JP2003227969A - 光モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

光モジュールおよびその製造方法

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JP2003227969A
JP2003227969A JP2002026875A JP2002026875A JP2003227969A JP 2003227969 A JP2003227969 A JP 2003227969A JP 2002026875 A JP2002026875 A JP 2002026875A JP 2002026875 A JP2002026875 A JP 2002026875A JP 2003227969 A JP2003227969 A JP 2003227969A
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Akiyoshi Sawai
章能 澤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リードフレームやセラミック基板等の基材を
自動機で搬送しながらパッシブアライメント実装を行え
る光モジュールの構造および光モジュールの製造方法を
提供する。 【解決手段】 本発明に係る光モジュールは、基材とな
るリードフレーム1と、リードフレーム1上に実装され
LD(Laser Diode)3等の光学部品を有するオプティ
カルベンチ2と、オプティカルベンチ2上に延在する光
ファイバとを備える。そして、リードフレーム1に、オ
プティカルベンチ2に達する赤外線認識用窓部を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光モジュールおよ
びその製造方法に関し、特に、光学部品をシリコンから
なるオプティカルベンチ上にパッシブアライメント実装
する方法および該方法によって組立てられた光モジュー
ルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光モジュールは、一般にセラミックから
なるパッケージに種々の光学部品をハイブリッド実装
し、光信号の送受を行なう。光学部品にはPD(Photod
iode),LD(Laser Diode)など半導体素子からなる
光学能動部品や、光ファイバ、フィルタなどそれ自身が
光電変換を行なわない光学受動部品がある。
【0003】近年の光モジュールは、パッケージに光学
部品を直接組込むものではなく、予めオプティカルベン
チと呼ばれるシリコン基板上に組立て、その組立体をパ
ッケージに組込む手法が多く採用されている。これによ
り従来よりも高密度集積が可能となるとともに、自動機
を用いた組立てが可能となり生産性が向上する。
【0004】オプティカルベンチを使用した組立て方法
は、パッシブアライメント実装と呼ばれ、光部品を発光
または受光させながら光軸調整するのではなく、機械精
度にて実装するという特徴があり、そのため量産性に優
れている。具体的には、オプティカルベンチと光学部品
の双方にアライメントマークを形成し、赤外線カメラに
て認識、位置調整、実装したり、オプティカルベンチに
形成されたV溝にファイバを押し付けて実装する。
【0005】赤外線がシリコンを透過するするという特
徴を利用して、赤外線認識はオプティカルベンチの裏面
側から行う。赤外線認識によるパッシブアライメント実
装の精度としては、約1μmの高精度が実現できてい
る。
【0006】次に、図17および図18を用いて、赤外
線認識によるパッシブアライメント実装を用いた従来の
光モジュールのプロセス例について説明する。
【0007】図17に示すように、赤外線認識を行いな
がらオプティカルベンチ2上に接合部材14を介してL
D3をパッシブアライメント実装する。その後、図18
に示すように、接合部材12を介して、LD3等の光学
部品を実装したサブアセンブリを個々にリードフレーム
1にダイボンド実装する。なお、オプティカルベンチ2
には、光ファイバを搭載するV溝や、光学部品を半田接
合したりワイヤボンドしたりするための金属パターンが
形成されている。
【0008】光学部品の半田接合は、オプティカルベン
チと光学部品のいずれか一方に半田を予め成膜してお
き、他方には半田がぬれ広がる金属パターンを形成し、
