JP2003236549A - 電解水生成装置 - Google Patents

電解水生成装置

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JP2003236549A
JP2003236549A JP2002040178A JP2002040178A JP2003236549A JP 2003236549 A JP2003236549 A JP 2003236549A JP 2002040178 A JP2002040178 A JP 2002040178A JP 2002040178 A JP2002040178 A JP 2002040178A JP 2003236549 A JP2003236549 A JP 2003236549A
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electrolyzed
electrolyzed water
acidic
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JP2002040178A
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Mitsunori Yokozawa
光紀 横澤
Isao Yokoyama
功 横山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電極に付着したプラスイオンを洗浄して電極
の寿命を高める。 【構成】 電解水生成装置1は、電解槽11に被電解水
が供給されると、電気分解により、陰極室となる第一電
極室32A,32Dからアルカリ性水が生成される。一
方、陽極室となる第二電極室32B、32Cから酸性水
が生成される。両電極室の極性が反転すると、陽極室と
なる第一電極室32A,32Dから酸性水が生成され
る。一方、陰極室となる第二電極室32B、32Cから
アルカリ性水が生成される。両電極室の極性は蛇口を閉
鎖することによって反転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも原水を
含む被電解水を電気分解して電解水を生成する電解水生
成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電解水生成装置は、原水を電解槽
に供給して電気分解し、電解水を生成する装置である。
電解槽は、陽極を有する陽極室と陰極を有する陰極室と
が隔膜により仕切られて構成されており、電気分解され
たプラスイオンが陰極室へ移動し、マイナスイオンが陽
極室に移動する。そして、陽極室内で生成された電解水
は酸性水として吐水され、陰極室内で生成された電解水
はアルカリ性水として吐水される。
【0003】また、この電解水は、そのイオン極性及び
その強弱(pH値)により、強酸性水(約pH3未満),弱
酸性水(約pH3〜7未満),弱アルカリ性水(約pH8〜
10未満),強アルカリ性水(約pH10以上)に分類さ
れる。
【0004】これら各電解水は、その効用によりそれぞ
れ用途が異なっている。例えば、強酸性水は、生鮮食
品,手指の洗浄や、食器の除菌や、洗髪,洗顔,化粧水
に用いられる。また弱酸性水は、収斂作用があるため例
えばうどんやそばを茹でるときに用いられる。更に、弱
アルカリ性水は、飲料水や調理水として用いられる。ま
た強アルカリ性水は、石けん水と同等の洗浄効果がある
ので、タンパク質や脂肪、油、ぬめり取り等の汚れ落と
しに用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電解水生成装置では、継続的に使用すると、陰
極に、Ca++,Mg+ ,Na+ ,K + 等のプラスイオンが付着
するため、これにより印加電圧が上昇したり、電流が流
れにくくなったり、流水抵抗も増加するため生成電解水
の水量が低下することとなる。したがって、陰極の寿命
が短く、早期に交換しなければならないという不便さが
ある。
【0006】また、電解水のイオン極性や強弱により、
使用目的が異なるため、例えば、操作者が飲料水を生成
するため弱アルカリ性水を所望したときに弱酸性水が吐
水されると、操作者が誤って弱酸性水を飲んでしまうこ
ととなる。これとは逆に、例えば、そばを茹でるため操
作者が弱酸性水を所望したときに弱アルカリ性水が吐水
されると、コシのある麺がゆで上がらないこととなる。
【0007】更に、例えば、操作者が弱電解水を所望し
たときに強電解水が吐水されると、飲料水や調理水に適
さない弱電解水を誤飲してしまうこととなる。したがっ
て、本来の使用目的とは異なる電解水が吐水されると、
操作者は安心して装置を使用することができず、装置の
使い勝手が悪いこととなる。
【0008】また各電解水ごとに、又はイオン極性ごと
に、又は電解水の強弱により別途装置を設置したので
は、台所や洗面所等、原水の供給可能な場所に広いスペ
ースを確保しなければならず、調理などの本来の作業の
妨げとなる場合がある。
【0009】そこで本発明は、上記問題点を解消するた
めに、電極に付着したプラスイオンを洗浄して電極の寿
命を高める電解水生成装置を提供することを目的とす
る。また、各電解水の吐水口から操作者が所望する電解
水を確実に吐水することで安心して使用可能な電解水生
成装置を提供することを目的とする。更に、イオン極性
や強弱による電解水の多用途の目的に対応できる電解水
生成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段について説明する。請求項l記載の電解
水生成装置は、少なくとも原水を含む被電解水を電気分
解して電解水を生成する電解水生成装置であって、第一
電極を有する第一電極室と第二電極を有する第二電極室
とが隔膜により区画されて前記被電解水が供給される電
解槽と、互いに異なる極性となるように前記第一電極及
び前記第二電極に電源供給する直流電源供給手段と、該
直流電源供給手段に対し、陰陽いずれか一方の極性とな
った前記第一電極及び該第一電極と異なる極性となった
前記第二電極の極性をそれぞれ反転制御する電極制御手
段と、を備え、前記電解槽に前記被電解水が供給される
と、電気分解により、前記第一電極室から第一電解水を
生成するとともに、第二電極室から前記第一電解水とイ
オン極性が異なる第二電解水を生成することを特徴とす
る。
【0011】請求項1の電解水生成装置によれば、第一
電極が陽極(又は陰極)のとき、第二電極は陰極(又は
陽極)となる。これにより被電解水が電解槽に供給され
ると、第一電極室にて酸性水(又はアルカリ性水)が生
成され、第二電極室にてアルカリ性水(又は酸性水)が
生成される。
【0012】そして、第二電極(又は第一電極)の表面
には、Ca++,Mg+ ,Na+ ,K + 等、被電解水から電離さ
れたプラスイオンが付着する。極性反転により、第一電
極が陰極(又は陽極)に反転し、第二電極が陽極(又は
陰極)に反転すると、第二電極(又は第一電極)に付着
していたプラスイオンが第二電極(又は第一電極)から
引き離され、隔膜を通過して第一電極(又は第二電極)
