JP2002240016A - セラミックシート製造用離型フィルムおよびフィルム積層体 - Google Patents

セラミックシート製造用離型フィルムおよびフィルム積層体

Info

Publication number
JP2002240016A
JP2002240016A JP2001042044A JP2001042044A JP2002240016A JP 2002240016 A JP2002240016 A JP 2002240016A JP 2001042044 A JP2001042044 A JP 2001042044A JP 2001042044 A JP2001042044 A JP 2001042044A JP 2002240016 A JP2002240016 A JP 2002240016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic sheet
film
release layer
release
ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001042044A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Hoshio
淳 星尾
Kozo Maeda
浩三 前田
Harunobu Kuroiwa
晴信 黒岩
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2001042044A priority Critical patent/JP2002240016A/ja
Publication of JP2002240016A publication Critical patent/JP2002240016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Producing Shaped Articles From Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄層セラミックシートの製造において、特に
水系セラミックスラリーを用いた場合、離型層に均一に
コートすることができ、かつセラミックシートを離型層
から剥離する際の剥離力が小さい離型層を有する離型フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方
の面に離型層を形成してなる離型フィルムであって、該
離型フィルムの離型層面に積層されるセラミックシート
面のダイナミック硬度Aと前記離型層面のダイナミック
硬度Bとの差の絶対値|A−B|が20gf/μm2
下であり、かつ離型層面の表面エネルギーγsが18m
N/m以上であることを特徴とするセラミックシート製
造用離型フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系セラミックス
ラリーを塗布、乾燥して形成させてセラミックシートを
製造するのに好適な、ポリエステルフィルムを基材とす
る離型フィルムおよび該離型フィルムの離型層にセラミ
ックシート層を積層したフィルム積層体に関する。詳し
くは、剥離力が小さく、かつ水系セラミックスラリーに
対して安定した濡れ性能を有する、セラミックシート製
造用離型フィルムおよび該離型フィルムの離型層にセラ
ミックシート層を積層したフィルム積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】誘電体、圧電体、基盤等に使用されるセ
ラミックシートは、ドクターブレード法、カレンダーロ
ール法、押しだし法等の方法によって成形される。例え
ば、ドクターブレード法による場合は、セラミック粒
子、バインダー、可塑剤、溶媒等からなるセラミックス
ラリーをドクターブレードで一定厚みとなるようにキャ
リヤフィルム上に塗布し、乾燥、固化させた後、セラミ
ックシートをキャリヤフィルムから剥離して、セラミッ
クシートが製造される。
【0003】キャリヤフィルムとしては、機械的強度、
寸法安定性、耐熱性、価格等の点で有利である二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムに硬化型のシリコ
ーン系化合物を離型層として設けた離型フィルムが一般
的に使用されている。
【0004】近年、積層セラミックコンデンサーの小型
・高容量化のために、セラミックシートの厚さをより薄
膜化し、かつ多層に積層することが要望されている。と
ころが、セラミックシートの厚みが薄くなるにつれ、セ
ラミックシートを離型フィルムの離型層から剥離する際
の剥離力が大きくなり、剥離不良が多発するという新し
い問題が生じてきた。そのため、従来の離型フィルムよ
りも剥離力の小さい離型フィルムが必要となってきた。
