JP2003238105A - 燃料改質システム - Google Patents

燃料改質システム

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JP2003238105A
JP2003238105A JP2002031503A JP2002031503A JP2003238105A JP 2003238105 A JP2003238105 A JP 2003238105A JP 2002031503 A JP2002031503 A JP 2002031503A JP 2002031503 A JP2002031503 A JP 2002031503A JP 2003238105 A JP2003238105 A JP 2003238105A
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gas
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water
evaporator
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Atsushi Sakuma
淳 佐久間
Hikari Okada
光 岡田
Tadashi Nomura
正 野村
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01BBOILING; BOILING APPARATUS ; EVAPORATION; EVAPORATION APPARATUS
    • B01B1/00Boiling; Boiling apparatus for physical or chemical purposes ; Evaporation in general
    • B01B1/005Evaporation for physical or chemical purposes; Evaporation apparatus therefor, e.g. evaporation of liquids for gas phase reactions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料改質システムにおける改質器での煤の発
生を防止する。 【解決手段】 ガソリンと水とをガス状にして原燃料ガ
スとする蒸発器1と、蒸発器1の下流に配置され前記原
燃料ガスを改質触媒の触媒反応により改質して水素リッ
チガスを生成する改質器2と、を備えた燃料改質システ
ムにおいて、改質器2で生成する水素リッチガスの要求
量が定常状態であるときには、蒸発器1に供給するガソ
リンと水との供給割合を一定とし、改質器2で生成する
水素リッチガスの要求量に増加要求があるときには、蒸
発器1への水供給量を前記定常状態におけるガソリンと
水との供給割合から求められる量に対し1より大なる増
量係数kを乗じて定められる量に増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蒸発器と改質器
を用いて原燃料ガスから水素リッチガスを生成する燃料
改質システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池への燃料ガスの供給方法とし
て、メタノールやガソリンなどの炭化水素を含む原燃料
を、燃料改質システムによって水素リッチな燃料ガス
(以下、水素リッチガスと略す)に改質し、この水素リ
ッチガスを燃料電池の燃料ガスとして供給する場合があ
る(特開2000−302408号公報等)。例えば、
原燃料であるガソリンを水素リッチガスに改質する燃料
改質システムでは、水とガソリンとを蒸発器でガス化し
て原燃料ガスとし、これを改質用空気とともに改質器に
供給してガソリンを改質反応させて水素リッチガスに改
質する。この水素リッチな改質ガス中には、副反応によ
り発生した一酸化炭素(CO)が含まれており、燃料電
池に供給される改質ガス中のCO濃度が高いと、燃料電
池のアノードがCO被毒され、燃料電池は出力低下を招
く虞がある。
【0003】そこで、この燃料改質システムでは、改質
器の下流に熱交換器、シフター、CO除去器を順に設
け、前記熱交換器で改質ガスを所定温度まで低下させた
