JP4570506B2 - プラズマ除害機および当該プラズマ除害機を用いた排ガス処理システム - Google Patents

プラズマ除害機および当該プラズマ除害機を用いた排ガス処理システム Download PDF

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Description

本発明は、プラズマジェットを用いてPFCs等を含む排ガスを除害するプラズマ除害機並びに当該除害機を用いた排ガス処理システムに関する。
半導体や液晶等の製造プロセスでは、クリーニングガスやエッチングガスなどとして様々な種類のフッ素化合物のガスが使用されている。このようなフッ素化合物は「PFCs等」と称されており、代表的なものとして、CF4,C26,C38,C48,C58などのパーフルオロカーボン、CHF3などのハイドロフルオロカーボンおよびSF6やNF3などの無機含フッ素化合物等が挙げられる。
そして、半導体や液晶等の製造プロセスで使用された様々な種類のPFCs等は、キャリアガスやパージガス等として使用されたN2やAr或いは添加ガスとして使用されたO2,H2やNH3,CH4などと共に排ガスとして排出される。
ここで、前記排ガスにおけるPFCs等の占める割合はN2やArなどの他のガスに比べてわずかではあるが、このPFCs等は地球温暖化係数(GWP)がCO2に比べて数千〜数万倍と非常に大きく、大気寿命もCO2に比べて数千〜数万年と長いことから、大気中へ少量排出した場合であっても、その影響は甚大なものとなる。さらに、CF4やC26を代表とするパーフルオロカーボンはC−F結合が安定であるため(結合エネルギーが130kcal/molと大きく)、分解が容易でないことが知られている。このため、使用済みとなったPFCs等を排ガス中から除害する様々な技術の開発が行われている。
このような難分解性のPFCs等を含むガス(以下、単に「排ガス」という。)を除害する技術として、図4に示すように、プラズマジェットトーチ1の電極1a,1b間に作動ガスGを送給すると共に、電極1a,1b間に放電電圧を印加して反応筒2内にプラズマジェットPを噴出させ、このプラズマジェットPに向けて排ガスFを供給して当該排ガスFを熱分解するプラズマ除害機3が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このプラズマジェットPを用いたプラズマ除害機3では、作動ガスGとして窒素ガスや水素ガスなどの二原子分子ガスを用いることにより、プラズマジェットPの温度が概ね数千〜数万℃前後(この場合、プラズマジェットPの雰囲気温度も数千℃となる)の超高温となり、PFCs等、とりわけパーフルオロカーボンなどの難分解性の排ガスFを瞬時に熱分解して除害することができる。
特開2000−334294号公報(第2図)
しかしながら、このようなプラズマ除害機3では、超高温のプラズマジェットPによって難分解性の排ガスFを除害することができるものの、処理すべき排ガスFの量が増え、プラズマジェットPに向けて供給される排ガスFの流速が著しく上昇した場合には、プラズマジェットP内或いはその周囲に形成される高温領域での排ガスFの滞留時間が短くなる。このため、分解に必要な熱エネルギーが十分に与えられないまま排ガスFがプラズマジェットPおよびこの周囲に形成される高温領域を通過するようになり、排ガスFの一部が熱分解しないまま排出されるという問題があった。つまり、大流量の排ガスFには対応できなかった。
また、かかるプラズマ除害機3では、超高温のプラズマジェットPが多量の熱エネルギーを放出するが、当該熱エネルギーのうち排ガスFの熱分解に寄与しているのは、排ガスFがプラズマジェットPおよびこの周囲に形成される高温領域を通過する際に与えられる極く一部であり、排ガスFの分解に寄与しなかった大部分の熱エネルギーは廃熱となっていた。このため、パーフルオロカーボンなどの難分解性の排ガスFを除害するには、プラズマジェットPの周囲に形成される高温領域の温度(すなわち雰囲気温度)を1500℃前後の高温にしなければならず、エネルギー消費量が増えて効率的でなくなるのと同時に、プラズマジェットトーチ1や反応筒2が比較的短期間のうちに熱劣化するようになるという問題があった。
