JP2003228154A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2003228154A
JP2003228154A JP2002339178A JP2002339178A JP2003228154A JP 2003228154 A JP2003228154 A JP 2003228154A JP 2002339178 A JP2002339178 A JP 2002339178A JP 2002339178 A JP2002339178 A JP 2002339178A JP 2003228154 A JP2003228154 A JP 2003228154A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬調であり、かつ感度の高いハロゲン化銀写
真感光材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤が臭
化銀を40mol%以上含有するハロゲン組成を有し、
かつ、該ハロゲン化銀中に銀1mol当たり、シアン化
物配位子を1個以上含有する金属錯体を1×10-6mo
l以上含有し、対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)
の単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線にお
いて、光学濃度0.1〜1.5におけるガンマーが4.
0以上である特性曲線を有することを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料、特に写真製版工程に用いられるハロゲン化銀感
光材料に適した超硬調ネガ型写真感光材料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】グラフィックアーツ分野の写真製版工程
では、連続調の写真画像を、画像の濃淡を網点面積の大
小によって表現するいわゆる網点画像に変換して、これ
を文字や線画を撮影した画像と組み合わせて印刷原版を
作る方法が行われている。このような用途に用いられる
ハロゲン化銀感光材料には、文字、線画、網点画像の再
現性を良好にするために、画像部と非画像部を明瞭に区
別しうる超硬調な写真特性を有することが求められてき
た。
【0003】このような要望に応えるシステムとして、
いわゆるリス現像方式が知られている。この方式は、塩
臭化銀からなるハロゲン化銀感光材料を、亜硫酸イオン
の有効濃度をきわめて低くしたハイドロキノン現像液で
処理することにより、高コントラストを有する画像を形
成するものである。しかし、この方式では現像液中の亜
硫酸イオン濃度が低いため、現像液が空気酸化に対して
きわめて不安定であり、液活性を安定に保つために現像
液を多量に補充しなければならなかった。
【0004】リス現像方式の画像形成の不安定性を解消
し、良好な保存安定性を有する現像液で処理することに
よって超硬調な写真特性を得る画像形成システムとし
て、例えば、米国特許第4,166,742号明細書、
同第4,168,977号明細書、同第4,221,8
57号明細書、同第4,224,401号明細書、同第
4,243,739号明細書、同第4,269,922
号明細書、同第4,272,606号明細書、同第4,
311,781号明細書、同第4,332,878号明
細書、同第4,618,574号明細書、同第4,63
4,661号明細書、同第4,681,836号明細
書、同第5,650,746号明細書等に記載されるシ
ステムが挙げられる。これらは、ヒドラジン誘導体を添
加した表面潜像型のハロゲン化銀写真感光材料を、亜硫
酸保恒剤を0.15mol/L以上含むpH11.0〜
12.3のハイドロキノン/メトールあるいはハイドロ
キノン/フェニドンを現像主薬とする現像液で処理し、
ガンマーが10を超える超硬調のネガ画像を形成するシ
ステムである。この方法によれば超硬調で高感度の写真
特性が得られ、現像液中に高濃度の亜硫酸塩を添加する
ことができるので、現像液の空気酸化に対する安定性は
従来のリス現像液に比べて飛躍的に向上する。
【0005】ヒドラジン誘導体により十分に超硬調な画
像を形成させるためには、pHが11以上、通常は1
1.5以上の現像液で処理することが必要であった。高
濃度の亜硫酸保恒剤によって現像液の安定性を高めるこ
とを可能にしたとはいえ、超硬調な写真画像を得るため
には上述のようなpH値の高い現像液を用いることが必
要であり、保恒剤があっても現像液は空気酸化されやす
く不安定なため、さらなる安定性の向上を求めてより低
いpHで超硬調画像を実現する工夫が試みられてきた。
【0006】例えば、米国特許第4,269,929号
明細書(特開昭61−267759号公報)、米国特許
第4,737,452号明細書(特開昭60−1797
34号公報)、米国特許第5,104,769号明細
書、同第4,798,780号明細書、特開平1−17
9939号公報、同1−179940号公報、米国特許
第4,998,604号明細書、同第4,994,36
5号明細書、特開平8−272023号公報には、pH
11.0未満の現像液を用いて超硬調な画像を得るため
に、高活性なヒドラジン誘導体および造核促進剤を用い
る方法が開示されている。このような画像形成システム
に用いられるハロゲン化銀写真感光材料は処理液が疲労
することにより、ヒドラジン誘導体および造核促進剤の
活性が変化し、感度が変動する等の処理安定性の問題を
抱えている。処理安定性を良化させる方策として、乳剤
の硬調化が挙げられるが、硬調化に伴い、感度低下が起
こることが問題であった。そこで、感度が高く、かつ、
処理安定性の優れた技術を開発することが求められてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の問
題点を考慮して、本発明は、硬調であり、かつ感度の高
いハロゲン化銀写真感光材料を提供することを目的とし
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、特定のハロゲン化銀乳剤を用いてガンマを一
定値以上にすることによって優れたハロゲン化銀写真感
光材料を提供しうることを見出して、本発明に到達し
た。すなわち本発明は、支持体上に少なくとも1層のハ
ロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀
乳剤が臭化銀を40mol%以上、好ましくは45mo
l%〜75mol%含有するハロゲン組成を有し、か
つ、該ハロゲン化銀中に銀1mol当たり、シアン化物
配位子を1個以上含有する金属錯体を1×10-6mol
以上、好ましくは5×10-6mol〜5×10-3mol
含有し、対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)の単位
長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線において、
光学濃度0.1〜1.5におけるガンマーが4.0以上
である特性曲線を有することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料を提する。本発明のハロゲン化銀写真感光
材料では、シアン化物配位子を1個以上含有する金属錯
体がハロゲン化銀の結晶の内部に存在しており、該内部
にはハロゲン化銀の結晶に含まれている全銀量の99m
ol%以下が存在することが好ましく、全銀量の95m
ol%以下が存在することが好ましい。また、ハロゲン
化銀の結晶のアスペクト比(円相当径/厚さ)が2以下
であることが好ましい。
【0009】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を構成
するハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層は、下記一般
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VIa)
および一般式(VIb)で表される分光増感色素を少なく
とも一つ含有することが好ましい。
【0010】
【化8】
【0011】(式中、Y11、Y12、Y13およびY14は、
各々独立に=N(R1)、酸素原子、硫黄原子、セレン
原子またはテルル原子を表す。ただし、Y13およびY14
のいずれか一方は=N(R1)であり、Y11、Y12およ
びY13あるいはY11、Y12およびY14は同時に硫黄原子
であることはない。R11は、水可溶化基を有する炭素数
8以下の脂肪族基を表し、R1、R12およびR13は、各
々独立に脂肪族基、アリール基または複素環基を表す。
ただし、R1、R12およびR13の内の少なくとも2つは
水可溶化基を有している。Z11は、5員または6員の含
窒素複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
ただし、Z11によって形成される5員または6員の含窒
素複素環はさらに縮合環を有していてもよい。W1は、
酸素原子、硫黄原子、=N(R1)、または=C
(E11)(E12)を表す。E11、E12は、各々独立に電
子吸引性の基を表す。これらは互いに結合してケト環ま
たは酸性の複素環を形成してもよい。L11およびL
12は、各々独立に置換あるいは無置換のメチン基を表
し、l11は、0または1を表す。M1は、分子の電荷を
相殺するのに必要なイオンを表す。n11は、分子の総電
荷を中和させるのに必要な数を表す。ただし、分子内塩
を形成しているときは0である。)
【0012】
【化9】
【0013】(式中、Z21は、5員または6員の含窒素
複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただ
し、Z21によって形成される5員または6員の含窒素複
素環はさらに縮合環を有していてもよい。Y21およびY
22は、各々独立に=N(R2)、酸素原子、硫黄原子、
セレン原子またはテルル原子を表す。W2は、=N(A
r)、酸素原子、硫黄原子、または=C(E21
(E22)を表す。E21、E22は、各々独立に電子吸引性
の基、あるいは、E21およびE22が互いに結合して酸性
の複素環を形成する非金属原子群を表し、Arは芳香族
基または芳香族性の複素環基を表す。R21は、水可溶化
基を有する炭素数8以下の脂肪族基を表し、R2、R22
およびR23は、各々独立に脂肪族基、アリール基または
複素環基を表す。ただし、R2、R22およびR23の内の
少なくとも2つは水可溶化基を有している。L21
22、L23およびL24は、各々独立に置換あるいは無置
換のメチン基を表し、m21は、0または1を表す。M2
は、分子の電荷を相殺するのに必要なイオンを表す。n
21は、分子の総電荷を中和させるのに必要な数を表す。
ただし、分子内塩を形成しているときは0である。)
【0014】
【化10】
【0015】(式中、R31、R32は、各々独立にアルキ
ル基を表す。ただし、少なくとも一方のアルキル基は水
溶性基を有する。V31、V32、V33およびV34は、水素
原子または1価の置換基を表す。ただし、該置換基(V
31、V32、V33、V34)の分子量の合計は50以下であ
る。L31、L32、L33およびL34は、各々独立に置換あ
るいは無置換のメチン基を表す。M3は、分子の電荷を
相殺するのに必要なイオンを表す。n31は、分子の総電
荷を中和させるのに必要な数を表す。ただし、分子内塩
を形成しているときは0である。)
【0016】
【化11】
【0017】(式中、R41は、アルキル基、アルケニル
基またはアリール基であり、R42およびR43は、各々独
立に水素、アルキル基、アルケニル基またはアリール基
を表し、R44、R45およびR46は、各々独立にアルキル
基、アルケニル基、アリール基または水素原子を表す。
41、L42は、各々独立に置換あるいは無置換のメチン
基を表し、pは、0または1を表す。Z41は、5員また
は6員の複素環を完成するのに必要な原子団を表す。た
だし、Z41によって形成される5員または6員の複素環
式基はさらに縮合環を有していてもよい。M4は、分子
の電荷を相殺するのに必要なイオンを表す。n41は、分
子の総電荷を中和させるのに必要な数を表す。ただし、
分子内塩を形成しているときは0である。一般式(IV)
で表される分光増感色素は少なくとも3個の水可溶化基
を有する。)
【0018】
【化12】
【0019】(式中、Z51およびZ52は、各々独立に5
員または6員の含窒素複素環を形成するのに必要な非金
属原子群を表す。ただし、Z51およびZ52によって形成
される5員または6員の含窒素複素環はさらに縮合環を
有していてもよい。R51およびR52は、各々独立にアル
キル基、置換アルキル基またはアリール基を表す。Q51
およびQ52は、協同してチアゾリジノン環またはイミダ
ゾリジノン環を形成するのに必要な非金属原子群を表
す。L51、L52およびL53は、各々独立にメチン基また
は置換メチン基を表す。n51、n52は、各々独立に0ま
たは1を表す。M5は、分子の電荷を相殺するのに必要
なイオンを表す。n53は、分子の総電荷を中和させるの
に必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成していると
きは0である。)
【0020】
【化13】
【0021】(式中、R61およびR62は、各々独立にア
ルキル基を表す。R63は、水素原子、低級アルキル基、
低級アルコキシ基、フェニル基、ベンジル基またはフェ
ネチル基を表す。V6は、水素原子、低級アルキル基、
アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アルキル基を表
し、p6は、1または2を表す。Z61は、5員または6
員の含窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表す。
ただし、Z61によって形成される5員または6員の含窒
素複素環はさらに縮合環を有していてもよい。m 61は、
0または1を表す。M61は、分子の電荷を相殺するのに
必要なイオンを表す。n61は、分子の総電荷を中和させ
るのに必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成してい
るときは0である。)
【0022】
【化14】
【0023】(式中、R64およびR65は、各々独立にア
ルキル基を表す。R66およびR67は、各々独立に水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基、
ベンジル基またはフェネチル基を表す。R68、R69は、
それぞれ水素原子を表す。また、R68とR69は、互いに
連結してアルキレン基を形成してもよい。R70は、水素
原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フェニル
基、ベンジル基または−N(W61)(W62)〔W61とW
62は、各々独立にアルキル基またはアリール基を表す。
また、W61とW62は、互いに連結して5員または6員の
含窒素複素環を形成するものであってもよい。〕を表
す。また、R66とR70またはR67とR70は、互いに連結
してアルキレン基を形成するものであってもよい。Z62
およびZ63は、各々独立に5員または6員の含窒素複素
環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、
62およびZ63によって形成される5員または6員の含
窒素複素環はさらに縮合環を有していてもよい。M
62は、分子の電荷を相殺するのに必要なイオンを表す。
62は、分子の総電荷を中和させるのに必要な数を表
す。ただし、分子内塩を形成しているときは0であ
る。)
【0024】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、ヒ
ドラジン誘導体を含有することが好ましい。また、ハロ
ゲン化銀写真感光材料の乳剤層側の膜面pHが6.0以
下であることが好ましい。本発明のハロゲン化銀写真感
光材料は、固形処理剤を用いて調整された現像液で処理
することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下において、本発明のハロゲン
化銀写真感光材料について詳細に説明する。なお、本明
細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれ
ぞれ最小値および最大値として含む範囲を意味する。
【0026】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
るハロゲン化銀乳剤用のハロゲン化銀には、臭化銀40
mol%以上を含有するハロゲン組成を有するものを使
用する。特に臭化銀45mol%〜75mol%を含有
するハロゲン組成を有するものを使用することが好まし
い。具体的には、臭化銀40mol%以上を含有する塩
臭化銀、沃塩臭化銀を用いることが好ましい。さらに
は、臭化銀45mol%〜75mol%を含有する塩臭
化銀、沃塩臭化銀を用いることが好ましい。ハロゲン化
銀粒子の形状は、立方体、十四面体、八面体、不定型、
板状いずれでもよいが、アスペクト比(円相当直径/厚
さ)が2以下の形状が好ましく、最も好ましくは立方体
である。ハロゲン化銀の平均粒子サイズは0.1μm〜
0.7μmが好ましいが、より好ましくは0.1〜0.
5μmである。また、{(粒子サイズの標準偏差)/
(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数は1
5%以下であることが好ましく、10%以下の粒子サイ
ズ分布の狭いものがより好ましい。ハロゲン化銀粒子は
内部と表層が均一な単一相からなっていてもよいし、互
いに異なる相からなっていてもよい。また粒子内部ある
いは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していても
よい。
【0027】本発明に用いられる写真乳剤は、P. Glafk
ides 著 Chimie et Physique Photographique (Pau
l Montel社刊、1967年)、G. F. Dufin 著 Photogr
aphic Emulsion Chemistry (The Forcal Press刊、1
966年)、V. L. Zelikmanet al著 Making and Coati
ng Photographic Emulsion (The Forcal Press刊、1
964年)などに記載された方法を用いて調製すること
ができる。すなわち、酸性法、中性法等のいずれを用い
てもよい。また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応
させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それら
の組み合わせなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀イ
オン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合
法)を用いることもできる。
【0028】同時混合法の1つの形式としてハロゲン化
銀が生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわ
ち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用い
ることもできる。特に、アンモニア、チオエーテル、四
置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して
粒子形成させることが好ましい。ハロゲン化銀溶剤とし
てより好ましいのは四置換チオ尿素化合物であり、特開
昭53−82408号公報、同55−77737号公報
に記載されている。好ましいチオ尿素化合物はテトラメ
チルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン
チオンである。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合
物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成に
より異なるが、ハロゲン化銀1molあたり10-5〜1
-2molが好ましい。
【0029】コントロールド・ダブルジェット法および
ハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型
が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作
るのが容易であり、本発明に用いられるハロゲン化銀乳
剤を作るのに有用な手段である。また、粒子サイズを均
一にするためには、英国特許第1,535,016号明
細書、特公昭48−36890号公報、同52−163
64号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン
化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させ
る方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特
開昭55−158124号公報に記載されているように
水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を
超えない範囲において早く成長させることが好ましい。
【0030】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
シアン化物配位子を1個以上含有する金属錯体をハロゲ
ン化銀中に銀1mol当たり、1×10-6mol以上含
有する。ハロゲン化銀中に銀1mol当たり、5×10
-6mol〜1×10-2mol含有することが好ましい。
さらには、ハロゲン化銀中に銀1mol当たり、5×1
-6mol〜5×10-3mol含有することが特に好ま
しい。本発明に用いられるシアン化物配位子を1個以上
含有する金属錯体は水溶性錯塩の形で添加される。特に
好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が
挙げられる。 〔M(CN)n16-n1n- ここでMはV〜VIII族に属する金属を表し、特にRu、
Re、Os、Feが好ましい。Lはシアン化合物以外の
配位子を表し、ハロゲン化物配位子、ニトロシル配位
子、チオニトロシル配位子などが好ましい。n1は1〜
6を表し、nは0、1、2、3または4を表す。n1は
6であることが好ましい。この場合、対イオンは重要性
を持たず、アンモニウムまたはアルカリ金属イオンが用
いられる。以下に本発明に用いられる錯体の具体例を示
すが、本発明で用いることができる錯体はこれらに限定
されるものではない。
【0031】
【化15】 〔Re(NO)(CN)52- 〔Re(O)2(CN)43- 〔Os(NO)(CN)52- 〔Os(CN)64- 〔Os(O)2(CN)44- 〔Os(CN)64- 〔Ru(CN)64- 〔Fe(CN)64-
【0032】本発明に用いられる金属錯体は、ハロゲン
化銀粒子中のどこに存在していてもよいが、ハロゲン化
銀結晶の内部に存在することが好ましい。各ハロゲン化
銀結晶の銀の99mol%以下、好ましくは95mol
%以下、さらには0〜95mol%が含まれている内部
に存在することが最も好ましい。このためには、後述す
る実施例のように、感光性ハロゲン化銀粒子の形成を多
層的に行うことが好ましい。
【0033】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
シアン化合物配位子を1個以上含有する金属錯体の他
に、高コントラストおよび低カブリを達成するために、
ロジウム化合物、イリジウム化合物、レニウム化合物、
ルテニウム化合物、オスミニウム化合物などを含有する
ことが好ましい。
【0034】本発明に用いられるロジウム化合物とし
て、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。例え
ば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、またはロジ
ウム錯塩で配位子としてハロゲン、アミン類、オキザラ
ト、アコ等を持つもの、例えば、ヘキサクロロロジウム
(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、テト
ラクロロジアコロジウム錯塩、ヘキサブロモロジウム
(III)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯
塩、トリザラトロジウム(III)錯塩等が挙げられ
る。これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒
に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定
化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハ
ロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、
あるいはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaC
l、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いること
ができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化
銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別の
ハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能であ
る。
【0035】本発明に用いられるレニウム、ルテニウ
ム、オスミニウムは特開昭63−2042号公報、特開
平1−285941号公報、同2−20852号公報、
同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形
で添加される。特に好ましいものとして、以下の式で示
される六配位錯体が挙げられる。 〔ML6n- ここでMはRu、Re、またはOsを表し、Lは配位
子、nは0、1、2、3または4を表す。この場合、対
イオンは重要性を持たず、アンモニウムまたはアルカリ
金属イオンが用いられる。また好ましい配位子としては
ハロゲン化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシ
ル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる錯
体の具体例を示すが、本発明で用いることができる錯体
はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【化16】 〔ReCl63- 〔ReBr63- 〔ReCl5(NO)〕2- 〔Re(NS)Br52- 〔RuCl63- 〔RuCl4(H2O)21- 〔RuCl5(NO)〕2- 〔RuBr5(NS)〕2- 〔Ru(CO)3Cl32- 〔Ru(CO)Cl52- 〔Ru(CO)Br52- 〔OsCl63- 〔OsCl5(NO)〕2- 〔Os(NS)Br52-
【0037】これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1
mol当り1×10-9mol〜1×10-5molの範囲
が好ましく、特に好ましくは1×10-8mol〜1×1
-6molである。本発明に用いられるイリジウム化合
物としては、ヘキサクロロイリジウム、ヘキサブロモイ
リジウム、ヘキサアンミンイリジウム、ペンタクロロニ
トロシルイリジウム等が挙げられる。
【0038】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は化学増
感されることが好ましい。硫黄増感法、セレン増感法、
テルル増感法、貴金属増感法などの知られている方法を
用いることができ、単独または組み合わせて用いられ
る。組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感
法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、
硫黄増感法とテルル増感法と金増感法などが好ましい。
【0039】本発明に用いられる硫黄増感は、通常、硫
黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時
間攪拌することにより行われる。硫黄増感剤としては公
知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中
に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例え
ばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン
類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チ
オ硫酸塩、チオ尿素化合物である。チオ尿素化合物とし
ては米国特許第4,810,626号明細書に記載の特
定四置換チオ尿素化合物が特に好ましい。硫黄増感剤の
添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子
の大きさなどの種々の条件の下で変化するが、ハロゲン
化銀1mol当り10-7〜10-2molであり、より好
ましくは10-5〜10-3molである。
【0040】本発明に用いられるセレン増感剤として
は、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわ
ち、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化
合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌
することにより行われる。不安定型セレン化合物として
は特公昭44−15748号公報、同43−13489
号公報、特開平4−109240号公報、同4−324
855号公報等に記載の化合物を用いることができる。
特に特開平4−324855号公報中の一般式(VII
I)および(IX)で示される化合物を用いることが好
ましい。
【0041】本発明に用いられるテルル増感剤は、ハロ
ゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定さ
れるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン
化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−
313284号公報に記載の方法で試験することができ
る。具体的には、米国特許第1,623,499号明細
書、同第3,320,069号明細書、同第3,77
2,031号明細書、英国特許第235,211号明細
書、同第1,121,496号明細書、同第1,29
5,462号明細書、同第1,396,696号明細
書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−
204640号公報、同4−271341号公報、同4
−333043号公報、同5−303157号公報、ジ
ャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル
・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)6
35(1980),ibid 1102(1979),
ibid 645(1979)、ジャーナル・オブ・ケ
ミカル・ソサイアティー・パーキン・トランザクション
(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.) 1,2191(198
0)、S.パタイ(S. Patai)編、ザ・ケミストリー・
オブ・オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム
・カンパウンズ(The Chemistry of Organic Serenium
and Tellunium Compounds),Vol1(1986)、
同Vol2(1987)に記載の化合物を用いることが
できる。特に特開平4−324855号公報中の一般式
(II)(III)(IV)で示される化合物が好まし
い。
【0042】本発明で用いられるセレンおよびテルル増
感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成
条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1mol
当たり10-8〜10-2mol、好ましくは10-7〜10
-3mol程度を用いる。本発明における化学増感の条件
としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pA
gとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度
としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃であ
る。本発明に用いられる貴金属増感剤としては、金、白
金、パラジウム、イリジウム等が挙げられるが、特に金
増感が好ましい。本発明に用いられる金増感剤としては
具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カ
リウムオーリチオシアネート、硫化金などが挙げられ、
ハロゲン化銀1mol当たり10-7〜10-2mol程度
を用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳
剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程に
おいてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩など
を共存させてもよい。
【0043】本発明においては、還元増感を用いること
ができる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、
ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用い
ることができる。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤
には、欧州特許公開EP第293,917A号公報に示
される方法により、チオスルホン酸化合物を添加しても
よい。本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、ハロゲ
ン化銀乳剤を1〜3種類用いることが好ましい。2種以
上併用する場合には、平均粒子サイズの異なるもの、ハ
ロゲン組成の異なるもの、含有する金属錯体の量、種類
が異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異
なるもの、感度の異なるものを併用することが好まし
い。中でも高コントラストを得るためには、特開平6−
324426号公報に記載されているように、支持体に
近いほど高感度な乳剤を塗布することが好ましい。
【0044】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を構成
するハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層は、上記の一
般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI
a)および一般式(VIb)で表される分光増感色素を少
なくとも一つ含有することが好ましい。本発明で用いら
れる一般式(I)で表される化合物について説明する。
11が表す水可溶化基を有する炭素数8以下の脂肪族基
において、水可溶化基としては、例えば、スルホ基、カ
ルボキシ基、ホスフォノ基、スルファート基、スルフィ
ノ基等の各酸基が挙げられ、炭素数8以下の脂肪族基と
しては、例えば、分岐あるいは直鎖のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ペンチル、イ
ソブチル等の各基)、炭素原子数3〜8のアルケニル基
(例えば、3−ブテニル、2−プロペニル等の各基)あ
るいは炭素原子数3〜8のアラルキル基(例えば、ベン
ジル、フェネチル等の各基)が挙げられる。
【0045】Y11、Y12、Y13、Y14、W1が表す=N
(R1)におけるR1やR12、R13が表す脂肪族基として
は、例えば、炭素原子数1〜8の分岐あるいは直鎖のア
ルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n
−ペンチル、イソブチル等の各基)、炭素原子数3〜8
のアルケニル基(例えば、3−ブテニル、2−プロペニ
ル等の各基)あるいは炭素原子数3〜8のアラルキル基
(例えば、ベンジル、フェネチル等の各基)が挙げら
れ、アリール基としては、例えば、フェニル基が挙げら
れ、複素環基としては、例えば、ピリジル基(2−、4
−)、ピラジル基、フリル基(2−)、チエニル基(2
−)、スルホラニル基、テトラヒドロフリル基、ピペリ
ジニル基、ピロール基、イミダゾリル基等が挙げられ
る。
【0046】R12、R13およびR1の内の少なくとも2
つは水可溶化基を有している。R12、R13およびR1
有する水可溶化基としては、例えば、スルホ基、カルボ
キシ基、ホスフォノ基、スルファート基、スルフィノ基
等の各酸基が挙げられる。
【0047】R11、R12、R13およびR1の各基は他の
置換基を有していてもよい。これら置換基としては、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基
等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−
トリルオキシ基等)、シアノ基、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,
N−テトラメチレンカルバモイル基等)、スルファモイ
ル基(例えば、スルファモイル基、N,N−3−オキサ
ペンタメチレンアミノスルホニル基等)、メタンスルホ
ニル基、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカ
ルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリール基
(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、ア
シル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)等が挙
げられる。
【0048】水可溶化基を有する脂肪族基の具体的例と
して、カルボキシメチル、スルホエチル、スルホプロピ
ル、スルホブチル、スルホペンチル、3−スルホブチ
ル、6−スルホ−3−オキサヘキシル、ω−スルホプロ
ポキシキカルボニルメチル、ω−スルホプロピルアミノ
カルボニルメチル、N−エチル−N−スルホプロピル、
3−スルフィノブチル、3−ホスフォノプロピル、4−
スルホ−3−ブテニル、2−カルボキシ−2−プロペニ
ル、o−スルホベンジル、p−スルホフェネチル、p−
カルボキシベンジル等の各基が挙げられ、水可溶化基を
有するアリール基の具体的例として、p−スルホフェニ
ル基、p−カルボキシフェニル基等が挙げられ、水可溶
化基を有する複素環基の具体的例として、4−スルホチ
エニル基、3−カルボキシピリジル基等が挙げられる。
【0049】R11としては、スルホ基で置換されたアル
キル基が好ましく、R12、R13およびR1のいずれか少
なくとも二つの基が各々、カルボキシメチル基であるも
のが好ましい。
【0050】Z11によって形成される5員または6員の
含窒素複素環および縮合環を有する5員または6員の含
窒素複素環としては、シアニン色素を形成する塩基性の
複素環が挙げられる。これら複素環としては、例えば、
オキサゾール環、(オキサゾール、ベンゾオキサゾー
ル、ナフトオキサゾール等)、チアゾール環(例えば、
チアゾリジン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフト
チアゾール等)、イミダゾール環(例えば、イミダゾー
ル、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール等)、セ
レナゾール環(例えば、セレナゾール、ベンゾセレナゾ
ール、ナフトセレナゾール等)、テルラゾール環(例え
ば、テルラゾール、ベンゾテルラゾール、ナフトテルラ
ゾール等)、ピリジン環(例えば、ピリジン、キノリン
等)、ピロール環(例えば、ピロール、インドール、イ
ンドレニン等)が挙げられる。
【0051】これら複素環は、任意の位置に置換基を有
していてもよく、これら置換基としては、例えば、ハロ
ゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原
子)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、
メトキシ、エトキシ、ブトキシ等の無置換アルコキシ
基、2−メトキシエトキシ、ベンジルオキシ等の置換ア
ルコキシ基)、ヒドロキシ基、シアノ基、アリールオキ
シ基(例えば、フェノキシ、トリルオキシ等の置換、無
置換の各基)、アリール基(例えば、フェニル、p−ク
ロロフェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル等の
置換、無置換の各基)、スチリル基、複素環基(例え
ば、フリル、チエニル等の各基)、カルバモイル基(例
えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル等の各
基)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、
N,N−ジメチルスルファモイル等の各基)、アシルア
ミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミ
ノ、ベンゾイルアミノ等の各基)、アシル基(例えば、
アセチル、ベンゾイル等の各基)、アルコキシカルボニ
ル基(例えば、エトキシカルボニル等の各基)、スルホ
ンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミド、ベンゼ
ンスルホンアミド等の各基)、スルホニル基(例えば、
メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等の各
基)、カルボキキシ基、アルキル基(例えば、メチル、
エチル、イソプロピル等の任意の基が挙げられる。
【0052】L11、L12で表されるメチン基の炭素に置
換される基としては、例えば、低級アルキル基(例え
ば、メチル、エチル等の各基)、フェニル基(例えば、
フェニル、カルボキシフェニル等の各基)、アルコキシ
基(例えば、メトキシ、エトキシ等の各基)、アリール
オキシ基(例えば、フェノキシ、カルボキシフェノキシ
等の各基)、アラルキル(例えば、ベンジル等の各
基)、フッ素原子、複素環基(例えば、ピリジル、ピロ
リル、テトラヒドロフェニル、チエニル、フリル、ペン
タヒドロオキサジニル等の各基)等の基がある。
【0053】メチン基の炭素のいずれか一つが置換され
ている色素を用いれば、概して高い分光感度が得られ、
かつ、処理浴中で漂白され易い特性を与え、残色汚染を
軽減させる好ましい効果を有する。
【0054】W1で表される=C(E11)(E12)にお
けるE11、E12が表す電子吸引性の基は、ハメットσp
値が0.3より大きな基から選択される。具体的には、
シアノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、モ
ルホリノカルバモイル、N−メチルカルバモイル等の各
基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル等の各基)、スルファモイ
ル基(例えば、スルファモイル、モルフォリノスルホニ
ル、N,N−ジメチルスルファモイル等の各基)、アシ
ル基(例えば、アセチル、ベンゾイル等の各基)、スル
ホニル基(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニ
ル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル等の各
基)等が挙げられる。
【0055】ハメットσp値は、Hammett等によって安
息香酸エステルの加水分解に及ぼす置換基の電子的効果
から求められた置換基定数であり、ジャーナル・オブ・
オーガニック・ケミストリー23巻、420−427
(1958)、実験化学講座14巻(丸善出版社)、フ
ィジカル・オーガニック・ケミストリー(McGraw Hill
Book社:1940),ドラックデザインVII巻(Acad
emic Prees New York:1976)、薬物の構造活性
相関(南江堂:1979)等に詳しく記載されている。
【0056】E11およびE12が互いに結合して=C(E
11)(E12)で形成されるケト環並びに酸性の複素環と
しては、例えば、以下の式で表される環が挙げられる。
【0057】
【化17】
【0058】式中、RaおよびRbは、各々、低級アル
キル基、アリール基、複素環基を表し、低級アルキル基
としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−ヒ
ドロキシエチル、2−メトキシエチル、トリフルオロエ
チル、アリル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、
2−スルホエチル、ベンジル等の置換、無置換の各基が
挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基が
挙げられ、複素環基としては、例えば、ピリジル基(2
−、4−)、ピラジル基、フリル基(2−)、チエニル
基(2−)、スルホラニル基、テトラヒドロフリル基、
ピペリジニル基、ピロール基、イミダゾリル基等が挙げ
られる。
【0059】M1は、分子の電荷を相殺するのに必要な
イオンを表し、カチオンの具体例としては、例えば、プ
ロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチル
アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の各イオ
ン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、
カルシウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの
具体例としては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、塩
素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエン
スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ素
イオン等が挙げられる。
【0060】n11は、分子の総電荷をM1によって中和
させるのに必要な数である。色素分子が、分子内塩を形
成するものであるときには分子の電荷を相殺する必要は
なく、n11は0である。
【0061】一般式(I)で表される分光増感色素の中
でも、下記一般式(Ia)で表される分光増感色素が好
ましい。
【0062】
【化18】
【0063】(式中、Y11、Y12、Y13、R11、R12
13、L11、L12、M1、n11は、各々一般式(I)に
おけるY11、Y12、Y13、R11、R12、R13、L11、L
12、M 1、n11とそれぞれ同義である。R14は脂肪族
基、アリール基または複素環基を表す。ただし、R1
12、R13およびR14の内の少なくとも3つは水可溶化
基を有している。Z12は、5員または6員の含窒素複素
環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、
12によって形成される5員または6員の含窒素複素環
はさらに縮合環を有していてもよい。)
【0064】以下に、一般式(I)で表される分光増感
色素の具体例を示すが、本発明で用いることができる一
般式(I)で表される分光増感色素はこれらに限定され
るものではない。
【0065】
【化19】
【0066】
【化20】
【0067】
【化21】
【0068】
【化22】
【0069】
【化23】
【0070】
【化24】
【0071】
【化25】
【0072】
【化26】
【0073】次に、本発明で用いられる一般式(II)
で表される化合物について説明する。R21が表す水可溶
化基を有する炭素数8以下の脂肪族基において、水可溶
化基としては、例えば、スルホ基、カルボキシ基、ホス
フォノ基、スルファート基、スルフィノ基等の各酸基が
挙げられ、炭素数8以下の脂肪族基としては、例えば、
分岐あるいは直鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、n−ペンチル、イソブチル等の各
基)、炭素原子数3〜8のアルケニル基(例えば、3−
ブテニル、2−プロペニル等の各基)あるいは炭素原子
数3〜8のアラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチ
ル等の各基)が挙げられる。
【0074】Y21、Y22が表す=N(R2)におけるR2
やR22、R23が表す脂肪族基としては、例えば、炭素原
子数1〜8の分岐あるいは直鎖のアルキル基(例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、n−ペンチル、イソブ
チル等の各基)、炭素原子数3〜8のアルケニル基(例
えば、3−ブテニル、2−プロペニル等の各基)あるい
は炭素原子数3〜8のアラルキル基(例えば、ベンジ
ル、フェネチル等の各基)が挙げられ、アリール基とし
ては、例えば、フェニル基が挙げられ、複素環基として
は、例えば、ピリジル基(2−、4−)、ピラジル基、
フリル基(2−)、チエニル基(2−)、スルホラニル
基、テトラヒドロフリル基、ピペリジニル基、ピロール
基、イミダゾリル基等が挙げられる。
【0075】R22、R23およびR2の内の少なくとも2
つは水可溶化基を有している。R22、R23およびR2
有する水可溶化基としては、例えば、スルホ基、カルボ
キシ基、ホスフォノ基、スルファート基、スルフィノ基
等の各酸基が挙げられる。
【0076】R21、R22、R23およびR2の各基は他の
置換基を有していてもよい。これら置換基としては、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基
等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、p−
トリルオキシ基等)、シアノ基、カルバモイル基(例え
ば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,
N−テトラメチレンカルバモイル基等)、スルファモイ
ル基(例えば、スルファモイル基、N,N−3−オキサ
ペンタメチレンアミノスルホニル基等)、メタンスルホ
ニル基、アルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカ
ルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリール基
(例えば、フェニル基、カルボキシフェニル基等)、ア
シル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)等が挙
げられる。
【0077】水可溶化基を有する脂肪族基の具体的例と
して、カルボキシメチル、スルホエチル、スルホプロピ
ル、スルホブチル、スルホペンチル、3−スルホブチ
ル、6−スルホ−3−オキサヘキシル、ω−スルホプロ
ポキシキカルボニルメチル、ω−スルホプロピルアミノ
カルボニルメチル、N−エチル−N−スルホプロピル、
3−スルフィノブチル、3−ホスフォノプロピル、4−
スルホ−3−ブテニル、2−カルボキシ−2−プロペニ
ル、o−スルホベンジル、p−スルホフェネチル、p−
カルボキシベンジル等の各基が挙げられ、水可溶化基を
有するアリール基の具体的例として、p−スルホフェニ
ル基、p−カルボキシフェニル基等の各基が挙げられ、
水可溶化基を有する複素環基の具体的例として、4−ス
ルホチエニル基、3−カルボキシピリジル基等の各基が
挙げられる。
【0078】R21としては、スルホ基で置換されたアル
キル基が好ましく、R22、R23およびR2のいずれか少
なくとも二つの基が各々、カルボキシメチル基であるも
のが好ましい。
【0079】Z21によって形成される5員または6員の
含窒素複素環および縮合環を有する5員または6員の含
窒素複素環としては、シアニン色素を形成する塩基性の
複素環が挙げられる。これら複素環としては、例えば、
オキサゾール環、(オキサゾール、ベンゾオキサゾー
ル、ナフトオキサゾール等)、チアゾール環(例えば、
チアゾリジン、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフト
チアゾール等)、イミダゾール環(例えば、イミダゾー
ル、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール等)、セ
レナゾール環(例えば、セレナゾール、ベンゾセレナゾ
ール、ナフトセレナゾール等)、テルラゾール環(例え
ば、テルラゾール、ベンゾテルラゾール、ナフトテルラ
ゾール等)、ピリジン環(例えば、ピリジン、キノリン
等)、ピロール環(例えば、ピロール、インドール、イ
ンドレニン等)が挙げられる。
【0080】これら複素環は、任意の位置に置換基を有
していてもよく、これら置換基としては、例えば、ハロ
ゲン原子(フッソ原子、塩素原子、臭素原子、沃素原
子)、トリフルオロメチル基、アルコキシ基(例えば、
メトキシ、エトキシ、ブトキシ等の無置換アルコキシ
基、2−メトキシエトキシ、ベンジルオキシ等の置換ア
ルコキシ基)、ヒドロキシ基、シアノ基、アリールオキ
シ基(例えば、フェノキシ、トリルオキシ等の置換、無
置換の各基)、アリール基(例えば、フェニル、p−ク
ロロフェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル等の
置換、無置換の各基)、スチリル基、複素環基(例え
ば、フリル、チエニル等の各基)、カルバモイル基(例
えば、カルバモイル、N−エチルカルバモイル等の各
基)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、
N,N−ジメチルスルファモイル等の各基)、アシルア
ミノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミ
ノ、ベンゾイルアミノ等の各基)、アシル基(例えば、
アセチル、ベンゾイル等の各基)、アルコキシカルボニ
ル基(例えば、エトキシカルボニル等の各基)、スルホ
ンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミド、ベンゼ
ンスルホンアミド等の各基)、スルホニル基(例えば、
メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等の各
基)、カルボキキシ基、アルキル基(例えば、メチル、
エチル、イソプロピル等の任意の基が挙げられる。
【0081】L21、L22、L23、L24で表されるメチン
基の炭素に置換される基としては、例えば、低級アルキ
ル基(例えば、メチル、エチル等の各基)、フェニル基
(例えば、フェニル、カルボキシフェニル等の各基)、
アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等の各
基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、カルボ
キシフェノキシ等の各基)、アラルキル(例えば、ベン
ジル等の各基)、フッ素原子、複素環基(例えば、ピリ
ジル、ピロリル、テトラヒドロフェニル、チエニル、フ
リル、ペンタヒドロオキサジニル等の各基)等の基があ
る。
【0082】W2で表される=N(Ar)におけるAr
が表す芳香族基または芳香族性の複素環基としては、例
えば、フェニル基、ピリジル基(2−、4−)、ピラジ
ル基、フリル基(2−)、チエニル基(2−)、ピロー
ル基、イミダゾリル基等が挙げられる。
【0083】W2で表される=C(E21)(E22)にお
けるE21、E22が表す電子吸引性の基は、ハメットσp
値が0.3より大きな基から選択される。具体的には、
シアノ基、カルバモイル基(例えば、カルバモイル、モ
ルホリノカルバモイル、N−メチルカルバモイル等の各
基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル等の各基)、スルファモイ
ル基(例えば、スルファモイル、モルフォリノスルホニ
ル、N,N−ジメチルスルファモイル等の各基)、アシ
ル基(例えば、アセチル、ベンゾイル等の各基)、スル
ホニル基(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニ
ル、ベンゼンスルホニル、トルエンスルホニル等の各
基)等が挙げられる。
【0084】ハメットσp値は、Hammett等によ
って安息香酸エステルの加水分解に及ぼす置換基の電子
的効果から求められた置換基定数であり、ジャーナル・
オブ・オーガニック・ケミストリー23巻、420〜4
27(1958)、実験化学講座14巻(丸善出版
社)、フィジカル・オーガニック・ケミストリー(McGr
awHill Book社:1940),ドラックデザインVII
巻(Academic Prees New York:1976)、薬物の
構造活性相関(南江堂:1979)等に詳しく記載され
ている。
【0085】E21およびE22が互いに結合して=C(E
21)(E22)で形成されるケト環並びに酸性の複素環と
しては、例えば、以下の式で表される環が挙げられる。
【0086】
【化27】
【0087】式中、RaおよびRbは、各々、低級アル
キル基、アリール基、複素環基を表し、低級アルキル基
としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−ヒ
ドロキシエチル、2−メトキシエチル、トリフルオロエ
チル、アリル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、
2−スルホエチル、ベンジル等の置換、無置換の各基が
挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基が
挙げられ、複素環基としては、例えば、ピリジル基(2
−、4−)、ピラジル基、フリル基(2−)、チエニル
基(2−)、スルホラニル基、テトラヒドロフリル基、
ピペリジニル基、ピロール基、イミダゾリル基等が挙げ
られる。
【0088】M2は、分子の電荷を相殺するのに必要な
イオンを表し、カチオンの具体例としては、例えば、プ
ロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチル
アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の各イオ
ン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、
カルシウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの
具体例としては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、塩
素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエン
スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ素
イオン等が挙げられる。
【0089】n21は、分子の総電荷をM2によって中和
させるのに必要な数である。色素分子が、分子内塩を形
成するものであるときには分子の電荷を相殺する必要は
なく、n21は0である。
【0090】一般式(II)で表される分光増感色素の
中でも、下記一般式(IIa)で表される分光増感色素
が好ましい。
【0091】
【化28】
【0092】(式中、Y21、Y22、R21、R22、R23
2、n21は、各々一般式(II)におけるY21
22、R21、R22、R23、M2、n21とそれぞれ同義で
ある。Z22は、5員または6員の含窒素複素環を形成す
るのに必要な非金属原子群を表す。ただし、Z22によっ
て形成される5員または6員の含窒素複素環はさらに縮
合環を有していてもよい。L25、L26、L27およびL28
は、各々独立に置換あるいは無置換のメチン基を表し、
25、L26、L27およびL28のうちの少なくとも1つは
置換基を有している。)
【0093】一般式(IIa)において、L25、L26
27、L28で表されるメチン基の炭素に置換される基と
しては、例えば、低級アルキル基(例えば、メチル、エ
チル等の各基)、フェニル基(例えば、フェニル、カル
ボキシフェニル等の各基)、アルコキシ基(例えば、メ
トキシ、エトキシ等の各基)、アリールオキシ基(例え
ば、フェノキシ、カルボキシフェノキシ等の各基)、ア
ラルキル(例えば、ベンジル等の各基)、フッ素原子、
複素環基(例えば、ピリジル、ピロリル、テトラヒドロ
フェニル、チエニル、フリル、ペンタヒドロオキサジニ
ル等の各基)等の基がある。
【0094】Z22によって形成される5員または6員の
含窒素複素環および縮合環を有する5員または6員の含
窒素複素環としては、一般式(II)におけるZ21によ
って形成される5員または6員の含窒素複素環および縮
合環を有する5員または6員の含窒素複素環と同様の含
窒素複素環が挙げらる。
【0095】以下に、一般式(II)で表される分光増
感色素の具体例を示すが、本発明で用いることができる
一般式(II)で表される分光増感色素はこれらに限定
されるものではない。
【0096】
【化29】
【0097】
【化30】
【0098】
【化31】
【0099】
【化32】
【0100】
【化33】
【0101】
【化34】
【0102】
【化35】
【0103】
【化36】
【0104】上記の化合物は、例えば、エフ・エム・ハ
ーマ著「シアニン・ダイズ・アンド・リレーテッド・コ
ンパウンズ」(1964,インター・サイエンス・パブ
リッシャーズ発刊)、J.C.S.,1954,149
0〜1501、米国特許第2,454,629号明細
書、同第2,493,748号明細書、英国特許第48
9,335号明細書、欧州特許公開EP730,008
A号公報等に記載された従来公知の方法を参考にして容
易に合成することができる。
【0105】具体的合成例については、後述する製造例
1および製造例2を参考にすることができる。製造例1
および製造例2で合成した化合物以外の例示化合物につ
いても、これらの製造例に記載される方法と同様の方法
によって合成することができる。
【0106】次に、本発明で用いられる一般式(II
I)で表される化合物について説明する。R31およびR
32は、アルキル基を表す。ただし、少なくとも一方のア
ルキル基は水溶性基を有する。水溶性基は該化合物に水
溶性を付与するための基であり、水溶性基は室温で該化
含物の少なくとも0.5gが水1L中に溶解するもので
あることが好ましい。R31およびR32として具体的に
は、次のようなものが拳げられる。これらの中でも酸基
を持つアルキル基が好ましい。
【0107】
【化37】
【0108】式中、Q31は、アルキレン基、アリーレン
基またはアルケニレン基を表す。M 31は、水素原子、ア
ンモニウム、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリ
ウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム)、有
機アミン塩(例えば、トリエチルアミン塩、1,8−ジ
アザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン塩)を表
す。R33は、アルキル基またはアリール基を表す。Q31
として好ましくは、アルキレン基(例えば、メチレン
基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレ
ン基)、アリーレン基(例えば、フェニレン基)、アル
ケニレン基(例えば、プロペニレン基)、または、これ
らを組合わせた基である。
【0109】さらに、これらは、アミド基、エステル
基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド
基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、
エーテル基、カルボニル基、アミノ基を1つまたはそれ
以上含んでいてもよい。Q31の具体例を下記に示す。
【0110】
【化38】
【0111】その他に、欧州特許公開EP第472,0
04A号公報第5〜7頁記載の連結基を用いることがで
きる。特に好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基、ブチレン基である。
【0112】R33で表されるアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基が挙げら
れ、アリール基としては、例えば、フェニル基、4−ク
ロロフェニル基が挙げられる。
【0113】R31として好ましくは、スルホアルキル基
(例えば、4−スルホブチル基、3−スルホブチル基、
3−スルホプロピル基、2−スルホエチル基)である。
32として好ましくは、カルボキシアルキル基(例え
ば、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基)で
ある。R31としてさらに好ましくは、2−スルホエチル
基であり、R32としてさらに好ましくは、カルボキシメ
チル基である。
【0114】V31、V32、V33およびV34は、水素原子
または1価の置換基ならば、いかなるものでもよいが、
好ましくは、水素原子、アルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基)、置換アルキル基(例え
ば、ヒドロキシメチル基)、アルコキシ基(例えば、メ
トキシ基、エトキシ基)、ハロゲン原子(例えば、フッ
