JP2003329799A - 放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネル及び放射線画像変換パネルの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 賦活剤の均一性に優れ、且つ、高輝度、高鮮
鋭性にも優れた放射線画像変換パネル及び該放射線画像
変換パネルの製造方法の提供。 【解決手段】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射
線画像変換パネルにおいて、少なくとも1層の該輝尽性
蛍光体層が気相法(気相堆積法ともいう)により50μ
m〜1mmの膜厚に形成され、希土類化合物の融点にお
ける吸熱開始温度と吸熱終了温度の温度差が14℃以下
で蒸着を行い、蛍光体母体結晶が形成された内部に希土
類化合物を均一に含有させることを特徴とする放射線画
像変換パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像変換パネ
ル及び該放射線画像変換パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放射線画像を得るために銀塩を使
用した、いわゆる放射線写真法が利用されているが、銀
塩を使用しないで放射線画像を画像化する方法が開発さ
れている。即ち、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸
収せしめ、しかる後この蛍光体をある種のエネルギーで
励起してこの蛍光体が蓄積している放射線エネルギーを
蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出して画像化する
方法が開示されている。
【0003】具体的な方法としては、支持体上に輝尽性
蛍光体層を設けたパネルを用い、励起エネルギーとして
可視光線及び赤外線の一方又は両方を用いる放射線画像
変換方法が知られている(米国特許第3,859,52
7号参照)。
【0004】より高輝度、高感度の輝尽性蛍光体を用い
た放射線画像変換方法として、例えば特開昭59−75
200号等に記載されているBaFX:Eu2+系(X:
Cl、Br、I)蛍光体を用いた放射線画像変換方法、
同61−72087号等に記載されているようなアルカ
リハライド蛍光体を用いた放射線画像変換方法、同61
−73786号、61−73787号等に記載のよう
に、共賦活剤としてTl +及びCe3+、Sm3+、E
3+、Y3+、Ag+、Mg2+、Pb2+、In3+の金属を
含有するアルカリハライド蛍光体が開発されている。
【0005】更に、近年診断画像の解析においてより高
鮮鋭性の放射線画像変換パネルが要求されている。鮮鋭
性改善の為の手段として、例えば形成される輝尽性蛍光
体の形状そのものをコントロールし感度及び鮮鋭性の改
良を図る試みがされている。
【0006】これらの試みの1つの方法として、例えば
特開昭61−142497号等に記載されている微細な
凹凸パターンを有する支持体上に輝尽性蛍光体を堆積さ
せ形成した微細な擬柱状ブロックからなる輝尽性蛍光体
層を用いる方法がある。
【0007】また、特開昭61−142500号に記載
のように微細なパターンを有する支持体上に、輝尽性蛍
光体を堆積させて得た柱状ブロック間のクラックをショ
ック処理を施して更に発達させた輝尽性蛍光体層を有す
る放射線画像変換パネルを用いる方法、更には、特開昭
62−39737号に記載されている支持体上に形成さ
れた輝尽性蛍光体層にその表面側から亀裂を生じさせ擬
柱状とした放射線画像変換パネルを用いる方法、更に
は、特開昭62−110200号に記載に記載されてい
るように、支持体上に蒸着により空洞を有する輝尽性蛍
光体層を形成した後、加熱処理によって空洞を成長させ
亀裂を設ける方法等も提案されている。
【0008】更に、特開平2−58000号には、気相
成長法(気相堆積法)によって支持体上に、支持体の法
線方向に対し一定の傾きをもった細長い柱状結晶を形成
した輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルが記
載されている。
【0009】これらの輝尽性蛍光体層の形状をコントロ
ールする方法は、いずれも輝尽性蛍光体層を柱状とする
ことで、輝尽励起光又は輝尽発光の横方向への拡散を抑
える(クラック(柱状結晶)界面において反射を繰り返
しながら支持体面まで到達する)ことができるため、輝
尽発光による画像の鮮鋭性を著しく増大させることがで
きるという特徴がある。
【0010】最近ではCsBrなどのハロゲン化アルカ
リを母体にEuを賦活した輝尽性蛍光体を用いた放射線
画像変換パネルが提案され、特にEuを賦活剤とするこ
とで従来不可能であったX線変換効率を向上させること
が可能となった。
【0011】しかしながら、Euは熱による拡散が顕著
であり、真空下における蒸気圧も高いために離散するな
どにより母体中のEuの存在を遍在させる問題があり、
目的とした高いX線変換効率を得ることが難しいため市
場での実用化に至っていない。
【0012】特にX線変換効率の点で優れている希土類
元素の賦活においては真空下における蒸着膜形成に関し
ては蒸気圧特性より均一化が難しい問題であった。特に
製造法においてはこれらの気相成長(堆積)により形成
した輝尽性蛍光体層では輝尽性蛍光体層を作製する際に
原料加熱、真空蒸着時の基板(支持体)加熱、膜形成後