光学部品搭載時に半田を溶融させて行う。半田材料とし
ては、一般に融点280度の金錫共晶合金が用いられ
る。金属パターンの最表面は一般に金で覆われる。な
お、オプティカルベンチと光学部品の両方に半田を予め
成膜しても光学部品の接合は可能である。
【0009】赤外線認識を必要としないパッシブアライ
メント実装の例として、光ファイバをV溝に接着剤を用
いて実装するなどの場合もある。樹脂接着剤による接着
は、オプティカルベンチ上に樹脂接着剤を塗布し、その
上に光学部品を搭載し、加熱や光照射により樹脂を硬化
させて行う。
【0010】このようにして組立てられたサブアセンブ
リは、上述のようにリードフレームやセラミック等から
なる箱体に実装され、パッケージ化される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パッシブアラ
イメント実装を使用した従来の実装方法では、たとえば
図18に示す段階でリードフレーム1が障害となってオ
プティカルベンチ2をリードフレーム1裏面側から赤外
線認識することができない。そのため、オプティカルベ
ンチ2を個々に扱う必要が生じ、自動実装機においてハ
ンドリングが煩雑になる。そのため、搬送系に実装部品
毎の専用設計が必要になるという問題があった。また、
複数の品種を一台の自動機で共用する際の自動機のフレ
キシビリティに欠けてしまう。
【0012】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものである。本発明の目的は、リードフレームやセ
ラミック基板等の基材を自動機で搬送しながら効率的に
パッシブアライメント実装を行える光モジュールの構造
および光モジュールの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光モジュー
ルは、1つの局面では、基材と、基材上に実装され光学
部品を有するオプティカルベンチと、オプティカルベン
チ上に延在する光ファイバとを備える。そして、上記基
材に、オプティカルベンチに達する窓部を設ける。
【0014】このように基材にオプティカルベンチに達
する窓部を設けることにより、オプティカルベンチを基
材上に実装した状態で、基材の裏面側からオプティカル
ベンチや光学部品を赤外線認識しながらオプティカルベ
ンチに光学部品を実装することができる。
【0015】上記基材はリードフレームのダイパッドで
あってもよく、配線基板であってもよい。そして上記窓
部は、パッシブアライメント実装用の窓部である。かか
る窓部を設けることにより、該窓部を通して光学部品等
を赤外線認識しながらパッシブアライメント実装を行え
る。
【0016】上記オプティカルベンチと光学部品の少な
くとも一方に、上記窓部を通して赤外線認識可能なマー
クを設けることが好ましい。パッシブアライメント実装
時にこのマークを赤外線認識することにより、上記窓部
を通してオプティカルベンチや光学部品を赤外線認識で
きる。
【0017】オプティカルベンチは第1接合部材を介し
て基材に実装され、光学部品は第2接合部材を介してオ
プティカルベンチに実装される。この場合、第1接合部
材の融点を、第2接合部材の融点よりも高くすることが
好ましい。それにより、オプティカルベンチを基材上に
実装した状態で、オプティカルベンチに光学部品を実装
することができる。
【0018】本発明に係る光モジュールは、他の局面で
は、表面に光学部品を実装したオプティカルベンチと、
該オプティカルベンチの表面と接合されオプティカルベ
ンチ上からオプティカルベンチの周囲の領域上に向かっ
て延びるオプティカルベンチ固定用リード(導体部)と
を備える。
【0019】本局面の場合には、オプティカルベンチの
裏面に基材は接合されず、典型的にはオプティカルベン
チの裏面全面が露出する。そのため、オプティカルベン
チを固定用リード(導体部)に固定した状態で、オプテ
ィカルベンチや光学部品を赤外線認識しながらオプティ
カルベンチに光学部品を実装することができる。
【0020】上記光モジュールは、オプティカルベンチ
の表面に形成された導体パターン(ダミーパターン)
と、オプティカルベンチの表面に形成され電気配線とし
て機能する配線パターンと、配線パターンと接続される
電気信号用リードとを備えることが好ましい。この場
合、オプティカルベンチ固定用リードを導体パターンと
