JP2003231783A - 耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた装飾シート - Google Patents

耐油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた装飾シート

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】鉱物油や油脂類による膨潤性を改善した耐油性
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成
物で成形した装飾シートを提供する。 【解決手段】部分架橋ブレンド型ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーにポリプロピレン及び無機物質を配合
したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であっ
て、該組成物は部分架橋オレフィン系ゴム14〜30重
量%、プロセスオイル10〜40重量%、アイソタクチ
ックポリプロピレン5〜30重量%及び無機物質1〜2
0重量%を含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油性物質による膨
潤性を改善したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物、及びこれを用いた装飾シートに関する。
【0002】
【従来技術】近年、インストルメントパネル、ドア表皮
材、天井、座席レザーなどの自動車の内装材、或はソフ
ァーなどの家具用に、ポリ塩化ビニルに代えてオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーが用いられている。オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーは、成形加工性がよく、特に
カレンダー成形が可能であり、また真空成形が可能であ
ることから多用されている。
【0003】オレフィン系熱可塑性エラストマーの一種
に部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーがある。この部分架橋ブレンド型オレフィン系熱可塑
性エラストマーは、オレフィン系ゴム(ジエン系共重合
体など)とポリオレフィン系樹脂と場合によりプロセス
オイル加えた混合物を有機過酸化物の存在下で動的架橋
により架橋したエラストマーである。このときポリオレ
フィン系樹脂とプロセスオイルは基本的には架橋反応に
関与せず、そのままの状態でオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー中に存在する。すなわち、部分架橋ブレンド型
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、架橋オレフィン
系ゴムとポリオレフィン樹脂と、場合によりプロセスオ
イルとの混合物である。
【0004】そして、上記の部分架橋ブレンド型オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー中のオレフィン系ゴムは部
分架橋されたオレフィン系ゴムであるため、完全架橋さ
れたオレフィン系ゴムを含むオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーに比べ、エンボス模様の転写性が高いと言う装
飾シートの重要な要件を備えている反面、耐油性に劣
り、鉱物油や油脂類によって膨潤しやすい短所がある。
そのため、自動車内装材に用いた場合、例えばオレフィ
ン系熱可塑性エラストマーを素材とするドア表皮材に人
体が触れると、人体から分泌する脂肪や化粧料中の油性
物質がドア表皮材に付着し、その表面を膨潤させ、しわ
ができたり、膨れたりして美観を損ねる問題点がある。
特に発泡材をラミネートした表皮材はこの傾向が著し
く、発泡倍率が高い例えば25倍以上に発泡させた発泡
材をラミネートさせた表皮材に殊更に著しい。
【0005】また、部分架橋オレフィン系ゴムの耐油性
はプロセスオイルを添加することにより改善されること
が知られているが、プロセスオイルを増量すると部分架
橋ブレンド型オレフィン系熱可塑性エラストマーのカレ
ンダー成形性、真空成形性、強度などが悪化する。ま
た、このオレフィン系熱可塑性エラストマーのシートの
裏面に軟らかな発泡(フォーム)材を積層した積層物に
おいては、プロセスオイルの添加量が増加すると、シワ
が深く入り、外観を異常に損ねる現象を生じる。この現
象は、特に、発泡倍率20倍以上のポリオレフィン又は
ポリウレタン発泡材を使用したときに甚だしい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みなされたもので、部分架橋ブレンド型オレフィン
系熱可塑性エラストマーの鉱物油や油脂類による膨潤性
を改善したエンボス模様の転写性が良い耐油性オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物、及び該組成物で成形
した装飾シート、更には該組成物層を発泡材層の片面又