従来のラベル用などに使用されてきた汎用の離型フィル
ムは、その用途では剥離力が小さいものであっても、薄
層セラミックシートの製造には剥離性の点で不十分であ
り、より剥離力の小さい離型フィルムが求められてい
る。
【0005】ところが、ある特定組成のセラミックシー
トとの剥離力が小さい離型フィルムを設計したとして
も、セラミックシートの構成成分(セラミック粒子の種
類、平均一次粒径、粒子分散性、あるいは、バインダー
の種類、セラミック粒子とバインダーとの含有量比率な
ど)やセラミックシートの厚みが変わると、セラミック
シートと離型フィルムの離型層との間の剥離力が変化す
るため、再びその特定組成のセラミックシートに最適な
離型フイルムの離型層組成を設計する必要があった。
【0006】また、近年、セラミックシートの成形にお
いて、結着剤、溶媒等のコストダウン及び有機溶媒によ
る火気並びに臭気の発生、作業者の健康管理、廃溶剤の
処理等の面から有機溶媒の量を極力抑えることが必要に
なり、有機溶媒系のセラミックスラリーの代わりに水系
セラミックスラリーが使用されるようになってきた。
【0007】水系セラミックスラリーは、離型フィルム
の離型層との濡れ性が良くないために、一般のシリコー
ン系化合物を離型層として設けた離型フィルムを用いた
場合には、水系セラミックスラリーを塗布した際にはじ
きが発生し、均一なセラミックシートを得ることが出来
ないという問題がある。
【0008】一般的には、セラミックシートとの剥離力
の小さい離型層を用いると、水系セラミックスラリーと
の濡れ性はさらに悪化し、離型フィルムの離型層表面に
おける水系セラミックスラリーのはじきは、より発生し
やすくなる。したがって、水系セラミックスラリーを離
型フィルムの離型層に塗布する際に、均一に塗布するこ
とができ、セラミックシートを離型層から剥離する際に
は、剥離力の小さい離型フィルムが求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、かかる問題点を解消し、薄層セラミックシートの
製造において、特に水系セラミックスラリーを用いた場
合、離型層に均一に塗布することができ、かつセラミッ
クシートを離型層から剥離する際の剥離力が小さい離型
層を有するセラミックシート製造用離型フィルムおよび
該離型フィルムの離型層面にセラミックシート層を積層
したフィルム積層体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記2つの課
題を次のような技術思想で解決したものである。第1の
技術思想は、セラミックシートを製造する際の剥離工程
において、剥離界面のセラミックシートと離型フィルム
の離型層とのダイナミック硬度差の絶対値を小さくする
ことにより、セラミックシートの構成成分(セラミック
の種類や平均粒径、バインダーの種類、それらの含有量
比率など)やセラミックシートの厚みに依存せず、剥離
性に優れるというものである。このようなセラミックシ
ートと離型フィルムの離型層の物理的特性を関連づけた
技術思想は、従来技術からは予測できない新規なもので
ある。
【0011】第2の技術思想は、剥離力の小さい離型フ
ィルムでも、離型フィルムの離型層面の表面エネルギー
γsを18mN/mとすることにより、水系セラミック
スラリーを離型層表面に塗布する際に、水系セラミック
スラリーのはじきがなく、均一に塗布することができる
というものである。
【0012】即ち、本発明の第1の発明は、ポリエステ
ルフィルムの少なくとも一方の面に離型層を形成してな
る離型フィルムであって、該離型フィルムの離型層面に
積層されるセラミックシート面のダイナミック硬度Aと
前記離型層面のダイナミック硬度Bとの差の絶対値|A
−B|が20gf/μm2 以下であり、かつ離型層面の
表面エネルギーが18mN/m以上であることを特徴と
するセラミックシート製造用離型フィルムである。
【0013】第2の発明は、前記離型層が長鎖アルキル
基含有樹脂を主たる構成成分とすることを特徴とする前
記第1の発明に記載のセラミックシート製造用離型フィ
ルムである。
【0014】第3の発明は、前記第1または第2の発明
に記載の離型フィルムの離型層に、セラミックシート層
が積層されていることを特徴とするフィルム積層体であ
る。
【0015】
【作用】離型フィルムの離型層面に積層されるセラミッ
クシート面のダイナミック硬度Aと前記離型層面のダイ
ナミック硬度Bとの差の絶対値|A−B|が20gf/
μm2 以下とすることにより、セラミックシート層を離
型フィルムから剥離してセラミックシートを製造する際
に、剥離力が小さく、容易に剥離することができるた
め、セラミックシートの破損を低減することができる。
【0016】前記ダイナミック硬度の差の絶対値(|A
−B|)は、15gf/μm2以下であることが好まし
く、特に好ましくは10gf/μm2以下である。
