JP2003232895A - 放射線画像変換パネル及びその製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネル及びその製造方法

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JP2003232895A
JP2003232895A JP2002035201A JP2002035201A JP2003232895A JP 2003232895 A JP2003232895 A JP 2003232895A JP 2002035201 A JP2002035201 A JP 2002035201A JP 2002035201 A JP2002035201 A JP 2002035201A JP 2003232895 A JP2003232895 A JP 2003232895A
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JP2002035201A
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Yasushi Nakano
寧 中野
Osamu Morikawa
修 森川
Akihiro Maezawa
明弘 前澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度の高い放射線画像変換パネル及びその製
造方法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射
線画像変換パネルにおいて、少なくとも一層の該輝尽性
蛍光体層が下記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体か
ら構成され、該輝尽性蛍光体1kg中に含まれるSiが
10mg未満であること特徴とする放射線画像変換パネ
ル。 一般式(1) M1X・eA 式中、M1はRbまたはCs、XはBrまたはI、Aは
Eu、Tb、In、Cs、Ga、Ce、Tm、Dy、P
r、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、
Tl、Na、Ag、CuまたはMgを表し、eは0<e
≦0.2の数値を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線画像変換パ
ネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放射線画像を得るために銀塩を使
用した、いわゆる放射線写真法が利用されているが、銀
塩を使用しないで放射線像を画像化する方法が開発され
ている。即ち、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収
せしめ、しかる後この蛍光体をある種のエネルギーで励
起してこの蛍光体が蓄積している放射線エネルギーを蛍
光として放射せしめ、この蛍光を検出して画像化する方
法が開示されている。
【0003】具体的な方法としては、支持体上に輝尽性
蛍光体層を設けたパネルを用い、励起エネルギーとして
可視光線及び赤外線の一方または両方を用いる放射線画
像変換方法が知られている(米国特許第3,859,5
27号参照)。
【0004】より高輝度、高感度の輝尽性蛍光体を用い
た放射線画像変換方法として、例えば、特開昭59−7
5200号等に記載のBaFX:Eu2+系(X:Cl、
Br、I)蛍光体を用いた放射線画像変換方法、同61
−72087号等に記載のアルカリハライド蛍光体を用
いた放射線画像変換方法、同61−73786号、同6
1−73787号等に記載の賦活剤としてTl+、Ce
3+、Sm3+、Eu3+、Y3+、Ag+、Mg2+、Pb2+
In3+の金属を含有するアルカリハライド蛍光体が開発
されている。
【0005】特開平2−58000号においては、気相
成長法によって支持体上に、支持体の法線方向に対し一
定の傾きをもった細長い柱状結晶を形成した輝尽性蛍光
体層を有する放射線像変換パネルが提案されている。
【0006】これらの輝尽性蛍光体層の形状をコントロ
ールする試みにおいては、いずれも輝尽性蛍光体層を柱
状とすることで、輝尽励起光(または輝尽発光)の横方
向への拡散を抑え、柱状結晶界面において反射を繰り返
しながら蛍光体層表面まで到達することができるため、
輝尽発光による画像の輝度を著しく増大させることがで
きるという特徴がある。
【0007】しかしながら、これらの気相成長法により
形成した輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルに
おいても、市場から要求される輝度に対しては十分では
なく、更なる改良が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、輝度
の高い放射線画像変換パネル及びその製造方法を提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記手段により達成される。
【0010】1.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放
射線画像変換パネルにおいて、少なくとも一層の該輝尽
性蛍光体層が上記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体
から構成され、該輝尽性蛍光体1kg中に含まれるSi
が10mg未満であること特徴とする放射線画像変換パ
