JP2003223822A - ワイヤーハーネスの製造装置 - Google Patents

ワイヤーハーネスの製造装置

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JP2003223822A
JP2003223822A JP2002022291A JP2002022291A JP2003223822A JP 2003223822 A JP2003223822 A JP 2003223822A JP 2002022291 A JP2002022291 A JP 2002022291A JP 2002022291 A JP2002022291 A JP 2002022291A JP 2003223822 A JP2003223822 A JP 2003223822A
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wire
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electric
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JP2002022291A
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Kazuhiro Kurokawa
和裕 黒川
Hiroichi Kitagawa
博一 北川
Takashi Shukutani
隆 宿谷
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Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Parts Inc
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Parts Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造装置を小型化すると共に、複数の異なる
長さのワイヤーハーネスを一回の圧接サイクルの中で能
率よく製造することができるワイヤーハーネスの製造装
置を提供する。 【解決手段】 複数の電線Aを第1圧接機構部12から
第2圧接機構部14にわたって布線する際、前記電線A
が第1、第2圧接機構部12、14間で所定の長さ弛む
ように、第1、第2圧接機構部12、14間で往復移動
自在に配設され、供給される複数の電線Aを整列しなが
ら各電線A毎に独立して送出させる電線布線キャリッジ
16とを備え、前記第1、第2圧接機構部12、14
は、それぞれコネクタの圧接端子に電線Aの先端部及び
後端部を圧接する圧接治具134乃至142とこれに電
線Aの先端部及び後端部を把持する電線把持手段19
4、196とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコネクタの圧接端子
に複数の絶縁被覆電線(以下電線と略称する)の両端部
を圧入接続(以下圧接と略称する)することにより形成
されるワイヤーハーネスの製造装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コネクタの圧接端子に複数の電線の両端
部を圧接して形成されるワイヤーハーネスが自動車や電
気機器類の電気接続に使用されている。このワイヤーハ
ーネスの製造装置として、電線供給部から横に整列して
供給される複数の電線の先後端部をコネクタの圧接端子
に圧接する2つの圧接部と、一方の圧接部で電線の先端
部を圧接したコネクタをコネクタクランプで把持して、
そのクランプを電線の供給方向へ直線的に移動させる移
動機構と、電線の供給長を計尺する計尺ロールとを備え
たものがある。そして、前記一方の圧接部でコネクタの
圧接端子に電線の先端部を圧接した後、このコネクタを
把持したコネクタクランプを電線の供給方向へ移動さ
せ、電線の供給長が所定の長さに到達したとき、前記電
線の後端部を隣接する他方の圧接部で別のコネクタの圧
接端子に圧接するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな製造装置は前記コネクタクランプを電線の供給長が
所定の長さに到達するまで電線の供給方向へ移動させる
構成のため、ワイヤーハーネスの長さに相当する距離だ
け前記クランプを移動させる必要があり、このため、製
造装置全体が大型化して広い占有面積を必要とし設備費
用が高くなるという問題がある。
【0004】このような問題を解決するため、前記コネ
クタクランプを電線の供給方向へ移動させる過程におい
て、ルーパやフィードロール(供給ロール)により電線
を所定の長さ弛ませて前記クランプの移動距離を短く
し、装置を小型化することも提案されている。
【0005】ところが、ワイヤーハーネスは使用個所、
環境その他の条件によって異なる長さのものを必要とす
る場合が多い。また、最近、ワイヤーハーネスの生産性
を高めるために、複数の異なる長さのワイヤーハーネス
を一回の圧接サイクルの中で能率よく製造することが望
まれている。しかしながら、従来の製造装置ではこのよ
うな要望を満たしてワイヤーハーネスを製造することが
困難である。
【0006】本発明は上記の課題を解決し、製造装置を
小型化すると共に、複数の異なる長さのワイヤーハーネ
スを一回の圧接サイクルの中で能率よく製造することが
できるワイヤーハーネスの製造装置を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1に記載されたワイヤーハーネスの
製造装置は、電線供給部から遠い側に配設されて電線供
給部から供給される複数の電線の先端部を把持しながら
コネクタの圧接端子に圧接する第1圧接機構部と、第1
圧接機構部よりも電線供給部に近い側に第1圧接機構部
から離間して配設されて電線供給部から供給される複数
の電線の後端部を把持しながらコネクタの圧接端子に圧
接する第2圧接機構部と、電線供給部から供給される複
数の電線を第1圧接機構部から第2圧接機構部にわたっ
て布線する際、供給される電線が第1圧接機構部と第2
圧接機構部との間で所定の長さ弛むように、少なくとも
第1圧接機構部と第2圧接機構部との間で往復移動自在
に配設され、電線供給部から供給される複数の電線を整
列しながら1本又は複数の電線毎に独立して送出させる
電線布線キャリッジとを備え、前記第1圧接機構部及び
第2圧接機構部は、それぞれコネクタの圧接端子に電線
の先端部及び後端部を圧接する圧接治具とこれに電線の
先端部及び後端部を把持する電線把持手段とを有するも
のである。
【0008】本発明の請求項2に記載されたワイヤーハ
ーネスの製造装置は、請求項1記載のものにおいて、前
記電線布線キャリッジが電線供給部から供給される複数
の電線を整列して送出させるようにガイドする電線ガイ
ド部材と、複数の電線を1本又は複数の電線毎に独立し
て送出させる電線送出手段とを備えていることを特徴と
する。
【0009】本発明の請求項3に記載されたワイヤーハ
ーネスの製造装置は、請求項2記載のものにおいて、前
記電線送出手段が電線ガイド部材の電線供給側に回転自
在に配設された電線送出ロールと、電線送出ロールに対
向するように回転自在に設けられ、電線送出ロールに掛
け渡される複数の電線を1本又は複数の電線毎に把持し
て電線の送出を補助する複数の補助押えロールと、電線
送出ロールを回転させる送出ロール駆動部と、補助押え
ロールの電線送出ロールに対する押付けと開放を行わせ
る押えロール駆動部と、補助押えロールを電線送出ロー
ルから開放するときには電線を固定し、電線送出ロール
に押し付けて電線を把持するときには電線の固定を解除
する電線ロック機構とを備えていることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項4に記載されたワイヤーハ
ーネスの製造装置は、請求項2又は3記載のものにおい
て、前記電線布線キャリッジが電線ガイド部材の電線送
出側に配設されて布線される電線の先端部及び後端部を
切断するカッター機構を更に備えていることを特徴とす
るものである。
【0011】本発明の請求項5に記載されたワイヤーハ
ーネスの製造装置は、請求項1記載のものにおいて、前
記第1圧接機構部及び第2圧接機構部の圧接治具が下型
治具と上型治具とを着脱自在に組み合わせて構成され、
下型治具及び上型治具のいずれか一方の治具が複数の圧
接端子を有するコネクタが配置され、他方の治具が前記
コネクタの圧接端子のキャビティに電線の先端部及び後
端部を案内する複数の電線ガイドと、これら電線ガイド
間に昇降自在に収納され、前記圧接端子のキャビティに
電線の先端部及び後端部を圧入してこれらを圧接端子に
圧接する複数の圧接刃とを備え、下型治具に布線される
電線の先端部及び後端部を電線把持手段で把持して下型
治具と上型治具とを合わせ、圧接刃を押動して電線の先
端部及び後端部を前記コネクタの圧接端子に圧接するよ
うにしたものである。
【0012】本発明の請求項6に記載されたワイヤーハ
ーネスの製造装置は、請求項5記載のものにおいて、前
記圧接治具の下型治具が前記電線ガイド及び圧接刃を備
え、上型治具が前記コネクタが配置され、下型治具が第
1圧接機構部から第2圧接機構部にわたって布線される
電線の布線経路上の電線布線区域と、その布線経路に沿
った方向と直交する横方向へ所定距離離間した電線圧接
区域との間を往復移動自在に配設され、上型治具が前記
電線圧接区域にあって、下型治具が電線圧接のために電
線圧接区域まで移動したとき、下型治具の上方に位置す
るように、下型治具に対向する水平な下向き位置と垂直
な横向き位置との間で回動自在に、且つ、昇降自在に配
設されており、更に、前記圧接治具が、下型治具を電線
布線区域と電線圧接区域との間で往復移動させるアクチ
ュエータと、前記圧接刃を上型治具におけるコネクタの
圧接端子に電線の先端部と後端部を圧接するために押し
上げ移動させる下型治具昇降手段と、上型治具を電線圧
接作業のために水平な下向き位置と垂直な横向き位置と
の間で回動させると共に昇降させる上型治具駆動手段と
を備えていることを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項7に記載されたワイヤーハ
ーネスの製造装置は、請求項1又は5記載のものにおい
て、前記電線把持手段が第1圧接機構部から第2圧接機
構部にわたって布線される電線の布線経路に沿った方向
と直交する横方向へ電線の上を横切るように往復移動自
在に、且つ、基部を支点にして上下方向に揺動自在に配
設されるクランプレバーと、そのクランプレバーを前記
電線の上を横切るように直線的に往復移動させるレバー
直線駆動源と、クランプレバーの先端側に配設されてク
ランプレバーの先端を押し下げることによりクランプレ
バーの中間で電線を押し付けて電線を把持するレバー押
下げ駆動部とを備えていることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明によると、供給される電線が第1圧
接機構部と第2圧接機構部との間で所定の長さ弛むよう
に、少なくとも第1圧接機構部と第2圧接機構部との間
で往復移動自在に配設され、電線供給部から供給される
複数の電線を整列しながら1本又は複数の電線毎に独立
して送出させる電線布線キャリッジを用いて布線を行う
ので、第1圧接機構部から第2圧接機構部にわたって複
数の電線をこれら圧接機構部間で所定長さ弛ませながら
布線することが可能になる。従って、これら圧接機構部
間の距離を短くすることが可能になって製造装置全体を
小型化することができ、また、広い占有面積を必要とし
なくなり、製造装置を製作する設備費用を低減すること
ができる。更に、1本又は複数の電線毎に所定長さそれ
ぞれ独立して弛ませることができることから、複数の異
なる長さのワイヤーハーネスを一回の圧接サイクルの中
で能率よく製造することが可能となる。従って、ワイヤ
ーハーネスの生産性が向上して、その製造コストを引き
下げることができる。
【0015】また前記電線布線キャリッジが前記電線ガ
イド部材を備えていると、複数の電線を前記第1圧接機
構部及び第2圧接機構部の所定部位に確実に布線するこ
とができ、布線作業の能率が向上する。
【0016】また、前記電線布線キャリッジの電線送出
手段が、前記電線送出ロール、補助押えロール、送出ロ
ール駆動部、押えロール駆動部、電線ロック機構とを備
えていると、選択された電線を第1圧接機構部及び第2
圧接機構部の所定部位により正確に位置させることがで
きると共に、第1圧接機構部及び第2圧接機構部間で所
定長だけ更に正確に弛ませて布線することができる。
【0017】また、前記電線布線キャリッジが前記カッ
ター機構を備え、電線布線キャリッジの移動に伴って移
動する構造になっていると、切断される電線の近傍にカ
ッター機構を配置することが可能になって、第1圧接機
構部及び第2圧接機構部に布線される電線の先端部及び
後端部をより迅速に切断することができ、また、所定部
位でより正確に切断することができ、切断作業能率及び
切断精度が更に向上する。更に、カッター機構が固定式
の場合、電線布線キャリッジの往復移動を阻害しないよ
うにするため、カッター機構の取付構造が複雑になる
が、このように移動式の場合、カッター機構の取付構造
がより簡単になる。
【0018】また、前記第1圧接機構部及び第2圧接機
構部の圧接治具が圧接刃を備えた下型治具とコネクタが
配置された上型治具とを着脱自在に組み合わせて構成さ
れ、下型治具が電線の布線経路上の電線布線区域と布線
経路に沿った方向と直交する横方向へ所定距離離間した
電線圧接区域との間を往復移動自在に配設され、上型治
具が電線圧接区域に回動及び昇降自在に配設される構成
になっていると、電線の布線作業と圧接作業を分離させ
て行うことができるので、各作業をより精度よく確実に
行うことができて作業ミス(失敗)がより減少し、ワイ
ヤーハーネスの製造歩留まりがより向上する。更に、本
製造装置でコネクタの圧接端子に電線を圧接させたワイ
ヤーハーネスを圧接治具からより迅速、且つ、容易に取
り出すことができ、作業性がより向上する。
【0019】また、前記電線把持手段がクランプレバー
を電線を横切るように直線的に移動させると共に、基部
を支点として揺動させながらて押し下げて電線を把持す
るような構成になっていると、複数の電線が屈曲、変形
等していてもより確実に把持することができ、電線の圧
接作業が容易になる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図面に基
づき詳細に説明する。図1は本発明に係るワイヤーハー
ネスの製造装置の一実施形態を示す概略正面図である。
この実施形態のワイヤーハーネスの製造装置は、電線供
給部10から遠い側に配設されて電線供給部10から供
給される複数の電線Aの先端部を把持しながらコネクタ
の圧接端子に圧接する第1圧接機構部12と、第1圧接
機構部12よりも電線供給部10に近い側に第1圧接機
構部12から離間して配設されて電線供給部10から供
給される複数の電線Aの後端部を把持しながらコネクタ
の圧接端子に圧接する第2圧接機構部14と、電線供給
部10から供給される複数の電線Aを第1圧接機構部1
2から第2圧接機構部14にわたって布線する電線布線
キャリッジ16とを備える。
【0021】電線供給部10は、上下2段の棚を有する
機枠(架台)18と、機枠18の前部上端縁近傍に設け
られる電線供給機構20と、電線供給機構20の後方に
配置されて機枠20に設けられる電線ストレートナー
(電線整直機)22と、機枠18の前部に昇降自在に設
けられて電線Aの供給を制御する制御用ダンサー24と
を備える。
【0022】機枠18の下棚には前後3列、左右2列に
6個の電線コイルB2、B4、B6、B9、B11、B
13(B2、B4、B6は、図1でB13、B11、B
9の裏側に配置されるため図示されない)が載置され、
上棚には、前後4列、左右2列に8個の電線コイルB
1、B3、B5、B7、B8、B10、B12、B14
(B1、B3、B5、B7は、図1でB14、B12、
B10、B8の裏側に配置されるため図示されない)が
載置され、これら14個の電線コイルB1乃至B14か
ら14本の電線A1乃至A14(A1乃至A7は、図1
でA14乃至A8に重なるため図示されない)が上方に
引き出され、ガイドロール(図示せず)を介して14個
の電線ストレートナー22に各々導入され、そこで電線
A(全部の電線を指す場合は符号をAと総称する)の曲
がり等が整直されて電線供給機構20に導入されるよう
になっている。
【0023】電線供給機構20は、図2に示すように、
機枠18に水平状態で回転自在に取り付けられる1本の
電線供給ロール26と、これに前記電線コイルB(全部
の電線コイルを指す場合は符号Bと総称する)から引き
出されて電線供給ロール26に掛け渡される14本の電
線A1乃至A14(図2では2本の電線Aを示す)をそ
れぞれ上から押し付けて電線供給ロール26との間に把
持する14個の押付ロール28(図2では2個の押付ロ
ール28を示す)とを備える。
【0024】電線供給ロール26は、例えば、ギヤード
モータ等の変速機付の電線供給モータ29に、電線供給
ロール26の一方の端部及び電線供給モータ29の出力
軸にそれぞれ取り付けられる一対のベルトプーリ30、
30と、これらベルトプーリ30、30間に掛け渡され
るタイミングベルト31とから成る動力伝動系統32を
経て連結される。そして、電線供給モータ29を駆動す
ることにより、電線供給ロール26を同図で矢印方向P
(反時計方向)に回転させ、押付ロール28で電線供給
ロール26に押し付けられて把持される電線Aを矢印方
向Qに前記制御用ダンサー24に向けて送り込むことが
できるようになっている。押付ロール28はくの字形状
の14個の電線供給レバー34の一端に回転自在に支持
される。また、これら電線供給レバー34はその折れ曲
がり方向が変わる変曲点部位で、支点軸36にその長手
方向に沿って所定ピッチ間隔をおいて回動自在に支持さ
れ、各電線供給レバー34の他端には、レバー回動用駆
動源であるシリンダレバー回動用シリンダ38のピスト