それゆえに、本発明の主たる課題は、PFCs等を含む大流量の排ガスを確実に且つ効率的に除害できると共に、プラズマジェットの出力を低減することが可能なプラズマ除害機を提供することである。
請求項1に記載した発明は、「ノズルからなるアノード12bおよびアノード12b内に配設されたカソード12cを有するプラズマジェットトーチ12と、アノード12bとカソード12cとの間に放電電圧を印加する電源ユニット14と、アノード12b内に作動ガスGを送給する作動ガス送給ユニット16と、プラズマジェットトーチ12のプラズマジェットP噴出側に取り付けられ、プラズマジェットPおよびこのプラズマジェットPに向けて供給される排ガスFを囲繞し、その内部にて排ガスFの熱分解を行なう反応筒18とを具備するプラズマ除害機10であって、反応筒18が二重管で構成されており、その外管22のプラズマジェットトーチ12から最も離間した端部に排ガス導入口26が設けられると共に、その内管24のプラズマジェットトーチ12に最も近接した端部にプラズマジェットPへ向けて排ガスFを吹き込む排ガス送給口28が設けられており、更に、反応筒18は、内部に噴出させたプラズマジェットPの下流側先端に対応する位置に設けられた段部30を介してプラズマジェットトーチ12側が拡径した拡径部分Lを有しており、当該拡径部分Lの内面にキャスタブルからなる耐火壁32が交換可能に取り付けられている」ことを特徴とするプラズマ除害機10である。
この発明では、反応筒18が二重管で構成されると共に、外管22のプラズマジェットトーチ12から最も離間した端部に排ガス導入口26が設けられ、内管24のプラズマジェットトーチ12に最も近接した端部に排ガス送給口28が設けられているので、排ガスFは、外管22と内管24との間の空間SをプラズマジェットPの下流側から上流側に向けて通流した後、プラズマジェットPに送給される。このため、前記空間Sを通流する未処理の排ガスFに内管24を介して反応筒18内部の熱が与えられるようになり、プラズマジェットPに送給する排ガスFを予熱することができる。さらに、プラズマジェットPによる排ガスFの熱分解開始後においては、高温の処理済排ガスFと低温の未処理排ガスFとの間で熱交換が行なわれるようになり、プラズマジェットPに送給する排ガスFの予熱と処理済排ガスFの冷却とを同時に実行することができる。
そして、反応筒18内面のプラズマジェットPに対面する拡径部分Lにキャスタブルからなる耐火壁32が設けられているので、プラズマジェットPによる反応筒18の熱劣化を防止して反応筒18の耐久性を向上させることができる。また、反応筒18の耐火壁32よりも下流側では、高温の処理済排ガスFと低温の未処理排ガスFとの間で十分に熱交換することができる。さらに、反応筒18に段部30を設けることによって、外管22と内管24との間の空間Sを通流する排ガスFの流れに乱流を生じさせ、前記空間Sでの滞留時間を長くとることができるので、プラズマジェットPに送給する排ガスFをより効果的に予熱することができる。そして、耐火壁32が交換可能に取り付けられているので、プラズマジェットPの熱で耐火壁32が熱劣化したとしても、この部分だけを交換すればよく、メンテナンス時の停止時間を短縮してプラズマ除害機10の稼働率を向上させることができる。
請求項に記載した発明は、「請求項に記載のプラズマ除害機10と、プラズマ除害機10に導入する排ガスFを予め水洗する入口スクラバ又はプラズマ除害機10にて除害した排ガスFを水洗する出口スクラバの少なくとも一方とを具備する」ことを特徴とする排ガス処理システムである。