は両面に設けた装飾シートを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく種々検討した結果、部分架橋ブレンド型オ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成部について、部分
架橋オレフィン系ゴムの含有量及びプロセスオイルの含
有量並びに該プロセスオイルと該部分架橋オレフィン系
ゴムとの差を特定量にすること、またアイソタクチック
ポリプロピレン、無機物質を配合することによって、耐
油性を向上させ、カレンダー成型性を良くし、プロセス
オイルを増量したときの支障を解消しえることを見出
し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、部分架橋ブレンド型
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーにポリプロピレ
ン及び無機物質を配合したオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物であって、該組成物は部分架橋オレフィン
系ゴム14〜30重量%、プロセスオイル10〜40重
量%、アイソタクチックポリプロピレン5〜30重量%
及び無機物質1〜20重量%を含み、且つ上記のエラス
トマー組成物中の部分架橋オレフィン系ゴムの量が14
重量%〜20重量%未満のときは、プロセスオイルの量
と部分架橋オレフィン系ゴムの量との差〔プロセスオイ
ルの量−部分架橋オレフィン系ゴムの量〕が−7〜0重
量%であり、上記のエラストマー組成物中の部分架橋オ
レフィン系ゴムの量が20重量%〜30重量%のとき
は、プロセスオイルの量と部分架橋オレフィン系ゴムの
量との差〔プロセスオイルの量−部分架橋オレフィン系
ゴムの量〕が−4〜0重量%であることを特徴とする耐
油性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物である。
【0009】また、本発明は、上記の耐油性オレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物からなる装飾シートであ
る。また、上記の耐油性オレフィン系熱可塑性エラスト
マー組成物層と発泡体層とからなる装飾シートである。
これらの装飾シートの表面にシリコーン変性ポリカーボ
ネート系ポリウレタン層を設けるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いる部分架橋ブレンド
型オレフィン系熱可塑性エラストマーは、オレフィン系
ゴムとポリオレフィン系樹脂と場合によりプロセスオイ
ル加えた混合物を有機過酸化物の存在下で動的架橋によ
り部分架橋したエラストマーである。これは、例えば、
ジエン系共重合体とポリオレフィン系樹脂の混合物を、
ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサ
イドなどの有機パーオキサイドの存在下に動的に熱処理
して(例えば、溶融状態で混練して)部分的に架橋する
ことにより得られる。このとき、必要に応じてプロセス
オイルを加える。このオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、部分架橋オレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂
と、場合によりプロセスオイルとの混合物である。プロ
セスオイルはオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
を調製するときに配合してもよい。この架橋ブレンド型
ポリオレフィン系エラストマーは市販品としては、例え
ば三井化学(株)製のミラストマー(商標名)などがあ
る。
【0011】上記の部分架橋オレフィン系ゴムの原料で
あるオレフィン系ゴムはジエン系共重合体が好ましい。
ジエン系共重合体としては、エチレンと他のαオレフィ
ン(例えばプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンな
ど)との共重合体に2−エチリデン−5−ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、ブタジエン、イソプレンな
どのジエンを共重合させたもので、例えばエチレン−プ
ロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン
−プロピレン−メチレンノルボネン共重合体、エチレン
−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ジシクロオクタジエン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブタジエン共重合体などが挙げられ
る。
【0012】また、上記の架橋反応時に配合するポリオ
レフィン系樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン又はプロピレンと他の少量のαオレフィン
(例えば1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−
ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなど)とのランダ
ム共重合体などが挙げられる。プロピレンのランダムコ
ポリマー(ランダムポリプロピレン)が好ましく使用さ
れる。また、上記のプロセスオイルとしては、パラフィ
ン系鉱油、ナフテン系鉱油、芳香族系鉱油などが挙げら
れるが、パラフィン系鉱油が部分架橋オレフィン系ゴム
やポリオレフィン系樹脂との相溶性の良さの点から好ま
しい。
【0013】部分架橋されたオレフィン系ゴムの配合割
合が14重量%未満であるとオレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物は硬くて実用的でなく、また30重量%
を超えるとオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の
油性物質に対する膨潤性改良が充分でない。また、プロ
セスオイルの配合割合が10重量%未満であるとオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物の油性物質に対する
膨潤性改良が充分でなく、また40重量%を越えるとオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物の強度が低下す
る。プロセスオイルの配合量は、部分架橋オレフィン系
ゴムを合成する時に配合した量とその後のエラストマー
組成物の調製時に配合したプロセスオイルとの合計量で
ある。
【0014】そして、本発明では、エラストマー組成物
中の部分架橋オレフィン系ゴムの量が14重量%〜20
重量%未満のときは、プロセスオイルの量と部分架橋オ
レフィン系ゴムの量との差〔プロセスオイルの量−部分
架橋オレフィン系ゴムの量〕が−7〜0重量%になるよ
うに調整し、またエラストマー組成物中の部分架橋オレ
フィン系ゴムの量が20重量%〜30重量%のときは、
プロセスオイルの量と部分架橋オレフィン系ゴムの量と
の差〔プロセスオイルの量−部分架橋オレフィン系ゴム
の量〕が−4〜0重量%になるように調整する。組成物
中のプロセスオイルの量と部分架橋オレフィン系ゴムの
量との差〔プロセスオイルの量−部分架橋オレフィン系
ゴムの量〕が−4重量%未満或は−7重量%未満である
と十分な耐油性、すなわち油性物質に対する膨潤性改良
が十分に得られなく、0重量%を超えるとロールへの粘
着が生じドローダウンが大きくなり、好ましくない。
【0015】本発明において、部分架橋ブレンド型ポリ
オレフィン系熱可塑性エラストマーに配合するポリプロ
ピレンは特に限定されないが、最終的にエラストマー組
成物中にアイソタクチックポリプロピレンが5〜30重
量%存在するように調整する。すなわち、部分架橋ブレ
ンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造時
にポリオレフィン系樹脂としてアイソタクチックポリプ
ロピレンを用いていない場合は上記した量をエラストマ
ーに配合する。また部分架橋ブレンド型ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマーの製造時にポリオレフィン系樹
脂としてアイソタクチックポリプロピレンを用いた場合
は、その使用量を勘案してエラストマーへの配合量を決
める。アイソタクチックポリプロピレンの配合割合が5
重量%未満であると上述の支障を抑えることができな
く、また30重量%を越えるとオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物は硬くて実用的でない。なお、アイソ
タクチックポリプロピレンの融点はカレンダー加工温度
付近にあるため、15重量%以上配合するとカレンダー
加工性が悪くなる。そのため、脂肪酸金属塩(例えばス
テアリン酸亜鉛など)及び/又はリン酸エステル(例え
ばトリアルキルホスフェートなど)を0.01〜1重量
%配合するのが好ましい。
【0016】また、上記の無機物質は例えばタルク、炭
酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化チタンなどの粉末であり、特にタルクが好まし
い。タルクとしては限定はなく通常の含水珪酸マグネシ
ウム粉末が好ましく用いられる。これらの配合割合が1
重量%未満では上記の支障を抑えることができなく、2
0重量%を越えるとカレンダー加工性が悪化する。無機
物質の添加によるカレンダー加工性が低下するが、殊に
タルクと炭酸カルシウムを併用することによりカレンダ
ー加工性を一層向上させることができる。
【0017】また、本発明の部分架橋オレフィン系ゴム
とパラフィンオイルとアイソタクチックポリプロピレン
と無機物質とを含む上記のオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物に、アイソタクチックポリプロピレンと融
点の異なるオレフィン系樹脂を添加配合することによ
り、カレンダー加工適性を上げることができ、成形性、
カレンダー加工性を向上させることができる。例えば、
融点160℃程度のアイソタクチックポリプロピレンに
対し、融点140℃程度のランダムポリプロピレン、融
