JP2010142749A - ガス処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素化合物の熱分解時における反応器の内部の減肉を極小化して長期間連続して使用することのできるガス処理装置を提供する。
【解決手段】フッ素化合物を含んだ処理対象ガスFを囲繞し、その内部における高温の熱分解領域Rにて処理対象ガスFの熱分解を行う反応器24を備えるガス処理装置10において、熱分解領域Rに面する反応器24の内面に、酸化マグネシウム、酸化バリウムおよび酸化セリウムから選択された1種類以上の物質からなる耐火材を用いることにより、上記課題を解決することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、地球温暖化やオゾン層破壊の原因となるフッ素化合物を含む処理対象ガスを熱分解するガス処理装置に関する。
半導体や液晶等の製造プロセスでは、クリーニングガスやエッチングガス等として様々な種類のフッ素化合物を含むガスが使用されており、代表的なものとして、CF4、C26、C38、C48、C58等のパーフルオロカーボン(フッ化炭素)、CHF3等のハイドロフルオロカーボンおよびSF6(六フッ化硫黄)やNF3等の無機フッ素化合物等が挙げられる。
そして、上記製造プロセスで使用された様々な種類のフッ素化合物を含むガスは、キャリアガスやパージガス等として使用されたN2やArあるいは添加ガスとして使用されたO2、H2やNH3、CH4等と共に処理対象ガスとして排出される。
上記処理対象ガスにおけるフッ素化合物の占める割合は、N2やAr等の他のガスに比べてわずかではあるが、フッ素化合物は地球温暖化係数(GWP)がCO2に比べて数千〜数万倍と非常に大きく、大気寿命もCO2に比べて数千〜数万年と長いことから、大気中へ少量排出した場合であっても、その影響は甚大なものとなる。このため、使用済みとなったフッ素化合物を処理対象ガス中から除害する様々な技術が開発されている。
フッ素化合物を処理対象ガス中から除害する技術のひとつとして、フッ素化合物をプラズマジェットやガスバーナによる高温で熱分解する熱分解ユニットを有するガス処理装置が開発されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の熱分解ユニット1は、図3に示すように、プラズマジェットトーチ2と、電源ユニット3と、作動ガス送給ユニット4と、反応器5とで構成されている。このうち、反応器5は、そのコスト面に鑑みて酸化アルミニウム(シリカを混合したものもある)で構成されたキャスタブル耐火材からなる両端が開口した直管型のもので、その上端が処理対象ガス供給器6を介してプラズマジェットトーチ2のプラズマジェット噴出孔2a側の端部に接続されている。
高温のプラズマジェットPがプラズマジェットトーチ2から反応器5の内部に導入されることによって反応器5の内部に高温(反応器5の内面近傍温度は約1000℃であり、中心部はより高温となっている。)領域(=熱分解領域R)が形成され、当該熱分解領域Rにフッ素化合物を含む処理対象ガスFが供給されることによってフッ素化合物が熱分解により除害される。
国際公開第2008/068917号(図3)
ところが、反応器5で熱分解されるフッ素化合物は、処理対象ガスF中の(あるいは処理対象ガスに添加された)水蒸気や酸素と反応してフッ素、フッ化水素、二酸化炭素等に変換される。これらフッ素およびフッ化水素は、非常に反応性が高いことから、その一部が反応器5を形成するキャスタブル耐火材の酸化アルミニウムやシリカ(=二酸化ケイ素)と反応してフッ化アルミニウムや四フッ化ケイ素となる。すると、フッ化アルミニウムは昇華点が約1000℃と低いことから、プラズマジェットPによる高温で昇華してしまい(特に、六フッ化硫黄や四フッ化炭素の分解には、1000℃以上の高温を要するため、どのように緻密な酸化アルミニウムを用いたとしてもこれを避けることができない。)、さらに、四フッ化ケイ素も常温で気体であることから昇華してしまう。この結果、フッ素化合物の熱分解処理を続けていくと、熱分解領域Rに面する反応器5の内面が減肉してしまい、反応器5の内面の定期的な補修が必要となる。つまり、熱分解ユニット1を備えるガス処理装置を長期間連続して使用することができないという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みて開発されたものである。それゆえに本発明の主たる課題は、フッ素化合物の熱分解時における反応器の内部の減肉を極小化して長期間連続して使用することのできるガス処理装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、
