JP2003224313A - 積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ - Google Patents

積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ

Info

Publication number
JP2003224313A
JP2003224313A JP2002251337A JP2002251337A JP2003224313A JP 2003224313 A JP2003224313 A JP 2003224313A JP 2002251337 A JP2002251337 A JP 2002251337A JP 2002251337 A JP2002251337 A JP 2002251337A JP 2003224313 A JP2003224313 A JP 2003224313A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
laminated
piezoelectric element
ceramic
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002251337A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4325161B2 (ja
Inventor
Kazuhide Sato
一秀 佐藤
Isao Mizuno
功 水野
Shinichi Okamoto
真一 岡本
Toshiatsu Nagaya
年厚 長屋
Hiroaki Asano
浩章 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2002251337A priority Critical patent/JP4325161B2/ja
Priority to DE2002154450 priority patent/DE10254450A1/de
Publication of JP2003224313A publication Critical patent/JP2003224313A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4325161B2 publication Critical patent/JP4325161B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/50Piezoelectric or electrostrictive devices having a stacked or multilayer structure
    • H10N30/503Piezoelectric or electrostrictive devices having a stacked or multilayer structure with non-rectangular cross-section orthogonal to the stacking direction, e.g. polygonal, circular
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/01Manufacture or treatment
    • H10N30/05Manufacture of multilayered piezoelectric or electrostrictive devices, or parts thereof, e.g. by stacking piezoelectric bodies and electrodes
    • H10N30/053Manufacture of multilayered piezoelectric or electrostrictive devices, or parts thereof, e.g. by stacking piezoelectric bodies and electrodes by integrally sintering piezoelectric or electrostrictive bodies and electrodes
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/50Piezoelectric or electrostrictive devices having a stacked or multilayer structure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M47/00Fuel-injection apparatus operated cyclically with fuel-injection valves actuated by fluid pressure
    • F02M47/02Fuel-injection apparatus operated cyclically with fuel-injection valves actuated by fluid pressure of accumulator-injector type, i.e. having fuel pressure of accumulator tending to open, and fuel pressure in other chamber tending to close, injection valves and having means for periodically releasing that closing pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M59/00Pumps specially adapted for fuel-injection and not provided for in groups F02M39/00 -F02M57/00, e.g. rotary cylinder-block type of pumps
    • F02M59/44Details, components parts, or accessories not provided for in, or of interest apart from, the apparatus of groups F02M59/02 - F02M59/42; Pumps having transducers, e.g. to measure displacement of pump rack or piston
    • F02M59/46Valves
    • F02M59/466Electrically operated valves, e.g. using electromagnetic or piezoelectric operating means
    • F02M59/468Electrically operated valves, e.g. using electromagnetic or piezoelectric operating means using piezoelectric operating means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温雰囲気における性能低下を抑制可能な分
割接着構造の積層型圧電体素子及びこれを圧電アクチュ
エータとして用いたインジェクタを提供すること。 【解決手段】 セラミック層12と内部電極層21,2
2とを交互に積層してなるユニット積層体11を複数積