接合し、導体パターンを配線パターンと電気的に絶縁分
離する。
【0021】上記のように導体パターンと配線パターン
とを設け、これらを絶縁分離することにより、オプティ
カルベンチ固定用リードと電気信号用リードとの電気的
ショートを防止しながらこれらをオプティカルベンチと
接合することができる。
【0022】上記オプティカルベンチは第1接合部材を
介してオプティカルベンチ固定用リードと接合され、光
学部品は第2接合部材を介してオプティカルベンチに実
装される。この場合、第1接合部材の融点を、第2接合
部材の融点よりも高くする。それにより、オプティカル
ベンチ固定用リードにオプティカルベンチをと接合した
状態で、オプティカルベンチに光学部品を実装すること
ができる。
【0023】本発明に係る光モジュールの製造方法は、
1つの局面では、次の各工程を備える。窓部を有する基
材を作製する。基材の窓部上にオプティカルベンチを実
装する。基材上のオプティカルベンチに光学部品を実装
する。
【0024】このように基材にオプティカルベンチに達
する窓部を設け、該窓部上にオプティカルベンチを実装
することにより、窓部を通してオプティカルベンチ上の
光学部品を赤外線認識することができる。それにより、
オプティカルベンチを基材上に実装した状態で、オプテ
ィカルベンチに光学部品をパッシブアライメント実装す
ることができる。
【0025】本発明に係る光モジュールの製造方法は、
他の局面では、次の各工程を備える。オプティカルベン
チ表面にリードを接合する。リードと接合された状態の
オプティカルベンチ上に光学部品を実装する。
【0026】本局面の場合、オプティカルベンチ表面に
固定用リードを接合するので、オプティカルベンチ裏面
全面を露出させることができる。それにより、オプティ
カルベンチ裏面側からオプティカルベンチ上の光学部品
を赤外線認識することができる。その結果、オプティカ
ルベンチをリードに固定した状態で、オプティカルベン
チに光学部品をパッシブアライメント実装することがで
きる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図16を用いて、本
発明の実施の形態について説明する。
【0028】(実施の形態1)図1に本発明の実施の形
態1における光モジュールの内部構造を示す斜視図、図
2に該光モジュールの断面図を示す。
【0029】図1および図2に示すように、本発明の光
モジュールは、基材となるリードフレーム1と、オプテ
ィカルベンチ(光学部品実装用ベース)2と、オプティ
カルベンチ2に実装されたLD(光学部品)3と、モニ
タPD4と、セラミックキャリア5と、フェルール6
と、光ファイバ7と、金線8と、金属パターン9と、透
明ポッティグ樹脂10と、モールド樹脂11とを備え
る。
【0030】リードフレーム1は、42アロイ(42重
量%のニッケルを含む鉄系材料)で構成され、ダイパッ
ドと、リードとを有する。該リードフレーム1は、好ま
しくは一枚で多数個の光モジュールが組立て可能なよう
に設計される。
【0031】42アロイでリードフレーム1を形成した
場合、赤外線はリードフレーム1を透過しない。そのた
め、リードフレーム1の裏面側からオプティカルベンチ
2およびLD3等の光学部品の赤外線認識を可能にする
ため、図2に示すようにダイパッドに窓部(貫通孔ある
いは開口)13を設ける。
【0032】上記の窓部13を覆うようにダイパッド上
にオプティカルベンチ2を実装する。このとき、後述す
るオプティカルベンチ2の認識用マークが窓部13内に
位置するようにオプティカルベンチ2の実装位置を調節
する。
【0033】オプティカルベンチ2は、たとえばシリコ
ンからなり、その表面には、金属パターン9や光ファイ
バ7受入用のV溝などの溝部を形成する。オプティカル
ベンチ2上にハイブリッド実装される光学部品は、LD
3などの光学能動部品や、光ファイバ7、フィルタなど
の光学受動部品を含む。
【0034】オプティカルベンチ2は、図2に示すよう
に、接合部材12を介してダイパッドに実装される。接
合部材12は、光学部品をオプティカルベンチ2に接合
する接合部材(たとえば金錫共晶合金で融点280度の
もの)14よりも高い耐熱性を有する必要がある。たと
えば融点370度の金シリコン共晶合金(94Au−6
Si)や、融点356度の金ゲルマニウム共晶合金(8
8Au−12Ge)などの350度以上の融点を有する
