JP2003225903A - セラミックシート製造用離型フィルム - Google Patents
セラミックシート製造用離型フィルムInfo
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Abstract
において剥離しない適度な密着力を有し、しかもセラミ
ック剥離工程においては剥離時の剥離力が小さく、剥離
不良のない適度の力で剥離が可能な離型層表面を有す
る、セラミックシート製造用離型フィルムを提供するこ
と。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方
の表面に硬化型シリコーン樹脂より構成される離型層を
設けてなる離型フィルムであって、該離型フィルムの離
型層側表面上に積層されるセラミックシートの負荷時の
ダイナミック硬さ(A)と該離型層の負荷時のダイナミ
ック硬さ(B)とが下記式(1)、(2)で示される範
囲にあることを特徴とするセラミックシート製造用離型
フィルム。 A<15(gf/μm2)・・・・(1) 20<|A−B|<40(gf/μm2)・・・・(2)
Description
ルムを基材とするセラミックシート製造用離型フィルム
に関し、詳しくはセラミックの剥離力が比較的大きく、
セラミック加工工程中に予期せぬ剥離が発生せず、しか
も剥離不良のない適度の力で剥離が可能な、セラミック
シートの製造用に好適な離型フィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリエチ
レンナフタレート等のポリエステルフィルムを基材と
し、その上に離型層を積層した離型フィルムは、粘着ラ
ベル、粘着テープ等の台紙として広く使用されている。
近年、セラミックコンデンサーなどの部品として使用さ
れるセラミックシートの作成に離型フィルムが使用され
ることが一般化されるなか、セラミックコンデンサーの
大容量化、小型化に伴って、セラミックシートが薄膜化
(特にセラミックが薄くなると剥離力は大きくなる)
し、それにより従来の離型フィルムより剥離力の小さい
離型フィルムが求められるようになっている。一方、剥
離力の小さすぎる離型フィルムを使用すると、セラミッ
ク処方の不揮発分量や粒子の分散やセラミックシート中
の充填構造によっては、乾燥後の収縮率が大きくなり、
剥離工程以前の工程で、セラミックと離型フィルムとが
剥離してしまい、不具合が発生する場合がある。更に
は、従来のラベル用等の離型フィルムにおいて剥離力の
大きいものが、セラミック剥離においても剥離力が大き
いものであるとは限らず、離型フィルム上に塗工される
セラミックの種類に応じて最適な剥離性を有する離型層
を選択することは非常に困難であった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解消し、特にセラミック剥離工程前のセラミック製
造工程において剥離しない適度な密着力を有し、しかも
セラミック剥離工程においては剥離時の剥離力が小さ
く、剥離不良のない適度の力で剥離が可能な離型層表面
を有する、セラミックシート製造用離型フィルムを提供
することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】我々は、鋭意検討の結
果、特定範囲のダイナミック硬さを有するセラミック層
を剥離する場合において、特定範囲のダイナミック硬さ
を有する硬化型離型フィルムが、セラミックシート製造
時の剥離工程において好ましい適度な剥離除去性を示す
ことを見出し、本発明に到達したものである。 【0005】即ち、本発明はポリエステルフィルムの少
なくとも一方の表面に硬化型シリコーン樹脂より構成さ
れる離型層を設けてなる離型フィルムであって、該離型
フィルムの離型層側表面上に積層されるセラミックシー
トの負荷時のダイナミック硬さ(A)と該離型層の負荷
時のダイナミック硬さ(B)とが下記式(1)、(2)
で示される範囲にあることを特徴とするセラミックシー
ト製造用離型フィルムである。 A<15(gf/μm2)・・・・(1) 20<|A−B|<40(gf/μm2)・・・・(2) 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の基材として用いるポリエステルフィルム
を構成するポリエステルは、特に限定されず、離型フィ
ルム基材として通常一般に使用されているポリエステル
