JP2003226053A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2003226053A
JP2003226053A JP2002024098A JP2002024098A JP2003226053A JP 2003226053 A JP2003226053 A JP 2003226053A JP 2002024098 A JP2002024098 A JP 2002024098A JP 2002024098 A JP2002024098 A JP 2002024098A JP 2003226053 A JP2003226053 A JP 2003226053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 専用の反転ローラを設けずに記録紙の面を反
転させて、その裏面に記録を実行して記録紙の両面に記
録を実行することが可能な構成を有する記録装置におい
て、記録紙の両面に記録を実行する際の給紙制御手順を
簡略にする。 【解決手段】 給紙経路へ給紙された記録紙を所定の搬
送量で搬送する記録紙搬送手段と、該記録紙搬送手段に
よって搬送経路を搬送される前記記録紙の記録面に記録
を実行する記録実行手段と、該記録実行手段によって記
録実行済みの前記記録紙を排出経路へ排出する記録紙排
出手段と、前記記録実行手段によって表面に記録実行済
みの前記記録紙を、該記録紙の終端側から前記搬送方向
と逆方向に、前記搬送経路とは異なる逆送経路を介し
て、前記給紙手段に向けて搬送し、前記給紙手段によっ
て、該記録紙の終端側から前記給紙経路へ該記録紙の裏
面を前記記録面として給紙する記録面反転給紙手段とを
備えたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、記録紙の両面に
記録実行可能な構成を有する記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従記録紙の表面に記録実行後、記録装置
内で記録紙の面を反転させて、記録紙の裏面に記録を実
行して記録紙の両面に記録を実行することが可能な構成
を有する従来の記録装置の一例としては、記録紙の記録
面を反転させるための専用の反転ローラを備えたものが
公知である。これは、記録実行後の記録紙を記録実行時
の搬送経路を介して記録実行時の搬送方向と逆方向に搬
送し、その記録紙を専用の反転ローラにて反転させなが
ら再び搬送経路に戻すことによって、記録面を反転させ
るものである。
【0003】しかし、専用の反転ローラを設けることに
よって、その分記録装置のコストが上昇してしまうとと
もに、専用の反転ローラを配設するスペースの分だけ記
録装置が大型になってしまうという問題が生じてしま
う。そこで、このような問題を解決した従来技術として
は、専用の反転ローラを設けずに、記録装置内で記録紙
の面を反転させて、記録紙の裏面に記録を実行して記録
紙の両面に記録を実行することが可能な構成を有する記
録装置が公知であり、その一例として、特開2001−
290313号公報や特開平5−297662号公報等
が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術に開示されている記録装置は、記録紙の面を
反転させた後、直接記録実行領域に記録紙を給紙するた
め、給紙トレイや給紙カセット等から記録紙を給紙する
給紙制御手順と、記録実行後の記録紙を反転させた後に
記録実行領域に給紙する給紙制御手順とが異なることに
なる。したがって、記録紙の両面に記録を実行する際の
給紙制御手順が複雑になってしまうという問題が生じる
ことになる。
【0005】本願発明は、このような状況に鑑み成され
たものであり、その課題は、専用の反転ローラを設けず
に、記録装置内で記録紙の面を反転させて、記録紙の裏
面に記録を実行して記録紙の両面に記録を実行すること
が可能な構成を有する記録装置において、記録紙の両面
に記録を実行する際の給紙制御手順を簡略にすることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本願請求項1に記載の発明は、記録紙を給紙経路へ
給紙する給紙手段と、前記給紙経路へ給紙された前記記
録紙を、所定の搬送量で搬送する記録紙搬送手段と、該
記録紙搬送手段によって搬送経路を搬送される前記記録
紙の記録面に記録を実行する記録実行手段と、該記録実
行手段によって記録実行済みの前記記録紙を排出経路へ
排出する記録紙排出手段と、前記記録実行手段によって
表面に記録実行済みの前記記録紙を、該記録紙の終端側
から前記搬送方向と逆方向に、前記搬送経路とは異なる
逆送経路を介して、前記給紙手段に向けて搬送し、前記
給紙手段によって、該記録紙の終端側から前記給紙経路
へ該記録紙の裏面を前記記録面として給紙する記録面反
転給紙手段とを備えた記録装置である。
【0007】記録実行手段によって表面に記録実行後の
記録紙を、その記録紙の終端側から搬送方向と逆方向
に、搬送経路とは異なる逆送経路を介して、給紙手段に
向けて搬送するので、記録実行領域に給紙する際に記録
紙の終端の裏面側から給紙することになり、それによっ
て、専用の反転ローラを設けることなく記録紙の面を反
転させることができる。
【0008】また、面を反転させた記録紙を記録実行領
域に給紙する際に、給紙トレイや給紙カセット等から記
録紙を給紙する給紙手段によって記録紙を給紙するの
で、記録紙の両面に記録を実行する際に、記録紙の表面
に記録を実行する際の給紙制御手順と記録紙の裏面に記
録を実行する際の給紙制御手順とを共通の制御手順とす
ることができる。
【0009】これにより、本願請求項1に記載の発明に
係る記録装置によれば、記録実行領域に給紙する際に記
録紙の終端の裏面側から給紙することになり、それによ
って、専用の反転ローラを設けることなく記録紙の面を
反転させることができるので、記録装置の小型化とコス