フッ素化合物を含んだ処理対象ガスFを囲繞し、その内部における高温の熱分解領域Rにて前記処理対象ガスFの熱分解を行う反応器24を備えるガス処理装置10において、
前記熱分解領域Rに面する前記反応器24の内面には、酸化マグネシウム、酸化バリウムおよび酸化セリウムから選択された1種類以上の物質からなる耐火材が用いられていることを特徴とするガス処理装置10である。
本発明に係る反応器24の内面には、酸化マグネシウム、酸化バリウムおよび酸化セリウムから選択した1種類以上の物質からなる耐火材が用いられており(実施例に示すように、反応器24の内面に保護セラミック24bを設けてもよいし、酸化マグネシウム等を内面に溶射してもよいし、反応器24全体を酸化マグネシウム等で形成してもよい)、この反応器24を用いてフッ素化合物を熱分解したとき、酸化マグネシウム、酸化バリウムあるいは酸化セリウムは、フッ素やフッ化水素と反応して、それぞれフッ化マグネシウム、フッ化バリウムあるいはフッ化セリウムになるが、これらの融点は、上述のフッ化アルミニウムに比べて十分に高い(フッ化マグネシウムの融点は1260℃、フッ化バリウムの融点は1280℃、フッ化セリウムの融点は1320℃である。)ことから、六フッ化硫黄や四フッ化炭素を分解するため、熱分解領域Rに面する反応器24の内面温度が1000℃以上になったとしても、反応器24の内面が減肉するおそれを極小化することができる。
さらに、発明者が数々の実験により様々なセラミックについて評価したところ、酸化マグネシウム、酸化バリウムおよび酸化セリウムは、安価で、毒性がなく、かつ、反応器24内で長期間使用しても上述のように減肉がほとんどないことに加えて、脆くなって崩れたり、多孔質化したりせず、フッ素化合物の熱分解を行う反応器24に最適な材質であることがわかった。したがって、酸化マグネシウム、酸化バリウムおよび酸化セリウムから選択された1種類以上の物質からなる保護セラミック24bを用いることにより、安価で毒性がなく、反応器24内で長期間使用しても減肉がほとんどないことに加え、脆くなって崩れたり、多孔質化したりしないという上記効果を享受することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガス処理装置10に関し、
前記反応器24に熱分解用の熱源としてのプラズマジェットPを供給するプラズマジェットトーチ18を備えていることを特徴とする。
プラズマジェットPを熱分解用の熱源として用いる場合、熱を集中させて反応器24に供給することができるので、他の熱源(バーナや電気ヒータ等)を用いる場合に比べて反応器24の内部の容積を小さくすることができるが、その分、反応器24の内面における減肉の度合いも大きかった。しかし、本発明によれば、上述のように、熱分解領域Rに面する反応器24の内面温度が1000℃以上になったとしても、反応器24の内面が減肉するおそれを極小化することができるので、プラズマジェットトーチ18を備えたガス処理装置10に本発明を適用することで、反応器24の内部の容積を小さくして装置全体をコンパクトにしつつ、反応器24の内部の減肉を極小化して長期間連続使用することのできるガス処理装置10とすることができる。
本発明によれば、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化セリウムを用いて、フッ素化合物の熱分解時におけるフッ素あるいはフッ化水素が存在する高温(特に、六フッ化硫黄、四フッ化炭素を分解する場合は1000℃以上)雰囲気の下でも反応器の内部の減肉を極小化して長期間連続して使用することのできるガス処理装置を提供することができる。
図1は本実施例の処理対象ガスのガス処理装置10の概要を示した構成図である。この図が示すように、本実施例のガス処理装置10は、大略、熱分解ユニット12と、出口スクラバ14とで構成されている。
熱分解ユニット12は、半導体製造装置等の処理対象ガス排出源16a、16bから排出されるフッ素化合物を含む処理対象ガスFを熱分解することによって除害する装置であり、図2に示すように、大略、プラズマジェットトーチ18、電源ユニット20、作動ガス送給ユニット22および反応器24で構成されたプラズマ除害機である。
プラズマジェットトーチ18は、高温のプラズマジェットPを生成するものであり、黄銅などの金属材料からなり上下両面が開口した短筒状のトーチボディ18aを備えている。このトーチボディ18aの図中下方にはアノード18bが連設されており、また、トーチボディ18aの中央部には棒状のカソード18cが挿通されている。