をフィルム成形したものを使用する事が出来るが、好ま
しくは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分からなる結
晶性の線状飽和ポリエステルであるのが良く、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート、ポリ −1,4−シクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレート等が挙げられる。 【0007】上記ポリエステルには、フィルムの取り扱
い性や滑り性を良くするために、本発明の作用を阻害し
ない範囲内で有機や無機の微粒子を配合しても良い。特
に平均粒径が0.01〜10μmの微粒子を、ポリエス
テル全体の重量に対し0.005〜5重量%の割合で含
有させることが好ましい。 【0008】本発明に用いるポリエステルフィルムは、
特に機械強度が優れる等から、二軸延伸ポリエステルフ
ィルムが好ましい。 【0009】本発明におけるポリエステルフィルムの製
造法は、特に限定されず、従来一般に用いられている方
法を用いることが出来る。例えば、前記ポリエステルを
押出機にて溶融して、フィルム状に押出し、回転冷却ド
ラムにて冷却することにより未延伸フィルムを得、該未
延伸フィルムを一軸または二軸延伸する事により得るこ
とが出来る。一軸延伸フィルムは、未延伸フィルムを縦
方向あるいは横方向に一軸延伸することにより得ること
が出来る。また、二軸延伸フィルムは、縦方向あるいは
横方向の一軸延伸フィルムを横方向または縦方向に逐次
二軸延伸する方法、或いは未延伸フィルムを縦方向と横
方向に同時二軸延伸する方法で得ることが出来る。 【0010】本発明において、ポリエステルフィルム延
伸時の延伸温度はポリエステルの二次転移点(Tg)以
上とすることが好ましい。また、二軸延伸フィルムの場
合は、おのおのの方向に1〜8倍、特に2〜6倍の延伸
倍率とすることが好ましい。 【0011】本発明に用いるポリエステルフィルムの厚
さは、その使用目的に応じて設定すれば良く、特に限定
されないが、好ましくは2〜300μmであるのが良
く、特に好ましくは10〜125μmである。 【0012】本発明の離型フィルムにおけるシリコーン
離型層を構成するシリコーン樹脂としては、特に限定は
なく、付加反応系、縮合反応系、紫外線硬化系もしくは
電子線硬化系のシリコーン樹脂等の、硬化性シリコーン
樹脂を使用することが出来る。 【0013】付加反応系のシリコーン樹脂としては、例
えば、末端にビニル基を導入したポリジメチルシロキサ
ンとハイドロジエンシロキサンを白金触媒を用いて反応
させ、3次元架橋構造を形成したものが挙げられる。 【0014】縮合反応系のシリコーン樹脂としては、例
えば、末端に−OH基をもつポリジメチルシロキサンと
ハイドロジエンシロキサンを白金触媒を用いて反応さ
せ、3次元架橋構造を形成したもの等が挙げられる。 【0015】紫外線硬化系のシリコーン樹脂としては、
例えば、最も基本的なタイプとして通常のシリコーンゴ
ム架橋と同じラジカル反応を利用するもの、不飽和基を
導入して光硬化させるもの、ビニルシロキサンへのチオ
ールの付加反応で架橋するもの、紫外線でオニウム塩を
分解して強酸を発生させ、これでエポキシ基を開裂させ
て架橋するもの等が挙げられる。電子線は紫外線よりも
エネルギーが強い為、電子線硬化系のシリコーン樹脂
は、紫外線硬化系のように開始剤を用いなくてもラジカ
ルによる架橋反応が起こる。 【0016】本発明による離型層は、該離型フィルムの
離型層側表面上に積層されるセラミックシートの負荷時
のダイナミック硬さ(A)と該シリコーン離型層の負荷
時のダイナミック硬さ(B)とが、下記式(1)、
(2)で示される範囲にあることが必要である。 A<15(gf/μm2)・・・・(1) 20<|A−B|<40(gf/μm2)・・・・(2) 上記範囲外になるとセラミックシートの性状により後述
の様に、セラミックシート製造時の剥離工程以前の工程
で、セラミックと離型フィルムとが剥がれてしまい、導
電層印刷が出来ない等の問題が発生する。 【0017】セラミックシートの性状、特にセラミック
シートの硬さが柔らかくなった場合、セラミックシート
の負荷時のダイナミック硬さ(A)とシリコーン離型層
の負荷時のダイナミック硬さ(B)との関係が上記範囲
にあることにより、剥離工程以前の工程で、離型フィル