ハードソルダを接合部材12として用いることができ
る。
【0035】この場合、ダイパッドの表面およびオプテ
ィカルベンチ2の裏面は金めっきされている必要があ
る。ただし、オプティカルベンチ2の認識用マークが存
在する部分に対応する裏面は金めっきされてはならな
い。
【0036】なお、高耐熱性樹脂を接合部材12として
用いてもよい。たとえばガラス転移点400度のポリイ
ミドを接合部材12として使用可能である。
【0037】LD3は、図2に示すように、接合部材1
4を介してオプティカルベンチ2に実装され、透明ポッ
ティグ樹脂10により覆われる。モニタPD4は、図1
に示すようにセラミックキャリア5に実装される。LD
3やモニタPD4は、金線8を介して所定のリードや電
極と接続される。
【0038】端面発光LD3からの前面光は、光ファイ
バ7に結合し、背面光は面受光型のモニタPD4に受光
される。モニタPD4を垂直に実装するため、二面メタ
ライズしたセラミックキャリア5を用いている。LD3
への給電は、リードフレーム1とオプティカルベンチ2
上の金属パターン9とを金線8で結線することにより行
われる。
【0039】光ファイバ7は、予めジルコニアなどから
なるフェルール6の中心孔に接着されている。光ファイ
バ7端は、オプティカルベンチ2表面のV溝上に精度良
く搭載され、接着剤などによりオプティカルベンチ2に
固定される。フェルール6は、リードフレーム1にエッ
チング等により形成された溝上に搭載される。
【0040】光ファイバ7端、LD3、モニタPD4の
光路となる領域は、図2に示す透明ポッティグ樹脂10
により封止され、リードフレーム1、オプティカルベン
チ2、LD3、モニタPD4、透明ポッティグ樹脂10
等を含むアセンブリ体は、図2に示すモールド樹脂11
により封止される。
【0041】実際には、リードフレーム1は、図1や図
2のセグメントが多数個(たとえば10個)連なった形
態であるが、説明の便宜上かかる状態を図示していな
い。多数個取りのリードフレーム1は、リード加工金型
で個片化とリードフォーミングがなされる。
【0042】次に、図3を用いて、本実施の形態におけ
る光モジュールの特徴的構成について詳しく説明する。
図3は、本実施の形態における光モジュールの部分拡大
断面図である。
【0043】図3に示すように、オプティカルベンチ2
を実装する基材(リードフレーム1)にオプティカルベ
ンチ2に達する窓部13を設け、該窓部13を通して裏
面(図3における下面)側からオプティカルベンチ2お
よびその上の光学部品を赤外線認識できるようにしてい
る。
【0044】オプティカルベンチ2の表面に認識用マー
ク16を形成し、LD3の裏面に認識用マーク15を形
成している。認識用マーク15,16は、たとえば金属
の薄膜で形成される。具体的には、チタン/白金/金の
3層膜で合計厚みが1μm程度の金属膜を認識用マーク
15,16として使用可能である。図3に示す例ではL
D3の端部近傍に認識用マーク15を設け、1対の認識
用マーク16間に認識用マーク15が位置するようにL
D3を配置している。
【0045】図3に示すように、窓部13を通して認識
用マーク15,16に赤外線19を照射すると、赤外線
19は認識用マーク15,16に反射する。この反射し
た赤外線19を検知することで、基材(本実施の形態で
はリードフレーム1)の下側(裏面側)からオプティカ
ルベンチ2とLD3等の光学部品とを認識することがで
きる。それにより、オプティカルベンチ2を基材上に実
装した状態で、オプティカルベンチ2に光学部品をパッ
シブアライメント実装することができる。
【0046】なお、図3に示すように、オプティカルベ
ンチ2の表面には光ファイバ7の端部を受け入れるV溝
17が設けられ、オプティカルベンチ2の裏面には裏面
メタライズ層18が形成される。
【0047】次に、図4〜図10を用いて、本実施の形
態1における光モジュールの製造方法を説明する。
【0048】図4(a)および(b)に示すように、赤
外線認識用窓部13およびフェルール搭載部(溝部)2
0を有するリードフレーム1を形成する。このとき窓部
13は、リードフレーム1のパターニング時にエッチン
グやパンチングにより形成される。
【0049】次に、図5(a)および(b)に示すよう
に、上述のように比較的融点の高い接合部材12を介し
てリードフレーム1上にオプティカルベンチ2をダイボ