この発明では、上述した各発明のプラズマ除害機10に、入口スクラバ又は出口スクラバの少なくとも一方を加えて排ガス処理システムを構成するようにしているので、例えばプラズマ除害機10に導入する排ガスFを予め水洗して粉塵や水溶性成分を除去する入口スクラバを加えた場合には、排ガス通流路の目詰まり等を防止し、より安定してプラズマ除害機10を連続運転でき、プラズマ除害機10にて除害した排ガスFを水洗して粉塵や水溶性成分を除去する出口スクラバを加えた場合には、除害後の排ガスFの清浄度を向上させることができると共に、高温の処理済排ガスFを冷却することができる。また、入口スクラバ及び出口スクラバの両方を加えた場合には、両スクラバの効果が発揮されることになる。
本発明によれば、反応筒が二重管で構成され、対向流式の熱交換器として機能しているので、プラズマジェットに送給する排ガスを十分に予熱することが可能であり、同時に熱分解後の高温の処理済排ガスを冷却することができる。また、反応筒内面のプラズマジェットに対面する拡径部分にキャスタブルからなる耐火壁が交換可能に設けられているので、プラズマジェットの熱で耐火壁が熱劣化したとしても、この部分だけを交換すればよく、メンテナンス時の停止時間を短縮してプラズマ除害機の稼働率を向上させることができる。
したがって、プラズマジェットの出力を低減できると共に、大流量の排ガスを確実に且つ効率的に熱分解して除害することができ、更に熱分解後の処理済排ガスの冷却負担を低減することが可能なプラズマ除害機を提供することができる。
以下、本発明を図示実施例に従って説明する。図1は本実施例のプラズマ除害機10の概要を示した構成図である。この図が示すように、本実施例のプラズマ除害機10は、大略、プラズマジェットトーチ12、電源ユニット14、作動ガス送給ユニット16、反応筒18などで構成されている。
プラズマジェットトーチ12は、高温のプラズマジェットPを生成するものであり、黄銅などの金属材料からなり上下両面が開口した短筒状のトーチボディ12aを有する。このトーチボディ12aの先端にはアノード12bが連設されており、その内部には棒状のカソード12cが取着されている。
アノード12bは、銅またはタングステンなどの高い導電性を有する高融点金属で構成され、内部にプラズマ発生室12dが凹設された円筒状のノズルである。このアノード12bの下面中心部には前記プラズマ発生室12d内で生成したプラズマジェットPを噴出させるプラズマジェット噴出孔12eが貫設されており、アノード12b側面の上部には作動ガス送給口12fが設けられている。
カソード12cは、銅などの高い導電性を有する高融点金属からなる本体部と、トリウム或いはランタンを混入させたタングステンからなり先端に向けてその外径が紡錘状に縮径した先端部とで構成された棒状の部材である。このカソード12cの先端部分は、アノード12b内に凹設されたプラズマ発生室12dに配設されている。
なお、アノード12bとカソード12cとの間には、トーチボディ12aを介してこれらの間で通電(短絡)しないように四フッ化エチレン樹脂やセラミックなどの絶縁材料(図示せず)が介装されている。また、アノード12bおよびカソード12cの内部には、冷却水通流路(図示せず)が設けられており、これらの部材を冷却するようにしている。
そして、以上のように構成されたアノード12bおよびカソード12cには、所定の放電電圧を印加してアノード12bとカソード12cとの間にアークを生起する電源ユニット14が接続されている。
電源ユニット14は、上述したアノード12bおよびカソード12cに所定の放電電圧を印加してプラズマアークを生起させるものである。この電源ユニット14としては、所謂スイッチング方式の直流電源装置が好適である。
作動ガス送給ユニット16は、アノード12bのプラズマ発生室12d内に窒素や水素或いはアルゴンなどの作動ガスGを送給するものであり、作動ガスGを貯蔵する貯蔵タンク16aと、この貯蔵タンク16aとアノード12bに設けられた作動ガス送給口12fとを連通する作動ガス送給配管16bとを有する。
本実施例のプラズマ除害機10では、前記作動ガス送給配管16bに質量流量制御手段20が取り付けられている。この質量流量制御手段20は、作動ガス送給配管16bを介してプラズマ発生室12d内に送給する作動ガスGの量を制御するもので、具体的には、後述する温度検出手段34の出力する流量設定信号に基づいてプラズマ発生室12d内に送給する作動ガスGの量を制御するマスフローコントローラである。
