JP2003236338A - 有機ハロゲン含有ガスの処理方法および装置 - Google Patents
有機ハロゲン含有ガスの処理方法および装置Info
- Publication number
- JP2003236338A JP2003236338A JP2002038420A JP2002038420A JP2003236338A JP 2003236338 A JP2003236338 A JP 2003236338A JP 2002038420 A JP2002038420 A JP 2002038420A JP 2002038420 A JP2002038420 A JP 2002038420A JP 2003236338 A JP2003236338 A JP 2003236338A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- organic halogen
- containing gas
- gas
- treating
- air passage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Plasma Technology (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
- Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期間使用しても分解率に経時変化がおこら
ず、安定して高効率に有機ハロゲン化合物含有ガスを分
解できる有機ハロゲン含有ガスの処理方法、および有機
ハロゲン含有ガスの処理装置を提供する。 【解決手段】 有機ハロゲン含有ガスを大気圧近傍で発
生する熱プラズマを用いて処理する場合において、熱プ
ラズマの中心部を通過するガスと周辺部を通過するガス
とを混合する有機ハロゲン含有ガスの処理方法、および
有機ハロゲン含有ガスの処理装置である。
ず、安定して高効率に有機ハロゲン化合物含有ガスを分
解できる有機ハロゲン含有ガスの処理方法、および有機
ハロゲン含有ガスの処理装置を提供する。 【解決手段】 有機ハロゲン含有ガスを大気圧近傍で発
生する熱プラズマを用いて処理する場合において、熱プ
ラズマの中心部を通過するガスと周辺部を通過するガス
とを混合する有機ハロゲン含有ガスの処理方法、および
有機ハロゲン含有ガスの処理装置である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機ハロゲン含
有ガスの処理方法および処理装置に関するものであり、
とくに有機ハロゲン含有ガス中の有機ハロゲン化合物の
濃度によらずに高効率に有機ハロゲン含有ガスを処理す
る方法および装置に関するものである。
有ガスの処理方法および処理装置に関するものであり、
とくに有機ハロゲン含有ガス中の有機ハロゲン化合物の
濃度によらずに高効率に有機ハロゲン含有ガスを処理す
る方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造に用いられるドライエッチン
グ装置では、主としてシリコン系薄膜のエッチングガス
として、CF4、C2F6、SF6、NF3などの有機ハロ
ゲン化合物が用いられている。また、CVD装置におい
ては、処理室内に堆積した膜をクリーニングする目的で
上記同様の有機ハロゲン化合物を用いている。有機ハロ
ゲン化合物の多くは大気中での寿命が長くかつ赤外線の
吸収係数も大きい。そのため、地球温暖化係数は二酸化
炭素の数千〜数万倍である。また、分子内に塩素ガスを
含む有機ハロゲン化合物はオゾン層破壊物質でもある。
これらの要因のため、地球温暖化防止、オゾン層破壊防
止を目的として、半導体工場などの排気ガスを除害する
処理方法の研究が進められている。
グ装置では、主としてシリコン系薄膜のエッチングガス
として、CF4、C2F6、SF6、NF3などの有機ハロ
ゲン化合物が用いられている。また、CVD装置におい
ては、処理室内に堆積した膜をクリーニングする目的で
上記同様の有機ハロゲン化合物を用いている。有機ハロ
ゲン化合物の多くは大気中での寿命が長くかつ赤外線の
吸収係数も大きい。そのため、地球温暖化係数は二酸化
炭素の数千〜数万倍である。また、分子内に塩素ガスを
含む有機ハロゲン化合物はオゾン層破壊物質でもある。
これらの要因のため、地球温暖化防止、オゾン層破壊防
止を目的として、半導体工場などの排気ガスを除害する
処理方法の研究が進められている。
【0003】図17、18は、特開2000−1228
3公報に示されている従来の有機ハロゲン含有ガスの処
理装置を示す図である。図17にしたがい従来の有機ハ
ロゲン化合物含有ガスの処理装置について説明する。図
17中、1は矩形導波管、1aは矩形導波管の開口部、
1bは矩形導波管の底部、2はマグネトロン、7は金属
ブロック、7aはプローブアンテナ、11は熱プラズ
マ、13は反応容器、15は排ガス出口、28は円筒型
空洞共振器、28aは円筒型空洞共振器の絞り、28b
は円筒型空洞共振器の端板、29は放電管、30はガス
供給管、31はフロンガス、32は空気、33は水蒸気
発生器、34は容器、35はアルカリ水溶液を表わして
いる。また図18は図17におけるプラズマ発生部を拡
大したものである。
3公報に示されている従来の有機ハロゲン含有ガスの処
理装置を示す図である。図17にしたがい従来の有機ハ
ロゲン化合物含有ガスの処理装置について説明する。図
17中、1は矩形導波管、1aは矩形導波管の開口部、
1bは矩形導波管の底部、2はマグネトロン、7は金属
ブロック、7aはプローブアンテナ、11は熱プラズ
マ、13は反応容器、15は排ガス出口、28は円筒型
空洞共振器、28aは円筒型空洞共振器の絞り、28b
は円筒型空洞共振器の端板、29は放電管、30はガス
供給管、31はフロンガス、32は空気、33は水蒸気
発生器、34は容器、35はアルカリ水溶液を表わして
いる。また図18は図17におけるプラズマ発生部を拡
大したものである。
【0004】従来の有機ハロゲン化合物含有ガス処理装
置の動作を記す。マグネトロン2から出力されたマイク
ロ波は矩形導波管1により伝送され、金属ブロック7お
よびプローブアンテナ7aを介して円筒型空洞共振器2
8に導かれる。放電管29内では電界強度が高くなり放
電が発生して熱プラズマ11が生じる。放電管29内に
供給された有機ハロゲン化合物含有ガスは、熱プラズマ
11により分解して無害化される。
置の動作を記す。マグネトロン2から出力されたマイク
ロ波は矩形導波管1により伝送され、金属ブロック7お
よびプローブアンテナ7aを介して円筒型空洞共振器2
8に導かれる。放電管29内では電界強度が高くなり放
電が発生して熱プラズマ11が生じる。放電管29内に
供給された有機ハロゲン化合物含有ガスは、熱プラズマ
11により分解して無害化される。
【0005】図19は、「プラズマ材料科学ハンドブッ
ク」(日本学術振興会プラズマ材料科学第153委員会
編 オーム社平成4年発行)中に記述されている放電管
を用いないタイプのプラズマ発生装置である。図19
中、1は矩形導波管、6は石英ガラス、7は金属ブロッ
ク、8はプラズマ発生電極、8aはプラズマ発生電極の
冷却水入口、8bはプラズマ発生電極の冷却水出口、9
はガス入口、10はプラズマ発生電極フランジ、10a
はプラズマ発生電極フランジ冷却水入口、10bはプラ
ズマ発生電極フランジ冷却水出口、11は熱プラズマで
ある。本方式ではマグネトロンなどにより発振されたマ
イクロ波の進行方向を、金属ブロック7によりプラズマ
発生電極8と平行方向に変換する。マイクロ波によって
発生した電界は、プラズマ発生電極8の先端部とプラズ
マ発生電極フランジ10部で電界強度が高くなり絶縁破
壊を起こす。絶縁破壊を起こしたガスにマイクロ波のエ
ネルギーを注入して熱プラズマ11を発生させるもので
ある。
ク」(日本学術振興会プラズマ材料科学第153委員会
編 オーム社平成4年発行)中に記述されている放電管
を用いないタイプのプラズマ発生装置である。図19
中、1は矩形導波管、6は石英ガラス、7は金属ブロッ
ク、8はプラズマ発生電極、8aはプラズマ発生電極の
冷却水入口、8bはプラズマ発生電極の冷却水出口、9
はガス入口、10はプラズマ発生電極フランジ、10a
はプラズマ発生電極フランジ冷却水入口、10bはプラ
ズマ発生電極フランジ冷却水出口、11は熱プラズマで
ある。本方式ではマグネトロンなどにより発振されたマ
イクロ波の進行方向を、金属ブロック7によりプラズマ
発生電極8と平行方向に変換する。マイクロ波によって
発生した電界は、プラズマ発生電極8の先端部とプラズ
マ発生電極フランジ10部で電界強度が高くなり絶縁破
壊を起こす。絶縁破壊を起こしたガスにマイクロ波のエ
ネルギーを注入して熱プラズマ11を発生させるもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図17
に示す従来の装置では、有機ハロゲン化合物を分解した
ときに生成するフッ化水素(HF)、塩化水素(HC
l)などの強酸性物質と放電管29が化学反応をおこ
す。このため、放電管が曇る、あるいは放電管内に副生
成物が堆積する。その結果、マイクロ波を放電管内部に
まで伝送することができなくなり、有機ハロゲン化合物
の分解率が経時的に減少するという問題点があった。
に示す従来の装置では、有機ハロゲン化合物を分解した
ときに生成するフッ化水素(HF)、塩化水素(HC
l)などの強酸性物質と放電管29が化学反応をおこ
す。このため、放電管が曇る、あるいは放電管内に副生
成物が堆積する。その結果、マイクロ波を放電管内部に