素原子、塩素原子)、ヒドロキシ基、アシル基(例え
ば、アセチル基)、カルバモイル基、カルボキシ基、ま
たはシアノ基である。さらに好ましくは、水素原子、ア
ルキル基(例えば、メチル基)、アルコキシ基(例え
ば、メトキシ基)である。特に好ましくは、水素原子で
ある。分子量の合計とは、単純にV31、V32、V 33およ
びV34の分子量を合計したものである。例えば、V31
32=V33=V34=水素原子の場合4であり、V31=V
32=V34=水素原子かつV33=フェニル基の場合77で
ある。
【0115】L31、L32、L33およびL34は、メチン基
または置換メチン基{例えば、置換もしくは無置換のア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2
−カルボキシエチル基)、置換もしくは無置換のアリー
ル基(例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル
基、o−カルボキシフェニル基)、複素環基(例えば、
ピリジル基、チエニル基、フラノ基、バルビツール
酸)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、
アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、ア
ミノ基(例えば、N,N−ジフェニルアミノ基、N−メ
チル−N−フェニルアミノ基、N−メチルピペラジノ
基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチル
チオ基)、などで置換されたものなど}を表し、また、
他のメチン基と環を形成してもよく、あるいは、助色団
と環を形成することもできる。
【0116】L31、L32およびL34として好ましくは、
無置換メチン基である。L33として好ましくは、無置換
アルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、置換メチ
ン基であり、さらに好ましくは、メチル基置換メチン基
である。
【0117】M3は、分子の電荷を相殺するのに必要な
イオンを表し、カチオンの具体例としては、例えば、プ
ロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチル
アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の各イオ
ン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、
カルシウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの
具体例としては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、塩
素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエン
スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ素
イオン等が挙げられる。
【0118】n31は、分子の総電荷をM3によって中和
させるのに必要な数である。色素分子が、分子内塩を形
成するものであるときには分子の電荷を相殺する必要は
なく、n31は0である。
【0119】一般式(III)において、特に好ましい
置換基の組み合わせは、V31、V32、V33およびV34
水素原子であり、R31がスルホアルキル基またはその
塩、好ましくはスルホエチル基またはその塩であり、R
32がカルボキシアルキル基またはその塩、好ましくは、
カルボキシメチル基またはその塩であり、L31、L32
よびL34がメチン基であり、L33がメチル基置換のメチ
ン基である場合である。これは、次の一般式(III−
a)で表すことができる。
【0120】
【化39】
【0121】(式中、M3は、一般式(III)におけ
るM3と同義であり、一般式(III)におけるM3と同
様なものが好ましい。さらに好ましくは、ナトリウムイ
オンである。n32は、n31と同義である。Q32およびQ
33はQ31と同義であり、好ましくは、アルキレン基(例
えは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレ
ン基)である。Q32としてさらに好ましくは、エチレン
基であり、Q33として特に好ましくは、メチレン基であ
る。)
【0122】以下に、一般式(III)で表される化合
物の代表例を示すが、本発明で用いることができる化合
物はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0123】
【化40】
【0124】
【化41】
【0125】
【化42】
【0126】一般式(III)で表される化合物は、エ
フ・エム・ハーマー(F.M.Hamer著「ヘテロサイクリッ
ク・コンパウンズ・シアニン・ダイズ・アンド・リレイ
テッド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyan
ine Dyes and Related Compounds)(ジョン・ウイ
リー・アンド・サンズ John Wiley&Sons社−ニュー
ヨーク、ロンドン、1964年刊).、デー・エム・ス
ターマー(D.M.Sturmer)著,「ヘテロサイクリック・
コンパウンズ−−スペシャル・トピックス・イン・ヘテ
ロサイクリック・ケミストリー−(Heterocyclic Comp
ounds--Specialtopics in heterocyclic chemistry-
-)」第18章,第14節,第482〜515頁,ジョ
ン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons)
社,ニューヨーク、ロンドン,(1977年刊).、
「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウン
ズ(Rodd'S Chemistry of Carbon Compounds)」,
(2nd.Ed.vol.IV,partB,1977年刊),第15章,
第369〜422頁;(2nd.Ed.vol.IV,partB,198
5年刊),第15章,第267〜296頁,エルスバイ
ヤー・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク
(Elsevier SciencePublishing Company Inc.)社
刊,ニューヨーク.などに記載の方法に基づいて合成す
ることができる。
【0127】次に、本発明で用いられる一般式(IV)
で表される化合物について説明する。一般式(IV)に
おいて、Z41は、縮合環を有していてもよい5員または
6員の複素環を完成するのに必要な原子団を表すが、該
原子団としては、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール
環、ナフトオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチア
ゾール環、ナフトチアゾール環、イミダゾール環、ベン
ズイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、ピリジン
環、キノリン環、1,3,4−チアジアゾール環、チア
ゾリン環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナ
フトセレナゾール環、ベンゾテルラゾール環またはナフ
トテルラゾール環を完成する原子団であることが好まし
い。
【0128】一般式(IV)で表される分光増感色素に
おいて、少なくとも3個の水可溶化基を有するが、少な
くともR44、R45およびR46上に、水可溶化基を有する
のが好ましく、さらに、各R44、R45およびR46上に水
可溶化基を一つ有することが好ましい。また、水可溶化
基は4個以上有することができるが、その場合、R41
44、R45およびR46の少なくとも3つ、さらには、4
つ全てが水可溶化基を有することが好ましい。また、そ
れらの各々がそのような置換基を一つだけ有すのが好ま
しい。しかし、水可溶化基は必ずしも特定の基上にある
必要はなく、例えば、R41、R42、R43が一つ以上の酸
置換基またはその塩を有していてもよい。
【0129】一般式(IV)で表される分光増感色素の
中でもは、下記一般式(IVa)で表される分光増感色
素が好ましい。
【0130】
【化43】
【0131】(式中、R41、R42、R43、R44、R45
46、M4およびn41は、一般式(IV)における
41、R42、R43、R44、R45、R46、M4およびn41
とそれぞれ同義である。
【0132】R47およびR48は、各々独立にアルキル
基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ア
シル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ア
ルキルスルホニル基、カルバモイル基、スルファモイル
基、アリール基、アリールチオ基、ヘテロ芳香族基、水
素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシ基、
シアノ基を表す。また、R41およびR42は、一緒になっ
てベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環を形
成するのに必要な原子団を表す。
【0133】R41、R42、R43、R44、R45、R46、R
47およびR48は、置換基として、別の芳香環基を有する
ものではない。
【0134】一般式(IVa)で表される分光増感色素
は少なくとも3個の水可溶化基を有する。)上記一般式
(IVa)において、R47およびR48が表すアルキル基
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基が挙げられ、アルケニル基としては、例えば、
3−ブテニル基、2−プロペニル基が挙げられ、アルコ
キシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロピルオキシ基、ブトキシ基が挙げられ、アルキルチオ
基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プ
ロピルチオ基、ブチルチオ基が挙げられ、アシル基とし
ては、例えば、メチルカルボニル基、エチルカルボニル
基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基が挙げ
られ、アシルオキシ基としては、例えば、メチルカルボ
ニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、プロピルカ
ルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基が挙げら
れ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、メチル
オキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロ
ピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基が
挙げられ、アルキルスルホニル基としては、例えば、メ
チルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスル
ホニル基、ブチルスルホニル基が挙げられ、カルバモイ
ル基としては、例えば、メチルカルバモイル基、エチル
カルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカル
バモイル基が挙げられ、スルファモイル基としては、例
えば、メチルスルファモイル基、エチルスルファモイル
基、プロピルスルファモイル基、ブチルスルファモイル
基が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル
基が挙げられ、アリールチオ基としては、例えば、フェ
ニルチオ基が挙げられ、ヘテロ芳香族基としては、例え
ば、ピリジル基、ピロリル基、テトラヒドロフェニル
基、チエニル基、フリル基、ペンタヒドロオキサジニル
基が挙げられ、ハロゲン原子としては、例えば、塩素原
子、フッ素原子、臭素原子、沃素原子が挙げられる。上
記の各基はさらに置換基を有していてもよい。
【0135】一般式(IV)および一般式(IVa)に
おいて、R41、R42、R43、R44、R45およびR46が表
すアルキル基、アルケニル基としては、炭素数1〜20
のアルキル基、アルケニル基が挙げられる。これらアル
キル基、アルケニル基として好ましいものは炭素数1〜
10のアルキル基、アルケニル基であり、さらに好まし
くは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜4のアル
キル基、アルケニル基である。これらのアルキル基、ア
ルケニル基は、直鎖、分枝鎖または環状であってもよ
く、また、置換基、例えば、ヒドロキシ基、スルホ基を
有していてもよい。これらアルキル基、アルケニル基の
具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、4−スルホブチル基、
3−スルホプロピル基、3−ブテニル基、2−プロペニ
ル基が挙げられる。
【0136】R41、R44、R45およびR46は、炭素数1
〜5のアルキル基が好ましく、R42およびR43は、水素
原子、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、特に、R
42が水素原子でR43が無置換のメチル基またはエチル基
等のアルキル基であるものが好ましい。
【0137】M4は、分子の電荷を相殺するのに必要な
イオンを表し、カチオンの具体例としては、例えば、プ
ロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチル
アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の各イオ
ン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、
カルシウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの
具体例としては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、塩
素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエン
スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ素
イオン等が挙げられる。
【0138】n41は、分子の総電荷をM4によって中和
させるのに必要な数である。色素分子が、分子内塩を形
成するものであるときには分子の電荷を相殺する必要は
なく、n41は0である。
【0139】一般式(IV)および一般式(IVa)で
表される分光増感色素は少なくとも3個の水可溶化基を
有するが、これら水可溶化基としては、例えば、酸置換
基またはその塩が挙げられる。これら水可溶化基の具体
例としては、カルボキシ基、スルホ基、ホスファト基、
ホスホノ基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ア
シルスルホンアミド基(例えば、−CH2CONHSO2
CH3)が挙げられる。一般式(IV)および一般式
(IVa)において、水可溶化基には、イオン化または
イオン性プロトンのないエステルは含まれない。
【0140】水可溶化基として特に好ましいものは、カ
ルボキシ基およびスルホ基(例えば、3−スルホブチル
基、4−スルホブチル基、3−スルホプロピル基、2−
スルホエチル基、カルボキシメチル基、カルボキシエチ
ル基、カルボキシプロピル基)である。
【0141】上記で述べた各置換基が有することができ
る置換基の具体的例としてはさらに、例えば、ハロゲン
原子(例えば、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、ア
ルコキシ基(特に、炭素数1〜10のアルコキシ基;例
えば、メトキシ基、エトキシ基)、置換もしくは無置換
のアルキル基(特に、炭素数1〜10のアルキル基;例
えば、メチル基、トリフルオロメチル基)、アミド基も
しくはカルバモイル基(特に、炭素数1〜10、さらに
好ましくは、炭素数1〜6のアミド基もしくはカルバモ
イル基)、アルコキシカルボニル基(特に、炭素数1〜
10、さらに好ましくは、1〜6のアルキル基を有する
アルコキシカルボニル基)、置換もしくは無置換のアリ
ール基(特に、炭素数1〜10、さらに好ましくは、1
〜6の置換もしくは無置換のアリール基;例えば、フェ
ニル基、5−クロロフェニル基)、チオアルキル基(例
えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、ヒドロキシ基、
アルケニル基(特に、炭素数1〜10、さらに好ましく
は、1〜6のアルケニル基)を挙げることができる。
【0142】一般式(IV)で表される分光増感色素
は、最大感度の波長(λmax)が、約550nmと7
50nmとの間、好ましくは、600nmと690nm
との間、最も好ましくは620nmと680nmとの間
にある感光性ハロゲン化銀乳剤に提供する。
【0143】一般式(IV)で表される分光増感色素
は、英国特許第489,335号明細書に記載されてお
り、出発原料として三核メロシアニンを用いて合成でき
る。また、一般式(IV)で表される分光増感色素は、
Meeの1995年2月28日出願の米国特許出願(発
明の名称「METHOD OF SYNTHESIZINGDEYS AND PRECU
RSOR COMPOUNDS YHEREFOR」)明細書に詳細に記載さ
れている方法で調製することができる。
【0144】以下に、一般式(IV)で表される分光増
感色素の具体例を示すが、本発明で用いることができる
一般式(IV)で表される分光増感色素はこれらに限定
されるものではない。
【0145】
【化44】
【0146】
【化45】
【0147】次に、本発明で用いられる一般式(V)で
表される化合物について説明する。Z51またはZ52によ
って形成される5員または6員の含窒素複素環および縮
合環を有する5員または6員の含窒素複素環としては、
例えば、チアゾール環(例えば、チアゾール、4−メチ
ルチアゾール、4−フェニルチアゾール、4,5−ジメ
チルチアゾール、4,5−ジ−フェニルチアゾールな
ど)、ベンゾチアゾール環(例えば、ベンゾチアゾー
ル、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチ
アゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベ
ンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、6−ブ
ロモベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、
6−ヨードベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチア
ゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシ
ベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、5
−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、5−ヒドロキ
シベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチアゾー
ル、5−フルオロベンゾチアゾール、5−ジメチルアミ
ノベンゾチアゾール、5−アセチルアミノベンゾチアゾ
ール、5−トリフロロメチルベンゾチアゾール、5,6
−ジメチルベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−6−メ
チルベンゾチアゾール、5−エトキシ−6−メチルベン
ゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾールなど)、
ナフトチアゾール環(例えば、ナフト〔2,1−d〕チ
アゾール、ナフト〔1,2−d〕チアゾール、ナフト
〔2,3−d〕チアゾール、5−メトキシナフト〔1,
2−d〕チアゾール、7−エトキシナフト〔2,1−
d〕チアゾール、8−メトキシナフト〔2,1−d〕チ
アゾール、5−メトキシナフト〔2,3−d〕チアゾー
ルなど)、セレナゾール環(例えば、4−メチルセレナ
ゾール、4−フェニルセレナゾールなど)、ベンゾセレ
ナゾール環(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロ
ベンゾセレナゾール、5−フェニルベンゾセレナゾー
ル、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−メチルベン
ゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾールな
ど)、ナフトセレナゾール環(例えば、ナフト〔2,1
−d〕セレナゾール、ナフト〔1,2−d〕セレナゾー
ルなど)、オキサゾール環(例えば、オキサゾール、4
−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4,
5−ジメチルオキサゾールなど)、ベンズオキサゾール
環(例えば、ベンズオキサゾール、5−フルオロベンズ
オキサゾール、5−クロロベンズオキサゾール、5−ブ
ロモベンズオキサゾール、5−トリフルオロメチルベン
ズオキサゾール、5−メチルベンズオキサゾール、5−
メチル−6−フェニルベンズオキサゾール、5,6−ジ
メチルベンズオキサゾール、5−メトキシベンズオキサ
ゾール、5,6−ジメトキシベンズオキサゾール、5−
フェニルベンズオキサゾール、5−カルボキシベンズオ
キサゾール、5−メトキシカルボニルベンズオキサゾー
ル、5−アセチルベンズオキサゾール、5−ヒドロキシ
ベンズオキサゾールなど)、ナフトオキサゾール環(例
えば、ナフト〔2,1−d〕オキサゾール、ナフト
〔1,2−d〕オキサゾール、ナフト〔2,3−d〕オ
キサゾールなど)、2−キノリン核、イミダゾール核、
ベンズイミダゾール環、3,3’−ジアルキルインドレ
ニン環、2−ピリジン環、チアゾリン環を挙げることが
できる。
【0148】Z51またはZ52によって形成される5員ま
たは6員の含窒素複素環および縮合環を有する5員また
は6員の含窒素複素環の少なくとも1つが、チアゾール
環、チアゾリン環、オキサゾール環、ベンツオキサゾー
ル環である場合、特に好ましい。
【0149】R51およびR52で表されるアルキル基とし
ては、例えば、炭素原子の数が5以下のアルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基など)、置換アルキル基としては、例えば、アルキ
ル基の炭素数が5以下の置換アルキル基{例えば、ヒド
ロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル基、
3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基な
ど)、カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチ
ル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピ
ル基、4−カルボキシブチル基、2−(2−カルボキシ
エトキシ)エチル基など)、スルホアルキル基(例え
ば、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−
スルホブチル基、4−スルホブチル基、2−ヒドロキシ
−3−スルホプロピル基、2−(3−スルホプロポキ
シ)エチル基、2−アセトキシ−3−スルホプロピル
基、3−メトキシ−2−(3−スルホプロポキシ)プロ
ピル基、2−〔(3−スルホプロポキシ)エトキシ〕エ
チル基、2−ヒドロキシ−3−(3’−スルホプロポキ
シ)プロピル基など)、アラルキル基(アルキル部分の
炭素数が1〜5であるアラルキル基が好ましく、アリー
ル基部分はフェニル基が好ましく、例えば、ベンジル
基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチ
ル基、p−トリルプロピル基、p−メトキシフェネチル
基、p−クロロフェネチル基、p−カルボキシベンジル
基、p−スルホフェネチル基、p−スルホベンジル基な
ど)、アリーロキシアルキル基(アルキル基の炭素数は
1〜5が、アリーロキシ基のアリール基はフェニル基が
好ましく、例えば、フェノキシエチル基、フェノキシプ
ロピル基、フェノキシブチル基、p−メチルフェノキシ
エチル基、p−メトキシフェノキシプロピル基など)、
ビニルメチル基、など}など、アリール基としては、フ
ェニル基などが挙げられる。
【0150】L51、L52およびL53が表す置換メチン基
の置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基など)、置換アルキル基{例えば、アル
コキシアルキル基(例えば、2−エトキシエチル基な
ど)、カルボキシアルキル基(例えば、2−カルボキシ
エチル基など)、アルコキシカルボニルアルキル基(例
えば、2−メトキシカルボニルエチル基など)、アラル
キル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基など)な
ど}、アリール基(例えば、フェニル基、p−メトキシ
フェニル基、p−クロロフェニル基、o−カルボキシフ
ェニル基など)などが挙げられる。
【0151】また、L51とR51、L53とR52はそれぞれ
メチン鎖で結合して含窒素複素環を形成していてもよ
い。
【0152】Q51とQ52とが協同して形成するチアゾリ
ジノン環またはイミダゾリジノン環の窒素原子に付いて
いる置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜
8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基など)、アリル基、アラルキル基(アル
キル部分の炭素数が1〜5であるアラルキル基が好まし
く、例えば、ベンジル基、p−カルボキシフェニルメチ
ル基など)、アリール基(炭素数総計が6〜9であるア
リール基が好ましく、例えば、フェニル基、p−カルボ
キシフェニル基など)、ヒドロキシアルキル基(アルキ
ル基部分の炭素数が1〜5であるヒドロキシアルキル基
が好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル基など)、
カルボキシアルキル基(アルキル部分の炭素数が1〜5
であるカルボキシアルキル基が好ましく、例えば、カル
ボキシメチル基など)、アルコキシカルボニルアルキル
基(アルコキシ部分の炭素数が1〜3であるアルコキシ
カルボニルアルキル基が好ましく、例えば、メトキシカ
ルボニルエチル基など)などを挙げることができる。
【0153】M5は、分子の電荷を相殺するのに必要な
イオンを表し、カチオンの具体例としては、例えば、プ
ロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチル
アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の各イオ
ン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、
カルシウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの
具体例としては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、塩
素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエン
スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ素
イオン等が挙げられる。
【0154】n53は、分子の総電荷をM5によって中和
させるのに必要な数である。色素分子が、分子内塩を形
成するものであるときには分子の電荷を相殺する必要は
なく、n53は0である。
【0155】以下に、一般式(V)で表される分光増感
色素の具体例を示すが、本発明で用いることができる一
般式(V)で表される分光増感色素はこれらに限定され
るものではない。
【0156】
【化46】
【0157】
【化47】
【0158】
【化48】
【0159】
【化49】
【0160】
【化50】
【0161】
【化51】
【0162】
【化52】
【0163】
【化53】
【0164】次に、本発明で用いられる一般式(VI
a)で表される化合物について説明する。R61およびR
62で表されるアルキル基には置換アルキル基も含まれ
る。R61およびR62で表されるアルキル基としては、炭
素原子数1〜8のアルキル基が好ましく、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル
基、オクチル基が挙げられる。
【0165】置換アルキル基としては、置換基として、
例えば、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲ
ン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子な
ど)、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素
原子数8以下のアルコキシカルボニル基が好ましく、例
えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニル基など)、アルコキシ基(炭
素原子数7以下のアルコキシ基が好ましく、例えば、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ベ
ンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フ
ェノキシ基、p−トリルオキシ基など)、アシルオキシ
基(炭素原子数3以下のアシルオキシ基が好ましく、例
えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基な
ど)、アシル基(炭素原子数8以下のアシル基が好まし
く、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル
基、メシル基など)、カルバモイル基(例えば、カルバ
モイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリ
ノカルバモイル基、ピペリジノカルバモイル基など)、
スルファモイル基(例えば、スルフアモイル基、N,N
−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基
など)、アリール基(例えば、フェニル基、p−ヒドロ
キシフェニル基、p−カルボキシフェニル基、p−スル
ホフェニル基、α−ナフチル基など)などを有する置換
アルキル基(アルキル部分の炭素原子数6以下のものが
好ましい。)が挙げられる。置換基は2つ以上組合せて
有していてもよい。
【0166】R63としては、フェニル基、ベンジル基ま
たはフェネチル基が好ましく、低級アルキル基、ベンジ
ル基が特に好ましい。
【0167】R63が表す低級アルキル基としては、炭素
原子数1〜4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、
低級アルコキシ基としては、炭素原子数1〜4のアルコ
キシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
【0168】V6が表す低級アルキル基としては、炭素
原子数1〜4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、アルコキシ
基としては、炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好まし
く、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基など
が挙げられ、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原
子、塩素原子などが挙げられ、置換アルキル基として
は、炭素原子数1〜4の置換アルキル基が好ましく、例
えば、トリフロロメチル基、カルボキシメチル基などが
挙げられる。
【0169】Z61によって形成される5員または6員の
含窒素複素環および縮合環を有する5員または6員の含
窒素複素環としては、例えば、チアゾール環{例えば、
ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−
クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾー
ル、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチ
アゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベ
ンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、6−ブ
ロモベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、
5−フェニルベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチ
アゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5−エトキ
シベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチアゾー
ル、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、5−フ
ェネチルベンゾチアゾール、5−フルオロベンゾチアゾ
ール、5−トリフルオロメチルベンゾチアゾール、5,
6−ジメチルベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−6−
メチルベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾー
ル、4−フェニルベンゾチアゾール、ナフト〔2,1−
d〕チアゾール、ナフト〔1,2−d〕チアゾール、ナ
フト〔2,3−d〕チアゾール、5−メトキシナフト
〔1,2−d〕チアゾール、7−エトキシナフト〔2,
1−d〕チアゾール、8−メトキシナフト〔2,1−
d〕チアゾール、5−メトキシナフト〔2,3−d〕チ
アゾールなど}、セレナゾール環{例えば、ベンゾセレ
ナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキ
シベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセレナゾー
ル、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、ナフト〔2,
1−d〕セレナゾール、ナフト〔1,2−d〕セレナゾ
ールなど}、オキサゾール環{例えば、ベンゾオキサゾ
ール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−メチルベン
ゾオキサゾール、5−ブロムベンゾオキサゾール、5−
フルオロベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキ
サゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、5−トリ
フルオロベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオ
キサゾール、5−カルボキシベンゾオキサゾール、6−
メチルベンゾオキサゾール、6−クロロベンゾオキサゾ
ール、6−メトキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキ
シベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサ
ゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、5−エ
トキシベンゾオキサゾール、ナフト〔2,1−d〕オキ
サゾール、ナフト〔2,3−d〕オキサゾールなど}、
キノリン環{例えば、2−キノリン、3−メチル−2−
キノリン、5−エチル−2−キノリン、6−メチル―2
−キノリン、8−フルオロ−2−キノリン、6−メトキ
シ−2−キノリン、6−ヒドロキシ−2−キノリン、8
−クロロ−2−キノリン、8−フルオロ−4−キノリン
など}、3,3−ジアルキルインドレニン環{例えば、
3,3−ジメチルインドレニン、3,3−ジエチルイン
ドレニン、3,3−ジメチル−5−シアノインドレニ
ン、3,3−ジメチル−5−メトキシインドレニン、
3,3−ジメチル−5−メチルインドレニン、3,3−
ジメチル−5−クロロインドレニンなど}、イミダゾー
ル環{例えば、1−メチルベンゾイミダゾール、1−エ
チルベンゾイミダゾール、1−メチル−5−クロロベン
ゾイミダゾール、1−エチル−5−クロロベンゾイミダ
ゾール、1−メチル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾ
ール、1−エチル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾー
ル、1−エチル−5−メトキシベンゾイミダゾール、1
−メチル−5−シアノベンゾイミダゾール、1−エチル
−5−シアノベンゾイミダゾール、1−メチル−5−フ
ルオロベンゾイミダゾール、1−エチル−5−フルオロ
ベンゾイミダゾール、1−フェニル−5,6−ジクロロ
ベンゾイミダゾール、1−アリル−5,6−ジクロロベ
ンゾイミダゾール、1−アリル−5−クロロベンゾイミ
ダゾール、1−フェニルベンゾイミダゾール、1−フェ
ニル−5−クロロベンゾイミダゾール、1−メチル−5
−卜リフルオロメチルベンゾイミダゾール、1−エチル
−5−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール、1−エ
チルナフト〔1,2−d〕イミダゾールなど}、ピリジ
ン環{例えば、ピリジン、5−メチル−2−ピリジン、
3−メチル−4−ピリジンなど}を挙げることができ
る。
【0170】5員または6員の含窒素複素環としては、
チアゾール環、オキサゾール環が好ましく、さらに好ま
しくい5員または6員の含窒素複素環および縮合環を有
する5員または6員の含窒素複素環としては、ベンゾチ
アゾール環、ナフトチアゾール環、ナフトオキサゾール
環、ベンゾオキサゾール環である。
【0171】M61は、分子の電荷を相殺するのに必要な
イオンを表し、カチオンの具体例としては、例えば、プ
ロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチル
アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の各イオ
ン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、
カルシウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの
具体例としては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、塩
素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエン
スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ素
イオン等が挙げられる。
【0172】n61は、分子の総電荷をM61によって中和
させるのに必要な数である。色素分子が、分子内塩を形
成するものであるときには分子の電荷を相殺する必要は
なく、n61は0である。
【0173】以下に、一般式(VIa)で表される分光
増感色素の具体例を示すが、本発明で用いることができ
る一般式(VIa)で表される分光増感色素はこれらに
限定されるものではない。
【0174】
【化54】
【0175】
【化55】
【0176】
【化56】
【0177】
【化57】
【0178】次に、本発明で用いられる一般式(VI
b)で表される化合物について説明する。R64およびR
65で表されるアルキル基には置換アルキル基も含まれ
る。R64およびR65で表されるアルキル基としては、炭
素原子数1〜8のアルキル基が好ましく、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプチル
基、オクチル基が挙げられる。
【0179】置換アルキル基としては、置換基として、
例えば、カルボキシル基、スルホ基、シアノ基、ハロゲ
ン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子な
ど)、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素
原子数8以下のアルコキシカルボニル基が好ましく、例
えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニル基など)、アルコキシ基(炭
素原子数7以下のアルコキシ基が好ましく、例えば、メ
トキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ベ
ンジルオキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フ
ェノキシ基、p−トリルオキシ基など)、アシルオキシ
基(炭素原子数3以下のアシルオキシ基が好ましく、例
えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基な
ど)、アシル基(炭素原子数8以下のアシル基が好まし
く、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル
基、メシル基など)、カルバモイル基(例えば、カルバ
モイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、モルホリ
ノカルバモイル基、ピペリジノカルバモイル基など)、
スルファモイル基(例えば、スルフアモイル基、N,N
−ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルホニル基
など)、アリール基(例えば、フェニル基、p−ヒドロ
キシフェニル基、p−カルボキシフェニル基、p−スル
ホフェニル基、α−ナフチル基など)などを有する置換
アルキル基(アルキル部分の炭素原子数6以下のものが
好ましい。)が挙げられる。置換基は2つ以上組合せて
有していてもよい。
【0180】R66、R67が表す低級アルキル基として
は、炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが
挙げられ、低級アルコキシ基としては、炭素原子数1〜
4のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ
る。
【0181】R66、R67としては、フェニル基、ベンジ
ル基またはフェネチル基が好ましく、低級アルキル基、
ベンジル基が特に好ましい。
【0182】R68およびR69が互いに連結して形成する
2価のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、ト
リメチレンなどが挙げられる。これらのアルキレン基は
1以上の置換基を有していてもよい。これら置換基とし
ては、例えば、アルキル基(炭素原子数1〜4のアルキ
ル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基など)、ハロゲン原子
(例えば、塩素原子、臭素原子)、アルコキシ基(炭素
原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、例えば、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ
基、ブトキシ基など)などが挙げられる。
【0183】R70が表す低級アルキル基としては、炭素
原子数1〜4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、低級アルコ
キシ基としては、炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好
ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基などが挙げられる。
【0184】R70が表す−N(W61)(W62)における
61とW62が表すアルキル基としては、アルキル部分の
炭素原子数1〜18、さらに好ましくは炭素原子数1〜
4のアルキル基が好ましく、これらアルキル基は置換基
を有するアルキル基も含まれ、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、フェニルエ
チル基などが挙げられ、アリール基には置換基を有する
アリール基も含まれ、例えば、例えば、フェニル基、ナ
フチル基、トリル基、p−クロロフェニル基などが挙げ
られる。また、W61とW62は、これらが互いに連結して
5員または6員の含窒素複素環を形成するものであって
もよい。
【0185】また、R66、R67、R70は、R66とR70
たはR67とR70とが互いに連結してアルキレン基を形成
するものであってもよいが、これら2価のアルキレン基
としては、例えば、エチレン基、トリメチレンなどが挙
げられる。これらのアルキレン基は1以上の置換基を有
していてもよい。これら置換基としては、例えば、アル
キル基(炭素原子数1〜4のアルキル基が好ましく、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基など)、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子、臭素原子)、アルコキシ基(炭素原子数1〜4のア
ルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基な
ど)などが挙げられる。
【0186】Z62あるいはZ63によって形成される5員
または6員の含窒素複素環および縮合環を有する5員ま
たは6員の含窒素複素環としては、例えば、チアゾール
環〔例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチア
ゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベン
ゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチ
ルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6
−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾー
ル、6−ブロモベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチ
アゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、5−メトキ
シベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、
5−エトキシベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾ
チアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾー
ル、5−フェネチルベンゾチアゾール、5−フルオロベ
ンゾチアゾール、5−トリフルオロメチルベンゾチアゾ
ール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、5−ヒドロ
キシ−6−メチルベンゾチアゾール、テトラヒドロベン
ゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール、ナフト
〔2,1−d〕チアゾール、ナフト〔1,2−d〕チア
ゾール、ナフト〔2,3−d〕チアゾール、5−メトキ
シナフト〔1,2−d〕チアゾール、7−エトキシナフ
ト〔2,1−d〕チアゾール、8−メトキシナフト
〔2,1−d〕チアゾール、5−メトキシナフト〔2,
3−d〕チアゾール〕、セレナゾール環〔例えばベンゾ
セレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メ
トキシベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセレナゾ
ール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、ナフト
〔2,1−d〕セレナゾール、ナフト〔1,2−d〕セ
レナゾールなど〕、オキサゾール環〔例えば、ベンゾオ
キサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−メチ
ルベンゾオキサゾール、5−ブロムベンゾオキサゾー
ル、5−フルオロベンゾオキサゾール、5−フェニルベ
ンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、
5−トリフルオロベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシ
ベンゾオキサゾール、5−カルボキシベンゾオキサゾー
ル、6−メチルベンゾオキサゾール、6−クロロベンゾ
オキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、6−
ヒドロキシベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベン
ゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾー
ル、5−エトキシベンゾオキサゾール、ナフト〔2,1
−d〕オキサゾール、ナフト〔1,2−d〕オキサゾー
ル、ナフト〔2,3−d〕オキサゾールなど〕、キノリ
ン環〔例えば、2−キノリン、3−メチル−2−キノリ
ン、5−エチル−2−キノリン、6−メチル−2−キノ
リン、8−フルオロ−2−キノリン、6−メトキシ−2
−キノリン、6−ヒドロキシ−2−キノリン、8−クロ
ロ−2−キノリン、8−フルオロ−4−キノリンな
ど〕、3,3−ジアルキルインドレニン環(例えば、
3,3−ジメチルインドレニン、3,3−ジエチルイン
ドレニン、3,3−ジメチル−5−シアノインドレニ
ン、3,3−ジメチル−5−メトキシインドレニン、
3,3−ジメチル−5−メチルインドレニン、3,3−
ジメチル−5−クロロインドレニンなど)、イミダゾー
ル環(例えば、1−メチルベンゾイミダゾール、1−エ
チルベンゾイミダゾール、1−メチル−5−クロロベン
ゾイミダゾール、1−エチル−5−クロロベンゾイミダ
ゾール、1−メチル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾ
ール、1−エチル−5,6−ジクロロベンゾイミダゾー
ル、1−エチル−5‐メトキシベンゾイミダゾール、1
−メチル−5−シアノベンゾイミダゾール、1−エチル
−5−シアノベンゾイミダゾール、1−メチル−5−フ
ルオロベンゾイミダゾール、1−エチル−5−フルオロ
ベンゾイミダゾール、1−フェニル−5,6−ジクロロ
ベンゾイミダゾール、1−アリル−5,6−ジクロロベ
ンゾイミダゾール、1−アリル−5−クロロベンゾイミ
ダゾール、1−フェニルベンゾイミダゾール、1−フェ
ニル−5−クロロベンゾイミダゾール、1−メチル−5
−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール、1−エチル
−5−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール、1−エ
チルナフト〔1,2−d〕イミダゾールなど)、ピリジ
ン環(例えば、ピリジン、5−メチル−2−ピリジン、
3−メチル−4−ピリジンなど)などを挙げることがで
きる。
【0187】5員または6員の含窒素複素環としては、
チアゾール環、オキサゾール環が好ましく、さらに好ま
しくい5員または6員の含窒素複素環および縮合環を有
する5員または6員の含窒素複素環としては、ベンゾチ
アゾール環、ナフトチアゾール環、ナフトオキサゾール
環、ベンゾオキサゾール環である。
【0188】M62は、分子の電荷を相殺するのに必要な
イオンを表し、カチオンの具体例としては、例えば、プ
ロトン、有機アンモニウムイオン(例えば、トリエチル
アンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の各イオ
ン)、無機カチオン(例えば、リチウム、ナトリウム、
カルシウム等の各カチオン)が挙げられ、酸アニオンの
具体例としては、例えば、ハロゲンイオン(例えば、塩
素イオン、臭素イオン、沃素イオン等)、p−トルエン
スルホン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ素
イオン等が挙げられる。
【0189】n62は、分子の総電荷をM62によって中和
させるのに必要な数である。色素分子が、分子内塩を形
成するものであるときには分子の電荷を相殺する必要は
なく、n62は0である。
【0190】以下に、一般式(VIb)で表される分光
増感色素の具体例を示すが、本発明で用いることができ
る一般式(VIb)で表される分光増感色素はこれらに
限定されるものではない。
【0191】
【化58】
【0192】
【化59】
【0193】
【化60】
【0194】
【化61】
【0195】これらの分光増感色素は1種のみを単独で
用いてもよいが、それらを組合せて用いてもよく、分光
増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用
いられる。分光増感色素とともに、それ自身分光増感作
用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない
物質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでも
よい。有用な分光増感色素、強色増感を示す色素の組合
せおよび強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロー
ジャ(Research Disclosure)176巻17643(1
978年12月発行)第23頁IVのJ項、あるいは前
述の特公昭49−25500号公報、同43−4933
号公報、特開昭59−19032号公報、同59−19
2242号公報等に記載されている。
【0196】本発明に用いられる分光増感色素は2種以
上を併用してもよい。分光増感色素をハロゲン化銀乳剤
中に添加せしめるには、それらを直接乳剤中に分散して
もよいし、あるいは水、メタノール、エタノール、プロ
パノール、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,
3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフ
ルオロエタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、
3−メトキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プ
ロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の
単独または混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。
また、米国特許第3,469,987号明細書等に開示
されているように、色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、
該溶液を水または親水性コロイド中に分散し、この分散
物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23389号
公報、同44−27555号公報、同57−22091
号公報等に開示されているように、色素を酸に溶解し、
該溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させ
て水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許第3,
822,135号明細書、同第4,006,025号明
細書等に開示されているように界面活性剤を共存させて
水溶液あるいはコロイド分散物としたものを乳剤中に添
加する方法、特開昭53−102733号公報、同58
−105141号公報に開示されているように親水性コ
ロイド中に色素を直接分散させ、その分散物を乳剤中に
添加する方法、特開昭51−74624号公報に開示さ
れているように、レッドシフトさせる化合物を用いて色
素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法を用いるこ
ともできる。また、溶液に超音波を用いることもでき
る。
【0197】本発明に用いる分光増感色素をハロゲン化
銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であることが
認められている乳剤調製のいかなる工程中であってもよ
い。例えば米国特許第2,735,766号明細書、同
第3,628,960号明細書、同第4,183,75
6号明細書、同第4,225,666号明細書、特開昭
58−184142号公報、同60−196749号公
報等に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成
工程または/および脱塩前の時期、脱銀工程中および/
または脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭
58−113920号公報等に開示されているように、
化学熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後、塗布
までの時期の乳剤が塗布される前ならばいかなる時期、
工程において添加されてもよい。また、米国特許第4,
225,666号明細書、特開昭58−7629号公報
等に開示されているように、同一化合物を単独で、また
は異種構造の化合物と組み合わせて、例えば粒子形成工
程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後とに分けた
り、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなど
して分割して添加してもよく、分割して添加する化合物
および化合物の組み合わせの種類を変えて添加してもよ
い。
【0198】本発明において分光増感色素の添加量は、
ハロゲン化銀粒子の形状、サイズ、ハロゲン組成、化学
増感の方法と程度、カブリ防止剤の種類等により異なる
が、ハロゲン化銀1molあたり、4×10-6〜8×1
-3molで用いることができる。例えばハロゲン化銀
粒子サイズが0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン
化銀粒子の表面積1m2あたり、2×10-7〜3.5×
10-6molの添加量が好ましく、6.5×10-7
2.0×10-6molの添加量がより好ましい。
【0199】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、ガ
ンマーが4.0以上、好ましくは5.0〜100、より
好ましくは5.0〜30である特性曲線を有する。本発
明でいう「ガンマー」は、光学濃度(y軸)と常用対数
露光量(x軸)で表される単位長の等しい直交座標軸上
に示される特性曲線において、光学濃度0.1と1.5
との2点で直線を引いたときの勾配である。即ち、直線
とx軸のなす角度をθとするとtanθで示される。本
発明では、特性曲線を得るために、現像液(富士写真フ
イルム(株)製、QR−D1)と定着液(富士写真フイ
ルム(株)製、NF−1)を用いて、ハロゲン化銀写真
感光材料を35℃30秒の現像条件で自動現像機(富士
写真フイルム(株)製、FG−680AG)により処理
する。
【0200】本発明で規定している特性曲線を有するハ
ロゲン化銀写真感光材料を得る方法は多岐にわたるが、
例えば、高コントラストを実現できる重金属(例えばV
III族に属する金属)を含むハロゲン化銀乳剤を用い
ることによりハロゲン化銀写真感光材料のガンマーを調
整することができる。特に、ロジウム化合物、イリジウ
ム化合物、ルテニウム化合物などを含有するハロゲン化
銀乳剤を用いることが好ましい。また、乳剤層を含む側
に造核剤としてヒドラジン誘導体、あるいはアミン化合
物、ホスホニウム化合物等の化合物を少なくとも1種含
有させることも好ましい。
【0201】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、造
核剤としてヒドラジン化合物を含有することが好まし
い。特に、下記一般式(D)で表されるヒドラジン誘導
体を少なくとも1種含有することが好ましい。一般式
(D)
【化62】
【0202】式中、R20は脂肪族基、芳香族基、または
ヘテロ環基を表し、R10は水素原子またはブロック基を
表し、G10は−CO−、−COCO−、−C(=S)
−、−SO2−、−SO−、−PO(R30)−基(R30
はR10に定義した基と同じ範囲内より選ばれ、R10と異
なっていてもよい。)、またはイミノメチレン基を表
す。A10、A20はともに水素原子、あるいは一方が水素
原子で他方が置換もしくは無置換のアルキルスルホニル
基、または置換もしくは無置換のアリールスルホニル
基、または置換もしくは無置換のアシル基を表す。
【0203】一般式(D)において、R20で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置
換の、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基である。一般式(D)において、R20
で表される芳香族基は単環もしくは縮合環のアリール基
で、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。R
20で表されるヘテロ環基としては、単環または縮合環
の、飽和もしくは不飽和の、芳香族または非芳香族のヘ
テロ環基で、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、イミ
ダゾール環、ピラゾール環、キノリン環、イソキノリン
環、ベンズイミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチア
ゾール環、ピペリジン環、トリアジン環等が挙げられ
る。R20として好ましいものはアリール基であり、特に
好ましくはフェニル基である。
【0204】R20が示す基は置換されていてもよく、代
表的な置換基としては例えばハロゲン原子(フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル
基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等
を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
複素環基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例
えばピリジニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カ
ルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、
アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル
基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、
シアノ基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコ
キシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基
単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘ
テロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしく
はアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイル
オキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキ
ル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、N−置換の
含窒素ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、チオウレイド基、イソチオウレイド
基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)
カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカ
ルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、4
級のアンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキル
もしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレ
イド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ
基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテ
ロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル
基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スル
ホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスル
ファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその
塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む
基、等が挙げられる。これら置換基は、これらの置換基
でさらに置換されていてもよい。
【0205】R20が有していてもよい置換基として好ま
しくは、炭素数1〜30のアルキル基(活性メチレン基
を含む)、アラルキル基、ヘテロ環基、置換アミノ基、
アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、スル
ファモイルアミノ基、イミド基、チオウレイド基、リン
酸アミド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル
基、カルボキシ基(その塩を含む)、(アルキル、アリ
ール、またはヘテロ環)チオ基、スルホ基(その塩を含
む)、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ
トロ基等が挙げられる。
【0206】一般式(D)において、R10は水素原子ま
たはブロック基を表すが、ブロック基とは具体的に、ア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、
ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基またはヒドラジノ基を表す。
【0207】R10で表されるアルキル基として好ましく
は、炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル
基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−
カルボキシテトラフルオロエチル基、ピリジニオメチル
基、ジフルオロメトキシメチル基、ジフルオロカルボキ
シメチル基、3−ヒドロキシプロピル基、メタンスルホ
ンアミドメチル基、ベンゼンスルホンアミドメチル基、
ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、メチルチオメ
チル基、フェニルスルホニルメチル基、o−ヒドロキシ
ベンジル基などが挙げられる。アルケニル基として好ま
しくは炭素数1〜10のアルケニル基であり、例えばビ
ニル基、2,2−ジシアノビニル基、2−エトキシカル
ボニルビニル基、2−トリフルオロ−2−メトキシカル
ボニルビニル基等が挙げられる。アルキニル基として好
ましくは炭素数1〜10のアルキニル基であり、例えば
エチニル基、2−メトキシカルボニルエチニル基等が挙
げられる。アリール基としては単環または縮合環のアリ
ール基が好ましく、ベンゼン環を含むものが特に好まし
い。例えばフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、
2−メタンスルホンアミドフェニル基、2−カルバモイ
ルフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ヒドロキシ
メチルフェニル基などが挙げられる。
【0208】ヘテロ環基として好ましくは、少なくとも
1つの窒素、酸素、および硫黄原子を含む5〜6員の、
飽和または不飽和の、単環または縮合環のヘテロ環基
で、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基であっても
よく、例えばモルホリノ基、ピペリジノ基(N−置
換)、ピペラジノ基、イミダゾリル基、インダゾリル基
(4−ニトロインダゾリル基等)、ピラゾリル基、トリ
アゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、テトラゾリル基、
ピリジル基、ピリジニオ基(N−メチル−3−ピリジニ
オ基等)、キノリニオ基、キノリル基などがある。モル
ホリノ基、ピペリジノ基、ピリジル基、ピリジニオ基等
が特に好ましい。
【0209】アルコキシ基としては炭素数1〜8のアル
コキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、2−ヒドロキ
シエトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリ
ールオキシ基としてはフェノキシ基が好ましく、アミノ
基としては無置換アミノ基、および炭素数1〜10のア
ルキルアミノ基、アリールアミノ基、または飽和もしく
は不飽和のヘテロ環アミノ基(4級化された窒素原子を
含む含窒素ヘテロ環基を含む)が好ましい。アミノ基の
例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−4−イルアミノ基、プロピルアミノ基、2−ヒドロキ
シエチルアミノ基、アニリノ基、o−ヒドロキシアニリ
ノ基、5−ベンゾトリアゾリルアミノ基、N−ベンジル
−3−ピリジニオアミノ基等が挙げられる。ヒドラジノ
基としては置換もしくは無置換のヒドラジノ基、または
置換もしくは無置換のフェニルヒドラジノ基(4−ベン
ゼンスルホンアミドフェニルヒドラジノ基など)が特に
好ましい。
【0210】R10で表される基は置換されていてもよ
く、好ましい置換基としてはR20の置換基として例示し
たものがあてはまる。
【0211】一般式(D)においてR10はG10−R10
部分を残余分子から分裂させ、−G 10−R10部分の原子
を含む環式構造を生成させる環化反応を生起するような
ものであってもよく、その例としては、例えば特開昭6
3−29751号公報などに記載のものが挙げられる。
【0212】一般式(D)で表されるヒドラジン誘導体
は、ハロゲン化銀に対して吸着する吸着性の基が組み込
まれていてもよい。かかる吸着基としては、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、チオ尿素基、チオアミド基、メ
ルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号明細書、同第4,459,347
号明細書、特開昭59−195233号公報、同59−
200231号公報、同59−201045号公報、同
59−201046号公報、同59−201047号公
報、同59−201048号公報、同59−20104
9号公報、特開昭61−170733号公報、同61−
270744号公報、同62−948号公報、同63−
234244号公報、同63−234245号公報、同
63−234246号公報に記載された基が挙げられ
る。またこれらハロゲン化銀への吸着基は、プレカーサ
ー化されていてもよい。その様なプレカーサーとして
は、特開平2−285344号公報に記載された基が挙
げられる。
【0213】一般式(D)のR10またはR20はその中に
カプラー等の不動性写真用添加剤において常用されてい
るバラスト基またはポリマーが組み込まれているもので
もよい。本発明においてバラスト基とは、6以上の炭素
数を有する、直鎖もしくは分岐の、アルキル基(または
アルキレン基)、アルコキシ基(またはアルキレンオキ
シ基)、アルキルアミノ基(またはアルキレンアミノ
基)、アルキルチオ基、あるいはこれらを部分構造とし
て有する基を表し、さらに好ましくは炭素数7以上で炭
素数24以下の、直鎖もしくは分岐の、アルキル基(ま
たはアルキレン基)、アルコキシ基(またはアルキレン
オキシ基)、アルキルアミノ基(またはアルキレンアミ
ノ基)、アルキルチオ基、あるいはこれらを部分構造と
して有する基を表す。またポリマーとしては、例えば特
開平1−100530号公報に記載のものが挙げられ
る。
【0214】一般式(D)のR10またはR20は、置換基
としてヒドラジノ基を複数個含んでいてもよく、この時
一般式(D)で表される化合物は、ヒドラジノ基に関し
ての多量体を表し、具体的には例えば特開昭64−86
134号公報、特開平4−16938号公報、特開平5
−197091号公報、国際公開WO95−32452
号公報、国際公開WO95−32453号公報、特開平
9−179229号公報、特開平9−235264号公
報、特開平9−235265号公報、特開平9−235
266号公報、特開平9−235267号公報等に記載
された化合物が挙げられる。
【0215】一般式(D)のR10またはR20は、その中
に、カチオン性基(具体的には、4級のアンモニオ基を
含む基、4級化されたリン原子を含む基、または4級化
された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基等)、エチレン
オキシ基もしくはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を
含む基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ
基、あるいは解離性基(アルカリ性の現像液で解離しう
る酸性度の低いプロトンを有する基もしくは部分構造、
あるいはまたその塩を意味し、具体的には、例えばカル
ボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、
ホスホン酸基(−PO3H)、リン酸基(−OPO
3H)、ヒドロキシ基(−OH基)、メルカプト基(−
SH)、−SO2NH2基、N−置換のスルホンアミド基
(−SO2NH−基、−CONHSO2−基、−CONH
SO2NH−基、−NHCONHSO2−基、−SO2
HSO2−基)、−CONHCO−基、活性メチレン
基、含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、またはこ
れらの塩等)が含まれていてもよい。これらの基が含ま
れる例としては、例えば特開平7−234471号公
報、特開平5−333466号公報、特開平6−190
32号公報、特開平6−19031号公報、特開平5−
45761号公報、米国特許第4,994,365号明
細書、米国特許第4,988,604号明細書、特開平
7−259240号公報、特開平7−5610号公報、
特開平7−244348号公報、独特許4006032
号明細書、特開平11−7093号公報等に記載の化合
物が挙げられる。
【0216】一般式(D)においてA10、A20は水素原
子、炭素数20以下のアルキルまたはアリールスルホニ
ル基(好ましくはフェニルスルホニル基、またはハメッ
トの置換基定数の和が−0.5以上となるように置換さ
れたフェニルスルホニル基)、炭素数20以下のアシル
基(好ましくはベンゾイル基、またはハメットの置換基
定数の和が−0.5以上となるように置換されたベンゾ
イル基、あるいは直鎖、分岐、または環状の置換もしく
は無置換の脂肪族アシル基(ここに置換基としては、例
えばハロゲン原子、エーテル基、スルホンアミド基、カ
ルボンアミド基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ
基等が挙げられる))である。A10、A 20としては水素
原子が最も好ましい。
【0217】次に、本発明において特に好ましく用いら
れるヒドラジン誘導体について述べる。R20は置換フェ
ニル基が特に好ましく、置換基としてはスルホンアミド
基、アシルアミノ基、ウレイド基、カルバモイル基、チ
オウレイド基、イソチオウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、N−アシルスルファモイルアミノ基等が特に好
ましく、さらにスルホンアミド基、ウレイド基が好まし
く、スルホンアミド基が最も好ましい。一般式(D)で
表されるヒドラジン誘導体は、R20またはR10に、置換
基として、直接または間接的に、バラスト基、ハロゲン
化銀への吸着基、4級のアンモニオ基を含む基、4級化
された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基、エチレンオキ
シ基の繰り返し単位を含む基、(アルキル、アリール、
またはヘテロ環)チオ基、アルカリ性の現像処理液中で
解離しうる解離性基、もしくは多量体を形成しうるヒド
ラジノ基(−NHNH−G10−R10で表される基)の少
なくとも1つが置換されていることが特に好ましい。さ
らには、R20の置換基として、直接または間接的に、前
述の何れか1つの基を有することが好ましく、最も好ま
しいのは、R20がベンゼンスルホンアミド基で置換され
たフェニル基を表し、そのベンゼンスルホンアミド基の
ベンゼン環上の置換基として、直接または間接的に、前
述の何れか1つの基を有する場合である。
【0218】R10で表される基のうち好ましいものは、
10が−CO−基の場合には、水素原子、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、アリール基、またはヘテ
ロ環基であり、さらに好ましくは水素原子、アルキル
基、置換アリール基(置換基としては電子吸引性基また
はo−ヒドロキシメチル基が特に好ましい)であり、最
も好ましくは水素原子またはアルキル基である。G10
−COCO−基の場合にはアルコキシ基、アリールオキ
シ基、アミノ基が好ましく、特に置換アミノ基、詳しく
はアルキルアミノ基、アリールアミノ基、または飽和も
しくは不飽和のヘテロ環アミノ基が好ましい。またG10
が−SO2−基の場合には、R10はアルキル基、アリー
ル基または置換アミノ基が好ましい。
【0219】一般式(D)においてG10は好ましくは−
CO−基または−COCO−基であり、特に好ましくは
−CO−基である。
【0220】次に一般式(D)で示される化合物の具体
例を以下に示す。ただし、本発明で用いることができる
化合物は、以下の具体例に限定されるものではない。
【0221】
【化63】
【0222】
【化64】
【0223】
【化65】
【0224】
【化66】
【0225】
【化67】
【0226】
【化68】
【0227】
【化69】
【0228】
【化70】
【0229】
【化71】
【0230】
【化72】
【0231】
【化73】
【0232】
【化74】
【0233】
【化75】
【0234】
【化76】
【0235】
【化77】
【0236】
【化78】
【0237】
【化79】
【0238】
【化80】
【0239】
【化81】
【0240】
【化82】
【0241】
【化83】
【0242】
【化84】
【0243】
【化85】
【0244】
【化86】
【0245】
【化87】
【0246】
【化88】
【0247】
【化89】
【0248】
【化90】
【0249】
【化91】
【0250】
【化92】
【0251】本発明に用いられるヒドラジン誘導体とし
ては、上記のものの他に、下記のヒドラジン誘導体も好
ましく用いられる。本発明に用いられるヒドラジン誘導
体はまた、下記の公報に記載された種々の方法により合
成することができる。
【0252】特公平6−77138号公報に記載の(化
1)で表される化合物で、具体的には同公報3頁、4頁
に記載の化合物;特公平6−93082号公報に記載の
一般式(I)で表される化合物で、具体的には同公報8
頁〜18頁に記載の1〜38の化合物;特開平6−23
0497号公報に記載の一般式(4)、一般式(5)お
よび一般式(6)で表される化合物で、具体的には同公
報25頁、26頁に記載の化合物4−1〜化合物4−1
0、28頁〜36頁に記載の化合物5−1〜5−42、
および39頁、40頁に記載の化合物6−1〜化合物6
−7;特開平6−289520号公報に記載の一般式
(1)および一般式(2)で表される化合物で、具体的
には同公報5頁〜7頁に記載の化合物1−1)〜1−1
7)および2−1);特開平6−313936号公報に
記載の(化2)および(化3)で表される化合物で、具
体的には同公報6頁〜19頁に記載の化合物;特開平6
−313951号公報に記載の(化1)で表される化合
物で、具体的には同公報3頁〜5頁に記載の化合物;特
開平7−5610号公報に記載の一般式(I)で表され
る化合物で、具体的には同公報5頁〜10頁に記載の化
合物I−1〜I−38;特開平7−77783号公報に
記載の一般式(II)で表される化合物で、具体的には
同公報10頁〜27頁に記載の化合物II−1〜II−
102;特開平7−104426号公報に記載の一般式
(H)および一般式(Ha)で表される化合物で、具体
的には同公報8頁〜15頁に記載の化合物H−1〜H−
44;特開平9−22082号公報に記載の、ヒドラジ
ン基の近傍にアニオン性基またはヒドラジンの水素原子
と分子内水素結合を形成するノニオン性基を有すること
を特徴とする化合物で、特に一般式(A)、一般式
(B)、一般式(C)、一般式(D)、一般式(E)、
一般式(F)で表される化合物で、具体的には同公報に
記載の化合物N−1〜N−30;特開平9−22082
号公報に記載の一般式(1)で表される化合物で、具体
的には同公報に記載の化合物D−1〜D−55を挙げる
ことができる。この他、国際公開WO95−32452
号公報、国際公開WO95−32453号公報、特開平
9−179229号公報、特開平9−235264号公
報、特開平9−235265号公報、特開平9−235
266号公報、特開平9−235267号公報、特開平
9−319019号公報、特開平9−319020号公
報、特開平10−130275号公報、特開平11−7
093号公報、特開平6−332096号公報、特開平
7−209789号公報、特開平8−6193号公報、
特開平8−248549号公報、特開平8−24855
0号公報、特開平8−262609号公報、特開平8−
314044号公報、特開平8−328184号公報、
特開平9−80667号公報、特開平9−127632
号公報、特開平9−146208号公報、特開平9−1
60156号公報、特開平10−161260号公報、
特開平10−221800号公報、特開平10−213
871号公報、特開平10−254082号公報、特開
平10−254088号公報、特開平7−120864
号公報、特開平7−244348号公報、特開平7−3
33773号公報、特開平8−36232号公報、特開
平8−36233号公報、特開平8−36234号公
報、特開平8−36235号公報、特開平8−2720
22号公報、特開平9−22083号公報、特開平9−
22084号公報、特開平9−54381号公報、特開
平10−175946号公報記載のヒドラジン誘導体も
挙げることができる。
【0253】本発明においてヒドラジン系造核剤は、適
当な水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既
によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリ
アセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることがで
きる。あるいは固体分散法として知られている方法によ
って、ヒドラジン誘導体の粉末を水の中にボールミル、
コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用いる
こともできる。
【0254】本発明においてヒドラジン系造核剤は、支
持体に対してハロゲン化銀乳剤層側であればどの層に添
加してもよい。例えば、ハロゲン化銀乳剤層、あるいは
他の親水性コロイド層に添加することができるが、ハロ
ゲン化銀乳剤層あるいはそれに隣接する親水性コロイド
層に添加することが好ましい。また、2種類以上のヒド
ラジン系造核剤を併用して使用することもできる。本発
明における造核剤の添加量は、ハロゲン化銀1molに
対し1×10-5〜1×10-2molが好ましく、1×1
-5〜5×10-3molがより好ましく、2×10-5
5×10-3molが最も好ましい。
【0255】本発明のハロゲン化銀写真感光材料中に
は、造核促進剤を内蔵することができる。本発明に用い
られる造核促進剤としては、アミン誘導体、オニウム
塩、ジスルフィド誘導体またはヒドロキシメチル誘導体
などが挙げられる。具体的には、特開平7−77783
号公報48頁2行〜37行に記載の化合物で、具体的に
は49頁〜58頁に記載の化合物A−1)〜A−7
3);特開平7−84331号公報に記載の(化2
1)、(化22)および(化23)で表される化合物
で、具体的には同公報6頁〜8頁に記載の化合物;特開
平7−104426号公報に記載の一般式〔Na〕およ
び一般式〔Nb〕で表される化合物で、具体的には同公
報16頁〜20頁に記載のNa−1〜Na−22の化合
物およびNb−1〜Nb−12の化合物;特開平8−2
72023号公報に記載の一般式(1)、一般式
(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、
一般式(6)および一般式(7)で表される化合物で、
具体的には同公報に記載の1−1〜1−19の化合物、
2−1〜2−22の化合物、3−1〜3−36の化合
物、4−1〜4−5の化合物、5−1〜5−41の化合
物、6−1〜6−58の化合物、および7−1〜7−3
8の化合物;特開平9−297377号公報のp55、
カラム108の8行〜p69、カラム136の44行ま
でに記載の造核促進剤を挙げることができる。
【0256】本発明に用いられる造核促進剤としては、
下記の一般式(a)〜一般式(f)で表される4級塩化
合物が好ましく、特に一般式(b)で表される化合物が
最も好ましい。
【0257】
【化93】
【0258】
【化94】
【0259】一般式(a)においてQ1は窒素原子また
はリン原子を表し、R100、R110、R120はそれぞれ脂
肪族基、芳香族基またはヘテロ環基を表し、これらは互
いに結合して環状構造を形成してもよい。MはMに含ま
れる炭素原子でQ1と結合するm10価の有機基を表し、
ここにm10は1〜4の整数を表す。一般式(b)、一般
式(c)、または一般式(d)において、A1、A2、A
3、A4、A5はそれぞれ、4級化された窒素原子を含む
不飽和ヘテロ環を完成させるための有機残基を表し、L
10およびL20は2価の連結基を表し、R111、R222、R
333は置換基を表す。一般式(a)、一般式(b)、一
般式(c)、または一般式(d)で表される4級塩化合
物は、分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオキ
シ基の繰り返し単位を、計20個以上有しているが、こ
れは複数箇所にまたがって有していてもよい。
【0260】一般式(e)においてQ2は窒素原子また
はリン原子を表す。R200、R210、R220は一般式
(a)のR100、R110、R120と同義の基を表す。一般
式(f)においてA6は一般式(b)におけるA1または
2と同義の基を表す。但しA6が形成する含窒素不飽和
ヘテロ環は置換基を有してもよいが、置換基上に1級の
水酸基を有することはない。一般式(e)および一般式
(f)においてL30はアルキレン基を表し、Yは−C
(=O)−または−SO2−を表し、L40は少なくとも
1つの親水性基を含有する2価の連結基を表す。一般式
(a)〜一般式(f)においてXn-は、n価の対アニオ
ンを表し、nは1〜3の整数を表す。但し、分子内に別
にアニオン基を有し、(Q1+、(Q2+またはN+
分子内塩を形成する場合、Xn-は必要ない。
【0261】一般式(a)においてR100、R110、R
120で表される脂肪族基とは、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、
2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、
オクタデシル基などの直鎖または分枝状のアルキル基;
置換もしくは無置換のベンジル基などのアラルキル基;
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などのシクロアルキル基;アリル基、ビニル基、5−
ヘキセニル基などのアルケニル基;シクロペンテニル
基、シクロヘキセニル基などのシクロアルケニル基;フ
ェニルエチニル基等のアルキニル基が挙げられる。芳香
族基としてはフェニル基、ナフチル基、フエナントリル
基などのアリール基が、またヘテロ環基としては、ピリ
ジル基、キノリル基、フリル基、イミダゾリル基、チア
ゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、
ベンゾチアゾリル基、モルホリル基、ピリミジル基、ピ
ロリジル基などが挙げられる。
【0262】これらの基上に置換した置換基の例として
は、R100、R110、R120で表される基の他に、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン
原子、ニトロ基、(アルキルもしくはアリール)アミノ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、(アルキルまた
はアリール)チオ基、カルボンアミド基、カルバモイル
基、ウレイド基、チオウレイド基、スルホニルウレイド
基、スルホンアミド基、スルファモイル基、ヒドロキシ
ル基、スルホニル基、カルボキシル基(カルボキシラー
トを含む)、スルホ基(スルホナートを含む)、シアノ
基、オキシカルボニル基、アシル基、ヘテロ環基(4級
化された窒素原子を含むヘテロ環基を含む)等が挙げら
れる。これら置換基はこれら置換基でさらに置換されて
いてもよい。一般式(a)のR100、R110、R120で表
される基は、互いに結合して環状構造を形成していても
よい。
【0263】一般式(a)のMで表される基の例として
は、m10が1を表す時、R100、R1 10、R120と同義の
基が挙げられる。m10が2以上の整数を表す時、MはM
に含まれる炭素原子でQ1と結合するm10価の連結基を
表し、具体的には、アルキレン基、アリーレン基、ヘテ
ロ環基、さらにはこれらの基と−CO−基、−O−基、
−N(RN)−基、−S−基、−SO−基、−SO
2−、−P=O−基を組みあわせて形成されるm10価の
連結基を表す(RNは水素原子またはR100、R110、R
120と同義の基を表し、分子内に複数のRNが存在する
時、これらは同じであっても異なっていてもよく、さら
には互いに結合していてもよい)。Mは任意の置換基を
有していてもよく、その置換基としては、R100
110、R120で表される基が有していてもよい置換基と
同じものが挙げられる。
【0264】一般式(a)においてR100、R110、R
120は、好ましくは炭素数20以下の基であり、Q1がリ
ン原子を表す時、炭素数15以下のアリール基が特に好
ましく、Q1が窒素原子を表す時、炭素数15以下のア
ルキル基、アラルキル基、アリール基が特に好ましい。
10は1または2が好ましく、m10が1を表す時、Mは
好ましくは炭素数20以下の基であり、総炭素数15以
下のアルキル基、アラルキル基、またはアリール基が特
に好ましい。m10が2を表す時、Mで表される2価の有
機基は、好ましくはアルキレン基、アリーレン基、さら
にはこれらの基と−CO−基、−O−基、−N(RN)
−基、−S−基、−SO2−基を組みあわせて形成され
る2価の基である。m10が2を表す時、MはMに含まれ
る炭素原子でQ1と結合する総炭素数20以下の2価の
基であることが好ましい。なおM、あるいはR100、R
110、R120が、エチレンオキシ基もしくはプロピレンオ
キシ基の繰り返し単位を複数個含む場合、以上述べた総
炭素数の好ましい範囲は、その限りではない。またm10
が2以上の整数を表す時、分子内にR100、R110、R
120はそれぞれ複数存在するが、その複数のR100、R
110、R120はそれぞれ同じであっても異なっていてもよ
い。
【0265】一般式(a)で表される4級塩化合物は、
分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の
繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所に
置換されていても、あるいは複数箇所にまたがって置換
されていてもよい。m10が2以上の整数を表す時、Mで
表される連結基に、エチレンオキシ基またはプロピレン
オキシ基の繰り返し単位を計20個以上有していること
がより好ましい。
【0266】一般式(b)、一般式(c)または一般式
(d)において、A1、A2、A3、A4、A5は4級化さ
れた窒素原子を含む、置換または無置換の不飽和ヘテロ
環を完成させるための有機残基を表し、炭素原子、酸素
原子、窒素原子、硫黄原子および水素原子を含んでもよ
く、さらにベンゼン環が縮環してもかまわない。A1
2、A3、A4、A5が形成する不飽和ヘテロ環の例とし
ては、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミ
ダゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾ
トリアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリミジン環、
ピラゾール環などを挙げることができる。特に好ましく
は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環である。
1、A2、A3、A4、A5が4級化された窒素原子と共
に形成する不飽和ヘテロ環は、置換基を有していてもよ
い。この場合の置換基の例としては、一般式(a)のR
100、R110、R120で表される基が有していてもよい置
換基と同じものが挙げられる。置換基として好ましく
は、ハロゲン原子(特に塩素原子)、炭素数20以下の
アリール基(特にフェニル基が好ましい)、アルキル
基、アルキニル基、カルバモイル基、(アルキルもしく
はアリール)アミノ基、(アルキルもしくはアリール)
オキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、(アルキルもしくはアリール)チオ基、ヒドロキシ
基、メルカプト基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、スルホ基(スルホナートを含む)、カルボキシル基
(カルボキシラートを含む)、シアノ基、等が挙げられ
る。特に好ましくは、フェニル基、アルキルアミノ基、
カルボンアミド基、塩素原子、アルキルチオ基等であ
り、最も好ましくはフェニル基である。
【0267】L10、L20で表される2価の連結基は、ア
ルキレン、アリーレン、アルケニレン、アルキニレン、
2価のヘテロ環基、−SO2−、−SO−、−O−、−
S−、−N(RN’)−、−C(=O)−、−PO−を
単独または組合せて構成されるものが好ましい。ただし
RN’はアルキル基、アラルキル基、アリール基、水素
原子を表す。L10、L20で表される2価の連結基は任意
の置換基を有していてもよい。置換基の例としては、一
般式(a)のR100、R110、R120で表される基が有し
ていてもよい置換基と同じものが挙げられる。L10、L
20の特に好ましい例として、アルキレン、アリーレン、
−C(=O)−、−O−、−S−、−SO2−、−N
(RN’)−を単独または組合せて構成されるものを挙
げることができる。
【0268】R111、R222、R333は炭素数1〜20の
アルキル基またはアラルキル基が好ましく、各々同じで
も異なっていてもよい。R111、R222、R333は置換基
を有していてもよく、置換基としては、一般式(a)の
100、R110、R120で表される基が有していてもよい
置換基と同じものが挙げられる。特に好ましくは、R
111、R222、R333は各々炭素数1〜10のアルキル基
またはアラルキル基である。その好ましい置換基の例と
しては、カルバモイル基、オキシカルボニル基、アシル
基、アリール基、スルホ基(スルホナートを含む)、カ
ルボキシル基(カルボキシラートを含む)、ヒドロキシ
基、(アルキルまたはアリール)アミノ基、アルコキシ
基を挙げることができる。但しR111、R222、R333
エチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し
単位を複数個含む場合、以上のR111、R222、R333
ついて述べた炭素数の好ましい範囲は、その限りではな
い。
【0269】一般式(b)または一般式(c)で表され
る4級塩化合物は、分子内にエチレンオキシ基またはプ
ロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20個以上有する
が、これは1箇所に置換されていても、あるいは複数箇
所に置換されていてもよく、A1、A2、A3、A4、R
111、R222、L10、L20のいずれに置換されていてもよ
いが、好ましくは、L10またはL20で表される連結基
に、エチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の繰り
返し単位を計20個以上有していることが好ましい。
【0270】一般式(d)で表される4級塩化合物は、
分子内にエチレンオキシ基またはプロピレンオキシ基の
繰り返し単位を計20個以上有するが、これは1箇所に
置換されていても、あるいは複数箇所に置換されていて
もよく、A5またはR333の何れに置換されていてもよい
が、好ましくは、R333で表される基に、エチレンオキ
シ基またはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を計20
個以上有していることが好ましい。
【0271】一般式(a)、一般式(b)、一般式
(c)、および一般式(d)で表される4級塩化合物
は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基とを、同時