ンロッド38Aが枢着される。
【0025】そこで、レバー回動用シリンダ38のピス
トンロッド38Aを図2の右側に示すように縮退させて
電線供給レバー34を矢印方向R(反時計方向)に回動
させ、押付ロール28を下方に押し下げて電線Aに押し
付ける。これにより、電線Aが両ロール26、28間に
把持されて電線供給ロール26と摩擦係合する。従っ
て、電線Aが電線供給ロール26の矢印方向P(反時計
方向)の回転に伴って、その周速度に等しい供給速度で
制御用ダンサー24側に供給される。
【0026】一方、レバー回動用シリンダ38のピスト
ンロッド38Aを図2の左側に示すように伸長させて電
線供給レバー34を矢印方向S(時計方向)に回動さ
せ、押付ロール28を上方に押し上げて電線Aから離反
させる。これにより、電線Aが電線供給ロール26に押
し付けられなくなるので、電線供給ロール26との摩擦
係合が解除され、電線供給ロール26とスリップするよ
うになり、電線供給ロール26が矢印方向P(反時計方
向)に回転しても、電線Aが制御用ダンサー24側に供
給されなくなり、供給が停止する。
【0027】制御用ダンサー24は図3に示すようにロ
ールで構成され、機枠18の前部に立設されたスライド
レール40に上部と下部との間で昇降自在に設けられ
る。また、スライドレール40には、制御用ダンサー2
4に下方から支持されて制御用ダンサー24の昇降によ
って昇降するスイッチ作動ブロック42が昇降自在に取
り付けられる。ただし、このスイッチ作動ブロック42
はスライドレール40の上下方向の真ん中より少し上方
の位置に取り付けられたストッパ44に係止されて、こ
れより下降するのが制限され、ストッパ44より上方の
区域で昇降し得るようになっている。更に、スライドレ
ール40の上部、下部及びストッパ44近傍の各位置に
は、それぞれリミットスイッチ46、48、50が配置
され、これらリミットスイッチ46、48、50のスイ
ッチオン、オフ作動の組合わせにより、電線Aの供給、
停止の指令を前記電線供給機構20に出して、電線Aの
供給、停止を行うようになっている。
【0028】制御用ダンサー24は、電線供給部10か
ら供給を必要とする電線Aを供給する前の待機中の状態
にあるときは、図3(a)に示すように、ストッパ44
及びリミットスイッチ50のある位置よりも下降して、
これらと下部のリミットスイッチ48との間の中間任意
位置に配置されるように、電線Aを前記電線供給部10
の電線供給ロール26、制御用ダンサー24及びガイド
ロール52(図1参照)間に略V形状に掛け渡される。
この場合、スイッチ作動ブロック42はストッパ44に
係止されて制御用ダンサー24がストッパ44より下降
しても、下降が阻止され、リミットスイッチ50がスイ
ッチオンの状態になるようにしてある。また他のリミッ
トスイッチ46、48はスイッチオフの状態になってい
る。このようなスイッチ作動の状態にあるときには、前
記電線供給機構20のレバー回動用シリンダ38のピス
トンロッド38Aが伸長して、押付ロール28が電線供
給ロール26から離反し、電線供給ロール26が電線供
給モータ29の駆動で回転していても、電線Aは供給さ
れず停止した状態になる。
【0029】本発明の製造装置が運転を開始し、電線布
線キャリッジ16が作動して、これから第1、第2圧接
機構部12、14への電線Aの送出が始まると、その送
出による電線Aの補給は、電線供給部10からの電線A
の供給によって行われる。ところが、電線供給機構20
による電線Aの供給が前記したように待機中でまだ行わ
れないので、制御用ダンサー24の上昇により、電線A
が電線布線キャリッジ16側へ供給される。そして、制
御用ダンサー24がスイッチ作動ブロック42のところ
まで上昇し、スイッチ作動ブロック42を載せて更に上
昇すると、スイッチ作動ブロック42との接触が無くな
って、リミットスイッチ50がスイッチオフの状態にな
る。
【0030】そうすると、リミットスイッチ46、4
8、50がすべてスイッチオフの状態になるので、前記
電線供給機構20のレバー回動用シリンダ38のピスト
ンロッド38Aが縮退して、押付ロール28が押し下げ
られ、電線Aが電線供給ロール26と押付ロール28と
の間に把持される。このとき、電線供給ロール26は既
に製造装置の始動に伴って回転しているので、電線Aは
電線供給部10の電線供給機構20側から供給されるよ
うになる。そして、電線Aの電線布線キャリッジ16に
よる送出速度と電線供給部10による供給速度がほぼ一
致している場合には、制御用ダンサー24は、図3
(b)に示すように、リミットスイッチ46とリミット
スイッチ50間の区域内で昇降を繰り返し、電線Aがほ
ぼ一定張力で安定して供給される。
【0031】次に、電線布線キャリッジ16による電線
Aの送出が、例えば、減速又は停止したような場合に
は、電線布線キャリッジ16による電線Aの送出速度よ
りも電線供給部10の電線供給機構20による供給速度
の方が大きくなる。そうすると、そこで、電線供給機構
20と電線布線キャリッジ16との間で電線Aが弛むの
で、制御用ダンサー24がその弛みを吸収するために下
降し、制御用ダンサー24に載置されているスイッチ作
動ブロック42も下降し、これに伴い、リミットスイッ
チ50が再度スイッチオンの状態になり、電線供給機構
20の押付ロール28が電線供給ロール26から離反す
る。これにより、電線Aの供給が停止し、制御用ダンサ
ー24はストッパ50の位置又は図3(a)に示す位置
で待機中となり、次の電線Aの供給に備える。
【0032】なお、電線供給部10による電線Aの供給
中に、供給されている電線Aを収納する電線コイルBの
1又は複数が空になって無くなり、対象の電線Aが電線
ストレートナー22から前方へ抜ける等した場合には、
対象の制御用ダンサー24が図3(b)に示す状態から
下降し、スイッチ作動ブロック42でリミットスイッチ
50がスイッチオンの状態になり、前記したように対象
の押付ロール28が電線供給ロール26から離反する。
これにより、対象の電線Aの供給が緊急停止する。更
に、制御用ダンサー24が下降を続け、最下部まで下降
して図4(a)に示すように、制御用ダンサー24に取
り付けられたスイッチ作動片24Aでリミットスイッチ
48がスイッチオンの状態になる。これにより、前記電
線供給機構20の電線供給モータ29、即ち、電線供給
ロール26の回転が停止すると共に、製造装置全体の駆
動が停止状態になる。
【0033】また、電線供給部10による電線Aの供給
中に、電線コイルBから上方に引き出される電線Aの1
又は複数が引き出し途中に絡まってもつれる等した場合
には、電線Aが制御用ダンサー24側へ供給されなくな
るが、制御用ダンサー24を通過した電線Aは電線布線
キャリッジ16側へ供給されているので、制御用ダンサ
ー24が図3(b)に示す状態から更に上昇し、最上部
まで上昇して図4(b)に示すように、スイッチ作動ブ
ロック42でリミットスイッチ46がスイッチオンの状
態になる。そうすると、リミットスイッチ46、48、
50がすべてスイッチオフの状態でなくなるので、電線
供給機構20のレバー回動用シリンダ38が伸長して押
付ロール28が電線供給ロール26から離反し、対象と
なる電線Aの供給が停止する。更に、前記電線供給機構
20の電線供給モータ29、即ち、電線供給ロール26
の回転が停止すると共に、製造装置全体の駆動が停止状
態になる。電線供給部10の構成は前記したとおりであ
り、電線供給部10は電線布線キャリッジ16と連動し
て布線対象の電線Aの供給、停止が行われる。
【0034】次に電線布線キャリッジ16の構成を説明
する。電線布線キャリッジ16は、図1、5に示すよう
に、電線供給部10から供給される複数の電線Aを第1
圧接機構部12から第2圧接機構部14にわたって布線
する際、供給される電線Aが第1圧接機構部12と第2
圧接機構部14との間で所定の長さ弛むように、少なく
とも第1圧接機構部と第2圧接機構部との間で往復移動
自在に配設され、電線供給部10から供給される複数の
電線A、図示するものでは、14本の電線A1乃至A1
4を整列しながら1本毎に、又は、図示しないが複数の
電線A毎に独立して送出させる構成になっている。その
構成について更に詳細に説明する。
【0035】電線布線キャリッジ16は、図6乃至8に
示すように、電線供給部10から供給される14本の電
線A1乃至A14を横方向に整列しながら幅方向のピッ
チが所定ピッチまで狭まるようにガイドして集線する電
線ガイド部材54と、これらの電線A1乃至A14を1
本毎に、又は、図示しないが複数の電線A毎に独立して
送出させる電線送出手段56とを備える。
【0036】電線ガイド部材54は、基部側の横幅が広
く、先端側の横幅が狭くなるほぼ台形状のトレーで構成
され、上面の滑走面に14本の電線A1乃至A14を案
内する14個の電線ガイド溝(図示せず)が上方に開口
して形成されている。この電線ガイド部材54は、移動
フレーム58の一対の側壁板60間に配置されて両側壁
板60に設けられるガイドベース62の上に、先端側が
基部側より下位に位置するようにボルト等で斜め下向き
に取り付けられる。電線布線キャリッジ16が電線ガイ
ド部材54を備えていると、複数の電線Aを前記第1圧
接機構部12及び第2圧接機構部14の所定部位に確実
に布線することができ、布線作業の能率を向上させるこ
とができるので好ましい。
【0037】電線送出手段56は、電線ガイド部材54
の電線供給側にあって、前記移動フレーム58の一対の
側壁板60間に配置されて両側壁板60に回転自在に配
設される電線送出ロール64と、電線送出ロール64に
対向するように両側壁板60間に配置されて回転自在に
設けられ、電線送出ロール64に掛け渡される複数の電
線A、図示するものでは、14本の電線A1乃至A14
を1本毎に把持してこれら電線Aの送出を補助する14
個の補助押えロール66と、電線送出ロール64を回転
させる送出ロール駆動部68と、補助押えロール66の
電線送出ロール64に対する押付けと開放を行わせる押
えロール駆動部70と、補助押えロール66を電線送出
ロール64から開放するときには電線Aを固定し、電線
送出ロール64に押し付けて電線Aを把持するときには
電線Aの固定を解除する電線ロック機構72とを備え
る。前記電線送出手段56が、前記電線送出ロール6
4、補助押えロール66、送出ロール駆動部68、押え
ロール駆動部70及び電線ロック機構72とを備えてい
ると、選択された電線Aを第1圧接機構部12及び第2
圧接機構部14の所定部位により正確に位置させること
ができると共に、第1圧接機構部12及び第2圧接機構
部14間で所定長だけ更に正確に弛ませて布線し、所望
長さのワイヤーハーネスを容易に製造することができる
ので好ましい。
【0038】送出ロール駆動部68は、移動フレーム5
8の側壁板60にブラケット73を介して取り付けられ
るギヤードモータ等の変速機付の電線送出モータ74
と、電線送出ロール64の一方の端部及び電線送出モー
タ74の出力軸にそれぞれ取り付けられる一対のベルト
プーリ76、76及びこれらベルトプーリ76、76間
に掛け渡されるタイミングベルト78から成る動力伝動
系統80とで構成される。そして、電線送出モータ74
を正逆転駆動することにより、電線送出ロール64を図
8において反時計方向に回転させ、補助押えロール66
で電線送出ロール64に押し付けられて把持される電線
Aを、図1に示すように、第1、第2圧接機構部12、
14に向けて送り出したり、電線送出ロール64を時計
方向に回転させ、電線Aを電線供給部10に向けて送り
戻したりすることができるようになっている。
【0039】また、電線送出ロール64の他方の端部に
は、電線送出ロール64の回転数を検出して第1、第2
圧接機構部12、14に向けて送り出される電線Aの長
さを計尺するための電線計尺器である、例えば、ロータ
リーエンコーダ81が設けられている。電線計尺器がこ
のように電線布線キャリッジ16に設けられていると、
送出される電線Aの長さを精度よく計尺することができ
るので好ましい。なお、ロータリーエンコーダ81等の
電線計尺器は電線布線キャリッジ16の代わりに、図示
しないが、電線布線キャリッジと電線供給部との間に配
設したり、電線供給部10側、例えば、ガイドロール5
2に設けるようにしてもよい。
【0040】押えロール駆動部70は、図7、8に示す
ように、移動フレーム58の一対の側壁板60間に配置
されて両側壁板60に固設されるレバー支点軸82と、
くの字形状を有し、その折れ曲がり方向が変わる変曲点
部位でレバー支点軸82にその長手方向に沿って所定ピ
ッチ間隔をおいて回動自在に支持され、且つ、一端に前
記補助押えロール66が回転自在に支持される14個の
電線送出レバー84と、各電線送出レバー84の他端に
ピストンロッド86Aが枢着される電線送出用駆動源の
電線送出用シリンダ86とから成る。なお、14個の電
線送出用シリンダ86はその取付けを容易にするため、
一つ置きに上下2段で電線送出ロール64の長手方向へ
千鳥状に配置され、前記側壁板60間に配置されて両側
壁板60に取り付けられたブラケット88に配設され
る。このため電線送出レバー84のピストンロッド86
Aが枢着される他端の高さは一つ置きに高くなる。
【0041】そこで、電線送出用シリンダ86のピスト
ンロッド86Aを伸長させて電線送出レバー84を図
6、8で反時計方向に回動させると、補助押えロール6
6が降下して電線Aを電線送出ロール64に押し付け
る。これにより、電線Aが両ロール64、66間に把持
されて電線送出ロール64と摩擦係合する。従って、電
線Aが電線送出ロール64の反時計方向の回転に伴っ
て、その周速度に等しい送出速度で第1、第2圧接機構
部12、14側に送出される。
【0042】一方、電線送出用シリンダ86のピストン
ロッド86Aを縮退させて電線送出レバー84を時計方
向に回動させると、補助押えロール66が上昇して電線
Aから上方へ離反し、電線Aに対する押付けが開放され
る。これにより、電線Aが電線送出ロール64に押し付
けられなくなるので、電線送出ロール64との摩擦係合
が解除され、電線送出ロール64とスリップするように
なり、電線送出ロール64が反時計方向に回転しても、
電線Aが第1、第2圧接機構部12、14側に送出され
なくなり、その送出が停止する。電線送出用シリンダ8
6のピストンロッド86Aの伸長、縮退動作のいずれか
一方の動作、例えば、伸長動作は、図10に示すよう
に、側壁板60に取り付けられる引張コイルばね89を
利用して行うようにしてもよい。
【0043】なお、後で詳細に説明するが、電線供給部
10から供給される14本の電線A1乃至A14を電線
供給部10から遠い側の第1圧接機構部12から電線供
給部10に近い側の第2圧接機構部14にわたって布線
する際、電線Aに途中で弛みが生じないように布線する
場合には、電線布線キャリッジ16の電線送出手段56
で電線Aを送出させながら電線布線キャリッジ16を電
線Aの送出方向(電線Aの供給方向)と逆方向に電線A
の送出速度と同一速度で移動させる。また、14本の電
線A1乃至A14を布線のために頭出しする場合、第1
圧接機構部12と第2圧接機構部14との間で電線Aに
所定長さの弛みを形成して布線する場合等のために、電
線Aを送出させる場合には、電線布線キャリッジ16の
移動を停止し、電線送出手段56により電線Aを送出さ
せる。
【0044】電線ロック機構72は、図6、7に示すよ
うに、電線供給部10から供給される14本の電線A1
乃至A14を挿入案内する電線挿入ガイド90と、電線
挿入ガイド90に挿入案内される各電線Aが電線布線キ
ャリッジ16から抜け出たり、位置ずれを起こしたり等
するのを防止するための電線ロック用駆動源である14
個の電線ロック用シリンダ92とから成る。
【0045】電線挿入ガイド90は、14本の電線A1
乃至A14を案内する14個の電線ガイド溝90Aが下
方に開口して形成され、電線送出ロール64の背後部に
電線ガイド部材54とほぼ一直線上になるように傾斜し
て配置され、前記移動フレーム58の両側壁板60に取
り付けられる。14個の電線ロック用シリンダ92は、
電線挿入ガイド90に挿入案内される14本の電線A1
乃至A14に対してほぼ垂直にそのピストンロッド92
Aの先端が突き当たって電線Aをロックすることができ
るように、電線送出ロール64に向けて斜め上方に傾斜
すると共に、一つ置きに斜め上下2段で電線送出ロール
64の長手方向へ千鳥状に配置されて移動フレーム58
に配設される。そして、補助押えロール66を電線送出
ロール64から開放するときには電線ロック用シリンダ
92のピストンロッド92Aを伸長させて電線Aを固定
し、電線送出ロール64に押し付けて電線Aを把持する
ときには、電線ロック用シリンダ92のピストンロッド
92Aを縮退させて電線Aの固定を解除する。
【0046】電線布線キャリッジ16の移動フレーム5
8は、図7に示すように、前記一対の側壁板60の上部
に4個のL型ブラケット94で支持される取付ベース9
6を有する。また、側壁板60と取付ベース96との間
には、図10に示すように、高さ調整ボルト97が介在
され、側壁板60と取付ベース96との間隔、即ち、電
線布線キャリッジ16が配設される高さ位置を任意に調
整できるようになっている。そうすると、電線ガイド部
材54の先端の位置、即ち、電線ガイド部材54より電
線Aが送出される位置を正確に設定することが容易にな
るので、第1、第2圧接機構部12、14に布線される
電線Aの布線能率及び精度をより向上させることができ
るので好ましい。
【0047】この取付ベース96は、図9、10に示す
ように、機枠(架台)98の上部に立設された支柱10
0の上部に設けられた天井取付板102に3個の連結部
材103で支持される直線往復移動用のアクチュエータ
104の移動ブロック体106にボルト等で締付け固定
される。アクチュエータ104は、例えば、ハウジング
内に移動ブロック体106に螺合するボールねじが内蔵
され、ボールねじをモータで正逆転させることにより、
移動ブロック体106を直線往復移動させる構造になっ
ている。アクチュエータ104はボールねじ機構の他に