まで伝送することができなくなり、有機ハロゲン化合物
の分解率が経時的に減少するという問題点があった。
【0007】また、放電管を用いない図19に示すプラ
ズマ発生装置を利用して有機ハロゲン化合物を分解した
ときには、放電管を用いないため長期間にわたり安定し
た分解率が得られるが、プラズマ周辺部を通過するガス
の温度が上がらないため、高い分解率が得られない。
ズマ発生装置を利用して有機ハロゲン化合物を分解した
ときには、放電管を用いないため長期間にわたり安定し
た分解率が得られるが、プラズマ周辺部を通過するガス
の温度が上がらないため、高い分解率が得られない。
【0008】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、とくに長期間使用しても分解
率に経時変化がおこらず、安定して高効率に有機ハロゲ
ン化合物含有ガスを分解できる有機ハロゲン含有ガスの
処理方法および処理装置を提供することを目的とする。
めになされたものであり、とくに長期間使用しても分解
率に経時変化がおこらず、安定して高効率に有機ハロゲ
ン化合物含有ガスを分解できる有機ハロゲン含有ガスの
処理方法および処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、放電管を用い
ないプラズマ発生装置を用いて有機ハロゲン含有ガスを
分解する処理方法および装置に関するものである。そし
て、分解率の低下の原因である周辺部を通過するガスを
効率よく分解するために、熱プラズマ部の中心部を通過
するガスと周辺部を通過するガスを混合する有機ハロゲ
ン含有ガス処理方法および装置に関するものである。
ないプラズマ発生装置を用いて有機ハロゲン含有ガスを
分解する処理方法および装置に関するものである。そし
て、分解率の低下の原因である周辺部を通過するガスを
効率よく分解するために、熱プラズマ部の中心部を通過
するガスと周辺部を通過するガスを混合する有機ハロゲ
ン含有ガス処理方法および装置に関するものである。
【0010】すなわち、本発明の第1の処理方法は、有
機ハロゲン含有ガスを大気圧近傍で発生する熱プラズマ
を用いて処理する方法において、熱プラズマの中心部を
通過するガスと周辺部を通過するガスとを、熱プラズマ
を消滅させることなく混合する有機ハロゲン含有ガスの
処理方法である。
機ハロゲン含有ガスを大気圧近傍で発生する熱プラズマ
を用いて処理する方法において、熱プラズマの中心部を
通過するガスと周辺部を通過するガスとを、熱プラズマ
を消滅させることなく混合する有機ハロゲン含有ガスの
処理方法である。
【0011】本発明の第2の処理方法は、第1の処理方
法において、前記有機ハロゲン含有ガスを2500〜3
500Kの温度で処理する有機ハロゲン含有ガスの処理
方法である。
法において、前記有機ハロゲン含有ガスを2500〜3
500Kの温度で処理する有機ハロゲン含有ガスの処理
方法である。
【0012】本発明の第3の処理方法は、第1または2
の処理方法において、前記有機ハロゲン含有ガスがチッ
素を含み、CF4濃度の2倍以上の水分と、前記水分の
等量以上の酸素とにより前記有機ハロゲン含有ガスを処
理したのち、生じた二酸化チッ素を除去する有機ハロゲ
ン含有ガス処理方法である。
の処理方法において、前記有機ハロゲン含有ガスがチッ
素を含み、CF4濃度の2倍以上の水分と、前記水分の
等量以上の酸素とにより前記有機ハロゲン含有ガスを処
理したのち、生じた二酸化チッ素を除去する有機ハロゲ
ン含有ガス処理方法である。
【0013】本発明の第1の処理装置は、有機ハロゲン
含有ガスを大気圧近傍で発生する熱プラズマを用いて処
理する装置において、熱プラズマの中心部を通過するガ
スと周辺部を通過するガスとを、熱プラズマを消滅させ
ることなく混合する手段を有する有機ハロゲン含有ガス
の処理装置である。
含有ガスを大気圧近傍で発生する熱プラズマを用いて処
理する装置において、熱プラズマの中心部を通過するガ
スと周辺部を通過するガスとを、熱プラズマを消滅させ
ることなく混合する手段を有する有機ハロゲン含有ガス
の処理装置である。
【0014】本発明の第2の処理装置は、第1の処理装
置において、前記混合する手段が、段階的に狭くなった
ガスの流通路を備えた風路である処理装置である。
置において、前記混合する手段が、段階的に狭くなった
ガスの流通路を備えた風路である処理装置である。
【0015】本発明の第3の処理装置は、第2の処理装
置において、前記風路が2つ以上のブロックからなり、
円筒内に固定されてなる処理装置である。
置において、前記風路が2つ以上のブロックからなり、
円筒内に固定されてなる処理装置である。
【0016】本発明の第4の処理装置は、第1の処理装
置において、前記混合する手段が、円筒内にらせん状の
邪魔板を備えた風路である処理装置である。
置において、前記混合する手段が、円筒内にらせん状の
邪魔板を備えた風路である処理装置である。
【0017】本発明の第5の処理装置は、第1、2、3
または4の処理装置において、さらに反応容器内にガス
の冷却手段を有する処理装置である。
または4の処理装置において、さらに反応容器内にガス
の冷却手段を有する処理装置である。
【0018】本発明の第6の処理装置は、第1、2、3
または4の処理装置において、さらに反応容器内にガス
を冷却するためのプラズマ発生電極フランジの冷却手段
を有する有機ハロゲン含有ガスの処理装置である。
または4の処理装置において、さらに反応容器内にガス
を冷却するためのプラズマ発生電極フランジの冷却手段
を有する有機ハロゲン含有ガスの処理装置である。
【0019】本発明の第7の処理装置は、第1、2、
3、4、5または6の処理装置において、さらに有機ハ
ロゲン含有ガスを2500〜3500Kの温度で処理す
る手段を有する処理装置である。
3、4、5または6の処理装置において、さらに有機ハ
ロゲン含有ガスを2500〜3500Kの温度で処理す
る手段を有する処理装置である。
【0020】本発明の第8の処理装置は、第1、2、
3、4、5、6または7の処理装置において、CF4濃
度の2倍以上の水分と、前記水分の等量以上の酸素とを
添加する手段、および生じた二酸化チッ素を除去する手
段を有する処理装置である。
3、4、5、6または7の処理装置において、CF4濃
度の2倍以上の水分と、前記水分の等量以上の酸素とを
添加する手段、および生じた二酸化チッ素を除去する手
段を有する処理装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態にかか
るプラズマ生成装置および有機ハロゲン含有ガス処理方
法および処理装置を説明する。
るプラズマ生成装置および有機ハロゲン含有ガス処理方
法および処理装置を説明する。
【0022】実施の形態1
図1は、本発明にかかわる有機ハロゲン含有ガス処理装
置の一形態を示したものである。図1中、1は矩形導波
管、2はマグネトロン、3はアイソレータ、4a、4b
は方向性結合器、5は3スタブチューナー、6は石英ガ
ラス、7は金属ブロック、8はプラズマ発生電極、8a
はプラズマ発生電極の冷却水入口、8bはプラズマ発生
電極の冷却水出口、9は処理ガス入口、10はプラズマ
発生電極フランジ、10aはプラズマ発生電極フランジ
冷却水入口、10bはプラズマ発生電極フランジ冷却水
出口、11は熱プラズマ、12は風路、13は反応容
器、14は冷却水、14aは冷却水入口、14bは冷却
水出口、15は排ガス出口を表わしている。
置の一形態を示したものである。図1中、1は矩形導波
管、2はマグネトロン、3はアイソレータ、4a、4b
は方向性結合器、5は3スタブチューナー、6は石英ガ
ラス、7は金属ブロック、8はプラズマ発生電極、8a
はプラズマ発生電極の冷却水入口、8bはプラズマ発生
電極の冷却水出口、9は処理ガス入口、10はプラズマ
発生電極フランジ、10aはプラズマ発生電極フランジ
冷却水入口、10bはプラズマ発生電極フランジ冷却水
出口、11は熱プラズマ、12は風路、13は反応容
器、14は冷却水、14aは冷却水入口、14bは冷却
水出口、15は排ガス出口を表わしている。
【0023】マグネトロン2で発振させた2.45GH
zのマイクロ波は矩形導波管1により伝送される。矩形
導波管1で伝送されたマイクロ波は、斜めに加工された
金属ブロック7によりプラズマ発生電極8の先端方向に
進む。マイクロ波により発生した電界により、穴のあい
たプラズマ発生電極フランジ10と上下にスライド可能
であるプラズマ発生電極8の先端とのギャップが狭い空
間で火花放電を発生する。火花放電で発生した励起粒子
を種火として、マイクロ波によりガス分子が励起され熱
プラズマ11となり、有機ハロゲン含有ガスを分解す
る。熱プラズマ11の中心部の温度は1000〜100
00Kと非常に高い。しかし、熱プラズマ11の周辺部
を通過するガスは、中心部を通過するガスと比べて温度
が充分に上昇しない。そのため、周辺部を通過するガス
中に含まれる有機ハロゲン化合物は、充分に分解されて
いない状態で反応容器中に流れこみ、分解率は低下す
る。風路12は、周辺部の低温部分を通過するガスが拡
散することを防ぎ、中心部を通過する高温ガスと混合す
るために取り付けたものである。
zのマイクロ波は矩形導波管1により伝送される。矩形
導波管1で伝送されたマイクロ波は、斜めに加工された
金属ブロック7によりプラズマ発生電極8の先端方向に
進む。マイクロ波により発生した電界により、穴のあい
たプラズマ発生電極フランジ10と上下にスライド可能
であるプラズマ発生電極8の先端とのギャップが狭い空
間で火花放電を発生する。火花放電で発生した励起粒子
