵臭成分としては、例えば、アルコー
ル、アルデヒド、ケトン、酸、エステル、炭化水素、ラ
クトン、硫黄化合物、フランなどが挙げられる。さら
に、具体的には、エタノール、アミルアルコール、イソ
アミルアルコール、ベンジルアルコール、2,4−ヘキ
サジエノールなどアルコール類、アセトアルデヒド、ジ
メチルプロパナール、メチルブタナール、ペンタナー
ル、ヘキサナール、ヘプタナール、ジオクテナール、ベ
ンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどアルデ
ヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、アセトイン、
2,3−ブタネジオン、2−ペンタノン、3−ペンテン
−2−オン、3−ヒドロキシ−3−ペンタノン、2,3
−ペンタネジオン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、
2−ノナノン、2−ウンデカノンなどケトン類、ぎ酸、
酢酸、プロピオン酸、乳酸、ピルビン酸、酪酸、イソ吉
草酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、安息香酸など
酸類、ペンタン、メチルシクロペンタンなど炭化水素
類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、安息香酸
メチル、カプロン酸エチル、酢酸イソアミル、ヘプチル
ブチレート、2,4−ヘキサジニルブチレート、オクチ
ルブチレート、クロトン酸−2,4−ヘキサジエニル、
2−メチル酪酸−2,4−ヘキサジエニル、酪酸−
(Z)−3−ヘキセニル、酪酸−2,4−ヘキサジエニ
ル、酪酸ノニル、酪酸ヘプチル、酪酸オクチル、2−ヘ
プチン酸−3−ブチニル、2−ヘプチン酸イソペンチ
ル、ピバリン酸オクチル、クロノン酸−2−メチルペン
チル、2−ヘプチン酸ペンチル、また、プロピオン酸エ
ステル、イソ酪酸エステルなどエステル類、γ−バレロ
ラクトン、δ−カプロラクトン、δ−オクタラクトン、
δ−トリデカラクトンなどラクトン類、メチルチオメタ
ン、メチルジチオメタン、メチルスルフォニルメタンな
ど硫黄化合物、2−プロピルフラン、2−ペンチルフラ
ン、2−ヘキシルフラン、フルフラン、2,5−ジメチ
ルフランフルフラン、5−メチルフルフラル、2−アセ
チルフラン、2−フランプロパノール、2−プロパノイ
ルフラン、フルフリルアルコールなどフラン類などが例
示できる。
【0017】発酵の例としては、アルコール発酵、アセ
トン−ブタノール発酵、乳酸発酵、酪酸発酵、メタン発
酵、水素発酵などの酸素を必要としない発酵と、酢酸発
酵、グルコン酸発酵、クエン酸発酵、フマル酸発酵およ
びコハク酸発酵、コウジ酸発酵などの酸化発酵があげら
れる。その中でも特にアルコール発酵、乳酸発酵、酢酸
発酵による発酵臭が好ましい。
【0018】発酵臭成分は、ハチの誘引性を高める観点
から、食毒剤の適用時および/または使用期間中に、発
酵して発酵臭を有するものが好ましい。
【0019】なお、発酵臭に含まれる各成分は、ヘッド
スペース法(吉沢:醸協、68(1)59(1973))に
よりガスクロマトグラフィ分析によって測定することが
できる。従って、食毒剤における発酵臭成分の含有量
は、発酵臭中の任意の成分を標準物質とし、その量を指
標として確認および測定することができる。
【0020】食毒剤における発酵臭成分の含有量は、ヘ
ッドスペース法で得られる含有物質中にアルコール類が
1〜10,000ppm、エステル類が1〜1,000
ppm、有機酸類が1〜1,000ppmの範囲である
ことが好ましい。
【0021】本発明の食毒剤には、付着性を向上させる
ために、補助剤として粘着成分を配合しても良い。補助
剤としては、例えば、カラギーナン、寒天、ゼラチン、
ジュランガム、ローカストビンガム、キサンタンガム、
でんぷん粉、カルボキシメチルセルロース、ポリビニル
アルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸
ナトリウム、アラビアゴムなどが挙げられる。