に付着する。したがって、電極の極性が切り替わる都
度、プラスイオンは陰極へ移動する。
【0013】これにより、一方の電極に、長期間プラス
イオンが付着することがなく、電解電圧,電解電流及び
流水抵抗の異常を防止して、電極の性能を劣化させるこ
となく電極を洗浄して長寿命化を図ることができる。
【0014】請求項2記載の電解水生成装置は請求項1
記載の電解水生成装置において、更に、前記原水の流量
を検知する流量センサを具備し、前記電極制御手段は、
前記流量センサが前記原水が実質的に非通水であること
を検知したときに前記各電極の極性の反転制御を実行す
ることを特徴とする。
【0015】請求項2の電解水生成装置によれば、原水
の供給を停止すると、流量センサが原水が実質的に非通
水であることを検知して、各電極の極性が反転する。即
ち、原水供給停止前後で極性が反転して、プラスイオン
が原水供給停止前の陰極(停止後の陽極)から引き離さ
れて停止後の陰極(停止前の陽極)へ移動する。
【0016】これにより、本装置を使用する度に、頻繁
にプラスイオンを移動させることができるため、より一
層プラスイオンが一方の電極に継続して付着することを
防止することができ、電解電圧,電解電流及び電解抵抗
の異常を防止して、電極の性能を劣化させることなく電
極を洗浄して長寿命化を図ることができる。
【0017】また、蛇口の閉鎖により頻繁に電極の極性
反転をすることができるため、電極周囲のイオン水境膜
の界面活性により、電極の磨耗を防止し、電解通水量を
増加することができる。
【0018】請求項3記載の電解水生成装置は請求項1
記載の電解水生成装置において、更に、前記第一電解水
が供給される第一供水口及び前記第二電解水が供給され
る第二供水口と、酸性水が吐水される酸性水吐水口と、
アルカリ性水が吐水されるアルカリ性水吐水口と、を備
え、前記いずれか一方の給水口から給水された前記第一
電解水を前記いずれか一方の吐水口へ導流するととも
に、前記給水口から給水された前記第二電解水を前記他
方の吐水口へ導流する電解水導流手段と、前記第一電解
水が酸性水でありかつ前記第二電解水がアルカリ性水で
ある場合に、前記酸性水を前記酸性水吐水口へ導流する
とともに前記アルカリ性水を前記アルカリ性水吐水口へ
導流するように導流制御するとともに、前記第一電解水
がアルカリ性水でありかつ前記第二電解水が酸性水であ
る場合に、前記アルカリ性水を前記アルカリ性水吐水口
へ導流するとともに前記酸性水を前記酸性水吐水口へ導
流するように導流制御する導流制御手段と、を具備する
ことを特徴とする。
【0019】請求項3の電解水生成装置によれば、第一
供水口から供給される第一電解水が酸性水又はアルカリ
性水のいずれの電解水であっても、酸性水は酸性水吐水
口から吐水され、アルカリ性水はアルカリ性水吐水口か
ら吐水される。同時に、第二供水口から供給される第二
電解水がアルカリ性水又は酸性水のいずれの電解水であ
っても、アルカリ性水はアルカリ性水吐水口から吐水さ
れ、酸性水は酸性水吐水口から吐水される。
【0020】これにより、第一電解水と第二電解水のイ
オン極性が互いに反転して供給されても、酸性水吐水口
からは酸性水が吐水され、アルカリ性水吐水口からはア
ルカリ性水が吐水されるので、酸性水吐水口からはアル
カリ性水が吐水されず、アルカリ性水吐水口からは酸性
水が吐水されない。したがって、操作者は、各吐水口か
ら吐水される電解水が所望するイオン極性の電解水であ
る、と安心して使用することができ、誤使用を防止する
ことができる。
【0021】請求項4記載の電解水生成装置は請求項2
記載の電解水生成装置において、更に、前記第一電解水
が供給される第一供水口及び前記第二電解水が供給され
る第二供水口と、酸性水が吐水される酸性水吐水口と、
アルカリ性水が吐水されるアルカリ性水吐水口と、を備
え、前記いずれか一方の給水口から給水された前記第一
電解水を前記いずれか一方の吐水口へ導流するととも
に、前記給水口から給水された前記第二電解水を前記他
方の吐水口へ導流する電解水導流手段と、前記電極制御
手段の反転制御後の極性状態で生成される第一電解水が
酸性水でありかつ第二電解水がアルカリ性水である場合
に、前記酸性水を前記酸性水吐水口へ導流するとともに
前記アルカリ性水を前記アルカリ性水吐水口へ導流する
ように前記電極制御手段の反転制御に伴って前記電解水
導流手段を導流制御するとともに、前記電極制御手段の
反転制御後の極性状態で生成される第一電解水がアルカ
リ性水でありかつ第二電解水が酸性水である場合に、前
記アルカリ性水を前記アルカリ性水吐水口へ導流すると
ともに前記酸性水を前記酸性水吐水口へ導流するように
前記電極制御手段の反転制御に伴って前記電解水導流手
段を導流制御する導流制御手段と、を具備することを特
徴とする。
【0022】請求項4の電解水生成装置によれば、電極
制御手段の反転制御に伴って電解水導流手段を導流制御
する。これにより、第一供水口から供給される第一電解
水が酸性水又はアルカリ性水のいずれの電解水であって
も、酸性水は酸性水吐水口から吐水され、アルカリ性水
はアルカリ性水吐水口から吐水される。同時に、第二供
水口から供給される第二電解水がアルカリ性水又は酸性
水のいずれの電解水であっても、アルカリ性水はアルカ
リ性水吐水口から吐水され、酸性水は酸性水吐水口から
吐水される。
【0023】これにより、第一電解水と第二電解水のイ
オン極性が互いに反転して供給されても、酸性水吐水口
からは酸性水が吐水され、アルカリ性水吐水口からはア
ルカリ性水が吐水されるので、酸性水吐水口からはアル
カリ性水が吐水されず、アルカリ性水吐水口からは酸性
水が吐水されない。したがって、操作者は、各吐水口か
ら吐水される電解水が所望するイオン極性の電解水であ
る、と安心して使用することができ、誤使用を防止する
ことができる。
【0024】また、電解槽で生成された電解水のイオン
極性を検出する手段を別途設ける必要がなく、またイオ
ン極性の検出に伴う複雑な制御をする必要もないので、
コストの上昇を抑制することができる。
【0025】請求項5記載の電解水生成装置は、請求項
1〜4のいずれかに記載の電解水生成装置において、更
に、電解質水溶液が貯留される貯留タンクと、生成され
る電解水の強弱が選択可能な入力手段と、前記原水の流
路と前記電解質水溶液の流路とに接続され、前記電解質
水溶液が前記原水に合流する合流路と、前記電解質水溶
液の合流を阻止する原水流路と、のいずれかに設定可能
な合流弁と、前記入力手段で強電解水が選択されたとき
に、前記合流弁を前記合流路に設定制御する合流弁制御
手段と、を具備することを特徴とする。
【0026】請求項5の電解水生成装置によれば、強電
解水を選択すると、被電解水は原水と電解質水溶液との
混合水となる。一方、弱電解水を選択すると、被電解水
は原水のみとなる。
【0027】これにより、操作者の用途に応じて、電解
水の強弱を選択することが可能となる。また、酸性水吐
水口からは酸性水が吐水され、アルカリ性水吐水口から
はアルカリ性水が吐水されるため、電解水の強弱を選択
するだけで、強酸性水,弱酸性水,強アルカリ性水,弱
