JP2003225977A - 自動車外装用フィルム - Google Patents
自動車外装用フィルムInfo
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Abstract
れ、製造も容易な自動車外装用フィルムを提供するこ
と。 【解決手段】 接着機能を有するオレフィン系樹脂の基
材と、該基材によって支持された2液型ウレタン樹脂の
トップコート層とを含んでなり、前記基材を介して自動
車の外装部品に貼付されるように構成する。
Description
関し、さらに詳しく述べると、耐候性及び耐傷つき性な
らびに装飾効果に優れ、製造も容易な自動車外装用フィ
ルムに関する。
にはいろいろな材料が使用されている。例えば、モール
やピラーは、ステンレス鋼などの鋼板をプレス成形やロ
ールフォーミング成形によって加工することによって製
造されている。また、これらの鋼板製の外装部品の表面
に樹脂材料を被覆して用いることも多い。最近では、部
品の軽量化を図るとともに鋼板とは異なった外観を得る
ため、樹脂材料だけを射出成形、ブロー成形、押出し成
形などしたものが、外装部品として広く用いられてい
る。かかる成形用の樹脂材料としては、当初、ポリ塩化
ビニルがその高い成形性、耐候性、耐久性、経済性など
から多用されてきたが、その後、廃棄物とした時に発生
する問題点やさらなる軽量化という課題が提起されるよ
うになって、ポリプロピレンを主としたポリオレフィン
系の樹脂材料の利用へと進みつつある。また、このよう
な樹脂製の外装部品を装飾する方法として、然るべき表
面処理を施した後に塗装を行う方法や、部品表面に装飾
フィルムを施す方法も広く採用されている。例えば、特
開平5−16740号公報には、ポリプロピレン系エラ
ストマーからなるサイドモール本体と、サイドモール本
体の意匠面を被覆するフィルム状シートとを具備するこ
とを特徴とする自動車用サイドモールが開示されてい
る。フィルム状シートは、ポリ塩化ビニル、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどの合成樹脂材料からにより成形
されており、熱溶着又は接着剤によってサイドモール本
体に貼付固定されている。また、特開平7−24191
0号公報には、所定形状のポリプロピレン製基材の表面
に、着色ないし模様の施されたポリ塩化ビニルを基材に
した装飾フィルムを、前記両樹脂との接着性を考慮した
複数層の熱可塑性フィルム接着剤を介して貼付してなる
ことを特徴とする樹脂製外装部品が開示されている。
いて、上記したように、ポリプロピレンなどの樹脂から
なる基材の表面に保護フィルムや装飾フィルムを貼付す
ると、基材として使用する樹脂の特性に由来して部品の
軽量化や耐衝撃性の改善を図ることができるばかりでな
く、保護フィルムや装飾フィルムに由来する意匠性や外
観の向上を図ることができる。
ムでは、主にポリ塩化ビニルを基材に使用しているの
で、廃棄物を焼却する時に発生する排ガスの処理問題が
ある。また、かかる保護フィルムや装飾フィルムにおい
ては、ポリプロピレンやその他のオレフィン系樹脂が欠
点としている耐候性や耐傷つき性をもつことが期待され
るが、それらの2つの性質を兼ね備えたものがいまだ提
案されていない。また、従来の保護フィルムや装飾フィ
ルムでは、表面光沢の自由度が少なく、また、一定の光
沢度を再現することが難しいという問題がある。さら
に、従来の方法では、外装部品の構造が複雑であるの
で、フィルムの貼付を含めた製造工程が煩雑となり、製
造コストの増加や歩留まりの低下を避けることができな
いという問題がある。さらにまた、オレフィン系樹脂の
フィルムは、それに対する接着剤層の接合力が弱いの
で、通常、基材の表面にプライマ層を予め形成しておく