後、前記シフターで改質ガス中のCOをシフト反応によ
り二酸化炭素(CO2)に変成し、さらに残留するCO
を前記CO除去器で酸化させてCO2に変えることによ
り、改質ガス中のCO濃度を低減させてからこの改質ガ
スを燃料電池のアノードに燃料ガス(水素リッチガス)
として供給するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の燃料
改質システムでは、蒸発器において水および燃料が瞬時
に蒸発すると仮定して、燃料改質システムが定常状態で
ある時も過渡状態である時も、水と炭化水素系燃料(前
例ではガソリン)との噴射比率、すなわち、スチーム/
カーボンmol比率(以下、S/Cと略す)が一定にな
るように供給水量および燃料量を制御していた。なお、
過渡時における改質用空気の供給量は、改質触媒の温度
が所定温度になるように制御している。
【0005】しかしながら、燃料改質システムの出力増
大時(燃料電池自動車用の燃料改質システムであれば車
両の加速時に相当)に、定常時と同じS/Cで水および
燃料を増大させると、水と燃料では蒸発潜熱が相違し水
の方が燃料よりも蒸発しにくいため、改質器に流入する
ガス(以下、改質器入口ガスと略す)の実質的なS/C
は定常時よりも小さくなって、燃料リッチ(換言すれ
ば、水の濃度が減少)になる。この現象は出力増大率
(車両の加速率)が高ければ高いほど顕著に現れる。
【0006】ところで、炭化水素系燃料と水の改質反応
は、[化1]あるいは[化2]のように示される。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】
【0009】したがって、改質反応には、炭化水素系燃
料1モルに対して1〜2モルの水が必要とされる。これ
に対して、反応に与えられる水の量が不足すると、高温
状態では[化3]に示されるコーキング反応が起こり易
くなり、このコーキング反応により煤(コーク)が生成
される。
【0010】
【化3】
【0011】なお、コーキング反応が開始されるS/C
(以下、コーキング開始S/Cと略す)は、使用する炭
化水素系燃料と改質触媒の種類によって決まり、高温状
態において改質器入口ガスのS/Cがコーキング開始S
/Cを下回った場合に煤が生成されることとなる。改質
ガス中に煤が生成されると、この煤が改質器の改質触媒
や内壁に堆積して目詰まりを起こす虞がある。この目詰
まりは、改質器における原燃料ガスの偏流を助長し、局
所的に負荷が増大した部位における改質触媒の劣化を引
き起こす虞がある。
【0012】しかも、一度生成された煤は、[化4]に
示される酸化雰囲気下での燃焼反応、あるいは、[化
5]に示される高温水蒸気下での水性ガス反応が起きな
ければ消失しない。そのため、改質器で生成された煤が
下流に流れて、改質器よりも下流のデバイス(熱交換
器、シフター、CO除去器等)に付着し、これらデバイ
スに目詰まり等による性能低下をもたらす虞もある。
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】図4は、燃料改質システムを搭載した燃料
電池自動車で、炭化水素系燃料としてイソオクタンを用
い、前述した従来のS/C制御方法によって、5kWか
ら30kWまで加速レート12.5kW/秒(加速時間
2秒)で加速するテストを行い、その時の改質器入口ガ
スのS/Cを連続分析計で測定した結果である。この図
から、加速時に蒸発器に投入されるイソオクタンと水と
のS/Cは一定値となるが、改質器入口ガスのS/Cは
加速初期から定常時よりも低下し、瞬間的にコーキング
開始S/C(1.0)を下回ることがわかる。
【0016】図5は、このような加速テストを複数回繰
り返した場合の、各加速終了時点における改質器からC
O除去器間の圧力損失を測定した結果である。この図か
ら、加速テストを繰り返すにしたがって、圧力損失が二
次関数的に増大していくことがわかる。この一連のテス
トが終了した時点で、使用した装置を分解検査したとこ
ろ、改質器出口付近のパイプ内壁およびシフター入口に
取り付けたガスの面内分布向上のための金属メッシュ整
流板において、多量の煤が検出された。
【0017】実際にこのような炭化水素系燃料改質型の
燃料電池システムを車両に搭載した場合には、さらに大
きな加速レートとなることもあり、また、加速の繰り返