アルカリ性水を選択することが可能となるため、電解水
のイオン極性を選択する手間を省略することが可能とな
る。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は本発明による電解水生成装
置1の実施の形態を示す概略ブロック構成図である。電
解水生成装置1は、入力手段2,流量センサ4,貯留タ
ンク5,供給ポンプ8,合流弁9,電解槽11,直流電
源供給手段40,電解水導流手段43,各種流路及び制
御手段65で略構成される。
【0029】入力手段2は、例えば、押しボタンやタッ
チパネル等で構成され、「強酸性水」,「弱酸性水」,
「強アルカリ性水」,「弱アルカリ性水」の4種類の設
定が可能である。
【0030】原水供給流路3は、原水を流す流路であ
る。原水供給流路3の一端3aは、例えば水道の蛇口に
接続され、蛇口を開放することで、原水が流し込まれ
る。原水供給流路3の中途には、流量センサ4が設けら
れ、原水供給流路3を流れる原水の流量を検知する。
【0031】貯留タンク5には、電解質水溶液、例えば
NaCl又はH2SO4 が添加された水が貯留されている。水溶
液供給流路6は、貯留タンク5から電解質水溶液を電解
槽11側へ流す流路である。水溶液供給流路6の一端6
aは、貯留タンク5に接続されている。水溶液供給流路
6の中途部には、供給ポンプ8が設けられ、貯留タンク
5内の電解質水溶液の流量調整をする。
【0032】合流弁9は、例えば三方弁で構成され、原
水供給流路3の他端3bと、水溶液供給流路6の他端3
bと、主水流路10の一端10aと、接続されている。
合流弁9の流路は、原水供給流路3,水溶液供給流路6
及び主水流路10と連通する状態(合流路)と、原水供
給流路3及び主水流路10と連通する状態(原水流路)
と、のいずれかに設定可能である。合流路に設定された
ときは、電解質水溶液が原水に合流し、主水流路10に
は、被電解水として原水と電解質水溶液の混合水が流入
する。また、原水流路に設定されたときは、電解質水溶
液の合流を阻止され、被電解水として原水のみが流入す
る。なお、主水流路10の他端10bは、電解槽11に
接続される。
【0033】電解槽11は、図2に示すように、長尺な
方形状の箱体12と、箱体開口12aを封止する板状の
平坦な蓋体13と、で構成される。箱体12の長手方向
の一端12bには、被電解水が流入する流入口14と、
イオン極性がそれぞれ異なる一対の電解水(第一電解
水,第二電解水)が流出する一対の排出口(第一排出口
15A,第二排出口15B)が形成されている。流入口
14は箱体開口12aに連通するようになっている。
【0034】箱体開口12aには、その長手方向に延在
する両内側面12d,12eに対向する仕切板部16,
18が形成されている。両仕切板部16,18の一端1
6a,18aは、箱体12の長手方向の一端側に一体形
成されており、流入口14と排出口15A,15Bとを
直接連通不能としている。両仕切板部16,18の他端
16b,18bは、箱体12の長手方向の一端となる内
側面側に所定間隔をおいて延在している。箱体12の他
端12c側の内側面には、一端12bに向けて突片19
が形成されている。また、仕切板部16(18)と内側
面12d(12e)との間には、箱体12の長手方向に
延在する溝が形成され、この溝がそれぞれ槽内第一排出
路20A及び槽内第二排出路20Bとなり、第一排出口
15A及び第二排出口15Bから第一電解水及び第二電
解水が排水される。
【0035】また箱体開口12aには、3枚の電極板2
1,22,23と4枚の絶縁性パッキン24,25,2
6,27と2枚の隔膜28,29とが積層されて設けら
れる。電極板21,22,23と絶縁性パッキン24,
25,26,27と隔膜28,29は、箱体12の長手
方向に長尺な略矩形状とされている。電極板21,2
2,23と絶縁性パッキン24,25,26,27と隔
膜28,29の輪郭は、略同一である。
【0036】隔膜28は一対の絶縁性パッキン24,2
5の表面が対面するようにして挟まれている。隔膜29
は一対の絶縁性パッキン26,27の表面が対面するよ
うにして挟まれている。
【0037】電極板21は、蓋体13の裏面と絶縁性パ
ッキン24の裏面との間に挟まれている。電極板22
は、絶縁性パッキン25,26の裏面に挟まれている。
電極板23は、箱体開口底面12fと絶縁性パッキン2
7の裏面との間に挟まれている。
【0038】図3は、絶縁性パッキン24(又は27)
を示す概略斜視図である。なお、絶縁性パッキン25,
26とは左右対称であるので、絶縁性パッキン25,2
8の説明は省略する。絶縁性パッキン24は、長手方向
に長尺な一対の矩形状の開口部30,30を有し、フレ
ーム状に形成されている。絶縁性パッキン24は、その
表面側から開口部30,30が隔膜28(29)により
覆われ、裏面側から開口部30,30が電極板により覆
われている。
【0039】なお、隔膜28と電極板21とが対向する
面と、絶縁性パッキン24の外枠31に囲まれた空間に
より、上段電極室32Aが形成される。また、隔膜28
と電極板22とが対向する面と、絶縁性パッキン25の
外枠31に囲まれた空間により、第一中段電極室32B
が形成される。更に、隔膜29と電極板22とが対向す
る面と、絶縁性パッキン26の外枠31に囲まれた空間
により、第二中段電極室32Cが形成される。また、隔
膜29と電極板23とが対向する面と、絶縁性パッキン
27の外枠31に囲まれた空間により、上段電極室32
Dが形成される。
【0040】また、図3に示すように、絶縁性パッキン
24の長手方向一端33側の外枠には、スリット34が
複数形成されており、電極室32A〜32Dに被電解水
が流入するようになっている。また、絶縁性パッキン2
4の長手方向他端35側の外枠中央には切欠溝36が形
成されており、突片19に嵌合する。更に、絶縁性パッ
キン24の長手方向他端35側の外枠の切欠溝36から
左半部には、流出溝38が形成されている。この流出溝
38は隔膜28(29)に覆われて流出口39を形成す
る。なお、絶縁性パッキン25,26は、絶縁性パッキ
ン24,27と左右対象なので、流出溝38は右半部に
形成されている。
【0041】図4に示すように、上段電極室32Aと下
段電極室32Dでは、ともに流出口39が切欠溝36か
ら左半部に形成されており、槽内第一排水路20Aと連
通するようになっている。また2つの中段電極室32
B,32Cでは、ともに流出口39は切欠溝36から右
半部に形成されており、槽内第二排水路20Bと連通す
るようになっている。
【0042】すなわち、上段電極室32Aと下段電極室
32Dとで生成された電解水は槽内第一排水路20Aで
合流する。したがって、後述するように、上段電極室3
2Aと下段電極室32D内で生成される電解水のイオン
極性は同一とされている。この上段電極室32Aと下段
電極室32Dが第一電極室となる。
【0043】同様に、中段の電極室32B,32Cで生
成された電解水は槽内第二排水路20Bで合流する。し
たがって、後述するように、中段の電極室32B,32
C内で生成される電解水のイオン極性は同一とされてい