のアニール(基板歪み緩和)処理により加熱処理を多く
施されるために賦活剤の存在状態が不均一となる問題が
ある。
【0013】従って、市場から、放射線画像変換パネル
の輝度、鮮鋭性の更なる改善、改良が求められていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、賦活
剤の均一性に優れ、高輝度、高鮮鋭性にも優れた放射線
画像変換パネル及び該放射線画像変換パネルの製造方法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0016】1.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放
射線画像変換パネルにおいて、少なくとも1層の該輝尽
性蛍光体層が気相法(気相堆積法ともいう)により50
μm〜1mmの膜厚に形成され、希土類化合物の融点に
おける吸熱開始温度と吸熱終了温度の温度差が14℃以
下で蒸着を行い、蛍光体母体結晶が形成された内部に希
土類化合物を均一に含有させることを特徴とする放射線
画像変換パネル。
【0017】2.前記少なくとも一層の輝尽性蛍光体層
が、前記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを
母体とする輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする前
記1に記載の放射線画像変換パネル。
【0018】3.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放
射線画像変換パネルにおいて、少なくとも1層の該輝尽
性蛍光体層が気相法(気相堆積法ともいう)により50
μm〜1mmの膜厚を有するように形成され、蛍光体母
体結晶が形成された内部に希土類化合物を均一含有させ
るために、複塩結晶を蛍光体化合物原料として用い、該
蛍光体化合物原料を希土類化合物の融点より20℃以上
高い温度で加熱し、且つ、希土類化合物の融点における
吸熱開始温度と吸熱終了温度の温度差が14℃以下で蒸
着することを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方
法。
【0019】以下、本発明を更に詳細に述べる。本発明
の放射線画像変換パネルは、少なくとも1層の該輝尽性
蛍光体層が気相法により50μm〜1mmの膜厚に形成
され、希土類化合物の融点における吸熱開始温度と吸熱
終了温度の温度差(T)が0<T≦14℃で蒸着し、蛍
光体母体結晶が形成された内部に希土類化合物を均一に
含有していることを特徴としている。
【0020】ここで、均一に含有とは、蛍光体層中の支
持体側と蛍光体表面側で賦活剤存在量が同じであること
をいう。
【0021】具体的には蛍光体層の支持体側と表面側で
の賦活剤存在量が±10%以内で一致することであり、
確認方法としては、蛍光体層の賦活剤存在量は蛍光体層
として約500ミクロン形成した蛍光体層の表面側を約
100ミクロン削りとった試料と支持体側の蛍光体層を
100ミクロンにした試料をそれぞれを純水にて溶解
し、水溶液とする。この水溶液をICPにて分析して賦
活剤量を算出し確認することができる。
【0022】従来、通常、気相堆積による蒸着膜形成に
おいて蛍光体母体結晶CsBrに添加する不純物(含賦
活剤)により蛍光体原料の融点が低下する。
【0023】特に賦活剤Euを蛍光体母体結晶CsBr
に添加した蛍光体原料(CsBr:Eu)の融点が低下
し、加熱蒸着した場合、蒸着膜形成段階で融点の低いC
sBr(融点645℃前後)から徐々に揮発し、賦活剤
として蒸着膜に導入すべきEuの導入量が減少し、且
つ、EuがCsBr結晶の結晶格子(格子欠陥)に存在
し、得られる柱状結晶の形状が崩れた結晶状態になり、
柱状結晶内で光り散乱が起こり、レーザー励起に対して
鮮鋭性が低下する原因となる。
【0024】従って、本発明においては、希土類化合物
の融点における吸熱開始温度と吸熱終了温度の温度差
(T)が0<T≦14℃の範囲で蒸着し、蛍光体母体結
晶が形成された内部に希土類化合物を均一に含有させ柱
状結晶を得ることを特徴しており、具体的には、例え
ば、CsBr蒸着においては賦活剤Euを導入するにあ
たり、CsBrとEuBr2の混合物である蛍光体原料
を加熱し、EuBr2の融点における上記温度差を14
℃以下で蒸着して、本発明の希尽性蛍光体層を得ること
ができる。
【0025】即ち、通常は希土類化合物を導入すると蛍
光体母体結晶が崩れ上記温度差が14℃を超え、この傾
向は希土類化合物の導入量を多くする程顕著となり、ま
た、蛍光体母体結晶と希土類化合物は融点、蒸気圧が異
なるため、加熱された状態、例えば蒸着時の輻射熱、基
板加熱による結晶形成に工程においては蛍光体母体結晶
が拡散していき蛍光体母体の結晶性に差異が生じ、希土
類化合物が遍在して存在することになる。
【0026】逆に、上記温度差を14℃以下にして蒸着
を行うと、均一で結晶性の高い蛍光体母体結晶が形成さ
れ、また、該蛍光体母体中の希土類化合物が存在しうる
場所は決まっており、決まったところにのみ入るため、
希土類化合物を蛍光体結晶母体内部に均一に含有させる
ことができ、輝度、鮮鋭性に優れた放射線画像変換パネ
ルが得られると推定している。
【0027】吸熱開始温度と吸熱終了温度の温度差はT
G−DTA測定により求めることができる。
【0028】希土類化合物の融点(EuBr2:約63
8℃)における蛍光体原料のTG−DTA測定は白金試