し回数はさらに多くなる。したがって、特に燃料電池自
動車では加速時の改質器における煤発生を確実に防止し
なければならない。そこで、この発明は、改質器におけ
る煤発生を確実に防止することができる燃料改質システ
ムを提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は、原燃料(例えば、後述する実施の形態
におけるガソリン)と水とをガス状にして原燃料ガスと
する蒸発器(例えば、後述する実施の形態における蒸発
器1)と、前記蒸発器の下流に配置され前記原燃料ガス
を改質触媒の触媒反応により改質して水素リッチガスを
生成する改質器(例えば、後述する実施の形態における
改質器2)と、を備えた燃料改質システムにおいて、前
記改質器で生成する水素リッチガスの要求量が定常状態
であるときには、前記蒸発器に供給する原燃料と水との
供給割合を一定とし、前記改質器で生成する水素リッチ
ガスの要求量に増加要求があるときには、前記蒸発器へ
の水供給量を前記定常状態における原燃料と水との供給
割合から求められる量に対し1より大なる第1の係数
(例えば、後述する実施の形態における増量係数kQ
を乗じて定められる量に増加させることを特徴とする。
このように構成することにより、前記改質器で生成する
水素リッチガスの要求量に増加要求があるときに、蒸発
器における水の蒸発量を定常状態の時よりも増大させる
ことができ、改質器入口ガスの実質的なS/Cをコーキ
ング開始S/Cよりも下回らないようにすることができ
る。
【0019】また、この発明において、前記水供給量増
加の継続時間(例えば、後述する実施の形態における増
加継続時間t)を、前記増加要求から求まる前記水素リ
ッチガスの増加完了までの時間(例えば、後述する実施
の形態における加速時間ΔT)に対し1より小なる第2
の係数(例えば、後述する実施の形態における時間係数
T)を乗じて定められるようにした場合には、水の過
剰供給を防止することができる。
【0020】また、この発明において、前記第2の係数
を、0.2〜0.6の範囲で設定した場合には、改質器
入口ガスの実質的なS/Cをコーキング開始S/Cより
も確実に下回らないようにすることができるとともに、
蒸発器1内で蒸発できずに液溜まりとなった水に顕熱を
奪われないようにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る燃料改質シ
ステムの一実施の形態を図1から図3の図面を参照して
説明する。なお、この実施の形態における燃料改質シス
テムは、燃料電池自動車に搭載されたエネルギー発生装
置としての燃料電池に供給される燃料ガスを生成する燃
料改質システムとしての態様であり、燃料改質システム
は、前述したように、ガソリンまたはメタノールなどの
炭化水素を含む原燃料を、水蒸気改質等により水素リッ
チガスに改質し、燃料電池に供給する。
【0022】図1は燃料改質システムの概略構成を示し
ている。この実施の形態における燃料改質システムは、
蒸発器1、オートサーマル式の改質器2、熱交換器3、
シフター4、CO除去器5、を主要構成としており、原
燃料としてのガソリンを水素リッチガス(水素が多量に
含まれたガス)に改質し、燃料ガスとして燃料電池50
に供給する。燃料電池50は固体高分子電解質膜型の燃
料電池であり、燃料改質システムからアノードに供給さ
れる燃料ガス(水素リッチガス)中の水素と、コンプレ
ッサ9からカソードに供給される酸化剤ガスとしての空
気中の酸素との電気化学反応により発電を行う。
【0023】蒸発器1には、燃料供給装置6から燃料供
給管7を介して原燃料としてのガソリンが供給され、水
供給装置11から水供給管12を介して水が供給され、
空気供給管14を介して改質用空気が供給されるように
なっている。蒸発器1に供給される水の供給量は、制御
装置90からの指令に基づいて水供給装置11により制
御可能になっており、蒸発器1に供給されるガソリンの
供給量は、制御装置90からの指令に基づき燃料供給装
置6により制御可能になっている。
【0024】また、蒸発器1は内部に触媒燃焼器8を備
えており、燃料電池50から排出される水素オフガスと
空気オフガスがオフガス管21,22を介して触媒燃焼
器8に導入されて燃焼され、この時に発生する熱で、蒸
発器1に導入される前記ガソリンおよび水を気化させガ