ネル。
【0011】2.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放
射線画像変換パネルにおいて、少なくとも一層の該輝尽
性蛍光体層が上記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体
から構成され、該輝尽性蛍光体1kg中に含まれるSr
またはBaが5mg未満であること特徴とする放射線画
像変換パネル。
【0012】3.上記1または2に記載の放射線画像変
換パネルを、支持体上に輝尽性蛍光体層を気相成長させ
製造することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造
方法。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明者
は鋭意研究の結果、支持体上に輝尽性蛍光体層を有する
放射線画像変換パネルにおいて、少なくとも一層の該輝
尽性蛍光体層が上記一般式(1)で表される輝尽性蛍光
体から構成され、該輝尽性蛍光体1kg中に含まれるS
iを10mg未満とすることにより、または該輝尽性蛍
光体1kg中に含まれるSrまたはBaを5mg未満と
することにより、輝度の高い放射線画像変換パネルが得
られることを見出した。また、この放射線画像変換パネ
ルを気相成長法により製造することにより、輝度の高い
放射線画像変換パネルが得られることを見出した。
【0014】一般式(1)で表される輝尽性蛍光体は、
例えば、以下に述べる製造方法により製造することがで
きる。
【0015】まず、蛍光体原料として、RbF、RbC
l、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、
CsIのうちの1種もしくは2種以上、賦活剤原料とし
て、Eu、Tb、In、Cs、Ce、Tm、Dy、P
r、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、
Tl、Na、Ag、Cu及びMgからなる群から選ばれ
る金属を有する化合物を用いる。このとき、蛍光体原料
と賦活剤原料からなる原料混合物から輝尽性蛍光体を製
造する過程で、Si、Sr、Baは濃縮、またはルツボ
や蒸着チャンバー装置から不純物として付加されること
があるので、原料混合物、特に混合比率の高い蛍光体原
料1kg中に含まれるSi、Sr、Baはそれぞれ3m
g未満程度にすることが必要である。ルツボは材質やグ
レードにより不純物の種類、濃度が異なり、材質は石
英、グレードは特に鉄分が少ないものが好ましい。ま
た、蛍光体原料と賦活剤原料の混合比率は、eが0<e
≦0.2、好ましくは0<e≦0.1となるように蛍光
体原料及び賦活剤原料を秤量し、乳鉢、ボールミル、ミ
キサーミル等を用いて充分に混合する。
【0016】次に、得られた原料混合物を高純度石英ル
ツボ(99.99%)の耐熱性容器に充填して電気炉中
で焼成を行う。焼成温度は500〜1000℃が適当で
ある。焼成時間は原料混合物の充填量、焼成温度等によ
って異なるが、一般には0.5〜6時間が適当である。
焼成雰囲気としては少量の水素ガスを含む窒素ガス雰囲
気、少量の一酸化炭素を含む炭酸ガス雰囲気等の弱還元
性雰囲気、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中
性雰囲気または少量の酸素ガスを含む弱酸化性雰囲気が
好ましい。なお、前記の焼成条件で一度焼成した後、焼
成物を電気炉から取り出して粉砕し、しかる後、焼成物
粉末を再び耐熱性容器に充填して電気炉に入れ、前記と
同じ焼成条件で再焼成を行えば蛍光体の発光輝度を更に
高めることができる。また、焼成物を焼成温度より室温
に冷却する際、焼成物を電気炉から取り出して空気中で
放冷することによっても所望の蛍光体を得ることができ
るが、焼成時と同じ弱還元性雰囲気もしくは中性雰囲気
のままで冷却してもよい。また、焼成物を電気炉内で加
熱部より冷却部へ移動させて、弱還元性雰囲気、中性雰
囲気もしくは弱酸化性雰囲気で急冷することにより、得
られた蛍光体の輝尽による発光輝度をより一層高めるこ
とができる。
【0017】一般式(1)で表される輝尽性蛍光体の別
の製造方法として、気相成長法(気相堆積法ともいう)
がある。本発明では気相成長法が好ましい。
【0018】気相成長法としては、蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法等の方法を用いること
ができる。
【0019】第1の方法としての蒸着法においては、ま
ず支持体を蒸着装置内に設置した後装置内を排気して
1.333×10-4Pa程度の真空度とする。次いで、
輝尽性蛍光体原料の少なくとも一つを抵抗加熱法、エレ
クトロンビーム法等の方法で加熱蒸発させて支持体表面
に輝尽性蛍光体を所望の厚さに成長させる。このとき、
蒸着チャンバー内に不純物元素として、Si、Sr、B
aを混入させないようにする。
【0020】この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光
体層が形成されるが、蒸着工程では複数回に分けて輝尽
性蛍光体層を形成することも可能である。また、蒸着工
程では複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロンビームを
用いて共蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体を