を種火として、マイクロ波によりガス分子が励起され熱
プラズマ11となり、有機ハロゲン含有ガスを分解す
る。熱プラズマ11の中心部の温度は1000〜100
00Kと非常に高い。しかし、熱プラズマ11の周辺部
を通過するガスは、中心部を通過するガスと比べて温度
が充分に上昇しない。そのため、周辺部を通過するガス
中に含まれる有機ハロゲン化合物は、充分に分解されて
いない状態で反応容器中に流れこみ、分解率は低下す
る。風路12は、周辺部の低温部分を通過するガスが拡
散することを防ぎ、中心部を通過する高温ガスと混合す
るために取り付けたものである。
【0024】風路の一例としてガス流量5〜50NL/
分(添え字のNは、0℃、1気圧の状態を表わす)処理
用のものを図2に示す。風路12はガス流の上流の広管
部と下流の細管部の2段円筒から構成されている。2段
円筒の1段目は内径(φ1)20mm長さ(l1)50m
m、2段目は内径(φ2)10mm長さ(l2)140m
mである。前記1段目と2段目のつなぎ部分においては
ガスの圧力損失の増加を防ぐため45°の傾斜を有する
長さ(l3)10mmの縮流部を設けている。ガスがこ
の風路12内を流れることにより広管部で渦ができ、高
温ガスと低温ガスが混合し、分解率の向上が図れる。さ
らに、熱プラズマ11によりプラズマ化された励起粒子
を1段目の広管部分から2段目の細管部に導入すること
により、細管部において高密度のプラズマが形成され
る。なお、風路12はアルミナセラミックスからなる。
なお、前記風路の材質としては金属、誘電体などが使用
できるが、発熱を抑えるため、とくに高い誘電率をも
ち、誘電損失が少ない材料が望ましい。前記アルミナセ
ラッミックス以外にも、MgO、ZnO、AlN、石英
などの材料を使用することができる。
分(添え字のNは、0℃、1気圧の状態を表わす)処理
用のものを図2に示す。風路12はガス流の上流の広管
部と下流の細管部の2段円筒から構成されている。2段
円筒の1段目は内径(φ1)20mm長さ(l1)50m
m、2段目は内径(φ2)10mm長さ(l2)140m
mである。前記1段目と2段目のつなぎ部分においては
ガスの圧力損失の増加を防ぐため45°の傾斜を有する
長さ(l3)10mmの縮流部を設けている。ガスがこ
の風路12内を流れることにより広管部で渦ができ、高
温ガスと低温ガスが混合し、分解率の向上が図れる。さ
らに、熱プラズマ11によりプラズマ化された励起粒子
を1段目の広管部分から2段目の細管部に導入すること
により、細管部において高密度のプラズマが形成され
る。なお、風路12はアルミナセラミックスからなる。
なお、前記風路の材質としては金属、誘電体などが使用
できるが、発熱を抑えるため、とくに高い誘電率をも
ち、誘電損失が少ない材料が望ましい。前記アルミナセ
ラッミックス以外にも、MgO、ZnO、AlN、石英
などの材料を使用することができる。
【0025】図3は、一例として半導体や液晶工場にお
けるエッチング装置やCVD(Chemical Va
por Deposition)装置で使用された有機
ハロゲン含有ガスを処理する方法を示す図である。エッ
チング装置16から排出されたガスは、ターボ分子ポン
プ17、ドライポンプ18を通り、本発明の有機ハロゲ
ン含有ガス処理装置19に導入される。本発明の装置で
ある有機ハロゲン含有ガス処理装置19は、水スクラバ
ー20と図1に示したマイクロ波熱プラズマ装置21で
構成されている。エッチング装置16あるいはCVD装
置から排出されるガスは有機ハロゲン含有ガスのみなら
ず、SiF4、金属屑などを含む。分解処理前に水スク
ラバー20によりこれらの物質を排除する。また、有機
ハロゲンガスの一例であるCF4は、以下の反応式 CF4+2H2O→CO2+2HF で分解する。このため、水分の供給が必要となるが、本
方式では、水スクラバー20により、処理ガス温度の飽
和水蒸気量相当の水分を供給する。また、本方式では大
気圧近傍で動作することができるため、ドライポンプ1
8の後段にてハロゲン化合物を処理することが可能であ
る。そのため、本装置19を設置することによるエッチ
ング装置やCVD装置への影響がなく、半導体や液晶の
製造プロセスへ悪影響をおよぼすことはない。
けるエッチング装置やCVD(Chemical Va
por Deposition)装置で使用された有機
ハロゲン含有ガスを処理する方法を示す図である。エッ
チング装置16から排出されたガスは、ターボ分子ポン
プ17、ドライポンプ18を通り、本発明の有機ハロゲ
ン含有ガス処理装置19に導入される。本発明の装置で
ある有機ハロゲン含有ガス処理装置19は、水スクラバ
ー20と図1に示したマイクロ波熱プラズマ装置21で
構成されている。エッチング装置16あるいはCVD装
置から排出されるガスは有機ハロゲン含有ガスのみなら
ず、SiF4、金属屑などを含む。分解処理前に水スク
ラバー20によりこれらの物質を排除する。また、有機
ハロゲンガスの一例であるCF4は、以下の反応式 CF4+2H2O→CO2+2HF で分解する。このため、水分の供給が必要となるが、本
方式では、水スクラバー20により、処理ガス温度の飽
和水蒸気量相当の水分を供給する。また、本方式では大
気圧近傍で動作することができるため、ドライポンプ1
8の後段にてハロゲン化合物を処理することが可能であ
る。そのため、本装置19を設置することによるエッチ
ング装置やCVD装置への影響がなく、半導体や液晶の
製造プロセスへ悪影響をおよぼすことはない。
【0026】実施例1
図4に、図1〜3に示す有機ハロゲン含有ガス処理装置
でCF4ガスを分解した結果を示す。
でCF4ガスを分解した結果を示す。
【0027】分解条件はガス流量10NL/分(添え字
のNは、0℃、1気圧の状態を表わす)、CF4濃度は
5000ppm、H2O濃度は10000ppm、反応
容器13および石英ガラス6、金属ブロック7、プラズ
マ発生電極8、プラズマ発生電極の冷却水入口8a、プ
ラズマ発生電極の冷却水出口8b、処理ガス入口9、プ
ラズマ発生電極フランジ10、プラズマ発生電極フラン
ジ冷却水入口10a、プラズマ発生電極フランジ冷却水
出口10bからなるトーチ部における圧力は0.1MP
aである。風路12の形状は図2に示すとおりである。
風路12の1段目は内径20mm長さ50mm、2段目
は内径10mm長さ140mmである。1段目と2段目
のつなぎ部分には、ガスの圧力損失の増加を防ぐため4
5°の傾斜を有する縮流部を設けている。この風路は、
ガス流量10NL/分処理用のものである。なお、プラ
ズマ発生による電界の変化は、プラズマ発生電極8を上
下にスライドするとともに、3スタブチューナー5にて
マイクロ波を整合して行なった。
のNは、0℃、1気圧の状態を表わす)、CF4濃度は
5000ppm、H2O濃度は10000ppm、反応
容器13および石英ガラス6、金属ブロック7、プラズ
マ発生電極8、プラズマ発生電極の冷却水入口8a、プ
ラズマ発生電極の冷却水出口8b、処理ガス入口9、プ
ラズマ発生電極フランジ10、プラズマ発生電極フラン
ジ冷却水入口10a、プラズマ発生電極フランジ冷却水
出口10bからなるトーチ部における圧力は0.1MP
aである。風路12の形状は図2に示すとおりである。
風路12の1段目は内径20mm長さ50mm、2段目
は内径10mm長さ140mmである。1段目と2段目
のつなぎ部分には、ガスの圧力損失の増加を防ぐため4
5°の傾斜を有する縮流部を設けている。この風路は、
ガス流量10NL/分処理用のものである。なお、プラ
ズマ発生による電界の変化は、プラズマ発生電極8を上
下にスライドするとともに、3スタブチューナー5にて
マイクロ波を整合して行なった。
【0028】図4では、前記風路12を設けた場合と設
けない場合のCF4分解率(%)を比較している。図4
中、横軸はマイクロ波入射電力から反射電力を差し引い
た値をプラズマ入力電力として表わしている。風路を設
けない場合では、プラズマ入力電力0.95、1.2
5、1.3kWに対して分解率はそれぞれ80%、89
%、89%と、分解率が89%で飽和した。一方、風路
12を設けた場合、プラズマ入力0.85、0.98、
1.2kWに対して分解率は91、95、100%と、
風路12をつけることにより風路をつけない場合と比べ
て高効率で高い分解率を得ることができる。
けない場合のCF4分解率(%)を比較している。図4
中、横軸はマイクロ波入射電力から反射電力を差し引い
た値をプラズマ入力電力として表わしている。風路を設
けない場合では、プラズマ入力電力0.95、1.2
5、1.3kWに対して分解率はそれぞれ80%、89
%、89%と、分解率が89%で飽和した。一方、風路
12を設けた場合、プラズマ入力0.85、0.98、
1.2kWに対して分解率は91、95、100%と、
風路12をつけることにより風路をつけない場合と比べ
て高効率で高い分解率を得ることができる。
【0029】実施の形態2
図5は、本発明にかかわる風路の一例を示したものであ
る。この風路12は、円柱状の誘電体材料の内部を風路
の形状に切削加工したものである。このように円筒状の
材料を加工することにより、製作が容易であり、安価に
製作することができる。また、セラミックスなどで形状
作成したのち、焼成する方法で、本形状のように内部の
みの形状を成形することにより、焼成時のひずみを少な
く抑えることができ、安価に製作することができる。
る。この風路12は、円柱状の誘電体材料の内部を風路
の形状に切削加工したものである。このように円筒状の
材料を加工することにより、製作が容易であり、安価に
製作することができる。また、セラミックスなどで形状