ムからセラミックシートが剥がれることなく、また離型
フィルムからセラミックシートを剥離するときは、セラ
ミックシートが破れることなく、剥がすことが出来るの
で、セラミックシートの破損を低減することができる。
セラミックシートと離型フィルムとの剥離は、セラミッ
クシートの硬さにより剥離形態が変わるため、それに伴
い離型面の硬さを変える必要がある。特にセラミックシ
ートが柔らかいとき、あるいは、セラミックシートの厚
みがある程度厚いときは、セラミックシートを乾燥させ
た後、セラミック粒子の分散状態あるいはセラミックシ
ート中の充填構造により、セラミックシートが収縮し、
離型フィルムからセラミックシートが剥がれやすくな
る。柔らかいセラミックシート層を剥離するときには、
セラミックシート層の粘性の影響が出ると考えられ、そ
れに伴う離型層がシリコーン樹脂の化学的な剥離能力の
優れたもの(例えば−CH3含有量が多い等)である
と、セラミックシートが剥離工程以前の工程で剥離しや
すくなる。そういった離型層の固さは、一般に柔らか
い。セラミックシートのダイナミック硬さAは、下限値
が3gf/μm2であることが好ましい。セラミックシ
ートのダイナミック硬さが3gf/μm2未満と柔らか
くなると、セラミックシートを離型フィルムの離型層面
から剥離する際にセラミックシートが伸びて変形しやす
くなったり、セラミックシートがブロッキングしたりす
る場合がある。又、セラミックシートが硬くなると(一
般的にはセラミックシートの厚みが薄くなると)、セラ
ミックシートを乾燥させた後のセラミックシートの収縮
力は弱くなり、離型フィルムからセラミックシートが剥
がれにくくなる。その場合は、セラミックシート剥離工
程以前の工程で離型フィルムからセラミックシートが剥
がれることはなくなるので、離型フィルムの剥離力とし
ては、軽いものが望まれる。硬いセラミックシートを剥
離するときには、セラミックシート層の粘性の影響は、
ほとんど出ないと考えられ、それに伴う離型層として
は、硬いものが適している。その理由は、硬いセラミッ
クシートと硬い離型フィルムとの剥離は、粘着シートと
離型フィルムとの剥離のような界面剥離力ではなく、界
面せん断力に影響されるからである。 【0018】上記範囲のようなダイナミック硬さの差を
確保するには、セラミックシートと硬化型シリコーン樹
脂において、それぞれに対応するセラミックシート及び
シリコーン樹脂の層構成にする必要がある。たとえば、
セラミックシートの結着剤(ポリビニルブチラール、ポ
リビニルアルコール、アクリル樹脂等)とセラミック原
料(チタン酸バリウム、アルミナ等)の混合比(結着剤
/セラミック原料)で、結着剤混合比が高い場合、ある
いは、セラミックシートの層厚みが厚い場合等では、セ
ラミックシートのダイナミック硬さは、小さくなる(柔
らかくなる)。上記のようなセラミックシートは、セラ
ミック原料の分散状態やセラミックシート中の充填構造
の影響をうけて、セラミック自体の収縮力が強く、離型
フィルムから剥離しやすくなる。上記のようなセラミッ
クシートに使用する場合のシリコーン離型層は、該シリ
コーン樹脂中に導入する疎水基の含有量の調整は、必要
であるが、該樹脂中に導入する架橋基の含有量を多くす
る、等の方法で、樹脂の架橋密度を大きくすること(コ
ート膜の硬度を上げること)により、セラミックシート
の剥離工程以前の工程での剥離が起こらず、剥離工程で
剥離するときは適度な剥離力で剥離することの可能なフ
ィルムを得ることが出来る。硬化型シリコーン樹脂にお
いて、樹脂厚みが離型層の面内において均一であるなら
ば、一定の硬化エネルギーでも厚みが小さい程架橋密度
が大きくなるため、厚みを可能な限り小さくすることに
より、上記範囲の様な値を得ることが出来る。また、フ
ィルム自体の硬度も影響するため、調整してもよい。 【0019】本発明において、離型層の厚みは、その使
用目的に応じて設定すれば良く、特に限定されないが、
好ましくは、硬化後の離型層重量が0.02〜0.2g
/m 2となる範囲がよい。離型層の厚みが上記範囲より
小さいと剥離性能が低下しやすい。また、上記範囲より
大きいと、ポリエステルの密着性に必要な硬化時間が長
くなり、生産上不都合となりやすい。 【0020】本発明において、離型層の形成方法は、特
に限定されず、例えば硬化型シリコーン樹脂を分散させ
た塗液を、基材のポリエステルフィルムの表面に塗布等