【0022】また、本発明の食毒剤には、その他の補助
成分として、安定化剤、防腐剤、色素、共力剤、香料な
どを効果に支障がない範囲で配合することができる。例
えば、安定化剤としては、乳酸カルシウム、塩化カルシ
ウムなどが挙げられる。また、防腐剤としては、ソルビ
ン酸、ソルビン酸塩、パラオキシ安息香酸エステルなど
が挙げられる。共力剤としてはS−421、サイネピリ
ンなどが挙げられる。
【0023】本発明の食毒剤は、前記各成分を混合する
ことにより調製することができる。なお、発酵臭成分
は、食毒剤の調製時に添加してもよく、食毒剤を使用す
る直前に添加してもよい。また、発酵臭成分を食毒剤を
使用する直前に添加した場合、添加後すぐに使用しても
よく、放置して発酵させた後に用いてもよい。また、発
酵臭成分の添加が難しい場合、例えば、糖、アルコー
ル、酢、乳酸、スキムミルク、ヨーグルト等を配合した
後、自然発酵させたものを密閉容器に封入するか、設置
後発酵が進むように調整したものを用いることもでき
る。
【0024】本発明の食毒剤の性状としては、液剤、粘
性剤、固形製剤、エアゾール製剤が挙げられる。
【0025】食毒剤が液剤または粘性剤である場合、そ
れを巣に直接噴霧または塗りつけたときに巣についた液
体が垂れない観点から、食毒剤の粘性は50〜3000
0cpが好ましい。特にこの液体を噴射剤にて飛ばす場
合は粘性と飛距離との関係から、食毒剤の粘性は50〜
10000cpが好ましい。
【0026】食毒剤が固形製剤である場合、それをハチ
が削り取れる観点から、食毒剤の固さ、弾性は、1mm
押し下げるのに2000g/cm2 以下が好ましい。
【0027】食毒剤をエアゾール製剤として用いる場
合、該エアゾール製剤は原液と噴射剤からなる内容物を
主とするが、必要に応じて界面活性剤、効力増強剤、防
錆剤などを配合してもよい。なお、前記原液とは、本発
明の食毒剤の成分と、溶剤とを含むものである。
【0028】前記噴射剤としては、ジメチルエーテルな
どの液化ガス、プロパン、ブタン、イソブタンなどの液
化石油ガス、窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガスなどの圧縮
ガスなどを単独で、または混合して用いることができ
る。エアゾール製剤内のガス圧力は、噴射剤の種類、飛
距離、食毒剤の性状によって多少変わるが、通常、(2
0℃ゲージ圧0.2〜0.6MPa)である。
【0029】前記溶剤としては、水、低級アルコール
類、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどの多価アルコール、アセトン、
メチルエチルアセトンなのケトン類などを単独で、また
は混合して用いることができる。
【0030】さらに、エアゾール製剤における原液と噴
射剤との容量比(原液/噴射剤)は、ハチ営巣などの対
象物への付着性増大および噴霧粒子の粗大化などの観点
から、80/20〜30/70の範囲において、食毒剤
の粘性に応じて決めることが好ましい。
【0031】本発明が対象とするハチは、例えば、フタ
モンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバ
チ、コアシナガバチ、キボシアシナガバチ、ヤマトアシ
ナガバチなどのアシナガバチやキイロスズメバチ、コガ
タスズメバチ、モンススズメバチ、ヒメスズメバチ、オ
オスズメバチ、チャイロスズメバチ、クロスズメバチな
どのスズメバチ上科、ミツバチ、マルハナバチなどのハ
ナバチ上科、その他アナバチ上科、ベッコウバチ上科、
ツチバチ上科にも有効である。
【0032】本発明の食毒剤を用いることにより、ハチ
を駆除することができる。本発明の食毒剤は、ハチに直
接的におよび/または間接的に接触させるように用いる
ことができる。例えば、本発明の食毒剤を、ハチ、ハチ
の巣、ハチの巣の周辺およびハチの喫食対象物に適用す
ることができる。本発明の食毒剤は、ハチ、ハチの巣、
ハチが出入りする周辺、ハチの巣の下、ハチが喫食して
いる果物、飲料ゴミ、昆虫、ハチが襲っている昆虫の巣
などに適用するのが好ましい。ハチが出入りする周辺と
しては、軒下、屋根瓦の下、屋根裏、床下、壁間、空箱