点120℃程度のポリエチレンを添加配合することによ
って、耐油性を保持したまま、カレンダー加工性を向上
させることができる。これらを配合したときのオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物の配合割合は、例え
ば、部分架橋オレフィン系ゴム14〜30重量%、プロ
セスオイル10〜40重量%、アイソタクチックポリプ
ロピレン5〜30重量%、無機物質1〜20重量%、ラ
ンダムポリプロピレン5〜25重量%、ポリエチレン5
〜20重量%である。
【0018】本発明の耐油性オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物には、必要に応じてフェノール系やリン
系などの酸化防止剤、ヒンダードアミン系などの光安定
剤、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、滑剤、
帯電防止剤、顔料、無機充填剤等の各種添加剤を添加し
てもよい。この種の添加剤はオレフィン系樹脂に対して
使用される既知のものが好ましく使用される。
【0019】本発明の耐油性オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー組成物は、押出成形又はカレンダー成形などに
よって、シートやフィルムに成形できる。多品種少量生
産にむくカレンダー成形によるのが好ましい。このシー
トは、ドアやインストルメントパネル等の自動車内装材
などに用いる装飾シートとして適する。
【0020】発泡体層の片面に、本発明の耐油性オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物の層を設けてレザー
様の装飾シートとすることもできる。発泡体としては、
ポリウレタン発泡体、ポリオレフィン発泡体などが好ま
しく用いられる。これらの発泡体を用いる場合は、接着
剤を使用しなくても加熱加圧によって積層できる利点が
ある。また、発泡体が樹脂層と同一系統の素材でない場
合はリサイクルには粉砕、分離等の操作が必要となるが
同一系統の場合はこの操作が不要であるから、発泡体は
オレフィン系熱可塑性エラストマーと同一系統のものが
好ましい。
【0021】オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
の層を発泡体層に積層するには、例えば、オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物を押出成形又はカレンダー
成形などでシートに成形して発泡体層に積層する。オレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物をカレンダーでシ
ーティングし発泡体層に直接熱ラミネートしてもよい
し、発泡体層の表面に例えばウレタン系接着剤や変性エ
チレン−酢酸ビニル共重合体の水性エマルジョン型接着
剤を塗布した後に熱ラミネートしてもよい。発泡体層が
ポリプロピレンの場合は直接熱ラミネートで良好に積層
できる。
【0022】上記の如くして製造した装飾シートの表面
に、シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタンの
表面層を設けることによって、耐油性が更に向上し、ま
た耐摩耗性も向上する。そして、シリコーン変性ポリカ
ーボネート系ポリウレタン表面層は、シリコーン変性ポ
リカーボネート系ポリウレタン塗料を塗布して形成させ
る。特に、装飾シートの表面にシリコーン変性ポリカー
ボネート系ポリウレタン表面層を設け、その裏面にポリ
プロピレン発泡体層を設けたものはドアやインストルメ
ントパネル等の自動車内装材などに用いる表皮材に適す
る。このシリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタ
ン塗料は、オルガノポリシロキサン骨格を含有するポリ
カーボネイト系ポリウレタン樹脂を素材にする塗料であ
る。シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン樹
脂は種々の方法で製造したものが用いられる。
【0023】シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウ
レタン樹脂は、例えば、アミノ基を導入したアミノ変性
シリコーンオイル、エポキシ基を導入したエポキシ変性
シリコーンオイル、水酸基を導入したアルコール変性シ
リコーンオイル、カルボキシル基を導入したカルボキシ
ル変性シリコーンオイル、メルカプト基を導入したメル
カプト変性シリコーンオイルなどの変性シリコーン化合
物と有機ポリイソシアネートとを、反応生成物中にイソ
シアネート基が含有されるような割合で反応させて、分
子中にオルガノポリシロキサン骨格を有し且つ1個以上
のイソシアネート基を有する反応生成物を製造し、この
反応生成物を単独で或は他の有機ポリイソシアネートと
併用してポリカーボネートポリオールと反応させて、分
子中にオルガノポリシロキサン骨格を含有するポリカー
ボネート系ポリウレタン樹脂を製造する。
【0024】
【実施例】実施例1〜4及び比較例1〜3 表1に示す実施例1〜4及び比較例1〜3の組成の配合