る。この中段の電極室32B,32Cが第二電極室とな
る。
【0044】直流電源供給手段40は、直流電源供給部
41と、極性反転部42と、で構成される。直流電源供
給部41は、例えば商用電源に接続され、所定の直流電
流を極性反転部42へ流す。極性反転部42は、例えば
リレー回路で構成され、3枚の電極板21〜23に直流
電源供給部41からの直流電流を流す。すなわち、第一
電極室32A,32Dを構成する第一電極としての電極
板21及び電極板23を同一極性に変換し、第二電極室
32B,32Cを構成する第二電極としての電極板22
を第一電極(電極板21及び電極板23)の極性と異な
る極性に変換する。
【0045】電解水導流手段43は、導流弁44と導流
弁44を駆動する駆動モータ45で構成されている。図
5に示すように、導流弁44は、外筒46と外筒46に
内挿される内筒52で構成される。外筒46は装置1内
に固設されている。外筒46の一端46aは閉塞されて
おり、他端46bは開口されて内筒52が挿通される。
内筒52は、外筒46に対し相対回転可能とされる。内
筒52は、駆動モータ45により、間欠的に回転駆動さ
れる。
【0046】外筒46には、一対の給水口(第一給水口
48A,第二給水口48B)と、酸性水吐水口50と、
アルカリ性水吐水口51と、が設けられている。第一給
水口48A,第二給水口48Bは、外筒46の外周面4
6cの一側に貫通形成されており、軸方向に所定間隔で
並列されている。第一給水口48Aは、電解槽11の第
一排出口15Aと第一排水流路49Aを介して連通され
ており、第一電解水が給水される。同様に、第一給水口
48Bは、電解槽11の第二排出口15Bと第二排水流
路49Bを介して連通されており、第二電解水が給水さ
れる。各給水口48A,48Bは、同径な円形状とされ
ている。
【0047】また、酸性水吐水口50は酸性水のみを吐
水する。アルカリ性水吐水口51は、アルカリ性水のみ
を吐水する。酸性水吐水口50及びアルカリ性水吐水口
51は、外筒46の外周面46cの他側に貫通形成され
ており、軸方向に並列されている。酸性水吐水口50及
びアルカリ性水吐水口51の間隔は、第一給水口48A
及び第二給水口48Bの所定間隔と同一である。酸性水
吐水口50及びアルカリ性水吐水口51は、給水口48
A,48Bと同径の円形状とされている。第一給水口4
8Aと酸性水吐水口50とは対向しており、第一給水口
48Aから酸性水吐水口50への貫通方向は、軸に対し
直交している。同様に、第二給水口48Bとアルカリ性
水吐水口51とは対向しており、第二給水口48Bから
アルカリ性水吐水口51への貫通方向は、軸に対し直交
している。
【0048】内筒52は外筒46と略同尺であり、外筒
46の軸とされ、その先端52a側から挿入される。内
筒52の後端52bには、外筒46の軸と同軸な回動軸
53が形成されており、駆動モータ45に接続されて、
回転するようになっている。内筒52の両端52a,5
2bはその中途部よりもやや径が大きく、外筒46の内
径と同径である。内筒52の内部は中空部54とされて
おり、両端52a,52bにより閉塞されている。内筒
52の両端52a,52bの周面52c,52dには、
例えばゴム等の樹脂製の環状パッキン55が嵌合されて
いる。
【0049】また、内筒52には、4つの導流口56,
58,59,60が設けられている。内筒52の外周面
52eの先端側にには、先端側導流口56は貫通形成さ
れている。
【0050】更に、内筒52の外周面52eの後端側に
は、内筒52の回転方向に沿って3つの後端側導流口5
8,59,60が貫通形成されている。
【0051】また、各導流口56,58,59,60
は、軸方向から見て、軸を中心に放射状に等間隔(90
度)に配置されている。すなわち、後端側導流口58か
ら後端側導流口60への貫通方向は、軸に対し直交して
いる。
【0052】更に、先端側導流口56の貫通方向と後端
側導流口59の貫通方向は、ともに軸に対し直交してお
り、かつ、平行とされている。
【0053】また、各導流口56,58,59,60
は、外筒46の給水口48A,48B,酸性水吐水口5
0及びアルカリ性水吐水口51と同径な円形状とされて
おり、内筒52の中空部54を介して連通するようにな
っている。
【0054】更に、各導流口56,58,59,60の
開口縁は外側に向けて突出形成されている。また、各導
流口56,58,59,60の開口縁には、ゴム等の樹
脂製の環状パッキン61,62,63,64が嵌合され
ている。また、各導流口56,58,59,60の開口
縁は、内筒52の外周面52eに沿って湾曲しており、
その曲率半径は、内筒52の両端52a,52bの半径
と略同等である。
【0055】この内筒52を外筒46に嵌挿すること
で、内筒52の先端52aが外筒46の閉塞端46aの
内面と当接し、環状パッキン55を含む内筒52の両端
52a,52bの周面52c,52dが、外筒46の内
周面46dに当接し、内筒52は軸方向に抜脱不能とさ
れる。また、内筒52の後端52bの環状パッキン55
により、外筒46の開口している他端46bが封止さ
れ、給水口48A,48Bから外筒46内へ流入した電
解水の外筒46の他端46bからの漏水を防止すること
ができる。
【0056】また、導流口56,58,59,60が給
水口48A(又は48B)又は吐水口50(又は51)
と連通していない状態では、導流口56,58,59,
60の突出開口縁の環状パッキン61〜64と外筒46
の内周面46dとが当接し、導流口56,58,59,
60が外筒46の内周面46dにより閉鎖される。
【0057】この状態で、電解水が導流口56,58,
59,60と連通していない給水口48A(又は48
B)から外筒46内へ流入されると、流入電解水は、外
筒46の内周面46dと内筒52の外周面52eとの間
の筒状空隙57を通水して、導流口56,58,59,
60と連通してない吐水口50(又は51)から吐水さ
れる。この場合、外筒46の内周面46dに閉鎖されて
いる導流口56(又は58,59,60)の環状パッキ
ン61(又は62,63,64)により、筒状空隙57
から内筒52の中空部54への電解水の漏水が防止され
る。
【0058】また、導流口56(又は58,59,6
0)が給水口48A(又は48B)と連通している状態
では、その導流口56(又は58,59,60)の突出
開口縁は給水口48A(又は48B)の開口縁を覆う。
そして、その給水口48A(又は48B)から流入され
た電解水は連通している導流口56(又は58,59,
60)から内筒52中空部54へ導流される。この場
合、その導流口56(又は58,59,60)の環状パ
ッキン61(又は62,63,64)により、内筒52
中空部54から筒状空隙57への電解水の漏水が防止さ
れる。
【0059】同様に、導流口56(又は58,59,6
0)が吐水口50(又は51)と連通している状態で
は、その導流口56(又は58,59,60)の突出開
口縁は吐水口50(又は51)の開口縁を覆う。そし
て、内筒52の中空部54を導流する電解水は、連通し
ている吐水口50(又は51)から吐水される。この場
合、その導流口56(又は58,59,60)の環状パ