合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能
である。
【0021】蒸着終了後、必要に応じて輝尽性蛍光体層
の支持体側とは反対の側に保護層を設けることにより、
本発明の放射線画像変換パネルが製造される。なお、保
護層上に輝尽性蛍光体層を形成した後、支持体を設ける
手順を採ってもよい。
【0022】さらに蒸着法においては、蒸着時、必要に
応じて被蒸着物(支持体あるいは保護層)を冷却あるい
は加熱してもよい。また、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層
を加熱処理してもよい。また、蒸着法においては必要に
応じてO2、H2等のガスを導入して反応性蒸着を行って
もよい。
【0023】第2の方法としてのスパッタリング法にお
いては、蒸着法と同様に支持体をスパッタリング装置内
に設置した後、装置内を一旦排気して1.333×10
-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタリング用のガ
スとしてAr、Ne等の不活性ガスをスパッタリング装
置内に導入して1.333×10-1Pa程度のガス圧と
する。次に、輝尽性蛍光体原料をターゲットとして、ス
パッタリングすることにより、支持体表面に輝尽性蛍光
体層を所望の厚さに成長させる。スパッタリング工程で
は蒸着法と同様に各種の応用処理を用いることができ
る。
【0024】第3の方法としてCVD法がある。また、
第4の方法としてイオンプレーティング法がある。
【0025】気相成長における輝尽性蛍光体層の成長速
度は0.05〜300μm/分であることが好ましい。
成長速度が0.05μm/分未満の場合には放射線画像
変換パネルの生産性が低く好ましくない。また成長速度
が300μm/分を越える場合には成長速度のコントロ
ールがむずかしい。放射線画像変換パネルを、真空蒸着
法、スパッタリイング法等により得る場合には、結着剤
が存在しないので輝尽性蛍光体の充填密度を増大でき、
感度、解像力の上で好ましい放射線画像変換パネルが得
られる。
【0026】輝尽性蛍光体層の乾燥膜厚は、放射線画像
変換パネルの使用目的によって、また輝尽性蛍光体の種
類により変化するが、本発明に記載の効果を得る観点か
ら50μm以上の膜厚が必要であり、好ましくは50〜
1000μmであり、更に好ましくは100〜700μ
mであり、特に好ましくは200〜600μmである。
【0027】上記の気相成長法による輝尽性蛍光体層の
作製にあたり、輝尽性蛍光体層が形成される支持体の温
度は、100℃以上に設定することが好ましく、更に好
ましくは150℃以上であり、特に好ましくは150〜
400℃である。
【0028】また、高輝度を示す放射線画像変換パネル
を得る観点から、本発明に係る輝尽性蛍光体層の透過率
または反射率は20%以上であることが必要であるが、
好ましくは30%以上であり、更に好ましくは40%以
上である。本発明においては、支持体がガラス基板等の
ような透明支持体の場合は、輝尽性蛍光体層の透過率を
測定する。基板上にアルミニウム等の光を反射するよう
な鏡面処理(例えば、蒸着等)が行われている場合は、
輝尽性蛍光体層の反射率を測定する。
【0029】本発明の放射線画像変換パネルに係る輝尽
性蛍光体層は、支持体上に前記一般式(1)で表される
輝尽性蛍光体を気相成長させて形成されることが好まし
いが、層形成時に輝尽性蛍光体が柱状結晶を形成するこ
とが好ましい。
【0030】蒸着、スパッタリング等の方法で柱状の輝
尽性蛍光体層を形成するために、一般式(1)で表され
るような輝尽性蛍光体材料が用いられるが、中でもCs
Br系蛍光体が特に好ましく用いられる。
【0031】次に、本発明に係る輝尽性蛍光体層の形成
を図1、図2を用いて説明する。図1は、気相成長法を
用いて、支持体上に形成した柱状結晶からなる輝尽性蛍
光体層の一例を示す断面図である。11は支持体、12
は輝尽性蛍光体層、13は該輝尽性蛍光体層を構成する
柱状結晶を示している。なお、14は柱状結晶間に形成
された間隙を示している。
【0032】図2は、支持体上に輝尽性蛍光体層が蒸着
により形成される様子を示す図である。輝尽性蛍光体蒸
気流Vの支持体面の法線方向(R)に対する入射角度を
θ2とすると、形成される柱状結晶の支持体面の法線方
向(R)に対する角度はθ1で表され、この角度で柱状
結晶が形成される。
【0033】この様にして支持体上に形成した輝尽性蛍
光体層は結着剤を含有していないので、指向性に優れて
おり、輝尽励起光及び輝尽発光の指向性が高く、輝尽性
蛍光体を結着剤中に分散した分散型の輝尽性蛍光体層を
有する放射線像変換パネルより層厚を厚くすることがで
きる。更に輝尽励起光の輝尽性蛍光体層中での散乱が減
少することで像の鮮鋭性が向上する。
【0034】また、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物
を充填して、輝尽性蛍光体層の補強としてもよく、高光
吸収の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい。こ
れにより前記補強効果を持たせるほか、輝尽性蛍光体層
に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散の低減に有効
である。
【0035】高光吸収の物質としては、有機若しくは無
機系色剤のいずれも用いることができるが、有機系色剤
としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト
製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学
製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン
製)、チロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、スピリ
ットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.60
3(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー
製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学
製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシア
ニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6
BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋
インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)
等が用いられる。またカラーインデクスNo.2441
1、23160、74180、74200、2280
0、23154、23155、24401、1483
0、15050、15760、15707、1794
1、74220、13425、13361、1342
0、11836、74140、74380、7435
0、74460等の有機系金属錯塩染料または顔料も挙
げられる。特に金属フタロシアニン系顔料が好ましい。
無機系色剤としては群青、コバルトブルー、セルリアン
ブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO
系顔料が挙げられる。中でも、チロンブルーGLH(保
土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)が
好ましい。
【0036】本発明の放射線像変換パネルに用いられる
支持体としては、各種のガラス、高分子材料、金属等が
用いられるが、例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強
化ガラス等の板ガラス、また、セルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等のプラスチックフィルム、アルミニウムシート、
鉄シート、銅シート等の金属シートまたは金属酸化物の
被覆層を有する金属シートが好ましい。
【0037】これら支持体の表面は滑面であってもよい
し、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマッ
ト面としてもよい。
【0038】また、本発明においては、支持体と輝尽性
蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支
持体の表面に予め接着層を設けてもよい。これら支持体
の厚みは用いる支持体の材質等によって異なるが、一般
的には80〜2000μmであり、取り扱い上の観点か
ら、更に好ましいのは80〜1000μmである。
【0039】また、本発明に係る輝尽性蛍光体層は、保
護層を有していてもよい。保護層は、保護層用塗布液を
輝尽性蛍光体層上に直接塗布して形成してもよいし、あ
らかじめ別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着
してもよい。あるいは、別途形成した保護層上に輝尽性
蛍光体層を形成する手順を採ってもよい。保護層の材料
としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメ
チルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
リデン、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ
化塩化エチレン、四フッ化エチレン/六フッ化プロピレ
ン共重合体、塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体、塩
化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体等の通常の保
護層用材料が用いられる。他に透明なガラス基板を保護
層として用いることもできる。また、この保護層は蒸着
法、スパッタリング法等により、SiC、SiO2、S
iN、Al23等の無機物質を積層して形成してもよ
い。これらの保護層の層厚は一般的には0.1〜200
0μm程度が好ましい。
【0040】図3は、本発明の放射線画像変換パネルを
用いた放射線画像変換方法を示す概略図である。
【0041】図3において21は放射線発生装置、22
は被写体、23は本発明に係わる放射線画像変換パネ
ル、24は放射線画像変換パネル23の放射線潜像を輝
尽発光として放出させるための輝尽励起光源、25は放
射線画像変換パネル23より放出された輝尽発光を検出
する光電変換装置、26は光電変換装置25で検出され
た光電変換信号を画像として再生する装置、27は再生
された画像を表示する装置、28は光源24からの反射
光をカットし、放射線画像変換パネル23より放出され
た光のみを透過させるためのフィルタである。なお、図