料ホルダーに10mgの蒸着膜を入れAr雰囲気下にて
常温より800℃まで上昇させ、吸熱が始まる点の温度
を吸熱開始温度、吸熱最大のピーク点の温度を吸熱終了
温度とし、あらかじめ温度差(T)を求めておき、加
熱、蒸着温度を設定する。
【0029】TG−DTA測定には島津製作所製を用い
たが、その他各社のどの装置を用いても良い。
【0030】また、(Csa、Eub)Brx(a+b
=x)となる複塩結晶を蛍光体化合物原料として蒸着す
る場合はEuBr2の融点より20℃以上高い温度で蛍
光体原料を加熱して蒸気を形成し、且つ、上記温度差を
14℃以下で蒸着することにより希土類化合物を蛍光体
母体結晶が形成された内部に均一に含有させることがで
きる。
【0031】この場合の蒸発時の膜厚形成速度は20μ
m/min以上であることが好ましく、60μm/mi
n以上が最も好ましい。
【0032】尚、本発明の蒸着においては、アニール処
理を併せて行うことが好ましい。蒸着を行うるつぼは蒸
着方式を抵抗加熱方式、ハロゲン加熱方式EB(エレク
トロンビーム)方式などの加熱方式によって異なる。
【0033】本発明は、蒸着源の加熱時の温度制御が極
めて重要であり、本発明の蛍光体原料中の希土類化合物
の融点+20℃以上で加熱する。
【0034】このために、抵抗加熱、ハロゲン加熱方式
では希土類化合物の融点+20℃となるように加熱源と
なる蒸着ボート(タングステンボート、モリブテンボー
ト、タンタルボート、石英ボート)の温度を設定する。
【0035】本来、抵抗加熱などの加熱方式では印可す
る電流値により揮発量を制御するが、目的とする範囲温
度以上の温度設定で加熱し、蒸着速度を制御するために
は、蒸着ボートの開口部面積により堆積する膜厚速度を
コントロールする。
【0036】具体的には堆積速度を遅くする場合は開口
する蒸着ボートに蓋を設けて開口部の穴の数及び開口面
積により、揮発量を調整することができる。
【0037】EuBr2の融点より20℃高い温度で加
熱した場合の蒸着ボートの開口部面積は、蒸着ボートの
蓋全体の面積より1/3以下で調整することが好まし
く、穴の径としては3mm以下が好ましく、0.5〜1
mm径であることがより好ましい。
【0038】穴の大きさは前記堆積速度の他、蒸着時に
突発的に発生する突沸を防ぐ効果が得られ、蒸着する面
積及び蒸着ボートによって調整が必要となる。
【0039】蒸着スケールの変更においてもボート蓋の
穴及び開口面積が前記内容であれば最大14×17イン
チサイズまでは調整が可能である。(但し、1インチは
2.54cmである)次に、本発明に好ましく用いられ
る前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体について説
明する。
【0040】前記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体
において、MIは、Na、K、Rb及びCs等の各原子
から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子を表
し、中でもRb及びCsの各原子から選ばれる少なくと
も1種のアルカリ土類金属原子が好ましく、更に好まし
くはCs原子である。
【0041】M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Z
n、Cd、Cu及びNi等の各原子から選ばれる少なく
とも1種の二価の金属原子を表すが、中でも好ましく用
いられるのは、Be、Mg、Ca、Sr及びBa等の各
原子から選ばれる二価の金属原子である。
【0042】M3はSc、Y、La、Ce、Pr、N
d、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びIn等の各原子
から選ばれる少なくとも1種の三価の金属原子を表す
が、中でも好ましく用いられるのはY、Ce、Sm、E
u、Al、La、Gd、Lu、Ga及びIn等の各原子
から選ばれる三価の金属原子である。
【0043】AはEu、Tb、In、Ce、Tm、D
y、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Gd、Lu、S
m、Y、Tl、Na、Ag、Cu及びMgの各原子から
選ばれる少なくとも1種の金属原子である。
【0044】輝尽性蛍光体の輝尽発光輝度向上の観点か
ら、X、X′及びX″はF、Cl、Br及びIの各原子
から選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子を表すが、
F、Cl及びBrから選ばれる少なくとも1種のハロゲ
ン原子が好ましく、Br及びIの各原子から選ばれる少
なくとも1種のハロゲン原子が更に好ましい。
【0045】また、一般式(1)において、b値は0≦
b<0.5を表すが、好ましくは、0≦b≦10-2であ
る。
【0046】本発明の一般式(1)で表される輝尽性蛍
光体は、例えば以下に述べる製造方法により製造され
る。
【0047】蛍光体原料としては、(a)NaF、Na
Cl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、K
I、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、C
sCl、CsBr及びCsIから選ばれる少なくとも1
種もしくは2種以上の化合物が用いられる。
【0048】(b)MgF2、MgCl2、MgBr2