アノード18bは、銅またはタングステンなどの高い導電性を有する高融点金属で形成され、内部にプラズマ発生室18dが凹設された円筒状のノズルである。このアノード18bの下面中心部にはプラズマ発生室18d内で生成したプラズマジェットPを噴出させるプラズマジェット噴出孔18eが貫設されており、アノード18b側面の上部には作動ガス送給口18fが設けられている。
カソード18cは、銅などの高い導電性を有する高融点金属からなる本体部と、トリウム或いはランタンを混入させたタングステンからなり、先端に向けてその外径が紡錘状に縮径した先端部とで構成された棒状の部材である。このカソード18cの先端部分は、アノード18b内に凹設されたプラズマ発生室18dに配設されている。
なお、アノード18bとカソード18cとの間には、トーチボディ18aを介してこれらの間で通電(短絡)しないように、四フッ化エチレン樹脂やセラミックなどの絶縁材料(図示せず)が介装されている。また、アノード18bおよびカソード18cの内部には、冷却水通流路(図示せず)が設けられており、これらの部材を冷却するようにしている。
そして、以上のように構成されたアノード18bおよびカソード18cには、所定の放電電圧を印加してアノード18bとカソード18cとの間にアークを生起する電源ユニット20が接続されている。
電源ユニット20は、上述したアノード18bおよびカソード18cに所定の放電電圧を印加してプラズマアークを生起させるものであり、電源ユニット20には、いわゆるスイッチング方式の直流電源装置を用いることが好適である。また、電源ユニット20はスイッチ26(図1)を介して熱分解ユニット12に接続されている。したがって、このスイッチ26を操作することにより、熱分解ユニット12への電力供給をオン・オフすることができるようになっている。
作動ガス送給ユニット22は、図2に示すように、アノード18bのプラズマ発生室18d内に窒素や水素或いはアルゴンなどの作動ガスGを送給するものであり、ボンベ等(図示せず)に貯蔵された高圧の作動ガスGを減圧するレギュレータ22aと、このレギュレータ22aとアノード18bに設けられた作動ガス送給口18fとを連通する作動ガス送給配管22bとを有する。また、作動ガス送給配管22bには、プラズマ発生室18d内に送給する作動ガスGの量を制御する流量制御手段28が取付けられている。
反応器24は、酸化アルミニウムとシリカとが混合されたキャスタブル耐火材からなる両端が開口した直管型の反応器本体24aと、後述する熱分解領域に面する反応器24の内面を覆うように設けられた酸化マグネシウム製の保護セラミック24bとで構成されている。
また、反応器24の一端(図2における上端)は、処理対象ガスFをスパイラル状に吹き込んでプラズマジェットPの噴出側上流部近傍に供給する排ガス供給器30を介してプラズマジェットトーチ18のプラズマジェット噴出孔18e側の端部に接続されており、高温のプラズマジェットPと処理対象ガスFとを囲繞し、その内部空間にて処理対象ガスFの熱分解を行なうものである(この熱分解が行われる高温領域を「熱分解領域R」という。)。
この反応器24の他端は、反応器24内で分解処理した処理対象ガスFの排出端となっており、図1に示すように、管体の内壁面に薬液や水を旋回させながら流下させ、処理対象ガスF中の粉塵が該管体に付着しないよう洗い流す旋回シャワー32を介して薬液や水を貯留する水槽34の天面に接続されている。
プラズマジェットP並びに処理対象ガスFを囲繞するこの反応器24には、上述のように、その内部空間に高温のプラズマジェットPによって高温にされた熱分解領域が形成される。このため、反応器24を流下する処理対象ガスFのうちプラズマジェットPに直接接触しなかった未分解の処理対象ガスFもこの高温領域を通過する際に熱分解されることになる。
また、図示しないが、反応器24には、反応器24内の温度、圧力又はプラズマジェットP点火状態の少なくとも1つをセンシングするセンサが取り付けられており、このセンサでセンシングした情報を用いて、後述する入口バルブ40の開閉を自動制御するようにしている。
また、主配管36には常閉弁42aを介してバイパス配管42の一端が接続されており、このバイパス配管42の他端は後述する出口スクラバ14の入口側に接続されている。
そして、反応器24の外周は、ロックウールや珪酸カルシウムなどの材料で構成された保温材Hで囲繞されている。