に繰り返し含んでいてもよい。またエチレンオキシ基ま
たはプロピレンオキシ基の繰り返し単位を複数個含む場
合に、繰り返し個数は、厳密に1つの値を取っていて
も、あるいは平均値として与えられてもよく、後者の場
合、4級塩化合物としては、ある程度の分子量分布を持
つ、混合物となる。本発明においてはエチレンオキシ基
の繰り返し単位を計20個以上有する場合がより好まし
く、さらに計20個〜計67個有する場合が好ましい。
【0272】一般式(e)においてQ2、R200
210、R220は、それぞれ一般式(a)におけるQ1
100、R110、R120と同義の基を表し、その好ましい
範囲もまた同じである。一般式(f)においてA6は、
一般式(b)におけるA1またはA2と同義の基を表し、
その好ましい範囲もまた同じである。但し、一般式
(f)のA6が4級化された窒素原子と共に形成する含
窒素不飽和ヘテロ環は、置換基を有していてもよいが、
1級の水酸基を含む置換基を有することはない。
【0273】一般式(e)および一般式(f)において
30はアルキレン基を表す。アルキレン基としては、直
鎖、分岐、あるいは環状の、置換または無置換のアルキ
レン基で、炭素数1〜20のものが好ましい。またエチ
レン基に代表される飽和のもののみならず、−CH26
4CH2−や−CH2CH=CHCH2−に代表される不
飽和の基が含まれているものでもよい。またL30が置換
基を有する時、その置換基としては一般式(a)のR
100、R110、R120で表される基が有していてもよい置
換基の例が挙げられる。L30としては炭素数が1〜10
の、直鎖または分岐の飽和の基が好ましい。さらに好ま
しくは、置換もしくは無置換の、メチレン基、エチレン
基、トリメチレン基で、特に好ましくは置換もしくは無
置換の、メチレン基またはエチレン基で、最も好ましく
は置換もしくは無置換のメチレン基である。
【0274】一般式(e)および一般式(f)において
40は、少なくとも1つの親水性基を有する2価の連結
基を表す。ここに親水性基とは−SO2−、−SO−、
−O−、−P(=O)=、−C(=O)−、−CONH
−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCON
H−、アミノ基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化
された窒素原子を含むヘテロ環基の各基、あるいはこれ
らの基の組み合わせからなる基を表す。これらの親水性
基とアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、へ
テロ環基を適宜組み合わせてL40が構成される。L40
構成するアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン
基、へテロ環基等の基は、置換基を有していてもよい。
置換基としては、一般式(a)のR100、R110、R120
で表される基が有していてもよい置換基の例と同じもの
が挙げられる。L40において親水性基はL40を分断する
形態で存在していても、L40上の置換基の一部として存
在していてもよいが、L40を分断する形態で存在してい
ることがより好ましい。例えば−C(=O)−、−SO
2−、−SO−、−O−、−P(=O)=、−CONH
−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCON
H−、カチオン性基(具体的には窒素またはリンの4級
塩構造、あるいは4級化された窒素原子を含む含窒素ヘ
テロ環)、アミノ基、グアジニノ基の各基、あるいはこ
れらの基の組み合わせからなる2価の基が、L40を分断
する形態で存在している場合である。
【0275】L40が有する親水性基として好ましい例の
1つは、エーテル結合とアルキレン基を組み合わせた、
エチレンオキシ基やプロピレンオキシ基の繰り返し単位
を複数個有する基である。その重合度または平均重合度
は、2〜67個が好ましい。L40が有する親水性基とし
てはまた、−SO2−、−SO−、−O−、−P(=
O)=、−C(=O)−、−CONH−、−SO2NH
−、−NHSO2NH−、−NHCONH−、アミノ
基、グアジニノ基、アンモニオ基、4級化された窒素原
子を含むヘテロ環基等の基を組み合わせた結果として、
あるいはまたはL40の有する置換基として、解離性基を
含む場合も好ましい。ここで解離性基とは、アルカリ性
の現像液で解離しうる酸性度の低いプロトンを有する基
もしくは部分構造、あるいはまたその塩を意味し、具体
的には、例えばカルボキシ基(−COOH)、スルホ基
(−SO3H)、ホスホン酸基(−PO3H)、リン酸基
(−OPO3H)、ヒドロキシ基(−OH基)、メルカ
プト基(−SH)、−SO2NH 2基、N−置換のスルホ
ンアミド基(−SO2NH−基、−CONHSO2−基、
−SO2NHSO2−基)、−CONHCO−基、活性メ
チレン基、含窒素ヘテロ環基に内在する−NH−基、ま
たはこれらの塩のことである。
【0276】L40は好ましくはアルキレン基またはアリ
ーレン基と、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−
CONH−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−N
HCONH−、およびアミノ基を適宜組み合わせたもの
が用いられる。より好ましくは炭素数2〜5のアルキレ
ン基と−C(=O)−、−SO2−、−O−、−CON
H−、−SO2NH−、−NHSO2NH−、−NHCO
NH−を適宜組み合わせたものが用いられる。Yは−C
(=O)−または−SO2−を表す。好ましくは−C
(=O)−が用いられる。
【0277】一般式(a)〜一般式(f)においてXn-
で表される対アニオンの例としては、塩素イオン、臭素
イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、アセテー
トイオン、オキサレートイオン、フマレートイオン、ベ
ンゾエートイオンなどのカルボキシレートイオン、p−
トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ブタンス
ルホネート、ベンゼンスルホネートなどのスルホネート
イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、炭酸イオン、硝
酸イオン等が挙げられる。Xn-で表される対アニオンと
しては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、ス
ルホネートイオン、硫酸イオンが好ましく、nは1また
は2が好ましい。Xn-としては、クロロイオンまたはブ
ロモイオンが特に好ましく、クロロイオンが最も好まし
い。ただし、分子内に別にアニオン基を有し、
(Q1+、(Q2+またはN+と分子内塩を形成する場
合、Xn-は必要ない。
【0278】本発明で用いる4級塩化合物としては、一
般式(b)、一般式(c)、一般式(f)で表される4
級塩化合物がより好ましく、中でも一般式(b)および
一般式(f)で表される4級塩化合物が特に好ましい。
さらに一般式(b)においては、L10で表される連結基
にエチレンオキシ基の繰り返し単位を20個以上有する
場合が好ましく、さらに20個〜67個有する場合が特
に好ましい。また一般式(f)においては、A6が形成
する不飽和へテロ環化合物が4−フェニルピリジン、イ
ソキノリン、キノリンを表す時が特に好ましい。
【0279】次に一般式(a)〜一般式(f)で表され
る4級塩化合物の具体例を示す。以下において、Phは
フェニル基を表す。ただし本発明は以下の化合物例によ
って限定されるものではない。
【0280】
【化95】
【0281】
【化96】
【0282】
【化97】
【0283】
【化98】
【0284】
【化99】
【0285】
【化100】
【0286】
【化101】
【0287】
【化102】
【0288】一般式(a)〜一般式(f)で表される4
級塩化合物は、公知の方法により容易に合成することが
できる。
【0289】本発明に使用できる造核促進剤は、適当な
水混和性有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、
エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケ
トン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ
などに溶解して用いることができる。
【0290】また、既によく知られている乳化分散法に
よって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタ
レートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンな
どの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作
製して用いることができる。あるいは固体分散法として
知られている方法によって、造核促進剤の粉末を水の中
にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって
分散し用いることができる。
【0291】本発明に使用できる造核促進剤は、支持体
に対してハロゲン化銀乳剤層側のハロゲン化銀乳剤を含
まない親水性コロイド層からなる非感光層に添加するこ
とが好ましく、特に該ハロゲン化銀乳剤層と支持体の間
の親水性コロイド層からなる非感光層に添加することが
好ましい。造核促進剤の添加量はハロゲン化銀1mol
に対し1×10-6〜2×10-2molが好ましく、1×
10-5〜2×10-2molがより好ましく、2×10-5
〜1×10-2molが最も好ましい。また、2種類以上
の造核促進剤を併用して使用することもできる。
【0292】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる各種添加剤に関しては、特に制限はなく、例え
ば、特開平3−39948号公報第10頁右下11行目
〜同公報第12頁左下5行目に記載のポリヒドロキシベ
ンゼン化合物(具体的には、同公報に記載の化合物(I
II)−1〜25の化合物);特開平1−118832
号公報に記載の一般式(I)で表される実質的には可視
域に吸収極大を持たない化合物(具体的には、同公報に
記載の化合物I−1〜I−26の化合物);特開平2−
103536号公報第17頁右下19行目〜同公報18
頁右上4行目に記載のカブリ防止剤;特開平2−103
536号公報第18頁左下12行目〜同頁左下20行目
に記載のポリマーラテックス;特開平9−179228
号公報に記載の一般式(I)で表される活性メチレン基
を有するポリマーラテックス(具体的には同公報に記載
の化合物I−1〜I−16);特開平9−179228
号公報に記載のコア/シェル構造を有するポリマーラテ
ックス(具体的には同公報に記載の化合物P−1〜P−
55);特開平7−104413号公報第14頁左1行
目〜同頁右30行目に記載の酸性ポリマーラテックス
(具体的には同公報15頁に記載の化合物II−1)〜
II−9));特開平2−103536号公報第19頁
左上15行目〜同公報19頁右上15行目に記載のマッ
ト剤、滑り剤、可塑剤;特開平2−103536号公報
第18頁右上5行目〜同頁右上17行目に記載の硬膜
剤;特開平2−103536号公報第18頁右下6行目
〜同公報19頁左上1行目に記載の酸基を有する化合
物;特開平2−18542号公報第2頁左下13行目〜
同公報第3頁右上7行目に記載の導電性物質(具体的に
は、同公報第2頁右下2行目〜同頁右下10行目に記載
の金属酸化物、および同公報に記載の化合物P−1〜P
−7の導電性高分子化合物);特開平2−103536
号公報第17頁右下1行目〜同頁右上18行目に記載の
水溶性染料;特開平9−179243号公報記載の一般
式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一
般式(FA3)で表される固体分散染料(具体的には同
公報記載の化合物F1〜F34、特開平7−15211
2号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平
7−152112号公報記載の(III−5)〜(II
I−18)、特開平7−152112号公報記載の(I
V−2)〜(IV−7)、特開平2−294638号公
報および特開平5−11382号公報に記載の固体分散
染料);特開平5ー274816号公報に記載の酸化さ
れることにより現像抑制剤を放出しうるレドックス化合
物、好ましくは同公報に記載の一般式(R−1)、一般
式(R−2)、一般式(R−3)で表されるレドックス
化合物(具体的には、同公報に記載の化合物R−1〜R
−68の化合物);特開平2−18542号公報第3頁
右下1行目〜20行目に記載のバインダーを挙げること
ができる。
【0293】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層および保護層を含めた親水性コロイド層の膨潤率は8
0〜150%の範囲が好ましく、より好ましくは90〜
140%の範囲である。親水性コロイド層の膨潤率は、
ハロゲン化銀写真感光材料における乳剤層および保護層
を含めた親水性コロイド層の厚み(d0)を測定し,該
ハロゲン化銀写真感光材料を25℃の蒸留水に1分間浸
漬し、膨潤した厚み(Δd)を測定し、膨潤率(%)=
(Δd÷d0)×100の計算式によって求める。
【0294】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のハロ
ゲン化銀乳剤層が塗布されている側の膜面pHは7.5
以下であることが好ましく、4.5〜6.0であること
がより好ましく、4.8〜6.0であることがさらに好
ましい。4.5未満であると乳剤層の硬膜進行が遅くな
る傾向がある。
【0295】本発明の実施に際して用いうる支持体とし
ては、例えばバライタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリプ
ロピレン合成紙、ガラス板、セルロースアセテート、セ
ルロースナイトレート、例えばポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルフィルムを挙げることができ
る。これらの支持体は、それぞれハロゲン化銀写真感光
材料の使用目的に応じて適宜選択される。また、特開平
7−234478号公報、および米国特許第5,55
8,979号明細書に記載のシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体からなる支持体も好ましく用い
られる。
【0296】以下に本発明における現像液、定着液など
の処理剤および処理方法等について述べるが、言うまで
もなく本発明は以下の記述および具体例に限定されるも
のではない。
【0297】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の現像
処理には、公知の方法のいずれを用いることもできる。
また、現像処理液としては公知のものを用いることがで
きる。
【0298】本発明に使用する現像液(以下、現像開始
液および現像補充液の双方をまとめて現像液という。)
に用いる現像主薬には特別な制限はないが、ジヒドロキ
シベンゼン類や、アスコルビン酸誘導体、ハイドロキノ
ンモノスルホン酸塩を含むことが好ましく、単独使用で
も併用でもよい。特に、ジヒドロキシベンゼン系現像主
薬およびこれと超加成性を示す補助現像主薬を含有する
ことが好ましく、ジヒドロキシベンゼン類やアスコルビ
ン酸誘導体と1−フェニル−3−ピラゾリドン類の組み
合わせ、またはジヒドロキシベンゼン類やアスコルビン
酸誘導体とp−アミノフェノール類の組み合わせなどを
挙げることができる。本発明に用いる現像主薬におい
て、ジヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロキ
ノン、クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノンなどがあるが、特にハイド
ロキノンが好ましい。またアスコルビン酸誘導体現像主
薬としては、アスコルビン酸およびイソアスコルビン酸
とそれらの塩があるが、特にエリソルビン酸ナトリウム
が素材コストの点から好ましい。
【0299】本発明に用いる1−フェニル−3−ピラゾ
リドンまたはその誘導体の現像主薬としては、1−フェ
ニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4、4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−
4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。
本発明に用いるp−アミノフェノール系現像主薬として
N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノ
ール、N−(β−ヒドロキシフェニル)−p−アミノフ
ェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、
o−メトキシ−p−(N、N−ジメチルアミノ)フェノ
ール、o−メトキシ−p−(N−メチルアミノ)フェノ
ールなどがあるが、なかでもN−メチル−p−アミノフ
ェノール、または特開平9−297377号公報および
特開平9−297378号公報に記載のアミノフェノー
ル類が好ましい。
【0300】ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は通常
0.05mol/L〜0.8mol/Lの量で用いられ
るのが好ましい。またジヒドロキシベンゼン類と1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類またはp−アミノフェノー
ル類の組み合わせを用いる場合には前者を0.05mo
l/L〜0.6mol/L、好ましくは0.10mol
/L〜0.5mol/L、後者を0.06mol/L以
下、好ましくは0.03mol/L〜0.003mol
/Lの量で用いるのが好ましい。
【0301】アスコルビン酸誘導体現像主薬は、通常
0.01mol/L〜0.5mol/Lの量で用いられ
るのが好ましく、0.05mol/L〜0.3mol/
Lがより好ましい。またアスコルビン酸誘導体と1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノ
ール類の組み合わせを用いる場合にはアスコルビン酸誘
導体を0.01mol/L〜0.5mol/L、1−フ
ェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノ
ール類を0.005mol/L〜0.2mol/Lの量
で用いるのが好ましい。
【0302】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
する際の現像液には、通常用いられる添加剤(例えば現
像主薬、アルカリ剤、pH緩衝剤、保恒剤、キレート剤
等)を含有させることができる。以下にこれらの具体例
を示すが、本発明で用いることができるものはこれらに
限定されるものではない。現像処理する際の現像液に用
いられる緩衝剤としては、炭酸塩、特開昭62−186
259号公報に記載のほう酸、特開昭60−93433
号公報に記載の糖類(例えばサッカロース)、オキシム
類(例えばアセトオキシム)、フェノール類(例えば5
−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩(例えばナトリウ
ム塩、カリウム塩)などが用いられ、好ましくは炭酸塩
が用いられる。緩衝剤、特に炭酸塩の使用量は、好まし
くは0.05mol/L以上、特に0.08〜1.0m
ol/Lである。
【0303】本発明においては、現像開始液および現像
補充液の双方が、該液1Lに0.1molの水酸化ナト
リウムを加えたときのpH上昇が0.8以下であること
が好ましい。使用する現像開始液ないし現像補充液がこ
の性質を有することを確かめる方法としては、試験する
現像開始液ないし現像補充液のpHを10.5に合わ
せ、ついでこの液1Lに水酸化ナトリウムを0.1mo
l添加し、この時の液のpH値を測定し、pH値の上昇
が0.8以下であれば上記に規定した性質を有すると判
定する。本発明では特に、上記試験を行った時のpH値
の上昇が0.7以下である現像開始液および現像補充液
を用いることが好ましい。
【0304】本発明に用いられる保恒剤としては亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸
アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリ
ウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがあ
る。亜硫酸塩は好ましくは0.2mol/L以上、特に
0.3mol/L以上用いられるが、あまりに多量添加
すると現像液中の銀汚れの原因になるので、上限は1.
2mol/Lとするのが望ましい。特に好ましくは、
0.35〜0.7mol/Lである。ジヒドロキシベン
ゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用して前
記のアスコルビン酸誘導体を少量使用してもよい。なか
でも素材コストの点からエリソルビン酸ナトリウムを用
いることが好ましい。添加量はジヒドロキシベンゼン系
現像主薬に対して、mol比で0.03〜0.12の範
囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.10の範
囲である。保恒剤としてアスコルビン酸誘導体を使用す
る場合には現像液中にホウ素化合物を含まないことが好
ましい。
【0305】上記以外に用いられる添加剤としては、臭
化ナトリウム、臭化カリウムのような現像抑制剤、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジメチルホルムアミドのような有機溶剤、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアル
カノールアミン、イミダゾールまたはその誘導体等の現
像促進剤、ヘテロ環メルカプト化合物(例えば3−(5
−メルカプトテトラゾール−1−イル)ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾールなど)、特開昭62−212651号公報に記載
の化合物を物理現像ムラ防止剤として添加することもで
きる。また、メルカプト系化合物、インダゾール系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール
系化合物をカブリ防止剤または黒ポツ(black pepper)
防止剤として含んでもよい。具体的には、5−ニトロイ
ンダゾール、5−p−ニトロベンゾイルアミノインダゾ
ール、1−メチル−5−ニトロインダゾール、6−ニト
ロインダゾール、3−メチル−5−ニトロインダゾー
ル、5−ニトロベンゾイミダゾール、2−イソプロピル
−5−ニトロベンゾイミダゾール、5−ニトロベンゾト
リアゾール、4−((2−メルカプト−1、3、4−チ
アジアゾール−2−イル)チオ)ブタンスルホン酸ナト
リウム、5−アミノ−1、3、4−チアジアゾール−2
−チオール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベ
ンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾール
などを挙げることができる。これらの添加剤の量は、通
常現像液1Lあたり0.01〜10mmolであり、よ
り好ましくは0.1〜2mmolである。
【0306】さらに本発明で用いられる現像液中には各
種の有機、無機のキレート剤を単独または併用で用いる
ことができる。無機キレート剤としては例えば、テトラ
ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムな
どを用いることができる。一方、有機キレート剤として
は、主に有機カルボン酸、アミノポリカルボン酸、有機
ホスホン酸、アミノホスホン酸および有機ホスホノカル
ボン酸を用いることができる。有機カルボン酸としては
例えば、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、グルコン酸、アジピン酸、ピメリン酸、ア
シエライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカ
ンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン
酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸などを挙
げることができる。
【0307】アミノポリカルボン酸としては例えば、イ
ミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン
酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エ
チレンジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、
1、2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1、3−ジ
アミノ−2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテル
ジアミン四酢酸、その他特開昭52−25632号公
報、同55−67747号公報、同57−102624
号公報、および特公昭53−40900号公報に記載の
化合物を挙げることができる。
【0308】有機ホスホン酸としては、例えば米国特許
第3,214,454号明細書、同第3,794,59
1号明細書および西独特許公開第2227369号公報
等に記載のヒドロキシアルキリデン−ジホスホン酸やリ
サーチ・ディスクロージャー第181巻、Item 1
8170(1979年5月号)等に記載の化合物が挙げ
られる。アミノホスホン酸としては、例えばアミノトリ
ス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメ
チレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が
挙げられるが、その他上記リサーチ・ディスクロージャ
ー18170、特開昭57−208554号公報、同5
4−61125号公報、同55−29883号公報、同
56−97347号公報等に記載の化合物も挙げること
ができる。
【0309】有機ホスホノカルボン酸としては、例えば
特開昭52−102726号公報、同53−42730
号公報、同54−121127号公報、同55−402
4号公報、同55−4025号公報、同55−1262
41号公報、同55−65955号公報、同55−65
956号公報および前述のリサーチ・ディスクロージャ
ー18170等に記載の化合物を挙げることができる。
【0310】これらの有機および/または無機のキレー
ト剤は、前述のものに限定されるものではない。また、
アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用してもよ
い。これらのキレート剤の添加量としては、現像液1L
あたり好ましくは、1×10-4〜1×10-1mol、よ
り好ましくは1×10-3〜1×10-2molである。
【0311】さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、
例えば特開昭56−24347号公報、特公昭56−4
6585号公報、特公昭62−2849号公報、特開平
4−362942号公報、特開平8−6215号公報に
記載の化合物の他、メルカプト基を1つ以上有するトリ
アジン(例えば特公平6−23830号公報、特開平3
−282457号公報、特開平7−175178号公報
に記載の化合物)、メルカプト基を1つ以上有するピリ
ミジン(例えば2−メルカプトピリミジン、2、6−ジ
メルカプトピリミジン、2、4−ジメルカプトピリミジ
ン、5、6−ジアミノ−2、4−ジメルカプトピリミジ
ン、2、4、6−トリメルカプトピリミジン、特開平9
−274289号公報記載の化合物など)、メルカプト
基を1つ以上有するピリジン(例えば2−メルカプトピ
リジン、2、6−ジメルカプトピリジン、3、5−ジメ
ルカプトピリジン、2、4、6−トリメルカプトピリジ
ン、特開平7−248587号公報に記載の化合物な
ど)、メルカプト基を1つ以上有するピラジン(例えば
2−メルカプトピラジン、2、6−ジメルカプトピラジ
ン、2、3−ジメルカプトピラジン、2、3、5−トリ
メルカプトピラジンなど)、メルカプト基を1つ以上有
するピリダジン(例えば3−メルカプトピリダジン、
3、4−ジメルカプトピリダジン、3、5−ジメルカプ
トピリダジン、3、4、6−トリメルカプトピリダジン
など)、特開平7−175177号公報に記載の化合
物、米国特許第5,457,011号明細書に記載のポ
リオキシアルキルホスホン酸エステルなどを用いること
ができる。これらの銀汚れ防止剤は単独または複数の併
用で用いることができ、添加量は現像液1Lあたり0.
05〜10mmolが好ましく、0.1〜5mmolが
より好ましい。また、溶解助剤として特開昭61−26
7759号公報記載の化合物を用いることができる。さ
らに必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤
等を含んでもよい。
【0312】現像液の好ましいpHは9.0〜12.0
であり、特に好ましくは9.0〜11.0、さらに好ま
しくは9.5〜11.0の範囲である。pH調整に用い
るアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩(例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等)を用いることができる。
【0313】現像液のカチオンとしては、ナトリウムイ
オンに比べてカリウムイオンの方が現像抑制をせず、ま
たフリンジと呼ばれる黒化部のまわりのギザギザが少な
い。さらに、濃縮液として保存する場合には一般にカリ
ウム塩のほうが溶解度が高く好ましい。しかしながら、
定着液においてはカリウムイオンは銀イオンと同程度に
定着阻害をすることから、現像液のカリウムイオン濃度
が高いと、ハロゲン化銀写真感光材料により現像液が持
ち込まれることにより定着液中のカリウムイオン濃度が
高くなり、好ましくない。以上のことから現像液におけ
るカリウムイオンとナトリウムイオンのmol比率は2
0:80〜80:20の間であることが好ましい。カリ
ウムイオンとナトリウムイオンの比率は、pH緩衝剤、
pH調整剤、保恒剤、キレート剤などの対カチオンで、
上記の範囲で任意に調整できる。
【0314】現像液の補充量は、ハロゲン化銀写真感光
材料1m2につき470ml以下であり、30〜325
mlが好ましい。現像補充液は、現像開始液と同一の組
成および/または濃度を有していてもよいし、開始液と
異なる組成および/または濃度を有していてもよい。
【0315】本発明における定着処理剤の定着剤として
は、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸ナトリウムアンモニウムが使用できる。定着剤の使
用量は適宜変えることができるが、一般には約0.7〜
約3.0mol/Lである。
【0316】本発明における定着液は、硬膜剤として作
用する水溶性アルミニウム塩、水溶性クロム塩を含んで
もよく、水溶性アルミニウム塩が好ましい。それには例
えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明礬、
硫酸アルミニウムアンモニウム、硝酸アルミニウム、乳
酸アルミニウムなどがある。これらは使用液におけるア
ルミニウムイオン濃度として、0.01〜0.15mo
l/Lで含まれることが好ましい。なお、定着液を濃縮
液または固形剤として保存する場合、硬膜剤などを別パ
ートとした複数のパーツで構成してもよいし、すべての
成分を含む一剤型の構成としてもよい。
【0317】定着処理剤には所望により保恒剤(例えば
亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩などを0.01
5mol/L以上、好ましくは0.02mol/L〜
0.3mol/L)、pH緩衝剤(例えば酢酸、酢酸ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン
酸、コハク酸、アジピン酸などを0.1mol/L〜1
mol/L、好ましくは0.2mol/L〜0.7mo
l/L)、アルミニウム安定化能や硬水軟化能のある化
合物(例えばグルコン酸、イミノジ酢酸、5−スルホサ
リチル酸、グルコヘプタン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、安息香
酸、サリチル酸、タイロン、アスコルビン酸、グルタル
酸、アスパラギン酸、グリシン、システイン、エチレン
ジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸やこれらの誘導体およ
びこれらの塩、糖類などを0.001mol/L〜0.