作成したのち、焼成する方法で、本形状のように内部の
みの形状を成形することにより、焼成時のひずみを少な
く抑えることができ、安価に製作することができる。
【0030】実施の形態3
図6は、本発明にかかわる風路の一例を示したものであ
る。図中23a、23bは風路を形成するための誘電体
ブロック、24a、24bは誘電体ブロック23a、2
3bの外周に加工されたOリング溝、25a、25bは
Oリング、26は23a、23bで形成した風路を収納
するための円筒である。誘電体ブロック23a、23b
は、組み合わせたときに、風路を象るように加工された
ものである。前記23aおよび23bの2つのブロック
は、2個以上の弾性体のOリング25a、25bを、前
記Oリング溝24a、24bにはめることにより結束さ
れたのち、円筒26の中に収納される。円筒内部を加工
する場合には複雑な風路を作ることができないが、円筒
を半分ないしは多数に分割することにより加工が容易に
なる。これにより複雑な形状の風路も容易に作製するこ
とができる。また加工がしやすいため安価に作製するこ
とができる。
る。図中23a、23bは風路を形成するための誘電体
ブロック、24a、24bは誘電体ブロック23a、2
3bの外周に加工されたOリング溝、25a、25bは
Oリング、26は23a、23bで形成した風路を収納
するための円筒である。誘電体ブロック23a、23b
は、組み合わせたときに、風路を象るように加工された
ものである。前記23aおよび23bの2つのブロック
は、2個以上の弾性体のOリング25a、25bを、前
記Oリング溝24a、24bにはめることにより結束さ
れたのち、円筒26の中に収納される。円筒内部を加工
する場合には複雑な風路を作ることができないが、円筒
を半分ないしは多数に分割することにより加工が容易に
なる。これにより複雑な形状の風路も容易に作製するこ
とができる。また加工がしやすいため安価に作製するこ
とができる。
【0031】実施の形態4
図7は、本発明にかかわる風路の一例を示したものであ
る。図7中、12は誘電体製円筒風路、27は誘電体で
できたらせん状の邪魔板である。なお、図8に示すよう
に、風路12中にらせん状の邪魔板27を挿入すること
により容易に構成することができる。なお、図8では、
内径20mmの風路12および直径3mm程度の円形断
面を有するバネ製のらせん状邪魔板27を想定してい
る。
る。図7中、12は誘電体製円筒風路、27は誘電体で
できたらせん状の邪魔板である。なお、図8に示すよう
に、風路12中にらせん状の邪魔板27を挿入すること
により容易に構成することができる。なお、図8では、
内径20mmの風路12および直径3mm程度の円形断
面を有するバネ製のらせん状邪魔板27を想定してい
る。
【0032】この風路は、円筒の風路の内部にらせん状
の邪魔板を取り付けたものである。このような構造をと
ることにより、ガスが渦状に流れ、有機ハロゲン化合物
の分解が進んでいない熱プラズマ周辺部を通過する低温
ガスが、プラズマ中心部を通過する高温ガスと混合す
る。これらのガスの混合により処理ガス中における温度
のばらつきが少なくなり、分解率が向上する。
の邪魔板を取り付けたものである。このような構造をと
ることにより、ガスが渦状に流れ、有機ハロゲン化合物
の分解が進んでいない熱プラズマ周辺部を通過する低温
ガスが、プラズマ中心部を通過する高温ガスと混合す
る。これらのガスの混合により処理ガス中における温度
のばらつきが少なくなり、分解率が向上する。
【0033】実施の形態5
図9は、本発明にかかわる装置の一例を示したものであ
る。矩形導波管1により伝送された2.45GHzのマ
イクロ波を、金属ブロック7によりマグネトロン発振方
向に対して垂直方向であるプラズマ発生電極8の先端方
向へ変換する。穴のあいたプラズマ発生電極フランジ1
0と、上下にスライド可能であるプラズマ発生電極8の
先端とのギャップが狭い空間において、マイクロ波によ
り発生した電界強度が高くなり火花放電を発生する。火
花放電で発生した励起粒子を種火として、マイクロ波で
ガス分子が励起され、熱プラズマ11が発生する。熱プ
ラズマ11は、反応性の高いラジカルが高密度に存在す
るため、有機ハロゲン化合物を瞬時に分解することがで
きる。熱プラズマ11の中心部の温度は1000〜10
000Kと非常に高く、プラズマ密度が高くなり反応性
に富む。しかし、熱プラズマ周辺部は分子の電離が不充
分であり、かつ温度も比較的上昇しないため反応が充分
に起こらない。そのため、周辺部を通過する処理ガス
が、反応容器13中を低温のまま通過することにより分
解率は低下する。そこで、風路12を備えることによ
り、中心部のガスと周辺部のガスが混合され高い分解率
が高効率で得られる。
る。矩形導波管1により伝送された2.45GHzのマ
イクロ波を、金属ブロック7によりマグネトロン発振方
向に対して垂直方向であるプラズマ発生電極8の先端方
向へ変換する。穴のあいたプラズマ発生電極フランジ1
0と、上下にスライド可能であるプラズマ発生電極8の
先端とのギャップが狭い空間において、マイクロ波によ
り発生した電界強度が高くなり火花放電を発生する。火
花放電で発生した励起粒子を種火として、マイクロ波で
ガス分子が励起され、熱プラズマ11が発生する。熱プ
ラズマ11は、反応性の高いラジカルが高密度に存在す
るため、有機ハロゲン化合物を瞬時に分解することがで
きる。熱プラズマ11の中心部の温度は1000〜10
000Kと非常に高く、プラズマ密度が高くなり反応性
に富む。しかし、熱プラズマ周辺部は分子の電離が不充
分であり、かつ温度も比較的上昇しないため反応が充分
に起こらない。そのため、周辺部を通過する処理ガス
が、反応容器13中を低温のまま通過することにより分
解率は低下する。そこで、風路12を備えることによ
り、中心部のガスと周辺部のガスが混合され高い分解率
が高効率で得られる。
【0034】一方、半導体工場の酸排気ラインに使用さ
れる塩化ビニルなどの樹脂配管に悪影響を与えるため、
数千度まで温度が上昇したガスを20〜60℃、望まし
くは室温程度である15〜35℃程度までガスを冷却し
て放出する必要がある。本方式では、プラズマ発生電極
フランジ10の冷却水をガス冷却に利用するため、図1
0に示すように反応容器13内に同軸円上に、冷却水が
流通可能にしたプラズマ発生電極フランジ10を設置す
る。このような構造をとることにより、熱プラズマ11
により有機ハロゲン化合物が分解されたのちの処理ガス
を、プラズマ発生電極フランジ10の冷却水により冷却
することができる。しかも、反応容器と同軸上に設置し
ていることにより、ガスが冷却される風路を長くとるこ
とが可能となり冷却時間を長くすることができる。これ
により、ガスの分解率、分解効率を変化させることな
く、コンパクトな反応容器を設計することができる。
れる塩化ビニルなどの樹脂配管に悪影響を与えるため、
数千度まで温度が上昇したガスを20〜60℃、望まし
くは室温程度である15〜35℃程度までガスを冷却し
て放出する必要がある。本方式では、プラズマ発生電極
フランジ10の冷却水をガス冷却に利用するため、図1
0に示すように反応容器13内に同軸円上に、冷却水が
流通可能にしたプラズマ発生電極フランジ10を設置す
る。このような構造をとることにより、熱プラズマ11
により有機ハロゲン化合物が分解されたのちの処理ガス
を、プラズマ発生電極フランジ10の冷却水により冷却
することができる。しかも、反応容器と同軸上に設置し
ていることにより、ガスが冷却される風路を長くとるこ
とが可能となり冷却時間を長くすることができる。これ
により、ガスの分解率、分解効率を変化させることな
く、コンパクトな反応容器を設計することができる。
【0035】実施の形態6
図11は本発明にかかわるプラズマ発生電極先端部周辺
の一例を示したものである。図11中、8はプラズマ発
生電極、10はプラズマ発生電極フランジを示す。マイ
クロ波は、ガスの流量の変化による負荷変動のため整合
が変化する。このガス流量の変化が起こると、熱プラズ
マは不安定になる。放電開始時に発生する火花放電によ
り、プラズマ発生電極8の先端とプラズマ発生電極フラ
ンジ10の内側が削れる。とくに、図中A部が削れるた
め次第にガスが流れる穴径が増加する。
の一例を示したものである。図11中、8はプラズマ発
生電極、10はプラズマ発生電極フランジを示す。マイ
クロ波は、ガスの流量の変化による負荷変動のため整合
が変化する。このガス流量の変化が起こると、熱プラズ
マは不安定になる。放電開始時に発生する火花放電によ
り、プラズマ発生電極8の先端とプラズマ発生電極フラ
ンジ10の内側が削れる。とくに、図中A部が削れるた
め次第にガスが流れる穴径が増加する。
【0036】そこで、図11に示すフランジの反応容器
挿入部の長さLとフランジの直径R比L/Rを1以上と
することにより、プラズマ発生電極フランジ10の穴径
変化によるガス流量の変動を抑制することができ、長期
間に渡り安定した放電が得られる。
挿入部の長さLとフランジの直径R比L/Rを1以上と
することにより、プラズマ発生電極フランジ10の穴径
変化によるガス流量の変動を抑制することができ、長期
間に渡り安定した放電が得られる。
【0037】実施の形態7
一酸化チッ素(NO)は大気汚染の原因物質であるた
め、その発生は極力抑えなければならない。しかし有機
ハロゲン化合物分解時の副生成物として、チッ素と水の
反応により生成される。NOの生成反応は以下に示すと
おりである。
め、その発生は極力抑えなければならない。しかし有機
ハロゲン化合物分解時の副生成物として、チッ素と水の