なお、本実施例では、図1に示すように、2台の処理対象ガス排出源16a、16bがそれぞれバルブ44を介して主配管36に接続されているが、ガス処理装置10に接続する処理対象ガス排出源16の数はこれに限定されるものではない。
また、複数台の熱分解ユニット12を水槽34の上部に並列に配設し、処理対象ガスFの流量に応じて稼働させる熱分解ユニット12の台数を調整してもよい。
出口スクラバ14は、熱分解ユニット12にて熱分解した処理対象ガスFを水洗し、粉塵や水溶性成分を除去して清浄化すると共に、熱分解により高温となった処理対象ガスFを冷却するためのものであり、下端部に排ガス導入口46が設けられた直管型のスクラバ本体48と、処理対象ガスF通流方向に対向するように上方から薬液や水を噴射する下向きのスプレーノズル50とで構成されている。
この出口スクラバ14も、熱分解ユニット12と同様に水槽34の天面に立設されており、スプレーノズル50から噴射された薬液や水が水槽34に送り込まれる。そして、出口スクラバ14の頂部出口には、処理済みの処理対象ガスFを大気中へ放出する排気ファン54が接続されており、出口スクラバ14と排気ファン54との間には、大気を処理対象ガスFに導入するためのブリーザー52が介装されている。
以上のように構成された本実施例のガス処理装置10を用いて処理対象ガスFを除害する際の手順を具体的に説明する。なお、以下に記載した処理ガス量等の具体的数値は、あくまで一例であり、本発明はこれらの数値に限定されるものではない。
まず、図示しないガス処理装置10の電源をオンにして、熱分解ユニット12の作動ガス送給ユニット22および流量制御手段28を作動させてプラズマ発生室18d内に作動ガスG(N2:30L/min)を送給する。
続いて、スイッチ26をオンにして熱分解ユニット12と電源ユニット20とを接続し、電源ユニット20を作動させると共に、熱分解ユニット12のプラズマジェット点火スイッチ(図示せず)をオンにしてプラズマジェットトーチ18の電極18b、18c間に電圧を印加し、プラズマジェット噴出孔18eからプラズマジェットPを噴出させる(直流アーク放電:70A、100V)。
そして、反応器24内における熱分解領域Rの温度が処理対象ガスFを除害可能な(つまり、フッ素化合物を熱分解できる)所定の温度に達すると、主配管38の入口バルブ40を開けて、反応器24内に処理対象ガスF(窒素:50L/min+CF4:0.5L/min+H2O:1L/min)を供給する。すると、排ガス供給器30を介して反応器24内に供給された処理対象ガスFは、プラズマジェットPを囲繞するようスパイラル状に流下し、処理対象ガスF中のフッ素化合物は、反応器24内で熱分解される(CF4の分解率は98%)。
そして、熱分解ユニット12で熱分解された処理対象ガスFは、反応器24の下部に設けられた旋回シャワーを通って水槽34内に入り、水槽34内側上部(つまり、水槽34の天面と水面との間の空間)を経由して出口スクラバ14の排ガス導入口46に導かれ、該出口スクラバ14にて水洗および冷却された後、排気ファン54を介して大気中へと排出される。
フッ素化合物は、処理対象ガスF中の(あるいは処理対象ガスFに添加された)水蒸気や酸素と反応して非常に反応性が高いフッ素、フッ化水素等に変換され、熱分解領域Rに面する保護セラミック24bを構成する酸化マグネシウムと反応してフッ化マグネシウムになる。しかし、フッ化マグネシウムの融点(=1260℃)は、反応器本体24aを構成する酸化アルミニウムのフッ化物であるフッ化アルミニウムに比べて十分に高いことから、熱分解に必要な温度が高いフッ素化合物(六フッ化硫黄や四フッ化炭素)を分解するために熱分解領域Rに面する反応器24の内面温度が1000℃以上になったとしても、保護セラミック24b(=反応器24の内面)が減肉するおそれを極小化することができる(通常の運転温度(約1000℃)よりも高い1200℃(反応器24の内面近傍温度)で加速試験(5時間稼働)を行った結果、反応器24の内面の減肉量は、反応器24の内面が酸化アルミニウムである場合には約20mmであったところ、酸化マグネシウム、酸化バリウムあるいは酸化セリウムの場合、減肉は見られなかった。これにより、通常の運転温度下において反応器24の内面に酸化マグネシウムを用いた場合の耐久性は、大幅に向上すると考えられる。)。
さらに、酸化マグネシウムは、安価で、毒性がないとともに、反応器24内で長期間使用しても上述のように減肉がほとんどないだけでなく、脆くなって崩れたり、多孔質化したりせず、フッ素化合物の熱分解を行う反応器24に最適な材質であることがわかった。したがって、酸化マグネシウムを用いた保護セラミック24bを用いることにより、安価で毒性がなく、反応器24内で長期間使用しても減肉がほとんどないだけでなく、脆くなって崩れたり、多孔質化したりしないという効果を享受することができる。