ことが必要であり、これもまた製造工程の煩雑化や製造
コストの増加を引き起こす。
術の問題点を解消して、耐候性及び耐傷つき性ならびに
装飾効果に優れ、製造も容易な自動車外装用フィルムを
提供することにある。
の外装に使用されるフィルムであって、接着機能を有す
るオレフィン系樹脂の基材と、該基材によって支持され
たウレタン樹脂のトップコート層とを含んでなり、前記
基材を介して自動車の外装部品に貼付されることを特徴
とする自動車外装用フィルムが提供される。
ムは、いろいろな形態で実施することができる。
の外装のため、各種の自動車の部品に貼付し、固定して
使用することができる。例えば、自動車としては、トラ
ック、バス、乗用車などの他、オートバイ、スクータな
どを挙げることができる。また、このような自動車の部
品としては、以下に列挙するものに限定されるわけでは
ないけれども、例えばサイドガードモールなどのモール
類、ピラー類、その他を挙げることができる。もちろ
ん、もしも所期の効果が得られるのであるならば、必要
に応じて、自動車の外装部品以外の部品に対して本発明
のフィルムを適用してもよい。その他の適当な外装部品
は、例えば、モーターボート、ヨットなどの船舶の外装
部品や、電車などの車両の外装部品である。
接着機能を有するオレフィン系樹脂の基材、及び(2)
基材によって支持されたウレタン樹脂のトップコート層
を少なくとも含み、基材を介して自動車の外装部品に直
接的に貼付される。予想されなかったことではあるが、
本発明のフィルムを使用すると、従来のフィルムのよう
に外装部品の表面に予めプライマ処理を施しておくこと
は不必要となる。
基材として使用するオレフィン系樹脂は、フィルムの分
野で広く使用されている多くのオレフィン系樹脂を包含
するけれども、トップコート層の支持機能に追加して外
装部品に貼付する能力も必要であるので、それ自体で接
着機能を有することが望ましい。基材の接着機能は、そ
の基材のポリプロピレン製外装部品に対する接着力、す
なわち、剥離力で表して、14N/25mm以上であるの
が好ましく、さらに好ましくは20N/25mm以上であ
る。外装用フィルムの外装部品からの剥離力が14N/
25mm以上であれば、そのフィルムを自動車の外装部品
に貼付して使用しても、剥がれ等の不都合を生じること
なく長期間にわたって安定に使用することができるから
である。剥離力が14N/25mmを下回ると、経時変化
でフィルムの剥がれが発生する可能性がある。
施に好適なオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)、サーモプラスチックオレ
フィン(TPО;通常、PPと例えばEPDM(エチレ
ン/プロピレン/ジエンモノマー共重合体)等のゴム成
分のブレンド)、アイオノマー、EAA(エチレン/ア
クリル酸共重合体)、EEA(エチレン/アクリル酸エ
チル共重合体)、EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合
体)などを挙げることができる。
どに応じて、透明であってもよく、半透明もしくは不透
明であってもよい。また、外観や装飾性の向上を図るた
め、各種の染料、顔料あるいはその他の着色剤、例えば
フタロシアニン系青顔料、アゾ系赤顔料、アルミフレー
ク、マイカ粉などを含有していてもよい。さらに、その
他の添加剤、例えば紫外線吸収剤などを含有していても
よい。
的などに応じていろいろな膜厚で使用することができる
けれども、通常、その膜厚は約5〜1000μmの範囲
であり、好ましくは、約20〜100μmの範囲であ
る。基材の膜厚が5μmを下回ると、十分な支持機能を
発現させることができず、反対に1000μmを上回る
と、フィルム全体が厚くなるために、外観の低下や作業
性の低下を避けることができない。なお、基材はは、通
常、単層で用いられるけれども、必要に応じて、2層も
しくはそれ以上の多層構造で使用してもよい。
は、ウレタン樹脂から構成される。ここで使用するウレ
タン樹脂は、好ましくは、2液型ウレタン樹脂である。
このウレタン樹脂は、特に、耐候性と耐傷つき性をフィ
ルムに付与できるという点で有用である。
に、フィルムの使用目的などに応じて、透明であっても
よく、半透明もしくは不透明であってもよい。また、外
観や装飾性の向上を図るため、各種の染料、顔料あるい
はその他の着色剤、例えばフタロシアニン系青顔料、ア
ゾ系赤顔料、アルミフレーク、マイカ粉などを含有して
いてもよい。さらに、その他の添加剤、例えば紫外線吸
収剤、光沢調整剤などを含有していてもよい。紫外線吸
収剤は、外装用フィルムやその下の部品が日光に暴露さ
れている間に劣化するのを効果的に防止する働きがあ
り、また、光沢調整剤は、外装用フィルムの表面に優れ
た光沢を付与する働きがある。
ムの使用目的などに応じていろいろな膜厚で使用するこ
とができるけれども、通常、その膜厚は約1〜200μ
mの範囲であり、好ましくは、約5〜100μmの範囲
である。基材の膜厚が1μmを下回ると、十分な耐候性
と耐傷つき性をフィルムに付与することができず、反対
に200μmを上回っても、そのような機能が顕著に改
善されることもない。なお、トップコート層は、通常、
単層で用いられるけれども、必要に応じて、2層もしく
はそれ以上の多層構造で使用してもよい。
その基材とトップコート層はいろいろな層構成で使用す
ることができる。好ましくは、基材とトップコート層は
2層構造で使用することができる。すなわち、本発明の
外装用フィルムにおいて、基材及びトップコート層が、
他の層を介することなく直接隣接していることが好まし
い。
トップコート層の側にキャリヤフィルムを備えて、フィ
ルムの取り扱い性を改善することが好ましい。ここで使
用するキャリヤフィルムは、好ましくは、剥離可能なキ
ャリヤフィルムである。このキャリヤフィルムは、通
常、外装フィルムを部品に貼付するまでの間、トップコ
ート層を被覆するものであって、外装部品の完成後に
は、あるいは遅くとも外装部品を自動車に取り付けた後
には、トップコート層から剥離し、除去される。また、
このキャリヤフィルムには、トップコート層に優れた表
面光沢を付与する働きもある。すなわち、トップコート
層の塗布後であってそれを硬化させる前、そのトップコ
ート層の表面に光沢度を調整したキャリヤフィルムをラ
ミネートすることによって、トップコート層の硬化の段
階で、約90の高光沢から20以下の低光沢まで、得ら
れる表面光沢を任意に再現することができる。要する
に、本発明によると、キャリヤフィルムの併用によっ
て、表面光沢の自由度を高めたり、一定の光沢度を再現
することが容易に可能である。
しては、以下に列挙するものに限定されるわけではない
けれども、例えば、PET、PEN、カプトン、PPな
どを挙げることができる。キャリヤフィルムは、外装用
フィルムの使用目的などに応じていろいろな膜厚で使用
することができるけれども、通常、その膜厚は約5〜5
00μmの範囲であり、好ましくは、約12〜100μ
mの範囲である。
性などを改善する目的で、基材、トップコート層及び任
意に使用されるキャリヤフィルムの他に、追加の層を任
意に有していてもよい。追加の層の位置も、任意に選択
可能である。適当な追加の層として、例えば、カラー
層、パターン−又は形状印刷層、印刷支持層、接合層な
どを挙げることができる。
ムの成形に一般的に使用されているいろいろな方法を使
用して製造することができる。特に適当な製造方法は、
基材、トップコート層及び必要に応じてキャリヤフィル
ムを同時あるいはほぼ同時に成形して、一枚の長尺のフ
ィルムを製造する方法である。
たように、各種の部品、特に自動車の外装部品に貼付し
て使用されるが、外装部品は、特にオレフィン系樹脂、
例えばポリプロピレン樹脂などからなるのが好ましい。
このような樹脂は、成形性や加工性が良好であるばかり
でなく、衝撃吸収性などにも優れているからである。も
ちろん、必要に応じて、オレフィン系樹脂以外の材料か
らなる外装部品等に本発明の自動車用外装フィルムを貼
付しても差し支えない。
製の部品と、この部品の露出面(すなわち、自動車等に
取り付けた時に露出し、本発明の外装フィルムを貼付す
ることが求められる面)に貼付された本発明の外装フィ
ルムとを含んでなることを特徴とする自動車用外装部品
も提供される。本発明の自動車用外装部品の詳細は、上
述の記載と、以下の実施例の記載から容易に理解するこ
とができるであろう。
詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施例によっ
て限定されるものではないことを理解されたい。
ため、次のような市販もしくは試作の材料を使用した。
の実施例で下記の第1表に記載のような配合組成(重量
部)のウレタン塗工溶液を使用した。
ロナトリータ(出力1.0kw)に10m/分の速度で
案内して、その基材の片面にコロナ放電処理を行った。
次いで、基材のコロナ放電処理面に前記第1表に記載の
ウレタン塗工溶液をバーコータで、乾燥後の膜厚が約
0.03mmとなるように塗布し、熱風オーブンを通し
て、65℃×3分及び85℃×3分で加熱乾燥した。引
き続いて、加熱乾燥後の基材の粘着性があって未硬化の
ウレタンコート面に、下記の第2表に記載のキャリヤフ
ィルム(表面光沢度156)をラミネータにて貼り合わ
せた。エア噛みを生じることなくきれいな貼り合わせフ
ィルムを得ることができた。この貼り合わせフィルムを
そのままの状態で室温で1週間以上放置したところ、ウ
レタンコートの硬化が進行し、基材、トップコート層、
そしてキャリヤフィルムの3層構造の複合フィルムが完
成した。キャリヤフィルムは、トップコート層からスム
ースに引き剥がすことが可能であり、キャリヤフィルム
を剥離して露出したトップコート層の光沢度は、そのキ
ャリヤフィルムの表面光沢度が転写された結果、85.
6であった。実施例2 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、キャリヤフィルムを表面
光沢度156のGS50から表面光沢度33.8のU4
に変更した。本例でも、エア噛みを生じることなくきれ
いな貼り合わせフィルムを得ることができた。得られた
3層構造の複合フィルムにおいて、キャリヤフィルムを
剥離して露出したトップコート層の光沢度は、そのキャ
リヤフィルムの表面光沢度が転写された結果、25.2
であった。実施例3 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、キャリヤフィルムの使用
を省略した。基材のコロナ放電処理面に前記第1表に記
載のウレタン塗工溶液をバーコータで塗布し、熱風オー
ブンを通して、65℃×3分及び95℃×15分で加熱
乾燥したところ、塗工溶液における触媒配合の効果にも
より、速やかに硬化が完了し、基材及びトップコート層
からなる2層構造の複合フィルムが得られた。この複合
フィルムにおいて、トップコート層の光沢度は、91.
5であった。実施例4 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、トップコート層に対する
着色剤の添加を省略するとともに、キャリヤフィルム
を、表面光沢度156のGS50から表面光沢度17.
9のルミラーX42に変更した。本例でも、エア噛みを
生じることなくきれいな貼り合わせフィルムを得ること
ができた。得られた3層構造の複合フィルムにおいて、
キャリヤフィルムを剥離して露出したトップコート層の
光沢度は、そのキャリヤフィルムの表面光沢度が転写さ
れた結果、17.3であった。実施例5 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、トップコート層に対する
着色剤をBLK#100の単独使用からBLK#100とサイリシア4
56(光沢調整剤)の混合使用に変更するとともに、キ
ャリヤフィルムの使用を省略した。基材のコロナ放電処
理面に前記第1表に記載のウレタン塗工溶液をバーコー
タで塗布し、熱風オーブンを通して、65℃×3分及び
95℃×15分で加熱乾燥したところ、塗工溶液におけ
る触媒配合の効果にもより、速やかに硬化が完了し、基
材及びトップコート層からなる2層構造の複合フィルム
が得られた。この複合フィルムにおいて、トップコート
層の光沢度は、15.5であった。実施例6 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、トップコート層に対して
添加する着色剤をBLK#100からR960に変更した。本
例でも、エア噛みを生じることなくきれいな貼り合わせ
フィルムを得ることができた。得られた3層構造の複合
フィルムにおいて、キャリヤフィルムを剥離して露出し
たトップコート層の光沢度は、そのキャリヤフィルムの
表面光沢度が転写された結果、83.3であった。実施例7 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、基材の形成に使用するオ
レフィンフィルムをPP(FX270)からTPO(ミラストマー
7030N)に変更した。本例でも、エア噛みを生じることな
くきれいな貼り合わせフィルムを得ることができた。得
られた3層構造の複合フィルムにおいて、キャリヤフィ
ルムを剥離して露出したトップコート層の光沢度は、そ
のキャリヤフィルムの表面光沢度が転写された結果、9
0.2であった。実施例8 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、キャリヤフィルムを表面
光沢度156のGS50から表面光沢度128のPB2
64に変更した。本例でも、エア噛みを生じることなく
きれいな貼り合わせフィルムを得ることができた。得ら
れた3層構造の複合フィルムにおいて、キャリヤフィル
ムを剥離して露出したトップコート層の光沢度は、その
キャリヤフィルムの表面光沢度が転写された結果、7
2.5であった。実施例9 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、基材として使用するオレ
フィンフィルムの成形法を射出成形法からブロー成形法
に変更するとともに、キャリヤフィルムの使用を省略し
た。基材のコロナ放電処理面に前記第1表に記載のウレ
タン塗工溶液をバーコータで塗布し、熱風オーブンを通
して、65℃×3分及び95℃×15分で加熱乾燥した
ところ、塗工溶液における触媒配合の効果にもより、速
やかに硬化が完了し、基材及びトップコート層からなる
2層構造の複合フィルムが得られた。この複合フィルム
において、トップコート層の光沢度は、90.9であっ
た。実施例10 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
下記の第2表に記載のように、基材として使用するオレ
フィンフィルムをPP(FX270)からアイオノマーフィル
ム(ハイミラン1605、三井デュポンポリケミカル社製)
に変更するとともに、キャリヤフィルムを表面光沢度1
56のGS50から表面光沢度33.8のU4に変更し
た。本例でも、エア噛みを生じることなくきれいな貼り
合わせフィルムを得ることができた。得られた3層構造
の複合フィルムにおいて、キャリヤフィルムを剥離して
露出したトップコート層の光沢度は、そのキャリヤフィ
ルムの表面光沢度が転写された結果、25.9であっ
た。
れの例で調製した複合フィルムを金型にセットし、その
複合フィルムの基材側に該当する成形樹脂を射出成形し
た。複合フィルムと成形樹脂が一体化した後、十分に冷
却するのを待って成形品を金型から取り出した。キャリ
ヤフィルムを併用した例では、この段階で、キャリヤフ
ィルムを成形品から取り除いた。トップコート層の表面
は、キャリヤフィルムを併用した場合、そのキャリヤフ
ィルムの表面光沢度に応じて高光沢から低光沢まで再現
可能であった。また、キャリヤフィルムを併用しなかっ
た場合でも、トップコート層に対する光沢調整剤の添加
の有無により、トップコート層の表面において高光沢か
ら低光沢までを再現可能であった。
型の片面に、該当する成形樹脂が複合フィルムの基材に
あたるようにセットした後、ブロー成形した。複合フィ
ルムと成形樹脂が一体化した後、十分に冷却するのを待
って成形品を金型から取り出した。
もしくはトップコート層に配合した着色剤の添加効果に
よって、優れた色外観も得ることができた。 〔評価試験〕前記実施例1〜10のそれぞれにおいて製
造した成形品について、耐候性及び耐傷つき性を次のよ
うな試験方法で評価した。また、比較のため、比較例1
(PP/射出成形;フィルム被覆を有しない無垢の成形
品)及び比較例2(アイオノマーフィルム/射出成形;
フィルム被覆を有しない無垢の成形品)についても同様
な評価試験を行った。 耐候性(促進耐候試験):この試験では、供試成形品を
スガ試験機、サンシャインカーボンWOM促進耐候試験
機に取り付け、BP65℃で3000時間にわたって光
を連続照射しながら、降雨あり/なしを12分/48分
にわたって併用した。供試成形品を試験機から取り出し
た後、成形品上の複合フィルムの外観を目視によって評
価した。
は少しも観察されなかった。これに対して、比較例1で
は成形品のひび割れが観察され、また、比較例2では成
形品の黄変及び光沢落ちが観察された。 耐傷つき性(ブラシ洗車試験):この試験では、供試成
形品に試験用ダスト8種類(JIS Z8901に規
定)を塗布した後、ガソリンスタンド等に設置されてい
る高速洗車機と同等の洗車機専用ナイロンブラシ(22
0mm長さ)を使用して模擬洗車試験を実施した。洗車
条件は、ブラシ回転数150rpm、10秒稼動を10
回反復、であった。
ルムの傷つき等は少しも観察されなかった。これに対し
て、比較例1及び2では成形品の全面にブラシによる引
っ掻き傷が観察された。
ば、耐候性及び耐傷つき性を同時に満足させることがで
きるばかりでなく、装飾効果に優れ、また、プライマ処
理などを施すことなく、短縮された製造工程で容易に製
造できる自動車外装用フィルムを提供することができ
る。
ィルムの優れた特性などを生かした自動車用外装部品を
提供することができる。
した断面図である。
示した断面図である。
成例を示した断面図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 自動車の外装に使用されるフィルムであ
って、 接着機能を有するオレフィン系樹脂の基材と、該基材に
よって支持されたウレタン樹脂のトップコート層とを含
んでなり、前記基材を介して自動車の外装部品に貼付さ
れることを特徴とする自動車外装用フィルム。 - 【請求項2】 前記トップコート層のウレタン樹脂が2
液型ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1に記
載の自動車外装用フィルム。 - 【請求項3】 前記トップコート層の膜厚が、1〜20
0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の
自動車外装用フィルム。 - 【請求項4】 前記基材のオレフィン系樹脂が、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、サーモプラスチックオレフィ
ン、アイオノマー、エチレン/アクリル酸共重合体、エ
チレン/アクリル酸エチル共重合体又はエチレン/酢酸
ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1項に記載の自動車外装用フィルム。 - 【請求項5】 前記基材の膜厚が、5〜1000μmで
あることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
載の自動車外装用フィルム。 - 【請求項6】 前記トップコート層及び前記基材の少な
くとも一方に着色剤が含まれていることを特徴とする請
求項1〜5のいずれか1項に記載の自動車外装用フィル
ム。 - 【請求項7】 前記基材及び前記トップコート層が、他
の層を介することなく直接隣接していることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動車外装用フ
ィルム。 - 【請求項8】 キャリヤフィルムをさらに有しているこ
とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の自
動車外装用フィルム。 - 【請求項9】 前記自動車の外装部品がオレフィン系樹
脂からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1
項に記載の自動車外装用フィルム。
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---|---|---|---|
JP2002020311A JP4225730B2 (ja) | 2002-01-29 | 2002-01-29 | 自動車外装用フィルム |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003225977A true JP2003225977A (ja) | 2003-08-12 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006224324A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Nippon Purai Kk | 自動車用フィルム |
JP2007216611A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Nippon Purai Kk | マット調フィルム |
-
2002
- 2002-01-29 JP JP2002020311A patent/JP4225730B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006224324A (ja) * | 2005-02-15 | 2006-08-31 | Nippon Purai Kk | 自動車用フィルム |
JP2007216611A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Nippon Purai Kk | マット調フィルム |
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