反応筒18は、外管22および内管24を備えた二重管で構成された本体18aを有する(図2参照)。この本体18aを構成する外管22および内管24は、SUS304やハステロイなどの耐蝕性を有する金属材料で形成された直管型の部材であり、これらの長手方向両端部を互いに連結することによって外管22と内管24との間に所定の密閉空間Sが形成されている。なお、本体18aを構成する材料は、内管24の内面と密閉空間Sとの間の熱伝導性を考慮した場合、上述したように金属材料が好適であるが、例えば、処理すべき排ガスFの腐蝕性が極めて強く、耐蝕性の金属材料をも腐蝕するような場合には、本体18aをキャスタブルやセラミックなどの材料で構成するようにしてもよい。つまり、本体18aを構成する材料は金属材料に限定されるものではない。
また、外管22の下部(すなわちプラズマジェットトーチ12から最も離間した端部)には、半導体製造装置などから排出される排ガスFを前記密閉空間Sに導入するための排ガス導入口26が貫設されており、内管24の上部(すなわちプラズマジェットトーチ12に最も近接した端部)には、密閉空間S内に導入した排ガスFをプラズマジェットPに向けてスパイラル状に吹き込む複数の排ガス送給口28が貫設されている(図3参照)。このため、排ガスFは、外管22と内管24との間の空間Sを下から上(すなわちプラズマジェットPの下流側から上流側)に向けて通流した後、プラズマジェットPに送給されることとなる。
そして、本体18aには、内部に噴出させたプラズマジェットPの下流側先端に対応する位置に段部30が設けられており、当該段部30より上側のプラズマジェットPに対面する部分Lの径が拡大されると共に、当該拡径部分Lの内面には、キャスタブルからなり拡径部分Lの内径と略同等の外径を有する円筒状の耐火壁32が交換可能に嵌挿されている。
この反応筒18は上端がプラズマジェットトーチ12のプラズマジェットP噴出側に連結されており、下端に設けられた開口18bが反応筒18内で分解処理した排ガスFの排出端となっている。また、プラズマジェットP並びに排ガスFを囲繞するこの反応筒18では、その内部空間に、高温のプラズマジェットPによって温められた高温領域が形成されることになる。そして、本実施例では、この反応筒18に、反応筒18内の温度を検出する温度検出手段34が取り付けられている。
温度検出手段34は、反応筒18の内表面側と外表面側とを連通するようにして取り付けられた1乃至複数の長ニップル36(本実施例の場合は1つ)の夫々に挿入され、反応筒18の内面とプラズマジェットPとの隙間(すなわち上述した高温領域)の温度を検出する熱電対34aと、配線L1を介して熱電対34aおよび質量流量制御手段20に接続され、熱電対34aより入力される温度検出信号が予め設定する設定温度と一致するように質量流量制御手段20に所定の信号(本実施例の場合は「流量設定信号」)を出力するコントローラ34bとで構成されている。図1および図2に示す例では、熱電対34aで反応筒18の内表面近傍の温度(すなわち高温領域のうちプラズマジェットPの外縁から水平方向に最も離間し、且つ最も低温となる位置の温度)を検出するようにしているので、高温領域全体が難分解性のパーフルオロカーボンを容易に熱分解できる温度となるように制御することが可能である。
以上のように構成された本実施例のプラズマ除害機10においては、入口スクラバ(図示せず)、又は、出口スクラバ(図示せず)の少なくとも一方を加えて排ガス処理システムを構成するようにしてもよい。このようなシステムを構成することによって、例えば、プラズマ除害機10に導入する排ガスFを予め水洗して粉塵や水溶性成分を除去する入口スクラバを加えた場合には、排ガス通流路の目詰まり等を防止し、より安定してプラズマ除害機10を連続運転でき、逆に、プラズマ除害機10にて除害した排ガスFを水洗して粉塵や水溶性成分を除去する出口スクラバを加えた場合には、除害後の排ガスFの清浄度を向上させることができると共に、高温の処理済排ガスFを冷却することができる。そして、入口スクラバ及び出口スクラバの両方を加えた場合には、上述した両スクラバの効果が発揮されることになる。