種々の機構、例えば、ロッドレスシリンダ機構とかベル
ト・プーリ機構のものを使用することができる。このア
クチュエータ104を駆動することにより、電線布線キ
ャリッジ16を、少なくとも第1圧接機構部12と第2
圧接機構部14との間で、電線Aの布線経路に沿った方
向(X方向)(図1、5、10参照)へ往復移動させて
電線Aを第1圧接機構部12から第2圧接機構部14に
わたって布線することができる。
【0048】なお、前記電線送出手段56では、14本
の電線A1乃至A14を整列しながら1本毎に独立して
送出させる構成になっているが、複数の電線A毎にその
電線Aを電線送出ロール64との間に把持する複数の補
助押えロール(図示せず)を設け、複数の電線A毎に独
立して電線Aを送出させるようにしてもよい。例えば、
電線A1乃至A4、電線A5乃至A9及び電線A10乃
至A14毎に、それぞれ3個の補助押えロール(図示せ
ず)を設け、前記電線A1乃至A4、電線A5乃至A9
及び電線A10乃至A14毎に、それぞれ独立して送出
させるようにしてもよい。この場合、各1本の電線Aに
対応する押えロール駆動部70及び電線ロック機構72
の代わりに、前記電線A1乃至A4、電線A5乃至A9
及び電線A10乃至A14毎に共通する押えロール駆動
部(図示せず)及び電線ロック機構(図示せず)を設け
ることが望ましい。
【0049】前記電線布線キャリッジ16は、図10、
11に示すように、電線ガイド部材54の電線送出側、
即ち、電線ガイド部材54より電線Aが第1、第2圧接
機構部12、14に向けて送出される先端側に配設され
て布線される複数の電線Aの先端部及び後端部を切断す
るカッター機構108を更に備える。
【0050】このカッター機構108は、電線ガイド部
材54の電線送出側に配置され、且つ、電線布線キャリ
ッジ16の取付ベース96に接続された取付板110に
設けられた一対のリニアガイド部材であるリニアガイド
レール112、112に案内されて、第1圧接機構部1
2から第2圧接機構部14にわたって布線される電線の
布線経路に沿った方向と直交する横方向(Y方向)(図
11参照)に往復移動自在に配設されるハウジング11
4と、ハウジング114に高さ位置が調整できるように
取り付けられる電線切断用駆動源の電線切断用シリンダ
116と、電線切断用シリンダ116のピストンロッド
116Aに着脱自在に装着され、ピストンロッド116
Aの伸長により下降して電線Aを切断し、切断後、ピス
トンロッド116Aの縮退により上昇して元の位置に復
帰するカッター刃118とを備える。
【0051】更に、取付板110の一方の側端部に固定
され、ピストンロッド120Aがハウジング114に取
り付けられて、ピストンロッド120Aの伸長、縮退に
より、ハウジング114、電線切断用シリンダ116及
びカッター刃118をリニアガイドレール112、11
2に沿って前記布線経路に沿った方向と直交する横方向
(Y方向)へ往復移動させ、カッター刃118による電
線Aの切断位置を切り替えるための切断位置切替用駆動
源である切断位置切替用シリンダ120とを備える。
【0052】また、後記する第2圧接機構部14におけ
る移動テーブル186の第1圧接機構部12側の前方上
縁部にあって、前記カッター機構108のカッター刃1
18に対向する位置には、電線Aを切断した後、更に下
降したカッター刃118の刃先を受け入れる刃先逃げ溝
122Aを有する電線切断用受台122が配設されてい
る。この電線切断用受台122は、電線Aの布線を開始
するにあたり、電線布線キャリッジ16の電線送出手段
56で頭出しのために所定長さ送出された14本の電線
A1乃至A14の先端を揃えて切断するための電線の支
持(サポート)と、昇降可動する前記カッター刃118
に対する固定カッター刃(刃先逃げ溝122Aの内側縁
が相当する)としての機能を有する。
【0053】また、図12、13に示すように、第2圧
接機構部14において、後記する移動テーブル186上
に設けられた基板188に電線Aの布線経路に沿って並
列して配設される圧接治具140の下型治具144と圧
接治具142の下型治具144との間に、刃先逃げ溝1
24Aを有する電線切断用受台124が、更に、前記圧
接治具142の下型治具144の電線供給部10側に
は、刃先逃げ溝126Aを有する電線切断用受台126
がそれぞれ配設されている。前記電線切断用受台124
及び電線切断用受台126の両側端部は2個の連結片1
28、130で矩形状に枠組みされ、一方の連結片12
8の片端部には、移動テーブル186にブラッケト13
1で支持される受台スライド用駆動源である受台スライ
ド用シリンダ132のピストンロッド132Aが接続さ
れる。
【0054】電線切断用受台124、126は、電線A
の後端部を切断しない待機状態にあるときは、図12に
示すように、受台スライド用シリンダ132のピストン
ロッド132Aを縮退させて、圧接治具140、142
の下型治具144から電線供給部10側(図12の右
側)に離反移動させ、圧接治具140、142の下型治
具144に布線される電線Aの後端部を切断するときに
は、図13に示すように、受台スライド用シリンダ13
2のピストンロッド132Aを伸長させて、圧接治具1
40、142の下型治具144に向けて接近移動させて
下型治具144に隣接させる。電線切断用受台124
は、前記切断位置切替用シリンダ120のピストンロッ
ド120Aを伸長させて、カッター刃118を図11の
左方向へ前進させ、圧接治具140の下型治具144に
布線される、例えば、電線A1乃至A4の後端部を切断
するときに使用され、電線切断用受台126は、切断位
置切替用シリンダ120のピストンロッド120Aを縮
退させて圧接治具142の下型治具144に布線され
る、例えば、電線A5乃至A14の後端部を切断すると
きに使用される。
【0055】上記したように、前記電線布線キャリッジ
16がカッター機構108を備え、且つ、電線布線キャ
リッジ16の移動に伴って移動する構造になっている
と、切断される電線Aの近傍にカッター機構108を配
置することが可能になって、第1圧接機構部12及び第
2圧接機構部14に布線される電線Aの先端部及び後端
部をより迅速に切断することができ、また、電線Aを所
定部位でより正確に切断することができ、切断作業能率
及び切断精度が更に向上するほか、移動式のカッター機
構108により、カッター機構の取付構造がより簡単に
なるので好ましい。
【0056】第1圧接機構部12は、図5に示すよう
に、コネクタの圧接端子に複数の電線Aの先端部を圧接
する、複数、例えば、3個の圧接治具134、136、
138を有する。また、第2圧接機構部14はコネクタ
の圧接端子に複数の電線Aの後端部を圧接する、複数、
例えば、2個の圧接治具140、142を有する。これ
ら圧接治具134乃至142は、図14、15に示すよ
うに、下型治具144と上型治具146とを着脱自在に
組み合わせて構成される。
【0057】各上型治具146は、内部に複数の圧接端
子150を有するコネクタ148が収納配置される。ま
た、各下型治具144は、前記コネクタ148の複数の
圧接端子150の各キャビティ151に複数の電線A
(電線A1乃至A14)の先端部を案内する複数の電線
ガイド154と、これら電線ガイド154間に形成され
る複数の電線ガイド155内に昇降自在に挿入されて収
納され、前記圧接端子150のキャビティ151に電線
Aの先端部及び後端部を圧入してこれらを前記圧接端子
150に圧接する複数の圧接刃156とを備える。第1
圧接機構部12及び第2圧接機構部14がそれぞれ有す
る圧接治具の個数は一回の圧接サイクルの中で製造する
ワイヤーハーネスの本数や長さ等に応じて任意に増減変
更することができる。
【0058】圧接治具134乃至142の下型治具14
4は図14、図16乃至23に示すような構成になって
いる。これらの図は電線Aの先端部及び後端部を前記圧
接端子150に圧接する前の待機状態を示している。下
型治具144は前記したように複数、図示するもので
は、上方に突出する15個の電線ガイド154と複数、
図示するものでは、14個の圧接刃156を備える。1
5個の電線ガイド154は、矩形板状の圧接ガイド15
8の一方の長辺側の側部上面中央に長辺方向に14個の
矩形状のガイド溝155が形成されるように間隔を隔て
てくし歯状に並列され、且つ、上方に所定長さ突出する
ように設けられる。14個のガイド溝155には、例え
ば、14個の圧接刃156が挿入され昇降自在に収納さ
れる。また、他方の長辺側の側部上面中央には14本の
電線A1乃至A14を把持するクランプ受台160が設
けられる。
【0059】14個の圧接刃156は、中央部に下方に
突出する胴幹部164Aと両側に鍔部164Bを有する
T形状の直方体で形成された圧接ブロック体164の一
方の長辺側の側部上面中央にくし歯状に間隔を隔てて配
設され、一方の長辺側側壁にねじ止めされる押えカバー
166で保持される。一方、該圧接ブロック体164の
他方の長辺側の側部上面中央には、電線Aの絶縁被覆物
を圧接端子150に押圧把持するために、上面に電線押
上げ圧入用の連続する凹凸溝168Aを有する矩形板状
の押圧絶縁把持刃168が前記圧接刃156に隣接して
配設され、他方の長辺側の側壁にねじ止めされる押えカ
バー170で保持される。また、押圧絶縁把持刃168
の上半部は、図20、22、23に示すように、圧接ガ
イド158の電線ガイド154とクランプ受台160と
の間に形成された矩形状のガイド孔162を通して上下
に出没し得るようになっている。
【0060】圧接ブロック体164の両側の鍔部164
Bには、一対のガイドピンボルト172を緩く挿通させ
る一対のガイド孔174が形成され、また、圧接ガイド
158の前記ガイド孔174に対応する位置には、前記
ガイドピンボルト172の先端ねじ部172Aを挿通さ
せると共に、このねじ部172Aに螺着される一対のキ
ャップ状のガイドピン176を挿着する異径の段付孔1
78が形成される。
【0061】そして、一対のガイドピンボルト172を
圧接ブロック体164のガイド孔174にワッシャ18
0及びスリーブ(スペーサ)182を介して挿通させ、
また、該ボルト172の外周には、圧接ブロック体16
4と圧接ガイド158間に介在するようにコイルスプリ
ング184を外挿し、該ボルト172の先端ねじ部17
2Aをコイルスプリング184のばね付勢力に抗して段
付孔178内に挿通させ、その先端ねじ部172Aに圧
接ガイド158の反対側(上面側)から段付孔178に
挿入されるガイドピン176を螺着させて、コイルスプ
リング184のばね付勢力により、頭部が円錐状に先細
りしたガイドピン176を圧接ガイド158に挿着す
る。これにより、前記圧接ブロック体164が、一対の
ガイドピンボルト172を介して圧接ガイド158に対
して離反接近自在に、即ち、昇降自在に配設される。
【0062】そして、電線Aを前記コネクタの圧接端子
に圧接すると共に絶縁押圧把持する場合には、圧接ブロ
ック体164の胴幹部164Aをコイルスプリング18
4のばね付勢力に抗して押し上げ上昇させて、圧接刃1
56を圧接端子150のキャビティ151に挿入すると
共に、押圧絶縁把持刃168を圧接端子150に押圧す
る。図24は電線Aを圧接する前の待機状態にある上記
構成の下型治具144を圧接刃156側から見た状態の
斜視図、図25は押圧絶縁把持刃168側から見た状態
の斜視図である。また、図26は圧接ブロック体164
の胴幹部164Aを押し上げて電線Aの先端部及び後端
部を前記圧接端子150に圧接している状態にある上記
構成の下型治具144を圧接刃156側から見た状態の
斜視図、図27は押圧絶縁把持刃168側から見た状態
の斜視図である。
【0063】圧接治具134、136、138の各下型
治具144は、図5に示す移動テーブル186上に設け
られた基板188に、電線Aの布線経路に沿った方向
(X方向)へ第2圧接機構部14に向けて同じ向きに並
列して配設される(図28参照)。また、圧接治具14
0、142の下型治具は、図5に示す別の移動テーブル
186上に設けられた基板188に、電線Aの布線経路
に沿った方向(X方向)へ電線供給部10側(図1参
照)に向けて同じ向きに並列して配設される(図29参
照)。ただし、第1圧接機構部12の圧接治具134、
136、138と第2圧接機構部14の圧接治具14
0、142同士は同じ向きではなく、一方が他方に対し
て180度反転した向きに配設される。
【0064】第1圧接機構部12及び第2圧接機構部1
4の各移動テーブル186は、図5に示すように、機枠
98の上部に設けられた一対のリニアガイド部材である
リニアガイドレール190に案内されて、第1圧接機構
部12から第2圧接機構部14にわたって布線される複
数の電線Aの布線経路に沿った方向(X方向)と直交す
る横方向(Y方向)に、機枠98に設けられたロッドレ
スシリンダ等からなるアクチュエータ192により往復
移動自在に配設される。従って、移動テーブル186に
基板188を介して配設された前記圧接治具134乃至
142の各下型治具144は、第1圧接機構部12から
第2圧接機構部14にわたって布線される複数の電線A
の布線経路上の電線布線区域Cと、その布線経路に沿っ
た方向と直交する横方向(Y方向)へ所定距離離間した
電線圧接区域Dとの間をアクチュエータ192の駆動に
より往復移動する。
【0065】そこで、第1圧接機構部12から第2圧接
機構部14にわたる複数の電線Aの布線は、アクチュエ
ータ192の復動操作により、移動テーブル186、即
ち、圧接治具134乃至142の下型治具144が電線
布線区域Cまで後退した位置の個所で行われる。即ち、
その布線位置Cにおいて、電線布線キャリッジ16が、
図5に示すように、電線Aの布線経路に沿った方向(X
方向)に第1圧接機構部12から第2圧接機構部14に
向けて走行移動し、電線供給部10から供給される複数
の電線Aが第1圧接機構部12から第2圧接機構部14
にわたって送出される。その過程において、電線Aの先
端部が、図28、29に示すように、圧接治具134、
136、138の各下型治具144の電線ガイド154
内に挿入され、電線Aの中間部が第1、第2圧接機構部
12、14間で必要に応じて弛みが形成されながら布線
され、更に、電線Aの後端部が圧接治具140、142
の各下型治具144の電線ガイド154内に挿入されて
布線される。
【0066】前記第1、第2圧接機構部12、14は、
前記圧接治具134乃至142の各下型治具144に布
線される電線A、即ち、14本の電線A1乃至A14の
先端部及び後端部が位置ずれ、変形等を起こさないよう
に防止する電線把持手段194、196を有する。
【0067】電線把持手段194、196は、図5に示
すように、それぞれ第1圧接機構部12の圧接治具13
4、136、138及び第2圧接機構部14の圧接治具
140、142に隣接して各移動テーブル186上に配
設される。電線把持手段194は、前記圧接治具13
4、136、138の下型治具144に布線される電線
Aの先端部が、電線布線区域Cから電線圧接区域Dへの
移動又は電線圧接区域Dにおけるコネクタ148の圧接
端子150への圧接の際、位置ずれ、変形、電線ガイド
154からの離脱等を起こさないように把持する機能を
有する。また、電線把持手段196は、前記圧接治具1
40、142の下型治具144に布線される電線Aの後
端部が、その切断時、電線布線区域Cから電線圧接区域
Dへの移動又は電線圧接区域Dにおけるコネクタ148
の圧接端子150への圧接の際、位置ずれ、変形、電線
ガイド154からの離脱等を起こさないように把持する
機能を有する。
【0068】電線把持手段194は、図5、図30乃至
35に示すように、第1圧接機構部12から第2圧接機
構部14にわたって布線される電線Aの布線経路に沿っ
た方向(X方向)と直交する横方向(Y方向)へ電線A
の上を横切るように往復移動自在に、且つ、基部を支点
にして上下方向に揺動自在に配設される複数のクランプ
レバー198と、そのクランプレバー198を前記電線
Aの上を横切るように直線的に往復移動させるレバー直
線駆動源200と、クランプレバー198の先端側に配
設されてクランプレバー198の先端を押し下げること
によりクランプレバー198の中間で電線Aを押し付け
て電線Aを把持するレバー押下げ駆動部202とを備え
る。
【0069】更に詳細に説明すると、電線把持手段19
4は、図示するものでは、クランプレバー198を3個
備え、図5、34、35に示すように、圧接治具134
と圧接治具136の各下型治具144間、圧接治具13
6と圧接治具138の各下型治具144間及び圧接治具
138の第2圧接機構部14側寄りの計3個所に前記X
方向に並列して設けられる。各クランプレバー198
は、その長手方向の中央部よりも少し先端側に位置し、
圧接治具134側の側面部位にねじ止め固定されて電線
Aを上から押し付けて把持するためのクランププレート
204を有する。また、前記レバー198の基部がそれ
ぞれロッドレスシリンダからなる3個のレバー直線駆動
源200の往復移動体206に取り付けられる支点ブロ
ック208に突設された支点軸210に、その支点軸2
10を支点にして上下方向に揺動自在にそれぞれ枢着さ
れる。これら3個のレバー直線駆動源200は、それぞ
れ移動テーブル186上にシリンダ用ブラケット212
を介して固定支持される。
【0070】そして、レバー直線駆動源200の往動操
作により、クランプレバー198が前記Y方向へ布線さ
れる電線Aの上を横切るように電線圧接区域Dに向けて
前進し(図35参照)、レバー直線駆動源200の復動
操作により、クランプレバー198が電線布線区域Cに
向けて後退する(図34参照)。なお、クランプレバー
198を前進させたときに、そのクランププレート20
4が布線される電線Aに衝突して、電線Aを損傷した
り、クランプレバー198の前進を妨げたり等すること
がないように、例えば、支点軸210近傍のクランプレ
バー198と支点ブロック208間にばね211(図3
0、47、48参照)を介在させ、クランプレバー19
8を図30、33、34で時計方向に揺動させる付勢力
を付与し、クランプレバー198の先端側が基部側より