み重ねると共にユニット積層体間11を接着剤層3によ
り接着してなるセラミック積層体10を有する積層型圧
電体素子において,接着剤層3は,その全体の弾性率
が,少なくとも150〜200℃において0.1〜10
GPaである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,圧電アクチュエータなどに用い
られる積層型圧電体素子,及びこれを用いて構成したイ
ンジェクタに関する。
【0002】
【従来技術】近年,圧電アクチュエータには,低電圧で
高い変位を得るために,厚みが薄い圧電セラミックを内
部電極層と交互に多数積層して一体焼成させたセラミッ
ク積層体が用いられている。具体的には,圧電セラミッ
クよりなるセラミック層としては,厚みが20〜200
μmの薄板を用い,内部電極層と交互に積層するセラミ
ック層の枚数は100〜700枚程度に達している。
【0003】かかる構造の圧電アクチュエータにおいて
は,一体焼成構造であるので,積層数の増加に伴い,作
動時に作動方向の動作を妨げる方向の内部応力が増大す
る。この作動時の内部応力が増大すると,セラミック積
層体内部にクラックが発生し,その結果として変位量な
どの製品特性の低下やショートの発生などによる製品信
頼性の低下などが生じる場合がある。
【0004】この対策としては,一体焼成構造ではな
く,最終積層数より少ない積層数を有するセラミック積
層体を予め焼成し,これらを接着剤層によって接着する
構造,即ち分割接着構造をとることが考えられる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の分
割接着構造の積層型圧電体素子においては次の問題があ
る。即ち,上記分割接着構造のセラミック積層体よりな
る圧電アクチュエータを用いて作動実験を実施すると,
従来の一体焼成型の場合よりも変位ロスが大きくなる。
この変位ロスは,例えば,上記分割接着構造の積層型圧
電体素子をインジェクタの圧電アクチュエータとして用
いた場合には,弁体の変位が十分に得られず燃料噴射が
できないという不具合につながることが予想される。
【0006】変位ロスの原因は,上記作動実験が120
℃以上という高温雰囲気において行われた結果,接着剤
層の弾性率が減少したことにあると考えられる。積層型
圧電体素子をインジェクタの圧電アクチュエータとして
使用する場合には,その実使用の環境が120℃を超え
る高温雰囲気となる。そのため,このような高温雰囲気
においても,接着剤層が原因となる性能低下を抑制する
ことができる積層型圧電体素子の開発が望まれる。ま
た,このような高温雰囲気において優れた性能を発揮す
る積層型圧電体素子は,インジェクタ用以外の用途にお
いても適用範囲を広げることが可能となる。
【0007】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので,高温雰囲気における性能低下を抑制可能な
分割接着構造の積層型圧電体素子及びこれを圧電アクチ
ュエータとして用いたインジェクタを提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題の解決手段】第1の発明は,セラミック層と内部
電極層とを交互に積層してなるユニット積層体を複数積
み重ねると共に上記ユニット積層体間を接着剤層により
接着してなるセラミック積層体を有する積層型圧電体素
子において,上記接着剤層は,その全体の弾性率が,少
なくとも150〜200℃において0.1〜10GPa
であることを特徴とする積層型圧電体素子にある(請求
項1)。
【0009】本発明においては,上記のごとく150〜
200℃という高温の雰囲気において0.1〜10GP
aという高い弾性率を有する接着剤層を用いている。そ
のため,本発明におけるセラミック積層体は,ユニット
積層体を接着剤層を介して積層してなる分割接着構造を
有しているにもかかわらず,高温雰囲気下において使用
しても,上記接着剤層の剛性が十分に確保される。それ
故,上記セラミック積層体を有する積層型圧電体素子
は,高温雰囲気下において使用した場合の変位量等の特
性低下を抑制することができる。
【0010】第2の発明は,セラミック層と内部電極層
とを交互に積層してなるユニット積層体を複数積み重ね
ると共に上記ユニット積層体間を接着剤層により接着し
てなるセラミック積層体を有する積層型圧電体素子にお
いて,上記接着剤層は接着剤樹脂成分よりも高い弾性率
を有する高剛性粒子を含有していることを特徴とする積
層型圧電体素子にある(請求項3)。
【0011】本発明におけるセラミック積層体は,上記
接着剤層が上記高剛性粒子を含有している。そのため,
上記接着剤層は,比較的高温の環境に晒された場合にお
いて,接着剤樹脂成分の弾性率が低下したとしても,そ
の全体の剛性は上記高剛性粒子によって確保される。そ
のため,上記セラミック積層体を有する積層型圧電体素
子は,高温雰囲気下においても,変位量等の性能低下を
抑制することができる。
【0012】第3の発明は,セラミック層と内部電極層
とを交互に積層してなるユニット積層体を複数積み重ね
ると共に上記ユニット積層体間を接着剤層により接着し
てなるセラミック積層体を有する積層型圧電体素子にお
いて,上記接着剤層を挟む上記セラミック層の表面の面
粗さは,Rzが1.5μm以上であることを特徴とする
積層型圧電体素子にある(請求項8)。
【0013】本発明におけるセラミック積層体は,上記
接着剤層を挟むセラミック層の面粗さが上記のごとくR
z1.5μm以上となるように積極的に粗くしてある。
そのため,接着剤層を介して対面するセラミック層の表
面同士は,ミクロに見ると,表面粗さが小さく平滑な場
合と比べて,表面の凹凸における凸部同士が近づいて配
置された状態となっている。それ故,高温雰囲気下にお
いて上記接着剤層全体の弾性率が低下した場合には,対
面するセラミック層の凹凸の凸部同士によって剛性が維
持される。そのため,上記セラミック積層体を有する積
層型圧電体素子は,高温雰囲気下においても,変位量等
の性能低下を抑制することができる。
【0014】第4の発明は,セラミック層と内部電極層
とを交互に積層してなるユニット積層体を複数積み重ね
ると共に上記ユニット積層体間を接着剤層により接着し
てなるセラミック積層体を有する積層型圧電体素子にお
いて,上記ユニット積層体は,上記内部電極層が上記ユ
ニット積層体の側表面に露出していない控え部を有して
おり,上記接着剤層は,少なくとも上記ユニット積層体
の側表面に露出しておらず,かつ,上記ユニット積層体
の積層方向に透視した場合にすべての内部電極層が存在
する領域に対応する範囲内に配設されていることを特徴
とする積層型圧電体素子体にある(請求項10)。
【0015】上記セラミック積層体の内部電極層に対し
て電圧を印可した場合には,上記セラミック層のうち内
部電極層に挟まれた部分のみが変位しようとし,上記内
部電極層がユニット積層体の側表面に露出せずに内部に
とどまっている上記控え部は変位しようとしない。その
ため,控え部を積層した部分は,変位に抵抗する内部応
力を発生させる。
【0016】ここで本発明のセラミック積層体において
は,上記接着剤層が,上記のごとく,上記ユニット積層
体の積層方向に透視した場合にすべての内部電極層が存
在する領域に対応する範囲内に限って配設されている。
即ち,上記控え部に対応する部分には接着剤層を設け
ず,ユニット積層体の控え部同士を接合しない。そのた
め,上記セラミック積層体を変位させた場合に,その変
位を妨げるような応力が各ユニット積層体の控え部にお
いて発生したとしても,上記接着剤層の部分で分断され
て各ユニット積層体内だけに収まり,セラミック積層体
全体において一体的に発生することはない。そのため,