5mol/L、好ましくは0.005mol/L〜0.
3mol/L)を含むことができが、近年の環境保護の
点からホウ素系化合物は含まない方がよい。
【0318】このほか、特開昭62−78551号公報
に記載の化合物、pH調整剤(例えば水酸化ナトリウ
ム、アンモニア、硫酸など)、界面活性剤、湿潤剤、定
着促進剤等も含むことができる。界面活性剤としては、
例えば硫酸化物スルホン酸化物などのアニオン界面活性
剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−6840
号公報記載の両性界面活性剤が挙げられ、公知の消泡剤
を使用することもできる。湿潤剤としては、アルカノー
ルアミン、アルキレングリコール等がある。定着促進剤
としては、特開平6−308681号公報に記載のアル
キルおよびアリル置換されたチオスルホン酸およびその
塩や、特公昭45−35754号公報、同58−122
535号公報、同58−122536号公報記載のチオ
尿素誘導体、分子内に3重結合を有するアルコール、米
国特許第4,126,459号明細書記載のチオエーテ
ル化合物、特開昭64−4739号公報、特開平1−4
739号公報、同1−159645号公報および同3−
101728号公報に記載のメルカプト化合物、同4−
170539号公報に記載のメソイオン化合物、チオシ
アン酸塩を含むことができる。
【0319】本発明における定着液のpHは4.0以上
であることが好ましく、4.5〜6.0であることがよ
り好ましい。定着液のpHは処理により現像液が混入し
て上昇するが、この場合のpHは、硬膜定着液では6.
0以下であることが好ましく、5.7以下であることが
より好ましく、また、無硬膜定着液においては7.0以
下であることが好ましく、6.7以下であることがより
好ましい。
【0320】定着液の補充量は、ハロゲン化銀写真感光
材料1m2につき500ml以下であることが好まし
く、390ml以下であることがより好ましく、80〜
325mlであることが特に好ましい。補充液は、開始
液と同一の組成および/または濃度を有していてもよい
し、開始液と異なる組成および/または濃度を有してい
てもよい。
【0321】定着液は電解銀回収などの公知の定着液再
生方法により再生使用することができる。再生装置とし
ては、例えば富士写真フイルム(株)製FS−2000
などがある。また、活性炭などの吸着フィルターを使用
して、色素などを除去することも好ましい。
【0322】本発明における現像および定着処理剤が液
剤の場合、例えば特開昭61−73147号公報に記載
されたような、酸素透過性の低い包材で保管することが
好ましい。さらにこれらの液が濃縮液の場合、所定の濃
度になるように、濃縮液1部に対して水0.2〜3部の
割合で希釈して使用される。
【0323】本発明における現像処理剤および定着処理
剤は固形にしても液剤同様の結果が得られる。以下に固
形処理剤について説明する。本発明では、固形剤とし
て、公知の形態(粉状、粒状、顆粒状、塊状、錠剤、コ
ンパクター、ブリケット、板状、棒状、ペースト状な
ど)を有するものが使用できる。これらの固形剤は、接
触して互いに反応する成分を分離するために、水溶性の
コーティング剤やフィルムで被覆してもよいし、複数の
層構成にして互いに反応する成分を分離してもよく、こ
れらを併用してもよい。
【0324】被覆剤、造粒助剤としては公知のものが使
用できるが、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリ
コール、ポリスチレンスルホン酸、ビニル系化合物を用
いることが好ましい。この他、特開平5−45805号
公報カラム2の48行〜カラム3の13行目を参考にす
ることができる。
【0325】複数の層構成にする場合は、接触しても反
応しない成分を互いに反応する成分の間にはさんだ構成
にして錠剤やブリケット等に加工してもよいし、公知の
形態の成分を同様の層構成にして包装してもよい。これ
らの方法は、例えば特開昭61−259921号公報、
同4−16841号公報、同4−78848号公報、同
5−93991号公報等に示されている。
【0326】固形処理剤の嵩密度は、0.5〜6.0g
/cm3が好ましく、特に錠剤は1.0〜5.0g/c
3が好ましく、顆粒は0.5〜1.5g/cm3が好ま
しい。
【0327】本発明における固形処理剤の製法は、公知
のいずれの方法を用いることができる。例えば、特開昭
61−259921号公報、特開平4−15641号公
報、特開平4−16841号公報、同4−32837号
公報、同4−78848号公報、同5−93991号公
報、同4−85533号公報、同4−85534号公
報、同4−85535号公報、同5−134362号公
報、同5−197070号公報、同5−204098号
公報、同5−224361号公報、同6−138604
号公報、同6−138605号公報、同8−28632
9号公報等を参考にすることができる。
【0328】より具体的には転動造粒法、押し出し造粒
法、圧縮造粒法、解砕造粒法、撹拌造粒法、スプレード
ライ法、溶解凝固法、ブリケッティング法、ローラーコ
ンパクティング法等を用いることができる。
【0329】本発明における固形剤は、表面状態(平
滑、多孔質等)や部分的に厚みを変えたり、中空状のド
ーナツ型にしたりして溶解性を調節することもできる。
さらに、複数の造粒物に異なった溶解性を与えたり、溶
解性の異なる素材の溶解度を合わせるために、複数の形
状をとることも可能である。また、表面と内部で組成の
異なる多層の造粒物でもよい。
【0330】固形剤の包材は、酸素および水分透過性の
低い材質が好ましく、包材の形状は袋状、筒状、箱状な
どの公知のものが使用できる。また、特開平6−242
585号公報〜同6−242588号公報、同6−24
7432号公報、同6−247448号公報、同6−3
01189号公報、同7−5664号公報、同7−56
66号公報〜同7−5669号公報に開示されているよ
うな折り畳み可能な形状にすることも、廃包材の保管ス
ペース削減のためには好ましい。これらの包材は、処理
剤の取り出し口にスクリューキャップや、プルトップ、
アルミシールをつけたり、包材をヒートシールしてもよ
いが、このほかの公知のものを使用してもよく、特に限
定はしない。さらに環境保全上、廃包材をリサイクルま
たはリユースすることが好ましい。
【0331】固形処理剤の溶解および補充の方法として
は特に限定はなく、公知の方法を使用することができ
る。これらの方法としては例えば、撹拌機能を有する溶
解装置で一定量を溶解し補充する方法、特開平9−80
718号公報に記載されているような溶解部分と完成液
をストックする部分とを有する溶解装置で溶解し、スト
ック部から補充する方法、特開平5−119454号公
報、同6−19102号公報、同7−261357号公
報に記載されているような自動現像機の循環系に処理剤
を投入して溶解・補充する方法、溶解槽を内蔵する自動
現像機でハロゲン化銀写真感光材料の処理に応じて処理
剤を投入し溶解する方法などがあるが、このほかの公知
のいずれの方法を用いることもできる。また処理剤の投
入は、人手で行ってもよいし、特開平9−138495
号公報に記載されているような開封機構を有する溶解装
置や自動現像機で自動開封、自動投入してもよく、作業
環境の点からは後者が好ましい。具体的には取り出し口
を突き破る方法、はがす方法、切り取る方法、押し切る
方法や、特開平6−19102号公報、同6−9533
1号公報に記載の方法などがある。
【0332】現像、定着処理が済んだハロゲン化銀写真
感光材料は、ついで水洗または安定化処理される(以下
特に断らない限り、安定化処理を含めて水洗といい、こ
れらに使用する液を、水または水洗水という)。水洗に
使用される水は、水道水でもイオン交換水でも蒸留水で
も安定化液でもよい。これらの補充量は、一般的にはハ
ロゲン化銀写真感光材料1m2あたり約8L〜約17L
であるが、それ以下の補充量で行うこともできる。特に
3L以下の補充量(0も含む。すなわち、ため水水洗)
では、節水処理が可能となるのみならず、自動現像機設
置の配管を不要とすることもできる。水洗を低補充量で
行う場合は、特開昭63−18350号公報、同62−
287252号公報等に記載のスクイズローラー、クロ
スオーバーローラーの洗浄槽を設けることがより好まし
い。また、少量水洗時に問題となる公害負荷低減や、水
垢防止のために種々の酸化剤(例えばオゾン、過酸化水
素、次亜塩素酸ナトリウム、活性ハロゲン、二酸化塩
素、炭酸ナトリウム過酸化水素塩など)添加やフィルタ
ー濾過を組み合わせてもよい。
【0333】水洗の補充量を少なくする方法として、古
くより多段向流方式(例えば2段、3段等)が知られて
おり、水洗補充量はハロゲン化銀写真感光材料1m2
たり50〜200mlが好ましい。この効果は、独立多
段方式(向流にせず、多段の水洗槽に個別に新液を補充
する方法)でも同様に得られる。
【0334】さらに、水洗工程に水垢防止手段を施して
もよい。水垢防止手段としては公知のものを使用するこ
とができ、特に限定はしないが、防ばい剤(いわゆる水
垢防止剤)を添加する方法、通電する方法、紫外線また
は赤外線や遠赤外線を照射する方法、磁場をかける方
法、超音波処理する方法、熱をかける方法、未使用時に
タンクを空にする方法などがある。これらの水垢防止手
段は、ハロゲン化銀写真感光材料の処理に応じてなされ
てもよいし、使用状況に関係なく一定間隔で行われても
よいし、夜間など処理の行われない期間のみ施してもよ
い。またあらかじめ水洗水に施しておいて、これを補充
してもよい。さらには、一定期間ごとに異なる水垢防止
手段を行うことも、耐性菌の発生を抑える上では好まし
い。節水水垢防止装置としては、富士フイルム社製装置
AC−1000と水垢防止剤として富士フイルム社製A
B−5を用いてもよく特開平11−231485号公報
の方法を用いてもよい。防ばい剤としては特に限定はな
く公知のものが使用できる。前述の酸化剤の他例えばグ
ルタルアルデヒド、アミノポリカルボン酸等のキレート
剤、カチオン性界面活性剤、メルカプトピリジンオキシ
ド(例えば2−メルカプトピリジン−N−オキシドな
ど)などがあり、単独使用でも複数の併用でもよい。通
電する方法としては、特開平3−224685号公報、
同3−224687号公報、同4−16280号公報、
同4−18980号公報などに記載の方法が使用でき
る。
【0335】このほか、水泡ムラ防止や汚れ転写防止の
ために、公知の水溶性界面活性剤や消泡剤を添加しても
よい。また、ハロゲン化銀写真感光材料から溶出した染
料による汚染防止に、特開昭63−163456号公報
に記載の色素吸着剤を水洗系に設置してもよい。
【0336】水洗工程からのオーバーフロー液の一部ま
たは全部は、特開昭60−235133号公報に記載さ
れているように、定着能を有する処理液に混合利用する
こともできる。また微生物処理(例えば硫黄酸化菌、活
性汚泥処理や微生物を活性炭やセラミック等の多孔質担
体に担持させたフィルターによる処理等)や、通電や酸
化剤による酸化処理をして、生物化学的酸素要求量(B
OD)、化学的酸素要求量(COD)、沃素消費量等を
低減してから排水したり、銀と親和性のあるポリマーを
用いたフィルターやトリメルカプトトリアジン等の難溶
性銀錯体を形成する化合物を添加して銀を沈降させてフ
ィルター濾過するなどし、排水中の銀濃度を低下させる
ことも、自然環境保全の観点から好ましい。
【0337】また、水洗処理に続いて安定化処理する場
合もあり、その例として特開平2−201357号公
報、同2−132435号公報、同1−102553号
公報、特開昭46−44446号公報に記載の化合物を
含有した浴をハロゲン化銀写真感光材料の最終浴として
使用してもよい。この安定浴にも必要に応じてアンモニ
ウム化合物、Bi、Al等の金属化合物、蛍光増白剤、
各種キレート剤、膜pH調節剤、硬膜剤、殺菌剤、防ば
い剤、アルカノールアミンや界面活性剤を加えることも
できる。
【0338】水洗、安定化浴に添加する防ばい剤等の添
加剤および安定化剤は、前述の現像、定着処理剤同様に
固形剤とすることもできる。
【0339】本発明に使用する現像液、定着液、水洗
水、安定化液の廃液は焼却処分することが好ましい。ま
た、これらの廃液は例えば特公平7−83867号公
報、米国特許第5,439,560明細書等に記載され
ているような濃縮装置で濃縮液化または固化させてから
処分することも可能である。
【0340】処理剤の補充量を低減する場合には、処理
槽の開口面積を小さくして液の蒸発、空気酸化を防止す
ることが好ましい。ローラー搬送型の自動現像機につい
ては米国特許第3,025,779明細書、同第3,5
45,971明細書などに記載されており、本明細書に
おいては単にローラー搬送型自動現像機として言及す
る。この自現機は現像、定着、水洗および乾燥の四工程
からなっており、本発明のハロゲン化銀写真感光材料を
処理する際も、他の工程(例えば停止工程)を除外しな
いが、この四工程を踏襲するのが最も好ましい。さら
に、現像定着間および/または定着水洗間にリンス浴、
水洗槽や洗浄槽を設けてもよい。
【0341】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を現像
処理する際には、処理開始から乾燥後まで(dry to dr
y)を25〜160秒で行うことが好ましく、現像およ
び定着時間は40秒以下であることが好ましく、6〜3
5秒であることがより好ましく、各液の温度は25〜5
0℃が好ましく、30〜40℃が好ましい。水洗の温度
および時間は0〜50℃で40秒以下が好ましい。本発
明の方法によれば、現像、定着および水洗されたハロゲ
ン化銀写真感光材料は水洗水を絞りきる、すなわちスク
イズローラーを経て乾燥してもよい。乾燥は約40〜約
100℃で行われ、乾燥時間は周囲の状態によって適宜
変えられる。乾燥方法は公知のいずれの方法も用いるこ
とができ特に限定はないが、温風乾燥や、特開平4−1
5534号公報、同5−2256号公報、同5−289
294号公報に開示されているようなヒートローラー乾
燥、遠赤外線による乾燥などがあり、複数の方法を併用
してもよい。
【0342】
【実施例】以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴
をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、
使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨
を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解
釈されるべきものではない。
【0343】<製造例1> 例示化合物II−2の合成 4−オキソ−5−〔3−〔3−(3−スルホプロピル)
−2(3H)−ベンゾチアゾリデン〕−2−プロペニル
エチリデン〕−2−チオキソチアゾリジン−3−イル酢
酸2.56gをジメチル硫酸2.5gと混合して130
℃で120分間加熱撹拌した。室温に戻し、粘ちょう反
応物にイソプロピルエーテルを加えて撹拌静置した後、
上澄み液を傾斜して除いた。これに4−オキソ−2−チ
オキソチアゾリジン−3−イル酢酸1gを加え、続いて
ピリジン10mlを加えて、20分間おだやかに加熱還
流し、その後冷却して晶析させた。沈澱物はろ取してエ
タノール溶媒で洗浄した。得られた粗結晶をメタノール
溶媒から再結晶して例示化合物II−2の色素を1.0
g得た。メタノール溶液中の吸収極大波長は644nm
であった。
【0344】<製造例2> 例示化合物II−4の合成 4−オキソ−5−〔2−〔2−〔3−(2−スルホエチ
ル)−2(3H)−ベンゾオキサゾリデン〕エチリデ
ン〕ブチリデン〕−2−チオキソチアゾリジン−3−イ
ル酢酸2.48gをジメチル硫酸2.5gと混合して1
30℃で60分間加熱撹拌した。室温に戻し、粘ちょう
反応物にイソプロピルエーテルを加えて撹拌静置した
後、上澄み液を傾斜して除いた。これに4−オキソ−2
−チオキソチアゾリジン−3−イル酢酸1gを加え、続
いてピリジン10mlとトリエチルアミン1mlを加え
て、20分間おだやかに加熱還流し、その後冷却して晶
析させた。沈澱物はろ取してエタノール溶媒で洗浄し
た。得られた粗結晶をメタノール溶媒から再結晶して例
示化合物II−4の色素を0.8g得た。メタノール溶
液中の吸収極大波長は611nmであった。
【0345】<実施例1>本実施例において、本発明の
条件を満たすハロゲン化銀写真感光材料(試料3、4、
6、9、10、12、14〜22)と比較例のハロゲン
化銀写真感光材料(試料1、2、5、7、8、11、1
3)を製造して、評価した。まず、これらのハロゲン化
銀写真感光材料を製造するために用いた乳剤と非感光性
ハロゲン化銀粒子の製法を説明した後に、ハロゲン化銀
写真感光材料の製法とその評価について記載する。
【0346】 《乳剤Aの調製》 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g
【0347】 2液 水 300ml 硝酸銀 150g
【0348】 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g K3IrCl6(0.005%、KClの20%水溶液) 表1に示す量 (NH43[RhCl5(H2O)] (0.001%、NaClの20%水溶液) 表1に示す量
【0349】3液に用いるK3IrCl6(0.005
%)、(NH43[RhCl5(H2O)](0.001
%)は、粉末をそれぞれKClの20%水溶液、NaC
lの20%水溶液に溶解し、40℃で120分間加熱し
て調製した。
【0350】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.21μmの核粒子を形
成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加
え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間に
わたって加え、0.23μmまで成長させた。さらに、
ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成
を終了した。
【0351】 4液 水 100ml 硝酸銀 50g
【0352】 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g K4[Fe(CN)6]・3H2O(黄血塩) 表1に示す量
【0353】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、下記に示すアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫
酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた
(pH3.2±0.2の範囲であった)。次に上澄み液
を約3L除去した(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を
加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加え
た。再度上澄み液を3L除去した(第二水洗)。第二水
洗と同じ操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗
・脱塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン
45gを加え、pH5.6、pAg7.5に調整し、ベ
ンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチ
オスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム
5水和物15mgと塩化金酸4.0mgを加え55℃に
て最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラアザインデン100mgと防腐剤(ICI(株)製、
プロキセル)100mgを加えた。最終的に臭化銀を3
0mol%、沃化銀を0.08mol%含む平均粒子サ
イズ0.24μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体
粒子乳剤を得た。最終的に乳剤として、pH=5.7、
pAg=7.5、電導度=40μS/m、密度=1.2
〜1.25x103kg/m3、粘度=50mPa・sと
なった。また、金属錯体が含まれている内部の銀モル量
は、全銀量の92.5%であった。
【0354】
【化103】
【0355】 《乳剤Bの調製》 1液 水 750ml ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 1g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg クエン酸 0.7g
【0356】 2液 水 300ml 硝酸銀 150g
【0357】 3液 水 300ml 塩化ナトリウム 38g 臭化カリウム 32g K3IrCl6(0.005%、KClの20%水溶液) 表1に示す量 (NH43[RhCl5(H2O)] (0.001%、NaClの20%水溶液) 表1に示す量
【0358】3液に用いるK3IrCl6(0.005
%)、(NH43[RhCl5(H2O)](0.001
%)は、粉末をそれぞれKClの20%水溶液、NaC
lの20%水溶液に溶解し、40℃で120分間加熱し
て調製した。
【0359】38℃、pH4.5に保たれた1液に、2
液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時
に20分間にわたって加え、0.17μmの核粒子を形
成した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラアザインデン500mgを加え、
続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、さら
に、2液と3液の残りの10%の量を2分間にわたって
加え、0.185μmまで成長させた。さらに、ヨウ化
カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成を終了
した。
【0360】 4液 水 100ml 硝酸銀 50g
【0361】 5液 水 100ml 塩化ナトリウム 13g 臭化カリウム 11g K4[Fe(CN)6]・3H2O(黄血塩) 表1に示す量
【0362】その後、常法にしたがってフロキュレーシ
ョン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に
下げ、アニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いて
ハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.2
±0.2の範囲であった)。次に上澄み液を約3L除去
した(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、
ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み
液を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作を
さらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終
了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、
pH5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスル
ホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸
ナトリウム3mg、トリフェニルホスフィンセレニド2
mg、塩化金酸4.0mgを加え55℃にて最適感度を
得るように化学増感を施し、安定剤として4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデ
ン100mg、防腐剤(ICI(株)製、プロキセル)
100mgを加えた。最終的に臭化銀を30mol%、
沃化銀を0.08mol%含む平均粒子サイズ0.19
μm、変動係数10%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を
得た。最終的に乳剤として、pH=5.7、pAg=
7.5、電導度=40μS/m、密度=1.2x103
kg/m3、粘度=50mPa・sとなった。また、金
属錯体が含まれている内部の銀モル量は、全銀量の9
2.5%であった。
【0363】《乳剤C〜Gの調製》乳剤Aに対し、ハロ
ゲン組成、粒子サイズ、ドープする重金属の種類、添加
量を表1に示す通り変更する以外は乳剤Aと同様に調整
した。なお、ハロゲン組成の調整は3液、および5液の
塩化ナトリウム、臭化カリウムの添加量を、粒子サイズ
の調整は1液の塩化ナトリウムの添加量、調整温度を変
更することにより行った。
【0364】《乳剤Hの調製》乳剤Bに対し、ハロゲン
組成、粒子サイズ、ドープする重金属の種類、添加量、
本発明の硫化金コロイドの種類、添加量を表1に示す通
り変更する以外は乳剤Bと同様に調整した。なお、ハロ
ゲン組成の調整は3液および5液それぞれの塩化ナトリ
ウムと臭化カリウムの添加量を変更することにより行
い、粒子サイズの調整は1液の塩化ナトリウムの添加量
と調整温度を変更することにより行った。
【0365】 《非感光性ハロゲン化銀粒子の調製−》 1液 水 1L ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 3.0g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 8mg
【0366】 2液 水 400ml 硝酸銀 100g
【0367】 3液 水 400ml 塩化ナトリウム 13.5g 臭化カリウム 45.0g (NH43[RhCl5(H2O)](0.001%、 NaClの20%水溶液) 4x10-5mol/Agmol
【0368】70℃、pH4.5に保たれた1液と2液
と3液を攪拌しながら同時に15分間にわたって加え、
核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を15分間に
わたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え粒子形成を終了した。
【0369】その後常法にしたがってフロキュレーショ
ン法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下
げ、アニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いてハ
ロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.2±
0.2の範囲であった)。次に上澄み液を約3L除去し
た(第一水洗)。さらに3Lの蒸留水を加えてから、ハ
ロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み液
を3L除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさ
らに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終了
した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン45gを加え、p
H5.7、pAgを7.5に調整し、防腐剤として、フ
ェノキシエタノールを加え、最終的に平均塩化銀を30
mol%、沃化銀を0.08mol%含む、平均粒子サ
イズ0.45μm、変動係数10%の未後熟ヨウ塩臭化
銀立方体乳粒子の分散物を得た(最終的に乳剤とし
て、pH=5.7、pAg=7.5、電導度=40μS
/m、密度=1.3〜1.35x103kg/m3、粘
度=50mPa・sとなった)。
【0370】《塗布液の作製》本実施例で調製するハロ
ゲン化銀写真感光材料は、下記に示す両面が塩化ビニリ
デンを含む防湿層下塗りからなるポリエチレンテレフタ