物(重量部)を、それぞれカレンダーで厚さ0.7mm
のシートに成形し、絞押しした。その表面にシリコーン
変性ポリカーボネート系ポリウレタン塗料を塗布し、加
熱乾燥して、表面処理した。その裏面に25倍発泡の厚
さ2mmの電子線照射架橋ポリプロピレン発泡体を加熱
加圧によってラミネートした。このラミネートを基材と
共に真空成形して自動車のドア表皮材を製造した。全て
の例において、カレンダー加工、絞加工は良好に行なえ
た。
【0025】表1において、部分架橋ブレンド型TPO
(部分架橋ブレンド型ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー)は、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(E
PDM)48重量%とランダムポリプロピレン20重量
%とパラフィンオイル32重量%とを動的に部分架橋さ
せたものである。また直鎖状低密度ポリエチレンはメタ
ロセン触媒を用いて重合させたものである。また、「成
分の配合比率」の欄は、オレフィン系熱可塑性エラスト
マー組成物中に占める各成分の割合を示す。また無機物
質粉末の量は、タルク粉末と炭酸カルシウム粉末と顔料
中に43重量%含まれる酸化チタンなどの無機物質粉末
との合計量である。
【0026】得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の
自動車用ドア表皮材について耐油性を調べた。その結果
を合わせて表1に示す。耐油性は、流動パラフィン1.
5gを10cm×10cmの面積に塗布し、80℃で4
8時間放置し、その外観を目視で調べ、評価した。評価
は、3級:シワなし、2級:浅いシワあり、1級:深い
シワあり、を表す。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明のオレフィン系熱可塑性エラスト
マー組成物は、鉱物油や油脂類による膨潤性が改善さ
れ、耐油性を有する。本発明のオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物はカレンダー加工成形などによってシ
ートに成形することができ、またエンボス模様の転写性
もよい。このシートは自動車内装材などの装飾シートと
して有用であり、例えば座席やドアの表皮材に用いた場
合、手の脂肪や化粧品の油脂が付着しても膨潤すること
がないので表皮材の外観を損ねることがない。この装飾
シートに発泡体層を積層したラミネートも、外観を損ね
ることなく、耐油性を有しており、自動車の内装材に有
用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA10 AA15X AA20 AA20X AA39X AA71 AH03 AH11 BB04 BC01 4F100 AA01A AK01B AK03A AK07A AK51C AL05A AL08C AL09A BA02 BA03 BA10A BA10C CA23A DJ01B GB33 JB07A JB10 JB16A 4J002 AE05X BB12Y BB15W GL00 GN00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分架橋ブレンド型ポリオレフィン系熱可
    塑性エラストマーにポリプロピレン及び無機物質を配合
    したオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であっ
    て、該組成物は部分架橋オレフィン系ゴム14〜30重
    量%、プロセスオイル10〜40重量%、アイソタクチ
    ックポリプロピレン5〜30重量%及び無機物質1〜2
    0重量%を含み、且つ上記のエラストマー組成物中の部
    分架橋オレフィン系ゴムの量が14重量%〜20重量%
    未満のときは、プロセスオイルの量と部分架橋オレフィ
    ン系ゴムの量との差〔プロセスオイルの量−部分架橋オ
    レフィン系ゴムの量〕が−7〜0重量%であり、上記の
    エラストマー組成物中の部分架橋オレフィン系ゴムの量
    が20重量%〜30重量%のときは、プロセスオイルの
    量と部分架橋オレフィン系ゴムの量との差〔プロセスオ
    イルの量−部分架橋オレフィン系ゴムの量〕が−4〜0
    重量%であることを特徴とする耐油性オレフィン系熱可
    塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の耐油性オレフィン系熱可
    塑性エラストマー組成物からなる装飾シート。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の耐油性オレフィン系熱可
    塑性エラストマー組成物層と発泡体層とからなる装飾シ
    ート。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の装飾シートの表面
    に、シリコーン変性ポリカーボネート系ポリウレタン層
    を設けてなる装飾シート。
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