セラミック積層体全体において発生する内部応力を一体
焼成品の場合よりも小さくすることができる。このよう
な作用効果は,使用環境が低温である場合は勿論,高温
において同様に発揮される。それ故,上記セラミック積
層体を有する積層型圧電体素子は,高温雰囲気下におい
ても,変位量等の性能低下を抑制することができる。
【0017】第5の発明は,セラミック層と内部電極層
とを交互に積層してなるユニット積層体を複数積み重ね
ると共に上記ユニット積層体間を接着剤層により接着し
てなるセラミック積層体を有する積層型圧電体素子にお
いて,上記接着剤層を挟む上記セラミック層の表面同士
が互いに直接接触している接触部と,直接接触していな
い非接触部とが存在しており,かつ,上記非接触部の少
なくとも一部における上記セラミック層の表面同士の間
に上記接着剤層が充填されていることを特徴とする積層
型圧電体素子にある(請求項11)。
【0018】本発明の積層型圧電体素子は,上記接触部
と非接触部とを有し,上記非接触部に存在する上記接着
剤層によって複数のユニット積層体が接合されている。
そして,上記接触部の存在によって,接着剤層の存在に
かかわらず,変位ロスを低減することができ,高温雰囲
気下における性能低下を抑制することができる。
【0019】第6の発明は,圧電アクチュエータの変位
を利用して弁体を開閉させ,燃料の噴射制御を行うよう
構成されたインジェクタにおいて,上記圧電アクチュエ
ータは,第1〜第5の発明のいずれかの積層型圧電体素
子よりなることを特徴とするインジェクタにある(請求
項13)。
【0020】本発明のインジェクタは,上記第1〜第5
の発明にかかる積層型圧電体素子よりなる圧電アクチュ
エータを用いている。この圧電アクチュエータは,上記
のごとく,高温雰囲気下においても,変位量等の性能低
下が抑制される。そのため,高温雰囲気下という過酷な
状態で使用されるインジェクタにおいても,その性能を
十分に維持することができる。さらに,上記分割接着構
造特有の作用効果,即ち,全体を一体焼成した構造の場
合よりも作動時のクラックの発生を抑制することがで
き,耐久性をも向上させることができる。そのため,イ
ンジェクタ全体の性能向上及び信頼性向上を図ることが
できる。
【0021】第7の発明は,セラミック層と内部電極層
とを交互に積層してなるユニット積層体を作製するユニ
ット積層体作製工程と,接着剤を介して複数の上記ユニ
ット積層体を積層した後,温度150〜300℃に加熱
すると共に積層方向に0.5〜60MPaの加圧力で加
圧しながら上記接着剤を硬化させて接着剤層を形成する
硬化工程とを含むことを特徴とする積層型圧電体素子の
製造方法にある(請求項14)。
【0022】本発明の製造方法においては,上記硬化工
程において,上記特定の温度範囲における加熱と,上記
特定の圧力範囲における加圧を行いながら上記接着剤の
硬化を行う。これにより,上記加熱によって上記接着剤
の粘度を低下させた状態で加圧することにより,接着剤
層の厚みを薄くすることができ,変位ロスを低減可能な
積層型圧電体素子を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】第1の発明においては,上記のご
とく,上記接着剤層の全体の弾性率が,150〜200
℃において0.1〜10GPaである。この温度範囲に
おける接着剤層の弾性率が0.1GPa未満の場合に
は,上記温度範囲において上記積層型圧電体素子を使用
した場合に,接着剤層部分の剛性が低下して優れた特性
を発揮しないという問題がある。一方,上記温度範囲に
おける接着剤層の弾性率が10GPaを超える場合に
は,応力緩和ができないという問題がある。
【0024】また,上記接着剤層の弾性率の好ましい範
囲は,0.3GPa〜3GPaである。上記接着剤層の
弾性率が0.3GPa以下の場合には,作動時における
変位ロスの抑制効果が低く,一方,3GPaを超える
と,接着層から上記ユニット積層体に付与される熱応力
が大きくなって,ユニット積層体にクラックが生じやす
くなるおそれがある。
【0025】また,第1の発明においては,上記接着剤
層は,接着剤樹脂成分よりも高い弾性率を有する高剛性
粒子を含有していることが好ましい(請求項2)。この
場合には,上記高剛性粒子の存在において,150〜2
00℃における接着剤層全体の弾性率を従来よりも大幅
に向上させることができる。
【0026】また,第1又は第2の発明において,上記
高剛性粒子の弾性率は,上記接着剤樹脂成分の弾性率よ
りも2〜10倍大きいことが好ましい(請求項4)。上
記高剛性粒子の弾性率が上記接着剤樹脂成分の弾性率よ
りも2倍未満の場合には,高剛性粒子の存在による剛性
向上効果が少ないという問題がある。一方,上記倍率が
10倍を超える場合には,応力緩和ができないという問
題がある。
【0027】また,上記高剛性粒子の粒径は,1.5μ
m〜20μmであることが好ましい。1.5μm未満の
場合には,高剛性粒子の存在による接着剤層の弾性率向
上効果が少ないという問題がある。一方,20μmを超
える場合には,接着剤層全体の厚みが大きくなりすぎ,
セラミック積層体全体の長さに対する,接着層の割合が
多くなって,例えば同じ変位をする場合にセラミック積
層体が長くなってしまうという問題がある。
【0028】また,上記接着剤層は,3個以上の上記高
剛性粒子を含有していることが好ましい(請求項5)。
これにより,接着剤層を挟むセラミック層の間の少なく
とも3点以上を上記高剛性粒子が支える状態が得られ
る。それ故,上記接着剤層の弾性率を上記高剛性粒子に
よってより安定的に維持することができる。特に上記3
個以上の高剛性粒子は,直線上ではなく,各粒子が平面
上の任意の一点に分散しているように配置されることが
最も効果的である。
【0029】また,上記接着剤層は,10〜80重量%
の上記高剛性粒子を含有していることが好ましい(請求
項6)。上記高剛性粒子の含有量が10重量%未満の場
合には,接着剤層の弾性率を向上させる効果が少ない。
そのため,より好ましくは,20重量%以上がよい。一
方,80重量%を超えると接着剤層の母材強度が低下す
るという問題がある。そのため,より好ましくは50重
量%以下がよい。
【0030】また,上記高剛性粒子は,アルミナ,シリ
カ,炭酸カルシウムのいずれか1種以上よりなることが
好ましい(請求項7)。これらの材質よりなる粒子は,
高温においても優れた弾性率を有し,上記高剛性粒子と
して非常に適している。なお,これらと同様の特性を有
する他の無機材料を採用することも勿論可能である。
【0031】次に,上記第3の発明においては,上記の
ごとく,上記接着剤層を挟む上記セラミック層の表面の
面粗さRzを1.5μm以上とする。ここで,上記の面
粗さRzは,JIS B 0601−1994に規定さ
れている十点平均粗さRzを意味する。即ち,上記面粗
さRzは,上記JIS規格に準ずる接触式の表面粗さ計
(例えば東京精密社製surfcom550AD,接触子仕様No0102
501先端R5μm,90°円錐)を用いて粗さ曲線を求
め,その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り,この抜
き取り部分の平均線と直交する方向に測定した,最も高
い山頂から5番目の山頂までの標高の絶対値の平均値
と,最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の絶対値
と平均値との和を求め,この値をマイクロメートル(μ
m)で表したものをいう。なお,上記面粗さRzの測定
位置は,例えば,上記接着剤層を挟むセラミック層のほ
ぼ中央部分5mm程とすることができる。
【0032】また,上記第3の発明においては,上記接