ンドする。このとき、オプティカルベンチ2の認識用マ
ーク16が窓部13上に位置するようにオプティカルベ
ンチ2を配置する。
【0050】次に、図6(a)および(b)に示すよう
に、オプティカルベンチ2にLD(光学部品)3を赤外
線認識パッシブアライメント実装法にてダイボンドす
る。具体的には、リードフレーム1の裏面側から、LD
(光学部品)3に形成した認識用マーク15およびオプ
ティカルベンチ2の認識用マーク16に窓部13を通し
て赤外線を照射し、各認識用マーク15、16を認識し
ながらLD(光学部品)3を配置および/またはLD
(光学部品)3位置の補正を適宜行い、ダイパッドを通
した加熱と冷却を行うことによりオプティカルベンチ2
にLD(光学部品)3を半田接合する。
【0051】オプティカルベンチ2への光学部品の接合
には、接合部材14を用いる。この接合部材14のとし
ては融点280度程度の金錫共晶合金を用いるので、こ
の金錫共晶合金を溶融させるには約350度程度まで加
熱する必要がある。
【0052】そこで、リードフレーム1へのオプティカ
ルベンチ2の接合用の接合部材12として融点が350
度よりも高い材質を選択する。それにより、光学部品の
ダイボンド時に接合部材12が再溶融するのを阻止する
ことができ、かかる再溶融によるオプティカルベンチ2
の位置ずれなどの問題を回避することができる。
【0053】なお、複数の光学部品を実装する場合、上
記方法が連続して行われる。また、1個の光モジュール
のパッシブアライメント実装が完了すれば、リードフレ
ーム1を1個分自動送り搬送することで、自動機による
連続的なダイボンド実装が繰り返し行われる。
【0054】次に、図7に示すように、モニタPD付き
のセラミックキャリア5をリードフレーム1に実装す
る。セラミックキャリア5には予めモニタPD4がダイ
ボンドされており、セラミックキャリア5とモニタPD
4は金線にてワイヤボンド接続されている。
【0055】その後、図8に示すようにフェルール6付
き光ファイバ7をオプティカルベンチ2にダイボンド
し、図9(a)および(b)に示すように、所定の電極
間をワイヤボンド接続する。
【0056】次に、図10に示すように透明樹脂による
ポッティングを行って透明ポッティグ樹脂10を形成
し、このアセンブリ体を金型内に配置して樹脂を注入す
る。この樹脂を硬化させることで、図2に示すモールド
樹脂10を形成する。以上の工程を経て本実施の形態に
おける光モジュールが完成する。
【0057】本実施の形態によれば、独立したオプティ
カルベンチ2を個々にハンドリングや搬送することな
く、多数個取りのリードフレーム1で連続的にパッシブ
アライメント実装することができる。それにより、生産
性に優れた光モジュールの組立てプロセスを実現でき
る。また、多品種の光モジュールに対するパッシブアラ
イメント自動機のフレキシブルな対応が可能となる。
【0058】(実施の形態2)次に、図11〜図14を
用いて、本発明の実施の形態2について説明する。図1
1は本実施の形態2における光モジュールの内部構造を
示す斜視図、図12は該光モジュールの部分断面図、図
13は本実施の形態2における光モジュールの断面図で
ある。
【0059】図11〜図13に示すように、本実施の形
態2の光モジュールでは、リードフレーム1にダイパッ
ドがなく、リードフレーム1のリードがオプティカルベ
ンチ2の表面に予め固定されている。
【0060】オプティカルベンチ2の固定用リードは、
図11〜図13に示すように、予め折り曲げ加工されて
おり、屈曲している。このオプティカルベンチ固定用リ
ードの折り曲げ量で、オプティカルベンチ2のモジュー
ル内での垂直位置を調整している。
【0061】また、図11〜図13に示すように、オプ
ティカルベンチ2の裏面側に実施の形態1の場合のよう
な基材を設置していないので、オプティカルベンチ2へ
の光学部品の実装時に、オプティカルベンチ2の裏面は
全面露出している。それにより、リードフレーム1にオ
プティカルベンチ2を固定した状態で、オプティカルベ
ンチ2に光学部品をパッシブアライメント実装すること
ができる。
【0062】また、オプティカルベンチ固定用リードは
接合部材12を介してオプティカルベンチ2の表面とを
接合される。この接合部材12は、実施の形態1の場合
と同様に、光学部品をオプティカルベンチ2に接合する
接合部材(たとえば金錫共晶合金で融点280度のも