も少し上向くように傾斜させておくことが望ましい。
【0071】レバー押下げ駆動部202は、図30乃至
33に示すように、移動テーブル186上に設けられた
角棒状の支持ベース214にL型ブラケット216を介
して取り付けられるレバー押下げ用駆動源の流体圧シリ
ンダ218と、そのピストンロッド218Aに連結プレ
ート220を介して昇降自在に取り付けられ、クランプ
レバー198を押し下げて押えるレバー把持ブロック2
22とを備える。
【0072】連結プレート220は、図32、33に示
すように、T形状をしており、その胴幹部220Aにレ
バー把持ブロック222が止めねじ221により取付け
固定される(図31、32参照)。レバー把持ブロック
222の内側下縁部にはクランプレバー198の先端上
部を押し当て易いようにL型面取り部222Aが形成さ
れている。また、連結プレート220の両側の鍔部22
0Bには先端がL型ブラケット216に緩挿される一対
のガイドピン224が設けられる。更に、レバー把持ブ
ロック222の前記胴幹部220Aを挟む両側には、先
端が前記支持ベース214に螺着されて固定されるガイ
ドピンボルト226が嵌挿される。そこで、レバー把持
ブロック222は、流体圧シリンダ218のピストンロ
ッド218Aの伸長、縮退により、ガイドピン224、
ガイドピンボルト226で案内されながら昇降する。
【0073】電線把持手段194は次のように使用す
る。即ち、図21乃至23に示す圧接治具134の下型
治具144に布線される電線A、例えば、4本の電線A
1乃至A4の先端部を把持する場合には、左側のレバー
直線駆動源200の往動操作により、左側のクランプレ
バー198を前進させ、その先端をレバー押下げ駆動部
202のレバー把持ブロック222の下部に挿入すると
共に、クランププレート204を電線A1乃至A4の真
上に配置する。次にレバー押下げ駆動部202の流体圧
シリンダ218の復動操作によりピストンロッド218
Aを縮退させ、レバー把持ブロック222を下降させ、
そのL型面取り部222Aを左側のクランプレバー19
8の先端上部に押し当てて、該レバー198の先端を押
し下げる(図30、35参照)。これにより、クランプ
プレート204を電線A1乃至A4の上面に押し付け、
前記下型治具144に設けられたクランプ受台160と
の間に把持する(図30、33、35参照)。
【0074】次に、圧接治具136の下型治具144に
布線される、例えば、5本の電線A5乃至A9の先端部
を把持する場合には、レバー押下げ駆動部202の流体
圧シリンダ218の往動操作によりピストンロッド21
8Aを伸長させて、レバー把持ブロック222を上昇さ
せ、前記左側のクランプレバー198による電線A1乃
至A4の把持を一旦解除する。ただし、該クランプレバ
ー198は前進した位置の保持される。このようにし
て、真中のクランプレバー198の先端がレバー把持ブ
ロック222の下部に容易に挿入できるようにし、それ
とほぼ同時に、真中のレバー直線駆動源200の往動操
作により、真中のクランプレバー198を前進させて、
その先端をレバー把持ブロック222の下部に挿入す
る。次に、レバー押下げ駆動部202を操作してレバー
把持ブロック222を再度下降させ、前記左側及び真中
の両クランプレバー198の各先端を同時に押し下げ、
そのクランププレート204の押付けにより、電線A1
乃至A9を圧接治具134、136の各下型治具144
に対応するクランプ受台160との間に把持する。
【0075】圧接治具138の下型治具144に布線さ
れる残りの5本の電線A10乃至A14の先端部を把持
する場合も同様の操作により行う。即ち、レバー押下げ
駆動部202の操作でレバー把持ブロック222を上昇
させるとほぼ同時に、右側のレバー直線駆動源200の
往動操作により右側のクランプレバー198を前進させ
て、その先端をレバー把持ブロック222の下部に挿入
し、レバー把持ブロック222を下降させて、3個のク
ランプレバー198の各先端を同時に押し下げ、14本
の電線A1乃至A14を同時に把持する(図35参
照)。
【0076】14本の電線A1乃至A14の把持を解除
する場合には、後記するように電線A1乃至A14の各
先端部をコネクタ148の圧接端子150に圧接した後
に行う。この場合には、レバー押下げ駆動部202の流
体圧シリンダ218の往動操作により、そのピストンロ
ッド218Aを伸長させ、レバー把持ブロック222を
上昇させて、3個のクランプレバー198の各先端から
上方へ離反させるのとほぼ同時に、3個のレバー直線駆
動源200を復動操作して、各クランプレバー198を
元の待機位置まで後退させ(図34参照)、電線A1乃
至A14の圧接治具134、136、138の下型治具
144からの把持を解除する。
【0077】電線把持手段196は、図5に示すよう
に、クランプレバー198及びレバー直線駆動源200
をそれぞれ2個備え、前記圧接治具134、136、1
38側に配設される3個のクランプレバー198及びレ
バー直線駆動源200とは対称に配設される。即ち、電
線把持手段194と電線把持手段196のクランプレバ
ー198同士及びレバー直線駆動源200同士が対向す
るように配設される。その他の構成は実質上電線把持手
段194と同一である。
【0078】電線把持手段196を用いて、圧接治具1
40、142の下型治具144に布線される電線Aの後
端部を把持する方法は、前記電線把持手段194による
方法と実質上同一である。詳細な説明は後記するが、圧
接治具140の下型治具144に布線される14本の電
線A1乃至A14の後端部は左側のクランプレバー19
8を揺動、押し下げて把持する。その後、9本の電線A
1乃至A4の後端部は前記カッター機構108のカッタ
ー刃118で切断し、圧接治具142の下型治具144
まで布線される10本の電線A5乃至A14の後端部は
右側のクランプレバー198を押し下げて把持する。ま
た、14本の電線A1乃至A14の後端部の把持を解除
する場合には、前記電線A1乃至A14の先端部の把持
を解除するのと同様な方法で同時に行う。
【0079】電線把持手段194、196が上記のよう
にクランプレバー198を電線Aを横切るように直線的
に移動させると共に、基部を支点として揺動させながら
て押し下げて電線Aを把持するような構成になっている
と、複数の電線Aが屈曲、変形等していても、これらを
より確実に把持することができ、電線Aの圧接作業が容
易になるので好ましい。
【0080】前記圧接治具134乃至142の各上型治
具146は、図5に示す前記電線圧接区域Dにあって、
各下型治具144が電線圧接のためにY方向へ電線圧接
区域Dまで移動したとき、各下型治具144の上方に位
置するように配設される。複数の電線Aの先端部を圧接
する圧接治具134、136、138の各上型治具14
6は、図36に示すように、機枠98の上部に立設され
た溝型鋼材からなる一対の支柱228の上部に設けられ
た天井ベース230に搭載される後記の上型治具駆動手
段248により、また、複数の電線Aの後端部を圧接す
る圧接治具140、142の各上型治具146は、後記
の上型治具駆動手段250により、電線圧接作業のため
に、それぞれ、下型治具144に対向する水平な下向き
位置Eと垂直な横向き位置Fとの間で回動自在に、且
つ、昇降自在に配設される。なお、この天井ベース23
0と支柱100の上部に設けられた天井取付板102と
は溶接等により一体に固定される。
【0081】図36は、図5の第1、第2圧接機構部1
2、14を背面側から見た場合に、各機構部12、14
の圧接治具134乃至142の上型治具146が上型治
具駆動手段248、250により垂直な横向き位置Fに
配設された状態を示している。図36から分かるよう
に、第1圧接機構部12側の上型治具駆動手段248に
は第1圧接機構部から第2圧接機構部に向けて3個の圧
接治具134、136、138の上型治具146が並列
して配設される。また、第2圧接機構部14側の上型治
具駆動手段250には、同様に第1圧接機構部12から
第2圧接機構部14に向けて2個の圧接治具140、1
42の上型治具146が並列して配設される。これら第
1、第2圧接機構部12、14における圧接治具134
乃至142の各上型治具146はそれぞれ前記下型治具
144に対応しており、電線圧接の際、嵌合して組み合
わされる。
【0082】図36中に丸円で囲ってある上型治具14
6は、第1圧接機構部12側の圧接治具134の上型治
具146であり、図37乃至39に示すような構成にな
っている。即ち、図15に示すような複数の圧接端子1
50を有するコネクタ148が配置されるコネクタ治具
232と、コネクタ治具232を収納するコネクタ治具
ホルダ234と、コネクタ治具ホルダ234を上型治具
駆動手段248に取り付けるためのホルダーベース23
6とを備える。
【0083】ホルダーベース236は矩形板状体で形成
され、その一方の面(作業面)の長手方向(長辺軸線方
向)の両端部近傍には、その長手方向に所定間隔を隔て
て一対の角状ボス238が溶接等により突設され、角状
ボス238内には、前記下型治具144との嵌合、組合
せ時に、両治具の位置合わせのための下型治具144の
ガイドピン176を挿入案内するガイド孔240が形成
される。また、前記一方の面の長手方向の中央部には、
コネクタ治具ホルダ234をホルダーベース236の該
面に平行な面内で回動自在に支持して、該ホルダ23
4、即ち、コネクタ治具232に配置されるコネクタ1
48の位置決めを行う位置決めガイドピン242が回動
自在に設けられる。
【0084】コネクタ治具ホルダ234も同様に矩形板
状体で形成されて、その一方の面(作業面)にコネクタ
治具232を収納するための矩形状の収納溝234Aが
形成され、ホルダーベース236の位置決めガイドピン
242の先端部に螺着、固定され、ホルダーベース23
6に対してその面に平行な面内で回動自在に支持され
る。
【0085】また、コネクタ治具232は矩形状ブロッ
クで形成されて、その一方の面(作業面)に前記コネク
タ148を収納して配置するための矩形状の収納溝23
2Aが形成される。更に、コネクタ治具232の前記収
納溝232A側にあって、ホルダーベース236の角状
ボス238から遠い側に位置する二つの隅部のうち、一
方の隅部近傍の短辺側側壁232Bには、収納溝232
Aに連通するスリット232Cが形成される。また、こ
の短辺側側壁232Bと前記隅部近傍の長辺側側壁23
2Dにまたがるようにしてスリット232Cを通る支点
ピン244が取り付けられ、この支点ピン244にはく
の字形状のコネクタ取出しレバー246が回動自在に支
持される。このレバー246はスリット232Cに嵌挿
されて案内されながら支点ピン244の回りに時計、又
は反時計方向に回動する。そして、図37乃至39に示
すように、その押上作動部246Aがコネクタ治具23
2に配置されるコネクタ148とコネクタ治具232の
収納溝232Aとの間に介挿されて、操作ハンド部24
6Bがコネクタ治具232及びコネクタ治具ホルダ23
4から外方へ突出するようになっている。
【0086】このコネクタ取出しレバー246は、コネ
クタ治具232にコネクタ148が配置されている状態
では、図37に示すような位置に配置される。そして、
圧接端子150への電線Aの圧接が終了後、コネクタ治
具232からコネクタ148を電線Aと共に取り出す場
合には、コネクタ取出しレバー246の操作ハンド部2
46Bを図37の傾斜状態から時計方向(図37の矢印
方向)に回動させて、図39に示すように、同図でほぼ
垂直に引き起こすことにより、押上作動部246Aが垂
直状態から時計方向(図37の矢印方向)へ回動して傾
斜し、てこの原理を利用して、コネクタ148をコネク
タ治具232の収納溝232Aから離脱させて取り出す
ことができる。
【0087】第1圧接機構部12側の圧接治具136、
138の2個の上型治具146も前記圧接治具134の
上型治具146と同一構成であり、図36から明らかな
ように、圧接治具134の上型治具146と同じ向きに
並列して配設される。第2圧接機構部14側の圧接治具
140、142の2個の上型治具146も前記圧接治具
134乃至138の3個の上型治具146と同一構成で
あるが、図36に示すように、この上型治具146に対
して180度反転した向きに2個並列して配設される。
従って、そのコネクタ治具232は図40(a)(b)
に示すように、コネクタ取出しレバー246の操作ハン
ド部246Bが下方に位置する状態に配設される。
【0088】図40(a)のコネクタ治具232では、
これにコネクタ148が配置されているときのコネクタ
取出しレバー246の配置状態を示し、図40(b)の
コネクタ治具232では、コネクタ治具232からコネ
クタ148を取り出すときのコネクタ取出しレバー24
6の配置状態が示してある。圧接治具134乃至138
の3個の上型治具146と圧接治具140、142の2
個の上型治具146の配設状態は逆向きであるが、電線
Aの圧接及びコネクタ取外しの機能は実質上同じであ
る。
【0089】圧接治具134、136、138の3個の
上型治具146を回動、昇降させる上型治具駆動手段2
48は、図41乃至43に示すように、上型治具回動部
252と、上型治具回動部252に配設される上型治具
146を対応する下型治具144に対向する水平な下向
き位置Eと垂直な横向き位置Fとの間で回動させる上型
治具回動駆動部254と、上型治具回動部252、即
ち、上型治具146を昇降させる上型治具昇降駆動部2
56と、電線圧接作業位置まで下降した上型治具回動部
252、即ち、上型治具146が、電線圧接作業の際
(圧接作業開始前に下型治具144と嵌合して組み合わ
さったときを含む)、下型治具144の圧接刃156の
押し上げ移動により上方へ変位して浮き上がるのを防止
する浮き防止ロック部258とから成る。
【0090】上型治具回動部252は、矩形板状の昇降
ベース260の中央下部に溶接等により固定される支点
ブロック262と、矩形板状の上型治具取付用ベース2
64と、上型治具取付用ベース264を支点ブロック2
62に回動自在に連結させる連結支点シャフト266と
を有する。
【0091】そして、上型治具取付用ベース264の長
手方向の両端下部には間隔を隔てて一対の支点サイドプ
レート268が溶接等により固定され、支点サイドプレ
ート268間には、一対の管状スペーサ270を介して
支点ブロック262が介挿される。また、連結支点シャ
フト266は、両支点サイドプレート268にまたがる
ように、これらサイドプレート268、支点ブロック2
62及び管状スペーサ270内に嵌挿される。そして、
支点ブロック262及び管状スペーサ270に対しては
回動自在であるが、両支点サイドプレート268に対し
ては回動不能にキー等(図示省略)で一体に固定され
る。従って、連結支点シャフト266を回動させると、
上型治具取付用ベース264も該シャフト266と同一
方向に同一角度だけ回動する。
【0092】なお、上型治具取付用ベース264の外面
には、前記上型治具146のホルダーベース236(図
37乃至39参照)がボルト等により着脱自在に取り付
けられる。そこで、連結支点シャフト266を後記の上
型治具回動駆動部254で回動させることにより、上型
治具取付用ベース264を前記下型治具144に対向す
る水平な下向き位置Eと垂直な横向き位置Fとの間で往
復回動させることができる。
【0093】上型治具回動駆動部254は、昇降ベース
260の長手方向の一方の端部、例えば、第2圧接機構
部14側の端部にL型ブラケット272及びコ字状治具
273により取り付けられる上型治具回動用駆動源の上
型治具回動用シリンダ274と、連結支点シャフト26
6の前記回動用シリンダ274と対向する一端部(第2
圧接機構部14側)に基部がキー等(図示省略)で一体
に固定され、該シャフト266の中心を回動中心として
揺動するシャフト回動レバー276とを有する。
【0094】そして、上型治具回動用シリンダ274の
ピストンロッド274Aの先端がレバー取付具278に
よりシャフト回動レバー276の先端に回動自在に連結
される。そこで、前記回動用シリンダ274の往動操作
により、そのピストンロッド274Aを伸長させると、
シャフト回動レバー276を介して連結支点シャフト2
66が図41で時計方向に回動する。これにより、上型
治具回動部252側の上型治具取付用ベース264が図
41に示すように、下型治具144に対し垂直な横向き
位置Fまで回動し、電線圧接作業の待機状態になる。一
方、上型治具回動用シリンダ274の復動操作により、
そのピストンロッド274Aを縮退させると、連結支点
シャフト266が図41で反時計方向に90度回動し、
上型治具取付用ベース264が下型治具144に対向す
る水平な下向き位置Eまで回動し、電線圧接作業の状態
(準備状態を含む)になる。
【0095】上型治具昇降駆動部256は、上型治具回
動部252及び上型治具回動駆動部254を把持する昇
降ベース260と、昇降ベース260を下位の電線圧接
作業位置と上位の電線非圧接退避位置との間で往復昇降
させる駆動源である上型治具昇降用シリンダ280と、
下端が昇降ベース260に長手方向へ離間させてナット
282により締着され、上端が上方に突出するスロープ
284Aを有する浮き防止ブロック284にナット28
2により締着される一対のリニアガイド部材であるリニ
アガイドシャフト286とを有する。
【0096】そして、上型治具昇降用シリンダ280の
本体が前記天井ベース230(図5、36参照)に、リ
ニアガイドシャフト286間に配置されるようにしてボ
ルト等により締め付け固定されると共に、そのピストン
ロッド280Aが前記浮き防止ブロック284によりね
じ締着される。また、一対のリニアガイドシャフト28
6は、上型治具昇降用シリンダ280の両外側方に位置
するように天井ベース230に設けられた一対のリニア
ガイド用スリーブ288に昇降自在に嵌挿される。これ
により、上型治具昇降用シリンダ280の復動操作によ
り、そのピストンロッド280Aを縮退させると、昇降
ベース260がリニアガイドシャフト286に案内され
ながら、これと共に電線圧接作業位置まで下降する。一