着剤層は,電気抵抗が109Ω・cm以上であることが
好ましい(請求項9)。上記接着剤層の電気抵抗が10
9Ω・cm未満場合には,積層型圧電体素子の側面に配
設される電極間が上記接着剤層を介して導通してしまう
おそれがある。そのため,上記接着剤層の電気抵抗は,
より好ましくは1012Ω・cm以上がよい。
【0033】また,上述した積層型圧電体素子は,イン
ジェクタの駆動源として用いられるインジェクタ用圧電
アクチュエータとして用いることができる(請求項1
2)。即ち,インジェクタは高温雰囲気下という過酷な
状態で使用される。かかるインジェクタにおいても,上
記優れた積層型圧電体素子を圧電アクチュエータとして
用いることによって,優れた性能を維持することができ
る。そして,インジェクタ全体の性能向上及び信頼性向
上を図ることができる。
【0034】また,上記第1〜第6の発明において,上
記セラミック層としては,例えばPZT(ジルコン酸チ
タン酸鉛)等の圧電セラミックスを採用することができ
る。また,上記接着剤層の接着剤樹脂成分としては,セ
ラミック層と接着性のよいウレタン樹脂,シリコーン樹
脂,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等を採用することが
できる。これらの中でも特に室温の弾性率が1GPa以
上であるエポキシ樹脂,ポリイミド樹脂が好ましい。
【0035】次に,上記第7の発明においては,上記硬
化工程における加熱温度を,上記のごとく150〜30
0℃の範囲とする。加熱温度を150℃以上とするの
は,積層型圧電体素子の使用環境温度が120℃以上で
あることに対応して,余裕を持って使用環境温度以上の
温度とするためである。そして,150℃以上とするこ
とによって,接着剤の架橋密度が向上し,耐熱老化特性
が向上する。更に,製品使用環境での接着剤低分子成分
の分解によるガスの発生を抑制することができる。15
0℃未満の場合にはこのような効果が薄れてしまう。一
方,加熱温度を300℃を超える温度とすると,接着剤
のメインポリマーである高分子成分の主骨格が熱分解し
てしまう。そのため,より好ましくは250℃以下がよ
い。
【0036】また,上記硬化工程における加圧力は0.
5〜60MPaとする。0.5MPa未満の加圧力の場
合には,接着剤の表面張力により接着剤層が厚くなって
しまう。したがって,表面張力を上回る加圧力が必要で
ある。また,そのため,より好ましくは加圧力を1MP
a以上とするのがよい。一方,加圧力が60MPaを超
える場合には,偏荷重によってユニット積層体に割れが
生じたり,表面にマイクロクラックが発生したりするお
それがある。そのため,より好ましくは10MPa以下
がよい。
【0037】
【実施例】(実施例1)本発明の積層型圧電体素子にか
かる実施例につき,図1〜図4を用いて説明する。本例
の積層型圧電体素子1は,図1に示すごとく,セラミッ
ク層12と内部電極層21,22とを交互に積層してな
るユニット積層体11を複数積み重ねると共に上記ユニ
ット積層体11間を接着剤層3により接着してなるセラ
ミック積層体10を有する。上記接着剤層3は接着剤樹
脂成分30よりも高い弾性率を有する高剛性粒子35を
含有している。以下,これを詳説する。
【0038】上記ユニット積層体11は,図3に示すご
とく,セラミック層12の層間に内部電極層21,22
を交互に正負となるように形成してなる。本例では,セ
ラミック層12を50枚積層して1つのユニット積層体
11を構成した。そして,本例の積層型圧電体素子1
は,このユニット積層体11を10個積み重ねると共に
接着層3(図4)により接着してなる分割接着構造の積
層型圧電体素子である。
【0039】上記ユニット積層体11を作製する(ユニ
ット積層体作製工程)に当たっては,セラミック層とな
りうる広幅のグリーンシート上に,上記内部電極層2
1,22を配設し,その後,打ち抜き及び積層を行う。
そして,50枚のセラミック層12を積み重ねる。この
とき,積層方向の両端面にはセラミック層12の全面が
露出するようにする。そして,50枚の積層体を熱圧着
した後焼成することにより上記ユニット積層体11が得
られる。なお,上記打ち抜き,積層,圧着等の方法,順
序等は種々変更することができる。
【0040】また,上記セラミック層12は,その組成
が最終的にPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)系の圧電セ
ラミックスとなるように調整したものを用いた。なお,
その他の材質の圧電セラミックスを採用することも可能
である。また,内部電極層21,22としては,銀およ
びパラジウムのペーストを,セラミック層用の上記グリ
ーンシートの表面にスクリーン印刷することにより配設
することができる。なお,内部電極層21,22の材質
としては,他の導電性材料,例えば,銅,ニッケル,白
金,銀等,あるいは,これらの混合物を用いてもよい。
【0041】また,図3に示すごとく,内部電極層2
1,22は,それぞれ隣接するセラミック層12の大半
を覆う一方,セラミック層12の一部には内部電極層に
覆われていない控え部19を残してある。そして,積層
状態において,この控え部19が左右交互に位置するよ
うに配置した。
【0042】次に,図1に示すごとく,上記のごとく作
製したユニット積層体11を10個準備し,これを接着
剤層3により接合する。なお,各ユニット積層体11の
側面101,102には,それぞれ内部電極層21,2
2に導通するようにAgペーストを焼き付けて側面電極
31を予め形成しておく。
【0043】本例では,接着剤層3用の接着剤として,
図4に示すごとく,エポキシ樹脂よりなる接着剤樹脂成
分30に,粒径が5〜12μmのアルミナ粒子を上記高
剛性粒子35として含有させたものを用いた。この接着
剤層3は,硬化後において,その全体の弾性率が,15
0〜200℃の高温雰囲気において0.1〜10GPa
の範囲となるように構成したものである。
【0044】そして,図1に示すごとく,この接着剤層
3用の接着剤を上記ユニット積層体11間に配置して,
接着剤を硬化させる工程(硬化工程)を行うことによ
り,合計500枚のセラミック層11を積層してなるセ
ラミック積層体10を作製する。具体的な作業は,上記
ユニット積層体11間に接着剤層3を介在させて積み重
ねたものを,全体的に側面を拘束する型に入れる。その
後積層方向から3MPaの圧力をかけて圧着させて,温
度180℃に1時間保持して上記接着剤層3を硬化させ
る。なお,硬化時の昇温プロファイルとしては,多段ス
テップとした方が好ましい。これにより,接着剤層3内
にボイドが発生することを防止できる。
【0045】そして,側面電極31上には,図2に示す
ごとく,SUSよりなる外部電極33を導電性接着剤
(エポキシ樹脂+Ag70wt%)を用いて接合する。
これにより,本例の積層型圧電体素子1が完成した。
【0046】次に,本例の作用効果につき説明する。本
例においては,上記セラミック積層体10を分割接着構
造としてあると共に,その接着剤層3に上記高剛性粒子
35を含有させた。そして,その特性を150〜200
℃という高温の雰囲気において0.1〜10GPaとい
う高い弾性率を有する状態にした。
【0047】そのため,上記セラミック積層体10は,
ユニット積層体11を接着剤層3を介して積層してなる
分割接着構造を有しているにもかかわらず,高温雰囲気
下において使用しても,上記接着剤層3の剛性が十分に
確保される。即ち,接着剤層3が高温に晒されて上記接
着剤樹脂成分30の弾性率が低下したとしても,その全
体の剛性,すなわち全体の弾性率は上記高剛性粒子35
によって確保される。そのため,上記セラミック積層体
10を有する積層型圧電体素子1は,高温雰囲気下にお