により展開し、溶媒等を乾燥により除去後、熱により樹
脂を反応させ硬化させる方法が用いられる。 【0021】上記塗液の塗布法としては、公知の任意の
塗布法が適用出来、例えばグラビアコート法やリバース
コート法などのロールコート法、ワイヤーバーなどのバ
ーコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法
等の従来から知られている方法が利用できる。 【0022】本発明において、離型層のポリエステルフ
ィルムへの密着性を上げるために、上記塗液の塗布に先
立ち、ポリエステルフィルム表面に、アンカーコート等
の前処理をしても良い。 【0023】 【実施例】以下に、試験例及び実験例を用いて本発明の
効果を更に詳細に説明する。 試験例 1.試験方法 【0024】(1)負荷時のダイナミック硬さの測定 島津ダイナミック超微小硬度計(DUH−201−20
2)を用いて、荷重2gfの三角すいを試料(セラミッ
クシート面あるいはシリコーン樹脂面)に押しつけ、2
秒保持した後のダイナミック硬さを下記(2)式より求
めた。 負荷時のダイナミック硬さ=α×P÷D2・・・・・(2) P(gf): 荷重 D(μm): 圧子の試料への侵入量 α : 37.838 圧子形状による定数(115°三角すい) 【0025】(2)セラミックシートの剥離性評価 セラミックシート付き離型フィルムを2.5cm巾にカ
ットし、セラミックシート層面にポリエステル粘着テー
プ(日東電工社製、ニットー31B)を貼り、ピール法
(剥離速度500mm/分でT型剥離する)によりセラ
ミックシート層を離型フィルムから剥離して、下記基準
により評価した。なお試験は5回行ない、Aを合格とし
た。 A・・セラミックシートが5回の試験ですべて破れるこ
となく、剥離した場合 B・・5回の試験で1回でもセラミックシートの一部に
破損があった場合 C・・5回の試験で1回でもセラミックシートが完全に
破れ破損した場合 【0026】(3)セラミックの浮き評価 セラミックシート付き離型フィルム(セラミックのコー
ト巾10cm、長さ15cm)の上にセラミックシート
面積より大きいA4版の重さ750gのガラス板を置
き、1分間室温で放置後、ガラス板を垂直に持ち上げ、
セラミックシートの剥離状態を下記基準により評価し
た。 A・・セラミックシートの剥離は見られない。 B・・セラミックシートの一部が剥離している。 C・・セラミックシートが完全に剥離している。 【0027】2.実施例 (実施例1)熱硬化型シリコーンレジン(信越化学株式
会社製 KS834H)を溶剤(トルエン)に分散し
(1重量%濃度)、シリコーンレジン100重量%に対
し、1重量%の白金触媒を硬化触媒として添加し、シリ
コーン塗液を作成した。厚さ38μmの常法で得られた
ポリエステルフィルムに、ワイヤーバーにて上記シリコ
ーン塗液を塗布し、140℃×30秒で乾燥し、長尺の
離型フィルム(シリコーン離型層の乾燥後重量0.10
g/m2)ロールを得た。 【0028】また、溶剤(トルエン/エタノール=50
/50:重量比)中にセラミック粒子(平均一次粒子径
が0.6μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)、富
士チタン社製)100重量部を混合し、分散メディアで
ある粒径1.5mmのジルコニアビーズ(充填量:スラ
リーに対し200重量%)とともにボールミルで24時
間分散した。次いで、バインダー(ポリビニルブチラー
ル、積水化学工業株式会社製)10重量部、及び可塑剤
(ポリエチレングリコール)をセラミック粉末とバイン
ダーの総量に対し2重量%混合し、ボールミルで24時
間分散し、さらにフィルター(孔径3μm)で濾過処理
を行ない、ペースト状のセラミックスラリーを得た。 【0029】前記の離型フィルムロールを巻き出し、上
記セラミックスラリーを乾燥後の厚みが30μmになる
ようにドクターブレードを用いて、離型フィルムの離型
層面に塗布し、120℃で1分間乾燥してセラミックシ
ート層(セラミック粒子/バインダーの重量比:100
/30)を設け、得られたセラミックシート付き離型フ
ィルムをロール状に巻き取った。 【0030】(実施例2)実施例1において、セラミッ
クスラリー調製時にバインダーとしてアクリル樹脂を用
い、セラミック粒子とバインダーの配合比を100/2
0(重量比)に変更する以外は実施例1と同様にして、
長尺のセラミックシート付き離型フィルムロールを得