ト低減を図ることができる。また、記録紙の両面に記録
を実行する際に、記録紙の表面に記録を実行する際の給
紙制御手順と記録紙の裏面に記録を実行する際の給紙制
御手順とを共通の制御手順とすることができるので、記
録紙の両面に記録を実行する際の給紙制御手順を簡略に
することができるという作用効果が得られる。
【0010】本願請求項2に記載の発明は、請求項1に
おいて、前記記録面反転給紙手段は、前記逆送経路に、
前記記録紙の記録実行済みの記録面と反対側の面に接し
て駆動回転する逆送駆動ローラと、前記逆送経路を介し
て搬送された前記記録紙の記録実行済みの記録面に接し
て従動回転する逆送従動ローラとを備え、前記逆送駆動
ローラと前記逆送従動ローラとで前記逆送経路を介して
搬送される前記記録紙を挟持し、前記逆送駆動ローラの
駆動回転によって、前記逆送経路を介して前記記録紙を
前記給紙手段へ向けて搬送する構成を成している、こと
を特徴とした記録装置である。
【0011】このように、逆送経路内に記録紙を挟持し
て搬送する逆送駆動ローラと逆送従動ローラとが配設さ
れており、駆動回転する逆送駆動ローラが記録紙の記録
実行済みの記録面と反対側の面に接するので、逆送駆動
ローラと記録紙との間にスリップが生じても記録済みの
記録面にスリップ痕がついてしまう虞をなくすことがで
きる。
【0012】これにより、本願請求項2に記載の発明に
係る記録装置によれば、本願請求項1に記載の発明によ
る作用効果に加えて、逆送駆動ローラと記録紙との間に
スリップが生じても記録済みの記録面にスリップ痕がつ
いてしまう虞をなくすことができるので、表面に記録実
行後の記録紙が逆送経路内を搬送される際に、記録済み
の記録面の画質が劣化してしまう虞を少なくすることが
できるという作用効果が得られる。
【0013】本願請求項3に記載の発明は、請求項1又
は2において、前記記録紙の記録面に記録実行中は、前
記搬送方向に駆動回転し、前記記録紙を該記録紙の終端
側から前記逆送経路を介して前記給紙手段に向けて搬送
する際には、前記搬送方向と逆方向に駆動回転して前記
記録紙を前記逆送経路へ向けて搬送する双方向搬送駆動
ローラと、該双方向搬送駆動ローラに付勢された状態で
従動回転可能な双方向搬送従動ローラと、該双方向搬送
従動ローラを前記双方向搬送駆動ローラからレリースさ
せる双方向搬送従動ローラレリース手段とを有する構成
を成している、ことを特徴とした記録装置である。
【0014】記録紙の記録面に記録を実行する際には、
記録紙の搬送方向に駆動回転する双方向搬送駆動ローラ
と、その双方向搬送駆動ローラに付勢されている双方向
搬送従動ローラとで記録紙を挟持し、双方向搬送駆動ロ
ーラの駆動回転によって記録紙を排出経路へ搬送する。
また、表面に記録済みの記録紙を逆送経路に向けて搬送
する際には、記録紙への記録実行後、記録紙の終端近傍
が双方向搬送駆動ローラと双方向搬送従動ローラとの挟
持部分に到達した時点で、双方向搬送駆動ローラを逆回
転させることで、表面に記録済みの記録紙を終端側から
逆送経路へ搬送することができる。
【0015】そして、その記録紙の終端が逆送経路を介
して給紙手段に到達し、給紙手段によって記録実行領域
に向けて給紙され、記録紙の終端側から裏面への記録が
行われる。その際、双方向搬送駆動ローラは、記録紙の
裏面への記録が開始されると、記録紙を搬送方向に駆動
回転制御される。しかし、その時点で、記録紙の始端側
が双方向搬送駆動ローラと双方向搬送従動ローラとの間
に挟持されたままの状態であると、双方向搬送駆動ロー
ラが搬送方向に回転することによって、記録紙の始端側
を記録紙の搬送方向と逆方向に引っ張ってしまうことに
なり、記録紙を終端側から搬送方向に搬送して裏面に記
録実行中の記録紙にバックテンションが作用してしまう
ことになる。
【0016】そこで、記録紙の終端側から給紙手段によ
って記録紙が給紙され、記録紙の裏面に記録を開始する
時点から、記録紙の始端が記録紙排出手段を抜けるまで
は、双方向搬送従動ローラを双方向搬送従動ローラレリ
ース手段によってレリース(離間)させる。それによっ
て、裏面に記録実行中の記録紙の始端側は、フリーな状
態となるので、記録紙にバックテンションが作用するこ
とを防止することができる。
【0017】これにより、本願請求項3に記載の発明に
係る記録装置によれば、本願請求項1又は2に記載の発
明による作用効果に加えて、双方向に駆動回転可能な双
方向搬送駆動ローラを有する記録紙排出手段によって、
逆送経路を介して記録紙を給紙手段へ搬送し、記録紙の
裏面に終端側から記録を実行する際に、記録紙の始端側
にバックテンションが作用することを防止することがで
きるので、それによって、記録画質が低下してしまう虞
を防止することができる。
【0018】本願請求項4に記載の発明は、請求項1〜
3のいずれか1項において、前記記録面反転給紙手段
は、前記双方向搬送駆動ローラを前記搬送方向と逆方向
に駆動回転させて前記記録紙を前記逆送経路へ向けて搬
送する際に、前記記録紙の終端を前記逆送経路へ誘導す
る記録紙終端誘導手段を備えている、ことを特徴とした
記録装置である。
【0019】本願請求項4に記載の発明に係る記録装置
によれば、本願請求項1〜3のいずれか1項に記載の発
明による作用効果に加えて、表面に記録済みの記録紙を
終端側から逆送経路へ搬送する際に、その記録紙の終端
を逆送経路へ誘導する記録紙終端誘導手段を備えている
ので、表面に記録実行後の記録紙の終端を確実に逆送経
路の入口へ誘導することができるという作用効果が得ら
れる。
【0020】本願請求項5に記載の発明は、請求項4に
おいて、前記記録紙終端誘導手段は、従動回転可能に軸
支され、前記記録紙の終端近傍を前記逆送経路の入口へ
押動する如く移動可能に配設されている記録紙終端誘導
ローラを有する構成を成している、ことを特徴とした記
録装置である。
【0021】本願請求項5に記載の発明に係る記録装置
によれば、本願請求項4に記載の発明による作用効果に