いても,変位量等の性能低下を抑制することができ,分
割接着構造の欠点を克服することができる。そして,本
来の分割接着構造による効果,即ち作動時におけるクラ
ックの発生防止効果が得られる結果,本例の積層型圧電
体素子1は,優れた特性と優れた信頼性を有するものと
なる。
【0048】(実施例2)本例では,実施例1における
接着剤層3に含有させた高剛性粒子35の含有量を変化
させ,その含有量の変化に伴う接着剤層全体の弾性率の
変化を測定した。具体的には,高剛性粒子35の含有量
が,0,20,50,70%の4種類の接着剤(試料1
〜4)を準備し,これを硬化させて接着剤層を形成し,
その弾性率を温度を変化させながら測定した。
【0049】測定結果を図5に示す。同図は,横軸に温
度(℃)を,縦軸に弾性率(GPa)をとったものであ
る。そして高剛性粒子の含有量が0のもの(試料1)を
符号S1,20%のもの(試料2)を符号S2,50%
のもの(試料3)を符号S3,70%のもの(試料4)
を符号S4として示した。同図より知られるごとく,ア
ルミナ粒子よりなる高剛性粒子を一切含まない試料1
は,温度が100℃を超えてから急激に弾性率が低下
し,150℃を超えてから0.01以下にまで低下し
た。
【0050】これに対し,高剛性粒子を含有している試
料2〜4は,いずれも100℃を超えて徐々に弾性率が
低下するものの,150〜200℃の範囲においても
0.1〜10GPaの範囲を十分に確保することができ
た。このことから,高剛性粒子の添加が,上記接着剤層
の弾性率向上に非常に有効であり,上記セラミック積層
体10を有する積層型圧電体素子1の性能及び信頼性向
上に寄与することができることが明らかになった。
【0051】なお,変位ロスをL,接着剤層の厚みを
t,接着剤層の弾性率をE,作動時にに生ずる応力をσ
とした場合には,L=t・σ/Eの関係が成り立つこと
が分かっている。この関係式からも,上記のごとく接着
剤層の弾性率Eを向上させることによって,変位ロスL
を低減させることができることが分かる。
【0052】(実施例3)本例は,図6に示すごとく,
実施例1における接着剤層3の高剛性粒子35の粒径を
約3μmと大きくし,1つの接着剤層3内にその高剛性
粒子35が少なくとも3個以上存在するようにした例で
ある。この場合には,高温時において接着剤層3の接着
剤樹脂成分30の弾性率が低下しても,上記高剛性粒子
35が,杭のような役割を果たし,接着剤層3の弾性率
をさらに向上させることができる。
【0053】なお,上記高剛性粒子35の大きさを大き
くしすぎると,セラミック積層体全体の長さに対する接
着層の割合が多くなって,例えば同じ変位とする場合
に,セラミック積層体を長くしなければならない。その
ため,高剛性粒子35の大きさは20μm以下とするこ
とが好ましい。また,高剛性粒子35の大きさが小さす
ぎると,弾性率向上効果が少なくなるので,1.5μm
以上とすることが好ましい。
【0054】(実施例4)本例は,図7に示すごとく,
実施例1における接着剤層3に高剛性粒子35を一切混
合させない代わりに,接着剤層3を挟む上記セラミック
層12の表面の面粗さを,Rzが1.5μm以上となる
ように粗くした例である。具体的にはRzが3μmとな
るまで面粗し処理を行った。
【0055】面粗さの評価は,JIS B 0601−
1994に規定されている十点平均粗さRzに準拠して
行った。粗さ計としては,東京精密社製の接触式粗さ計
(surfcom550AD,接触子仕様No0102501先端R5μm,
90°円錐)を用いた。接触子の形状は頂点のなす角が
90°の円錐形であって,その先端部は曲率半径Rが5
μmの球状である。また,面粗さの測定は,セラミック
層12の表面のほぼ中央部において,上記粗さ計により
5mm測定することにより行った。十点平均粗さRzの
定義は上述したとおりである。
【0056】この場合には,同図に示すごとく,セラミ
ック層12表面の凹凸の凸部同士の距離を近づけた状態
で接着することができる。そのため,高温時において接
着剤層3の接着剤樹脂成分30の弾性率が低下しても,
上記セラミック層12同士によってその弾性率の低下を
補うことができる。
【0057】(実施例5)本例は,図8に示すごとく,
実施例1における接着剤層3を,上記ユニット積層体1
1の積層方向に透視した場合にすべての内部電極層2
1,22が存在する領域Aに対応する範囲内に配設した
例である。この領域Aは,同図に示すごとく,セラミッ
ク層12上において各内部電極層21,22が存在しな
い左右の控え部19の部分を除いた領域である。控え部
19は,端部からB離れた位置まで存在する(Bを電極
控え距離という)。
【0058】本例では,上記接着剤層3の配設位置を制
限する効果を明確に得るために,セラミック層12の端
部から接着剤層3の端部までの距離(接着剤控え距離と
いう)を最大1.5mmから0mmまで変化させた積層
型圧電体素子1をモデル化し,各積層型圧電体素子を作
動させた際に生じる内部応力を計算した。
【0059】測定結果を図9に示す。同図は横軸に接着
剤控え距離/電極控え距離(比)を,縦軸に発生した最
大応力(%)をとったものである。ここでいう最大応力
はセラミック積層体を0.1%伸ばした時に発生する内
部応力(最大主応力)の計算結果である。同図より知ら
れるごとく,接着控え距離が短くなるほど作動時の応力
が大きくなった。そして,接着控え距離/電極控え距離
が1となる近傍において,応力が極端に低下する。この
ことから,接着剤層3の配設領域を,ユニット積層体の
側面にはみ出さないように,望ましくは上記の領域Aに
制限することが,積層型圧電体素子の性能向上に有効で
あることが明らかとなった。そしてこのことは,積層型
圧電体素子を高温雰囲気において使用しても同様であ
る。
【0060】なお,上記内部電極層21,22とセラミ
ック層12の形状は,例えば図10に示すごとく,様々
な形状を取ることができる。同図は,E1〜E4の4種
類の内部電極層パターン(a,b列)に対して,複数の
接着剤層3のパターン,即ち接着範囲例(c〜e列)を
示したものである。勿論,例示したもの以外の形状をと
ることも可能である。また,同図は一つの例であって,
接着範囲が,内部電極層パターンの重なり部分(上記A
領域に相当する領域)に必ずしも一致する必要はなく,
上記重なり部分からはみ出してもよい。もちろん,上記
重なり部分の範囲内に接着層が収まった方が上述したご
とく応力を緩和することができ好ましい。
【0061】(実施例6)本例は,実施例1の積層型圧
電体素子1をインジェクタ5の圧電アクチュエータとし
て用いた例である。本例のインジェクタ5は,図11に
示すごとく,ディーゼルエンジンのコモンレール噴射シ
ステムに適用したものである。このインジェクタ5は,
同図に示すごとく,駆動部としての上記積層型圧電体素
子1が収容される上部ハウジング52と,その下端に固
定され,内部に噴射ノズル部54が形成される下部ハウ
ジング53を有している。
【0062】上部ハウジング52は略円柱状で,中心軸
に対し偏心する縦穴521内に,積層型圧電体素子1が
挿通固定されている。縦穴521の側方には,高圧燃料
通路522が平行に設けられ,その上端部は,上部ハウ
ジング52上側部に突出する燃料導入管523内を経て
外部のコモンレール(図略)に連通している。
【0063】上部ハウジング52上側部には,また,ド
レーン通路524に連通する燃料導出管525が突設
し,燃料導出管525から流出する燃料は,燃料タンク
(図略)へ戻される。ドレーン通路524は,縦穴52
1と駆動部(圧電体素子)1との間の隙間50を経由
し,さらに,この隙間50から上下ハウジング52,5
3内を下方に延びる図示しない通路によって後述する3