た。 【0031】(比較例1)UV硬化型シリコーンレジン
(東芝シリコーン株式会社製 UV9300)を溶剤
(ノルマルヘキサン)に分散し、(2重量%濃度)、シ
リコーンレジン100重量部に対し、1重量部のビス
(アルキルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアン
チモネートを硬化触媒として添加し、シリコーン塗液を
作成した。上記シリコーン塗液を塗布し、140℃×3
0秒で乾燥し、長尺の離型フィルムロール(シリコーン
離型層の乾燥後重量0.2g/m2)を得た。上記で得
られた離型フィルムロールの離型層面上に、実施例2と
同様にしてセラミックシート(セラミック原料/アクリ
ル樹脂=100/20)層(厚み30μm)を設けるこ
とにより、長尺のセラミックシート付き離型フィルムロ
ールを得た。 【0032】(比較例2)熱硬化型シリコーンレジン
(東芝シリコーン株式会社製 XS56−A5730)
を溶剤(トルエン)に分散し(2重量%濃度)、シリコ
ーンレジン100重量部に対し、1重量部の白金触媒を
硬化触媒として添加し、シリコーン塗液を作成した。厚
さ38μmの常法で得られたポリエステルフィルムに、
ワイヤーバーにて上記シリコーン塗液を塗布し、140
℃×30秒で乾燥し、長尺の離型フィルムロール(シリ
コーン離型層の乾燥後重量0.2g/m2)を得た。上
記で得られた離型フィルムロールの離型層面上に、セラ
ミックシート(セラミック原料/PVB=100/2
0)層(厚み30μm)を設けることにより、長尺のセ
ラミックシート付き離型フィルムロールを得た。 【0033】(比較例3)比較例2の熱硬化型シリコー
ンレジンを「東芝シリコーン株式会社製 TPR671
2」に変更し、シリコーン離型層の乾燥後重量を0.1
g/m2にした以外は、比較例2と同様にして長尺のセ
ラミックシート付き離型フィルムロールを得た。 【0034】(比較例4)実施例2において、シリコー
ン離型層の乾燥後の重量を0.04g/m2とし、かつ
セラミックスラリー調製時にセラミック粒子とアクリル
樹脂の配合比を100/50(重量比)に変更する以外
は実施例2と同様にして、長尺のセラミックシート付き
離型フィルムロールを得た。 【0035】3.試験結果 実施例及び比較例の試験結果を表1に示す。 【0036】 【表1】 【0037】実施例1、2は、20<|A−B|<40
(gf/μm2)の範囲内であり、セラミックシートの
剥離不良は見られず、セラミックが収縮してカールした
セラミックシート付き離型フィルムを平面状に変形させ
ても、セラミックシートの剥がれは見られなかった。従
って、セラミック製造工程においても、不具合は発生し
ないと予想される。それに対し、比較例1、2、3は、
|A−B|≦20(gf/μm2)であり、セラミック
シート剥離時に剥離不良は見られなかったが、セラミッ
クが収縮してカールしたセラミックシート付き離型フィ
ルムを平面状に変形させると、セラミックシートに剥が
れが発生しており、セラミック製造工程において、不具
合が発生すると予想される。また、比較例4は、|A−
B|が40以上であり、セラミックシートに剥がれは見
られなかったが、セラミックシートを離型フィルムの離
型層面から剥離する際に、剥離力が大きく、剥離が不良
な部分が見られた。 【0038】 【発明の効果】本発明の離型フィルムは、セラミックシ
ートの剥離工程以前のセラミック製造工程において剥離
することのない適度な密着力を有する一方、セラミック
剥離工程においては、剥離不良のない適度の力でセラミ
ックシートから離型フィルムの剥離除去が可能である。
よってセラミックシートの製造に好適である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方
の表面に硬化型シリコーン樹脂より構成される離型層を
設けてなる離型フィルムであって、該離型フィルムの離
型層側表面上に積層されるセラミックシートの負荷時の
ダイナミック硬さ(A)と該離型層の負荷時のダイナミ
ック硬さ(B)とが下記式(1)、(2)で示される範
囲にあることを特徴とするセラミックシート製造用離型
フィルム。 A<15(gf/μm2)・・・・(1) 20<|A−B|<40(gf/μm2)・・・・(2)
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