MgI2、CaF2、CaCl2、CaBr2、CaI2
SrF2、SrCI2、SrBr2、SrI2、BaF2
BaCl2、BaBr2、BaBr2・2H2O、Ba
2、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、ZnI2、Cd
2、CdCl2、CdBr2、CdI2、CuF2、Cu
Cl2、CuBr2、CuI、NiF2、NiCl2、Ni
Br2及びNiI2の化合物から選ばれる少なくとも1種
又は2種以上の化合物が用いられる。
【0049】(c)前記一般式(1)において、Eu、
Tb、In、Cs、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、N
d、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、Na、
Ag、Cu及びMg等の各原子から選ばれる金属原子を
有する化合物が用いられる。
【0050】上記の数値範囲の混合組成になるように前
記(a)〜(c)の蛍光体原料を秤量し、乳鉢、ボール
ミル、ミキサーミル等を用いて充分に混合する。
【0051】尚、前記の焼成条件で一度焼成した後、焼
成物を電気炉から取り出して粉砕し、しかる後、焼成物
粉末を再び耐熱性容器に充填して電気炉に入れ、前記と
同じ焼成条件で再焼成を行えば蛍光体の発光輝度を更に
高めることができる、また、焼成物を焼成温度より室温
に冷却する際、焼成物を電気炉から取り出して空気中で
放冷することによっても所望の蛍光体を得ることができ
るが、焼成時と同じ、弱還元性雰囲気もしくは中性雰囲
気のままで冷却してもよい。また、焼成物を電気炉内で
加熱部より冷却部へ移動させて、弱還元性雰囲気、中性
雰囲気もしくは弱酸化性雰囲気で急冷することにより、
得られた蛍光体の輝尽による発光輝度をより一層高める
ことができる。
【0052】また、本発明の輝尽性蛍光体層は気相成長
法によって形成される。輝尽性蛍光体の気相成長法とし
ては蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレ
ーティング法、その他を用いることができる。
【0053】本発明においては、例えば、以下の方法が
挙げられる。第1の方法の蒸着法は、まず、支持体を蒸
着装置内に設置した後、装置内を排気して1.333×
10-4Pa程度の真空度とする。
【0054】次いで、前記輝尽性蛍光体の少なくとも一
つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法等の方法で加熱
蒸発させて前記支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さ
に成長させる。
【0055】この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光
体層が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて
輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
【0056】また、前記蒸着工程では複数の抵抗加熱器
あるいはエレクトロンビームを用いて共蒸着し、支持体
上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性
蛍光体層を形成することも可能である。
【0057】蒸着終了後、必要に応じて前記輝尽性蛍光
体層の支持体側とは反対の側に保護層を設けることによ
り本発明の放射線画像変換パネルが製造される。尚、保
護層上に輝尽性蛍光体層を形成した後、支持体を設ける
手順をとってもよい。
【0058】さらに、前記蒸着法においては、蒸着時、
必要に応じて被蒸着体(支持体、保護層又は中間層)を
冷却あるいは加熱してもよい。
【0059】また、蒸着終了後輝尽性蛍光体層を加熱処
理してもよい。また、前記蒸着法においては必要に応じ
てO2、H2等のガスを導入して蒸着する反応性蒸着を行
ってもよい。
【0060】第2の方法としてのスパッタリング法は、
蒸着法と同様、保護層又は中間層を有する支持体をスパ
ッタリング装置内に設置した後、装置内を一旦排気して
1.333×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパ
ッタリング用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを
スパッタリング装置内に導入して1.333×10-1
a程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をター
ゲットとして、スパッタリングすることにより、前記支
持体上に輝尽性蛍光体層を所望の厚さに成長させる。
【0061】前記スパッタリング工程では蒸着法と同様
に各種の応用処理を用いることができる。
【0062】第3の方法としてCVD法があり、又、第
4の方法としてイオンプレーティング法がある。
【0063】また、前記気相成長における輝尽性蛍光体
層の成長速度は0.05μm/分〜300μm/分であ
ることが好ましい。成長速度が0.05μm/分未満の
場合には本発明の放射線画像変換パネルの生産性が低く
好ましくない。また成長速度が300μm/分を越える
場合には成長速度のコントロールがむずかしく好ましく
ない。
【0064】放射線画像変換パネルを、前記の真空蒸着