【0017】ダイナミック硬度の差の絶対値(|A−B
|)が20gf/μm2 を越えると、セラミックシート
層を離型フィルムから剥離してセラミックシートを製造
する際に剥離性が低下し、特に薄層のセラミックシート
の場合、剥離時にセラミックシートの破れや剥離不良が
多発し、歩留まりが低下する等の問題が発生する。
【0018】また、離型フィルムの離型層面の表面エネ
ルギーγsを18mN/m以上とすることにより、水系
セラミックスラリーを離型層面に塗布した際に、はじき
がなく、均一に塗布することができる。
【0019】上記離型層面の表面エネルギーγsは、2
0mN/m以上であることが好ましく、23mN/m以
上が特に好ましい。一方、前記表面エネルギーγsが1
8mN/m未満では、水系セラミックスラリーを離型層
面に塗布した際に、はじきやピンホール等の不具合が発
生する。
【0020】
【発明の実施形態】以下、本発明に関して詳細に説明す
る。本発明の基材として用いるポリエステルフィルムを
構成するポリエステルは特に限定されず、離型フィルム
基材として通常一般に使用されているポリエステルをフ
ィルム成形したものを使用することが出来るが、好まし
くは、芳香族二塩基酸成分とジオール成分からなる結晶
性の線状飽和ポリエステルであるのが良く、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2−6ナフ
タレート、ポリメチレンテレフタレート等が挙げられ
る。
【0021】上記ポリエステルには、フィルムの取り扱
い性や滑り性を良くするために、本発明の効果を阻害し
ない範囲内で、有機や無機の微粒子を配合しても良い。
特に平均粒径が0.01〜10μmの微粒子を、ポリエ
ステル全体の重量に対し0.005〜5重量%の割合で
含有させることが好ましい。
【0022】本発明に用いるポリエステルフィルムは、
特に機械的強度、寸法安定性、耐熱性の点から、二軸延
伸ポリエステルフィルムが好ましい。
【0023】本発明におけるポリエステルフィルムの製
造法は、特に限定されず、従来一般に用いられている方
法を用いることができる。例えば、前記ポリエステルを
押し出し機で溶融して、Tダイからシート状に押出し、
回転冷却ドラムにて冷却することにより未延伸シートを
作製し、次いで該未延伸シートを一軸または二軸延伸す
ることにより得ることができる。一軸延伸フィルムは、
未延伸フィルムを縦方向あるいは横方向に一軸延伸する
ことにより得ることが出来る。また、二軸延伸フイルム
は、縦方向あるいは横方向の一軸延伸フイルムを横方向
または縦方向に逐次二軸延伸する方法、あるいは未延伸
フイルムを縦方向と横方向に同時二軸延伸する方法で得
ることが出来る。
【0024】本発明において、ポリエステルフィルム延
伸時の延伸温度はポリエステルの二次転移点(Tg)以
上昇温結晶化温度(TC1)未満とすることが好まし
い。また、二軸延伸フィルムの場合は、縦方向および横
方向に1.1〜8倍、特に2〜6倍の延伸倍率とするこ
とが好ましい。さらに、熱寸法安定性を向上させるため
に、二軸延伸後のフィルムに200〜240℃で熱固定
処理し、1〜8%の緩和率で横弛緩処理および/または
縦弛緩処理を行うことが好ましい。得られた長尺のフィ
ルムはロール状に巻き取り、所望するサイズにスリット
する。
【0025】本発明に用いるポリエステルフィルムの厚
さは、その使用目的に応じて設定すれば良く、特に限定
されないが、好ましくは、2〜300μmであるのが良
く、特に10〜125μmであることが好ましい。
【0026】本発明の離型フィルムは、離型層面の表面
エネルギーγsが18mN/m以上とするためには、離
型層の主たる構成成分が長鎖アルキル基含有樹脂である
ことが好ましい。
【0027】長鎖アルキル基含有樹脂としては、長鎖ア
ルキル(メタ)アクリレート、長鎖アルキル(メタ)ア
クリルアミド、マレイン酸やイタコン酸の長鎖アルキル
誘導体、長鎖アルキルアリルエステル、長鎖アルキルビ
ニルエステル、長鎖アルキルビニルエーテル等を成分と
する共重合体のように長鎖アルキル基を有するモノマの
重合体、あるいは、天然又は合成高分子の長鎖アルキル
エステル誘導体、長鎖アルキルカルバメート誘導体、長
鎖アルキルエチレンイミン誘導体、長鎖アルキルアミノ
アルキッド誘導体等の長鎖アルキル化合物等が挙げられ
る。また、長鎖アルキル基の炭素数は8以上が好まし
い。
【0028】セラミックシート層を離型フィルムから剥
離してセラミックシートを製造する際、セラミックシー
トの硬さにより剥離形態が変わるため、離型フィルムの
離型層面の硬さを変える必要がある。
【0029】すなわち、セラミックシートが硬い場合、
またはセラミックシートの厚みが薄い場合には、セラミ
ックシート層を剥離する際に、セラミックシート層の粘
性の影響はほとんど見られないため、離型フィルムの離