反応により生成される。NOの生成反応は以下に示すと
おりである。
【0038】このように、NOは処理ガス中に含まれる
チッ素と、加えた水分から解離した酸素原子およびOH
ラジカルが結合、反応することにより発生する。
チッ素と、加えた水分から解離した酸素原子およびOH
ラジカルが結合、反応することにより発生する。
【0039】図12は、本装置を用いて実験を行なった
ときにおける熱プラズマの温度とCF4分解率および一
酸化チッ素(NO)の発生量の関係を示したものであ
る。処理条件は、ガス流量10NL/分 CF4濃度0.
5%、添加水分濃度1%、チッ素濃度98.5%、処理
時間約1ミリ秒にて、処理温度を変化させてCF4の分
解率とNOの発生量を調べたものである。図12は、横
軸に処理温度(K)、縦軸にCF4分解率(%)とNO
濃度(ppm)を表わしている。CF4は2000K以
上の温度において分解する。一方、NOは、3000K
以上の温度になると急激に増加する。このように、チッ
素および酸素を含む有機ハロゲン含有ガスを処理する場
合においては、その処理温度を2500〜3500K、
望ましくは3000K付近に設定することによりNOの
発生を抑制し、効率的に有機ハロゲン化合物を分解する
ことができる。
ときにおける熱プラズマの温度とCF4分解率および一
酸化チッ素(NO)の発生量の関係を示したものであ
る。処理条件は、ガス流量10NL/分 CF4濃度0.
5%、添加水分濃度1%、チッ素濃度98.5%、処理
時間約1ミリ秒にて、処理温度を変化させてCF4の分
解率とNOの発生量を調べたものである。図12は、横
軸に処理温度(K)、縦軸にCF4分解率(%)とNO
濃度(ppm)を表わしている。CF4は2000K以
上の温度において分解する。一方、NOは、3000K
以上の温度になると急激に増加する。このように、チッ
素および酸素を含む有機ハロゲン含有ガスを処理する場
合においては、その処理温度を2500〜3500K、
望ましくは3000K付近に設定することによりNOの
発生を抑制し、効率的に有機ハロゲン化合物を分解する
ことができる。
【0040】実施の形態8
図13はCF4分解率および一酸化チッ素(NO)の発
生量の時間変化を処理温度をパラメータとして調べた結
果である。処理条件は、CF4濃度0.5%、添加水分
濃度1%、チッ素濃度98.5%である。なお、図3
中、1000KでのCF4分解率を111、2000K
でのCF4分解率を121、3000KでのCF4分解率
を131、4000KでのCF4分解率を141、50
00KでのCF4分解率を151、また1000Kでの
NO発生量を112、2000KでのNO発生量を12
2、3000KでのNO発生量を132、4000Kで
のNO発生量を142、5000KでのNO発生量を1
52として符号で示している。処理温度5000Kでは
0.5マイクロ秒でCF4が100%分解している。一
方NOは1マイクロ秒から急激に増加し始める。処理温
度4000Kでは5マイクロ秒でCF4が100%分解
し、10マイクロ秒からNOの発生量が急激に増加して
いる。処理温度3000Kでは20マイクロ秒でCF4
が100%分解し、1ミリ秒からNOの発生量が急激に
増加している。処理温度2000Kでは4ミリ秒でCF
4が100%分解し、1ミリ秒からNOの発生量が急激
に増加している。
生量の時間変化を処理温度をパラメータとして調べた結
果である。処理条件は、CF4濃度0.5%、添加水分
濃度1%、チッ素濃度98.5%である。なお、図3
中、1000KでのCF4分解率を111、2000K
でのCF4分解率を121、3000KでのCF4分解率
を131、4000KでのCF4分解率を141、50
00KでのCF4分解率を151、また1000Kでの
NO発生量を112、2000KでのNO発生量を12
2、3000KでのNO発生量を132、4000Kで
のNO発生量を142、5000KでのNO発生量を1
52として符号で示している。処理温度5000Kでは
0.5マイクロ秒でCF4が100%分解している。一
方NOは1マイクロ秒から急激に増加し始める。処理温
度4000Kでは5マイクロ秒でCF4が100%分解
し、10マイクロ秒からNOの発生量が急激に増加して
いる。処理温度3000Kでは20マイクロ秒でCF4
が100%分解し、1ミリ秒からNOの発生量が急激に
増加している。処理温度2000Kでは4ミリ秒でCF
4が100%分解し、1ミリ秒からNOの発生量が急激
に増加している。
【0041】よって、処理温度2000Kでは処理時間
1ミリ秒以上で処理することにより、NOの発生を抑制
し、CF4を100%効率的に分解することができる。
同様に、処理温度3000Kでは処理時間20マイクロ
秒以上2ミリ秒以下、処理温度4000Kでは処理時間
5マイクロ秒以上20マイクロ秒以下、処理温度500
0Kでは処理時間0.5マイクロ秒以上5マイクロ秒以
下で処理することにより、NOの発生を抑制し、CF4
を100%効率的に分解することができる。
1ミリ秒以上で処理することにより、NOの発生を抑制
し、CF4を100%効率的に分解することができる。
同様に、処理温度3000Kでは処理時間20マイクロ
秒以上2ミリ秒以下、処理温度4000Kでは処理時間
5マイクロ秒以上20マイクロ秒以下、処理温度500
0Kでは処理時間0.5マイクロ秒以上5マイクロ秒以
下で処理することにより、NOの発生を抑制し、CF4
を100%効率的に分解することができる。
【0042】実施の形態9
図14は本発明にかかわる有機ハロゲン含有ガス処理装
置の一形態を示したものである。図14中、36はスプ
レー噴水器である。
置の一形態を示したものである。図14中、36はスプ
レー噴水器である。
【0043】本装置は実施の形態1における有機ハロゲ
ン含有ガス処理装置において、風路12の下段にスプレ
ー噴水器36を備えたものである。実施の形態8に示し
たように、処理温度を3000K付近に設定することに
より、NOの発生を抑制し、効率的に有機ハロゲン化合
物を処理することができる。熱プラズマ11にスプレー
噴水器36から水を吹き付けることにより熱プラズマの
温度すなわち処理温度を下げることができる。このスプ
レー噴水器36の吹き付けを調整することによりNOの
発生を抑制して効率的に有機ハロゲン含有ガスを処理す
ることができる。
ン含有ガス処理装置において、風路12の下段にスプレ
ー噴水器36を備えたものである。実施の形態8に示し
たように、処理温度を3000K付近に設定することに
より、NOの発生を抑制し、効率的に有機ハロゲン化合
物を処理することができる。熱プラズマ11にスプレー
噴水器36から水を吹き付けることにより熱プラズマの
温度すなわち処理温度を下げることができる。このスプ
レー噴水器36の吹き付けを調整することによりNOの
発生を抑制して効率的に有機ハロゲン含有ガスを処理す
ることができる。
【0044】実施の形態10
図15は実施の形態1に示す風路において、風路12の
下流側の細管部を、風路12a中の冷却水12dにより
冷却したものである。なお、図15中、12bは風路冷
却水入口、12cは風路冷却水出口である。これによ
り、プラズマ処理後のガスを即座に冷却し、高温での処
理時間を少なくしてNOの発生を抑制することができ
る。
下流側の細管部を、風路12a中の冷却水12dにより
冷却したものである。なお、図15中、12bは風路冷
却水入口、12cは風路冷却水出口である。これによ
り、プラズマ処理後のガスを即座に冷却し、高温での処
理時間を少なくしてNOの発生を抑制することができ
る。
【0045】図16は実施の形態1に示す風路におい
て、風路12a中の冷却水12dにより細い風路を冷却
し、かつ水噴霧口37から水を噴きつける機構を備える
ものである。これにより、熱プラズマの温度を制御して
NOの発生を抑制することができる。なお、図16中、
38は給水口である。
て、風路12a中の冷却水12dにより細い風路を冷却
し、かつ水噴霧口37から水を噴きつける機構を備える
ものである。これにより、熱プラズマの温度を制御して
NOの発生を抑制することができる。なお、図16中、
38は給水口である。
【0046】実施の形態11
チッ素を含む有機ハロゲン含有ガスを処理する場合、前
記したようにNOが発生する。このNOの発生を抑制す
るため、処理時に水分と酸素(O2)を加える。これに
より以下の反応 2NO+O2→2NO2 によって、発生したNOが二酸化チッ素(NO2)に酸
化される。NO2はNOより吸着性能、水への溶解性能
が高いため、分解後のガスを合成ゼオライト、活性炭な
どの吸着剤に吸着、または、乾式もしくは水スクラバー
などの湿式スクラバーに溶解除去することによりNOを
大気中に放出することなく効率的に有機ハロゲン含有ガ
スを処理することができる。なお、NOの発生量は添加
水分量に比例することより、添加する酸素は添加水分量
の1/2の濃度もしくはそれ以上必要である。すなわち
CF4を処理する場合においては水分をCF4濃度の2倍
もしくはそれ以上加えて、酸素を水分添加量の等量もし
くはそれ以上添加することにより、発生するNOをすべ
てNO2に酸化して吸着または溶解することで処理する
ことができる。
記したようにNOが発生する。このNOの発生を抑制す
るため、処理時に水分と酸素(O2)を加える。これに
より以下の反応 2NO+O2→2NO2 によって、発生したNOが二酸化チッ素(NO2)に酸
化される。NO2はNOより吸着性能、水への溶解性能
が高いため、分解後のガスを合成ゼオライト、活性炭な
どの吸着剤に吸着、または、乾式もしくは水スクラバー
などの湿式スクラバーに溶解除去することによりNOを