3は被写体の放射線透過像を得る場合の例であるが、被
写体自体が放射線を放射する場合には、前記放射線発生
装置21は特に必要ない。また、光電変換装置25以降
は放射線画像変換パネル23からの光情報を何らかの形
で画像として再生できるものであればよく、前記に限定
されない。
【0042】図3に示されるように、放射線発生装置2
1と放射線画像変換パネル23の間に被写体22を配置
し放射線Rを照射すると、放射線Rは被写体22の各部
の放射線透過率の変化に従って透過し、その透過像RI
(すなわち放射線の強弱の像)が放射線画像変換パネル
23に入射する。この入射した透過像RIは放射線画像
変換パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収され、これによ
って輝尽性蛍光体層中に吸収された放射線量に比例した
数の電子及び/または正孔が発生し、これが輝尽性蛍光
体のトラップレベルに蓄積される。すなわち放射線透過
像のエネルギーを蓄積した潜像が形成される。次にこの
潜像を光エネルギーで励起して顕在化する。すなわち、
光源24によって可視あるいは赤外域の光を輝尽性蛍光
体層に照射して、トラップレベルに蓄積された電子及び
/または正孔を追い出し、蓄積されたエネルギーを輝尽
発光として放出せしめる。この放出された輝尽発光の強
弱は蓄積された電子及び/または正孔の数、すなわち放
射線画像変換パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収された
放射線エネルギーの強弱に比例しており、この光信号
を、例えば光電子増倍管等の光電変換装置25で電気信
号に変換し、画像処理装置26によって画像として再生
し、画像表示装置27によってこの画像を表示する。画
像処理装置26は単に電気信号を画像信号として再生す
るのみでなく、いわゆる画像処理や画像の演算、画像の
記憶、保存等ができるものを使用するとより有効であ
る。
【0043】また、光エネルギーで励起する際、輝尽励
起光の反射光と輝尽性蛍光体層から放出される輝尽発光
とを分離する必要があることと、輝尽性蛍光体層から放
出される発光を受光する光電変換器は一般に600nm
以下の短波長の光エネルギーに対して感度が高くなると
いう理由から、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光
はできるだけ短波長領域にスペクトル分布を持ったもの
が望ましい。本発明に係わる輝尽性蛍光体の発光波長域
は300〜500nmであり、一方輝尽励起波長域は5
00〜900nmであるので前記の条件を同時に満たす
が、最近、診断装置のダウンサイジング化が進み、放射
画像変換パネルの画像読み取りに用いられる励起波長は
高出力で且つ、コンパクト化が容易な半導体レーザが好
まれ、そのレーザ光の波長は680nmであり、本発明
の放射線画像変換パネルに組み込まれた輝尽性蛍光体
は、680nmの励起波長を用いた時に、極めて良好な
鮮鋭性を示すものである。
【0044】すなわち、本発明に係わる輝尽性蛍光体は
いずれも550nm以下に主ピークを有する発光を示
し、輝尽励起光の分離が容易でしかも受光器の分光感度
とよく一致するため、効率よく受光できる結果、受像系
の感度を高めることができる。
【0045】輝尽励起光源24としては、放射線画像変
換パネル23に使用される輝尽性蛍光体の輝尽励起波長
を含む光源が使用される。特にレーザ光を用いると光学
系が簡単になり、また、輝尽励起光強度を大きくして輝
尽発光効率を上げることができ、より好ましい結果が得
られる。
【0046】レーザとしては、He/Neレーザ、He
/Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、
2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調波、ルビー
レーザ、半導体レーザ、各種の色素レーザ、銅蒸気レー
ザ等の金属蒸気レーザ等がある。通常はHe/Neレー
ザやArイオンレーザのような連続発振のレーザが望ま
しいが、パネル1画素の走査時間とパルスを同期させれ
ばパルス発振のレーザを用いることもできる。また、フ
ィルタ28を用いずに特開昭59−22046号に示さ
れるような、発光の遅延を利用して分離する方法による
ときは、連続発振レーザを用いて変調するよりもパルス
発振のレーザを用いる方が好ましい。
【0047】上記の各種レーザ光源の中でも、半導体レ
ーザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるの
で特に好ましく用いられる。
【0048】フィルタ28は、放射線画像変換パネル2
3から放射される輝尽発光を透過し、輝尽励起光をカッ
トするものであるから、これは放射線画像変換パネル2
3に含有される輝尽性蛍光体の輝尽発光波長と輝尽励起
光源24の波長の組合わせによって決定される。
【0049】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。
【0050】実施例1 《放射線画像変換パネル1〜12の作製》図4は蒸着に
より支持体上に輝尽性蛍光体層を作製する方法を示す概
略図である。1mm厚の結晶化ガラス(日本電気ガラス
社製)支持体の表面に、図4に示した蒸着装置を用いて
輝尽性蛍光体(CsBr:Eu)を有する輝尽性蛍光体
層を形成した。
【0051】図4に示した蒸着装置で、アルミニウム製
のスリットを用い、支持体とスリットとの距離を60c
mとして、支持体と平行な方向に支持体を搬送しながら