ス状にして原燃料ガスにするとともに、改質用空気を加
熱する。原燃料ガスと改質用空気は混合され原料ガスと
なって蒸発器1から原料ガス供給管15を通って改質器
2に供給される。
【0025】改質器2は内部に改質触媒を備えており、
この改質触媒の触媒作用により改質器2内で部分酸化と
水蒸気改質が行われ、その結果、原燃料ガスは水素リッ
チな改質ガスに改質される。前記改質触媒としては、P
t,Rh等の貴金属触媒、またはNi触媒を例示するこ
とができる。なお、この改質ガスには、副反応により生
じたCOが数%程度含まれている。改質器2から出てく
る改質ガスは極めて高温であり、この高温のまま下流の
シフター4に供給することができない。そこで、改質ガ
スは、改質器2から改質ガス供給管16を介して熱交換
器3に供給され、所定温度に冷却される。
【0026】熱交換器3で冷却された改質ガスは改質ガ
ス供給管17を介してシフター4に供給される。前述し
たように、改質器2から出てくる改質ガスはCO濃度が
高く、これをそのまま燃料電池50のアノードに供給す
ることができないので、シフター4によりCOを除去す
る。シフター4は内部にシフト触媒を備えており、この
シフト触媒の触媒作用によりシフター4の内部でシフト
反応が行われ、改質ガス中の多くのCOがCO2に変成
せしめられる。前記シフト触媒としては、CuZn系ま
たはPt触媒を例示することができる。
【0027】シフター4によってCOを除去せしめられ
た改質ガスは改質ガス供給管18を介してCO除去器5
に供給される。CO除去器5は内部にCOを選択酸化す
るCO除去触媒を備えており、CO除去器5にはCO酸
化用空気が供給される。CO除去器5において、CO除
去触媒の触媒作用により改質ガス中に微量に残留するC
OがCO2に酸化せしめられる。CO除去触媒として
は、白金(Pt)やルテニウム(Ru)等の酸化触媒を
例示することができる。このようにしてCOを除去され
た改質ガスは、CO除去器5から水素リッチガス供給管
19を介して、水素リッチガス(燃料ガス)として燃料
電池1のアノードに供給される。
【0028】この燃料改質システムにおいては、燃料改
質システムで生成される水素リッチガス(換言すれば、
CO除去器5から燃料電池50に供給される燃料ガス)
の流量が定常状態(略一定)である時には、蒸発器1に
供給される水と原燃料中に含まれるカーボンとのモル
比、すなわちS/Cが一定値となるように、水供給装置
11による水供給量と燃料供給装置6による燃料供給量
を制御する。
【0029】しかしながら、燃料改質システムで生成さ
れる水素リッチガスの流量が増大する過渡時にも、定常
状態と同じS/Cで水供給量と燃料供給量を制御したの
では、前述したように改質器入口ガスの実質的なS/C
がコーキング開始S/Cよりも低下して、改質器2にお
いて煤が生じてしまう。
【0030】そこで、この燃料改質システムでは、燃料
改質システムで生成される水素リッチガスの要求量に増
加要求があるときには、蒸発器1への水供給量を前記定
常時のS/Cから求められる量よりも増加させることに
より、蒸発器1における水の蒸発量を増加させ、改質器
入口ガスの実質的なS/Cがコーキング開始S/Cより
も下回らないようにした。
【0031】燃料改質システムで生成される水素リッチ
ガスの要求量、すなわち燃料改質システムに要求される
出力は、燃料電池50の運転状態によって決定され、ま
た燃料電池50の運転状態は燃料電池自動車にこの燃料
改質システムが搭載された場合ではアクセル開度(また
は出力指令値)によって決定される。そこで、この実施
の形態では、アクセル開度の変化から水素リッチガスの
増加要求(燃料改質システムの出力増加要求)を検出す
ることとした。そして、制御装置90には、燃料電池自
動車に設けられているアクセル開度センサ40の出力信
号が入力され、アクセル開度が増大変化する加速時を水
素リッチガスの増加要求時と判定することとした。
【0032】図2は、この実施の形態の燃料改質システ
ムにおいてアクセル開度の増大変化から加速要求が検出
され、その時に蒸発器1への水供給量を定常時のS/C
から求められる量よりも増加させる制御を実行した場合
の実験結果を示すものであり、水供給量制御指令値、実
際の水供給量、燃料供給量、改質器入口ガスS/Cの変