加えて、従動回転可能に軸支された記録紙終端誘導ロー
ラで、表面に記録実行後の記録紙の終端近傍を逆送経路
の入口へ押動して誘導するので、記録済みの記録面側の
終端を押動して逆送経路へ誘導した際に、記録紙終端誘
導ローラが記録紙の移動にともなって従動回転するの
で、記録済みの記録面に負荷が作用せず、記録面を傷つ
けてしまう虞を少なくすることができるという作用効果
が得られる。
【0022】本願請求項6に記載の発明は、請求項1〜
5のいずれか1項において、前記逆送経路には、前記記
録紙を検出可能な紙検出器が配設されている、ことを特
徴とした記録装置である。
【0023】本願請求項6に記載の発明に係る記録装置
によれば、本願請求項1〜5のいずれか1項に記載の発
明による作用効果に加えて、逆送経路に記録紙を検出可
能な紙検出器が配設されているので、逆送経路内におい
て記録紙の終端位置を検出することができ、その後に給
紙手段によって給紙される記録紙が、表面に記録実行済
みで、その裏面が記録面となっている記録紙であること
を識別することが可能になるという作用効果が得られ
る。
【0024】本願請求項7に記載の発明は、請求項1〜
6のいずれか1項において、前記排出手段の排出方向下
流側に、前記排出経路とは異なる待避経路を備え、表面
に記録実行済みの前記記録紙の裏面に記録を実行する際
には、該記録紙の始端を前記待避経路へ誘導する記録紙
始端誘導手段を備えている、ことを特徴とした記録装置
である。
【0025】記録紙の両面に記録を実行する際に、表面
への記録実行後、その記録紙を排出経路へ途中まで排出
した後に逆送経路を介して逆送すると、記録紙の排出口
に一時的に記録紙が飛び出した後、再び排出口に入って
いくことになる。したがって、その際に、排出口に飛び
出した記録紙をユーザーが誤って引っ張ってしまう虞が
ある。
【0026】そこで、記録紙の両面に記録を実行する際
には、表面への記録実行後、記録紙の始端側を待避経路
へ誘導し、排出経路へ記録紙を排出せずに待避経路へ記
録紙を一時的に待避させることによって、表面に記録実
行後の記録紙を排出経路に記録紙を排出することなく記
録紙の終端側から逆送経路へ送ることができる。
【0027】これにより、本願請求項7に記載の発明に
係る記録装置によれば、本願請求項1〜6のいずれか1
項に記載の発明による作用効果に加えて、表面に記録実
行後の記録紙を排出経路に記録紙を排出することなく記
録紙の終端側から逆送経路へ送ることができるので、表
面に記録実行後の記録紙を、ユーザーが誤って引っ張り
出してしまう虞をなくすことができるという作用効果が
得られる。
【0028】本願請求項8に記載の発明は、請求項7に
おいて、前記排出経路は、前記記録紙の記録面を内側に
湾曲させながら前記記録紙を反転させて排出する湾曲経
路を備える、ことを特徴とした記録装置である。
【0029】波打ち変形した記録紙を記録面が内側にな
る如く湾曲させることによって、湾曲方向と直交する方
向の矯正力を記録紙に対して作用させることができる。
つまり、主走査方向に波打ち変形した記録紙を副走査方
向に記録面が内側になる如く湾曲させることによって、
湾曲方向と直交する方向の矯正力が記録紙に対して作用
するので、主走査方向の矯正力が記録紙に作用すること
になる。したがって、記録面を内側に湾曲させながら記
録実行後の記録紙を反転させる湾曲経路によって、コッ
クリング現象によって生じた記録紙の主走査方向の波打
ち変形を矯正することができる。
【0030】これにより、本願請求項8に記載の発明に
係る排紙装置によれば、本願請求項7に記載の発明によ
る作用効果に加えて、記録面を内側に湾曲させながら記
録実行後の記録紙を反転させる湾曲経路によって、コッ
クリング現象によって生じた記録紙の主走査方向の波打
ち変形を矯正することができるので、コックリング現象
による記録実行後の記録紙の波打ち変形を矯正すること
ができるという作用効果が得られる。
【0031】また、記録紙を湾曲させて反転させること
によって、前面から給紙した記録紙が記録実行後、再び
前面に排出されるインクジェット式記録装置を構成する
ことができるという作用効果も得られる。
【0032】本願請求項9に記載の発明は、請求項8に
おいて、前記記録紙始端誘導手段は、前記湾曲経路の一
部が揺動して前記排出経路から待避することによって、
記録実行後の前記記録紙が前記待避経路へ誘導される構
成を成している、ことを特徴とした記録装置である。
【0033】このように、記録紙始端誘導手段は、湾曲
経路の一部が揺動して排出経路から待避することによっ
て、記録実行後の記録紙が待避経路へ誘導される構成を
成している、つまり、湾曲経路の一部が記録紙始端誘導
手段を兼ねているので、記録紙始端誘導手段を別途配設
する必要が無い。
【0034】これにより、本願請求項9に記載の発明に
係る排紙装置によれば、本願請求項8に記載の発明によ
る作用効果に加えて、湾曲経路の一部が記録紙始端誘導
手段を兼ねているので、効率的に記録紙始端誘導手段を
構成することができるという作用効果が得られる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の一実施の形態を
図面に基づいて説明する。まず、本願発明に係る「記録
装置」としてのインクジェット式記録装置の概略構成に
ついて説明する。図1は、本願発明に係る「記録装置」
としてのインクジェット式記録装置の一実施の形態を示
した斜視図であり、図2は、要部側面図である。
【0036】インクジェット式記録装置50には、記録
紙Pの記録面上を主走査方向Xに往復動しながら記録面
にインクを吐出して記録を実行する「記録実行手段」手
段として、キャリッジガイド軸61及びサブキャリッジ
ガイド軸61Sに軸支され、主走査方向Xに移動するキ
ャリッジ62が配設されている。キャリッジ62には、
記録紙Pにインクを吐出する記録ヘッド63が搭載され
ている。記録ヘッド63と対向して、記録ヘッド63の
ヘッド面と記録紙Pとの間隔を規定するプラテン53が