大気中に放出することなく効率的に有機ハロゲン含有ガ
スを処理することができる。なお、NOの発生量は添加
水分量に比例することより、添加する酸素は添加水分量
の1/2の濃度もしくはそれ以上必要である。すなわち
CF4を処理する場合においては水分をCF4濃度の2倍
もしくはそれ以上加えて、酸素を水分添加量の等量もし
くはそれ以上添加することにより、発生するNOをすべ
てNO2に酸化して吸着または溶解することで処理する
ことができる。
【0047】以上、CF4を処理した結果に基づいて、
発明の説明を行なってきたが、C2F 6、C4F8などの有
機ハロゲン化合物も分解後CF4となるため、同様の結
果が得られる。
発明の説明を行なってきたが、C2F 6、C4F8などの有
機ハロゲン化合物も分解後CF4となるため、同様の結
果が得られる。
【0048】また、熱プラズマを発生させる方法とし
て、マイクロ波を利用した方法につき述べてきた。しか
し、熱プラズマを発生させる方法として、13.56M
Hzで発振させる誘導結合型熱プラズマ装置についても
同様の結果が得られる。また、直流アーク放電を用いた
方式でも同様の結果が得られる。
て、マイクロ波を利用した方法につき述べてきた。しか
し、熱プラズマを発生させる方法として、13.56M
Hzで発振させる誘導結合型熱プラズマ装置についても
同様の結果が得られる。また、直流アーク放電を用いた
方式でも同様の結果が得られる。
【0049】
【発明の効果】熱プラズマの中心部の温度は1000〜
10000Kと非常に高く、プラズマ密度が高くなり反
応性に富む。しかし、周辺部は分子の電離が不充分であ
り、かつ温度も比較的上昇しないため反応が充分に起こ
らない。本発明の第1の処理方法によれば、周辺部を通
過する低温ガスと中心部を通過する高温ガスと混合させ
て、周辺の低温部を通りぬけるガスをなくすことによ
り、有機ハロゲン含有ガスを効率よく分解することがで
きる。また、本方式では熱プラズマ発生部に放電管を用
いないため安定した放電を長期間にわたり維持すること
ができる。
10000Kと非常に高く、プラズマ密度が高くなり反
応性に富む。しかし、周辺部は分子の電離が不充分であ
り、かつ温度も比較的上昇しないため反応が充分に起こ
らない。本発明の第1の処理方法によれば、周辺部を通
過する低温ガスと中心部を通過する高温ガスと混合させ
て、周辺の低温部を通りぬけるガスをなくすことによ
り、有機ハロゲン含有ガスを効率よく分解することがで
きる。また、本方式では熱プラズマ発生部に放電管を用
いないため安定した放電を長期間にわたり維持すること
ができる。
【0050】本発明の第2の処理方法によれば、処理温
度2500〜3500K、望ましくは3000K付近の
温度で処理することによりNOの発生を抑制し、効率的
に有機ハロゲン化合物を分解することができる。
度2500〜3500K、望ましくは3000K付近の
温度で処理することによりNOの発生を抑制し、効率的
に有機ハロゲン化合物を分解することができる。
【0051】チッ素を含んだ有機ハロゲン含有ガスを処
理する場合、添加する水分中に含まれる酸素原子により
一酸化チッ素が発生するが、一酸化チッ素は吸着性およ
び溶解性が低い。本発明の第3の処理方法によれば、第
1または2の処理方法において、酸素を添加することに
より一酸化チッ素を二酸化チッ素まで酸化して吸着性お
よび溶解性を高める。この二酸化チッ素を乾式または湿
式のスクラバーで取り除くことにより大気中へ有害物質
であるチッ素酸化物を放出せずに有機ハロゲン含有ガス
を処理することができる。
理する場合、添加する水分中に含まれる酸素原子により
一酸化チッ素が発生するが、一酸化チッ素は吸着性およ
び溶解性が低い。本発明の第3の処理方法によれば、第
1または2の処理方法において、酸素を添加することに
より一酸化チッ素を二酸化チッ素まで酸化して吸着性お
よび溶解性を高める。この二酸化チッ素を乾式または湿
式のスクラバーで取り除くことにより大気中へ有害物質
であるチッ素酸化物を放出せずに有機ハロゲン含有ガス
を処理することができる。
【0052】熱プラズマの中心部の温度は1000〜1
0000Kと非常に高く、プラズマ密度が高くなり反応
性に富む。しかし、周辺部は分子の電離が不充分であ
り、かつ温度も比較的上昇しないため反応が充分に起こ
らない。本発明の第1の処理装置によれば、周辺部を通
過する低温ガスと中心部を通過する高温ガスと混合させ
て、周辺の低温部を通りぬけるガスをなくし、処理ガス
すべてを反応させることにより、有機ハロゲン含有ガス
を効率よく分解することができる。また、本方式では熱
プラズマ発生部に放電管を用いないため安定した放電を
長期間にわたり維持することができる。
0000Kと非常に高く、プラズマ密度が高くなり反応
性に富む。しかし、周辺部は分子の電離が不充分であ
り、かつ温度も比較的上昇しないため反応が充分に起こ
らない。本発明の第1の処理装置によれば、周辺部を通
過する低温ガスと中心部を通過する高温ガスと混合させ
て、周辺の低温部を通りぬけるガスをなくし、処理ガス
すべてを反応させることにより、有機ハロゲン含有ガス
を効率よく分解することができる。また、本方式では熱
プラズマ発生部に放電管を用いないため安定した放電を
長期間にわたり維持することができる。
【0053】本発明の第2の処理装置によれば、第1の
処理装置において、段階的にガス流通路の径を細くする
ことにより、中心部を通過するガスと周辺部を通過する
ガスを混合することができる。
処理装置において、段階的にガス流通路の径を細くする
ことにより、中心部を通過するガスと周辺部を通過する
ガスを混合することができる。
【0054】本発明の第3の処理装置によれば、第2の
処理装置において、風路を2つ以上のブロックに分けて
加工することにより、容易に風路を作製することができ
る。
処理装置において、風路を2つ以上のブロックに分けて
加工することにより、容易に風路を作製することができ
る。
【0055】本発明の第4の処理装置によれば、第1の
処理装置において、らせん状の邪魔板により中心部を通
過するガスと周辺部を通過するガスを混合することがで
きる。
処理装置において、らせん状の邪魔板により中心部を通
過するガスと周辺部を通過するガスを混合することがで
きる。
【0056】本発明の第5の処理装置によれば、第1、
2、3または4の処理装置において、反応容器内にガス
の冷却手段を有することにより、分解後のガスを冷却す
るための冷却効率を上げることができ、反応容器をコン
パクトにすることができる。
2、3または4の処理装置において、反応容器内にガス
の冷却手段を有することにより、分解後のガスを冷却す
るための冷却効率を上げることができ、反応容器をコン
パクトにすることができる。
【0057】本発明の第6の処理装置によれば、第1、
2、3または4の処理装置において、さらに反応容器内
にガスを冷却するためのプラズマ発生電極フランジの冷
却手段を有することにより、コンパクトかつ安価に提供
することができる。
2、3または4の処理装置において、さらに反応容器内
にガスを冷却するためのプラズマ発生電極フランジの冷
却手段を有することにより、コンパクトかつ安価に提供
することができる。
【0058】本発明の第7の処理装置によれば、第1、
2、3、4、5または6の処理装置において、処理温度
2500〜3500K、望ましくは3000K付近の温
度で処理する手段を有することにより、NOの発生を抑
制し、効率的に有機ハロゲン化合物を分解することがで
きる。
2、3、4、5または6の処理装置において、処理温度
2500〜3500K、望ましくは3000K付近の温
度で処理する手段を有することにより、NOの発生を抑
制し、効率的に有機ハロゲン化合物を分解することがで
きる。
【0059】チッ素を含んだ有機ハロゲン含有ガスを処
理する場合、添加する水分中に含まれる酸素原子により
一酸化チッ素が発生するが、この一酸化チッ素は吸着性
および溶解性が低い。本発明の第8の処理装置によれ
ば、第1、2、3、4、5、6または7の処理装置にお
いて、酸素を添加することにより一酸化チッ素を二酸化
チッ素まで酸化して吸着性および溶解性を高める。この
二酸化チッ素を乾式または湿式のスクラバーで取り除く
ことにより大気中へ有害物質であるチッ素酸化物を放出
せずに有機ハロゲン含有ガスを処理することができる。
理する場合、添加する水分中に含まれる酸素原子により
一酸化チッ素が発生するが、この一酸化チッ素は吸着性
および溶解性が低い。本発明の第8の処理装置によれ
ば、第1、2、3、4、5、6または7の処理装置にお
いて、酸素を添加することにより一酸化チッ素を二酸化
チッ素まで酸化して吸着性および溶解性を高める。この
二酸化チッ素を乾式または湿式のスクラバーで取り除く
ことにより大気中へ有害物質であるチッ素酸化物を放出
せずに有機ハロゲン含有ガスを処理することができる。
【図1】 本発明の有機ハロゲン含有ガス処理装置の一
形態を示す図である。
形態を示す図である。
【図2】 本発明で使用される風路の一形態を示す図で
ある。
ある。
【図3】 本発明の有機ハロゲン含有ガスの処理方法の
一形態を示す図である。
一形態を示す図である。
【図4】 本発明の有機ハロゲン含有ガス処理装置でC
F4ガスを分解した結果を示すグラフである。
F4ガスを分解した結果を示すグラフである。
【図5】 本発明で使用される風路の一形態を示す図で
ある。
ある。
【図6】 本発明で使用される風路の一形態を示す図で
ある。
ある。
【図7】 本発明で使用される風路の一形態を示す図で
ある。(a)は直径方向の断面図、(b)は長さ方向の