法、スパッタリイング法などにより得る場合には、結着
剤が存在しないので輝尽性蛍光体の充填密度を増大で
き、感度、解像力の上で好ましい放射線画像変換パネル
が得られ、好ましい。
【0065】前記輝尽性蛍光体層の膜厚は、放射線画像
変換パネルの使用目的によって、また輝尽性蛍光体の種
類により異なるが、本発明に記載の効果を得る観点から
50μm〜1mmであり、好ましくは50〜300μm
であり、更に好ましくは100〜300μmであり、特
に好ましくは、150〜300μmである。
【0066】上記の気相成長法による輝尽性蛍光体層の
作製にあたり、輝尽性蛍光体層が形成される支持体の温
度は、100℃以上に設定することが好ましく、更に好
ましくは、150℃以上であり、特に好ましくは150
〜400℃である。
【0067】また、高鮮鋭性を示す放射線画像変換パネ
ルを得る観点から、本発明の輝尽性蛍光体層の反射率は
20%以上であるが、好ましくは30%以上であり、よ
り好ましくは40%以上である。尚、上限は100%で
ある。
【0068】又、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を
充填してもよく、輝尽性蛍光体層の補強となるほか、高
光吸収の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい、
これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体
層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散の低減に有
効である。
【0069】次に、本発明の輝尽性蛍光体層の形成を図
1、図2を用いて説明する。図1は、上記記載の気相成
長法を用いて、支持体上に形成した柱状結晶を有する輝
尽性蛍光体層の一例を示す概略断面図である。11は支
持体、12が輝尽性蛍光体層、13が該輝尽性蛍光体層
を構成する柱状結晶を示している。尚、14は柱状結晶
間に形成された間隙を示している。
【0070】図2は、支持体上に輝尽性蛍光体層が蒸着
により形成される様子を示す図であるが、輝尽性蛍光体
蒸気流16の支持体面の法線方向(R)に対する入射角
度をθ2(図では60°で入射している)とすると、形
成される柱状結晶の支持体面の法線方向(R)に対する
角度はθ1(図では約30°、経験的には大体半分にな
る)で表され、この角度で柱状結晶が形成される。
【0071】この様にして支持体上に形成した輝尽性蛍
光体層は、結着剤を含有していないので、指向性に優れ
ており、輝尽励起光及び輝尽発光の指向性が高く、輝尽
性蛍光体を結着剤中に分散した分散型の輝尽性蛍光体層
を有する放射線画像変換パネルより層厚を厚くすること
ができる。更に輝尽励起光の輝尽性蛍光体層中での散乱
が減少することで像の鮮鋭性が向上する。
【0072】又、柱状結晶間の間隙に結着剤等充填物を
充填してもよく、輝尽性蛍光体層の補強となるほか、高
光吸収の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい、
これにより前記補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体
層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散の低減に有
効である。
【0073】高反射率の物質とは、輝尽励起光(500
〜900nm、特に600〜800nm)に対する反射
率の高い物質のことをいい、例えば、アルミニウム、マ
グネシウム、銀、インジウム、その他の金属等、白色顔
料及び緑色〜赤色領域の色材を用いることができる。白
色顔料は輝尽発光も反射することができる。
【0074】白色顔料としては、例えば、TiO2(ア
ナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb
(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但
し、M(II)はBa、Sr及びCaの各原子から選ばれ
るの少なくとも一種の原子であり、XはCl原子又はB
r原子である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、S
iO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪
酸マグネシウム、塩基性珪硫酸塩、塩基性燐酸鉛、珪酸
アルミニウムなどがあげられる。
【0075】これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率
が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより
輝尽発光を容易に散乱し、得られる放射線画像変換パネ
ルの感度を顕著に向上させることができる。
【0076】また、高光吸収率の物質としては、例え
ば、カーボンブラック、酸化クロム、酸化ニッケル、酸
化鉄など及び青の色材が用いられる。このうちカーボン
ブラックは輝尽発光も吸収する。
【0077】また、色材は、有機又は無機系色材のいず
れでもよい。有機系色材としては、例えば、ザボンファ
ーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリル
ブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.