方、上型治具昇降用シリンダ280の往動操作により、
そのピストンロッド280Aを伸長させると、昇降ベー
ス260がリニアガイドシャフト286に案内されなが
ら、これと共に電線非圧接退避位置まで上昇する。
【0097】浮き防止ロック部258は、上方に突出す
るスロープ284Aを有する浮き防止ブロック284
と、天井ベース230の上部に取り付けられ、浮き防止
ブロック284を収納すると共に、頂部に浮き防止ブロ
ック284を出没させる矩形板状の貫通穴290Aを有
するお膳型の浮き防止ロック用フレーム290と、該フ
レーム290の天井部290Bの内壁面に設けられた一
対のスライドガイド292に案内され、該フレーム29
0内を出入りする内方へ突出するスロープ294Aを有
する浮き防止ロックスライド294と、浮き防止ロック
用フレーム290にL型ブラケット296を介して取り
付けられ、ピストンロッド298Aが浮き防止ロックス
ライド294にねじ締着されて、該ロックスライド29
4を進退させる浮き防止用駆動源の浮き防止用シリンダ
298とより成る。
【0098】そして、上型治具駆動手段248が電線圧
接作業の待機位置、即ち、待機状態にあるときには、上
型治具昇降駆動部256の上型治具昇降用シリンダ28
0の往動操作により、そのピストンロッド280Aが伸
長して、昇降ベース260、即ち、上型治具146がリ
ニアガイドシャフト286に案内されながら、これと共
に上昇して、電線非圧接退避位置に保持される。従っ
て、浮き防止ロック部258の前記浮き防止ブロック2
84が図41に示すように、浮き防止ロック用フレーム
290の上部より突出し、浮き防止用シリンダ298の
復動操作により、ピストンロッド298Aが縮退し、浮
き防止ロックスライド294がスライドガイド292に
案内されながら後退して、浮き防止ロック用フレーム2
90より退出する。
【0099】一方、上型治具駆動手段248が電線圧接
作業の準備状態及び圧接作業状態にあるときには、上型
治具昇降用シリンダ280の復動操作により、そのピス
トンロッド280Aが縮退し、昇降ベース260、即
ち、上型治具146が下降して電線圧接作業位置に保持
されるので、浮き防止ブロック284が浮き防止ロック
用フレーム290内に没入し、引き続き、浮き防止用シ
リンダ298の往動操作により、ピストンロッド298
Aが伸長し、浮き防止ロックスライド294が前進し
て、浮き防止ロック用フレーム290内に進入し、該ス
ライド294のスロープ294Aが、浮き防止ブロック
284のスロープ284Aに突き当たって押し付け、昇
降ベース260、即ち、上型治具146が昇降移動しな
いようにロックする。これにより、電線圧接作業位置ま
で下降した上型治具回動部252、即ち、上型治具14
6が電線圧接作業の際、上方へ変位して浮き上がるのを
確実に防止する。上型治具駆動手段248は以上のよう
に構成される。
【0100】上型治具駆動手段248が電線圧接作業の
待機状態にあるときには、図44に示すように、上型治
具回動部252の上型治具取付用ベース264が、上型
治具回動駆動部254の上型治具回動用シリンダ274
の往動操作により、下型治具144に対し垂直な横向き
位置Fに保持されている。そして、電線圧接作業の際に
は、その上型治具取付用ベース264が、図45に示す
ように、前記上型治具回動用シリンダ274の復動操作
により、垂直な横向き位置Fから下型治具144に対向
する水平な下向き位置Eまで回動する。更に、その上型
治具取付用ベース264が、図46に示すように、上型
治具昇降駆動部256の上型治具昇降用シリンダ280
の復動操作により、下位の電線圧接作業位置まで下降
し、更に、浮き防止ロック部256の浮き防止用シリン
ダ298の往動操作により、浮き防止ブロック284が
ロックされて、上型治具取付用ベース264の浮き上が
りが防止される。
【0101】圧接治具140、142の2個の上型治具
146を回動、昇降させる上型治具駆動手段250は、
上型治具駆動手段248における上型治具回動駆動部2
54の上型治具回動用シリンダ274(シャフト回動レ
バー276を含む)を、図5に示すように、第1圧接機
構部12側に配設して構成されるものである。その他の
構成並びに駆動手段の機能は両者実質同じである。従っ
て、重複を避けるため、詳細な説明を省略する。
【0102】第1圧接機構部12側の圧接治具134、
136、138の各下型治具144の下方には、図5に
示すように、下型治具144の圧接刃156を対向する
上型治具146におけるコネクタ148の圧接端子15
0に複数の電線Aの先端部を圧接するために押し上げ移
動させる下型治具昇降手段300が配設される。また、
第2圧接機構部14側の圧接治具140、142の各下
型治具144の下方にも同様に、下型治具144の圧接
刃156を対向する上型治具146におけるコネクタ1
48の圧接端子150に複数の電線Aの先端部を圧接す
るために押し上げ移動させる下型治具昇降手段302が
配設される。これら下型治具昇降手段300、302は
実質上同一構成になっている。そこで、主に下型治具昇
降手段300の構成を図47、48を参照して説明す
る。
【0103】下型治具昇降手段300は、圧接治具13
4、136、138の各下型治具144の中央部より下
方に突出する胴幹部164Aに対向するように、その下
方に隙間をおいて配置される直方体からなる1個の圧接
刃押上用ブロック304と、圧接刃押上用ブロック30
4を下方から支持する昇降スライドフレーム306と、
昇降スライドフレーム306にピストンロッド308A
がねじ締着により接続されて昇降スライドフレーム30
6を昇降移動させる圧接刃押上用駆動源である1又は複
数の圧接刃押上用シリンダ308と、昇降スライドフレ
ーム306の昇降移動をガイドするガイド部材である複
数本(図示のものは4本)のリニアガイドシャフト31
0とを備える。圧接刃押上用シリンダ308を複数配設
する場合には、紙面の表裏方向に並列して配設するのが
望ましい。
【0104】また、電線圧接区域Dにおける圧接治具1
34、136、138が配設される個所の機枠98に
は、その上部より垂直下方に延出するように、複数本の
支柱312、図示のものは、圧接刃押上用シリンダ30
8及びリニアガイドシャフト310を間にして左右方向
に2本、前後方向(紙面の表裏方向)に2本の計4本の
支柱312がねじ締着により取り付けられ、これら支柱
312に、上下2段にガイドシャフト取付ベース314
及びシリンダ取付ベース316が横架される。前記リニ
アガイドシャフト310はそれぞれ上段のガイドシャフ
ト用ベースに設けられた鍔付管状取付具318に挿入さ
れロックピン320で固定して取り付けられる。前記圧
接刃押上用シリンダ308はねじ、ボルト、フランジ等
の締付手段により取り付けられる。
【0105】更に、昇降スライドフレーム306のリニ
アガイドシャフト310が貫通する個所には、筒状スラ
イドブッシュ311が挿着され、該ブッシュ311内の
上下両端部分にニードルベアリング、潤滑性金属筒状平
軸受等の軸受313が嵌着され、これら軸受313内を
前記リニアガイドシャフト310がスライドしながら挿
通するようになっている。なお、322はガイドシャフ
ト取付ベース314とシリンダ取付ベース316との間
の間隔を保持するために、支柱312の下半部に外挿さ
せた管状スペーサである。また、324は前記圧接刃押
上用シリンダ308のピストンロッド308Aの基部突
段部308Bとガイドシャフト取付ベース314との間
のピストンロッド308A外周に介挿させたコイルスプ
リングで、圧接刃押上用シリンダ308の往動操作で該
スプリング324の付勢に抗して伸長させたピストンロ
ッド308Aを、該シリンダ308の復動操作の際、強
制的に縮退させる機能を有する。
【0106】前記下型治具昇降手段302の構成は、3
個の圧接治具134、136、138の下型治具144
に対応する下型治具昇降手段300と実質同一である。
従って、同一の大きさに形成してもよいが、2個の圧接
治具140、142の下型治具144に対応するものな
ので、下型治具昇降手段300のものより各部の寸法を
小さくしたり、圧接刃押上用シリンダ308の個数を減
少する等して小型化を図ることが望ましい。
【0107】上記下型治具昇降手段300、302は、
電線圧接作業の待機状態にあるときには、電線圧接区域
Dにおいて、図47に示すように、圧接刃押上用シリン
ダ308の復動操作により、そのピストンロッド308
Aが下方に縮退し、圧接刃押上用ブロック304が下降
して下型治具144の胴幹部164Aとの間に隙間(ギ
ャップ)が形成された状態にある。次に、電線圧接作業
の状態にあるときには、図48に示すように、圧接刃押
上用シリンダ308の往動操作により、ピストンロッド
308Aが伸長し、圧接刃押上用ブロック304が上昇
して下型治具144の圧接刃156を押し上げ移動さ
せ、電線圧接作業を行い、その作業終了後は、電線圧接
作業と逆動作で元の電線圧接作業の待機状態(図47参
照)に戻り、次の電線圧接作業に備える。
【0108】第1、第2圧接機構部12、14の構成は
以上の通りである。そこで、圧接治具134乃至142
の各上型治具146に配置されるコネクタ148の複数
の圧接端子150に複数の電線A、例えば、電線A1乃
至A14を圧接し、更に、絶縁被覆物を押圧把持する場
合には、図5に示すように、電線布線区域Cにおいて、
第1圧接機構部12から第2圧接機構部14にわたっ
て、圧接治具134、136、138及び圧接治具14
0、142の各下型治具144にまたがるように複数の
電線Aを布線した後、電線Aの先端部及び後端部を電線
把持手段194、196で把持し、その把持状態を保持
しながら第1、第2圧接機構部12、14の両移動テー
ブル186をアクチュエータ192によりリニアガイド
レール190に沿って、電線布線区域Cから電線圧接区
域Dまで移動させる。
【0109】これにより、移動テーブル186に配設さ
れている圧接治具の各下型治具144も電線圧接区域D
まで移動させ、この区域Dに予め配設されている圧接治
具134乃至142の各上型治具146の真下に位置さ
せる(図47参照)。次に、上型治具146を上型治具
駆動手段248、250により、図45に示すように、
下型治具144に対して垂直な横向き位置Fから水平な
下向き位置Eまで回動させ、更に、図46に示すよう
に、電線圧接作業位置まで下降させ、図14、15に示
すように、下型治具144と嵌合して組み合わせる。次
に、図48に示すように、各下型治具144の圧接刃1
56を下型治具昇降手段300、302により押し上げ
移動させ、該圧接刃156を前記コネクタ148の複数
の圧接端子150のキャビティ151に挿入し、前記電
線Aの先端部及び後端部を前記圧接端子150のキャビ
ティ151に圧入し、キャビティ内壁に内向きに突設さ
れた複数の食込み刃152と電気的に接続する(図49
参照)。
【0110】また、各下型治具144の圧接刃156に
隣接して配設されている、電線Aの絶縁被覆物押圧把持
用の押圧絶縁把持刃168も、下型治具昇降手段30
0、302により、図50に示すような押圧把持の待機
状態から押し上げ移動させ、その凹凸溝168Aをコネ
クタ148の圧接端子150の絶縁把持片153に押し
付けて押圧し、該端子150の絶縁把持片153を折り
曲げて前記電線Aの絶縁被覆物の外周面に食い込ませ、
図51に示すように、前記電線Aの先端部及び後端部の
絶縁被覆物を押圧把持する。
【0111】本発明のワイヤーハーネスの製造装置は、
以上説明したように、供給される電線Aが第1圧接機構
部12と第2圧接機構部14との間で所定の長さ弛むよ
うに、少なくとも第1圧接機構部12と第2圧接機構部
14との間で往復移動自在に配設され、電線供給部10
から供給される複数の電線Aを整列しながら1本又は複
数の電線A毎に独立して送出させる電線布線キャリッジ
16を用いて布線を行うので、第1圧接機構部12から
第2圧接機構部14にわたって複数の電線Aをこれら圧
接機構部12、14間で所定長さ弛ませながら布線する
ことが可能になる。
【0112】従って、これら圧接機構部12、14間の
距離を短くすることが可能になって製造装置全体を小型
化することができ、また、広い占有面積を必要としなく
なり、製造装置を製作する設備費用を低減することがで
きる。更に、1本又は複数の電線A毎に所定長さそれぞ
れ独立して弛ませることができることから、複数の異な
る長さのワイヤーハーネスを一回の圧接サイクルの中で
能率よく製造することが可能となる。従って、ワイヤー
ハーネスの生産性が向上して、その製造コストを引き下
げることができる。
【0113】また、前記第1圧接機構部12の圧接治具
134、136、138及び第2圧接機構部14の圧接
治具140、142が圧接刃156を備えた下型治具1
44とコネクタ148が配置された上型治具146とを
着脱自在に組み合わせて構成され、下型治具144が電
線Aの布線経路上の電線布線区域Cと布線経路に沿った
方向と直交する横方向へ所定距離離間した電線圧接区域
Dとの間を往復移動自在に配設され、上型治具146が
電線圧接区域Dに回動及び昇降自在に配設される構成に
なっていると、電線Aの布線作業と圧接作業を分離させ
て行うことができるので、各作業をより精度よく確実に
行うことができて作業ミス(失敗)がより減少し、ワイ
ヤーハーネスの製造歩留まりがより向上するほか、本製
造装置でコネクタ148の圧接端子150に電線Aを圧
接させたワイヤーハーネスを圧接治具134乃至142
からより迅速、且つ、容易に取り出すことができ、作業
性がより向上するので好ましい。
【0114】次に、本発明の前記実施形態の製造装置を
用いてワイヤーハーネスを製造する方法の一例を説明す
る。図52は、4本の電線A1乃至A4の両端にそれぞ
れ4個の圧接端子150を圧接してコネクタ148(図
示省略)を接続したワイヤーハーネスW1、5本の電線
A5乃至A9の両端にそれぞれ5個の圧接端子150を
圧接してコネクタ148(図示省略)を接続したワイヤ
ーハーネスW2及び5本の電線A10乃至A14の両端
にそれぞれ5個の圧接端子150を圧接してコネクタ1
48(図示省略)を接続したワイヤーハーネスW3を1
圧接サイクルで製造するために、第1、第2圧接機構部
12、14の圧接治具134乃至142の下型治具14
4間に、14本の電線A1乃至A14を布線した状態を
示すもので、(a)は平面略図、(b)は正面略図であ
る。
【0115】前記図52及び図53乃至81の概略図を
参照しながら、例えば、それぞれ長さの異なる3本のワ
イヤーハーネスW1、W2、W3を1圧接サイクルで製
造する方法を説明する。なお、装置各部の動作を制御す
る手段は、通常のシーケンス制御、プログラム制御等に
よる手段を利用するので説明を省略する。
【0116】図53は本発明の装置を用いてワイヤーハ
ーネスW1、W2、W3を製造するにあたり、電線布線
区域Cにおいて、第1、第2圧接機構部12、14に電
線A1乃至A14を布線する前の待機状態を示す概略図
である。この状態では、電線布線キャリッジ16は第2
圧接機構部14と電線供給部10との間に配置される。
また、電線布線、圧接作業に先立ち、14本の電線A1
乃至A14の各先端部を予め電線供給部10から供給し
て、電線布線キャリッジ16の電線送出ロール64と補
助押えロール66の間を通し、電線ガイド部材54内に
所定長さ引き出しておく。更に、電線布線キャリッジ1
6の14個の電線送出用シリンダ86の往動操作によ
り、14本の電線A1乃至A14を両ロール64、66
間に把持すると共に、14個の電線ロック用シリンダ9
2の復動操作により14本の電線A1乃至A14の固定
を解除しておく。
【0117】次に、電線布線キャリッジ16を、図54
に示すように、アクチュエータ104の往動操作により
第2圧接機構部14の方へ移動(前進)させ、電線ガイ
ド部材54の先端が電線切断用受台122の手前の位置
(電線先端部の初期切断位置)に到達した時点で停止す
る。
【0118】次に、図55に示すように、電線布線キャ
リッジ16の電線送出モータ74を起動(正転)して電
線送出ロール64を回転させ、電線A1乃至A14の各
先端部を、電線ガイド部材54の先端から電線切断用受
台122の上を通り越す位置まで延出するように所定長
さ送出させて、これら電線A1乃至A14の先端部の切
断前の頭出しを行う。
【0119】次に、図56に示すように、カッター機構
108の電線切断用シリンダ116の往動操作によりカ
ッター刃118を下降させ、14本の電線A1乃至A1
4の先端部を初期切断して最先端を揃える。なお、この
初期切断終了後、電線切断用シリンダ116の復動操作
により、カッター刃118を上昇させ、元の待機位置ま
で退避させる。
【0120】次に、図57に示すように、電線布線キャ
リッジ16をアクチュエータ104の復動操作により第
2圧接機構部14側から電線供給部10に向けて後退移
動させ、図58に示すように、製造装置運転前の待機状
態の位置(図53の位置)で停止する。なお、電線布線
キャリッジ16が後退する際、電線布線キャリッジ16
と電線供給部10間で電線A1乃至A14が弛むが、こ
の弛みは電線供給部10の制御用ダンサー24で吸収さ
れる。
【0121】次に、電線供給部10から14本の電線A
1乃至A14を電線布線キャリッジ16側に供給しなが
ら、電線布線キャリッジ16を、図59に示すように、
アクチュエータ104の往動操作により第1圧接機構部
12側へ高速で移動(前進)させる。そして、電線布線
キャリッジ16が圧接治具134の布線開始位置、即
ち、圧接治具134(図の一番左側の治具)の下型治具
144に電線A1乃至A4の布線を開始する位置(図5
9の位置)まで後退移動したとき、その電線布線キャリ
ッジ16の後退移動を停止する。なお、電線布線キャリ
ッジ16内において、電線A1乃至A14は電線送出用
シリンダ86により把持された状態に置かれる。
【0122】次に、電線布線キャリッジ16において、
電線A5乃至A14の9個の電線ロック用シリンダ92
を往動操作して電線A5乃至A14を固定するとほぼ同
時に、電線A5乃至A14を把持している9個の電線送
出用シリンダ86を復動操作して電線A5乃至A14の