断面図である。
ある。(a)は直径方向の断面図、(b)は長さ方向の
断面図である。
【図8】 本発明で使用される風路の一形態を示す図で
ある。
ある。
【図9】 本発明の有機ハロゲン含有ガス処理装置の一
形態を示す図である。
形態を示す図である。
【図10】 本発明で使用されるプラズマ発生電極フラ
ンジ部を示す図である。
ンジ部を示す図である。
【図11】 本発明の有機ハロゲン含有ガス処理装置の
プラズマ発生電極先端部とプラズマ発生電極フランジ部
を示す図である。(a)は斜視図、(b)は断面図であ
る。
プラズマ発生電極先端部とプラズマ発生電極フランジ部
を示す図である。(a)は斜視図、(b)は断面図であ
る。
【図12】 本発明の有機ハロゲン含有ガス処理装置を
用いて実験を行なったときにおける熱プラズマの温度
と、CF4分解率および一酸化チッ素(NO)の発生量
との関係を示すグラフである。
用いて実験を行なったときにおける熱プラズマの温度
と、CF4分解率および一酸化チッ素(NO)の発生量
との関係を示すグラフである。
【図13】 本発明の有機ハロゲン含有ガス処理装置を
用いてCF4分解率および一酸化チッ素(NO)の発生
量の時間変化を、処理温度をパラメータとして調べた結
果を示すグラフである。
用いてCF4分解率および一酸化チッ素(NO)の発生
量の時間変化を、処理温度をパラメータとして調べた結
果を示すグラフである。
【図14】 本発明の有機ハロゲン含有ガス処理装置の
一形態を示す図である。
一形態を示す図である。
【図15】 本発明で使用される風路の一形態を示す図
である。
である。
【図16】 本発明で使用される風路の一形態を示す図
である。
である。
【図17】 従来の有機ハロゲン含有ガスの処理装置を
示す図である。
示す図である。
【図18】 図17におけるプラズマ発生部を拡大した
図である。
図である。
【図19】 従来の放電管を用いないタイプのプラズマ
発生装置を示す図である。
発生装置を示す図である。
1 矩形導波管、1a 開口、2 マグネトロン、3
アイソレータ、4a方向性結合器、4b 方向性結合
器、5 3スタブチューナー、6 石英ガラス、7 金
属ブロック、7a プローブアンテナ、8 プラズマ発
生電極、8aプラズマ発生電極の冷却水入口、8b プ
ラズマ発生電極の冷却水出口、9 処理ガス入口、10
プラズマ発生電極フランジ、10a プラズマ発生電
極フランジ冷却水入口、10b プラズマ発生電極フラ
ンジ冷却水出口、11 熱プラズマ、12 風路、12
a 風路、12b 風路冷却水入口、12c 風路冷却
水出口、12d 風路冷却水、13 反応容器、14
冷却水、14a 冷却水入口、14b 冷却水出口、1
5 排ガス出口、16 エッチング装置、17ターボ分
子ポンプ、18 ドライポンプ、19 有機ハロゲン含
有ガス処理装置、20 水スクラバー、21 マイクロ
波熱プラズマ装置、22 酸排気処理設備、23a 誘
電体ブロック、23b 誘電体ブロック、24a Oリ
ング溝、24b Oリング溝、25a Oリング、25
b Oリング、26 円筒、27らせん状の邪魔板、2
8 円筒型空洞共振器、28a 円筒型空洞共振器の絞
り、28b 円筒型空洞共振器の端板、29 放電管、
30 ガス供給管、31フロンガス、32 空気、33
水蒸気発生器、34 容器、35 アルカリ水溶液、
36 スプレー噴水器、37 水噴霧口、38 給水
口、39 マイクロ波、40 ガスの流れ。
アイソレータ、4a方向性結合器、4b 方向性結合
器、5 3スタブチューナー、6 石英ガラス、7 金
属ブロック、7a プローブアンテナ、8 プラズマ発
生電極、8aプラズマ発生電極の冷却水入口、8b プ
ラズマ発生電極の冷却水出口、9 処理ガス入口、10
プラズマ発生電極フランジ、10a プラズマ発生電
極フランジ冷却水入口、10b プラズマ発生電極フラ
ンジ冷却水出口、11 熱プラズマ、12 風路、12
a 風路、12b 風路冷却水入口、12c 風路冷却
水出口、12d 風路冷却水、13 反応容器、14
冷却水、14a 冷却水入口、14b 冷却水出口、1
5 排ガス出口、16 エッチング装置、17ターボ分
子ポンプ、18 ドライポンプ、19 有機ハロゲン含
有ガス処理装置、20 水スクラバー、21 マイクロ
波熱プラズマ装置、22 酸排気処理設備、23a 誘
電体ブロック、23b 誘電体ブロック、24a Oリ
ング溝、24b Oリング溝、25a Oリング、25
b Oリング、26 円筒、27らせん状の邪魔板、2
8 円筒型空洞共振器、28a 円筒型空洞共振器の絞
り、28b 円筒型空洞共振器の端板、29 放電管、
30 ガス供給管、31フロンガス、32 空気、33
水蒸気発生器、34 容器、35 アルカリ水溶液、
36 スプレー噴水器、37 水噴霧口、38 給水
口、39 マイクロ波、40 ガスの流れ。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 土井 雅史
東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三
菱電機株式会社内
(72)発明者 葛本 昌樹
東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三
菱電機株式会社内
(72)発明者 和田 昇
東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三
菱電機株式会社内
(72)発明者 吉田 清彦
東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三
菱電機株式会社内
Fターム(参考) 4D002 AA19 AA22 AA23 AC10 BA02
BA07 CA01 DA35 EA01 EA05
4G075 AA03 AA37 BA05 BA06 CA26
DA02 EB01 EC01 EC06 EC09
EC21 EE02 FB04 FB06 FC15
Claims (11)
- 【請求項1】 有機ハロゲン含有ガスを大気圧近傍で発
生する熱プラズマを用いて処理する方法において、熱プ
ラズマの中心部を通過するガスと周辺部を通過するガス
とを混合する有機ハロゲン含有ガスの処理方法。 - 【請求項2】 前記有機ハロゲン含有ガスを2500〜
3500Kの温度で処理する請求項1記載の有機ハロゲ
ン含有ガスの処理方法。 - 【請求項3】 前記有機ハロゲン含有ガスがチッ素を含
み、CF4濃度の2倍以上の水分と、前記水分の等量以
上の酸素とにより前記有機ハロゲン含有ガスを処理した
のち、生じた二酸化チッ素を除去する請求項1または2
記載の有機ハロゲン含有ガス処理方法。 - 【請求項4】 有機ハロゲン含有ガスを大気圧近傍で発
生する熱プラズマを用いて処理する装置において、熱プ
ラズマの中心部を通過するガスと周辺部を通過するガス
とを混合する手段を有する有機ハロゲン含有ガスの処理
装置。 - 【請求項5】 前記混合する手段が、段階的に狭くなっ
たガスの流通路を備えた風路である請求項4記載の有機
ハロゲン含有ガスの処理装置。 - 【請求項6】 前記風路が、2つ以上のブロックからな
り、円筒内に固定されてなる請求項5記載の有機ハロゲ
ン含有ガスの処理装置。 - 【請求項7】 前記混合する手段が、円筒内にらせん状
の邪魔板を備えた風路である請求項4記載の有機ハロゲ
ン含有ガスの処理装置。 - 【請求項8】 さらに反応容器内にガスの冷却手段を有
する請求項4、5、6または7記載の有機ハロゲン含有
ガスの処理装置。 - 【請求項9】 さらに反応容器内にガスを冷却するため
のプラズマ発生電極フランジの冷却手段を有する請求項
4、5、6または7記載の有機ハロゲン含有ガスの処理
装置。 - 【請求項10】 さらに有機ハロゲン含有ガスを250
0〜3500Kの温度で処理する手段を有する請求項
4、5、6、7、8または9記載の有機ハロゲン含有ガ
スの処理装置。 - 【請求項11】 さらにCF4濃度の2倍以上の水分
と、前記水分の等量以上の酸素とを添加する手段、およ
び生じた二酸化チッ素を除去する手段を有する請求項
4、5、6、7、8、9または10記載の有機ハロゲン
含有ガスの処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002038420A JP2003236338A (ja) | 2002-02-15 | 2002-02-15 | 有機ハロゲン含有ガスの処理方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002038420A JP2003236338A (ja) | 2002-02-15 | 2002-02-15 | 有機ハロゲン含有ガスの処理方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003236338A true JP2003236338A (ja) | 2003-08-26 |
Family
ID=27779745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002038420A Pending JP2003236338A (ja) | 2002-02-15 | 2002-02-15 | 有機ハロゲン含有ガスの処理方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003236338A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006102718A (ja) * | 2004-10-08 | 2006-04-20 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 有害成分含有ガスの処理装置の保守整備時期判定方法 |