の)よりも高い耐熱性を有する必要がある。たとえば融
点370度の金シリコン共晶合金(94Au−6Si)
や、融点356度の金ゲルマニウム共晶合金(88Au
−12Ge)などの350度以上の融点を有するハード
ソルダを用いることができる。
【0063】この場合、固定用リード表面は金めっきさ
れている必要があり、オプティカルベンチ2表面にも同
様に金等よりなるダミーパターン(導体パターン)が必
要である。
【0064】オプティカルベンチ2表面には、図14に
示すように、ダミーパターン9b以外に電気配線の機能
を有する配線パターン9aが存在するが、これらの電気
的ショートを防止するため配線パターン9aとダミーパ
ターン9bとを分離する。
【0065】他方、リードも、同様に電気信号用とオプ
ティカルベンチ固定用とに区別される。図11〜図13
に示す例では、オプティカルベンチ固定用リードを屈曲
させて電気信号用リードと区別している。
【0066】なお、高耐熱性樹脂を接合部材12として
用いてもよい。たとえばガラス転移点400度のポリイ
ミドを接合部材12として使用可能である。この場合、
ポリイミドが電気的絶縁物であるので、電気信号用リー
ドをオプティカルベンチ固定用リードとして扱うことが
できる。
【0067】また、図11〜図13に示す例では、オプ
ティカルベンチ固定用リードをリードフレーム1の片側
に1本だけ設けているが、該固定用リードをリードフレ
ーム1の両側に設けてもよい。また、固定用リードを複
数本設けてもよい。固定用リードの数を増やすことによ
り、オプティカルベンチ2をリードフレーム1に強固に
固定することができる。
【0068】上記以外の構成については、実施の形態1
の場合と基本的に同様であるので、重複説明は省略す
る。
【0069】次に、図11〜図13に示す本実施の形態
2における光モジュールの製造方法を説明する。
【0070】まず、ダイパッドがなく一部のリードを所
定形状に折り曲げたリードフレーム1を作製する。他
方、オプティカルベンチ2の表面に、配線パターン9a
とともにリード固定用のダミーパターン(導体パター
ン)9bを形成する。
【0071】次に、実施の形態1におけるダイパッドと
オプティカルベンチ2との接合方法と同様の手法で、リ
ードフレーム1におけるのオプティカルベンチ固定用リ
ードを、オプティカルベンチ2表面のダミーパターン
(導体パターン)9bに接合部材12を介して接合す
る。
【0072】次に、LD3は、図12,図13に示すよ
うに、接合部材14を介してオプティカルベンチ2に実
装される。接合部材14としては実施の形態1と同様の
材質を用いる。図11に示すように、リードフレーム1
の張出部上にセラミックキャリア5を接合する。
【0073】それ以降は実施の形態1と同様の工程を経
て、図11〜図13に示す光モジュールが得られる。
【0074】本実施の形態2の場合も、実施の形態1と
同様の効果を期待できる。それに加え、リードをオプテ
ィカルベンチ2上に延在させ、ダイパッドを省略してい
るので、光モジュールを小型化することができる。
【0075】(実施の形態3)次に、図15と図16を
用いて本発明の実施の形態3について説明する。図15
は本実施の形態3における光モジュールの内部構造を示
す斜視図、図16は該光モジュールの断面図である。
【0076】図15と図16に示すように、本実施の形
態3の光モジュールでは、実施の形態1におけるリード
フレーム1の代わりに基板(典型的には配線基板)21
を用いる。この基板21は、たとえばセラミック等の絶
縁体からなり、オプティカルベンチ2の認識マークが存
在する位置に認識用窓部13を有する。
【0077】基板21がセラミックで構成される場合、
赤外線は基板21を透過しない。そこで、実施の形態1
の場合と同様に、基板21に赤外線認識用の窓部13を
設ける。それにより、該窓部13を通してオプティカル
ベンチ2およびこれに実装される光学部品を赤外線認識
することができ、実施の形態1の場合と同様の効果が得
られる。
【0078】図15および図16に示すように、基板2
1には金属パターン9を形成し、金属パターン9は金線
8を介してLD3やモニタPD4と電気的に接続され
る。図15および図16に示す例では、金属パターン9
は基板21の側面上を経由して裏面へと延在している
が、基板21にスルーホールを設けて基板21の表面金
属パターンと裏面金属パターンとを電気的に接続しても