ッキン61(又は62,63,64)により、内筒52
の中空部54から筒状空隙57への電解水の漏水が防止
される。
【0060】したがって、内筒52の中空部54内の電
解水と筒状空隙57内の電解水は、互いに混合すること
は無く、各々独立して各給水口から供給され、また、各
々独立して各吐水口から吐水される。
【0061】次に制御手段65について説明する。制御
手段65はCPU及びメモリ等で構成される。メモリ内
のROMには、電解水生成プログラムが格納されてお
り、CPUを、後述する各手段として機能させるもので
ある。
【0062】まず、ポンプ制御手段66は、供給ポンプ
8を駆動制御することで電解質水溶液の供給制御を実行
する。入力手段2からの操作入力により強電解水が選択
されると、供給ポンプ8を駆動して、電解質水溶液タン
クから電解質水溶液を合流弁9側へ供給する。また電解
質水溶液の供給中に、流量センサ4が原水が実質的に非
通水であることを検知すると、流量センサ4からの入力
信号を受けると、ポンプ制御手段66は、供給ポンプ8
が駆動して電解質水溶液の供給を遮断する。
【0063】流量センサ制御手段67は、入力手段2か
らの操作入力があったときに、流量センサ4をONにし
て原水流量検知を可能にする。一方、後述する電極制御
手段69から反転信号が出力されると、これを受けて、
流量センサ4をOFFにし、原水流量検知を不能にす
る。
【0064】合流弁制御手段68は、入力手段2からの
操作入力により、強電解水と弱電解水のいずれかが選択
されると、選択された電解水の強弱の情報が記憶され
る。そして、強電解水が選択された場合、合流弁制御手
段68は、合流弁9を駆動して合流路に設定する。これ
により、原水供給流路3と水溶液供給流路6が合流し、
原水と電解質水溶液が混合して被電解水となり、主水流
路10へ流入する。
【0065】一方、弱電解水が選択された場合、合流弁
制御手段68は、合流弁9を駆動して原水路に設定す
る。これにより、電解質水溶液の合流を阻止され、原水
のみからなる被電解水が主水流路10へ流入する。
【0066】また、合流弁制御手段68は、前回選択し
た電解水の強弱の情報を読み出し、今回選択した電解水
の強弱情報と比較する。そして、一致した場合は、設定
された合流弁9の流路を維持し、一致しない場合は、今
回選択された電解水に基づいて合流弁9を駆動して流路
の設定制御をする。
【0067】電極制御手段69は、極性反転部42によ
り、陰陽いずれか一方の極性となった第一電極(電極板
21,23)と、第一電極(電極板21,23)と異な
る極性となった第二電極(電極板22)の極性と、をそ
れぞれ異なる極性に反転制御する。
【0068】この反転制御は、流量センサ4により原水
が実質的に非通水であることが検知されたときに、反転
信号を送出することで、実行するようになっている。な
お、この反転信号は、流量センサ制御手段67にも送出
される。
【0069】導流制御手段70は、第一電極室(電極室
32A,32D)から生成された第一電解水が酸性水で
あり、かつ、第二電極室(電極室32B,32C)から
生成された第二電解水がアルカリ性水である場合に、酸
性水を酸性水吐水口50へ導流するとともにアルカリ性
水をアルカリ性水吐水口51へ導流するように導流制御
する。
【0070】また、第一電極室(電極室32A,32
D)から生成された第一電解水がアルカリ性水であり、
かつ、第二電極室(電極室32B,32C)から生成さ
れた第二電解水が酸性水である場合に、アルカリ性水を
アルカリ性水吐水口51へ導流するとともに酸性水を酸
性水吐水口50へ導流するように導流制御する。
【0071】この導流制御は、駆動モータ45への駆動
指令により実行される。すなわち、導流制御手段70か
ら駆動指令が出力される度に、導流制御手段70は、駆
動モータ45により間欠的に、内筒52を軸廻りに一定
の方向、例えば時計回り方向に、90度回転させる。
【0072】この導流制御手段70から駆動指令は、流
量センサ4により原水が実質的に非通水、例えば流量0
であることが検知されたときに、出力されるようになっ
ている。
【0073】次に本実施の形態の動作について図7及び
図8を用いて説明する。なお、導流弁44の初期状態
は、図8(a)に示すように、第一給水口48Aと後端
側導流口58が連通し、かつ、先端側導流口56とアル
カリ性水吐水口51とが連通している状態である。ま
た、電解槽11の第一電極(電極板21,23)は陰極
とされ、第二電極(電極板22)は陽極とされる。これ
により、第一電極室(電極室32A,32D)は陰極室
となり、第二電極室(電極室32B,32C)は陽極室
となる。
【0074】まず、操作者は入力手段2を操作して、生
成する電解水を選択する(SP1)。そして、前回選択
した電解水の強弱と一致するか否かを判定し、一致した
場合は、前回設定された合流弁9の流路を維持し、一致
しない場合は、今回選択された電解水に基づいて合流弁
9を駆動して導流路を設定する。また操作入力により、
流量センサ4がONとなり原水流量が検知可能となる
(SP2)。
【0075】そして、操作者は、蛇口を開放して原水供
給流路3に原水を通水させる(SP3)。原水供給流路
3を通水する原水流量は、流量センサ4で検知可能であ
り(SP4)、この原水の流量が予め設定された所定量
以上となるまで監視する(SP4−NO)。
【0076】そして、原水の流量が所定量以上となると
(SP4−YES)、選択した電解水が弱電解水である
場合は(SP5−NO)、原水は電解質水溶液と混合さ
れず、被電解水は原水のみとなり、SP8へ移行する。
一方、選択した電解水が強電解水である場合は(SP5
−YES)、流量センサ4からの信号がポンプ制御手段
66に送られ、ポンプ制御手段66は、供給ポンプ8を
駆動して貯留タンク5から電解質水溶液を水溶液供給流
路6へ流入させる(SP6)。そして、電解質水溶液と
原水とが合流弁9で合流し、被電解水は、電解質水溶液
と原水との混合水となる(SP7)。
【0077】合流弁9を通過した被電解水は、主水流路
10を通水して流入口14から電解槽11に流入する。
このとき、陰極となっている第一電極を構成する電極板
21,23には、被電解水から電離されたプラスイオ
ン、例えばNa+ , Mg+ , Ca++ ,Fe++ ,K + 等が付着し、
陰極室とされている第一電極室(32A,32D)内に
は、強電解水を選択した場合は強アルカリ性水が生成さ
れ、弱電解水を選択した場合は弱アルカリ性水が生成さ
れる。
【0078】一方、陽極となっている第二電極を構成す
る電極板22には、被電解水から電離されたマイナスイ
オン、例えばCl- , SO4 -- NO3 - ,OCl- 等が隔膜を通
過して吸い寄せられ、陽極室とされている第二電極室
(32B,32C)内には、強電解水を選択した場合は
強酸性水が生成され、弱電解水を選択した場合は弱酸性
水が生成される(SP8)。
【0079】第一電極室(32A,32D)から生成さ
れた電解水(アルカリ性水)は、槽内第一排水路20A
及び第一排水流路49Aを通水して、第一給水口48A
から外筒46内に流入する(SP9)。同様に、第二電