型層の硬度を大きくすることが好ましい。
【0030】逆に、セラミックシートが柔らかい場合、
セラミックシート層を剥離するとき、セラミック層の粘
性の影響が現われるため、それに対応する離型層は硬度
を小さくすることが好ましい。例えば、離型性樹脂の疎
水基含有量を多くするなど、化学的な剥離力に優れてい
る離型層が好適である。
【0031】セラミックシートと離型フィルムとの界面
の剥離挙動は、通常の粘着シートと離型フィルムとの界
面の剥離挙動とは異なる。すなわち、粘着シートの粘着
剤層と離型フィルムの離型層との界面の剥離の場合に
は、界面の凝集エネルギーが支配的となる。一方、硬い
セラミックシートと離型フィルムとの界面の剥離の場合
には、離型層が硬い場合には剥離時の離型層の変形が小
さく、結果として剥離力が小さくなる。また、離型層が
柔らかい場合には剥離時の離型層の変形が大きく、結果
として剥離力が大きくなる。
【0032】したがって、硬いセラミックシートと硬い
離型フィルムとの剥離挙動は、粘着シートと離型フィル
ムとの剥離のような、界面剥離力ではなく、界面せん断
力に支配されているものと考えられる。
【0033】前記ダイナミック硬度差の絶対値|A−B
|を20gf/μm2 以下とするためには、セラミック
シート層の硬さに応じて離型フィルムの離型層の硬さを
設計することが必要である。
【0034】例えば、セラミックシートはセラミック粒
子(チタン酸バリウム、アルミナ、窒化アルミニウム
等)とバインダー(アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等)
とから構成されるが、セラミック粒子に対するバインダ
ーの含有量比(重量比)が大きい場合、またはセラミッ
クシート層の厚みが厚い場合には、離型フィルムにセラ
ミックシート層を積層した際のセラミックシートの硬度
は小さくなる。また、セラミックスラリー中でのセラミ
ック粒子の分散性もセラミックシートの硬度に影響し、
セラミックスラリー調合時のセラミック粒子の分散性が
不十分であると、セラミックシートの硬度は小さくな
る。
【0035】上記のような硬度の小さいセラミックシー
トを剥離する場合には、離型層の硬度を小さくすること
が必要であり、例えば1)離型性樹脂中の疎水基の含有
量を可能な限り多くする、2)離型性樹脂中に導入する
架橋基の含有量を少なくする、3)リニアーな分子構造
を有する離型性樹脂を使用する、ことなどによって達成
することができる。また、離型層の厚みを厚くすること
も有効である。
【0036】また、セラミック粒子に対するバインダー
の含有量比(重量比)が小さい場合、またはセラミック
シート層の厚みが薄い場合には、離型フィルムにセラミ
ックシート層を積層した際のセラミックシートの硬度は
大きくなる。
【0037】上記のような硬度の大きいセラミックシー
トを剥離する場合には、離型層の硬度を大きくすること
が必要であり、例えば離型層の主たる構成成分として長
鎖アルキル基含有樹脂を用いる場合には、該樹脂中に導
入するアルキル基の含有量の調整は必要であるが、該樹
脂中に導入する架橋基の含有量を多くするなどの方法
で、離型層を構成する樹脂の架橋密度を大きくすること
により達成することができる。
【0038】また、硬化型架橋樹脂を主たる構成成分と
する離型層の厚みが面内において均一であれば、厚みが
小さいほど一定の硬化エネルギーでも架橋密度が大きく
なるため、厚みを可能なかぎり小さくすることにより、
離型層の硬度を大きくすることもできる。さらに、基材
のポリエステルフィルムの機械的強度を高くすることで
硬度を大きくしてもよい。
【0039】本発明において、離型層の厚みは、その使
用目的に応じて設定すれば良く、特に限定されないが、
乾燥後の離型層の塗布量を0.01〜0.2g/m2
することが好ましい。離型層の塗布量が0.01g/m
2未満であると、剥離性能が低下しやすくなる。また、
0.2g/m2を超えると、離型層の硬度が小さくなる
ため、セラミックシートの硬度が高い場合に硬度差が大
きくなり、剥離性が悪化しやすくなる。また、加工速度
を増加できないなど生産性の点でも不都合となる。
【0040】前記の離型層用塗布液の塗布法としては、
公知の任意の塗布法が適用することができ、例えばグラ
ビアコート法やリバースコート法などのロールコート
法、マイヤーバーなどのバーコート法、スプレーコート
法、エアーナイフコート法など、公知の方法を適用する
ことができる。
【0041】本発明において、離型層とポリエステルフ
ィルムとの密着性を向上させるために、上記離型層用塗
布液の塗布に先立ち、ポリエステルフィルム表面に、ア
ンカーコート等の前処理をしても良い。また、離型層に
帯電防止性能を付与するために、上記離型層用塗布液の
塗布に先立ち、ポリエステルフィルムの離型層とは反対
面に帯電防止層を設けても良い。
【0042】