よい。
【0079】また、図16に示すように、オプティカル
ベンチ2、LD3等の光学部品、透明ポッティング樹脂
10を覆うように外部ポッティング樹脂22を設け、基
板21の裏面を露出させている。
【0080】なお、基板21とオプティカルベンチ2と
を接合する接合部材12の材質や、オプティカルベンチ
2とLD3等の光学部品とを接合する接合部材14の材
質については、実施の形態1の場合と同様のものを使用
可能である。
【0081】この場合、基板21の表面およびオプティ
カルベンチ2の裏面は金めっきされている必要がある
が、赤外線認識用マークが存在する部分に対応する裏面
には金めっきを施さない。
【0082】また、図15に示す例では長尺の光ファイ
バ7を使用し、光ファイバ7にフェルールを取り付けて
いないが、フェルール付きの光ファイバ7を使用するこ
とも可能である。
【0083】上記以外の光モジュールの構成について
は、実施の形態1と同様であるので、重複説明は省略す
る。
【0084】本実施の形態の光モジュールを製造するに
は、窓部13および金属パターン9を有するセラミック
からなる基板21を周知の手法で作製し、実施の形態1
と同様の手法で該基板21の窓部13上にオプティカル
ベンチ2を実装すればよい。それ以降は実施の形態1と
同様の手法で図16に示す光モジュールを製造すること
ができる。
【0085】本実施の形態によれば、実施の形態1と同
様の効果が得られることに加えて、オプティカルベンチ
2を支持する基材として基板(典型的には配線基板)2
1を使用しているので、高周波に適した配線設計を行
え、光モジュールの広帯域化が可能となる。
【0086】以上のように本発明の実施の形態について
説明を行なったが、今回開示した実施の形態はすべての
点で例示であって制限的なものではないと考えられるべ
きである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示さ
れ、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべ
ての変更が含まれる。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、オプティカルベンチを
基材上に実装した状態あるいはリードフレームに固定し
た状態でオプティカルベンチに光学部品をパッシブアラ
イメント実装することができる。それにより、リードフ
レームやセラミック基板等の基材を自動機で搬送しなが
ら効率的にパッシブアライメント実装を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における光モジュール
の内部構造を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1における光モジュール
の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1における光モジュール
の部分拡大断面図である。
【図4】 (a)および(b)は本発明の実施の形態1
における光モジュールの製造工程の第1工程を示す斜視
図および断面図である。
【図5】 (a)および(b)は本発明の実施の形態1
における光モジュールの製造工程の第2工程を示す斜視
図および断面図である。
【図6】 (a)および(b)は本発明の実施の形態1
における光モジュールの製造工程の第3工程を示す斜視
図および断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態1における光モジュール
の製造工程の第4工程を示す斜視図である。
【図8】 本発明の実施の形態1における光モジュール
の製造工程の第5工程を示す斜視図である。
【図9】 (a)および(b)は本発明の実施の形態1
における光モジュールの製造工程の第6工程を示す斜視
図および断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態1における光モジュー
ルの製造工程の第7工程を示す断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態2における光モジュー
ルの内部構造を示す斜視図である。
【図12】 本発明の実施の形態2における光モジュー
ルの部分断面図である。
【図13】 本発明の実施の形態2における光モジュー