極室(32B,32C)から生成された電解水(酸性
水)は、槽内第二排水路20B及び第二排水流路49B
を通水して、第二給水口48Bから外筒46内に流入す
る(SP9)。
【0080】そして、図8(a)に示すように、流入ア
ルカリ性水は、第一給水口48A,後端側導流口59,
内筒52の中空部54,先端側導流口56及びアルカリ
性水吐水口51で形成される内筒導流路A1に導流され
て、アルカリ性水吐水口51から吐水される(SP1
0)。
【0081】また、図8(a)に示すように、流入酸性
水は、第二給水口48B,筒状空隙57及び酸性水吐水
口50で形成される外筒導流路B1に導流されて、酸性
水吐水口50から吐水される(SP10)。
【0082】各吐水口から吐水される電解水は、蛇口を
閉鎖するまで吐水される(SP11−NO)。蛇口を閉
鎖すると(SP11−YES)、原水の流量が減少す
る。流量センサ4は原水が実質的に非通水、例えば流量
0になるまで監視する(SP12−NO)。原水の流量
が0になったことを検知したとき(SP12−YE
S)、選択した電解水が弱電解水であれば(SP13−
NO)、流量センサ4からの信号により極性反転が実行
される(SP16)。一方、選択した電解水が強電解水
であれば(SP13−YES)、流量センサ4からの信
号により供給ポンプ8が駆動して(SP14)、貯留タ
ンク5を密閉して電解質水溶液の供給を遮断する(SP
15)。
【0083】そして、流量センサ4からの信号により、
極性反転が実行される(SP16)。すなわち、流量セ
ンサ4から原水流量0の信号を受けると、極性反転部4
2のスイッチのON・OFFが入れ替わり、第一電極2
1,23が陰極から陽極に反転するとともに、第二電極
22が陽極から陰極に反転する。これにより、第一電極
室(32A,32D)は陽極室となり、第二電極室(3
2B,32C)は陰極室となる。
【0084】したがって、電解水生成中に第一電極2
1,23に付着したNa+ , Mg+ , Ca++,Fe++等のプラス
イオンは、第一電極21,23が陰極から陽極に反転さ
れ、第二電極22が陽極から陰極に反転されたので、反
転後は隔膜28,29を通って第二電極22に付着す
る。
【0085】また、流量センサ4から原水流量0の信号
を受けると、導流制御手段70により内筒52が外筒4
6に対し時計回り方向に90度回転する。これにより導
流弁44は図8(b)に示す状態となる(SP17)。
そして流量センサ4がOFFとなり原水流量の検知が不
能なる(SP18)。
【0086】この状態から再度電解水を生成する場合
は、上述で示したSP1〜SP7により被電解水が電解
槽11に流入されると、電気分解により、プラスイオン
が陰極に反転された第二電極22に付着する。そして、
陽極に反転された第一電極室(32A,32D)から酸
性水が生成され、陰極に反転された第二電極室(32
B,32C)からアルカリ性水が生成される(SP
8)。
【0087】この後、第一電極室(32A,32D)か
ら生成された酸性水が第一給水口48Aから導流し、第
二電極室(32B,32C)から生成されたアルカリ性
水が第二給水口48Bから導流する(SP9)。
【0088】このときの導流弁44での電解水の導流状
態は、図8(b)に示すように、第一電極室(32A,
32D)から生成された酸性水が、第一給水口48A,
後端側導流口60,内筒52の中空部54,後端側導流
口58及び酸性水吐水口50で形成される内筒導流路A
2に導流されて、酸性水吐水口50から吐水される(S
P10)。
【0089】一方、第二電極室(32B,32C)から
生成されたアルカリ性水は、第二給水口48B,筒状空
隙57及びアルカリ性水吐水口51で形成される外筒導
流路B2に導流されて、アルカリ性水吐水口51から吐
水される(SP10)。
【0090】そして、蛇口を閉鎖して原水流量が0にな
ると(SP11〜SP12)、SP13〜SP15の
後、極性反転が実行される(SP16)。この極性反転
により、極性反転部42のスイッチのON・OFFが入
れ替わり、第一電極21,23が陽極から陰極に反転す
るとともに、第二電極22が陰極から陽極に反転する。
これにより、第一電極室(32A,32D)は陰極室と
なり、第二電極室(32B,32C)は陽極室となる。
【0091】したがって、電解水生成中に第二電極22
に付着したNa+ , Mg+ , Ca++ ,Fe++等のプラスイオン
は、第二電極22が陰極から陽極に反転され、第一電極
21,23が陽極から陰極に反転されたので、反転後は
隔膜28,29を通って第一電極21,23に付着す
る。
【0092】また、流量センサ4から原水流量0の信号
を受けると、導流制御手段70により内筒52が外筒4
6に対し所定方向に90度回転する。これにより、導流
弁44は図8(c)の状態となる(SP17)。そして
流量センサ4がOFFとなり原水流量の検知が不能なる
(SP18)。
【0093】この状態から再度電解水を生成する場合
は、上述で示したSP1〜SP7により被電解水が電解
槽11に流入されると、電気分解により、プラスイオン
が陰極に反転された第一電極21,23に付着する。そ
して、陽極に反転された第二電極室(32B,32C)
から酸性水が生成され、陰極に反転された第一電極室
(32A,32D)からアルカリ性水が生成される(S
P8)。
【0094】この後、第二電極室(32B,32C)か
ら生成された酸性水が第二給水口48Bから導流し、第
一電極室(32A,32D)から生成されたアルカリ性
水が第一給水口48Aから導流する(SP9)。
【0095】このときの導流弁44での電解水の導流状
態は、図8(c)に示すように、第二電極室(32B,
32C)から生成された酸性水が、第二給水口48B,
先端側導流口,内筒52の中空部54,後端側導流口5
9及び酸性水吐水口50で形成される内筒導流路A3に
導流されて、酸性水吐水口50から吐水される(SP1
0)。
【0096】一方、第一電極室(32A,32D)から
生成されたアルカリ性水は、第一給水口48A,筒状空
隙57及びアルカリ性水吐水口51で形成される外筒導
流路B3に導流されて、アルカリ性水吐水口51から吐
水される(SP10)。
【0097】そして、蛇口を閉鎖して原水流量が0にな
ると(SP11〜SP12)、SP13〜SP15の
後、極性反転が実行される(SP16)。この極性反転
により、極性反転部42のスイッチのON・OFFが入
れ替わり、第一電極21,23が陰極から陽極に反転す
るとともに、第二電極22が陽極から陰極に反転する。
これにより、第一電極室(32A,32D)は陽極室と
なり、第二電極室(32B,32C)は陰極室となる。
【0098】したがって、電解水生成中に第一電極2
1,23に付着したNa+ , Mg+ , Ca++,Fe++等のプラス
イオンは、第一電極21,23が陰極から陽極に反転さ
れ、第二電極22が陽極から陰極に反転されたので、反
転後は隔膜28,29を通って第二電極22に付着す
る。
【0099】また、流量センサ4から原水流量0の信号
を受けると、導流制御手段70により内筒52が外筒4