把持を開放する。一方、電線A1乃至A4は電線送出用
シリンダ86の往動操作により、電線送出ロール64、
補助押えロール66間に把持された状態に置かれる。
【0123】次に、アクチュエータ104を復動操作し
て、電線布線キャリッジ16を、図60に示すように、
第2圧接機構部14に向けて低速で後退移動させると共
に、電線布線キャリッジ16の電線送出モータ74を起
動して電線送出ロール64を図60で反時計方向にその
周速度が電線布線キャリッジ16の後退速度と一致する
ように同期回転させ、電線布線キャリッジ16が後退移
動した距離に相当する長さだけ電線A1乃至A4を圧接
治具134に向けて送出させる。
【0124】このようにして、4本の電線A1乃至A4
を圧接治具134の下型治具144に布線して行く。一
方、9本の電線A5乃至A14は電線送出ロール64か
ら離反しており、対応する9個の電線ロック用シリンダ
92で固定されているので、電線布線キャリッジ16と
一緒に後退移動し、該下型治具144には布線されない
(図52参照)。そして、電線A1乃至A4の該下型治
具144への布線が終了後、電線布線キャリッジ16の
移動及び電線送出モータ74の回転を停止する。
【0125】次に、電線把持手段194における圧接治
具134用のクランプレバー198をレバー直線駆動源
200の往動操作により前進させ、前進終了後、レバー
押下げ駆動部202の流体圧シリンダ218の復動操作
でクランプレバー198を押し下げ、圧接治具134の
下型治具144に布線される4本の電線A1乃至A4を
該下型治具144のクランプ受台160に把持する。
【0126】次に、アクチュエータ104を復動操作し
て電線布線キャリッジ16を、図61に示すように、第
2圧接機構部14に向けて低速で後退移動させると共
に、電線送出モータ74により、電線送出ロール64を
同期回転させて、電線A1乃至A4を、電線布線キャリ
ッジ16が後退移動した距離に相当する長さだけ送出さ
せる。そして、電線布線キャリッジ16が圧接治具13
6の布線開始位置(図61の位置)まで後退移動したと
き、その後退移動及び電線送出モータ74の回転を停止
する。これにより、圧接治具134、136の下型治具
144間に電線A1乃至A4を布線する(図52参
照)。
【0127】次に、電線布線キャリッジ16において、
電線A5乃至A9の把持を開放している5個の電線送出
用シリンダ86を往動操作して、電線A5乃至A9を前
記電線送出ロール64、補助押えロール66間に把持す
るとほぼ同時に、電線A5乃至A9を固定している5個
の電線ロック用シリンダ92を復動操作して、電線A5
乃至A9の固定を解除する。
【0128】次に、電線布線キャリッジ16を、図62
に示すように、第2圧接機構部14に向けて低速で後退
移動させると共に、前記電線送出モータ74により、前
記電線A5乃至A9も、前記電線A1乃至A4の場合と
同様に、該キャリッジ16の移動した距離に相当する長
さだけ圧接治具136の下型治具144に向けて送出さ
せる。このようにして、9本の電線A1乃至A9を圧接
治具136の下型治具144に布線して行く。一方、5
本の電線A10乃至A14は前記のようにそれぞれ5個
の電線ロック用シリンダ92で固定された状態に保持さ
れているので、該下型治具144には布線されない(図
52参照)。そして、電線A1乃至A9の布線が終了し
たら、電線布線キャリッジ16の後退移動及び電線送出
モータ74の回転を停止する。
【0129】次に、電線把持手段194における圧接治
具136用のクランプレバー198をレバー直線駆動源
200により前進させる。その前進動作開始と同時に、
レバー押下げ駆動部202の流体圧シリンダ218を一
旦往動操作して、レバー把持ブロック222を上昇さ
せ、電線A1乃至A4の把持を一旦解除する。そして、
前進した該レバー198の先端をレバー把持ブロック2
22の下部に挿入して、該レバー198の前進が終了し
た後、流体圧シリンダ218を元の復動操作状態に戻し
て、この復動操作によりレバー把持ブロック222を下
降させ、両圧接治具134、136の該クランプレバー
198を押し下げて、電線A1乃至A9を圧接治具13
6の下型治具144のクランプ受台160に把持する。
【0130】次に、アクチュエータ104を復動操作し
て電線布線キャリッジ16を、図63に示すように、第
2圧接機構部14に向けて低速で後退移動させると共
に、電線送出モータ74により、電線送出ロール64を
同期回転させて、電線A1乃至A9を、電線布線キャリ
ッジ16が後退移動した距離に相当する長さだけ送出さ
せる。そして、電線布線キャリッジ16が圧接治具13
8の布線開始位置(図63の位置)まで後退移動したと
き、その後退移動及び電線送出モータ74の回転を停止
する。これにより、圧接治具136、138の下型治具
144間に電線A1乃至A9を布線する(図52参
照)。
【0131】次に、図63の電線布線キャリッジ16に
おいて、電線A10乃至A14の把持を開放している5
個の電線送出用シリンダ86を往動操作して、更に、電
線A10乃至A14を把持するとほぼ同時に、電線A1
0乃至A14を固定している5個の電線ロック用シリン
ダ92を復動操作して、電線A10乃至A14の固定を
解除する。次に、電線布線キャリッジ16を、図64に
示すように、第2圧接機構部14に向けて低速で後退移
動させると共に、電線送出モータ74により、前記電線
A10乃至A14も、電線A1乃至A9の場合と同様
に、該キャリッジ16が後退移動した距離に相当する長
さだけ、圧接治具138の下型治具144に向けて送出
させる。
【0132】このようにして、14本の電線A1乃至A
14を圧接治具138の下型治具144に布線して行
く。そして、図64、52に示すように、全電線A1乃
至A14の布線が終了したら、電線布線キャリッジ16
の後退移動及び電線送出モータ74の回転を停止する。
次に、電線把持手段194における圧接治具138用の
クランプレバー198をレバー直線駆動源200により
前進させ、その前進終了後、レバー押下げ駆動部202
により押し下げて、圧接治具138の下型治具144に
布線される全電線A1乃至A14を該下型治具144の
クランプ受台160に把持する。
【0133】なお、圧接治具138用の該クランプレバ
ー198を前進終了後、レバー押下げ駆動部202によ
り押し下げる際にも、前記したように、前進した該レバ
ー198の先端がレバー把持ブロック222の下部に円
滑に挿入されるように、レバー押下げ駆動部202の流
体圧シリンダ218を一旦往動操作してレバー把持ブロ
ック222を上昇させてから元の復動操作状態に戻す動
作を行うものである。
【0134】次に、電線布線キャリッジ16を、図65
に示すように、第2圧接機構部14に向けて中速で後退
移動させると共に、電線送出モータ74により、電線送
出ロール64を同期回転させて、全電線A1乃至A14
を、電線布線キャリッジ16が後退移動した距離に相当
する長さだけ送出させる。そして、電線布線キャリッジ
16が第2圧接機構部14の圧接治具140の計尺布線
位置(図65の位置)まで後退移動したとき、その後退
移動及び電線送出モータ74の回転を停止する。これに
より、第1圧接機構部12における圧接治具138の下
型治具144と第2圧接機構部14における圧接治具1
38の下型治具144間に電線A1乃至A14を布線す
る(図52参照)。
【0135】次に、電線布線キャリッジ16を圧接治具
140の前記計尺布線位置に停止させた状態で、電線供
給部10から電線A1乃至A14を所定の速度で供給す
ると共に、これに同期して電線布線キャリッジ16の電
線送出モータ74を起動し、電線送出ロール64を回転
させる。そして、該ロール64と補助押えロール64と
の間に把持した電線A1乃至A14を、ロータリーエン
コーダ81で送出長を計尺しながら、第1圧接機構部1
2の圧接治具138に向けて、電線A1乃至A14の供
給速度に等しい送出速度で送出させる。これにより、図
66、52に示すように、圧接治具138と圧接治具1
40の下型治具144間に布線される電線A1乃至A1
4を所定の長さ弛ませる。そして、製造されるワイヤー
ハーネスW1を構成する4本の電線A1乃至A4の長さ
が所定の仕様長さ(両端に接続されるコネクタ148部
分を除く)に達したとき、これをロータリーエンコーダ
81で検出し、その指令で電線送出モータ74の回転及
び電線供給部10からの電線供給を停止する。
【0136】次に、電線布線キャリッジ16が圧接治具
140の前記計尺布線位置で停止状態にあるとき、これ
まで電線ロック用シリンダ92の復動操作で電線A1乃
至A4の固定を解除している電線A1乃至A4の4個の
電線ロック用シリンダ92を往動操作して、電線A1乃
至A4を固定するとほぼ同時に、電線A5乃至A14を
把持している4個の電線送出用シリンダ86を復動操作
して電線A1乃至A4の把持を開放する。一方、電線A
5乃至A14は電線送出用シリンダ86の往動操作によ
り、電線送出ロール64、補助押えロール66間に把持
された状態に置かれる。
【0137】このような状態で、電線A5乃至A14を
前記と同じ所定の速度で再供給すると共に、これに同期
して再度電線布線キャリッジ16の電線送出モータ74
を再起動して電線送出ロール64を再度回転させる。そ
して、該ロール64と補助押えロール64との間に把持
した電線A5乃至A14を、ロータリーエンコーダ81
で送出長を計尺しながら、第1圧接機構部12の圧接治
具138に向けて、電線A5乃至A14の供給速度に等
しい送出速度で送出させる。これにより、図67、52
に示すように、圧接治具138と圧接治具140の下型
治具144間に布線される電線A5乃至A14を電線A
1乃至A4よりも更に所定の長さ弛ませる。そして、製
造されるワイヤーハーネスW2を構成する5本の電線A
5乃至A9の長さが所定の仕様長さ(両端に接続される
コネクタ148部分を除く)に達したとき、これをロー
タリーエンコーダ81で検出し、その指令で電線送出モ
ータ74の回転及び電線供給部10からの電線供給を停
止する。
【0138】更に、電線布線キャリッジ16が同様に圧
接治具140の前記計尺布線位置で停止状態にあると
き、電線A5乃至A9の固定を解除している5個の電線
ロック用シリンダ92を再度往動操作して再固定すると
ほぼ同時に、電線A5乃至A9を把持している5個の電
線送出用シリンダ86を再度復動操作して電線A5乃至
A9の把持を開放する。
【0139】このような状態で、電線A10乃至A14
を前記と同じ所定の速度で再供給すると共に、これに同
期して再度電線布線キャリッジ16の電線送出モータ7
4を再起動して電線送出ロール64を再度回転させる。
そして、該ロール64と補助押えロール64との間に把
持した電線A10乃至A14を、ロータリーエンコーダ
81で送出長を計尺しながら、第1圧接機構部12の圧
接治具138に向けて、電線A10乃至A14の供給速
度に等しい送出速度で送出させる。これにより、図6
8、52に示すように、圧接治具138と圧接治具14
0の下型治具144間に布線される電線A10乃至A1
4を電線A1乃至A9よりも更に所定の長さ弛ませる。
そして、製造されるワイヤーハーネスW3を構成する5
本の電線A10乃至A14の長さが所定の仕様長さ(両
端に接続されるコネクタ148部分を除く)に達したと
き、これをロータリーエンコーダ81で検出し、その指
令で電線送出モータ74の回転及び電線供給部10から
の電線供給を停止する。
【0140】次に、前記電線布線キャリッジ16の電線
送出モータ74の回転停止後、該キャリッジ16の電線
A1乃至A9の把持を開放している9個の電線送出用シ
リンダ86を往動操作して、これら電線A1乃至A9を
把持するとほぼ同時に、これら電線A1乃至A9を固定
している9個の電線ロック用シリンダ92を復動操作し
て、これら電線A1乃至A9の固定を解除する。なお、
電線A10乃至A14は、電線送出用シリンダ86によ
り把持された状態にある。次に、電線布線キャリッジ1
6を、前記計尺布線位置から第2圧接機構部14におけ
る圧接治具140の布線開始位置(図69の位置)に向
けて低速で後退移動させると共に、電線送出モータ74
により、14本の電線A1乃至A14を、該キャリッジ
16が後退移動した距離に相当する長さだけ、圧接治具
140の下型治具144に向けて送出させる。
【0141】このようにして、14本の電線A1乃至A
14を圧接治具140の下型治具144に向けて布線し
て行き、電線布線キャリッジ16が圧接治具140の前
記布線開始位置まで後退移動し、図69に示すように、
電線A1乃至A14が圧接治具140の下型治具144
のクランプ受台160の上まで布線されたら、電線布線
キャリッジ16の後退移動及び電線送出モータ74の回
転を停止する。次に、電線把持手段196における圧接
治具140用のクランプレバー198をレバー直線駆動
源200の往動操作により前進させ、前進終了後、レバ
ー押下げ駆動部202の流体圧シリンダ218の復動操
作でクランプレバー198を押し下げ、圧接治具140
の下型治具144に布線される14本の電線A1乃至A
14を該下型治具144のクランプ受台160に把持す
る。
【0142】次に、前記電線A1乃至A14を電線把持
手段196により前記下型治具144のクランプ受台1
60に把持した状態で、電線布線キャリッジ16を、図
70に示すように、第2圧接機構部14の圧接治具14
2に向けて低速で後退移動させると共に、電線送出モー
タ74により、14本の電線A1乃至A14を、該キャ
リッジ16の後退移動した距離に相当する長さだけ圧接
治具140の下型治具144に向けて送出させる。この
ようにして、14本の電線A1乃至A14を圧接治具1
40の下型治具144に布線して行く。そして、図70
に示すように、電線A1乃至A14の布線が終了した
ら、電線布線キャリッジ16の後退移動及び電線送出モ
ータ74の回転を停止する。
【0143】また、この電線布線キャリッジ16の後退
移動及び電線送出モータ74の回転停止とほぼ同時に、
図12に示す電線切断用受台124を受台スライド用シ
リンダ132を往動操作して、図13に示すように、圧
接治具140の下型治具144側に接近移動させる。一
方、カッター機構108のカッター刃118は、前記電
線把持手段196における圧接治具140用のクランプ
レバー198をレバー直線駆動源200の往動操作によ
り前進させるときに、予め、切断位置切替用シリンダ1
20の往動操作により、図11の左方向へ前進させ、電
線A1乃至A4の後端部を同時に切断し得る位置に切り
替えておく。
【0144】そして、前記電線切断用受台124の移動
終了と同時に、カッター機構108の電線切断用シリン
ダ116の往動操作によりカッター刃118を下降さ
せ、圧接治具140の下型治具144に布線される電線
A1乃至A14のうち、電線A1乃至A4の後端部を切
断し、切断終了後、電線切断用シリンダ116の復動操
作により、カッター刃118を上昇させ、元の待機位置
まで退避させる。また、受台スライド用シリンダ132
の復動操作により、電線切断用受台124を圧接治具1
40の下型治具144から圧接治具142側へ移動させ
て元の待機状態に戻す。更に、このようにして、図52
に示すように、ワイヤーハーネスW1を構成する電線A
1乃至A4の布線を終了する。
【0145】次に、図70の位置にある電線布線キャリ
ッジ16において、電線A1乃至A4の固定を解除して
いる4個の電線ロック用シリンダ92を往動操作して電
線A1乃至A4を固定するとほぼ同時に、電線A1乃至
A4を把持している4個の電線送出用シリンダ86を復
動操作して、電線A1乃至A4の把持を開放する。な
お、電線A5乃至A14は10個の電線送出用シリンダ
86により把持された状態にある。
【0146】このような状態のもとで、電線布線キャリ
ッジ16を、図71に示すように、第2圧接機構部14
の圧接治具142に向けて低速で後退移動させると共
に、電線送出モータ74により、電線A5乃至A14
を、電線布線キャリッジ16が後退移動した距離に相当
する長さだけ送出させる。そして、電線布線キャリッジ
16が圧接治具142の布線開始位置(図71の位置)
まで後退移動したとき、その後退移動及び電線送出モー
タ74の回転を停止する。これにより、圧接治具14
0、142の下型治具144間に電線A5乃至A14を
布線する(図52参照)。
【0147】次に、電線把持手段196における圧接治
具142用のクランプレバー198をレバー直線駆動源
200により前進させる。その前進動作開始と同時に、
レバー押下げ駆動部202の流体圧シリンダ218を一
旦往動操作して、レバー把持ブロック222を上昇さ
せ、圧接治具140用のクランプレバー198で把持さ
れている電線A1乃至A14の把持を一旦解除する。そ
して、前進した該レバー198の先端をレバー把持ブロ
ック222の下部に挿入して、該レバー198の前進が
終了した後、流体圧シリンダ218を元の復動操作状態
に戻して、この復動操作によりレバー把持ブロック22
2を下降させ、両圧接治具140、142の該クランプ
レバー198を押し下げて、図71に示すように、10
本の電線A5乃至A14を圧接治具142の下型治具1
44のクランプ受台160に把持する。
【0148】一方、前記圧接治具142用のクランプレ
バー198の前進動作及び前記レバー押下げ駆動部20
2の流体圧シリンダ218の往復動作とほぼ同時に、前
記カッター刃118を、切断位置切替用シリンダ120
の復動操作により、図11の右方向に後退させて元の位
置に戻し、電線A5乃至A14の後端部を同時に切断し
得る位置に切り替える。
【0149】次に、前記電線A5乃至A14を電線把持
手段196により圧接治具142の下型治具144のク
ランプ受台160に把持した状態で、電線布線キャリッ
ジ16を、図72に示すように、電線供給部10(図示
せず)に向けて低速で後退移動させると共に、電線送出
モータ74により、電線A5乃至A14を、該キャリッ
ジ16の後退移動した距離に相当する長さだけ、圧接治
具142の下型治具144に向けて送出させる。このよ
うにして、電線A5乃至A14を圧接治具142の下型