レートフィルム支持体の一面に、UL層/乳剤層/保護
層下層/保護層上層を形成し、その反対面に導電層/バ
ック層を形成した構造を有する。以下に各層を形成する
ために用いた塗布液の組成を示す。
【0371】 UL層塗布液 ゼラチン 0.5g/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(Cpd−7) 40mg/m2 化合物(Cpd−14) 10mg/m2 5−メチルベンゾトリアゾール 20mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 1.5mg/m2
【0372】 乳剤層塗布液 乳剤 表2に示す通り添加 分光増感色素(表2に記載) 5.7×10-4mol/Agmol KBr 3.4×10-4mol/Agmol 化合物(Cpd−1) 2.0×10-4mol/Agmol 化合物(Cpd−2) 2.0×10-4mol/Agmol 化合物(Cpd−3) 8.0×10-4mol/Agmol 4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン 1.2×10-4mol/Agmol ハイドロキノン 1.2×10-2mol/Agmol クエン酸 3.0×10-4mol/Agmol 5−メチルベンゾトリアゾール 20mg/m2 ヒドラジン化合物(表2に示す化合物) 表2に示す通り添加量 造核促進剤(表2に示す化合物) 表2に示す通り添加量 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ− 1,3,5−トリアジンナトリウム塩 90mg/m2 水性ラテックス(Cpd−6) 100mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 コロイダルシリカ(粒子サイズ10μm) ゼラチンに対して15質量% 化合物(Cpd−7) ゼラチンに対して4質量% メチルアクリレートと2−アクリルアミド− 2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩と 2−アセトキシエチルメタクリレートのラテックス共重合体 (質量比88:5:7) 150mg/m2 コアシェル型ラテックス (コア:スチレン/ブタジエン共重合体(質量比37/63)、 シェル:スチレン/2−アセトキシエチルアクリレート (質量比84/16)、コア/シェル比=50/50) 150mg/m2 クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。この
ようにして調製した乳剤層塗布液を下記支持体上に表2
に示す銀量、ゼラチン量になるように塗布した。
【0373】
【化104】
【0374】 保護層下層塗布液 ゼラチン 0.5g/m2 非感光性ハロゲン化銀粒子 銀量として0.1g/m2 化合物(Cpd−12) 15mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルドキシム 10mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 150mg/m2 化合物(Cpd−13) 3mg/m2 化合物(Cpd−20) 5mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 1.5mg/m2
【0375】 保護層上層塗布液 ゼラチン 0.3g/m2 平均3.5μmの不定形シリカマット剤 25mg/m2 化合物(Cpd−8)(ゼラチン分散物) 20mg/m2 粒子サイズ10〜20μmのコロイダルシリカ (日産化学製、スノーテックスC) 30mg/m2 化合物(Cpd−9) 50mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 化合物(Cpd−10) 20mg/m2 化合物(Cpd−11) 20mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 1mg/m2 なお、各層の塗布液には、下記増粘剤Zを加えて粘度調
整した。
【0376】
【化105】
【0377】 バック層塗布液 ゼラチン 3.3g/m2 化合物(Cpd−15) 40mg/m2 化合物(Cpd−16) 20mg/m2 化合物(Cpd−17) 90mg/m2 化合物(Cpd−18) 40mg/m2 化合物(Cpd−19) 26mg/m2 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ6.5μm) 30mg/m2 流動パラフィン 78mg/m2 化合物(Cpd−7) 120mg/m2 化合物(Cpd−20) 5mg/m2 コロイダルシリカ(粒子サイズ10μm) ゼラチンに対して15質量% 硝酸カルシウム 20mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 12mg/m2
【0378】 導電層塗布液 ゼラチン 0.1g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 SnO2/Sb(9/1質量比、 平均粒子サイズ0.25μm) 200mg/m2 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 0.3mg/m2
【0379】
【化106】
【0380】《支持体》二軸延伸したポリエチレンテレ
フタレート支持体(厚み100μm)の両面に下記組成
の下塗層第1層塗布液および下塗層第2層塗布液を塗布
した。
【0381】 下塗層1層塗布液 コア−シェル型塩化ビニリデン共重合体 15g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 0.25g ポリスチレン微粒子(平均粒子サイズ3μm) 0.05g 化合物(Cpd−21) 0.20g コロイダルシリカ(日産化学(株)製、 スノーテックスZL、粒子サイズ70〜100μm) 0.12g 水 合計量が100gになる量 さらに、10質量%のKOHを加え、pH=6に調整し
た塗布液を乾燥温度180℃で2分間乾燥した後の乾燥
膜厚が0.9μmになる様に塗布した。
【0382】 下塗層第2層塗布液 ゼラチン 1g メチルセルロース 0.05g 化合物(Cpd−22) 0.02g C1225O(CH2CH2O)10H 0.03g 防腐剤(ICI(株)製、プロキセル) 3.5×10-3g 酢酸 0.2g 水 合計量が100gになる量 この塗布液を乾燥温度170℃で2分間乾燥した後の乾
燥膜厚が0.1μmになる様に塗布した。
【0383】
【化107】
【0384】《支持体上への塗布方法》上記下塗層を施
した支持体上に、まず乳剤面側として支持体に近い側よ
りUL層、乳剤層、保護層下層、保護層上層の順に4層
を、35℃に保ちながらスライドビードコーター方式に
より硬膜剤液を加えつつ同時重層塗布し、冷風セットゾ
ーン(5℃)を通過させた後、乳剤面とは反対側に支持
体に近い側より、導電層、バック層の順に、カーテンコ
ーター方式により硬膜剤液を加えながら同時重層塗布
し、冷風セットゾーン(5℃)を通過させた。各々のセ
ットゾーンを通過した時点では、塗布液は充分なセット
性を示した。引き続き乾燥ゾーンにて両面を同時に下記
乾燥条件にて乾燥した。なお、バック面側を塗布した
後、巻き取りまではローラー、その他には一切無接触の
状態で搬送した。この時の塗布速度は200m/min
であった。
【0385】《乾燥条件》セット後、水/ゼラチンの質
量比が800%になるまで30℃の乾燥風で乾燥し、8
00%から200%になるまでを35℃相対湿度30%
の乾燥風で乾燥させ、そのまま風を当て、表面温度34
℃となった時点(乾燥終了と見なす)から30秒後に、
48℃相対湿度2%の空気で1分間乾燥した。この時、
乾燥時間は乾燥開始から水/ゼラチン比800%までが
50秒、800%から200%までが35秒、200%
から乾燥終了までが5秒であった。
【0386】このハロゲン化銀写真感光材料を25℃相
対湿度55%で巻き取り、次いで同環境下で裁断し、6
時間調湿したバリアー袋に、25℃相対湿度50%で8
時間調湿した後、25℃相対湿度50%で2時間調湿し
てある厚紙と共に密閉し、表2に示す試料1〜22を作
製した。バリアー袋内の湿度を測定したところ45%で
あった。また、得られた試料の乳剤層側の膜面pHは
5.5〜5.8、バック側の膜面pHは6.0〜6.5
であった。なお、乳剤層側およびバック層側の吸収スペ
クトルは図1に示す通りであった。
【0387】≪露光および現像≫得られた各試料を66
7nmにピークを有する干渉フィルターおよびステップ
ウェッジを介して、発光時間10-6秒のキセノンフラッ
シュ光で露光した。そして現像液(富士写真フイルム
(株)製、QR−D1)と定着液(富士写真フイルム
(株)製、NF−1)を使用し、自動現像機(富士写真
フイルム(株)製、FG−680AG)を用い、35℃
30秒の現像条件で処理した。
【0388】《評価》各試料について、感度、階調(ガ
ンマー)、実技濃度、処理性を以下の方法で測定した。 (感度)感度は、カブリ+1.5の濃度を与える露光量
の逆数で表し、試料No.1の値を100とする相対感
度として示した。値が大きい方が高感度であることを意
味する。
【0389】(ガンマー)光学濃度(y軸)と常用対数
露光量(x軸)で表される単位長の等しい直交座標軸上
に示される特性曲線を作製し、光学濃度0.1と1.5
との2点を結ぶ直線を引いてその勾配をガンマーとし
た。
【0390】(実技濃度)イメージセッター(富士写真
フイルム(株)製、RC5600V)を使用して175
線/インチで光量を変えながらテストステップを出力
し、前記の処理条件で現像処理を行い、中間網点が50
%になるLV値で露光した際のDmax部を測定し、実
技濃度とした。なお、網%および実技濃度は濃度計(M
acbethTD904)を用いて測定した。
【0391】(ハロゲン化銀写真感光材料の処理安定
性)表2に示す通り作製された各試料を、現像液QR−
D1で、1日あたり20%黒化で大全サイズ(50.8
cm×61cm)あたり使用液を100ml補充しなが
ら大全サイズを20枚処理し、これを1週間に6日稼動
でランニングを15週間連続して行った。このようにし
て小量のフィルム量を処理することによって、小量処理
現像液が得られた。また、表2に示す通り作製された各
試料を、現像液QR−D1で、1日あたり80%黒化で
大全サイズ(50.8cm×61cm)あたり使用液を
100ml補充しながら大全サイズを300枚処理し、
これを4日間連続して行った。このようにして大量のフ
ィルム量を処理することによって、大量処理現像液が得
られた。これらの現像液で、実技濃度の評価を行い、実
技濃度(小量)、実技濃度(大量)を求めた。処理安定
性の観点からは、実技濃度が4以上であることが好まし
い。
【0392】これらの評価結果を表2にまとめて示す。
表2より、本発明の条件を満たす試料は、感度、実技濃
度が高く、また処理性に優れていることがわかる。
【0393】
【表1】
【0394】
【表2】
【0395】<実施例2>実施例1における乳剤Aの化
学増感に使用されているチオ硫酸ナトリウムの代りに四
置換チオ尿素化合物であるカルボキシメチルトリメチル
チオ尿素化合物、または、ジカルボキシメチルジメチル
チオ尿素化合物をチオ硫酸ナトリウムと等mol添加し
た以外は同様にして試料を作製したところ、実施例1と
同様に本発明の構成の試料が良好な性能を示した。
【0396】<実施例3>実施例1と同様の実験を現像
液(コダックポリクロームグラフィックス(株)製、R
A2000)および定着液(コダックポリクロームグラ
フィックス(株)製、RA3000)を用いて行ったと
ころ、実施例1と同様に本発明の構成の試料が良好な性
能を示した。
【0397】<実施例4>実施例1と同様の実験を現像
液(アグファゲバルト(株)製、G101C)および定
着液(アグファゲバルト(株)製、G333)を用いて
行ったところ、実施例1と同様に本発明の構成の試料が
良好な性能を示した。
【0398】<実施例5>実施例1と同様の実験を固形
現像液(コニカ(株)製、タイプ681)と定着液(コ
ニカ(株)製、タイプ881)を用いて行ったところ、
実施例1と同様に本発明の構成の試料が良好な性能を示
した。
【0399】<実施例6>実施例1と同様の実験を下記
の固形現像液(富士写真フイルム(株)製、QR−D1
PD)と定着液(富士写真フイルム(株)製、UR−
F1 PD)を用いて行ったところ、実施例1と同様に
本発明の構成の試料が良好な性能を示した。
【0400】<実施例7>実施例1と同様の実験を固形
現像液(コニカ(株)製、681Z)と定着液(コニカ
(株)製、881Z)を用いて行ったところ、実施例1
と同様に本発明の構成の試料が良好な性能を示した。
【0401】<実施例8>実施例1と同様の実験を固形
現像液(コニカ(株)製、731G)と定着液(コニカ
(株)製、921G)を用いて行ったところ、実施例1
と同様に本発明の構成の試料が良好な性能を示した。
【0402】<実施例9>実施例1〜8において現像温
度38℃、定着温度37℃、現像時間20秒に設定して
処理を行ったところ、実施例1〜8と同様の結果とな
り、本発明の効果は失われることはなかった。
【0403】<実施例10>実施例1〜9において自現
機として富士写真フイルム(株)製FG−680ASを
用い、ハロゲン化銀写真感光材料の搬送速度を線速15
00mm/分に設定して同様の処理をしても、同様に本
発明の構成の試料が良好な性能を示した。
【0404】<実施例11>富士写真フイルム(株)製
のラックスセッターRC−5600Vを使用するかわり
に、大日本スクリーン(株)製のイメージセッターFT
−R5055、アグファゲバルト(株)製のセレクトセ
ット5000、アバントラ25、もしくはアキュセット
1000、サイテックス(株)製のドレブ450、もし
くはドレブ800、ハイデル(株)製のライノ630、
クエーサー、ハーキュレスエリート、もしくはシグナセ
ッター、富士写真フイルム(株)製のラックスセッター
ラクセルF−9000、F−6000またはプレプレス
(株)製のパンサープロ62のいずれか1機種を用いて
同様の評価を行ったところ、本発明の構成の試料が良好
な性能を示した。
【0405】<実施例12>実施例1における表2の分
光増感色素の代わりに、V−19またはVIa−7または
VIb−9と等mol添加した以外は同様に試料を作製し
た。
【0406】このようにして得られた各試料を667n
mにピークを有する干渉フィルターの代わりに、780
nmにピークを有する干渉フィルターおよびステップウ
ェッジを介して、露光した以外は、全く実施例1〜12
と同様の評価を行なったところ、本発明の構成の試料が
良好な性能を示した。但し、実技濃度は、富士写真フイ
ルム(株)製のラックスセッターRC−5600Vを使
用するかわりに、大日本スクリーン(株)製のイメージ
セッターFT−R3100を用いた。
【0407】
【発明の効果】本発明によれば、高感度で処理安定性が
高い、硬調なハロゲン化銀写真感光材料を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様に係るハロゲン化銀写真
感光材料について、乳剤層側およびバック層側の吸収ス
ペクトルを示したものである。
【符合の説明】
縦軸は吸光度(0.1間隔)を示し、横軸は350nm
〜900nmまでの波長を示す。実線は乳剤層側の吸収
スペクトルを示し、破線はバック層側の吸収スペクトル
を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/20 G03C 1/20 1/22 1/22 1/26 1/26 1/76 501 1/76 501 5/26 520 5/26 520

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀乳剤が臭
    化銀を40mol%以上含有するハロゲン組成を有し、
    かつ、該ハロゲン化銀中に銀1mol当たり、シアン化
    物配位子を1個以上含有する金属錯体を1×10-6mo
    l以上含有し、対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)
    の単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線にお
    いて、光学濃度0.1〜1.5におけるガンマーが4.
    0以上である特性曲線を有することを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 シアン化物配位子を1個以上含有する金
    属錯体がハロゲン化銀の結晶の内部に存在しており、該
    内部にはハロゲン化銀の結晶に含まれている全銀量の9
    9mol%以下が存在することを特徴とする請求項1に
    記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀乳剤が臭化銀を45mol
    %〜75mol%含有するハロゲン組成を有することを
    特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化銀写真
    感光材料。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀乳剤が、ハロゲン化銀中に
    銀1mol当たり、シアン化物配位子を1個以上含有す
    る金属錯体を5×10-6mol〜5×10-3mol含有
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のハロゲン化銀写真感光材料。
  5. 【請求項5】 シアン化物配位子を1個以上含有する金
    属錯体がハロゲン化銀の結晶の内部に存在しており、該
    内部にはハロゲン化銀の結晶に含まれている銀全量の9
    5mol%以下が存在することを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銀の結晶のアスペクト比(円
    相当径/厚さ)が2以下であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  7. 【請求項7】 対数露光量(x軸)と光学濃度(y軸)
    の単位長の等しい直交座標軸上に示される特性曲線にお
    いて、光学濃度0.1〜1.5におけるガンマーが5.
    0以上である特性曲線を有することを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  8. 【請求項8】 ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも一層が
    下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、
    (VIa)および(VIb)で表される分光増感色素を少な
    くとも一つ含有することを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 (式中、Y11、Y12、Y13およびY14は、各々独立に=
    N(R1)、酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはテ
    ルル原子を表す。ただし、Y13およびY14のいずれか一
    方は=N(R1)であり、Y11、Y12およびY13あるい
    はY11、Y12およびY14は同時に硫黄原子であることは
    ない。R11は、水可溶化基を有する炭素数8以下の脂肪
    族基を表し、R1、R12およびR13は、各々独立に脂肪
    族基、アリール基または複素環基を表す。ただし、
    1、R12およびR13の内の少なくとも2つは水可溶化
    基を有している。Z11は、5員または6員の含窒素複素
    環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、
    11によって形成される5員または6員の含窒素複素環
    はさらに縮合環を有していてもよい。W1は、酸素原
    子、硫黄原子、=N(R1)、または=C(E11)(E
    12)を表す。E11、E12は、各々独立に電子吸引性の基
    を表す。これらは互いに結合してケト環または酸性の複
    素環を形成してもよい。L11およびL12は、各々独立に
    置換あるいは無置換のメチン基を表し、l11は、0また
    は1を表す。M1は、分子の電荷を相殺するのに必要な
    イオンを表す。n11は、分子の総電荷を中和させるのに
    必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成しているとき
    は0である。) 【化2】 (式中、Z21は、5員または6員の含窒素複素環を形成
    するのに必要な非金属原子群を表す。ただし、Z21によ
    って形成される5員または6員の含窒素複素環はさらに
    縮合環を有していてもよい。Y21およびY22は、各々独
    立に=N(R2)、酸素原子、硫黄原子、セレン原子ま
    たはテルル原子を表す。W2は、=N(Ar)、酸素原
    子、硫黄原子、または=C(E21)(E22)を表す。E
    21、E22は、各々独立に電子吸引性の基、あるいは、E
    21およびE22が互いに結合して酸性の複素環を形成する
    非金属原子群を表し、Arは芳香族基または芳香族性の
    複素環基を表す。R21は、水可溶化基を有する炭素数8
    以下の脂肪族基を表し、R2、R22およびR23は、各々
    独立に脂肪族基、アリール基または複素環基を表す。た
    だし、R2、R22およびR23の内の少なくとも2つは水
    可溶化基を有している。L21、L22、L23およびL
    24は、各々独立に置換あるいは無置換のメチン基を表
    し、m21は、0または1を表す。M2は、分子の電荷を
    相殺するのに必要なイオンを表す。n21は、分子の総電
    荷を中和させるのに必要な数を表す。ただし、分子内塩
    を形成しているときは0である。) 【化3】 (式中、R31、R32は、各々独立にアルキル基を表す。
    ただし、少なくとも一方のアルキル基は水溶性基を有す
    る。V31、V32、V33およびV34は、水素原子または1
    価の置換基を表す。ただし、該置換基(V31、V32、V
    33、V34)の分子量の合計は50以下である。L31、L
    32、L33およびL34は、各々独立に置換あるいは無置換
    のメチン基を表す。M3は、分子の電荷を相殺するのに
    必要なイオンを表す。n31は、分子の総電荷を中和させ
    るのに必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成してい
    るときは0である。) 【化4】 (式中、R41は、アルキル基、アルケニル基またはアリ
    ール基であり、R42およびR43は、各々独立に水素、ア
    ルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、
    44、R45およびR46は、各々独立にアルキル基、アル
    ケニル基、アリール基または水素原子を表す。L41、L
    42は、各々独立に置換あるいは無置換のメチン基を表
    し、pは、0または1を表す。Z41は、5員または6員
    の複素環を完成するのに必要な原子団を表す。ただし、
    41によって形成される5員または6員の複素環式基は
    さらに縮合環を有していてもよい。M4は、分子の電荷
    を相殺するのに必要なイオンを表す。n41は、分子の総
    電荷を中和させるのに必要な数を表す。ただし、分子内
    塩を形成しているときは0である。一般式(IV)で表さ
    れる分光増感色素は少なくとも3個の水可溶化基を有す
    る。) 【化5】 (式中、Z51およびZ52は、各々独立に5員または6員
    の含窒素複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表
    す。ただし、Z51およびZ52によって形成される5員ま
    たは6員の含窒素複素環はさらに縮合環を有していても
    よい。R51およびR52は、各々独立にアルキル基、置換
    アルキル基またはアリール基を表す。Q51およびQ
    52は、協同してチアゾリジノン環またはイミダゾリジノ
    ン環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。L51
    52およびL53は、各々独立にメチン基または置換メチ
    ン基を表す。n51、n52は、各々独立に0または1を表
    す。M5は、分子の電荷を相殺するのに必要なイオンを
    表す。n53は、分子の総電荷を中和させるのに必要な数
    を表す。ただし、分子内塩を形成しているときは0であ
    る。) 【化6】 (式中、R61およびR62は、各々独立にアルキル基を表
    す。R63は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキ
    シ基、フェニル基、ベンジル基またはフェネチル基を表
    す。V6は、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ
    基、ハロゲン原子または置換アルキル基を表し、p
    6は、1または2を表す。Z61は、5員または6員の含
    窒素複素環を形成するのに必要な原子群を表す。ただ
    し、Z61によって形成される5員または6員の含窒素複
    素環はさらに縮合環を有していてもよい。m 61は、0ま
    たは1を表す。M61は、分子の電荷を相殺するのに必要
    なイオンを表す。n61は、分子の総電荷を中和させるの
    に必要な数を表す。ただし、分子内塩を形成していると
    きは0である。) 【化7】 (式中、R64およびR65は、各々独立にアルキル基を表
    す。R66およびR67は、各々独立に水素原子、低級アル
    キル基、低級アルコキシ基、フェニル基、ベンジル基ま
    たはフェネチル基を表す。R68、R69は、それぞれ水素
    原子を表す。また、R68とR69は、互いに連結してアル
    キレン基を形成してもよい。R70は、水素原子、低級ア
    ルキル基、低級アルコキシ基、フェニル基、ベンジル基
    または−N(W61)(W62)〔W61とW62は、各々独立
    にアルキル基またはアリール基を表す。また、W61とW
    62は、互いに連結して5員または6員の含窒素複素環を
    形成するものであってもよい。〕を表す。また、R66
    70またはR67とR70は、互いに連結してアルキレン基
    を形成するものであってもよい。Z62およびZ63は、各
    々独立に5員または6員の含窒素複素環を形成するのに
    必要な非金属原子群を表す。ただし、Z62およびZ63
    よって形成される5員または6員の含窒素複素環はさら
    に縮合環を有していてもよい。M62は、分子の電荷を相
    殺するのに必要なイオンを表す。n62は、分子の総電荷
    を中和させるのに必要な数を表す。ただし、分子内塩を
    形成しているときは0である。)
  9. 【請求項9】 ハロゲン化銀写真感光材料がヒドラジン
    誘導体を含有することを特徴とする請求項1〜8のいず
    れか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  10. 【請求項10】 ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層側
    の膜面pHが6.0以下であることを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料。
  11. 【請求項11】 固形処理剤を用いて調製された現像液
    で処理するための請求項1〜10のいずれか1項に記載
    のハロゲン化銀写真感光材料。
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