内部、木の枝、樹木の空洞、土中等が挙げられる。ハチ
やその巣を駆除する際の危険性を減少し、簡便に駆除で
きる観点から、ハチが出入りする周辺に食毒剤を適用す
るのが好ましい。上記のように、ハチに食毒剤を用いる
と、ハチが該食毒剤を喫食することにより、またはハチ
に該食毒剤が付着することなどにより、ハチに食毒剤が
接触しうる。
【0033】本発明の食毒剤の適用形態としては、液
剤、粘性剤、エアゾール製剤などの食毒剤を、噴霧器、
スプレー、エアゾールなどの既存手段を用いて、適用箇
所に吐出し付着させる形態が挙げられる。その他、液体
をベイト容器に充填したものを施用する形態や、吸水性
を有する紙、不織布、綿などに染み込ませたものを施用
する形態などが挙げられる。これらの中では、ハチが非
常に危険な害虫であることから簡単に使用できるエアゾ
ール製剤を用いるのが、噴霧器などの準備や食毒剤を収
容する手間もなく、また小型なので取り扱い易く、押す
だけで操作が簡単である等から好ましい。また、殺虫成
分の経時安定性を確保できることからもエアゾール製剤
が好ましい。
【0034】食毒剤の適用形態として更に、ファン送風
や熱源加熱などの補助手段を用い、食毒剤における発酵
臭などの誘引成分を広範囲に拡散したり、巣入口など目
的地に放散することもできる。
【0035】本発明の食毒剤の使用量としては、巣の大
きさや成虫数などによって異なるが、早期に駆除する必
要があり成虫との接触機会を増やす観点から、1巣当た
り1〜400gが好ましく、10〜200gがさらに好
ましい。
【0036】本発明のハチの駆除方法は、適用時に巣内
のハチを興奮させることが少ないものである。危険性が
低く安全であるという観点から、ハチの活動が休止して
いる夜間に食毒剤を適用するのが好ましい。また、本発
明の方法は、ハチの生活習性により自然に発生源が撲滅
できるという効果的なものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0038】試験例1〜7 表1の組成となるように、各成分を混合して試験例1〜
7の粘性を有する液状物を得た。
【0039】〔糖類の喫食性の基礎評価〕キアシナガバ
チ、セグロアシナガバチを試験室網室内で強制営巣させ
たものを供試虫(約180匹)として用いた。網室内に
はツバキ、バラ、杉の幼木をはじめとする植物が植えら
れ、その中央付近に餌場が設けてある。網室内で3日間
供試虫を絶食させた後、試験例1〜7の液状物各20g
を綿に染み込ませたものを餌場に配置した。その後2時
間にわたり、各液状物に誘引され喫食したハチの数を調
査した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1より、試験例1〜4で得られた糖類を
配合した液状物の場合、糖類の種類によって差はあるも
のの、試験例5〜7で得られた液状物と比べて十分なハ
チの喫食性が得られた。したがって、試験例1〜4の糖
類が、ハチの喫食に有効であることがわかる。
【0042】試験例8〜20 表2に示されるように、試験例8〜20の動物性タンパ
ク質または植物性タンパク質を調製した。
【0043】〔タンパク質:基礎評価1〕アシナガバチ
を試験室網室内で強制営巣させたものを供試虫(約18
0匹)として用いた。網室内にはツバキ、バラ、杉の幼
木をはじめとする植物が植えられ、その中央付近に餌場
が設けてある。網室内で3日間供試虫を絶食させた後、
試験例8〜20の動物性タンパク質または植物性タンパ
ク質各2.0gを餌場に配置した。各タンパク質におい
て、その後2時間にわたりハチがタンパク質に誘引さ
れ、それを肉塊として巣に持ち帰るかどうかを調査し
て、アシナガバチにおけるタンパク質摂取の特性を調べ
た。結果を表2に示す。
【0044】〔タンパク質:基礎評価2〕試験例8〜2
0の動物性タンパク質または植物性タンパク質各2.0
gを、屋外で営巣しているスズメバチの巣の入口に近づ
けた。各タンパク質について、ハタラキバチがタンパク
質に誘引され、それを肉塊として巣に持ち帰るかどうか
を調査して、スズメバチにおけるタンパク質摂取の特性
を調べた。結果を表2に示す。