次に、本実施例のプラズマ除害機10を用いて排ガスFを除害する際には、まず、図示しないプラズマ除害機10の電源をオンにして、コントローラ34bの設定温度をパーフルオロカーボンが容易に熱分解する所定の温度に設定した温度検出手段34を作動させると共に、質量流量制御手段20を作動させてプラズマ発生室12d内に作動ガスGを送給する。
続いて、電源ユニット14を作動させると共に、プラズマ除害機10のプラズマジェット点火スイッチ(図示せず)をオンにしてプラズマジェットトーチ12の電極12b,12c間に電圧を印加し、プラズマジェット噴出孔12eからプラズマジェットPを噴出させる。
そして、温度検出手段34にて検出される反応筒18内の温度が所定の設定温度に達すると、プラズマジェットPを囲繞するようスパイラル状に排ガスFが供給され、反応筒18内で排ガスFの除害が開始される。
ここで、本実施例によれば、反応筒18が二重管で構成されると共に、外管22の下部に排ガス導入口26が設けられ、内管24の上部に排ガス送給口28が設けられているので、排ガスFは、外管22と内管24との間の空間Sを下から上に向けて通流した後、プラズマジェットPに送給される。この際、前記空間Sを通流する未処理の排ガスFに内管24を介して反応筒18内部の熱が与えられるようになり、プラズマジェットPに送給する排ガスFを予熱することができる。具体的には、反応筒18内の設定温度を1100℃〜1300℃の範囲の所定温度とした場合、密閉空間Sを通過して排ガス送給口28からプラズマジェットPに向けて送給される排ガスFの温度を、概ね800〜1000℃程度まで昇温させることができる。その結果、プラズマジェットPに排ガスFを送給する際には、すでに低温分解性の排ガスFは分解されており、パーフルオロカーボンのような難分解性の排ガスFにも十分な熱エネルギーが与えられている。このため、プラズマジェットPの出力を低減して反応筒18内の温度を1100℃〜1300℃の範囲に設定した場合であっても、難分解性の排ガスFを十分に分解することができると共に、大流量の排ガスFを処理することも可能となる。また、このようにプラズマジェットPの出力を低減することによって、プラズマジェットトーチ12や反応筒18の熱劣化による損傷を遅延させることができる。
さらに、プラズマジェットPによる排ガスFの熱分解開始後においては、高温の処理済排ガスFと低温の未処理排ガスFとの間で熱交換が行なわれるようになり、プラズマジェットPに送給する排ガスFの予熱と処理済排ガスFの冷却とを同時に実行することができる。このため、処理済排ガスFの冷却負担を低減することも可能となる。
そして、反応筒18内面のプラズマジェットPに対面する位置にキャスタブルからなる耐火壁32が設けられているので、プラズマジェットPによる反応筒18の熱劣化を防止して反応筒18の耐久性を向上させることができると共に、反応筒18の耐火壁32よりも下流側では、高温の処理済排ガスFと低温の未処理排ガスFとの間で十分に熱交換することができる。また、反応筒18に段部30を設けることによって、外管22と内管24との間の空間Sを通流する排ガスFの流れに乱流を生じさせ、前記空間Sでの滞留時間を長くすることができるので、プラズマジェットPに送給する排ガスFをより効果的に予熱することができる。さらに、耐火壁32が交換可能に取り付けられているので、プラズマジェットPの熱で耐火壁32が熱劣化したとしても、この部分だけを交換すればよく、メンテナンス時の停止時間を短縮してプラズマ除害機10の稼働率を向上させることができる。
なお、上述の実施例では、反応筒18の所定位置に段部30を設け、当該段部30より上方に耐火壁32を設ける場合を示したが、このような段部30を設けずに反応筒18の本体18aをストレートな直管とし、その内周面全面或いは上方側のみに耐火壁32を設けるようにしてもよい。但し、反応筒18の内周面全面に耐火壁32を設けた場合には、空間Sを通る未処理排ガスFの予熱効果が低下するようになる。