化を示している。実験は、原燃料としてイソオクタンを
用い、5kWから30kWまで加速レート12.5kW
/秒(加速時間2秒)で加速し、増加要求開始時から水
供給量制御指令を増加し、その増加指令継続時間(以
下、増加継続時間と略す)tを、加速開始から加速終了
までの加速時間ΔTに時間係数(第2の係数)kTを乗
じて求められた時間とし(t=kT・ΔT)、この増加
継続時間tの間だけ、水供給量Qを、定常時におけるS
/Cから求められる水供給量Q0に対して増量係数(第
1の係数)kQを乗じて定められる量とした(Q=kQ
0)。なお、加速時間ΔTは加速要求(加速直前のア
クセル開度や、アクセル開度の増加速度等)から求めら
れる。
【0033】このように水供給量増加制御を実行する
と、加速中も改質器入口ガスのS/Cをコーキング開始
S/Cより低下させずに、ほぼ一定に安定させることが
できる。その結果、改質器2における煤の生成を確実に
防止することができる。したがって、改質器2において
煤による目詰まりが生じなくなり、目詰まりに起因する
ガスの偏流も起きなくなり、局所的に改質触媒が劣化す
ることもない。これにより、燃料改質システムの耐久性
が向上する。
【0034】なお、前述した増量係数kQと時間係数kT
は、各加速条件に応じた最適化テストを行って決定す
る。図3は、加速条件および増量係数kQ(kQ=1.
5)を一定とし、時間係数k Tだけを変化させた場合の
改質器入口ガスS/Cの改善効果の違いを調べた実験結
果である。この実験結果から、時間係数kT=0.1程
度では水を噴射するインジェクター等のデバイスの性能
限界のためS/C改善効果は小さく、時間係数kT
0.2以上にすると十分な改善効果が現れ、改質器入口
ガスのS/Cをコーキング開始S/Cよりも大きくする
ことができた。そして、改質器2における煤の発生を防
止できることが確認された。しかしながら、時間係数k
Tを必要以上に大きくすると、蒸発器1内で蒸発できず
に液溜まりとなった水に顕熱を奪われ、蒸発効率の悪化
が生じるので、この実験結果から時間係数kTの上限値
は0.6程度とする。したがって、時間係数kTの最適
値はkT=0.2〜0.6とするのが好ましい。また、
加速条件および時間係数kTを一定とし、増量係数kQ
けを変化させた実験を行った結果、増量係数kQの最適
値はkQ=1.1〜2.0であることが確認された。
【0035】なお、時間係数kTおよび増量係数kQを前
記最適値の範囲内において高め(水リッチ側)に設定し
た場合には、加速中の改質器入口ガスのS/Cが高めに
保たれるので、改質器2における煤の発生を防止するこ
とができるのみならず、万が一にもシステム系内に煤が
蓄積していた場合には、[化6]に示される高温水蒸気
下での水性ガス反応によって煤を低減させることができ
る。
【0036】
【化6】
【0037】〔他の実施の形態〕尚、この発明は前述し
た実施の形態に限られるものではない。例えば、原燃料
はガソリンに限らず、メタノールやメタンを用いること
も可能である。また、原燃料の種類によってはシフター
4は不要である。また、水素リッチガスの増加要求は燃
料電池から取り出される電力量の変化率から求めること
も可能である。また、この発明は、蒸発器1に水を供給
し、そこで生じた水蒸気を改質器2に送り込む原料ガス
供給管15にガソリン(原燃料)を噴射してガソリンを
ガス化させる場合にも適用可能であり、その場合には、
原料ガス供給管15は蒸発器1の一部を構成するものと
みなす。
【0038】さらに、上述した実施の形態では、第1の
係数を増量係数kQとし、kQを1より大なる値として水
の供給割合量に乗じて水供給量Qを決めているが、kQ
を1より小さい値とし、水の供給割合量をこれで除して
も同様の結果を得て好適である。また、上述した実施の
形態では、第2の係数を時間係数kTとし、kTを1より
小なる値として加速時間ΔTに乗じて増加継続時間tを
決めているが、kTを1より大なる値とし、加速時間Δ
Tをこれで除しても同様の結果を得て好適である。
【0039】
【発明の効果】以上説明するように、この発明によれ
ば、原燃料と水とをガス状にして原燃料ガスとする蒸発
器と、前記蒸発器の下流に配置され前記原燃料ガスを改
質触媒の触媒反応により改質して水素リッチガスを生成
する改質器と、を備えた燃料改質システムにおいて、前
記改質器で生成する水素リッチガスの要求量が定常状態
であるときには、前記蒸発器に供給する原燃料と水との
供給割合を一定とし、前記改質器で生成する水素リッチ
ガスの要求量に増加要求があるときには、前記蒸発器へ
の水供給量を前記定常状態における原燃料と水との供給
割合から求められる量に対し1より大なる第1の係数を
乗じて定められる量に増加させるようにしたことによ
り、前記改質器で生成する水素リッチガスの要求量に増
加要求があったときにも、改質器入口ガスの実質的なS
/Cをコーキング開始S/Cよりも下回らないようにす
ることができ、その結果、改質器における煤の発生を防
止することができ、燃料改質システムの耐久性が向上す
るという優れた効果が奏される。
【0040】また、この発明において、前記水供給量増
加の継続時間を、前記増加要求から求まる前記水素リッ
チガスの増加完了までの時間に対し1より小なる第2の
係数を乗じて定めるようにした場合には、水の過剰供給
を防止することができる。また、この発明において、前
記第2の係数を、0.2〜0.6の範囲で設定した場合
には、改質器入口ガスの実質的なS/Cをコーキング開
始S/Cよりも確実に下回らないようにすることができ
るとともに、蒸発器1内で蒸発できずに液溜まりとなっ
た水に顕熱を奪われないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る燃料改質システムの一実施の
形態を示す構成図である。
【図2】 前記実施の形態において水供給量増加制御を
実行した場合における改質器入口ガスのS/C変化を示
す図である。
【図3】 増量係数kQを一定とし、時間係数kTだけを
変化させた場合の改質器入口ガスのS/C変化を測定し
た実験結果を示す図である。
【図4】 従来の水供給量制御を実行した場合における
改質器入口ガスのS/C変化を示す図である。
【図5】 加速時に従来の水供給量制御を実行した場合
の加速終了時点における改質器からCO除去器間の圧力
損失を測定した実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 水蒸気 2 改質器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/06 H01M 8/06 G (72)発明者 野村 正 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA03 EA06 EB16 EB43 5H027 AA02 BA01 BA16 BA17 MM01 5H115 PA08 PG04 PI18 PU01 PU21 SE06 TR19

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原燃料と水とをガス状にして原燃料ガス
    とする蒸発器と、 前記蒸発器の下流に配置され前記原燃料ガスを改質触媒
    の触媒反応により改質して水素リッチガスを生成する改
    質器と、 を備えた燃料改質システムにおいて、 前記改質器で生成する水素リッチガスの要求量が定常状
    態であるときには、前記蒸発器に供給する原燃料と水と
    の供給割合を一定とし、 前記改質器で生成する水素リッチガスの要求量に増加要
    求があるときには、前記蒸発器への水供給量を前記定常
    状態における原燃料と水との供給割合から求められる量
    に対し1より大なる第1の係数を乗じて定められる量に
    増加させることを特徴とする燃料改質システム。
  2. 【請求項2】 前記水供給量増加の継続時間は、前記増
    加要求から求まる前記水素リッチガスの増加完了までの
    時間に対し1より小なる第2の係数を乗じて定められる
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料改質システム。
  3. 【請求項3】 前記第2の係数は、0.2〜0.6の範
    囲で設定されることを特徴とする請求項2に記載の燃料
    改質システム。
JP2002031503A 2002-02-07 2002-02-07 燃料改質システム Withdrawn JP2003238105A (ja)

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