方弁551に連通してしる。
【0064】噴射ノズル部54は,ピストンボデー53
1内を上下方向に摺動するノズルニードル541と,ノ
ズルニードル541によって開閉されて燃料溜まり54
2から供給される高圧燃料をエンジンの各気筒に噴射す
る噴孔543を備えている。燃料溜まり542は,ノズ
ルニードル541の中間部周りに設けられ,上記高圧燃
料通路522の下端部がここに開口している。ノズルニ
ードル541は,燃料溜まり542から開弁方向の燃料
圧を受けるとともに,上端面に面して設けた背圧室54
4から閉弁方向の燃料圧を受けており,背圧室544の
圧力が降下すると,ノズルニードル541がリフトし
て,噴孔543が開放され,燃料噴射がなされる。
【0065】背圧室544の圧力は3方弁551によっ
て増減される。3方弁551は,背圧室544と高圧燃
料通路522,またはドレーン通路524と選択的に連
通させる構成である。ここでは,高圧燃料通路522ま
たはドレーン通路524へ連通するポートを開閉するボ
ール状の弁体を有している。この弁体は,上記駆動部1
により,その下方に配設される大径ピストン552,油
圧室553,小径ピストン554を介して,駆動され
る。
【0066】そして,本例においては,上記構成のイン
ジェクタ5における駆動源として,上記積層型圧電体素
子1を用いている。この積層型圧電体素子1は,上記の
ごとく分割接着構造であって,その接着剤層3の弾性率
が,150〜200℃という高温の範囲において0.1
〜10GPaであって,高温においても優れた剛性を有
している。そのため,本例のインジェクタ5は,高温状
態においても,上記ノズルニードル541の動作を上記
積層型圧電体素子1によって精度よく制御することがで
きる。そして,インジェクタ5は,積層型圧電体素子1
の分割接着構造による効果も相俟って,優れた特性と耐
久性(信頼性)を併せ持ったものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,セラミック積層体の構造を
示す展開図。
【図2】実施例1における,積層型圧電体素子の構造を
示す説明図。
【図3】実施例1における,ユニット積層体の構造を示
す展開図。
【図4】実施例1における,接着剤層の構造を示す説明
図。
【図5】実施例2における,高剛性粒子の含有量と接着
剤層全体の弾性率の関係を示す説明図。
【図6】実施例3における,接着剤層配設部分を示す説
明図。
【図7】実施例4における,接着剤層配設部分を示す説
明図。
【図8】実施例5における,控え部と接着剤層の配設領
域との関係を示す説明図。
【図9】実施例5における,接着剤控え距離と最大応力
との関係を示す説明図。
【図10】実施例5における,内部電極層のパターンと
接着剤層のパターンとを示す説明図。
【図11】実施例6における,インジェクタの構造を示
す説明図。
【符号の説明】
1...積層型圧電体素子, 10...セラミック積層体, 11...ユニット積層体, 12...セラミック層, 21,22...内部電極層, 3...接着剤層, 30...接着剤樹脂成分, 35...高剛性粒子, 5...インジェクタ,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 真一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 長屋 年厚 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 浅野 浩章 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 AD12 BA46 CC06T CC08T CC08U CC14 CC67 CC68U CC69 CD17 CD18 CD28 CE27 CE31

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック層と内部電極層とを交互に積
    層してなるユニット積層体を複数積み重ねると共に上記
    ユニット積層体間を接着剤層により接着してなるセラミ
    ック積層体を有する積層型圧電体素子において,上記接
    着剤層は,その全体の弾性率が,少なくとも150〜2
    00℃において0.1〜10GPaであることを特徴と
    する積層型圧電体素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記接着剤層は,接
    着剤樹脂成分よりも高い弾性率を有する高剛性粒子を含
    有していることを特徴とするセラミック積層体。
  3. 【請求項3】 セラミック層と内部電極層とを交互に積
    層してなるユニット積層体を複数積み重ねると共に上記
    ユニット積層体間を接着剤層により接着してなるセラミ
    ック積層体を有する積層型圧電体素子において,上記接
    着剤層は接着剤樹脂成分よりも高い弾性率を有する高剛
    性粒子を含有していることを特徴とする積層型圧電体素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において,上記高剛性粒
    子の弾性率は,上記接着剤樹脂成分の弾性率よりも2〜
    10倍大きいことを特徴とする積層型圧電体素子。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項において,
    上記接着剤層は,3個以上の上記高剛性粒子を含有して
    いることを特徴とする積層型圧電体素子。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項において,
    上記接着剤層は,10〜80重量%の上記高剛性粒子を
    含有していることを特徴とする積層型圧電体素子。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれか1項において,
    上記高剛性粒子は,アルミナ,シリカ,炭酸カルシウム
    のいずれか1種以上よりなることを特徴とする積層型圧
    電体素子。
  8. 【請求項8】 セラミック層と内部電極層とを交互に積
    層してなるユニット積層体を複数積み重ねると共に上記
    ユニット積層体間を接着剤層により接着してなるセラミ
    ック積層体を有する積層型圧電体素子において,上記接
    着剤層を挟む上記セラミック層の表面の面粗さは,Rz
    が1.5μm以上であることを特徴とする積層型圧電体
    素子。
  9. 【請求項9】 請求項8において,上記接着剤層は,電
    気抵抗が109Ω・cm以上であることを特徴とする積
    層型圧電体素子。
  10. 【請求項10】 セラミック層と内部電極層とを交互に
    積層してなるユニット積層体を複数積み重ねると共に上
    記ユニット積層体間を接着剤層により接着してなるセラ
    ミック積層体を有する積層型圧電体素子において,上記
    ユニット積層体は,上記内部電極層が上記ユニット積層
    体の側表面に露出していない控え部を有しており,上記
    接着剤層は,少なくとも上記ユニット積層体の側表面に
    露出しておらず,かつ,上記ユニット積層体の積層方向
    に透視した場合にすべての内部電極層が存在する領域に
    対応する範囲内に配設されていることを特徴とする積層
    型圧電体素子体。
  11. 【請求項11】 セラミック層と内部電極層とを交互に
    積層してなるユニット積層体を複数積み重ねると共に上
    記ユニット積層体間を接着剤層により接着してなるセラ
    ミック積層体を有する積層型圧電体素子において,上記