【実施例】以下に実施例を用いてさらに詳細に本発明の
説明をするが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、本発明で使用する特性及
び物性評価は、下記の方法により測定した。
【0043】(1)ポリエステルの固有粘度 フェノール60重量%と1,1,2,2−テトラクロロ
エタン40重量%の混合溶媒に、ポリエステルを溶解
し、未溶解の固形分をガラスフィルターで除去した後、
30℃にて測定した。
【0044】(2)ダイナミック硬度 ダイナミック超微小硬度計(島津製作所製、DUH−2
01−202)を用いて、荷重2gfの三角すいを試料
(セラミックシート面あるいは離型層面)に押しつけ、
2秒間保持した後のダイナミック硬度を下記式より求め
た。なお、測定は10回行ないそれらの平均値を使用し
た。また、離型フィルムの離型層面におけるダイナミッ
ク硬度の測定は、セラミックシート層を設ける前の離型
フィルムに対して行なってもよいし、セラミックシート
層を設けた後にセラミックシート層を剥離した離型フィ
ルムに対して行なってもよい。ダイナミック硬度(gf
/μm2 )=α×P/D2ここで、Pは荷重(gf)、
Dは圧子の試料への侵入量(μm)、αは圧子形状によ
る定数(115°三角すい)であり、37.838であ
る。
【0045】(3)表面エネルギーγsの測定 接触角計(協和界面化学社製、CA−X型)で、水とヨ
ウ化メチレンの接触角を求め、表面エネルギーγsを測
定した。前記接触角から表面エネルギーγsを求める方
法は、例えばJonrnal of Applied Polymer Science, Vo
l. 13, P.1741〜1747('69)に記載されている。
【0046】(4)水系セラミックスラリーのはじき性
評価 離型フイルムの離型層面に、下記組成の水系セラミック
スラリーを充分分散させた後、ドクターブレード法にて
コートした。
【0047】(水系セラミックコート液処方) チタン酸バリウム 100重量部 水分散性酢酸ビニル樹脂 10重量部 ポリカルボン酸 1重量部 水 20重量部
【0048】なお、水系セラミックスラリーは以下の手
順で調合した。イオン交換水20重量部にポリカルボン
酸1重量部を混合し、その中にセラミック粒子(平均粒
径が0.6μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)、富士チ
タン社製)100重量部を混合し、ボールミルで24時
間分散した後、バインダー(水分散性酢酸ビニル樹脂、
ヘキスト合成株式会社製)10重量部混合し、さらにボ
ールミルで24時間分散し、ペースト状のセラミックス
ラリーを得た。スラリーは、分散後、常温で放置し1時
間脱泡した。
【0049】離型層表面における水系セラミックスラリ
ー塗布後のはじきを、以下の基準で目視評価し、○であ
れば合格とした。 ○:全くはじかない △:塗布面の端部にのみ、はじきあり ×:塗布面全面に、はじきあり
【0050】(5)セラミックシートの剥離性評価 上記水系セラミックスラリーを乾燥厚みが10μmとな
るよう離型層表面にコートし、120℃で10分間乾燥
してセラミックシートを得た。このセラミックシートを
5cm巾にカットし、ピール法(剥離速度:500mm
/分、T型剥離)によりセラミックシート層を離型フィ
ルムから剥離して、下記基準により評価した。なお、試
験は5回行ない、○であれば合格とした。
【0051】 ○:剥離後のセラミックシートの全面を目視観察した
際、セラミックシートにピンホールや破れなどの破損が
5回の試験ともなかった場合 △:剥離後のセラミックシートの全面を目視観察した
際、5回の試験で1回でもセラミックシートの一部が破
損した場合 ×:剥離後のセラミックシートの全面を目視観察した
際、5回の試験で1回でもセラミックシートが破れ破損
した場合
【0052】実施例1 長鎖アルキル基含有樹脂(一方社油脂工業製、ピーロイ
ル1050)1重量部を、トルエン49.5重量部、メ
チルエチルケトン49.5重量部に溶解させ、樹脂固形
分濃度が1重量%の塗布液を調合した。厚さ50μm、
固有粘度が0.60dl/gの2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、E515
1)の片面に、この塗布液を乾燥後の厚さが0.10g
/m2となるようにワイヤーバーにて塗布し、100℃
で30秒間熱風乾燥機中で乾燥して得た離型フィルムを
ロール状に巻き取った。
【0053】また、イオン交換水20重量部にポリカル
ボン酸1重量部を混合し、セラミック粒子(平均粒径が
0.6μmのチタン酸バリウム(BaTiO3)、富士チタン
社製)100重量部を混合し、ボールミルで24時間分
散した後、バインダー(水分散性酢酸ビニル樹脂、ヘキ
スト合成株式会社製)10重量部混合し、さらにボール