また、上述の実施例では、図1および図2に示すように、プラズマジェットトーチ12と反応筒18とを上下に配設してプラズマジェットPを垂直方向に噴出させる場合を示したが、プラズマジェットトーチ12と反応筒18とを水平方向に配設すると共に、プラズマジェットPを水平方向に噴出させるようにしてもよい。
さらに、上述の実施例では、反応筒18として二重管で構成されているものを示したが、反応筒18を三重管以上の多重管(図示せず)とし、管壁を介して径方向にて互いに隣接する密閉空間を通流する排ガスFどうしが向流し、且つ反応筒18内に噴出させたプラズマジェットPの噴出方向と反応筒18内部に最も近い密閉空間を通流する排ガスFの通流方向とが向流するようにしてもよい。つまり、反応筒18の内部に最も近い二重管部分においてプラズマジェットPの噴出方向と当該二重管部分の密閉空間を通流する排ガスFの通流方向とが向流するようにしていれば、その外側を通流する排ガスFの流路はいかなるものであってもよい。なお、上述したように三重管以上の多重管を用いれば、反応筒18の管壁を通して外部へと放散される熱をより効果的に排ガスFの予熱に利用することができる。また、反応筒18を二重管で構成した場合であっても外管22の外周を断熱材(図示せず)で囲繞することによって、反応筒18を三重管以上の多重管で構成した場合と同様の作用・効果を奏することができる。
そして、上述の実施例では、温度検出手段34の出力する信号を質量流量制御手段20に与え、作動ガスGの送給量を制御してプラズマジェットPの出力を調節する場合を示したが、これに替えて作動ガスGの送給量を一定にすると共に、新たに電力制御手段(図示せず)を設け、この電力制御手段に温度検出手段34の出力する信号を与え、電力量を制御してプラズマジェットPの出力を調節するようにしてもよい。
本発明の一実施例のプラズマ除害機を示す構成図である。 本発明の一実施例のプラズマ除害機を示す要部拡大断面図である。 図2におけるI−I線断面図である。 従来のプラズマ除害機を示す構成図である。
符号の説明
10…プラズマ除害機
12…プラズマジェットトーチ
12b…アノード(電極)
12c…カソード(電極)
14…電源ユニット
16…作動ガス送給ユニット
18…反応筒
18a…本体
22…外管
24…内管
26…排ガス導入口
28…排ガス送給口
30…段部
32…耐火壁
P…プラズマジェット
F…排ガス
G…作動ガス
S…(反応筒管壁内の)空間

Claims (2)

  1. ノズルからなるアノードおよび前記アノード内に配設されたカソードを有するプラズマジェットトーチと、前記アノードと前記カソードとの間に放電電圧を印加する電源ユニットと、前記アノード内に作動ガスを送給する作動ガス送給ユニットと、前記プラズマジェットトーチのプラズマジェット噴出側に取り付けられ、プラズマジェットおよびこのプラズマジェットに向けて供給される排ガスを囲繞し、その内部にて前記排ガスの熱分解を行なう反応筒とを具備するプラズマ除害機であって、
    前記反応筒が二重管で構成されており、その外管のプラズマジェットトーチから最も離間した端部に排ガス導入口が設けられると共に、その内管のプラズマジェットトーチに最も近接した端部にプラズマジェットへ向けて排ガスを吹き込む排ガス送給口が設けられており、
    更に、前記反応筒は、内部に噴出させたプラズマジェットの下流側先端に対応する位置に設けられた段部を介してプラズマジェットトーチ側が拡径した拡径部分を有しており、当該拡径部分の内面にキャスタブルからなる耐火壁が交換可能に取り付けられていることを特徴とするプラズマ除害機。
  2. 請求項1に記載のプラズマ除害機と、前記プラズマ除害機に導入する排ガスを予め水洗する入口スクラバ又は前記プラズマ除害機にて除害した排ガスを水洗する出口スクラバの少なくとも一方とを具備することを特徴とする排ガス処理システム。
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