    接着剤層を挟む上記セラミック層の表面同士が互いに直
    接接触している接触部と,直接接触していない非接触部
    とが存在しており,かつ,上記非接触部の少なくとも一
    部における上記セラミック層の表面同士の間に上記接着
    剤層が充填されていることを特徴とする積層型圧電体素
    子。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項におい
    て,上記積層型圧電体素子は,インジェクタの駆動源と
    して用いられるインジェクタ用圧電アクチュエータであ
    ることを特徴とする積層型圧電体素子。
  13. 【請求項13】 圧電アクチュエータの変位を利用して
    弁体を開閉させ,燃料の噴射制御を行うよう構成された
    インジェクタにおいて,上記圧電アクチュエータは,請
    求項1〜12のいずれか1項に記載の積層型圧電体素子
    よりなることを特徴とするインジェクタ。
  14. 【請求項14】 セラミック層と内部電極層とを交互に
    積層してなるユニット積層体を作製するユニット積層体
    作製工程と,接着剤を介して複数の上記ユニット積層体
    を積層した後,温度150〜300℃に加熱すると共に
    積層方向に0.5〜60MPaの加圧力で加圧しながら
    上記接着剤を硬化させて接着剤層を形成する硬化工程と
    を含むことを特徴とする積層型圧電体素子の製造方法。
JP2002251337A 2001-11-22 2002-08-29 積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ Expired - Fee Related JP4325161B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002251337A JP4325161B2 (ja) 2001-11-22 2002-08-29 積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ
DE2002154450 DE10254450A1 (de) 2001-11-22 2002-11-21 Piezoelektrische Vorrichtung der Stapelart, Verfahren zum Herstellen derselben und Einspritzeinrichtung

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001358311 2001-11-22
JP2001-358311 2001-11-22
JP2002251337A JP4325161B2 (ja) 2001-11-22 2002-08-29 積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008162843A Division JP2008277855A (ja) 2001-11-22 2008-06-23 積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003224313A true JP2003224313A (ja) 2003-08-08
JP4325161B2 JP4325161B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=26624670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002251337A Expired - Fee Related JP4325161B2 (ja) 2001-11-22 2002-08-29 積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4325161B2 (ja)
DE (1) DE10254450A1 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006025138A1 (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. 圧電型電気音響変換器
JP2006310643A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Sumitomo Electric Ind Ltd フレキシブルプリント配線板
KR100674907B1 (ko) 2003-11-26 2007-01-26 삼성전자주식회사 고신뢰성을 갖는 스택형 반도체 패키지
US7492075B2 (en) 2005-03-24 2009-02-17 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Multilayer piezoelectric element, fuel injector having the piezoelectric element and piezoelectric element production method
JP2010500855A (ja) * 2006-08-09 2010-01-07 コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 信頼性の高いセラミック多層構造のピエゾアクチュエータ
JP2010103251A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Taiheiyo Cement Corp 圧電アクチュエータ
JP2010103249A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Taiheiyo Cement Corp 圧電アクチュエータ
JP2010103250A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Taiheiyo Cement Corp 圧電アクチュエータ
US8049397B2 (en) 2006-11-29 2011-11-01 Kyocera Corporation Laminated piezoelectric element, jetting device provided with the laminated piezoelectric element and fuel jetting system
JP2011238774A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Nippon Signal Co Ltd:The 圧電素子の製造方法
JP2014072302A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Taiheiyo Cement Corp 多連化素子およびその製造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4258238B2 (ja) * 2003-03-13 2009-04-30 株式会社デンソー 積層型圧電素子及びその製造方法
JP5028905B2 (ja) * 2006-08-11 2012-09-19 コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 駆動装置
DE102008004227A1 (de) * 2008-01-14 2009-07-16 Robert Bosch Gmbh Piezoaktormodul mit mehreren Piezoaktoren und ein Verfahren zu dessen Herstellung