ルの断面図である。
【図14】 本発明の実施の形態2におけるオプティカ
ルベンチの斜視図である。
【図15】 本発明の実施の形態3における光モジュー
ルの内部構造を示す斜視図である。
【図16】 本発明の実施の形態3における光モジュー
ルの断面図である。
【図17】 光学部品をオプティカルベンチにパッシブ
アライメント実装する従来の工程を説明するための断面
図である。
【図18】 リードフレームにオプティカルベンチを実
装する従来の手法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 リードフレーム、2 オプティカルベンチ、3 L
D(レーザダイオード)、4 モニタPD(フォトダイ
オード)、5 セラミックキャリア、6 フェルール、
7 光ファイバ、8 金線、9 金属パターン、9a
配線パターン、9b ダミーパターン、10 透明ポッ
ティング樹脂、11 モールド樹脂、12、14 接合
部材、13 窓部、15、16 認識用マーク、17
V溝、18 裏面メタライズ層、19 赤外線、20
フェルール搭載部、21 基板、22 外部ポッティン
グ樹脂。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、 前記基材上に実装され、光学部品を有するオプティカル
    ベンチと、 前記オプティカルベンチ上に延在する光ファイバとを備
    え、 前記基材に、前記オプティカルベンチに達する窓部を設
    けた、光モジュール。
  2. 【請求項2】 前記基材はリードフレームのダイパッド
    であり、 前記窓部は、パッシブアライメント実装用の窓部であ
    る、請求項1に記載の光モジュール。
  3. 【請求項3】 前記基材は配線基板であり、 前記窓部は、パッシブアライメント実装用の窓部であ
    る、請求項1に記載の光モジュール。
  4. 【請求項4】 前記オプティカルベンチと前記光学部品
    の少なくとも一方に、前記窓部を通して赤外線認識可能
    なマークを設けた、請求項1から請求項3のいずれかに
    記載の光モジュール。
  5. 【請求項5】 前記オプティカルベンチは、第1接合部
    材を介して前記基材に実装され、 前記光学部品は、第2接合部材を介して前記オプティカ
    ルベンチに実装され、 前記第1接合部材の融点を、前記第2接合部材の融点よ
    りも高くした、請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光モジュール。
  6. 【請求項6】 表面に光学部品を実装したオプティカル
    ベンチと、 前記オプティカルベンチの表面と接合され、前記オプテ
    ィカルベンチ上から前記オプティカルベンチの周囲の領
    域上に向かって延びるオプティカルベンチ固定用リード
    と、を備えた光モジュール。
  7. 【請求項7】 前記オプティカルベンチの表面に形成さ
    れた導体パターンと、 前記オプティカルベンチの表面に形成され電気配線とし
    て機能する配線パターンと、 前記配線パターンと接続される電気信号用リードとを備
    え、 前記オプティカルベンチ固定用リードを前記導体パター
    ンと接合し、 前記導体パターンを前記配線パターンと電気的に絶縁分
    離した、請求項6に記載の光モジュール。
  8. 【請求項8】 前記オプティカルベンチは、第1接合部
    材を介して前記オプティカルベンチ固定用リードと接合
    され、 前記光学部品は、第2接合部材を介して前記オプティカ
    ルベンチに実装され、 前記第1接合部材の融点を、前記第2接合部材の融点よ
    りも高くした、請求項6または請求項7に記載の光モジ
    ュール。
  9. 【請求項9】 窓部を有する基材を作製する工程と、 前記基材の窓部上にオプティカルベンチを実装する工程
    と、 前記基材上の前記オプティカルベンチに光学部品を実装
    する工程と、 を備えた光モジュールの製造方法。
  10. 【請求項10】 オプティカルベンチ表面にリードを接
    合する工程と、 前記リードと接合された状態のオプティカルベンチ上に
    光学部品を実装する工程と、 を備えた光モジュールの製造方法。
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