治具144に布線して行く。そして、図72に示すよう
に、電線A5乃至A14の布線が終了したら、電線布線
キャリッジ16の後退移動及び電線送出モータ74の回
転を停止する。
【0150】また、この電線布線キャリッジ16の後退
移動及び電線送出モータ74の回転停止とほぼ同時に、
図12に示す電線切断用受台126を受台スライド用シ
リンダ132を再度往動操作して、図13に示すよう
に、圧接治具142の下型治具144側に接近移動させ
る。そして、前記電線切断用受台126の移動終了と同
時に、カッター機構108の電線切断用シリンダ116
の往動操作によりカッター刃118を下降させ、圧接治
具142の下型治具144に布線される電線A5乃至A
14の後端部を切断し、切断終了後、電線切断用シリン
ダ116の復動操作により、カッター刃118を上昇さ
せ、元の待機位置まで退避させる。また、電線切断用受
台124を、受台スライド用シリンダ132の復動操作
により、圧接治具142の下型治具144から電線供給
部10側へ移動させて元の待機状態に戻す。更に、この
ようにして、図52に示すように、ワイヤーハーネスW
2を構成する電線A5乃至A9及びワイヤーハーネスW
3を構成する電線A10乃至A14の各布線を終了す
る。
【0151】このようにして、第1、第2圧接機構部1
2、14の圧接治具134乃至142の下型治具144
への電線A1乃至A14の布線が終了後、電線布線キャ
リッジ16において、電線A1乃至A9の把持を開放し
ている9個の電線送出用シリンダ86を往動操作して、
電線A1乃至A9を把持するとほぼ同時に、電線A1乃
至A9を固定している9個の電線ロック用シリンダ92
を復動操作して、電線A1乃至A9の固定を解除する。
なお、電線A10乃至A14は既に把持された状態にな
っている。
【0152】次に、この電線布線キャリッジ16を、図
73に示すように、電線供給部10側、即ち、同図の右
側方向へ中速で後退移動させ、製造装置運転前の待機状
態の位置(図53の位置)まで戻す。また、電線送出モ
ータ74を逆転させて、電線A1乃至A14が予め設定
された運転開始前の頭出し長になるよう巻き戻す。この
ようにして、次にワイヤーハーネスの布線作業に備え
る。なお、次のワイヤーハーネスの布線作業を行う場
合、複数の電線Aの先端部がきちんと揃えられ、且つ、
良好な形状になっていれば、前記初期切断作業(図54
乃至57参照)を省略してもよく、この場合は、図58
に示す状態から布線作業を開始する。
【0153】前記のように、電線布線区域Cにおけるワ
イヤーハーネスW1、W2、W3の布線作業が終了した
ら、図74において、右側の電線布線区域Cに配設され
ている、第1、第2圧接機構部12、14における5個
の圧接治具134乃至142の5個の下型治具144
を、これに布線されるワイヤーハーネスW1、W2、W
3を構成する電線A1乃至A14の先後端部が電線把持
手段194、196で把持された状態で、図75に示す
ように、左側の電線圧接区域Dに配設されている前記圧
接治具134乃至142の5個の上型治具146の下方
までアクチュエータ192により同時に移動させ、各上
型治具146の真下に位置させる。
【0154】次に、各上型治具146を、図76に示す
ように、上型治具駆動手段248、250の各上型治具
回動駆動部254により、対応する各下型治具144に
対して垂直な横向き位置Fから水平な下向き位置Eまで
同時に回動させ、上型治具146のコネクタ治具232
に配置されているコネクタ148を下型治具144の圧
接ガイド158の電線ガイド154に対向させ、電線圧
接作業に備える。
【0155】次に、前記各上型治具146を、図77に
示すように、上型治具駆動手段248、250の各上型
治具昇降駆動部256により電線圧接作業位置まで同時
に下降させ、対応する下型治具144と嵌合して組み合
わせると共に、浮き防止ロック部258により各上型治
具146が電線圧接時等の際、上方へ浮き上がるのを防
止する。その後、電線把持手段194、196(図示省
略)のレバー把持ブロック222を上昇させ、クランプ
レバー198を後退移動させて電線A1乃至A14の把
持を開放する。
【0156】次に、図78、49に示すように、各下型
治具144の圧接刃156を、圧接ブロック体164を
介して下型治具昇降手段300、302により同時に押
し上げて、各上型治具146のコネクタ治具232に配
置されているコネクタ148の複数の圧接端子150の
キャビティ151に挿入し、前記電線A1乃至A14の
先端部及び後端部を前記圧接端子150のキャビティ1
51に圧入し、キャビティ内壁に内向きに突設された複
数の食込み刃152と電気的に接続する。また、図5
0、51に示すように、各下型治具144の圧接刃15
6に隣接して配設されている、電線A1乃至A14の絶
縁被覆物押圧把持用の押圧絶縁把持刃168も、下型治
具昇降手段300、302により押し上げ移動させ、そ
の凹凸溝168Aをコネクタ148の圧接端子150の
絶縁把持片153に押し付けて押圧し、該端子150の
絶縁把持片153を折り曲げて前記電線A1乃至A14
の絶縁被覆物の外周面に食い込ませ、前記電線A1乃至
A14の先端部及び後端部の絶縁被覆物を押圧把持す
る。
【0157】次に、ワイヤーハーネスを構成する前記電
線A1乃至A14の各先後端部に圧接端子150を圧接
した後、図79に示すように、各下型治具144の圧接
刃156及び押圧絶縁把持刃168を下型治具昇降手段
300、302により同時に下降させ、元の待機状態の
位置に戻す。また、上型治具駆動手段248、250の
各浮き防止ロック部258を非作動状態に戻して各上型
治具146の浮き防止ロックを解除し、各上型治具昇降
駆動部256により、各上型治具146を同時に電線非
圧接退避位置(待機状態位置)まで上昇させ、5個の圧
接治具134乃至142の下型治具144と上型治具1
46を上下方向に分離する。
【0158】更に、各上型治具146を、図80に示す
ように、上型治具駆動手段248、250の各上型治具
回動駆動部254により、対応する各下型治具144に
対向する水平な下向き位置Eから元の垂直な横向き位置
Fに同時に回動させてその位置に保持する。この位置で
本装置で製造された3本のワイヤーハーネスW1、W
2、W3が後記のようにやがて取り出される。
【0159】次に、圧接治具134乃至142の各上型
治具146を同時に元の垂直な横向き位置Fに回動させ
てその位置に保持した後、図81に示すように、対応す
る各下型治具144を、アクチュエータ192により、
同時に電線圧接区域Dから電線布線区域Cに向けて移動
させて戻し、所定の電線布線位置に保持し、次の電線布
線作業に備える。
【0160】また、前記垂直な横向き位置Fに保持され
た各圧接治具134乃至142の上型治具146に収納
され、圧接端子150に電線A1乃至A14の先後端部
が圧接された各コネクタ148を、コネクタ治具232
に枢着されたコネクタ取出しレバー246を操作して、
コネクタ治具232から離脱させて取り出す。このよう
にして、3本の長さが異なるワイヤーハーネス、即ち、
電線A1乃至A4の先後端部に圧接端子150を圧接し
て形成されるワイヤーハーネスW1、また、電線A1乃
至A4とは長さが異なる電線A5乃至A9の先後端部に
圧接端子150を圧接して形成されるワイヤーハーネス
W2、更に、電線A1乃至A9とは長さが異なる電線A
10乃至A14の先後端部に圧接端子150を圧接して
形成されるワイヤーハーネスW3を1圧接サイクルで製
造する。
【0161】本発明の製造装置で製造することができる
ワイヤーハーネスは前記3本のワイヤーハーネスW1、
W2、W3だけに限定されるものではなく、仕様に応じ
て増減変更することができる。また、各ワイヤーハーネ
スを構成する電線Aの本数についても同様である。ま
た、第1圧接機構部12側の圧接治具は3個の圧接治具
134、136、138だけに限定されるものではな
く、必要に応じて増減変更することができる。第2圧接
機構部14側の圧接治具についても同様で、2個の圧接
治具140、142に限定されるものではなく、必要に
応じて増減変更することができるものである。
【0162】更に、本発明の前記実施形態では、前記第
1、第2圧接機構部12、14における圧接治具134
乃至142の上型治具146が複数の圧接端子150を
有するコネクタ148が配置され、下型治具144が前
記コネクタ148の圧接端子150のキャビティ151
に電線Aの先端部及び後端部を案内する複数の電線ガイ
ド154と、これら電線ガイド154間に昇降自在に収
納され、前記圧接端子150のキャビティ151に電線
Aの先端部及び後端部を圧入してこれらを前記圧接端子
150に圧接する複数の圧接刃156とを備える構成に
なっているが、このような構成とは反対に、前記圧接治
具134乃至142の上型治具146が複数の電線ガイ
ド154と圧接刃156を備え、下型治具144が複数
の圧接端子150を有するコネクタ148が配置される
ような構成にしてもよい。
【0163】この場合には、下型治具144のコネクタ
148における複数の圧接端子150のキャビティ15
1内に布線される複数の電線Aの先端部及び後端部を電
線把持手段194、196で把持した下型治具144と
上型治具146とを合わせた後、上型治具146の圧接
刃156を押し下げ移動させて電線Aの先端部及び後端
部を下型治具144のコネクタ148の複数の圧接端子
150に圧接する。
【0164】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るワイ
ヤーハーネスの製造装置によると、供給される電線が第
1圧接機構部と第2圧接機構部との間で所定の長さ弛む
ように、少なくとも第1圧接機構部と第2圧接機構部と
の間で往復移動自在に配設され、電線供給部から供給さ
れる複数の電線を整列しながら1本又は複数の電線毎に
独立して送出させる電線布線キャリッジを用いて布線を
行うので、第1圧接機構部から第2圧接機構部にわたっ
て複数の電線をこれら圧接機構部間で所定長さ弛ませな
がら布線することが可能になる。従って、これら圧接機
構部間の距離を短くすることが可能になって製造装置全
体を小型化することができ、また、広い占有面積を必要
としなくなり、製造装置を製作する設備費用を低減する
ことができる。更に、1本又は複数の電線毎に所定長さ
それぞれ独立して弛ませることができることから、複数
の異なる長さのワイヤーハーネスを一回の圧接サイクル
の中で能率よく製造することが可能となる。従って、ワ
イヤーハーネスの生産性が向上して、その製造コストを
引き下げることができる。
【0165】また前記電線布線キャリッジが前記電線ガ
イド部材を備えていると、複数の電線を前記第1圧接機
構部及び第2圧接機構部の所定部位に確実に布線するこ
とができ、布線作業の能率が向上するので好ましい。
【0166】また、前記電線布線キャリッジの電線送出
手段が、前記電線送出ロール、補助押えロール、送出ロ
ール駆動部、押えロール駆動部、電線ロック機構とを備
えていると、選択された電線を第1圧接機構部及び第2
圧接機構部の所定部位により正確に位置させることがで
きると共に、第1圧接機構部及び第2圧接機構部間で所
定長だけ更に正確に弛ませて布線することができるので
好ましい。
【0167】また、前記電線布線キャリッジが前記カッ
ター機構を備え、電線布線キャリッジの移動に伴って移
動する構造になっていると、切断される電線の近傍にカ
ッター機構を配置することが可能になって、第1圧接機
構部及び第2圧接機構部に布線される電線の先端部及び
後端部をより迅速に切断することができ、また、所定部
位でより正確に切断することができ、切断作業能率及び
切断精度が更に向上する。更に、カッター機構が固定式
の場合、電線布線キャリッジの往復移動を阻害しないよ
うにするため、カッター機構の取付構造が複雑になる
が、このように移動式の場合、カッター機構の取付構造
がより簡単になるので好ましい。
【0168】また、前記第1圧接機構部及び第2圧接機
構部の圧接治具が圧接刃を備えた下型治具とコネクタが
配置された上型治具とを着脱自在に組み合わせて構成さ
れ、下型治具が電線の布線経路上の電線布線区域と布線
経路に沿った方向と直交する横方向へ所定距離離間した
電線圧接区域との間を往復移動自在に配設され、上型治
具が電線圧接区域に回動及び昇降自在に配設される構成
になっていると、電線の布線作業と圧接作業を分離させ
て行うことができるので、各作業をより精度よく確実に
行うことができて作業ミス(失敗)がより減少し、ワイ
ヤーハーネスの製造歩留まりがより向上する。更に、本
製造装置でコネクタの圧接端子に電線を圧接させたワイ
ヤーハーネスを圧接治具からより迅速、且つ、容易に取
り出すことができ、作業性がより向上するので好まし
い。
【0169】更に、前記電線把持手段がクランプレバー
を電線を横切るように直線的に移動させると共に、基部
を支点として揺動させながらて押し下げて電線を把持す
るような構成になっていると、複数の電線が屈曲、変形
等していてもより確実に把持することができ、電線の圧
接作業が容易になるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤーハーネスの製造装置の一
実施形態を示すもので、第1、第2圧接機構部の一部を
省略した概略正面図である。
【図2】図1における電線供給部の電線供給機構を拡大
して示す斜視図である。
【図3】図2の電線供給部において、電線の制御用ダン
サーの状態を示すもので、(a)は電線供給の待機中に
おける制御用ダンサーの配置状態、(b)は電線供給中
における制御用ダンサーの配置状態の拡大説明図であ
る。
【図4】図2の電線供給部において、電線の制御用ダン
サーの動作状態を示すもので、(a)は供給される電線
が無くなる等した場合の制御用ダンサーの配置状態、
(b)は供給される電線が絡まってもつれる等した場合
の制御用ダンサーの配置状態の拡大説明図である。
【図5】図1における電線布線キャリッジ、第1圧接機
構部及び第2圧接機構部の配設状態を示す斜視図であ
る。
【図6】図1、5における電線布線キャリッジの全体構
成を示す斜視図である。
【図7】図6の電線布線キャリッジの構成部品を分解し
て示す分解斜視図である。
【図8】図6の電線布線キャリッにおける電線送出手段
の主要構成を示す斜視図である。
【図9】図6の電線布線キャリッジを少なくとも第1圧
接機構部と第2圧接機構部との間で往復移動自在に配設
する状態を示す分解斜視図である。
【図10】図6の電線布線キャリッジに配設されるカッ
ター機構を示す概略正面図である。
【図11】図10に示すカッター機構の概略側面図であ
る。
【図12】図5における第2圧接機構部に布線される電
線の後端部を切断する際、カッター機構と併用する電線
切断用受台が待機状態にあるときの斜視図である。
【図13】図12の電線切断用受台が作動状態にあると
きの斜視図である。
【図14】図5における第1、第2圧接機構部の圧接治
具の構成を示す断面図である。
【図15】図14の圧接治具において、下型治具と上型
治具を組み合わせた後、コネクタの圧接端子に電線を圧
接する前の待機状態を示す拡大断面図である。
【図16】図14の圧接治具の下型治具を示す正面図で
ある。
【図17】図16の下型治具の右側面図である。
【図18】図16の下型治具の平面図である。
【図19】図16の下型治具の背面図である。
【図20】図16の下型治具のG−G線矢視断面図であ
る。
【図21】図18の下型治具のH−H線矢視断面図であ
る。
【図22】図18の下型治具のJ−J線矢視断面図であ
る。
【図23】図16の下型治具の分解斜視図である。
【図24】図16の下型治具が電線を圧接する前の待機
状態にあるとき、圧接刃側から見た状態の斜視図であ
る。
【図25】図16の下型治具が電線を圧接する前の待機
状態にあるとき、押圧絶縁把持刃側から見た状態の斜視
図である。
【図26】図16の下型治具が電線を圧接している状態
にあるとき、圧接刃側から見た状態の斜視図である。
【図27】図16の下型治具が電線を圧接している状態
にあるとき、押圧絶縁把持刃側から見た状態の斜視図で
ある。
【図28】図5の第1圧接機構部における圧接治具の下
型治具の配設状態を示す平面図である。
【図29】図5の第2圧接機構部における圧接治具の下
型治具の配設状態を示す平面図である。
【図30】図5の第1圧接機構部における電線把持手段
の概要を示す正面図である。
【図31】図30の電線把持手段の左側面図である。
【図32】図30の電線把持手段におけるレバー押下げ
駆動部の平面図である。
【図33】図30の電線把持手段の主要構成を示す分解
斜視図である。
【図34】図30の電線把持手段において、電線を把持
しない待機状態を示す斜視図である。
【図35】図30の電線把持手段において、電線を把持
した状態を示す斜視図である。
【図36】図5の第1、第2圧接機構部を背面から見た
場合に、各機構部の圧接治具の上型治具が上型治具駆動
手段により垂直な横向き位置に配設される状態を示す概
略図である。
【図37】図36における第1圧接機構部側の圧接治具
の上型治具を示す斜視図である。
【図38】図37の上型治具の分解斜視図である。
【図39】図37の上型治具において、コネクタ治具か
らコネクタを取り出す状態を示す斜視図である。
【図40】図36における第2圧接機構部側の圧接治具
の上型治具において、コネクタ治具を示す斜視図であ
り、(a)はコネクタ治具にコネクタが配置されている
状態のもの、(b)コネクタ治具からコネクタを取り出
す状態のものである。
【図41】図36における第1圧接機構部側の圧接治具
の上型治具を昇降及び回動させる上型治具駆動手段の正
面図である。
【図42】図41の上型治具駆動手段の左側面図であ
る。
【図43】図41、42に示す上型治具駆動手段の分解
斜視図である。
【図44】図41乃至43に示す上型治具駆動手段が電
線圧接作業の待機状態にあるときの斜視図である。
【図45】図44の待機状態にある上型治具駆動手段に
おいて、上型治具回動部の上型治具取付用ベースが、電
線圧接作業のために、垂直な横向き位置から下型治具に