設けられている。そして、キャリッジ62を主走査方向
Xに往復動させながら記録ヘッド63のヘッド面から記
録紙Pにインクを吐出する動作と、記録紙Pを副走査方
向Yに所定の搬送量で搬送する動作とを交互に繰り返す
ことで記録紙Pに記録が行われる。
【0037】また、インクジェット式記録装置50は、
多数の記録紙Pを積重可能な給紙カセット70が装着可
能な構成を成しており、給紙カセット70を装着した状
態で、給紙カセット70に配設されているゲートローラ
73、リバースローラ74、ホッパー75及び高摩擦部
材76と、インクジェット式記録装置50に配設されて
いる給紙ローラ71及びピックアップローラ72とで、
記録紙Pの「給紙手段」としての給紙装置を構成してい
る。
【0038】さらに、インクジェット式記録装置50に
は、給紙された記録紙Pを副走査方向Yに間欠的に搬送
する「記録紙搬送手段」として、搬送駆動ローラ51と
搬送従動ローラ52とが配設されている。搬送駆動ロー
ラ51は、回転駆動力源により回転制御され、搬送駆動
ローラ51の回転により、記録紙Pは副走査方向Yに搬
送される。搬送従動ローラ52は複数設けられており、
それぞれ個々に搬送駆動ローラ51に付勢され、記録紙
Pが搬送駆動ローラ51の回転により搬送される際に、
記録紙Pに接して記録紙Pの搬送に従動して回転する。
【0039】搬送駆動ローラ51の副走査方向Yの上流
側には、紙検出器56が配設されている。紙検出器56
は、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙
搬送方向にのみ回動し得るよう記録紙Pの搬送経路内に
突出する状態で枢支されたレバー部56aを有し、この
レバー部56aの先端が記録紙Pに押されることでレバ
ー部56aが回動し、それによって記録紙Pが検出され
る構成を成している。
【0040】さらに、インクジェット式記録装置50に
は、記録実行後の記録紙Pを排出する「記録紙排出手
段」として、排紙駆動ローラ54と排紙従動ローラ55
が配設されている。排紙駆動ローラ54は、回転駆動力
源により回転制御され、排紙駆動ローラ54の回転によ
り、記録実行後の記録紙Pは副走査方向Yに排出され
る。排紙従動ローラ55は、周囲に複数の歯を有し、各
歯の先端が記録紙Pの記録面に点接触するように鋭角的
に尖っている歯付きローラとなっている。排紙従動ロー
ラ55は、それぞれ個々に排紙駆動ローラ54に、前述
の搬送従動ローラ52の付勢力よりも弱い付勢力で付勢
され、記録紙Pが排紙駆動ローラ54の回転により排出
される際に、記録紙Pに接して記録紙Pの排出に従動し
て回転する。そして、記録実行後の記録紙Pは、排紙駆
動ローラ54及び排紙従動ローラ55により副走査方向
Yの下流側に排出される。
【0041】排紙駆動ローラ54及び排紙従動ローラ5
5の下流側には、「排出経路」として、記録済みの記録
面を内側に湾曲させながら記録紙Pを反転させて排紙ト
レイ(図示せず)へ排出する湾曲経路3が構成されてい
る。湾曲経路3は、図示の如く、記録面を内側に湾曲さ
せながら、記録実行後の記録紙Pの面を反転させて排出
方向Eへ排出する。湾曲経路3には、複数の排紙駆動ロ
ーラ31及び排紙従動ローラ32が配設されている。
【0042】排紙駆動ローラ31a〜31dは、前述の
排紙駆動ローラ54と同様に、回転駆動力源により回転
制御され、排紙駆動ローラ31a〜31dの回転により
湾曲経路の記録紙Pが排出方向Eへ排出される。また、
排紙従動ローラ32a〜32dは、排紙従動ローラ55
と同様に、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙
Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付
きローラとなっている。それぞれ個々に排紙駆動ローラ
31a〜31dに、前述の搬送従動ローラ52の付勢力
よりも弱い付勢力で付勢され、記録紙Pが排紙駆動ロー
ラ31a〜31dの回転により排出方向Eへ排出される
際に、記録紙Pに接して記録紙Pの排出に従動して回転
する。
【0043】さらに、インクジェット式記録装置50
は、本願発明に係る「記録面反転給紙手段」として、記
録紙Pの両面に記録を実行する際に、記録実行手段によ
って表面に記録実行後の記録紙Pを、記録紙Pの終端側
から搬送方向と逆方向に、記録実行時の搬送経路とは異
なる逆送経路1を介して、給紙手段に向けて搬送し、給
紙手段によって、記録紙Pの終端側から給紙経路へ記録
紙Pの裏面を記録面として給紙する手段を備えている。
【0044】記録面反転給紙手段は、表面に記録実行後
の記録紙Pを一時的に待避させる「待避経路」としての
待避トレイ2を備えている。このように、表面に記録実
行後の記録紙Pを排出経路1に排出することなく記録紙
Pの終端側から逆送経路1へ送ることができるので、表
面に記録実行後の記録紙Pをユーザーが誤って引っ張り
出してしまう虞をなくすことができる。
【0045】また、記録面反転給紙手段は、記録紙搬送
方向に記録紙Pを搬送しつつ記録実行後の記録紙Pの始
端を待避方向Sへ誘導して待避トレイ2へ待避させる
「記録紙始端誘導手段」を備えている。記録紙始端誘導
手段は、湾曲経路3の揺動部33が図示の如く揺動し
て、排出経路Eから一点鎖線で示した揺動部33aの位
置へ待避することによって、表面に記録実行後の記録紙
Pが待避経路2へ誘導される構成を成している。このよ
うに、湾曲経路3の一部が揺動して排出経路Eから待避
することによって、記録実行後の記録紙Pが待避経路S
へ誘導される構成を成している、つまり、湾曲経路3の
一部が記録紙始端誘導手段を兼ねているので、記録紙始
端誘導手段を別途配設する必要が無い。
【0046】さらに、記録面反転給紙手段は、待避トレ
イ2に待避させた記録実行後の記録紙Pを、その終端を
逆送経路1へ誘導し(記録紙終端誘導手段)、その終端
側から逆送経路1へ搬送する双方向搬送駆動ローラ41
及び双方向搬送従動ローラ42、並びに双方向搬送従動
ローラ42を双方向搬送駆動ローラ41からレリースさ
せる「双方向搬送従動ローラレリース手段」を備えてい
る。双方向搬送従動ローラ42は、排紙従動ローラ55
と同様に、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙
Pの記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付
きローラとなっている。
【0047】さらに、記録面反転給紙手段は、逆送経路
1の入口側に、逆送経路1へ搬送された記録実行後の記
録紙Pの記録面と反対側の面に接して駆動回転する逆送
駆動ローラ11と、その記録面に接して従動回転する逆
送従動ローラ12とを備えている。逆送駆動ローラ11
と逆送従動ローラ12とで逆送経路1を介して搬送され
る記録紙Pを挟持し、逆送駆動ローラ11の駆動回転に
よって、表面に記録実行後の記録紙Pを給紙手段へ向け
て逆送する。
【0048】さらに、記録面反転給紙手段は、逆送経路
1内に紙検出器13を備えている。紙検出器13は、前
述の紙検出器56と同様に、立位姿勢への自己復帰習性
が付与され、かつ記録紙逆送方向にのみ回動し得るよう
記録紙Pの逆送経路内に突出する状態で枢支されたレバ
ー部13aを有し、このレバー部13aの先端が記録紙
Pに押されることでレバー部13aが回動し、それによ
って記録紙Pが検出される構成を成している。
【0049】つづいて、本願発明に係る「記録面反転給
紙手段」によって、記録紙Pの両面に記録を実行する際
に、表面に記録実行後の記録紙Pをその終端側から搬送
方向と逆方向に逆送経路1を介して給紙手段に向けて逆
送し、記録紙Pの裏面の終端側から給紙手段によって給
紙し、裏面に記録を実行し排出する工程について説明す
る。
【0050】図3は、本願発明に係る「記録装置」とし
てのインクジェット式記録装置50の要部側面図であ
り、記録紙Pを給紙し、表面に記録を実行している状態
を示したものである。
【0051】まず、ホッパー77が符号Aで示した矢印
の方向に上昇することによって、給紙カセット70に積
重された記録紙Pの最上位の記録紙Pがピックアップロ
ーラ72に押しつけられる。次に、ピックアップローラ
72が符号Bの矢印で示した回転方向に回転することに
よって、ピックアップローラ72に押しつけられている
記録紙Pの始端が、給紙ローラ71とリバースローラ7
4とのニップ点(ローラ同士の接触点)に到達する。
【0052】つづいて、記録紙Pの始端は、給紙ローラ
71が符号Cの矢印で示した回転方向に回転することに
よって、搬送駆動ローラ51及び搬送従動ローラ52の
ニップ点に到達する。リバースローラ74の回転軸は給
紙方向と逆方向、つまり記録紙Pを給紙カセット70内
に戻す方向に駆動回転している。そして、その回転軸に
リバースローラ74は、一定の回転抵抗を有した状態で
従動回転可能に軸支されている。したがって、給紙ロー
ラ71とリバースローラ74との間に記録紙Pが1枚だ
け挟持された状態においては、給紙ローラ71の駆動回
転によって給紙される記録紙Pに従動して回転する(符
号Dの矢印で示した回転方向)。
【0053】一方、給紙ローラ71とリバースローラ7
4との間に複数枚の記録紙Pが挟持された状態において
は、複数の記録紙P間の摩擦抵抗よりリバースローラ7
4の回転抵抗の方が大きいので、リバースローラ74
は、リバースローラ74を軸支している回転軸の駆動回
転によって、記録紙Pを給紙カセット70内に戻す方向
に回転し、リバースローラ74に接している記録紙P
は、給紙カセット70内に戻されることになる。このよ
うに、リバースローラ74は、給紙ローラ71とのニッ
プ点において、複数の重なった状態の記録紙Pを分離
し、給紙ローラ71の回転によって複数の記録紙Pが給
紙されるのを防止する役割を成している。
【0054】尚、ホッパー75の端部近傍に配設されて
いる高摩擦部材76は、ホッパー75に積重されている
記録紙Pの最上位の記録紙Pが、ピックアップローラ7
2によって給紙ローラ71へ送られる際に、その積重さ
れた記録紙Pが一緒に給紙方向に動いてしまうことを防
止し、それによって、記録紙Pが重なった状態で給紙さ
れる虞を低減させている。コイルばね77は、ホッパー
75を上昇させるために、ホッパー75が下降した状態
でホッパー75と給紙カセット70の底部との間に縮設
されている。ゲートローラ73は、記録紙Pを給紙ロー
ラ71に押し当てつつ回転する。
【0055】つづいて、給紙ローラ71の回転によって
搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とのニップ点
に始端が到達した記録紙Pは、搬送駆動ローラ51の駆
動回転によって、副走査方向Yへ間欠的に所定の搬送量
で搬送されつつ、主走査方向Xに往復動するキャリッジ
62に搭載された記録ヘッド63から記録面にインクを
吐出されて表面に記録が実行される。そして、記録紙P
は、排紙駆動ローラ54と排紙従動ローラ55との間に
挟持された状態で、排紙駆動ローラ54の駆動回転によ
って引き続き副走査方向Yへ搬送される。
【0056】図4は、本願発明に係る「記録装置」とし
てのインクジェット式記録装置50の要部側面図であ
り、表面に記録実行後の記録紙Pが、待避経路Sへ誘導
され、待避トレイ2へ搬送される状態を示したものであ
る。排紙駆動ローラ54の駆動回転によって引き続き副
走査方向Yへ搬送される記録紙Pは、湾曲経路3の揺動
部33が符号Fの矢印で示した方向に揺動することによ
って、待避経路Sへ誘導されて待避トレイ2へと搬送さ
れる。
【0057】図5は、本願発明に係る「記録装置」とし
てのインクジェット式記録装置50の要部側面図であ
り、表面に記録実行後の記録紙Pが、待避トレイ2へ搬
送された状態を示したものである。
【0058】副走査方向Yの下流側の排紙駆動ローラ5
4と排紙従動ローラ55とのニップ点を通過した記録紙
Pは、同図に示した状態で一旦停止する。そして、双方
向搬送従動ローラ42が符号Gの矢印で示した方向に移
動することによって、待避トレイ2の記録紙Pの終端近
傍は、双方向搬送駆動ローラ41と、双方向搬送従動ロ
ーラ42との間に挟持されるとともに、逆送経路1の入
口側へ誘導される。
【0059】これによって、表面に記録実行後の記録紙
Pの終端を確実に逆送経路1の入口へ誘導することがで
きる。また、記録済みの記録面側の終端を押動して逆送
経路1へ誘導した際に、双方向搬送従動ローラ42が記
録紙Pの移動にともなって従動回転するので、記録済み
の記録面に負荷が作用せず、記録面を傷つけてしまう虞
を少なくすることができる。
【0060】図6は、本願発明に係る「記録装置」とし
てのインクジェット式記録装置50の要部側面図であ
り、待避トレイ2へ搬送された表面に記録実行後の記録
紙Pの終端近傍が、逆送経路1の入口側へ誘導された状
態を示したものである。
【0061】待避トレイ2へ搬送された表面に記録実行
後の記録紙Pの終端近傍は、双方向搬送従動ローラ42
が移動することによって、その終端近傍が逆送経路1の
入口側へ誘導される。そして、双方向搬送駆動ローラ4
1と双方向搬送従動ローラ42との間に挟持された状態
となる。双方向搬送駆動ローラは、記録紙Pへの記録実
行時には、副走査方向Yに駆動回転するが、記録紙をそ
の終端側から逆送経路1を介して給紙手段に向けて搬送
する際には、副走査方向Yと逆方向、つまり逆送方向R
に駆動回転して記録紙Pを逆送経路1へ向けて搬送す
る。
【0062】図7は、本願発明に係る「記録装置」とし
てのインクジェット式記録装置50の要部側面図であ
り、待避トレイ2へ搬送された表面に記録実行後の記録
紙P終端を、逆送経路1を介して給紙手段へ逆送した状
態を示したものである。
【0063】逆送駆動ローラ11を逆送方向Rへ駆動回
転させることによって、待避トレイ2に待避させた表面
に記録実行後の記録紙Pを、その終端が給紙ローラ71
とリバースローラ74とのニップ点の近傍に到達する位
置まで逆送する。駆動回転する逆送駆動ローラ11は、
記録紙Pの記録実行済みの記録面と反対側の面に接する
ので、逆送駆動ローラ11と記録紙Pとの間にスリップ
が生じても記録実行後の記録面にスリップ痕がついてし
まう虞をなくすことができる。
【0064】この際、逆送経路1内に配設されている紙
検出器13で表面に記録実行後の記録紙Pの終端を検出
した時点から、所定の搬送量だけ逆送駆動ローラ11を
駆動回転させることによって、表面に記録実行後の記録
紙Pの終端が給紙ローラ71とリバースローラ74との
ニップ点の近傍に位置するまで逆送する。そして、紙検
出器13で表面に記録実行後の記録紙Pの終端を検出す
ることによって、給紙手段によって給紙される記録紙P
が、表面に記録実行済みで、その裏面が記録面となって
いる記録紙Pであることを識別することが可能になる。
【0065】また、この状態において、表面に記録実行
後の記録紙Pは、表裏が反転して表面が下側になり、表
面に記録実行時の終端側から給紙される状態になる。ま
た、排出経路Eから待避していた湾曲経路3の揺動部3
3は、符号Hの矢印で示した方向に揺動して、排出経路
Eに戻る。
【0066】図8は、本願発明に係る「記録装置」とし
てのインクジェット式記録装置50の要部側面図であ
り、表面に記録実行後の記録紙Pを給紙手段によって給
紙し、裏面に記録を実行している状態を示したものであ
る。
【0067】給紙カセット70に積重された記録紙Pの
最上位の記録紙Pを給紙するときと同様に、まず、ホッ
パー77が符号Aで示した矢印の方向に上昇し、表面に
記録実行後の記録紙Pは、ピックアップローラ72に押
しつけられる。次に、ピックアップローラ72が符号B
の矢印で示した回転方向に回転することによって、表面
に記録実行後の記録紙Pの終端は、給紙ローラ71とリ
バースローラ74とのニップ点に到達する。
【0068】つづいて、表面に記録実行後の記録紙Pの
終端は、給紙ローラ71が符号Cの矢印で示した回転方
向に回転することによって、搬送駆動ローラ51及び搬
送従動ローラ52のニップ点に到達する。つづいて、搬
送駆動ローラ51の駆動回転によって、副走査方向Yへ
間欠的に所定の搬送量で搬送されつつ、主走査方向Xに
往復動するキャリッジ62に搭載された記録ヘッド63
から記録面にインクを吐出されて、表面に記録実行後の
記録紙Pの裏面に、裏面の終端側から記録が実行され
る。そして、排紙駆動ローラ54と排紙従動ローラ55
との間に挟持された状態で、排紙駆動ローラ54の駆動
回転によって引き続き副走査方向Yへ搬送される。
【0069】また、表面に記録実行後の記録紙Pの裏面
に記録を実行する際には、あらかじめ双方向搬送従動ロ
ーラ42を双方向搬送駆動ローラ41からレリース、つ
まり符号Jの矢印で示した方向に移動させておく。これ
によって、表面に記録実行後の記録紙Pの裏面に記録を
実行する際に、その始端側が双方向搬送駆動ローラ41
と双方向搬送従動ローラ42とに挟持された状態で双方
向搬送駆動ローラ41が副走査方向Yへ駆動回転するこ
とによって、裏面に記録実行中の記録紙Pにバックテン
ションが作用してしまうことを防止することができる。
【0070】図9は、本願発明に係る「記録装置」とし
てのインクジェット式記録装置50の要部側面図であ
り、裏面に記録が実行された記録紙Pが、排出経路Eへ
排出されていく状態を示したものである。排紙駆動ロー
ラ54の駆動回転によって引き続き副走査方向Yへ搬送
される裏面に記録実行中の記録紙Pは、湾曲経路3に配
設されている排紙駆動ローラ31a〜31d、及び排紙
従動ローラ32a〜32dによって、湾曲経路3内を記
録実行面(この場合は記録紙Pの裏面)が内側に湾曲さ
れる。
【0071】このように、記録実行後の記録紙Pの排出
経路Eに、記録実行後の記録面を内側に湾曲させながら
記録紙Pを反転させて排紙トレイへ排出する湾曲経路3
が構成されているので、いわゆるコックリング現象によ
り波打ち変形した記録紙Pを記録面が内側になる如く湾
曲させることによって、湾曲方向と直交する方向の矯正
力を記録紙Pに対して作用させることができる。
【0072】つまり、前述したように、主走査方向Xに
波打ち変形した記録紙Pを、副走査方向Yに記録面が内
側になる如く湾曲させることによって、湾曲方向と直交
する方向の矯正力が記録紙Pに対して作用するので、主
走査方向Xの矯正力が記録紙Pに作用することになる。
したがって、コックリング現象によって生じた記録紙P
の主走査方向Xの波打ち変形を矯正することができる。
【0073】また、記録紙Pを湾曲させることによっ
て、前面から給紙した記録紙Pが記録実行後、再び前面
に排出されることになり、ユーザーにとっての使い勝手
が向上する。さらに、記録紙Pの面を反転させて排出す
るので、記録実行後の記録面が下側になり、それによっ
て、連続して複数の記録紙Pに実行した際に、排紙トレ
イに積重した記録実行後の記録紙Pは、記録実行順に積
重されることになる。したがって、例えば複数のページ
を有する文書等を印刷した場合にもページ順通りに排紙
トレイに積重されるので、ページ順に並び替える手間が
不要になる。
【0074】図10は、本願発明に係る「記録装置」と
してのインクジェット式記録装置50の要部側面図であ
り、裏面に記録実行後の記録紙Pが湾曲経路3を介して
排出方向Eに排出される状態を示したものである。裏面
に記録実行後の記録紙Pは、排紙駆動ローラ31a〜3
1d、及び排紙従動ローラ32a〜32dによって、湾
曲経路3内を記録実行面が内側に湾曲された状態で、図
示していない排紙トレイへ排出される。
【0075】このようにして、表面に記録実行後の記録
紙Pを、その記録紙Pの終端側から搬送方向、つまり副
走査方向Yと逆方向に、搬送経路とは異なる逆送経路1
を介して、給紙手段に向けて搬送するので、給紙する際
に記録紙の終端の裏面側から給紙することになり、それ
によって、専用の反転ローラを設けることなく記録紙の
面を反転させることができる。
【0076】また、面を反転させた記録紙Pを給紙する
際に、給紙カセット70から記録紙Pを給紙する給紙手
段によって記録紙Pを給紙するので、記録紙Pの両面に
記録を実行する際に、記録紙Pの表面に記録を実行する
際の給紙制御手順と記録紙Pの裏面に記録を実行する際
の給紙制御手順とを共通の制御手順とすることができ
る。したがって、記録紙Pの両面に記録を実行する際の
給紙制御手順を簡略にすることができる。
【0077】他の実施の形態としては、上記実施例にお
いて、排出経路Eに湾曲経路3を構成しないものが挙げ
られる。そのような構成の記録装置であっても本願発明
の実施は可能であり、本願発明による作用効果を得るこ
とができるものである。
【0078】尚、上記実施例では、インクジェット式記
録装置50について説明したが、本願発明は上記実施例
に限定されることなく、ファクシミリ装置、複写機、並
びにファクシミリ/コピー複合機等の記録装置において
も同様に、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、
種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に
含まれるものであることは言うまでもない。
【0079】
【発明の効果】本願発明によれば、専用の反転ローラを
設けずに、記録装置内で記録紙の面を反転させて、記録
紙の裏面に記録を実行して記録紙の両面に記録を実行す
ることが可能な構成を有する記録装置において、記録紙
の両面に記録を実行する際の給紙制御手順を簡略にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の一実施の形態を示した斜視図であ
る。
【図2】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の一実施の形態を示した要部側面図で
ある。
【図3】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の要部側面図であり、記録紙を給紙
し、表面に記録を実行している状態を示したものであ
る。
【図4】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の要部側面図であり、表面に記録実行
後の記録紙が、待避経路へ誘導され、待避トレイへ搬送
される状態を示したものである。
【図5】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の要部側面図であり、表面に記録実行
後の記録紙が、待避トレイへ搬送された状態を示したも
のである。
【図6】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の要部側面図であり、待避トレイへ搬
送された表面に記録実行後の記録紙の終端近傍が、逆送
経路の入口側へ誘導された状態を示したものである。
【図7】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の要部側面図であり、待避トレイへ搬
送された表面に記録実行後の記録紙終端を、逆送経路を
介して給紙手段へ逆送した状態を示したものである。
【図8】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の要部側面図であり、表面に記録実行
後の記録紙を給紙手段によって給紙し、裏面に記録を実
行している状態を示したものである。
【図9】本願発明に係る「記録装置」としてのインクジ
ェット式記録装置の要部側面図であり、裏面に記録が実
行された記録紙が、排出経路へ排出されていく状態を示
したものである。
【図10】本願発明に係る「記録装置」としてのインク
ジェット式記録装置の要部側面図であり、裏面に記録実
行後の記録紙が湾曲経路を介して排出方向に排出される
状態を示したものである。
【符号の説明】
1 逆送経路 2 待避トレイ 3 湾曲経路 11 逆送駆動ローラ 12 逆送従動ローラ 13 紙検出器(逆送経路) 31a〜31d 排紙駆動ローラ(湾曲経路) 32a〜32d 排紙従動ローラ(湾曲経路) 33 揺動部 41 双方向搬送駆動ローラ 42 双方向搬送従動ローラ 50 インクジェット式記録装置 51 搬送駆動ローラ 52 搬送従動ローラ 53 プラテン 54 排紙駆動ローラ 55 排紙従動ローラ 56 紙検出器 70 給紙カセット 71 給紙ローラ 72 ピックアップローラ 73 ゲートローラ 74 リバースローラ 75 ホッパー 76 高摩擦部材 77 コイルばね E 排出経路 P 記録紙 R 逆送方向 S 待避経路 X 主走査方向 Y 副走査方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65H 85/00 B65H 85/00 Fターム(参考) 2C059 AA05 AA11 AA22 AA26 AA67 AA73 3F053 BA03 BA12 BA14 EA05 EB04 EC02 ED02 LA07 LB03 3F100 AA01 CA12 CA15 DA01 EA03 3F102 AA11 AB01 BA11 BB02 CB01 EA03 EC03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録紙を給紙経路へ給紙する給紙手段
    と、 前記給紙経路へ給紙された前記記録紙を、所定の搬送量
    で搬送する記録紙搬送手段と、 該記録紙搬送手段によって搬送経路を搬送される前記記
    録紙の記録面に記録を実行する記録実行手段と、 該記録実行手段によって記録実行済みの前記記録紙を排
    出経路へ排出する記録紙排出手段と、 前記記録実行手段によって表面に記録実行済みの前記記
    録紙を、該記録紙の終端側から前記搬送方向と逆方向
    に、前記搬送経路とは異なる逆送経路を介して、前記給
    紙手段に向けて搬送し、前記給紙手段によって、該記録
    紙の終端側から前記給紙経路へ該記録紙の裏面を前記記
    録面として給紙する記録面反転給紙手段とを備えた記録
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記記録面反転給紙
    手段は、前記逆送経路に前記記録紙の記録実行済みの記
    録面と反対側の面に接して駆動回転する逆送駆動ローラ
    と、前記逆送経路を介して搬送された前記記録紙の記録
    実行済みの記録面に接して従動回転する逆送従動ローラ
    とを備え、前記逆送駆動ローラと前記逆送従動ローラと
    で前記逆送経路を介して搬送される前記記録紙を挟持
    し、前記逆送駆動ローラの駆動回転によって、前記逆送
    経路を介して前記記録紙を前記給紙手段へ向けて搬送す
    る構成を成している、ことを特徴とした記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記記録紙の
    記録面に記録実行中は、前記搬送方向に駆動回転し、前
    記記録紙を該記録紙の終端側から前記逆送経路を介して
    前記給紙手段に向けて搬送する際には、前記搬送方向と
    逆方向に駆動回転して前記記録紙を前記逆送経路へ向け
    て搬送する双方向搬送駆動ローラと、該双方向搬送駆動
    ローラに付勢された状態で従動回転可能な双方向搬送従
    動ローラと、該双方向搬送従動ローラを前記双方向搬送
    駆動ローラからレリースさせる双方向搬送従動ローラレ
    リース手段とを有する構成を成している、ことを特徴と
    した記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記記録面反転給紙手段は、前記双方向搬送駆動ローラ
    を前記搬送方向と逆方向に駆動回転させて前記記録紙を
    前記逆送経路へ向けて搬送する際に、前記記録紙の終端
    を前記逆送経路へ誘導する記録紙終端誘導手段を備えて
    いる、ことを特徴とした記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記記録紙終端誘導
    手段は、従動回転可能に軸支され、前記記録紙の終端近
    傍を前記逆送経路の入口へ押動する如く移動可能に配設
    されている記録紙終端誘導ローラを有する構成を成して
    いる、ことを特徴とした記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記逆送経路には、前記記録紙を検出可能な紙検出器が
    配設されている、ことを特徴とした記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において、
    前記排出手段の排出方向下流側に、前記排出経路とは異
    なる待避経路を備え、表面に記録実行済みの前記記録紙
    の裏面に記録を実行する際には、該記録紙の始端を前記
    待避経路へ誘導する記録紙始端誘導手段を備えている、
    ことを特徴とした記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記排出経路は、前
    記記録紙の記録面を内側に湾曲させながら前記記録紙を
    反転させて排出する湾曲経路を備える、ことを特徴とし
    た記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記記録紙始端誘導
    手段は、前記湾曲経路の一部が揺動して前記排出経路か
    ら待避することによって、記録実行後の前記記録紙が前
    記待避経路へ誘導される構成を成している、ことを特徴
    とした記録装置。
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