ミルで24時間分散し、ペースト状の水系セラミックス
ラリーを得た。スラリーは、分散後、常温で放置し1時
間脱泡した。
【0054】前記の離型フィルムロールを巻き出し、離
型フィルムの離型層表面に、上記水系セラミックスラリ
ーを乾燥後の厚みが10μmになるようにドクターブレ
ードを用いてコートし、120℃で10分間乾燥してセ
ラミックシート層(セラミック粒子/バインダーの重量
比:100/10)を設け、該積層体をロール状に巻き
取った。得られた結果を表1に示す。
【0055】実施例2 離型層用樹脂として、長鎖アルキル基含有樹脂の代わり
に、長鎖アルキル基含有樹脂(一方社油脂、ピーロイル
1050)0.5重量部とステアリン酸変性アルキッド
樹脂0.5重量部を使用した以外は、実施例1と同様に
して離型フィルムを得た。さらに、実施例1と同様にし
て離型フィルムの離型層面にセラミックシート層を形成
させ、該積層体をロール状に巻き取った。得られた結果
を表1に示す。
【0056】比較例1 離型層用樹脂として、長鎖アルキル基含有樹脂の代わり
に、ステアリン酸変性アルキッド樹脂1重量部を使用し
た以外は、実施例1と同様にして離型フィルムを得た。
さらに、実施例1と同様にして離型フィルムの離型層面
にセラミックシート層を形成させ、該積層体をロール状
に巻き取った。得られた結果を表1に示す。
【0057】比較例2 離型層用樹脂として、長鎖アルキル基含有樹脂の代わり
に、付加反応型のシリコーン樹脂(信越シリコーン社製
KS847H)0.6重量部、ペインタブルシリコーン
樹脂(信越シリコーン社製KS718)0.4重量部、
および白金触媒0.05重量部を使用し、さらに乾燥条
件を140℃で30秒間に変更した以外は、実施例1と
同様にして離型フイルムを得た。さらに、実施例1と同
様にして離型フィルムの離型層面にセラミックシート層
を形成させ、該積層体をロール状に巻き取った。得られ
た結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】実施例1および2は、ダイナミック硬度差
の絶対値が20gf/μm2以下で、かつ離型層面の表
面エネルギーγsも18mN/m以上であったので、剥
離性に優れ、水系セラミックスラリーが均一に塗布する
ことができた。それに対し、比較例1は、ダイナミック
硬度差の絶対値が20gf/μm2を超えていたため、
セラミックシート層と離型層との剥離力が大きく、両者
を剥離した際にセラミックシートの一部が破れた。比較
例2は、ダイナミック硬度差の絶対値が20gf/μm
2以下で剥離性に優れていたが、表面エネルギーγsが
18mN/m未満であったため、水系セラミックスラリ
ーを離型フィルムの離型層面に塗布した際に、ピンホー
ル状のはじきが発生した。
【0060】
【発明の効果】本発明の離型フィルムは剥離時の剥離力
が小さいため、水系セラミックスラリーを塗布、乾燥し
て得たセラミックシート層を離型層から剥離する際に、
剥離不良がなく、かつ適度の力で離型フィルムの離型層
からセラミックシートを剥離することが可能である。ま
た、本発明の離型フィルムは水系セラミックスラリーと
離型層との濡れ性が良いため、水系セラミックスラリー
を離型層表面にはじきもなく均一に塗布することができ
るので、水系セラミックスラリーから薄膜セラミックシ
ートを製造するためのキャリアフィルムとして好適であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AD00C AK41A AR00B BA02 BA03 BA10A BA10C BA26 GB90 JB04 JB04B JB04C JK12B JK12C JL14B 4G052 DA02 DB01 DB10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方
    の面に離型層を形成してなる離型フィルムであって、該
    離型フィルムの離型層面に積層されるセラミックシート
    面のダイナミック硬度Aと前記離型層面のダイナミック
    硬度Bとの差の絶対値|A−B|が20gf/μm2
    下であり、かつ離型層面の表面エネルギーγsが18m
    N/m以上であることを特徴とするセラミックシート製
    造用離型フィルム。
  2. 【請求項2】 前記離型層が長鎖アルキル基含有樹脂を
    主たる構成成分とすることを特徴とする請求項1記載の
    セラミックシート製造用離型フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の離型フィルムの
    離型層に、セラミックシート層が積層されていることを
    特徴とするフィルム積層体。