蒸着を行ない、輝尽性蛍光体層の厚みが450μmにな
るように調整した。
【0052】なお、蒸着にあたっては、支持体を蒸着器
内に設置し、次いで、蛍光体原料としてCsBr、賦活
剤原料としてEuを有する化合物を蒸着源としてプレス
成形し、水冷した高純度石英ルツボにいれた。その後、
蒸着器内を一旦排気し、N2ガスを導入し0.133P
aに真空度を調整した後、支持体の温度(基板温度とも
いう)を約250℃に保持しながら蒸着した。輝尽性蛍
光体層の膜厚が300μmとなったところで蒸着を終了
させ、次いでこの蛍光体層を温度400℃で加熱処理し
た。乾燥空気の雰囲気内で、支持体及び硼珪酸ガラスか
らなる保護層周縁部を接着剤で封入して、蛍光体層が密
閉された構造の放射線画像変換パネル1を得た。
【0053】放射線画像変換パネル1の作製において、
蛍光体原料及び蒸着ルツボを表1に記載のように換えた
以外は同様にして蛍光体を作製し、この蛍光体を用い
て、放射線画像変換パネル2〜12を作製した。
【0054】なお、ICP法で測定した蛍光体原料の不
純物含量を表1に示す。また、用いたルツボの不純物
は、高純度石英ルツボではAl:0.1ppm、Fe:
0.4ppm、Na:0.8ppm、K:0.8pp
m、アルミナルツボではFe:300ppm、Na:3
5ppm、K:23ppm、Cu:1ppmであった。
【0055】ICP法で測定した蛍光体の不純物含量を
表1に示す。また得られた放射線画像変換パネルについ
て、下記のように輝度を評価した。その結果を表1に示
す。
【0056】輝度の測定は、管電圧80kVpのX線を
放射線画像変換パネルの裏面側から照射した後、He/
Neレーザー光(633nm)を照射して励起し、蛍光
体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5
の光電子像倍管)で受光して、その強度を測定して、こ
れを輝度と定義し、放射線画像変換パネル1の輝度を
1.0とする相対値で表示した。
【0057】
【表1】
【0058】表1から、比較の試料に比べて本発明の試
料は、輝度が高いことが明らかである。
【0059】
【発明の効果】本発明により、輝度の高い放射線画像変
換パネル及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持体上に形成した柱状結晶からなる輝尽性蛍
光体層の一例を示す断面図。
【図2】支持体上に輝尽性蛍光体層が蒸着により形成さ
れる様子を示す図。
【図3】本発明の放射線画像変換パネルを用いた放射線
画像変換方法を示す概略図。
【図4】蒸着により支持体上に輝尽性蛍光体層を作製す
る方法を示す概略図。
【符号の説明】
11 支持体 12 輝尽性蛍光体層 13 柱状結晶 14 柱状結晶間に形成された間隙 21 放射線発生装置 22 被写体 23 放射線画像変換パネル 24 輝尽励起光源 25 光電変換装置 26 画像再生装置 27 画像表示装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC03 DD02 DD12 EE03 4H001 CA08 XA35 XA37 XA53 XA55 YA11 YA12 YA29 YA31 YA39 YA47 YA49 YA55 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA64 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA70 YA71 YA81

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射
    線画像変換パネルにおいて、少なくとも一層の該輝尽性
    蛍光体層が下記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体か
    ら構成され、該輝尽性蛍光体1kg中に含まれるSiが
    10mg未満であること特徴とする放射線画像変換パネ
    ル。 一般式(1) M1X・eA 式中、M1はRb及びCsから選ばれるアルカリ金属、
    XはBr及びIから選ばれるハロゲン、AはEu、T
    b、In、Cs、Ga、Ce、Tm、Dy、Pr、H
    o、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、
    Na、Ag、Cu及びMgからなる群から選ばれる少な
    くとも1種の金属、eは0<e≦0.2の数値を表す。
  2. 【請求項2】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射
    線画像変換パネルにおいて、少なくとも一層の該輝尽性
    蛍光体層が上記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体か
    ら構成され、該輝尽性蛍光体1kg中に含まれるSrま
    たはBaが5mg未満であること特徴とする放射線画像
    変換パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の放射線画像変
    換パネルを、支持体上に輝尽性蛍光体層を気相成長させ
    製造することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造
    方法。
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