JP2006116424A (ja) * | 2004-10-21 | 2006-05-11 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 有害成分含有ガスの処理方法 |
JP2007002273A (ja) * | 2005-06-21 | 2007-01-11 | Toyohashi Univ Of Technology | マイクロ波プラズマトーチ及びマイクロ波プラズマ溶射装置 |
JP2007021290A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-01 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 排ガスの処理方法および処理装置 |
JP2008041578A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-02-21 | Honda Electronic Co Ltd | プラズマ処理装置、及びプラズマ処理方法 |
JP2008506235A (ja) * | 2004-07-07 | 2008-02-28 | アマランテ テクノロジーズ,インク. | プルーム安定性及び加熱効率が改善されたマイクロ波プラズマノズル |
JP2008194674A (ja) * | 2007-01-15 | 2008-08-28 | Kanken Techno Co Ltd | ガス処理装置およびガス処理方法 |
JP2008259953A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Hang-Sub Um | フッ化ガス除去装置及び除去方法 |
JP2010142749A (ja) * | 2008-12-19 | 2010-07-01 | Kanken Techno Co Ltd | ガス処理装置 |
JP2012061434A (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-29 | Tokyo Institute Of Technology | 被処理物の処理方法及び処理装置 |
JP2014087795A (ja) * | 2006-07-14 | 2014-05-15 | Ceramatec Inc | 滑走型電気アークを使用した酸化装置および酸化方法 |
-
2002
- 2002-02-15 JP JP2002038420A patent/JP2003236338A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008506235A (ja) * | 2004-07-07 | 2008-02-28 | アマランテ テクノロジーズ,インク. | プルーム安定性及び加熱効率が改善されたマイクロ波プラズマノズル |
JP2006102718A (ja) * | 2004-10-08 | 2006-04-20 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 有害成分含有ガスの処理装置の保守整備時期判定方法 |
JP2006116424A (ja) * | 2004-10-21 | 2006-05-11 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 有害成分含有ガスの処理方法 |
JP2007002273A (ja) * | 2005-06-21 | 2007-01-11 | Toyohashi Univ Of Technology | マイクロ波プラズマトーチ及びマイクロ波プラズマ溶射装置 |
JP4719877B2 (ja) * | 2005-06-21 | 2011-07-06 | 国立大学法人豊橋技術科学大学 | マイクロ波プラズマトーチ及びマイクロ波プラズマ溶射装置 |
JP2007021290A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-01 | Taiyo Nippon Sanso Corp | 排ガスの処理方法および処理装置 |
JP2014087795A (ja) * | 2006-07-14 | 2014-05-15 | Ceramatec Inc | 滑走型電気アークを使用した酸化装置および酸化方法 |
JP2008041578A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-02-21 | Honda Electronic Co Ltd | プラズマ処理装置、及びプラズマ処理方法 |
JP2008194674A (ja) * | 2007-01-15 | 2008-08-28 | Kanken Techno Co Ltd | ガス処理装置およびガス処理方法 |
JP2008259953A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Hang-Sub Um | フッ化ガス除去装置及び除去方法 |
JP2010142749A (ja) * | 2008-12-19 | 2010-07-01 | Kanken Techno Co Ltd | ガス処理装置 |
JP2012061434A (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-29 | Tokyo Institute Of Technology | 被処理物の処理方法及び処理装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6689252B1 (en) | Abatement of hazardous gases in effluent | |
US7407635B2 (en) | Processes and apparatuses for treating halogen-containing gases | |
EP1715937B1 (en) | Methods and apparatuses for treating a fluorocompound-containing gas stream | |
US6673323B1 (en) | Treatment of hazardous gases in effluent | |
JP5379482B2 (ja) | プラズマリアクタ | |
US6620394B2 (en) | Emission control for perfluorocompound gases by microwave plasma torch | |
JP4880194B2 (ja) | ガスのプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 | |
CN100509115C (zh) | 处理排出气体流的设备及方法和对处理室抽真空的系统 | |
KR100658374B1 (ko) | 반도체 세정 폐가스 제거를 위한 플라즈마 스크러버 | |
JP5335423B2 (ja) | ガス流出物のプラズマ処理のための方法 | |
Yu et al. | Oxidative conversion of PFC via plasma processing with dielectric barrier discharges | |
KR100951631B1 (ko) | 폐가스 분해용 플라즈마 반응기와 이를 이용한 가스스크러버 | |
JP2003236338A (ja) | 有機ハロゲン含有ガスの処理方法および装置 | |
TWI400354B (zh) | 處理氣流的方法 | |
JP2006320820A (ja) | プラズマ式ガス除害装置 | |
Hong et al. | Microwave plasma torch abatement of NF3 and SF6 | |
US20140079617A1 (en) | Apparatus for treating a gas stream | |
KR100695036B1 (ko) | 고온 대용량 플라즈마 가스 스크러버 | |
JP2001054721A (ja) | フロン類の分解方法および分解装置 | |
JP5221842B2 (ja) | 排ガス処理方法 | |
JP2010058009A (ja) | 三フッ化窒素分解処理方法および三フッ化窒素分解処理装置 | |
JP2002273168A (ja) | 除害装置及び除害方法 | |
KR100454085B1 (ko) | 전자파 플라즈마 토치를 이용한 불화탄소 가스의 방출제어방법 | |
Hong et al. | Removal of fluorinated compound gases by an enhanced methane microwave plasma burner | |
GB2428599A (en) | Apparatus for treating a gas stream |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061226 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070612 |