JP2001042044A 2001-02-19 2001-02-19 セラミックシート製造用離型フィルムおよびフィルム積層体 Pending JP2002240016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001042044A JP2002240016A (ja) 2001-02-19 2001-02-19 セラミックシート製造用離型フィルムおよびフィルム積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001042044A JP2002240016A (ja) 2001-02-19 2001-02-19 セラミックシート製造用離型フィルムおよびフィルム積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002240016A true JP2002240016A (ja) 2002-08-28

Family

ID=18904398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001042044A Pending JP2002240016A (ja) 2001-02-19 2001-02-19 セラミックシート製造用離型フィルムおよびフィルム積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002240016A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014122851A1 (ja) 2013-02-06 2014-08-14 三菱樹脂株式会社 離型フィルム
WO2015114891A1 (ja) 2014-01-28 2015-08-06 三菱樹脂株式会社 塗布フィルム
JP2023011555A (ja) * 2014-12-18 2023-01-24 東洋紡株式会社 離型層、離型層を備える成形体および離型剤

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014122851A1 (ja) 2013-02-06 2014-08-14 三菱樹脂株式会社 離型フィルム
CN104968498A (zh) * 2013-02-06 2015-10-07 三菱树脂株式会社 脱模膜
WO2015114891A1 (ja) 2014-01-28 2015-08-06 三菱樹脂株式会社 塗布フィルム
KR20160046851A (ko) 2014-01-28 2016-04-29 미쓰비시 쥬시 가부시끼가이샤 도포 필름
JP2023011555A (ja) * 2014-12-18 2023-01-24 東洋紡株式会社 離型層、離型層を備える成形体および離型剤
JP7540470B2 (ja) 2014-12-18 2024-08-27 東洋紡株式会社 離型層、離型層を備える成形体および離型剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4151370B2 (ja) 離型フィルム
JP2012136634A (ja) 両面粘着テープ
JP5833427B2 (ja) 転写用積層ポリエステルフィルム
WO2012090762A1 (ja) 離型フィルム
JP2009034947A (ja) 離型フィルム
JP2019157133A (ja) 剥離コーティングを有する二軸延伸ポリエステルフィルム及びその製造方法ならびにその使用
JP6164791B2 (ja) 基材レス両面粘着シート用ポリエステルフィルム
JP5443255B2 (ja) 離型フィルム
JP2003300283A (ja) 離型フィルム
JP4155082B2 (ja) 離型フィルム
JP2002240016A (ja) セラミックシート製造用離型フィルムおよびフィルム積層体
JP2000025163A (ja) 離型フィルム
JP2013141792A (ja) 離型フィルム
JP3562641B2 (ja) セラミックシート付き離型フィルム及びセラミックシートの製造方法
JP4626055B2 (ja) 離型フィルム
JP4306226B2 (ja) セラミックシート付き離型フィルム
JP2006051681A (ja) 離型フィルム
JP2002240017A (ja) セラミックシート製造用離型フィルムおよびフィルム積層体
JP6481725B2 (ja) グリーンシート成形用離型フィルム
JP2002120210A (ja) セラミックシート製造用離型フィルム
TW567127B (en) Release film with ceramic sheet
JPH11348187A (ja) 離型フィルム
JP2002067019A (ja) セラミックシート製造用離型フィルム
JP2019126999A (ja) 積層フィルム
JP2002093673A (ja) セラミックシート製造用フィルム積層体