対向する水平な下向き位置に回動した状態の斜視図であ
る。
【図46】図45の状態にある上型治具駆動手段におい
て、上型治具回動部及び上型治具回動駆動部が、電線圧
接作業位置まで下降した状態の斜視図である。
【図47】図5、14における圧接治具の下型治具の圧
接刃を押し上げ移動させる下型治具昇降手段が待機状態
にあるときの断面図である。
【図48】図47に示す下型治具昇降手段が電線圧接作
業のために作動状態にあるときの断面図である。
【図49】図14の圧接治具において、下型治具と上型
治具を組み合わせた後、コネクタの圧接端子に電線を圧
接した状態を示す拡大断面図である。
【図50】図14の圧接治具において、下型治具と上型
治具を組み合わせた後、コネクタの圧接端子に押圧絶縁
把持刃を押圧する前の待機状態を示す拡大断面図であ
る。
【図51】図14の圧接治具において、下型治具と上型
治具を組み合わせた後、コネクタの圧接端子に押圧絶縁
把持刃を押圧し、電線の絶縁被覆物を押圧把持した状態
を示す拡大断面図である。
【図52】本発明の装置を用いてワイヤーハーネスを製
造する場合に、第1、第2圧接機構部の圧接治具の各下
型治具間に複数の電線を布線した状態を示すもので、
(a)は平面略図、(b)は正面略図である。
【図53】本発明の装置を用いてワイヤーハーネスを製
造するにあたり、第1、第2圧接機構部に電線を布線す
る前の待機状態を示す概略図である。
【図54】電線布線キャリッジを図53の状態から電線
先端部の初期切断位置まで移動させる状態を示す概略図
である。
【図55】電線布線キャリッジが図54の位置まで移動
した後、電線布線キャリッジの電線送出モータを起動し
て電線を所定長さ送出させ、電線の先端部の切断前の頭
出しを行う状態を示す概略図である。
【図56】図55の状態からカッター機構のカッター刃
で電線の先端部を揃えて初期切断している状態を示す概
略図である。
【図57】図56において、電線の初期切断終了後、電
線布線キャリッジを装置運転開始前の位置まで後退させ
る状態を示す概略図である。
【図58】電線布線キャリッジが図57の状態から装置
運転前の待機位置まで後退した状態を示す概略図であ
る。
【図59】図58において、待機状態にある電線布線キ
ャリッジが布線のために第1圧接機構部側の所定布線位
置まで移動した状態を示す概略図である。
【図60】図59の電線布線キャリッジを後退移動させ
て圧接治具134の下型治具に電線A1乃至A4を布
線、把持する状態を示す概略図である。
【図61】図60の電線布線キャリッジを圧接治具13
6の布線開始位置まで後退移動させ、圧接治具134、
136の下型治具間に電線A1乃至A4を布線する状態
を示す概略図である。
【図62】図61の電線布線キャリッジを後退移動させ
て、圧接治具136の下型治具に電線A1乃至A9を布
線、把持する状態を示す概略図である。
【図63】図62の電線布線キャリッジを圧接治具13
8の布線開始位置まで後退移動させ、圧接治具136、
138間に電線A1乃至A9を布線した状態を示す概略
図である。
【図64】図63の電線布線キャリッジを後退移動させ
て圧接治具138の下型治具に電線A1乃至A14を布
線、把持する状態を示す概略図である。
【図65】図64の電線布線キャリッジを圧接治具14
0の布線開始位置まで後退移動させ、圧接治具138、
140の下型治具間に電線A1乃至A14を布線する状
態を示す概略図である。
【図66】図65の状態において、圧接治具138、1
40の下型治具間で電線A1乃至A14を所定長さ弛ま
せて計尺布線している状態を示す概略図である。
【図67】図66の状態において、圧接治具138、1
40の下型治具間で電線A5乃至A14を電線A1乃至
A4よりも更に所定長さ弛ませて計尺布線している状態
を示す概略図である。
【図68】図67の状態において、圧接治具138、1
40の下型治具間で電線A10乃至A14を電線A1乃
至A9よりも更に所定長さ弛ませて計尺布線している状
態を示す概略図である。
【図69】図68の電線布線キャリッジを圧接治具14
0の布線開始位置まで後退移動させ、電線A1乃至A1
4を該圧接治具の下型治具のクランプ受台まで布線して
これに把持する状態を示す概略図である。
【図70】図69の電線布線キャリッジを後退移動させ
て圧接治具140の下型治具に電線A1乃至A14を布
線し、更に電線A1乃至4の後端部を切断する状態を示
す概略図である。
【図71】図70の電線布線キャリッジを後退移動させ
て、圧接治具140、142の下型治具間に電線A5乃
至A14を布線し、これを圧接治具142の下型治具の
クランプ受台に把持する状態を示す概略図である。
【図72】図71の電線布線キャリッジを後退移動させ
て、圧接治具142の下型治具に電線A5乃至A14を
布線し、この後端部を切断する状態を示す概略図であ
る。
【図73】図72の電線布線キャリッジを電線供給部側
に後退移動させ、次のワイヤーハーネスの布線作業のた
めに製造装置運転前の待機状態の位置まで戻す状態を示
す概略図である。
【図74】図52のように、第1、第2圧接機構部の各
圧接治具の下型治具間に布線される電線A1乃至A14
の先後端部を、コネクタの圧接端子に圧接する前の待機
状態を示す概略図である。
【図75】図74の圧接治具の下型治具を電線布線区域
Cから電線圧接区域Dまで移動させる状態を示す概略図
である。
【図76】図75の各上型治具を対応する下型治具に対
して垂直な横向き位置から水平な下向き位置まで回動さ
せる状態を示す概略図である。
【図77】図76の状態の各上型治具を電線圧接作業位
置まで下降させ、各下型治具と嵌合して組み合わせ、電
線把持手段の把持を開放した状態を示す概略図である。
【図78】図77の状態から下型治具の圧接刃を押し上
げて、上型治具に収納されているコネクタの圧接端子に
電線の先端部及び後端部を圧接する状態を示す概略図で
ある。
【図79】図78の下型治具の圧接刃及び押圧絶縁把持
刃を下降させ、浮き防止ロックを解除し、上型治具を電
線非圧接退避位置まで上昇させ、各圧接治具の下型治具
と上型治具を分離した状態を示す概略図である。
【図80】図79の各上型治具を対応する各下型治具に
対向する水平な下向き位置から垂直な横向き位置に回動
させて戻す状態を示す概略図である。
【図81】図80の各圧接治具の下型治具を電線圧接区
域Dから電線布線区域Cの所定位置まで戻す状態を示す
概略図である。
【符号の説明】
A 電線 A1乃至A14 電線 B 電線コイル B1乃至B14 電線コイル C 電線布線区域 D 電線圧接区域 E 上型治具の水平な下向き位置 F 上型治具の垂直な横向き位置 W1 ワイヤーハーネス W2 ワイヤーハーネス W3 ワイヤーハーネス 10 電線供給部 12 第1圧接機構部 14 第2圧接機構部 16 電線布線キャリッジ 18 機枠 20 電線供給機構 22 電線ストレートナー 24 制御用ダンサー 24A スイッチ作動片 26 電線供給ロール 28 押付ロール 29 電線供給モータ 30 ベルトプーリ 31 タイミングベルト 32 動力伝動系統 34 電線供給レバー 36 支点軸 38 レバー回動用シリンダ 38A ピストンロッド 40 スライドレール 42 スイッチ作動ブロック 44 ストッパ 46 リミットスイッチ 48 リミットスイッチ 50 リミットスイッチ 52 ガイドロール 54 電線ガイド部材 56 電線送出手段 58 移動フレーム 60 側壁板 62 ガイドベース 64 電線送出ロール 66 補助押えロール 68 送出ロール駆動部 70 押えロール駆動部 72 電線ロック機構 73 ブラケット 74 電線送出モータ 76 ベルトプーリ 78 タイミングベルト 80 動力伝動系統 81 ロータリーエンコーダ 82 レバー支点軸 84 電線送出レバー 86 電線送出用シリンダ 86A ピストンロッド 88 ブラケット 89 引張コイルばね 90 電線挿入ガイド 90A 電線ガイド溝 92 電線ロック用シリンダ 92A ピストンロッド 94 L型ブラケット 96 取付ベース 97 高さ調整ボルト 98 機枠 100 支柱 102 天井取付板 103 連結部材 104 アクチュエータ 106 移動ブロック体 108 カッター機構 110 取付板 112 リニアガイドレール 114 ハウジング 116 電線切断用シリンダ 116A ピストンロッド 118 カッター刃 120 切断位置切替用シリンダ 120A ピストンロッド 122 電線切断用受台 122A 刃先逃げ溝 124 電線切断用受台 124A 刃先逃げ溝 126 電線切断用受台 126A 刃先逃げ溝 128 連結片 130 連結片 131 ブラケット 132 受台スライド用シリンダ 132A ピストンロッド 134 圧接治具 136 圧接治具 138 圧接治具 140 圧接治具 142 圧接治具 144 下型治具 146 上型治具 148 コネクタ 150 圧接端子 151 キャビティ 152 食込み刃 153 絶縁把持片 154 電線ガイド 155 ガイド溝 156 圧接刃 158 圧接ガイド 160 クランプ受台 162 ガイド孔 164 圧接ブロック体 164A 胴幹部 164B 鍔部 166 押えカバー 168 押圧絶縁把持刃 168A 凹凸溝 170 押えカバー 172 ガイドピンボルト 172A 先端ねじ部 174 ガイド孔 176 ガイドピン 178 段付孔 180 ワッシャ 182 スリーブ 184 コイルスプリング 186 移動テーブル 188 基板 190 リニアガイドレール 192 アクチュエータ 194 電線把持手段 196 電線把持手段 198 クランプレバー 200 レバー直線駆動源 202 レバー押下げ駆動部 204 クランププレート 206 往復移動体 208 支点ブロック 210 支点軸 211 ばね 212 シリンダ用ブラケット 214 支持ベース 216 L型ブラケット 218 流体圧シリンダ 218A ピストンロッド 220 連結プレート 220A 胴幹部 220B 鍔部 221 止めねじ 222 レバー把持ブロック 222A L型面取り部 224 ガイドピン 226 ガイドピンボルト 228 支柱 230 天井ベース 232 コネクタ治具 232A 収納溝 232B 短辺側側壁 232C スリット 232D 長辺側側壁 234 コネクタ治具ホルダ 234A 収納溝 236 ホルダーベース 238 角状ボス 240 ガイド孔 242 位置決めガイドピン 244 支点ピン 246 コネクタ取出しレバー 246A 押上作動部 246B 操作ハンド部 248 上型治具駆動手段 250 上型治具駆動手段 252 上型治具回動部 254 上型治具回動駆動部 256 上型治具昇降駆動部 258 浮き防止ロック部 260 昇降ベース 262 支点ブロック 264 上型治具取付用ベース 266 連結支点シャフト 268 支点サイドプレート 270 管状スペーサ 272 L型ブラケット 273 コ字状治具 274 上型治具回動用シリンダ 274A ピストンロッド 276 シャフト回動レバー 278 レバー取付具 280 上型治具昇降用シリンダ 280A ピストンロッド 282 ナット 284 浮き防止ブロック 284A スロープ 286 リニアガイドシャフト 288 リニアガイド用スリーブ 290 浮き防止ロック用フレーム 290A 貫通穴 290B 天井部 292 スライドガイド 294 浮き防止ロックスライド 294A スロープ 296 L型ブラケット 298 浮き防止用シリンダ 298A ピストンロッド 300 下型治具昇降手段 302 下型治具昇降手段 304 圧接刃押上用ブロック 306 昇降スライドフレーム 308 圧接刃押上用シリンダ 308A ピストンロッド 308B 基部突段部 310 リニアガイドシャフト 311 管状スライドブッシュ 312 支柱 313 軸受 314 ガイドシャフト取付ベース 316 シリンダ取付ベース 318 鍔付管状取付具 320 ロックピン 322 管状スペーサ 324 コイルスプリング
フロントページの続き (72)発明者 宿谷 隆 滋賀県犬上郡甲良町尼子1000番地 古河オ ートモーティブパーツ株式会社内 Fターム(参考) 5E012 AA12 5E051 JA02 JB03 JB04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線供給部から遠い側に配設されて電線
    供給部から供給される複数の電線の先端部を把持しなが
    らコネクタの圧接端子に圧接する第1圧接機構部と、第
    1圧接機構部よりも電線供給部に近い側に第1圧接機構
    部から離間して配設されて電線供給部から供給される複
    数の電線の後端部を把持しながらコネクタの圧接端子に
    圧接する第2圧接機構部と、電線供給部から供給される
    複数の電線を第1圧接機構部から第2圧接機構部にわた
    って布線する際、供給される電線が第1圧接機構部と第
    2圧接機構部との間で所定の長さ弛むように、少なくと
    も第1圧接機構部と第2圧接機構部との間で往復移動自
    在に配設され、電線供給部から供給される複数の電線を
    整列しながら1本又は複数の電線毎に独立して送出させ
    る電線布線キャリッジとを備え、前記第1圧接機構部及
    び第2圧接機構部は、それぞれコネクタの圧接端子に電
    線の先端部及び後端部を圧接する圧接治具とこれに電線
    の先端部及び後端部を把持する電線把持手段とを有する
    ワイヤーハーネスの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記電線布線キャリッジは電線供給部か
    ら供給される複数の電線を整列して送出させるようにガ
    イドする電線ガイド部材と、複数の電線を1本又は複数
    の電線毎に独立して送出させる電線送出手段とを備えて
    いることを特徴とする請求項1記載のワイヤーハーネス
    の製造装置。
  3. 【請求項3】 前記電線送出手段は電線ガイド部材の電
    線供給側に回転自在に配設される電線送出ロールと、電
    線送出ロールに対向するように回転自在に設けられ、電
    線送出ロールに掛け渡される複数の電線を1本又は複数
    の電線毎に把持して電線の送出を補助する複数の補助押
    えロールと、電線送出ロールを回転させる送出ロール駆
    動部と、補助押えロールの電線送出ロールに対する押付
    けと開放を行わせる押えロール駆動部と、補助押えロー
    ルを電線送出ロールから開放するときには電線を固定
    し、電線送出ロールに押し付けて電線を把持するときに
    は電線の固定を解除する電線ロック機構とを備えている
    ことを特徴とする請求項2記載のワイヤーハーネスの製
    造装置。
  4. 【請求項4】 前記電線布線キャリッジは電線ガイド部
    材の電線送出側に配設されて布線される電線の先端部及
    び後端部を切断するカッター機構を更に備えていること
    を特徴とする請求項2又は3記載のワイヤーハーネスの
    製造装置。
  5. 【請求項5】 前記第1圧接機構部及び第2圧接機構部
    の圧接治具は下型治具と上型治具とを着脱自在に組み合
    わせて構成され、下型治具及び上型治具のいずれか一方
    の治具は複数の圧接端子を有するコネクタが配置され、
    他方の治具は前記コネクタの圧接端子のキャビティに電
    線の先端部及び後端部を案内する複数の電線ガイドと、
    これら電線ガイド間に昇降自在に収納され、前記圧接端
    子のキャビティに電線の先端部及び後端部を圧入してこ
    れらを前記圧接端子に圧接する複数の圧接刃とを備え、
    下型治具に布線される電線の先端部及び後端部を電線把
    持手段で把持して下型治具と上型治具とを合わせ、圧接
    刃を押動させて電線の先端部及び後端部を前記コネクタ
    の圧接端子に圧接するようにした請求項1記載のワイヤ
    ーハーネスの製造装置。
  6. 【請求項6】 前記圧接治具の下型治具は前記電線ガイ
    ド及び圧接刃を備え、上型治具は前記コネクタが配置さ
    れ、下型治具は第1圧接機構部から第2圧接機構部にわ
    たって布線される電線の布線経路上の電線布線区域と、
    その布線経路に沿った方向と直交する横方向へ所定距離
    離間した電線圧接区域との間を往復移動自在に配設さ
    れ、上型治具は前記電線圧接区域にあって、下型治具が
    電線圧接のために電線圧接区域まで移動したとき、下型
    治具の上方に位置するように、下型治具に対向する水平
    な下向き位置と垂直な横向き位置との間で回動自在に、
    且つ、昇降自在に配設されており、更に、前記圧接治具
    は、下型治具を電線布線区域と電線圧接区域との間で往
    復移動させるアクチュエータと、前記圧接刃を上型治具
    におけるコネクタの圧接端子に電線の先端部と後端部を
    圧接するために押し上げ移動させる下型治具昇降手段
    と、上型治具を電線圧接作業のために水平な下向き位置
    と垂直な横向き位置との間で回動させると共に昇降させ
    る上型治具駆動手段とを備えていることを特徴とする請
    求項5記載のワイヤーハーネスの製造装置。
  7. 【請求項7】 前記電線把持手段は、第1圧接機構部か
    ら第2圧接機構部にわたって布線される電線の布線経路
    に沿った方向と直交する横方向へ電線の上を横切るよう
    に往復移動自在に、且つ、基部を支点にして上下方向に
    揺動自在に配設されるクランプレバーと、そのクランプ
    レバーを前記電線の上を横切るように直線的に往復移動
    させるレバー直線駆動源と、クランプレバーの先端側に
    配設されてクランプレバーの先端を押し下げることによ
    りクランプレバーの中間で電線を押し付けて電線を把持
    するレバー押下げ駆動部とを備えていることを特徴とす
    る請求項1又は5記載のワイヤーハーネスの製造装置。
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