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100674907B1 (ko) 2003-11-26 2007-01-26 삼성전자주식회사 고신뢰성을 갖는 스택형 반도체 패키지
WO2006025138A1 (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 Murata Manufacturing Co., Ltd. 圧電型電気音響変換器
US7492075B2 (en) 2005-03-24 2009-02-17 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Multilayer piezoelectric element, fuel injector having the piezoelectric element and piezoelectric element production method
JP2006310643A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Sumitomo Electric Ind Ltd フレキシブルプリント配線板
US20100194247A1 (en) * 2006-08-09 2010-08-05 Doellgast Bernhard Piezoceramic multilayer actuator with high reliability
JP2010500855A (ja) * 2006-08-09 2010-01-07 コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 信頼性の高いセラミック多層構造のピエゾアクチュエータ
US8704430B2 (en) 2006-08-09 2014-04-22 Continental Automotive Gmbh Piezoceramic multilayer actuator with high reliability
US8049397B2 (en) 2006-11-29 2011-11-01 Kyocera Corporation Laminated piezoelectric element, jetting device provided with the laminated piezoelectric element and fuel jetting system
JP2010103250A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Taiheiyo Cement Corp 圧電アクチュエータ
JP2010103249A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Taiheiyo Cement Corp 圧電アクチュエータ
JP2010103251A (ja) * 2008-10-22 2010-05-06 Taiheiyo Cement Corp 圧電アクチュエータ
JP2011238774A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Nippon Signal Co Ltd:The 圧電素子の製造方法
JP2014072302A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Taiheiyo Cement Corp 多連化素子およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE10254450A1 (de) 2003-07-17
JP4325161B2 (ja) 2009-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003224313A (ja) 積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ
EP1162671B1 (en) Piezoelectric device for injector
US7205706B2 (en) Stacked piezoelectric element, production method thereof and electrically conducting adhesive
JP5139448B2 (ja) 積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システム
JP5409772B2 (ja) 積層型圧電素子およびそれを用いた噴射装置ならびに燃料噴射システム
JP4808915B2 (ja) 積層型圧電素子及び噴射装置
WO2010024199A1 (ja) 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置ならびに燃料噴射システム
JP5027448B2 (ja) 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置
JP2004297043A (ja) 積層型圧電体素子
JP2010258056A (ja) 積層型圧電素子、これを用いた噴射装置および燃料噴射システム
WO2005041316A1 (ja) 積層型圧電素子
JP2011003574A (ja) 積層型圧電素子、これを用いた噴射装置および燃料噴射システム
JP2003197991A (ja) 積層型圧電素子及び噴射装置
JP5329544B2 (ja) 燃料噴射システム
JP5679677B2 (ja) 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム
JP2007043094A (ja) 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置
JP2008277855A (ja) 積層型圧電体素子及びその製造方法,並びにインジェクタ
JP2001313428A (ja) 積層型圧電アクチュエータおよび噴射装置
JP4299807B2 (ja) 積層型圧電素子及び噴射装置
JP2005129871A (ja) 積層型圧電素子及びこれを用いた噴射装置
WO2012011302A1 (ja) 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム
JP2012134377A (ja) 積層型圧電素子およびこれを備えた噴射装置ならびに燃料噴射システム
JP2005045086A (ja) インジェクタ装置用積層型圧電素子
JP2005322691A (ja) 積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置
JP5319196B2 (ja) 積層型圧電素子、これを用いた噴射装置及び燃料噴射システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041012

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090519

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090601

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120619

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees