JP5982665B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池システムに関し、特に内部改質型の固体酸化物形燃料電池システムに関する。
固体酸化物形燃料電池システムに関し、特許文献1(特にその段落番号0020、0021)には、次のような技術(課題及び解決手段)が開示されている。
燃料電池セル内における燃料と酸化剤との反応温度が異常に高温になったり、燃料に含まれる水蒸気量が異常に少なくなったりすると、燃料極にカーボンが析出することがあり、このようになると燃料電池セルの性能が著しく低下することが知られている。
そこで、燃料電池セルの燃料極に燃料を供給する燃料流通路内の水蒸気量を検出する水蒸気センサを備え、この水蒸気センサからの検出信号に基づいて燃料に含まれる原燃料及び水蒸気の混合割合を演算し、該演算結果に応じて燃料に含まれる炭素量に対する水蒸気量のモル比率が1.5以上になるよう少なくとも原燃料に混ぜられる水蒸気量を制御する。
また、特許文献2(特にその段落番号0004、0006)には、次のような技術(課題及び解決手段)が開示されている。
炭素が電池構成材上に析出した場合、触媒の能力が低下し、電池周辺部材、例えば燃料流通配管中に析出した場合には配管を閉塞するという不具合が生じていた。また一方では、炭素の析出を抑えるために燃料側に酸化剤ガスを含むガスを供給した場合、酸化剤ガスが多く含まれると起電力の低下が生ずるため、固体酸化物形燃料電池の初期特性だけを考えた場合には、添加する酸化剤ガスの割合は少ないほうが好ましい。
そこで、炭化水素系燃料を直接燃料として用い、炭化水素の部分酸化反応を発電反応とする固体酸化物形燃料電池において、燃料ガス供給系に、空気極用酸化ガスを含むガスを供給する手段を少なくとも備え、定格より低い出力が要求された場合、要求出力に見合った、定格出力時よりも多量の酸化ガスを混合した混合ガスを発電部に供給することで、定格より低い所望の出力で運転する。
特開2008−021458号公報 特許第3693933号公報
本発明の対象とする固体酸化物形燃料電池システム(以下「SOFCシステム」という)は、内部改質型であり、炭化水素系の燃料を水蒸気改質反応により改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、改質ガスと酸化剤(一般に空気)との電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、を含んで構成される。
尚、改質器は、水蒸気改質反応(SR)の他、起動時などに、部分酸化反応(POX)や自己熱改質反応(ATR)を行わせることも可能であり、水素、一酸化炭素などを生成する。
上記のようなSOFCシステムでは、水蒸気生成用の水系の異常(例えば水ポンプの送水異常、水気化部の作動不良)などにより、燃料電池セル(燃料電池を構成するセル)の燃料極上に燃料中のカーボンが析出し、セルに損傷を与える可能性がある。従って、固体酸化物形燃料電池システムを安定的に運転するためには、燃料電池セルへのカーボンの析出を抑制することが課題として求められる。
このような課題に対し、特許文献1の技術では、水系の異常により所望の水蒸気量を確保できない場合、燃料電池セルにカーボンが析出する恐れがある。
特許文献2の技術は、改質器を持たず、炭化水素系燃料を直接燃料として用い、炭化水素の部分酸化反応を発電反応とする固体酸化物型燃料電池での技術であり、本発明の対象とする内部改質型のSOFCシステムに適用して、改質前の炭化水素系燃料に酸化ガス(空気)を混合する構成とした場合に、次のような問題点を生じる。
内部改質型のSOFCシステムでは、発電中は改質器にて水蒸気改質反応を起こしているが、この反応は吸熱反応であるため、オフガスを燃焼させて、その熱を改質器に与えている。このような設計のSOFCシステムの場合、燃料と空気とを予め混ぜると、改質器内で発熱反応である部分酸化反応(POX)や自己熱改質反応(ATR)が起こり、改質器温度が高くなってしまう。そのため、改質器の温度管理の複雑化や、改質触媒の寿命低下を招く。
本発明は、このような実状に鑑み、内部改質型のSOFCシステムにおいて、改質器の過度の温度上昇等を招くことなく、燃料電池でのカーボンの析出を抑制可能とすることを課題とする。
本発明に係るSOFCシステムは、炭化水素系の燃料を水蒸気改質反応により改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、改質ガスと酸化剤との電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、を含んで構成される。
ここにおいて、前記燃料電池でのカーボンの析出を予防するため、前記システムは、更に、前記改質器から前記燃料電池のアノードへの前記改質ガスの供給通路に酸化剤を導入可能な酸化剤導入デバイスを含んで構成され、前記酸化剤導入デバイスは、前記燃料電池にてカーボンが析出しやすくなる所定の条件にて、前記改質ガスの供給通路に酸化剤を導入する。
本発明によれば、改質器から出た改質ガスに酸化剤を一定量混合して燃料電池に供給することで、改質器でのガススリップによる未改質ガスや、水ポンプなどの一時的な不調による水蒸気低含有改質ガスが、燃料電池に供給された場合に起こりうる燃料電池内でのカーボン析出を抑制し、セル劣化を抑制することができる。
また、改質器の下流側で酸化剤を入れることにより、次のようなメリットがある。
(1)カーボン析出を予知又は検知した際にはすでに微量の炭素が析出している可能性が高い。本手法では改質器をパスしていることで、直接的に、素早くカーボン除去を行うことができ、析出による劣化のリスクを低減できる。
(2)定格運転中の改質器内に酸化剤を入れた場合、ATR又はPOXが進行するために改質器温度が過度に上昇し、触媒劣化の進行、改質器容器の高温腐食が起こってしまう可能性がある。本手法では改質器の下流側で酸化剤を入れることで、これらの劣化を抑制することができる。
(3)また、定格運転中の改質器内に酸化剤を入れた場合、定格運転を行っているような温度領域においては、酸素は改質器内でほとんど反応してしまうため、燃料電池まで到達する酸素は僅かな量になってしまい、燃料電池にて析出した炭素を十分に除去することができない。本手法ではこの問題もクリアできる。
本発明の第1実施形態を示すSOFCシステムの概念図 本発明の第2実施形態を示すSOFCシステムの概念図 本発明の第3実施形態を示すSOFCシステムの概念図 カーボン析出抑制運転のフローチャート
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示すSOFCシステムの概念図である。
本実施形態のSOFCシステムは、改質器1と燃料電池9とを含んで構成される。
改質器1は、炭化水素系の燃料(例えばLPG、都市ガス、灯油、メタノールなど)を水蒸気改質により改質して水素リッチな改質ガス(水素含有ガス)を生成する。このため、改質器1には、燃料ポンプ4により燃料供給通路5を介して炭化水素系の燃料が供給されると共に、水ポンプ6により水供給通路7を介して水が供給される。
改質器1は、前段の水気化部2と後段の改質部3とを含んで構成される。
水気化部2は、後述するオフガス燃焼部(図示せず)の燃焼熱を受けるケース内にアルミナボール等の伝熱部材を充填して構成される。従って、水気化部2は、水ポンプ4により供給される水を気化させて、水蒸気を生成する。本実施形態では、水気化部2は、改質器1内の改質部3の前段に設けたが、改質器1とは独立させて外部に設けてもよい。
改質部3は、オフガス燃焼部(図示せず)の燃焼熱を受けるケース内に改質触媒を充填して構成される。この改質部3には、燃料ポンプ4により水気化部2を経て炭化水素系の燃料が供給される一方、水気化部2から水蒸気が供給される。従って、改質部3は、炭化水素系の燃料を水蒸気改質反応により改質して水素リッチな改質ガスを生成する。改質部3は、水蒸気改質反応(SR)の他、部分酸化反応(POX)や自己熱改質反応(ATR)を行わせることも可能であり、起動工程時には、温度上昇に伴わせて、POX→ATR→SRの順で、改質反応を切換える。本実施形態では、燃料を水気化部2を経て改質部3に供給するようにしたが、改質部3に直接供給するようにしてもよい。
尚、炭化水素系の燃料とは、分子中に炭素と水素とを含む化合物(酸素等、他の元素を含んでいてもよい)若しくはそれらの混合物を含む燃料をいい、例えば、炭化水素類、アルコール類、エーテル類、バイオ燃料が挙げられる。具体的には、炭化水素類として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、LPG(液化石油ガス)、都市ガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油が挙げられる。アルコール類として、メタノール、エタノールが挙げられる。エーテル類として、ジメチルエーテルが挙げられる。バイオ燃料として、バイオガス、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオジェットが挙げられる。
改質器1(改質部3)の出口からは、生成された改質ガスの供給通路8が導出され、後述するバッファ21を介して、燃料電池9に接続されている。
燃料電池9は、複数の固体酸化物形燃料電池セルを直列及び/又は並列接続してなる組立体である。各燃料電池セルは固体酸化物電解質の両面に燃料極(アノード)及び酸化剤極(カソード)を積層してなり、燃料極には改質器1(改質部3)の出口からの改質ガスの供給通路8により改質ガスが供給され、酸化剤極には酸化剤ポンプ11により酸化剤供給通路12を介して酸化剤(一般に空気)が供給される。
従って、燃料電池セルの各々において、酸化剤極にて、下記(1)式の電極反応が生起され、燃料極にて、下記(2)式の電極反応が生起されて、発電がなされる。
酸化剤極: 1/2O+2e→O2−(固体電解質) ・・・(1)
燃料極: O2−(固体電解質)+H→HO+2e ・・・(2)
燃料電池9での余剰の改質ガス(発電未反応ガスとして排出されるオフガス)は、余剰の酸化剤の存在下で燃焼させる。従って、図示しないが、燃料電池9のオフガス排出部に着火デバイスが備えられてオフガス燃焼部が構成される。このオフガス燃焼部での燃焼熱は、改質器1及び燃料電池9を改質可能及び発電可能な高温状態に維持するために使用される。
次に燃料電池9でのカーボンの析出を抑制するための構成について説明する。
酸化剤導入デバイス20は、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8に酸化剤(空気)を導入可能であり、燃料電池9にてカーボンが析出しやすい所定の条件にて、酸化剤を導入する。
酸化剤導入デバイス20は、その一部として、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8の途中にバッファ(容積部)21を有し、このバッファ21に酸化剤を導入する。従って、燃料電池9へ供給する改質ガスに酸化剤を混ぜることになる。このようにバッファ21を設けることで、改質ガスと酸化剤との予混合を促進できる。尚、バッファ21については特別に設けることなく、燃料電池9を構成する多数の燃料電池セルに改質ガスを分配するための分配室をそのまま利用するようにしてもよい。
本実施形態では、酸化剤導入デバイス20における酸化剤の供給源として、専用の酸化剤ポンプ22を用いる。そして、酸化剤ポンプ22の吐出側からの酸化剤導入通路23をバッファ21に接続する。
ここにおいて、酸化剤ポンプ22の運転は制御装置40により制御する。従って、制御装置40により、所定の条件にて、酸化剤ポンプ22を作動させることにより、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8(バッファ21)に酸化剤を導入し、燃料電池9にてカーボンが析出することを抑制することができる。
酸化剤導入通路23の途中には、マスフローメータ24を介装してもよい。この場合、制御装置40はマスフローメータ24の値を取得し、その値が所望の値となるように酸化剤ポンプ22を制御する。
尚、制御装置40は、SOFCシステムの制御装置を兼ねるものであって、マイクロコンピュータを含んで構成され、燃料ポンプ4、水ポンプ6及び酸化剤ポンプ11による燃料、水及び酸化剤の供給量を制御すると共に、燃料電池9の出力側に設けられるパワーコンディショナー(図示せず)を介して、燃料電池9からの電流掃引を制御し、これらによって発電電力を制御する機能を有している。
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図2は本発明の第2実施形態を示すSOFCシステムの概念図である。本実施形態での酸化剤導入デバイス20について説明する。
酸化剤導入デバイス20は、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8に酸化剤(空気)を導入可能であり、燃料電池9にてカーボンが析出しやすい所定の条件にて、酸化剤を導入する。
酸化剤導入デバイス20は、その一部として、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8の途中にバッファ(容積部)21を有し、このバッファ21に酸化剤を導入する。
本実施形態では、酸化剤導入デバイス20における酸化剤の供給源として、燃料電池9のカソードへ酸化剤を供給する酸化剤ポンプ11を共用することとする。このような共用化によりコストアップを抑制できる。
このため、酸化剤導入デバイス20は、酸化剤ポンプ11の吐出側の供給通路12から分岐してバッファ21に接続される酸化剤導入通路25と、この酸化剤導入通路25を開閉するバルブ26とを含んで構成される。
言い換えれば、カソード用酸化剤の供給通路12の途中からバルブ26を介して導入通路25を分岐させ、この導入通路25をバッファ21に接続する。尚、バルブ26については、導入通路25への酸化剤の通流をオンオフできる機能を有していれば、供給通路12と導入通路25との分岐部に三方弁として装着するようにしてもよい。
酸化剤導入通路25の途中には、流量調整用の絞り、例えばキャピラリーチューブ27を介装する。キャピラリーチューブ27は、毛細管をらせん状に巻回したものである。流量調整用の絞りとして、オリフィスを用いてもよい。尚、バルブ26として、導入通路25への流量を調整することができるバルブを使用する場合は、流量調整用の絞りは省略してもよい。
ここにおいて、バルブ26の開閉及び酸化剤ポンプ11の吐出量の増減は、制御装置40により制御する。従って、制御装置40により、所定の条件にて、バルブ26を開作動させることにより、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8(バッファ21)に酸化剤を導入し、燃料電池9にてカーボンが析出することを抑制することができる。
次に本発明の第3実施形態について説明する。
図3は本発明の第3実施形態を示すSOFCシステムの概念図である。本実施形態での酸化剤導入デバイス20について説明する。
酸化剤導入デバイス20は、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8に酸化剤(空気)を導入可能であり、燃料電池9にてカーボンが析出しやすい所定の条件にて、酸化剤を導入する。
酸化剤導入デバイス20は、その一部として、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8の途中にバッファ(容積部)21を有し、このバッファ21に酸化剤を導入する。
酸化剤導入デバイス20は、酸化剤の供給源としては、改質器1へ改質反応用の酸化剤を供給する改質用酸化剤ポンプ28を共用することとする。
改質器1にて改質反応として部分酸化反応(POX)を行わせる場合は、改質用酸化剤ポンプ28を備え、改質用酸化剤ポンプ28により改質用酸化剤供給通路29を介して改質器1(改質部3)に酸化剤を供給可能である。従って、カーボン析出抑制用の酸化剤の供給源として、改質用酸化剤ポンプ28を共用することができる。このような共用化によってもコストアップを抑制できる。
このため、酸化剤導入デバイス20は、改質用酸化剤ポンプ28の吐出側の供給通路29から分岐してバッファ21に接続される酸化剤導入通路30と、この酸化剤導入通路30を開閉するバルブ31とを含んで構成される。
言い換えれば、改質用酸化剤の供給通路29の途中からバルブ31を介して導入通路30を分岐させ、この導入通路30をバッファ21に接続する。
酸化剤導入通路30の途中には、流量調整用の絞り、例えばキャピラリーチューブ32を介装する。流量調整用の絞りとして、オリフィスを用いてもよい。
ここにおいて、バルブ31の開閉及び改質用酸化剤ポンプ28の吐出量の増減は、制御装置40により制御する。従って、制御装置40により、所定の条件にて、バルブ31を開作動させることにより、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8(バッファ21)に酸化剤を導入し、燃料電池9にてカーボンが析出することを抑制することができる。
尚、本実施形態では、改質用酸化剤ポンプ28により改質器1へ酸化剤を供給していることを前提として、バルブ31の開作動により、改質器1から燃料電池9への改質ガスの供給通路8(バッファ21)に酸化剤を導入する構成としている。従って、改質器1へ酸化剤を供給しない条件下で、供給通路8(バッファ21)に酸化剤を導入可能とする場合には、改質器1への酸化剤の供給を遮断できるようにした上で、改質用酸化剤ポンプ28を作動させ、バルブ31を開弁作動させる。
図4は第1〜第3実施形態において制御装置40によりなされるカーボン析出抑制運転(酸化剤導入制御)のフローチャートである。
S1では、予め定めたカーボン析出条件か否かを判定する。カーボン析出条件につては後述する。
カーボン析出条件の場合は、S2へ進み、バッファ21へ酸化剤を供給(供給開始又は供給継続)する。第1実施形態(図1)では、酸化剤ポンプ22を作動させ、第2実施形態(図2)ではバルブ26を開き、第3実施形態(図3)では酸化剤ポンプ28の運転を前提にバルブ31を開く。
カーボン析出条件でない場合は、S3へ進み、バッファ21への酸化剤の供給を停止(又は停止状態を保持)する。第1実施形態(図1)では、酸化剤ポンプ22を停止させ、第2実施形態(図2)ではバルブ26を閉じ、第3実施形態(図3)ではバルブ31を閉じる。
次に上記のカーボン析出条件(バッファ21への酸化剤導入条件)について説明する。
カーボン析出条件は、下記の(1)〜(8)の条件のうち、少なくとも1つの条件とする。
(1)水気化部温度の低下時
水気化部2の温度を検出し、その低下時にバッファ21へ酸化剤を導入して、改質ガスに酸化剤を混ぜる。より具体的には、下記の例1〜3のようなときである。
例1:通常運転時又は起動工程時に、水気化部温度が100℃以上の状態を所定時間維持できないとき。
例2:通常運転時に、水気化部温度が100℃以下となったとき。
例3:停止工程時に、セル温度が所定温度(例えば400℃)に下がる前に、水気化部温度が100℃以下になったとき。
(2)水ポンプ6の送水異常の検知時
通常運転時、起動工程時又は停止工程時に、水ポンプ6の設定流量に対する実流量の偏差異常が生じたときは、バッファ21へ酸化剤を導入して、改質ガスに酸化剤を混ぜる。例えば、設定流量に対し、−10%以下となったときである。
(3)起動工程時であって、燃料電池9の温度(以下「セル温度」という)が所定温度に到達した以降
起動工程時に、セル温度が所定温度に到達した以降に、バッファ21へ酸化剤を導入して、改質ガスに酸化剤を混ぜる。起動工程時は改質不十分なガスが後段に流れやすく、カーボンの析出を生じやすいが、セル温度が低いときは析出しにくいためである。
(4)起動工程時であって、水蒸気改質反応を開始する前の部分酸化反応時
起動工程初期の部分酸化反応時に、バッファ21へ酸化剤を導入して、改質ガスに酸化剤を混ぜる。起動初期に改質不十分なガスが後段に流れやすいためである。
(5)発電性能の低下時
通常運転時に、所定電流範囲における電圧偏差が予め定めた基準値を超えたときは、バッファ21へ酸化剤を導入して、改質ガスに酸化剤を混ぜる。発電性能の低下からカーボン析出が疑われるためである。
(6)セル温度の低下時
通常運転時に、燃料電池セルの燃料入口部温度を測定できる熱電対を設置し、単位時間内に所定温度以上下がった場合(例えば1分以内に10℃下がった場合)に、バッファ21へ酸化剤を導入して、改質ガスに酸化剤を混ぜる。温度を検知するのは、コーキングによる吸熱を感知するためである。
(7)負荷増大に伴う燃料供給量の増加時
燃料供給量の増加時に、バッファ21へ酸化剤を導入して、改質ガスに酸化剤を混ぜる。通常運転中に運転状態の変更(主に負荷増大)により燃料供給量を増やす場合、燃料及び水の投入量が増えることにより、一時的に改質器温度が低下し、改質不十分になる恐れがあるためである。
(8)改質器1内の改質触媒の劣化時
改質触媒の劣化を検知した場合は、バッファ21へ酸化剤を導入して、改質ガスに酸化剤を混ぜる。具体的には、改質触媒の劣化により、改質器出口温度が初期値(システム新品当時)から著しく乖離したときである。これには、改質能力が低下し改質反応による吸熱点が出口付近まで下がることで、出口温度が著しく下がる場合と、改質触媒が急激に劣化し、全体的に改質による吸熱が進行しないことで、出口温度が著しく上がる場合とがある。
次に、水不足時のカーボン析出のメカニズム、及び、酸化剤混入によるカーボン析出抑制のメカニズムについて、説明する。
〔水不足時のカーボン析出のメカニズム〕
燃料電池の前段に改質器を有し、メタン、エタン、プロパンなどの炭化水素ガスを供給して水蒸気改質を行っているSOFCシステムにおいて、改質器に充分な量の水蒸気が供給されていれば、これらの炭化水素ガスは一酸化炭素、水素などを生成する。下記に代表的なメタンの水蒸気改質反応式を示す。
水蒸気改質反応(SR): CH+HO→CO+3H
水蒸気改質が充分進行しているガスが燃料電池に供給された場合には、燃料極においてカーボン析出が起こらず、長期間安定した発電が可能である。
しかしながら、水気化部からの一時的な水蒸気の供給不足などが起こった場合、水蒸気改質が充分に進行せず、一部未改質のガスが直接燃料電池へと供給されてしまう。金属を含む燃料極に未改質の炭化水素系ガスが供給されてしまった場合、燃料極上で熱分解反応が発生し、カーボンが析出してしまう。下記に代表的なメタンの熱分解反応を示す。
熱分解反応: CH→C+2H
燃料極上でのカーボン析出は、セルの破壊、燃料ガスの反応場への拡散流路を閉塞するなどの悪影響が大きく、燃料電池の劣化を引き起こす。そのため、SOFCシステムを長期間安定して運転するためには、カーボン析出を抑制し、また析出した場合には速やかに除去することが重要である。
このような現象が懸念される金属材料として、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)等が挙げられる。
〔酸化剤(空気)混入によるカーボン析出抑制のメカニズム〕
燃料極上にカーボンが析出した場合、そのあと充分な水蒸気が供給されれば、ある程度は下記の反応が進み、除去される。
C+HO→CO+H
しかしながら、本出願人による検討では、未改質ガスが燃料電池に供給された場合、水蒸気が同伴していても、条件によってはカーボン除去反応が熱分解反応に対して遅く、カーボン析出が進行してしまうことがわかっている。特にメタンよりもプロパンなど、分子中C量の多いガスほど、カーボン析出の傾向は顕著であった。よって、カーボン除去には他の反応も加えるなどして対策を行う必要がある。有望な対策としては空気添加による下記のようなCの燃焼反応が挙げられる。
C+O→CO
2C+O→2CO
そこで、供給ガスに対して1容積%の空気を改質器出口と燃料電池との間に供給したところ、下記のような反応により、カーボン析出を抑えることが確認できた。
C+O→CO
2C+O→2CO
よって、未改質ガスの供給に伴うカーボン析出に関しては、空気供給が有効であることが分かった。
尚、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
例えば、図1〜図3においては、燃料供給通路5と水供給通路7とが別個に設けられて改質器1に接続される形態を示したが、燃料及び水を改質器1に導入する前に混合し、1つの供給通路を通して改質器1に導入してもよい。あるいは、燃料供給通路5と水供給通路7とを二重管構造にして改質器1に接続してもよい。
また、図1〜図3においては、燃料が水気化部2に導入される形態を示したが、燃料が水気化部2を通過することなく改質部3に直接導入されるようにしてもよい。
また、図3においては、改質用酸化剤供給通路29が、水気化部2への方向とバッファ21への方向とに分岐している形態を示したが、水気化部2への方向に分岐した通路を、水気化部2ではなく燃料供給通路5及び/又は水供給通路7に接続してもよい。
1 改質器
2 水気化部
3 改質部
4 燃料ポンプ
5 燃料供給通路
6 水ポンプ
7 水供給通路
8 改質ガスの供給通路
9 燃料電池
11 酸化剤ポンプ
12 酸化剤供給通路
20 酸化剤導入デバイス
21 バッファ
22 酸化剤ポンプ
23 酸化剤導入通路
24 マスフローメータ
25 酸化剤導入通路
26 バルブ
27 キャピラリーチューブ
28 改質用酸化剤ポンプ
29 改質用酸化剤供給通路
30 酸化剤導入通路
31 バルブ
32 キャピラリーチューブ

Claims (12)

  1. 炭化水素系の燃料を水蒸気改質反応により改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、
    前記改質ガスと酸化剤との電気化学反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、
    を含んで構成される、燃料電池システムであって、
    前記システムは、更に、
    前記改質器から前記燃料電池のアノードへの前記改質ガスの供給通路に酸化剤を導入可能な酸化剤導入デバイスを含んで構成され、
    前記酸化剤導入デバイスは、前記燃料電池にてカーボンが析出しやすくなる所定の条件にて、前記改質ガスの供給通路に酸化剤を導入することを特徴とする、燃料電池システム。
  2. 前記酸化剤導入デバイスは、前記改質器から前記燃料電池のアノードへの前記改質ガスの供給通路に介装されるバッファを有し、このバッファに酸化剤を導入することを特徴とする、請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記酸化剤導入デバイスは、
    前記燃料電池のカソードへ酸化剤を供給する酸化剤ポンプを用い、
    前記酸化剤ポンプの吐出側から分岐して前記改質ガスの供給通路に接続される酸化剤導入通路と、この酸化剤導入通路を開閉するバルブと、を含んで構成されることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記改質器は、酸化剤の供給を受けて、部分酸化反応による改質が可能であり、
    前記酸化剤導入デバイスは、
    前記改質器へ酸化剤を供給する改質用酸化剤ポンプを用い、
    前記改質用酸化剤ポンプの吐出側から分岐して前記改質ガスの供給通路に接続される酸化剤導入通路と、この酸化剤導入通路を開閉するバルブと、を含んで構成されることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の燃料電池システム。
  5. 前記所定の条件は、少なくとも、水蒸気改質反応用の水蒸気を生成する水気化部の温度の低下時であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記所定の条件は、少なくとも、水蒸気改質反応用の水を供給するポンプの送水異常の検知時であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記所定の条件は、少なくとも、起動工程時であって、前記燃料電池の温度が所定温度に到達した以降であることを特徴とする、請求項1〜請求項6いずれか1つに記載の燃料電池システム。
  8. 前記所定の条件は、少なくとも、起動工程時であって、前記改質器にて水蒸気改質反応を開始する前の部分酸化反応時であることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  9. 前記所定の条件は、少なくとも、発電性能の低下時であることを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  10. 前記所定の条件は、少なくとも、前記燃料電池の温度の低下時であることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  11. 前記所定の条件は、少なくとも、負荷増大に伴う燃料供給量の増加時であることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  12. 前記所定の条件は、少なくとも、前記改質器内の改質触媒の劣化時であることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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