1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土
谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント
製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカ
チロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルー
AFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産
業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学
製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライ
オノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。
【0078】また、カラーインデクスNo.2441
1、23160、74180、74200、2280
0、23154、23155、24401、1483
0、15050、15760、15707、1794
1、74220、13425、13361、1342
0、11836、74140、74380、7435
0、74460等の有機系金属錯塩色材もあげられる。
【0079】無機系色材としては群青、例えば、コバル
トブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2
ZnO−Co−NiO系等の無機顔料があげられる。
【0080】本発明の放射線画像変換パネルに用いられ
る支持体としては各種のガラス、例えば、高分子材料、
金属等が用いられるが、例えば、石英、ホウ珪酸ガラ
ス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、或いはセルロー
スアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエ
チレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、
ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカ
ーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミ
ニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或い
は該金属酸化物の被覆層を有する金属シートが好まし
い。
【0081】即ち、これら支持体の表面は滑面であって
もよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的
で支持体の表面をマット面としてもよい。
【0082】また、本発明においては、支持体と輝尽性
蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて支
持体の表面に予め接着層を設けてもよい。
【0083】これら支持体の厚みは用いる支持体の材質
等によって異なるが、一般的には80〜2000μmで
あり、取り扱い上の観点から、更に好ましいのは80〜
1000μmである。
【0084】また、本発明の輝尽性蛍光体層は保護層を
有していても良い。保護層は保護層用塗布液を輝尽性蛍
光体層上に直接塗布して形成してもよいし、あらかじめ
別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着してもよ
い。あるいは別途形成した保護層上に輝尽性蛍光体層を
形成する手段を取ってもよい。
【0085】保護層の材料としては、酢酸セルロース、
ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フ
ッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレン、四フッ化
エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデ
ン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニ
トリル共重合体等の通常の保護層用材料が用いられる。
他に透明なガラス基板を保護層としてもちいることもで
きる。
【0086】また、この保護層は蒸着法、スパッタリン
グ法等により、SiC、SiO2、SiN、Al23
の無機物質を積層して形成してもよい。
【0087】これらの保護層の層厚は0.1〜2000
μmが好ましい。図3は、本発明の放射線画像変換パネ
ルの構成の一例を示す概略図である。
【0088】図3において21は放射線発生装置、22
は被写体、23は輝尽性蛍光体を含有する可視光ないし
赤外光輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル、
24は放射線画像変換パネル23の放射線潜像を輝尽発
光として放出させるための輝尽励起光源、25は放射線
画像変換パネル23より放出された輝尽発光を検出する
光電変換装置、26は光電変換装置25で検出された光
電変換信号を画像として再生する画像再生装置、27は
再生された画像を表示する画像表示装置、28は輝尽励
起光源24からの反射光をカットし、放射線画像変換パ
ネル23より放出された光のみを透過させるためのフィ
ルタである。
【0089】尚、図3は被写体の放射線透過像を得る場
合の例であるが、被写体22自体が放射線を放射する場
合には、前記放射線発生装置21は特に必要ない。
【0090】また、光電変換装置25以降は放射線画像
変換パネル23からの光情報を何らかの形で画像として
再生できるものであればよく、前記に限定されない。
【0091】図3に示されるように、被写体22を放射
線発生装置21と放射線画像変換パネル23の間に配置
し放射線Rを照射すると、放射線Rは被写体22の各部
の放射線透過率の変化に従って透過し、その透過像RI
(即ち、放射線の強弱の像)が放射線画像変換パネル2
3に入射する。
【0092】この入射した透過像RIは放射線画像変換
パネル23の輝尽性蛍光体層に吸収され、これによって
輝尽性蛍光体層中に吸収された放射線量に比例した数の
電子及び/又は正孔が発生し、これが輝尽性蛍光体のト
ラップレベルに蓄積される。
【0093】即ち、放射線透過像のエネルギーを蓄積し
た潜像が形成される。次にこの潜像を光エネルギーで励
起して顕在化する。
【0094】また、可視あるいは赤外領域の光を照射す
る輝尽励起光源24によって輝尽性蛍光体層に照射して
トラップレベルに蓄積された電子及び/又は正孔を追い
出し、蓄積されたエネルギーを輝尽発光として放出させ
る。
【0095】この放出された輝尽発光の強弱は蓄積され
た電子及び/又は正孔の数、すなわち放射線画像変換パ