【0045】尚、表中の*および**は、以下のものを
意味する。 * 何れも一部分を傷つけ、動けなくしたもの(セミ
は、腹部を分解)。 ** いずれもすり潰した後、水を加えてペースト状に
したもの。
【0046】
【表2】
【0047】表2の結果より、ハチの種類によって有効
なタンパク質の種類は変わるものの、試験例17〜20
のようにタンパク質が植物性のものである場合、肉塊と
して巣に持ち帰ることはなく、タンパク質は植物性より
も動物性のものが効果があることがわかる。また、試験
例11のミツバチの蛹は巣に持ち帰ったが、試験例10
の蛹粉は誘引するものの巣に持ち帰らないことから、動
物性タンパク質は粉末状でない方が効果があることがわ
かる。
【0048】試験例21〜29 表3の組成となるように、各成分を混合して試験例21
〜29の液状物を得た。尚、試験例21〜23の液状物
においては、7日間放置することにより発酵させた。
【0049】
【表3】
【0050】〔発酵臭の誘引性の基礎評価〕ペットボト
ルラップ内に試験例21〜29の液状物各100gを入
れた。そのサンプルを3日間スズメバチの往来が見られ
る周辺の樹木に吊るす状態でに設置し、捕獲されたスズ
メバチの数を調査した。なお、サンプルは500m以上
離れた異なる場所3ヶ所に設置した。結果は3ヶ所の合
計数を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】以上の結果より、試験例28および試験例
29のように日本酒、米酢、ヨーグルト等の発酵臭成分
を配合していない液状物は、他の液状物と比較して誘引
されるスズメバチはほとんどなく、日本酒、米酢、ヨー
グルト等の発酵臭成分を含有してなる液状物がスズメバ
チの誘引に効果があることがわかる。また、試験例21
〜23と試験例24〜27を比べると、発酵臭成分を含
有してなる液状物を7日間放置し発酵させることによ
り、更にスズメバチの誘引性が増大することがわかる。
【0053】実施例1〜2および比較例1 表5の組成となるように、各成分を混合して実施例1〜
2の液状物を得た。
【0054】
【表5】
【0055】一定時間、スズメバチの巣へ出入り(出数
と入数)を確認した後、実施例1または実施例2の液状
物を圧縮空気によって飛ばす装置(圧縮空気を利用した
蓄圧式水鉄砲)に充填し、スズメバチの巣に向かって約
5m離れた地点から約5秒間で35g噴射した。その
後、経時的にスズメバチの巣への出入りを調査した。ま
た、比較例1として市販のスズメバチ用エアゾール(主
成分:プラレトリン)を使用し、5m離れた地点から5
秒間巣に向かって65g噴霧して、経時的にスズメバチ
の巣への出入りを調査した。無処理の場合のスズメバチ
の巣への出入りも同様に調査した。結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】表6より、実施例1および実施例2の液状
物のスズメバチの巣への噴射により、約1週間でほぼ完
全に巣を駆除することができることがわかった。一方、
比較例1では、スズメバチは駆除できなかった。また、
実施例1および実施例2の液状物のスズメバチの巣への
適用は、比較例1のスズメバチ用製剤の使用に比べて、
安全に処理が可能であった。
【0058】実施例3 家屋内の天井に作られ、食毒剤を直接塗布することが困
難な巣の駆除において、スズメバチが巣への出入りの際
によく通過する巣から離れた場所に向かって、実施例1
で使用したものと同様の組成の液状物を実施例1と同様
の方法で35g噴霧した。その後、経時的にスズメバチ
の出入りを調査した。また、比較例2として市販のスズ
メバチ用エアゾール(主成分:プラレトリン)を使用
し、スズメバチが出入りする場所に向かって、5秒間6
5g噴霧して、経時的にスズメバチの出入りを調査し
た。無処理の場合のスズメバチの出入りも同様に調査し
た。結果を表7に示す。
【0059】
【表7】
【0060】表7より、実施例3の液状物の使用によ
り、スズメバチの出入りがほとんどなくなり、スズメバ
チを駆除することができることがわかった。なお、比較
例2のスズメバチ用製剤では、スズメバチを駆除するこ