なお、保護セラミック24bの材質は、酸化マグネシウムに限られず、酸化バリウムあるいは酸化セリウムのいずれかを用いることができるし、また、酸化マグネシウム、酸化バリウムおよび酸化セリウムから選択した2種類以上の物質を用いて保護セラミック24bを形成してもよい。
酸化バリウムおよび酸化セリウムも酸化マグネシウムと同様に、フッ素やフッ化水素と反応して、それぞれフッ化バリウムおよびフッ化セリウムになるが、これらの融点は、上述のフッ化アルミニウムに比べて十分に高い(フッ化バリウムの融点は1280℃、フッ化セリウムの融点は1320℃である。)ことから、熱分解領域Rに面する反応器24の内面温度が1000℃以上になったとしても、保護セラミック24b(=反応器24の内面)が減肉するおそれを極小化することができる。また、酸化バリウムあるいは酸化セリウムを用いた保護セラミック24bを用いることにより、安価で毒性がなく、反応器24内で長期間使用しても減肉がほとんどないだけでなく、脆くなって崩れたり、多孔質化したりしないという効果を享受することができる。
また、酸化マグネシウム、酸化バリウムおよび酸化セリウムを用いて反応器24全体(=反応器本体24a+保護セラミック24b)を構成してもよいし、保護セラミック24bの下端を反応器24の下端まで延ばすようにしてもよい。要するに、これら酸化物は、熱分解領域Rに面し、フッ素化合物が熱分解されることによって生じたフッ素やフッ化水素と反応する位置にのみ用いればよく、本実施例のように、反応器本体24aを従来どおりの安価な酸化アルミニウムの(シリカが混合されていてもよい)キャスタブル耐火材で形成し、必要な位置にのみ保護セラミック24bの板を貼るか、コーティング(溶射などの方法でもよい)するだけでも充分な効果が得られるし、反応器24のコストを低減させることができる。
また、上述の実施例では、フッ素化合物を熱分解するための熱源としてプラズマジェットトーチ18を用いる場合について説明したが、フッ素化合物の熱分解可能温度まで反応器24の内部の熱分解領域Rを高温にすることができれば、他の熱源を用いることができる。例えば、ガスバーナ(特にアセチレンバーナ)による火炎を熱分解領域Rへ導くことにより、フッ素化合物(CF4やSF6)を熱分解することができる。もちろん、熱源として電気ヒータを用いることもできる。
また、上述の実施例では、ガス処理装置10に出口スクラバ14を設ける場合を示したが、例えば、後工程に別途排ガス処理工程が設けられており、ガス処理装置10がフッ素化合物の分解のみを行えばよい場合には、出口スクラバ14を省略するようにしてもよい。
そして、必要に応じて、熱分解ユニット12に導入する前に、処理対象ガスFを湿式のスクラバ(=入口スクラバ)で洗浄するようにしてもよい。
本発明にかかる処理対象ガスのガス処理装置の概要を示した構成図である。 本発明における熱分解ユニットの概要を示す構成図である。 従来技術を示す図である。
符号の説明
10…ガス処理装置
12…熱分解ユニット
14…出口スクラバ
16…処理対象ガス排出源
18…プラズマジェットトーチ
18a…トーチボディ
18b…アノード
18c…カソード
18d…プラズマ発生室
18e…プラズマジェット噴出孔
18f…作動ガス送給口
20…電源ユニット
22…作動ガス送給ユニット
22a…レギュレータ
22b…作動ガス送給配管
24…反応器
24a…反応器本体
24b…保護セラミック
26…スイッチ
28…流量制御手段
30…排ガス供給器
32…旋回シャワー
34…水槽
36…主配管
40…入口バルブ
42…バイパス配管
42a…常閉弁
44…バルブ
46…排ガス導入口
48…スクラバ本体
50…スプレーノズル
52…ブリーザー
54…排気ファン

Claims (2)

  1. フッ素化合物を含んだ処理対象ガスを囲繞し、その内部における高温の熱分解領域にて前記処理対象ガスの熱分解を行う反応器を備えるガス処理装置において、
    前記熱分解領域に面する前記反応器の内面には、酸化マグネシウム、酸化バリウム、および酸化セリウムから選択された1種類以上の物質からなる耐火材が用いられていることを特徴とするガス処理装置。
  2. 前記反応器に熱分解用の熱源としてのプラズマジェットを供給するプラズマジェットトーチを備えていることを特徴とする請求項1に記載のガス処理装置。

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