ネル23の輝尽性蛍光体層に吸収された放射線エネルギ
ーの強弱に比例しており、この光信号を、例えば、光電
子増倍管等の光電変換装置25で電気信号に変換し、画
像再生装置26によって画像として再生し、画像表示装
置27によってこの画像を表示する。
【0096】画像再生装置26は単に電気信号を画像信
号として再生するのみでなく、いわゆる画像処理や画像
の演算、画像の記憶、保存等が出来るものを使用すると
より有効である。
【0097】また、光エネルギーで励起する際、輝尽励
起光の反射光と輝尽性蛍光体層から放出される輝尽発光
とを分離する必要があることと、輝尽性蛍光体層から放
出される発光を受光する光電変換器は一般に600nm
以下の短波長の光エネルギーに対して感度が高くなると
いう理由から、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光
はできるだけ短波長領域にスペクトル分布を持ったもの
が望ましい。
【0098】本発明の輝尽性蛍光体の発光波長域は30
0〜500nmであり、一方輝尽励起波長域は500〜
900nmであるので前記の条件を同時に満たすが、最
近、診断装置のダウンサイジング化が進み、放射画像変
換パネルの画像読み取りに用いられる励起波長は高出力
で、且つ、コンパクト化が容易な半導体レーザが好ま
れ、そのレーザ光の波長は680nmであることが好ま
しく、本発明の放射線画像変換パネルに組み込まれた輝
尽性蛍光体は、680nmの励起波長を用いた時に、極
めて良好な鮮鋭性を示すものである。
【0099】即ち、本発明の輝尽性蛍光体はいずれも5
00nm以下に主ピークを有する発光を示し、輝尽励起
光の分離が容易でしかも受光器の分光感度とよく一致す
るため、効率よく受光できる結果、受像系の感度を高め
ることができる。
【0100】輝尽励起光源24としては、放射線画像変
換パネル23に使用される輝尽性蛍光体の輝尽励起波長
を含む光源が使用される。特にレーザ光を用いると光学
系が簡単になり、また輝尽励起光強度を大きくすること
ができるために輝尽発光効率をあげることができ、より
好ましい結果が得られる。
【0101】レーザとしては、例えば、He−Neレー
ザ、He−Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオン
レーザ、N2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調
波、ルビーレーザ、半導体レーザ、各種の色素レーザ、
銅蒸気レーザ等の金属蒸気レーザ等がある。通常はHe
−NeレーザやArイオンレーザのような連続発振のレ
ーザが望ましいが、パネル1画素の走査時間とパルスを
同期させればパルス発振のレーザを用いることもでき
る。
【0102】また、フィルタ28を用いずに特開昭59
−22046号に示されるような、発光の遅延を利用し
て分離する方法によるときは、連続発振レーザを用いて
変調するよりもパルス発振のレーザを用いる方が好まし
い。
【0103】上記の各種レーザ光源の中でも、半導体レ
ーザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるの
で特に好ましく用いられる。
【0104】フィルタ28としては放射線画像変換パネ
ル23から放射される輝尽発光を透過し、輝尽励起光を
カットするものであるから、これは放射線画像変換パネ
ル23に含有する輝尽性蛍光体の輝尽発光波長と輝尽励
起光源24の波長の組合わせによって決定される。
【0105】例えば、輝尽励起波長が500〜900n
mで輝尽発光波長が300〜500nmにあるような実
用上好ましい組合わせの場合、フィルタとしては例えば
東芝社製C−39、C−40、V−40、V−42、V
−44、コーニング社製7−54、7−59、スペクト
ロフィルム社製BG−1、BG−3、BG−25、BG
−37、BG−38等の紫〜青色ガラスフィルタを用い
ることができる。又、干渉フィルタを用いると、ある程
度、任意の特性のフィルタを選択して使用できる。光電
変換装置25としては、光電管、光電子倍増管、フォト
ダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、光導電素
子等光量の変化を電子信号の変化に変換し得るものなら
何れでもよい。
【0106】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるもので
はない。
【0107】実施例1 《放射線画像変換パネル試料1〜8の作製》表1に示し
た条件で、1mm厚の結晶化ガラス(日本電気ガラス社
製)支持体の表面に図4に示した蒸着装置(但し、θ1
=5度、θ2=5度に設定する)を用いて輝尽性蛍光体
(CsBr:Eu)を有する輝尽性蛍光体層を形成し
た。
【0108】図4に示した蒸着装置においては、アルミ
ニウム製のスリットを用い、支持体とスリットとの距離
dを60cmとして、支持体と平行な方向に支持体を搬
送しながら蒸着を行ない、輝尽性蛍光体層の厚みが30
0μmになるように調整した。
【0109】尚、蒸着にあたっては、前記支持体を蒸着
機内に設置し、次いで蛍光体原料(CsBr:Eu)を
蒸着源としてプレス成形し抵抗加熱蒸着用タングステン
ボートに入れた。
【0110】その後、蒸着機内を一旦排気し、その後A
rガスを導入して0.133Paに真空度を調整した
後、支持体の温度を170℃に保持しながら、加熱、吸
熱開始温度と吸熱終了温度との温度差が20℃になるよ
うに蒸着した。
【0111】輝尽性蛍光体層の膜厚が300μmとなっ
たところで蒸着を終了させ、次いでこの蛍光体層を温度
400℃で加熱処理(アニール処理)を施した。
【0112】次に、乾燥空気の雰囲気内で、支持体及び
硼珪酸ガラスからなる保護層周縁部を接着剤で封入し
て、輝尽性、蛍光体層が密閉された構造の放射線画像変
換パネル試料1(比較)を得た。
【0113】また、蒸着時のるつぼ中の蒸着源である蛍
光体原料の加熱温度は660℃とした。
【0114】尚、試料1の吸熱開始温度と吸熱終了温度
との温度差は、詳細な説明で述べた方法で測定した結果
20℃であった。
【0115】放射線画像変換パネル試料1(比較)の作
製において、表1に記載の条件にした以外は同様にし
て、放射線画像変換パネル試料2、3、4、5、6、7
及び8を各々作製した。
【0116】得られた放射線画像変換パネル試料1〜8
について、下記のような評価を行った。
【0117】《鮮鋭性評価》各々作製した放射線画像変
換パネル試料の鮮鋭性は、変調伝達関数(MTF)を求
めて評価した。
【0118】MTFは、放射線画像変換パネル試料にC
TFチャートを貼付した後、放射線画像変換パネル試料
に80kVpのX線を10mR(被写体までの距離:
1.5m)照射した後、100μmφの直径の半導体レ
ーザ(680nm:パネル上でのパワー40mW)を用
いてCTFチャート像を走査読み取りして求めた。表の
値は、2.0lp/mmのMTF値を足し合わせた値で