とができなかった。
【0061】実施例4 自然営巣していたセイヨウミツバチの巣に飛来し、その
内部の蜜を吸って巣に戻ろうとするオオスズメバチ10
匹を捕獲した。捕獲したオオスズメバチの体表に、実施
例1で使用したものと同様の組成の液状物を綿に染み込
ませ、その上を強制的に歩かせた後、再び放した。その
後毎日、決まった時間にセイヨウミツバチの巣に飛来す
るオオスズメバチの数を30分間調査した。
【0062】
【表8】
【0063】表8より、実施例4の液状物をハタラキバ
チの体表に付着させることで、その飛来数を減少させる
ことができることがわかる。したがって、実施例4の液
状物をハタラキバチの体表に付着させることにより、そ
のハチだけでなく巣内の他のハチをも致死させることが
可能であると推測される。
【0064】実施例5 表9の組成となるように各成分を混合して、液状物を得
た。原液として、得られた液状物250mlをエアゾー
ル缶に充填した後、バルブを装着し、密閉した。次い
で、噴射剤としてLPG(ゲージ圧力4.8kg/cm
2 、20℃)200mlをエアゾール缶に充填し、実施
例5のエアゾール製剤を調製した。
【0065】
【表9】
【0066】得られたエアゾール製剤を、屋外で自然営
巣しているセグロアシナガバチまたはフタモンアシナガ
バチの巣表面に向かって約2m離れた地点から約4秒間
(60g)噴霧した。その後、経時的に巣表面に見られ
る成虫の数を調査した。結果を表10に示す。
【0067】
【表10】
【0068】表10より、実施例5のエアゾール製剤を
用いることによって、簡易的に約2日で巣内のハチを駆
除することができたことがわかる。
【0069】
【発明の効果】本発明のハチ用食毒剤は、ハチを興奮さ
せることなく安全に適用することが可能なものである。
また、本発明のハチ用食毒剤を用いたハチの駆除方法
は、ハチの生活習性を利用したものであり、自然に巣内
の全ハチを致死させることができるという非常に効果的
なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B121 AA12 CB07 CC02 CC06 CC12 CC13 CC16 CC29 CC31 CC36 EA21 FA02 FA07 4H011 AC01 BA01 BB08 BB09 BC08 BC18 BC19 BC23 DA13 DA21 DB05 DE16 DG13 DH03 DH10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 殺虫成分と、糖類および/または動物性
    タンパク質とを含有してなるハチ用食毒剤。
  2. 【請求項2】 さらに発酵臭成分を含有してなる請求項
    1記載のハチ用食毒剤。
  3. 【請求項3】 殺虫成分と、発酵臭成分とを含有してな
    るハチ用食毒剤。
  4. 【請求項4】 殺虫成分が、フィプロニルおよび/また
    は1−メチル−2−ニトロ−3,3−テトラハイドロフ
    リルメチルグアニジンである請求項1〜3いずれか記載
    のハチ用食毒剤。
  5. 【請求項5】 エアゾール製剤である請求項1〜4いず
    れか記載のハチ用食毒剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5いずれか記載のハチ用食毒
    剤を用いることを特徴とするハチの駆除方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5いずれか記載のハチ用食毒
    剤をハチに直接的におよび/または間接的に接触させる
    ように用いる請求項6記載のハチの駆除方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5いずれか記載のハチ用食毒
    剤を、ハチ、ハチの巣、ハチの巣の周辺およびハチの喫
    食対象物からなる群より選ばれる少なくとも1つに適用
    する請求項6または7記載のハチの駆除方法。
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