6に対し所定方向に90度回転する。これにより、導流
弁44は図8(d)の状態となる(SP17)。そして
流量センサ4がOFFとなり原水流量の検知が不能なる
(SP18)。
【0100】この状態から再度電解水を生成する場合
は、上述で示したSP1〜SP7により被電解水が電解
槽11に流入されると、電気分解により、プラスイオン
が陰極に反転された第二電極22に付着する。そして、
陽極に反転された第一電極室(32A,32D)から酸
性水が生成され、陰極に反転された第二電極室(32
B,32C)からアルカリ性水が生成される(SP
8)。
【0101】この後、第一電極室(32A,32D)か
ら生成された酸性水が第一給水口48Aから導流し、第
二電極室(32B,32C)から生成されたアルカリ性
水が第二給水口48Bから導流する(SP9)。
【0102】このときの導流弁44での電解水の導流状
態は、図8(d)に示すように、第一電極室(32A,
32D)から生成された酸性水が、第一給水口48A,
後端側導流口58,内筒52の中空部54,後端側導流
口60及び酸性水吐水口50で形成される内筒導流路A
4に導流されて、酸性水吐水口50から吐水される(S
P10)。
【0103】一方、第二電極室(32B,32C)から
生成されたアルカリ性水は、第二給水口48B,筒状空
隙57及びアルカリ性水吐水口51で形成される外筒導
流路B4に導流されて、アルカリ性水吐水口51から吐
水される(SP10)。
【0104】そして、蛇口を閉鎖して原水流量が0にな
ると(SP11〜SP12)、SP13〜SP15の
後、極性反転が実行される(SP16)。この極性反転
により、極性反転部42のスイッチのON・OFFが入
れ替わり、第一電極21,23が陽極から陰極に反転す
るとともに、第二電極22が陰極から陽極に反転する。
これにより、第一電極室(32A,32D)は陰極室と
なり、第二電極室(32B,32C)は陽極室となる。
【0105】したがって、電解水生成中に第二電極22
に付着したNa+ , Mg+ , Ca++ ,Fe++等のプラスイオン
は、第一電極21,23が陽極から陰極に反転され、第
二電極22が陰極から陽極に反転されたので、反転後は
隔膜28,29を通って第一電極21,23に付着す
る。
【0106】また、流量センサ4から原水流量0の信号
を受けると、導流制御手段70により内筒52が外筒4
6に対し所定方向に90度回転する。これにより、導流
弁44は図8(a)の状態に戻る(SP17)。そして
流量センサ4がOFFとなり原水流量の検知が不能なる
(SP18)。
【0107】以上のことから、流量センサ4により原水
流量0が検知される、即ち蛇口を閉鎖する度に、第一電
極21,23と第二電極22の極性が反転することとな
り、その都度、スケールとなるプラスイオンが陰極から
陽極へ移動することとなる。したがって、電極の洗浄
が、通常の操作である蛇口の閉鎖という操作のみで、電
極の洗浄を簡単に行うことが可能となり、特定の電極へ
の継続的な付着を防止することができ、電極の長寿命化
を図ることができる。
【0108】特に、蛇口の閉鎖により第一電極21,2
3と第二電極22の極性が反転するため、本装置1を使
用することで反転頻度も増加することとなる。これによ
り、極性反転前においては、例えば図9(a)に示すよ
うに、陽極となっている第一電極21,23の周囲に
は、それぞれ、陽極室となる第一電極室(32A,32
D)内のイオンと同極性のマイナスイオンからなるマイ
ナスイオン水境膜Mが形成され、陰極となっている第二
電極22の周囲には、陰極室となる第二電極室(32
B,32C)内のイオンと同極性のプラスイオンからな
るプラスイオン水境膜Pが形成される。
【0109】そして、極性反転の瞬間には、図9(b)
に示すように、陰極に反転された第一電極室(32A,
32D)内はプラスイオンとなるが、反転前のマイナス
イオン水境膜Mが陰極に反転された第一電極21,23
の周囲に残存し、陽極に反転された第二電極室(32
B,32C)内はマイナスイオンとなるが、反転前のプ
ラスイオン水境膜Pが陽極に反転された第二電極22の
周囲に残存し、各電極の表面を被覆している水境膜分だ
け電極の界面が拡大し、電解能力が増大する。
【0110】このイオン水境膜は、電極表面と被電解水
との間にあって緩衝の役目を果たし、各電極21,2
2,23を保護することとなる。すなわち、電極表面の
プラスイオンの付着を防止すると同時に、電極表面の磨
耗を防止する効果が得られることとなる。このように、
電極の21,22,23の反転頻度を増加によるイオン
水境膜の界面活性により、電解通水量が少なくとも約3
割増となり、各電極21,22,23の寿命が約2倍以
上伸びることとなる。
【0111】また、電解水生成時においては、外筒46
の給水口48A,48Bのいずれか一方は、内筒52の
導流口56,58,59,60のいずれか一つと連通す
るとともに、吐水口50,51のいずれか一方は、外筒
46の給水口と連通していない残りの導流口と連通する
ことで、内筒52の中空部54と連通されて、内筒導流
路A(A1〜A4)を形成する。このとき、内筒の導流
口と連通していない給水口は、筒状空隙57を介して、
内筒の導流口と連通していない吐水口と連通されて、外
筒導流路B(B1〜B4)を形成することとなる。
【0112】したがって、電極の極性反転により電解槽
11から排水される電解水も入れ替わることとなるが、
流量センサ4により原水流量0が検知される、即ち蛇口
を閉鎖する度に、極性反転に伴って、導流弁44の内筒
52を90度回転制御するので、内筒導流路Aと外筒導
流路Bの導流経路が切り替わり、酸性水吐水口50から
は常に酸性水が吐水され、アルカリ性水吐水口51から
は常にアルカリ性水が吐水される。
【0113】これにより、操作者が選択した電解水と異
なる電解水を誤って使用してしまうことが無く、使い勝
手のよい便利な装置が得られることとなる。
【0114】
【発明の効果】請求項1の電解水生成装置によれば、一
方の電極に、長期間プラスイオンが付着することがな
く、電解電圧,電解電流及び流水抵抗の異常を防止し
て、電極の性能を劣化させることなく電極を洗浄して長
寿命化を図ることができる。
【0115】また、請求項2の電解水生成装置によれ
ば、本装置を使用する度に、頻繁にプラスイオンを移動
させることができるため、より一層プラスイオンが一方
の電極に継続して付着することを防止することができ、
電解電圧,電解電流及び電解抵抗の異常を防止して、電
極の性能を劣化させることなく電極を洗浄して長寿命化
を図ることができる。
【0116】また、蛇口の閉鎖により頻繁に電極の極性
反転をすることができるため、電極周囲のイオン水境膜
の界面活性により、電極の磨耗を防止し、電解通水量を
増加することができる。
【0117】更に、請求項3の電解水生成装置によれ
ば、第一電解水と第二電解水のイオン極性が互いに反転
して供給されても、酸性水吐水口からは酸性水が吐水さ
れ、アルカリ性水吐水口からはアルカリ性水が吐水され
るので、酸性水吐水口からはアルカリ性水が吐水され
ず、アルカリ性水吐水口からは酸性水が吐水されない。
したがって、操作者は、各吐水口から吐水される電解水
が所望するイオン極性の電解水である、と安心して使用
することができ誤使用を防止することができる。
【0118】また、請求項4の電解水生成装置によれ
ば、第一電解水と第二電解水のイオン極性が互いに反転
して供給されても、酸性水吐水口からは酸性水が吐水さ
れ、アルカリ性水吐水口からはアルカリ性水が吐水され
るので、酸性水吐水口からはアルカリ性水が吐水され
ず、アルカリ性水吐水口からは酸性水が吐水されない。
【0119】したがって、操作者は、各吐水口から吐水
される電解水が所望するイオン極性の電解水である、と
安心して使用することができ、誤使用を防止することが
できる。
【0120】また、電解槽で生成された電解水のイオン
極性を検出する手段を別途設ける必要がなく、またイオ
ン極性の検出に伴う複雑な制御をする必要もないので、
コストの上昇を抑制することができる。
【0121】更に、請求項5の電解水生成装置によれ
ば、操作者の用途に応じて、電解水の強弱を選択するこ
とが可能となる。また、酸性水吐水口からは酸性水が吐
水され、アルカリ性水吐水口からはアルカリ性水が吐水
されるため、電解水の強弱を選択するだけで、強酸性
水,弱酸性水,強アルカリ性水,弱アルカリ性水を選択
することが可能となるため、電解水のイオン極性を選択
する手間を省略することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電解水生成装置の概略構成図であ
る。
【図2】本発明による電解水生成装置に適用される電解
槽の分解斜視図である。
【図3】上記電解槽の絶縁性パッキンを示す斜視図であ
る。
【図4】電解槽の構成部品である電極板,絶縁性パッキ
ン及び隔膜を積層した状態の側面図であり、箱体他端側
から見た図である。
【図5】本発明による電解水生成装置に適用される導流
弁の分解斜視図である。
【図6】本発明による電解水生成装置に適用される制御
手段の概略ブロック構成図である。
【図7】本発明による電解水生成装置の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図8】上記導流弁の動作を示す断面図である。
【図9】電極周囲のイオン水境膜を示す図である。
【符号の説明】
1…電解水生成装置 4…流量センサ 5…貯留タンク 9…合流弁 11…電解槽 40…電源供給手段 43…電解水導流手段 66…ポンプ制御手段 68…合流弁制御手段 69…電極制御手段 70…導流制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも原水を含む被電解水を電気分
    解して電解水を生成する電解水生成装置であって、 第一電極を有する第一電極室と第二電極を有する第二電
    極室とが隔膜により区画されて前記被電解水が供給され
    る電解槽と、 互いに異なる極性となるように前記第一電極及び前記第
    二電極に電源供給する直流電源供給手段と、 該直流電源供給手段に対し、陰陽いずれか一方の極性と
    なった前記第一電極及び該第一電極と異なる極性となっ
    た前記第二電極の極性をそれぞれ反転制御する電極制御
    手段と、を備え、 前記電解槽に前記被電解水が供給されると、電気分解に
    より、前記第一電極室から第一電解水を生成するととも
    に、第二電極室から前記第一電解水とイオン極性が異な
    る第二電解水を生成することを特徴とする電解水生成装
    置。
  2. 【請求項2】 更に、前記原水の流量を検知する流量セ
    ンサを具備し、 前記電極制御手段は、前記流量センサが前記原水が実質
    的に非通水であることを検知したときに、前記各電極の
    極性の反転制御を実行することを特徴とする請求項1記
    載の電解水生成装置。
  3. 【請求項3】 更に、前記第一電解水が供給される第一
    供水口及び前記第二電解水が供給される第二供水口と、
    酸性水が吐水される酸性水吐水口と、アルカリ性水が吐
    水されるアルカリ性水吐水口と、を備え、前記いずれか
    一方の給水口から給水された前記第一電解水を前記いず
    れか一方の吐水口へ導流するとともに、前記給水口から
    給水された前記第二電解水を前記他方の吐水口へ導流す
    る電解水導流手段と、 前記第一電解水が酸性水でありかつ前記第二電解水がア
    ルカリ性水である場合に、前記酸性水を前記酸性水吐水
    口へ導流するとともに前記アルカリ性水を前記アルカリ
    性水吐水口へ導流するように導流制御するとともに、前
    記第一電解水がアルカリ性水でありかつ前記第二電解水
    が酸性水である場合に、前記アルカリ性水を前記アルカ
    リ性水吐水口へ導流するとともに前記酸性水を前記酸性
    水吐水口へ導流するように導流制御する導流制御手段
    と、を具備することを特徴とする請求項1記載の電解水
    生成装置。
  4. 【請求項4】 更に、前記第一電解水が供給される第一
    供水口及び前記第二電解水が供給される第二供水口と、
    酸性水が吐水される酸性水吐水口と、アルカリ性水が吐
    水されるアルカリ性水吐水口と、を備え、前記いずれか
    一方の給水口から給水された前記第一電解水を前記いず
    れか一方の吐水口へ導流するとともに、前記給水口から
    給水された前記第二電解水を前記他方の吐水口へ導流す
    る電解水導流手段と、 前記電極制御手段の反転制御後の極性状態で生成される
    第一電解水が酸性水でありかつ第二電解水がアルカリ性
    水である場合に、前記酸性水を前記酸性水吐水口へ導流
    するとともに前記アルカリ性水を前記アルカリ性水吐水
    口へ導流するように前記電極制御手段の反転制御に伴っ
    て前記電解水導流手段を導流制御するとともに、前記電
    極制御手段の反転制御後の極性状態で生成される第一電
    解水がアルカリ性水でありかつ第二電解水が酸性水であ
    る場合に、前記アルカリ性水を前記アルカリ性水吐水口
    へ導流するとともに前記酸性水を前記酸性水吐水口へ導
    流するように前記電極制御手段の反転制御に伴って前記
    電解水導流手段を導流制御する導流制御手段と、を具備
    することを特徴とする請求項2記載の電解水生成装置。
  5. 【請求項5】 更に、電解質水溶液が貯留される貯留タ
    ンクと、 生成される電解水の強弱が選択可能な入力手段と、 前記原水の流路と前記電解質水溶液の流路とに接続さ
    れ、前記電解質水溶液が前記原水に合流する合流路と、
    前記電解質水溶液の合流を阻止する原水流路と、のいず
    れかに設定可能な合流弁と、 前記入力手段で強電解水が選択されたときに、前記合流
    弁を前記合流路に設定制御する合流弁制御手段と、を具
    備することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の
    電解水生成装置。
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