示す。得られた結果を表1に示す。
【0119】《輝度、輝度分布の評価》輝度はコニカ
(株)製Regius350を用いて評価を行った。
【0120】鮮鋭性評価と同様にX線をタングステン管
球にて80kVp、10mAsで爆射線源とプレート間
距離2mで照射した後、Regius350にプレート
を設置して読みとった。得られたフォトマルからの電気
信号を元に相対評価を行った。試料2の輝度1.0と
し、後はその相対値で表した。
【0121】撮影された面内のフォトマルからの電気信
号分布を相対評価し、標準偏差を求め、それぞれ各試料
の輝度分布(S.D)とした。
【0122】上記の各々の評価が良好であると賦活剤が
均一に蛍光体母体結晶内部に含有されている。
【0123】
【表1】
【0124】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明による放
射線画像変換パネル及び該放射線画像変換パネルの製造
方法は、賦活剤の均一性に優れ、且つ、高輝度、高鮮鋭
性にも優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持体上に形成した柱状結晶を有する輝尽性蛍
光体層の一例を示す断面図である。
【図2】支持体上に輝尽性蛍光体層を蒸着法により形成
される様子を示す図である。
【図3】本発明の放射線画像変換パネルの構成の一例を
示す概略図である。
【図4】蒸着により支持体上に輝尽性蛍光体層を作製す
る方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
11 支持体 12 輝尽性蛍光体層 13 柱状結晶 14 柱状結晶間に形成された間隙 15 支持体ホルダ 21 放射線発生装置 22 被写体 23 放射線画像変換パネル 24 輝尽励起光源 25 光電変換装置 26 画像再生装置 27 画像表示装置 28 フィルタ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/85 C09K 11/85 C23C 14/24 C23C 14/24 R G01T 1/00 G01T 1/00 B Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 CC03 DD02 DD11 DD12 DD14 EE02 EE03 4H001 CA04 CA08 CF01 XA00 XA03 XA04 XA09 XA11 XA12 XA13 XA17 XA19 XA20 XA21 XA28 XA29 XA30 XA31 XA35 XA37 XA38 XA39 XA48 XA49 XA53 XA55 XA56 YA00 YA11 YA12 YA29 YA39 YA47 YA63 YA65 YA81 4K029 AA09 AA24 BA41 BC07 BD00 CA01 CA15 DB13 EA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射
    線画像変換パネルにおいて、少なくとも1層の該輝尽性
    蛍光体層が気相法(気相堆積法ともいう)により50μ
    m〜1mmの膜厚に形成され、希土類化合物の融点にお
    ける吸熱開始温度と吸熱終了温度の温度差が14℃以下
    で蒸着を行い、蛍光体母体結晶が形成された内部に希土
    類化合物を均一に含有させることを特徴とする放射線画
    像変換パネル。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも一層の輝尽性蛍光体層
    が、下記一般式(1)で表されるハロゲン化アルカリを
    母体とする輝尽性蛍光体を含有することを特徴とする請
    求項1に記載の放射線画像変換パネル。 一般式(1) M1X・aM2X′2・bM3X″3:eA 〔式中、M1はLi、Na、K、Rb及びCsの各原子
    から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であ
    り、M2はBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、C
    d、Cu及びNiの各原子から選ばれる少なくとも1種
    の二価金属原子であり、M3はSc、Y、La、Ce、
    Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
    o、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInの各
    原子から選ばれる少なくとも1種の三価金属原子であ
    り、X、X′、X″はF、Cl、Br及びIの各原子か
    ら選ばれる少なくとも1種のハロゲンで原子であり、A
    はEu、Tb、In、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、
    Nd、Yb、Er、Gd、Lu、Sm、Y、Tl、N
    a、Ag、Cu及びMgの各原子から選ばれる少なくと
    も1種の金属原子であり、また、a、b、eはそれぞれ
    0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<e≦0.2の範
    囲の数値を表す。〕
  3. 【請求項3】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する放射
    線画像変換パネルにおいて、少なくとも1層の該輝尽性
    蛍光体層が気相法により50μm〜1mmの膜厚を有す
    るように形成され、蛍光体母体結晶が形成された内部に
    希土類化合物を均一含有させるために、複塩結晶を蛍光
    体化合物原料として用い、該蛍光体化合物原料を希土類
    化合物の融点より20℃以上高い温度で加熱し、且つ、
    希土類化合物の融点における吸熱開始温度と吸熱終了温
    度の温度差が14℃以下で蒸着することを特徴とする放
    射線画像変換パネルの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005200647A (ja) * 2003-12-19 2005-07-28 Agfa Gevaert Nv 貯蔵燐光体におけるアクチベータ要素の均質な混入
JP2006105596A (ja) * 2004-09-30 2006-04-20 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線像変換パネル
JP2006193545A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 放射線像変換パネルの製造方法および蒸着装置

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